JPWO2009020107A1 - 有機化粘土複合体、その製造方法、及び有機化粘土複合体を含む樹脂複合体 - Google Patents

有機化粘土複合体、その製造方法、及び有機化粘土複合体を含む樹脂複合体 Download PDF

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Abstract

本発明は、層状粘土鉱物を水または水系溶媒に膨潤させた後、予め硬化性樹脂組成物を有機オニウム塩または有機オニウム塩とノニオン性界面活性剤を用いて乳化させた乳化液を添加、混合することにより前記層状粘土鉱物の層間の金属カチオンを有機オニウムイオンへカチオン交換する工程と前記層状粘土鉱物の層間への硬化性樹脂組成物の導入工程とを同時に行う有機化粘土複合体の製造方法、その方法で得られる有機化粘土複合体、及びその有機化粘土複合体を成形・硬化させてなる樹脂成形体に関する。本発明によれば、層状粘土鉱物の層間に導入する化合物が有機化粘土を分散させる基材の物性に影響を与えず、分散性の良好な層間隔の広がった有機化粘土複合体が得られる。

Description

本発明は有機化粘土複合体、その製造方法、及び複合体を成形して得られる樹脂成形体に関する。より詳しく言えば、層状粘土鉱物を水または水系溶媒に膨潤させた膨潤液中に、三次元架橋型樹脂組成物を有機オニウム塩または有機オニウム塩と界面活性剤を用いて乳化した乳化液を添加、混合することにより得られる有機化粘土複合体、その製造方法、及び前記複合体を成形して得られる樹脂成形体に関する。
層状ケイ酸塩に代表される層状粘土鉱物は、ゴム、プラスチックなどの高分子材料の剛性、機械的特性及び耐熱変形性などの物理的特性を改良する目的で、充填材または補強材として利用されている。この際、層状結晶構造を剥離、分散することにより少量の層状粘土鉱物の高分子材料への添加でも大幅な特性向上が期待できる。この層状結晶構造の剥離、分散のため、予め層状粘土鉱物の層間を広げ、マトリックスとなる組成物の層間への挿入(インターカレート)を容易にするための試みがなされている。
例えば、有機オニウム塩の種類を選択することにより、異なる有機物のインターカレートを容易にし、分散性の向上を図っている(特開平5−163014号公報;特許文献1、特開平7−187656号公報;特許文献2)。しかしながら、この有機オニウム塩によるカチオン交換法により得られる有機化粘土は、低粘度の有機物に関しては層間へのインターカレートが十分なされるが、粘度の高い有機物、例えば液状樹脂に関してはインターカレートが容易に達成されるまでの層間の広がりを持っていない。
また、層間に有機カチオンの他に、さらに有機成分を導入する方法として、カチオン開始剤、カチオン連鎖移動剤でカチオン交換を実施後に単量体、開始剤、及び乳化剤を加え重合反応を行い、複合体を製造する方法(特表2005−517054号公報(WO03066686);特許文献3)、シランカップリング剤で有機化処理を行った後特定の有機化合物を層間に導入する方法(特開平9−227778号公報;特許文献4、特開平10−259017号公報;特許文献5)が提案されている。しかしながら、前者については、複合粒子の状態での層間剥離の状態の具体的記載が見られず、後者については導入する化合物が限定される、あるいは有機化粘土を分散させる基材の物性に影響を与える懸念を生じる等の問題がある。
特開平5−163014号公報 特開平7−187656号公報 特表2005−517054号公報 特開平9−227778号公報 特開平10−259017号公報
本発明の目的は層状粘土鉱物の層間に導入する化合物が有機化粘土を分散させる基材の物性に影響を与える懸念のない、分散性の良好な層間隔の広がった有機化粘土複合体及びその製造方法、並びに有機化粘土複合体を直接成形またはマトリックス基材中に均一分散させた樹脂複合体、特に透明樹脂複合体を提供することにある。
本発明者らは前記課題について鋭意検討した結果、特定の方法により層状粘土鉱物を有機化及びマトリックス基材と複合化することにより、分散性の優れた有機化粘土複合体、及び前記有機化粘土を均一分散させた樹脂複合体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記1〜9の有機化粘土複合体の製造方法、10〜14の有機化粘土複合体及び15〜16の樹脂成形体を含む。
1.層状粘土鉱物を水または水系溶媒に膨潤させた後、当該液へ予め硬化性樹脂組成物を有機オニウム塩または有機オニウム塩とノニオン性界面活性剤を用いて乳化させた乳化液を添加、混合することにより前記層状粘土鉱物の層間の金属カチオンを有機オニウムイオンへカチオン交換する工程と前記層状粘土鉱物の層間への硬化性樹脂組成物の導入工程とを同時に行うことを特徴とする有機化粘土複合体の製造方法。
2.前記乳化液の添加、混合前に前記層状粘土鉱物の端面水酸基の有機化処理を行う前項1記載の有機化粘土複合体の製造方法.
3.前記端面水酸基の有機化処理をシランカップリング剤処理により行う前項2に記載の有機化粘土複合体の製造方法。
4.前記シランカップリング剤の使用量が、層状粘土鉱物100質量部に対し1〜150質量部である前項3記載の有機化粘土複合体の製造方法。
5.前記有機オニウム塩の使用量が、層状粘土鉱物のメチレンブルー(MB)吸着当量の60〜120%である前項1記載の有機化粘土複合体の製造方法。
6.前記層状粘土鉱物が層状ケイ酸塩である前項1記載の有機化粘土複合体の製造方法。
7.前記層状ケイ酸塩がスメクタイト、タルク、カオリナイト、及びマイカ(雲母)からなる群から選ばれる少なくとも一種である前項6に記載の有機化粘土複合体の製造方法。
8.前記層状粘土鉱物と水または水系溶媒との割合が、層状粘土鉱物と水または水系溶媒との質量の和に対して、層状粘土鉱物の質量が1〜5%である前項1に記載の有機化粘土複合体の製造方法。
9.前記層状粘土鉱物の数平均粒径が10〜300nmであり、前記硬化性樹脂組成物が、その硬化物が透明性を有するものである前項1に記載の有機化粘土複合体の製造方法。
10.前項1乃至9のいずれかに記載の製造方法により製造された有機化粘土複合体。
11.数平均粒径が10〜300nmである層状粘土鉱物の端面が有機修飾されており、かつ前記層状粘土鉱物の層間に有機オニウムイオン及び硬化性樹脂組成物を有する有機化粘土複合体。
12.前記層状粘土鉱物が層状ケイ酸塩である前項11に記載の有機化粘土複合体。
13.前記層状ケイ酸塩がスメクタイト、タルク、カオリナイト、及びマイカ(雲母)からなる群から選ばれる少なくとも一種である前項12に記載の有機化粘土複合体。
14.前記硬化性樹脂組成物がラジカル硬化性液状樹脂組成物である前項10または11記載の有機化粘土複合体。
15.前項10乃至14のいずれかに記載の有機化粘土複合体を成形し、硬化させてなる樹脂成形体。
16.前記樹脂成形体が透明フィルムまたは透明板である前項15記載の透明樹脂成形体。
本発明によれば、層状粘土鉱物の層間に導入する化合物が有機化粘土を分散させるマトリックス基材の物性に影響を与える懸念のない、分散性の良好な層間隔の広がった有機化粘土複合体、その製造方法、及び前記有機化粘土複合体を直接成形またはマトリックス基材中に均一分散させた樹脂複合体を提供することができる。
本発明により得られる有機化粘土複合体は、塗料、印刷インキ、コート材などに有利に利用され、また、数平均粒径が10〜300nmである層状粘土鉱物を使用すると、その分散性に優れた硬化物は、透明ゴム、透明プラスチックなどの高分子材料の機械的特性、透明性に関して特に優れた透明樹脂成形体を提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では、数平均粒径が10〜300nmである層状粘土鉱物を水または水系溶媒に膨潤させた液に、予め作製した硬化性樹脂組成物を有機オニウム塩または有機オニウム塩とノニオン性界面活性剤を併用した界面活性剤により乳化した液を添加・混合することにより、層状粘土鉱物の層間の金属カチオンを有機オニウムイオンに交換するカチオン交換と層状粘土鉱物の層間への硬化性樹脂組成物導入とが同時に達成された有機化複合粘土を得る。
本発明では、また、この有機化粘土複合体を硬化性樹脂組成物中に分散した流体状樹脂複合体を得ることができる。流体状樹脂複合体の例としては、塗料、印刷インキ、コート材等を挙げることができる。さらには、樹脂複合体を硬化、あるいは有機化粘土複合体を成形し硬化させて透明樹脂成形体とすることもできる。透明樹脂成形体としては後述の公知の熱硬化性樹脂組成物、光硬化性樹脂組成物の透明硬化物を挙げることができる。
[層状粘土鉱物の数平均粒径]
本発明により、有機化複合粘土を分散させた樹脂組成物として透明であるものを得たい場合には原料層状粘土鉱物の平均粒径は可視光の波長より十分小さいものである必要がある。なお、ここでいう可視光とは、波長が400〜800nmの範囲の光をいう。従って、層状粘土鉱物の数平均粒径は10〜300nmの範囲が好ましく、30〜200nmの範囲がさらに好ましい。数平均粒径が10nm以下の場合、透明性は十分確保されるが層状粘土鉱物を添加する他の目的である機械特性、例えば線膨張率が十分小さくならない傾向があり、300nmを超える場合は可視光波長と重なる粒径のものも含まれるため、透明性の点で好ましくない。
なお、ここでいう層状粘土鉱物の数平均粒径とは、溶媒中に分散させながら動的光散乱法により求めた数平均粒径を指す。
動的光散乱法による数平均粒径は、例えば「粒子径計測技術」(粉体工学会編,1994年)の第169〜179頁を参照することにより求めることができ、具体的な測定装置としては、動的光散乱式粒径分布測定装置(例えば、(株)堀場製作所製,LB−550型)を挙げることができる。前記の動的光散乱法により求めた層状粘土鉱物の数平均粒径は、本発明における樹脂層に分散された後の層状粘土鉱物の数平均粒径と実質的に同じと考えることができる。
[層状粘土鉱物]
本発明に用いられる層状粘土鉱物は、単位結晶層が互いに積み重なった層状構造を有している層状ケイ酸塩であり、層間に水を取り込んで水系溶媒に膨潤する性質を示す膨潤性層状ケイ酸塩が好ましい。層状粘土鉱物としては、モンモリロナイト、ヘクトライト、スティブンサイト、サポナイト、バイデライト等のスメクタイト、あるいはカオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、パーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石を挙げることができる。中でもスメクタイト、タルク、カオリナイト、及びマイカ(雲母)からなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、特に水膨潤性、サイズの点でスメクタイトが好ましい。
本発明による有機化複合粘土の製造方法としては、層状粘土鉱物を予め水、または水系溶媒で膨潤させ、当該液へ予め硬化性樹脂組成物を有機オニウム塩、または有機オニウム塩とノニオン性界面活性剤を用いて乳化した液を添加、混合することにより、層状粘土鉱物の層間の金属カチオンを有機オニウムイオンに交換するカチオン交換と層状粘土鉱物の層間への硬化性樹脂組成物導入とを同時に実施する。ここでいう水系溶媒とは、水と完全に混合し、かつ層状粘土鉱物を膨潤させることができる水と有機溶媒との混合溶媒であり、好ましくは、水と、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコールとの混合溶媒である。なお、当該液へ硬化性樹脂組成物のみを予め添加後カチオン交換を行おうとしても、硬化性樹脂組成物は水系溶媒には溶解しないため、均一な液を調製することはできない。また、カチオン交換後に硬化性樹脂組成物を添加する場合も均一な混合状態が得られない。そのため、所望の層間に硬化性樹脂組成物を導入した有機化粘土複合体を得ることができない。
上記硬化性樹脂組成物を乳化するために用いる有機オニウム塩としては、一般的に知られているカチオン性界面活性剤を用いることができる。例えば、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等が挙げられる。中でも炭素数6以上のアルキルアンモニウムイオン塩、芳香族4級アンモニウムイオン塩または複素環4級アンモニウムイオン塩が好適である。
前記4級アンモニウム塩としては特に限定されず、例えば、トリメチルアルキルアンモニウム塩、トリエチルアルキルアンモニウム塩、トリブチルアルキルアンモニウム塩、ジメチルジアルキルアンモニウム塩、ジブチルジアルキルアンモニウム塩、メチルベンジルジアルキルアンモニウム塩、ジベンジルジアルキルアンモニウム塩、トリアルキルメチルアンモニウム塩、トリアルキルエチルアンモニウム塩、トリアルキルブチルアンモニウム塩;ベンジルメチル{2−[2−(p−1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノオキシ)エトキシ]エチル}アンモニウムクロライド等の芳香環を有する4級アンモニウム塩;トリメチルフェニルアンモニウム等の芳香族アミン由来の4級アンモニウム塩;アルキルピリジニウム塩、イミダゾリウム塩等の複素環を有する4級アンモニウム塩;ポリエチレングリコール鎖を3つ有するアルキル4級アンモニウム塩、ポリプロピレングリコール鎖を2つ有するジアルキル4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール鎖を1つ有するトリアルキル4級アンモニウム塩、ポリプロピレングリコール鎖を1つ有するトリアルキル4級アンモニウム塩等が挙げられる。中でも、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルメチルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩、N−ポリオキシエチレン−N−ラウリル−N,N−ジメチルアンモニウム塩、ポリエチレングリコール鎖を3つ有するアルキル4級アンモニウム塩等が好適である。これらの4級アンモニウム塩は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アンモニウム塩の中でも、トリオクチルメチルアンモニウム塩またはジメチルジオクタデシルアンモニウム塩とポリオキシエチレンアルキル(C8〜C18)メチルアンモニウム塩(ポリエチレングリコール鎖を3つ有するアルキル4級アンモニウム塩)の併用が好ましい。
前記4級ホスホニウム塩としては特に限定されず、例えば、ドデシルトリフェニルホスホニウム塩、メチルトリフェニルホスホニウム塩、ラウリルトリメチルホスホニウム塩、ステアリルトリメチルホスホニウム塩、トリオクチルメチルホスホニウム塩、トリブチルドデシルホスホニウム塩、ステアリルトリブチルホスホニウム塩、トリオクチルメチルホスホニウム塩、ジステアリルジメチルホスホニウム塩、ジステアリルジベンジルホスホニウム塩等が挙げられる。これらの4級ホスホニウム塩は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ホスホニウム塩の中でもトリブチルドデシルホスホニウム塩、ステアリルトリブチルホスホニウム塩の使用が好ましい。
本発明の製造方法で乳化の際に用いるオニウム塩は層状粘土鉱物の無機カチオンとカチオン交換を行い、層間を有機化する。本発明において用いるオニウム塩の量は、層状粘土鉱物のイオン交換当量の目安であるメチレンブルー(MB)吸着当量の60〜120%が好ましく、75〜100%がより好ましい。交換当量がMB吸着当量の60%未満であると樹脂複合体中での所望の分散性能が得られず、120%を超えると過剰のオニウム塩が配合後の基材特性に悪影響を与える。
本発明では、乳化の際にノニオン系界面活性剤をオニウム塩と併用することができる。ノニオン系界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルグリコシド等が挙げられる。
層状粘土鉱物の層間にオニウム塩と硬化性樹脂組成物とを導入してなる有機化粘土複合体をマトリックス基材に分散し樹脂複合体として用いる場合には、乳化液との混合前に層状粘土鉱物の端面水酸基の有機化処理を行う工程を実施することが樹脂複合体中の有機化粘土の分散安定性をさらに高める点で好ましい。
前記端面水酸基の有機化処理としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の処理が適用できる。シランカップリング剤としては、通常一般的に用いられている表面処理剤が使用できる。
上記シラン系カップリング剤は、好ましくは、一般式(I)
Figure 2009020107
で示されるシランカップリング剤である。
式(I)中、nは0または1〜3の整数であり、Yは、炭素数1〜25の炭化水素基、及び炭素数1〜25の炭化水素基と置換基から構成される有機官能基からなる群より選択される少なくとも1種である。このような置換基の具体例としては、エステル基、エーテル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、アミド基、メルカプト基、スルホニル基、スルフィニル基、ニトロ基、ニトロソ基、ニトリル基、ハロゲン原子、及び水酸基からなる群より選択される官能基である。Xは加水分解性基及び/または水酸基であり、加水分解性基としては、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、ケトオキシム基、アシルオキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基、及びハロゲンからなる群より選択される少なくとも1種である。n個のY及び4−n個のXが各々複数個の場合は、それぞれは同じでも、異なっていても良い。
前記炭化水素基は、直鎖または分岐鎖(すなわち、側鎖を有する)の飽和または不飽和の一価または多価の脂肪族炭化水素基、及び芳香族炭化水素基、脂環式炭化水素基を意味し、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、ナフチル基、シクロアルキル基等が挙げられる。本明細書において、アルキル基は、特に指示が無い限りアルキレン基等の多価の炭化水素基を包含する。同様にアルケニル基、アルキニル基、フェニル基、ナフチル基、及びシクロアルキル基は、それぞれアルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基、ナフチレン基、及びシクロアルキレン基等を包含する。
前記一般式(I)において、Yが炭素数1〜25の炭化水素基の例としては、オクチルトリエトキシシランのようにポリメチレン鎖を有するもの、メチルトリエトキシシランのように低級アルキル基を有するもの、2−ヘキセニルトリメトキシシランのように不飽和炭化水素基を有するもの、2−エチルヘキシルトリメトキシシランのように側鎖を有するもの、フェニルトリエトキシシランのようにフェニル基を有するもの、3−β−ナフチルプロピルトリメトキシシランのようにナフチル基を有するもの、及びp−ビニルベンジルトリメトキシシランのようにフェニレン基を有するものが挙げられる。Yがビニル基を有する基である場合の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、及びビニルトリアセトキシシランが挙げられる。Yがエステル基を有する基である場合の例としては、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがエーテル基を有する基である場合の例としては、γ−ポリオキシエチレンプロピルトリメトキシシラン、及び2−エトキシエチルトリメトキシシランが挙げられる。Yがエポキシ基を有する基である場合の例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがアミノ基を有する基である場合の例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、及びγ−アニリノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがカルボキシル基を有する基である場合の例としては、γ−(4−カルボキシフェニル)プロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがカルボニル基を有する基である場合の例としては、γ−ユレイドプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがメルカプト基を有する基である場合の例としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがハロゲンを有する基である場合の例としては、γ−クロロプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがスルホニル基を有する基である場合の例としては、γ−フェニルスルホニルプロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがスルフィニル基を有する基である場合の例としては、γ−フェニルスルフィニルプロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがニトロ基を有する基である場合の例としては、γ−ニトロプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがニトロソ基を有する基である場合の例としては、γ−ニトロソプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがニトリル基を有する基である場合の例としては、γ−シアノエチルトリエトキシシラン及びγ−シアノプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yが水酸基を有する基である場合のカップリング処理剤の例としては、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ−3−プロピルトリエトキシシランが挙げられる。水酸基はまたシラノール基(SiOH)の形であってもよい。
上記のシラン系カップリング処理剤の置換体、または誘導体も使用することができる。これらのシラン系カップリング処理剤は、単独または2種以上組み合わせて使用される。
上記シランカップリング剤の中でも、オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランの単独または2種以上の使用が好ましい。
本発明において、層状粘土鉱物の端面処理に用いるシランカップリング剤の量は、層状粘土鉱物100質量部に対し1〜150質量部であることが必要であり、好ましくは5〜100質量部であり、さらに好ましくは10〜60質量部である。端面処理量が1質量部に満たない場合、あるいは150質量部を超える場合は所望の分散性が得られない。
本発明において、シランカップリング剤による有機化処理方法は特に制限されるものではないが、前記層状粘土鉱物が、予め水または水系溶媒、例えば水とアルコールとの混合溶媒下で十分膨潤した液中に添加することにより処理を行う。前記層状粘土鉱物の濃度は均一混合が行える濃度であればよく、特に限定されない。前記層状粘度鉱物と分散媒、好ましくは水または水系溶媒(好ましくは水/アルコール)の質量の和に対して前記層状粘度鉱物の質量が1〜5%程度であることが好ましい。添加方法も特に制限されるものではなく、初期に所望量を一括添加しても良く、また分割、あるいは連続添加しても良い。また、アルコール希釈して添加してもかまわない。
本発明において使用する硬化性樹脂組成物は特に限定されるものではなく、公知の熱硬化性樹脂組成物、光硬化性樹脂組成物を使用することができる。
具体的には、アリルエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、架橋型アクリル樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル樹脂、熱硬化型ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、アルキド樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、アニリン樹脂等にラジカル硬化剤、反応性希釈剤(反応性モノマー)、各種添加剤を所望に応じ含有するラジカル硬化性液状樹脂組成物である。中でも、アリルエステル樹脂組成物、ビニルエステル樹脂組成物が好適である。これらの硬化性樹脂組成物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、複合化する樹脂組成物と有機化粘土との割合は、特に限定されるものではないが、質量比で有機化粘土:樹脂=99:1〜25:75が好ましく、75:25〜60:40がより好ましい。複合化する樹脂が1質量%未満では層間を広げる効果が得られず、75質量%以上では複合粒子としての回収が困難となる。
本発明において硬化性樹脂組成物の乳化液の作成方法は、特に限定されるものではなく、樹脂組成物、オニウム塩等の界面活性剤を水または水系溶媒中に添加し強撹拌することにより得られる。撹拌にはホモジナイザー等公知の撹拌機を使用できる。この乳化液は添加直前に調製することが好ましい。
本発明の有機化粘土複合体を用いた樹脂成形体は、層状粘土鉱物の層間にオニウム塩と硬化性樹脂組成物とを導入してなる有機化粘土複合体の直接成形、硬化による方法、あるいはマトリックス基材中にこの有機化粘土複合体を分散させた後に成形、硬化する方法のいずれの方法でも成形可能である。前者の方法では、例えば真空プレスにより透明フィルム成形が可能であり、後者の方法では、例えば所定厚のスペーサーを挟んだ硝子板に注入することにより透明板の成形が可能である。
以下に、本発明を具体的に説明するための実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例における、得られた有機化粘土複合体及び樹脂成形体の評価方法を以下に示す。
[層間距離]
X線回折(XRD)測定において低角(2θ:2〜10°)に現れる層間隔を示すピーク位置より計算した。XRD測定はRU−200B(理学電気(株)製)を用い、ターゲットCu−kα線、電圧50kV、電流180mA、走査角2θ=2〜20°、ステップ角0.2°の条件で行った。
[複合化された有機物量]
熱質量分析により、50〜600℃の温度範囲における質量減少量を指標とした。測定はEXSTR6000 TG/DTA6300(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)を用い、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで行った。
[透明性]
透明性は、分光光度計V−570(日本分光(株)製)を用いて測定した透過率の600nmにおける値を指標とした。本発明では透過率85%以上を透明とする。
実施例1:
スメクタイト(SWN;コープケミカル(株)製、MB吸着当量;101meq/100g)40gを2Lの純水に加え、60℃、2時間撹拌を行い十分膨潤させた後、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(γ−MPS)KBE−503;信越化学工業(株)製)16g(シランカップリング剤はスメクタイト量の4/10)を加え、さらに6時間撹拌を続けて端面水酸基の有機化処理を行った。ここに予めアリルフタレート樹脂DD201(昭和電工(株)製)20g、ラジカル開始剤として1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(1,1-di(t-hexylperoxy)-3,3,5-trimethylcyclohexane;パーヘキサTMH:日本油脂(株)製)0.8g、75%トリオクチルメチルアンモニウムクロライドイソプロピルアルコール溶液(TOMAC−75;ライオン・アクゾ(株)製)16.1g(MB吸着量の75%相当)、ポリオキシエチレンアルキル(C8〜C18)メチルアンモニウム塩(エソカードC/25;ライオン・アクゾ(株)製)1g(MB吸着量の2.5%相当)、純水200gをホモジナイザーを用いて乳化した乳化液を一括添加し、添加後30分間撹拌を続け、カチオン交換及び樹脂組成物の複合化を行った。その後、生成物を固液分離、洗浄して副生塩類を除去した後乾燥し有機化粘土複合体を得た。
実施例2:
乳化液の組成を、DD201(昭和電工(株)製)40g、パーヘキサTMH(日本油脂(株)製)1.6g、75%トリオクチルメチルアンモニウムクロライドイソプロピルアルコール溶液(TOMAC−75;ライオン・アクゾ(株)製)16.1g(MB吸着量の75%相当)、ポリオキシエチレンアルキル(C8〜C18)メチルアンモニウム塩(エソカードC/25;ライオン・アクゾ(株)製)2g(MB吸着量の5%相当)、純水200gとした以外は実施例1と同様に行った。
実施例3:
乳化液の組成を1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル(H−DATP;昭和電工(株)製)40g、パーヘキサTMH(日本油脂(株)製)1.6g、75%トリオクチルメチルアンモニウムクロライドイソプロピルアルコール溶液(TOMAC−75;ライオン・アクゾ(株)製)16.1g(MB吸着量の75%相当)、ポリオキシエチレンアルキル(C8〜C18)メチルアンモニウム塩(エソカードC/25;ライオン・アクゾ(株)製)2g(MB吸着量の5%相当)、純水200gとした以外は実施例1と同様に行った。
実施例4:
乳化液の組成を、DD201(昭和電工(株)製)60g、パーヘキサTMH(日本油脂(株)製)2.4g、75%トリオクチルメチルアンモニウムクロライドイソプロピルアルコール溶液(TOMAC−75;ライオン・アクゾ(株)製)16.1g(MB吸着量の75%相当)、ポリオキシエチレンアルキル(C8〜C18)メチルアンモニウム塩(エソカードC/25;ライオン・アクゾ(株)製)3g(MB吸着量の7.5%相当)、純水300gとした以外は実施例1と同様に行った。
実施例5:
乳化液の組成をDD201(昭和電工(株)製)40g、パーヘキサTMH(日本油脂(株)製)1.6g、75%トリオクチルメチルアンモニウムクロライドイソプロピルアルコール溶液(TOMAC−75;ライオン・アクゾ(株)製)16.1g(MB吸着量の75%相当)、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート(ナカライテスク(株)製)2g(MB吸着量の5%相当)、純水200gとした以外は実施例1と同様に行った。
実施例6:
端面水酸基のγ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン処理を行わなかった以外は実施例1と同様に行った。
比較例1:
有機化処理をしない原料スメクタイト自体に相当する。
比較例2:
実施例1において、スメクタイトの層端面有機化処理とアリルフタレート樹脂、開始剤の添加を行わず、層間カチオンの有機オニウムイオンへのカチオン交換のみ実施した。
比較例3:
実施例1における乳化液の添加の代わりに有機オニウム塩の添加後アリルフタレート樹脂およびラジカル開始剤を添加すると分離沈降を生じ分散性の良好な有機化粘土複合体は得られなかった。
XRD測定、及び有機物量の測定を実施した結果をまとめて表1に示す。
Figure 2009020107
実施例7〜8:
実施例3、及び実施例4の有機化粘土複合体については、PETフィルム間に挟み減圧後80℃、1分間、圧力12.5MPaの条件で真空プレスを行い、取り出したフィルムをアルミ板に挟んだ後オーブンで110℃・1時間〜140℃・0.5時間のパターンで硬化を行い、透明なフィルムを得た。得られたフィルムの透過率はそれぞれ91.3%(実施例7)、91.1%(実施例8)であった。
実施例9:
実施例4の有機化粘土複合体を有機化粘土/アリルエステル樹脂(DD201)が5/95になるよう配合し、さらにラジカル開始剤としてパーヘキサTMH(日本油脂(株)製)を樹脂の質量に対し4質量%となる量を追添し、ホモジナイザーを用いて混合し樹脂複合体を得た。脱気後1mm厚のスペーサーを挟んだ2枚の硝子板の間に流し込み、オーブン中80℃・0.5時間〜110℃・1時間〜140℃・1時間の温度パターンで硬化を行い、透明な樹脂板を得た。得られた透明板の透過率は88.7%であった。
表1から明らかなように、本発明によれば層間に樹脂組成物がインターカレートされ、分散性良好な層間隔の広がった有機化粘土複合体を提供することができ、また有機化粘土複合体を直接成形または複合化した基材中に均一分散させた透明樹脂複合体を提供することができる。

Claims (16)

  1. 層状粘土鉱物を水または水系溶媒に膨潤させた後、当該液へ予め硬化性樹脂組成物を有機オニウム塩または有機オニウム塩とノニオン性界面活性剤を用いて乳化させた乳化液を添加、混合することにより前記層状粘土鉱物の層間の金属カチオンを有機オニウムイオンへカチオン交換する工程と前記層状粘土鉱物の層間への硬化性樹脂組成物の導入工程とを同時に行うことを特徴とする有機化粘土複合体の製造方法。
  2. 前記乳化液の添加、混合前に前記層状粘土鉱物の端面水酸基の有機化処理を行う請求項1記載の有機化粘土複合体の製造方法。
  3. 前記端面水酸基の有機化処理をシランカップリング剤処理により行う請求項2に記載の有機化粘土複合体の製造方法。
  4. 前記シランカップリング剤の使用量が、層状粘土鉱物100質量部に対し1〜150質量部である請求項3記載の有機化粘土複合体の製造方法。
  5. 前記有機オニウム塩の使用量が、層状粘土鉱物のメチレンブルー(MB)吸着当量の60〜120%である請求項1記載の有機化粘土複合体の製造方法。
  6. 前記層状粘土鉱物が層状ケイ酸塩である請求項1記載の有機化粘土複合体の製造方法。
  7. 前記層状ケイ酸塩がスメクタイト、タルク、カオリナイト、及びマイカ(雲母)からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項6に記載の有機化粘土複合体の製造方法。
  8. 前記層状粘土鉱物と水または水系溶媒との割合が、層状粘土鉱物と水または水系溶媒との質量の和に対して、層状粘土鉱物の質量が1〜5%である請求項1に記載の有機化粘土複合体の製造方法。
  9. 前記層状粘土鉱物の数平均粒径が10〜300nmであり、前記硬化性樹脂組成物が、その硬化物が透明性を有するものである請求項1に記載の有機化粘土複合体の製造方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の製造方法により製造された有機化粘土複合体。
  11. 数平均粒径が10〜300nmである層状粘土鉱物の端面が有機修飾されており、かつ前記層状粘土鉱物の層間に有機オニウムイオン及び硬化性樹脂組成物を有する有機化粘土複合体。
  12. 前記層状粘土鉱物が層状ケイ酸塩である請求項11に記載の有機化粘土複合体。
  13. 前記層状ケイ酸塩がスメクタイト、タルク、カオリナイト、及びマイカ(雲母)からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項12に記載の有機化粘土複合体。
  14. 前記硬化性樹脂組成物がラジカル硬化性液状樹脂組成物である請求項10または11記載の有機化粘土複合体。
  15. 請求項10乃至14のいずれかに記載の有機化粘土複合体を成形し、硬化させてなる樹脂成形体。
  16. 前記樹脂成形体が透明フィルムまたは透明板である請求項15記載の透明樹脂成形体。
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