本発明は、デジタル放送の送受信に関し、より特定的には、デジタル放送のトランスポートストリームを送信または受信する技術に関する。
近年は、テレビジョン放送を従来のアナログ放送からデジタル放送に置き換えることが実用化されつつある。
デジタル放送には、従来のアナログ放送にない特徴として、映像、音声、各種データ等の区別をなくすと共に柔軟な番組編成が可能であること、限られた伝送帯域で高品質かつ多数の番組放送が可能であること、優先度に応じた階層化サービスの提供が可能であること、放送方式そのもののバージョンアップが容易であること、高い双方向性を有すること、等がある。このデジタル放送には、映像符号化方式として、いわゆるMPEG(MovingPicture Image coding Experts Group)2の動画像圧縮符号化技術が採用され、多重化方式としてMPEG2システムが採用されている。
MPEG2およびMPEG2システムを採用したデジタル放送の規格については既に既知であるため、その詳細についての説明は省略するが、各放送事業者は、概ね、以下のような流れでデジタル放送の送信を行う。まず、放送事業者は、プログラム(番組)を構成する映像や音声等の信号をデジタル化(符号化)する。次に、デジタル化された信号を、トランスポートストリーム(以下、TS)と呼ばれる、伝送に適した信号形式に多重化する。そして、このTSを所定の形式で変調して搬送波とし、1つの物理チャンネル(トランスポンダ)を用いて送信している。つまり、放送事業者は、プログラムをデジタル信号に符号化したうえで多重化し、1つのTSとして1つの物理チャンネルで送信している(図16参照)。
次に、上記のように送信されたTSを受信するデジタル放送受信装置(例えば、特許文献1)について説明する。図17は、従来のデジタル放送受信装置の構成の一例を示すブロック図である。図17に示す受信装置は、受信アンテナ90の出力が入力されるフロントエンド91と、フロントエンド91の出力が入力されるデマルチプレクサ94と、デマルチプレクサ94の出力が入力されるMPEG2ビデオデコーダ95、MPEG2オーディオデコーダ96、およびデータ処理部97とを備えている。また、この衛星デジタル放送受信装置の全体の制御等を行うCPU98を備えている。このCPU98にはメモリ99が接続されている。
図17において、受信アンテナ90にて受信されたTSは、フロントエンド91において受信トランスポンダの選択、復調、エラー訂正等の処理を施された後にデマルチプレクサ94に入力される。上記TSは多重化されて送られてきたストリームであるため、このストリームはデマルチプレクサ94において、PSI(Program Specific Information:番組特定情報)、MPEG2ビデオES(Elementary Stream)、MPEG2オーディオES、およびPS(Private Section)に分割される。
デマルチプレクサ94での分割により得られたPSIはCPU98に送られ、MPEG2ビデオESはMPEG2ビデオデコーダ95へ、MPEG2オーディオESはMPEG2オーディオデコーダ96へ、PSはデータ処理部97へそれぞれ送られる。
MPEG2ビデオデコーダ95、MPEG2オーディオデコーダ96、データ処理部97では、それぞれ供給されたMPEG2ビデオES、MPEG2オーディオES、PSを各々適切に処理し、これらMPEG2ビデオデコーダ95、MPEG2オーディオデコーダ96、データ処理部97での処理にて得られた信号が、それぞれ図示しないビデオ出力インターフェース、オーディオ出力インターフェース、データ出力インターフェースから外部へ出力される。
CPU98は、メモリ99を利用しながらMPEG2ビデオデコーダ95、MPEG2オーディオデコーダ96、およびデータ処理部97の動作を制御する。また、CPU98は、PSIに基づいて選局動作を行う。ここで、PSIの種類としては、NIT(Network Information Table)、PAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)等がある。NITは、ある伝送路の放送全体に関する選局情報として、物理チャンネルであるトランスポンダの周波数と各トランスポンダに属するプログラムのID、すなわちSID(Service Identifier)等が記述される。また、PATはトランスポンダ毎に定義され、そのトランスポンダの選局情報として、そのトランスポンダで現在放送されているSIDとそのSIDに関する選局情報であるPMTのPID(Packet Identifier) が記述される。PMTはSID毎に定義され、そのSIDの選局情報として、SIDに含まれているESまたはPSについての情報が記述される。CPU98は、PSI中のPMTにより得られたESあるいはPSのPIDを、デマルチプレクサ94に設定し、ESあるいはPSをMPEG2ビデオデコーダ95、MPEG2オーディオデコーダ96、データ処理部97の各処理装置へ割り当てることにより選局を行う。
また、上記受信装置に関して、近年では、チューナを2つ搭載した受信装置も知られている。このような受信装置では、2つのチューナで個別に異なるチャンネルを選局し、いわゆるハイビジョン映像規格で作成された、異なる内容の番組を2画面同時表示することができる。
ここで、近年、いわゆるスーパーハイビジョンと呼ばれる映像規格が登場している。スーパーハイビジョンとは、最大でハイビジョン放送の16倍の情報量を持つ高精細映像システムで、約24Gbpsのビットレートとなるため、H.264方式で圧縮符号化を行っても100〜400Mbpsという膨大な情報量となる。つまり、上述のようにビデオ信号をデジタル化し、1つのTSを生成すると、1つのTSに含まれる情報量も増えてしまう。その結果、1つのTSに含まれるべき情報量が、各放送事業者に割り当てられている周波数帯域(伝送容量)、つまり、1つの物理チャンネルでは伝送しきれないほどの情報量となってしまう(図18参照)。すなわち、スーパーハイビジョン規格で作成した番組を現行の伝送方式で放送するには、伝送容量が足りないため、1つの物理チャンネルでは伝送することができない
ここで、1つのコンテンツファイルを複数の分割配信用データに変換し、これらを互いに異なる複数の伝送路を介して伝送する技術が開示されている(例えば、特許文献2)。そこで、上記スーパーハイビジョン番組を2つの分割配信用データに配信し、2つの異なる物理チャンネルを使って伝送することでデジタル放送を行う場合を考える。この場合、受信装置側で当該スーパーハイビジョン映像の番組を視聴しようとするときは、上記2つのチューナを用いて当該2つの物理チャンネルをそれぞれ選局し、上記分割配信用データを受信する。更に、当該受信した分割配信用データを受信装置内において合成し、元のスーパーハイビジョン番組に復元する機能が必要となる。
特開平11−275476号公報
国際公開第01/056244号パンフレット
しかしながら、上述したような放送の送受信方法においては、以下に示す問題点があった。
例えば、単一のスーパーハイビジョン規格の番組(TS)を分割し、上記のように複数の物理チャンネルを用いて伝送して、受信機側で、当該複数のチャンネルを同時に受信して1つの番組を再生するという場合、全ての放送が上記のようなスーパーハイビジョン規格の放送になると、同時に複数のチャンネルを受信できないような既存の受信機(例えば、シングルチューナ機など)では、これらの番組が一切視聴できなくなるという問題がある。
それ故に、本発明の目的は、1つの物理チャンネルでは伝送しきれないほどの情報量の大きな映像・音声信号で構成される番組を伝送し、視聴することができるデジタル放送送信装置、デジタル放送受信装置、およびデジタル放送システムを提供することである。
また、上記チューナを2つ搭載した受信装置において、上記スーパーハイビジョン番組を受信・視聴するためには、当該2つのチューナで上記2つの物理チャンネルを選局する必要がある。そのため、上記スーパーハイビジョン番組の視聴と、その他の番組の録画(いわゆる裏録)を両立できないという問題がある。例えば、ハイビジョン番組を録画中の状態(つまり、チューナを1つだけ使用している状態)において上記スーパーハイビジョン番組を受信・視聴することを優先させると、チューナが2つともスーパーハイビジョン番組の視聴のために用いられ、録画処理が停止してしまう。逆に、録画処理を優先させると、スーパーハイビジョン番組については一切視聴できないという問題がある。
それ故に、本発明の別の目的は、複数の物理チャンネルでの伝送に対応した番組の視聴と所定の番組の録画とを両立できるデジタル放送受信装置を提供することである。
また、上記のような、2つのチューナ及び各チャンネルで受信したデータの合成・復元機能を備えた受信装置であれば、上記2つの物理チャンネルで送信される動画像コンテンツを受信して視聴することは可能ではある。しかしながら、2つのチューナを用いて、2つの物理チャンネルを個別に選局するということは、1つの動画像コンテンツ(番組)を視聴するために2回分の選局が必要があるということでもある。つまり、(1)視聴者による選局指示操作→(2)1つ目のチャンネルの選局処理→(3)2つめのチャンネルの選局処理→(4)各チャンネルで受信したデータの合成〜再生処理の開始→動画像の出力開始、というステップを踏むことになる。そのため、従来のような、1つの動画像コンテンツが1つの物理チャンネルだけで伝送される場合に比べると、2つめのチャンネルの選局にかかる処理の分だけ、選局指示操作の後、実際に動画像が表示されるまでに時間がかかってしまうという問題がある。
それ故に、本発明の別の目的は、複数の物理チャンネルを用いてバルク伝送される1つの動画像コンテンツを受信するデジタル放送受信装置において、選局操作を行ってから画像が表示されるまでの時間を短縮することが可能なデジタル放送受信装置を提供することである。
また、上記のように、2つの物理チャンネルで伝送されるスーパーハイビジョン番組をWチューナで受信し、合成することで当該スーパーハイビジョン番組を視聴することは可能となりうるが、その反面、番組の受信・再生処理については、Wチューナで選局して合成し、1つの番組を再生するという処理を前提とする。すなわち、1つの番組の再生のために2つのチューナが存在するという構成、いわば、上記のような2つのチャンネルで伝送されるスーパーハイビジョン番組専用の視聴装置となるため、上述したような、別々の番組を2画面同時表示することができないという問題がある。
それ故に、本発明の別の目的は、2つのチューナを備えた受信装置であって、2つのチャンネルでバルク伝送される番組の受信・再生と、1つのチャンネルで伝送される番組の受信・再生とを両立できるデジタル放送受信装置を提供することである。
また、上記のような、2つのチューナ及び合成・復元機能を備えた受信機であれば、上記動画像コンテンツを受信して視聴することは可能ではある。しかしながら、上述のような高画質・大容量の動画像コンテンツを受信機側で違和感なく視聴するためには、データの欠落が発生しないような高い伝送品質が求められる。つまり、伝送品質が低下すると、上記動画像コンテンツを構成するデータの欠落が発生し、受信機側において、当該動画像コンテンツが完全に復元できないことが考えられる。その結果、視聴時において当該動画像コンテンツの映像や音声が途切れてしまう、あるいは乱れてしまうことがあり、視聴者にとって快適な視聴が継続できなくなってしまうという問題がある。
それ故に、本発明の別の目的は、複数の伝送路を用いて情報量が大きなコンテンツを伝送するときに、伝送品質が低下しても当該コンテンツの違和感のない視聴を継続させることができるデジタル放送送受信システム、および送受信装置を提供することである。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係の一例を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
第1の局面は、1つのデジタル放送の番組と当該番組の関連情報で構成されるビットストリーム(例えば、トランスポートストリーム)を複数の物理チャンネルで送信するデジタル放送送信装置であって、複数の物理チャンネルを関連づけるための情報であるチャンネル結合情報を生成するチャンネル結合情報生成手段(14、18)と、ビットストリームを複数のビットストリームに分割して、チャンネル結合情報と共に複数の物理チャンネルでそれぞれ送信する送信手段(15,16,17、18)と、送信手段でビットストリームとして送信されるデジタル放送の番組と同一内容の番組を構成するビットストリームであり、且つ、当該送信手段で送信されるビットストリームよりも情報量の少ないビットストリームである軽量ビットストリームを生成する軽量ビットストリーム生成手段(71,72,73,74)と、送信手段がビットストリームを送信するのに用いる物理チャンネルとは異なった単一の物理チャンネルで軽量ビットストリームを、送信手段が送信するビットストリームと並行して送信する並行送信手段(76,77)とを備える。
第1の局面によれば、1つの物理チャンネルでは伝送できないような情報量の大きなテレビ番組を伝送することができる。また、従来から存在していた受信装置に対して、放送が全く視聴できなくなることを防ぐことができる。
第2の局面は、第1の局面において、並行送信手段は、軽量ビットストリームと並行して送信手段による複数の物理チャンネルでのビットストリームの送信が行われているか否かを示す並行放送情報を当該軽量ビットストリームと共に送信する。
第3の局面は、第1の局面において、番組の関連情報は、ビットストリームにどのような番組が存在しているかを記した情報であるサービスインフォメーションであり、送信手段は、チャンネル結合情報をサービスインフォメーションに含めるチャンネル結合情報付加手段を含む。
第2乃至第3の局面によれば、第1の局面と同様の効果を得ることができる。
第4の局面は、1つのデジタル放送の番組と当該番組の関連情報で構成されるビットストリームを複数の物理チャンネルで送信するデジタル放送送信装置から送信される放送波を受信して復調するフロントエンド部(32)を複数備えるデジタル放送受信装置であって、単一の物理チャンネルで受信した放送波で構成される番組内容と同じ番組内容であって、当該単一の物理チャンネルとは異なる複数の物理チャンネルで、当該単一の物理チャンネルでの番組の送信と並行して送信されている番組の存在を判別するための判別手段(81)と、複数の物理チャンネルを関連づけるための情報であるチャンネル結合情報に基づいて、複数のフロントエンド部を用いて複数の物理チャンネルを選局し、それぞれの物理チャンネルで受信した放送波を復調する同時選局復調手段(32、35)と、同時選局復調手段でそれぞれ復調されたビットストリームを結合する結合手段(33)と、結合されたビットストリームを出力する出力手段(33)とを備える。そして、同時選局復調手段は、判別手段が複数の物理チャンネルで並行して送信されている番組が存在すると判定したときに、当該複数の物理チャンネルを選局する。更に、結合手段は、チャンネル結合情報に基づいて、同時選局復調手段でそれぞれ復調されたビットストリームを結合する。
第4の局面によれば、複数の物理チャンネルで伝送されてくる情報量の大きな一つのテレビ番組を受信し、結合することができる。また、情報量の大きなビットストリームで構成される番組と情報量が小さなビットストリームで構成される番組とが並行して送信されるときに、情報量の大きなビットストリームで構成される番組を受信して再生することが可能となる。更に、チャンネルを結合するための方法として多彩な方法を利用し、使い分けることが可能となる。
第5の局面は、第4の局面において、チャンネル結合情報は、ビットストリームにどのような番組が存在しているかを記した情報であるサービスインフォメーションに含まれ、受信装置は、サービスインフォメーションに含まれるチャンネル結合情報に基づいて、視聴対象として選択された番組が複数の物理チャンネルで送信される番組であるか否かを判定する判定手段を更に備える。また、同時選局復調手段は、視聴対象番組が複数の物理チャンネルで送信されていると判定手段が判定したときに、チャンネル結合情報に基づいて当該複数の物理チャンネルを選局する。
第5の局面によれば、第4の局面と同様の効果を得ることができる。
第6の局面は、複数の物理チャンネルを用いてバルク伝送される放送番組であるバルク番組と、単一の物理チャンネルを用いて伝送される放送番組である非バルク番組と、伝送される放送番組がバルク番組であるか非バルク番組であるかを識別するための情報である識別情報および該バルク番組が伝送される複数の物理チャンネル番号を示す情報であるバルクチャンネル情報を少なくとも含む制御情報とをデジタル放送信号として送信する送信装置からの該デジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、バルク番組が伝送される物理チャンネルのうち少なくとも1つのチャンネルでは、当該バルク番組と同じ番組内容であって映像規格が異なる番組である低階層番組が階層伝送されている。そして、当該デジタル放送受信装置は、複数のチューナ(2032,2033)と、利用者の所定の操作を受け付ける操作受付手段(2048,2049)と、操作受付手段が受け付けた操作に基づいて利用者が指定した物理チャンネルをチューナに選局させる選局指示手段(2048)と、選局指示手段が選局させた物理チャンネルでバルク番組が伝送されるか否かを制御情報に基づいて検出するバルクチャンネル検出手段(2040,2048)と、バルク番組が伝送されることをバルクチャンネル検出手段が検出したとき、複数のチューナそれぞれの利用状態を検出するチューナ状態検出手段(2048)と、チューナ状態検出手段の検出結果に基づいて、バルクチャンネル検出手段で検出されたバルク番組がバルク伝送される複数の物理チャンネルを全て選局できるだけの数のチューナが利用可能か否かを判定する受信可否判定手段(2048)と、受信可否判定手段がバルク伝送される複数の物理チャンネルを全て選局できるだけの数のチューナが利用可能と判定したときは、バルクチャンネル検出手段で検出されたバルク番組を再生するための処理を実行し、当該バルク伝送される複数の物理チャンネルを全て選局できるだけの数のチューナが利用可能ではないと判定したときは、当該バルク番組と階層伝送されている低階層番組を再生するための処理を実行する番組再生手段(2041、2042,2043,2048)とを備える。
第6の局面によれば、複数の物理チャンネルでの伝送に対応した番組の視聴と所定の番組の録画とを両立できる。
第7の局面は、第6の局面において、受信可否判定手段は、バルク番組が伝送される物理チャンネルとは異なる物理チャンネルを録画のために選局しているチューナについては利用可能ではない状態と判定する。
第7の局面によれば、第6の局面と同様の効果を得ることができる。
第8の局面は、第6の局面において、デジタル放送受信装置は、OSD表示を行うためのOSD表示手段(2044,2045)を更に備える。OSD表示手段は、再生手段がバルク番組と階層伝送されている低階層番組を再生するための処理を実行するときに、当該低階層番組を再生することを示すOSD表示を画面に出力する。
第8の局面によれば、利用者に視聴状況を容易に把握させることが可能となる。
第9の局面は、第6の局面において、デジタル放送受信装置は、操作受付手段が受け付けた操作に基づいて、放送予定である所定の番組の放送時間帯、放送される物理チャンネル、および識別情報とを少なくとも含む録画予約情報を登録するための録画予約手段(2048、2054)と、録画予約情報を記憶するための予約情報記憶手段(2050)と、録画予約手段が登録しようとする番組の放送時間帯と放送時間が重複する番組である重複番組が既に録画予約されているか否かを予約情報記憶手段に記憶されている録画予約情報に基づいて検出する重複番組検出手段(2048)と、録画予約手段が登録しようとする番組および重複番組の少なくともいずれか一方がバルク番組であるときは、当該バルク番組の録画予約を低階層番組の録画予約として登録するための予約内容変更手段(2048)とを更に備える。
第10の局面は、第9の局面において、予約内容変更手段は、重複番組がバルク番組のときは、当該重複番組の録画予約を低階層番組の録画予約に変更する。
第11の局面は、第9の局面において、予約内容変更手段は、予約手段が登録しようとする番組がバルク番組のときは、当該予約手段が登録しようとする番組の録画予約を低階層番組の録画予約として登録する。
第12の局面は、第9の局面において、予約内容変更手段は、予約手段が登録しようとする番組および重複番組が共にバルク番組のときは、いずれの番組も低階層番組の録画予約として登録する。
第9乃至第12の局面によれば、バルク番組が録画できない状態となることを防ぐことができる。また、既に録画予約済みのバルク番組が原因で、非バルク番組等の録画予約ができなくなることを防ぐ事ができる。これにより、デジタル放送受信装置の利便性を高めることができる。
第13の局面は、複数の物理チャンネルを用いてバルク伝送される番組であるバルク番組と、単一の物理チャンネルを用いて伝送される番組である非バルク番組と、放送される番組がバルク番組であるか非バルク番組であるかを識別するための情報である識別情報および該バルク番組を構成する複数の物理チャンネル番号を示す情報であるバルクチャンネル情報を少なくとも含む制御情報とをデジタル放送信号として送信する送信装置からの該デジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、所定の物理チャンネルを選局してデジタル放送信号を受信する第1のチューナ(3032)および第2のチューナ(3033)と、第1のチューナで受信したデジタル放送信号で伝送されている番組がバルク番組であるか非バルク番組であるかを制御情報に基づいて判定する放送種別判定手段(3046)と、放送中あるいは放送予定のバルク番組に関する情報を検索するためのバルク番組検索手段(3046)と、第1のチューナおよび第2のチューナの選局動作を制御するための選局制御手段(3046)と、第1のチューナおよび第2のチューナの少なくとも一方で選局された物理チャンネルで伝送されるデジタル放送信号に基づいてバルク番組または非バルク番組を再生して画面に出力するための番組再生出力手段(3041,3042、3043)とを備える。そして、選局制御手段は、第1のチューナで選局した物理チャンネルで放送されている番組がバルク番組であると放送種別判定手段が判定したときは、バルクチャンネル情報に基づいて該バルク番組を構成する複数の物理チャンネルを第1のチューナおよび第2のチューナに選局させて、それぞれのチューナで受信されたデジタル放送信号を合成して再生出力部に出力する。また、選局制御手段は、第1のチューナで選局した物理チャンネルで放送されている番組が非バルク番組であると放送種別判定手段が判定したときは、第1のチューナを介して得られたデジタル放送信号を再生出力部に出力すると共に、バルク番組検索手段にバルク番組を放送している物理チャンネルを検索させ、該バルク番組検索手段によって検索された物理チャンネルのいずれか一つを第2のチューナに選局させる。
第13の局面によれば、第1のチューナで非バルク番組が選局された際に、第2のチューナで他のバルク番組にかかる物理チャンネルを選局しておく。これにより、利用者が後にバルク番組にかかるチャンネルが選局したときに、選局操作を行ってから実際にバルク番組が画面に表示されるまでの待ち時間を短縮することができる。
第14の局面は、第13の局面において、制御情報には、全てのチャンネルについての識別情報およびバルクチャンネル情報が含まれている。そして、バルク番組検索手段は、識別情報に基づいて放送中のバルク番組を検索する。
第14の局面によれば、利用者が非バルク番組を視聴中の時間帯において他のチャンネルで放送されているバルク番組のチャンネルを第2のチューナで選局することができる。これにより、利用者がザッピング操作を行ったとき等にバルク番組が選局された際、選局操作が行われてから実際にバルク番組が画面に表示されるまでの待ち時間を短縮することができる。
第15の局面は、第13の局面において、デジタル放送受信装置は、EPGを取得するためのEPG取得手段(3061)を更に備える。そして、バルク番組検索手段は、EPGに基づいて、放送中または放送予定のバルク番組の物理チャンネル番号を検索する。
第16の局面は、第15の局面において、バルク番組検索手段は、EPGに基づいて、所定の時間以内に放送予定のバルク番組にかかる物理チャンネル番号を検索する。
第15乃至第16の局面によれば、EPGを利用して、放送中あるいは放送予定のバルク番組にかかる物理チャンネルについて第2のチューナで先行して選局することができる。これにより、利用者が当該バルク番組にかかる物理チャンネルを選局したときに、選局操作が行われてから実際にバルク番組が画面に表示されるまでの待ち時間を短縮することができる。
第17の局面は、第13の局面において、バルク番組が伝送される各物理チャンネルでは、当該バルク番組と同じ番組内容であって映像規格が異なる番組である低階層番組が階層伝送されている。そして、選局制御部は、第1のチューナで選局した物理チャンネルにかかる番組がバルク番組であると放送種別判定手段が判定したときは、第1のチューナで受信したデジタル放送信号に含まれている低階層番組を構成するデータを再生出力部へ出力した後に、それぞれのチューナで受信したデジタル放送信号を合成して再生出力部へ出力する。
第17の局面によれば、バルク番組にかかるチャンネルの選局操作が行われた後、画面に映像が表示されていない状態である時間を短縮することができる。
第18の局面は、第17の局面において、デジタル放送受信装置は、再生出力部からの出力に所定のOSD表示を合成して画面に出力するためのOSD合成手段(3051)と、OSD表示に対する所定の操作入力を受け付けるためのOSD操作受付手段(3047)とを更に備える。そして、OSD合成手段は、選局制御部が低階層番組を構成するデータを再生出力部に出力した後、バルク番組の再生に切替えるか否かの旨のメッセージをOSD表示として生成して画面に出力する。更に、選局制御手段は、OSD合成手段が前記メッセージを表示した後、当該メッセージに対する操作入力内容をOSD操作受付手段から取得し、当該入力内容に基づいてバルク番組を構成する複数の物理チャンネルを第1のチューナおよび第2のチューナに選局させ、それぞれのチューナで受信したデジタル放送信号を合成して再生出力部に出力する。
第18の局面によれば、バルク番組にかかるチャンネルの選局操作が行われた後、画面に映像が表示されない状態となっている時間を短縮することができる。また、低階層番組の表示から映像規格が異なるバルク番組への切替について利用者に問い合わせるため、表示された番組(放送されている番組)がより高画質なバルク番組であることを利用者に認識させることが可能となる。
第19の局面は、第13〜第17のいずれかに記載の局面において、バルク番組は、スーパーハイビジョン規格で作成された番組であり、非バルク番組は、ハイビジョン規格またはSD規格で作成された番組である。
第19の局面によれば、利用者がスーパーハイビジョン規格で作成された番組を視聴するときに、選局操作を行ってから実際にスーパーハイビジョンの番組が画面に表示されるまでの待ち時間を短縮することができる。
第20の局面は、第17の局面において、バルク番組は、スーパーハイビジョン規格で作成された番組であり、低階層番組は、ハイビジョン規格またはSD規格で作成された番組である。
第20の局面によれば、利用者がスーパーハイビジョン規格で作成された番組が放送されているチャンネルを選局したときに、選局操作を行ってから画面に映像が表示されていない状態である時間を短縮することができる。
第21の局面は、複数の物理チャンネルを用いてバルク伝送される放送番組であるバルク番組と、単一の物理チャンネルを用いて伝送される放送番組である非バルク番組と、伝送される放送番組がバルク番組であるか非バルク番組であるかを識別するための情報である識別情報および該バルク番組が伝送される複数の物理チャンネル番号を示す情報であるバルクチャンネル情報を少なくとも含む制御情報とをデジタル放送信号として送信する送信装置からの該デジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、所定の物理チャンネルを選局してデジタル放送信号を受信する複数のチューナ(4032、4033)と、複数のチューナで選局される物理チャンネルのいずれかにおいてバルク番組が伝送されることを制御情報に基づいて検出するバルクチャンネル検出手段(4040、4048)と、バルク番組が伝送される複数の物理チャンネルを複数のチューナでそれぞれ選局して受信したデジタル放送信号からバルク番組を再生して出力する第1の再生処理モードと、非バルク番組が伝送される物理チャンネルを単一のチューナを用いて選局して受信したデジタル放送信号から非バルク番組を再生して出力する第2の再生処理モードとの間で再生処理モードをバルクチャンネル検出手段の検出結果に応じて切り替える番組再生手段(4041、4042、4043、4048)と、番組再生手段から出力されるバルク番組または非バルク番組を所定の画面または所定の記憶媒体に出力する少なくとも一つの出力部(4042、4043)とを備える。そして、番組再生手段は、いずれかのチューナで選局している物理チャンネルでバルク番組が伝送されることをバルクチャンネル検出手段が検出したときは再生処理モードを第1の再生処理モードに切替え、チューナで選局されているいずれの物理チャンネルにおいてもバルク番組が伝送されないことをバルクチャンネル検出手段が検出したときは再生処理モードを第2の再生処理モードに切替える。
第21の局面によれば、バルク番組および非バルク番組の視聴の両立が可能となり、利便性の高い受信装置を提供することができる。
第22の局面は、第21の局面において、デジタル放送受信装置は、OSD表示として表示する内容であるOSD表示内容を生成するOSD生成手段(4044,4045)と、OSD生成手段が生成した表示内容をOSD表示するためのOSD表示手段(4044,4045)とを更に備える。そして、OSD生成手段は、いずれかのチューナで選局している物理チャンネルでバルク番組が伝送されることをバルクチャンネル検出手段が検出したとき、所定のメッセージをOSD表示内容として生成してOSD表示手段に出力する。
第22の局面によれば、視聴する番組がバルク番組か否かを利用者に認識させることができ、デジタル放送受信装置の利便性を高めることができる。
第23の局面は、第22の局面において、デジタル放送受信装置は、いずれかのチューナで選局している物理チャンネルでバルク番組が伝送されることをバルクチャンネル検出手段が検出したときに、当該デジタル放送受信装置においてバルク番組を再生することが可能か否かを判定するための再生可否判定手段を更に備える。そして、OSD生成手段は、再生可否判定手段がバルク番組の再生ができないと判定したときに、バルク番組が再生できないことを示すメッセージをOSD表示内容として生成する。
第23の局面によれば、バルク番組が再生できないときに、利用者に故障が発生したかのような誤解を与えることを防ぐことができる。
第24の局面は、第21の局面において、バルク番組が伝送される物理チャンネルのうち少なくとも1つのチャンネルでは、当該バルク番組と同じ番組内容であって映像規格が異なる番組である低階層番組が階層伝送されている。また、デジタル放送受信装置は、複数の出力部を備えている。番組再生手段は、バルク番組が伝送される複数の物理チャンネルを複数のチューナでそれぞれ選局して受信したデジタル放送信号からバルク番組を再生して複数の出力部のいずれか一つに出力すると共に、低階層番組を再生して、バルク番組を出力している出力部とは異なる出力部に出力する第3の再生処理モードを更に有する。更に、番組再生手段は、いずれかのチューナで選局している物理チャンネルでバルク番組が伝送されることをバルクチャンネル検出手段が検出したとき、または、第1の再生処理モードでバルク番組を再生中に利用者からの所定の操作信号が送られたときに再生処理モードを第3の再生処理モードに切替える。
第24の局面によれば、バルク番組と低階層番組を同時に出力することができ、利便性の高い受信装置を提供することが可能となる。
第25の局面は、第24の局面において、番組再生手段は、第3の再生処理モードで低階層番組を出力するときは、当該低階層番組を録画するための所定の記録媒体に出力する。
第25の局面によれば、非バルク番組の録画に用いるための構成を流用することが可能となり、バルク番組の視聴および同内容の番組の録画が可能な受信装置を低コストで提供することが可能となる。
第26の局面は、複数の物理チャンネルを用いてバルク伝送される放送番組であるバルク番組と、単一の物理チャンネルを用いて伝送される放送番組である非バルク番組と、伝送される放送番組がバルク番組であるか非バルク番組であるかを識別するための情報である識別情報および該バルク番組が伝送される複数の物理チャンネル番号を示す情報であるバルクチャンネル情報を少なくとも含む制御情報とをデジタル放送信号として送信する送信装置からの該デジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、バルク番組が伝送される物理チャンネルのうち少なくとも1つのチャンネルでは、当該バルク番組と同じ番組内容であって映像規格が異なる番組である低階層番組が階層伝送されている。そして、デジタル放送受信装置は、物理チャンネルを選局して前記デジタル放送信号を受信する少なくとも1つのチューナと、選局された物理チャンネルでバルク番組が伝送されることを検出するバルクチャンネル検出手段と、バルク番組が伝送される複数の物理チャンネルのうち、低階層番組が階層伝送される物理チャンネルを選局して受信したデジタル放送信号から低階層番組を再生して出力する第1の再生処理モードと、非バルク番組が伝送される物理チャンネルを選局して受信したデジタル放送信号から非バルク番組を再生して出力する第2の再生処理モードとの間で再生処理モードをバルクチャンネル検出手段の検出結果に応じて切り替える番組再生手段と、チューナで選局されている物理チャンネル番号を記憶するためのチャンネル記憶手段と、番組再生手段から出力される低階層番組または非バルク番組を所定の画面または所定の記憶媒体に出力する出力部とを備える。番組再生手段は、番組再生モードが第2の再生モードのときにバルク番組が伝送されることをバルクチャンネル検出手段が検出したときは、その時点で選局されている物理チャンネルの番号をチャンネル記憶手段に記憶させてから低階層番組が階層伝送される物理チャンネルを選局して再生処理モードを第1の再生処理モードに切替え、該低階層番組の放送が終了したときに該チャンネル記憶手段に記憶されているチャンネル番号を選局して第2の再生処理モードに切り替える。
第26の局面によれば、バルク伝送される番組と同内容の番組が視聴でき、かつ、よりコストを抑えることができるシングルチューナ構成のデジタル放送受信装置を提供することが可能となる。
第27の局面は、1つのデジタル放送コンテンツを構成する番組データに基づいて放送データを生成して、複数の物理チャンネルに分割して送信するデジタル放送送信装置であって、1つのデジタル放送コンテンツを構成する番組データに所定の符号化処理を行って第1の放送データを生成する第1の符号化手段(6011)と、番組データに第1の符号化手段とは異なる符号化処理を行って、1つの物理チャンネルの伝送容量で伝送可能な第2の放送データを生成する第2の符号化手段(6012)と、第1の放送データを分割して複数の物理チャンネルで送信する送信部(6013〜6020)とを備える。そして、送信部は、少なくとも一つの物理チャンネルにおいて第1の放送データと第2の放送データとの階層伝送を行う。
第27の局面によれば、情報量の大きな動画像コンテンツを複数の物理チャンネルを用いて伝送している際に伝送品質が低下しても、コンテンツそのもののについては映像や音声が乱れることを防ぎ、当該動画像コンテンツの違和感のない視聴を利用者に継続させることができる。
第28の局面は、第27の局面において、送信部は、複数の物理チャンネルのうち、最も周波数が低い物理チャンネルを用いて階層伝送を行う。
第28の局面によれば、周波数が低い物理チャンネルは伝送路の安定度も高いため、第2の放送データをより確実に伝送することができ、その結果、動画像コンテンツの視聴の継続をより確実なものとすることができる。
第29の局面は、第27の局面において、第1の符号化手段は、映像規格がスーパーハイビジョン映像である番組データを符号化する。また、第2の符号化手段は、映像規格がハイビジョン映像またはSD映像である番組データを符号化する。
第29の局面によれば、スーパーハイビジョンの規格に対応していない受信装置であっても、当該スーパーハイビジョンによるコンテンツと同内容のコンテンツを視聴することが可能となる。
第30の局面は、1つのデジタル放送コンテンツを構成する番組データに基づいて放送データを生成して、複数の物理チャンネルに分割して送信するデジタル放送送信装置から送信される放送データを受信して該番組データを再生するデジタル放送受信装置であって、物理チャンネルのうち少なくとも一つは、それぞれ映像規格が異なる第1の放送データと第2の放送データが階層伝送されている。そして、デジタル放送受信装置は、複数の物理チャンネルを同時に選局して第1の放送データおよび第2の放送データを受信する受信手段(6032〜6040)と、第1の放送データが送信される複数の物理チャンネルの伝送品質を検出する伝送品質検出手段(6041、6042、6051、6052)と、第1の放送データに復号処理を行い、番組データを再生する再生出力手段とを備える。再生出力手段は、第1の放送データが送信される複数の物理チャンネルのうち、いずれかの物理チャンネルの伝送品質が所定の閾値未満になったことを伝送品質検出手段が検出したときは、階層伝送されてくる第2の放送データの復号処理を行い、該復号処理で得られた番組データを再生する。
第30の局面によれば、第1の局面と同様の効果を得ることができる。
第31の局面は、第29の局面において、伝送品質検出手段は、第1の放送データが送信される複数の物理チャンネル毎に受信CNRを検出する。そして、再生出力手段は、伝送品質検出手段が検出した各物理チャンネルの受信CNRのいずれかが所定の閾値未満となったときに第2の放送データの復号処理を行い、該復号処理で得られた番組データを再生する。
第32の局面は、第31の局面において、伝送品質検出手段は、第1の放送データが送信される複数の物理チャンネル毎にビット誤り率を検出する。そして、再生出力手段は、伝送品質検出手段が検出した各物理チャンネルのビット誤り率のうちいずれかが所定の閾値以上となったときに第2の放送データの復号処理を行い、該復号処理で得られた番組データを再生する。
第31乃至第32の局面によれば、伝送品質の低下を簡便にかつ的確に検出することができ、第1の放送データの再生から第2の放送データの再生への切替をより適切なタイミングで行うことが可能となる。
第33の局面は、第30の局面において、第1の番組データと第2の番組データは、複数の物理チャンネルの全てのチャンネルで階層伝送が行われる。また、再生出力手段は、伝送品質検出手段が第1の放送データが送信される複数の物理チャンネルのうち、いずれかの物理チャンネルの伝送品質が所定の閾値未満になったことを検出したとき、伝送品質が最も高い物理チャンネルで階層伝送されてくる第2の放送データの復号処理を行い、該復号処理で得られた番組データを再生する。
第33の局面によれば、第1の放送データの再生中に伝送品質が低下した場合、複数の物理チャンネルのうち、より伝送品質が良い物理チャンネルを選んで第2の放送データを再生することができる。
本発明によれば、1つの物理チャンネルでは伝送しきれないほど情報量の大きな映像・音声信号を有するデジタル放送の送受信が可能となる。
また、本発明によれば、バルク伝送に対応する番組の視聴と所定の番組の録画を両立させることができる。
また、本発明によれば、利用者がバルク番組が放送されている物理チャンネルを選局してから実際に番組の映像・音声が出力されるまでにかかる時間を短縮することが出来る。
また、本発明によれば、バルク番組および非バルク番組の視聴の両立が可能となり、利便性の高い受信装置を提供することができる。
また、本発明によれば、複数の物理チャンネルを用いて情報量の大きな動画像コンテンツを伝送している際に、伝送品質が低下しても、コンテンツそのものの映像や音声が途切れて乱れた動画像となることを防ぎ、違和感のない視聴を利用者に継続させることができる。
図1は、本実施形態にかかるデジタル放送システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2は、本発明にかかる処理の概要を説明するための図である。
図3は、本実施形態に係る送信装置10の構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4は、受信装置30の構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5は、本実施形態で用いるNITを説明するための図である。
図6は、サービスリスト情報534のデータ構造の一例を示す図である。
図7は、Ch結合情報535のデータ構造の一例を示した図である。
図8は、選局テーブル60のデータ構造の一例である。
図9は、送信装置10における信号処理の詳細を示すフローチャートである。
図10は、受信装置30における選局処理の詳細を示すフローチャートである。
図11は、3つめの物理チャンネルを用いる場合の伝送の概要を説明するための図である。
図12は、図11に示した伝送形態における送信装置の構成を示す機能ブロック図である。
図13は、結合機能対応機80の構成の一例を示す機能ブロック図である。
図14は、結合機能対応機80における選局処理を示すフローチャートである。
図15は、結合可否情報に基づく選局処理を示すフローチャートである。
図16は、トランスポートストリームの伝送の概念を示す図である。
図17は、従来のデジタル放送受信装置の構成を示す図である。
図18は、1つの物理チャンネルで伝送しきれないトランスポートストリームの概念を示す図である。
図19は、本実施形態におけるスーパーハイビジョン番組の伝送の概念を説明するための模式図である。
図20は、本実施形態における送信側の設備の一例を示す機能ブロック図である。
図21は、バルク関連情報の一例を示す図である。
図22は、本発明の第1の実施形態に係る受信装置2030の構成を示した機能ブロック図である。
図23は、第1の主信号誤り訂正復号部2036の詳細を示すブロック図である。
図24は、フラッシュメモリ2050に記憶される予約一覧2500の一例である。
図25は、本実施形態を説明するための放送スケジュールの一例である。
図26は、第1の実施形態にかかる選局再生処理の詳細を示すフローチャートである。
図27は、本実施形態を説明するための放送スケジュールの一例である。
図28は、第3の実施形態にかかる録画予約処理の詳細を示すフローチャートである。
図29は、第4の実施形態にかかる録画予約処理の詳細を示すフローチャートである。
図30は、第5の実施形態にかかる録画予約処理の詳細を示すフローチャートである。
図31は、第6の実施形態にかかる録画予約処理の詳細を示すフローチャートである。
図32は、第7の実施形態におけるスーパーハイビジョン規格で構成された番組の伝送の概念を説明するための模式図である。
図33は、バルク関連情報の一例を示す図である。
図34は、本発明の第7の実施形態に係る受信装置3030の構成を示した機能ブロック図である。
図35は、第1の主信号誤り訂正復号部3036の詳細を示すブロック図である。
図36は、受信装置3030によって実行される番組選局再生処理を示すフローチャートである。
図37は、本発明の第8の実施形態に係る受信装置3050の構成を示したブロック図である。
図38は、第8の実施形態にかかる受信装置3050で実行される選局再生処理の詳細を示すフローチャートである。
図39は、本発明の第9の実施形態に係る受信装置3060の構成を示したブロック図である。
図40は、第9の実施形態にかかる受信装置3060で実行される選局再生処理の詳細を示すフローチャートである。
図41は、第10の実施形態におけるスーパーハイビジョン番組の伝送の概念を説明するための模式図である。
図42は、第10の実施形態における送信側の設備の一例を示す機能ブロック図である。
図43は、バルク関連情報の一例を示す図である。
図44は、本発明の第10の実施形態に係る受信装置4030の構成を示した機能ブロック図である。
図45は、第1の主信号誤り訂正復号部4036の詳細を示すブロック図である。
図46は、本実施形態を説明するための放送スケジュールの一例である。
図47は、受信装置4030によって実行される番組選局再生処理を示すフローチャートである。
図48は、第11の実施形態にかかる受信装置4060の構成を示すブロック図である。
図49は、第12の実施形態にかかる受信装置4070の構成を示す機能ブロック図である。
図50は、第12の実施形態にかかる受信再生処理の詳細を示すフローチャートである。
図51は、番組スケジュールの一例である。
図52は、第13の実施形態の処理概要を説明するための図である。
図53は、本発明の第13の実施形態に係る送信装置の構成を示した機能ブロック図である。
図54は、高階層パケットの振り分け方について説明するための図である。
図55は、第1の主信号誤り訂正符号化部6015の詳細を示すブロック図である。
図56は、バルク伝送関連情報の一例を示す図である。
図57は、本発明の第1の実施形態に係る受信装置6030の構成を示した機能ブロック図である。
図58は、第1の主信号誤り訂正復号部6036の詳細を示すブロック図である。
図59は、本発明の第13の実施形態に係る受信再生処理を示すフローチャートである。
図60は、本発明の第13の実施形態に係る受信再生処理を示すフローチャートである。
図61は、ビット誤り率に基づいて伝送品質を判断する場合の受信装置6050の構成を示したブロック図である。
図62は、第14の実施形態の処理概要を説明するための図である。
図63は、第14の実施形態に係る送信装置6060の構成を示した機能ブロック図である。
図64は、1つの低階層AVストリームを2つのチャンネルに振り分けて伝送する場合の模式図である。
符号の説明
10 送信装置
11 映像符号化部
12 音声符号化部
13 データ符号化部
14 マルチプレクサ
15 分割部
16 誤り訂正・変調部
17 送信部
18 CPU
19 メモリ
20 アンテナ
30 受信装置
31 アンテナ
32 フロントエンド
33 結合部
34 デマルチプレクサ
35 CPU
36 メモリ
37 ビデオデコーダー
38 オーディオデコーダー
39 データ処理部
50 NIT
60 選局テーブル
2030 受信装置
2031 アンテナ
2032 第1のチューナ
2033 第2のチューナ
2034 第1の復調部
2035 第2の復調部
2036 第1の主信号誤り訂正復号部
2037 第2の主信号誤り訂正復号部
2038 第1のTMCC復号部
2039 第2のTMCC復号部
2040 TMCC制御部
2041 TS合成・分離部
2042 第1のAVデコーダ
2043 第2のAVデコーダ
2044 第1のOSD作成・合成部
2045 第2のOSD作成・合成部
2046 第1の表示部
2047 第2の表示部
2048 CPU
2049 リモコン処理部
2050 フラッシュメモリ
2051 リモコン
2052 録画処理部
2053 記録部
2054 EPG情報取得部
2361 デインターリーブ部
2362 内符号誤り復号部
2363 エネルギー逆拡散部
2364 外符号誤り復号部
3030 受信装置
3031 アンテナ
3032 第1のチューナ
3033 第2のチューナ
3034 第1の復調部
3035 第2の復調部
3036 第1の主信号誤り訂正復号部
3037 第2の主信号誤り訂正復号部
3038 第1のTMCC復号部
3039 第2のTMCC復号部
3040 TMCC制御部
3041 TS合成・分離部
3042 第1のAVデコーダ
3043 第2のAVデコーダ
3044 第1の表示部
3045 第2の表示部
3046 CPU
3047 リモコン処理部
3048 フラッシュメモリ
3049 リモコン
3050 受信装置
3051 第1のOSD作成・合成部
3052 第2のOSD作成・合成部
3060 受信装置
3061 EPG情報取得部
3361 デインターリーブ部
3362 内符号誤り復号部
3363 エネルギー逆拡散部
3364 外符号誤り復号部
4030 受信装置
4031 アンテナ
4032 第1のチューナ
4033 第2のチューナ
4034 第1の復調部
4035 第2の復調部
4036 第1の主信号誤り訂正復号部
4037 第2の主信号誤り訂正復号部
4038 第1のTMCC復号部
4039 第2のTMCC復号部
4040 TMCC制御部
4041 TS合成・分離部
4042 第1のAVデコーダ
4043 第2のAVデコーダ
4044 第1のOSD作成・合成部
4045 第2のOSD作成・合成部
4046 第1の表示部
4047 第2の表示部
4048 CPU
4049 リモコン処理部
4050 フラッシュメモリ
4051 リモコン
4060 受信装置
4061 録画処理部
4062 記録部
4070 受信装置
4361 デインターリーブ部
4362 内符号誤り復号部
4363 エネルギー逆拡散部
4364 外符号誤り復号部
6010 送信装置
6011 高階層エンコーダ
6012 低階層エンコーダ
6013 時分割多重部
6014 TS分割部
6015 第1の主信号誤り訂正符号化部
6016 第2の主信号誤り訂正符号化部
6017 第1のマッピング部
6018 第2のマッピング部
6019 第1の周波数変換部
6020 第2の周波数変換部
6021 CPU
6022 第2の低階層エンコーダ
6023 第1のTMCC生成部
6024 第2のTMCC生成部
6030 受信装置
6031 アンテナ
6032 第1のチューナ
6033 第2のチューナ
6034 第1の復調部
6035 第2の復調部
6036 第1の主信号誤り訂正復号部
6037 第2の主信号誤り訂正復号部
6038 第1のTMCC復号部
6039 第2のTMCC復号部
6040 TMCC制御部
6041 第1の受信CNR検出部
6042 第2の受信CNR検出部
6043 TS合成・分離部
6044 AVデコーダ
6045 CPU
6046 表示部
6050 受信装置
6051 第1の高階層スロットビット誤り検出部
6052 第2の高階層スロットビット誤り検出部
6060 送信装置
6151 外符号誤り訂正部
6152 エネルギー拡散部
6153 内符号誤り訂正部
6154 インターリーブ部
6361 デインターリーブ部
6362 内符号誤り復号部
6363 エネルギー逆拡散部
6364 外符号誤り復号部
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。尚、この実施例により本発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。第1の実施形態にかかるデジタル放送システムでは、BSデジタル放送用の放送局から送信されてくる放送信号を1つの受信装置にて受信している放送システムを例にとって説明する。なお、BSデジタル放送の代わりに、CSデジタル放送であってもよいし、地上波デジタル放送であってもよい。
図1は、本実施形態にかかるデジタル放送システムのシステム構成の一例を示す図である。図1において、放送番組を放送する放送局1は、アンテナ20および、図示しない放送衛星を介して放送電波を送信する送信装置10を備えている。また、視聴者の各家2には、BS放送を受信するアンテナ31が設置され、受信装置30に接続されており、視聴者の選局操作により、BSデジタル放送を視聴することが可能である。ここで、受信装置30には、複数のフロントエンドが搭載されており、同時に複数の物理チャンネルを選局・受信することが可能となっている。
次に、本発明にかかる処理の概要(原理)を、図2を用いて説明する。本実施形態では、1つの物理チャンネルでは伝送しきれない情報量を有するトランスポートストリーム(以下、TSと呼ぶ)を、複数の物理チャンネルを用いて伝送する。図2において、まず、送信側(放送局1)において、上記1つの物理チャンネルでは伝送しきれない情報量を有するTS100(以下、原TSと呼ぶ)を、複数のTSに分割する。本実施形態では、説明の簡略化のため、2つのTS101a、101bに分割する。この分割後のTSを、以下、分割TSと呼ぶ。そして、これら分割TS101a、101bを、それぞれ異なる物理チャンネルを用いて送信する。この際、当該分割TS101a、101bを結合して原TS100に戻すための情報であるCh(チャンネル)結合情報(例えば、上記2つの物理チャンネルの周波数情報等)を生成する。そして、当該Ch結合情報をSI(Service Information;番組配列情報)に含めて送信する。SIとは、デジタル放送ストリームの分配システム、内容、並びにスケジュール/タイミングなどを定義するものであり、TSにどのようなプログラムが存在し、TSに含まれる各ES(Elementary Stream)がどのプログラムに属しているかを記し、受信機が自動的にTS内の多重を解除しESをデコードする機能を実現するための情報(PSI;Program Specific Information;番組特定情報)に、番組内容、スケジュール情報などを含めた情報である。つまり、上記Ch結合情報がSIに含まれて、分割TS101a、101bとして送信されることになる。本実施形態では、当該Ch結合情報は、PSIの1つであるNIT(Network Information Table)に含める。
次に、受信側(視聴者の各家2)において、上記Ch結合情報に基づいて、上記2つの物理チャンネルを同時に受信する。そのため、受信側ではフロントエンド部(チューナーと復調)が複数必要となる。そして、当該2つの物理チャンネルで受信した分割TS101aおよび101bを結合し、原TS100を復元する。そして、当該原TS100に対して、従来と同様の選局処理等を行うことで、映像・音声信号等を出力する。
このように、本実施形態では、原TSを複数の分割TSへと分割し、それぞれの分割TSを異なる物理チャンネルを用いて送信する。このとき、当該分割TSを結合するために、これら異なる物理チャンネルを関連づけた情報であるCh結合情報をSIに含め、当該SIが分割TSに含まれて送信される。そして、受信側で、当該Ch結合情報に基づいて、上記異なる物理チャンネルを同時に受信し、復調することで得られた分割TSを結合することで原TSを復元して再生等の処理を行う(換言すれば、複数のチャンネルを結合することになる)。これにより、従来、1つの物理チャンネルでは伝送しきれなかったような番組を送受信することが可能となる。
次に、図3を参照して、本発明の実施形態に係る送信装置10について説明する。図3は、本実施形態に係る送信装置10の構成の一例を示す機能ブロック図であり、本実施形態に関わるブロックを中心に記載している。図3において、送信装置10は、映像符号化部11と、音声符号化部12と、データ符号化部13と、マルチプレクサ14と、分割部15と、誤り訂正・変調部16a、16bと、送信部17a、17bと、CPU18と、メモリ19とで構成される。
映像符号化部11は、アナログのビデオ信号を標本化および量子化することでデジタル信号へと変換する。また、変換したデジタル信号をマルチプレクサ14に出力する。音声符号化部12は、アナログのオーディオ信号を標本化および量子化することでデジタル信号へと変換する。また、変換したデジタル信号をマルチプレクサ14に出力する。データ符号化部13は、データ放送に用いられるデータ信号の符号化を行う。また、符号化した信号をマルチプレクサ14に出力する。
マルチプレクサ14は、上記各符号化部から出力される信号を多重化することで、原TSを生成する。また、マルチプレクサ14は、セクションデータ、すなわち、NITや、PAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)等のPSIを生成し、これらも原TSに含める。この際、上述したようなCh結合情報がNITに書き込まれる。また、マルチプレクサ14は、当該原TSを分割部15に出力する。
分割部15は、原TSを複数の分割TSに分割する。そして、当該分割TSを、誤り訂正・変調部16aおよび16bにそれぞれ出力する。
誤り訂正・変調部16aおよび16bは、誤り訂正のためのパリティービットの付加等の処理を分割TSに対して行う。更に、所定の方式を用いてキャリア変調を行うことでデジタル放送信号を生成する。そして、当該デジタル放送信号を送信部17a、17bにそれぞれ出力する。
送信部17aおよび17bは、誤り訂正・変調部16a、16bから入力されたデジタル放送信号をアンテナ20を介してそれぞれ出力する。
CPU18は、当該送信装置10全体の動作を制御する。また、メモリ19は、当該CPU18の動作用の各種情報を蓄積している。
次に、受信装置(典型的にはデジタル放送の受信が可能なテレビ受像機)の構成について説明する。図4は、受信装置30の構成の一例を示す機能ブロック図である。受信装置30は、受信アンテナ31の出力が入力されるフロントエンド32aおよび32bと、フロントエンド32aおよび32bの出力が入力される結合部33と、結合部33からの出力が入力されるデマルチプレクサ34と、デマルチプレクサ34の出力が入力されるMPEG2ビデオデコーダ37、MPEG2オーディオデコーダ38、およびデータ処理部39とを備えている。また、この衛星ディジタル放送受信装置の全体の制御等を行うCPU35を備えている。このCPU35にはメモリ36が接続されている。
図4において、受信アンテナ31にて受信された分割TSは、フロントエンド32において受信トランスポンダの選択、復調、エラー訂正等の処理を施された後に、結合部33に入力される。
結合部33は、フロントエンド32から入力された分割TSを、上記Ch結合情報に基づいて結合することで、原TSを生成する。そして、当該原TSがデマルチプレクサ34に出力される。
デマルチプレクサ34において、PSI、MPEG2ビデオES、MPEG2オーディオES、およびPS(Private Section)が原TSから分離されて取り出される。デマルチプレクサ34で原TSから取り出されたPSIはCPU35に送られ、MPEG2ビデオESはMPEG2ビデオデコーダ37へ、MPEG2オーディオESはMPEG2オーディオデコーダ38へ、PSはデータ処理部39へそれぞれ送られる。
MPEG2ビデオデコーダ37、MPEG2オーディオデコーダ38、データ処理部39では、それぞれ供給されたMPEG2ビデオES、MPEG2オーディオES、PSを各々適切に処理し、これらMPEG2ビデオデコーダ37、MPEG2オーディオデコーダ38、データ処理部39での処理にて得られた信号が、ビデオ出力インターフェース、オーディオ出力インターフェース、データ出力インターフェース(図示せず)から外部へ出力される。
CPU35は、メモリ36を利用しながら、フロントエンド32、MPEG2ビデオデコーダ37、MPEG2オーディオデコーダ38、およびデータ処理部39の動作を制御する。また、CPU35は、上記PSIに基づいて選局動作を行う。すなわち、CPU35は、PSI中のNITにより得られた物理チャンネル周波数、変調方式等をフロントエンド32に設定し、またPSI中のPMTにより得られたESあるいはPSのPIDをデマルチプレクサ34に設定し、ESあるいはPSをMPEG2ビデオデコーダ37、MPEG2オーディオデコーダ38、データ処理部39の各処理装置へ割り当てることにより選局を行う。
次に、本実施形態の処理で用いられるデータについて説明する。図5は、本実施形態で用いられるNITのデータ構造の一例である。NITは、上述したSIの一つであり、送信するネットワーク(伝送路)に関するテーブルである。図5において、NIT50は、ヘッダ情報51とネットワーク情報52とTS情報53等との集合から成る。
ヘッダ情報51には、当該NIT50自体に関する情報が含まれる。例えば、テーブル識別子やバーション情報等の情報が含まれる。
ネットワーク情報52には、ネットワークに関する情報が含まれる。例えば、ネットワーク名、ネットワークID等の情報が含まれる。ここで、ネットワークIDとは、当該ネットワークの種別を識別するためのIDである。例えば、地上波デジタル放送、BSデジタル放送、110度CSデジタル放送を識別する為のIDである。そのため、例えば、BSデジタル放送の各物理チャンネル内で送られているネットワークIDは全て、同一のIDが割り振られることになる。
TS情報53は、当該伝送路の放送全体において送信される全てのTSについての情報である。そのため、複数のTS(一般的に、TSの数は放送を行っている放送事業者の数となる)について、各TS毎(図5のTS001,TS002,TS003・・・)に各種情報が定義されている。各TS情報53は、TS−ID531、衛星分配システム情報533と、サービスリスト情報534と、Ch結合情報535とで構成されている。
TS−ID531は、各TSを識別するためのIDである。
衛星分配システム情報533には、物理チャンネルの周波数や、変調方式、誤り訂正方式等についての情報が含まれる。ここで、本実施形態では、上述のように1つの原TSを2つの物理チャンネルに分けて送信するため、当該物理チャンネルの周波数としては、いずれか一方の物理チャンネルの周波数が含まれる。以下、衛星分配システム情報533に記載される物理チャンネルのことをメインチャンネルと呼び、他方の物理チャンネルのことをサブチャンネルと呼ぶ。
サービスリスト情報534は、TSに含まれる各プログラムを示す情報である。図6は、サービスリスト情報534のデータ構造の一例を示す図である。サービスリスト情報534は、SID(Service Identifier)5341、サービス形式5342等から構成される。SID5341は、TSに含まれている各プログラム(番組)を識別するための情報である。サービス形式5342は、当該プログラムの形式(例えば、TV、音声、データ)を示すための情報である。
図5に戻り、Ch結合情報535は、上記分割TSを結合して原TSにするために用いられる情報である。図7は、Ch結合情報535のデータ構造の一例を示した図である。Ch結合情報535は、結合フラグ5351、サブチャンネル周波数5352、変調方式5353、誤り訂正方式5354等で構成される。
結合フラグ5351は、当該TSが、TSの結合を行う必要があるか否か、換言すれば、分割TSであるか否かを示すためのフラグである。オンに設定されているときは、分割TSであることを示す。オフに設定されているときは、分割TSでないこと、つまり、TSの結合を行う必要はないことを示す。
サブチャンネル周波数5352は、上記サブチャンネルの周波数を示す。つまり、原TSが2つの物理チャンネルに分けて送信される場合、上記衛星分配システム情報533にメインチャンネルの周波数が設定され、当該Ch結合情報535にサブチャンネルの周波数が設定されることになる。
変調方式5353は、サブチャンネルで送られてくる分割TSの変調方式を示す。誤り訂正方式5354は、サブチャンネルで送られてくる分割TSの誤り訂正方式を示す。
Ch結合関連情報5355には、分割TSを結合して原TSにするために必要な情報、例えば、TSの分割ルール(メインチャンネル及びサブチャンネルへ分割する順序や、メインチャンネル及びサブチャンネルへの分割パケット数、等)を示す情報が含まれる。なお、TS分割のルールが一意に決まっている場合や、TS自体に分割ルールを載せない場合には、Ch関連情報535にCh結合関連情報5355を含める必要はない。
次に、受信装置30のメモリ36に格納される選局テーブルについて説明する。選局テーブルとは、上記NIT、PAT、及びPMT等に基づいて生成されるテーブルであり、受信装置30において選局処理を行うために用いられる情報である。本実施形態では、例えば、受信装置30の初期設定時にある特定の物理チャンネルで伝送されるTSを受信することにより取得する上記NIT、及び通常選局時に希望チャンネルを伝送するTSを受信することにより取得するPMTやPATに基づいて生成され、受信装置30のメモリ36に記憶される。選局テーブルは、いわば、受信装置30のリモコンのチャンネルボタンと各放送局の放送データとの対応づけを定義したテーブルである。
図8は、選局テーブル60のデータ構造の一例である。選局テーブル60は、SID61と、TS−ID62と、Ch結合フラグ63と、Ch結合関連情報64と、トランスポンダ周波数65と、PMI−PID66と、ES−PID67との集合から構成されている。
SID61は、TSに含まれている各プログラム(番組)を識別するための情報であり、上記NIT50のサービスリスト情報534に含まれるSID5341がコピーされたものである。
TS−ID62は、各TSを識別するためのIDであり、上記NIT50のTS情報53に含まれるTS−ID531がコピーされたものである。
Ch結合フラグ63は、TSの結合を行う必要があるか否かを示すフラグであり、上記Ch結合情報535の結合フラグ5351がコピーされたものである。
Ch結合関連情報64は、分割TSを結合して原TSにするために必要な情報であり、上記Ch結合関連情報5355がコピーされたものである。
トランスポンダ周波数65は、TS−ID62で示されるTSを受信するための周波数を示す。上記NIT50の衛星分配システム情報533に含まれるメインチャンネルの周波数の情報がコピーされたものである。また、Ch結合フラグ63がオンに設定される場合は、更に、上記サブチャンネル周波数5352もコピーされることになる。
PMT−PID66は、上記SID61で示されるプログラムのPMTを識別するためのIDである。通常選局時に希望チャンネルを伝送するTS受信において、PATからコピーされる。
ES−PID67は、上記SID61で示されるプログラムのESを識別するためのIDである。通常選局時に希望チャンネルを伝送するTS受信において、PMTからコピーされる。
次に、本実施形態に係るデジタル放送の送受信処理の詳細を説明する。まず、上記送信装置10における信号処理の詳細を説明する。図9は、送信装置10における信号処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、符号化処理が行われる。このステップS1の処理をより具体的に説明すると、CPU18は、映像符号化部11に、入力されてきたビデオ信号を圧縮符号化させ、ビデオESを生成させる。また、音声符号化部12に、入力されてきたオーディオ信号を圧縮符号化させ、オーディオESを生成させる。また、データ符号化部13に、入力されてきたデータ信号を圧縮符号化させ、PSを生成させる。そして、CPU18は、各符号化部に、それぞれ符号化した信号をマルチプレクサ14に出力させる。
次に、ステップS2において、TS生成処理が行われる。このステップS2の処理をより具体的に説明すると、CPU18は、マルチプレクサ14に、各符号化部から入力された信号をパケット化してPES(Packetized Elementary Streams)を生成させる。更に、マルチプレクサ14に、当該PESを分解してTSパケットを生成させる。また、このとき、CPU18は、図5を用いて上述したようなNIT50を生成する。上述のようにNIT50には、Ch結合情報535が含まれるため、Ch結合情報535もこのときに生成される。具体的には、Ch結合情報535の基礎となる情報、例えばサブチャンネルの周波数やTSの分割・結合の方式(ルール)を示す情報が放送事業者による入力操作等に基づいて設定され、メモリ19に予め格納される。その他、NIT50を生成するために必要な各種情報もメモリ19に予め格納される。そして、CPU18は、メモリ19からこれらの情報を読み出すことで、Ch結合情報535が格納されたNIT50を生成する。また、CPU18は、NIT50の他、上記PMT、PAT等の他のセクションデータを適宜生成し、マルチプレクサ14に出力する。そして、マルチプレクサ14に当該セクションデータをTSパケット化させる。更に、CPU18は、マルチプレクサ14に、これらのTSパケットを多重化させることで、原TSを生成させる。そして、CPU18は、マルチプレクサ14から分割部15へ原TSを出力させる。
次に、ステップS3において、CPU18は、原TSに含まれるNIT50を参照し、結合フラグ5351がオンであるか否かを判定する。その結果、結合フラグ5351がオフと判定したときは(ステップS3でNO)、CPU18は、分割部15に原TSをそのまま誤り訂正・変調部16へ出力させて、処理を後述のステップS5へ進める。
一方、ステップS3の判定の結果、結合フラグ5351がオンである判定したときは(ステップS3でYES)、ステップS4において、TS分割処理が実行される。すなわち、CPU18は、分割部15に、原TSを2つの分割TSに分割させる。また、この際、CPU18は、分割部15に、分割ルールを示す情報等、受信装置30において分割TSの結合を行う際に必要な情報であるCh結合関連情報5355を適宜生成させて、Ch結合情報535に書き込ませる。そして、CPU18は、一方の分割TSを誤り訂正・変調部16aに出力させ、他方の分割TSを誤り訂正・変調部16bに出力させる。なお、分割TSへの分割の方法については、上記原TSの分割および受信装置側での結合ができれば、どのような処理方法を用いても良い。また、TS分割のルールが一意に決まっている場合や、TS自体に分割ルールを載せない場合では、Ch結合関連情報5355を生成は不要となる。
次に、ステップS5において、変調処理が実行される。すなわち、CPU18は、受信装置30において行われる誤り訂正処理のために、誤り訂正・変調部16に、入力されたそれぞれの分割TS(ステップS3の判定で分割が行われない場合は、原TS)の各パケットに対して所定の誤り訂正符号を付加させる。そして、CPU18は、誤り訂正・変調部16に、誤り訂正符号が付加されたTSを所定の方式で変調させる。
次に、ステップS6において、送信処理が実行される。すなわち、CPU18は、各送信部17に、誤り訂正・変調部16で変調された分割TSを放送波として出力させる。その結果、別々の物理チャンネルで分割TSが送信されることになる。以上で、送信装置10における信号処理が終了する。
次に、受信装置30の選局処理の詳細について説明する。まず、受信装置30では、図8で示したような選局テーブル60が生成される。例えば、ユーザが受信装置30を購入した後、受信装置の設置時の初期設定処理においてある特定の物理チャンネルで伝送されるTSを受信することと、通常選局により、上述した選局テーブル60が生成される。具体的には、初期設定処理において、CPU35は、ある特定の物理チャンネルで伝送されるTSを受信することにより、NIT50を取得する。次に、NIT50の衛星分配システム情報533、サービスリスト情報534、及びCH結合情報535により、各プログラム毎(つまり各SID毎)の、TS−ID、CH結合フラグ、CH結合関連情報、トランスポンダー周波数の情報を取得し、当該選局テーブル60のうち、SID61、TS−ID62、CH結合フラグ63、CH結合関連情報64、トランスポンダー周波数65のテーブルが生成される。以下に説明する処理は、当該選局テーブル60のうち、SID61からトランスポンダー周波数65までのテーブルが生成されていること(つまり、受信装置30の初期設定が終わっていること)を前提とする処理となる。
図10は、受信装置30における選局処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS11において、CPU35は、ユーザの操作等に基づいて、SIDの決定を行う。続いて、ステップS12において、CPU35は、上記初期設定で生成された選局テーブル60にアクセスする。
次に、ステップS13において、CPU35は、選局テーブル60のSID61の中に、ステップS11で決定されたSIDが存在するか否かを判定する。当該判定の結果、当該SIDがないと判定したときは(ステップS13でNO)、選局不可能であることを示すため、ステップS26において、CPU35は、選局できない旨のメッセージを画面に表示させて、選局処理を終了する。
一方、ステップS13の判定の結果、SIDがあると判定したときは(ステップS13でYES)、ステップS14において、CPU35は、Ch結合フラグ63がオンか否かを判定する。その結果、オンであれば(ステップS14でYES)、CPU35は、2つの物理チャンネルを選局し、それぞれの放送波を復調するための処理を行う。すなわち、CPU35は、上記選局テーブル60のトランスポンダ周波数65を参照し、受信すべき複数の周波数、本実施形態では2つの周波数の情報を取得する。図8の例を用いると、例えば上記ステップS11で決定されたSIDが”100”であるとすると、”11.72748GHz”と”11.80420GHz”という2つの周波数の情報を取得する。そして、CPU35は、一方の周波数(”11.72748GHz”)をフロントエンド32aにチューニングさせ、放送波を受信させる。また、他方の周波数(”11.80420GHz”)をフロントエンド32bにチューニングさせ、放送波を受信させる。そして、各フロントエンド32に、それぞれ受信した放送波を復調させる。
次に、ステップS16において、CPU35は、各フロントエンド32において放送波の復調ができたか否か判定する。これは、例えば降雨減衰などで受信状況が良くない場合に、復調に時間がかかるような場合を想定したものである。そのため、ステップS16の判定の結果、復調できないと判定されたときは(ステップS16でNO)、復調できるまでステップS16の判定を繰り返す。なお、ここで、所定の回数だけ判定を繰り返しても、復調ができないと判定されるときは、上記ステップS26と同様に選局不可能のメッセージを表示するようにしても良い。
一方、ステップS16の判定の結果、復調ができたと判定されたときは(ステップS16でYES)、ステップS17において、CPU35は、分割TSを結合するための処理を実行する。すなわち、CPU35は、上記選局テーブル60からCh結合関連情報64を取得する。そして、結合部33に各フロントエンド32から出力された分割TSを、当該Ch結合関連情報64に基づいて結合させる。そして、CPU35は、結合部33からデマルチプレクサ34へ、当該結合した原TSを出力させる。なお、TS分割のルールが一意に決まっている場合は、Ch結合関連情報64の取得は不要となる。
一方、上記ステップS14の判定の結果、Ch結合フラグ63がオンではないと判定したときは、ステップS18において、CPU35は、従来と同様の選局処理、すなわち、1つの物理チャンネルを選局して、受信した放送波を復調するための処理を行う。具体的には、CPU35は、上記選局テーブル60のトランスポンダ周波数65を参照し、受信すべき周波数を取得する。図8の例を用いると、例えば上記ステップS11で決定されたSIDが”101”であるとすると、”11.76584GHz”という1つの周波数の情報を取得する。そして、CPU35は、当該周波数(”11.76584GHz”)をフロントエンド32aにチューニングさせ、放送波を受信させる。そして、フロントエンド32aに、受信した放送波を復調させる。
続くステップS19において、上記ステップS16と同様に、CPU35は、復調できたか否かの判定を行い、復調できないと判定したときは(ステップS19でNO)、復調できるまで当該判定処理を繰り返す。復調できたと判定したときは(ステップS19でYES)、処理をステップS20へと進める。なお、ここで、所定の回数だけ判定を繰り返しても、復調ができないと判定されるときは、上記ステップS26と同様に選局不可能のメッセージを表示するようにしても良い。
次に、ステップS20において、結合部33から出力されるTSを取得するための処理が実行される。すなわち、CPU35は、デマルチプレクサ34に、結合部33からの原TSを取得させる。
次に、ステップS21において、CPU35は、デマルチプレクサ34に原TSからPATを取得させる。続くステップS22において、CPU35は、上記ステップS11で決定されたSIDが放送中であるか否かを判定し、放送中ではないと判定したときは(ステップS22でNO)、上記ステップS26の処理を行う。一方、放送中であると判定したときは(ステップS22でYES)、ステップS23において、CPU35は、PATに記述されている当該SIDに対応するPMT PIDに基づいて、デマルチプレクサ34に上記TSからPMTを取得させる。そして、続くステップS24において、CPU35は、当該PMTに記述されているPIDを用いてデマルチプレクサ34にES、またはPSを分離させ、それらをビデオデコーダ37、オーディオデコーダ38、データ処理部39の各処理部へ割り当てることにより選局を行う。これにより、ステップS25において、選局が完了する。以上で、受信装置30にかかる選局処理が終了する。
このように、本実施形態では、1つのTSでは伝送できないような情報量の大きな映像・音声・データ信号(1つのテレビ番組)を、2つの物理チャンネル(2つのTS)に分けて伝送している。そして、受信装置において、2つのチューナー(フロントエンド)を使って当該2つの物理チャンネルで受信し、2つに分けられたTSを結合している。これにより、上記のような情報量が大きな映像・音声・データ信号を含むテレビ番組を受信して視聴することが可能となる。
なお、本説明では説明の簡略化のため、物理チャンネルが2つの場合を例として説明したが、受信装置側において、対応する数のチューナーを搭載しさえすれば、3つ以上の物理チャンネルを用いてもよい。
また、上述した第1の実施形態では、1つのTSでは伝送できないような情報量の大きな番組を2つの物理チャンネルを用いて伝送していた。これに限らず、更に、当該番組とその番組内容は同じであって、映像の低画質化等を図ることで情報量を減らした番組(TS)を3つめの物理チャンネルを用いて並行して伝送するようにしてもよい。図11は、3つめの物理チャンネルを用いる場合の伝送の概要を説明するための図である。図11では、上記図2で示したような2つの物理チャンネルで1つのTSを伝送する伝送路に加えて、3つめの物理チャンネルで1つのTS200を伝送している。当該TS200は、上記TS100と番組内容としては同じ内容ではあるが、その映像や音声の質、例えばビットレート等を低下させることで、1つの物理チャンネルで伝送できる程度の情報量となるように調整(符号化)したものである。
このように、番組内容は同じであって、情報量を軽減させたTSを別の物理チャンネルで伝送するのは、次のような場合を想定したものである。すなわち、放送される番組が全て、2つの物理チャンネルを用いるような情報量のものとなったような場合を想定する。この場合、上述したようなチャンネルの結合機能を有していない受信装置(例えば、シングルチューナの受信装置等。以下、結合機能非対応機と呼ぶ)では、放送される番組を一切視聴する事ができなくなる。そこで、図11に示したように、1つの物理チャンネルで伝送可能な情報量にまで映像や音声の質を軽減させたTSを並行して放送するようにする。これにより、映像や音声の品質は劣ることになるが、結合機能非対応機でも番組内容自体は視聴可能とし、全く番組が視聴できないということを防ぐことを図ったものである。
図11に示した伝送の形態においては、受信装置側では、所定の放送局を選局した場合、デフォルトではTS200が送信される物理チャンネルが選局されるような構成にする。例えば、NIT等に、所定の放送局の(デフォルトの)チャンネルは物理チャンネル3である旨を定義しておく。更に、当該NITには、同一の番組内容が、別の物理チャンネル(図11の例では物理チャンネル1と2)で分割されて伝送されていることを示す旨の情報(以下、並行放送情報と呼ぶ)を含めておく。例えば、上記図7に示したCh結合情報535に、メインチャンネルの周波数を示す情報を加えたものを並行放送情報として当該NITに含めて伝送するようにする。
このような構成で伝送を行うことで、結合機能非対応機では、所定の選局操作を行うことで、図11の例で言うと物理チャンネル3が選局され、TS200が取得されて番組が再生される(換言すると、結合機能非対応機では、上記NITに含まれる並行放送情報を読み取る機能がないため、物理チャンネル3を選局することしかできない)。一方、Ch結合機能を有する受信装置(以下、結合機能対応機と呼ぶ)では、所定の選局操作で、一旦、物理チャンネル3が選局されるが、その後、NITを参照して、上記のような並行放送情報の有無を判定する。そして分割TSが伝送されている場合は、上述したような処理で分割TSの伝送にかかる物理チャンネル(図11の例では物理チャンネル1および2)を選局し、上述したような処理でTSの結合等を行ってから番組の再生を行う。これにより、結合機能非対応機であっても結合機能対応機であっても、番組そのものは視聴できる。すなわち、結合機能非対応機において、全く番組が視聴できなくことを防ぐ事が出き、また、結合機能対応機では、同一内容の番組であって、より高画質、高音質の番組の視聴が可能となる。
次に、図11に示したような伝送形態における送信装置の構成について、図12を用いて説明する。図12に示す送信装置70は、上述した第1の実施形態で図3を用いて説明した送信装置10の機能構成に、映像符号化部71と、音声符号化部72と、データ符号化部73と、マルチプレクサ74と、誤り訂正・変調部76と、送信部77を加えたものに相当し、他の構成部は、図3に示したものと同様である。これらの新たに加えられた構成部の基本的な機能は、上述した映像符号化部11、音声符号化部12、データ符号化部13、マルチプレクサ14、誤り訂正・変調部16a、送信部17aと同様である。つまり、TSを分割して複数の物理チャンネルに振りわけるという機能が省かれた構成となっている。そのため、図12において、映像符号化部71、音声符号化部12は、アナログのビデオ信号、オーディオ信号をデジタル信号に変換するが、上記のように、TSの情報量を1つの物理チャンネルで伝送できる程度の情報量に抑えるために、映像符号化部11や音声符号化部12よりも画質や音質を低下等させて、デジタル信号への変換を行う。
また、図12において、マルチプレクサ74は、映像符号化部71と、音声符号化部72と、データ符号化部73から出力される信号を多重化することで、TS200を生成する。このとき、マルチプレクサ74は、上記マルチプレクサ14と同様に適宜NIT等のPSIを生成してTS200に含めるが、この際、上述したような並行放送情報をNITに付加する。
このように、送信装置70では、高画質、高音質であり情報量が多いTSを分割し、複数の物理チャンネルに振り分けて伝送するのと並行して、同内容の番組であって、画質や音質等を劣化させることで情報量を軽減させたTSを1つの物理チャンネルで伝送する。
次に、図11に示したような伝送形態における受信装置の構成について説明する。ここでの受信装置は、上述したような結合機能非対応機と結合機能対応機の2種類が存在するが、このうち、結合機能非対応機については、従来から存在するデジタル放送受信装置を想定するものであり、その主要なハードウェア構成や制御手法等については当業者には既知であるため、詳しい説明は省略する。
図13は、結合機能対応機80の構成の一例を示す機能ブロック図である。図13に示す結合機能対応機80は、上述した第1の実施形態で図4を用いて説明した受信装置30の機能構成に判別部81を加えたものに相当し、他の構成部は、第1の実施形態と同様である。従って、判別部81以外の構成部については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
判別部81は、受信アンテナ31にて受信された放送波に復調、エラー訂正等の処理を行い、NITを抽出する。そして、上記並行放送情報の有無を判別し、その結果を示す信号をCPU35に出力する。CPU35は、この信号に応じて、分割TSが伝送されている物理チャンネルを選局する処理を実行する。
次に、図13で示した結合機能対応機80の選局処理について説明する。図14は、結合機能対応機80における選局処理を示すフローチャートである。ここでは、上記図11で示したように、1つの番組を構成するTSが物理チャンネル1と2に分割して伝送されており、番組内容としては同内容であるが、画質等が低下しているTSが物理チャンネル3で伝送されている場合を例にして説明する。まず、ユーザによる所定の選局操作等に基づいて、物理チャンネル3が選局されると、ステップS41において、放送波からNITが取得され、上記並行放送情報が参照される。そして、物理チャンネル3とは別の物理チャンネルを用いた同一内容番組の伝送が並行して行われているか否かが判別部81によって判別される。その結果、複数の物理チャンネルでの分割TSの伝送が並行して行われているときは(ステップS41でYES)、ステップS42において、分割TSが伝送されている物理チャンネル(ここでは物理チャンネル1および2)を選局し、上述したような分割TSを結合するための、結合Ch選局処理が実行される。この処理では、例えば、上記図10を用いて説明したような処理が実行される。一方、複数の物理チャンネルでの分割TSの伝送が並行して行われていないとき(ステップS41でNO)、ステップS43において、物理チャンネル3で伝送されるTSに基づいて番組を再生するための単一Ch選局処理が実行される。当該処理は、従来から存在する一般的なデジタル放送受信装置で行われる処理(典型的には、いわゆるハイビジョン放送を選局、再生する処理)であり、その基本的な制御手法等については当業者には既知であるため、詳しい説明は省略する。以上で、結合機能対応機80の選局処理は終了する。
このように、同一内容の番組を、高画質・高音質等の情報量の多いTSにして複数の物理チャンネルで伝送するのと並行して、情報量を軽減させて単一の物理チャンネルでも伝送するようにすることで、分割TSの結合機能を有していない従来の受信装置であっても、番組が一切視聴できなくなることを防ぐ事が可能となる。
また、結合機能対応機80の不揮発性メモリ(図示せず)に、自身が上記のような分割TSの結合機能を有することを示す情報(以下、結合可否情報と呼ぶ)を記憶しておくように構成してもよい。そして、CPU36が当該結合可否情報を参照し、当該情報に基づいて選局処理を切替えるようにしてもよい。図15は、当該結合可否情報に基づく選局処理を示すフローチャートである。図15において、まず、ステップS51において、上記不揮発性メモリに格納されている結合可否情報が参照される。そして、自身が分割TSを結合する機能を有するか否かが判定される(あるいは、当該結合可否情報自体が存在するか否かが判定されるようにしても良い)。結合可否情報は、例えば1ビットのデータであり、“0”であれば、分割TSを結合する機能を有していないことを示し、“1”であれば分割TSを結合する機能を有していることを示すと定義しておく。そして、自身がチャンネルの結合機能を有すると判定されたときは(ステップS51でYES)、上記ステップS42と同様の結合Ch選局処理が実行され、自身がチャンネルの結合機能を有しないと判定したときは(ステップS51でNO)、上記ステップS43と同様の単一Ch選局処理が実行される。
また、結合機能非対応機については、図15に示したような処理を実行するプログラムや、結合可否情報を、例えばファームウエアのバージョンアップ等の手段で提供するようにすればよい(あるいは、新規出荷分の結合機能非対応機に関しては、当初から実装するようにしてもよい)。そして、結合機能非対応機で図15に示したような処理が実行されるよう構成し、結果的に結合機能非対応機では単一Ch選局処理が実行されるようにすればよい。これにより、図11を例にすると、結合機能非対応機では物理チャンネル3が選局されてTS200に基づく番組が再生され、結合機能対応機では物理チャンネル1および2が選局され、分割TSの結合等が行われて、より高画質、高音質の番組であるTS100に基づく番組が再生される。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。まず、第2の実施形態の詳細を説明するに先立ち、第2の実施形態、および、その後に説明する第3〜第6の実施形態で共通して想定しているデジタル放送システムにおける伝送の概要について説明する。第2の実施形態では、いわゆるハイビジョン規格の動画像コンテンツと、いわゆるスーパーハイビジョン規格の動画像コンテンツとを混在して放送するデジタル放送システムを想定している。例えば、あるチャンネルにおいて、午後8:00〜午後9:00まではハイビジョン規格の動画像コンテンツを放送し、午後9:00〜午後11:00まではスーパーハイビジョン規格の動画像コンテンツを放送するような場合を想定している。ここで、ハイビジョン規格で構成された番組については、その情報量は1つの物理チャンネルで伝送可能な情報量であるものとする。一方、スーパーハイビジョン規格で構成された番組については、1つの物理チャンネルだけでは伝送できない情報量を有するものとする。そのため、ハイビジョン規格で構成されている番組を放送する場合は、1つの物理チャンネルで1つの番組を伝送するが、スーパーハイビジョン規格で構成された番組については、図19に示すように、その放送データ(トランスポートストリーム)2101を2つに分割し、2つの物理チャンネル2111および2112で伝送する。以下、このような1つの番組を2つの物理チャンネルを用いて伝送する(つまり、2つの物理チャンネルを束ねて1本の伝送路として使う)ことをバルク伝送と呼ぶ。また、当該バルク伝送によって伝送される、上記スーパーハイビジョン規格で構成された番組をバルク番組と呼び、1つの物理チャンネルで伝送可能なハイビジョン規格で構成されている番組を非バルク番組と呼ぶ。そのため、上記の時間帯を例に取ると、例えば、午後8:00〜午後9:00までは、物理チャンネル1と物理チャンネル2(以下、単にCh1、Ch2・・のように呼ぶ)とではそれぞれ異なる内容の非バルク番組が表示されることになり、午後9:00〜午後11:00までは、両チャンネルとも同じ内容のバルク番組が表示されていることになる。つまり、いずれのチャンネルを選局しても、同じ番組が画面に表示される。
ここで、本実施形態では、上記バルク番組をバルク伝送する際に、伝送に用いられる2つの物理チャンネルのうち、一方のチャンネルについて階層伝送を行うようにしている。具体的には、送信側で、上記バルク番組と同内容のコンテンツをハイビジョン規格で生成する(以下、当該ハイビジョン規格のコンテンツを低階層番組と呼ぶ)。つまり、バルク番組と低階層番組とは、ハイビジョン規格で作成されたかスーパーハイビジョン規格で作成されたかの違いがあるだけで、その番組内容(放送される内容)は同じものである。そして、本実施形態では、変調方式として、バルク番組に関しては、32APSK(Amplitude Phase Shift Keying)を用い、当該低階層番組についてはQPSK(quadrature phase shift keying))を用いて変調する。低階層番組(ハイビジョン規格)は、バルク番組のものよりは情報量が少ないため、伝送するためのネットワーク帯域も少なくて済む。そして、本実施形態では、図1に示すように、バルク伝送を行うチャンネルのうち一方のチャンネルについてはバルク番組101aと低階層番組102との階層伝送を行っている。なお、上記非バルク番組や低階層番組の映像規格については、ハイビジョン映像に限らずSD(Standard Definition)映像であってもよい。
図20は、上記のような放送を行うための送信側の設備(送信装置)の一例を示す機能ブロック図である。図20に示す送信装置は、SHV符号化部11と低階層符号化部2012と合成部2013と、分配部2014と、HV符号化部2015aおよび2015bと、切替スイッチ部2016aおよび2016bと、変調部2017aおよび2017bと、送信アンテナ2018とで構成されている。
図20において、まず、スーパーハイビジョン映像の番組が送信される場合について説明する。この場合、切替スイッチ部2016aおよび2016bのスイッチは、変調部2017aおよび2017bが分配部2014と接続されるように設定される。このようにスイッチが設定された状態で、スーパーハイビジョン映像の番組がSHV符号化部2011に出力され、所定の符号化形式で符号化(エンコード)されて上記バルク番組として合成部2013に出力される。また、当該スーパーハイビジョン映像の番組は、低階層符号化部2012にも出力され、所定の符号化形式で符号化され(ここでは、ハイビジョン規格相当の画質になるよう符号化されるものとする)、上記低階層番組2102として合成部2013に出力される。合成部2013では、バルク番組と低階層番組を多重化したトランスポートストリームを生成し、分配部2014に出力する。分配部2014では、当該トランスポートストリームを所定の規則に基づいて切替スイッチ部2016aおよび2016bという2つの出力先に分配する(このとき、低階層番組にかかるデータは切替スイッチ部2016aおよび2016bのいずれか一方の経路にのみ出力される)。出力されたデータは、それぞれ変調部2017aおよび2017bに入力され、所定の方式で放送信号に変調される。そして、それぞれ異なる物理チャンネルを用いて、送信アンテナ2018から出力される。その結果、図1を例に取ると、一方の物理チャンネルでは上記低階層番組2102と上記分割されたスーパーハイビジョン番組(バルク番組)2101aが階層伝送され、他方の物理チャンネルでは、上記分割された残りの分のスーパーハイビジョン番組2101bのみが伝送されることになる。
次に、上記非バルク番組を送信する場合を説明する。この場合は、それそれ異なる内容の2つの非バルク番組が異なるチャンネルでそれぞれ送信される。切替スイッチ部2016aおよび2016bについては、変調部2017aがHV符号化部2015aと接続され、変調部2017bがHV符号化部2015bと接続されるように切替えられる。そして、ハイビジョン映像の番組であるハイビジョン番組AがHV符号化部2015aに入力され、所定の符号化形式で符号化される。また、ハイビジョン番組Aとは異なる内容であるハイビジョン番組BがHV符号化部2016bに入力され、所定の符号化形式で符号化される。そして、符号化されたハイビジョン番組AがHV符号化部2015aから変調部2017aへと出力され、放送信号に変調される。同様に、符号化されたハイビジョン番組BがHV符号化部2015bから変調部2017bへと出力され、放送信号に変調される。そして、それぞれ異なるチャンネルを使って送信アンテナ2018から送信される。このように、本実施形態では、バルク番組と非バルク番組の出力を適宜切替ながらデジタル放送を行っている。
ここで、上記バルク伝送に関して、受信装置側(2つの物理チャンネルを同時に受信する必要があるため、少なくとも2つのチューナを備えている)においては、バルク番組を再生するための情報、例えば、どの物理チャンネルとどの物理チャンネルの組み合わせでバルク番組が構成されるか等の情報(以下、バルク関連情報と呼ぶ)が必要となる。本実施形態では、当該バルク関連情報を、いわゆるTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号(伝送パラメータ等を含む信号)に載せて送信するものとする。受信装置側では、いずれか1つのチューナで選局・受信した放送信号からTMCC信号を分離し、上記バルク関連情報を得る。そして、当該バルク関連情報に基づいて、これから送信されてくる番組がバルク番組であるか否かや、バルク番組の場合はどのチャンネルとの組み合わせで構成されているか等を判定し、選局・合成等を行う処理が実行されることになる。
図21は、本実施形態で用いられる上記バルク関連情報の一例を示す図である。バルク関連情報は、物理Ch番号2131と接続フラグ2132と接続対象Ch2133と階層伝送Ch2134の集合から構成されている。バルク関連情報には、全ての物理チャンネルについての情報が含まれており、物理Ch番号2131は、物理チャンネルの番号を示す。接続フラグ2132は、放送される番組がバルク番組か非バルク番組かを識別するためのフラグである。接続フラグ2132がオンに設定されているときは、その物理チャンネルで伝送される番組がバルク番組であることを示す。また、オフに設定されているときは、その物理チャンネルのみを使用して非バルク番組が放送されることを示す。
接続対象Ch2133は、その物理チャンネルで放送される番組がバルク番組である場合に、その物理チャンネルと共に当該バルク番組を構成している物理チャンネル番号を示すためのデータである。図21の例では、例えばWチューナ構成の受信装置において、一方のチューナでCh1を選局して図21のようなバルク関連情報を取得した場合、Ch1で放送される番組がバルク番組であること、および、当該バルク番組は物理チャンネル1と物理チャンネル2とで構成されることがわかる。そのため、バルク番組を再生するためには、他方のチューナでCh2を選局する必要があることがわかる。
階層伝送Ch2134は、バルク伝送が行われている2つのチャンネルのうち、上記低階層番組が階層伝送されている物理チャンネルを示すためのフラグである。階層伝送Ch2134がオンに設定されている物理チャンネルは、上記低階層番組が階層伝送されている物理チャンネルであることを示す。
このように、本実施形態が想定するデジタル放送システムでは、バルク番組と非バルク番組とを混在して放送し、バルク番組については2つの物理チャンネルを使ってバルク伝送を行っている。以下に説明する各実施形態における受信装置は、上記の様に送信されるデジタル放送を受信するためのものである。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態にかかる受信装置について説明する。図22は、第2の実施形態にかかる受信装置2030の一例を示す機能ブロック図である。図22において、受信装置2030は、アンテナ2031と、第1のチューナ2032と、第2のチューナ2033と、第1の復調部2034と、第2の復調部2035と、第1の主信号誤り訂正復号部2036と、第2の主信号誤り訂正復号部2037と、第1のTMCC復号部2038と、第2のTMCC復号部2039と、TMCC制御部2040と、TS合成・分離部2041と、第1のAVデコーダ2042と、第2のAVデコーダ2043と、第1のOSD作成・合成部2044と、第2のOSD作成・合成部2045と、第1の表示部2046と第2の表示部2047と、CPU2048と、リモコン処理部2049と、フラッシュメモリ2050と、リモコン2051とで構成される。
第1のチューナ2032および第2のチューナ2033は、CPU2048からの制御信号に基づいて所定の物理チャンネルを選局し、デジタル放送信号をアンテナ31を介して受信する。
第1の復調部2034は、第1のチューナ2032から出力される送信信号をデジタル信号に復調し、第1の主信号誤り訂正復号部2036および第1のTMCC復号部2038に出力する。
第1の主信号誤り訂正復号部2036は、第1の復調部2034から出力されたデジタル信号に対して誤り訂正復号処理を実行し、トランスポートストリームを得る。そして、当該トランスポートストリームをTS合成・分離部2041に出力する。図23は、第1の主信号誤り訂正復号部2036の詳細を示すブロック図である。図23において、第1の主信号誤り訂正復号部2036では、第1の復調部2034から出力されたデジタル信号について、デインターリーブ部2361でデインタリーブが行われ、内符号誤り復号部2362における内符号の復号、エネルギー逆拡散部2363におけるエネルギー逆拡散を経て外符号誤り復号部2364による外符号の復号が行われ、トランスポートストリームとして出力される。
第1のTMCC復号部2038は、第1の復調部2034から出力されたデジタル信号(TMCC信号)からTMCC情報を復号して取得する。そして、当該TMCC情報をTMCC制御部2040に出力する。
第2の復調部2035、第2の主信号誤り訂正復号部2037、および、第2のTMCC復号部2039は、第2のチューナ2033から出力される送信信号に対して、上記第1の復調部2034、第1の主信号誤り訂正復号部2036、第1のTMCC復号部2038と同様の処理を行う。
TMCC制御部2040は、第1のTMCC復号部2038から出力されるTMCC情報(より正確には、TMCC情報から得られる各種伝送パラメータの情報等)に基づいて、第1の復調部2034および第1の主信号誤り訂正復号部2036を制御する。また、第2のTMCC復号部2039から出力されるTMCC情報に基づいて、第2の復調部2035および第2の主信号誤り訂正復号部2037を制御する。また、TMCC制御部2040は、取得したTMCC情報をCPU2048に出力する。
TS合成・分離部2041は、CPU2048からの制御信号に基づいて、以下のような3種類の処理モードを切り替えて実行する処理モードである。まず、1つめの処理モードとして、バルク番組を再生するための処理を実行する。この場合は、TS合成・分離部2041は、第1の主信号誤り訂正復号部2036および第2の主信号誤り訂正復号部2037から出力されてくる両トランスポートストリームを合成することによって、送信側で2つに分割される前のトランスポートストリームを復元する。更に、TS合成・分離部2041は、当該合成後のトランスポートストリームから、上記バルク番組にかかるAVストリーム、および、低階層番組にかかるAVストリームを分離して取得する。そして、TS合成・分離部2041は、CPU2048からの制御信号に基づいて、バルク番組にかかるAVストリームおよび低階層番組にかかるAVストリームの少なくとも一方を、第1のAVデコーダ2042または第2のAVデコーダ2043の少なくとも一方に出力する。
次に、TS合成・分離部2041が行う2つめの処理モードとして、非バルク番組を再生するための処理を実行する処理モードがある。この場合は、TS合成・分離部2041は、第1の主信号誤り訂正復号部2036および第2の主信号誤り訂正復号部2037から出力されてくる両トランスポートストリームの合成は行わない。すなわち、第1の主信号誤り訂正復号部2036から出力されるトランスポートストリームからAVストリームを分離し、第1のAVデコーダ2042に出力する。また、第2の主信号誤り訂正復号部2037から出力されるトランスポートストリームからAVストリームを分離し、第2のAVデコーダ2043に出力する。
次に、TS合成・分離部41が行う3つめの処理モードとして、低階層番組を再生するための処理を実行する処理モードがある。この場合は、TS合成・分離部2041は、第1の主信号誤り訂正復号部2036または第2の主信号誤り訂正復号部2037から出力されるトランスポートストリーム(階層伝送されている物理チャンネルで取得されたトランスポートストリーム)から低階層番組にかかるAVストリームを分離し、第1のAVデコーダ2042または第2のAVデコーダ2043に出力する。以下、上記バルク番組の再生のための処理モードについてはバルク再生モードと呼び、非バルク番組の再生のための処理モードについては非バルク再生モードと呼ぶ。また、低階層番組の再生のための処理モードについては、低階層番組再生モードと呼ぶ。なお、TS合成・分離部2041において、上記非バルク再生モードと低階層再生モードについては並列で処理することが可能である。また、TS合成・分離部2041は、CPU2048からの制御信号に基づいて、上記各AVストリームを適宜録画処理部2052へ出力する。
また、TS合成・分離部2041はEPG情報取得部2054を含んでいる。EPG情報取得部2054は、第1の主信号誤り訂正復号部2036または第2の主信号誤り訂正復号部2037から出力されるトランスポートストリームからEPGにかかるデータを分離して取得する。また、CPU2048からの制御信号に基づいて、利用者の録画予約操作に用いるために適宜EPGを画面に出力する。ここで、当該EPGには、各番組の放送時間や放送内容に関するデータの他に、各番組が上記バルク番組であるか否かを示す情報およびバルク放送を構成する物理チャンネルを示す情報が含まれている。また、バルク番組については、更に、上記低階層番組が階層伝送される物理チャンネルについての情報も含まれている。なお、EPG情報取得部2054は、例えばインターネットからEPGを取得するよう構成されていても良い。
第1のAVデコーダ2042および第2のAVデコーダ2043は、CPU2048からの制御信号に基づいて、それぞれTS合成・分離部2041から出力されたAVストリームをデコードして映像・音声信号を取得する。そして、第1のAVデコーダ2042は、デコードの結果得られた映像・音声信号を第1の表示部2046に出力する。また、第2のAVデコーダ2043は、デコードの結果得られた映像・音声信号を第2の表示部2047に出力する。ここで、第1のAVデコーダ2042および第2のAVデコーダ2043は、少なくとも、バルク番組のAVストリームと非バルク番組のAVストリームの双方の符号化形式に対応するデコード形式でデコード処理が可能である。そして、第1のAVデコーダ2042および第2のAVデコーダ2043は、CPU2048からの制御信号に基づき、これらのデコード方式を適宜切り替えてデコード処理を実行する。
第1のOSD作成・合成部2044は、第1のAVデコーダ2042が第1の表示部2046に出力した画面の上に重ねて表示するためのOSD表示を生成する。そして、第1のOSD作成・合成部2044は、第1のAVデコーダ2042からの出力と当該OSD表示を合成して第1の表示部2046に出力する。また、第2のOSD作成・合成部2045は、第2のAVデコーダ2043が第2の表示部2047に出力した画面の上に重ねて表示するためのOSD表示を生成し、第2のAVデコーダ2043からの出力と合成して第2の表示部2047に出力する。
第1の表示部2046および第2の表示部2047は、いわゆる2画面表示における各画面に相当するものである。第1の表示部2046は、第1のAVデコーダ2042から出力された映像・音声信号に基づいて映像・音声を利用者に提示する。第2の表示部2047は、第2のAVデコーダ2043から出力された映像・音声信号に基づいて映像・音声を利用者に提示する。
CPU2048は、上述したようなバルク再生モード、非バルク再生モード、低階層再生モードを切り替えながら、上記第1のチューナ2032、第2のチューナ2033、TS合成・分離部2041、第1のAVデコーダ2042、第2のAVデコーダ2043等を制御して、バルク番組、低階層番組、または非バルク番組を利用者が視聴できるようにするための処理を実行する。
リモコン処理部2049は、リモコン2051からの操作信号を受信し、操作指示内容を示す信号をCPU2048に出力する。
フラッシュメモリ2050は、不揮発性のメモリであり、録画予約に関するデータ(以下、予約一覧と呼ぶ)が記憶される。図24は、当該予約一覧のデータ構造の一例を示した図である。図24において、予約一覧2500は、放送時間帯2501、放送チャンネル2502、番組識別情報2503、番組情報2504等の集合から成る。放送時間帯2501は、予約されている番組の放送日時および放送時間帯を示し、放送チャンネル2502は、当該番組の放送される物理チャンネルを示す。バルク番組の場合は2つの物理チャンネルが記憶され、非バルク番組または低階層番組の場合は1つの物理チャンネルのみが記憶される。番組識別情報2503は、予約されている番組の種別、すなわち、バルク番組であるか非バルク番組であるか、低階層番組であるかを示すための情報である。また、番組情報2504は、その番組に関する書誌的事項(番組タイトルや出演者名等)のデータである。また、フラッシュメモリ2050には、その他、CPU2048が各種制御に用いるためのデータ等も記憶される。
録画処理部2052は、CPU2048からの制御信号に基づいて、上記各番組(すなわち、TS合成・分離部2041から出力されるAVストリーム)を記録部2053に録画するための処理(符号化処理や録画データの管理処理等)を実行する。記録部2053は、上記のような各番組を録画するための記録媒体である。例えば、ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)によって実現される。
次に、以上のような受信装置2030で実行される選局再生処理の処理概要を説明する。以下の説明の前提として、本実施形態では、次のような状況を想定する。まず、視聴対象とするチャンネルはCh1〜Ch4とする。そして、これらのチャンネルの放送スケジュールとして、図25に示すようなスケジュールが組まれているとする。すなわち、Ch1およびCh2では、午後6:00:00〜7:59:59はバルク番組である「番組A」が放送される。また、Ch3では、それぞれ午後6:00:00〜6:59:59までは非バルク番組である「番組B」が放送され、午後7:00:00〜7:59:59は、非バルク番組である「番組C」が放送される。更に、Ch4では、それぞれ午後6:00:00〜6:59:59までは非バルク番組である「番組D」が放送され、午後7:00:00〜7:59:59は、非バルク番組である「番組E」が放送される場合を想定する。
このような放送スケジュールにおいて、「番組B」を録画中の状態で、利用者がCh1を選局した場合を考える。例えば、図24において、午後6:30:00のタイミングで、利用者がCh1を選局した場合である。この場合は、「番組B」を録画中の状態、すなわち、いずれか一方のチューナが使用中(Ch3を選局中)の状態であることになる。一方、Ch1で放送されている「番組A」は、Ch1とCh2を用いてバルク伝送されているバルク番組であるため、2つの物理チャンネルを選局する必要がある。しかし、上記のように、「番組B」の録画のために一方のチューナが使用中の状態であるため、Ch2の選局ができず、バルク番組の視聴ができない。そこで、本実施形態では、当該バルク番組と階層伝送されている上記低階層番組を再生・表示する処理を行う。つまり、低階層番組については階層伝送されている物理チャンネルさえ選局できれば再生可能であり、かつ、上述のように番組内容そのものは同じものである。そこで、当該低階層番組をもって「番組A」の再生とする処理を行う。これにより、「番組B」が録画中の状態であっても、バルク伝送に対応した番組そのものの視聴は可能となる。
次に、第2の実施形態における選局再生処理の詳細を説明する。図26は、当該選局再生処理の詳細を示すフローチャートである。ここで、図26のフローチャートの処理は、バルク番組が放送されている物理チャンネルを選局する操作(リモコン2051の数字キー「1」を押下)する等)が利用者によって行われることによって実行される。また、ここでは、利用者の操作に基づいて選局するために、第1のチューナ2032が用いられるものとする。
図26において、利用者がリモコン2051でバルク番組にかかるチャンネル(ここではCh1)を選局する操作を行うと、ステップS1において、受信装置2030で録画処理が実行中であるか否かが判定される。つまり、バルク番組にかかるチャンネルが選局された時点で、何らかの番組が録画中の状態であるか否かが判定されることになる。
当該判定の結果、録画処理が実行されていなければ(ステップS1でNO)、チューナは2つとも使用可能な状態であるため、ステップS7において、上記選局されたチャンネルで放送されるバルク番組を再生するための処理が開始される。具体的には、まず、CPU2048は、上記バルク関連情報を参照して、Ch1の接続対象Ch2133に示されている物理チャンネルを第2のチューナ2033に選局させる処理を行う。すなわち、バルク番組が伝送される2つの物理チャンネルが第1のチューナ2032および第2のチューナ2033で選局された状態するための処理を実行する。そして、各チューナで受信された放送信号が復調等され、トランスポートストリームが得られる。続いて、CPU2048は、TS合成・分離部2041に、上記処理モードをバルク再生モードに切り替えるための制御信号を出力する。その結果、TS合成・分離部2041は、第1のチューナ2032経由で得られたトランスポートストリームと第2のチューナ2033経由で得られたトランスポートストリームを合成する処理を開始する。そして、TS合成・分離部2041は、合成されたトランスポートストリームからバルク番組にかかるAVストリームを分離し、バルク番組にかかるAVストリームを第1のAVデコーダ2042に出力する。第1のAVデコーダ2042は、当該バルク番組にかかるAVストリームをデコードし、第1のOSD作成・合成部2044を経由して第1の表示部2046に映像・音声信号を出力する処理を開始する。これにより、バルク番組が画面に表示される、つまり、バルク番組の再生処理が開始されることになる。その後、処理は終了する。
一方、ステップS1の判定の結果、録画処理が実行されているときは(ステップS2001でYES)、次にステップS2において、録画中の番組の数が1以下であるか否かが判定される。当該判定の結果、録画中の番組の数が1以下でない、つまり、2つのチューナ共に録画に用いられているような場合、例えば、図25の「番組B」および「番組D」の双方を録画しているような場合は(ステップS2002でNO)、ステップS6において、選局されたチャンネルは選局できない、あるいは視聴できない旨をOSD表示する処理が実行される。より具体的には、CPU2048は、上記の旨のメッセージを生成させるための制御信号を第1のOSD作成・合成部2044に出力する。これに応じて、第1のOSD作成・合成部2044は上記の旨のOSD表示を生成する。そして、第1のOSD作成・合成部2044は、当該OSD表示を第1の表示部2046に出力する。この結果、選局したチャンネルは視聴できない旨が画面上に表示されることになる。
一方、上記ステップS2002の判定の結果、録画中の番組数が1以下の場合(ステップS2002でYES)、例えば、図25の「番組B」のみが録画中であるような場合は、次にステップS2003において、選局された物理チャンネルの番組については低階層番組であれば表示可能である旨、および、低階層番組として視聴するか否かを問い合わせるためのOSD表示する処理が実行される。例えば、「放送される番組はスーパーハイビジョン番組ですが、ハイビジョン画質であれば視聴可能です。ハイビジョン画質で視聴しますか?」等のメッセージをOSD表示する処理が実行される。そして、CPU2048は、利用者からの返答操作を受け付ける。
次に、ステップS2004において、上記ステップS2003での問い合わせの結果、利用者が低階層番組を視聴することを選択したか否かが判定される。当該判定の結果、利用者が低階層番組の視聴を選択しなかったときは(ステップS2004でNO)、上記ステップS2006の処理へ進む。一方、利用者が低階層番組を視聴することを選択したときは(ステップS2004でYES)、続くステップS2005において、低階層番組を再生するための処理が実行される。すなわち、CPU2048は、上記バルク関連情報の階層伝送Ch2134を参照して階層伝送が行われている物理チャンネル番号を検出する。そして、その時点で階層伝送が行われている物理チャンネルが選局されていないときは、CPU2048は、第1のチューナ2032に当該階層伝送が行われている物理チャンネルを選局させるための制御信号を出力する。さらに、CPU2048は、処理モードを上記低階層番組再生モードに切り替えるための制御信号をTS合成・分離部2041に出力する。また、CPU2048は、第1のAVデコーダ2042に対しても、低階層番組用のデコード処理に切り替えるための制御信号を出力する。その結果、第1のチューナ2032から得られたトランスポートストリームがTS合成分離部に入力されると、TS合成・分離部2041において低階層番組にかかるAVストリームが分離され、第1のAVデコーダ2042に出力される。そして、デコードされた映像音声信号が第1のAVデコーダ2042から第1のOSD作成・合成部2044を経由して第1の表示部2046に出力される。これにより、低階層番組の再生が開始されることになる。以上で、第1の実施形態にかかる選局再生処理が終了する。
以上のように、第1の実施形態では、非バルク番組の録画処理が実行中のタイミングでバルク番組にかかる物理チャンネルが選局されたときは、バルク番組と共に階層伝送されている低階層番組を再生している。これにより、所定の非バルク番組が録画中の状態においても、バルク番組にかかる番組内容を視聴することが可能となる。つまり、バルク伝送に対応している番組の視聴と非バルク番組の録画(いわゆる裏録)の両立が可能となる。また、上記のように低階層番組での再生を行う旨や視聴できない旨をOSD表示するため、利用者は視聴状況を容易に把握することが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、図27から図28を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。上述の第2の実施形態では、録画中の状態でバルク番組にかかる物理チャンネルが選局された場合を想定していた。これに対して、第3の実施形態では、録画予約を行う場面を想定する。なお、当該実施形態に係る受信装置は、上述した第2の実施形態と同様であるため、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
以下、第3の実施形態における処理の概要を説明する。第3の実施形態では、図27に示すような放送スケジュールを想定する。図27においては、午後8:00:00〜9:59:59までの2時間枠で、Ch1およびCh2ではバルク番組である「番組F」が、Ch3およびCh4では同じくバルク番組である「番組G」が放送される。更に、Ch5では、同じく2時間枠で非バルク番組である「番組H」が放送される。またCh6およびCh7ついては、それぞれ午後8:00:00〜8:59:59までは非バルク番組である「番組I」「番組J」が放送されるが、午後9:00:00〜9:59:59は、両チャンネルを使ってバルク番組である「番組K」が放送される。
上記のような放送スケジュールにおいて、第3の実施形態では、次のような処理が実行される。例えば、利用者が非バルク番組である「番組H」を録画予約しようとした際に、受信装置30において「番組H」の放送時間帯に重複して既に録画予約されている番組が存在するか否かが判定される。そして、既にバルク番組の録画予約、例えば「番組F」の録画予約が登録されていた場合は、「番組H」の録画はできない旨がOSD表示される。
以下、第3の実施形態における録画予約処理の詳細を説明する。図28は、当該録画予約処理の詳細を示すフローチャートである。当該フローチャートの処理は、利用者が非バルク番組の録画予約を登録するための操作を行ったときに実行される。
図28において、まず、ステップS2021において、フラッシュメモリ2050から、上記予約一覧2500(図24参照)が取得される。次に、ステップS2022において、利用者が予約しようとする番組(以下、予約希望番組と呼ぶ)の放送時間帯と重複している録画予約が存在するか否かが判定される。当該判定の結果、重複する録画予約がなければ(ステップS2021でNO)、ステップS2026において、予約希望番組の録画予約をフラッシュメモリ2050に登録する処理が実行される。
一方、ステップS2022の判定の結果、重複する録画予約が存在したときは(ステップS2022でYES)、次のステップS2023において、番組識別情報2503に基づいて、重複する録画予約の番組はバルク番組か否かが判定される。当該判定の結果、録画予約が重複している番組がバルク番組であるときは(ステップS2023でYES)、ステップS2024において、予約希望番組の録画予約ができない旨のOSD表示を行う処理が実行される。これは、バルク番組の録画のためには2つのチューナが必要となるため、それ以上の録画予約ができないためである。
一方、ステップS2023の判定の結果、録画予約が重複している番組がバルク番組ではない、つまり、非バルク番組であるときは(ステップS2023でNO)、次のステップS2025において、重複している録画予約の数が1以下であるか否かが判定される。当該判定の結果、重複している録画予約の数が1以下であるときは(ステップS2023でYES)、当該時間帯においては録画のために用いられるチューナは1つだけという状態であるため、他方のチューナを用いた予約希望番組の録画は可能である。そのため、上記ステップS2026の処理へ進み、上記予約希望番組を録画予約する処理が実行される。一方、重複している録画予約の数が1以下ではないときは(ステップS2025でNO)、既に2つの非バルク番組の録画予約が登録されており、チューナに空きがない状態であると考えられる。そのため、この場合は、上記ステップS2024の処理に進み、予約希望番組の録画予約ができない旨をOSD表示する処理が実行される。以上で、第3の実施形態における録画予約処理は終了する。
以上のように、第3の実施形態では、非バルク番組の録画予約を行うときに、バルク番組の録画予約と重複しないか否かを判定し、重複する際にOSD表示による警告を行うようにしている。これにより、利用者が録画予約操作を行う際の受信装置の利便性を高めることができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、上述の第3の実施形態と同様に非バルク番組の録画予約を行う場面を想定している。そして、第3の実施形態では、非バルク番組の録画予約希望時間帯にバルク番組の予約が重複していた場合、予約できない旨のOSD表示を行うだけであったが、第4の実施形態では、この場合、上記低階層番組を利用する。すなわち、第4の実施形態では、先約分のバルク番組の録画予約を低階層番組の録画予約に変更することで、録画のために使用されるチューナ数を1つにし、予約希望番組の予約登録を可能とする。上記図27に示したような放送スケジュールを例として説明すると、例えば、利用者が非バルク番組である「番組H」を録画予約する操作を行った場合を想定する。このときに、バルク番組である「番組F」が既に録画予約されていたときは、本実施形態では、「番組F」のバルク番組としての録画を上記低階層番組としての録画に変更することで、「番組F」と「番組H」の録画を両立させる。なお、当該実施形態に係る受信装置は、上述した第2の実施形態と同様であるため、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
以下、第4の実施形態における録画予約処理の詳細を説明する。図29は、当該録画予約処理の詳細を示すフローチャートである。当該フローチャートの処理は、利用者が非バルク番組の録画予約を登録するための操作を行ったときに実行される。なお、図29において、ステップS2021からステップS2026までの処理は、上述の第3の実施形態で図28を用いて説明したステップS2021からステップS2026の処理と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図29のステップS2023において、重複している番組がバルク番組か否かが判定される。当該判定の結果、録画予約が重複している番組がバルク番組であるときは(ステップS2023でYES)、次のステップS2031において、次の旨の内容をOSD表示する処理が実行される。すなわち、既に予約されているバルク番組の録画を低階層番組の録画に変更すれば、上記予約希望番組の録画が可能になる旨をOSD表示する。つまり、現在、スーパーハイビジョン映像での録画予約がなされているが、これをハイビジョン映像での録画に変更すれば、録画予約を希望している非バルク番組の録画が可能となる旨をOSD表示する処理が実行される。更に、既に予約済みであるバルク番組の録画を低階層番組の録画に変更するか否かの問い合わせをOSD表示する処理が実行される。その後、利用者からの返答操作が受け付けられる。
次に、ステップS2032において、上記問い合わせに対する利用者の返答内容が、低階層番組の録画への変更を指示する内容であるか否かが判定される。当該判定の結果、低階層番組の録画への変更が指示されていないときは(ステップS2032でNO)、上記ステップS2024の処理に進み、録画予約ができない旨をOSD表示する。
一方、ステップS2032の判定の結果、低階層番組の録画への変更を指示する内容のときは(ステップS2032でYES)、次のステップS2033において、上記重複しているバルク番組の録画予約がキャンセルされる。そして、当該バルク番組と共に階層伝送される低階層番組を録画するための録画予約が予約一覧2500に登録される。具体的には、予約一覧2500の放送チャンネル2502に、階層伝送が行われる物理チャンネル(当該階層伝送が行われる物理チャンネルの情報は、EPGに含まれているものとする)が格納され、番組識別情報2503には、低階層番組であることを示す情報が格納される。放送時間帯2501および番組情報2504には、キャンセルしたバルク番組のものと同じ情報が格納される。そして、続くステップS2034において、上記予約希望番組の録画予約が予約一覧2500に登録される。以上で、第4の実施形態にかかる録画予約処理は終了する。
以上のように、第4の実施形態では、非バルク番組を録画予約するときに、バルク番組の録画予約と重複しているときは、バルク番組の録画予約を低階層番組の録画予約へと変更することで、当該非バルク番組の録画予約を可能としている。これにより、バルク番組の録画予約がなされている時間帯にそれ以上の番組録画ができない状態となることを防ぐ事ができる。つまり、バルク伝送に対応する番組(スーパーハイビジョン放送に対応している番組)と非バルク番組(ハイビジョン放送の番組)の録画を両立させることが可能となる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。上記第3および第4の実施形態は、非バルク番組の録画予約を行う場面を想定していた。これに対して、第5の実施形態では、バルク番組の録画予約を行う場面を想定する。すなわち、バルク番組の録画予約を行う際に、他の録画予約を重複する際の処理となる。なお、当該実施形態に係る受信装置は、上述した第2の実施形態と同様であるため、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。また、第5の実施形態でも、上記図27に示したような放送スケジュールを想定する。
以下、第5の実施形態における録画予約処理の詳細を説明する。図30は、当該録画予約処理の詳細を示すフローチャートである。当該フローチャートの処理は、利用者がバルク番組の録画予約を登録するための操作を行ったときに実行される。なお、ステップS2041およびS2042の動作は、上述の第3の実施形態で図28を用いて説明したステップS2021およびS2022と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図30において、まず、ステップS2041において、フラッシュメモリ2050から予約一覧2500が取得され、ステップS2042において、予約希望番組の放送時間帯と重複している録画予約が存在するか否かが判定される。当該判定の結果、重複する録画予約がなければ(ステップS2042でNO)、ステップS2044において、予約希望番組の録画予約をフラッシュメモリ2050に登録する処理が実行される。
一方、ステップS2042の判定の結果、重複する録画予約が存在したときは(ステップS2042でYES)、次のステップS2043において、予約希望番組の録画予約ができない旨のOSD表示を行う処理が実行される。つまり、バルク番組の録画のためには2つのチューナが必要となるところ、バルク番組/非バルク番組を問わず、何らかの録画予約を重複していれば、バルク番組の録画予約ができない。そのため、重複する録画予約が存在する場合は、バルク番組の録画ができないとするものである以上で、第5の実施形態における録画予約処理は終了する。
以上のように、第5の実施形態では、バルク番組の録画予約を行うときに、何らかの録画予約と重複しないか否かを判定し、重複する際にOSD表示により録画予約が出来ない旨を警告している。これにより、利用者が録画予約操作を行う際の受信装置の利便性を高めることができる。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。第6の実施形態は、上述の第5の実施形態と同様にバルク番組の録画予約を行う場面を想定している。そして、第5の実施形態では、バルク番組の録画予約希望時間帯に何らかの番組の録画予約が重複していた場合、予約できない旨のOSD表示を行うだけであったが、第6の実施形態では、この場合、上記低階層番組を利用する。すなわち、第6の実施形態では、バルク番組の予約を、適宜低階層番組の録画予約に変更することで、録画のために使用されるチューナ数を1つにし、予約希望番組の予約登録を可能とする。上記図27の放送スケジュールを例として説明すると、例えば、利用者が「番組G」を録画予約する操作を行った場合を想定する。このときに、バルク番組である「番組F」が既に録画予約されていたときは、本実施形態では、「番組F」「番組G」を共に上記低階層番組の録画として予約することで、両番組の録画を両立させる。また、利用者が「番組G」を録画予約する操作を行った際に、非バルク番組である「番組H」が既に録画予約されていたときは、「番組G」を低階層番組の録画として予約することで、「番組G」「番組H」の録画を両立させる。
なお、当該実施形態に係る受信装置は、上述した第1の実施形態と同様であるため、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
以下、第6の実施形態における録画予約処理の詳細を説明する。図31は、当該録画予約処理の詳細を示すフローチャートである。当該フローチャートの処理は、利用者が非バルク番組の録画予約を登録するための操作を行ったときに実行される。なお、図31において、ステップS2041からステップS2044までの処理は、上述の第5の実施形態で図29を用いて説明したステップS2041からステップS2044の処理と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図31において、ステップS2042で上記のように予約希望番組の放送時間帯と重複している録画予約が存在するか否かが判定された結果、重複している予約がないときは(ステップS2042でNO)、上記ステップS2044の処理において、予約希望番組を録画予約する処理が実行される。
一方、重複している予約があるときは(ステップS2042でYES)、続くステップS2051において、重複している番組がバルク番組か否かが判定される。当該判定の結果、録画予約が重複している番組がバルク番組であるときは(ステップS2051でYES)、次のステップS2052において、OSD表示のための処理が実行される。当該OSD表示の内容は、次のような内容である。すなわち、既に予約されているバルク番組の録画を上記低階層番組での録画に変更し、且つ、予約希望番組であるバルク番組についても上記低階層番組での録画とすれば、上記予約希望番組の録画が可能になる旨の内容である。更に、上記両バルク番組の録画を共に低階層番組の録画に変更するか否かの問い合わせをOSD表示する処理が実行される。その後、利用者からの返答操作が受け付けられる。
次に、ステップS2053において、上記問い合わせに対する利用者の返答内容が、両バルク番組の録画を共に低階層番組の録画へ変更する内容であるか否かが判定される。当該判定の結果、低階層番組の録画への変更を指示していないときは(ステップS2053でNO)、そのまま録画予約処理は終了する。
一方、ステップS2053の判定の結果、低階層番組の録画への変更を指示する内容のときは(ステップS2053でYES)、次のステップS2054において、上記重複しているバルク番組の録画予約がキャンセルされる。そして、当該バルク番組と階層伝送される低階層番組を録画するための録画予約がフラッシュメモリ2050に登録される。そして、続くステップS2034において、上記予約希望番組と階層伝送される低階層番組を録画するための録画予約がフラッシュメモリ2050に登録される。その結果、上記2つのバルク番組は共に低階層番組の録画予約として登録されることになる。
一方、上記ステップS2051の判定の結果、録画予約が重複している番組がバルク番組ではない、つまり、非バルク番組であるときは(ステップS2051でNO)、次のステップS2055において、重複している録画予約の数が1以下であるか否かが判定される。当該判定の結果、1以下であるときは(ステップS55でYES)、当該時間帯においては録画のために用いられるチューナは1つだけという状態である。そのため、ステップS2056において、予約希望番組を低階層番組の録画にすれば、当該予約希望番組の録画が可能になる旨をOSD表示する処理が実行される。更に、予約希望番組を低階層番組の録画として録画予約するか否かの問い合わせをOSD表示する処理が実行される。その後、利用者からの返答操作を受け付ける。
次に、ステップS2057において、上記問い合わせに対する利用者の返答内容が、低階層番組での録画予約を指示する内容であるか否かが判定される。当該判定の結果、低階層番組での録画を指示していないときは(ステップS2057でNO)、そのまま録画予約処理は終了する。
一方、ステップS2057の判定の結果、低階層番組の録画への変更を指示する内容のときは(ステップS2057でYES)、次のステップS2058において、予約希望番組を低階層番組で録画するための録画予約がフラッシュメモリ2050に登録される。
一方、ステップS2055の判定の結果、重複する予約数が1以下ではないときは(ステップS2025でNO)、既に2つの非バルク番組の録画予約が登録されており、チューナに空きがない状態であると考えられる。そのため、この場合は、上記ステップS2043の処理に進み、予約希望番組の録画予約ができない旨をOSD表示する処理が実行される。以上で、第6の実施形態にかかる録画予約処理は終了する。
以上のように、第6の実施形態では、バルク番組を録画予約するときに、他のバルク番組の録画予約と重複しているときは、双方のバルク番組を低階層番組の録画予約することで、当該両バルク番組と同内容の番組の録画予約を可能としている。これにより、録画が一切できないという状態が発生することを防ぎ、利用者の利便性を高めることが可能となる。
なお、上述したデジタル放送システムでは、低階層番組はバルク伝送にかかる2つの物理チャンネルのうち一方だけで階層伝送を行っていたが、これに限らず、双方のチャンネルで低階層番組を階層伝送(つまり、低階層番組の2重化)するようにしてもよい。この場合は、階層伝送されている物理チャンネルを検索する処理を省くことができる。
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。まず、第7の実施形態の詳細を説明するに先立ち、第7実施形態、および、その後に説明する第8〜第9の実施形態で共通して想定しているデジタル放送システムにおける伝送の概要について説明する。本実施形態では、いわゆるハイビジョン規格の動画像コンテンツと、いわゆるスーパーハイビジョン規格の動画像コンテンツとを混在して放送するデジタル放送システムを想定している。例えば、あるチャンネルにおいて、午後8:00〜午後9:00まではハイビジョン規格の動画像コンテンツを放送し、午後9:00〜午後11:00まではスーパーハイビジョン規格の動画像コンテンツを放送するような場合である。ここで、ハイビジョン規格で構成された番組については、その情報量は1つの物理チャンネルで伝送可能な情報量であるものとする。一方、スーパーハイビジョン規格で構成された番組については、1つの物理チャンネルだけでは伝送できない情報量を有するものとする。そのため、ハイビジョン規格で構成されている番組を放送する場合は、1つの物理チャンネルで1つの番組を伝送するが、スーパーハイビジョン規格で構成された番組については、その放送データ(トランスポートストリーム)を2つに分割し、2つの物理チャンネルを用いて伝送する。図32は、本実施形態におけるスーパーハイビジョン規格で構成された番組の伝送の概念を示す模式図である。図32に示すように、本実施形態ではスーパーハイビジョン規格の番組の放送データ(トランスポートストリーム)3101を2つに分割し、2つの物理チャンネル3111および3112で伝送する。つまり、2つの物理チャンネルを束ねてスーパーハイビジョン規格の番組を伝送する。以下、このような1つの番組を2つの物理チャンネルを用いて伝送することをバルク伝送と呼ぶ。また、当該バルク伝送によって伝送される、上記スーパーハイビジョン規格で構成された番組をバルク番組と呼び、1つの物理チャンネルで伝送可能なハイビジョン規格で構成されている番組を非バルク番組と呼ぶ。そのため、上記のような時間帯を例に取ると、例えば、午後8:00〜午後9:00までは、例えば、1チャンネルと2チャンネルとではそれぞれ異なる内容の非バルク番組が表示されることになり、午後9:00〜午後11:00までは、両チャンネルとも同じ内容のバルク番組が表示されていることになる。つまり、いずれのチャンネルを選局しても、同じ番組が画面に表示される。
ここで、本実施形態では、上記バルク番組をバルク伝送する際に、伝送に用いられる2つの物理チャンネルのそれぞれについて階層伝送を行うようにしている。具体的には、送信側で、上記バルク番組と同内容のコンテンツをハイビジョン規格で生成する(以下、当該ハイビジョン規格のコンテンツを低階層番組と呼ぶ)。つまり、バルク番組と低階層番組とは、ハイビジョン規格で作成されたかスーパーハイビジョン規格で作成されたかの違いがあるだけで、その番組内容(放送される内容)は同じものである。そして、本実施形態では、変調方式として、バルク番組に関しては、32APSK(Amplitude Phase Shift Keying)を用い、当該低階層番組についてはQPSK(quadrature phase shift keying))を用いて変調する。低階層番組(ハイビジョン規格)は、バルク番組のものよりは情報量が少ないため、伝送するためのネットワーク帯域も少なくて済む。そして、本実施形態では、バルク伝送を行う各チャンネルについて、図32に示すように、バルク番組3101aと低階層番組3102a、および、バルク番組3101bと低階層番組3102bとの階層伝送を行っている(図32では、同じ内容の低階層番組を2つ作成して、それぞれ各チャンネルに含めるようにしている)。
また、上記バルク伝送に関しては、受信装置側(2つの物理チャンネルを同時に受信する必要があるため、少なくとも2つのチューナを備えていることが前提となる)においてバルク番組を再生するための情報、例えば、どの物理チャンネルとどの物理チャンネルの組み合わせでバルク番組が構成されるか等の情報(以下、バルク関連情報と呼ぶ)が必要となる。本実施形態では、当該バルク関連情報を、いわゆるTMCC信号(伝送パラメータ等を含む信号)に載せて送信するものとする。受信装置側では、いずれか1つのチューナで選局・受信した放送信号からTMCC信号を分離し、上記バルク関連情報を得る。そして、当該バルク関連情報に基づいて、これから送信されてくる番組がバルク番組であるか否かや、バルク番組の場合はどのチャンネルとの組み合わせで構成されているか等を判定し、選局・合成等を行う処理が実行されることになる(詳細は後述)。
図33は、本実施形態で用いられる上記バルク関連情報の一例を示す図である。バルク関連情報は、物理Ch番号3131と接続フラグ3132と接続対象Ch3133の集合から構成されている。バルク関連情報には、全ての物理チャンネルについての情報が含まれており、物理Ch番号3131は、各物理チャンネルの番号を示す。接続フラグ3132は、放送される番組がバルク番組か非バルク番組かを識別するためのフラグである。接続フラグ3132がオンに設定されているときは、その物理チャンネルで伝送される番組がバルク番組であることを示す。また、オフに設定されているときは、その物理チャンネルのみを使用して非バルク番組が放送されることを示す。
接続対象Ch3133は、その物理チャンネルで放送される番組がバルク番組である場合に、その物理チャンネルと共に当該バルク番組を構成している物理チャンネル番号を示すためのデータである。例えば、Wチューナを備える受信装置において、一方のチューナで物理チャンネル1(以下、単にCh1と表す。他の物理チャンネルについても同様とする)を選局して図33のようなバルク関連情報を取得した場合、Ch1で放送される番組がバルク番組であること、および、当該バルク番組はCh1とCh2とで構成されることがわかる。そのため、バルク番組を再生するためには、他方のチューナでCh2を選局する必要があることがわかる。
このように、本実施形態が想定するデジタル放送システムでは、バルク番組と非バルク番組とを混在して放送し、バルク番組については2つの物理チャンネルを使ってバルク伝送を行っている。また、受信装置はWチューナーを備えており、TMCC信号に含まれるバルク関連情報に基づいてバルク番組/非バルク番組の判別や再生処理を行う。
(第7の実施形態)
次に、以上のようなデジタル放送システムにおいて、第7の実施形態で用いられる受信装置の構成について説明する。図34は、本発明の第7の実施形態に係る受信装置3030の構成を示した機能ブロック図である。図34において、受信装置3030は、アンテナ3031と、第1のチューナ3032と、第2のチューナ3033と、第1の復調部3034と、第2の復調部3035と、第1の主信号誤り訂正復号部3036と、第2の主信号誤り訂正復号部3037と、第1のTMCC復号部3038と、第2のTMCC復号部3039と、TMCC制御部3040と、TS合成・分離部3041と、第1のAVデコーダ3042と、第2のAVデコーダ3043と、第1の表示部3044と第2の表示部3045と、CPU3046と、リモコン処理部3047と、フラッシュメモリ3048と、リモコン3049とで構成される。
第1のチューナ3032および第2のチューナ3033は、CPU3046からの制御信号に基づいて所定の物理チャンネルを選局し、図示しない送信装置からの送信信号をアンテナ3031を介して受信する。
第1の復調部3034は、第1のチューナ3032から出力される送信信号をデジタル信号に復調し、第1の主信号誤り訂正復号部3036および第1のTMCC復号部3038に出力する。
第1の主信号誤り訂正復号部3036は、第1の復調部3034から出力されたデジタル信号に対して、誤り訂正の復号処理を実行し、トランスポートストリームを得る。そして、当該トランスポートストリームをTS合成・分離部3041に出力する。図35は、第1の主信号誤り訂正復号部3036の詳細を示すブロック図である。図35において、第1の主信号誤り訂正復号部3036では、第1の復調部3034から出力されたデジタル信号について、デインターリーブ部3361でデインタリーブが行われ、内符号誤り復号部3362における内符号の復号、エネルギー逆拡散部3363におけるエネルギー逆拡散を経て外符号誤り復号部3364による外符号の復号が行われ、トランスポートストリームとして出力される。
第1のTMCC復号部3038は、第1の復調部3034から出力されたデジタル信号(TMCC信号)からTMCC情報を復号して取得する。そして、当該TMCC情報をTMCC制御部3040に出力する。
第2の復調部3035、第2の主信号誤り訂正復号部3037、および、第2のTMCC復号部3039は、第2のチューナ33から出力される送信信号に対して、上記第1の復調部3034、第1の主信号誤り訂正復号部3036、第1のTMCC復号部3038と同様の処理を行う。
TMCC制御部3040は、第1のTMCC復号部3038から出力されるTMCC情報(より正確には、TMCC情報から得られる各種伝送パラメータの情報等)に基づいて、第1の復調部3034および第1の主信号誤り訂正復号部3036を制御する。また、第2のTMCC復号部3039から出力されるTMCC情報に基づいて、第2の復調部3035および第2の主信号誤り訂正復号部3037を制御する。また、TMCC制御部3040は、取得したTMCC情報をCPU3046に出力する。
TS合成・分離部3041は、CPU3046からの制御信号に基づいて、以下のような処理を実行する。まず、TS合成・分離部3041は、上記バルク番組を再生する場合は、第1の主信号誤り訂正復号部3036および第2の主信号誤り訂正復号部3037から出力されてくる両トランスポートストリームを合成することによって、送信側で2つに分割される前のトランスポートストリームを復元する。更に、TS合成・分離部3041は、当該合成後のトランスポートストリームから、上記バルク番組にかかるAVストリームを分離して取得する。そして、TS合成・分離部41は、CPU3046からの制御信号に基づいて、バルク番組にかかるAVストリームを第1のAVデコーダ42または第2のAVデコーダ3043の少なくとも一方に出力する。また、上記低階層番組を再生する場合は、上述のようなTSの合成は行わずに、第1の主信号誤り訂正復号部3036および第2の主信号誤り訂正復号部3037のいずれかから出力されてくるトランスポートストリームから、低階層番組にかかるAVストリームを分離する。そして、TS合成・分離部3041は、CPU3046からの制御信号に基づいて、低階層番組にかかるAVストリームを第1のAVデコーダ3042または第2のAVデコーダ3043の少なくとも一方に出力する。
第1のAVデコーダ3042および第2のAVデコーダ3043は、CPU3046からの制御信号に基づいて、それぞれTS合成・分離部3041から出力されたAVストリームをデコードして映像・音声信号を取得する。そして、第1のAVデコーダ3042は、デコードの結果得られた映像・音声信号(典型的にはバルク番組、または第1のチューナ3032から得られた非バルク番組)を第1の表示部3044に出力する。また、第2のAVデコーダ3043は、デコードの結果得られた映像・音声信号(典型的には第2のチューナ3033から得られた非バルク番組)を第2の表示部3044に出力する。ここで、第1のAVデコーダ3042および第2のAVデコーダ3043は、少なくとも、上記高階層AVストリーム、低階層AVストリームのエンコード形式に対応するデコード形式でデコード処理が可能である。例えば、高階層AVストリームのときはH.264方式でのデコード、低階層AVストリームのときは、MPEG2方式でのデコードが可能である。そして、第1のAVデコーダ3042および第2のAVデコーダ3043は、CPU3046からの制御信号に基づき、これらのデコード方式を切り替えてデコード処理を実行する。
第1の表示部3044および第2の表示部3045は、いわゆる2画面表示における各画面に相当するものである。第1の表示部3044は、第1のAVデコーダ3042から出力された映像・音声信号に基づいて映像・音声を利用者に提示する。第2の表示部3045は、第2のAVデコーダ3043から出力された映像・音声信号に基づいて映像・音声を利用者に提示する。
CPU3046は、図36を用いて後述するフローチャートに示すような処理を行い、上記第1のチューナ3032、第2のチューナ3033、TS合成・分離部3041、第1のAVデコーダ3042、第2のAVデコーダ3043等を制御して、上記動画像コンテンツを利用者が視聴できるようにするための処理を実行する。
リモコン処理部3047は、リモコン3049からの操作信号を受信し、操作指示内容を示す信号をCPU3046に出力する。
フラッシュメモリ3048には、CPU3046が各種制御に用いるためのデータ等が記憶される。
次に、以上のような受信装置3030で実行される選局再生処理の処理概要を説明する。本実施形態の受信装置では、例えば利用者によって、リモコン3049のチャンネルアップダウンボタンが押されたとき等の選局操作が行われたときに、以下のような処理が実行される。まず、第1のチューナ3032で、利用者の指示した物理チャンネルが選局される。次に、受信した放送信号からTMCC信号と分離し、上述したようなバルク関連情報を取得する。次に、当該バルク関連情報(図33参照)を参照し、第1のチューナで選局したチャンネルで放送される番組がバルク番組か非バルク番組かを判定する。そして、非バルク番組のときは、上記バルク関連情報を参照し、他のチャンネルでバルク番組が放送されていないかどうかを調べる。その結果、他のチャンネルでバルク番組が放送されていれば、その物理チャンネルを第2のチューナで選局しておくという処理を行う。つまり、非バルク番組を視聴する場合はチューナは1つしか使わないため、使わないほうのチューナで他のバルク番組のチャンネルを先に選局しておくという処理を行うものである。このような処理を行っておくことで、例えば、後に第1のチューナ3032で当該バルク番組のチャンネルが選局された際に、第2のチューナ3033は既に選局済みの状態であるため、速やかにバルク番組の再生にかかる処理(トランスポートストリームの合成やデコード処理等)を進めることができる。その結果、利用者による選局操作が行われてから実際に画面に番組の映像が表示されるまでの時間を短縮することが可能となる。
以下、図36を用いて、受信装置3030で実行される番組選局再生処理の詳細動作を説明する。なお、図36は、利用者がリモコン3049等で選局操作を行ったときに受信装置3030によって実行される番組選局再生処理を示すフローチャートである。
図36において、まず、ステップS3001において、リモコン3049からの選局情報が取得される。すなわち、CPU3046は、リモコン処理部3047を介して、利用者の選局操作内容を示す情報を取得する。次に、ステップS3002において、当該選局情報に基づき、第1のチューナ3032で選局処理が実行される。より具体的には、CPU3046は、利用者の選局した物理チャンネルを選局させるための制御信号を第1のチューナ3032に出力する。これに応じて、第1のチューナ3032は、利用者が指示した物理チャンネルを選局する。
次に、ステップS3003において、TMCC情報の取得、および、全物理チャンネルについての接続フラグ3132を調べる処理が実行される。より具体的には、第1のチューナ3032で選局した物理チャンネルの受信信号からTMCC信号が分離され、第1のTMCC復号部3038に入力される。第1のTMCC復号部3038においてTMCC情報が復号され、TMCC制御部3040に出力される。TMCC制御部3040は、TMCC情報からバルク関連情報(図33参照)を抽出し、CPU3046に出力する。CPU3046は、当該バルク関連情報に含まれている全物理チャンネルの接続フラグ3132を参照し、接続フラグがオンに設定されている物理Ch番号3131を取得する。
次に、ステップS3004において、上記ステップS3002で選局された物理チャンネルがバルク番組が放送されるチャンネルであるか否かが判定される。すなわち、CPU3046は、上記ステップS3003で取得した物理Ch番号3131にステップS3002で選局された物理チャンネル番号が含まれているか否かを判定する。当該判定の結果、上記ステップS3002で選局された物理チャンネルでは、バルク番組が放送されない、すなわち、非バルク放送が放送されるときは(ステップS3004でNO)、続くステップS3005において、ステップS3003で取得した物理Ch番号3131が参照され、他の物理チャンネルでバルク番組が放送されているか否かが判定される。当該判定の結果、他の物理チャンネルでもバルク番組は放送されていない、すなわち、上記選局操作を行った時間帯にはバルク番組が放送されていないような場合は(ステップS3005でNO)、後述するステップS3007の処理に進む。
一方、他の物理チャンネルでバルク番組が放送されているときは(ステップS3005でYES)、続くステップS3006において、第2のチューナ3033が開放されているか否かが判定される。ここで、「開放されていない」状態とは、例えば2画面表示や裏番組の録画等が行われており、第2のチューナが現在使用中であるような状態のことを言い、「開放されている」状態は、第2のチューナ3033が現在使用されていない状態のことを言う。当該判定の結果、第2のチューナ3033が開放されていないときは(ステップS3006でNO)、ステップS3008において、第2のチューナ3033の現在の選局状態を維持する。その後、処理が後述のステップS3008に進められる。
一方、第2のチューナ3033が開放されているときは(ステップS3006でYES)、ステップS3007において、バルク番組が放送されている他の物理チャンネルを第2のチューナ3033で選局する。このとき、複数のバルク番組が放送されているときは、第1のチューナ3032で選局している物理チャンネルに最も近いバルク番組の物理チャンネルを第2のチューナ3033で選局する(差が付けられない場合は、ランダムに一方を選択する)。ここで、当該バルク番組の伝送には2つの物理チャンネルが利用されているが、本実施形態では、この2つの物理チャンネルのうち、第1のチューナ3032で選局している物理チャンネルから遠い方の周波数のチャンネルを選局する(ここでは、周波数は、1ch<2ch・・・<4ch・・・<9ch・・・の関係であるとする)。例えば、第1のチューナ3032で4chを選局し、同時間帯に1chおよび2chを利用してバルク番組が放送されているとする。このような場合は、1chを第2のチューナ3033で選局する。また、同様に第1のチューナ3032で4chを選局し、同時間帯に8chおよび9chを利用してバルク番組が放送されている場合は、9chを第2のチューナ3033で選局する。これは、リモコンのチャンネルアップダウンボタンでの操作(つまり、チャンネル番号が順次/逆次で指定される操作)を想定したものである。すなわち、4chからチャンネルアップの操作が行われた場合、4ch→5ch→6ch・・・と切り替わり、8chが先に選局されることになる。このような場合に、8chが選局された時点で、既に9chは選局済みであるという状態にするために、上記のように、2つの物理チャンネルのうち、第1のチューナ3032で選局している物理チャンネルから遠い方の物理チャンネルを選局するようにしている。
なお、当該ステップS3007による第2のチューナ3033による選局の結果、その後に上記ステップS3006の判定が行われたときは、第2のチューナ3033は「開放されていない」と判定されることになる。その結果、上記4ch→5ch〜8chが選局されるまでの各操作においては、第2のチューナ3033による9chの選局が維持されている状態となる。
ステップS3007の処理の次に、ステップS3009において、第1のチューナ3032で選局した物理チャンネルで放送されている非バルク番組の再生のための処理が開始される。より具体的には、TMCC制御部40は、上記TMCC情報から伝送パラメータ等を取得する。そして、TMCC制御部3040は、当該伝送パラメータに基づいた復調処理を実行させるための制御信号を第1の復調部3034に出力する。これに応じて、第1の復調部3034は、主信号(番組のデータが含まれている信号)の復調を開始する。復調された主信号は、第1の主信号誤り訂正復号部3036に出力される。そして、第1の主信号誤り訂正復号部3036において誤り訂正処理が行われることによって得られたトランスポートストリームがTS合成・分離部3041に出力される。TS合成・分離部3041では、CPU3046からの制御信号に基づいて、当該トランスポートストリームからAVストリームを分離し、第1のAVデコーダ3042へ出力する処理が開始される。更に、第1のAVデコーダ3042は、CPU3046からの制御信号に基づいて、当該AVストリームのデコード処理を開始し、デコード結果である映像・音声信号を第1の表示部3044に出力する処理を開始する。以上のような処理が実行されることで、非バルク番組が画面に表示される。
一方、上記ステップS3004の判定の結果、バルク番組が放送される物理チャンネルが選局されたときは(ステップS3004でYES)、ステップS3010において、上記バルク関連情報を参照して、接続対象Ch3133で示される物理チャンネルを第2のチューナ3033で選局する。但し、上記のように、事前に非バルク番組の物理チャンネルが選局されたことにより、先行して接続対象chが選局されていた場合は、このステップS3010の処理はスキップされる。これにより、第2のチューナ3033での選局にかかる処理を省略することが可能となる。換言すれば、最初に行われた選局操作でバルク放送の物理チャンネルが選局された場合は、本ステップが実行されることになる。
次に、ステップS3011において、バルク番組を再生するための処理が実行される。具体的には、第1のチューナ3032経由で得られたトランスポートストリームと第2のチューナ3033経由で得られたトランスポートストリームがそれぞれTS合成・分離部3041に出力され、両トランスポートストリームを合成する処理が開始される。そして、合成されたトランスポートストリームからバルク番組にかかるAVストリームと低階層番組にかかるAVストリームが分離され、バルク番組にかかるAVストリームが第1のAVデコーダ3042に出力される。第1のAVデコーダ3042は、当該バルク番組にかかるAVストリームをデコードし、映像・音声信号を第1の表示部3044に出力する処理を開始する。これにより、バルク番組が画面に表示されることになる。
以上のように、本実施形態では、第1のチューナ3032で非バルク番組を選局した際に、第2のチューナ3033を用いて、他の物理チャンネルで放送されているバルク番組にかかる物理チャンネルを選局しておく。このようにあらかじめバルク番組にかかる物理チャンネルを選局しておくことにより、その後、当該バルク番組の物理チャンネルが第1のチューナ3032で選局されたとき、第2のチューナ3033での選局処理を省略することができる。その結果、視聴者がバルク番組の物理チャンネルを選局してから実際にバルク番組が画面に表示されるまでにかかる時間を短縮することができ、視聴者にとって利便性の高いデジタル放送受信装置を提供することができる。
なお、上記実施形態では、非バルク番組の例としてハイビジョン規格の動画像コンテンツを例としたが、非バルク番組は、SD(Standard Definition)規格の動画像コンテンツであっても良い。また、上記低階層番組についても同様に、SD規格の動画像コンテンツとしてもよい。
また、上記ステップS3007の処理に関して、上記の実施形態では、リモコン3049のチャンネルアップダウンボタンでの操作を想定し、第1のチューナ3032で選局している物理チャンネルに最も近いバルク番組のチャンネルを第2のチューナ3033で選局するようにしていた。これに限らず、第2のチューナ3033で選局する物理チャンネルを次のようにして決定するようにしてもよい。まず、受信装置3030において、各チャンネルの視聴履歴をフラッシュメモリ3048に記録しておくようにする。また、利用者の選局操作についての操作履歴もフラッシュメモリ3048に記録しておくようにする。具体的には、リモコン3049のチャンネルアップダウンによる選局操作の回数と、数字キーの押下による選局操作の回数を示す情報をフラッシュメモリに記録しておくようにする。
そして、上記ステップS3007の処理において、フラッシュメモリ3048の操作履歴を参照し、選局操作として、チャンネルアップダウンボタンによる選局操作の回数が多いか、数字キーの押下による選局、いわゆるダイレクト選局による操作の回数が多いかを判定する。その結果、チャンネルアップダウンによる選局操作の回数のほうが多い場合は、上述したような処理が実行されるように構成する。一方、ダイレクト選局による選局操作の回数が多い場合は、次に、フラッシュメモリ3048の視聴履歴を参照する。そして、上記ステップS3003の処理の結果検出された、バルク番組を放送している物理チャンネルの中で、利用者が最も良く視聴していた物理チャンネルを検索し、選局するようにしてもよい。
(第8の実施形態)
次に、図37から図38を参照して、本発明の第8の実施形態について説明する。上述の第7の実施形態では、非バルク番組の選局時に、第2のチューナ33による先行選局を行うことで、バルク番組のチャンネル選局時の画面表示までの時間を短縮していた。これに対して、第8の実施形態では、バルク放送選局操作時に、バルク番組に階層伝送されてくる上記低階層番組を先に画面に出力する処理を行う。これは、低階層番組については片方のチャンネルが受信できていれば再生可能であること、および、情報量が少ない分、処理速度も速く、上記のように番組内容については同じものであることから、先に低階層番組を画面に出すことで、選局操作から画面出力までの時間を短縮するためである。
図37は、本発明の第8の実施形態に係る受信装置3050の構成を示したブロック図である。当該実施形態に係る受信装置3050は、上述した第7の実施形態で図34を用いて説明した受信装置3030の機能構成に第1のOSD作成・合成部3051および第2のOSD作成・合成部3052を加えたものに相当し、他の構成部は、第1の実施形態と同様である。従って、第1のOSD作成・合成部3051および第2のOSD作成・合成部3052以外の構成部については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
図37において、第1のOSD作成・合成部3051は、第1のAVデコーダ3042が第1の表示部3044に出力した画面の上に重ねて表示するための画面(以下、OSD表示と呼ぶ)を生成する。そして、第1のOSD作成・合成部3051は、第1のAVデコーダ3042からの出力と当該OSD表示を合成して第1の表示部3044に出力する。また、第2のOSD作成・合成部3052は、第2のAVデコーダ3043が第2の表示部3045に出力した画面の上に重ねて表示するためのOSD表示を生成し、第2のAVデコーダ3043からの出力と合成して第2の表示部3045に出力する。
次に、第8の実施形態における受信装置3050の処理について説明する。図38は、第8の実施形態にかかる受信装置3050で実行される選局再生処理の詳細を示すフローチャートである。図38において、まず、ステップS3021において、リモコン3049からの選局情報が取得される。すなわち、CPU3046は、リモコン処理部3047を介して、利用者の選局操作内容を示す情報を取得する。
次に、ステップS3022において、当該選局情報に基づき、第1のチューナ3032で選局処理が実行される。より具体的には、CPU3046は、利用者の選局したチャンネルを選局させるための制御信号を第1のチューナ3032に出力する。これに応じて、第1のチューナ3032は、利用者が指示したチャンネルを選局する。
次に、ステップS3023において、TMCC信号からバルク関連情報が取得される。そして、当該バルク関連情報に含まれている全物理チャンネルの接続フラグ3132が参照され、接続フラグがオンに設定されている物理Ch番号3131が取得される。
次に、ステップS3024において、上記ステップS3022で選局された物理チャンネルがバルク番組の放送される物理チャンネルであるか否かが判定される。当該判定の結果、非バルク番組が放送される物理チャンネルであるときは(ステップS3024でNO)、上記第7の実施形態で説明したステップS3009と同様の処理が実行されることで非バルク番組の再生処理が開始される。
一方、バルク番組が放送される物理チャンネルであるときは(ステップS3024でYES)、続くステップS3025において、上記低階層番組を再生するための処理が開始される。すなわち、第1のチューナ3032経由で得られたトランスポートストリームがTS合成・分離部3041に出力され、低階層番組にかかるAVストリームが分離されて、第1のAVデコーダ3042に出力される。第1のAVデコーダ3042は、低階層番組にかかるAVストリームをデコードし、低階層番組の映像・音声信号を第1の表示部3044に出力する処理を開始する。その結果、低階層番組が画面に表示されることになる。
次に、ステップS3026において、OSD表示を生成し、第1の表示部3044に出力する処理が実行される。ここで、当該OSD表示の内容は、利用者に対して、画面表示をスーパーハイビジョン映像(SHV)に切り替えるか否かを問い合わせるための表示である。例えば、「スーパーハイビジョン映像に切り替えますか?」のようなメッセージである。CPU3046は、このようなOSD表示を生成させ、第1の表示部3044の画面に合成して表示させるための制御信号を第1のOSD作成・合成部3051に出力する。そして、CPU3046は、利用者からの返答操作の受付を行う。
次に、ステップS3027において、ステップS3026で表示した問い合わせに対する利用者の返答内容の判定が行われる。当該判定の結果、スーパーハイビジョン映像への切替を希望しない旨の返答内容のときは(ステップS3027でNO)、そのまま処理は終了する。その結果、第1の表示部3044には、低階層番組が出力され続けることになる。
一方、スーパーハイビジョン映像への切替を希望する旨の返答内容であれば(ステップS3027でYES)、続くステップS3028において、第2のチューナ3033で接続対象チャンネルを選局するための処理が実行される。続くステップS3029において、第1の実施形態で説明したステップS3011と同様の処理が実行され、バルク番組を再生するための処理が開始される。その結果、第1の表示部3044には、バルク番組が表示されることになる。以上で、第2の実施形態にかかる受信再生処理は終了する。
以上のように、第8の実施形態では、バルク番組を放送している物理チャンネルが選局されたとき、バルク番組の表示を行う前に、低階層番組を先行して表示するようにしている。これにより、利用者が選局操作を行ってから、実際に画面に番組が表示されるまでにかかる時間を短縮することができる。
なお、上記第8の実施形態では、図38のステップS3028における第2のチューナ3033での選局処理を上記OSD表示によるメッセージに対する返答を受けてから行うようにしていたが、これに限らず、OSD表示を行う前(図38のステップS3025の次のタイミング)あるいはOSD表示のメッセージに対する返答操作を受け付ける前(図38のステップS26の次のタイミング)に第2のチューナ3033での選局処理を行っておくようにしてもよい。これにより、利用者がスーパーハイビジョン映像への切替を指示した後に実際にバルク番組が表示されるまでの時間を短縮することができる。
(第9の実施形態)
次に、図39から図40を参照して、本発明の第9の実施形態について説明する。上述の第7の実施形態では、非バルク番組の選局時に、第2のチューナ3033による先行選局を行うことで、バルク番組の物理チャンネル選局時の画面表示までの時間を短縮していた。これに対して、第9の実施形態では、非バルク番組の選局時に、EPG(Electronic Program Guide)を参照し、今後放送予定の番組にバルク番組があるか否かを判定する。そして、バルク番組が放送予定であれば、そのバルク番組の物理チャンネルを選局しておくという処理を行う。そのため、何らかの形でEPGが受信装置に送信されている必要があるが、本実施形態では、送信装置から送信される放送信号にEPGが含まれているものとする。これにより、後にバルク番組が選局されたときに、第7の実施形態と同様に、第2のチューナ3033にかかる選局動作を省略することができ、利用者の選局指示から実際に映像が表示されるまでの時間をより短縮することが可能となる。
図39は、本発明の第9の実施形態に係る受信装置3060の構成を示したブロック図である。当該実施形態に係る受信装置3060は、上述した第7の実施形態で図34を用いて説明した受信装置30の機能構成にEPG情報取得部3061を加えたものに相当し、他の構成部は、第7の実施形態と同様である。従って、EPG情報取得部3061以外の構成部については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
図39において、TS合成・分離部3041はEPG情報取得部3061を含んでいる。EPG情報取得部3061は、第1の主信号誤り訂正復号部3036から出力されるトランスポートストリームからEPGにかかるデータを分離して取得する。また、CPU3046からの制御信号に基づいて、当該EPGから所定の条件に合致する番組を検索し、検索結果をCPU3046に出力する。ここで、当該EPGには、各番組の放送時間や放送内容に関するデータの他に、各番組が上記バルク番組であるか否かを示す情報およびバルク放送を構成する物理チャンネルを示す情報が含まれている。そのため、EPG情報取得部3061は、CPU3046からの制御信号に応じて、所定時間以内に放送予定のバルク番組およびその構成チャンネルをEPGから検索することが可能に構成されている。なお、EPG情報取得部61は、例えばインターネットからEPGを取得するよう構成されていても良い。
次に、第9の実施形態における受信装置3060の処理について説明する。図40は、第9の実施形態にかかる受信装置3060で実行される選局再生処理の詳細を示すフローチャートである。ここで、当該フローチャートの処理は、利用者の選局操作の結果、非バルク番組のチャンネルが選局された場合を前提として説明する。
図40において、まず、ステップS3041において、リモコン3049からの選局情報が取得される。すなわち、CPU3046は、リモコン処理部3047を介して、利用者の選局操作内容を示す情報を取得する。
次に、ステップS3042において、当該選局情報に基づき、第1のチューナ3032で選局処理が実行される。より具体的には、CPU3046は、利用者の選局したチャンネルを選局させるための制御信号を第1のチューナ3032に出力する。これに応じて、第1のチューナ3032は、利用者が指示した物理チャンネルを選局する。ここでは、上記のように非バルク番組が放送されている物理チャンネルが選局されるものとする。
その後、上記第7の実施形態で説明したような、非バルク番組を再生するための各種処理が実行され、選局された物理チャンネルの非バルク番組の再生が開始される。
次に、ステップS3043において、EPGが取得される。すなわち、CPU3046は、EPG情報取得部3061にEPGを取得させるための制御信号を出力する。これに応じて、EPG情報取得部3061は、第1の主信号誤り訂正復号部3036から出力されるトランスポートストリームから当該EPGを取得する。
次に、ステップS3044において、現在時刻から所定の時間以内に放送予定のバルク番組が存在するか否かが判定される。具体的には、CPU3046は、検索条件として、「現在時刻から1時間以内」、「バルク番組」という検索条件を指定した検索指示の制御信号をEPG情報取得部3061に出力する。これに応じて、EPG情報取得部3061は上記取得したEPGから当該条件に合致する番組を全ての物理チャンネルを対象として検索する。検索の結果、当該条件に合致するバルク番組が存在しないときは(ステップS3044でNO)、上記ステップS3043に戻り処理を繰り返す。
なお、上記検索対象とする時間はあくまで一例であり、「現在時刻から2時間以内」等のようにしてもよいことは言うまでもない。
一方、当該条件に合致するバルク番組が存在すれば(ステップS3044でYES)、当該バルク番組を構成する物理チャンネル番号を取得し、CPU3046に出力する。続くステップS3045において、上記放送予定のバルク番組を構成する2つの物理チャンネルのうち、いずれか一方のチャンネルを第2のチューナ3033で選局させる処理が実行される。バルク番組を構成する2つの物理チャンネルのうち、いずれのチャンネルを選択するかについては、上記第1の実施形態で説明したような手法で決定すればよい。
次に、ステップS3046において、上記放送予定のバルク番組の放送時間帯において、上記ステップS3045において第2のチューナ3033で選局されなかったほうの物理チャンネルが第1のチューナ3032で選局されたか否かが判定される。当該判定の結果、選局されていないときは、第2のチューナ3033で選局されなかったほうの物理チャンネルが第1のチューナ3032で選局されるまで、当該ステップS3046の処理を繰り返す。
一方、第2のチューナ3033で選局されなかったほうの物理チャンネルが第1のチューナ3032で選局されたときは(ステップS3046でYES)、続くステップS3047において、選局された物理チャンネルのバルク番組を再生するための処理が開始される。2つの物理チャンネル選局後におけるバルク番組再生のための処理は、第7の実施形態を同様であるため、説明は省略する。以上で、第9の実施形態にかかる選局再生処理は終了する。
以上のように、第9の実施形態では、EPGを利用して放送予定のバルク番組を検索しておき、放送予定のバルク番組のチャンネルの一方を第2のチューナ3033で先行して選局する。これにより、利用者の選局操作に基づいて第1のチューナ3032でバルク番組にかかる物理チャンネルが選局された際に、第2のチューナ3033による選局処理を省略することができる。その結果、利用者の選局操作が行われてからバルク番組にかかる映像・音声が実際に出力されるまでの待ち時間を短縮することが可能となる。
なお、上記ステップS44におけるEPGからのバルク番組の検索条件については、全てのチャンネルを検索対象とすることに限らず、上記ステップS3042において第1のチューナ3032で選局された物理チャンネルのみを検索対象とするようにしてもよい。これにより、検索速度を速めることができる。
次に、本発明の第10の実施形態について説明する。まず、第10の実施形態の詳細を説明するに先立ち、第10の実施形態で共通して想定しているデジタル放送システムにおける伝送の概要について説明する。本実施形態では、いわゆるハイビジョン規格の動画像コンテンツと、いわゆるスーパーハイビジョン規格の動画像コンテンツとを混在して放送するデジタル放送システムを想定している。例えば、あるチャンネルにおいて、午後7:00〜午後8:00まではハイビジョン規格の動画像コンテンツを放送し、午後8:00〜午後10:00まではスーパーハイビジョン規格の動画像コンテンツを放送するような場合を想定している。ここで、ハイビジョン規格で構成された番組については、その情報量は1つの物理チャンネルで伝送可能な情報量であるものとする。一方、スーパーハイビジョン規格で構成された番組については、1つの物理チャンネルだけでは伝送できない情報量を有するものとする。そのため、ハイビジョン規格で構成されている番組を放送する場合は、1つの物理チャンネルで1つの番組を伝送するが、スーパーハイビジョン規格で構成された番組については、図41に示すように、その放送データ(トランスポートストリーム)4101を2つに分割し、2つの物理チャンネル4111および4112で伝送する。以下、このような1つの番組を2つの物理チャンネルを用いて伝送する(つまり、2つの物理チャンネルを束ねて1本の伝送路として使う)ことをバルク伝送と呼ぶ。また、当該バルク伝送によって伝送される、上記スーパーハイビジョン規格で構成された番組をバルク番組と呼び、1つの物理チャンネルで伝送可能なハイビジョン規格で構成されている番組を非バルク番組と呼ぶ。そのため、上記の時間帯を例に取ると、例えば、午後7:00〜午後8:00までは、物理チャンネル1と物理チャンネル2(以下、単にCh1、Ch2・・のように呼ぶ)とではそれぞれ異なる内容の非バルク番組が表示されることになり、午後8:00〜午後10:00までは、両チャンネルとも同じ内容のバルク番組が表示されていることになる。つまり、いずれのチャンネルを選局しても、同じ番組が画面に表示される。
ここで、本実施形態では、上記バルク番組をバルク伝送する際に、伝送に用いられる2つの物理チャンネルのうち、一方のチャンネルについて階層伝送を行うようにしている。具体的には、送信側で、上記バルク番組と同内容のコンテンツをハイビジョン規格で生成する(以下、当該ハイビジョン規格のコンテンツを低階層番組と呼ぶ)。つまり、バルク番組と低階層番組とは、ハイビジョン規格で作成されたかスーパーハイビジョン規格で作成されたかの違いがあるだけで、その番組内容(放送される内容)は同じものである。そして、本実施形態では、変調方式として、バルク番組に関しては、32APSK(Amplitude Phase Shift Keying)を用い、当該低階層番組についてはQPSK(quadrature phase shift keying)を用いて変調する。低階層番組(ハイビジョン規格)は、バルク番組のものよりは情報量が少ないため、伝送するためのネットワーク帯域も少なくて済む。そして、本実施形態では、図41に示すように、バルク伝送を行うチャンネルのうち一方のチャンネルについてはバルク番組4101aと低階層番組4102との階層伝送を行っている。なお、上記非バルク番組や低階層番組の映像規格については、ハイビジョン映像に限らずSD(Standard Definition)映像であってもよい。
図42は、上記のような放送を行うための送信側の設備(送信装置)の一例を示す機能ブロック図である。図42に示す送信装置は、SHV符号化部4011と低階層符号化部4012と合成部4013と、分配部4014と、HV符号化部4015aおよび4015bと、切替スイッチ部4016aおよび4016bと、変調部4017aおよび4017bと、送信アンテナ4018とで構成されている。
図42において、まず、スーパーハイビジョン映像の番組が送信される場合について説明する。この場合、切替スイッチ部4016aおよび4016bのスイッチは、変調部4017aおよび4017bが分配部4014と接続されるように設定される。このようにスイッチが設定された状態で、スーパーハイビジョン映像の番組がSHV符号化部4011に出力され、所定の符号化形式で符号化(エンコード)されて上記バルク番組4101として合成部4013に出力される。また、当該スーパーハイビジョン映像の番組は、低階層符号化部4012にも出力され、所定の符号化形式で符号化され(ここでは、ハイビジョン規格相当の画質になるよう符号化されるものとする)、上記低階層番組4102として合成部4013に出力される。合成部4013では、バルク番組4101と低階層番組4102を多重化したトランスポートストリームを生成し、分配部4014に出力する。分配部4014では、当該トランスポートストリームを所定の規則に基づいて切替スイッチ部4016aおよび4016bという2つの出力先に分配する(このとき、低階層番組にかかるデータは切替スイッチ部4016aおよび4016bのいずれか一方の経路にのみ出力される)。出力されたデータは、それぞれ変調部4017aおよび4017bに入力され、所定の方式で放送信号に変調される。そして、それぞれ異なる物理チャンネルを用いて、送信アンテナ4018から出力される。その結果、図41を例に取ると、一方の物理チャンネルでは上記低階層番組4102と上記分割されたスーパーハイビジョン番組4101aが階層伝送され、他方の物理チャンネルでは、上記分割された残りの分のスーパーハイビジョン番組4101bのみが伝送されることになる。
次に、上記非バルク番組を送信する場合を説明する。この場合は、それぞれ異なる内容の2つの非バルク番組が異なるチャンネルでそれぞれ送信される。切替スイッチ部4016aおよび4016bについては、変調部4017aがHV符号化部4015aと接続され、変調部4017bがHV符号化部4015bと接続されるように切替えられる。そして、ハイビジョン映像の番組であるハイビジョン番組AがHV符号化部4015aに入力され、所定の符号化形式で符号化される。また、ハイビジョン番組Aとは異なる内容であるハイビジョン番組BがHV符号化部4016bに入力され、所定の符号化形式で符号化される。そして、符号化されたハイビジョン番組AがHV符号化部4015aから変調部4017aへと出力され、放送信号に変調される。同様に、符号化されたハイビジョン番組BがHV符号化部4015bから変調部4017bへと出力され、放送信号に変調される。そして、それぞれ異なるチャンネルを使って送信アンテナ4018から送信される。このように、本実施形態では、バルク番組と非バルク番組の出力を適宜切替ながらデジタル放送を行っている。
ここで、上記バルク伝送に関して、受信装置側(2つの物理チャンネルを同時に受信する必要があるため、少なくとも2つのチューナを備えている)においては、バルク番組を再生するための情報、例えば、どの物理チャンネルとどの物理チャンネルの組み合わせでバルク番組が構成されるか等の情報(以下、バルク関連情報と呼ぶ)が必要となる。本実施形態では、当該バルク関連情報を、いわゆるTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号(伝送パラメータ等を含む信号)に載せて送信するものとする。受信装置側では、いずれか1つのチューナで選局・受信した放送信号からTMCC信号を分離し、上記バルク関連情報を得る。そして、当該バルク関連情報に基づいて、これから送信されてくる番組がバルク番組であるか否かや、バルク番組の場合はどのチャンネルとの組み合わせで構成されているか等を判定し、選局・合成等を行う処理が実行されることになる。
図43は、本実施形態で用いられる上記バルク関連情報の一例を示す図である。バルク関連情報は、物理Ch番号4131と接続フラグ4132と接続対象Ch4133の集合から構成されている。バルク関連情報には、全ての物理チャンネルについての情報が含まれており、物理Ch番号4131は、物理チャンネルの番号を示す。接続フラグ4132は、放送される番組がバルク番組か非バルク番組かを識別するためのフラグである。接続フラグ4132がオンに設定されているときは、その物理チャンネルで伝送される番組がバルク番組であることを示す。また、オフに設定されているときは、その物理チャンネルのみを使用して非バルク番組が放送されることを示す。
接続対象Ch4133は、その物理チャンネルで放送される番組がバルク番組である場合に、その物理チャンネルと共に当該バルク番組を構成している物理チャンネル番号を示すためのデータである。図43の例では、例えばWチューナ構成の受信装置において、一方のチューナでCh1を選局して図43のようなバルク関連情報を取得した場合、Ch1で放送される番組がバルク番組であること、および、当該バルク番組は物理チャンネル1と物理チャンネル2とで構成されることがわかる。そのため、バルク番組を再生するためには、他方のチューナでCh2を選局する必要があることがわかる。
このように、本実施形態が想定するデジタル放送システムでは、バルク番組と非バルク番組とを混在して放送し、バルク番組については2つの物理チャンネルを使ってバルク伝送を行っている。以下に説明する各実施形態における受信装置は、上記の様に送信されるデジタル放送を受信するためのものである。
(第10の実施形態)
次に、本発明の第10の実施形態にかかる受信装置について説明する。図44は、第10の実施形態にかかる受信装置4030の一例を示す機能ブロック図である。図44において、受信装置4030は、アンテナ4031と、第1のチューナ4032と、第2のチューナ4033と、第1の復調部4034と、第2の復調部4035と、第1の主信号誤り訂正復号部4036と、第2の主信号誤り訂正復号部4037と、第1のTMCC復号部4038と、第2のTMCC復号部4039と、TMCC制御部4040と、TS合成・分離部4041と、第1のAVデコーダ4042と、第2のAVデコーダ4043と、第1のOSD作成・合成部4044と、第2のOSD作成・合成部4045と、第1の表示部4046と第2の表示部4047と、CPU4048と、リモコン処理部4049と、フラッシュメモリ4050と、リモコン4051とで構成される。
第1のチューナ4032および第2のチューナ4033は、CPU4048からの制御信号に基づいて所定の物理チャンネルを選局し、デジタル放送信号をアンテナ4031を介して受信する。
第1の復調部4034は、第1のチューナ4032から出力される受信信号をデジタル信号に復調し、第1の主信号誤り訂正復号部4036および第1のTMCC復号部4038に出力する。
第1の主信号誤り訂正復号部4036は、第1の復調部4034から出力されたデジタル信号に対して誤り訂正復号処理を実行し、トランスポートストリームを得る。そして、当該トランスポートストリームをTS合成・分離部4041に出力する。図45は、第1の主信号誤り訂正復号部4036の詳細を示すブロック図である。図45において、第1の主信号誤り訂正復号部4036では、第1の復調部4034から出力されたデジタル信号について、デインターリーブ部4361でデインターリーブが行われ、内符号誤り復号部4362における内符号の復号、エネルギー逆拡散部4363におけるエネルギー逆拡散を経て外符号誤り復号部4364による外符号の復号が行われ、トランスポートストリームとして出力される。
第1のTMCC復号部4038は、第1の復調部4034から出力されたデジタル信号(TMCC信号)からTMCC情報を復号して取得する。そして、当該TMCC情報をTMCC制御部4040に出力する。
第2の復調部4035、第2の主信号誤り訂正復号部4037、および、第2のTMCC復号部4039は、第2のチューナ4033から出力される受信信号に対して、上記第1の復調部4034、第1の主信号誤り訂正復号部4036、第1のTMCC復号部4038と同様の処理を行う。
TMCC制御部4040は、第1のTMCC復号部4038から出力されるTMCC情報(より正確には、TMCC情報から得られる各種伝送パラメータの情報等)に基づいて、第1の復調部4034および第1の主信号誤り訂正復号部4036を制御する。また、第2のTMCC復号部4039から出力されるTMCC情報に基づいて、第2の復調部4035および第2の主信号誤り訂正復号部4037を制御する。また、TMCC制御部4040は、取得したTMCC情報をCPU4048に出力する。
TS合成・分離部41は、CPU4048からの制御信号に基づいて、以下のような2種類の処理モードを切り替えて実行する。まず、1つめの処理モードとして、バルク番組を再生するための処理を実行する。この場合は、TS合成・分離部4041は、第1の主信号誤り訂正復号部4036および第2の主信号誤り訂正復号部4037から出力されてくる両トランスポートストリームを合成することによって、送信側で2つに分割される前のトランスポートストリームを復元する。更に、TS合成・分離部4041は、当該合成後のトランスポートストリームから、上記バルク番組にかかるAVストリームと上記低階層番組にかかるAVストリームとを分離して取得する。そして、TS合成・分離部4041は、CPU4048からの制御信号に基づいて、バルク番組にかかるAVストリーム、または、低階層番組にかかるAVストリームを第1のAVデコーダ4042に出力する。次に、2つめの処理モードとして、非バルク番組を再生するための処理を実行する。この場合は、TS合成・分離部4041は、第1の主信号誤り訂正復号部4036および第2の主信号誤り訂正復号部4037から出力されてくる両トランスポートストリームの合成は行わない。すなわち、第1の主信号誤り訂正復号部4036から出力されるトランスポートストリームからAVストリームを分離し、第1のAVデコーダ4042に出力する。また、第2の主信号誤り訂正復号部4037から出力されるトランスポートストリームからAVストリームを分離し、第2のAVデコーダ4043に出力する。以下、上記バルク番組の再生のための処理モードについてはバルク再生モードと呼び、非バルク番組の再生のための処理モードについては非バルク再生モードと呼ぶ。
第1のAVデコーダ4042および第2のAVデコーダ4043は、CPU4048からの制御信号に基づいて、それぞれTS合成・分離部4041から出力されたAVストリームをデコードして映像・音声信号を取得する。そして、第1のAVデコーダ4042は、デコードの結果得られた映像・音声信号を第1の表示部4046に出力する。また、第2のAVデコーダ4043は、デコードの結果得られた映像・音声信号を第2の表示部4047に出力する。ここで、第1のAVデコーダ4042および第2のAVデコーダ4043は、少なくとも、バルク番組のAVストリームと非バルク番組のAVストリームの双方の符号化形式に対応するデコード形式でデコード処理が可能である。そして、第1のAVデコーダ4042および第2のAVデコーダ4043は、CPU4048からの制御信号に基づき、これらのデコード方式を適宜切り替えてデコード処理を実行する。
第1のOSD作成・合成部4044は、第1のAVデコーダ4042が第1の表示部4046に出力した画面の上に重ねて表示するためのOSD表示を生成する。そして、第1のOSD作成・合成部4044は、第1のAVデコーダ4042からの出力と当該OSD表示を合成して第1の表示部4046に出力する。また、第2のOSD作成・合成部4045は、第2のAVデコーダ4043が第2の表示部4047に出力した画面の上に重ねて表示するためのOSD表示を生成し、第2のAVデコーダ4043からの出力と合成して第2の表示部4047に出力する。
第1の表示部4046および第2の表示部4047は、いわゆる2画面表示における各画面に相当するものである。第1の表示部4046は、第1のAVデコーダ42から出力された映像・音声信号に基づいて映像・音声を利用者に提示する。第2の表示部4047は、第2のAVデコーダ4043から出力された映像・音声信号に基づいて映像・音声を利用者に提示する。
CPU4048は、上述したようなバルク再生モード、非バルク再生モードを切り替えながら、上記第1のチューナ4032、第2のチューナ4033、TS合成・分離部4041、第1のAVデコーダ4042、第2のAVデコーダ4043等を制御して、バルク番組あるいは非バルク番組を利用者が視聴できるようにするための処理を実行する。
リモコン処理部4049は、リモコン4051からの操作信号を受信し、操作指示内容を示す信号をCPU4048に出力する。
フラッシュメモリ4050は、不揮発性のメモリであり、CPU4048が各種制御に用いるためのデータ等が記憶される。
次に、以上のような受信装置4030で実行される選局再生処理の処理概要を説明する。以下の説明の前提として、本実施形態では、次のような状況を想定する。まず、視聴対象とするチャンネルはCh1およびCh2とする。そして、これらのチャンネルの放送スケジュールとして、図46に示すようなスケジュールが組まれているとする。すなわち、午後7:00:00〜7:59:59は非バルク番組が放送され、午後8:00:00〜9:59:59まではバルク番組が放送され、午後10:00:00〜10:59:59は、また非バルク番組が放送される場合を想定する。一例として、午後7:00:00〜7:59:59までは、Ch1では非バルク番組としてのアニメ番組が放送され、Ch2では、非バルク番組としてのニュース番組が放送されるものとする。そして、午後8:00:00〜9:59:59は、Ch1およびCh2でバルク番組としての映画番組が放送されるものとする。また、午後10:00:00〜10:59:59は、Ch1では非バルク番組としてのバラエティ番組が放送され、Ch2では、非バルク番組としてのドラマ番組が放送されるものとする。
以上のような放送スケジュールにおいて、午後7:30:00の時点で、利用者が第1のチューナ4032でCh1を選局したとする。この場合、午後7:59:59までは非バルク放送であるアニメ番組が放送され、午後8:00:00になると、バルク番組である映画番組の放送が開始されることになる。上述のように、放送される番組がバルク番組であるか非バルク番組であるかはTMCC信号に含まれる上記バルク関連情報(図43参照)に基づいて判別することができる。そこで、本実施形態では、当該バルク関連情報に基づいてこれから放送される番組がバルク番組であるか非バルク番組かを判定する。そして、放送内容が非バルク番組からバルク番組に切り替わる場合、上記の例では、午後8:00:00のタイミングで第2のチューナ4033で2chを選局し、それまで行っていた非バルク番組の再生のための処理からバルク番組の再生のための処理へと切り替える。また、このとき、本実施形態は、放送内容がバルク番組へ切り替わる旨をOSD表示を利用して表示する。その後、午後10:00:00になり、バルク番組から非バルク番組へと切り替わるときは、それまで行っていたバルク番組の再生のための処理から非バルク番組の再生のための処理(第2のチューナを開放する等の処理)へと切り替える。また、このときもOSD表示により、バルク番組から非バルク番組へ切り替わる旨を表示する。
このように、第10の実施形態では、TMCC信号に含まれるバルク関連情報に基づいて、放送される内容がバルク番組であるか非バルク番組であるかを判定し、その判定結果に応じて、バルク番組再生のための処理と非バルク番組再生のための処理を自動的に切り替える。これにより、2つのチューナを備えた受信装置で、バルク番組および非バルク番組の視聴の両立が可能となり、利便性の高い受信装置を提供することができる。さらに、番組内容が切り替わる旨をOSD表示するため、視聴する番組がバルク番組か否かを利用者に認識させることができ、利便性を高めることができる。
以下、第10の実施形態における受信装置4030が行う受信再生処理の詳細を説明する。図47は、当該受信再生処理の詳細を示すフローチャートである。ここで、図46のフローチャートの処理は、上記図46に示したような番組スケジュールにおいて第1のチューナ4032でCh2を視聴している状態(上記処理モードが非バルク再生モードの状態)において実行される場合を例として説明する。
図47において、まず、ステップS4001において、第1のチューナ4032で受信した放送信号からTMCC信号が分離され、上記バルク関連情報が取得される。
次に、ステップS4002において、当該バルク関連情報が参照されて、Ch2で伝送されてくる番組がバルク番組であるか否かの判定が実行される。より具体的には、第1のチューナ4032で選局されている物理チャンネルであるCh2の接続フラグ4132が参照されて、Ch2で伝送されてくる番組がバルク番組であるか否かの判定が実行される。上記番組スケジュールを例にとると、例えば、ニュース番組が伝送されている間は(7:00:00〜7:59:59)、Ch2で伝送されるTMCC信号のバルク関連情報では、Ch2の接続フラグ4132には値は設定されていない状態であり、映画番組のバルク伝送がなされる間(8:00:00〜9:59:59)は、Ch2の接続フラグ4132には”Ch1”が設定されている。
上記ステップS4002の判定の結果、これから伝送されてくる番組がバルク番組のときは(ステップS2でYES;例えば8:00:00のタイミングの場合)、続くステップS4003において、現在視聴している番組がバルク放送か否かが判定される。これは、例えば、上述したようなTS合成・分離部4041の処理モードがその時点でバルク再生モードであるか非バルク再生モードであるか等によって判定する。
ステップS4003の判定の結果、現在再生している番組が非バルク番組のときは(ステップS4003でNO)、現在視聴されている番組は非バルク番組であるが、これから伝送されてくる番組はバルク番組に切り替わるということになる。そのため、上記処理モードを切り替える必要が発生する。この場合、次のステップS4004において、放送される番組が非バルク番組からバルク番組に切り替わる旨をOSD表示するための処理が実行される。すなわち、CPU4048は、放送内容が切り替わる旨の告知メッセージ(例えば、「バルク番組放送開始」等のメッセージ)を生成させるための制御信号を第1のOSD作成・合成部4044に出力する。これに応じて、第1のOSD作成・合成部4044は当該告知メッセージを生成する。(当該告知メッセージの生成については、予め決められた文字列を所定のメモリに記憶しておいて、上記制御信号に応じて読み出すようにしても良いし、CPU4048が文字列を生成して、上記制御信号に告知メッセージとなる文字列を示すデータを含めるようにしてもよい)。そして、第1のOSD作成・合成部4044は、当該告知メッセージを第1のAVデコーダ4042からの映像信号に合成して第1の表示部4046に出力する。この結果、これからバルク番組が開始される旨が画面上に表示されることになる。
次に、ステップS4005において、バルク番組を再生するための処理が開始される。具体的には、まず、CPU4048は、上記バルク関連情報を参照して、Ch2の接続対象Ch4133で示される物理チャンネル(本実施形態ではCh1)を第2のチューナ4033で選局する。この結果、第1のチューナ4032ではCh2が、第2のチューナ4033ではCh1が選局された状態となる。そして、各チューナで受信された放送信号が復調等され、トランスポートストリームが得られる。続いて、CPU4048は、TS合成・分離部4041に、上記処理モードをバルク再生モードに切り替えるための制御信号を出力する。その結果、TS合成・分離部4041は、第1のチューナ4032経由で得られたトランスポートストリームと第2のチューナ4033経由で得られたトランスポートストリームを合成する処理を開始する。そして、TS合成・分離部4041は、合成されたトランスポートストリームからバルク番組にかかるAVストリームと低階層番組にかかるAVストリームを分離し、バルク番組にかかるAVストリームを第1のAVデコーダ4042に出力する。第1のAVデコーダ4042は、当該バルク番組にかかるAVストリームをデコードし、映像・音声信号を第1の表示部4046に出力する処理を開始する。これにより、バルク番組が画面に表示される、つまり、バルク番組の再生処理が開始されることになる。その後、処理は上記ステップS4001に戻る。
一方、上記ステップS4003の判定の結果、現在再生している番組がバルク番組のときは(ステップS4003でYES)、そのまま上記ステップS4001の処理に戻る。つまり、現在視聴されている番組はバルク番組であり、これから伝送されてくる番組もバルク番組であるため(つまり、バルク番組視聴中の状態;例えば図46の午後9:00:00のタイミングの場合)、上記処理モードを切り替える必要はないことになる。
一方、上記ステップS4002の判定の結果、これから伝送されてくる番組がバルク番組ではない場合は(ステップS4002でNO;例えば7:30:00のタイミングの場合)、ステップS4006において、現在視聴している番組がバルク放送か否かが判定される。これは、例えば、上述したような処理モードがその時点でバルク再生モードであるか非バルク再生モードであるか等によって判定する。
ステップS4006の判定の結果、現在再生している番組が非バルク番組のときは(ステップS4006でNO)、そのまま上記ステップS4001の処理に戻る。つまり、現在視聴されている番組は非バルク番組であり、これから伝送されてくる番組も非バルク番組であるため、上記処理モードを切り替える必要はないことになる。
一方、ステップS4006の判定の結果、現在再生している番組がバルク番組のときは(ステップS4006でYES)、現在視聴されている番組はバルク番組であるが、これから伝送されてくる番組は非バルク番組に切り替わるということになる(例えば、図45の午後10:00:00のタイミングの場合)。そのため、上記処理モードをバルク再生モードから非バルク再生モードに切り替える必要が発生する。この場合、続くステップS4007において、放送される番組がバルク番組から非バルク番組に切り替わる旨をOSD表示するための処理が実行される。すなわち、CPU4048は、上記の旨を告知するメッセージ(例えば、「バルク番組放送終了」等のメッセージ)を生成させるための制御信号を第1のOSD作成・合成部4044に出力する。これに応じて、第1のOSD作成・合成部4044は当該告知メッセージを生成する。そして、第1のOSD作成・合成部4044は、当該告知メッセージを第1のAVデコーダ4042からの映像信号に合成して第1の表示部4046に出力する。この結果、これから非バルク番組が開始される旨が画面上に表示されることになる。
次に、ステップS4008において、非バルク番組を再生するための処理が開始される。具体的には、まず、CPU4048は、第2のチューナ4033を開放するための制御信号を第2のチューナ4033に出力する。この結果、第2のチューナ4033でのCh1の選局状態が一旦解除される。更に、CPU4048は、上記処理モードを非バルク再生モードに切り替えるための制御信号をTS合成・分離部4041に出力する。その結果、TS合成・分離部4041は、上述したようなトランスポートストリームの合成処理は行わずに、第1のチューナ4032経由で得られたトランスポートストリームから非バルク番組にかかるAVストリームを分離して第1のAVデコーダ4042へ出力する処理を開始する。第1のAVデコーダ4042は、当該非バルク番組にかかるAVストリームをデコードし、映像・音声信号を第1の表示部4046に出力する処理を開始する。これにより、非バルク番組の再生処理が開始されることになる。その後、処理は上記ステップS4001に戻る。以上で、第10の実施形態にかかる受信再生処理の説明を終了する。
以上のように、本実施形態では、TMCC信号に含まれるバルク関連情報に基づいて、バルク番組を再生するための処理と非バルク番組を再生するための処理を自動的に切り替える。これにより、1台の受信装置でバルク番組と非バルク番組の視聴を両立することが可能となる。また、切り替わる際にOSD表示を用いて、バルク番組−非バルク番組間の切り替わる旨の表示を行うため、放送される番組がバルク番組か非バルク番組かを利用者に認識させやすくすることができる。
なお、上記OSD表示に関しては、上記のような表示処理の他に、以下のような処理を行ってもよい。例えば、第1のチューナ4032で選局している物理チャンネルでバルク番組が開始したタイミングにおいて2画面同時表示を行っている等で、第2のチューナ4033が使用中の状態のときは、バルク伝送にかかる2つの物理チャンネルが選局できず、バルク番組の再生ができない。このようなときに、画面に何も表示せず、真っ暗な画面を表示してしまうと、あたかも故障が発生したかのような誤解を視聴者に与えてしまう。そこで、このような場合は、受信ができない旨をOSD表示することで、故障ではないことを視聴者に認識させるようにしてもよい。すなわち、CPU4048は、バルク番組が開始するタイミング(上記ステップS2002でYESの場合)において、2つのチューナを用いた選局が可能であるか否か、すなわち、バルク番組の再生・表示が可能か否かを判定する。その結果、バルク番組の表示ができないと判定したときは、上記の旨のOSD表示を行うための制御信号を第1のOSD作成・合成部4044に出力するようにすればよい。
また、上記受信装置に関しては、例えば、図44の構成から第1、および第2の表示部を除いたような構成、いわゆる、デジタルチューナ単体という構成であってもよい。すなわち、表示部、例えばディスプレイについては利用者が別途準備し、単体のデジタルチューナと接続するという構成を採るようにしてもよい。この場合に、ディスプレイがバルク番組に非対応のディスプレイであったような場合、例えば、ディスプレイの解像度がバルク番組を表示するために十分な解像度を有していないような場合に、単にディスプレイに何も表示しないのではなく、OSD表示を利用してディスプレイが非対応である旨を表示するようにしても良い。すなわち、CPU4048に、上記接続されたディスプレイに関する情報(ディスプレイの解像度等の情報)を取得させる。そして、接続されているディスプレイでバルク番組を表示することが可能か否かを判定させ、表示できないと判定されたときに上記のようなディスプレイが非対応である旨をOSD表示する処理を実行させればよい。
更に、受信装置がバルク伝送の受信に非対応であるような場合、すなわち、Wチューナを備えてはいるが、2つの物理チャンネルで受信したトランスポートストリームを合成する機能を備えていないような場合、上記バルク番組が再生できない旨をOSD表示するようにしてもよい。すなわち、デジタル放送信号には上記バルク関連情報を含むTMCC信号が含まれている。そこで、トランスポートストリームの合成機能を備えていない受信装置であっても、当該バルク関連情報に基づいてバルク番組が伝送されてくるか否かの判定を行うことが可能なように構成しておく(例えば、既に市場に出回っているWチューナ構成の受信装置に対して、ファームウェアのアップデート等を行うことが考えられる)。そして、上記バルク関連情報に基づいて上記ステップS2と同様の判定を行い、バルク番組が伝送されるような場合は、受信装置がバルク番組の再生に非対応である旨をOSD表示するための処理を実行するようにすればよい。
(第11の実施形態)
次に、図48を参照して、本発明の第11の実施形態について説明する。上述の第1の実施形態では、バルク番組再生中は、第1のAVデコーダ側の出力系統(第1のAVデコーダ〜第1の表示部4046)のみが使用されており、第2のAVデコーダ側の出力系統は使用されていなかった。これに対して、第11の実施形態では、バルク番組を再生する際、当該バルク番組と共に階層伝送されている上記低階層番組を第2のAVデコーダ4043に出力し、録画のために用いる。
ここで、上記バルク番組は、スーパーハイビジョン映像であるが故に、その情報量も膨大なものとなっている。そのため、スーパーハイビジョン映像をそのまま録画するためには、数十〜数百テラバイト程度の記憶容量では実用的なレベルではないと考えられる。また、録画に際して、リアルタイムに圧縮処理(符号化処理)を施して記録することも考えられるが、上記のように、その情報量が膨大であるため、このような符号化処理に必要な演算能力も相当高いものが要求される。仮に、実用に耐えうるレベルの大容量の記憶媒体や高性能な演算能力を備えたCPU等を家庭用のデジタル放送受信装置に搭載することを考えても、コスト面からすると、現実的・実用的なものとは言えない。
そこで、本実施形態では、スーパーハイビジョン映像よりは情報量が少なく、録画処理にかかる負荷を抑えることができる低階層映像(換言すれば、従来の録画機器で録画処理が十分可能な映像)を第2のAVデコーダ経由で記録部に出力させ、録画可能とする。つまり、バルク番組の再生が行われているときに、その番組と同内容の低階層番組を録画用に用いることで、画質は低下するものの、その番組内容自体は録画可能とする。これにより、バルク番組についてはリアルタイムの視聴のみが可能でその内容の録画は一切できない、という状況が発生することを防ぎ、バルク番組を視聴しながら同時に録画することが可能となる。その結果、例えば、利用者がバルク番組を視聴中に、利用者にとって有益な情報が放送されていることに気づき、その番組をすぐに録画しておきたいと所望したような場合に、当該番組を録画して保存することが可能となる。
図48は、第11の実施形態にかかる受信装置4060の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る受信装置4060は、上述した第1の実施形態で図44を用いて説明した受信装置4030の機能構成に録画処理部4061および記録部4062を加えたものに相当し、他の構成部は、第1の実施形態と同様である。従って、録画処理部4061および記録部4062以外の構成部については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
図48において、録画処理部4061は、CPU4048からの制御信号に基づいて、録画のための各種処理(符号化処理や録画データの管理処理等)を実行することで低階層番組あるいは非バルク番組の録画データを記録部4062に出力する。記録部4062は、上記のような低階層番組や非バルク番組の録画データを記憶するための媒体である。例えば、ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)によって実現される。
図48のような構成において、CPU4048は、以下のような処理を行うことで上記低階層番組の録画を実現する。まず、バルク番組が放送中の状態において、利用者がリモコン4051を介して録画指示を入力すると、当該録画指示を示す信号がCPU4048に入力される。当該信号を受けたCPU4048は、TS合成・分離部4041において合成されたトランスポートストリームから、上記バルク番組にかかるAVストリームを分離させる処理に加えて、上記低階層番組にかかるAVストリームを分離させ、第2のAVデコーダ4043に出力させるための制御信号をTS合成・分離部4041に出力する。更に、第2のAVデコーダ4043に、当該低階層番組のAVストリームをデコードさせ、録画処理部4061に出力させるための制御信号を第2のAVデコーダ4043に出力する。併せて、CPU4048は、録画処理部4061に、第2のAVデコーダ4043から入力されてくる映像・音声信号を録画させるための制御信号を出力する。このような処理が実行された結果、低階層番組が記録部4062に録画されることになる。
以上のように、第11の実施形態では、バルク番組の再生中に、同時に低階層番組を録画可能としている。これにより、利便性の高い受信装置を提供することが可能となる。また、録画処理を実行する機器構成についても、非バルク番組の録画に用いるような従来の構成を流用することが可能となり、バルク番組の視聴および同内容の番組の録画が可能な受信装置を低コストで提供することが可能となる。
なお、上述の第11の実施形態では、バルク番組が放送中の状態において、利用者がリモコン4051を介して録画指示を入力した場合を例にしたが、これに限らず、例えば録画予約等の設定に基づいて、バルク番組の開始と同時に低階層番組の出力も行うようにしてもよい。
(第12の実施形態)
次に、図49から図50を参照して、本発明の第12の実施形態について説明する。上述の第1の実施形態では、2つのチューナを備えてバルク番組を視聴できる受信装置を例としていた。これに対して、第12の実施形態では、第1の実施形態における受信装置の廉価版としての位置づけの、シングルチューナ構成の受信装置を想定する。すなわち、再生処理系統を1つだけとすることで、受信装置にかかるコストダウンを図ったものである。
第12の実施形態にかかる受信装置は、上記のようにシングルチューナ構成であるため、2つのチューナが必要な、バルク伝送にかかるバルク番組の視聴はできない。そのため、バルク番組の代わりに、番組内容は同じものである低階層番組を再生することで、番組内容そのものは視聴できるようにしている。そのため、第12の実施形態にかかる受信装置では、バルク番組が放送される時間帯では、階層伝送されているチャンネルを検索して自動的に選局し、低階層番組にかかるAVストリームを取得して再生するという処理が行われる。
上記図46で示したような番組スケジュールにおいてCh2を視聴している場合を例として、第12の実施形態で実行される処理概要を説明する。まず、Ch2で午後7時台のニュース番組が視聴されているとする。その後、午後8:00をまわると、バルク伝送される映画番組が開始される。しかし、第12の実施形態にかかる受信装置はシングルチューナ構成であるため、バルク番組としての映画番組の再生はできない。そのため、第12の実施形態では、上記低階層番組の再生を行う。ここで、本実施形態では、Ch2では階層伝送が行われていないため(図41参照)、階層伝送が行われているCh1を選局する。そして、Ch1で階層伝送されている低階層番組としての映画番組を再生する。更に、午後10:00をまわり、映画番組が終了すると、元々視聴していたCh2を選局する処理を実行する。以上のような処理が第12の実施形態では実行される。
図49は、第12の実施形態にかかる受信装置4070の構成を示す機能ブロック図である。当該実施形態に係る受信装置4070は、上述した第1の実施形態で図44を用いて説明した受信装置30の機能構成から、第2のチューナ4033〜第2の表示部4047にかかる再生処理系統を除いたものに相当し、他の構成部は、第1の実施形態と同様である。従って、同一の構成部には同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
また、図49において、TS合成・分離部4041は、第1の実施形態と同様に2つの処理モードを切り替えて動作するが、第1の実施形態とは異なり、上記バルク再生モードで動作する場合は、以下のような動作を行う。すなわち、バルク番組が放送されるときは、まず、CPU4048からの制御信号に基づいて、第1のチューナ4032は、バルク伝送が行われている2つの物理チャンネルのうち、階層伝送がなされているチャンネルを選局する。そして、TS合成・分離部4041は、階層伝送されている物理チャンネルから得られたトランスポートストリームから、低階層番組にかかるAVストリームを分離して、第1のAVデコーダ4042に出力する処理を実行する。
次に、第12の実施形態にかかる受信装置4070での受信再生処理の詳細を説明する。図50は、当該受信再生処理の詳細を示すフローチャートである。図50において、まず、ステップS4021において、利用者の操作に基づいて第1のチューナ4032での選局処理が実行される。ここでは、Ch2が選局されるものとする。
次に、ステップS4022において、ステップS4021で選局された物理チャンネルの番号がフラッシュメモリ4050に一時的に記憶される。
次に、ステップS4023において、TMCC信号から上記バルク関連情報が取得される。続くステップS4024で、バルク番組の放送が開始されるか否かが判定される。具体的には、CPU4048は、上記バルク関連情報の接続フラグ4132を参照し、第1のチューナ4032で選局されているチャンネルでバルク番組が放送されるか否かを判定する。
当該判定の結果、バルク番組の放送が開始されると判定されたときは(ステップS4024でYES)、続くステップS4025において、現在選局しているチャンネルが階層伝送が行われているチャンネルであるか否かを判定する。本実施形態では、選局中のチャンネルがCh1であるか否かを判定する。
なお、バルク放送のうち、いずれのチャンネルで階層伝送が行われているかを示す情報については、例えば予め、階層伝送は周波数が低い方の物理チャンネルで行うという規格を決めておき、選局中の物理チャンネルがバルク番組を構成する2つのチャンネルのうち周波数が低い方の物理チャンネルであるか否かで判定するようにしても良いし、当該情報を上記バルク関連情報に含むようにし、これに基づいて判定するようにしてもよい。
ステップS4025の判定の結果、階層伝送が行われていない物理チャンネル(本実施形態ではCh2)のときは(ステップS4025でNO)、次のステップS4026において、階層伝送が行われている物理チャンネルを選局する処理が実行される。すなわち、上記バルク関連情報の接続対象Ch4133に示されている物理チャンネルを第1のチューナ4032で選局する処理が実行される。一方、ステップS4025の判定の結果、階層伝送が行われている物理チャンネル(本実施形態ではCh1)のときは(ステップS4025でYES)、ステップS4026の処理はスキップされて、処理が次に進められる。
次に、ステップS4027において、低階層番組の再生処理が開始される。具体的には、CPU4048は、処理モードを上記バルク再生モードに切り替えるための制御信号をTS合成・分離部4041に出力する。同時に、CPU4048は、第1のAVデコーダ4042に対しても、低階層番組用のデコード処理に切り替えるための制御信号を出力する。その結果、第1のチューナ4032から得られたトランスポートストリームがTS合成分離部に入力されると、TS合成・分離部4041において低階層番組にかかるAVストリームが分離され、第1のAVデコーダ4042に出力される。そして、デコードされた映像音声信号が第1のAVデコーダ4042から第1のOSD作成・合成部4044を経由して第1の表示部4046に出力される。このとき、第1のOSD作成・合成部4044で、バルク番組(低階層番組)が始まった旨等を表示するようにしても良い。
次に、ステップS4028で低階層番組が終了したか否かが判定される。当該判定の結果、まだ放送中であれば(ステップS4028でNO)、低階層番組の放送が終了するまで、ステップS4028の判定が繰り返される。一方、低階層番組の放送が終了すれば(ステップS4028でYES)、続くステップS29において、フラッシュメモリ4050に記憶されているCh番号が取得される。本実施形態では、Ch2が取得される。そして、当該取得されたチャンネルが第1のチューナ4032で選局される。同時に、CPU4048から処理モードを非バルク再生モードへ切替る旨の制御信号がTS合成・分離部4041に出力される。その結果、Ch2で放送される非バルク番組の再生処理が開始されることになる。以上で、第12の実施形態にかかる受信再生処理は終了する。
このように、第12の実施形態では、バルク伝送される番組の内容そのものはシングルチューナ機であっても視聴できる。更に、当該番組視聴のためにチャンネルが変更されても、番組終了後に、元の物理チャンネルに自動的に戻す処理が実行される。そのため、バルク伝送される番組と同内容の番組が視聴でき、かつ、よりコストを抑えることができるシングルチューナ構成のデジタル放送受信装置を提供することが可能となる。
なお、上述のような、バルク番組の開始時にそれまで視聴していた物理チャンネルを記憶する処理については、第10の実施形態で上述したような構成の受信装置に適用しても良い。例えば、図51に示すような番組スケジュールが組まれているとする。すなわち、Ch1およびCh2では、午後7:00:00〜7:59:59はそれぞれ非バルク番組が放送され、午後8:00:00〜8:59:59までは両チャンネルを使ったバルク番組が放送され、午後9:00:00〜9:59:59は、それぞれ非バルク番組が放送される場合を想定する。また、Ch3では、午後7:00:00〜9:59:59まで、1本の非バルク番組が放送されているとする。
このような番組スケジュールにおいて、午後7:30の時点で、利用者が第1のチューナ4032ではCh1を選局し、第2のチューナ4033ではCh3を選局して、それぞれの番組を2画面同時表示している場合を考える。この場合、午後8:00になれば、Ch1ではバルク番組が開始されることになる。しかし、第2のチューナ4033はCh3を選局している状態であるため、このままではバルク番組の再生処理が開始できない。そのため、午後8:00のタイミングで、上記図46のステップS2004の処理において、第1のOSD作成・合成部4044に、バルク番組が開始する旨、および、Ch3の視聴を停止してバルク番組の再生を行うか否かを問い合わせる表示を行わせる。その結果、バルク番組の再生を行う旨の指示が入力されたときは、第2のチューナ4033で選局している物理チャンネル番号をフラッシュメモリ4050に記憶させる処理を行い、バルク番組の1画面での再生処理を実行する。その後、午後9:00をまわり、バルク番組が終了すれば、フラッシュメモリ4050に記憶されている物理チャンネル番号を第2のチューナ33に選局させ、2画面同時表示に戻すような処理を行うようにしてもよい。すなわち、Ch1とCh3の2画面同時表示に戻しても良い。このような処理を行うことで、第10の実施形態に示したような受信装置(Wチューナ機)の場合であっても、利便性を高めた受信装置を提供することが可能となる。
(第13の実施形態)
まず、図52を用いて、本発明の原理及び本実施形態が想定している処理概要について説明する。本実施形態では、いわゆるスーパーハイビジョンの動画像コンテンツ(以下、SHDコンテンツと呼ぶ)を伝送するデジタル放送システムを想定している。そして、本実施形態では、図52に示すように、送信側において当該SHDコンテンツ101を2つに分割し(図52のSHDコンテンツ101aおよび101b)、2つの物理チャンネル111および112を用いて伝送する。これは、SHDコンテンツが、1つの物理チャンネルでは伝送しきれない情報量を有するためである。以下、このような、1つのSHDコンテンツを2つの物理チャンネルを用いて伝送することをバルク伝送と呼ぶ。
ここで、本実施形態では、当該2つの物理チャンネルのうち、いずれか一方のチャンネルについて階層伝送を行うようにしている。具体的には、送信側で、上記SHDコンテンツと同内容のコンテンツを、いわゆるHD映像(High Definition映像)あるいはSD映像(Standard Definition映像)として、上記SHDコンテンツと別途に生成する(以下、これらを、HD/SDコンテンツと呼ぶ)。そして、本実施形態では、変調方式として、SHDコンテンツに関しては、雑音などの外乱に弱いが伝送効率が高い変調方式である、例えば32APSK(Amplitude Phase Shift Keying)を用い、一方HD/SDコンテンツについては、SHDコンテンツの変調方式よりも、雑音などの外乱に強いが伝送効率が低い変調方式である、例えばQPSK(quadrature phase shift keying)を用いて変調する。ここで、これらHD/SDコンテンツは、上記SHDコンテンツよりは情報量が少ないため、伝送するためのネットワーク帯域も少なくて済む。すなわち、HD/SDコンテンツは、1チャンネル分の伝送容量以内で且つ、SHDコンテンツの変調方式よりも伝送効率が低い変調方式でも、十分伝送可能である。そして、本実施形態では、上記いずれか一方のチャンネル、図52の例では、物理チャンネル111について、SHDコンテンツ101aとHD/SDコンテンツ102との階層伝送を行うように構成する。つまり、HD/SDコンテンツ102を伝送する為の変調方式のほうがSHDコンテンツ101を伝送する為の変調方式よりも所要CNRを低くなるようにしている(例えば、HD/SDコンテンツ102はQPSK、SHDコンテンツ101は32APSKで変調する)。
一方、受信側においては、通常は上記SHDコンテンツ101の再生のための処理を行う(図52の受信〜復元処理6121に相当)。同時に、伝送品質の監視、具体的には、受信CNR(Carrier to Noise Ratio)やビット誤り率の監視を行う(図52の伝送品質監視122に相当)。そして、いずれか一方のチャンネルの伝送品質が予め設定されている閾値より低下したとき、例えば、SHDコンテンツの良好な再生に必要な受信CNRを下回ったときには、受信側において、SHDコンテンツの再生から上記HD/SDコンテンツの再生へと処理を切り替える(図52の切替処理123に相当)。上述のように、HD映像のコンテンツはSHDコンテンツよりも所要CNRが低い。そのため、SHDコンテンツを良好な状態で再生するには伝送品質が足りない場合であっても、HD/SDコンテンツを再生するには十分な伝送品質であることが考えられる。そこで、受信機側においてSHDコンテンツを再生中に伝送品質が低下したときは、SHDコンテンツからHD/SDコンテンツへと再生処理を切り替えることで、映像や音声が途切れることのない、違和感のない動画像コンテンツの視聴を視聴者に継続させることを可能とするものである。
次に、本実施形態のデジタル放送システムで使用される送信装置および受信装置の構成について説明する。図53は、本発明の第1の実施形態に係る送信装置の構成を示した機能ブロック図である。図53において、送信装置6010は、高階層エンコーダ6011と低階層エンコーダ6012と、時分割多重部6013と、TS分割部6014と、第1の主信号誤り訂正符号化部6015と、第2の主信号誤り訂正符号化部6016と、第1のマッピング部6017と第2のマッピング部6018と、第1の周波数変換部6019と、第2の周波数変換部6020と、CPU6021と、第1のTMCC生成部6023と、第2のTMCC生成部6024とで構成される。
高階層エンコーダ6011は、放送対象となる動画像コンテンツ(例えば放送番組)をSHDの映像としてエンコードする。具体的には、圧縮符号化形式として、例えば”MPEG−4 AVC/H.264”(以下、単にH.264と呼ぶ)を用いてエンコードを行う。そして、エンコードの結果であるAVストリーム(以下、高階層AVストリームと呼ぶ)を時分割多重部6013に出力する。
低階層エンコーダ6012は、放送対象となる動画像コンテンツをHDまたはSDの映像としてエンコードする。具体的には、圧縮符号化形式として、例えば上述のH.264、又は、いわゆる”MPEG2”方式を用いてエンコードを行う。そして、エンコードの結果であるAVストリーム(以下、低階層AVストリームと呼ぶ)を時分割多重部6013に出力する。
時分割多重部6013は、高階層AVストリームおよび低階層AVストリームを多重化し、トランスポートストリーム(以下、原TSと呼ぶ)を生成する。すなわち、時分割多重部6013は、CPU6021からの制御信号に基づいて高階層AVストリーム/低階層AVストリームを切り替えながら、両AVストリームを多重化することで、原TSを生成する。そして、生成した原TSをTS分割部6014に出力する。
TS分割部6014は、2つの物理チャンネルで原TSを伝送できるように原TSを2つに分割して(振り分けて)第1の主信号誤り訂正符号化部6015および第2の主信号誤り訂正符号化部6016に出力する処理を行う。より具体的には、TS分割部6014は、高階層AVストリームを構成するパケット(以下、高階層パケット)については、第1の主信号誤り訂正符号化部6015と第2の主信号誤り訂正符号化部6016とに振り分けて出力する。一方、低階層AVストリームを構成するパケット(以下、低階層パケット)については、分割は行わずに、第1の主信号誤り訂正符号化部6015にのみ、そのまま出力する。これは、低階層AVストリームについては片方の物理チャンネルのみで階層伝送を行うためである。また、低階層パケットを階層伝送する物理チャンネルについては、周波数が低い物理チャンネルが好ましい。これは、周波数が低い方が伝送路が安定していると考えられるためである。本実施形態でも、階層伝送を行う経路(第1の周波数変換部6019を通る経路)側のほうに周波数の低いチャンネルを割り当てるものとする。
ここで、上記高階層パケットの振り分け方について説明する。図54は、この振り分け方の概念を示す模式図である。本実施形態では、原TS内の、高階層AVストリームを構成する各パケット(図54では説明の便宜のため、各パケットに連番を付している)を2つの物理チャンネルに交互に振り分けるような処理が行われる。すなわち、図54では、奇数番号のパケットが物理チャンネル1に振り分けられ、偶数番号のパケットが物理チャンネル2に振り分けられている。その結果、奇数番号のパケットが物理チャンネル1で伝送され、偶数番号のパケットは物理チャンネル2で伝送されることになる。なお、受信機側においては、当該2つのチャンネルを用いてTSを受信することになるが、これらを合成する場合は、元の順番通りになるよう復元するため、各チャンネルで受信したTS(のパケット)を交互に繋いでいく必要がある。この繋いでいく順番、すなわち、どちらの物理チャンネルのTSパケットが先でどちらが後であるかを示すための情報については、後述するようなTMCC情報に含まれて伝送される。
図53に戻り、第1の主信号誤り訂正符号化部6015は、TS分割部6014から出力された高階層パケットおよび低階層パケットに対して、誤り訂正等の処理を行う。図55は、第1の主信号誤り訂正符号化部15の詳細を示すブロック図である。第1の主信号誤り訂正符号化部6015は、外符号誤り訂正部6151、エネルギー拡散部6152、内符号誤り訂正部6153、インターリーブ部6154とで構成されている。外符号誤り訂正部6151は、入力されてきた各パケットに対して、例えばBCH符号を用いて外符号誤り訂正をかける。エネルギー拡散部6152は、外符号誤り訂正部6151から出力されたパケットに対して、一定の規則に沿ったランダムデータを加えることでエネルギー拡散を行う。内符号誤り訂正部6153は、エネルギー拡散部6152から出力されたパケットに対して、例えばLCPC符号を行う。インターリーブ部6154は、内符号誤り訂正部6153から出力されてくるデータについて、インタリーブを行う。
図53に戻り、第2の主信号誤り訂正符号化部6016は、TS分割部6014から出力された高階層パケットに対して、誤り訂正等の処理を行う。その機能内容については、上記第1の主信号誤り訂正符号化部6015と同様であるため、ここでは説明を省略する。
第1のマッピング部6017は、第1の主信号誤り訂正符号化部6015から入力されてくるビットストリームを、キャリアの位相と振幅で決まる信号点にマッピングし、当該マッピングされたデータを第1の周波数変換部6019に出力する。具体的には、CPU6021の制御に基づいて、誤り訂正符号化された高階層パケットについては、所要CNRは高いが、伝送効率が高い変調方式(例えば32APSK)にマッピングされ、誤り訂正符号化された低階層パケットについては、高階層パケットに施す変調よりも、所要CNRは低いが、伝送効率が低い変調方式(例えばQPSK)にマッピングされる。
第2のマッピング部6018は、第2の主信号誤り訂正符号化部6016から入力されてくるビットストリームに対してキャリアの位相と振幅で決まる信号点にマッピングし、当該マッピングされたデータを第2の周波数変換部6020に出力する。具体的には、第2のマッピング部6018には誤り訂正符号化された高階層パケットのみが入力されるため、CPU6021の制御に基づいて、第1のマッピング部6017において高階層パケットに施す変調方式と同じ変調方式(例えば32APSK)にマッピングされる。
第1のTMCC生成部6023、及び第2のTMCC生成部6024は、階層伝送に関する情報(各時間毎の変調方式情報)、バルク伝送に関する制御情報、その他伝送パラメータなど、受信機の制御に必要なTMCC情報をTMCC信号として生成する。具体的には、CPU6021の制御に基づいて、第1のTMCC生成部6023では第1の周波数変換部6019から出力される変調信号に対するTMCC信号を生成して、第1のマッピング部6017に出力する。一方、第2のTMCC生成部6024では、第2の周波数変換部6020から出力される変調信号に対するTMCC信号を生成し、第2のマッピング部6018に出力する。第1のTMCC生成部6023で生成されたTMCC信号は、第1のマッピング部6017で、上述のようにキャリアの位相と振幅で決まる信号点にマッピングした上で、同じく第1のマッピング部6017でマッピングされたAVデータ(主信号)に多重化し、第1の周波数変換部6019に出力する。一方、第2のTMCC生成部6024で生成されたTMCC信号は、第2のマッピング部6018で、上述のようにキャリアの位相と振幅で決まる信号点にマッピングした上で、同じく第2のマッピング部6018でマッピングされたAVデータ(主信号)に多重化し、第2の周波数変換部6020に出力する。
なお、第1のマッピング部6017、及び第2のマッピング部6018に於ける、TMCC信号に対するマッピングについては、受信機において、外乱により受信状態が劣化し低階層パケットを表示しなければならない状況下でも、確実にTMCC信号を受信し、そのTMCC信号による受信機制御を行えるようにする為に、上記低階層パケットに施した変調よりも、外乱に対して同等、若しくは強い変調方式(例えばQPSK、又はBPSK)でマッピングされる。第1のマッピング部6017でマッピングされた主信号とTMCCとの多重化変調信号は、第1の周波数変換部6019で所定の周波数に周波数変換を施して送信信号として出力する。また、第2のマッピング部6018でマッピングされた主信号とTMCCとの多重化変調信号は、第2の周波数変換部6020で所定の周波数に周波数変換を施して送信信号として出力する。
ここで、上記TMCC情報に関して説明する。上記TMCC情報には、受信機制御を行えるように、一般的な伝送制御情報の他、上述したような各時間毎の変調方式に関する情報である階層伝送情報や、バルク伝送に関する情報であるバルク伝送関連情報が含まれている。図56は、バルク伝送関連情報の一例を示す図である。バルク伝送関連情報は、物理Ch番号6131と接続フラグ6132と前接続Ch6133と後接続Ch6134の集合から構成されている。バルク伝送関連情報には、全ての物理チャンネルについての情報が含まれており、物理Ch番号6131は、物理チャンネルの番号を示す。接続フラグ6132は、放送(伝送)されるコンテンツがバルク伝送を用いたコンテンツであるか否かを識別するためのフラグである。接続フラグ6132がオンに設定されているときは、その物理チャンネルで伝送されている動画像コンテンツはバルク伝送を用いた動画像コンテンツであること、すなわち、2つの物理チャンネルを用いて1つの動画像コンテンツを伝送していることを示す。オフに設定されているときは、バルク伝送は用いずに、その物理チャンネルのみを使用して1つの動画像コンテンツを伝送していることを示す。
前接続Ch6133、および後接続Ch6134は、上記のようなバルク伝送において、対となる物理チャンネル番号を示すためのデータである。前接続Ch6133、および後接続Ch6134は、接続フラグ6132がオンのときにのみ設定され、且つ、前接続Ch6133、後接続Ch6134のいずれか一方だけに値が設定される。上述したように、受信機側においては、2つの物理チャンネルから得られたトランスポートストリームを合成する必要があるが、この際に、どちらの物理チャンネルのパケットが先にしてどちらを後にするかを示すための情報が前接続Ch6133、後接続Ch6134である。図54の例で言うと、奇数番号のパケットが振り分けられた物理チャンネル1が前接続Chになり、偶数番号のパケットが振り分けられた物理チャンネル2が後接続Chとなる。そのため、図56に示した例では、受信機側では、次のような判定処理が可能となる。すなわち、受信機側で物理チャンネル1を選局し、図56に示されるようなバルク伝送関連情報を取得すると、まず、物理チャンネル1で伝送されてくるコンテンツはバルク伝送を用いたもの、すなわち、SHDコンテンツであることが判定できる。そして、当該物理チャンネル1には後接続Chとして物理チャンネル2が存在することが判定できる。更に、物理チャンネル1および物理チャンネル2でそれぞれ受信したTSパケットの合成順序としては、Ch1→Ch2→Ch1→Ch2→・・・のような順序で合成すべきことが判定できることになる。
図53に戻り、CPU6021は、時分割多重部6013、TS分割部6014、第1の主信号誤り訂正符号化部6015、第2の主信号誤り訂正符号化部6016、第1のマッピング部6017、第2のマッピング部6018に上述したような処理を実行させるための各種制御を行う。
次に、本実施形態のデジタル放送システムで使用される受信装置(典型的にはデジタル放送の受信が可能なテレビ受像機)について説明する。図57は、本発明の第13の実施形態に係る受信装置30の構成を示した機能ブロック図である。図57において、受信装置6030は、アンテナ6031と、第1のチューナ6032と、第2のチューナ6033と、第1の復調部6034と、第2の復調部6035と、第1の主信号誤り訂正復号部6036と、第2の主信号誤り訂正復号部6037と、第1のTMCC復号部6038と、第2のTMCC復号部6039と、TMCC制御部6040と、第1の受信CNR検出部6041と第2の受信CNR検出部6042と、TS合成・分離部6043と、AVデコーダ6044と、CPU6045と、表示部6046とで構成される。
第1のチューナ6032および第2のチューナ6033は、CPU6045からの制御信号に基づいて所定の物理チャンネルを選局し、送信装置6010からの送信信号をアンテナ6031を介して受信する。
第1の復調部6034は、第1のチューナ6032から出力される送信信号をデジタル信号に復調し、第1の主信号誤り訂正復号部6036および第1のTMCC復号部6038に出力する。
第1の主信号誤り訂正復号部6036は、第1の復調部34から出力されたデジタル信号に対して、上記第1の主信号誤り訂正符号化部6015で行われた処理と逆の処理を行うことで、トランスポートストリームを得る。そして、当該トランスポートストリームをTS合成・分離部6043に出力する。図58は、第1の主信号誤り訂正復号部6036の詳細を示すブロック図である。図58において、第1の主信号誤り訂正復号部6036では、第1の復調部6034から出力されたデジタル信号について、デインターリーブ部6361でデインタリーブが行われ、内符号誤り復号部6362における内符号の復号、エネルギー逆拡散部6363におけるエネルギー逆拡散を経て外符号誤り復号部6364による外符号の復号が行われ、トランスポートストリームとして出力される。
第1のTMCC復号部6038は、第1の復調部6034から出力されたデジタル信号(TMCC信号)からTMCC情報を復号して取得する。そして、当該TMCC情報をTMCC制御部6040に出力する。
第1の受信CNR検出部6041は、第1の復調部6034における復調結果に基づいて受信CNRを所定の単位時間毎に算出し、CPU6045に出力する。
第2の復調部6035、第2の主信号誤り訂正復号部6037、および、第2のTMCC復号部6039は、第2のチューナ6033から出力される送信信号に対して、上記第1の復調部6034、第1の主信号誤り訂正復号部6036、第1のTMCC復号部6038と同様の処理を行う。
また、第2の受信CNR検出部6042は、第2の復調部6035における復調結果に基づいて受信CNRを所定の単位時間毎に算出し、CPU6045に出力する。
TMCC制御部6040は、第1のTMCC復号部6038から出力されるTMCC情報の内、時間毎の変調方式に関する情報である階層伝送情報等の伝送パラメータに基づいて、第1の復調部6034および第1の主信号誤り訂正復号部6036を制御する。また、第2のTMCC復号部6039から出力されるTMCC情報の内各時間毎の変調方式に関する情報である階層伝送情報、等の伝送パラメータに基づいて、第2の復調部6035および第2の主信号誤り訂正復号部6037を制御する。また、TMCC制御部6040は、取得したTMCC情報をCPU6045に出力する。
TS合成・分離部6043は、CPU6045からの制御信号に基づいて、以下のような処理を実行する。まず、TS合成・分離部6043は、第1の主信号誤り訂正復号部6036および第2の主信号誤り訂正復号部6037から出力されてくるトランスポートストリームを合成することによって、原TSを復元する。更に、TS合成・分離部6043は、原TSから、上記高階層AVストリームと低階層AVストリームとを分離して取得する。そして、TS合成・分離部6043は、CPU6045からの制御信号に基づいて、高階層AVストリーム、または、低階層AVストリームをAVデコーダ6044に出力する。
AVデコーダ6044は、CPU6045からの制御信号に基づいて、TS合成・分離部6043から出力されたAVストリームをデコードして映像・音声信号を取得する。そして、AVデコーダ6044は、デコードの結果得られた映像・音声信号を表示部6046に出力する。ここで、AVデコーダ6044は、少なくとも、上記高階層AVストリーム、低階層AVストリームのエンコード形式に対応するデコード形式でデコード処理が可能である。例えば、高階層AVストリームのときはH.264方式でのデコード、低階層AVストリームのときは、MPEG2方式でのデコードが可能である。そして、AVデコーダ6044は、CPU6045からの制御信号に基づき、これらのデコード方式を切り替えてデコード処理を実行する。
CPU6045は、図59等を用いて後述するフローチャートに示すような処理を行い、上記第1のチューナ6032、第2のチューナ6033、第1の受信CNR検出部6041、第2の受信CNR検出部6042、TS合成・分離部6043、AVデコーダ6044等を制御して、送信装置6010から送信された動画像コンテンツを利用者が視聴できるようにするための処理を実行する。また、第1の受信CNR検出部6041および第2の受信CNR検出部6042からの入力に基づいて、TS合成・分離部6043からAVデコーダ6044への出力内容の切替を制御し、更に、AVデコーダ6044のデコード処理の切替制御も行う。
表示部6046は、AVデコーダ6044から出力された映像・音声信号に基づいて映像・音声を利用者に提示する。
また、図示は省略するが、受信装置には、利用者が選局操作等を行うための操作部が設けられており、CPU6045は、操作部からの操作信号に基づいて選局処理等の制御を行う。
以下、図59を用いて、受信装置6030において実行される受信再生処理の詳細動作を説明する。図59は、受信装置6030において実行される受信再生処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS6001において、利用者の選局操作に基づいた選局処理が行われる。より具体的には、CPU6045は、リモコン等の操作部からの指示信号を取得し、選局対象となる物理チャンネルを検出する。続いて、CPU6045は、第1のチューナ6032に当該物理チャンネルを選局させるための制御信号を出力する。これに応じて、第1のチューナ6032は指定された物理チャンネルを選局する処理を実行する。選局が完了すれば、アンテナ6031を介して受信された信号(以下、受信信号と呼ぶ)が第1のチューナ6032から第1の復調部6034に入力され、受信信号からTMCC信号が分離されて、第1のTMCC復号部6038に出力される。第1のTMCC復号部6038において、TMCC信号からTMCC情報が復号され、TMCC制御部6040に出力される。TMCC制御部6040は、当該TMCC情報から、階層伝送情報、伝送パラメータ、及び、上記バルク伝送関連情報(図56参照)を取得する。そして、TMCC制御部6040は、当該階層伝送情報や伝送パラメータに基づいた復調処理を実行させるための制御信号を第1の復調部6034に出力する。これに応じて、第1の復調部6034は、受信信号に含まれている主信号(コンテンツにかかるデータが含まれている信号)の復調を開始する。復調された主信号は、第1の主信号誤り訂正復号部6036に出力される。第1の主信号誤り訂正復号部6036において誤り訂正が行われることによってトランスポートストリームが得られることになる。そして、当該トランスポートストリームが、TS合成・分離部6043に出力される。
次に、ステップS6002において、上記バルク伝送関連情報から接続フラグ6132が読み出される。続くステップS6003において、上記選局した物理チャンネルの接続フラグ6132がオンに設定されているか否かが判定される。当該判定の結果、接続フラグ6132がオンでないときは(ステップS6003でNO)、ステップS6002に戻り、処理が繰り返される(なお、この場合は、単一のチャンネルによる番組放送と考えられるため、接続フラグ6132のオンが検出されるまでの間、上記ステップS6001で選局した物理チャンネルのトランスポートストリームに基づいて動画像コンテンツを再生する処理を行っても良い)。
一方、接続フラグ6132がオンと判定されたときは(ステップS6003でYES)、続くステップS6004において、第2のチューナ6033でバルク伝送の対となる物理チャンネルの選局処理が実行される。具体的には、CPU6045は、上記バルク伝送関連情報から、前接続Ch6133および後接続Ch6134を取得する。上記のように、いずれか一方にのみ物理チャンネル番号が示されているので、いずれか一方に示されている物理チャンネル番号を取得する。図54の例で言うと、第1のチューナ6032で物理チャンネル1を選局している場合は、物理チャンネル2が取得される。また、第1のチューナ6032で物理チャンネル2を選局している場合は、物理チャンネル1が取得される。そして、当該取得された物理チャンネルを第2のチューナ6033で選局するための制御信号を第2のチューナ6033に出力する。第2のチューナ6033は、当該制御信号に応じて選局処理を行う。
第2のチューナでの選局が完了すれば、アンテナ6031を介して受信された受信信号からTMCC信号が分離され、第2のTMCC復号部6039に出力される。第2のTMCC復号部6039において、TMCC信号からTMCC情報が復号されてTMCC制御部6040に出力される。TMCC制御部6040は、当該TMCC情報から伝送パラメータ等を取得する。そして、TMCC制御部6040は、当該伝送パラメータに基づいた復調処理を実行させるための制御信号を第2の復調部6035に出力する。これに応じて、第2の復調部6035は、主信号の復調を開始する。復調された主信号は、第2の主信号誤り訂正復号部6037に出力される。第2の主信号誤り訂正復号部6037において、誤り訂正処理が行われることによってトランスポートストリームが得られることになる。そして、当該トランスポートストリームが、TS合成・分離部6043に出力される。この結果、第1のチューナ6032経由で得られたトランスポートストリームと第2のチューナ6033経由で得られたトランスポートストリームがTS合成・分離部6043に入力されることになる。
続いて、ステップS6005において、両トランスポートストリームを合成する処理が開始される。具体的には、CPU6045は、両トランスポートストリームを合成する処理を開始させるための制御信号をTS合成・分離部6043に出力する。当該制御信号には、上述したような前接続ch6133および後接続ch6134に基づいた、トランスポートストリームを合成していく順番に関する情報も含まれている。TS合成・分離部6043は、CPU6045からの制御信号に応じて、第1のチューナ6032経由のトランスポートストリームと第2のチューナ6033経由のトランスポートストリームとの合成処理を行い、原TSを復元する処理を開始する。
続くステップS6006において、原TSから、高階層AVストリームと低階層AVストリームを分離するための処理が開始される。
続くステップS6007において、高階層AVストリームのデコード処理が開始される。すなわち、CPU6045は、TS合成・分離部6043に高階層AVストリームをAVデコーダ6044に出力させるための制御信号を出力する。当該制御信号に応じて、TS合成・分離部6043は、高階層AVストリームをAVデコーダ6044に出力する。更に、CPU6045は、AVデコーダ6044に、高階層AVストリームのデコード処理を開始させるための制御信号を出力する。当該制御信号に応じて、AVデコーダ6044は、TS合成・分離部6043から入力されてくる高階層AVストリームのデコード処理を開始し、デコード結果である映像・音声信号を表示部6046に出力する。
次に、ステップS6008において、受信CNRの取得を開始するための処理が実行される。より具体的には、CPU6045は、第1の受信CNR検出部41に第1の復調部6034における受信CNRを要求するための制御信号を出力する。第1の受信CNR検出部6041は、当該制御信号に応じて、第1の復調部34における受信CNRをCPU6045に出力する処理を開始する。更に、CPU6045は、第2の受信CNR検出部6042に、第2の復調部6035における受信CNRを要求するための制御信号を出力する。当該制御信号に応じて、第2の受信CNR検出部6042は、第2の復調部6035における受信CNRをCPU6045に出力する処理を開始する。
次に、ステップS6009において、第1の受信CNR検出部6041、および、第2の受信CNR検出部6042から出力される受信CNRのいずれか一方の値が所定の閾値未満であるか否かが判定される。当該所定の閾値は、SHDコンテンツの良好な再生に必要と考えられる、高階層変調方式の所要CNRを示している。いずれかの受信CNRが所定の閾値未満のとき、すなわち、伝送品質が低下したと考えられるときは(ステップS6009でYES)、続くステップS6010において、高階層AVストリームのデコード処理および表示部への出力処理が現在実行中であるか否かが判定される。
当該判定の結果、高階層AVストリームのデコード処理等が実行中であれば(ステップS6010でYES)、ステップS6011において、低階層AVストリームをAVデコーダ6044に出力するための処理が実行される。具体的には、CPU6045は、TS合成・分離部6043に低階層AVストリームをAVデコーダ6044に出力させるための制御信号を出力する。当該制御信号に応じて、TS合成・分離部6043は、低階層AVストリームをAVデコーダ44に出力する。
続くステップS6012において、低階層AVストリームのデコード処理等の指示が実行される。具体的には、CPU6045は、AVデコーダ6044に低階層AVストリームのデコード処理を開始させるための制御信号を出力する。当該制御信号に応じて、AVデコーダ6044は、TS合成・分離部6043から入力されてくる低階層AVストリームのデコード処理を開始し、デコード結果である映像・音声信号を表示部6046に出力する。
一方、ステップS6010の判定の結果、高階層AVストリームのデコード処理等が実行中でないときは(ステップS6010でNO)、既に低階層AVストリームの処理が実行中であると考えられるため、後述のステップS6016へ処理が進められる。
一方、上記ステップS6009の判定の結果、いずれかの受信CNRが所定の閾値以上のとき、すなわち、伝送品質は高階層AVストリームの再生に十分な品質である考えられるときは(ステップS6009でNO)、ステップS6013において、低階層AVストリームのデコード処理および表示部への出力処理が現在実行中であるか否かが判定される。当該判定の結果、低階層AVストリームのデコード処理等が実行中であれば(ステップS6013でYES)、一旦低下した伝送品質が再び良好な状態に戻ったような場合と考えられる。そのため、ステップS6014において、高低階層AVストリームをAVデコーダ6044に出力するための処理が実行される。具体的には、CPU6045は、TS合成・分離部43に高階層AVストリームをAVデコーダ6044に出力させるための制御信号を出力する。当該制御信号に応じて、TS合成・分離部6043は、高階層AVストリームをAVデコーダ6044に出力する。
続くステップS6015において、高階層AVストリームのデコード処理等の指示が実行される。具体的には、CPU6045は、AVデコーダ6044に、高階層AVストリームのデコード処理を開始させるための制御信号を出力する。当該制御信号に応じて、AVデコーダ6044は、TS合成・分離部6043から入力されてくる高階層AVストリームのデコード処理を開始し、デコード結果である映像・音声信号を表示部6046に出力する。
一方、ステップS6013の判定の結果、低階層AVストリームのデコード処理等が実行中でないときは(ステップS6013でNO)、既に高階層AVストリームの処理が実行中であると考えられるため、後述のステップS6016へ処理が進められる。
次に、ステップS6016において、処理終了の指示、例えば、電源をオフにする操作が行われたか否かが判定される。処理終了の指示が出されていないときは(ステップS6016でNO)、上記ステップS6008に戻って処理が繰り返される。一方、処理終了の指示が出されたときは(ステップS6016でYES)、本実施形態にかかる受信再生処理は終了する。
以上のように、本実施形態では、バルク伝送によってSHDコンテンツを伝送するときに、いずれか一方の物理チャンネルで同内容のHD/SDコンテンツを階層伝送する。受信機側では、当該SHDコンテンツを再生するときに、バルク伝送に用いられている物理チャンネルの受信CNRを監視しておく。そして、当該受信CNRが高階層変調されているSHDコンテンツの再生のための所要CNRを下回ったときに、低階層変調されているHD/SDコンテンツの再生へ切り替える処理を行う。また、上述のように、HD/SDコンテンツとSHDコンテンツとは、エンコード方式が異なるだけで、その内容については同じものである。そのため、高い伝送品質が求められるSHDコンテンツの再生中に伝送品質が低下したようなときでも、より低い伝送品質でも良好な視聴が可能なHD/SDコンテンツに切り替えることで、映像や音声が途切れたり乱れたりする状態を発生させずに当該コンテンツの視聴を継続させることが可能となる。
また、チューナを一つだけしか備えていない受信装置に対しても、上記低階層コンテンツが階層伝送されている物理チャンネルを選局させ、低階層AVストリームをデコードするようにすれば、上記SHDコンテンツと同じ内容のコンテンツを当該チューナが一つだけの受信装置で視聴させることが可能となる。
なお、上述の実施形態では、伝送品質の監視に受信CNRを利用していたが、これに限らず、例えばビット誤り率を監視して伝送品質を判断するようにしてもよい。図61は、ビット誤り率に基づいて伝送品質を判断する場合の受信装置6050の構成を示したブロック図である。図61に示す受信装置6050の構成は、上述の実施形態における受信装置6030に類似している。すなわち、図57における第1の受信CNR検出部6041および第2の受信CNR検出部6042の代わりに、第1の高階層スロットビット誤り検出部6051および第2の高階層スロットビット誤り検出部6052を備えた構成となっている。そこで、ここでは、図61で示す構成要素のうち、図57と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して簡単な説明に止める。
第1の高階層スロットビット誤り検出部6051は、第1の主信号誤り訂正復号部6036およびCPU6045と接続されている。また、第2の高階層スロットビット誤り検出部6052は、第2の主信号誤り訂正復号部6037およびCPU6045と接続されている。
第1の高階層スロットビット誤り検出部6051は、第1の主信号誤り訂正復号部6036における誤り訂正処理の結果を示す情報を取得し、当該情報から高階層パケットについてのビット誤り率を算出する。同様に、第2の高階層スロットビット誤り検出部6052は、第2の主信号誤り訂正復号部6037における高階層パケットのビット誤り率を算出する。そして、それぞれ算出したビット誤り率をCPU6045に出力する。
以上のような構成で、受信装置6050において次のような処理が実行される。すなわち、基本的には図59〜図60で示したフローチャートに沿った処理が実行されるが、図59のステップS8の処理において、受信CNRの取得の代わりに、CPU6045は、第1の高階層スロットビット誤り検出部6051に上述したようなビット誤り率の出力を要求する制御信号を送る。第1の高階層スロットビット誤り検出部6051は、当該制御信号に応じて、上記ビット誤り率の算出およびCPU6045への出力を開始する。更に、CPU6045は、第2の高階層スロットビット誤り検出部6052に対しても、同様の制御信号を送る。当該制御信号に応じて、第2の高階層スロットビット誤り検出部6052は、上記ビット誤り率の算出およびCPU6045への出力を開始する。
更に、図60のステップS6009において、受信CNRが閾値未満か否かを判定する代わりに、第1の高階層スロットビット誤り検出部6051および第2の高階層スロットビット誤り検出部6052から出力される上記ビット誤り率のうち、いずれか一方の値が所定の閾値を越えたか否かが判定される。当該所定の閾値としては、SHDコンテンツの良好な再生のために許容される高階層変調方式のビット誤り率が考えられる。そして、いずれかのビット誤り率が所定の閾値を越えるようであれば(ステップS6009でYES)、伝送品質が低下したものとして、上記ステップS6010以降の処理を実行すればよい。
このように、高階層パケット(つまり、SHDコンテンツを構成するデータ)のビット誤り率を監視することによっても、上述したような実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第14の実施形態)
次に、図62から図63を参照して、本発明の第14の実施形態について説明する。上述の第13の実施形態では、いずれか一方の物理チャンネルについてのみ、SHDコンテンツとHD/SDコンテンツとの階層伝送を行っていた。これに対して、第2の実施形態では、双方の物理チャンネルで階層伝送を行う。具体的には、図62に示すように、送信側において上記HD/SDコンテンツ6102を2つ生成し、双方のチャンネルでそれぞれ階層化して伝送を行う。そして、受信側においては、第1の実施形態と同様に、伝送品質が低下したときにHD/SDコンテンツに切り替える処理を行うが、このとき、2つのチャンネルのうち、伝送品質が高いほうのチャンネルのHD/SDコンテンツを再生するようにしている。
図63は、本発明の第14の実施形態に係る送信装置6060の構成を示した機能ブロック図である。当該実施形態に係る送信装置6060は、上述した第13の実施形態で図53を用いて説明した送信装置6010の機能構成に第2の低階層エンコーダ6022を加えたものに相当し、他の構成部は、第13の実施形態と同様である。なお、図53における低階層エンコーダ6012は、図63では第1の低階層エンコーダ6012と称している。従って、第2の低階層エンコーダ6022以外の構成部については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
図63において、第2の低階層エンコーダ6022は、第1の低階層エンコーダ6012と同様の機能を有している。時分割多重部6013は、高階層AVストリームと、第1の低階層エンコーダ6012から出力される低階層ストリームと、第2の低階層エンコーダ6022から出力される低階層ストリームとを多重化して原TSを生成する。換言すれば、第14の実施形態における原TSには、1つの高階層AVストリームと同じ内容の2つの低階層AVストリームが含まれていることになる。
また、TS分割部6014は、入力されてくる原TSについて、高階層AVストリームは、第1の主信号誤り訂正符号化部6015と第2の主信号誤り訂正符号化部6016に振り分けて出力する。一方、低階層AVストリームについては、第1の低階層エンコーダ6012から出力された低階層ストリームは第1の主信号誤り訂正符号化部6015に出力し、第2の低階層エンコーダ6022から出力された低階層ストリームは第2の主信号誤り訂正符号化部6016へ出力する。
上記のような構成で、第14の実施形態にかかる送信装置は、動画像コンテンツの送信を行う。その結果、バルク伝送に係る各チャンネルでHD/SDコンテンツが階層伝送されることになる。
次に、第14の実施形態にかかる受信装置について説明する。第14の実施形態の受信装置の機能ブロック図は、第13の実施形態と同様である(図6参照)。そして、当該受信装置において、基本的には、第13の実施形態で図59〜図60を用いて上述したような処理が実行されるが、次の点において、第13の実施形態とは部分的に異なる処理が実行される。
まず、図59のステップS6006の処理において、第14の実施形態では、原TSから、高階層AVストリームと上記2つの低階層AVストリームが分離されるような処理が実行される。その後、ステップS6007、S6008の処理を経て、ステップS6009の処理において、第1の受信CNR検出部6041、および、第2の受信CNR検出部6042から出力される受信CNRのいずれか一方の値が所定の閾値未満であるか否かが判定される。このとき、それぞれの受信CNRの値をメモリ(図示せず)に一時的に記憶しておく。
その後、図60のステップS6011の処理において、上記記憶した受信CNRが比較される。そして、より伝送品質が高いほうの物理チャンネルの低階層AVストリームをTS合成・分離部6043からAVデコーダ6044に出力させる処理が実行される。
以上のような処理が実行されることで、第14の実施形態では、伝送品質が低下した場合に、2つの物理チャンネルのうち、より伝送品質が良好な状態の物理チャンネル側のHD/SDコンテンツを再生することが可能となる。そのため、第1の実施形態のように一方のチャンネルだけで階層伝送を行う場合で、当該階層伝送を行っている側の物理チャンネルの伝送品質が低下したような状況のときに、上記コンテンツ(放送番組)について、より確実な視聴の継続を確保することができる点で第2の実施形態は有利である。一方、第1の実施形態では、片側の物理チャンネルのみで階層伝送を行うため、第2の実施形態に比べて、SHDコンテンツを伝送するための帯域を圧迫しない点で有利である。
なお、上記第14の実施形態は、上述したようなビット誤り率を用いての伝送品質を判定する場合にも適用可能である。
更に、送信装置6060において上記のような2つの低階層AVストリームを生成するときに、それぞれ異なるエンコード方式を用いるようにしても良い。例えば、第1の低階層エンコーダ6012ではMPEG2方式でエンコードを行い、第2の低階層エンコーダ6022では、H.264方式でエンコードを行うようにしてもよい。これにより、SHDコンテンツのエンコード方式に非対応の受信装置、例えば、MPEG2方式のデコーダしか備えていないような受信装置であっても、SHDコンテンツと同様の内容のコンテンツの視聴を可能とすることができる。具体的には、当該受信装置においてMPEG2方式でエンコードした低階層AVストリームを階層伝送している物理チャンネルを選局させ、HD/SDコンテンツを再生するようにすれば、このような受信装置でも、SHDコンテンツと同様の内容のコンテンツを視聴することが可能となる。すなわち、SHDコンテンツをデコードできる受信装置がなければ放送番組を全く視聴することができない、という状況になることを防ぐ事ができる。
また、第1の低階層エンコーダ6012ではSD映像のAVストリームを、第2の低階層エンコーダ6022ではHD映像のAVストリームを階層伝送するように構成しても良い。この場合も、SHDコンテンツをデコードできる受信装置がなければ放送番組を全く視聴することができない、という状況になることを防ぐ事ができる。
また、送信装置において、第13の実施形態のように低階層AVストリームは一つだけ生成するが、その伝送に際しては、高階層AVストリームと同様に、2つのチャンネルに振り分けて伝送するようにしても良い(図64参照)。つまり、1つの低階層AVストリームを、例えば半分ずつ2つのチャンネルに振り分けて伝送するようにしてもよい。この場合であっても、低階層AVストリームは高階層AVストリームで要求される伝送品質よりは低い伝送品質で視聴することが可能であるため、第13の実施形態と同様に、伝送品質が低下したときに低階層AVストリームの再生に切り替えることで、コンテンツの視聴を継続できるという効果が得られる。
なお、上述の各実施形態では、SHDコンテンツ等を2つの物理チャンネルを使ってバルク伝送を行い、2つのチューナを搭載した受信装置を用いて受信する場合を例としたが、3つ以上の物理チャンネルを用いたバルク伝送および3つ以上のチューナを搭載した受信装置を組み合わせたデジタル放送システムにおいても本発明は適用可能である。
また、上述の実施形態では、受信CNRが所定の閾値未満となったとき、あるいはビット誤り率が所定の閾値を越えたときに低階層AVストリームのデコードを行っていたが、この閾値を2段階の閾値で構成してもよい。すなわち、受信CNRが上述したような閾値に近づいてくると、例えば、上記SHDコンテンツの画像は、映らないとまではいかないが、画面にノイズが発生して、見栄えの悪い画像が表示されうる。そこで、このようなノイズ等が発生して画面の映りが悪くなり始めるような受信CNRを第1の閾値とし、上記第1の実施形態等で用いた閾値(例えばステップS6009等で用いた閾値)を第2の閾値として設定する(そのため、第1の閾値は、第2の閾値より少し低い、あるいは少し高いというような、第2の閾値に近い値となる)。そして、受信CNRが第1の閾値を下回ったときに、CPU6045は、画面に小さいサイズのウィンドウを表示し、当該ウィンドウ内でHD/SDコンテンツ(すなわち、低階層AVストリーム)を再生、表示する。更に、CPU6045は、受信状態が悪くなっている旨のメッセージと、ウィンドウに表示されているHD/SDコンテンツの再生を行うか否かを問い合わせる旨のメッセージを画面に表示する。これに対して利用者が、HD/SDコンテンツの表示を選択する操作を行えば、その時点で高階層AVストリームのデコードは中止して、低階層AVストリームのデコードを実行する(上記ウィンドウは消去する)ようにしてもよい。また、利用者が、HD/SDコンテンツの表示を選択する操作を行わなかったときは、受信CNRが第2の閾値未満となったときに低階層AVストリームのデコードを実行する。これにより、受信状態が悪くなり始めたときに、より早いタイミングでHD/SDコンテンツの再生への切替を利用者に選択させることができ、受信装置の利便性を高めることができる。
また、第14の実施形態で上述したような、双方の物理チャンネルでHD/SDコンテンツの階層伝送を行っているときは、上記第1の閾値を下回ったときにウィンドウに表示するHD/SDコンテンツについては、より受信CNRが良好である方の物理チャンネルのHD/SDコンテンツコンテンツを表示するようにすればよい。また、利用者の選択操作、あるいは第2の閾値未満となったためにHD/SDコンテンツに切り替わった後も受信CNRの状態を監視し、その状態に応じて適宜、受信状態が良好な方の物理チャンネルのSD/HDコンテンツを再生するようにしてもよい。これにより、映像や音声が途切れたり乱れたりする状態を発生させずにコンテンツの視聴を継続させることが可能となる。
本発明にかかるデジタル放送送信装置、デジタル放送受信装置は、情報量が大きな番組を送受信することができ、デジタル放送の放送設備における送信装置や、デジタル放送を受信可能なテレビやカーナビゲーション装置等に有用である。
本発明は、デジタル放送の送受信に関し、より特定的には、デジタル放送のトランスポートストリームを送信または受信する技術に関する。
近年は、テレビジョン放送を従来のアナログ放送からデジタル放送に置き換えることが実用化されつつある。
デジタル放送には、従来のアナログ放送にない特徴として、映像、音声、各種データ等の区別をなくすと共に柔軟な番組編成が可能であること、限られた伝送帯域で高品質かつ多数の番組放送が可能であること、優先度に応じた階層化サービスの提供が可能であること、放送方式そのもののバージョンアップが容易であること、高い双方向性を有すること、等がある。このデジタル放送には、映像符号化方式として、いわゆるMPEG(MovingPicture Experts Group)2の動画像圧縮符号化技術が採用され、多重化方式としてMPEG2システムが採用されている。
MPEG2およびMPEG2システムを採用したデジタル放送の規格については既に既知であるため、その詳細についての説明は省略するが、各放送事業者は、概ね、以下のような流れでデジタル放送の送信を行う。まず、放送事業者は、プログラム(番組)を構成する映像や音声等の信号をデジタル化(符号化)する。次に、デジタル化された信号を、トランスポートストリーム(以下、TS)と呼ばれる、伝送に適した信号形式に多重化する。そして、このTSを所定の形式で変調して搬送波とし、1つの物理チャンネル(トランスポンダ)を用いて送信している。つまり、放送事業者は、プログラムをデジタル信号に符号化したうえで多重化し、1つのTSとして1つの物理チャンネルで送信している(図16参照)。
次に、上記のように送信されたTSを受信するデジタル放送受信装置(例えば、特許文献1)について説明する。図17は、従来のデジタル放送受信装置の構成の一例を示すブロック図である。図17に示す受信装置は、受信アンテナ90の出力が入力されるフロントエンド91と、フロントエンド91の出力が入力されるデマルチプレクサ94と、デマ
ルチプレクサ94の出力が入力されるMPEG2ビデオデコーダ95、MPEG2オーディオデコーダ96、およびデータ処理部97とを備えている。また、この衛星デジタル放送受信装置の全体の制御等を行うCPU98を備えている。このCPU98にはメモリ99が接続されている。
図17において、受信アンテナ90にて受信されたTSは、フロントエンド91において受信トランスポンダの選択、復調、エラー訂正等の処理を施された後にデマルチプレクサ94に入力される。上記TSは多重化されて送られてきたストリームであるため、このストリームはデマルチプレクサ94において、PSI(Program Specific Information:番組特定情報)、MPEG2ビデオES(Elementary Stream)、MPEG2オーディオES、およびPS(Private Section)に分割される。
デマルチプレクサ94での分割により得られたPSIはCPU98に送られ、MPEG2ビデオESはMPEG2ビデオデコーダ95へ、MPEG2オーディオESはMPEG2オーディオデコーダ96へ、PSはデータ処理部97へそれぞれ送られる。
MPEG2ビデオデコーダ95、MPEG2オーディオデコーダ96、データ処理部97では、それぞれ供給されたMPEG2ビデオES、MPEG2オーディオES、PSを各々適切に処理し、これらMPEG2ビデオデコーダ95、MPEG2オーディオデコーダ96、データ処理部97での処理にて得られた信号が、それぞれ図示しないビデオ出力インターフェース、オーディオ出力インターフェース、データ出力インターフェースから外部へ出力される。
CPU98は、メモリ99を利用しながらMPEG2ビデオデコーダ95、MPEG2オーディオデコーダ96、およびデータ処理部97の動作を制御する。また、CPU98は、PSIに基づいて選局動作を行う。ここで、PSIの種類としては、NIT(Network Information Table)、PAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)等がある。NITは、あるネットワークの放送全体に関する選局情報として、物理チャンネルであるトランスポンダの周波数と各トランスポンダに属するプログラムのID、すなわちSID(Service Identifier)等が記述される。また、PATはトランスポンダ毎に定義され、そのトランスポンダの選局情報として、そのトランスポンダで現在放送されているSIDとそのSIDに関する選局情報であるPMTのPID(Packet Identifier) が記述される。PMTはSID毎に定義され、そのSIDの選局情報として、SIDに含まれているESまたはPSについての情報が記述される。CPU98は、PSI中のPMTにより得られたESあるいはPSのPIDを、デマルチプレクサ94に設定し、ESあるいはPSをMPEG2ビデオデコーダ95、MPEG2オーディオデコーダ96、データ処理部97の各処理装置へ割り当てることにより選局を行う。
また、上記受信装置に関して、近年では、チューナを2つ搭載した受信装置も知られている。このような受信装置では、2つのチューナで個別に異なるチャンネルを選局し、いわゆるハイビジョン映像規格で作成された、異なる内容の番組を2画面同時表示することができる。
ここで、近年、いわゆるスーパーハイビジョンと呼ばれる映像規格が登場している。スーパーハイビジョンとは、最大でハイビジョン放送の16倍の情報量を持つ高精細映像システムで、約24Gbpsのビットレートとなるため、H.264方式で圧縮符号化を行っても100〜400Mbpsという膨大な情報量となる。つまり、上述のようにビデオ
信号をデジタル化し、1つのTSを生成すると、1つのTSに含まれる情報量も増えてしまう。その結果、1つのTSに含まれるべき情報量が、各放送事業者に割り当てられている周波数帯域(伝送容量)、つまり、1つの物理チャンネルでは伝送しきれないほどの情報量となってしまう(図18参照)。すなわち、スーパーハイビジョン規格で作成した番組を現行の伝送方式で放送するには、伝送容量が足りないため、1つの物理チャンネルでは伝送することができない。
ここで、1つのコンテンツファイルを複数の分割配信用データに変換し、これらを互いに異なる複数の伝送路を介して伝送する技術が開示されている(例えば、特許文献2)。そこで、上記スーパーハイビジョン番組を2つの分割配信用データに配信し、2つの異なる物理チャンネルを使って伝送することでデジタル放送を行う場合を考える。この場合、受信装置側で当該スーパーハイビジョン映像の番組を視聴しようとするときは、上記2つのチューナを用いて当該2つの物理チャンネルをそれぞれ選局し、上記分割配信用データを受信する。更に、当該受信した分割配信用データを受信装置内において合成し、元のスーパーハイビジョン番組に復元する機能が必要となる。
特開平11−275476号公報
国際公開第01/056244号パンフレット
しかしながら、上述したような放送の送受信方法においては、以下に示す問題点があった。
例えば、単一のスーパーハイビジョン規格の番組(TS)を分割し、上記のように複数の物理チャンネルを用いて伝送して、受信機側で、当該複数のチャンネルを同時に受信して1つの番組を再生するという場合、全ての放送が上記のようなスーパーハイビジョン規格の放送になると、同時に複数のチャンネルを受信できないような既存の受信機(例えば、シングルチューナ機など)では、これらの番組が一切視聴できなくなるという問題がある。
それ故に、本発明の目的は、1つの物理チャンネルでは伝送しきれないほどの情報量の大きな映像・音声信号で構成される番組を伝送し、視聴することができるデジタル放送送信装置、デジタル放送受信装置、およびデジタル放送システムを提供することである。
また、上記チューナを2つ搭載した受信装置において、上記スーパーハイビジョン番組を受信・視聴するためには、当該2つのチューナで上記2つの物理チャンネルを選局する必要がある。そのため、上記スーパーハイビジョン番組の視聴と、その他の番組の録画(いわゆる裏録)を両立できないという問題がある。例えば、ハイビジョン番組を録画中の状態(つまり、チューナを1つだけ使用している状態)において上記スーパーハイビジョン番組を受信・視聴することを優先させると、チューナが2つともスーパーハイビジョン番組の視聴のために用いられ、録画処理が停止してしまう。逆に、録画処理を優先させると、スーパーハイビジョン番組については一切視聴できないという問題がある。
それ故に、本発明の別の目的は、複数の物理チャンネルでの伝送に対応した番組の視聴と所定の番組の録画とを両立できるデジタル放送受信装置を提供することである。
また、上記のような、2つのチューナ及び各チャンネルで受信したデータの合成・復元
機能を備えた受信装置であれば、上記2つの物理チャンネルで送信される動画像コンテンツを受信して視聴することは可能ではある。しかしながら、2つのチューナを用いて、2つの物理チャンネルを個別に選局するということは、1つの動画像コンテンツ(番組)を視聴するために2回分の選局が必要があるということでもある。つまり、(1)視聴者による選局指示操作→(2)1つ目のチャンネルの選局処理→(3)2つめのチャンネルの選局処理→(4)各チャンネルで受信したデータの合成〜再生処理の開始→動画像の出力開始、というステップを踏むことになる。そのため、従来のような、1つの動画像コンテンツが1つの物理チャンネルだけで伝送される場合に比べると、2つめのチャンネルの選局にかかる処理の分だけ、選局指示操作の後、実際に動画像が表示されるまでに時間がかかってしまうという問題がある。
それ故に、本発明の別の目的は、複数の物理チャンネルを用いてバルク伝送される1つの動画像コンテンツを受信するデジタル放送受信装置において、選局操作を行ってから画像が表示されるまでの時間を短縮することが可能なデジタル放送受信装置を提供することである。
また、上記のように、2つの物理チャンネルで伝送されるスーパーハイビジョン番組をWチューナで受信し、合成することで当該スーパーハイビジョン番組を視聴することは可能となりうるが、その反面、番組の受信・再生処理については、Wチューナで選局して合成し、1つの番組を再生するという処理を前提とする。すなわち、1つの番組の再生のために2つのチューナが存在するという構成、いわば、上記のような2つのチャンネルで伝送されるスーパーハイビジョン番組専用の視聴装置となるため、上述したような、別々の番組を2画面同時表示することができないという問題がある。
それ故に、本発明の別の目的は、2つのチューナを備えた受信装置であって、2つのチャンネルでバルク伝送される番組の受信・再生と、1つのチャンネルで伝送される番組の受信・再生とを両立できるデジタル放送受信装置を提供することである。
また、上記のような、2つのチューナ及び合成・復元機能を備えた受信機であれば、上記動画像コンテンツを受信して視聴することは可能ではある。しかしながら、上述のような高画質・大容量の動画像コンテンツを受信機側で違和感なく視聴するためには、データの欠落が発生しないような高い伝送品質が求められる。つまり、伝送品質が低下すると、上記動画像コンテンツを構成するデータの欠落が発生し、受信機側において、当該動画像コンテンツが完全に復元できないことが考えられる。その結果、視聴時において当該動画像コンテンツの映像や音声が途切れてしまう、あるいは乱れてしまうことがあり、視聴者にとって快適な視聴が継続できなくなってしまうという問題がある。
それ故に、本発明の別の目的は、複数の伝送路を用いて情報量が大きなコンテンツを伝送するときに、伝送品質が低下しても当該コンテンツの違和感のない視聴を継続させることができるデジタル放送送受信システム、および送受信装置を提供することである。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係の一例を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
第1の局面は、1つのデジタル放送の番組と当該番組の関連情報で構成されるビットストリーム(例えば、トランスポートストリーム)を複数の物理チャンネルで送信するデジタル放送送信装置であって、複数の物理チャンネルを関連づけるための情報であるチャンネル結合情報を生成するチャンネル結合情報生成手段(14、18)と、ビットストリー
ムを複数のビットストリームに分割して、チャンネル結合情報と共に複数の物理チャンネルでそれぞれ送信する送信手段(15,16,17、18)と、送信手段でビットストリームとして送信されるデジタル放送の番組と同一内容の番組を構成するビットストリームであり、且つ、当該送信手段で送信されるビットストリームよりも情報量の少ないビットストリームである軽量ビットストリームを生成する軽量ビットストリーム生成手段(71,72,73,74)と、送信手段がビットストリームを送信するのに用いる物理チャンネルとは異なった単一の物理チャンネルで軽量ビットストリームを、送信手段が送信するビットストリームと並行して送信する並行送信手段(76,77)とを備える。
第1の局面によれば、1つの物理チャンネルでは伝送できないような情報量の大きなテレビ番組を伝送することができる。また、従来から存在していた受信装置に対して、放送が全く視聴できなくなることを防ぐことができる。
第2の局面は、第1の局面において、並行送信手段は、軽量ビットストリームと並行して送信手段による複数の物理チャンネルでのビットストリームの送信が行われているか否かを示す並行放送情報を当該軽量ビットストリームと共に送信する。
第3の局面は、第1の局面において、番組の関連情報は、ビットストリームにどのような番組が存在しているかを記した情報であるサービスインフォメーションであり、送信手段は、チャンネル結合情報をサービスインフォメーションに含めるチャンネル結合情報付加手段を含む。
第2乃至第3の局面によれば、第1の局面と同様の効果を得ることができる。
第4の局面は、1つのデジタル放送の番組と当該番組の関連情報で構成されるビットストリームを複数の物理チャンネルで送信するデジタル放送送信装置から送信される放送波を受信して復調するフロントエンド部(32)を複数備えるデジタル放送受信装置であって、単一の物理チャンネルで受信した放送波で構成される番組内容と同じ番組内容であって、当該単一の物理チャンネルとは異なる複数の物理チャンネルで、当該単一の物理チャンネルでの番組の送信と並行して送信されている番組の存在を判別するための判別手段(81)と、複数の物理チャンネルを関連づけるための情報であるチャンネル結合情報に基づいて、複数のフロントエンド部を用いて複数の物理チャンネルを選局し、それぞれの物理チャンネルで受信した放送波を復調する同時選局復調手段(32、35)と、同時選局復調手段でそれぞれ復調されたビットストリームを結合する結合手段(33)と、結合されたビットストリームを出力する出力手段(33)とを備える。そして、同時選局復調手段は、判別手段が複数の物理チャンネルで並行して送信されている番組が存在すると判定したときに、当該複数の物理チャンネルを選局する。更に、結合手段は、チャンネル結合情報に基づいて、同時選局復調手段でそれぞれ復調されたビットストリームを結合する。
第4の局面によれば、複数の物理チャンネルで伝送されてくる情報量の大きな一つのテレビ番組を受信し、結合することができる。また、情報量の大きなビットストリームで構成される番組と情報量が小さなビットストリームで構成される番組とが並行して送信されるときに、情報量の大きなビットストリームで構成される番組を受信して再生することが可能となる。更に、チャンネルを結合するための方法として多彩な方法を利用し、使い分けることが可能となる。
第5の局面は、第4の局面において、チャンネル結合情報は、ビットストリームにどのような番組が存在しているかを記した情報であるサービスインフォメーションに含まれ、受信装置は、サービスインフォメーションに含まれるチャンネル結合情報に基づいて、視聴対象として選択された番組が複数の物理チャンネルで送信される番組であるか否かを判
定する判定手段を更に備える。また、同時選局復調手段は、視聴対象番組が複数の物理チャンネルで送信されていると判定手段が判定したときに、チャンネル結合情報に基づいて当該複数の物理チャンネルを選局する。
第5の局面によれば、第4の局面と同様の効果を得ることができる。
第6の局面は、複数の物理チャンネルを用いてバルク伝送される放送番組であるバルク番組と、単一の物理チャンネルを用いて伝送される放送番組である非バルク番組と、伝送される放送番組がバルク番組であるか非バルク番組であるかを識別するための情報である識別情報および該バルク番組が伝送される複数の物理チャンネル番号を示す情報であるバルクチャンネル情報を少なくとも含む制御情報とをデジタル放送信号として送信する送信装置からの該デジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、バルク番組が伝送される物理チャンネルのうち少なくとも1つのチャンネルでは、当該バルク番組と同じ番組内容であって映像規格が異なる番組である低階層番組が階層伝送されている。そして、当該デジタル放送受信装置は、複数のチューナ(2032,2033)と、利用者の所定の操作を受け付ける操作受付手段(2048,2049)と、操作受付手段が受け付けた操作に基づいて利用者が指定した物理チャンネルをチューナに選局させる選局指示手段(2048)と、選局指示手段が選局させた物理チャンネルでバルク番組が伝送されるか否かを制御情報に基づいて検出するバルクチャンネル検出手段(2040,2048)と、バルク番組が伝送されることをバルクチャンネル検出手段が検出したとき、複数のチューナそれぞれの利用状態を検出するチューナ状態検出手段(2048)と、チューナ状態検出手段の検出結果に基づいて、バルクチャンネル検出手段で検出されたバルク番組がバルク伝送される複数の物理チャンネルを全て選局できるだけの数のチューナが利用可能か否かを判定する受信可否判定手段(2048)と、受信可否判定手段がバルク伝送される複数の物理チャンネルを全て選局できるだけの数のチューナが利用可能と判定したときは、バルクチャンネル検出手段で検出されたバルク番組を再生するための処理を実行し、当該バルク伝送される複数の物理チャンネルを全て選局できるだけの数のチューナが利用可能ではないと判定したときは、当該バルク番組と階層伝送されている低階層番組を再生するための処理を実行する番組再生手段(2041、2042,2043,2048)とを備える。
第6の局面によれば、複数の物理チャンネルでの伝送に対応した番組の視聴と所定の番組の録画とを両立できる。
第7の局面は、第6の局面において、受信可否判定手段は、バルク番組が伝送される物理チャンネルとは異なる物理チャンネルを録画のために選局しているチューナについては利用可能ではない状態と判定する。
第7の局面によれば、第6の局面と同様の効果を得ることができる。
第8の局面は、第6の局面において、デジタル放送受信装置は、OSD表示を行うためのOSD表示手段(2044,2045)を更に備える。OSD表示手段は、番組再生手段がバルク番組と階層伝送されている低階層番組を再生するための処理を実行するときに、当該低階層番組を再生することを示すOSD表示を画面に出力する。
第8の局面によれば、利用者に視聴状況を容易に把握させることが可能となる。
第9の局面は、第6の局面において、デジタル放送受信装置は、操作受付手段が受け付けた操作に基づいて、放送予定である所定の番組の放送時間帯、放送される物理チャンネル、および識別情報とを少なくとも含む録画予約情報を登録するための録画予約手段(2
048、2054)と、録画予約情報を記憶するための予約情報記憶手段(2050)と、録画予約手段が登録しようとする番組の放送時間帯と放送時間が重複する番組である重複番組が既に録画予約されているか否かを予約情報記憶手段に記憶されている録画予約情報に基づいて検出する重複番組検出手段(2048)と、録画予約手段が登録しようとする番組および重複番組の少なくともいずれか一方がバルク番組であるときは、当該バルク番組の録画予約を低階層番組の録画予約として登録するための予約内容変更手段(2048)とを更に備える。
第10の局面は、第9の局面において、予約内容変更手段は、重複番組がバルク番組のときは、当該重複番組の録画予約を低階層番組の録画予約に変更する。
第11の局面は、第9の局面において、予約内容変更手段は、録画予約手段が登録しようとする番組がバルク番組のときは、当該録画予約手段が登録しようとする番組の録画予約を低階層番組の録画予約として登録する。
第12の局面は、第9の局面において、予約内容変更手段は、録画予約手段が登録しようとする番組および重複番組が共にバルク番組のときは、いずれの番組も低階層番組の録画予約として登録する。
第9乃至第12の局面によれば、バルク番組が録画できない状態となることを防ぐことができる。また、既に録画予約済みのバルク番組が原因で、非バルク番組等の録画予約ができなくなることを防ぐ事ができる。これにより、デジタル放送受信装置の利便性を高めることができる。
第13の局面は、複数の物理チャンネルを用いてバルク伝送される番組であるバルク番組と、単一の物理チャンネルを用いて伝送される番組である非バルク番組と、放送される番組がバルク番組であるか非バルク番組であるかを識別するための情報である識別情報および該バルク番組を構成する複数の物理チャンネル番号を示す情報であるバルクチャンネル情報を少なくとも含む制御情報とをデジタル放送信号として送信する送信装置からの該デジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、所定の物理チャンネルを選局してデジタル放送信号を受信する第1のチューナ(3032)および第2のチューナ(3033)と、第1のチューナで受信したデジタル放送信号で伝送されている番組がバルク番組であるか非バルク番組であるかを制御情報に基づいて判定する放送種別判定手段(3046)と、放送中あるいは放送予定のバルク番組に関する情報を検索するためのバルク番組検索手段(3046)と、第1のチューナおよび第2のチューナの選局動作を制御するための選局制御手段(3046)と、第1のチューナおよび第2のチューナの少なくとも一方で選局された物理チャンネルで伝送されるデジタル放送信号に基づいてバルク番組または非バルク番組を再生して画面に出力するための番組再生出力手段(3041,3042、3043)とを備える。そして、選局制御手段は、第1のチューナで選局した物理チャンネルで伝送されている番組がバルク番組であると放送種別判定手段が判定したときは、バルクチャンネル情報に基づいて該バルク番組を構成する複数の物理チャンネルを第1のチューナおよび第2のチューナに選局させて、それぞれのチューナで受信されたデジタル放送信号を合成して番組再生出力手段に出力する。また、選局制御手段は、第1のチューナで選局した物理チャンネルで放送されている番組が非バルク番組であると放送種別判定手段が判定したときは、第1のチューナを介して得られたデジタル放送信号を番組再生出力手段に出力すると共に、バルク番組検索手段にバルク番組を放送している物理チャンネルを検索させ、該バルク番組検索手段によって検索された物理チャンネルのいずれか一つを第2のチューナに選局させる。
第13の局面によれば、第1のチューナで非バルク番組が選局された際に、第2のチュ
ーナで他のバルク番組にかかる物理チャンネルを選局しておく。これにより、利用者が後にバルク番組にかかるチャンネルが選局したときに、選局操作を行ってから実際にバルク番組が画面に表示されるまでの待ち時間を短縮することができる。
第14の局面は、第13の局面において、制御情報には、全てのチャンネルについての識別情報およびバルクチャンネル情報が含まれている。そして、バルク番組検索手段は、識別情報に基づいて放送中のバルク番組を検索する。
第14の局面によれば、利用者が非バルク番組を視聴中の時間帯において他のチャンネルで放送されているバルク番組のチャンネルを第2のチューナで選局することができる。これにより、利用者がザッピング操作を行ったとき等にバルク番組が選局された際、選局操作が行われてから実際にバルク番組が画面に表示されるまでの待ち時間を短縮することができる。
第15の局面は、第13の局面において、デジタル放送受信装置は、EPGを取得するためのEPG取得手段(3061)を更に備える。そして、バルク番組検索手段は、EPGに基づいて、放送中または放送予定のバルク番組の物理チャンネル番号を検索する。
第16の局面は、第15の局面において、バルク番組検索手段は、EPGに基づいて、所定の時間以内に放送予定のバルク番組にかかる物理チャンネル番号を検索する。
第15乃至第16の局面によれば、EPGを利用して、放送中あるいは放送予定のバルク番組にかかる物理チャンネルについて第2のチューナで先行して選局することができる。これにより、利用者が当該バルク番組にかかる物理チャンネルを選局したときに、選局操作が行われてから実際にバルク番組が画面に表示されるまでの待ち時間を短縮することができる。
第17の局面は、第13の局面において、バルク番組が伝送される各物理チャンネルでは、当該バルク番組と同じ番組内容であって映像規格が異なる番組である低階層番組が階層伝送されている。そして、選局制御手段は、第1のチューナで選局した物理チャンネルにかかる番組がバルク番組であると放送種別判定手段が判定したときは、第1のチューナで受信したデジタル放送信号に含まれている低階層番組を構成するデータを番組再生出力手段へ出力した後に、それぞれのチューナで受信したデジタル放送信号を合成して番組再生出力手段へ出力する。
第17の局面によれば、バルク番組にかかるチャンネルの選局操作が行われた後、画面に映像が表示されていない状態である時間を短縮することができる。
第18の局面は、第17の局面において、デジタル放送受信装置は、番組再生出力手段からの出力に所定のOSD表示を合成して画面に出力するためのOSD合成手段(3051)と、OSD表示に対する所定の操作入力を受け付けるためのOSD操作受付手段(3047)とを更に備える。そして、OSD合成手段は、選局制御手段が低階層番組を構成するデータを番組再生出力手段に出力した後、バルク番組の再生に切替えるか否かの旨のメッセージをOSD表示として生成して画面に出力する。更に、選局制御手段は、OSD合成手段が前記メッセージを表示した後、当該メッセージに対する操作入力内容をOSD操作受付手段から取得し、当該入力内容に基づいてバルク番組を構成する複数の物理チャンネルを第1のチューナおよび第2のチューナに選局させ、それぞれのチューナで受信したデジタル放送信号を合成して番組再生出力手段に出力する。
第18の局面によれば、バルク番組にかかるチャンネルの選局操作が行われた後、画面
に映像が表示されない状態となっている時間を短縮することができる。また、低階層番組の表示から映像規格が異なるバルク番組への切替について利用者に問い合わせるため、表示された番組(放送されている番組)がより高画質なバルク番組であることを利用者に認識させることが可能となる。
第19の局面は、第13〜第17のいずれかに記載の局面において、バルク番組は、スーパーハイビジョン規格で作成された番組であり、非バルク番組は、ハイビジョン規格またはSD規格で作成された番組である。
第19の局面によれば、利用者がスーパーハイビジョン規格で作成された番組を視聴するときに、選局操作を行ってから実際にスーパーハイビジョンの番組が画面に表示されるまでの待ち時間を短縮することができる。
第20の局面は、第17の局面において、バルク番組は、スーパーハイビジョン規格で作成された番組であり、低階層番組は、ハイビジョン規格またはSD規格で作成された番組である。
第20の局面によれば、利用者がスーパーハイビジョン規格で作成された番組が放送されているチャンネルを選局したときに、選局操作を行ってから画面に映像が表示されていない状態である時間を短縮することができる。
第21の局面は、複数の物理チャンネルを用いてバルク伝送される放送番組であるバルク番組と、単一の物理チャンネルを用いて伝送される放送番組である非バルク番組と、伝送される放送番組がバルク番組であるか非バルク番組であるかを識別するための情報である識別情報および該バルク番組が伝送される複数の物理チャンネル番号を示す情報であるバルクチャンネル情報を少なくとも含む制御情報とをデジタル放送信号として送信する送信装置からの該デジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、所定の物理チャンネルを選局してデジタル放送信号を受信する複数のチューナ(4032、4033)と、複数のチューナで選局される物理チャンネルのいずれかにおいてバルク番組が伝送されることを制御情報に基づいて検出するバルクチャンネル検出手段(4040、4048)と、バルク番組が伝送される複数の物理チャンネルを複数のチューナでそれぞれ選局して受信したデジタル放送信号からバルク番組を再生して出力する第1の再生処理モードと、非バルク番組が伝送される物理チャンネルを単一のチューナを用いて選局して受信したデジタル放送信号から非バルク番組を再生して出力する第2の再生処理モードとの間で再生処理モードをバルクチャンネル検出手段の検出結果に応じて切り替える番組再生手段(4041、4042、4043、4048)と、番組再生手段から出力されるバルク番組または非バルク番組を所定の画面または所定の記憶媒体に出力する少なくとも一つの出力部(4042、4043)とを備える。そして、番組再生手段は、いずれかのチューナで選局している物理チャンネルでバルク番組が伝送されることをバルクチャンネル検出手段が検出したときは再生処理モードを第1の再生処理モードに切替え、チューナで選局されているいずれの物理チャンネルにおいてもバルク番組が伝送されないことをバルクチャンネル検出手段が検出したときは再生処理モードを第2の再生処理モードに切替える。
第21の局面によれば、バルク番組および非バルク番組の視聴の両立が可能となり、利便性の高い受信装置を提供することができる。
第22の局面は、第21の局面において、デジタル放送受信装置は、OSD表示として表示する内容であるOSD表示内容を生成するOSD生成手段(4044,4045)と、OSD生成手段が生成した表示内容をOSD表示するためのOSD表示手段(4044,4045)とを更に備える。そして、OSD生成手段は、いずれかのチューナで選局し
ている物理チャンネルでバルク番組が伝送されることをバルクチャンネル検出手段が検出したとき、所定のメッセージをOSD表示内容として生成してOSD表示手段に出力する。
第22の局面によれば、視聴する番組がバルク番組か否かを利用者に認識させることができ、デジタル放送受信装置の利便性を高めることができる。
第23の局面は、第22の局面において、デジタル放送受信装置は、いずれかのチューナで選局している物理チャンネルでバルク番組が伝送されることをバルクチャンネル検出手段が検出したときに、当該デジタル放送受信装置においてバルク番組を再生することが可能か否かを判定するための再生可否判定手段を更に備える。そして、OSD生成手段は、再生可否判定手段がバルク番組の再生ができないと判定したときに、バルク番組が再生できないことを示すメッセージをOSD表示内容として生成する。
第23の局面によれば、バルク番組が再生できないときに、利用者に故障が発生したかのような誤解を与えることを防ぐことができる。
第24の局面は、第21の局面において、バルク番組が伝送される物理チャンネルのうち少なくとも1つのチャンネルでは、当該バルク番組と同じ番組内容であって映像規格が異なる番組である低階層番組が階層伝送されている。また、デジタル放送受信装置は、複数の出力部を備えている。番組再生手段は、バルク番組が伝送される複数の物理チャンネルを複数のチューナでそれぞれ選局して受信したデジタル放送信号からバルク番組を再生して複数の出力部のいずれか一つに出力すると共に、低階層番組を再生して、バルク番組を出力している出力部とは異なる出力部に出力する第3の再生処理モードを更に有する。更に、番組再生手段は、いずれかのチューナで選局している物理チャンネルでバルク番組が伝送されることをバルクチャンネル検出手段が検出したとき、または、第1の再生処理モードでバルク番組を再生中に利用者からの所定の操作信号が送られたときに再生処理モードを第3の再生処理モードに切替える。
第24の局面によれば、バルク番組と低階層番組を同時に出力することができ、利便性の高い受信装置を提供することが可能となる。
第25の局面は、第24の局面において、番組再生手段は、第3の再生処理モードで低階層番組を出力するときは、当該低階層番組を録画するための所定の記録媒体に出力する。
第25の局面によれば、非バルク番組の録画に用いるための構成を流用することが可能となり、バルク番組の視聴および同内容の番組の録画が可能な受信装置を低コストで提供することが可能となる。
第26の局面は、複数の物理チャンネルを用いてバルク伝送される放送番組であるバルク番組と、単一の物理チャンネルを用いて伝送される放送番組である非バルク番組と、伝送される放送番組がバルク番組であるか非バルク番組であるかを識別するための情報である識別情報および該バルク番組が伝送される複数の物理チャンネル番号を示す情報であるバルクチャンネル情報を少なくとも含む制御情報とをデジタル放送信号として送信する送信装置からの該デジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、バルク番組が伝送される物理チャンネルのうち少なくとも1つのチャンネルでは、当該バルク番組と同じ番組内容であって映像規格が異なる番組である低階層番組が階層伝送されている。そして、デジタル放送受信装置は、物理チャンネルを選局して前記デジタル放送信号を受信する少なくとも1つのチューナと、選局された物理チャンネルでバルク番組が伝送される
ことを検出するバルクチャンネル検出手段と、バルク番組が伝送される複数の物理チャンネルのうち、低階層番組が階層伝送される物理チャンネルを選局して受信したデジタル放送信号から低階層番組を再生して出力する第1の再生処理モードと、非バルク番組が伝送される物理チャンネルを選局して受信したデジタル放送信号から非バルク番組を再生して出力する第2の再生処理モードとの間で再生処理モードをバルクチャンネル検出手段の検出結果に応じて切り替える番組再生手段と、チューナで選局されている物理チャンネル番号を記憶するためのチャンネル記憶手段と、番組再生手段から出力される低階層番組または非バルク番組を所定の画面または所定の記憶媒体に出力する出力部とを備える。番組再生手段は、再生処理モードが第2の再生処理モードのときにバルク番組が伝送されることをバルクチャンネル検出手段が検出したときは、その時点で選局されている物理チャンネルの番号をチャンネル記憶手段に記憶させてから低階層番組が階層伝送される物理チャンネルを選局して再生処理モードを第1の再生処理モードに切替え、該低階層番組の放送が終了したときに該チャンネル記憶手段に記憶されているチャンネル番号を選局して第2の再生処理モードに切り替える。
第26の局面によれば、バルク伝送される番組と同内容の番組が視聴でき、かつ、よりコストを抑えることができるシングルチューナ構成のデジタル放送受信装置を提供することが可能となる。
第27の局面は、1つのデジタル放送コンテンツを構成する番組データに基づいて放送データを生成して、複数の物理チャンネルに分割して送信するデジタル放送送信装置であって、1つのデジタル放送コンテンツを構成する番組データに所定の符号化処理を行って第1の放送データを生成する第1の符号化手段(6011)と、番組データに第1の符号化手段とは異なる符号化処理を行って、1つの物理チャンネルの伝送容量で伝送可能な第2の放送データを生成する第2の符号化手段(6012)と、第1の放送データを分割して複数の物理チャンネルで送信する送信部(6013〜6020)とを備える。そして、送信部は、少なくとも一つの物理チャンネルにおいて第1の放送データと第2の放送データとの階層伝送を行う。
第27の局面によれば、情報量の大きな動画像コンテンツを複数の物理チャンネルを用いて伝送している際に伝送品質が低下しても、コンテンツそのもののについては映像や音声が乱れることを防ぎ、当該動画像コンテンツの違和感のない視聴を利用者に継続させることができる。
第28の局面は、第27の局面において、送信部は、複数の物理チャンネルのうち、最も周波数が低い物理チャンネルを用いて階層伝送を行う。
第28の局面によれば、周波数が低い物理チャンネルは伝送路の安定度も高いため、第2の放送データをより確実に伝送することができ、その結果、動画像コンテンツの視聴の継続をより確実なものとすることができる。
第29の局面は、第27の局面において、第1の符号化手段は、映像規格がスーパーハイビジョン映像である番組データを符号化する。また、第2の符号化手段は、映像規格がハイビジョン映像またはSD映像である番組データを符号化する。
第29の局面によれば、スーパーハイビジョンの規格に対応していない受信装置であっても、当該スーパーハイビジョンによるコンテンツと同内容のコンテンツを視聴することが可能となる。
第30の局面は、1つのデジタル放送コンテンツを構成する番組データに基づいて放送
データを生成して、複数の物理チャンネルに分割して送信するデジタル放送送信装置から送信される放送データを受信して該番組データを再生するデジタル放送受信装置であって、物理チャンネルのうち少なくとも一つは、それぞれ映像規格が異なる第1の放送データと第2の放送データが階層伝送されている。そして、デジタル放送受信装置は、複数の物理チャンネルを同時に選局して第1の放送データおよび第2の放送データを受信する受信手段(6032〜6040)と、第1の放送データが送信される複数の物理チャンネルの伝送品質を検出する伝送品質検出手段(6041、6042、6051、6052)と、第1の放送データに復号処理を行い、番組データを再生する再生出力手段とを備える。再生出力手段は、第1の放送データが送信される複数の物理チャンネルのうち、いずれかの物理チャンネルの伝送品質が所定の閾値未満になったことを伝送品質検出手段が検出したときは、階層伝送されてくる第2の放送データの復号処理を行い、該復号処理で得られた番組データを再生する。
第30の局面によれば、第1の局面と同様の効果を得ることができる。
第31の局面は、第29の局面において、伝送品質検出手段は、第1の放送データが送信される複数の物理チャンネル毎に受信CNRを検出する。そして、再生出力手段は、伝送品質検出手段が検出した各物理チャンネルの受信CNRのいずれかが所定の閾値未満となったときに第2の放送データの復号処理を行い、該復号処理で得られた番組データを再生する。
第32の局面は、第31の局面において、伝送品質検出手段は、第1の放送データが送信される複数の物理チャンネル毎にビット誤り率を検出する。そして、再生出力手段は、伝送品質検出手段が検出した各物理チャンネルのビット誤り率のうちいずれかが所定の閾値以上となったときに第2の放送データの復号処理を行い、該復号処理で得られた番組データを再生する。
第31乃至第32の局面によれば、伝送品質の低下を簡便にかつ的確に検出することができ、第1の放送データの再生から第2の放送データの再生への切替をより適切なタイミングで行うことが可能となる。
第33の局面は、第30の局面において、第1の放送データと第2の放送データは、複数の物理チャンネルの全てのチャンネルで階層伝送が行われる。また、再生出力手段は、伝送品質検出手段が第1の放送データが送信される複数の物理チャンネルのうち、いずれかの物理チャンネルの伝送品質が所定の閾値未満になったことを検出したとき、伝送品質が最も高い物理チャンネルで階層伝送されてくる第2の放送データの復号処理を行い、該復号処理で得られた番組データを再生する。
第33の局面によれば、第1の放送データの再生中に伝送品質が低下した場合、複数の物理チャンネルのうち、より伝送品質が良い物理チャンネルを選んで第2の放送データを再生することができる。
本発明によれば、1つの物理チャンネルでは伝送しきれないほど情報量の大きな映像・音声信号を有するデジタル放送の送受信が可能となる。
また、本発明によれば、バルク伝送に対応する番組の視聴と所定の番組の録画を両立させることができる。
また、本発明によれば、利用者がバルク番組が放送されている物理チャンネルを選局し
てから実際に番組の映像・音声が出力されるまでにかかる時間を短縮することが出来る。
また、本発明によれば、バルク番組および非バルク番組の視聴の両立が可能となり、利便性の高い受信装置を提供することができる。
また、本発明によれば、複数の物理チャンネルを用いて情報量の大きな動画像コンテンツを伝送している際に、伝送品質が低下しても、コンテンツそのものの映像や音声が途切れて乱れた動画像となることを防ぎ、違和感のない視聴を利用者に継続させることができる。
第1の実施形態にかかるデジタル放送システムのシステム構成の一例を示す図
本発明にかかる処理の概要を説明するための図
第1の実施形態に係る送信装置10の構成の一例を示す機能ブロック図
受信装置30の構成の一例を示す機能ブロック図
第1の実施形態で用いるNITを説明するための図
サービスリスト情報534のデータ構造の一例を示す図
Ch結合情報535のデータ構造の一例を示した図
選局テーブル60のデータ構造の一例
送信装置10における信号処理の詳細を示すフローチャート
受信装置30における選局処理の詳細を示すフローチャート
3つめの物理チャンネルを用いる場合の伝送の概要を説明するための図
図11に示した伝送形態における送信装置の構成を示す機能ブロック図
結合機能対応機80の構成の一例を示す機能ブロック図
結合機能対応機80における選局処理を示すフローチャート
結合可否情報に基づく選局処理を示すフローチャート
トランスポートストリームの伝送の概念を示す図
従来のデジタル放送受信装置の構成を示す図
1つの物理チャンネルで伝送しきれないトランスポートストリームの概念を示す図
第2の実施形態におけるスーパーハイビジョン番組の伝送の概念を説明するための模式図
第2の実施形態における送信側の設備の一例を示す機能ブロック図
バルク関連情報の一例を示す図
本発明の第2の実施形態に係る受信装置2030の構成を示した機能ブロック図
第1の主信号誤り訂正復号部2036の詳細を示すブロック図
フラッシュメモリ2050に記憶される予約一覧2500の一例
本実施形態を説明するための放送スケジュールの一例
第2の実施形態にかかる選局再生処理の詳細を示すフローチャート
本実施形態を説明するための放送スケジュールの一例
第3の実施形態にかかる録画予約処理の詳細を示すフローチャート
第4の実施形態にかかる録画予約処理の詳細を示すフローチャート
第5の実施形態にかかる録画予約処理の詳細を示すフローチャート
第6の実施形態にかかる録画予約処理の詳細を示すフローチャート
第7の実施形態におけるスーパーハイビジョン規格で構成された番組の伝送の概念を説明するための模式図
バルク関連情報の一例を示す図
本発明の第7の実施形態に係る受信装置3030の構成を示した機能ブロック図
第1の主信号誤り訂正復号部3036の詳細を示すブロック図
受信装置3030によって実行される選局再生処理を示すフローチャート
本発明の第8の実施形態に係る受信装置3050の構成を示したブロック図
第8の実施形態にかかる受信装置3050で実行される選局再生処理の詳細を示すフローチャート
本発明の第9の実施形態に係る受信装置3060の構成を示したブロック図
第9の実施形態にかかる受信装置3060で実行される選局再生処理の詳細を示すフローチャート
第10の実施形態におけるスーパーハイビジョン番組の伝送の概念を説明するための模式図
第10の実施形態における送信側の設備の一例を示す機能ブロック図
バルク関連情報の一例を示す図
本発明の第10の実施形態に係る受信装置4030の構成を示した機能ブロック図
第1の主信号誤り訂正復号部4036の詳細を示すブロック図
本実施形態を説明するための放送スケジュールの一例
受信装置4030によって実行される番組選局再生処理を示すフローチャート
第11の実施形態にかかる受信装置4060の構成を示すブロック図
第12の実施形態にかかる受信装置4070の構成を示す機能ブロック図
第12の実施形態にかかる受信再生処理の詳細を示すフローチャート
番組スケジュールの一例
第13の実施形態の処理概要を説明するための図
本発明の第13の実施形態に係る送信装置の構成を示した機能ブロック図
高階層パケットの振り分け方について説明するための図
第1の主信号誤り訂正符号化部6015の詳細を示すブロック図
バルク伝送関連情報の一例を示す図
本発明の第13の実施形態に係る受信装置6030の構成を示した機能ブロック図
第1の主信号誤り訂正復号部6036の詳細を示すブロック図
本発明の第13の実施形態に係る受信再生処理を示すフローチャート
本発明の第13の実施形態に係る受信再生処理を示すフローチャート
ビット誤り率に基づいて伝送品質を監視する場合の受信装置6050の構成を示したブロック図
第14の実施形態の処理概要を説明するための図
第14の実施形態に係る送信装置6060の構成を示した機能ブロック図
1つの低階層AVストリームを2つのチャンネルに振り分けて伝送する場合の模式図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。尚、この実施例により本発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。第1の実施形態にかかるデジタル放送システムでは、BSデジタル放送用の放送局から送信されてくる放送信号を1つの受信装置にて受信している放送システムを例にとって説明する。なお、BSデジタル放送の代わ
りに、CSデジタル放送であってもよいし、地上波デジタル放送であってもよい。
図1は、本実施形態にかかるデジタル放送システムのシステム構成の一例を示す図である。図1において、放送番組を放送する放送局1は、アンテナ20および、図示しない放送衛星を介して放送電波を送信する送信装置10を備えている。また、視聴者の各家2には、BSデジタル放送を受信するアンテナ31が設置され、受信装置30に接続されており、視聴者の選局操作により、BSデジタル放送を視聴することが可能である。ここで、受信装置30には、複数のフロントエンドが搭載されており、同時に複数の物理チャンネルを選局・受信することが可能となっている。
次に、本発明にかかる処理の概要(原理)を、図2を用いて説明する。本実施形態では、1つの物理チャンネルでは伝送しきれない情報量を有するトランスポートストリーム(以下、TSと呼ぶ)を、複数の物理チャンネルを用いて伝送する。図2において、まず、送信側(放送局1)において、上記1つの物理チャンネルでは伝送しきれない情報量を有するTS100(以下、原TSと呼ぶ)を、複数のTSに分割する。本実施形態では、説明の簡略化のため、2つのTS101a、101bに分割する。この分割後のTSを、以下、分割TSと呼ぶ。そして、これら分割TS101a、101bを、それぞれ異なる物理チャンネルを用いて送信する。この際、当該分割TS101a、101bを結合して原TS100に戻すための情報であるCh(チャンネル)結合情報(例えば、上記2つの物理チャンネルの周波数情報等)を生成する。そして、当該Ch結合情報をSI(Service Information;番組配列情報)に含めて送信する。SIとは、デジタル放送ストリームの分配システム、内容、並びにスケジュール/タイミングなどを定義するものであり、TSにどのようなプログラムが存在し、TSに含まれる各ES(Elementary Stream)がどのプログラムに属しているかを記し、受信機が自動的にTS内の多重を解除しESをデコードする機能を実現するための情報(PSI;Program Specific Information;番組特定情報)に、番組内容、スケジュール情報などを含めた情報である。つまり、上記Ch結合情報がSIに含まれて、分割TS101a、101bとして送信されることになる。本実施形態では、当該Ch結合情報は、PSIの1つであるNIT(Network Information Table)に含める。
次に、受信側(視聴者の各家2)において、上記Ch結合情報に基づいて、上記2つの物理チャンネルを同時に受信する。そのため、受信側ではフロントエンド部(チューナーと復調)が複数必要となる。そして、当該2つの物理チャンネルで受信した分割TS101aおよび101bを結合し、原TS100を復元する。そして、当該原TS100に対して、従来と同様の選局処理等を行うことで、映像・音声信号等を出力する。
このように、本実施形態では、原TSを複数の分割TSへと分割し、それぞれの分割TSを異なる物理チャンネルを用いて送信する。このとき、当該分割TSを結合するために、これら異なる物理チャンネルを関連づけた情報であるCh結合情報をSIに含め、当該SIが分割TSに含まれて送信される。そして、受信側で、当該Ch結合情報に基づいて、上記異なる物理チャンネルを同時に受信し、復調することで得られた分割TSを結合することで原TSを復元して再生等の処理を行う(換言すれば、複数のチャンネルを結合することになる)。これにより、従来、1つの物理チャンネルでは伝送しきれなかったような番組を送受信することが可能となる。
次に、図3を参照して、本発明の実施形態に係る送信装置10について説明する。図3は、本実施形態に係る送信装置10の構成の一例を示す機能ブロック図であり、本実施形態に関わるブロックを中心に記載している。図3において、送信装置10は、映像符号化部11と、音声符号化部12と、データ符号化部13と、マルチプレクサ14と、分割部
15と、誤り訂正・変調部16a、16bと、送信部17a、17bと、CPU18と、メモリ19とで構成される。
映像符号化部11は、アナログのビデオ信号を標本化および量子化することでデジタル信号へと変換する。また、変換したデジタル信号をマルチプレクサ14に出力する。音声符号化部12は、アナログのオーディオ信号を標本化および量子化することでデジタル信号へと変換する。また、変換したデジタル信号をマルチプレクサ14に出力する。データ符号化部13は、データ放送に用いられるデータ信号の符号化を行う。また、符号化した信号をマルチプレクサ14に出力する。
マルチプレクサ14は、上記各符号化部から出力される信号を多重化することで、原TSを生成する。また、マルチプレクサ14は、セクションデータ、すなわち、NITや、PAT(Program Association Table)、PMT(Program Map Table)等のPSIを生成し、これらも原TSに含める。この際、上述したようなCh結合情報がNITに書き込まれる。また、マルチプレクサ14は、当該原TSを分割部15に出力する。
分割部15は、原TSを複数の分割TSに分割する。そして、当該分割TSを、誤り訂正・変調部16aおよび16bにそれぞれ出力する。
誤り訂正・変調部16aおよび16bは、誤り訂正のためのパリティービットの付加等の処理を分割TSに対して行う。更に、所定の方式を用いてキャリア変調を行うことでデジタル放送信号を生成する。そして、当該デジタル放送信号を送信部17a、17bにそれぞれ出力する。
送信部17aおよび17bは、誤り訂正・変調部16a、16bから入力されたデジタル放送信号をアンテナ20を介してそれぞれ出力する。
CPU18は、当該送信装置10全体の動作を制御する。また、メモリ19は、当該CPU18の動作用の各種情報を蓄積している。
次に、受信装置(典型的にはデジタル放送の受信が可能なテレビ受像機)の構成について説明する。図4は、受信装置30の構成の一例を示す機能ブロック図である。受信装置30は、受信アンテナ31の出力が入力されるフロントエンド32aおよび32bと、フロントエンド32aおよび32bの出力が入力される結合部33と、結合部33からの出力が入力されるデマルチプレクサ34と、デマルチプレクサ34の出力が入力されるMPEG2ビデオデコーダ37、MPEG2オーディオデコーダ38、およびデータ処理部39とを備えている。また、この衛星ディジタル放送受信装置の全体の制御等を行うCPU35を備えている。このCPU35にはメモリ36が接続されている。
図4において、受信アンテナ31にて受信された分割TSは、フロントエンド32において受信トランスポンダの選択、復調、エラー訂正等の処理を施された後に、結合部33に入力される。
結合部33は、フロントエンド32から入力された分割TSを、上記Ch結合情報に基づいて結合することで、原TSを生成する。そして、当該原TSがデマルチプレクサ34に出力される。
デマルチプレクサ34において、PSI、MPEG2ビデオES、MPEG2オーディオES、およびPS(Private Section)が原TSから分離されて取り出
される。デマルチプレクサ34で原TSから取り出されたPSIはCPU35に送られ、MPEG2ビデオESはMPEG2ビデオデコーダ37へ、MPEG2オーディオESはMPEG2オーディオデコーダ38へ、PSはデータ処理部39へそれぞれ送られる。
MPEG2ビデオデコーダ37、MPEG2オーディオデコーダ38、データ処理部39では、それぞれ供給されたMPEG2ビデオES、MPEG2オーディオES、PSを各々適切に処理し、これらMPEG2ビデオデコーダ37、MPEG2オーディオデコーダ38、データ処理部39での処理にて得られた信号が、ビデオ出力インターフェース、オーディオ出力インターフェース、データ出力インターフェース(図示せず)から外部へ出力される。
CPU35は、メモリ36を利用しながら、フロントエンド32、MPEG2ビデオデコーダ37、MPEG2オーディオデコーダ38、およびデータ処理部39の動作を制御する。また、CPU35は、上記PSIに基づいて選局動作を行う。すなわち、CPU35は、PSI中のNITにより得られた物理チャンネル周波数、変調方式等をフロントエンド32に設定し、またPSI中のPMTにより得られたESあるいはPSのPIDをデマルチプレクサ34に設定し、ESあるいはPSをMPEG2ビデオデコーダ37、MPEG2オーディオデコーダ38、データ処理部39の各処理装置へ割り当てることにより選局を行う。
次に、本実施形態の処理で用いられるデータについて説明する。図5は、本実施形態で用いられるNITのデータ構造の一例である。NITは、上述したPSIの一つであり、送信するネットワークに関するテーブルである。図5において、NIT50は、ヘッダ情報51とネットワーク情報52とTS情報53等との集合から成る。
ヘッダ情報51には、当該NIT50自体に関する情報が含まれる。例えば、テーブル識別子やバーション情報等の情報が含まれる。
ネットワーク情報52には、ネットワークに関する情報が含まれる。例えば、ネットワーク名、ネットワークID等の情報が含まれる。ここで、ネットワークIDとは、当該ネットワークの種別を識別するためのIDである。例えば、地上波デジタル放送、BSデジタル放送、110度CSデジタル放送を識別する為のIDである。そのため、例えば、BSデジタル放送の各物理チャンネル内で送られているネットワークIDは全て、同一のIDが割り振られることになる。
TS情報53は、当該ネットワーク全体において送信される全てのTSについての情報である。そのため、複数のTS(一般的に、TSの数は放送を行っている放送事業者の数となる)について、各TS毎(図5のTS001,TS002,TS003・・・)に各種情報が定義されている。各TS情報53は、TS−ID531、衛星分配システム情報533と、サービスリスト情報534と、Ch結合情報535とで構成されている。
TS−ID531は、各TSを識別するためのIDである。
衛星分配システム情報533には、物理チャンネルの周波数や、変調方式、誤り訂正方式等についての情報が含まれる。ここで、本実施形態では、上述のように1つの原TSを2つの物理チャンネルに分けて送信するため、当該物理チャンネルの周波数としては、いずれか一方の物理チャンネルの周波数が含まれる。以下、衛星分配システム情報533に記載される物理チャンネルのことをメインチャンネルと呼び、他方の物理チャンネルのことをサブチャンネルと呼ぶ。
サービスリスト情報534は、TSに含まれる各プログラムを示す情報である。図6は、サービスリスト情報534のデータ構造の一例を示す図である。サービスリスト情報534は、SID(Service Identifier)5341、サービス形式5342等から構成される。SID5341は、TSに含まれている各プログラム(番組)を識別するための情報である。サービス形式5342は、当該プログラムの形式(例えば、TV、音声、データ)を示すための情報である。
図5に戻り、Ch結合情報535は、上記分割TSを結合して原TSにするために用いられる情報である。図7は、Ch結合情報535のデータ構造の一例を示した図である。Ch結合情報535は、結合フラグ5351、サブチャンネル周波数5352、変調方式5353、誤り訂正方式5354、Ch結合関連情報5355等で構成される。
結合フラグ5351は、当該TSが、TSの結合を行う必要があるか否か、換言すれば、分割TSであるか否かを示すためのフラグである。オンに設定されているときは、分割TSであることを示す。オフに設定されているときは、分割TSでないこと、つまり、TSの結合を行う必要はないことを示す。
サブチャンネル周波数5352は、上記サブチャンネルの周波数を示す。つまり、原TSが2つの物理チャンネルに分けて送信される場合、上記衛星分配システム情報533にメインチャンネルの周波数が設定され、当該Ch結合情報535にサブチャンネルの周波数が設定されることになる。
変調方式5353は、サブチャンネルで送られてくる分割TSの変調方式を示す。誤り訂正方式5354は、サブチャンネルで送られてくる分割TSの誤り訂正方式を示す。
Ch結合関連情報5355には、分割TSを結合して原TSにするために必要な情報、例えば、TSの分割ルール(メインチャンネル及びサブチャンネルへ分割する順序や、メインチャンネル及びサブチャンネルへの分割パケット数、等)を示す情報が含まれる。なお、TS分割のルールが一意に決まっている場合や、TS自体に分割ルールを載せない場合には、Ch結合情報535にCh結合関連情報5355を含める必要はない。
次に、受信装置30のメモリ36に格納される選局テーブルについて説明する。選局テーブルとは、上記NIT、PAT、及びPMT等に基づいて生成されるテーブルであり、受信装置30において選局処理を行うために用いられる情報である。本実施形態では、例えば、受信装置30の初期設定時にある特定の物理チャンネルで伝送されるTSを受信することにより取得する上記NIT、及び通常選局時に希望チャンネルを伝送するTSを受信することにより取得するPMTやPATに基づいて生成され、受信装置30のメモリ36に記憶される。選局テーブルは、いわば、受信装置30のリモコンのチャンネルボタンと各放送局の放送データとの対応づけを定義したテーブルである。
図8は、選局テーブル60のデータ構造の一例である。選局テーブル60は、SID61と、TS−ID62と、Ch結合フラグ63と、Ch結合関連情報64と、トランスポンダ周波数65と、PMT−PID66と、ES−PID67との集合から構成されている。
SID61は、TSに含まれている各プログラム(番組)を識別するための情報であり、上記NIT50のサービスリスト情報534に含まれるSID5341がコピーされたものである。
TS−ID62は、各TSを識別するためのIDであり、上記NIT50のTS情報5
3に含まれるTS−ID531がコピーされたものである。
Ch結合フラグ63は、TSの結合を行う必要があるか否かを示すフラグであり、上記Ch結合情報535の結合フラグ5351がコピーされたものである。
Ch結合関連情報64は、分割TSを結合して原TSにするために必要な情報であり、上記Ch結合関連情報5355がコピーされたものである。
トランスポンダ周波数65は、TS−ID62で示されるTSを受信するための周波数を示す。上記NIT50の衛星分配システム情報533に含まれるメインチャンネルの周波数の情報がコピーされたものである。また、Ch結合フラグ63がオンに設定される場合は、更に、上記サブチャンネル周波数5352もコピーされることになる。
PMT−PID66は、上記SID61で示されるプログラムのPMTを識別するためのIDである。通常選局時に希望チャンネルを伝送するTS受信において、PATからコピーされる。
ES−PID67は、上記SID61で示されるプログラムのESを識別するためのIDである。通常選局時に希望チャンネルを伝送するTS受信において、PMTからコピーされる。
次に、本実施形態に係るデジタル放送の送受信処理の詳細を説明する。まず、上記送信装置10における信号処理の詳細を説明する。図9は、送信装置10における信号処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、符号化処理が行われる。このステップS1の処理をより具体的に説明すると、CPU18は、映像符号化部11に、入力されてきたビデオ信号を圧縮符号化させ、ビデオESを生成させる。また、音声符号化部12に、入力されてきたオーディオ信号を圧縮符号化させ、オーディオESを生成させる。また、データ符号化部13に、入力されてきたデータ信号を圧縮符号化させ、PSを生成させる。そして、CPU18は、各符号化部に、それぞれ符号化した信号をマルチプレクサ14に出力させる。
次に、ステップS2において、TS生成処理が行われる。このステップS2の処理をより具体的に説明すると、CPU18は、マルチプレクサ14に、各符号化部から入力された信号をパケット化してPES(Packetized Elementary Streams)を生成させる。更に、マルチプレクサ14に、当該PESを分解してTSパケットを生成させる。また、このとき、CPU18は、図5を用いて上述したようなNIT50を生成する。上述のようにNIT50には、Ch結合情報535が含まれるため、Ch結合情報535もこのときに生成される。具体的には、Ch結合情報535の基礎となる情報、例えばサブチャンネルの周波数やTSの分割・結合の方式(ルール)を示す情報が放送事業者による入力操作等に基づいて設定され、メモリ19に予め格納される。その他、NIT50を生成するために必要な各種情報もメモリ19に予め格納される。そして、CPU18は、メモリ19からこれらの情報を読み出すことで、Ch結合情報535が格納されたNIT50を生成する。また、CPU18は、NIT50の他、上記PMT、PAT等の他のセクションデータを適宜生成し、マルチプレクサ14に出力する。そして、マルチプレクサ14に当該セクションデータをTSパケット化させる。更に、CPU18は、マルチプレクサ14に、これらのTSパケットを多重化させることで、原TSを生成させる。そして、CPU18は、マルチプレクサ14から分割部15へ原TSを出力させる。
次に、ステップS3において、CPU18は、原TSに含まれるNIT50を参照し、
結合フラグ5351がオンであるか否かを判定する。その結果、結合フラグ5351がオフと判定したときは(ステップS3でNO)、CPU18は、分割部15に原TSをそのまま誤り訂正・変調部16へ出力させて、処理を後述のステップS5へ進める。
一方、ステップS3の判定の結果、結合フラグ5351がオンである判定したときは(ステップS3でYES)、ステップS4において、TS分割処理が実行される。すなわち、CPU18は、分割部15に、原TSを2つの分割TSに分割させる。また、この際、CPU18は、分割部15に、分割ルールを示す情報等、受信装置30において分割TSの結合を行う際に必要な情報であるCh結合関連情報5355を適宜生成させて、Ch結合情報535に書き込ませる。そして、CPU18は、一方の分割TSを誤り訂正・変調部16aに出力させ、他方の分割TSを誤り訂正・変調部16bに出力させる。なお、分割TSへの分割の方法については、上記原TSの分割および受信装置側での結合ができれば、どのような処理方法を用いても良い。また、TS分割のルールが一意に決まっている場合や、TS自体に分割ルールを載せない場合では、Ch結合関連情報5355を生成は不要となる。
次に、ステップS5において、変調処理が実行される。すなわち、CPU18は、受信装置30において行われる誤り訂正処理のために、誤り訂正・変調部16に、入力されたそれぞれの分割TS(ステップS3の判定で分割が行われない場合は、原TS)の各パケットに対して所定の誤り訂正符号を付加させる。そして、CPU18は、誤り訂正・変調部16に、誤り訂正符号が付加されたTSを所定の方式で変調させる。
次に、ステップS6において、送信処理が実行される。すなわち、CPU18は、各送信部17に、誤り訂正・変調部16で変調された分割TSを放送波として出力させる。その結果、別々の物理チャンネルで分割TSが送信されることになる。以上で、送信装置10における信号処理が終了する。
次に、受信装置30の選局処理の詳細について説明する。まず、受信装置30では、図8で示したような選局テーブル60が生成される。例えば、ユーザが受信装置30を購入した後、受信装置の設置時の初期設定処理においてある特定の物理チャンネルで伝送されるTSを受信することと、通常選局により、上述した選局テーブル60が生成される。具体的には、初期設定処理において、CPU35は、ある特定の物理チャンネルで伝送されるTSを受信することにより、NIT50を取得する。次に、NIT50の衛星分配システム情報533、サービスリスト情報534、及びCH結合情報535により、各プログラム毎(つまり各SID毎)の、TS−ID、CH結合フラグ、CH結合関連情報、トランスポンダー周波数の情報を取得し、当該選局テーブル60のうち、SID61、TS−ID62、CH結合フラグ63、CH結合関連情報64、トランスポンダー周波数65のテーブルが生成される。以下に説明する処理は、当該選局テーブル60のうち、SID61からトランスポンダー周波数65までのテーブルが生成されていること(つまり、受信装置30の初期設定が終わっていること)を前提とする処理となる。
図10は、受信装置30における選局処理の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS11において、CPU35は、ユーザの操作等に基づいて、SIDの決定を行う。続いて、ステップS12において、CPU35は、上記初期設定で生成された選局テーブル60にアクセスする。
次に、ステップS13において、CPU35は、選局テーブル60のSID61の中に、ステップS11で決定されたSIDが存在するか否かを判定する。当該判定の結果、当該SIDがないと判定したときは(ステップS13でNO)、選局不可能であることを示すため、ステップS26において、CPU35は、選局できない旨のメッセージを画面に
表示させて、選局処理を終了する。
一方、ステップS13の判定の結果、SIDがあると判定したときは(ステップS13でYES)、ステップS14において、CPU35は、Ch結合フラグ63がオンか否かを判定する。その結果、オンであれば(ステップS14でYES)、CPU35は、2つの物理チャンネルを選局し、それぞれの放送波を復調するための処理を行う。すなわち、CPU35は、上記選局テーブル60のトランスポンダ周波数65を参照し、受信すべき複数の周波数、本実施形態では2つの周波数の情報を取得する。図8の例を用いると、例えば上記ステップS11で決定されたSIDが”100”であるとすると、”11.72748GHz”と”11.80420GHz”という2つの周波数の情報を取得する。そして、CPU35は、一方の周波数(”11.72748GHz”)をフロントエンド32aにチューニングさせ、放送波を受信させる。また、他方の周波数(”11.80420GHz”)をフロントエンド32bにチューニングさせ、放送波を受信させる。そして、各フロントエンド32に、それぞれ受信した放送波を復調させる。
次に、ステップS16において、CPU35は、各フロントエンド32において放送波の復調ができたか否か判定する。これは、例えば降雨減衰などで受信状況が良くない場合に、復調に時間がかかるような場合を想定したものである。そのため、ステップS16の判定の結果、復調できないと判定されたときは(ステップS16でNO)、復調できるまでステップS16の判定を繰り返す。なお、ここで、所定の回数だけ判定を繰り返しても、復調ができないと判定されるときは、上記ステップS26と同様に選局不可能のメッセージを表示するようにしても良い。
一方、ステップS16の判定の結果、復調ができたと判定されたときは(ステップS16でYES)、ステップS17において、CPU35は、分割TSを結合するための処理を実行する。すなわち、CPU35は、上記選局テーブル60からCh結合関連情報64を取得する。そして、結合部33に各フロントエンド32から出力された分割TSを、当該Ch結合関連情報64に基づいて結合させる。そして、CPU35は、結合部33からデマルチプレクサ34へ、当該結合した原TSを出力させる。なお、TS分割のルールが一意に決まっている場合は、Ch結合関連情報64の取得は不要となる。
一方、上記ステップS14の判定の結果、Ch結合フラグ63がオンではないと判定したときは、ステップS18において、CPU35は、従来と同様の選局処理、すなわち、1つの物理チャンネルを選局して、受信した放送波を復調するための処理を行う。具体的には、CPU35は、上記選局テーブル60のトランスポンダ周波数65を参照し、受信すべき周波数を取得する。図8の例を用いると、例えば上記ステップS11で決定されたSIDが”101”であるとすると、”11.76584GHz”という1つの周波数の情報を取得する。そして、CPU35は、当該周波数(”11.76584GHz”)をフロントエンド32aにチューニングさせ、放送波を受信させる。そして、フロントエンド32aに、受信した放送波を復調させる。
続くステップS19において、上記ステップS16と同様に、CPU35は、復調できたか否かの判定を行い、復調できないと判定したときは(ステップS19でNO)、復調できるまで当該判定処理を繰り返す。復調できたと判定したときは(ステップS19でYES)、処理をステップS20へと進める。なお、ここで、所定の回数だけ判定を繰り返しても、復調ができないと判定されるときは、上記ステップS26と同様に選局不可能のメッセージを表示するようにしても良い。
次に、ステップS20において、結合部33から出力されるTSを取得するための処理が実行される。すなわち、CPU35は、デマルチプレクサ34に、結合部33からの原
TSを取得させる。
次に、ステップS21において、CPU35は、デマルチプレクサ34に原TSからPATを取得させる。続くステップS22において、CPU35は、上記ステップS11で決定されたSIDが放送中であるか否かを判定し、放送中ではないと判定したときは(ステップS22でNO)、上記ステップS26の処理を行う。一方、放送中であると判定したときは(ステップS22でYES)、ステップS23において、CPU35は、PATに記述されている当該SIDに対応するPMT PIDに基づいて、デマルチプレクサ34に上記TSからPMTを取得させる。そして、続くステップS24において、CPU35は、当該PMTに記述されているPIDを用いてデマルチプレクサ34にES、またはPSを分離させ、それらをMPEG2ビデオデコーダ37、MPEG2オーディオデコーダ38、データ処理部39の各処理部へ割り当てることにより選局を行う。これにより、ステップS25において、選局が完了する。以上で、受信装置30にかかる選局処理が終了する。
このように、本実施形態では、1つの物理チャンネルでは伝送できないような情報量の大きな映像・音声・データ信号(1つのテレビ番組)を、2つの物理チャンネル(2つのTS)に分けて伝送している。そして、受信装置において、2つのチューナー(フロントエンド)を使って当該2つの物理チャンネルで受信し、2つに分けられたTSを結合している。これにより、上記のような情報量が大きな映像・音声・データ信号を含むテレビ番組を受信して視聴することが可能となる。
なお、本説明では説明の簡略化のため、物理チャンネルが2つの場合を例として説明したが、受信装置側において、対応する数のチューナーを搭載しさえすれば、3つ以上の物理チャンネルを用いてもよい。
また、上述した第1の実施形態では、1つの物理チャンネルでは伝送できないような情報量の大きな番組を2つの物理チャンネルを用いて伝送していた。これに限らず、更に、当該番組とその番組内容は同じであって、映像の低画質化等を図ることで情報量を減らした番組(TS)を3つめの物理チャンネルを用いて並行して伝送するようにしてもよい。図11は、3つめの物理チャンネルを用いる場合の伝送の概要を説明するための図である。図11では、上記図2で示したような2つの物理チャンネルで1つのTSを伝送する伝送路に加えて、3つめの物理チャンネルで1つのTS200を伝送している。当該TS200は、上記TS100と番組内容としては同じ内容ではあるが、その映像や音声の質、例えばビットレート等を低下させることで、1つの物理チャンネルで伝送できる程度の情報量となるように調整(符号化)したものである。
このように、番組内容は同じであって、情報量を軽減させたTSを別の物理チャンネルで伝送するのは、次のような場合を想定したものである。すなわち、放送される番組が全て、2つの物理チャンネルを用いるような情報量のものとなったような場合を想定する。この場合、上述したようなTSの結合機能を有していない受信装置(例えば、シングルチューナの受信装置等。以下、結合機能非対応機と呼ぶ)では、放送される番組を一切視聴する事ができなくなる。そこで、図11に示したように、1つの物理チャンネルで伝送可能な情報量にまで映像や音声の質を軽減させたTSを並行して放送するようにする。これにより、映像や音声の品質は劣ることになるが、結合機能非対応機でも番組内容自体は視聴可能とし、全く番組が視聴できないということを防ぐことを図ったものである。
図11に示した伝送の形態においては、受信装置側では、所定の放送局を選局した場合、デフォルトではTS200が送信される物理チャンネルが選局されるような構成にする。例えば、NIT等に、所定の放送局の(デフォルトの)チャンネルは物理チャンネル3
である旨を定義しておく。更に、当該NITには、同一の番組内容が、別の物理チャンネル(図11の例では物理チャンネル1と2)で分割されて伝送されていることを示す旨の情報(以下、並行放送情報と呼ぶ)を含めておく。例えば、上記図7に示したCh結合情報535に、メインチャンネルの周波数を示す情報を加えたものを並行放送情報として当該NITに含めて伝送するようにする。
このような構成で伝送を行うことで、結合機能非対応機では、所定の選局操作を行うことで、図11の例で言うと物理チャンネル3が選局され、TS200が取得されて番組が再生される(換言すると、結合機能非対応機では、上記NITに含まれる並行放送情報を読み取る機能がないため、物理チャンネル3を選局することしかできない)。一方、TS結合機能を有する受信装置(以下、結合機能対応機と呼ぶ)では、所定の選局操作で、一旦、物理チャンネル3が選局されるが、その後、NITを参照して、上記のような並行放送情報の有無を判定する。そして分割TSが伝送されている場合は、上述したような処理で分割TSの伝送にかかる物理チャンネル(図11の例では物理チャンネル1および2)を選局し、上述したような処理でTSの結合等を行ってから番組の再生を行う。これにより、結合機能非対応機であっても結合機能対応機であっても、番組そのものは視聴できる。すなわち、結合機能非対応機において、全く番組が視聴できなくことを防ぐ事が出き、また、結合機能対応機では、同一内容の番組であって、より高画質、高音質の番組の視聴が可能となる。
次に、図11に示したような伝送形態における送信装置の構成について、図12を用いて説明する。図12に示す送信装置70は、上述した図3を用いて説明した送信装置10の機能構成に、映像符号化部71と、音声符号化部72と、データ符号化部73と、マルチプレクサ74と、誤り訂正・変調部76と、送信部77を加えたものに相当し、他の構成部は、図3に示したものと同様である。これらの新たに加えられた構成部の基本的な機能は、上述した映像符号化部11、音声符号化部12、データ符号化部13、マルチプレクサ14、誤り訂正・変調部16a、送信部17aと同様である。つまり、TSを分割して複数の物理チャンネルに振りわけるという機能が省かれた構成となっている。そのため、図12において、映像符号化部71、音声符号化部12は、アナログのビデオ信号、オーディオ信号をデジタル信号に変換するが、上記のように、TSの情報量を1つの物理チャンネルで伝送できる程度の情報量に抑えるために、映像符号化部11や音声符号化部12よりも画質や音質を低下等させて、デジタル信号への変換を行う。
また、図12において、マルチプレクサ74は、映像符号化部71と、音声符号化部72と、データ符号化部73から出力される信号を多重化することで、TS200を生成する。このとき、マルチプレクサ74は、上記マルチプレクサ14と同様に適宜NIT等のPSIを生成してTS200に含めるが、この際、上述したような並行放送情報をNITに付加する。
このように、送信装置70では、高画質、高音質であり情報量が多いTSを分割し、複数の物理チャンネルに振り分けて伝送するのと並行して、同内容の番組であって、画質や音質等を劣化させることで情報量を軽減させたTSを1つの物理チャンネルで伝送する。
次に、図11に示したような伝送形態における受信装置の構成について説明する。ここでの受信装置は、上述したような結合機能非対応機と結合機能対応機の2種類が存在するが、このうち、結合機能非対応機については、従来から存在するデジタル放送受信装置を想定するものであり、その主要なハードウェア構成や制御手法等については当業者には既知であるため、詳しい説明は省略する。
図13は、結合機能対応機80の構成の一例を示す機能ブロック図である。図13に示
す結合機能対応機80は、上述した図4を用いて説明した受信装置30の機能構成に判別部81を加えたものに相当し、他の構成部は、当該受信装置30と同様である。従って、判別部81以外の構成部については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
判別部81は、受信アンテナ31にて受信された放送波に復調、エラー訂正等の処理を行い、NITを抽出する。そして、上記並行放送情報の有無を判別し、その結果を示す信号をCPU35に出力する。CPU35は、この信号に応じて、分割TSが伝送されている物理チャンネルを選局する処理を実行する。
次に、図13で示した結合機能対応機80の選局処理について説明する。図14は、結合機能対応機80における選局処理を示すフローチャートである。ここでは、上記図11で示したように、1つの番組を構成するTSが物理チャンネル1と2に分割して伝送されており、番組内容としては同内容であるが、画質等が低下しているTSが物理チャンネル3で伝送されている場合を例にして説明する。まず、ユーザによる所定の選局操作等に基づいて、物理チャンネル3が選局されると、ステップS41において、放送波からNITが取得され、上記並行放送情報が参照される。そして、物理チャンネル3とは別の物理チャンネルを用いた同一内容番組の伝送が並行して行われているか否かが判別部81によって判別される。その結果、複数の物理チャンネルでの分割TSの伝送が並行して行われているときは(ステップS41でYES)、ステップS42において、分割TSが伝送されている物理チャンネル(ここでは物理チャンネル1および2)を選局し、上述したような分割TSを結合するための、結合Ch選局処理が実行される。この処理では、例えば、上記図10を用いて説明したような処理が実行される。一方、複数の物理チャンネルでの分割TSの伝送が並行して行われていないとき(ステップS41でNO)、ステップS43において、物理チャンネル3で伝送されるTSに基づいて番組を再生するための単一Ch選局処理が実行される。当該処理は、従来から存在する一般的なデジタル放送受信装置で行われる処理(典型的には、いわゆるハイビジョン放送を選局、再生する処理)であり、その基本的な制御手法等については当業者には既知であるため、詳しい説明は省略する。以上で、結合機能対応機80の選局処理は終了する。
このように、同一内容の番組を、高画質・高音質等の情報量の多いTSにして複数の物理チャンネルで伝送するのと並行して、情報量を軽減させて単一の物理チャンネルでも伝送するようにすることで、分割TSの結合機能を有していない従来の受信装置であっても、番組が一切視聴できなくなることを防ぐ事が可能となる。
また、結合機能対応機80の不揮発性メモリ(図示せず)に、自身が上記のような分割TSの結合機能を有することを示す情報(以下、結合可否情報と呼ぶ)を記憶しておくように構成してもよい。そして、CPU35が当該結合可否情報を参照し、当該情報に基づいて選局処理を切替えるようにしてもよい。図15は、当該結合可否情報に基づく選局処理を示すフローチャートである。図15において、まず、ステップS51において、上記不揮発性メモリに格納されている結合可否情報が参照される。そして、自身が分割TSを結合する機能を有するか否かが判定される(あるいは、当該結合可否情報自体が存在するか否かが判定されるようにしても良い)。結合可否情報は、例えば1ビットのデータであり、“0”であれば、分割TSを結合する機能を有していないことを示し、“1”であれば分割TSを結合する機能を有していることを示すと定義しておく。そして、自身がチャンネルの結合機能を有すると判定されたときは(ステップS51でYES)、上記ステップS42と同様の結合Ch選局処理が実行され、自身が分割TSの結合機能を有しないと判定したときは(ステップS51でNO)、上記ステップS43と同様の単一Ch選局処理が実行される。
また、結合機能非対応機については、図15に示したような処理を実行するプログラム
や、結合可否情報を、例えばファームウエアのバージョンアップ等の手段で提供するようにすればよい(あるいは、新規出荷分の結合機能非対応機に関しては、当初から実装するようにしてもよい)。そして、結合機能非対応機で図15に示したような処理が実行されるよう構成し、結果的に結合機能非対応機では単一Ch選局処理が実行されるようにすればよい。これにより、図11を例にすると、結合機能非対応機では物理チャンネル3が選局されてTS200に基づく番組が再生され、結合機能対応機では物理チャンネル1および2が選局され、分割TSの結合等が行われて、より高画質、高音質の番組であるTS100に基づく番組が再生される。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。まず、第2の実施形態の詳細を説明するに先立ち、第2の実施形態、および、その後に説明する第3〜第6の実施形態で共通して想定しているデジタル放送システムにおける伝送の概要について説明する。第2の実施形態では、いわゆるハイビジョン規格の動画像コンテンツと、いわゆるスーパーハイビジョン規格の動画像コンテンツとを混在して放送するデジタル放送システムを想定している。例えば、あるチャンネルにおいて、午後8:00〜午後9:00まではハイビジョン規格の動画像コンテンツを放送し、午後9:00〜午後11:00まではスーパーハイビジョン規格の動画像コンテンツを放送するような場合を想定している。ここで、ハイビジョン規格で構成された番組については、その情報量は1つの物理チャンネルで伝送可能な情報量であるものとする。一方、スーパーハイビジョン規格で構成された番組については、1つの物理チャンネルだけでは伝送できない情報量を有するものとする。そのため、ハイビジョン規格で構成されている番組を放送する場合は、1つの物理チャンネルで1つの番組を伝送するが、スーパーハイビジョン規格で構成された番組については、図19に示すように、その放送データ(トランスポートストリーム)2101を2つに分割し、2つの物理チャンネル2111および2112で伝送する。以下、このような1つの番組を2つの物理チャンネルを用いて伝送する(つまり、2つの物理チャンネルを束ねて1本の伝送路として使う)ことをバルク伝送と呼ぶ。また、当該バルク伝送によって伝送される、上記スーパーハイビジョン規格で構成された番組をバルク番組と呼び、1つの物理チャンネルで伝送可能なハイビジョン規格で構成されている番組を非バルク番組と呼ぶ。そのため、上記の時間帯を例に取ると、例えば、午後8:00〜午後9:00までは、物理チャンネル1と物理チャンネル2(以下、単にCh1、Ch2・・のように呼ぶ)とではそれぞれ異なる内容の非バルク番組が表示されることになり、午後9:00〜午後11:00までは、両チャンネルとも同じ内容のバルク番組が表示されていることになる。つまり、いずれのチャンネルを選局しても、同じ番組が画面に表示される。
ここで、本実施形態では、上記バルク番組をバルク伝送する際に、伝送に用いられる2つの物理チャンネルのうち、一方のチャンネルについて階層伝送を行うようにしている。具体的には、送信側で、上記バルク番組と同内容のコンテンツをハイビジョン規格で生成する(以下、当該ハイビジョン規格のコンテンツを低階層番組と呼ぶ)。つまり、バルク番組と低階層番組とは、ハイビジョン規格で作成されたかスーパーハイビジョン規格で作成されたかの違いがあるだけで、その番組内容(放送される内容)は同じものである。そして、本実施形態では、変調方式として、バルク番組に関しては、32APSK(Amplitude Phase Shift Keying)を用い、当該低階層番組についてはQPSK(quadrature phase shift keying))を用いて変調する。低階層番組(ハイビジョン規格)は、バルク番組のものよりは情報量が少ないため、伝送するためのネットワーク帯域も少なくて済む。そして、本実施形態では、図19に示すように、バルク伝送を行うチャンネルのうち一方のチャンネルについてはバルク番組2101aと低階層番組2102との階層伝送を行っている。なお、上記非バルク番組や低階層番組の映像規格については、ハイビジョン映像に限らずSD(Standard Definition)映像であってもよい。
図20は、上記のような放送を行うための送信側の設備(送信装置)の一例を示す機能ブロック図である。図20に示す送信装置は、SHV符号化部2011と低階層符号化部2012と合成部2013と、分配部2014と、HV符号化部2015aおよび2015bと、切替スイッチ部2016aおよび2016bと、変調部2017aおよび2017bと、送信アンテナ2018とで構成されている。
図20において、まず、スーパーハイビジョン映像の番組が送信される場合について説明する。この場合、切替スイッチ部2016aおよび2016bのスイッチは、変調部2017aおよび2017bが分配部2014と接続されるように設定される。このようにスイッチが設定された状態で、スーパーハイビジョン映像の番組がSHV符号化部2011に出力され、所定の符号化形式で符号化(エンコード)されて上記バルク番組2101として合成部2013に出力される。また、当該スーパーハイビジョン映像の番組は、低階層符号化部2012にも出力され、所定の符号化形式で符号化され(ここでは、ハイビジョン規格相当の画質になるよう符号化されるものとする)、上記低階層番組2102として合成部2013に出力される。合成部2013では、バルク番組2101と低階層番組2102を多重化したトランスポートストリームを生成し、分配部2014に出力する。分配部2014では、当該トランスポートストリームを所定の規則に基づいて切替スイッチ部2016aおよび2016bという2つの出力先に分配する(このとき、低階層番組2102にかかるデータは切替スイッチ部2016aおよび2016bのいずれか一方の経路にのみ出力される)。出力されたデータは、それぞれ変調部2017aおよび2017bに入力され、所定の方式で放送信号に変調される。そして、それぞれ異なる物理チャンネルを用いて、送信アンテナ2018から出力される。その結果、図19を例に取ると、一方の物理チャンネルでは上記低階層番組2102と上記分割されたスーパーハイビジョン番組(バルク番組)2101aが階層伝送され、他方の物理チャンネルでは、上記分割された残りの分のスーパーハイビジョン番組2101bのみが伝送されることになる。
次に、上記非バルク番組を送信する場合を説明する。この場合は、それそれ異なる内容の2つの非バルク番組が異なるチャンネルでそれぞれ送信される。切替スイッチ部2016aおよび2016bについては、変調部2017aがHV符号化部2015aと接続され、変調部2017bがHV符号化部2015bと接続されるように切替えられる。そして、ハイビジョン映像の番組であるハイビジョン番組AがHV符号化部2015aに入力され、所定の符号化形式で符号化される。また、ハイビジョン番組Aとは異なる内容であるハイビジョン番組BがHV符号化部2015bに入力され、所定の符号化形式で符号化される。そして、符号化されたハイビジョン番組AがHV符号化部2015aから変調部2017aへと出力され、放送信号に変調される。同様に、符号化されたハイビジョン番組BがHV符号化部2015bから変調部2017bへと出力され、放送信号に変調される。そして、それぞれ異なるチャンネルを使って送信アンテナ2018から送信される。このように、本実施形態では、バルク番組と非バルク番組の出力を適宜切替ながらデジタル放送を行っている。
ここで、上記バルク伝送に関して、受信装置側(2つの物理チャンネルを同時に受信する必要があるため、少なくとも2つのチューナを備えている)においては、バルク番組を再生するための情報、例えば、どの物理チャンネルとどの物理チャンネルの組み合わせでバルク番組が構成されるか等の情報(以下、バルク関連情報と呼ぶ)が必要となる。本実施形態では、当該バルク関連情報を、いわゆるTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号(伝送パラメータ等を含む信号)に載せて送信するものとする。受信装置側では、いずれか1つのチューナで選局・受信した放送信号からTMCC信号を分離し、上記バルク関連情報を得る。そして、当該バルク関連情報に基づいて、これから送信されてくる番組がバルク番組であるか否かや、バルク番組の場合はどのチャ
ンネルとの組み合わせで構成されているか等を判定し、選局・合成等を行う処理が実行されることになる。
図21は、本実施形態で用いられる上記バルク関連情報の一例を示す図である。バルク関連情報は、物理Ch番号2131と接続フラグ2132と接続対象Ch2133と階層伝送Ch2134の集合から構成されている。バルク関連情報には、全ての物理チャンネルについての情報が含まれており、物理Ch番号2131は、物理チャンネルの番号を示す。接続フラグ2132は、放送される番組がバルク番組か非バルク番組かを識別するためのフラグである。接続フラグ2132がオンに設定されているときは、その物理チャンネルで伝送される番組がバルク番組であることを示す。また、オフに設定されているときは、その物理チャンネルのみを使用して非バルク番組が放送されることを示す。
接続対象Ch2133は、その物理チャンネルで放送される番組がバルク番組である場合に、その物理チャンネルと共に当該バルク番組を構成している物理チャンネル番号を示すためのデータである。図21の例では、例えばWチューナ構成の受信装置において、一方のチューナでCh1を選局して図21のようなバルク関連情報を取得した場合、Ch1で放送される番組がバルク番組であること、および、当該バルク番組はCh1とCh2とで構成されることがわかる。そのため、バルク番組を再生するためには、他方のチューナでCh2を選局する必要があることがわかる。
階層伝送Ch2134は、バルク伝送が行われている2つのチャンネルのうち、上記低階層番組が階層伝送されている物理チャンネルを示すためのフラグである。階層伝送Ch2134がオンに設定されている物理チャンネルは、上記低階層番組が階層伝送されている物理チャンネルであることを示す。
このように、本実施形態が想定するデジタル放送システムでは、バルク番組と非バルク番組とを混在して放送し、バルク番組については2つの物理チャンネルを使ってバルク伝送を行っている。以下に説明する各実施形態における受信装置は、上記の様に送信されるデジタル放送を受信するためのものである。
次に、本発明の第2の実施形態にかかる受信装置について説明する。図22は、第2の実施形態にかかる受信装置2030の一例を示す機能ブロック図である。図22において、受信装置2030は、アンテナ2031と、第1のチューナ2032と、第2のチューナ2033と、第1の復調部2034と、第2の復調部2035と、第1の主信号誤り訂正復号部2036と、第2の主信号誤り訂正復号部2037と、第1のTMCC復号部2038と、第2のTMCC復号部2039と、TMCC制御部2040と、TS合成・分離部2041と、第1のAVデコーダ2042と、第2のAVデコーダ2043と、第1のOSD作成・合成部2044と、第2のOSD作成・合成部2045と、第1の表示部2046と第2の表示部2047と、CPU2048と、リモコン処理部2049と、フラッシュメモリ2050と、リモコン2051とで構成される。
第1のチューナ2032および第2のチューナ2033は、CPU2048からの制御信号に基づいて所定の物理チャンネルを選局し、デジタル放送信号をアンテナ2031を介して受信する。
第1の復調部2034は、第1のチューナ2032から出力される送信信号をデジタル信号に復調し、第1の主信号誤り訂正復号部2036および第1のTMCC復号部2038に出力する。
第1の主信号誤り訂正復号部2036は、第1の復調部2034から出力されたデジタ
ル信号に対して誤り訂正復号処理を実行し、トランスポートストリームを得る。そして、当該トランスポートストリームをTS合成・分離部2041に出力する。図23は、第1の主信号誤り訂正復号部2036の詳細を示すブロック図である。図23において、第1の主信号誤り訂正復号部2036では、第1の復調部2034から出力されたデジタル信号について、デインターリーブ部2361でデインタリーブが行われ、内符号誤り復号部2362における内符号の復号、エネルギー逆拡散部2363におけるエネルギー逆拡散を経て外符号誤り復号部2364による外符号の復号が行われ、トランスポートストリームとして出力される。
第1のTMCC復号部2038は、第1の復調部2034から出力されたデジタル信号(TMCC信号)からTMCC情報を復号して取得する。そして、当該TMCC情報をTMCC制御部2040に出力する。
第2の復調部2035、第2の主信号誤り訂正復号部2037、および、第2のTMCC復号部2039は、第2のチューナ2033から出力される送信信号に対して、上記第1の復調部2034、第1の主信号誤り訂正復号部2036、第1のTMCC復号部2038と同様の処理を行う。
TMCC制御部2040は、第1のTMCC復号部2038から出力されるTMCC情報(より正確には、TMCC情報から得られる各種伝送パラメータの情報等)に基づいて、第1の復調部2034および第1の主信号誤り訂正復号部2036を制御する。また、第2のTMCC復号部2039から出力されるTMCC情報に基づいて、第2の復調部2035および第2の主信号誤り訂正復号部2037を制御する。また、TMCC制御部2040は、取得したTMCC情報をCPU2048に出力する。
TS合成・分離部2041は、CPU2048からの制御信号に基づいて、以下のような3種類の処理モードを切り替えて実行する処理モードである。まず、1つめの処理モードとして、バルク番組を再生するための処理を実行する。この場合は、TS合成・分離部2041は、第1の主信号誤り訂正復号部2036および第2の主信号誤り訂正復号部2037から出力されてくる両トランスポートストリームを合成することによって、送信側で2つに分割される前のトランスポートストリームを復元する。更に、TS合成・分離部2041は、当該合成後のトランスポートストリームから、上記バルク番組にかかるAVストリーム、および、低階層番組にかかるAVストリームを分離して取得する。そして、TS合成・分離部2041は、CPU2048からの制御信号に基づいて、バルク番組にかかるAVストリームおよび低階層番組にかかるAVストリームの少なくとも一方を、第1のAVデコーダ2042または第2のAVデコーダ2043の少なくとも一方に出力する。
次に、TS合成・分離部2041が行う2つめの処理モードとして、非バルク番組を再生するための処理を実行する処理モードがある。この場合は、TS合成・分離部2041は、第1の主信号誤り訂正復号部2036および第2の主信号誤り訂正復号部2037から出力されてくる両トランスポートストリームの合成は行わない。すなわち、第1の主信号誤り訂正復号部2036から出力されるトランスポートストリームからAVストリームを分離し、第1のAVデコーダ2042に出力する。また、第2の主信号誤り訂正復号部2037から出力されるトランスポートストリームからAVストリームを分離し、第2のAVデコーダ2043に出力する。
次に、TS合成・分離部2041が行う3つめの処理モードとして、低階層番組を再生するための処理を実行する処理モードがある。この場合は、TS合成・分離部2041は、第1の主信号誤り訂正復号部2036または第2の主信号誤り訂正復号部2037から
出力されるトランスポートストリーム(階層伝送されている物理チャンネルで取得されたトランスポートストリーム)から低階層番組にかかるAVストリームを分離し、第1のAVデコーダ2042または第2のAVデコーダ2043に出力する。以下、上記バルク番組の再生のための処理モードについてはバルク再生モードと呼び、非バルク番組の再生のための処理モードについては非バルク再生モードと呼ぶ。また、低階層番組の再生のための処理モードについては、低階層再生モードと呼ぶ。なお、TS合成・分離部2041において、上記非バルク再生モードと低階層再生モードについては並列で処理することが可能である。また、TS合成・分離部2041は、CPU2048からの制御信号に基づいて、上記各AVストリームを適宜録画処理部2052へ出力する。
また、TS合成・分離部2041はEPG情報取得部2054を含んでいる。EPG情報取得部2054は、第1の主信号誤り訂正復号部2036または第2の主信号誤り訂正復号部2037から出力されるトランスポートストリームからEPG(Electronic Program Guide)にかかるデータを分離して取得する。また、CPU2048からの制御信号に基づいて、利用者の録画予約操作に用いるために適宜EPGを画面に出力する。ここで、当該EPGには、各番組の放送時間や放送内容に関するデータの他に、各番組が上記バルク番組であるか否かを示す情報およびバルク番組を構成する物理チャンネルを示す情報が含まれている。また、バルク番組については、更に、上記低階層番組が階層伝送される物理チャンネルについての情報も含まれている。なお、EPG情報取得部2054は、例えばインターネットからEPGを取得するよう構成されていても良い。
第1のAVデコーダ2042および第2のAVデコーダ2043は、CPU2048からの制御信号に基づいて、それぞれTS合成・分離部2041から出力されたAVストリームをデコードして映像・音声信号を取得する。そして、第1のAVデコーダ2042は、デコードの結果得られた映像・音声信号を第1の表示部2046に出力する。また、第2のAVデコーダ2043は、デコードの結果得られた映像・音声信号を第2の表示部2047に出力する。ここで、第1のAVデコーダ2042および第2のAVデコーダ2043は、少なくとも、バルク番組のAVストリームと非バルク番組のAVストリームの双方の符号化形式に対応するデコード形式でデコード処理が可能である。そして、第1のAVデコーダ2042および第2のAVデコーダ2043は、CPU2048からの制御信号に基づき、これらのデコード方式を適宜切り替えてデコード処理を実行する。
第1のOSD作成・合成部2044は、第1のAVデコーダ2042が第1の表示部2046に出力した画面の上に重ねて表示するためのOSD表示を生成する。そして、第1のOSD作成・合成部2044は、第1のAVデコーダ2042からの出力と当該OSD表示を合成して第1の表示部2046に出力する。また、第2のOSD作成・合成部2045は、第2のAVデコーダ2043が第2の表示部2047に出力した画面の上に重ねて表示するためのOSD表示を生成し、第2のAVデコーダ2043からの出力と合成して第2の表示部2047に出力する。
第1の表示部2046および第2の表示部2047は、いわゆる2画面表示における各画面に相当するものである。第1の表示部2046は、第1のAVデコーダ2042から出力された映像・音声信号に基づいて映像・音声を利用者に提示する。第2の表示部2047は、第2のAVデコーダ2043から出力された映像・音声信号に基づいて映像・音声を利用者に提示する。
CPU2048は、上述したようなバルク再生モード、非バルク再生モード、低階層再生モードを切り替えながら、上記第1のチューナ2032、第2のチューナ2033、TS合成・分離部2041、第1のAVデコーダ2042、第2のAVデコーダ2043等を制御して、バルク番組、低階層番組、または非バルク番組を利用者が視聴できるように
するための処理を実行する。
リモコン処理部2049は、リモコン2051からの操作信号を受信し、操作指示内容を示す信号をCPU2048に出力する。
フラッシュメモリ2050は、不揮発性のメモリであり、録画予約に関するデータ(以下、予約一覧と呼ぶ)が記憶される。図24は、当該予約一覧のデータ構造の一例を示した図である。図24において、予約一覧2500は、放送時間帯2501、放送チャンネル2502、番組識別情報2503、番組情報2504等の集合から成る。放送時間帯2501は、予約されている番組の放送日時および放送時間帯を示し、放送チャンネル2502は、当該番組の放送される物理チャンネルを示す。バルク番組の場合は2つの物理チャンネルが記憶され、非バルク番組または低階層番組の場合は1つの物理チャンネルのみが記憶される。番組識別情報2503は、予約されている番組の種別、すなわち、バルク番組であるか非バルク番組であるか、低階層番組であるかを示すための情報である。また、番組情報2504は、その番組に関する書誌的事項(番組タイトルや出演者名等)のデータである。また、フラッシュメモリ2050には、その他、CPU2048が各種制御に用いるためのデータ等も記憶される。
録画処理部2052は、CPU2048からの制御信号に基づいて、上記各番組(すなわち、TS合成・分離部2041から出力されるAVストリーム)を記録部2053に録画するための処理(符号化処理や録画データの管理処理等)を実行する。記録部2053は、上記のような各番組を録画するための記録媒体である。例えば、ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)によって実現される。
次に、以上のような受信装置2030で実行される選局再生処理の処理概要を説明する。以下の説明の前提として、本実施形態では、次のような状況を想定する。まず、視聴対象とするチャンネルはCh1〜Ch4とする。そして、これらのチャンネルの放送スケジュールとして、図25に示すようなスケジュールが組まれているとする。すなわち、Ch1およびCh2では、午後6:00:00〜7:59:59はバルク番組である「番組A」が放送される。また、Ch3では、それぞれ午後6:00:00〜6:59:59までは非バルク番組である「番組B」が放送され、午後7:00:00〜7:59:59は、非バルク番組である「番組C」が放送される。更に、Ch4では、それぞれ午後6:00:00〜6:59:59までは非バルク番組である「番組D」が放送され、午後7:00:00〜7:59:59は、非バルク番組である「番組E」が放送される場合を想定する。
このような放送スケジュールにおいて、「番組B」を録画中の状態で、利用者がCh1を選局した場合を考える。例えば、図25において、午後6:30:00のタイミングで、利用者がCh1を選局した場合である。この場合は、「番組B」を録画中の状態、すなわち、いずれか一方のチューナが使用中(Ch3を選局中)の状態であることになる。一方、Ch1で放送されている「番組A」は、Ch1とCh2を用いてバルク伝送されているバルク番組であるため、2つの物理チャンネルを選局する必要がある。しかし、上記のように、「番組B」の録画のために一方のチューナが使用中の状態であるため、Ch2の選局ができず、バルク番組の視聴ができない。そこで、本実施形態では、当該バルク番組と階層伝送されている上記低階層番組を再生・表示する処理を行う。つまり、低階層番組については階層伝送されている物理チャンネルさえ選局できれば再生可能であり、かつ、上述のように番組内容そのものは同じものである。そこで、当該低階層番組をもって「番組A」の再生とする処理を行う。これにより、「番組B」が録画中の状態であっても、バルク伝送に対応した番組そのものの視聴は可能となる。
次に、第2の実施形態における選局再生処理の詳細を説明する。図26は、当該選局再生処理の詳細を示すフローチャートである。ここで、図26のフローチャートの処理は、バルク番組が放送されている物理チャンネルを選局する操作(リモコン2051の数字キー「1」を押下)する等)が利用者によって行われることによって実行される。また、ここでは、利用者の操作に基づいて選局するために、第1のチューナ2032が用いられるものとする。
図26において、利用者がリモコン2051でバルク番組にかかるチャンネル(ここではCh1)を選局する操作を行うと、ステップS2001において、受信装置2030で録画処理が実行中であるか否かが判定される。つまり、バルク番組にかかるチャンネルが選局された時点で、何らかの番組が録画中の状態であるか否かが判定されることになる。
当該判定の結果、録画処理が実行されていなければ(ステップS2001でNO)、チューナは2つとも使用可能な状態であるため、ステップS2007において、上記選局されたチャンネルで放送されるバルク番組を再生するための処理が開始される。具体的には、まず、CPU2048は、上記バルク関連情報を参照して、Ch1の接続対象Ch2133に示されている物理チャンネルを第2のチューナ2033に選局させる処理を行う。すなわち、バルク番組が伝送される2つの物理チャンネルが第1のチューナ2032および第2のチューナ2033で選局された状態するための処理を実行する。そして、各チューナで受信された放送信号が復調等され、トランスポートストリームが得られる。続いて、CPU2048は、TS合成・分離部2041に、上記処理モードをバルク再生モードに切り替えるための制御信号を出力する。その結果、TS合成・分離部2041は、第1のチューナ2032経由で得られたトランスポートストリームと第2のチューナ2033経由で得られたトランスポートストリームを合成する処理を開始する。そして、TS合成・分離部2041は、合成されたトランスポートストリームからバルク番組にかかるAVストリームを分離し、バルク番組にかかるAVストリームを第1のAVデコーダ2042に出力する。第1のAVデコーダ2042は、当該バルク番組にかかるAVストリームをデコードし、第1のOSD作成・合成部2044を経由して第1の表示部2046に映像・音声信号を出力する処理を開始する。これにより、バルク番組が画面に表示される、つまり、バルク番組の再生処理が開始されることになる。その後、選局再生処理は終了する。
一方、ステップS1の判定の結果、録画処理が実行されているときは(ステップS2001でYES)、次にステップS2002において、録画中の番組の数が1以下であるか否かが判定される。当該判定の結果、録画中の番組の数が1以下でない、つまり、2つのチューナ共に録画に用いられているような場合、例えば、図25の「番組B」および「番組D」の双方を録画しているような場合は(ステップS2002でNO)、ステップS2006において、選局されたチャンネルは選局できない、あるいは視聴できない旨をOSD表示する処理が実行される。より具体的には、CPU2048は、上記の旨のメッセージを生成させるための制御信号を第1のOSD作成・合成部2044に出力する。これに応じて、第1のOSD作成・合成部2044は上記の旨のOSD表示を生成する。そして、第1のOSD作成・合成部2044は、当該OSD表示を第1の表示部2046に出力する。この結果、選局したチャンネルは視聴できない旨が画面上に表示されることになる。
一方、上記ステップS2002の判定の結果、録画中の番組数が1以下の場合(ステップS2002でYES)、例えば、図25の「番組B」のみが録画中であるような場合は、次にステップS2003において、選局された物理チャンネルの番組については低階層番組であれば表示可能である旨、および、低階層番組として視聴するか否かを問い合わせるためのOSD表示する処理が実行される。例えば、「放送される番組はスーパーハイビ
ジョン番組ですが、ハイビジョン画質であれば視聴可能です。ハイビジョン画質で視聴しますか?」等のメッセージをOSD表示する処理が実行される。そして、CPU2048は、利用者からの返答操作を受け付ける。
次に、ステップS2004において、上記ステップS2003での問い合わせの結果、利用者が低階層番組を視聴することを選択したか否かが判定される。当該判定の結果、利用者が低階層番組の視聴を選択しなかったときは(ステップS2004でNO)、上記ステップS2006の処理へ進む。一方、利用者が低階層番組を視聴することを選択したときは(ステップS2004でYES)、続くステップS2005において、低階層番組を再生するための処理が実行される。すなわち、CPU2048は、上記バルク関連情報の階層伝送Ch2134を参照して階層伝送が行われている物理チャンネル番号を検出する。そして、その時点で階層伝送が行われている物理チャンネルが選局されていないときは、CPU2048は、第1のチューナ2032に当該階層伝送が行われている物理チャンネルを選局させるための制御信号を出力する。さらに、CPU2048は、処理モードを上記低階層再生モードに切り替えるための制御信号をTS合成・分離部2041に出力する。また、CPU2048は、第1のAVデコーダ2042に対しても、低階層番組用のデコード処理に切り替えるための制御信号を出力する。その結果、第1のチューナ2032から得られたトランスポートストリームがTS合成・分離部2041に入力されると、TS合成・分離部2041において低階層番組にかかるAVストリームが分離され、第1のAVデコーダ2042に出力される。そして、デコードされた映像音声信号が第1のAVデコーダ2042から第1のOSD作成・合成部2044を経由して第1の表示部2046に出力される。これにより、低階層番組の再生が開始されることになる。以上で、第2の実施形態にかかる選局再生処理が終了する。
以上のように、第2の実施形態では、非バルク番組の録画処理が実行中のタイミングでバルク番組にかかる物理チャンネルが選局されたときは、バルク番組と共に階層伝送されている低階層番組を再生している。これにより、所定の非バルク番組が録画中の状態においても、バルク番組にかかる番組内容を視聴することが可能となる。つまり、バルク伝送に対応している番組の視聴と非バルク番組の録画(いわゆる裏録)の両立が可能となる。また、上記のように低階層番組での再生を行う旨や視聴できない旨をOSD表示するため、利用者は視聴状況を容易に把握することが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、図27から図28を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。上述の第2の実施形態では、録画中の状態でバルク番組にかかる物理チャンネルが選局された場合を想定していた。これに対して、第3の実施形態では、録画予約を行う場面を想定する。なお、当該実施形態に係る受信装置は、上述した第2の実施形態と同様であるため、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
以下、第3の実施形態における処理の概要を説明する。第3の実施形態では、図27に示すような放送スケジュールを想定する。図27においては、午後8:00:00〜9:59:59までの2時間枠で、Ch1およびCh2ではバルク番組である「番組F」が、Ch3およびCh4では同じくバルク番組である「番組G」が放送される。更に、Ch5では、同じく2時間枠で非バルク番組である「番組H」が放送される。またCh6およびCh7ついては、それぞれ午後8:00:00〜8:59:59までは非バルク番組である「番組I」「番組J」が放送されるが、午後9:00:00〜9:59:59は、両チャンネルを使ってバルク番組である「番組K」が放送される。
上記のような放送スケジュールにおいて、第3の実施形態では、次のような処理が実行される。例えば、利用者が非バルク番組である「番組H」を録画予約しようとした際に、
受信装置2030において「番組H」の放送時間帯に重複して既に録画予約されている番組が存在するか否かが判定される。そして、既にバルク番組の録画予約、例えば「番組F」の録画予約が登録されていた場合は、「番組H」の録画はできない旨がOSD表示される。
以下、第3の実施形態における録画予約処理の詳細を説明する。図28は、当該録画予約処理の詳細を示すフローチャートである。当該フローチャートの処理は、利用者が非バルク番組の録画予約を登録するための操作を行ったときに実行される。
図28において、まず、ステップS2021において、フラッシュメモリ2050から、上記予約一覧2500(図24参照)が取得される。次に、ステップS2022において、利用者が予約しようとする番組(以下、予約希望番組と呼ぶ)の放送時間帯と重複している録画予約が存在するか否かが判定される。当該判定の結果、重複する録画予約がなければ(ステップS2021でNO)、ステップS2026において、予約希望番組の録画予約をフラッシュメモリ2050に登録する処理が実行される。
一方、ステップS2022の判定の結果、重複する録画予約が存在したときは(ステップS2022でYES)、次のステップS2023において、番組識別情報2503に基づいて、重複する録画予約の番組はバルク番組か否かが判定される。当該判定の結果、録画予約が重複している番組がバルク番組であるときは(ステップS2023でYES)、ステップS2024において、予約希望番組の録画予約ができない旨のOSD表示を行う処理が実行される。これは、バルク番組の録画のためには2つのチューナが必要となるため、それ以上の録画予約ができないためである。
一方、ステップS2023の判定の結果、録画予約が重複している番組がバルク番組ではない、つまり、非バルク番組であるときは(ステップS2023でNO)、次のステップS2025において、重複している録画予約の数が1以下であるか否かが判定される。当該判定の結果、重複している録画予約の数が1以下であるときは(ステップS2025でYES)、当該時間帯においては録画のために用いられるチューナは1つだけという状態であるため、他方のチューナを用いた予約希望番組の録画は可能である。そのため、上記ステップS2026の処理へ進み、上記予約希望番組を録画予約する処理が実行される。一方、重複している録画予約の数が1以下ではないときは(ステップS2025でNO)、既に2つの非バルク番組の録画予約が登録されており、チューナに空きがない状態であると考えられる。そのため、この場合は、上記ステップS2024の処理に進み、予約希望番組の録画予約ができない旨をOSD表示する処理が実行される。以上で、第3の実施形態における録画予約処理は終了する。
以上のように、第3の実施形態では、非バルク番組の録画予約を行うときに、バルク番組の録画予約と重複しないか否かを判定し、重複する際にOSD表示による警告を行うようにしている。これにより、利用者が録画予約操作を行う際の受信装置の利便性を高めることができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、上述の第3の実施形態と同様に非バルク番組の録画予約を行う場面を想定している。そして、第3の実施形態では、非バルク番組の録画予約希望時間帯にバルク番組の予約が重複していた場合、予約できない旨のOSD表示を行うだけであったが、第4の実施形態では、この場合、上記低階層番組を利用する。すなわち、第4の実施形態では、先約分のバルク番組の録画予約を低階層番組の録画予約に変更することで、録画のために使用されるチューナ数を1つにし、予約希望番組の予約登録を可能とする。上記図27に示したような放送スケジュー
ルを例として説明すると、例えば、利用者が非バルク番組である「番組H」を録画予約する操作を行った場合を想定する。このときに、バルク番組である「番組F」が既に録画予約されていたときは、本実施形態では、「番組F」のバルク番組としての録画を上記低階層番組としての録画に変更することで、「番組F」と「番組H」の録画を両立させる。なお、当該実施形態に係る受信装置は、上述した第2の実施形態と同様であるため、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
以下、第4の実施形態における録画予約処理の詳細を説明する。図29は、当該録画予約処理の詳細を示すフローチャートである。当該フローチャートの処理は、利用者が非バルク番組の録画予約を登録するための操作を行ったときに実行される。なお、図29において、ステップS2021からステップS2026までの処理は、上述の第3の実施形態で図28を用いて説明したステップS2021からステップS2026の処理と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図29のステップS2023において、重複している番組がバルク番組か否かが判定される。当該判定の結果、録画予約が重複している番組がバルク番組であるときは(ステップS2023でYES)、次のステップS2031において、次の旨の内容をOSD表示する処理が実行される。すなわち、既に予約されているバルク番組の録画を低階層番組の録画に変更すれば、上記予約希望番組の録画が可能になる旨をOSD表示する。つまり、現在、スーパーハイビジョン映像での録画予約がなされているが、これをハイビジョン映像での録画に変更すれば、録画予約を希望している非バルク番組の録画が可能となる旨をOSD表示する処理が実行される。更に、既に予約済みであるバルク番組の録画を低階層番組の録画に変更するか否かの問い合わせをOSD表示する処理が実行される。その後、利用者からの返答操作が受け付けられる。
次に、ステップS2032において、上記問い合わせに対する利用者の返答内容が、低階層番組の録画への変更を指示する内容であるか否かが判定される。当該判定の結果、低階層番組の録画への変更が指示されていないときは(ステップS2032でNO)、上記ステップS2024の処理に進み、録画予約ができない旨をOSD表示する。
一方、ステップS2032の判定の結果、低階層番組の録画への変更を指示する内容のときは(ステップS2032でYES)、次のステップS2033において、上記重複しているバルク番組の録画予約がキャンセルされる。そして、当該バルク番組と共に階層伝送される低階層番組を録画するための録画予約が予約一覧2500に登録される。具体的には、予約一覧2500の放送チャンネル2502に、階層伝送が行われる物理チャンネル(当該階層伝送が行われる物理チャンネルの情報は、EPGに含まれているものとする)が格納され、番組識別情報2503には、低階層番組であることを示す情報が格納される。放送時間帯2501および番組情報2504には、キャンセルしたバルク番組のものと同じ情報が格納される。そして、続くステップS2034において、上記予約希望番組の録画予約が予約一覧2500に登録される。以上で、第4の実施形態にかかる録画予約処理は終了する。
以上のように、第4の実施形態では、非バルク番組を録画予約するときに、バルク番組の録画予約と重複しているときは、バルク番組の録画予約を低階層番組の録画予約へと変更することで、当該非バルク番組の録画予約を可能としている。これにより、バルク番組の録画予約がなされている時間帯にそれ以上の番組録画ができない状態となることを防ぐ事ができる。つまり、バルク伝送に対応する番組(スーパーハイビジョン放送に対応している番組)と非バルク番組(ハイビジョン放送の番組)の録画を両立させることが可能となる。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。上記第3および第4の実施形態は、非バルク番組の録画予約を行う場面を想定していた。これに対して、第5の実施形態では、バルク番組の録画予約を行う場面を想定する。すなわち、バルク番組の録画予約を行う際に、他の録画予約を重複する際の処理となる。なお、当該実施形態に係る受信装置は、上述した第2の実施形態と同様であるため、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。また、第5の実施形態でも、上記図27に示したような放送スケジュールを想定する。
以下、第5の実施形態における録画予約処理の詳細を説明する。図30は、当該録画予約処理の詳細を示すフローチャートである。当該フローチャートの処理は、利用者がバルク番組の録画予約を登録するための操作を行ったときに実行される。なお、ステップS2041およびS2042の動作は、上述の第3の実施形態で図28を用いて説明したステップS2021およびS2022と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図30において、まず、ステップS2041において、フラッシュメモリ2050から予約一覧2500が取得され、ステップS2042において、予約希望番組の放送時間帯と重複している録画予約が存在するか否かが判定される。当該判定の結果、重複する録画予約がなければ(ステップS2042でNO)、ステップS2044において、予約希望番組の録画予約をフラッシュメモリ2050に登録する処理が実行される。
一方、ステップS2042の判定の結果、重複する録画予約が存在したときは(ステップS2042でYES)、次のステップS2043において、予約希望番組の録画予約ができない旨のOSD表示を行う処理が実行される。つまり、バルク番組の録画のためには2つのチューナが必要となるところ、バルク番組/非バルク番組を問わず、何らかの録画予約を重複していれば、バルク番組の録画予約ができない。そのため、重複する録画予約が存在する場合は、バルク番組の録画ができないとするものである以上で、第5の実施形態における録画予約処理は終了する。
以上のように、第5の実施形態では、バルク番組の録画予約を行うときに、何らかの録画予約と重複しないか否かを判定し、重複する際にOSD表示により録画予約が出来ない旨を警告している。これにより、利用者が録画予約操作を行う際の受信装置の利便性を高めることができる。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。第6の実施形態は、上述の第5の実施形態と同様にバルク番組の録画予約を行う場面を想定している。そして、第5の実施形態では、バルク番組の録画予約希望時間帯に何らかの番組の録画予約が重複していた場合、予約できない旨のOSD表示を行うだけであったが、第6の実施形態では、この場合、上記低階層番組を利用する。すなわち、第6の実施形態では、バルク番組の予約を、適宜低階層番組の録画予約に変更することで、録画のために使用されるチューナ数を1つにし、予約希望番組の予約登録を可能とする。上記図27の放送スケジュールを例として説明すると、例えば、利用者が「番組G」を録画予約する操作を行った場合を想定する。このときに、バルク番組である「番組F」が既に録画予約されていたときは、本実施形態では、「番組F」「番組G」を共に上記低階層番組の録画として予約することで、両番組の録画を両立させる。また、利用者が「番組G」を録画予約する操作を行った際に、非バルク番組である「番組H」が既に録画予約されていたときは、「番組G」を低階層番組の録画として予約することで、「番組G」「番組H」の録画を両立させる。
なお、当該実施形態に係る受信装置は、上述した第2の実施形態と同様であるため、同
一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
以下、第6の実施形態における録画予約処理の詳細を説明する。図31は、当該録画予約処理の詳細を示すフローチャートである。当該フローチャートの処理は、利用者が非バルク番組の録画予約を登録するための操作を行ったときに実行される。なお、図31において、ステップS2041からステップS2044までの処理は、上述の第5の実施形態で図30を用いて説明したステップS2041からステップS2044の処理と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図31において、ステップS2042で上記のように予約希望番組の放送時間帯と重複している録画予約が存在するか否かが判定された結果、重複している予約がないときは(ステップS2042でNO)、上記ステップS2044の処理において、予約希望番組を録画予約する処理が実行される。
一方、重複している予約があるときは(ステップS2042でYES)、続くステップS2051において、重複している番組がバルク番組か否かが判定される。当該判定の結果、録画予約が重複している番組がバルク番組であるときは(ステップS2051でYES)、次のステップS2052において、OSD表示のための処理が実行される。当該OSD表示の内容は、次のような内容である。すなわち、既に予約されているバルク番組の録画を上記低階層番組での録画に変更し、且つ、予約希望番組であるバルク番組についても上記低階層番組での録画とすれば、上記予約希望番組の録画が可能になる旨の内容である。更に、上記両バルク番組の録画を共に低階層番組の録画に変更するか否かの問い合わせをOSD表示する処理が実行される。その後、利用者からの返答操作が受け付けられる。
次に、ステップS2053において、上記問い合わせに対する利用者の返答内容が、両バルク番組の録画を共に低階層番組の録画へ変更する内容であるか否かが判定される。当該判定の結果、低階層番組の録画への変更を指示していないときは(ステップS2053でNO)、そのまま録画予約処理は終了する。
一方、ステップS2053の判定の結果、低階層番組の録画への変更を指示する内容のときは(ステップS2053でYES)、次のステップS2054において、上記重複しているバルク番組の録画予約がキャンセルされる。そして、当該バルク番組と階層伝送される低階層番組を録画するための録画予約がフラッシュメモリ2050に登録される。そして、上記予約希望番組と階層伝送される低階層番組を録画するための録画予約がフラッシュメモリ2050に登録される。その結果、上記2つのバルク番組は共に低階層番組の録画予約として登録されることになる。
一方、上記ステップS2051の判定の結果、録画予約が重複している番組がバルク番組ではない、つまり、非バルク番組であるときは(ステップS2051でNO)、次のステップS2055において、重複している録画予約の数が1以下であるか否かが判定される。当該判定の結果、1以下であるときは(ステップS2055でYES)、当該時間帯においては録画のために用いられるチューナは1つだけという状態である。そのため、ステップS2056において、予約希望番組を低階層番組の録画にすれば、当該予約希望番組の録画が可能になる旨をOSD表示する処理が実行される。更に、予約希望番組を低階層番組の録画として録画予約するか否かの問い合わせをOSD表示する処理が実行される。その後、利用者からの返答操作を受け付ける。
次に、ステップS2057において、上記問い合わせに対する利用者の返答内容が、低階層番組での録画予約を指示する内容であるか否かが判定される。当該判定の結果、低階
層番組での録画を指示していないときは(ステップS2057でNO)、そのまま録画予約処理は終了する。
一方、ステップS2057の判定の結果、低階層番組の録画への変更を指示する内容のときは(ステップS2057でYES)、次のステップS2058において、予約希望番組を低階層番組で録画するための録画予約がフラッシュメモリ2050に登録される。
一方、ステップS2055の判定の結果、重複する予約数が1以下ではないときは(ステップS2055でNO)、既に2つの非バルク番組の録画予約が登録されており、チューナに空きがない状態であると考えられる。そのため、この場合は、上記ステップS2043の処理に進み、予約希望番組の録画予約ができない旨をOSD表示する処理が実行される。以上で、第6の実施形態にかかる録画予約処理は終了する。
以上のように、第6の実施形態では、バルク番組を録画予約するときに、他のバルク番組の録画予約と重複しているときは、双方のバルク番組を低階層番組の録画予約することで、当該両バルク番組と同内容の番組の録画予約を可能としている。これにより、録画が一切できないという状態が発生することを防ぎ、利用者の利便性を高めることが可能となる。
なお、上述したデジタル放送システムでは、低階層番組はバルク伝送にかかる2つの物理チャンネルのうち一方だけで階層伝送を行っていたが、これに限らず、双方のチャンネルで低階層番組を階層伝送(つまり、低階層番組の2重化)するようにしてもよい。この場合は、階層伝送されている物理チャンネルを検索する処理を省くことができる。
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。まず、第7の実施形態の詳細を説明するに先立ち、第7実施形態、および、その後に説明する第8〜第9の実施形態で共通して想定しているデジタル放送システムにおける伝送の概要について説明する。本実施形態では、いわゆるハイビジョン規格の動画像コンテンツと、いわゆるスーパーハイビジョン規格の動画像コンテンツとを混在して放送するデジタル放送システムを想定している。例えば、あるチャンネルにおいて、午後8:00〜午後9:00まではハイビジョン規格の動画像コンテンツを放送し、午後9:00〜午後11:00まではスーパーハイビジョン規格の動画像コンテンツを放送するような場合である。ここで、ハイビジョン規格で構成された番組については、その情報量は1つの物理チャンネルで伝送可能な情報量であるものとする。一方、スーパーハイビジョン規格で構成された番組については、1つの物理チャンネルだけでは伝送できない情報量を有するものとする。そのため、ハイビジョン規格で構成されている番組を放送する場合は、1つの物理チャンネルで1つの番組を伝送するが、スーパーハイビジョン規格で構成された番組については、その放送データ(トランスポートストリーム)を2つに分割し、2つの物理チャンネルを用いて伝送する。図32は、本実施形態におけるスーパーハイビジョン規格で構成された番組の伝送の概念を示す模式図である。図32に示すように、本実施形態ではスーパーハイビジョン規格の番組の放送データ(トランスポートストリーム)3101を2つに分割し、2つの物理チャンネル3111および3112で伝送する。つまり、2つの物理チャンネルを束ねてスーパーハイビジョン規格の番組を伝送する。以下、このような1つの番組を2つの物理チャンネルを用いて伝送することをバルク伝送と呼ぶ。また、当該バルク伝送によって伝送される、上記スーパーハイビジョン規格で構成された番組をバルク番組と呼び、1つの物理チャンネルで伝送可能なハイビジョン規格で構成されている番組を非バルク番組と呼ぶ。そのため、上記のような時間帯を例に取ると、例えば、午後8:00〜午後9:00までは、例えば、1チャンネルと2チャンネルとではそれぞれ異なる内容の非バルク番組が表示されることになり、午後9:00〜午後11:00までは、両チャンネルとも同じ内容のバル
ク番組が表示されていることになる。つまり、いずれのチャンネルを選局しても、同じ番組が画面に表示される。
ここで、本実施形態では、上記バルク番組をバルク伝送する際に、伝送に用いられる2つの物理チャンネルのそれぞれについて階層伝送を行うようにしている。具体的には、送信側で、上記バルク番組と同内容のコンテンツをハイビジョン規格で生成する(以下、当該ハイビジョン規格のコンテンツを低階層番組と呼ぶ)。つまり、バルク番組と低階層番組とは、ハイビジョン規格で作成されたかスーパーハイビジョン規格で作成されたかの違いがあるだけで、その番組内容(放送される内容)は同じものである。そして、本実施形態では、変調方式として、バルク番組に関しては、32APSK(Amplitude Phase Shift Keying)を用い、当該低階層番組についてはQPSK(quadrature phase shift keying))を用いて変調する。低階層番組(ハイビジョン規格)は、バルク番組のものよりは情報量が少ないため、伝送するためのネットワーク帯域も少なくて済む。そして、本実施形態では、バルク伝送を行う各チャンネルについて、図32に示すように、バルク番組3101aと低階層番組3102a、および、バルク番組3101bと低階層番組3102bとの階層伝送を行っている(図32では、同じ内容の低階層番組を2つ作成して、それぞれ各チャンネルに含めるようにしている)。
また、上記バルク伝送に関しては、受信装置側(2つの物理チャンネルを同時に受信する必要があるため、少なくとも2つのチューナを備えていることが前提となる)においてバルク番組を再生するための情報、例えば、どの物理チャンネルとどの物理チャンネルの組み合わせでバルク番組が構成されるか等の情報(以下、バルク関連情報と呼ぶ)が必要となる。本実施形態では、当該バルク関連情報を、いわゆるTMCC信号(伝送パラメータ等を含む信号)に載せて送信するものとする。受信装置側では、いずれか1つのチューナで選局・受信した放送信号からTMCC信号を分離し、上記バルク関連情報を得る。そして、当該バルク関連情報に基づいて、これから送信されてくる番組がバルク番組であるか否かや、バルク番組の場合はどのチャンネルとの組み合わせで構成されているか等を判定し、選局・合成等を行う処理が実行されることになる(詳細は後述)。
図33は、本実施形態で用いられる上記バルク関連情報の一例を示す図である。バルク関連情報は、物理Ch番号3131と接続フラグ3132と接続対象Ch3133の集合から構成されている。バルク関連情報には、全ての物理チャンネルについての情報が含まれており、物理Ch番号3131は、各物理チャンネルの番号を示す。接続フラグ3132は、放送される番組がバルク番組か非バルク番組かを識別するためのフラグである。接続フラグ3132がオンに設定されているときは、その物理チャンネルで伝送される番組がバルク番組であることを示す。また、オフに設定されているときは、その物理チャンネルのみを使用して非バルク番組が放送されることを示す。
接続対象Ch3133は、その物理チャンネルで放送される番組がバルク番組である場合に、その物理チャンネルと共に当該バルク番組を構成している物理チャンネル番号を示すためのデータである。例えば、Wチューナを備える受信装置において、一方のチューナで物理チャンネル1(以下、単にCh1と表す。他の物理チャンネルについても同様とする)を選局して図33のようなバルク関連情報を取得した場合、Ch1で放送される番組がバルク番組であること、および、当該バルク番組はCh1とCh2とで構成されることがわかる。そのため、バルク番組を再生するためには、他方のチューナでCh2を選局する必要があることがわかる。
このように、本実施形態が想定するデジタル放送システムでは、バルク番組と非バルク番組とを混在して放送し、バルク番組については2つの物理チャンネルを使ってバルク伝送を行っている。また、受信装置はWチューナーを備えており、TMCC信号に含まれる
バルク関連情報に基づいてバルク番組/非バルク番組の判別や再生処理を行う。
次に、以上のようなデジタル放送システムにおいて、第7の実施形態で用いられる受信装置の構成について説明する。図34は、本発明の第7の実施形態に係る受信装置3030の構成を示した機能ブロック図である。図34において、受信装置3030は、アンテナ3031と、第1のチューナ3032と、第2のチューナ3033と、第1の復調部3034と、第2の復調部3035と、第1の主信号誤り訂正復号部3036と、第2の主信号誤り訂正復号部3037と、第1のTMCC復号部3038と、第2のTMCC復号部3039と、TMCC制御部3040と、TS合成・分離部3041と、第1のAVデコーダ3042と、第2のAVデコーダ3043と、第1の表示部3044と第2の表示部3045と、CPU3046と、リモコン処理部3047と、フラッシュメモリ3048と、リモコン3049とで構成される。
第1のチューナ3032および第2のチューナ3033は、CPU3046からの制御信号に基づいて所定の物理チャンネルを選局し、図示しない送信装置からの送信信号をアンテナ3031を介して受信する。
第1の復調部3034は、第1のチューナ3032から出力される送信信号をデジタル信号に復調し、第1の主信号誤り訂正復号部3036および第1のTMCC復号部3038に出力する。
第1の主信号誤り訂正復号部3036は、第1の復調部3034から出力されたデジタル信号に対して、誤り訂正の復号処理を実行し、トランスポートストリームを得る。そして、当該トランスポートストリームをTS合成・分離部3041に出力する。図35は、第1の主信号誤り訂正復号部3036の詳細を示すブロック図である。図35において、第1の主信号誤り訂正復号部3036では、第1の復調部3034から出力されたデジタル信号について、デインターリーブ部3361でデインタリーブが行われ、内符号誤り復号部3362における内符号の復号、エネルギー逆拡散部3363におけるエネルギー逆拡散を経て外符号誤り復号部3364による外符号の復号が行われ、トランスポートストリームとして出力される。
第1のTMCC復号部3038は、第1の復調部3034から出力されたデジタル信号(TMCC信号)からTMCC情報を復号して取得する。そして、当該TMCC情報をTMCC制御部3040に出力する。
第2の復調部3035、第2の主信号誤り訂正復号部3037、および、第2のTMCC復号部3039は、第2のチューナ3033から出力される送信信号に対して、上記第1の復調部3034、第1の主信号誤り訂正復号部3036、第1のTMCC復号部3038と同様の処理を行う。
TMCC制御部3040は、第1のTMCC復号部3038から出力されるTMCC情報(より正確には、TMCC情報から得られる各種伝送パラメータの情報等)に基づいて、第1の復調部3034および第1の主信号誤り訂正復号部3036を制御する。また、第2のTMCC復号部3039から出力されるTMCC情報に基づいて、第2の復調部3035および第2の主信号誤り訂正復号部3037を制御する。また、TMCC制御部3040は、取得したTMCC情報をCPU3046に出力する。
TS合成・分離部3041は、CPU3046からの制御信号に基づいて、以下のような処理を実行する。まず、TS合成・分離部3041は、上記バルク番組を再生する場合
は、第1の主信号誤り訂正復号部3036および第2の主信号誤り訂正復号部3037から出力されてくる両トランスポートストリームを合成することによって、送信側で2つに分割される前のトランスポートストリームを復元する。更に、TS合成・分離部3041は、当該合成後のトランスポートストリームから、上記バルク番組にかかるAVストリームを分離して取得する。そして、TS合成・分離部3041は、CPU3046からの制御信号に基づいて、バルク番組にかかるAVストリームを第1のAVデコーダ42または第2のAVデコーダ3043の少なくとも一方に出力する。また、上記低階層番組を再生する場合は、上述のようなTSの合成は行わずに、第1の主信号誤り訂正復号部3036および第2の主信号誤り訂正復号部3037のいずれかから出力されてくるトランスポートストリームから、低階層番組にかかるAVストリームを分離する。そして、TS合成・分離部3041は、CPU3046からの制御信号に基づいて、低階層番組にかかるAVストリームを第1のAVデコーダ3042または第2のAVデコーダ3043の少なくとも一方に出力する。
第1のAVデコーダ3042および第2のAVデコーダ3043は、CPU3046からの制御信号に基づいて、それぞれTS合成・分離部3041から出力されたAVストリームをデコードして映像・音声信号を取得する。そして、第1のAVデコーダ3042は、デコードの結果得られた映像・音声信号(典型的にはバルク番組、または第1のチューナ3032から得られた非バルク番組)を第1の表示部3044に出力する。また、第2のAVデコーダ3043は、デコードの結果得られた映像・音声信号(典型的には第2のチューナ3033から得られた非バルク番組)を第2の表示部3044に出力する。ここで、第1のAVデコーダ3042および第2のAVデコーダ3043は、少なくとも、上記バルク番組の高階層AVストリーム、低階層番組の低階層AVストリームのエンコード形式に対応するデコード形式でデコード処理が可能である。例えば、高階層AVストリームのときはH.264方式でのデコード、低階層AVストリームのときは、MPEG2方式でのデコードが可能である。そして、第1のAVデコーダ3042および第2のAVデコーダ3043は、CPU3046からの制御信号に基づき、これらのデコード方式を切り替えてデコード処理を実行する。
第1の表示部3044および第2の表示部3045は、いわゆる2画面表示における各画面に相当するものである。第1の表示部3044は、第1のAVデコーダ3042から出力された映像・音声信号に基づいて映像・音声を利用者に提示する。第2の表示部3045は、第2のAVデコーダ3043から出力された映像・音声信号に基づいて映像・音声を利用者に提示する。
CPU3046は、図36を用いて後述するフローチャートに示すような処理を行い、上記第1のチューナ3032、第2のチューナ3033、TS合成・分離部3041、第1のAVデコーダ3042、第2のAVデコーダ3043等を制御して、上記動画像コンテンツを利用者が視聴できるようにするための処理を実行する。
リモコン処理部3047は、リモコン3049からの操作信号を受信し、操作指示内容を示す信号をCPU3046に出力する。
フラッシュメモリ3048には、CPU3046が各種制御に用いるためのデータ等が記憶される。
次に、以上のような受信装置3030で実行される選局再生処理の処理概要を説明する。本実施形態の受信装置では、例えば利用者によって、リモコン3049のチャンネルアップダウンボタンが押されたとき等の選局操作が行われたときに、以下のような処理が実行される。まず、第1のチューナ3032で、利用者の指示した物理チャンネルが選局さ
れる。次に、受信した放送信号からTMCC信号と分離し、上述したようなバルク関連情報を取得する。次に、当該バルク関連情報(図33参照)を参照し、第1のチューナで選局したチャンネルで放送される番組がバルク番組か非バルク番組かを判定する。そして、非バルク番組のときは、上記バルク関連情報を参照し、他のチャンネルでバルク番組が放送されていないかどうかを調べる。その結果、他のチャンネルでバルク番組が放送されていれば、その物理チャンネルを第2のチューナで選局しておくという処理を行う。つまり、非バルク番組を視聴する場合はチューナは1つしか使わないため、使わないほうのチューナで他のバルク番組のチャンネルを先に選局しておくという処理を行うものである。このような処理を行っておくことで、例えば、後に第1のチューナ3032で当該バルク番組のチャンネルが選局された際に、第2のチューナ3033は既に選局済みの状態であるため、速やかにバルク番組の再生にかかる処理(トランスポートストリームの合成やデコード処理等)を進めることができる。その結果、利用者による選局操作が行われてから実際に画面に番組の映像が表示されるまでの時間を短縮することが可能となる。
以下、図36を用いて、受信装置3030で実行される選局再生処理の詳細動作を説明する。なお、図36は、利用者がリモコン3049等で選局操作を行ったときに受信装置3030によって実行される選局再生処理を示すフローチャートである。
図36において、まず、ステップS3001において、リモコン3049からの選局情報が取得される。すなわち、CPU3046は、リモコン処理部3047を介して、利用者の選局操作内容を示す情報を取得する。次に、ステップS3002において、当該選局情報に基づき、第1のチューナ3032で選局処理が実行される。より具体的には、CPU3046は、利用者の選局した物理チャンネルを選局させるための制御信号を第1のチューナ3032に出力する。これに応じて、第1のチューナ3032は、利用者が指示した物理チャンネルを選局する。
次に、ステップS3003において、TMCC情報の取得、および、全物理チャンネルについての接続フラグ3132を調べる処理が実行される。より具体的には、第1のチューナ3032で選局した物理チャンネルの受信信号からTMCC信号が分離され、第1のTMCC復号部3038に入力される。第1のTMCC復号部3038においてTMCC情報が復号され、TMCC制御部3040に出力される。TMCC制御部3040は、TMCC情報からバルク関連情報(図33参照)を抽出し、CPU3046に出力する。CPU3046は、当該バルク関連情報に含まれている全物理チャンネルの接続フラグ3132を参照し、接続フラグがオンに設定されている物理Ch番号3131を取得する。
次に、ステップS3004において、上記ステップS3002で選局された物理チャンネルがバルク番組が放送されるチャンネルであるか否かが判定される。すなわち、CPU3046は、上記ステップS3003で取得した物理Ch番号3131にステップS3002で選局された物理チャンネル番号が含まれているか否かを判定する。当該判定の結果、上記ステップS3002で選局された物理チャンネルでは、バルク番組が放送されない、すなわち、非バルク番組が放送されるときは(ステップS3004でNO)、続くステップS3005において、ステップS3003で取得した物理Ch番号3131が参照され、他の物理チャンネルでバルク番組が放送されているか否かが判定される。当該判定の結果、他の物理チャンネルでもバルク番組は放送されていない、すなわち、上記選局操作を行った時間帯にはバルク番組が放送されていないような場合は(ステップS3005でNO)、後述するステップS3007の処理に進む。
一方、他の物理チャンネルでバルク番組が放送されているときは(ステップS3005でYES)、続くステップS3006において、第2のチューナ3033が開放されているか否かが判定される。ここで、「開放されていない」状態とは、例えば2画面表示や裏
番組の録画等が行われており、第2のチューナが現在使用中であるような状態のことを言い、「開放されている」状態は、第2のチューナ3033が現在使用されていない状態のことを言う。当該判定の結果、第2のチューナ3033が開放されていないときは(ステップS3006でNO)、ステップS3008において、第2のチューナ3033の現在の選局状態を維持する。その後、処理が後述のステップS3009に進められる。
一方、第2のチューナ3033が開放されているときは(ステップS3006でYES)、ステップS3007において、バルク番組が放送されている他の物理チャンネルを第2のチューナ3033で選局する。このとき、複数のバルク番組が放送されているときは、第1のチューナ3032で選局している物理チャンネルに最も近いバルク番組の物理チャンネルを第2のチューナ3033で選局する(差が付けられない場合は、ランダムに一方を選択する)。ここで、当該バルク番組の伝送には2つの物理チャンネルが利用されているが、本実施形態では、この2つの物理チャンネルのうち、第1のチューナ3032で選局している物理チャンネルから遠い方の周波数のチャンネルを選局する(ここでは、周波数は、1ch<2ch・・・<4ch・・・<9ch・・・の関係であるとする)。例えば、第1のチューナ3032で4chを選局し、同時間帯に1chおよび2chを利用してバルク番組が放送されているとする。このような場合は、1chを第2のチューナ3033で選局する。また、同様に第1のチューナ3032で4chを選局し、同時間帯に8chおよび9chを利用してバルク番組が放送されている場合は、9chを第2のチューナ3033で選局する。これは、リモコンのチャンネルアップダウンボタンでの操作(つまり、チャンネル番号が順次/逆次で指定される操作)を想定したものである。すなわち、4chからチャンネルアップの操作が行われた場合、4ch→5ch→6ch・・・と切り替わり、8chが先に選局されることになる。このような場合に、8chが選局された時点で、既に9chは選局済みであるという状態にするために、上記のように、2つの物理チャンネルのうち、第1のチューナ3032で選局している物理チャンネルから遠い方の物理チャンネルを選局するようにしている。
なお、当該ステップS3007による第2のチューナ3033による選局の結果、その後に上記ステップS3006の判定が行われたときは、第2のチューナ3033は「開放されていない」と判定されることになる。その結果、上記4ch→5ch〜8chが選局されるまでの各操作においては、第2のチューナ3033による9chの選局が維持されている状態となる。
ステップS3007の処理の次に、ステップS3009において、第1のチューナ3032で選局した物理チャンネルで放送されている非バルク番組の再生のための処理が開始される。より具体的には、TMCC制御部3040は、上記TMCC情報から伝送パラメータ等を取得する。そして、TMCC制御部3040は、当該伝送パラメータに基づいた復調処理を実行させるための制御信号を第1の復調部3034に出力する。これに応じて、第1の復調部3034は、主信号(番組のデータが含まれている信号)の復調を開始する。復調された主信号は、第1の主信号誤り訂正復号部3036に出力される。そして、第1の主信号誤り訂正復号部3036において誤り訂正処理が行われることによって得られたトランスポートストリームがTS合成・分離部3041に出力される。TS合成・分離部3041では、CPU3046からの制御信号に基づいて、当該トランスポートストリームからAVストリームを分離し、第1のAVデコーダ3042へ出力する処理が開始される。更に、第1のAVデコーダ3042は、CPU3046からの制御信号に基づいて、当該AVストリームのデコード処理を開始し、デコード結果である映像・音声信号を第1の表示部3044に出力する処理を開始する。以上のような処理が実行されることで、非バルク番組が画面に表示される。
一方、上記ステップS3004の判定の結果、バルク番組が放送される物理チャンネル
が選局されたときは(ステップS3004でYES)、ステップS3010において、上記バルク関連情報を参照して、接続対象Ch3133で示される物理チャンネルを第2のチューナ3033で選局する。但し、上記のように、事前に非バルク番組の物理チャンネルが選局されたことにより、先行して接続対象chが選局されていた場合は、このステップS3010の処理はスキップされる。これにより、第2のチューナ3033での選局にかかる処理を省略することが可能となる。換言すれば、最初に行われた選局操作でバルク番組の物理チャンネルが選局された場合は、本ステップが実行されることになる。
次に、ステップS3011において、バルク番組を再生するための処理が実行される。具体的には、第1のチューナ3032経由で得られたトランスポートストリームと第2のチューナ3033経由で得られたトランスポートストリームがそれぞれTS合成・分離部3041に出力され、両トランスポートストリームを合成する処理が開始される。そして、合成されたトランスポートストリームからバルク番組にかかるAVストリームと低階層番組にかかるAVストリームが分離され、バルク番組にかかるAVストリームが第1のAVデコーダ3042に出力される。第1のAVデコーダ3042は、当該バルク番組にかかるAVストリームをデコードし、映像・音声信号を第1の表示部3044に出力する処理を開始する。これにより、バルク番組が画面に表示されることになる。
以上のように、本実施形態では、第1のチューナ3032で非バルク番組を選局した際に、第2のチューナ3033を用いて、他の物理チャンネルで放送されているバルク番組にかかる物理チャンネルを選局しておく。このようにあらかじめバルク番組にかかる物理チャンネルを選局しておくことにより、その後、当該バルク番組の物理チャンネルが第1のチューナ3032で選局されたとき、第2のチューナ3033での選局処理を省略することができる。その結果、視聴者がバルク番組の物理チャンネルを選局してから実際にバルク番組が画面に表示されるまでにかかる時間を短縮することができ、視聴者にとって利便性の高いデジタル放送受信装置を提供することができる。
なお、上記実施形態では、非バルク番組の例としてハイビジョン規格の動画像コンテンツを例としたが、非バルク番組は、SD(Standard Definition)規格の動画像コンテンツであっても良い。また、上記低階層番組についても同様に、SD規格の動画像コンテンツとしてもよい。
また、上記ステップS3007の処理に関して、上記の実施形態では、リモコン3049のチャンネルアップダウンボタンでの操作を想定し、第1のチューナ3032で選局している物理チャンネルに最も近いバルク番組のチャンネルを第2のチューナ3033で選局するようにしていた。これに限らず、第2のチューナ3033で選局する物理チャンネルを次のようにして決定するようにしてもよい。まず、受信装置3030において、各チャンネルの視聴履歴をフラッシュメモリ3048に記録しておくようにする。また、利用者の選局操作についての操作履歴もフラッシュメモリ3048に記録しておくようにする。具体的には、リモコン3049のチャンネルアップダウンによる選局操作の回数と、数字キーの押下による選局操作の回数を示す情報をフラッシュメモリに記録しておくようにする。
そして、上記ステップS3007の処理において、フラッシュメモリ3048の操作履歴を参照し、選局操作として、チャンネルアップダウンボタンによる選局操作の回数が多いか、数字キーの押下による選局、いわゆるダイレクト選局による操作の回数が多いかを判定する。その結果、チャンネルアップダウンによる選局操作の回数のほうが多い場合は、上述したような処理が実行されるように構成する。一方、ダイレクト選局による選局操作の回数が多い場合は、次に、フラッシュメモリ3048の視聴履歴を参照する。そして、上記ステップS3003の処理の結果検出された、バルク番組を放送している物理チャ
ンネルの中で、利用者が最も良く視聴していた物理チャンネルを検索し、選局するようにしてもよい。
(第8の実施形態)
次に、図37から図38を参照して、本発明の第8の実施形態について説明する。上述の第7の実施形態では、非バルク番組の選局時に、第2のチューナ3033による先行選局を行うことで、バルク番組のチャンネル選局時の画面表示までの時間を短縮していた。これに対して、第8の実施形態では、バルク番組選局操作時に、バルク番組に階層伝送されてくる上記低階層番組を先に画面に出力する処理を行う。これは、低階層番組については片方のチャンネルが受信できていれば再生可能であること、および、情報量が少ない分、処理速度も速く、上記のように番組内容については同じものであることから、先に低階層番組を画面に出すことで、選局操作から画面出力までの時間を短縮するためである。
図37は、本発明の第8の実施形態に係る受信装置3050の構成を示したブロック図である。当該実施形態に係る受信装置3050は、上述した第7の実施形態で図34を用いて説明した受信装置3030の機能構成に第1のOSD作成・合成部3051および第2のOSD作成・合成部3052を加えたものに相当し、他の構成部は、第7の実施形態と同様である。従って、第1のOSD作成・合成部3051および第2のOSD作成・合成部3052以外の構成部については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
図37において、第1のOSD作成・合成部3051は、第1のAVデコーダ3042が第1の表示部3044に出力した画面の上に重ねて表示するための画面(以下、OSD表示と呼ぶ)を生成する。そして、第1のOSD作成・合成部3051は、第1のAVデコーダ3042からの出力と当該OSD表示を合成して第1の表示部3044に出力する。また、第2のOSD作成・合成部3052は、第2のAVデコーダ3043が第2の表示部3045に出力した画面の上に重ねて表示するためのOSD表示を生成し、第2のAVデコーダ3043からの出力と合成して第2の表示部3045に出力する。
次に、第8の実施形態における受信装置3050の処理について説明する。図38は、第8の実施形態にかかる受信装置3050で実行される選局再生処理の詳細を示すフローチャートである。図38において、まず、ステップS3021において、リモコン3049からの選局情報が取得される。すなわち、CPU3046は、リモコン処理部3047を介して、利用者の選局操作内容を示す情報を取得する。
次に、ステップS3022において、当該選局情報に基づき、第1のチューナ3032で選局処理が実行される。より具体的には、CPU3046は、利用者の選局したチャンネルを選局させるための制御信号を第1のチューナ3032に出力する。これに応じて、第1のチューナ3032は、利用者が指示したチャンネルを選局する。
次に、ステップS3023において、TMCC信号からバルク関連情報が取得される。そして、当該バルク関連情報に含まれている全物理チャンネルの接続フラグ3132が参照され、接続フラグがオンに設定されている物理Ch番号3131が取得される。
次に、ステップS3024において、上記ステップS3022で選局された物理チャンネルがバルク番組の放送される物理チャンネルであるか否かが判定される。当該判定の結果、非バルク番組が放送される物理チャンネルであるときは(ステップS3024でNO)、上記第7の実施形態で説明したステップS3009と同様の処理が実行されることで非バルク番組の再生処理が開始される。
一方、バルク番組が放送される物理チャンネルであるときは(ステップS3024でY
ES)、続くステップS3025において、上記低階層番組を再生するための処理が開始される。すなわち、第1のチューナ3032経由で得られたトランスポートストリームがTS合成・分離部3041に出力され、低階層番組にかかるAVストリームが分離されて、第1のAVデコーダ3042に出力される。第1のAVデコーダ3042は、低階層番組にかかるAVストリームをデコードし、低階層番組の映像・音声信号を第1の表示部3044に出力する処理を開始する。その結果、低階層番組が画面に表示されることになる。
次に、ステップS3026において、OSD表示を生成し、第1の表示部3044に出力する処理が実行される。ここで、当該OSD表示の内容は、利用者に対して、画面表示をスーパーハイビジョン映像(SHV)に切り替えるか否かを問い合わせるための表示である。例えば、「スーパーハイビジョン映像に切り替えますか?」のようなメッセージである。CPU3046は、このようなOSD表示を生成させ、第1の表示部3044の画面に合成して表示させるための制御信号を第1のOSD作成・合成部3051に出力する。そして、CPU3046は、利用者からの返答操作の受付を行う。
次に、ステップS3027において、ステップS3026で表示した問い合わせに対する利用者の返答内容の判定が行われる。当該判定の結果、スーパーハイビジョン映像への切替を希望しない旨の返答内容のときは(ステップS3027でNO)、そのまま処理は終了する。その結果、第1の表示部3044には、低階層番組が出力され続けることになる。
一方、スーパーハイビジョン映像への切替を希望する旨の返答内容であれば(ステップS3027でYES)、続くステップS3028において、第2のチューナ3033で接続対象チャンネルを選局するための処理が実行される。続くステップS3029において、第7の実施形態で説明したステップS3011と同様の処理が実行され、バルク番組を再生するための処理が開始される。その結果、第1の表示部3044には、バルク番組が表示されることになる。以上で、第8の実施形態にかかる受信再生処理は終了する。
以上のように、第8の実施形態では、バルク番組を放送している物理チャンネルが選局されたとき、バルク番組の表示を行う前に、低階層番組を先行して表示するようにしている。これにより、利用者が選局操作を行ってから、実際に画面に番組が表示されるまでにかかる時間を短縮することができる。
なお、上記第8の実施形態では、図38のステップS3028における第2のチューナ3033での選局処理を上記OSD表示によるメッセージに対する返答を受けてから行うようにしていたが、これに限らず、OSD表示を行う前(図38のステップS3025の次のタイミング)あるいはOSD表示のメッセージに対する返答操作を受け付ける前(図38のステップS26の次のタイミング)に第2のチューナ3033での選局処理を行っておくようにしてもよい。これにより、利用者がスーパーハイビジョン映像への切替を指示した後に実際にバルク番組が表示されるまでの時間を短縮することができる。
(第9の実施形態)
次に、図39から図40を参照して、本発明の第9の実施形態について説明する。上述の第7の実施形態では、非バルク番組の選局時に、第2のチューナ3033による先行選局を行うことで、バルク番組の物理チャンネル選局時の画面表示までの時間を短縮していた。これに対して、第9の実施形態では、非バルク番組の選局時に、EPGを参照し、今後放送予定の番組にバルク番組があるか否かを判定する。そして、バルク番組が放送予定であれば、そのバルク番組の物理チャンネルを選局しておくという処理を行う。そのため、何らかの形でEPGが受信装置に送信されている必要があるが、本実施形態では、送信
装置から送信される放送信号にEPGが含まれているものとする。これにより、後にバルク番組が選局されたときに、第7の実施形態と同様に、第2のチューナ3033にかかる選局動作を省略することができ、利用者の選局指示から実際に映像が表示されるまでの時間をより短縮することが可能となる。
図39は、本発明の第9の実施形態に係る受信装置3060の構成を示したブロック図である。当該実施形態に係る受信装置3060は、上述した第7の実施形態で図34を用いて説明した受信装置3030の機能構成にEPG情報取得部3061を加えたものに相当し、他の構成部は、第7の実施形態と同様である。従って、EPG情報取得部3061以外の構成部については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
図39において、TS合成・分離部3041はEPG情報取得部3061を含んでいる。EPG情報取得部3061は、第1の主信号誤り訂正復号部3036から出力されるトランスポートストリームからEPGにかかるデータを分離して取得する。また、CPU3046からの制御信号に基づいて、当該EPGから所定の条件に合致する番組を検索し、検索結果をCPU3046に出力する。ここで、当該EPGには、各番組の放送時間や放送内容に関するデータの他に、各番組が上記バルク番組であるか否かを示す情報およびバルク番組を構成する物理チャンネルを示す情報が含まれている。そのため、EPG情報取得部3061は、CPU3046からの制御信号に応じて、所定時間以内に放送予定のバルク番組およびその構成チャンネルをEPGから検索することが可能に構成されている。なお、EPG情報取得部3061は、例えばインターネットからEPGを取得するよう構成されていても良い。
次に、第9の実施形態における受信装置3060の処理について説明する。図40は、第9の実施形態にかかる受信装置3060で実行される選局再生処理の詳細を示すフローチャートである。ここで、当該フローチャートの処理は、利用者の選局操作の結果、非バルク番組のチャンネルが選局された場合を前提として説明する。
図40において、まず、ステップS3041において、リモコン3049からの選局情報が取得される。すなわち、CPU3046は、リモコン処理部3047を介して、利用者の選局操作内容を示す情報を取得する。
次に、ステップS3042において、当該選局情報に基づき、第1のチューナ3032で選局処理が実行される。より具体的には、CPU3046は、利用者の選局したチャンネルを選局させるための制御信号を第1のチューナ3032に出力する。これに応じて、第1のチューナ3032は、利用者が指示した物理チャンネルを選局する。ここでは、上記のように非バルク番組が放送されている物理チャンネルが選局されるものとする。
その後、上記第7の実施形態で説明したような、非バルク番組を再生するための各種処理が実行され、選局された物理チャンネルの非バルク番組の再生が開始される。
次に、ステップS3043において、EPGが取得される。すなわち、CPU3046は、EPG情報取得部3061にEPGを取得させるための制御信号を出力する。これに応じて、EPG情報取得部3061は、第1の主信号誤り訂正復号部3036から出力されるトランスポートストリームから当該EPGを取得する。
次に、ステップS3044において、現在時刻から所定の時間以内に放送予定のバルク番組が存在するか否かが判定される。具体的には、CPU3046は、検索条件として、「現在時刻から1時間以内」、「バルク番組」という検索条件を指定した検索指示の制御信号をEPG情報取得部3061に出力する。これに応じて、EPG情報取得部3061
は上記取得したEPGから当該条件に合致する番組を全ての物理チャンネルを対象として検索する。検索の結果、当該条件に合致するバルク番組が存在しないときは(ステップS3044でNO)、上記ステップS3043に戻り処理を繰り返す。
なお、上記検索対象とする時間はあくまで一例であり、「現在時刻から2時間以内」等のようにしてもよいことは言うまでもない。
一方、当該条件に合致するバルク番組が存在すれば(ステップS3044でYES)、当該バルク番組を構成する物理チャンネル番号を取得し、CPU3046に出力する。続くステップS3045において、上記放送予定のバルク番組を構成する2つの物理チャンネルのうち、いずれか一方のチャンネルを第2のチューナ3033で選局させる処理が実行される。バルク番組を構成する2つの物理チャンネルのうち、いずれのチャンネルを選択するかについては、上記第1の実施形態で説明したような手法で決定すればよい。
次に、ステップS3046において、上記放送予定のバルク番組の放送時間帯において、上記ステップS3045において第2のチューナ3033で選局されなかったほうの物理チャンネルが第1のチューナ3032で選局されたか否かが判定される。当該判定の結果、選局されていないときは、第2のチューナ3033で選局されなかったほうの物理チャンネルが第1のチューナ3032で選局されるまで、当該ステップS3046の処理を繰り返す。
一方、第2のチューナ3033で選局されなかったほうの物理チャンネルが第1のチューナ3032で選局されたときは(ステップS3046でYES)、続くステップS3047において、選局された物理チャンネルのバルク番組を再生するための処理が開始される。2つの物理チャンネル選局後におけるバルク番組再生のための処理は、第7の実施形態を同様であるため、説明は省略する。以上で、第9の実施形態にかかる選局再生処理は終了する。
以上のように、第9の実施形態では、EPGを利用して放送予定のバルク番組を検索しておき、放送予定のバルク番組のチャンネルの一方を第2のチューナ3033で先行して選局する。これにより、利用者の選局操作に基づいて第1のチューナ3032でバルク番組にかかる物理チャンネルが選局された際に、第2のチューナ3033による選局処理を省略することができる。その結果、利用者の選局操作が行われてからバルク番組にかかる映像・音声が実際に出力されるまでの待ち時間を短縮することが可能となる。
なお、上記ステップS3044におけるEPGからのバルク番組の検索条件については、全てのチャンネルを検索対象とすることに限らず、上記ステップS3042において第1のチューナ3032で選局された物理チャンネルのみを検索対象とするようにしてもよい。これにより、検索速度を速めることができる。
(第10の実施形態)
次に、本発明の第10の実施形態について説明する。まず、第10の実施形態の詳細を説明するに先立ち、第10の実施形態、及び、その後に説明する第11、第12の実施形態で共通して想定しているデジタル放送システムにおける伝送の概要について説明する。本実施形態では、いわゆるハイビジョン規格の動画像コンテンツと、いわゆるスーパーハイビジョン規格の動画像コンテンツとを混在して放送するデジタル放送システムを想定している。例えば、あるチャンネルにおいて、午後7:00〜午後8:00まではハイビジョン規格の動画像コンテンツを放送し、午後8:00〜午後10:00まではスーパーハイビジョン規格の動画像コンテンツを放送するような場合を想定している。ここで、ハイビジョン規格で構成された番組については、その情報量は1つの物理チャンネルで伝送可
能な情報量であるものとする。一方、スーパーハイビジョン規格で構成された番組については、1つの物理チャンネルだけでは伝送できない情報量を有するものとする。そのため、ハイビジョン規格で構成されている番組を放送する場合は、1つの物理チャンネルで1つの番組を伝送するが、スーパーハイビジョン規格で構成された番組については、図41に示すように、その放送データ(トランスポートストリーム)4101を2つに分割し、2つの物理チャンネル4111および4112で伝送する。以下、このような1つの番組を2つの物理チャンネルを用いて伝送する(つまり、2つの物理チャンネルを束ねて1本の伝送路として使う)ことをバルク伝送と呼ぶ。また、当該バルク伝送によって伝送される、上記スーパーハイビジョン規格で構成された番組をバルク番組と呼び、1つの物理チャンネルで伝送可能なハイビジョン規格で構成されている番組を非バルク番組と呼ぶ。そのため、上記の時間帯を例に取ると、例えば、午後7:00〜午後8:00までは、物理チャンネル1と物理チャンネル2(以下、単にCh1、Ch2・・のように呼ぶ)とではそれぞれ異なる内容の非バルク番組が表示されることになり、午後8:00〜午後10:00までは、両チャンネルとも同じ内容のバルク番組が表示されていることになる。つまり、いずれのチャンネルを選局しても、同じ番組が画面に表示される。
ここで、本実施形態では、上記バルク番組をバルク伝送する際に、伝送に用いられる2つの物理チャンネルのうち、一方のチャンネルについて階層伝送を行うようにしている。具体的には、送信側で、上記バルク番組と同内容のコンテンツをハイビジョン規格で生成する(以下、当該ハイビジョン規格のコンテンツを低階層番組と呼ぶ)。つまり、バルク番組と低階層番組とは、ハイビジョン規格で作成されたかスーパーハイビジョン規格で作成されたかの違いがあるだけで、その番組内容(放送される内容)は同じものである。そして、本実施形態では、変調方式として、バルク番組に関しては、32APSK(Amplitude Phase Shift Keying)を用い、当該低階層番組についてはQPSK(quadrature phase shift keying)を用いて変調する。低階層番組(ハイビジョン規格)は、バルク番組のものよりは情報量が少ないため、伝送するためのネットワーク帯域も少なくて済む。そして、本実施形態では、図41に示すように、バルク伝送を行うチャンネルのうち一方のチャンネルについてはバルク番組4101aと低階層番組4102との階層伝送を行っている。なお、上記非バルク番組や低階層番組の映像規格については、ハイビジョン映像に限らずSD(Standard Definition)映像であってもよい。
図42は、上記のような放送を行うための送信側の設備(送信装置)の一例を示す機能ブロック図である。図42に示す送信装置は、SHV符号化部4011と低階層符号化部4012と合成部4013と、分配部4014と、HV符号化部4015aおよび4015bと、切替スイッチ部4016aおよび4016bと、変調部4017aおよび4017bと、送信アンテナ4018とで構成されている。
図42において、まず、スーパーハイビジョン映像の番組が送信される場合について説明する。この場合、切替スイッチ部4016aおよび4016bのスイッチは、変調部4017aおよび4017bが分配部4014と接続されるように設定される。このようにスイッチが設定された状態で、スーパーハイビジョン映像の番組がSHV符号化部4011に出力され、所定の符号化形式で符号化(エンコード)されて上記バルク番組4101として合成部4013に出力される。また、当該スーパーハイビジョン映像の番組は、低階層符号化部4012にも出力され、所定の符号化形式で符号化され(ここでは、ハイビジョン規格相当の画質になるよう符号化されるものとする)、上記低階層番組4102として合成部4013に出力される。合成部4013では、バルク番組4101と低階層番組4102を多重化したトランスポートストリームを生成し、分配部4014に出力する。分配部4014では、当該トランスポートストリームを所定の規則に基づいて切替スイッチ部4016aおよび4016bという2つの出力先に分配する(このとき、低階層番組4102にかかるデータは切替スイッチ部4016aおよび4016bのいずれか一方
の経路にのみ出力される)。出力されたデータは、それぞれ変調部4017aおよび4017bに入力され、所定の方式で放送信号に変調される。そして、それぞれ異なる物理チャンネルを用いて、送信アンテナ4018から出力される。その結果、図41を例に取ると、一方の物理チャンネルでは上記低階層番組4102と上記分割されたバルク番組4101aが階層伝送され、他方の物理チャンネルでは、上記分割された残りの分のバルク番組4101bのみが伝送されることになる。
次に、上記非バルク番組を送信する場合を説明する。この場合は、それぞれ異なる内容の2つの非バルク番組が異なるチャンネルでそれぞれ送信される。切替スイッチ部4016aおよび4016bについては、変調部4017aがHV符号化部4015aと接続され、変調部4017bがHV符号化部4015bと接続されるように切替えられる。そして、ハイビジョン映像の番組であるハイビジョン番組AがHV符号化部4015aに入力され、所定の符号化形式で符号化される。また、ハイビジョン番組Aとは異なる内容であるハイビジョン番組BがHV符号化部4015bに入力され、所定の符号化形式で符号化される。そして、符号化されたハイビジョン番組AがHV符号化部4015aから変調部4017aへと出力され、放送信号に変調される。同様に、符号化されたハイビジョン番組BがHV符号化部4015bから変調部4017bへと出力され、放送信号に変調される。そして、それぞれ異なるチャンネルを使って送信アンテナ4018から送信される。このように、本実施形態では、バルク番組と非バルク番組の出力を適宜切替ながらデジタル放送を行っている。
ここで、上記バルク伝送に関して、受信装置側(2つの物理チャンネルを同時に受信する必要があるため、少なくとも2つのチューナを備えている)においては、バルク番組を再生するための情報、例えば、どの物理チャンネルとどの物理チャンネルの組み合わせでバルク番組が構成されるか等の情報(以下、バルク関連情報と呼ぶ)が必要となる。本実施形態では、当該バルク関連情報を、いわゆるTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号(伝送パラメータ等を含む信号)に載せて送信するものとする。受信装置側では、いずれか1つのチューナで選局・受信した放送信号からTMCC信号を分離し、上記バルク関連情報を得る。そして、当該バルク関連情報に基づいて、これから送信されてくる番組がバルク番組であるか否かや、バルク番組の場合はどのチャンネルとの組み合わせで構成されているか等を判定し、選局・合成等を行う処理が実行されることになる。
図43は、本実施形態で用いられる上記バルク関連情報の一例を示す図である。バルク関連情報は、物理Ch番号4131と接続フラグ4132と接続対象Ch4133の集合から構成されている。バルク関連情報には、全ての物理チャンネルについての情報が含まれており、物理Ch番号4131は、物理チャンネルの番号を示す。接続フラグ4132は、放送される番組がバルク番組か非バルク番組かを識別するためのフラグである。接続フラグ4132がオンに設定されているときは、その物理チャンネルで伝送される番組がバルク番組であることを示す。また、オフに設定されているときは、その物理チャンネルのみを使用して非バルク番組が放送されることを示す。
接続対象Ch4133は、その物理チャンネルで放送される番組がバルク番組である場合に、その物理チャンネルと共に当該バルク番組を構成している物理チャンネル番号を示すためのデータである。図43の例では、例えばWチューナ構成の受信装置において、一方のチューナでCh1を選局して図43のようなバルク関連情報を取得した場合、Ch1で放送される番組がバルク番組であること、および、当該バルク番組はCh1とCh2とで構成されることがわかる。そのため、バルク番組を再生するためには、他方のチューナでCh2を選局する必要があることがわかる。
このように、本実施形態が想定するデジタル放送システムでは、バルク番組と非バルク番組とを混在して放送し、バルク番組については2つの物理チャンネルを使ってバルク伝送を行っている。以下に説明する各実施形態における受信装置は、上記の様に送信されるデジタル放送を受信するためのものである。
次に、本発明の第10の実施形態にかかる受信装置について説明する。図44は、第10の実施形態にかかる受信装置4030の一例を示す機能ブロック図である。図44において、受信装置4030は、アンテナ4031と、第1のチューナ4032と、第2のチューナ4033と、第1の復調部4034と、第2の復調部4035と、第1の主信号誤り訂正復号部4036と、第2の主信号誤り訂正復号部4037と、第1のTMCC復号部4038と、第2のTMCC復号部4039と、TMCC制御部4040と、TS合成・分離部4041と、第1のAVデコーダ4042と、第2のAVデコーダ4043と、第1のOSD作成・合成部4044と、第2のOSD作成・合成部4045と、第1の表示部4046と第2の表示部4047と、CPU4048と、リモコン処理部4049と、フラッシュメモリ4050と、リモコン4051とで構成される。
第1のチューナ4032および第2のチューナ4033は、CPU4048からの制御信号に基づいて所定の物理チャンネルを選局し、デジタル放送信号をアンテナ4031を介して受信する。
第1の復調部4034は、第1のチューナ4032から出力される送信信号をデジタル信号に復調し、第1の主信号誤り訂正復号部4036および第1のTMCC復号部4038に出力する。
第1の主信号誤り訂正復号部4036は、第1の復調部4034から出力されたデジタル信号に対して誤り訂正復号処理を実行し、トランスポートストリームを得る。そして、当該トランスポートストリームをTS合成・分離部4041に出力する。図45は、第1の主信号誤り訂正復号部4036の詳細を示すブロック図である。図45において、第1の主信号誤り訂正復号部4036では、第1の復調部4034から出力されたデジタル信号について、デインターリーブ部4361でデインターリーブが行われ、内符号誤り復号部4362における内符号の復号、エネルギー逆拡散部4363におけるエネルギー逆拡散を経て外符号誤り復号部4364による外符号の復号が行われ、トランスポートストリームとして出力される。
第1のTMCC復号部4038は、第1の復調部4034から出力されたデジタル信号(TMCC信号)からTMCC情報を復号して取得する。そして、当該TMCC情報をTMCC制御部4040に出力する。
第2の復調部4035、第2の主信号誤り訂正復号部4037、および、第2のTMCC復号部4039は、第2のチューナ4033から出力される送信信号に対して、上記第1の復調部4034、第1の主信号誤り訂正復号部4036、第1のTMCC復号部4038と同様の処理を行う。
TMCC制御部4040は、第1のTMCC復号部4038から出力されるTMCC情報(より正確には、TMCC情報から得られる各種伝送パラメータの情報等)に基づいて、第1の復調部4034および第1の主信号誤り訂正復号部4036を制御する。また、第2のTMCC復号部4039から出力されるTMCC情報に基づいて、第2の復調部4035および第2の主信号誤り訂正復号部4037を制御する。また、TMCC制御部4040は、取得したTMCC情報をCPU4048に出力する。
TS合成・分離部4041は、CPU4048からの制御信号に基づいて、以下のような2種類の処理モードを切り替えて実行する。まず、1つめの処理モードとして、バルク番組を再生するための処理を実行する。この場合は、TS合成・分離部4041は、第1の主信号誤り訂正復号部4036および第2の主信号誤り訂正復号部4037から出力されてくる両トランスポートストリームを合成することによって、送信側で2つに分割される前のトランスポートストリームを復元する。更に、TS合成・分離部4041は、当該合成後のトランスポートストリームから、上記バルク番組にかかるAVストリームと上記低階層番組にかかるAVストリームとを分離して取得する。そして、TS合成・分離部4041は、CPU4048からの制御信号に基づいて、バルク番組にかかるAVストリーム、または、低階層番組にかかるAVストリームを第1のAVデコーダ4042に出力する。次に、2つめの処理モードとして、非バルク番組を再生するための処理を実行する。この場合は、TS合成・分離部4041は、第1の主信号誤り訂正復号部4036および第2の主信号誤り訂正復号部4037から出力されてくる両トランスポートストリームの合成は行わない。すなわち、第1の主信号誤り訂正復号部4036から出力されるトランスポートストリームからAVストリームを分離し、第1のAVデコーダ4042に出力する。また、第2の主信号誤り訂正復号部4037から出力されるトランスポートストリームからAVストリームを分離し、第2のAVデコーダ4043に出力する。以下、上記バルク番組の再生のための処理モードについてはバルク再生モードと呼び、非バルク番組の再生のための処理モードについては非バルク再生モードと呼ぶ。
第1のAVデコーダ4042および第2のAVデコーダ4043は、CPU4048からの制御信号に基づいて、それぞれTS合成・分離部4041から出力されたAVストリームをデコードして映像・音声信号を取得する。そして、第1のAVデコーダ4042は、デコードの結果得られた映像・音声信号を第1の表示部4046に出力する。また、第2のAVデコーダ4043は、デコードの結果得られた映像・音声信号を第2の表示部4047に出力する。ここで、第1のAVデコーダ4042および第2のAVデコーダ4043は、少なくとも、バルク番組のAVストリームと非バルク番組のAVストリームの双方の符号化形式に対応するデコード形式でデコード処理が可能である。そして、第1のAVデコーダ4042および第2のAVデコーダ4043は、CPU4048からの制御信号に基づき、これらのデコード方式を適宜切り替えてデコード処理を実行する。
第1のOSD作成・合成部4044は、第1のAVデコーダ4042が第1の表示部4046に出力した画面の上に重ねて表示するためのOSD表示を生成する。そして、第1のOSD作成・合成部4044は、第1のAVデコーダ4042からの出力と当該OSD表示を合成して第1の表示部4046に出力する。また、第2のOSD作成・合成部4045は、第2のAVデコーダ4043が第2の表示部4047に出力した画面の上に重ねて表示するためのOSD表示を生成し、第2のAVデコーダ4043からの出力と合成して第2の表示部4047に出力する。
第1の表示部4046および第2の表示部4047は、いわゆる2画面表示における各画面に相当するものである。第1の表示部4046は、第1のAVデコーダ4042から出力された映像・音声信号に基づいて映像・音声を利用者に提示する。第2の表示部4047は、第2のAVデコーダ4043から出力された映像・音声信号に基づいて映像・音声を利用者に提示する。
CPU4048は、上述したようなバルク再生モード、非バルク再生モードを切り替えながら、上記第1のチューナ4032、第2のチューナ4033、TS合成・分離部4041、第1のAVデコーダ4042、第2のAVデコーダ4043等を制御して、バルク番組あるいは非バルク番組を利用者が視聴できるようにするための処理を実行する。
リモコン処理部4049は、リモコン4051からの操作信号を受信し、操作指示内容を示す信号をCPU4048に出力する。
フラッシュメモリ4050は、不揮発性のメモリであり、CPU4048が各種制御に用いるためのデータ等が記憶される。
次に、以上のような受信装置4030で実行される選局再生処理の処理概要を説明する。以下の説明の前提として、本実施形態では、次のような状況を想定する。まず、視聴対象とするチャンネルはCh1およびCh2とする。そして、これらのチャンネルの放送スケジュールとして、図46に示すようなスケジュールが組まれているとする。すなわち、午後7:00:00〜7:59:59は非バルク番組が放送され、午後8:00:00〜9:59:59まではバルク番組が放送され、午後10:00:00〜10:59:59は、また非バルク番組が放送される場合を想定する。一例として、午後7:00:00〜7:59:59までは、Ch1では非バルク番組としてのアニメ番組が放送され、Ch2では、非バルク番組としてのニュース番組が放送されるものとする。そして、午後8:00:00〜9:59:59は、Ch1およびCh2でバルク番組としての映画番組が放送されるものとする。また、午後10:00:00〜10:59:59は、Ch1では非バルク番組としてのバラエティ番組が放送され、Ch2では、非バルク番組としてのドラマ番組が放送されるものとする。
以上のような放送スケジュールにおいて、午後7:30:00の時点で、利用者が第1のチューナ4032でCh1を選局したとする。この場合、午後7:59:59までは非バルク番組であるアニメ番組が放送され、午後8:00:00になると、バルク番組である映画番組の放送が開始されることになる。上述のように、放送される番組がバルク番組であるか非バルク番組であるかはTMCC信号に含まれる上記バルク関連情報(図43参照)に基づいて判別することができる。そこで、本実施形態では、当該バルク関連情報に基づいてこれから放送される番組がバルク番組であるか非バルク番組かを判定する。そして、放送内容が非バルク番組からバルク番組に切り替わる場合、上記の例では、午後8:00:00のタイミングで第2のチューナ4033で2chを選局し、それまで行っていた非バルク番組の再生のための処理からバルク番組の再生のための処理へと切り替える。また、このとき、本実施形態は、放送内容がバルク番組へ切り替わる旨をOSD表示を利用して表示する。その後、午後10:00:00になり、バルク番組から非バルク番組へと切り替わるときは、それまで行っていたバルク番組の再生のための処理から非バルク番組の再生のための処理(第2のチューナを開放する等の処理)へと切り替える。また、このときもOSD表示により、バルク番組から非バルク番組へ切り替わる旨を表示する。
このように、第10の実施形態では、TMCC信号に含まれるバルク関連情報に基づいて、放送される内容がバルク番組であるか非バルク番組であるかを判定し、その判定結果に応じて、バルク番組再生のための処理と非バルク番組再生のための処理を自動的に切り替える。これにより、2つのチューナを備えた受信装置で、バルク番組および非バルク番組の視聴の両立が可能となり、利便性の高い受信装置を提供することができる。さらに、番組内容が切り替わる旨をOSD表示するため、視聴する番組がバルク番組か否かを利用者に認識させることができ、利便性を高めることができる。
以下、第10の実施形態における受信装置4030が行う受信再生処理の詳細を説明する。図47は、当該受信再生処理の詳細を示すフローチャートである。ここで、図47のフローチャートの処理は、上記図46に示したような番組スケジュールにおいて第1のチューナ4032でCh2を視聴している状態(上記処理モードが非バルク再生モードの状態)において実行される場合を例として説明する。
図47において、まず、ステップS4001において、第1のチューナ4032で受信した放送信号からTMCC信号が分離され、上記バルク関連情報が取得される。
次に、ステップS4002において、当該バルク関連情報が参照されて、Ch2で伝送されてくる番組がバルク番組であるか否かの判定が実行される。より具体的には、第1のチューナ4032で選局されている物理チャンネルであるCh2の接続フラグ4132が参照されて、Ch2で伝送されてくる番組がバルク番組であるか否かの判定が実行される。上記番組スケジュールを例にとると、例えば、ニュース番組が伝送されている間は(7:00:00〜7:59:59)、Ch2で伝送されるTMCC信号のバルク関連情報では、Ch2の接続対象Ch4133には値は設定されていない状態であり、映画番組のバルク伝送がなされる間(8:00:00〜9:59:59)は、Ch2の接続対象Ch4133には”Ch1”が設定されている。
上記ステップS4002の判定の結果、これから伝送されてくる番組がバルク番組のときは(ステップS2でYES;例えば8:00:00のタイミングの場合)、続くステップS4003において、現在視聴している番組がバルク放送か否かが判定される。これは、例えば、上述したようなTS合成・分離部4041の処理モードがその時点でバルク再生モードであるか非バルク再生モードであるか等によって判定する。
ステップS4003の判定の結果、現在視聴している番組が非バルク番組のときは(ステップS4003でNO)、現在視聴されている番組は非バルク番組であるが、これから伝送されてくる番組はバルク番組に切り替わるということになる。そのため、上記処理モードを切り替える必要が発生する。この場合、次のステップS4004において、放送される番組が非バルク番組からバルク番組に切り替わる旨をOSD表示するための処理が実行される。すなわち、CPU4048は、放送内容が切り替わる旨の告知メッセージ(例えば、「バルク番組放送開始」等のメッセージ)を生成させるための制御信号を第1のOSD作成・合成部4044に出力する。これに応じて、第1のOSD作成・合成部4044は当該告知メッセージを生成する。(当該告知メッセージの生成については、予め決められた文字列を所定のメモリに記憶しておいて、上記制御信号に応じて読み出すようにしても良いし、CPU4048が文字列を生成して、上記制御信号に告知メッセージとなる文字列を示すデータを含めるようにしてもよい)。そして、第1のOSD作成・合成部4044は、当該告知メッセージを第1のAVデコーダ4042からの映像信号に合成して第1の表示部4046に出力する。この結果、これからバルク番組が開始される旨が画面上に表示されることになる。
次に、ステップS4005において、バルク番組を再生するための処理が開始される。具体的には、まず、CPU4048は、上記バルク関連情報を参照して、Ch2の接続対象Ch4133で示される物理チャンネル(本実施形態ではCh1)を第2のチューナ4033で選局する。この結果、第1のチューナ4032ではCh2が、第2のチューナ4033ではCh1が選局された状態となる。そして、各チューナで受信された放送信号が復調等され、トランスポートストリームが得られる。続いて、CPU4048は、TS合成・分離部4041に、上記処理モードをバルク再生モードに切り替えるための制御信号を出力する。その結果、TS合成・分離部4041は、第1のチューナ4032経由で得られたトランスポートストリームと第2のチューナ4033経由で得られたトランスポートストリームを合成する処理を開始する。そして、TS合成・分離部4041は、合成されたトランスポートストリームからバルク番組にかかるAVストリームと低階層番組にかかるAVストリームを分離し、バルク番組にかかるAVストリームを第1のAVデコーダ4042に出力する。第1のAVデコーダ4042は、当該バルク番組にかかるAVストリームをデコードし、映像・音声信号を第1の表示部4046に出力する処理を開始する。これにより、バルク番組が画面に表示される、つまり、バルク番組の再生処理が開始さ
れることになる。その後、処理は上記ステップS4001に戻る。
一方、上記ステップS4003の判定の結果、現在視聴している番組がバルク番組のときは(ステップS4003でYES)、そのまま上記ステップS4001の処理に戻る。つまり、現在視聴されている番組はバルク番組であり、これから伝送されてくる番組もバルク番組であるため(つまり、バルク番組視聴中の状態;例えば図46の午後9:00:00のタイミングの場合)、上記処理モードを切り替える必要はないことになる。
一方、上記ステップS4002の判定の結果、これから伝送されてくる番組がバルク番組ではない場合は(ステップS4002でNO;例えば7:30:00のタイミングの場合)、ステップS4006において、現在視聴している番組がバルク番組か否かが判定される。これは、例えば、上述したような処理モードがその時点でバルク再生モードであるか非バルク再生モードであるか等によって判定する。
ステップS4006の判定の結果、現在視聴している番組が非バルク番組のときは(ステップS4006でNO)、そのまま上記ステップS4001の処理に戻る。つまり、現在視聴されている番組は非バルク番組であり、これから伝送されてくる番組も非バルク番組であるため、上記処理モードを切り替える必要はないことになる。
一方、ステップS4006の判定の結果、現在視聴している番組がバルク番組のときは(ステップS4006でYES)、現在視聴されている番組はバルク番組であるが、これから伝送されてくる番組は非バルク番組に切り替わるということになる(例えば、図45の午後10:00:00のタイミングの場合)。そのため、上記処理モードをバルク再生モードから非バルク再生モードに切り替える必要が発生する。この場合、続くステップS4007において、放送される番組がバルク番組から非バルク番組に切り替わる旨をOSD表示するための処理が実行される。すなわち、CPU4048は、上記の旨を告知するメッセージ(例えば、「バルク番組放送終了」等のメッセージ)を生成させるための制御信号を第1のOSD作成・合成部4044に出力する。これに応じて、第1のOSD作成・合成部4044は当該告知メッセージを生成する。そして、第1のOSD作成・合成部4044は、当該告知メッセージを第1のAVデコーダ4042からの映像信号に合成して第1の表示部4046に出力する。この結果、これから非バルク番組が開始される旨が画面上に表示されることになる。
次に、ステップS4008において、非バルク番組を再生するための処理が開始される。具体的には、まず、CPU4048は、第2のチューナ4033を開放するための制御信号を第2のチューナ4033に出力する。この結果、第2のチューナ4033でのCh1の選局状態が一旦解除される。更に、CPU4048は、上記処理モードを非バルク再生モードに切り替えるための制御信号をTS合成・分離部4041に出力する。その結果、TS合成・分離部4041は、上述したようなトランスポートストリームの合成処理は行わずに、第1のチューナ4032経由で得られたトランスポートストリームから非バルク番組にかかるAVストリームを分離して第1のAVデコーダ4042へ出力する処理を開始する。第1のAVデコーダ4042は、当該非バルク番組にかかるAVストリームをデコードし、映像・音声信号を第1の表示部4046に出力する処理を開始する。これにより、非バルク番組の再生処理が開始されることになる。その後、処理は上記ステップS4001に戻る。以上で、第10の実施形態にかかる受信再生処理の説明を終了する。
以上のように、本実施形態では、TMCC信号に含まれるバルク関連情報に基づいて、バルク番組を再生するための処理と非バルク番組を再生するための処理を自動的に切り替える。これにより、1台の受信装置でバルク番組と非バルク番組の視聴を両立することが可能となる。また、切り替わる際にOSD表示を用いて、バルク番組−非バルク番組間の
切り替わる旨の表示を行うため、放送される番組がバルク番組か非バルク番組かを利用者に認識させやすくすることができる。
なお、上記OSD表示に関しては、上記のような表示処理の他に、以下のような処理を行ってもよい。例えば、第1のチューナ4032で選局している物理チャンネルでバルク番組が開始したタイミングにおいて2画面同時表示を行っている等で、第2のチューナ4033が使用中の状態のときは、バルク伝送にかかる2つの物理チャンネルが選局できず、バルク番組の再生ができない。このようなときに、画面に何も表示せず、真っ暗な画面を表示してしまうと、あたかも故障が発生したかのような誤解を視聴者に与えてしまう。そこで、このような場合は、受信ができない旨をOSD表示することで、故障ではないことを視聴者に認識させるようにしてもよい。すなわち、CPU4048は、バルク番組が開始するタイミング(上記ステップS4002でYESの場合)において、2つのチューナを用いた選局が可能であるか否か、すなわち、バルク番組の再生・表示が可能か否かを判定する。その結果、バルク番組の表示ができないと判定したときは、上記の旨のOSD表示を行うための制御信号を第1のOSD作成・合成部4044に出力するようにすればよい。
また、上記受信装置に関しては、例えば、図44の構成から第1、および第2の表示部を除いたような構成、いわゆる、デジタルチューナ単体という構成であってもよい。すなわち、表示部、例えばディスプレイについては利用者が別途準備し、単体のデジタルチューナと接続するという構成を採るようにしてもよい。この場合に、ディスプレイがバルク番組に非対応のディスプレイであったような場合、例えば、ディスプレイの解像度がバルク番組を表示するために十分な解像度を有していないような場合に、単にディスプレイに何も表示しないのではなく、OSD表示を利用してディスプレイが非対応である旨を表示するようにしても良い。すなわち、CPU4048に、上記接続されたディスプレイに関する情報(ディスプレイの解像度等の情報)を取得させる。そして、接続されているディスプレイでバルク番組を表示することが可能か否かを判定させ、表示できないと判定されたときに上記のようなディスプレイが非対応である旨をOSD表示する処理を実行させればよい。
更に、受信装置がバルク伝送の受信に非対応であるような場合、すなわち、Wチューナを備えてはいるが、2つの物理チャンネルで受信したトランスポートストリームを合成する機能を備えていないような場合、上記バルク番組が再生できない旨をOSD表示するようにしてもよい。すなわち、デジタル放送信号には上記バルク関連情報を含むTMCC信号が含まれている。そこで、トランスポートストリームの合成機能を備えていない受信装置であっても、当該バルク関連情報に基づいてバルク番組が伝送されてくるか否かの判定を行うことが可能なように構成しておく(例えば、既に市場に出回っているWチューナ構成の受信装置に対して、ファームウェアのアップデート等を行うことが考えられる)。そして、上記バルク関連情報に基づいて上記ステップS4002と同様の判定を行い、バルク番組が伝送されるような場合は、受信装置がバルク番組の再生に非対応である旨をOSD表示するための処理を実行するようにすればよい。
(第11の実施形態)
次に、図48を参照して、本発明の第11の実施形態について説明する。上述の第10の実施形態では、バルク番組再生中は、第1のAVデコーダ側の出力系統(第1のAVデコーダ4042〜第1の表示部4046)のみが使用されており、第2のAVデコーダ側の出力系統は使用されていなかった。これに対して、第11の実施形態では、バルク番組を再生する際、当該バルク番組と共に階層伝送されている上記低階層番組を第2のAVデコーダ4043に出力し、録画のために用いる。
ここで、上記バルク番組は、スーパーハイビジョン映像であるが故に、その情報量も膨大なものとなっている。そのため、スーパーハイビジョン映像をそのまま録画するためには、数十〜数百テラバイト程度の記憶容量では実用的なレベルではないと考えられる。また、録画に際して、リアルタイムに圧縮処理(符号化処理)を施して記録することも考えられるが、上記のように、その情報量が膨大であるため、このような符号化処理に必要な演算能力も相当高いものが要求される。仮に、実用に耐えうるレベルの大容量の記憶媒体や高性能な演算能力を備えたCPU等を家庭用のデジタル放送受信装置に搭載することを考えても、コスト面からすると、現実的・実用的なものとは言えない。
そこで、本実施形態では、スーパーハイビジョン映像よりは情報量が少なく、録画処理にかかる負荷を抑えることができる低階層映像(換言すれば、従来の録画機器で録画処理が十分可能な映像)を第2のAVデコーダ経由で記録部に出力させ、録画可能とする。つまり、バルク番組の再生が行われているときに、その番組と同内容の低階層番組を録画用に用いることで、画質は低下するものの、その番組内容自体は録画可能とする。これにより、バルク番組についてはリアルタイムの視聴のみが可能でその内容の録画は一切できない、という状況が発生することを防ぎ、バルク番組を視聴しながら同時に録画することが可能となる。その結果、例えば、利用者がバルク番組を視聴中に、利用者にとって有益な情報が放送されていることに気づき、その番組をすぐに録画しておきたいと所望したような場合に、当該番組を録画して保存することが可能となる。
図48は、第11の実施形態にかかる受信装置4060の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る受信装置4060は、上述した第10の実施形態で図44を用いて説明した受信装置4030の機能構成に録画処理部4061および記録部4062を加えたものに相当し、他の構成部は、第10の実施形態と同様である。従って、録画処理部4061および記録部4062以外の構成部については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
図48において、録画処理部4061は、CPU4048からの制御信号に基づいて、録画のための各種処理(符号化処理や録画データの管理処理等)を実行することで低階層番組あるいは非バルク番組の録画データを記録部4062に出力する。記録部4062は、上記のような低階層番組や非バルク番組の録画データを記憶するための媒体である。例えば、ハードディスクドライブやSSD(Solid State Drive)によって実現される。
図48のような構成において、CPU4048は、以下のような処理を行うことで上記低階層番組の録画を実現する。まず、バルク番組が放送中の状態において、利用者がリモコン4051を介して録画指示を入力すると、当該録画指示を示す信号がCPU4048に入力される。当該信号を受けたCPU4048は、TS合成・分離部4041において合成されたトランスポートストリームから、上記バルク番組にかかるAVストリームを分離させる処理に加えて、上記低階層番組にかかるAVストリームを分離させ、第2のAVデコーダ4043に出力させるための制御信号をTS合成・分離部4041に出力する。更に、第2のAVデコーダ4043に、当該低階層番組のAVストリームをデコードさせ、録画処理部4061に出力させるための制御信号を第2のAVデコーダ4043に出力する。併せて、CPU4048は、録画処理部4061に、第2のAVデコーダ4043から入力されてくる映像・音声信号を録画させるための制御信号を出力する。このような処理が実行された結果、低階層番組が記録部4062に録画されることになる。
以上のように、第11の実施形態では、バルク番組の再生中に、同時に低階層番組を録画可能としている。これにより、利便性の高い受信装置を提供することが可能となる。また、録画処理を実行する機器構成についても、非バルク番組の録画に用いるような従来の構成を流用することが可能となり、バルク番組の視聴および同内容の番組の録画が可能な
受信装置を低コストで提供することが可能となる。
なお、上述の第11の実施形態では、バルク番組が放送中の状態において、利用者がリモコン4051を介して録画指示を入力した場合を例にしたが、これに限らず、例えば録画予約等の設定に基づいて、バルク番組の開始と同時に低階層番組の出力も行うようにしてもよい。
(第12の実施形態)
次に、図49から図50を参照して、本発明の第12の実施形態について説明する。上述の第10の実施形態では、2つのチューナを備えてバルク番組を視聴できる受信装置を例としていた。これに対して、第12の実施形態では、第10の実施形態における受信装置の廉価版としての位置づけの、シングルチューナ構成の受信装置を想定する。すなわち、再生処理系統を1つだけとすることで、受信装置にかかるコストダウンを図ったものである。
第12の実施形態にかかる受信装置は、上記のようにシングルチューナ構成であるため、2つのチューナが必要な、バルク伝送にかかるバルク番組の視聴はできない。そのため、バルク番組の代わりに、番組内容は同じものである低階層番組を再生することで、番組内容そのものは視聴できるようにしている。そのため、第12の実施形態にかかる受信装置では、バルク番組が放送される時間帯では、階層伝送されているチャンネルを検索して自動的に選局し、低階層番組にかかるAVストリームを取得して再生するという処理が行われる。
上記図46で示したような番組スケジュールにおいてCh2を視聴している場合を例として、第12の実施形態で実行される処理概要を説明する。まず、Ch2で午後7時台のニュース番組が視聴されているとする。その後、午後8:00をまわると、バルク伝送される映画番組が開始される。しかし、第12の実施形態にかかる受信装置はシングルチューナ構成であるため、バルク番組としての映画番組の再生はできない。そのため、第12の実施形態では、上記低階層番組の再生を行う。ここで、本実施形態では、Ch2では階層伝送が行われていないため(図41参照)、階層伝送が行われているCh1を選局する。そして、Ch1で階層伝送されている低階層番組としての映画番組を再生する。更に、午後10:00をまわり、映画番組が終了すると、元々視聴していたCh2を選局する処理を実行する。以上のような処理が第12の実施形態では実行される。
図49は、第12の実施形態にかかる受信装置4070の構成を示す機能ブロック図である。当該実施形態に係る受信装置4070は、上述した第10の実施形態で図44を用いて説明した受信装置4030の機能構成から、第2のチューナ4033〜第2の表示部4047にかかる再生処理系統を除いたものに相当し、他の構成部は、第1の実施形態と同様である。従って、同一の構成部には同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
また、図49において、TS合成・分離部4041は、第10の実施形態と同様に2つの処理モードを切り替えて動作するが、第10の実施形態とは異なり、上記バルク再生モードで動作する場合は、以下のような動作を行う。すなわち、バルク番組が放送されるときは、まず、CPU4048からの制御信号に基づいて、第1のチューナ4032は、バルク伝送が行われている2つの物理チャンネルのうち、階層伝送がなされているチャンネルを選局する。そして、TS合成・分離部4041は、階層伝送されている物理チャンネルから得られたトランスポートストリームから、低階層番組にかかるAVストリームを分離して、第1のAVデコーダ4042に出力する処理を実行する。
次に、第12の実施形態にかかる受信装置4070での受信再生処理の詳細を説明する
。図50は、当該受信再生処理の詳細を示すフローチャートである。図50において、まず、ステップS4021において、利用者の操作に基づいて第1のチューナ4032での選局処理が実行される。ここでは、Ch2が選局されるものとする。
次に、ステップS4022において、ステップS4021で選局された物理チャンネルの番号がフラッシュメモリ4050に一時的に記憶される。
次に、ステップS4023において、TMCC信号から上記バルク関連情報が取得される。続くステップS4024で、バルク番組の放送が開始されるか否かが判定される。具体的には、CPU4048は、上記バルク関連情報の接続フラグ4132を参照し、第1のチューナ4032で選局されているチャンネルでバルク番組が放送されるか否かを判定する。
当該判定の結果、バルク番組の放送が開始されると判定されたときは(ステップS4024でYES)、続くステップS4025において、現在選局しているチャンネルが階層伝送が行われているチャンネルであるか否かを判定する。本実施形態では、選局中のチャンネルがCh1であるか否かを判定する。
なお、バルク番組のうち、いずれのチャンネルで階層伝送が行われているかを示す情報については、例えば予め、階層伝送は周波数が低い方の物理チャンネルで行うという規格を決めておき、選局中の物理チャンネルがバルク番組を構成する2つのチャンネルのうち周波数が低い方の物理チャンネルであるか否かで判定するようにしても良いし、当該情報を上記バルク関連情報に含むようにし、これに基づいて判定するようにしてもよい。
ステップS4025の判定の結果、階層伝送が行われていない物理チャンネル(本実施形態ではCh2)のときは(ステップS4025でNO)、次のステップS4026において、階層伝送が行われている物理チャンネルを選局する処理が実行される。すなわち、上記バルク関連情報の接続対象Ch4133に示されている物理チャンネルを第1のチューナ4032で選局する処理が実行される。一方、ステップS4025の判定の結果、階層伝送が行われている物理チャンネル(本実施形態ではCh1)のときは(ステップS4025でYES)、ステップS4026の処理はスキップされて、処理が次に進められる。
次に、ステップS4027において、低階層番組の再生処理が開始される。具体的には、CPU4048は、処理モードを上記バルク再生モードに切り替えるための制御信号をTS合成・分離部4041に出力する。同時に、CPU4048は、第1のAVデコーダ4042に対しても、低階層番組用のデコード処理に切り替えるための制御信号を出力する。その結果、第1のチューナ4032から得られたトランスポートストリームがTS合成分離部4041に入力されると、TS合成・分離部4041において低階層番組にかかるAVストリームが分離され、第1のAVデコーダ4042に出力される。そして、デコードされた映像音声信号が第1のAVデコーダ4042から第1のOSD作成・合成部4044を経由して第1の表示部4046に出力される。このとき、第1のOSD作成・合成部4044で、バルク番組(低階層番組)が始まった旨等を表示するようにしても良い。
次に、ステップS4028で低階層番組が終了したか否かが判定される。当該判定の結果、まだ放送中であれば(ステップS4028でNO)、低階層番組の放送が終了するまで、ステップS4028の判定が繰り返される。一方、低階層番組の放送が終了すれば(ステップS4028でYES)、続くステップS4029において、フラッシュメモリ4050に記憶されているCh番号が取得される。本実施形態では、Ch2が取得される。
そして、当該取得されたチャンネルが第1のチューナ4032で選局される。同時に、CPU4048から処理モードを非バルク再生モードへ切替る旨の制御信号がTS合成・分離部4041に出力される。その結果、Ch2で放送される非バルク番組の再生処理が開始されることになる。以上で、第12の実施形態にかかる受信再生処理は終了する。
このように、第12の実施形態では、バルク伝送される番組の内容そのものはシングルチューナ機であっても視聴できる。更に、当該番組視聴のためにチャンネルが変更されても、番組終了後に、元の物理チャンネルに自動的に戻す処理が実行される。そのため、バルク伝送される番組と同内容の番組が視聴でき、かつ、よりコストを抑えることができるシングルチューナ構成のデジタル放送受信装置を提供することが可能となる。
なお、上述のような、バルク番組の開始時にそれまで視聴していた物理チャンネルを記憶する処理については、第10の実施形態で上述したような構成の受信装置に適用しても良い。例えば、図51に示すような番組スケジュールが組まれているとする。すなわち、Ch1およびCh2では、午後7:00:00〜7:59:59はそれぞれ非バルク番組が放送され、午後8:00:00〜8:59:59までは両チャンネルを使ったバルク番組が放送され、午後9:00:00〜9:59:59は、それぞれ非バルク番組が放送される場合を想定する。また、Ch3では、午後7:00:00〜9:59:59まで、1本の非バルク番組が放送されているとする。
このような番組スケジュールにおいて、午後7:30の時点で、利用者が第1のチューナ4032ではCh1を選局し、第2のチューナ4033ではCh3を選局して、それぞれの番組を2画面同時表示している場合を考える。この場合、午後8:00になれば、Ch1ではバルク番組が開始されることになる。しかし、第2のチューナ4033はCh3を選局している状態であるため、このままではバルク番組の再生処理が開始できない。そのため、午後8:00のタイミングで、上記図47のステップS4004の処理において、第1のOSD作成・合成部4044に、バルク番組が開始する旨、および、Ch3の視聴を停止してバルク番組の再生を行うか否かを問い合わせる表示を行わせる。その結果、バルク番組の再生を行う旨の指示が入力されたときは、第2のチューナ4033で選局している物理チャンネル番号をフラッシュメモリ4050に記憶させる処理を行い、バルク番組の1画面での再生処理を実行する。その後、午後9:00をまわり、バルク番組が終了すれば、フラッシュメモリ4050に記憶されている物理チャンネル番号を第2のチューナ4033に選局させ、2画面同時表示に戻すような処理を行うようにしてもよい。すなわち、Ch1とCh3の2画面同時表示に戻しても良い。このような処理を行うことで、第10の実施形態に示したような受信装置(Wチューナ機)の場合であっても、利便性を高めた受信装置を提供することが可能となる。
(第13の実施形態)
次に、本発明の第13の実施形態について説明する。まず、図52を用いて、本発明の原理及び本実施形態が想定している処理概要について説明する。本実施形態では、いわゆるスーパーハイビジョンの動画像コンテンツ(以下、SHDコンテンツと呼ぶ)を伝送するデジタル放送システムを想定している。そして、本実施形態では、図52に示すように、送信側において当該SHDコンテンツ6101を2つに分割し(図52のSHDコンテンツ6101aおよび6101b)、2つの物理チャンネル6111および6112を用いて伝送する。これは、SHDコンテンツが、1つの物理チャンネルでは伝送しきれない情報量を有するためである。以下、このような、1つのSHDコンテンツを2つの物理チャンネルを用いて伝送することをバルク伝送と呼ぶ。
ここで、本実施形態では、当該2つの物理チャンネルのうち、いずれか一方のチャンネルについて階層伝送を行うようにしている。具体的には、送信側で、上記SHDコンテン
ツと同内容のコンテンツを、いわゆるHD映像(High Definition映像)あるいはSD映像(Standard Definition映像)として、上記SHDコンテンツと別途に生成する(以下、これらを、HD/SDコンテンツと呼ぶ)。そして、本実施形態では、変調方式として、SHDコンテンツに関しては、雑音などの外乱に弱いが伝送効率が高い変調方式である、例えば32APSK(Amplitude Phase Shift Keying)を用い、一方HD/SDコンテンツについては、SHDコンテンツの変調方式よりも、雑音などの外乱に強いが伝送効率が低い変調方式である、例えばQPSK(quadrature phase shift keying)を用いて変調する。ここで、これらHD/SDコンテンツは、上記SHDコンテンツよりは情報量が少ないため、伝送するためのネットワーク帯域も少なくて済む。すなわち、HD/SDコンテンツは、1チャンネル分の伝送容量以内で且つ、SHDコンテンツの変調方式よりも伝送効率が低い変調方式でも、十分伝送可能である。そして、本実施形態では、上記いずれか一方のチャンネル、図52の例では、物理チャンネル6111について、SHDコンテンツ6101aとHD/SDコンテンツ6102との階層伝送を行うように構成する。つまり、HD/SDコンテンツ6102を伝送する為の変調方式のほうがSHDコンテンツ6101を伝送する為の変調方式よりも所要CNRを低くなるようにしている(例えば、HD/SDコンテンツ6102はQPSK、SHDコンテンツ6101は32APSKで変調する)。
一方、受信側においては、通常は上記SHDコンテンツ6101の再生のための処理を行う(図52の受信〜復元処理6121に相当)。同時に、伝送品質の監視、具体的には、受信CNRやビット誤り率の監視を行う(図52の伝送品質監視6122に相当)。そして、いずれか一方のチャンネルの伝送品質が予め設定されている閾値より低下したとき、例えば、SHDコンテンツの良好な再生に必要な受信CNRを下回ったときには、受信側において、SHDコンテンツの再生から上記HD/SDコンテンツの再生へと処理を切り替える(図52の切替処理6123に相当)。上述のように、HD映像のコンテンツはSHDコンテンツよりも所要CNRが低い。そのため、SHDコンテンツを良好な状態で再生するには伝送品質が足りない場合であっても、HD/SDコンテンツを再生するには十分な伝送品質であることが考えられる。そこで、受信機側においてSHDコンテンツを再生中に伝送品質が低下したときは、SHDコンテンツからHD/SDコンテンツへと再生処理を切り替えることで、映像や音声が途切れることのない、違和感のない動画像コンテンツの視聴を視聴者に継続させることを可能とするものである。
次に、本実施形態のデジタル放送システムで使用される送信装置および受信装置の構成について説明する。図53は、本発明の第13の実施形態に係る送信装置の構成を示した機能ブロック図である。図53において、送信装置6010は、高階層エンコーダ6011と低階層エンコーダ6012と、時分割多重部6013と、TS分割部6014と、第1の主信号誤り訂正符号化部6015と、第2の主信号誤り訂正符号化部6016と、第1のマッピング部6017と第2のマッピング部6018と、第1の周波数変換部6019と、第2の周波数変換部6020と、CPU6021と、第1のTMCC生成部6023と、第2のTMCC生成部6024とで構成される。
高階層エンコーダ6011は、放送対象となる動画像コンテンツ(例えば放送番組)をSHDの映像としてエンコードする。具体的には、圧縮符号化形式として、例えば”MPEG−4 AVC/H.264”(以下、単にH.264と呼ぶ)を用いてエンコードを行う。そして、エンコードの結果であるAVストリーム(以下、高階層AVストリームと呼ぶ)を時分割多重部6013に出力する。
低階層エンコーダ6012は、放送対象となる動画像コンテンツをHDまたはSDの映像としてエンコードする。具体的には、圧縮符号化形式として、例えば上述のH.264、又は、いわゆる”MPEG2”方式を用いてエンコードを行う。そして、エンコードの
結果であるAVストリーム(以下、低階層AVストリームと呼ぶ)を時分割多重部6013に出力する。
時分割多重部6013は、高階層AVストリームおよび低階層AVストリームを多重化し、トランスポートストリーム(以下、原TSと呼ぶ)を生成する。すなわち、時分割多重部6013は、CPU6021からの制御信号に基づいて高階層AVストリーム/低階層AVストリームを切り替えながら、両AVストリームを多重化することで、原TSを生成する。そして、生成した原TSをTS分割部6014に出力する。
TS分割部6014は、2つの物理チャンネルで原TSを伝送できるように原TSを2つに分割して(振り分けて)第1の主信号誤り訂正符号化部6015および第2の主信号誤り訂正符号化部6016に出力する処理を行う。より具体的には、TS分割部6014は、高階層AVストリームを構成するパケット(以下、高階層パケット)については、第1の主信号誤り訂正符号化部6015と第2の主信号誤り訂正符号化部6016とに振り分けて出力する。一方、低階層AVストリームを構成するパケット(以下、低階層パケット)については、分割は行わずに、第1の主信号誤り訂正符号化部6015にのみ、そのまま出力する。これは、低階層AVストリームについては片方の物理チャンネルのみで階層伝送を行うためである。また、低階層パケットを階層伝送する物理チャンネルについては、周波数が低い物理チャンネルが好ましい。これは、周波数が低い方が伝送路が安定していると考えられるためである。本実施形態でも、階層伝送を行う経路(第1の周波数変換部6019を通る経路)側のほうに周波数の低いチャンネルを割り当てるものとする。
ここで、上記高階層パケットの振り分け方について説明する。図54は、この振り分け方の概念を示す模式図である。本実施形態では、原TS内の、高階層AVストリームを構成する各パケット(図54では説明の便宜のため、各パケットに連番を付している)を2つの物理チャンネルに交互に振り分けるような処理が行われる。すなわち、図54では、奇数番号のパケットが物理チャンネル1に振り分けられ、偶数番号のパケットが物理チャンネル2に振り分けられている。その結果、奇数番号のパケットが物理チャンネル1で伝送され、偶数番号のパケットは物理チャンネル2で伝送されることになる。なお、受信機側においては、当該2つのチャンネルを用いてTSを受信することになるが、これらを合成する場合は、元の順番通りになるよう復元するため、各チャンネルで受信したTS(のパケット)を交互に繋いでいく必要がある。この繋いでいく順番、すなわち、どちらの物理チャンネルのTSパケットが先でどちらが後であるかを示すための情報については、後述するようなTMCC情報に含まれて伝送される。
図53に戻り、第1の主信号誤り訂正符号化部6015は、TS分割部6014から出力された高階層パケットおよび低階層パケットに対して、誤り訂正等の処理を行う。図55は、第1の主信号誤り訂正符号化部6015の詳細を示すブロック図である。第1の主信号誤り訂正符号化部6015は、外符号誤り訂正部6151、エネルギー拡散部6152、内符号誤り訂正部6153、インターリーブ部6154とで構成されている。外符号誤り訂正部6151は、入力されてきた各パケットに対して、例えばBCH符号を用いて外符号誤り訂正をかける。エネルギー拡散部6152は、外符号誤り訂正部6151から出力されたパケットに対して、一定の規則に沿ったランダムデータを加えることでエネルギー拡散を行う。内符号誤り訂正部6153は、エネルギー拡散部6152から出力されたパケットに対して、例えばLDPC符号を行う。インターリーブ部6154は、内符号誤り訂正部6153から出力されてくるデータについて、インタリーブを行う。
図53に戻り、第2の主信号誤り訂正符号化部6016は、TS分割部6014から出力された高階層パケットに対して、誤り訂正等の処理を行う。その機能内容については、上記第1の主信号誤り訂正符号化部6015と同様であるため、ここでは説明を省略する
。
第1のマッピング部6017は、第1の主信号誤り訂正符号化部6015から入力されてくるビットストリームを、キャリアの位相と振幅で決まる信号点にマッピングし、当該マッピングされたデータを第1の周波数変換部6019に出力する。具体的には、CPU6021の制御に基づいて、誤り訂正符号化された高階層パケットについては、所要CNRは高いが、伝送効率が高い変調方式(例えば32APSK)にマッピングされ、誤り訂正符号化された低階層パケットについては、高階層パケットに施す変調よりも、所要CNRは低いが、伝送効率が低い変調方式(例えばQPSK)にマッピングされる。
第2のマッピング部6018は、第2の主信号誤り訂正符号化部6016から入力されてくるビットストリームに対してキャリアの位相と振幅で決まる信号点にマッピングし、当該マッピングされたデータを第2の周波数変換部6020に出力する。具体的には、第2のマッピング部6018には誤り訂正符号化された高階層パケットのみが入力されるため、CPU6021の制御に基づいて、第1のマッピング部6017において高階層パケットに施す変調方式と同じ変調方式(例えば32APSK)にマッピングされる。
第1のTMCC生成部6023、及び第2のTMCC生成部6024は、階層伝送に関する情報(各時間毎の変調方式情報)、バルク伝送に関する制御情報、その他伝送パラメータなど、受信機の制御に必要なTMCC情報をTMCC信号として生成する。具体的には、CPU6021の制御に基づいて、第1のTMCC生成部6023では第1の周波数変換部6019から出力される変調信号に対するTMCC信号を生成して、第1のマッピング部6017に出力する。一方、第2のTMCC生成部6024では、第2の周波数変換部6020から出力される変調信号に対するTMCC信号を生成し、第2のマッピング部6018に出力する。第1のTMCC生成部6023で生成されたTMCC信号は、第1のマッピング部6017で、上述のようにキャリアの位相と振幅で決まる信号点にマッピングした上で、同じく第1のマッピング部6017でマッピングされたAVデータ(主信号)に多重化し、第1の周波数変換部6019に出力する。一方、第2のTMCC生成部6024で生成されたTMCC信号は、第2のマッピング部6018で、上述のようにキャリアの位相と振幅で決まる信号点にマッピングした上で、同じく第2のマッピング部6018でマッピングされたAVデータ(主信号)に多重化し、第2の周波数変換部6020に出力する。
なお、第1のマッピング部6017、及び第2のマッピング部6018に於ける、TMCC信号に対するマッピングについては、受信機において、外乱により受信状態が劣化し低階層パケットに基づく番組を表示しなければならない状況下でも、確実にTMCC信号を受信し、そのTMCC信号による受信機制御を行えるようにする為に、上記低階層パケットに施した変調よりも、外乱に対して同等、若しくは強い変調方式(例えばQPSK、又はBPSK)でマッピングされる。第1のマッピング部6017でマッピングされた主信号とTMCCとの多重化変調信号は、第1の周波数変換部6019で所定の周波数に周波数変換を施して送信信号として出力する。また、第2のマッピング部6018でマッピングされた主信号とTMCCとの多重化変調信号は、第2の周波数変換部6020で所定の周波数に周波数変換を施して送信信号として出力する。
ここで、上記TMCC情報に関して説明する。上記TMCC情報には、受信機制御を行えるように、一般的な伝送制御情報の他、上述したような各時間毎の変調方式に関する情報である階層伝送情報や、バルク伝送に関する情報であるバルク伝送関連情報が含まれている。図56は、バルク伝送関連情報の一例を示す図である。バルク伝送関連情報は、物理Ch番号6131と接続フラグ6132と前接続Ch6133と後接続Ch6134の集合から構成されている。バルク伝送関連情報には、全ての物理チャンネルについての情
報が含まれており、物理Ch番号6131は、物理チャンネルの番号を示す。接続フラグ6132は、放送(伝送)されるコンテンツがバルク伝送を用いたコンテンツであるか否かを識別するためのフラグである。接続フラグ6132がオンに設定されているときは、その物理チャンネルで伝送されている動画像コンテンツはバルク伝送を用いた動画像コンテンツであること、すなわち、2つの物理チャンネルを用いて1つの動画像コンテンツを伝送していることを示す。オフに設定されているときは、バルク伝送は用いずに、その物理チャンネルのみを使用して1つの動画像コンテンツを伝送していることを示す。
前接続Ch6133、および後接続Ch6134は、上記のようなバルク伝送において、対となる物理チャンネル番号を示すためのデータである。前接続Ch6133、および後接続Ch6134は、接続フラグ6132がオンのときにのみ設定され、且つ、前接続Ch6133、後接続Ch6134のいずれか一方だけに値が設定される。上述したように、受信機側においては、2つの物理チャンネルから得られたトランスポートストリームを合成する必要があるが、この際に、どちらの物理チャンネルのパケットが先にしてどちらを後にするかを示すための情報が前接続Ch6133、後接続Ch6134である。図54の例で言うと、奇数番号のパケットが振り分けられた物理チャンネル1が前接続Chになり、偶数番号のパケットが振り分けられた物理チャンネル2が後接続Chとなる。そのため、図56に示した例では、受信機側では、次のような判定処理が可能となる。すなわち、受信機側で物理チャンネル1を選局し、図56に示されるようなバルク伝送関連情報を取得すると、まず、物理チャンネル1で伝送されてくるコンテンツはバルク伝送を用いたもの、すなわち、SHDコンテンツであることが判定できる。そして、当該物理チャンネル1には後接続Chとして物理チャンネル2が存在することが判定できる。更に、物理チャンネル1および物理チャンネル2でそれぞれ受信したTSパケットの合成順序としては、Ch1→Ch2→Ch1→Ch2→・・・のような順序で合成すべきことが判定できることになる。
図53に戻り、CPU6021は、時分割多重部6013、TS分割部6014、第1の主信号誤り訂正符号化部6015、第2の主信号誤り訂正符号化部6016、第1のマッピング部6017、第2のマッピング部6018に上述したような処理を実行させるための各種制御を行う。
次に、本実施形態のデジタル放送システムで使用される受信装置(典型的にはデジタル放送の受信が可能なテレビ受像機)について説明する。図57は、本発明の第13の実施形態に係る受信装置6030の構成を示した機能ブロック図である。図57において、受信装置6030は、アンテナ6031と、第1のチューナ6032と、第2のチューナ6033と、第1の復調部6034と、第2の復調部6035と、第1の主信号誤り訂正復号部6036と、第2の主信号誤り訂正復号部6037と、第1のTMCC復号部6038と、第2のTMCC復号部6039と、TMCC制御部6040と、第1の受信CNR検出部6041と第2の受信CNR検出部6042と、TS合成・分離部6043と、AVデコーダ6044と、CPU6045と、表示部6046とで構成される。
第1のチューナ6032および第2のチューナ6033は、CPU6045からの制御信号に基づいて所定の物理チャンネルを選局し、送信装置6010からの送信信号をアンテナ6031を介して受信する。
第1の復調部6034は、第1のチューナ6032から出力される送信信号をデジタル信号に復調し、第1の主信号誤り訂正復号部6036および第1のTMCC復号部6038に出力する。
第1の主信号誤り訂正復号部6036は、第1の復調部6034から出力されたデジタ
ル信号に対して、上記第1の主信号誤り訂正符号化部6015で行われた処理と逆の処理を行うことで、トランスポートストリームを得る。そして、当該トランスポートストリームをTS合成・分離部6043に出力する。図58は、第1の主信号誤り訂正復号部6036の詳細を示すブロック図である。図58において、第1の主信号誤り訂正復号部6036では、第1の復調部6034から出力されたデジタル信号について、デインターリーブ部6361でデインタリーブが行われ、内符号誤り復号部6362における内符号の復号、エネルギー逆拡散部6363におけるエネルギー逆拡散を経て外符号誤り復号部6364による外符号の復号が行われ、トランスポートストリームとして出力される。
第1のTMCC復号部6038は、第1の復調部6034から出力されたデジタル信号(TMCC信号)からTMCC情報を復号して取得する。そして、当該TMCC情報をTMCC制御部6040に出力する。
第1の受信CNR検出部6041は、第1の復調部6034における復調結果に基づいて受信CNRを所定の単位時間毎に算出し、CPU6045に出力する。
第2の復調部6035、第2の主信号誤り訂正復号部6037、および、第2のTMCC復号部6039は、第2のチューナ6033から出力される送信信号に対して、上記第1の復調部6034、第1の主信号誤り訂正復号部6036、第1のTMCC復号部6038と同様の処理を行う。
また、第2の受信CNR検出部6042は、第2の復調部6035における復調結果に基づいて受信CNRを所定の単位時間毎に算出し、CPU6045に出力する。
TMCC制御部6040は、第1のTMCC復号部6038から出力されるTMCC情報の内、時間毎の変調方式に関する情報である階層伝送情報等の伝送パラメータに基づいて、第1の復調部6034および第1の主信号誤り訂正復号部6036を制御する。また、第2のTMCC復号部6039から出力されるTMCC情報の内各時間毎の変調方式に関する情報である階層伝送情報、等の伝送パラメータに基づいて、第2の復調部6035および第2の主信号誤り訂正復号部6037を制御する。また、TMCC制御部6040は、取得したTMCC情報をCPU6045に出力する。
TS合成・分離部6043は、CPU6045からの制御信号に基づいて、以下のような処理を実行する。まず、TS合成・分離部6043は、第1の主信号誤り訂正復号部6036および第2の主信号誤り訂正復号部6037から出力されてくるトランスポートストリームを合成することによって、原TSを復元する。更に、TS合成・分離部6043は、原TSから、上記高階層AVストリームと低階層AVストリームとを分離して取得する。そして、TS合成・分離部6043は、CPU6045からの制御信号に基づいて、高階層AVストリーム、または、低階層AVストリームをAVデコーダ6044に出力する。
AVデコーダ6044は、CPU6045からの制御信号に基づいて、TS合成・分離部6043から出力されたAVストリームをデコードして映像・音声信号を取得する。そして、AVデコーダ6044は、デコードの結果得られた映像・音声信号を表示部6046に出力する。ここで、AVデコーダ6044は、少なくとも、上記高階層AVストリーム、低階層AVストリームのエンコード形式に対応するデコード形式でデコード処理が可能である。例えば、高階層AVストリームのときはH.264方式でのデコード、低階層AVストリームのときは、MPEG2方式でのデコードが可能である。そして、AVデコーダ6044は、CPU6045からの制御信号に基づき、これらのデコード方式を切り替えてデコード処理を実行する。
CPU6045は、図59等を用いて後述するフローチャートに示すような処理を行い、上記第1のチューナ6032、第2のチューナ6033、第1の受信CNR検出部6041、第2の受信CNR検出部6042、TS合成・分離部6043、AVデコーダ6044等を制御して、送信装置6010から送信された動画像コンテンツを利用者が視聴できるようにするための処理を実行する。また、第1の受信CNR検出部6041および第2の受信CNR検出部6042からの入力に基づいて、TS合成・分離部6043からAVデコーダ6044への出力内容の切替を制御し、更に、AVデコーダ6044のデコード処理の切替制御も行う。
表示部6046は、AVデコーダ6044から出力された映像・音声信号に基づいて映像・音声を利用者に提示する。
また、図示は省略するが、受信装置には、利用者が選局操作等を行うための操作部が設けられており、CPU6045は、操作部からの操作信号に基づいて選局処理等の制御を行う。
以下、図59および図60を用いて、受信装置6030において実行される受信再生処理の詳細動作を説明する。図59および図60は、受信装置6030において実行される受信再生処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS6001において、利用者の選局操作に基づいた選局処理が行われる。より具体的には、CPU6045は、リモコン等の操作部からの指示信号を取得し、選局対象となる物理チャンネルを検出する。続いて、CPU6045は、第1のチューナ6032に当該物理チャンネルを選局させるための制御信号を出力する。これに応じて、第1のチューナ6032は指定された物理チャンネルを選局する処理を実行する。選局が完了すれば、アンテナ6031を介して受信された信号(以下、受信信号と呼ぶ)が第1のチューナ6032から第1の復調部6034に入力され、受信信号からTMCC信号が分離されて、第1のTMCC復号部6038に出力される。第1のTMCC復号部6038において、TMCC信号からTMCC情報が復号され、TMCC制御部6040に出力される。TMCC制御部6040は、当該TMCC情報から、階層伝送情報、伝送パラメータ、及び、上記バルク伝送関連情報(図56参照)を取得する。そして、TMCC制御部6040は、当該階層伝送情報や伝送パラメータに基づいた復調処理を実行させるための制御信号を第1の復調部6034に出力する。これに応じて、第1の復調部6034は、受信信号に含まれている主信号(コンテンツにかかるデータが含まれている信号)の復調を開始する。復調された主信号は、第1の主信号誤り訂正復号部6036に出力される。第1の主信号誤り訂正復号部6036において誤り訂正が行われることによってトランスポートストリームが得られることになる。そして、当該トランスポートストリームが、TS合成・分離部6043に出力される。
次に、ステップS6002において、上記バルク伝送関連情報から接続フラグ6132が読み出される。続くステップS6003において、上記選局した物理チャンネルの接続フラグ6132がオンに設定されているか否かが判定される。当該判定の結果、接続フラグ6132がオンでないときは(ステップS6003でNO)、ステップS6002に戻り、処理が繰り返される(なお、この場合は、単一のチャンネルによる番組放送と考えられるため、接続フラグ6132のオンが検出されるまでの間、上記ステップS6001で選局した物理チャンネルのトランスポートストリームに基づいて動画像コンテンツを再生する処理を行っても良い)。
一方、接続フラグ6132がオンと判定されたときは(ステップS6003でYES)
、続くステップS6004において、第2のチューナ6033でバルク伝送の対となる物理チャンネルの選局処理が実行される。具体的には、CPU6045は、上記バルク伝送関連情報から、前接続Ch6133および後接続Ch6134を取得する。上記のように、いずれか一方にのみ物理チャンネル番号が示されているので、いずれか一方に示されている物理チャンネル番号を取得する。図56の例で言うと、第1のチューナ6032で物理チャンネル1を選局している場合は、物理チャンネル2が取得される。また、第1のチューナ6032で物理チャンネル2を選局している場合は、物理チャンネル1が取得される。そして、当該取得された物理チャンネルを第2のチューナ6033で選局するための制御信号を第2のチューナ6033に出力する。第2のチューナ6033は、当該制御信号に応じて選局処理を行う。
第2のチューナでの選局が完了すれば、アンテナ6031を介して受信された受信信号からTMCC信号が分離され、第2のTMCC復号部6039に出力される。第2のTMCC復号部6039において、TMCC信号からTMCC情報が復号されてTMCC制御部6040に出力される。TMCC制御部6040は、当該TMCC情報から伝送パラメータ等を取得する。そして、TMCC制御部6040は、当該伝送パラメータに基づいた復調処理を実行させるための制御信号を第2の復調部6035に出力する。これに応じて、第2の復調部6035は、主信号の復調を開始する。復調された主信号は、第2の主信号誤り訂正復号部6037に出力される。第2の主信号誤り訂正復号部6037において、誤り訂正処理が行われることによってトランスポートストリームが得られることになる。そして、当該トランスポートストリームが、TS合成・分離部6043に出力される。この結果、第1のチューナ6032経由で得られたトランスポートストリームと第2のチューナ6033経由で得られたトランスポートストリームがTS合成・分離部6043に入力されることになる。
続いて、ステップS6005において、両トランスポートストリームを合成する処理が開始される。具体的には、CPU6045は、両トランスポートストリームを合成する処理を開始させるための制御信号をTS合成・分離部6043に出力する。当該制御信号には、上述したような前接続ch6133および後接続ch6134に基づいた、トランスポートストリームを合成していく順番に関する情報も含まれている。TS合成・分離部6043は、CPU6045からの制御信号に応じて、第1のチューナ6032経由のトランスポートストリームと第2のチューナ6033経由のトランスポートストリームとの合成処理を行い、原TSを復元する処理を開始する。
続くステップS6006において、原TSから、高階層AVストリームと低階層AVストリームを分離するための処理が開始される。
続くステップS6007において、高階層AVストリームのデコード処理が開始される。すなわち、CPU6045は、TS合成・分離部6043に高階層AVストリームをAVデコーダ6044に出力させるための制御信号を出力する。当該制御信号に応じて、TS合成・分離部6043は、高階層AVストリームをAVデコーダ6044に出力する。更に、CPU6045は、AVデコーダ6044に、高階層AVストリームのデコード処理を開始させるための制御信号を出力する。当該制御信号に応じて、AVデコーダ6044は、TS合成・分離部6043から入力されてくる高階層AVストリームのデコード処理を開始し、デコード結果である映像・音声信号を表示部6046に出力する。
次に、ステップS6008において、受信CNRの取得を開始するための処理が実行される。より具体的には、CPU6045は、第1の受信CNR検出部6041に第1の復調部6034における受信CNRを要求するための制御信号を出力する。第1の受信CNR検出部6041は、当該制御信号に応じて、第1の復調部6034における受信CNR
をCPU6045に出力する処理を開始する。更に、CPU6045は、第2の受信CNR検出部6042に、第2の復調部6035における受信CNRを要求するための制御信号を出力する。当該制御信号に応じて、第2の受信CNR検出部6042は、第2の復調部6035における受信CNRをCPU6045に出力する処理を開始する。
次に、ステップS6009において、第1の受信CNR検出部6041、および、第2の受信CNR検出部6042から出力される受信CNRのいずれか一方の値が所定の閾値未満であるか否かが判定される。当該所定の閾値は、SHDコンテンツの良好な再生に必要と考えられる、高階層変調方式の所要CNRを示している。いずれかの受信CNRが所定の閾値未満のとき、すなわち、伝送品質が低下したと考えられるときは(ステップS6009でYES)、続くステップS6010において、高階層AVストリームのデコード処理および表示部への出力処理が現在実行中であるか否かが判定される。
当該判定の結果、高階層AVストリームのデコード処理等が実行中であれば(ステップS6010でYES)、ステップS6011において、低階層AVストリームをAVデコーダ6044に出力するための処理が実行される。具体的には、CPU6045は、TS合成・分離部6043に低階層AVストリームをAVデコーダ6044に出力させるための制御信号を出力する。当該制御信号に応じて、TS合成・分離部6043は、低階層AVストリームをAVデコーダ6044に出力する。
続くステップS6012において、低階層AVストリームのデコード処理等の指示が実行される。具体的には、CPU6045は、AVデコーダ6044に低階層AVストリームのデコード処理を開始させるための制御信号を出力する。当該制御信号に応じて、AVデコーダ6044は、TS合成・分離部6043から入力されてくる低階層AVストリームのデコード処理を開始し、デコード結果である映像・音声信号を表示部6046に出力する。
一方、ステップS6010の判定の結果、高階層AVストリームのデコード処理等が実行中でないときは(ステップS6010でNO)、既に低階層AVストリームの処理が実行中であると考えられるため、後述のステップS6016へ処理が進められる。
一方、上記ステップS6009の判定の結果、いずれかの受信CNRが所定の閾値以上のとき、すなわち、伝送品質は高階層AVストリームの再生に十分な品質である考えられるときは(ステップS6009でNO)、ステップS6013において、低階層AVストリームのデコード処理および表示部への出力処理が現在実行中であるか否かが判定される。当該判定の結果、低階層AVストリームのデコード処理等が実行中であれば(ステップS6013でYES)、一旦低下した伝送品質が再び良好な状態に戻ったような場合と考えられる。そのため、ステップS6014において、高階層AVストリームをAVデコーダ6044に出力するための処理が実行される。具体的には、CPU6045は、TS合成・分離部6043に高階層AVストリームをAVデコーダ6044に出力させるための制御信号を出力する。当該制御信号に応じて、TS合成・分離部6043は、高階層AVストリームをAVデコーダ6044に出力する。
続くステップS6015において、高階層AVストリームのデコード処理等の指示が実行される。具体的には、CPU6045は、AVデコーダ6044に、高階層AVストリームのデコード処理を開始させるための制御信号を出力する。当該制御信号に応じて、AVデコーダ6044は、TS合成・分離部6043から入力されてくる高階層AVストリームのデコード処理を開始し、デコード結果である映像・音声信号を表示部6046に出力する。
一方、ステップS6013の判定の結果、低階層AVストリームのデコード処理等が実行中でないときは(ステップS6013でNO)、既に高階層AVストリームの処理が実行中であると考えられるため、後述のステップS6016へ処理が進められる。
次に、ステップS6016において、処理終了の指示、例えば、電源をオフにする操作が行われたか否かが判定される。処理終了の指示が出されていないときは(ステップS6016でNO)、上記ステップS6008に戻って処理が繰り返される。一方、処理終了の指示が出されたときは(ステップS6016でYES)、本実施形態にかかる受信再生処理は終了する。
以上のように、本実施形態では、バルク伝送によってSHDコンテンツを伝送するときに、いずれか一方の物理チャンネルで同内容のHD/SDコンテンツを階層伝送する。受信機側では、当該SHDコンテンツを再生するときに、バルク伝送に用いられている物理チャンネルの受信CNRを監視しておく。そして、当該受信CNRが高階層変調されているSHDコンテンツの再生のための所要CNRを下回ったときに、低階層変調されているHD/SDコンテンツの再生へ切り替える処理を行う。また、上述のように、HD/SDコンテンツとSHDコンテンツとは、エンコード方式が異なるだけで、その内容については同じものである。そのため、高い伝送品質が求められるSHDコンテンツの再生中に伝送品質が低下したようなときでも、より低い伝送品質でも良好な視聴が可能なHD/SDコンテンツに切り替えることで、映像や音声が途切れたり乱れたりする状態を発生させずに当該コンテンツの視聴を継続させることが可能となる。
また、チューナを一つだけしか備えていない受信装置に対しても、上記HD/SDコンテンツが階層伝送されている物理チャンネルを選局させ、低階層AVストリームをデコードするようにすれば、上記SHDコンテンツと同じ内容のコンテンツを当該チューナが一つだけの受信装置で視聴させることが可能となる。
なお、上述の実施形態では、伝送品質の監視に受信CNRを利用していたが、これに限らず、例えばビット誤り率を利用して伝送品質を監視するようにしてもよい。図61は、ビット誤り率に基づいて伝送品質を監視する場合の受信装置6050の構成を示したブロック図である。図61に示す受信装置6050の構成は、上記受信装置6030に類似している。すなわち、図57における第1の受信CNR検出部6041および第2の受信CNR検出部6042の代わりに、第1の高階層スロットビット誤り検出部6051および第2の高階層スロットビット誤り検出部6052を備えた構成となっている。そこで、ここでは、図61で示す構成要素のうち、図57と同一の構成要素については、同一の参照符号を付して簡単な説明に止める。
第1の高階層スロットビット誤り検出部6051は、第1の主信号誤り訂正復号部6036およびCPU6045と接続されている。また、第2の高階層スロットビット誤り検出部6052は、第2の主信号誤り訂正復号部6037およびCPU6045と接続されている。
第1の高階層スロットビット誤り検出部6051は、第1の主信号誤り訂正復号部6036における誤り訂正処理の結果を示す情報を取得し、当該情報から高階層パケットについてのビット誤り率を算出する。同様に、第2の高階層スロットビット誤り検出部6052は、第2の主信号誤り訂正復号部6037における高階層パケットのビット誤り率を算出する。そして、それぞれ算出したビット誤り率をCPU6045に出力する。
以上のような構成で、受信装置6050において次のような処理が実行される。すなわち、基本的には図59〜図60で示したフローチャートに沿った処理が実行されるが、図
60のステップS6008の処理において、受信CNRの取得の代わりに、CPU6045は、第1の高階層スロットビット誤り検出部6051に上述したようなビット誤り率の出力を要求する制御信号を送る。第1の高階層スロットビット誤り検出部6051は、当該制御信号に応じて、上記ビット誤り率の算出およびCPU6045への出力を開始する。更に、CPU6045は、第2の高階層スロットビット誤り検出部6052に対しても、同様の制御信号を送る。当該制御信号に応じて、第2の高階層スロットビット誤り検出部6052は、上記ビット誤り率の算出およびCPU6045への出力を開始する。
更に、図60のステップS6009において、受信CNRが閾値未満か否かを判定する代わりに、第1の高階層スロットビット誤り検出部6051および第2の高階層スロットビット誤り検出部6052から出力される上記ビット誤り率のうち、いずれか一方の値が所定の閾値を越えたか否かが判定される。当該所定の閾値としては、SHDコンテンツの良好な再生のために許容される高階層変調方式のビット誤り率が考えられる。そして、いずれかのビット誤り率が所定の閾値を越えるようであれば(ステップS6009でYES)、伝送品質が低下したものとして、上記ステップS6010以降の処理を実行すればよい。
このように、高階層パケット(つまり、SHDコンテンツを構成するデータ)のビット誤り率を監視することによっても、上述したような実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第14の実施形態)
次に、図62から図63を参照して、本発明の第14の実施形態について説明する。上述の第13の実施形態では、いずれか一方の物理チャンネルについてのみ、SHDコンテンツとHD/SDコンテンツとの階層伝送を行っていた。これに対して、第14の実施形態では、双方の物理チャンネルで階層伝送を行う。具体的には、図62に示すように、送信側において上記HD/SDコンテンツ6102を2つ生成し、双方のチャンネルでそれぞれ階層化して伝送を行う。そして、受信側においては、第13の実施形態と同様に、伝送品質が低下したときにHD/SDコンテンツに切り替える処理を行うが、このとき、2つのチャンネルのうち、伝送品質が高いほうのチャンネルのHD/SDコンテンツを再生するようにしている。
図63は、本発明の第14の実施形態に係る送信装置6060の構成を示した機能ブロック図である。当該実施形態に係る送信装置6060は、上述した第13の実施形態で図53を用いて説明した送信装置6010の機能構成に第2の低階層エンコーダ6022を加えたものに相当し、他の構成部は、第13の実施形態と同様である。なお、図53における低階層エンコーダ6012は、図63では第1の低階層エンコーダ6012と称している。従って、第2の低階層エンコーダ6022以外の構成部については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。
図63において、第2の低階層エンコーダ6022は、第1の低階層エンコーダ6012と同様の機能を有している。時分割多重部6013は、高階層AVストリームと、第1の低階層エンコーダ6012から出力される低階層AVストリームと、第2の低階層エンコーダ6022から出力される低階層ストリームとを多重化して原TSを生成する。換言すれば、第14の実施形態における原TSには、1つの高階層AVストリームと同じ内容の2つの低階層AVストリームが含まれていることになる。
また、TS分割部6014は、入力されてくる原TSについて、高階層AVストリームは、第1の主信号誤り訂正符号化部6015と第2の主信号誤り訂正符号化部6016に振り分けて出力する。一方、低階層AVストリームについては、第1の低階層エンコーダ
6012から出力された低階層ストリームは第1の主信号誤り訂正符号化部6015に出力し、第2の低階層エンコーダ6022から出力された低階層ストリームは第2の主信号誤り訂正符号化部6016へ出力する。
上記のような構成で、第14の実施形態にかかる送信装置は、動画像コンテンツの送信を行う。その結果、バルク伝送に係る各チャンネルでHD/SDコンテンツが階層伝送されることになる。
次に、第14の実施形態にかかる受信装置について説明する。第14の実施形態の受信装置の機能ブロック図は、第13の実施形態と同様である(図57参照)。そして、当該受信装置において、基本的には、第13の実施形態で図59〜図60を用いて上述したような処理が実行されるが、次の点において、第13の実施形態とは部分的に異なる処理が実行される。
まず、図59のステップS6006の処理において、第14の実施形態では、原TSから、高階層AVストリームと上記2つの低階層AVストリームが分離されるような処理が実行される。その後、ステップS6007、S6008の処理を経て、ステップS6009の処理において、第1の受信CNR検出部6041、および、第2の受信CNR検出部6042から出力される受信CNRのいずれか一方の値が所定の閾値未満であるか否かが判定される。このとき、それぞれの受信CNRの値をメモリ(図示せず)に一時的に記憶しておく。
その後、図60のステップS6011の処理において、上記記憶した受信CNRが比較される。そして、より伝送品質が高いほうの物理チャンネルの低階層AVストリームをTS合成・分離部6043からAVデコーダ6044に出力させる処理が実行される。
以上のような処理が実行されることで、第14の実施形態では、伝送品質が低下した場合に、2つの物理チャンネルのうち、より伝送品質が良好な状態の物理チャンネル側のHD/SDコンテンツを再生することが可能となる。そのため、第13の実施形態のように一方のチャンネルだけで階層伝送を行う場合で、当該階層伝送を行っている側の物理チャンネルの伝送品質が低下したような状況のときに、上記コンテンツ(放送番組)について、より確実な視聴の継続を確保することができる点で第2の実施形態は有利である。一方、第13の実施形態では、片側の物理チャンネルのみで階層伝送を行うため、第14の実施形態に比べて、SHDコンテンツを伝送するための帯域を圧迫しない点で有利である。
なお、上記第14の実施形態は、上述したようなビット誤り率を用いての伝送品質を判定する場合にも適用可能である。
更に、送信装置6060において上記のような2つの低階層AVストリームを生成するときに、それぞれ異なるエンコード方式を用いるようにしても良い。例えば、第1の低階層エンコーダ6012ではMPEG2方式でエンコードを行い、第2の低階層エンコーダ6022では、H.264方式でエンコードを行うようにしてもよい。これにより、SHDコンテンツのエンコード方式に非対応の受信装置、例えば、MPEG2方式のデコーダしか備えていないような受信装置であっても、SHDコンテンツと同様の内容のコンテンツの視聴を可能とすることができる。具体的には、当該受信装置においてMPEG2方式でエンコードした低階層AVストリームを階層伝送している物理チャンネルを選局させ、HD/SDコンテンツを再生するようにすれば、このような受信装置でも、SHDコンテンツと同様の内容のコンテンツを視聴することが可能となる。すなわち、SHDコンテンツをデコードできる受信装置がなければ放送番組を全く視聴することができない、という状況になることを防ぐ事ができる。
また、第1の低階層エンコーダ6012ではSD映像のAVストリームを、第2の低階層エンコーダ6022ではHD映像のAVストリームを階層伝送するように構成しても良い。この場合も、SHDコンテンツをデコードできる受信装置がなければ放送番組を全く視聴することができない、という状況になることを防ぐ事ができる。
また、送信装置において、第13の実施形態のように低階層AVストリームは一つだけ生成するが、その伝送に際しては、高階層AVストリームと同様に、2つのチャンネルに振り分けて伝送するようにしても良い(図64参照)。つまり、1つの低階層AVストリームを、例えば半分ずつ2つのチャンネルに振り分けて伝送するようにしてもよい。この場合であっても、低階層AVストリームは高階層AVストリームで要求される伝送品質よりは低い伝送品質で視聴することが可能であるため、第13の実施形態と同様に、伝送品質が低下したときに低階層AVストリームの再生に切り替えることで、コンテンツの視聴を継続できるという効果が得られる。
なお、第13および第14の実施形態では、SHDコンテンツ等を2つの物理チャンネルを使ってバルク伝送を行い、2つのチューナを搭載した受信装置を用いて受信する場合を例としたが、3つ以上の物理チャンネルを用いたバルク伝送および3つ以上のチューナを搭載した受信装置を組み合わせたデジタル放送システムにおいても本発明は適用可能である。
また、第13および第14の実施形態では、受信CNRが所定の閾値未満となったとき、あるいはビット誤り率が所定の閾値を越えたときに低階層AVストリームのデコードを行っていたが、この閾値を2段階の閾値で構成してもよい。すなわち、受信CNRが上述したような閾値に近づいてくると、例えば、上記SHDコンテンツの画像は、映らないとまではいかないが、画面にノイズが発生して、見栄えの悪い画像が表示されうる。そこで、このようなノイズ等が発生して画面の映りが悪くなり始めるような受信CNRを第1の閾値とし、上記第13の実施形態等で用いた閾値(例えばステップS6009等で用いた閾値)を第2の閾値として設定する(そのため、第1の閾値は、第2の閾値より少し低い、あるいは少し高いというような、第2の閾値に近い値となる)。そして、受信CNRが第1の閾値を下回ったときに、CPU6045は、画面に小さいサイズのウィンドウを表示し、当該ウィンドウ内でHD/SDコンテンツ(すなわち、低階層AVストリーム)を再生、表示する。更に、CPU6045は、受信状態が悪くなっている旨のメッセージと、ウィンドウに表示されているHD/SDコンテンツの再生を行うか否かを問い合わせる旨のメッセージを画面に表示する。これに対して利用者が、HD/SDコンテンツの表示を選択する操作を行えば、その時点で高階層AVストリームのデコードは中止して、低階層AVストリームのデコードを実行する(上記ウィンドウは消去する)ようにしてもよい。また、利用者が、HD/SDコンテンツの表示を選択する操作を行わなかったときは、受信CNRが第2の閾値未満となったときに低階層AVストリームのデコードを実行する。これにより、受信状態が悪くなり始めたときに、より早いタイミングでHD/SDコンテンツの再生への切替を利用者に選択させることができ、受信装置の利便性を高めることができる。
また、第14の実施形態で上述したような、双方の物理チャンネルでHD/SDコンテンツの階層伝送を行っているときは、上記第1の閾値を下回ったときにウィンドウに表示するHD/SDコンテンツについては、より受信CNRが良好である方の物理チャンネルのHD/SDコンテンツコンテンツを表示するようにすればよい。また、利用者の選択操作、あるいは第2の閾値未満となったためにHD/SDコンテンツに切り替わった後も受信CNRの状態を監視し、その状態に応じて適宜、受信状態が良好な方の物理チャンネルのHD/SDコンテンツを再生するようにしてもよい。これにより、映像や音声が途切れ
たり乱れたりする状態を発生させずにコンテンツの視聴を継続させることが可能となる。
本発明にかかるデジタル放送送信装置、デジタル放送受信装置は、情報量が大きな番組を送受信することができ、デジタル放送の放送設備における送信装置や、デジタル放送を受信可能なテレビやカーナビゲーション装置等に有用である。
10 送信装置
11 映像符号化部
12 音声符号化部
13 データ符号化部
14 マルチプレクサ
15 分割部
16 誤り訂正・変調部
17 送信部
18 CPU
19 メモリ
20 アンテナ
30 受信装置
31 アンテナ
32 フロントエンド
33 結合部
34 デマルチプレクサ
35 CPU
36 メモリ
37 ビデオデコーダー
38 オーディオデコーダー
39 データ処理部
50 NIT
60 選局テーブル
2030 受信装置
2031 アンテナ
2032 第1のチューナ
2033 第2のチューナ
2034 第1の復調部
2035 第2の復調部
2036 第1の主信号誤り訂正復号部
2037 第2の主信号誤り訂正復号部
2038 第1のTMCC復号部
2039 第2のTMCC復号部
2040 TMCC制御部
2041 TS合成・分離部
2042 第1のAVデコーダ
2043 第2のAVデコーダ
2044 第1のOSD作成・合成部
2045 第2のOSD作成・合成部
2046 第1の表示部
2047 第2の表示部
2048 CPU
2049 リモコン処理部
2050 フラッシュメモリ
2051 リモコン
2052 録画処理部
2053 記録部
2054 EPG情報取得部
2361 デインターリーブ部
2362 内符号誤り復号部
2363 エネルギー逆拡散部
2364 外符号誤り復号部
3030 受信装置
3031 アンテナ
3032 第1のチューナ
3033 第2のチューナ
3034 第1の復調部
3035 第2の復調部
3036 第1の主信号誤り訂正復号部
3037 第2の主信号誤り訂正復号部
3038 第1のTMCC復号部
3039 第2のTMCC復号部
3040 TMCC制御部
3041 TS合成・分離部
3042 第1のAVデコーダ
3043 第2のAVデコーダ
3044 第1の表示部
3045 第2の表示部
3046 CPU
3047 リモコン処理部
3048 フラッシュメモリ
3049 リモコン
3050 受信装置
3051 第1のOSD作成・合成部
3052 第2のOSD作成・合成部
3060 受信装置
3061 EPG情報取得部
3361 デインターリーブ部
3362 内符号誤り復号部
3363 エネルギー逆拡散部
3364 外符号誤り復号部
4030 受信装置
4031 アンテナ
4032 第1のチューナ
4033 第2のチューナ
4034 第1の復調部
4035 第2の復調部
4036 第1の主信号誤り訂正復号部
4037 第2の主信号誤り訂正復号部
4038 第1のTMCC復号部
4039 第2のTMCC復号部
4040 TMCC制御部
4041 TS合成・分離部
4042 第1のAVデコーダ
4043 第2のAVデコーダ
4044 第1のOSD作成・合成部
4045 第2のOSD作成・合成部
4046 第1の表示部
4047 第2の表示部
4048 CPU
4049 リモコン処理部
4050 フラッシュメモリ
4051 リモコン
4060 受信装置
4061 録画処理部
4062 記録部
4070 受信装置
4361 デインターリーブ部
4362 内符号誤り復号部
4363 エネルギー逆拡散部
4364 外符号誤り復号部
6010 送信装置
6011 高階層エンコーダ
6012 低階層エンコーダ
6013 時分割多重部
6014 TS分割部
6015 第1の主信号誤り訂正符号化部
6016 第2の主信号誤り訂正符号化部
6017 第1のマッピング部
6018 第2のマッピング部
6019 第1の周波数変換部
6020 第2の周波数変換部
6021 CPU
6022 第2の低階層エンコーダ
6023 第1のTMCC生成部
6024 第2のTMCC生成部
6030 受信装置
6031 アンテナ
6032 第1のチューナ
6033 第2のチューナ
6034 第1の復調部
6035 第2の復調部
6036 第1の主信号誤り訂正復号部
6037 第2の主信号誤り訂正復号部
6038 第1のTMCC復号部
6039 第2のTMCC復号部
6040 TMCC制御部
6041 第1の受信CNR検出部
6042 第2の受信CNR検出部
6043 TS合成・分離部
6044 AVデコーダ
6045 CPU
6046 表示部
6050 受信装置
6051 第1の高階層スロットビット誤り検出部
6052 第2の高階層スロットビット誤り検出部
6060 送信装置
6151 外符号誤り訂正部
6152 エネルギー拡散部
6153 内符号誤り訂正部
6154 インターリーブ部
6361 デインターリーブ部
6362 内符号誤り復号部
6363 エネルギー逆拡散部
6364 外符号誤り復号部