JPWO2009001927A1 - 置換基を導入した環状化合物の製造方法及びフォトレジスト基材 - Google Patents

置換基を導入した環状化合物の製造方法及びフォトレジスト基材 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2009001927A1
JPWO2009001927A1 JP2009520647A JP2009520647A JPWO2009001927A1 JP WO2009001927 A1 JPWO2009001927 A1 JP WO2009001927A1 JP 2009520647 A JP2009520647 A JP 2009520647A JP 2009520647 A JP2009520647 A JP 2009520647A JP WO2009001927 A1 JPWO2009001927 A1 JP WO2009001927A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
formula
groups
substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009520647A
Other languages
English (en)
Inventor
貴紀 大和田
貴紀 大和田
宏寿 石井
宏寿 石井
知行 蓬田
知行 蓬田
柴田 充
充 柴田
典夫 鞆津
典夫 鞆津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Publication of JPWO2009001927A1 publication Critical patent/JPWO2009001927A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/004Photosensitive materials
    • G03F7/039Macromolecular compounds which are photodegradable, e.g. positive electron resists
    • G03F7/0392Macromolecular compounds which are photodegradable, e.g. positive electron resists the macromolecular compound being present in a chemically amplified positive photoresist composition
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/30Preparation of carboxylic acid esters by modifying the acid moiety of the ester, such modification not being an introduction of an ester group
    • C07C67/31Preparation of carboxylic acid esters by modifying the acid moiety of the ester, such modification not being an introduction of an ester group by introduction of functional groups containing oxygen only in singly bound form
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2601/00Systems containing only non-condensed rings
    • C07C2601/12Systems containing only non-condensed rings with a six-membered ring
    • C07C2601/14The ring being saturated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2602/00Systems containing two condensed rings
    • C07C2602/36Systems containing two condensed rings the rings having more than two atoms in common
    • C07C2602/42Systems containing two condensed rings the rings having more than two atoms in common the bicyclo ring system containing seven carbon atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2603/00Systems containing at least three condensed rings
    • C07C2603/56Ring systems containing bridged rings
    • C07C2603/58Ring systems containing bridged rings containing three rings
    • C07C2603/70Ring systems containing bridged rings containing three rings containing only six-membered rings
    • C07C2603/74Adamantanes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C2603/00Systems containing at least three condensed rings
    • C07C2603/92Systems containing at least three condensed rings with a condensed ring system consisting of at least two mutually uncondensed aromatic ring systems, linked by an annular structure formed by carbon chains on non-adjacent positions of the aromatic system, e.g. cyclophanes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

下記式(I)で表される構造を有する環状化合物と下記式(II)で表される化合物を縮合反応させて、式(I)の化合物に置換基(R基)を1つ以上導入した化合物を製造する方法において、縮合反応に、ナトリウム又はセシウムを含む無機塩基を使用することを特徴とするR基導入環状化合物の製造方法。

Description

本発明は、半導体等の電気・電子分野や光学分野等で用いられるフォトレジスト基材を始めとする電気・電子材料、光学材料に使用できる環状化合物の製造方法に関する。
極端紫外光(Extream Ultra Violet Light:以下、EUVLと表記する場合がある)又は電子線によるリソグラフィーは、半導体等の製造において、高生産性、高解像度の微細加工方法として有用であり、それに用いる高感度、高解像度のフォトレジストが求められている。フォトレジストは、所望する微細パターンの生産性、解像度等の観点から、その感度を向上させることが欠かせない。
EUVLによる超微細加工の際に用いられるフォトレジストとしては、例えば、公知のKrFレーザーによる超微細加工の際に用いられていた化学増幅型ポリヒドロキシスチレン系フォトレジストがある。このレジストでは、50nm程度までの微細加工が可能であることが知られている。しかしながら、このレジストで極端紫外光による超微細加工をし、極端紫外光による加工の最大の利点である50nm以細のパターンを作製すると、感度及びレジストアウトガスについては実用性を有するものの、最も重要であるラインエッジラフネスを低減させることができなかった。従って、極端紫外光本来の性能を十分に引き出しているとは言えず、より高性能のフォトレジストを開発することが求められていた。また、これらのフォトレジスト基材の製造時に用いられる塩基が、基材に残留することによりフォトレジストの性能が低下することが知られており、このような背景から、より高純度のフォトレジストを開発することが求められていた。
上記課題に対し、本発明者らは既に、高感度、高解像度のフォトレジスト材料としてカリックスレゾルシナレン化合物類を提案している(特許文献1、2参照)。しかしながら、化合物の合成方法によっては、得られる化合物がフォトレジスト材料として十分な機能を発揮しない場合があった。
尚、特許文献3には、カリックスレゾルシナレン化合物が開示されているが、これらの化合物は一部溶解性が不十分と考えられる上、フォトレジスト基材としてではなく、公知の高分子からなるフォトレジスト基材に対する添加剤として加える用途しか記載されていない。
特開2004−191913号公報 特開2005−075767号公報 米国特許6093517
本発明の目的は、フォトレジスト基材として有用なカリックスアレーン化合物の製造方法を提供することである。
本発明者らは、フォトレジスト基材に用いる化合物の製造中に用いる反応剤及びその残渣物の残留が、フォトレジストの性能低下という問題を生じさせることを突き止めた。
具体的に、反応剤として使用する塩基の種類によっては、環状化合物の環状部位に塩基成分が包摂され、その結果、再沈殿、洗浄、クロマトグラフィー等の精製操作を行っても、環状化合物から反応剤や残渣物を充分に除くことが不可能であることがわかった。
本発明者らのさらなる検討の結果、ピリジン類、アミン類等の有機塩基、カリウム、ルビジウム又はセシウム等の、Naイオンよりもイオン半径の大きい無機塩基を用いると、環状部位に塩基成分が包摂されることがわかった。
特に、従来から用いられてきた、炭酸カリウム等のカリウム化合物を用いた場合、フォトレジスト材料として適するほどに高度に純度を高めることが困難であった。例えば、特許文献2の実施例1では500ppb程度であった。
本発明者らは、本発明の対象となる環状化合物においては、保護基(酸解離性溶解性抑止基等の置換基)の縮合反応による導入の際に用いる反応剤として、特に、ナトリウム又はセシウムを含有する無機塩基を縮合反応に用いると、上記包摂現象が生じないことを突き止め、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の置換基Rを導入した環状化合物の製造方法等が提供される。
1.下記式(I)で表される構造を有する環状化合物と下記式(II)で表される化合物を縮合反応させて、式(I)の化合物に置換基(R基)を1つ以上導入した化合物を製造する方法において、
前記縮合反応に、ナトリウム又はセシウムを含む無機塩基を使用することを特徴とするR基導入環状化合物の製造方法。
Figure 2009001927
[(式中、Rはそれぞれ水素、水酸基、アルコキシル基、炭素数1〜12の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜12の分岐を有する脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、フェニル基、p−フェニルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、下記式(1)で表される基、下記式(2)で表される基、又はこれら基のうち2種以上を組み合わせて構成される基であり、Rはそれぞれ水素、水酸基又は置換基である。但し、Rの少なくとも1つ、又はRの少なくとも1つは、R基が結合可能な基である。)
Figure 2009001927
(式中、Rはそれぞれ水素又は置換基であり、xは1〜5の整数を表す。)
Figure 2009001927
(式中、Arは炭素数の6〜10のアリーレン基、炭素数6〜10のアリーレン基を2つ以上組み合わせた基;炭素数6〜10のアリーレン基と、アルキレン基及びエーテル基の少なくとも一方を1つ以上組み合わせた基であり、Aは単結合、アルキレン基、エーテル基、又はアルキレン基とエーテル基を2つ以上組み合わせた基であり、Rは水素又は置換基である。yは0〜3の整数、zは1〜5の整数を表す。)]
R−X (II)
[式中、Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12の分岐を有する脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、シリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、これらの基が2以上結合してなる基、又はこれらの基とエステル基、炭酸エステル基、エーテル基が結合してなる基)とが結合した構造を有する基であり、Rが2以上ある場合、2以上のRは、それぞれ同じでも異なってもよい。Xは縮合反応において脱離基として機能する置換基である。]
2.前記縮合反応後に、未反応の前記無機塩基を除去することを特徴とする1に記載のR基導入環状化合物の製造方法。
3.前記式(I)で表される環状化合物が、下記式(I−1)〜(I−3)で表される化合物のいずれであることを特徴とする1又は2に記載のR基導入環状化合物の製造方法。
Figure 2009001927
(式中、R及びRは前記式(I)のR及びRと同様である。)
4.前記式(II)のRが酸解離性溶解抑止基である、1〜3のいずれかに記載のR基導入環状化合物の製造方法。
5.前記酸解離性溶解抑止基が、下記式(3)〜(18)で表される基のいずれかである、4に記載のR基導入環状化合物の製造方法。
Figure 2009001927
(式中、rは下記式(r−1)〜(r−12)で表されるいずれかの基を表す。)
Figure 2009001927
6.1〜5のいずれかに記載の製造方法で得たR基導入環状化合物。
7.式(I’)で表されるR基導入環状化合物を含有し、
ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、鉄、亜鉛及びセシウムの合計残留濃度が800ppb以下であるフォトレジスト基材。
Figure 2009001927
[(式中、Rはそれぞれ水素、水酸基、アルコキシル基、炭素数1〜12の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜12の分岐を有する脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、フェニル基、p−フェニルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、下記式(1)で表される基、下記式(2)で表される基、又はこれら基のうち2種以上を組み合わせて構成される基であり、Rはそれぞれ水素、水酸基又は置換基である。但し、Rの少なくとも1つ、又はRの少なくとも1つは、Rと結合しており、
Rは、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12の分岐を有する脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、シリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、これらの基が2以上結合してなる基、又はこれらの基とエステル基、炭酸エステル基、エーテル基が結合してなる基)と結合した構造を有する基であり、Rが2以上ある場合、2以上のRは、それぞれ同じでも異なってもよい。)
Figure 2009001927
(式中、Rはそれぞれ水素又は置換基であり、xは1〜5の整数を表す。)
Figure 2009001927
(式中、Arは炭素数の6〜10のアリーレン基、炭素数6〜10のアリーレン基を2つ以上組み合わせた基;炭素数6〜10のアリーレン基と、アルキレン基及びエーテル基の少なくとも一方を1つ以上組み合わせた基であり、Aは単結合、アルキレン基、エーテル基、又はアルキレン基とエーテル基を2つ以上組み合わせた基であり、Rは水素又は置換基である。yは0〜3の整数、zは1〜5の整数を表す。)]
8.前記式(I’)で表されるR基導入環状化合物が、下記式(I’−1)〜(I’−3)で表される化合物のいずれかであることを特徴とする7に記載のフォトレジスト基材。
Figure 2009001927
(式中、R及びRは前記式(I’)のR及びRと同様である。)
9.前記式(I’)のRが酸解離性溶解抑止基である7又は8に記載のフォトレジスト基材。
10.前記酸解離性溶解抑止基が、下記式(3)〜(18)で表される基のいずれかである9に記載のフォトレジスト基材。
Figure 2009001927
(式中、rは下記式(r−1)〜(r−12)で表されるいずれかの基を表す。)
Figure 2009001927
11.7〜10のいずれかに記載のフォトレジスト基材と溶剤を含有するフォトレジスト組成物。
12.さらに、光酸発生剤を含有する11に記載のフォトレジスト組成物。
13.さらに、塩基性有機化合物をクエンチャーとして含有する12に記載のフォトレジスト組成物。
14.11〜13のいずれかに記載のフォトレジスト組成物を用いた微細加工方法。
15.14に記載の微細加工方法により作製した半導体装置。
本発明の製造方法によれば、フォトレジスト基材として有用な環状化合物のアルカリ金属含有量を低減できる。これにより、環状化合物のフォトレジストとしての性能を高めることができる。
本発明の製造方法は、下記式(I)で表される構造を有する環状化合物と下記式(II)で表される化合物を縮合反応させて、式(I)の化合物に置換基(R)を1つ以上導入した化合物を製造する方法である。
Figure 2009001927
本発明は上記の縮合反応において、ナトリウム又はセシウムを含む無機塩基を使用することを特徴とする。ナトリウム又はセシウムをアルカリ金属分として有する無機塩基を用いると、反応後の粗精製品、及び再沈殿法、洗浄法、イオン交換法等の方法による精製品における不純物としての塩基成分(アルカリ金属イオン)の残留量を大幅に低減できる。
ナトリウム又はセシウムを含む無機塩基としては、具体的に、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、金属ナトリウム、炭酸セシウム、水素化セシウム、炭酸水素セシウム、水酸化セシウム、金属セシウム等が好ましく使用できる。
これらの無機塩基は、それぞれ単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。尚、本発明に悪影響を与えない限り、他の塩基と混合して用いてもよい。
出発原料である上記式(I)の環状化合物において、Rは水素、水酸基、アルコキシル基、炭素数1〜12の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜12の分岐を有する脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、フェニル基、p−フェニルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、下記式(1)で表される基、下記式(2)で表される基、又はこれら基のうち2種以上を組み合わせて構成される基である。
Figure 2009001927
式中、Rは水素又は置換基であり、xは1〜5の整数を表す。Arは炭素数の6〜10のアリーレン基、炭素数6〜10のアリーレン基を2つ以上組み合わせた基;炭素数6〜10のアリーレン基と、アルキレン基及びエーテル基の少なくとも一方を1つ以上組み合わせた基であり、Aは単結合、アルキレン基、エーテル基、又はアルキレン基とエーテル基を2つ以上組み合わせた基である。yは0〜3の整数、zは1〜5の整数を表す。
において、アルコキシル基の例としては、フェノキシ基、メトキシ基、エトキシ基、シクロヘキシルキシ基が好ましい。
炭素数1〜12の直鎖状脂肪族炭化水素基としては、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が好ましい。
炭素数3〜12の分岐を有する脂肪族炭化水素基としては、t−ブチル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、2−エチルヘキシル基等が好ましい。
炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基としては、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、ビアダマンチル基、ジアマンチル基等が好ましい。
尚、上述した基を2種以上組み合わせて構成される基とは、1つの基(例えば、フェニル基)に置換基として他の基(水酸基等)が結合している基を意味する。例えば、ビフェニル基、シクロヘキシルフェニル基、アダマンチルフェニル基等が好ましい。
式(1)及び式(2)のRは、水素又は置換基である。置換基としては、上述したRの例や後述するRの例と同様な基が挙げられる。尚、出発原料である式(I)の化合物は、予め、式(1)及び式(2)のRとしてRを有していてもよい。これは、例えば式(I)の化合物に2種以上のR基を導入する場合、出発原料に縮合反応を繰り返し行うことが考えられるが、縮合反応ごとに得られる中間体が式(I)の化合物に含まれることを意味する。
式(1)及び式(2)のArとしては、例えば、フェニレン基、メチルフェニレン基、ジメチルフェニレン基、トリメチルフェニレン基、テトラメチルフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、オキシジフェニレン基が好ましい。
なかでもフェニレン基、ビフェニレン基、オキシジフェニレン基が好ましい。
のアルキレン基としては、メチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等、炭素数1〜4のものが好ましい。
アルキレン基とエーテル基を2つ以上組み合わせた基としては、オキシメチレン基、オキシジメチルメチレン基、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が好ましい。
は単結合又はオキシメチレン基(−O−CH−)であることが好ましい。
尚、上述した基を2種以上組み合わせて構成される基とは、1つの基(例えば、フェニル基)に置換基として他の基(水酸基等)が結合している基を意味する。例えば、ビフェニル基、シクロヘキシルフェニル基、アダマンチルフェニル基等が好ましい。
式(I)のRは、水素、水酸基又は置換基である。置換基としては、上述したRの例や後述するRの例と同様な基が挙げられる。尚、上述したRと同様、出発原料である式(I)の化合物は、予め、式(1)及び式(2)のRとしてRを有していてもよい。
式(I)の化合物では、Rの少なくとも1つ、又はRの少なくとも1つは、R基が結合可能な基である。R基が結合可能な基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基又はこれらの基を含む基(例えば、上記式(1)、(2)等)が挙げられる。
尚、式(I)内に複数あるR及びRは、それぞれ同じであっても異なっていても良い。
出発原料である式(I)で表される環状化合物の具体例としては、下記式(I−1)〜(I−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2009001927
(式中、R及びRは前記式(I)と同様である。)
出発原料である上記式(II)の化合物において、Rは、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12の分岐を有する脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、シリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、エステル基(−CO−)、炭酸エステル基(−O(C=O)O−)、エーテル基(−O−)、又はこれらの基が2以上結合してなる基)とが結合した構造を有する基である。
炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基としては、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が好ましい。
炭素数3〜12の分岐を有する脂肪族炭化水素基としては、t−ブチル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、2−エチルヘキシル基等が好ましい。
炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基としては、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、ビアダマンチル基、ジアマンチル基等が好ましい。
炭素数6〜10の芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基等が好ましい。
アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、アダマンチルオキシメチル基等が好ましい。
シリル基としては、トリメチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基等が好ましい。
尚、上記の各基は置換基を有していてもよく、具体的には、メチル基、エチル基等のアルキル基、ケトン基、エステル基、アルコキシル基、ニトリル基、ニトロ基、水酸基等が挙げられる。
Rは、上記の各基と二価の基が結合した構造を有する基でもよい。
二価の基としては、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、これらの基が2以上結合してなる基、又はこれらの基とエステル基、炭酸エステル基、エーテル基が結合してなる基が2以上結合してなる基が挙げられる。
アルキレン基としてはメチレン基、メチルメチレン基等が好ましく、アリーレン基としては、フェニレン基が好ましい。
二価の基が2以上結合してなる基としては、下記の構造が好ましい。
Figure 2009001927
(式中、R’はそれぞれH又はアルキル基を示す。)
Xは縮合反応において脱離基として機能する基である。好ましくは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素又はニトロ基、アルキルスルホン基(メシル基、トリフルオロメタンスルホニル基等)、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニル基(トシル基等)、アセテート基である。
本発明では、置換基Rが酸解離性溶解抑止基であることが好ましい。酸解離性溶解抑止基を導入した化合物は、EUVL及び電子線に対し高い反応性を有するため、感度の面で優れており、かつエッチング耐性の面でも優れる。そのため、超微細加工用のフォトレジスト基材として好適な化合物となる。特に、式(II)のRは、下記式(3)〜(18)で表される基のいずれかであることが好ましい。
Figure 2009001927
(式中、rは下記式(r−1)〜(r−12)で表されるいずれかの基を表す。)
Figure 2009001927
本発明の製造方法において、出発原料である式(I)、(II)の化合物は公知の方法で合成することができる。例えば、式(I)の環状化合物は、酸触媒存在下、対応する構造のアルデヒド化合物と水酸基を有する芳香族化合物との縮合環化反応により合成することができる。
式(II)化合物は、例えば、SYNTHESIS,11,1982,942−944(「シンセシス」1982年、第11号、942〜944頁)を参照することができる。
本発明の製造方法では、式(I)及び(II)の化合物の縮合反応時に、上述したナトリウム又はセシウムを含む無機塩基を使用する。その他の反応条件、例えば、使用溶媒、触媒、濃度、反応温度、反応時間等については特に限定なく、通常の縮合反応(エステル化反応、エーテル化反応、アセタール化反応等)と同様な条件を採用できる。
ナトリウム又はセシウムを含む無機塩基の使用量は、出発原料等に合わせて適宜調整する必要があるが、導入するRに対して、1当量〜100当量程度が好ましい。
金属イオンを捕捉するクラウンエーテル、相間移動触媒として作用するオニウム塩等、縮合反応を促進させる効果のある触媒を適宜添加しても良い。その添加量は無機塩基の使用量に対して、0.01当量〜1当量程度が好ましい。
本発明の製造方法で製造した環状化合物は、反応後の粗精製品における塩基成分(アルカリ金属イオン)の残留量を大幅に低減できる。また、精製により容易に塩基性不純物の濃度を低減できる。従って、実質的にアルカリ金属がない(500ppb未満)環状化合物を簡便に製造できる。そして、この化合物からなるフォトレジスト基材の極端紫外光や電子線に対する感度を劇的に向上でき、その結果、フォトレジスト組成物のリソグラフィーによる微細加工パターンが好適に作製可能となる。
本発明の製造方法において、好ましくは式(I)及び(II)の化合物の縮合反応後、得られた環状化合物から未反応の無機塩基を除去する。
未反応の無機塩基を除去する方法としては、例えば、酸性水溶液洗浄、イオン交換樹脂、又は超純水を用いた再沈殿で処理する方法が挙げられる。これらの洗浄方法を組み合わせて精製してもよい。例えば、酸性水溶液として酢酸水溶液を用いて洗浄処理した後に、イオン交換樹脂処理又は超純水を用いる再沈殿処理をする。
用いる酸性水溶液の種類、イオン交換樹脂の種類は、除去すべき塩基性不純物の量や種類、又は処理する基材の種類等に応じて、最適なものを適宜選択すればよい。
本発明の製造方法によって得られる下記式(I’)で表されるR基導入環状化合物は、フォトレジスト基材、特に、極端紫外光(波長15nm以下)や電子線等のリソグラフィーによる超微細加工の際に用いるフォトレジスト基材として有用である。
本発明のR基導入環状化合物をフォトレジスト基材として用いる場合には、一種単独で用いてもよく、また、本発明の効果を損なわない範囲で、二種以上を組合せて用いてもよい。
Figure 2009001927
[(式中、Rはそれぞれ水素、水酸基、アルコキシル基、炭素数1〜12の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜12の分岐を有する脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、フェニル基、p−フェニルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、下記式(1)で表される基、下記式(2)で表される基、又はこれら基のうち2種以上を組み合わせて構成される基であり、Rはそれぞれ水素、水酸基又は置換基である。但し、Rの少なくとも1つ、又はRの少なくとも1つは、Rと結合しており、
Rは、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12の分岐を有する脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、シリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、これらの基が2以上結合してなる基、又はこれらの基とエステル基、炭酸エステル基、エーテル基が結合してなる基)とが結合した構造を有する基であり、Rが2以上ある場合、2以上のRは、それぞれ同じでも異なってもよい。)
Figure 2009001927
(式中、Rはそれぞれ水素又は置換基であり、xは1〜5の整数を表す。)
Figure 2009001927
(式中、Arは炭素数の6〜10のアリーレン基、炭素数6〜10のアリーレン基を2つ以上組み合わせた基;炭素数6〜10のアリーレン基と、アルキレン基及びエーテル基の少なくとも一方を1つ以上組み合わせた基であり、Aは単結合、アルキレン基、エーテル基、又はアルキレン基とエーテル基を2つ以上組み合わせた基であり、Rは水素又は置換基である。yは0〜3の整数、zは1〜5の整数を表す。)]
尚、式(I’)で表されるR基導入環状化合物の具体的構造、好ましい置換基等は、本発明の製造方法で説明した構造、置換基等と同様である。
本明のフォトレジスト基材は、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、鉄、亜鉛及びセシウムの合計残留濃度が800ppb以下であり、好ましくはこれら成分を含まない。
フォトレジスト基材に含まれる成分の濃度を測定する場合において、通常、100ppb未満の濃度を測定することはできない。従って、合計残留濃度が800ppb以下とは、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、鉄、亜鉛及びセシウムのこれら8成分の濃度が、それぞれ測定できない濃度(100ppb未満)であればよい。
本発明のR基導入環状化合物は、フォトレジスト基材として使用する条件(通常は室温下)において、アモルファス状態となる。このため、基材として用いると、フォトレジスト組成物としての塗布性やフォトレジスト膜としての強度の点で好ましい。
また、本発明の基材は、極端紫外光や電子線による超微細加工の特徴である20〜50nmの加工に用いたときに、ラインエッジラフネスを2nm以下、好ましくは1nm以下(3σ)に抑制することができる。これは本発明の環状化合物の分子の平均直径が、所望のパターンのサイズ、具体的には、100nm以下、特に50nm以下のサイズにおいて求められているラインエッジラフネスの値(5nm以下)よりも小さいためである。
本発明のフォトレジスト組成物は、上述した本発明のフォトレジスト基材とこれを溶解させ液体状組成物とするための溶媒を含む。フォトレジスト組成物は、超微細加工を施すべき基板等にスピンコーティング、ディップコーティング、ペインティング等の手法で均一に塗布するために液体状組成物にすることが必要である。
溶媒としては、フォトレジストの分野において一般に用いられているものが使用できる。好ましくは、2−メトキシエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコール類、乳酸エチル、乳酸メチル等の乳酸エステル類、メチルプロピオネート、エチルプロピオネート等のプロピオネート類、メチルセルソルブアセテート等のセルソルブエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルアミルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン等のケトン類、酢酸ブチル等の単独溶媒、もしくは2種以上の混合溶媒が例示される。
使用する溶媒は、フォトレジスト基材の溶解度や製膜特性等に合わせて適宜選択すればよい。
本発明のフォトレジスト組成物は、基材の分子が、EUVL及び/又は電子線に対して活性なクロモフォアを含み単独でフォトレジストとしての能力を示す場合には特に添加剤は必要としない。しかし、フォトレジストとしての性能(感度)を増強する必要がある場合は、必要に応じて、クロモフォアとして光酸発生剤(PAG)等を添加してもよい。
光酸発生剤としては、以下の構造で例示される公知のものの他、同様の作用を持つ他の化合物であっても一般に使用できる。好ましいPAGの種類及び量は、本発明の基材、所望する微細パターンの形状やサイズ等に合わせて規定できる。
Figure 2009001927
Figure 2009001927
Figure 2009001927
[式中、Ar、Ar、Arは、置換又は非置換の炭素数6〜20の芳香族基であり、R、R、R、R、Rは、置換又は非置換の炭素数6〜20の芳香族基、置換又は非置換の炭素数1〜20の脂肪族基であり、X、X、Y、Zは、脂肪族スルホニウム基、フッ素を有する脂肪族スルホニウム基、テトラフルオロボレート基、ヘキサフルオロホスホニウム基である。]
PAGの配合量は、フォトレジスト基材に対して0.1〜20重量%の範囲で用いるのが一般的である。
さらに必要に応じて、PAGの過剰な反応を抑制するクエンチャーを添加してもよい。これにより、対極端紫外光感度や対電子線解像度を向上できる。クエンチャーとしては、従来公知のものの他、同様の作用を持つ他の化合物であっても一般に使用できる。
クエンチャーには、フォトレジスト組成物への溶解度やフォトレジスト層における分散性や安定性の観点から、塩基性有機化合物を用いることが好ましい。具体的には、キノリン、インドール、ピリジン、ビピリジン等のピリジン類の他、ピリミジン類、ピラジン類、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、トリエチルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族アミン類の他、水酸化テトラブチルアンモニウム等が上げられる。
尚、好ましいクエンチャーの種類及び量は、本発明の基材、PAG、所望する微細パターンの形状やサイズ等に合わせて規定できる。
クエンチャーの配合量は、フォトレジスト基材に対して10〜1×10−3重量%、又は、PAGに対して50〜0.01重量%の範囲で用いるのが一般的である。
本発明のフォトレジスト組成物には、その他、感光助剤、可塑剤、スピード促進剤、感光剤、増感剤、酸増殖機能材料、エッチング耐性増強剤等を添加してもよい。これらは同一の機能を持つ成分の複数の混合物であっても、異なった機能を持つ成分の複数の混合物であっても、これらの前駆体の混合物であってもよい。これらの配合比については、用いる成分の種類により異なるため一概に規定できないが、従来公知のフォトレジストと類似の配合比で用いることが一般的である。
組成物中の溶媒以外の成分、即ちフォトレジスト固形分の量は所望のフォトレジスト層の膜厚を形成するために適する量とするのが好ましい。具体的にはフォトレジスト組成物の全重量の0.1〜50重量パーセントが一般的であるが、用いる基材や溶媒の種類、あるいは、所望のフォトレジスト層の膜厚等に合わせて規定できる。
本発明のフォトレジスト組成物を用いて微細加工する方法の例を以下に説明する。
本発明のフォトレジスト組成物は、スピンコーティング、ディップコーティング、ペインティング等の方法により液体コーティング組成物として基板に塗布し、溶媒を除くため、フォトレジストコーティング層が不粘着性になるまで、例えば80℃〜160℃に加熱して乾燥するのが一般的である。また、基板との密着性向上等の目的で、例えばヘキサメチルジシラザン(HMDS)等を中間層として用いることができる。これらの条件は、用いる基材や溶媒の種類、あるいは、所望のフォトレジスト層の膜厚等に合わせて規定できる。
加熱乾燥後、上記フォトレジストコーティング層が不粘着性になった基板をEUVLによりフォトマスクを用いて露光、あるいは電子線を任意の方法で照射することにより、基材に含まれる保護基を脱離させ、フォトレジストコーティング層の露光及び非露光領域間における溶解度の相違を生じさせる。さらに溶解度の相違を大きくするために露光後ベークする。この後レリーフイメージを形成するため、アルカリ現像液等で現像する。このような操作により、基板上に超微細加工されたパターンが形成される。上記の条件は用いる基材や溶媒の種類、あるいは、所望のフォトレジスト層の膜厚等に合わせて規定できる。
本発明のフォトレジスト組成物を用いて極端紫外光や電子線のリソグラフィーによる超微細加工を行えば、100nm以細、特に50nm以細の孤立ライン、ライン/スペース(L/S)=1/1、ホール等のパターンを、高感度、高コントラスト、低ラインエッジラフネスで形成することが可能となる。
本発明の微細加工方法により、例えば、ULSI、大容量メモリデバイス、超高速ロジックデバイス等の半導体装置を製造することができる。
[実施例]
実施例1
出発原料として下記式(III)及び(IV)で表される化合物を使用した。
Figure 2009001927
十分乾燥し窒素ガスにて置換したジム・ロート氏冷却管、温度計を設置した二口フラスコ(容量100ミリリットル)に、式(III)の環状化合物(2.07g、3.8ミリモル)と炭酸ナトリウム(3.18g、30ミリモル)、15−crown−5(0.77g、3.5ミリモル)を封入し窒素置換した。次いでアセトン38ミリリットルを加えて溶液とした後に、ブロモ酢酸tert−ブチル(式(IV):6.82g、35ミリモル)を加えて、窒素雰囲気下、75℃のオイルバス中において、24時間撹拌しながら加熱還流した。放冷し室温に到達させた後、反応溶液に氷水を注ぎ1時間撹拌することにより白色沈殿として得た。これを濾別し減圧乾燥することにより、粗生成物を得た。
次いで、粗生成物をアセトン(10ミリリットル)に溶解し、酢酸水溶液(1モル/リットル、300ミリリットル)に注ぎ白色結晶を得た。これを濾別、減圧乾燥することにより、下記式(V)で表されるR基導入環状化合物を回収した(収量3.16g)。尚、構造はH−NMRによる測定で確認した。
Figure 2009001927
R=H:50モル%
R=tert−ブチロキシカルボニルメチル基:50モル%
上記で合成したR基導入環状化合物から残留金属イオンを除去するために、メタノールを用いて加熱溶解し、熱濾過により不溶物を除去した後、超純水に滴下し白色粉末を得た。さらに、この白色粉末を濾別、真空乾燥することにより、残留金属イオンの除去処理を行った。
残留金属イオンの除去処理の前後における残留金属イオン量を、ICP発光分析法、ICP質量分析法及び原子吸光分析法により測定した。結果を表1に示す。
処理後の試料においては、各金属イオンの残留量がいずれも検出限界(100ppb)以下に低減でき、高純度のフォトレジスト基材が得られていることを確認した。
実施例2
出発原料として式(III)で表される化合物の代わりに下記式(VI)で表される化合物を使用した他は実施例1と同様にして、R基導入環状化合物を回収した(収量3.01g)。
Figure 2009001927
得られたR基導入環状化合物の構造をH−NMRによる測定で確認したところ、下記式(VII)で表される構造であることを確認した。
Figure 2009001927
上記で合成したR基導入環状化合物から残留金属イオンを実施例1と同様にして除去した。残留金属イオンの除去処理の前後における残留金属イオン量を、ICP発光分析法、ICP質量分析法及び原子吸光分析法により測定した。結果を表1に示す。
処理後の試料においては、各金属イオンの残留量がいずれも検出限界(100ppb)以下に低減でき、高純度のフォトレジスト基材が得られていることを確認した。
実施例3
炭酸ナトリウムの代わりに炭酸セシウムを用いた他は実施例1と同様にして、式(V)で表されるR基導入環状化合物を回収し、残留金属イオンを除去し、及び評価した。
その結果、各金属イオンの残留量がいずれも検出限界(100ppb)以下に低減でき、高純度のフォトレジスト基材が得られていることを確認した。結果を表1に示す。
実施例4
炭酸ナトリウムの代わりに炭酸セシウムを用いた他は実施例2と同様にして、式(VII)で表されるR基導入環状化合物を回収し、残留金属イオンを除去し、及び評価した。
その結果、各金属イオンの残留量がいずれも検出限界(100ppb)以下に低減でき、高純度のフォトレジスト基材が得られていることを確認した。結果を表1に示す。
Figure 2009001927
比較例1
実施例1において、炭酸ナトリウムの代わりに炭酸カリウムを用い、15−crown−5の代わりに18−crown−6を用いた以外は、実施例1と同様に式(V)の化合物を合成、除去処理、及び評価した。その結果、処理前のみならず、処理後においてもカリウムイオンに加えてカルシウムイオンの残留が顕著であり、高純度のフォトレジスト基材を得ることはできなかった。
本発明の製造方法は、フォトレジスト基材を始めとする電気・電子材料、光学材料として有用な環状化合物の製造方法として好適である。
本発明のフォトレジスト基材及びその組成物は、半導体装置等の電気・電子分野や光学分野等において好適に用いられる。これにより、ULSI等の半導体装置の性能を飛躍的に向上させることができる。

Claims (15)

  1. 下記式(I)で表される構造を有する環状化合物と下記式(II)で表される化合物を縮合反応させて、式(I)の化合物に置換基(R基)を1つ以上導入した化合物を製造する方法において、
    前記縮合反応に、ナトリウム又はセシウムを含む無機塩基を使用することを特徴とするR基導入環状化合物の製造方法。
    Figure 2009001927
    [(式中、Rはそれぞれ水素、水酸基、アルコキシル基、炭素数1〜12の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜12の分岐を有する脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、フェニル基、p−フェニルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、下記式(1)で表される基、下記式(2)で表される基、又はこれら基のうち2種以上を組み合わせて構成される基であり、Rはそれぞれ水素、水酸基又は置換基である。但し、Rの少なくとも1つ、又はRの少なくとも1つは、R基が結合可能な基である。)
    Figure 2009001927
    (式中、Rはそれぞれ水素又は置換基であり、xは1〜5の整数を表す。)
    Figure 2009001927
    (式中、Arは炭素数の6〜10のアリーレン基、炭素数6〜10のアリーレン基を2つ以上組み合わせた基;炭素数6〜10のアリーレン基と、アルキレン基及びエーテル基の少なくとも一方を1つ以上組み合わせた基であり、Aは単結合、アルキレン基、エーテル基、又はアルキレン基とエーテル基を2つ以上組み合わせた基であり、Rは水素又は置換基である。yは0〜3の整数、zは1〜5の整数を表す。)]
    R−X (II)
    [式中、Rは置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12の分岐を有する脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、シリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、これらの基が2以上結合してなる基、又はこれらの基とエステル基、炭酸エステル基、エーテル基が結合してなる基)とが結合した構造を有する基であり、Rが2以上ある場合、2以上のRは、それぞれ同じでも異なってもよい。Xは縮合反応において脱離基として機能する置換基である。]
  2. 前記縮合反応後に、未反応の前記無機塩基を除去することを特徴とする請求項1に記載のR基導入環状化合物の製造方法。
  3. 前記式(I)で表される環状化合物が、下記式(I−1)〜(I−3)で表される化合物のいずれであることを特徴とする請求項1又は2に記載のR基導入環状化合物の製造方法。
    Figure 2009001927
    (式中、R及びRは前記式(I)のR及びRと同様である。)
  4. 前記式(II)のRが酸解離性溶解抑止基である、請求項1〜3のいずれかに記載のR基導入環状化合物の製造方法。
  5. 前記酸解離性溶解抑止基が、下記式(3)〜(18)で表される基のいずれかである、請求項4に記載のR基導入環状化合物の製造方法。
    Figure 2009001927
    Figure 2009001927
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法で得たR基導入環状化合物。
  7. 式(I’)で表されるR基導入環状化合物を含有し、
    ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、鉄、亜鉛及びセシウムの合計残留濃度が800ppb以下であるフォトレジスト基材。
    Figure 2009001927
    [(式中、Rはそれぞれ水素、水酸基、アルコキシル基、炭素数1〜12の直鎖状脂肪族炭化水素基、炭素数3〜12の分岐を有する脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、フェニル基、p−フェニルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、下記式(1)で表される基、下記式(2)で表される基、又はこれら基のうち2種以上を組み合わせて構成される基であり、Rはそれぞれ水素、水酸基又は置換基である。但し、Rの少なくとも1つ、又はRの少なくとも1つは、Rと結合しており、
    Rは、置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜12の分岐を有する脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数3〜20の環状脂肪族炭化水素基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10の芳香族基、アルコキシアルキル基、シリル基、又はこれらの基と二価の基(置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、置換もしくは無置換のシリレン基、これらの基が2以上結合してなる基、又はこれらの基とエステル基、炭酸エステル基、エーテル基が結合してなる基)と結合した構造を有する基であり、Rが2以上ある場合、2以上のRは、それぞれ同じでも異なってもよい。)
    Figure 2009001927
    (式中、Rはそれぞれ水素又は置換基であり、xは1〜5の整数を表す。)
    Figure 2009001927
    (式中、Arは炭素数の6〜10のアリーレン基、炭素数6〜10のアリーレン基を2つ以上組み合わせた基;炭素数6〜10のアリーレン基と、アルキレン基及びエーテル基の少なくとも一方を1つ以上組み合わせた基であり、Aは単結合、アルキレン基、エーテル基、又はアルキレン基とエーテル基を2つ以上組み合わせた基であり、Rは水素又は置換基である。yは0〜3の整数、zは1〜5の整数を表す。)]
  8. 前記式(I’)で表されるR基導入環状化合物が、下記式(I’−1)〜(I’−3)で表される化合物のいずれかであることを特徴とする請求項7に記載のフォトレジスト基材。
    Figure 2009001927
    (式中、R及びRは前記式(I’)のR及びRと同様である。)
  9. 前記式(I’)のRが酸解離性溶解抑止基である請求項7又は8に記載のフォトレジスト基材。
  10. 前記酸解離性溶解抑止基が、下記式(3)〜(18)で表される基のいずれかである請求項9に記載のフォトレジスト基材。
    Figure 2009001927
    (式中、rは下記式(r−1)〜(r−12)で表されるいずれかの基を表す。)
    Figure 2009001927
  11. 請求項7〜10のいずれかに記載のフォトレジスト基材と溶剤を含有するフォトレジスト組成物。
  12. さらに、光酸発生剤を含有する請求項11に記載のフォトレジスト組成物。
  13. さらに、塩基性有機化合物をクエンチャーとして含有する請求項12に記載のフォトレジスト組成物。
  14. 請求項11〜13のいずれかに記載のフォトレジスト組成物を用いた微細加工方法。
  15. 請求項14に記載の微細加工方法により作製した半導体装置。
JP2009520647A 2007-06-28 2008-06-27 置換基を導入した環状化合物の製造方法及びフォトレジスト基材 Pending JPWO2009001927A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007169992 2007-06-28
JP2007169992 2007-06-28
PCT/JP2008/061731 WO2009001927A1 (ja) 2007-06-28 2008-06-27 置換基を導入した環状化合物の製造方法及びフォトレジスト基材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2009001927A1 true JPWO2009001927A1 (ja) 2010-08-26

Family

ID=40185736

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009520647A Pending JPWO2009001927A1 (ja) 2007-06-28 2008-06-27 置換基を導入した環状化合物の製造方法及びフォトレジスト基材

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JPWO2009001927A1 (ja)
TW (1) TW200914417A (ja)
WO (1) WO2009001927A1 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11322656A (ja) * 1998-05-11 1999-11-24 Jsr Corp 新規なカリックスアレーン誘導体およびカリックスレゾルシナレーン誘導体、ならびに感光性組成物
JP4429620B2 (ja) * 2002-10-15 2010-03-10 出光興産株式会社 感放射線性有機化合物
WO2005097725A1 (ja) * 2004-04-05 2005-10-20 Idemitsu Kosan Co., Ltd. カリックスレゾルシナレン化合物、フォトレジスト基材及びその組成物
US20090042123A1 (en) * 2005-06-01 2009-02-12 Hiroo Kinoshita Calixresorcinarene compound, photoresist base comprising the same, and composition thereof

Also Published As

Publication number Publication date
WO2009001927A1 (ja) 2008-12-31
TW200914417A (en) 2009-04-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2008153154A1 (ja) 環状化合物、フォトレジスト基材及びフォトレジスト組成物
JP5111106B2 (ja) カリックスレゾルシナレン化合物、並びに、それからなるフォトレジスト基材及びその組成物
JP4976697B2 (ja) 環状化合物、並びにそれからなるフォトレジスト基材及び組成物
JP2008308433A (ja) トリプチセン構造を有する化合物、フォトレジスト基材及びフォトレジスト組成物
JPWO2005097725A1 (ja) カリックスレゾルシナレン化合物、フォトレジスト基材及びその組成物
JP4429620B2 (ja) 感放射線性有機化合物
JPWO2009075308A1 (ja) 環状化合物、フォトレジスト基材、フォトレジスト組成物、微細加工方法及び半導体装置
JP5658434B2 (ja) フラーレン誘導体並びにその溶液及びその膜
JP2012083731A (ja) 感放射線性組成物、及びフォトレジスト組成物
TWI429665B (zh) 感光性樹脂及感光性組成物
JPWO2008136372A1 (ja) フォトレジスト基材、及びそれを含んでなるフォトレジスト組成物
JP2009019022A (ja) 感放射線性化合物及びフォトレジスト組成物
KR102129049B1 (ko) 광산 발생제 및 이를 포함하는 후막용 화학 증폭형 포지티브 타입 포토레지스트 조성물
JP5119792B2 (ja) フラーレン誘導体並びにその溶液及び膜
JP5792964B2 (ja) フラーレン誘導体の製造方法
JP2009067724A (ja) 環状化合物、フォトレジスト基材及びフォトレジスト組成物
TW201414710A (zh) 光酸化合物、光酸發生劑與其製備方法以及包含該光酸發生劑的抗蝕劑組成物
JP7482322B2 (ja) 新規のナフタルイミドスルホン酸誘導体、並びにそれを含む光酸発生剤及びフォトレジスト組成物
JP2009046395A (ja) レゾルシノール誘導体の製造方法
JPH11228534A (ja) オキシカルボニルメチル基を有する新規なスルホニウム塩化合物
JP2008303221A (ja) 感光性化合物およびこれを含むフォトレジスト組成物
JPWO2009001927A1 (ja) 置換基を導入した環状化合物の製造方法及びフォトレジスト基材
JP5292771B2 (ja) フラーレン誘導体並びにその溶液及び膜
WO2019088569A1 (ko) 화학 증폭형 포토레지스트 조성물 및 이를 이용한 포토레지스트 필름
JP7014371B2 (ja) フォトレジスト組成物およびこれを用いたフォトレジストフィルム