JP2000032404A - デジタル放送に用いられる情報伝達方法、並びに、デジタル放送送出装置、デジタル放送受信装置、及びデジタル放送送受システム - Google Patents

デジタル放送に用いられる情報伝達方法、並びに、デジタル放送送出装置、デジタル放送受信装置、及びデジタル放送送受システム

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JP2000032404A
JP2000032404A JP10193431A JP19343198A JP2000032404A JP 2000032404 A JP2000032404 A JP 2000032404A JP 10193431 A JP10193431 A JP 10193431A JP 19343198 A JP19343198 A JP 19343198A JP 2000032404 A JP2000032404 A JP 2000032404A
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Kazuo Haraoka
和生 原岡
Takeshi Kimura
武史 木村
Yoshihisa Gonno
善久 権野
Ikuhiko Nishio
郁彦 西尾
Yasuaki Yamagishi
靖明 山岸
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Jisedai Joho Hoso System Kenkyusho KK
Original Assignee
Jisedai Joho Hoso System Kenkyusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 降雨等による突発的な伝送路誤りが生じた際
に、又は、Vチップが選択受信機能を発揮することで番
組中の暴力シーンが選択的に受信不能状態に陥った際
に、デジタル放送の受信側において生じる放送サービス
の中断を、従来とは異なる新規な手法を用いて可及的に
抑制することを課題とする。 【解決手段】 デジタル放送の送出側は、主情報よりも
時間的に先行する副情報を、主情報とともに多重化して
送出する一方、受信側は、主情報が使用可能状態にある
ときには主情報を取得し、また、例えば伝送路誤りやV
チップが選択受信機能を発揮する等の事由に起因して主
情報が使用不能状態にあるときには副情報を取得する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地上波や衛星波を
含む伝送路を介して、映像、音声、又は文字等の情報を
デジタル形態で放送するデジタル放送に係り、特に、例
えば、降雨等による突発的な伝送路誤りが生じた際に、
又は、いわゆるVチップが選択受信機能を発揮すること
で番組中の暴力シーンが選択的に受信不能とされた際
に、デジタル放送の受信側において生じる放送サービス
の中断を、従来とは異なる新規な手法を用いて可及的に
抑制し得るデジタル放送に用いられる情報伝達方法、並
びに、デジタル放送送出装置、デジタル放送受信装置、
及びデジタル放送送受システムに関する。
【0002】
【従来の技術】最近時、既存のアナログ放送に加えて、
地上波や衛星波を含む伝送路を介して、映像、音声、又
は文字等の情報を含む表現メディアをデジタル形態で放
送するデジタル放送に係る社会基盤が急速に整備されつ
つある。
【0003】一般に、デジタル放送は、受信環境がある
限界を下回るまでは、品質の劣化がほとんど生じないと
いう優れた特長を有しているが、限界以下では急激な品
質劣化を生じ、放送サービスに支障を来すおそれのある
ことが報告されている。
【0004】そこで、従来より、放送対象となる全ての
情報を均一な強さではなく、その重要度に応じて強弱を
つけて伝送する階層伝送によって、急激な品質劣化を改
善しようとする、「緩やかな品質劣化」を意味するグレ
ースフルデグラデーションと呼ばれる技術が導入されて
いる。
【0005】具体的には、例えば、降雨時に電波が大き
く減衰する21GHz帯の衛星デジタル放送や、移動受
信で見られる受信電界強度の低下若しくは建物からの反
射波、すなわちゴースト波の影響に起因して、伝送状態
に極端な変化を生じるVHF・UHF帯、又は2.6G
Hz帯等の地上デジタル放送においては、急激な受信品
質の劣化は大きな課題であるが、グレースフルデグラデ
ーションはこの課題の有力な解決手段として位置付けら
れている。
【0006】ここで、グレースフルデグラデーションに
ついて詳しく述べると、グレースフルデグラデーション
を実現するためには、階層符号化、適切な重み付け、多
重、及び変調という各処理ステップが必要である。
【0007】階層符号化は、放送対象となる映像や音声
等の情報を、その解像度や階調などの品質に応じて、例
えば粗情報/精細情報の2階層等の情報に区分してデジ
タル符号に変換するものである。
【0008】適切な重み付けは、例えば各情報に対し、
各自の重要度に応じて強弱をつけることを意味する。上
述した例では、粗情報/精細情報の順序で重み付けがな
されることになる。これにより、受信環境が突発的に悪
化した場合であっても、最低限の情報だけは受信できる
ようにすることができる。
【0009】多重方式としては、例えば、TDMと呼ば
れる時分割多重、FDMと呼ばれる周波数分割多重、C
DMと呼ばれる符号分割多重などの方式があり、また、
変調方式としては、例えば、振幅変調や位相変調などの
方式がある。これら複数の方式のなかから、伝送路の性
質やサービス形態に応じた適切な多重方式及び変調方式
を適宜選択する。
【0010】上述した各種処理ステップを経て送出され
た情報の受信側では、受信した情報を復調後に、多重化
された情報を分離し、各情報の伝送路誤り、すなわち伝
送路上での符号誤りが許容範囲内にあるか否かを判定
し、使用可能な情報を選択した上で、選択した情報を用
いて階層的に復号化を行うことにより、復元された映像
や音声等の信号を得るのである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近の社会
的な要請から、番組中の暴力シーンを選択的に受信不能
状態に陥らせる選択受信機能を有するVチップと呼ばれ
る電子部品が受信機に組み込まれるようになってきた。
【0012】ところが、このVチップが組み込まれた受
信機で番組を視聴した場合、番組中の暴力シーンの場面
が到来すると、該当場面の映像及び音声が突発的にブラ
ックアウトしてしまうため、番組の流れを阻害するとい
う視聴者の苦情が聞かれるようにもなってきた。
【0013】そこで、Vチップが組み込まれた受信機で
番組を視聴した場合であっても、番組の流れを阻害する
ことなく、しかも、番組提供者の意図を忠実に反映する
ような、暴力シーンに代わる代替シーンを挿入し得る新
規な技術の開発が関係者の間で強く要望されていた。
【0014】そこで、本発明者らは、前述したグレース
フルデグラデーションを用いた従来の情報伝達方法を流
用することで、上述の暴力シーンに代わる代替シーンの
挿入ができないかを検討したところ、従来の情報伝達方
法を単に流用するのみでは、解像度が高い精細情報をも
って番組が映し出されているところで、暴力シーンの場
面が到来すると、解像度が低い粗情報もって代替シーン
が映し出されてしまうため、映像の解像度が不自然に切
り替えられる結果として、番組の流れを著しく阻害して
しまうことが判明した。
【0015】発想の転換を迫られた本発明者らは、降雨
等による突発的な伝送路誤りが生じた際に、又は、Vチ
ップが選択受信機能を発揮することで番組中の暴力シー
ンが選択的に受信不能状態に陥った際に、デジタル放送
の受信側において生じる放送サービスの中断を、従来と
は異なる新規な手法を用いて可及的に抑制することを企
図して、さらに鋭意研究を積み重ねた結果、本願で提案
される情報伝達方法を想到するにいたったのである。
【0016】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、例えば、降雨等による突発的な伝送路誤りが生
じた際に、又は、Vチップが選択受信機能を発揮するこ
とで番組中の暴力シーンが選択的に受信不能状態に陥っ
た際に、デジタル放送の受信側において生じる放送サー
ビスの中断を、従来とは異なる新規な手法を用いて可及
的に抑制し得るデジタル放送に用いられる情報伝達方
法、並びに、デジタル放送送出装置、デジタル放送受信
装置、及びデジタル放送送受システムを提供することを
課題とする。
【0017】また、本発明は、上述した種々の事由に起
因してデジタル放送の受信側において生じる放送サービ
スの中断を、番組提供者の意図を忠実に反映しながら、
番組の流れを阻害することなく映像の解像度を可及的に
維持しながら、又は、放送用に割り当てられている限ら
れた周波数帯域を有効に活用しながら、従来とは異なる
新規な手法を用いて可及的に抑制し得るデジタル放送に
用いられる情報伝達方法、並びに、デジタル放送送出装
置、デジタル放送受信装置、及びデジタル放送送受シス
テムを提供することを課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、地上波や衛星波を含む伝送路を
介して、映像、音声、又は文字等の情報をデジタル形態
で放送するデジタル放送に用いられる情報伝達方法であ
って、デジタル放送の送出側は、放送対象となる情報
を、主情報と、当該主情報との間で相互に代替関係を有
する副情報とに区分するとともに、当該区分した主副の
各情報をエンコードし、当該エンコード後の主副の各情
報を、前記副情報が前記主情報よりも時間的に先行する
ように相互に時間差をもたせた状態下で多重化して送出
する一方、デジタル放送の受信側は、前記送出側から送
出された情報から前記主副の各情報を、前記副情報が前
記主情報よりも時間的に遅延するように相互に時間差を
もたせた状態下でそれぞれ分離して取り出し、当該取り
出された主副の各情報毎の使用可否状態に従って、当該
主副の各情報のうち、前記主情報が使用可能状態にある
ときには当該主情報を、又は、前記主情報が使用不能状
態にあるときには当該主情報に代替する前記副情報を、
選択するとともにデコードして復元することで、前記主
情報又は当該主情報に代替する副情報のうちいずれか一
方を選択的に取得することを要旨とする。
【0019】請求項1の発明によれば、まず、デジタル
放送の送出側は、放送対象となる情報を、主情報と、主
情報との間で相互に代替関係を有する副情報とに区分す
るとともに、区分した主副の各情報をエンコードし、エ
ンコード後の主副の各情報を、副情報が主情報よりも時
間的に先行するように相互に時間差をもたせた状態下で
多重化して送出する。
【0020】一方、デジタル放送の受信側は、送出側か
ら送出された情報から主副の各情報を、副情報が主情報
よりも時間的に遅延するように相互に時間差をもたせた
状態下でそれぞれ分離して取り出し、取り出された主副
の各情報毎の使用可否状態に従って、主副の各情報のう
ち、主情報が使用可能状態にあるときには主情報を、又
は、主情報が使用不能状態にあるときには主情報に代替
する副情報を、選択するとともにデコードして復元する
ことで、主情報又は主情報に代替する副情報のうちいず
れか一方を選択的に取得する。
【0021】このように、請求項1の発明によれば、デ
ジタル放送の送出側は、主情報よりも時間的に先行する
副情報を、主情報とともに多重化して送出する一方、受
信側は、主情報が使用可能状態にあるときには主情報を
取得し、また、例えば伝送路誤りやVチップが選択受信
機能を発揮する等の事由に起因して主情報が使用不能状
態にあるときには副情報を取得するようにしたので、以
下に述べる作用効果を期待することができる。
【0022】すなわち、第1に、例えば、降雨、又はデ
ジタル放送の受信側が移動しながら受信している場合に
おいてトンネル等の遮蔽体により伝送路が遮蔽されるな
どの種々の事由に起因して突発的に伝送路誤りが生じた
場合、つまり、なんらの対策も施さなければ主情報に係
るサービス中断の事態が生じるおそれがある場合であっ
ても、主情報よりも時間的に先行して送出されて受信側
で時間的に遅延されている副情報が、主情報と同様に伝
送路誤りを含んでいる確率は低いため、主情報に代替し
て副情報を取得することで放送サービスの提供を継続す
ることが可能である。
【0023】第2に、Vチップが選択受信機能を発揮す
ることで主情報が使用不能状態に陥った場合であって
も、副情報として、例えば番組提供者の意図を忠実に反
映した暴力シーンに代わる代替シーンを、主情報よりも
時間的に先行してあらかじめ受信側に伝送しておけば、
番組提供者の意図を忠実に反映した放送サービスの提供
を継続することが可能である。
【0024】第3に、上記第2に関連して、副情報とし
て、例えば番組提供者の意図を忠実に反映した暴力シー
ンに代わる代替シーンを、主情報よりも時間的に先行し
て、放送用に割り当てられた周波数帯域のうち、主情報
が使用している周波数帯域の隙間を利用して、主情報の
解像度と同等となるような時間間隔をもって、つまり、
低い伝送レートで比較的長い時間をかけて、あらかじめ
受信側に伝送するとともに例えば蓄積させておけば、上
記第2で得られる作用効果に加えて、さらに、番組の流
れを阻害することなく映像の解像度を可及的に維持しな
がら、かつ、放送用に割り当てられている限られた周波
数帯域を有効に活用しながら、放送サービスの提供を継
続することが可能である。
【0025】以上述べたように、請求項1の発明によれ
ば、例えば、降雨、若しくはデジタル放送の受信側が移
動しながら受信している場合においてトンネル等の遮蔽
体により伝送路が遮蔽されるなどの種々の事由に起因し
て突発的な伝送路誤りが生じた際に、又は、Vチップが
選択受信機能を発揮することで番組中の暴力シーンが選
択的に受信不能状態に陥った際に、デジタル放送の受信
側において生じる放送サービスの中断を、番組提供者の
意図を忠実に反映しながら、番組の流れを阻害すること
なく映像の解像度を可及的に維持しながら、又は、放送
用に割り当てられている限られた周波数帯域を有効に活
用しながら、従来とは異なる新規な手法を用いて可及的
に抑制し得るデジタル放送に用いられる情報伝達方法を
提案することができる。
【0026】また、請求項2の発明は、前記デジタル放
送の送出側で行われる前記主副の各情報に対するエンコ
ードは、共通の符号化方式が採用されることを妨げない
ことを要旨とする。
【0027】請求項2の発明によれば、デジタル放送の
送出側で行われる主副の各情報に対するエンコードは、
共通の符号化方式が採用されることを妨げないものとさ
れるので、したがって、例えば、デジタル放送の送出側
で行われる主副の各情報に対するエンコードとして共通
の符号化方式を採用すれば、主副の各情報に対して付加
される誤り訂正符号が占有する周波数低域幅を可及的に
抑制することができ、結果として、上述した種々の事由
に起因して、デジタル放送の受信側において生じる放送
サービスの中断を、放送用に割り当てられている限られ
た周波数帯域を有効に活用しながら、従来とは異なる新
規な手法を用いて可及的に抑制し得るデジタル放送に用
いられる情報伝達方法を提案することができる。
【0028】なお、前述したグレースフルデグラデーシ
ョンを用いた従来の情報伝達方法によれば、粗情報は、
伝送路誤り対策の観点から、精細情報の符号化と比較し
て冗長度の抑圧程度が低い符号化がなされるため、粗情
報の伝送用に比較的広い周波数帯域を確保する必要があ
る結果として、限られた周波数帯域を有効に活用するこ
とが難しかったのに対し、本発明では、伝送路誤り対策
として、副情報を、主情報に対して時間的に先行させて
伝送することで解決しているので、上記作用効果を奏し
得ることを付言しておく。
【0029】さらに、請求項3の発明は、前記デジタル
放送の送出側で行われる前記主副の各情報に対するエン
コードは、相互に異なる符号化方式が採用されることを
妨げないことを要旨とする。
【0030】請求項3の発明によれば、デジタル放送の
送出側で行われる主副の各情報に対するエンコードは、
相互に異なる符号化方式が採用されることを妨げないも
のとされる。
【0031】さらにまた、請求項4の発明は、前記主副
の各情報の各々は、複数の単位部分をそれぞれ含んで構
成されており、当該複数の単位部分の各々には、各単位
部分が相互に識別可能となり、かつ、前記主副の各情報
にそれぞれ属する複数の単位部分間の代替関係が識別可
能となるような識別タグが付加されており、前記デジタ
ル放送の受信側は、前記送出側から送出された情報から
前記主副の各情報をそれぞれ分離して取り出すにあた
り、前記主副の各情報のうち前記副情報を一旦蓄積する
ことで、前記副情報が前記主情報よりも時間的に遅延す
るように相互に時間差をもたせた状態を創出するように
し、前記主情報が使用不能状態にあるときには、前記蓄
積されている副情報に属する単位部分に付加された識別
タグを参照することで、前記主情報に属する任意の単位
部分に代替する、前記副情報に属する単位部分を一意に
特定選択するとともにデコードして復元することを要旨
とする。
【0032】請求項4の発明によれば、デジタル放送の
受信側は、送出側から送出された情報から主副の各情報
をそれぞれ分離して取り出すにあたり、主副の各情報の
うち副情報を一旦蓄積することで、副情報が主情報より
も時間的に遅延するように相互に時間差をもたせた状態
を創出するようにし、主情報が使用不能状態にあるとき
には、蓄積されている副情報に属する単位部分に付加さ
れた識別タグを参照することで、主情報に属する任意の
単位部分に代替する、副情報に属する単位部分を一意に
特定選択するとともにデコードして復元するので、した
がって、例えば副情報として、番組提供者の意図を忠実
に反映した暴力シーンに代わる代替シーンを、主情報よ
りも時間的に先行して、放送用に割り当てられた周波数
帯域のうち、主情報が使用している周波数帯域の隙間を
利用して、主情報の解像度と同等となるような時間間隔
をもって、つまり、低い伝送レートで比較的長い時間を
かけて、あらかじめ受信側に伝送するとともに蓄積させ
ておけば、上述した種々の事由に起因して、デジタル放
送の受信側において生じる放送サービスの中断を、番組
提供者の意図を忠実に反映しながら、かつ、番組の流れ
を阻害することなく映像の解像度を可及的に維持しなが
ら、かつ、放送用に割り当てられている限られた周波数
帯域を有効に活用しながら、従来とは異なる新規な手法
を用いて可及的に抑制し得るデジタル放送に用いられる
情報伝達方法を具現化することができる。
【0033】しかも、請求項5の発明は、前記副情報
は、複数の副情報を含んで構成されることを妨げないも
のであり、当該副情報が複数の副情報を含んで構成され
た場合であって、前記主情報が使用不能状態にある場合
には、当該複数の副情報のうち、1つの副情報が前記主
情報として取り扱われる一方、その他の副情報が前記副
情報として取り扱われるようにして、前記と同様な動作
が自己相似的に実行されることを要旨とする。
【0034】請求項5の発明によれば、副情報が複数の
副情報を含んで構成された場合であって、主情報が使用
不能状態にある場合には、複数の副情報のうち、1つの
副情報が主情報として取り扱われる一方、その他の副情
報が請求項1に記載の副情報として取り扱われるように
して、請求項1と同様な動作が自己相似的に実行される
ので、したがって、例えば、本請求項では主情報として
取り扱われる、請求項1で言う副情報が使用不能状態に
ある場合であっても、本請求項では副情報として取り扱
われる、請求項1で言う副情報の副情報、つまり副々情
報をあらかじめ伝送しておけば、複数階層にわたる、二
重の情報伝達安全度を担保することができ、この結果、
上述した種々の事由に起因して、デジタル放送の受信側
において生じる放送サービスの中断を、飛躍的に高めら
れた情報伝達安全度をもって、従来とは異なる新規な手
法を用いて可及的に抑制し得るデジタル放送に用いられ
る情報伝達方法を具現化することができる。
【0035】また、請求項6の発明は、前記主副の各情
報は、相互に異なる表現メディアをそれぞれ含むことを
妨げないことを要旨とする。
【0036】請求項6の発明によれば、主副の各情報
は、相互に異なる表現メディアをそれぞれ含むことを妨
げないものとされるので、したがって、例えば、主情報
としてHDTV、すなわちハイビジョン映像を採用する
一方、副情報としてSDTV、すなわち標準テレビ映像
を採用したり、又は、主情報としてハイビジョン映像を
採用する一方、副情報として紙芝居のような駒送り静止
画像を採用したり、又は、主情報として標準テレビ映像
を採用する一方、副情報として文字データを採用するな
ど、種々の組み合わせに係る適宜の表現メディアを採用
することができ、この結果、きわめて自由度が高い柔軟
な放送サービスを提供し得るデジタル放送に用いられる
情報伝達方法を具現化することができる。
【0037】一方、請求項7の発明は、地上波や衛星波
を含む伝送路を介して、映像、音声、又は文字等の情報
をデジタル形態で放送するデジタル放送に用いられる情
報伝達方法であって、デジタル放送の送出側は、放送対
象となる情報を、主情報と、当該主情報との間で相互に
代替関係を有する副情報とに区分するとともに、当該区
分した主副の各情報をエンコードし、当該エンコード後
の主副の各情報を、前記副情報が前記主情報よりも時間
的に先行するように相互に時間差をもたせた状態下で多
重化して送出する一方、デジタル放送の受信側は、前記
送出側から送出された情報から前記主副の各情報を、前
記副情報が前記主情報よりも時間的に遅延するように相
互に時間差をもたせた状態下でそれぞれ分離して取り出
し、当該取り出された主副の各情報毎の使用可否状態に
従って、当該主副の各情報のうち、前記副情報が使用可
能状態にあるときには当該副情報を、又は、前記副情報
が使用不能状態にあるときには当該副情報に代替する前
記主情報を、選択するとともにデコードして復元するこ
とで、前記副情報又は当該副情報に代替する主情報のう
ちいずれか一方を選択的に取得することを要旨とする。
【0038】請求項7の発明によれば、まず、デジタル
放送の送出側は、放送対象となる情報を、主情報と、主
情報との間で相互に代替関係を有する副情報とに区分す
るとともに、区分した主副の各情報をエンコードし、エ
ンコード後の主副の各情報を、副情報が主情報よりも時
間的に先行するように相互に時間差をもたせた状態下で
多重化して送出する。
【0039】一方、デジタル放送の受信側は、送出側か
ら送出された情報から主副の各情報を、副情報が主情報
よりも時間的に遅延するように相互に時間差をもたせた
状態下でそれぞれ分離して取り出し、取り出された主副
の各情報毎の使用可否状態に従って、主副の各情報のう
ち、副情報が使用可能状態にあるときには副情報を、又
は、副情報が使用不能状態にあるときには副情報に代替
する主情報を、選択するとともにデコードして復元する
ことで、副情報又は副情報に代替する主情報のうちいず
れか一方を選択的に取得する。
【0040】このように、請求項7の発明によれば、デ
ジタル放送の送出側は、主情報よりも時間的に先行する
副情報を、主情報とともに多重化して送出する一方、受
信側は、請求項1の発明とは逆に、副情報が使用可能状
態にあるときには副情報を取得し、また、例えば伝送路
誤りやVチップが選択受信機能を発揮する等の事由に起
因して副情報が使用不能状態にあるときには主情報を取
得するようにしたので、上述した請求項1の発明と同様
に、例えば、降雨、若しくはデジタル放送の受信側が移
動しながら受信している場合においてトンネル等の遮蔽
体により伝送路が遮蔽されるなどの種々の事由に起因し
て突発的な伝送路誤りが生じた際に、又は、Vチップが
選択受信機能を発揮することで番組中の暴力シーンが選
択的に受信不能状態に陥った際に、デジタル放送の受信
側において生じる放送サービスの中断を、番組提供者の
意図を忠実に反映しながら、番組の流れを阻害すること
なく映像の解像度を可及的に維持しながら、又は、放送
用に割り当てられている限られた周波数帯域を有効に活
用しながら、従来とは異なる新規な手法を用いて可及的
に抑制し得るデジタル放送に用いられる情報伝達方法を
提案することができる。
【0041】さらに、請求項8の発明は、前記副情報の
伝送レートは、前記主情報の伝送レートと比較して、同
等又は低い伝送レートが採用されることを要旨とする。
【0042】請求項8の発明によれば、副情報の伝送レ
ートは、主情報の伝送レートと比較して、同等又は低い
伝送レートが適宜採用されるので、したがって、例え
ば、主情報としてハイビジョン映像を採用する一方、副
情報として主情報と同様にハイビジョン映像を採用した
り、又は、主情報としてハイビジョン映像を採用する一
方、副情報として標準テレビ映像を採用するなど、種々
の組み合わせに係る適宜の表現メディアを採用すること
ができ、この結果、請求項6と同様に、きわめて自由度
が高い柔軟な放送サービスを提供し得るデジタル放送に
用いられる情報伝達方法を具現化することができる。な
お、主副の各情報の伝送レートは、一定又は可変のいづ
れをも適宜選択的に採用可能であることを付言してお
く。
【0043】さらにまた、請求項9の発明は、前記副情
報の伝送レートは、前記主情報の伝送レートと比較し
て、高い伝送レートが採用されることを要旨とする。
【0044】請求項9の発明によれば、副情報の伝送レ
ートは、主情報の伝送レートと比較して、高い伝送レー
トが採用される。
【0045】しかして、請求項10の発明は、地上波や
衛星波を含む伝送路を介して、映像、音声、又は文字等
の情報をデジタル形態で放送するデジタル放送送出装置
であって、放送対象となる情報を、主情報と、当該主情
報との間で相互に代替関係を有する副情報とに区分する
とともに、当該区分した主副の各情報をエンコードして
生成出力する情報生成手段と、当該情報生成手段でエン
コード後の主副の各情報を、前記副情報が前記主情報よ
りも時間的に先行するように相互に時間差をもたせた状
態下で多重化して送出する送出手段と、を含んで構成さ
れることを要旨とする。
【0046】請求項10の発明によれば、まず、情報生
成手段は、放送対象となる情報を、主情報と、主情報と
の間で相互に代替関係を有する副情報とに区分するとと
もに、区分した主副の各情報をエンコードして生成出力
し、これを受けて、送出手段は、情報生成手段でエンコ
ード後の主副の各情報を、副情報が主情報よりも時間的
に先行するように相互に時間差をもたせた状態下で多重
化して送出するので、したがって、デジタル放送の受信
側に対し、主情報に先だってあらかじめ時間的に先行し
た副情報を伝送しておくことができ、この結果、上述し
た種々の事由に起因して、デジタル放送の受信側におい
て生じる放送サービスの中断を、従来とは異なる新規な
手法を用いて可及的に抑制し得るデジタル放送送出装置
を具現化することができる。
【0047】しかも、請求項11の発明は、前記情報生
成手段で行われる前記主副の各情報に対するエンコード
は、共通の符号化方式が採用されることを妨げないこと
を要旨とする。
【0048】請求項11の発明によれば、情報生成手段
で行われる主副の各情報に対するエンコードは、共通の
符号化方式が採用されることを妨げないものとされるの
で、したがって、例えば、情報生成手段で行われる主副
の各情報に対するエンコードとして共通の符号化方式を
採用すれば、主副の各情報に対して付加される誤り訂正
符号が占有する周波数低域幅を可及的に抑制することが
でき、結果として、請求項2の発明と同様に、上述した
種々の事由に起因して、デジタル放送の受信側において
生じる放送サービスの中断を、放送用に割り当てられて
いる限られた周波数帯域を有効に活用しながら、従来と
は異なる新規な手法を用いて可及的に抑制し得るデジタ
ル放送送出装置を提案することができる。
【0049】しかして、請求項12の発明は、前記情報
生成手段で行われる前記主副の各情報に対するエンコー
ドは、相互に異なる符号化方式が採用されることを妨げ
ないことを要旨とする。
【0050】請求項12の発明によれば、情報生成手段
で行われる主副の各情報に対するエンコードは、相互に
異なる符号化方式が採用されることを妨げないものとさ
れる。
【0051】一方、請求項13の発明は、地上波や衛星
波を含む伝送路を介して、映像、音声、又は文字等の情
報がデジタル形態で放送されるデジタル放送を受信する
デジタル放送受信装置であって、主情報と、当該主情報
との間で相互に代替関係を有する副情報との主副の各情
報が、デジタル放送の送出側でエンコード及び多重化後
に送出された情報から、前記主副の各情報を、前記副情
報が前記主情報よりも時間的に遅延するように相互に時
間差をもたせた状態下でそれぞれ分離して取り出す多重
分離手段と、当該多重分離手段で取り出された主副の各
情報毎の使用可否状態に従って、当該主副の各情報のう
ち、前記主情報が使用可能状態にあるときには当該主情
報を、又は、前記主情報が使用不能状態にあるときには
当該主情報に代替する前記副情報を、選択するとともに
デコードして復元する情報復元手段と、を含んで構成さ
れ、前記情報復元手段は、前記主情報又は当該主情報に
代替する副情報のうちいずれか一方を選択的に取得する
ことを要旨とする。
【0052】請求項13の発明によれば、まず、多重分
離手段は、主情報と、主情報との間で相互に代替関係を
有する副情報との主副の各情報が、デジタル放送の送出
側でエンコード及び多重化後に送出された情報から、主
副の各情報を、副情報が主情報よりも時間的に遅延する
ように相互に時間差をもたせた状態下でそれぞれ分離し
て取り出し、これを受けて、情報復元手段は、多重分離
手段で取り出された主副の各情報毎の使用可否状態に従
って、主副の各情報のうち、主情報が使用可能状態にあ
るときにはこの主情報を、又は、主情報が使用不能状態
にあるときにはこの主情報に代替する副情報を、選択す
るとともにデコードして復元し、これをもって、主情報
又はこの主情報に代替する副情報のうちいずれか一方を
選択的に取得するので、したがって、上述した種々の事
由に起因して、デジタル放送の受信側において生じる放
送サービスの中断を、従来とは異なる新規な手法を用い
て可及的に抑制し得るデジタル放送受信装置を具現化す
ることができる。
【0053】また、請求項14の発明は、前記情報復元
手段は、前記多重分離手段で取り出された主副の各情報
毎の使用可否状態に従って、当該主副の各情報のうち、
前記主情報が使用可能状態にあるときには当該主情報を
選択する一方、前記主情報が使用不能状態にあるときに
は当該主情報に代替する前記副情報を選択し、当該選択
された主情報又は当該主情報に代替する副情報のうちい
ずれか一方をデコードして復元することを要旨とする。
【0054】請求項14の発明によれば、情報復元手段
は、多重分離手段で取り出された主副の各情報毎の使用
可否状態に従って、主副の各情報のうち、主情報が使用
可能状態にあるときにはこの主情報を選択する一方、主
情報が使用不能状態にあるときにはこの主情報に代替す
る副情報を選択し、選択された主情報又はこの主情報に
代替する副情報のうちいずれか一方をデコードして復元
するので、したがって、主副の各情報をそれぞれデコー
ドした後に、いずれか一方の情報を選択する場合には、
デコード後の信号ストリームなどの情報を一時的に蓄え
ておく、ある程度の記憶容量をもつバッファメモリの用
意が必要であるのに対し、主情報又は副情報の選択を待
って、選択されたいずれか一方の情報をデコードするよ
うにしているために、バッファメモリを用いることなく
デコード後の信号ストリームなどの情報をたれ流し的に
出力するか、又は比較的小さい記憶容量のバッファメモ
リを用意するのみで済み、この結果、主副の各情報をそ
れぞれデコードした後に、いずれか一方の情報を選択す
る場合と比較して、デコーダ周辺の回路構成を簡素化す
ることができる。
【0055】さらに、請求項15の発明は、前記情報復
元手段は、前記多重分離手段で取り出された主副の各情
報毎の使用可否状態に従って、当該主副の各情報のう
ち、前記主情報が使用可能状態にあるときには当該主情
報をデコードする一方、前記主情報が使用不能状態にあ
るときには当該主情報に代替する前記副情報をデコード
し、当該デコードされた主情報又は当該主情報に代替す
る副情報のうちいずれか一方を選択して復元することを
要旨とする。
【0056】請求項15の発明によれば、情報復元手段
は、多重分離手段で取り出された主副の各情報毎の使用
可否状態に従って、主副の各情報のうち、主情報が使用
可能状態にあるときにはこの主情報をデコードする一
方、主情報が使用不能状態にあるときにはこの主情報に
代替する副情報をデコードし、デコードされた主情報又
はこの主情報に代替する副情報のうちいずれか一方を選
択して復元する。
【0057】さらにまた、請求項16の発明は、前記主
副の各情報の各々は、複数の単位部分をそれぞれ含んで
構成されており、当該複数の単位部分の各々には、各単
位部分が相互に識別可能となり、かつ、前記主副の各情
報にそれぞれ属する複数の単位部分間の代替関係が識別
可能となるような識別タグが付加されており、前記多重
分離手段は、前記デジタル放送の送出側でエンコード及
び多重化後に送出された情報から、前記主副の各情報を
それぞれ分離して取り出すにあたり、前記主副の各情報
のうち前記副情報を一旦蓄積することで、前記副情報が
前記主情報よりも時間的に遅延するように相互に時間差
をもたせた状態を創出するようにし、前記情報復元手段
は、前記主情報が使用不能状態にあるときには、前記蓄
積されている副情報に属する単位部分に付加された識別
タグを参照することで、前記主情報に属する任意の単位
部分に代替する、前記副情報に属する単位部分を一意に
特定選択するとともにデコードして復元することを要旨
とする。
【0058】請求項16の発明によれば、多重分離手段
は、デジタル放送の送出側でエンコード及び多重化後に
送出された情報から、主副の各情報をそれぞれ分離して
取り出すにあたり、主副の各情報のうち副情報を、例え
ばランダムアクセスが可能なメモリに一旦蓄積すること
で、副情報が主情報よりも時間的に遅延するように相互
に時間差をもたせた状態を創出するようにしている。こ
の場合、情報復元手段は、主情報が使用不能状態にある
ときには、蓄積されている副情報に属する単位部分に付
加された識別タグを参照することで、主情報に属する任
意の単位部分に代替する、副情報に属する単位部分を一
意に特定選択するとともにデコードして復元する。
【0059】したがって、例えば副情報として、番組提
供者の意図を忠実に反映した暴力シーンに代わる代替シ
ーンを、放送用に割り当てられた周波数帯域のうち、主
情報が使用している周波数帯域の隙間を利用して、主情
報の解像度と同等となるような時間間隔をもって、つま
り、周波数帯域と時間の要素を考慮しながら、低い伝送
レートで比較的長い時間をかけてあらかじめ蓄積してお
けば、上述した種々の事由に起因して、デジタル放送の
受信側において生じる放送サービスの中断を、番組提供
者の意図を忠実に反映しながら、かつ、番組の流れを阻
害することなく映像の解像度を可及的に維持しながら、
かつ、放送用に割り当てられている限られた周波数帯域
を有効に活用しながら、従来とは異なる新規な手法を用
いて可及的に抑制し得るデジタル放送受信装置を具現化
することができる。
【0060】一方、請求項17の発明は、地上波や衛星
波を含む伝送路を介して、映像、音声、又は文字等の情
報をデジタル形態で放送するデジタル放送送出装置と、
当該デジタル放送送出装置から送出されたデジタル放送
を受信するデジタル放送受信装置とを含んで構成される
デジタル放送送受システムであって、前記デジタル放送
送出装置は、放送対象となる情報を、主情報と、当該主
情報との間で相互に代替関係を有する副情報とに区分す
るとともに、当該区分した主副の各情報をエンコードし
て生成出力する情報生成手段と、当該情報生成手段でエ
ンコード後の主副の各情報を、前記副情報が前記主情報
よりも時間的に先行するように相互に時間差をもたせた
状態下で多重化して送出する送出手段と、を含んで構成
される一方、前記デジタル放送受信装置は、前記送出手
段から送出された情報から、前記主副の各情報を、前記
副情報が前記主情報よりも時間的に遅延するように相互
に時間差をもたせた状態下でそれぞれ分離して取り出す
多重分離手段と、当該多重分離手段で取り出された主副
の各情報毎の使用可否状態に従って、当該主副の各情報
のうち、前記主情報が使用可能状態にあるときには当該
主情報を、又は、前記主情報が使用不能状態にあるとき
には当該主情報に代替する前記副情報を、選択するとと
もにデコードして復元する情報復元手段と、を含んで構
成され、前記情報復元手段は、前記主情報又は当該主情
報に代替する副情報のうちいずれか一方を選択的に取得
することを要旨とする。
【0061】請求項17の発明によれば、まず、デジタ
ル放送送出装置において、情報生成手段は、放送対象と
なる情報を、主情報と、この主情報との間で相互に代替
関係を有する副情報とに区分するとともに、区分した主
副の各情報をエンコードして生成出力し、これを受け
て、送出手段は、情報生成手段でエンコード後の主副の
各情報を、副情報が主情報よりも時間的に先行するよう
に相互に時間差をもたせた状態下で多重化して送出す
る。
【0062】一方、デジタル放送受信装置において、多
重分離手段は、送出手段から送出された情報から、主副
の各情報を、副情報が主情報よりも時間的に遅延するよ
うに相互に時間差をもたせた状態下でそれぞれ分離して
取り出し、これを受けて、情報復元手段は、多重分離手
段で取り出された主副の各情報毎の使用可否状態に従っ
て、主副の各情報のうち、主情報が使用可能状態にある
ときにはこの主情報を、又は、主情報が使用不能状態に
あるときにはこの主情報に代替する副情報を、選択する
とともにデコードして復元し、これをもって、主情報又
はこの主情報に代替する副情報のうちいずれか一方を選
択的に取得する。
【0063】したがって、請求項17の発明によれば、
例えば、降雨、若しくはデジタル放送の受信側が移動し
ながら受信している場合においてトンネル等の遮蔽体に
より伝送路が遮蔽されるなどの種々の事由に起因して突
発的な伝送路誤りが生じた際に、又は、Vチップが選択
受信機能を発揮することで番組中の暴力シーンが選択的
に受信不能状態に陥った際に、デジタル放送の受信側に
おいて生じる放送サービスの中断を、従来とは異なる新
規な手法を用いて可及的に抑制し得るデジタル放送送受
システムを提案することができる。
【0064】また、請求項18の発明は、前記情報生成
手段で行われる前記主副の各情報に対するエンコード
は、共通の符号化方式が採用されることを妨げないこと
を要旨とする。
【0065】請求項18の発明によれば、情報生成手段
で行われる主副の各情報に対するエンコードは、共通の
符号化方式が採用されることを妨げないものとされるの
で、したがって、例えば、情報生成手段で行われる主副
の各情報に対するエンコードとして共通の符号化方式を
採用すれば、主副の各情報に対して付加される誤り訂正
符号が占有する周波数低域幅を可及的に抑制することが
でき、結果として、上述した種々の事由に起因して、デ
ジタル放送の受信側において生じる放送サービスの中断
を、放送用に割り当てられている限られた周波数帯域を
有効に活用しながら、従来とは異なる新規な手法を用い
て可及的に抑制し得るデジタル放送送受システムを提案
することができる。
【0066】さらに、請求項19の発明は、前記情報生
成手段で行われる前記主副の各情報に対するエンコード
は、相互に異なる符号化方式が採用されることを妨げな
いことを要旨とする。
【0067】請求項19の発明によれば、情報生成手段
で行われる主副の各情報に対するエンコードは、相互に
異なる符号化方式が採用されることを妨げないものとさ
れる。
【0068】さらにまた、請求項20の発明は、前記主
副の各情報の各々は、複数の単位部分をそれぞれ含んで
構成されており、当該複数の単位部分の各々には、各単
位部分が相互に識別可能となり、かつ、前記主副の各情
報にそれぞれ属する複数の単位部分間の代替関係が識別
可能となるような識別タグが付加されており、前記多重
分離手段は、前記デジタル放送の送出側でエンコード及
び多重化後に送出された情報から、前記主副の各情報を
それぞれ分離して取り出すにあたり、前記主副の各情報
のうち前記副情報を一旦蓄積することで、前記副情報が
前記主情報よりも時間的に遅延するように相互に時間差
をもたせた状態を創出するようにし、前記情報復元手段
は、前記主情報が使用不能状態にあるときには、前記蓄
積されている副情報に属する単位部分に付加された識別
タグを参照することで、前記主情報に属する任意の単位
部分に代替する、前記副情報に属する単位部分を一意に
特定選択するとともにデコードして復元することを要旨
とする。
【0069】請求項20の発明によれば、多重分離手段
は、デジタル放送の送出側でエンコード及び多重化後に
送出された情報から、主副の各情報をそれぞれ分離して
取り出すにあたり、主副の各情報のうち副情報を、例え
ばランダムアクセスが可能なメモリに一旦蓄積すること
で、副情報が主情報よりも時間的に遅延するように相互
に時間差をもたせた状態を創出するようにしている。こ
の場合、情報復元手段は、主情報が使用不能状態にある
ときには、蓄積されている副情報に属する単位部分に付
加された識別タグを参照することで、主情報に属する任
意の単位部分に代替する、副情報に属する単位部分を一
意に特定選択するとともにデコードして復元する。
【0070】したがって、例えば副情報として、番組提
供者の意図を忠実に反映した暴力シーンに代わる代替シ
ーンを、放送用に割り当てられた周波数帯域のうち、主
情報が使用している周波数帯域の隙間を利用して、主情
報の解像度と同等となるような時間間隔をもって、つま
り、低い伝送レートで比較的長い時間をかけて、主情報
に対して時間的に先行させて伝送するとともにあらかじ
め蓄積させておけば、上述した種々の事由に起因して、
デジタル放送の受信側において生じる放送サービスの中
断を、番組提供者の意図を忠実に反映しながら、かつ、
番組の流れを阻害することなく映像の解像度を可及的に
維持しながら、かつ、放送用に割り当てられている限ら
れた周波数帯域を有効に活用しながら、従来とは異なる
新規な手法を用いて可及的に抑制し得るデジタル放送送
受システムを具現化することができる。
【0071】しかも、請求項21の発明は、前記主副の
各情報は、相互に異なる表現メディアをそれぞれ含むこ
とを妨げないことを要旨とする。
【0072】請求項21の発明によれば、主副の各情報
は、相互に異なる表現メディアをそれぞれ含むことを妨
げないものとされるので、したがって、例えば、主情報
としてハイビジョン映像を採用する一方、副情報として
標準テレビ映像を採用したり、又は、主情報としてハイ
ビジョン映像を採用する一方、副情報として紙芝居のよ
うな駒送り静止画像を採用したり、又は、主情報として
標準テレビ映像を採用する一方、副情報として文字デー
タを採用するなど、種々の組み合わせに係る適宜の表現
メディアを採用することができ、この結果、きわめて自
由度が高い柔軟な放送サービスを提供し得るデジタル放
送送受システムを具現化することができる。
【0073】さらに、請求項22の発明は、前記副情報
の伝送レートは、前記主情報の伝送レートと比較して、
同等又は低い伝送レートが採用されることを要旨とす
る。
【0074】請求項22の発明によれば、副情報の伝送
レートは、主情報の伝送レートと比較して、同等又は低
い伝送レートが適宜採用されるので、したがって、例え
ば、主情報としてハイビジョン映像を採用する一方、副
情報として主情報と同様にハイビジョン映像を採用した
り、又は、主情報としてハイビジョン映像を採用する一
方、副情報として標準テレビ映像を採用するなど、種々
の組み合わせに係る適宜の表現メディアを採用すること
ができ、この結果、請求項20と同様に、きわめて自由
度が高い柔軟な放送サービスを提供し得るデジタル放送
送受システムを具現化することができる。
【0075】そして、請求項23の発明は、前記副情報
の伝送レートは、前記主情報の伝送レートと比較して、
高い伝送レートが採用されることを要旨とする。
【0076】請求項23の発明によれば、副情報の伝送
レートは、主情報の伝送レートと比較して、高い伝送レ
ートが採用されるのである。
【0077】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るデジタル放
送に用いられる情報伝達方法、並びに、デジタル放送送
出装置、デジタル放送受信装置、及びデジタル放送送受
システムの各実施形態について、図に基づいて詳細に説
明する。
【0078】図1は、本情報伝達方法が適用される、デ
ジタル放送送出装置、及びデジタル放送受信装置を含ん
で構成されるデジタル放送送受システムの機能ブロック
構成図、図2乃至図3は、デジタル放送受信装置の動作
を表すフローチャート図、図4は、デジタル放送受信装
置の情報選択アルゴリズムを表すフローチャート図、図
5は、放送用に割り当てられた周波数帯域幅のうち、主
副の各情報が各々占有する周波数帯域幅が時間的に一定
となる放送形態を表す図、図6は、放送用に割り当てら
れた周波数帯域幅のうち、主副の各情報が各々占有する
周波数帯域幅が時間的に可変となる放送形態を表す図で
ある。
【0079】まず、本発明に係るデジタル放送に用いら
れる第1の情報伝達方法の概略について述べると、第1
の情報伝達方法は、地上波や衛星波を含む伝送路を介し
て、映像、音声、又は文字等の情報をデジタル形態で放
送するデジタル放送に用いられるものである。
【0080】詳しく述べると、第1の情報伝達方法は、
デジタル放送の送出側は、放送対象となる情報を、主情
報と、当該主情報との間で相互に代替関係を有する副情
報とに区分するとともに、当該区分した主副の各情報を
エンコードし、当該エンコード後の主副の各情報を、前
記副情報が前記主情報よりも時間的に先行するように相
互に時間差をもたせた状態下で多重化して送出する一
方、デジタル放送の受信側は、前記送出側から送出され
た情報から前記主副の各情報を、前記副情報が前記主情
報よりも時間的に遅延するように相互に時間差をもたせ
た状態下でそれぞれ分離して取り出し、当該取り出され
た主副の各情報毎の使用可否状態に従って、当該主副の
各情報のうち、前記主情報が使用可能状態にあるときに
は当該主情報を、又は、前記主情報が使用不能状態にあ
るときには当該主情報に代替する前記副情報を、選択す
るとともにデコードして復元することで、前記主情報又
は当該主情報に代替する副情報のうちいずれか一方を選
択的に取得することを要旨としている。
【0081】上述した第1の情報伝達方法によれば、ま
ず、デジタル放送の送出側は、放送対象となる情報を、
主情報と、主情報との間で相互に代替関係を有する副情
報とに区分するとともに、区分した主副の各情報をエン
コードし、エンコード後の主副の各情報を、副情報が主
情報よりも時間的に先行するように相互に時間差をもた
せた状態下で多重化して送出する。
【0082】一方、デジタル放送の受信側は、送出側か
ら送出された情報から主副の各情報を、副情報が主情報
よりも時間的に遅延するように相互に時間差をもたせた
状態下でそれぞれ分離して取り出し、取り出された主副
の各情報毎の使用可否状態に従って、主副の各情報のう
ち、主情報が使用可能状態にあるときには主情報を、又
は、主情報が使用不能状態にあるときには主情報に代替
する副情報を、選択するとともにデコードして復元する
ことで、主情報又は主情報に代替する副情報のうちいず
れか一方を選択的に取得する。
【0083】このように、第1の情報伝達方法によれ
ば、デジタル放送の送出側は、主情報よりも時間的に先
行する副情報を、主情報とともに多重化して送出する一
方、受信側は、主情報が使用可能状態にあるときには主
情報を取得し、又は、例えば伝送路誤りやVチップが選
択受信機能を発揮する等の事由に起因して主情報が使用
不能状態にあるときには副情報を取得するようにしたの
で、以下に述べる作用効果を期待することができる。
【0084】すなわち、第1に、例えば、降雨、又はデ
ジタル放送の受信側が移動しながら受信している場合に
おいてトンネル等の遮蔽体により伝送路が遮蔽されるな
どの種々の事由に起因して突発的に伝送路誤りが生じた
場合、つまり、なんらの対策も施さなければ主情報に係
るサービス中断の事態が生じるおそれがある場合であっ
ても、主情報よりも時間的に先行して送出されて受信側
で時間的に遅延(蓄積の概念を含む)されている副情報
が、主情報と同様に伝送路誤りを含んでいる確率は低い
ため、主情報に代替して副情報を取得することで放送サ
ービスの提供を継続することが可能である。
【0085】第2に、Vチップが選択受信機能を発揮す
ることで主情報が使用不能状態に陥った場合であって
も、副情報として、例えば番組提供者の意図を忠実に反
映した暴力シーンに代わる代替シーンを、主情報よりも
時間的に先行してあらかじめ受信側に伝送しておけば、
番組提供者の意図を忠実に反映した放送サービスの提供
を継続することが可能である。
【0086】第3に、上記第2に関連して、副情報とし
て、例えば番組提供者の意図を忠実に反映した暴力シー
ンに代わる代替シーンを、主情報よりも時間的に先行し
て、放送用に割り当てられた周波数帯域のうち、主情報
が使用している周波数帯域の隙間を利用して、主情報の
解像度と同等となるような時間間隔をもって、つまり、
低い伝送レートで比較的長い時間をかけて、あらかじめ
受信側に伝送するとともに例えば蓄積させておけば、上
記第2で得られる作用効果に加えて、さらに、番組の流
れを阻害することなく映像の解像度を可及的に維持しな
がら、かつ、放送用に割り当てられている限られた周波
数帯域を有効に活用しながら、放送サービスの提供を継
続することが可能である。
【0087】以上述べたように、第1の情報伝達方法に
よれば、例えば、降雨、若しくはデジタル放送の受信側
が移動しながら受信している場合においてトンネル等の
遮蔽体により伝送路が遮蔽されるなどの種々の事由に起
因して突発的な伝送路誤りが生じた際に、又は、Vチッ
プが選択受信機能を発揮することで番組中の暴力シーン
が選択的に受信不能状態に陥った際に、デジタル放送の
受信側において生じる放送サービスの中断を、番組提供
者の意図を忠実に反映しながら、番組の流れを阻害する
ことなく映像の解像度を可及的に維持しながら、又は、
放送用に割り当てられている限られた周波数帯域を有効
に活用しながら、従来とは異なる新規な手法を用いて可
及的に抑制し得るデジタル放送に用いられる情報伝達方
法を提案することができるのである。
【0088】なお、前記副情報は、複数の副情報を含ん
で構成されることを妨げないものであり、当該副情報が
複数の副情報を含んで構成された場合であって、前記主
情報が使用不能状態にある場合には、当該複数の副情報
のうち、1つの副情報が前記主情報として取り扱われる
一方、その他の副情報が前記副情報として取り扱われる
ようにして、前記と同様な動作が自己相似的に実行され
るように構成することができる。
【0089】このようにすれば、例えば、この場合では
主情報として取り扱われる、本来の副情報が使用不能状
態にある場合であっても、この場合では副情報として取
り扱われる、本来の副情報の副情報、つまり副々情報を
あらかじめ伝送しておけば、複数階層にわたる、二重の
情報伝達安全度を担保することができ、この結果、上述
した種々の事由に起因して、デジタル放送の受信側にお
いて生じる放送サービスの中断を、飛躍的に高められた
情報伝達安全度をもって、従来とは異なる新規な手法を
用いて可及的に抑制し得るデジタル放送に用いられる情
報伝達方法を具現化することができる。
【0090】次に、第2の情報伝達方法の概略について
述べると、第2の情報伝達方法は、第1の情報伝達方法
と同様に、地上波や衛星波を含む伝送路を介して、映
像、音声、又は文字等の情報をデジタル形態で放送する
デジタル放送に用いられるものである。
【0091】詳しく述べると、第2の情報伝達方法は、
デジタル放送の送出側は、放送対象となる情報を、主情
報と、当該主情報との間で相互に代替関係を有する副情
報とに区分するとともに、当該区分した主副の各情報を
エンコードし、当該エンコード後の主副の各情報を、前
記副情報が前記主情報よりも時間的に先行するように相
互に時間差をもたせた状態下で多重化して送出する一
方、デジタル放送の受信側は、前記送出側から送出され
た情報から前記主副の各情報を、前記副情報が前記主情
報よりも時間的に遅延するように相互に時間差をもたせ
た状態下でそれぞれ分離して取り出し、当該取り出され
た主副の各情報毎の使用可否状態に従って、当該主副の
各情報のうち、前記副情報が使用可能状態にあるときに
は当該副情報を、又は、前記副情報が使用不能状態にあ
るときには当該副情報に代替する前記主情報を、選択す
るとともにデコードして復元することで、前記副情報又
は当該副情報に代替する主情報のうちいずれか一方を選
択的に取得するものである。
【0092】上述した第2の情報伝達方法によれば、ま
ず、デジタル放送の送出側は、放送対象となる情報を、
主情報と、主情報との間で相互に代替関係を有する副情
報とに区分するとともに、区分した主副の各情報をエン
コードし、エンコード後の主副の各情報を、副情報が主
情報よりも時間的に先行するように相互に時間差をもた
せた状態下で多重化して送出する。
【0093】一方、デジタル放送の受信側は、送出側か
ら送出された情報から主副の各情報を、副情報が主情報
よりも時間的に遅延するように相互に時間差をもたせた
状態下でそれぞれ分離して取り出し、取り出された主副
の各情報毎の使用可否状態に従って、主副の各情報のう
ち、副情報が使用可能状態にあるときには副情報を、又
は、副情報が使用不能状態にあるときには副情報に代替
する主情報を、選択するとともにデコードして復元する
ことで、副情報又は副情報に代替する主情報のうちいず
れか一方を選択的に取得する。
【0094】このように、第2の情報伝達方法によれ
ば、デジタル放送の送出側は、主情報よりも時間的に先
行する副情報を、主情報とともに多重化して送出する一
方、受信側は、請求項1の発明とは逆に、副情報が使用
可能状態にあるときには副情報を取得し、また、例えば
伝送路誤りやVチップが選択受信機能を発揮する等の事
由に起因して副情報が使用不能状態にあるときには主情
報を取得するようにしたので、上述した第1の情報伝達
方法と同様に、例えば、降雨、若しくはデジタル放送の
受信側が移動しながら受信している場合においてトンネ
ル等の遮蔽体により伝送路が遮蔽されるなどの種々の事
由に起因して突発的な伝送路誤りが生じた際に、又は、
Vチップが選択受信機能を発揮することで番組中の暴力
シーンが選択的に受信不能状態に陥った際に、デジタル
放送の受信側において生じる放送サービスの中断を、番
組提供者の意図を忠実に反映しながら、番組の流れを阻
害することなく映像の解像度を可及的に維持しながら、
又は、放送用に割り当てられている限られた周波数帯域
を有効に活用しながら、従来とは異なる新規な手法を用
いて可及的に抑制し得るデジタル放送に用いられる情報
伝達方法を提案することができる。
【0095】なお、第2の情報伝達方法は、以下に述べ
る問題を解決するために追加されたものである。
【0096】すなわち、例えば、悪意をもった第3者の
立場で、本発明に係る第1の情報伝達方法を不完全な形
態で実施しようと試みれば、例えば、伝送レートが高い
高精細度の主情報と、主情報と比較して伝送レートが低
い低精細度の副情報と、を含む主副の各情報を、主情報
が副情報よりも時間的に先行するように相互に時間差を
もたせた状態下で多重化して送出する形態を実施しよう
とするかもしれない。
【0097】このような実施形態(以下、「第3者実施
形態」と言う)を採用した第3者は、請求項1に対応す
る第1の情報伝達方法では、主副の各情報を、副情報が
主情報よりも時間的に先行するように相互に時間差をも
たせた状態下で多重化して送出しているのに対し、第3
者実施形態では、主副の各情報を、主情報が副情報より
も時間的に先行するように相互に時間差をもたせた状態
下で多重化して送出しており、請求項1に対応する第1
の情報伝達方法と第3者実施形態とは、先行させて送出
する対象となる情報の種類が相互に異なるため、第3者
実施形態は請求項1に対応する第1の情報伝達方法に含
まれないとの主張を展開することが考えられ、悪意を持
った第3者に対して抗弁の機会を与えてしまうことにも
なりかねない。
【0098】そこで、本願出願人は、上述の第3者実施
形態をも請求の範囲内に含ませることを企図して、請求
項7に対応する第2の情報伝達方法を追加記載したので
ある。
【0099】すなわち、第2の情報伝達方法では、「主
情報」を特に定義付けせずに、「副情報」を、「主情
報」に対して相対的に、「主情報との間で代替関係を有
する副情」として定義付けしており、また、主副の各情
報の伝送レートについては特に言及していない。
【0100】したがって、悪意を持つ第3者が本発明を
回避するような上記第3者実施形態の実施を試みた場合
であっても、第3者実施形態における主情報を請求項7
に対応する第2の情報伝達方法で言う副情報として捉え
るとともに、その副情報を第2の情報伝達方法で言う主
情報として捉えれば、上記第3者実施形態は請求項7に
対応する第2の情報伝達方法に含まれるものと言うこと
ができる。
【0101】次に、上述した情報伝達方法が適用された
デジタル放送送出装置、デジタル放送受信装置、及びデ
ジタル放送送受システムについて、以下に詳細に説明す
る。
【0102】図1は、本情報伝達方法が適用される、デ
ジタル放送送出装置、及びデジタル放送受信装置を含ん
で構成されるデジタル放送送受システムの機能ブロック
構成を表している。
【0103】同図に示すように、本デジタル放送送受シ
ステム1は、地上波や衛星波を含む伝送路を介して、映
像、音声、又は文字等の情報をデジタル形態で放送する
デジタル放送送出装置3と、デジタル放送を受信するデ
ジタル放送受信装置5とを含んで構成されている。
【0104】初めに、デジタル放送送出装置3について
説明すると、デジタル放送送出装置3は、情報生成手段
として機能する主情報生成部9、及び副情報生成部11
と、送出手段として機能する多重化部13、及び変調部
15と、を含んで構成されている。
【0105】主副の各情報生成部9,11の各々は、V
TR (Video Tape Recorder)7で再生された映像、音
声、又は文字等の放送対象となる情報を、主情報と、こ
の主情報との間で相互に代替関係を有する副情報とにそ
れぞれ区分するとともに、区分した主副の各情報を各々
エンコードして生成出力する機能を有している。
【0106】なお、主副の各情報生成部9,11は、例
えばMPEG2エンコーダを用いて構成することができ
る。この構成例について、放送対象となる情報として映
像を例示して説明すると、MPEG2の映像符号化で
は、解像度が異なる階層符号化、すなわち空間スケーラ
ビリティ機能や、画像をDCT(離散コサイン)変換し
て得られるDCT係数を量子化する際、粗い量子化と細
かい量子化を組み合せる階層符号化、すなわちSNRス
ケーラビリティ機能などの各種がスケーラビリティ機能
が組み込まれており、これらの階層符号化機能を適宜採
用することにより、精細情報である主情報と、粗情報で
ある副情報とを生成することができる。
【0107】多重化部13は、主情報生成部9、又は副
情報生成部11でエンコード後の主副の各情報を、副情
報が主情報よりも時間的に先行するように相互に時間差
をもたせた状態下で多重化する機能を有している。な
お、多重化部13は、主情報に対する副情報の伝送タイ
ミングを時間的に先行させることを目的として、副情報
に対する主情報の伝送タイミングに時間遅延を生じさせ
る遅延回路又はバッファメモリを含んで構成されてい
る。これにより、主副の各情報生成部9,11より生成
出力された主副の各情報のうち主情報を、遅延回路又は
バッファメモリを介して出力させることにより、副情報
に対する主情報の伝送タイミングに時間遅延を生じさせ
ることができる。
【0108】変調部15は、多重化部13で多重化され
た主副の各情報を含む情報を、適宜の変調方式を用いて
変調し、変調後の情報を、送信アンテナ17を介して送
出する機能を有している。
【0109】次に、上述のように構成されたデジタル放
送送出装置3の動作について説明すると、まず、情報生
成手段として機能する主副の各情報生成部9,11は、
放送対象となる情報を、主情報と、主情報との間で相互
に代替関係を有する副情報とに区分するとともに、区分
した主副の各情報をエンコードして生成出力する。これ
を受けて、送出手段の一部として機能する多重化部13
は、主副の各情報生成部9,11でエンコード後の主副
の各情報を、副情報が主情報よりも時間的に先行するよ
うに相互に時間差をもたせた状態下で多重化し、さら
に、送出手段の一部として機能する変調部15は、多重
化部13で多重化された主副の各情報を含む多重化情報
を、適宜の変調方式を用いて変調し、変調後の多重化情
報を、送信アンテナ17を介して送出する。
【0110】このように、本発明に係るデジタル放送送
出装置3によれば、デジタル放送の受信側に対し、主情
報に先だってあらかじめ時間的に先行した副情報を伝送
しておくことができ、この結果、例えば、降雨等による
突発的な伝送路誤りが生じた際に、又は、Vチップが選
択受信機能を発揮することで番組中の暴力シーンが選択
的に受信不能状態に陥った際に、デジタル放送の受信側
において生じる放送サービスの中断を、従来とは異なる
新規な手法を用いて可及的に抑制することができる。
【0111】なお、主副の各情報生成部9,11で行わ
れる、主副の各情報に対するエンコードは、共通の符号
化方式が採用されることを妨げないものとすることがで
きる。
【0112】このようにすれば、例えば、主副の各情報
生成部9,11で行われる主副の各情報に対するエンコ
ードとして共通の符号化方式を採用すれば、主副の各情
報に対して付加される誤り訂正符号が占有する周波数低
域幅を可及的に抑制することができ、結果として、上述
した種々の事由に起因して、デジタル放送の受信側にお
いて生じる放送サービスの中断を、放送用に割り当てら
れている限られた周波数帯域を有効に活用しながら、従
来とは異なる新規な手法を用いて可及的に抑制すること
ができる。
【0113】また、主副の各情報生成部9,11で行わ
れる主副の各情報に対するエンコードは、相互に異なる
符号化方式が採用されることを妨げないものとすること
もできる。
【0114】次に、デジタル放送受信装置5について説
明すると、デジタル放送受信装置5は、復調部21と、
多重分離手段として機能する多重分離部23及び遅延部
25と、情報復元手段として機能する情報選択部27及
びデコーダ29と、を含んで構成されている。
【0115】ここで、以下の説明を進める上での前提条
件について述べると、主副の各情報の各々は、複数の単
位部分をそれぞれ含んで構成されており、この複数の単
位部分の各々には、各単位部分が相互に識別可能とな
り、かつ、主副の各情報にそれぞれ属する複数の単位部
分間の代替関係が識別可能となるような識別タグが付加
されている。なお、MPEG規格に準拠した符号化で
は、主副の各情報に属する複数の単位部分の各々に対
し、各単位部分を提示する際の基準となるPTS( Pre
sentation Time Stamp)と呼ばれる提示時刻情報が付加
されるが、このPTSを、識別タグとして使用すること
も可能である。
【0116】具体的には、図5乃至図6に示すように、
例えば、主情報に属する単位部分Tag3に代替する情
報部分として、副情報に属する単位部分Tag3’が関
係付けられており、また、主情報に属する単位部分Ta
g4に代替する情報部分として、副情報に属する単位部
分Tag4’が関係付けられるといったように、各単位
部分には、各自に固有の識別タグが付加されている。
【0117】なお、図5乃至図6では、例えば、現時点
において、図中に示す時間軸上における主情報に属する
単位部分Tag3が受信装置5側に到達していると仮定
したとき、副情報としては、単位部分Tag6’が既に
受信装置5側に到達していることが示されている。ま
た、図5では、主副の各情報ストリームの伝送レートが
一定である形態を示している一方、図6では、主副の各
情報ストリームの伝送レートが相互に可変である形態を
示している。図6の場合には、副情報ストリームの伝送
レートは、放送用に割り当てられている周波数帯域幅の
制限枠は一定であることから、主情報ストリームの伝送
レートの変動に依存して変動することになる。
【0118】さらに言えば、主情報に属する複数の単位
部分の各々に代替する、副情報に属する単位部分は、必
ずしも全てを用意する必要はなく、例えば、暴力シーン
が登場する主情報に属する単位部分に関係付けて、副情
報に属する暴力シーンの代替シーンを含む単位部分を用
意したり、主情報に属する単位部分が、動きの激しい画
像を含んでおり、放送用に割り当てられている全ての周
波数帯域幅を使用したい旨の要望が生じた場合には、こ
の要望に臨機応変に対応すべく、このときの副情報に属
する単位部分を省略するなど、必要に応じて必要な箇所
に副情報に属する単位部分を用意するように構成するこ
とができる。
【0119】さて、元の流れに戻して説明を進めると、
復調部21は、受信アンテナ19を介して受信したデジ
タル放送波を復調することにより、主副の各情報を含む
多重化情報を出力する機能を有している。
【0120】多重分離部23は、復調部21から出力さ
れた多重化情報から、主副の各情報を分離して取り出す
多重分離機能を有している。
【0121】遅延部25は、遅延回路又はバッファメモ
リを含んで構成されており、多重分離部23で取り出さ
れた主副の各情報のうちの副情報を、主情報に対して時
間的に遅延するように相互に時間差をもたせた状態下で
出力する機能を有している。この遅延部25が遅延又は
蓄積機能を発揮することにより、主情報に属する任意の
単位部分に代替する、副情報に属する単位部分を同期さ
せるようにしている。情報選択部27は、多重分離部2
3で取り出された主副の各情報毎の使用可否状態を判定
する使用可否状態判定機能と、この使用可否状態判定機
能を発揮することで判定された主副の各情報毎の使用可
否状態に従って、主副の各情報のうち、主情報が使用可
能状態にあるときにはこの主情報を、又は、主情報が使
用不能状態にあるときにはこの主情報に代替する副情報
を、択一的に選択する情報選択機能を有している。
【0122】そして、デコーダ29は、情報選択部27
で択一的に選択された情報をデコードして復元する情報
復元機能を有して構成されている。
【0123】なお、図1中において、情報選択部27と
デコーダ29との接続関係を入れ替えて、デコーダ29
からの主副の各情報のデコード出力を受けて、適宜の情
報を選択する如く構成することもできる。
【0124】次に、上述の如く構成されたデジタル放送
受信装置5の動作について、図2に示す突発的な伝送路
誤り対策を考慮した場合と、図3に示すVチップによる
選択受信対策を考慮した場合とに分けて、各図を参照し
て説明する。
【0125】まず、突発的な伝送路誤り対策を考慮した
場合について説明すると、図2に示すように、まず、ス
テップS1乃至2において、復調部21は、受信アンテ
ナ19を介して受信したデジタル放送波を復調すること
により、主副の各情報を含む多重化情報を出力し、これ
を受けて、多重分離部23は、復調部21から出力され
た多重化情報から、主副の各情報を分離して取り出す。
【0126】ステップS3において、遅延部25は、多
重分離部23で取り出された主副の各情報のうちの副情
報を、主情報に対して時間的に遅延するように相互に時
間差をもたせた状態下で出力する。この場合、遅延部2
5は、遅延回路を介して副情報に時間遅延を生じさせて
出力するか、又はバッファメモリに一旦蓄積した後に、
副情報に属する所望の単位部分を、識別タグを参照して
読み出し出力するか、を適宜採用することができる。
【0127】一方、ステップS3の処理と並列に、ステ
ップS4乃至5において、情報選択部27は、多重分離
部23で取り出された主副の各情報を対象として、各情
報毎の使用可否状態を判定する使用可否状態判定を実行
する。なお、ステップS4において、情報選択部27
は、主副の各情報のうちの主情報を対象として、その使
用可否状態を判定し、この判定の結果、主情報が使用不
能状態にある旨の判定が下されたとき、主副の各情報の
うちの副情報を対象として、その使用可否状態を判定す
るように構成することができる。
【0128】ステップS5における使用可否状態判定の
結果、副情報が使用不能状態にある旨の判定が下された
とき、ステップS6において、情報選択部27は、選択
すべき情報が欠落しているとみなして、この旨を図示し
ない表示部に送る。このとき、表示部の表示画面上に
は、表示すべき情報が欠落している旨を表す欠落シンボ
ルが表示される。
【0129】また、ステップS5における使用可否状態
判定の結果、副情報が使用可能状態にある旨の判定が下
されたとき、ステップS7において、情報選択部27
は、主情報に代替する副情報を選択して出力し、これを
受けて、デコーダ29は、選択された副情報をデコード
して復元し、復元した副情報を表示部に送る。このと
き、表示部の表示画面上には、主情報に代替する副情報
が表示される。
【0130】そして、ステップS4における使用可否状
態判定の結果、主情報が使用可能状態にある旨の判定が
下されたとき、ステップS8において、情報選択部27
は、主情報を選択して出力し、これを受けて、デコーダ
29は、選択された主情報をデコードして復元し、復元
した主情報を表示部に送る。このとき、表示部の表示画
面上には主情報が表示される。
【0131】ステップS6乃至S8において、表示部の
表示画面上に、主副の各情報の使用可否状態に応じた情
報又はシンボルが表示されると、全ての処理の流れを終
了させる。
【0132】次に、Vチップによる選択受信対策を考慮
した場合について説明すると、図3に示すように、ま
ず、ステップS31乃至32において、復調部21は、
受信アンテナ19を介して受信したデジタル放送波を復
調することにより、主副の各情報を含む多重化情報を出
力し、これを受けて、多重分離部23は、復調部21か
ら出力された多重化情報から、主副の各情報を分離して
取り出す。
【0133】ステップS33において、遅延部25は、
多重分離部23で取り出された主副の各情報のうちの副
情報を、主情報に対して時間的に遅延するように相互に
時間差をもたせた状態下で出力する。この場合、遅延部
25は、遅延回路を介して副情報に時間遅延を生じさせ
て出力するか、又はバッファメモリに一旦蓄積した後
に、副情報に属する所望の単位部分を、識別タグを参照
して読み出し出力するか、を適宜採用することができ
る。
【0134】一方、ステップS33の処理と並列に、ス
テップS34において、情報選択部27は、Vチップが
主情報の使用許可を与えているか、すなわち、Vチップ
がその選択受信機能を発揮することで、多重分離部23
で取り出された主情報が使用不能状態に陥っているか否
かを判定する。
【0135】ステップS34の判定の結果、主情報が使
用不能状態に陥っている旨の判定が下されたとき、ステ
ップS35において、情報選択部27は、主副の各情報
のうちの副情報を対象として、その使用可否状態を判定
する。
【0136】ステップS35における使用可否状態判定
の結果、副情報が使用可能状態にある旨の判定が下され
たとき、ステップS36において、情報選択部27は、
Vチップが副情報の使用許可を与えているか、すなわ
ち、Vチップがその選択受信機能を発揮することで、副
情報が使用不能状態に陥っているか否かを判定する。
【0137】ステップS35における使用可否状態判定
の結果、副情報が使用不能状態にある旨の判定が下され
るか、又は、ステップS36の判定の結果、副情報が使
用不能状態に陥っている旨の判定が下されたとき、ステ
ップS37において、情報選択部27は、選択すべき情
報が欠落しているとみなして、この旨を表示部に送る。
このとき、表示部の表示画面上には、表示すべき情報が
欠落している旨を表す欠落シンボルが表示される。
【0138】また、ステップS36の判定の結果、副情
報が使用不能状態に陥っている旨の判定が下されたと
き、ステップS38において、情報選択部27は、主情
報に代替する副情報を選択して出力し、これを受けて、
デコーダ29は、選択された副情報をデコードして復元
し、復元した副情報を表示部に送る。このとき、表示部
の表示画面上には、主情報に代替する副情報が表示され
る。
【0139】そして、ステップS34の判定の結果、主
情報が使用可能状態にある旨の判定が下されたとき、ス
テップS39において、情報選択部27は、主情報を選
択して出力し、これを受けて、デコーダ29は、選択さ
れた主情報をデコードして復元し、復元した主情報を表
示部に送る。このとき、表示部の表示画面上には主情報
が表示される。
【0140】ステップS37乃至S39において、表示
部の表示画面上に、主副の各情報の使用可否状態に応じ
た情報又はシンボルが表示されると、全ての処理の流れ
を終了させる。
【0141】さらに、デジタル放送受信装置5の情報選
択アルゴリズムについて図4を参照して説明する。
【0142】まず、ステップS51において、情報選択
部27は、主副の各情報に属する単位部分を一意に特定
する際に用いられる識別タグのカウント値iを、初期値
である「0」に初期化する。
【0143】ステップS52において、情報選択部27
は、識別タグのカウント値iをインクリメントする。
【0144】ステップS53において、情報選択部27
は、識別タグのカウント値iに該当する主情報に属する
単位部分、すなわちセグメントiの使用可否状態を評価
する。
【0145】ステップS54において、情報選択部27
は、ステップS53の評価結果に従ってセグメントiの
使用可否状態を判定する。
【0146】ステップS54の判定の結果、セグメント
iが使用可能状態にある旨の判定が下されたとき、ステ
ップS55において、情報選択部27は、セグメントi
を選択して出力し、これを受けて、デコーダ29は、選
択されたセグメントi、つまり主情報に属する該当単位
部分をデコードして復元し、復元した該当単位部分を表
示部に送る。このとき、表示部の表示画面上には、主情
報に属する該当単位部分が表示される。
【0147】一方、ステップS54の判定の結果、セグ
メントiが使用不能状態にある旨の判定が下されたと
き、ステップS56において、情報選択部27は、識別
タグのカウント値iに該当する副情報に属する単位部
分、すなわちセグメントi’の使用可否状態を評価す
る。
【0148】ステップS57において、情報選択部27
は、ステップS56の評価結果に従ってセグメントi’
の使用可否状態を判定する。
【0149】ステップS57の判定の結果、セグメント
i’が使用可能状態にある旨の判定が下されたとき、ス
テップS58において、情報選択部27は、セグメント
i’を選択して出力し、これを受けて、デコーダ29
は、選択されたセグメントi’、つまり、主情報に属す
る該当単位部分に代替する副情報に属する該当単位部分
をデコードして復元し、復元した該当単位部分を表示部
に送る。このとき、表示部の表示画面上には、副情報に
属する該当単位部分が表示される。
【0150】一方、ステップS57の判定の結果、セグ
メントi’が使用不能状態にある旨の判定が下されたと
き、ステップS59において、情報選択部27は、選択
すべき情報の該当単位部分が欠落しているとみなして、
この旨を表示部に送る。このとき、表示部の表示画面上
には、表示すべき情報の該当単位部分が欠落している旨
を表す欠落シンボルが表示される。
【0151】ステップS55,S58,S59におい
て、表示部の表示画面上に、主副の各情報に属する該当
単位部分の使用可否状態に応じた情報又はシンボルが表
示されると、全ての処理の流れを終了させる。
【0152】このように、本発明に係るデジタル放送受
信装置5によれば、まず、多重分離手段として機能する
多重分離部23及び遅延部25は、主情報と、主情報と
の間で相互に代替関係を有する副情報との主副の各情報
が、デジタル放送の送出側でエンコード及び多重化後に
送出された情報から、主副の各情報を、副情報が主情報
よりも時間的に遅延するように相互に時間差をもたせた
状態下でそれぞれ分離して取り出し、これを受けて、情
報復元手段として機能する情報選択部27及びデコーダ
29は、多重分離部23及び遅延部25で取り出された
主副の各情報毎の使用可否状態に従って、主副の各情報
のうち、主情報が使用可能状態にあるときにはこの主情
報を、又は、主情報が使用不能状態にあるときにはこの
主情報に代替する副情報を、選択するとともにデコード
して復元し、これをもって、主情報又はこの主情報に代
替する副情報のうちいずれか一方を選択的に取得するの
で、したがって、例えば、降雨等による突発的な伝送路
誤りが生じた際に、又は、Vチップが選択受信機能を発
揮することで番組中の暴力シーンが選択的に受信不能状
態に陥った際に、デジタル放送の受信側において生じる
放送サービスの中断を、従来とは異なる新規な手法を用
いて可及的に抑制することができる。
【0153】なお、情報復元手段として機能する情報選
択部27及びデコーダ29は、多重分離部23及び遅延
部25で取り出された主副の各情報毎の使用可否状態に
従って、主副の各情報のうち、主情報が使用可能状態に
あるときにはこの主情報を選択する一方、主情報が使用
不能状態にあるときにはこの主情報に代替する副情報を
選択し、選択された主情報又はこの主情報に代替する副
情報のうちいずれか一方をデコードして復元するように
構成することができる。
【0154】このようにすれば、主副の各情報をそれぞ
れデコードした後に、いずれか一方の情報を選択する場
合には、デコード後の信号ストリームなどの情報を一時
的に蓄えておく、ある程度の記憶容量をもつバッファメ
モリの用意が必要であるのに対し、主情報又は副情報の
選択を待って、選択されたいずれか一方の情報をデコー
ドするようにしているために、バッファメモリを用いる
ことなくデコード後の信号ストリームなどの情報をたれ
流し的に出力するか、又は比較的小さい記憶容量のバッ
ファメモリを用意するのみで済み、この結果、主副の各
情報をそれぞれデコードした後に、いずれか一方の情報
を選択する場合と比較して、デコーダ周辺の回路構成を
簡素化することができる。
【0155】また、情報復元手段として機能する情報選
択部27及びデコーダ29は、多重分離部23及び遅延
部25で取り出された主副の各情報毎の使用可否状態に
従って、主副の各情報のうち、主情報が使用可能状態に
あるときにはこの主情報をデコードする一方、主情報が
使用不能状態にあるときにはこの主情報に代替する副情
報をデコードし、デコードされた主情報又はこの主情報
に代替する副情報のうちいずれか一方を選択して復元す
るように構成することもできる。
【0156】さらに、多重分離手段として機能する多重
分離部23及び遅延部25は、デジタル放送の送出側で
エンコード及び多重化後に送出された情報から、主副の
各情報をそれぞれ分離して取り出すにあたり、主副の各
情報のうち副情報を、例えばランダムアクセスが可能な
メモリに一旦蓄積することで、副情報が主情報よりも時
間的に遅延するように相互に時間差をもたせた状態を創
出するようにし、この場合、情報復元手段として機能す
る情報選択部27及びデコーダ29は、主情報が使用不
能状態にあるときには、蓄積されている副情報に属する
単位部分に付加された識別タグを参照することで、主情
報に属する任意の単位部分に代替する、副情報に属する
単位部分を一意に特定選択するとともにデコードして復
元するように構成することもできる。
【0157】このようにすれば、例えば副情報として、
番組提供者の意図を忠実に反映した暴力シーンに代わる
代替シーンを、放送用に割り当てられた周波数帯域のう
ち、主情報が使用している周波数帯域の隙間を利用し
て、主情報の解像度と同等となるような時間間隔をもっ
て、つまり、図5乃至図6に示されるように、周波数帯
域と時間の要素を考慮しながら、低い伝送レートで比較
的長い時間をかけてあらかじめ蓄積しておけば、上述し
た種々の事由に起因して、デジタル放送の受信側におい
て生じる放送サービスの中断を、番組提供者の意図を忠
実に反映しながら、かつ、番組の流れを阻害することな
く映像の解像度を可及的に維持しながら、かつ、放送用
に割り当てられている限られた周波数帯域を有効に活用
しながら、従来とは異なる新規な手法を用いて可及的に
抑制し得るデジタル放送受信装置を具現化することがで
きる。
【0158】次に、上述したデジタル放送送出装置3と
デジタル放送受信装置5とを含んで構成される本発明に
係るデジタル放送送受システム1の動作について説明す
ると、デジタル放送送出装置3において、情報生成手段
として機能する主副の各情報生成部9,11は、放送対
象となる情報を、主情報と、この主情報との間で相互に
代替関係を有する副情報とに区分するとともに、区分し
た主副の各情報をエンコードして生成出力し、これを受
けて、送出手段として機能する多重化部13及び変調部
15は、主副の各情報生成部9,11でエンコード後の
主副の各情報を、副情報が主情報よりも時間的に先行す
るように相互に時間差をもたせた状態下で多重化して送
出する。
【0159】一方、デジタル放送受信装置5において、
多重分離手段として機能する多重分離部23及び遅延部
25は、多重化部13から送出された情報から、主副の
各情報を、副情報が主情報よりも時間的に遅延するよう
に相互に時間差をもたせた状態下でそれぞれ分離して取
り出し、これを受けて、情報復元手段として機能する情
報選択部27及びデコーダ29は、多重分離部23及び
遅延部25で取り出された主副の各情報毎の使用可否状
態に従って、主副の各情報のうち、主情報が使用可能状
態にあるときにはこの主情報を、又は、主情報が使用不
能状態にあるときにはこの主情報に代替する副情報を、
選択するとともにデコードして復元し、これをもって、
主情報又はこの主情報に代替する副情報のうちいずれか
一方を選択的に取得する。
【0160】したがって、本発明に係るデジタル放送送
受システム1によれば、例えば、降雨、若しくはデジタ
ル放送の受信側が移動しながら受信している場合におい
てトンネル等の遮蔽体により伝送路が遮蔽されるなどの
種々の事由に起因して突発的な伝送路誤りが生じた際
に、又は、Vチップが選択受信機能を発揮することで番
組中の暴力シーンが選択的に受信不能状態に陥った際
に、デジタル放送の受信側において生じる放送サービス
の中断を、従来とは異なる新規な手法を用いて可及的に
抑制することができる。
【0161】なお、主副の各情報は、相互に異なる表現
メディアをそれぞれ含むことを妨げないものとすること
ができる。
【0162】このようにすれば、例えば、主情報として
ハイビジョン映像を採用する一方、副情報として標準テ
レビ映像を採用したり、又は、主情報としてハイビジョ
ン映像を採用する一方、副情報として紙芝居のような駒
送り静止画像を採用したり、又は、主情報として標準テ
レビ映像を採用する一方、副情報として文字データを採
用するなど、種々の組み合わせに係る適宜の表現メディ
アを採用することができ、この結果、きわめて自由度が
高い柔軟な放送サービスを提供し得るデジタル放送送受
システムを具現化することができる。
【0163】そして、副情報の伝送レートは、主情報の
伝送レートと比較して、同等又は低い伝送レートが採用
されるように構成することもできる。
【0164】このようにすれば、例えば、主情報として
ハイビジョン映像を採用する一方、副情報として主情報
と同様にハイビジョン映像を採用したり、又は、主情報
としてハイビジョン映像を採用する一方、副情報として
標準テレビ映像を採用するなど、種々の組み合わせに係
る適宜の表現メディアを採用することができ、この結
果、きわめて自由度が高い柔軟な放送サービスを提供し
得るデジタル放送送受システムを具現化することができ
る。
【0165】なお、本発明は、上述した実施形態の例に
限定されることなく、請求の範囲内において適宜の変更
を加えることにより、その他の態様で実施することが可
能である。
【0166】すなわち、例えば、主副の各情報の伝送レ
ートは、放送用に割り当てられている周波数帯域幅の制
限枠や、情報の伝送に要するであろう時間等を考慮し
て、一定又は可変とする形態を適宜採用することが可能
である。
【0167】また、本発明で言う放送対象となる情報と
して、例えば映像、音声、又は文字を例示して説明した
が、本発明はこの形態のみに限定されることなく、本発
明は、制御データやアプリケーションデータ、図形、写
真、その他のあらゆる形態の情報を取り扱うことが可能
である。
【0168】さらに、本実施形態中、副情報の伝送レー
トは、主情報の伝送レートと比較して、同等又は低い伝
送レートが採用される形態を例示して説明したが、本発
明はこの形態のみに限定されることなく、副情報の伝送
レートとして、主情報の伝送レートと比較して高い伝送
レートが採用される形態を含むように構成することもで
きる。
【0169】最後に、本発明は、デジタル放送の送出側
から伝送されたデジタル放送を、受信側で一旦蓄積した
後に再生しようとした場合であっても、上述した実時間
での処理と同様な処理を行う、いわゆる「撮って見せ」
にも適用可能であることは言うまでもない。
【0170】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、デジタル放送
の送出側は、主情報よりも時間的に先行する副情報を、
主情報とともに多重化して送出する一方、受信側は、主
情報が使用可能状態にあるときには主情報を取得し、又
は、例えば伝送路誤りやVチップが選択受信機能を発揮
する等の事由に起因して主情報が使用不能状態にあると
きには副情報を取得するようにしたので、以下に述べる
作用効果を期待することができる。
【0171】すなわち、第1に、例えば、降雨、又はデ
ジタル放送の受信側が移動しながら受信している場合に
おいてトンネル等の遮蔽体により伝送路が遮蔽されるな
どの種々の事由に起因して突発的に伝送路誤りが生じた
場合、つまり、なんらの対策も施さなければ主情報に係
るサービス中断の事態が生じるおそれがある場合であっ
ても、主情報よりも時間的に先行して送出されて受信側
で時間的に遅延されている副情報が、主情報と同様に伝
送路誤りを含んでいる確率は低いため、主情報に代替し
て副情報を取得することで放送サービスの提供を継続す
ることが可能である。
【0172】第2に、Vチップが選択受信機能を発揮す
ることで主情報が使用不能状態に陥った場合であって
も、副情報として、例えば番組提供者の意図を忠実に反
映した暴力シーンに代わる代替シーンを、主情報よりも
時間的に先行してあらかじめ受信側に伝送しておけば、
番組提供者の意図を忠実に反映した放送サービスの提供
を継続することが可能である。
【0173】第3に、上記第2に関連して、副情報とし
て、例えば番組提供者の意図を忠実に反映した暴力シー
ンに代わる代替シーンを、主情報よりも時間的に先行し
て、放送用に割り当てられた周波数帯域のうち、主情報
が使用している周波数帯域の隙間を利用して、主情報の
解像度と同等となるような時間間隔をもって、つまり、
低い伝送レートで比較的長い時間をかけて、あらかじめ
受信側に伝送するとともに例えば蓄積させておけば、上
記第2で得られる作用効果に加えて、さらに、番組の流
れを阻害することなく映像の解像度を可及的に維持しな
がら、かつ、放送用に割り当てられている限られた周波
数帯域を有効に活用しながら、放送サービスの提供を継
続することが可能である。
【0174】すなわち、請求項1の発明によれば、例え
ば、降雨、若しくはデジタル放送の受信側が移動しなが
ら受信している場合においてトンネル等の遮蔽体により
伝送路が遮蔽されるなどの種々の事由に起因して突発的
な伝送路誤りが生じた際に、又は、Vチップが選択受信
機能を発揮することで番組中の暴力シーンが選択的に受
信不能状態に陥った際に、デジタル放送の受信側におい
て生じる放送サービスの中断を、番組提供者の意図を忠
実に反映しながら、番組の流れを阻害することなく映像
の解像度を可及的に維持しながら、又は、放送用に割り
当てられている限られた周波数帯域を有効に活用しなが
ら、従来とは異なる新規な手法を用いて可及的に抑制し
得るデジタル放送に用いられる情報伝達方法を提案する
ことができる。
【0175】また、請求項2の発明によれば、デジタル
放送の送出側で行われる主副の各情報に対するエンコー
ドは、共通の符号化方式が採用されることを妨げないも
のとされるので、したがって、例えば、デジタル放送の
送出側で行われる主副の各情報に対するエンコードとし
て共通の符号化方式を採用すれば、主副の各情報に対し
て付加される誤り訂正符号が占有する周波数低域幅を可
及的に抑制することができ、結果として、上述した種々
の事由に起因して、デジタル放送の受信側において生じ
る放送サービスの中断を、放送用に割り当てられている
限られた周波数帯域を有効に活用しながら、従来とは異
なる新規な手法を用いて可及的に抑制し得るデジタル放
送に用いられる情報伝達方法を提案することができる。
【0176】なお、前述したグレースフルデグラデーシ
ョンを用いた従来の情報伝達方法によれば、粗情報は、
伝送路誤り対策の観点から、精細情報の符号化と比較し
て冗長度の抑圧程度が低い符号化がなされるため、粗情
報の伝送用に比較的広い周波数帯域を確保する必要があ
る結果として、限られた周波数帯域を有効に活用するこ
とが難しかったのに対し、本発明では、伝送路誤り対策
として、副情報を、主情報に対して時間的に先行させて
伝送することで解決しているので、上記作用効果を奏し
得ることを付言しておく。
【0177】さらに、請求項3の発明によれば、デジタ
ル放送の送出側で行われる主副の各情報に対するエンコ
ードは、相互に異なる符号化方式が採用されることを妨
げないものとされる。
【0178】さらにまた、請求項4の発明によれば、例
えば副情報として、番組提供者の意図を忠実に反映した
暴力シーンに代わる代替シーンを、主情報よりも時間的
に先行して、放送用に割り当てられた周波数帯域のう
ち、主情報が使用している周波数帯域の隙間を利用し
て、主情報の解像度と同等となるような時間間隔をもっ
て、つまり、低い伝送レートで比較的長い時間をかけ
て、あらかじめ受信側に伝送するとともに蓄積させてお
けば、上述した種々の事由に起因して、デジタル放送の
受信側において生じる放送サービスの中断を、番組提供
者の意図を忠実に反映しながら、かつ、番組の流れを阻
害することなく映像の解像度を可及的に維持しながら、
かつ、放送用に割り当てられている限られた周波数帯域
を有効に活用しながら、従来とは異なる新規な手法を用
いて可及的に抑制し得るデジタル放送に用いられる情報
伝達方法を具現化することができる。
【0179】しかも、請求項5の発明によれば、例え
ば、本請求項では主情報として取り扱われる、請求項1
で言う副情報が使用不能状態にある場合であっても、本
請求項では副情報として取り扱われる、請求項1で言う
副情報の副情報、つまり副々情報をあらかじめ伝送して
おけば、複数階層にわたる、二重の情報伝達安全度を担
保することができ、この結果、上述した種々の事由に起
因して、デジタル放送の受信側において生じる放送サー
ビスの中断を、飛躍的に高められた情報伝達安全度をも
って、従来とは異なる新規な手法を用いて可及的に抑制
し得るデジタル放送に用いられる情報伝達方法を具現化
することができる。
【0180】また、請求項6の発明によれば、主副の各
情報は、相互に異なる表現メディアをそれぞれ含むこと
を妨げないものとされるので、したがって、例えば、主
情報としてハイビジョン映像を採用する一方、副情報と
して標準テレビ映像を採用したり、又は、主情報として
ハイビジョン映像を採用する一方、副情報として紙芝居
のような駒送り静止画像を採用したり、又は、主情報と
して標準テレビ映像を採用する一方、副情報として文字
データを採用するなど、種々の組み合わせに係る適宜の
表現メディアを採用することができ、この結果、きわめ
て自由度が高い柔軟な放送サービスを提供し得るデジタ
ル放送に用いられる情報伝達方法を具現化することがで
きる。
【0181】一方、請求項7の発明によれば、デジタル
放送の送出側は、主情報よりも時間的に先行する副情報
を、主情報とともに多重化して送出する一方、受信側
は、請求項1の発明とは逆に、副情報が使用可能状態に
あるときには副情報を取得し、また、例えば伝送路誤り
やVチップが選択受信機能を発揮する等の事由に起因し
て副情報が使用不能状態にあるときには主情報を取得す
るようにしたので、上述した請求項1の発明と同様に、
例えば、降雨、若しくはデジタル放送の受信側が移動し
ながら受信している場合においてトンネル等の遮蔽体に
より伝送路が遮蔽されるなどの種々の事由に起因して突
発的な伝送路誤りが生じた際に、又は、Vチップが選択
受信機能を発揮することで番組中の暴力シーンが選択的
に受信不能状態に陥った際に、デジタル放送の受信側に
おいて生じる放送サービスの中断を、番組提供者の意図
を忠実に反映しながら、番組の流れを阻害することなく
映像の解像度を可及的に維持しながら、又は、放送用に
割り当てられている限られた周波数帯域を有効に活用し
ながら、従来とは異なる新規な手法を用いて可及的に抑
制し得るデジタル放送に用いられる情報伝達方法を提案
することができる。
【0182】また、請求項8の発明によれば、副情報の
伝送レートは、主情報の伝送レートと比較して、同等又
は低い伝送レートが適宜採用されるので、したがって、
例えば、主情報としてハイビジョン映像を採用する一
方、副情報として主情報と同様にハイビジョン映像を採
用したり、又は、主情報としてハイビジョン映像を採用
する一方、副情報として標準テレビ映像を採用するな
ど、種々の組み合わせに係る適宜の表現メディアを採用
することができ、この結果、請求項6と同様に、きわめ
て自由度が高い柔軟な放送サービスを提供し得るデジタ
ル放送に用いられる情報伝達方法を具現化することがで
きる。
【0183】さらにまた、請求項10の発明によれば、
デジタル放送の受信側に対し、主情報に先だってあらか
じめ時間的に先行した副情報を伝送しておくことがで
き、この結果、上述した種々の事由に起因して、デジタ
ル放送の受信側において生じる放送サービスの中断を、
従来とは異なる新規な手法を用いて可及的に抑制し得る
デジタル放送送出装置を具現化することができる。
【0184】しかも、請求項11の発明によれば、情報
生成手段で行われる主副の各情報に対するエンコード
は、共通の符号化方式が採用されることを妨げないもの
とされるので、したがって、例えば、情報生成手段で行
われる主副の各情報に対するエンコードとして共通の符
号化方式を採用すれば、主副の各情報に対して付加され
る誤り訂正符号が占有する周波数低域幅を可及的に抑制
することができ、結果として、請求項2の発明と同様
に、上述した種々の事由に起因して、デジタル放送の受
信側において生じる放送サービスの中断を、放送用に割
り当てられている限られた周波数帯域を有効に活用しな
がら、従来とは異なる新規な手法を用いて可及的に抑制
し得るデジタル放送送出装置を提案することができる。
【0185】しかして、請求項12の発明によれば、情
報生成手段で行われる主副の各情報に対するエンコード
は、相互に異なる符号化方式が採用されることを妨げな
いものとされる。
【0186】一方、請求項13の発明によれば、上述し
た種々の事由に起因して、デジタル放送の受信側におい
て生じる放送サービスの中断を、従来とは異なる新規な
手法を用いて可及的に抑制し得るデジタル放送受信装置
を具現化することができる。
【0187】また、請求項14の発明によれば、主副の
各情報をそれぞれデコードした後に、いずれか一方の情
報を選択する場合には、デコード後の信号ストリームな
どの情報を一時的に蓄えておく、ある程度の記憶容量を
もつバッファメモリの用意が必要であるのに対し、主情
報又は副情報の選択を待って、選択されたいずれか一方
の情報をデコードするようにしているために、バッファ
メモリを用いることなくデコード後の信号ストリームな
どの情報をたれ流し的に出力するか、又は比較的小さい
記憶容量のバッファメモリを用意するのみで済み、この
結果、主副の各情報をそれぞれデコードした後に、いず
れか一方の情報を選択する場合と比較して、デコーダ周
辺の回路構成を簡素化することができる。
【0188】さらに、請求項15の発明によれば、情報
復元手段は、多重分離手段で取り出された主副の各情報
毎の使用可否状態に従って、主副の各情報のうち、主情
報が使用可能状態にあるときにはこの主情報をデコード
する一方、主情報が使用不能状態にあるときにはこの主
情報に代替する副情報をデコードし、デコードされた主
情報又はこの主情報に代替する副情報のうちいずれか一
方を選択して復元する。
【0189】さらにまた、請求項16の発明によれば、
例えば副情報として、番組提供者の意図を忠実に反映し
た暴力シーンに代わる代替シーンを、放送用に割り当て
られた周波数帯域のうち、主情報が使用している周波数
帯域の隙間を利用して、主情報の解像度と同等となるよ
うな時間間隔をもって、つまり、周波数帯域と時間の要
素を考慮しながら、低い伝送レートで比較的長い時間を
かけてあらかじめ蓄積しておけば、上述した種々の事由
に起因して、デジタル放送の受信側において生じる放送
サービスの中断を、番組提供者の意図を忠実に反映しな
がら、かつ、番組の流れを阻害することなく映像の解像
度を可及的に維持しながら、かつ、放送用に割り当てら
れている限られた周波数帯域を有効に活用しながら、従
来とは異なる新規な手法を用いて可及的に抑制し得るデ
ジタル放送受信装置を具現化することができる。
【0190】一方、請求項17の発明によれば、例え
ば、降雨、若しくはデジタル放送の受信側が移動しなが
ら受信している場合においてトンネル等の遮蔽体により
伝送路が遮蔽されるなどの種々の事由に起因して突発的
な伝送路誤りが生じた際に、又は、Vチップが選択受信
機能を発揮することで番組中の暴力シーンが選択的に受
信不能状態に陥った際に、デジタル放送の受信側におい
て生じる放送サービスの中断を、従来とは異なる新規な
手法を用いて可及的に抑制し得るデジタル放送送受シス
テムを提案することができる。
【0191】また、請求項18の発明によれば、情報生
成手段で行われる主副の各情報に対するエンコードは、
共通の符号化方式が採用されることを妨げないものとさ
れるので、したがって、例えば、情報生成手段で行われ
る主副の各情報に対するエンコードとして共通の符号化
方式を採用すれば、主副の各情報に対して付加される誤
り訂正符号が占有する周波数低域幅を可及的に抑制する
ことができ、結果として、上述した種々の事由に起因し
て、デジタル放送の受信側において生じる放送サービス
の中断を、放送用に割り当てられている限られた周波数
帯域を有効に活用しながら、従来とは異なる新規な手法
を用いて可及的に抑制し得るデジタル放送送受システム
を提案することができる。
【0192】さらに、請求項19の発明によれば、情報
生成手段で行われる主副の各情報に対するエンコード
は、相互に異なる符号化方式が採用されることを妨げな
いものとされる。
【0193】さらにまた、請求項20の発明によれば、
例えば副情報として、番組提供者の意図を忠実に反映し
た暴力シーンに代わる代替シーンを、放送用に割り当て
られた周波数帯域のうち、主情報が使用している周波数
帯域の隙間を利用して、主情報の解像度と同等となるよ
うな時間間隔をもって、つまり、低い伝送レートで比較
的長い時間をかけて、主情報に対して時間的に先行させ
て伝送するとともにあらかじめ蓄積させておけば、上述
した種々の事由に起因して、デジタル放送の受信側にお
いて生じる放送サービスの中断を、番組提供者の意図を
忠実に反映しながら、かつ、番組の流れを阻害すること
なく映像の解像度を可及的に維持しながら、かつ、放送
用に割り当てられている限られた周波数帯域を有効に活
用しながら、従来とは異なる新規な手法を用いて可及的
に抑制し得るデジタル放送送受システムを具現化するこ
とができる。
【0194】しかも、請求項21の発明によれば、主副
の各情報は、相互に異なる表現メディアをそれぞれ含む
ことを妨げないものとされるので、したがって、例え
ば、主情報としてハイビジョン映像を採用する一方、副
情報として標準テレビ映像を採用したり、又は、主情報
としてハイビジョン映像を採用する一方、副情報として
紙芝居のような駒送り静止画像を採用したり、又は、主
情報として標準テレビ映像を採用する一方、副情報とし
て文字データを採用するなど、種々の組み合わせに係る
適宜の表現メディアを採用することができ、この結果、
きわめて自由度が高い柔軟な放送サービスを提供し得る
デジタル放送送受システムを具現化することができる。
【0195】そして、請求項22の発明によれば、副情
報の伝送レートは、主情報の伝送レートと比較して、同
等又は低い伝送レートが適宜採用されるので、したがっ
て、例えば、主情報としてハイビジョン映像を採用する
一方、副情報として主情報と同様にハイビジョン映像を
採用したり、又は、主情報としてハイビジョン映像を採
用する一方、副情報として標準テレビ映像を採用するな
ど、種々の組み合わせに係る適宜の表現メディアを採用
することができ、この結果、請求項21の発明と同様
に、きわめて自由度が高い柔軟な放送サービスを提供し
得るデジタル放送送受システムを具現化することができ
るというきわめて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本情報伝達方法が適用される、デジタ
ル放送送出装置、及びデジタル放送受信装置を含んで構
成されるデジタル放送送受システムの機能ブロック構成
図である。
【図2】図2は、デジタル放送受信装置の動作を表すフ
ローチャート図である。
【図3】図3は、デジタル放送受信装置の動作を表すフ
ローチャート図である。
【図4】図4は、デジタル放送受信装置の情報選択アル
ゴリズムを表すフローチャート図である。
【図5】図5は、放送用に割り当てられた周波数帯域幅
のうち、主副の各情報が各々占有する周波数帯域幅が時
間的に一定となる放送形態を表す図である。
【図6】図6は、放送用に割り当てられた周波数帯域幅
のうち、主副の各情報が各々占有する周波数帯域幅が時
間的に可変となる放送形態を表す図である。
【符号の説明】
1 デジタル放送送受システム 3 デジタル放送送出装置 5 デジタル放送受信装置 7 VTR 9 主情報生成部 11 副情報生成部 13 多重化部 15 変調部 17 送信アンテナ 19 受信アンテナ 21 復調部 23 多重分離部 25 遅延部 27 情報選択部 29 デコーダ
フロントページの続き (72)発明者 権野 善久 東京都台東区西浅草1丁目1番1号 株式 会社次世代情報放送システム研究所内 (72)発明者 西尾 郁彦 東京都台東区西浅草1丁目1番1号 株式 会社次世代情報放送システム研究所内 (72)発明者 山岸 靖明 東京都台東区西浅草1丁目1番1号 株式 会社次世代情報放送システム研究所内 Fターム(参考) 5C063 AA01 AB03 AB06 AC01 AC05 AC10 CA11 CA36 CA38 DA01 DA07 DA11 DA13

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地上波や衛星波を含む伝送路を介して、
    映像、音声、又は文字等の情報をデジタル形態で放送す
    るデジタル放送に用いられる情報伝達方法であって、 デジタル放送の送出側は、 放送対象となる情報を、主情報と、当該主情報との間で
    相互に代替関係を有する副情報とに区分するとともに、
    当該区分した主副の各情報をエンコードし、 当該エンコード後の主副の各情報を、前記副情報が前記
    主情報よりも時間的に先行するように相互に時間差をも
    たせた状態下で多重化して送出する一方、 デジタル放送の受信側は、 前記送出側から送出された情報から前記主副の各情報
    を、前記副情報が前記主情報よりも時間的に遅延するよ
    うに相互に時間差をもたせた状態下でそれぞれ分離して
    取り出し、 当該取り出された主副の各情報毎の使用可否状態に従っ
    て、当該主副の各情報のうち、前記主情報が使用可能状
    態にあるときには当該主情報を、又は、前記主情報が使
    用不能状態にあるときには当該主情報に代替する前記副
    情報を、選択するとともにデコードして復元すること
    で、前記主情報又は当該主情報に代替する副情報のうち
    いずれか一方を選択的に取得することを特徴とするデジ
    タル放送に用いられる情報伝達方法。
  2. 【請求項2】 前記デジタル放送の送出側で行われる前
    記主副の各情報に対するエンコードは、共通の符号化方
    式が採用されることを妨げないことを特徴とする請求項
    1に記載のデジタル放送に用いられる情報伝達方法。
  3. 【請求項3】 前記デジタル放送の送出側で行われる前
    記主副の各情報に対するエンコードは、相互に異なる符
    号化方式が採用されることを妨げないことを特徴とする
    請求項1に記載のデジタル放送に用いられる情報伝達方
    法。
  4. 【請求項4】 前記主副の各情報の各々は、複数の単位
    部分をそれぞれ含んで構成されており、 当該複数の単位部分の各々には、各単位部分が相互に識
    別可能となり、かつ、前記主副の各情報にそれぞれ属す
    る複数の単位部分間の代替関係が識別可能となるような
    識別タグが付加されており、 前記デジタル放送の受信側は、 前記送出側から送出された情報から前記主副の各情報を
    それぞれ分離して取り出すにあたり、前記主副の各情報
    のうち前記副情報を一旦蓄積することで、前記副情報が
    前記主情報よりも時間的に遅延するように相互に時間差
    をもたせた状態を創出するようにし、 前記主情報が使用不能状態にあるときには、前記蓄積さ
    れている副情報に属する単位部分に付加された識別タグ
    を参照することで、前記主情報に属する任意の単位部分
    に代替する、前記副情報に属する単位部分を一意に特定
    選択するとともにデコードして復元することを特徴とす
    る請求項1乃至3に記載のデジタル放送に用いられる情
    報伝達方法。
  5. 【請求項5】 前記副情報は、複数の副情報を含んで構
    成されることを妨げないものであり、当該副情報が複数
    の副情報を含んで構成された場合であって、前記主情報
    が使用不能状態にある場合には、当該複数の副情報のう
    ち、1つの副情報が前記主情報として取り扱われる一
    方、その他の副情報が前記副情報として取り扱われるよ
    うにして、前記と同様な動作が自己相似的に実行される
    ことを特徴とする請求項1乃至4に記載のデジタル放送
    に用いられる情報伝達方法。
  6. 【請求項6】 前記主副の各情報は、相互に異なる表現
    メディアをそれぞれ含むことを妨げないことを特徴とす
    る請求項1乃至5に記載のデジタル放送に用いられる情
    報伝達方法。
  7. 【請求項7】 地上波や衛星波を含む伝送路を介して、
    映像、音声、又は文字等の情報をデジタル形態で放送す
    るデジタル放送に用いられる情報伝達方法であって、 デジタル放送の送出側は、 放送対象となる情報を、主情報と、当該主情報との間で
    相互に代替関係を有する副情報とに区分するとともに、
    当該区分した主副の各情報をエンコードし、 当該エンコード後の主副の各情報を、前記副情報が前記
    主情報よりも時間的に先行するように相互に時間差をも
    たせた状態下で多重化して送出する一方、 デジタル放送の受信側は、 前記送出側から送出された情報から前記主副の各情報
    を、前記副情報が前記主情報よりも時間的に遅延するよ
    うに相互に時間差をもたせた状態下でそれぞれ分離して
    取り出し、 当該取り出された主副の各情報毎の使用可否状態に従っ
    て、当該主副の各情報のうち、前記副情報が使用可能状
    態にあるときには当該副情報を、又は、前記副情報が使
    用不能状態にあるときには当該副情報に代替する前記主
    情報を、選択するとともにデコードして復元すること
    で、前記副情報又は当該副情報に代替する主情報のうち
    いずれか一方を選択的に取得することを特徴とするデジ
    タル放送に用いられる情報伝達方法。
  8. 【請求項8】 前記副情報の伝送レートは、前記主情報
    の伝送レートと比較して、同等又は低い伝送レートが採
    用されることを特徴とする請求項1乃至6、又は請求項
    7に記載のデジタル放送に用いられる情報伝達方法。
  9. 【請求項9】 前記副情報の伝送レートは、前記主情報
    の伝送レートと比較して、高い伝送レートが採用される
    ことを特徴とする請求項1乃至6、又は請求項7に記載
    のデジタル放送に用いられる情報伝達方法。
  10. 【請求項10】 地上波や衛星波を含む伝送路を介し
    て、映像、音声、又は文字等の情報をデジタル形態で放
    送するデジタル放送送出装置であって、 放送対象となる情報を、主情報と、当該主情報との間で
    相互に代替関係を有する副情報とに区分するとともに、
    当該区分した主副の各情報をエンコードして生成出力す
    る情報生成手段と、 当該情報生成手段でエンコード後の主副の各情報を、前
    記副情報が前記主情報よりも時間的に先行するように相
    互に時間差をもたせた状態下で多重化して送出する送出
    手段と、 を含んで構成されることを特徴とするデジタル放送送出
    装置。
  11. 【請求項11】 前記情報生成手段で行われる前記主副
    の各情報に対するエンコードは、共通の符号化方式が採
    用されることを妨げないことを特徴とする請求項10に
    記載のデジタル放送送出装置。
  12. 【請求項12】 前記情報生成手段で行われる前記主副
    の各情報に対するエンコードは、相互に異なる符号化方
    式が採用されることを妨げないことを特徴とする請求項
    10に記載のデジタル放送送出装置。
  13. 【請求項13】 地上波や衛星波を含む伝送路を介し
    て、映像、音声、又は文字等の情報がデジタル形態で放
    送されるデジタル放送を受信するデジタル放送受信装置
    であって、 主情報と、当該主情報との間で相互に代替関係を有する
    副情報との主副の各情報が、デジタル放送の送出側でエ
    ンコード及び多重化後に送出された情報から、前記主副
    の各情報を、前記副情報が前記主情報よりも時間的に遅
    延するように相互に時間差をもたせた状態下でそれぞれ
    分離して取り出す多重分離手段と、 当該多重分離手段で取り出された主副の各情報毎の使用
    可否状態に従って、当該主副の各情報のうち、前記主情
    報が使用可能状態にあるときには当該主情報を、又は、
    前記主情報が使用不能状態にあるときには当該主情報に
    代替する前記副情報を、選択するとともにデコードして
    復元する情報復元手段と、 を含んで構成され、 前記情報復元手段は、 前記主情報又は当該主情報に代替する副情報のうちいず
    れか一方を選択的に取得することを特徴とするデジタル
    放送受信装置。
  14. 【請求項14】 前記情報復元手段は、 前記多重分離手段で取り出された主副の各情報毎の使用
    可否状態に従って、当該主副の各情報のうち、前記主情
    報が使用可能状態にあるときには当該主情報を選択する
    一方、前記主情報が使用不能状態にあるときには当該主
    情報に代替する前記副情報を選択し、当該選択された主
    情報又は当該主情報に代替する副情報のうちいずれか一
    方をデコードして復元することを特徴とする請求項13
    に記載のデジタル放送受信装置。
  15. 【請求項15】 前記情報復元手段は、 前記多重分離手段で取り出された主副の各情報毎の使用
    可否状態に従って、当該主副の各情報のうち、前記主情
    報が使用可能状態にあるときには当該主情報をデコード
    する一方、前記主情報が使用不能状態にあるときには当
    該主情報に代替する前記副情報をデコードし、当該デコ
    ードされた主情報又は当該主情報に代替する副情報のう
    ちいずれか一方を選択して復元することを特徴とする請
    求項13に記載のデジタル放送受信装置。
  16. 【請求項16】 前記主副の各情報の各々は、複数の単
    位部分をそれぞれ含んで構成されており、 当該複数の単位部分の各々には、各単位部分が相互に識
    別可能となり、かつ、前記主副の各情報にそれぞれ属す
    る複数の単位部分間の代替関係が識別可能となるような
    識別タグが付加されており、 前記多重分離手段は、 前記デジタル放送の送出側でエンコード及び多重化後に
    送出された情報から、前記主副の各情報をそれぞれ分離
    して取り出すにあたり、前記主副の各情報のうち前記副
    情報を一旦蓄積することで、前記副情報が前記主情報よ
    りも時間的に遅延するように相互に時間差をもたせた状
    態を創出するようにし、 前記情報復元手段は、 前記主情報が使用不能状態にあるときには、前記蓄積さ
    れている副情報に属する単位部分に付加された識別タグ
    を参照することで、前記主情報に属する任意の単位部分
    に代替する、前記副情報に属する単位部分を一意に特定
    選択するとともにデコードして復元することを特徴とす
    る請求項13乃至15に記載のデジタル放送受信装置。
  17. 【請求項17】 地上波や衛星波を含む伝送路を介し
    て、映像、音声、又は文字等の情報をデジタル形態で放
    送するデジタル放送送出装置と、当該デジタル放送送出
    装置から送出されたデジタル放送を受信するデジタル放
    送受信装置とを含んで構成されるデジタル放送送受シス
    テムであって、 前記デジタル放送送出装置は、 放送対象となる情報を、主情報と、当該主情報との間で
    相互に代替関係を有する副情報とに区分するとともに、
    当該区分した主副の各情報をエンコードして生成出力す
    る情報生成手段と、 当該情報生成手段でエンコード後の主副の各情報を、前
    記副情報が前記主情報よりも時間的に先行するように相
    互に時間差をもたせた状態下で多重化して送出する送出
    手段と、 を含んで構成される一方、 前記デジタル放送受信装置は、 前記送出手段から送出された情報から、前記主副の各情
    報を、前記副情報が前記主情報よりも時間的に遅延する
    ように相互に時間差をもたせた状態下でそれぞれ分離し
    て取り出す多重分離手段と、 当該多重分離手段で取り出された主副の各情報毎の使用
    可否状態に従って、当該主副の各情報のうち、前記主情
    報が使用可能状態にあるときには当該主情報を、又は、
    前記主情報が使用不能状態にあるときには当該主情報に
    代替する前記副情報を、選択するとともにデコードして
    復元する情報復元手段と、 を含んで構成され、 前記情報復元手段は、 前記主情報又は当該主情報に代替する副情報のうちいず
    れか一方を選択的に取得することを特徴とするデジタル
    放送送受システム。
  18. 【請求項18】 前記情報生成手段で行われる前記主副
    の各情報に対するエンコードは、共通の符号化方式が採
    用されることを妨げないことを特徴とする請求項17に
    記載のデジタル放送送受システム。
  19. 【請求項19】 前記情報生成手段で行われる前記主副
    の各情報に対するエンコードは、相互に異なる符号化方
    式が採用されることを妨げないことを特徴とする請求項
    17に記載のデジタル放送送受システム。
  20. 【請求項20】 前記主副の各情報の各々は、複数の単
    位部分をそれぞれ含んで構成されており、 当該複数の単位部分の各々には、各単位部分が相互に識
    別可能となり、かつ、前記主副の各情報にそれぞれ属す
    る複数の単位部分間の代替関係が識別可能となるような
    識別タグが付加されており、 前記多重分離手段は、 前記デジタル放送の送出側でエンコード及び多重化後に
    送出された情報から、前記主副の各情報をそれぞれ分離
    して取り出すにあたり、前記主副の各情報のうち前記副
    情報を一旦蓄積することで、前記副情報が前記主情報よ
    りも時間的に遅延するように相互に時間差をもたせた状
    態を創出するようにし、 前記情報復元手段は、 前記主情報が使用不能状態にあるときには、前記蓄積さ
    れている副情報に属する単位部分に付加された識別タグ
    を参照することで、前記主情報に属する任意の単位部分
    に代替する、前記副情報に属する単位部分を一意に特定
    選択するとともにデコードして復元することを特徴とす
    る請求項17乃至19に記載のデジタル放送送受システ
    ム。
  21. 【請求項21】 前記主副の各情報は、相互に異なる表
    現メディアをそれぞれ含むことを妨げないことを特徴と
    する請求項17至20に記載のデジタル放送送受システ
    ム。
  22. 【請求項22】 前記副情報の伝送レートは、前記主情
    報の伝送レートと比較して、同等又は低い伝送レートが
    採用されることを特徴とする請求項17乃至21に記載
    のデジタル放送送受システム。
  23. 【請求項23】 前記副情報の伝送レートは、前記主情
    報の伝送レートと比較して、高い伝送レートが採用され
    ることを特徴とする請求項17乃至21に記載のデジタ
    ル放送送受システム。
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