JPWO2008155906A1 - 像振れ補正装置およびカメラ - Google Patents

像振れ補正装置およびカメラ Download PDF

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Abstract

本発明の像振れ補正装置は、カメラの光学系に含まれる補正レンズG3が固定される補正レンズ保持部材405と、補正レンズG3に入射する光の光軸Aに直交する面内における任意の方向である直進方向、かつ面内における光軸Aと略平行な回転軸A3を中心とする円弧に沿った回転方向へ補正レンズ保持部材を移動可能に保持する保持部材408と、直進方向へ補正レンズ保持部材405を駆動するために、補正レンズ保持部材405に対して駆動力を付与する直進用駆動部412と、回転方向へ補正レンズ保持部材405を駆動するために、補正レンズ保持部材405に対して駆動力を付与する回転用駆動部413とから構成されている。このような構成により、像振れ補正性能の低下を防止しつつ、小型化を実現する像振れ補正装置、およびそれを備えるカメラを提供することができる。

Description

本発明は、像振れ補正装置およびカメラに関する。特に、補正レンズを駆動し像振れ補正を行う像振れ補正装置およびその像振れ補正装置を備えるカメラに関する。
近年、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子を用いて、光学像を電気信号に変換し、電気信号をデジタル化して記録するデジタルカメラが普及している。このようなデジタルカメラにおいては、CCDやCMOSセンサの高画素化などだけでなく、それらの撮像素子に光学像を結像させるレンズ鏡筒に対しても高性能化が求められている。具体的には、より高倍率なズームレンズ系を搭載したレンズ鏡筒が求められている。
一方、デジタルカメラの分野においては、携帯性能の向上のため、本体の小型化に対する要求がある。このため、本体の小型化に大きく貢献すると考えられる、レンズ鏡筒と撮像素子とを備える撮像装置の小型化が求められている。このような撮像装置の小型化に際しては、ズームレンズ系を光路の途中で折り曲げ、光路長を変化させずに装置の小型化を図る、いわゆる屈曲光学系の提案が行われている。
例えば、特許文献1では、反射鏡を用いて光路を折り曲げる屈曲光学系が開示されている。具体的には、特許文献1に開示されたレンズ鏡筒は、反射鏡の被写体側に、被写体側から順に第1レンズ群および第2レンズ群を備え、反射鏡の撮像素子側に、反射鏡側から順に第3レンズ群と第4レンズ群とを備えている。第1レンズ群は、固定されている。第2レンズ群および第3レンズ群は、それぞれ光軸方向に移動可能であり、それぞれの協働によりズームレンズ系を構成する。第4レンズ群は、フォーカス調整用のレンズである。
また、特許文献2では、プリズムを用いて光路を折り曲げる屈曲光学系が開示されている。具体的には、特許文献2に開示されたレンズ鏡筒は、プリズムの被写体側に、レンズ群を備える。レンズ群は、使用位置と収納位置との間を光軸方向に移動可能である。さらに、プリズムは、レンズ群が収納位置に有る場合にその収納空間を確保するように移動可能である。
また、特許文献3では、屈曲光学系に用いられるレンズ群の構成について開示されている。
しかしながら、高倍率なズームレンズ系の実現と小型化の実現とに対する要求の高まりを両立するためには、さらなる改善が求められる。
具体的には、特許文献1や特許文献2に開示されている構成では、装置の小型化を実現しつつ、高倍率なズームレンズ系を構成することが難しい。さらに、特許文献3に開示されているレンズ構成を採用するとしても、特許文献3には装置の小型化を実現するための構成が開示されていない。
また、一方、一般的に、撮像装置を小型化した場合、または高倍率なズームレンズ系を備える場合には、手振れなどを主な原因とする撮影された像の振れ(像振れ)を防止することが求められる。
図18は、従来技術としての像振れ補正装置の分解斜視図である(特許文献4参照)。図18に示す像振れ補正装置では、第2レンズ群101は、レンズ枠102に保持されている。レンズ枠102は、ピッチング方向及びヨーイング方向の移動をガイドするガイド軸103により移動可能に支持されている。また、レンズ枠102には、レンズ枠102をピッチング方向、ヨーイング方向に駆動するためのコイル104a,104bが設けられている。固定ベース105には、それぞれのコイル104a,104bと対向してマグネット106a,106bが設けられている。コイル104a,104bに通電することにより、それぞれの方向に駆動力が発生する。第2レンズ群101は、コイル104a,104bに発生する駆動力により、ピッチング方向およびヨーイング方向に駆動される。レンズ鏡筒の振れ量は、角速度センサ107a,107bにより検出され、この検出信号に応じてコイル104a,104bに通電され、像振れ補正が行われる。
特開平11−258678号公報 特開2003−169236号公報 特開2004−102089号公報 特開2000−75338号公報(第4図) 特開平7−5514号公報(図6,図8)
像振れ補正装置を搭載した撮像装置においても、撮像装置の小型化の要求は存在する。この要求に答えるため、撮像装置に搭載される従来の像振れ補正装置では、像振れ補正装置に入射する光の光軸方向への寸法を小さくする試みがなされている。
一方、像振れ補正装置を様々な撮像装置において搭載することが求められるようになってきている。この場合、撮像装置の設計の自由度を高めるためには、像振れ補正装置の光軸方向の寸法の小型化だけではなく、光軸に直交するいずれかの方向の寸法の小型化が求められている。例えば、上述の像振れ補正装置に屈曲光学系を有する撮像装置に搭載する場合、従来の像振れ補正装置を反射鏡やプリズムの光の出射側に搭載すると、像振れ補正装置に入射する光の光軸に垂直な方向への撮像装置の寸法が大型化する。すなわち、反射鏡やプリズムへ入射する光の光軸方向への撮像装置の寸法(撮像装置の厚み)が大型化する。これは、従来の像振れ補正装置では、ピッチング方向、ヨーイング方向に像振れ補正用の補正レンズを駆動する2つの駆動部が、補正レンズを中心として90度離れた位置に配置されているためである。
また、前述のように、従来の像振れ補正装置では、ピッチング移動枠およびヨーイング移動枠がピッチング方向およびヨーイング方向に直進可能なように、ガイド軸103が設けられている。このため、ガイド軸103の設置スペースが必要となり、像振れ補正装置の小型化の妨げとなる。
また、このような屈曲光学系を有する撮像装置に限らず、光軸に直交するいずれかの方向の寸法を小型化した像振れ補正装置を搭載し、撮像装置のいずれかの方向への小型化を実現することは、撮像装置の顧客への訴求力を高める要因となる。
そこで、像振れ補正装置のさらなる小型化を実現するために、補正レンズの光軸に略平行に配置された回転軸を中心として補正レンズを回転駆動する像振れ補正装置が提案されている(例えば、引用文献5を参照)。図19および図20は、従来技術としての像振れ補正装置の分解斜視図である。
図19に示す像振れ補正装置は主に、補正レンズ16が固定される支持枠15と、支持枠15を直進可能に保持する支持アーム13と、支持アーム13を回転可能に保持する鏡筒11と、から構成されている。この像振れ補正装置では、支持アーム13は、支持アーム13に取り付けられた永久磁石45および鏡筒11に取り付けられたコイル46aにより、鏡筒11に対して軸45aを中心とする円弧に沿った方向に回転駆動される。支持枠15は、支持枠15に取り付けられた永久磁石47a,47bおよび支持アーム13に取り付けられたコイル49により、支持枠15が支持アーム13に対して光軸に直交する方向に駆動される。これらの構成により、補正レンズ16は、光軸に直交する面内においてピッチング方向およびヨーイング方向に移動可能である。
また、図20に示す像振れ補正装置は主に、補正レンズ16が固定される支持枠15と、支持枠15を回転可能に保持する支持アーム13と、支持アーム13を直進可能に保持する鏡筒11と、から構成されている。この像振れ補正装置では、支持アーム13は、支持アーム13に取り付けられたコイル62yおよび鏡筒11に取り付けられた永久磁石63yにより、鏡筒11に対して光軸に直交する方向に駆動される。支持枠15は、支持枠15に取り付けられたコイル62pおよび支持アーム13に取り付けられた永久磁石63pにより、支持アーム13に対して光軸に直交する方向に駆動される。これらの構成により、光軸に直交する面内においてピッチング方向およびヨーイング方向に補正レンズ16は移動可能である。
図19および図20に示す像振れ補正装置では、一方の支持枠が回転軸を中心とする円弧に沿った方向に駆動される。このため、支持枠の駆動時の摩擦力が減少し、コイルおよび永久磁石を有する駆動部の小型化が可能となる。また、前述の特許文献1〜4に記載の像振れ補正装置と比較した場合、一方の直進用のガイド軸が省略されている。このため、案内機構の小型化が可能となる。すなわち、図19および図20に示す像振れ補正装置により、さらなる小型化が可能となる。
しかし、図19および図20に示す像振れ補正装置では、像振れ補正性能の低下が懸念される。具体的には、図19に示す像振れ補正装置では、補正レンズ16を回転させるための駆動力は、支持アーム13に作用するが、補正レンズ16が固定される支持枠15に直接作用しない。また図20に示す像振れ補正装置では、補正レンズ16を直進させるための駆動力は、支持アーム13に作用するが、補正レンズ16が固定される支持枠15に直接作用しない。このため、支持アーム13および支持枠15が連結されている部分の寸法精度によってはレンズ保持部材が所望の位置に保持されない場合がある。これにより、補正レンズの位置精度が低下する恐れがある。
このように、小型化が実現されると、その一方で像振れ補正性能が低下する恐れがある。
また、特許文献1〜4に記載された像振れ補正装置では、例えばガイド軸が接着により固定されている。このため、像振れ補正装置の製造過程において、接着剤の塗布および乾燥作業が必要となる。この結果、製造作業が繁雑となり、製造コストが増大する。
本発明の目的は、像振れ補正性能の低下を防止しつつ、小型化が可能で、かつ製造コストを低減することができる像振れ補正装置、およびそれを備えるカメラを提供することにある。
本発明の像振れ補正装置は、カメラの動きに起因する画像の振れの補正を行うための像振れ補正装置であって、前記カメラの光学系に含まれる補正レンズが固定され、前記補正レンズに入射する光の光軸と略平行な回転軸を備える補正レンズ保持部材と、前記補正レンズに入射する光の光軸に直交する面内における任意の方向である直進方向に前記回転軸を直進移動可能にするとともに、前記面内において前記回転軸を中心に回転移動可能にするように、前記補正レンズ保持部材を保持する保持部材と、前記直進方向へ前記補正レンズ保持部材を駆動するために、前記補正レンズ保持部材に対して駆動力を付与する直進用駆動部と、前記回転方向へ前記補正レンズ保持部材を駆動するために、前記補正レンズ保持部材に対して駆動力を付与する回転用駆動部とを備えたものである。
本発明のカメラは、当該カメラの動きに起因する画像の振れの補正を行う前記像振れ補正手段と、前記レンズ群を通過した光を受光する撮像部とを備えたカメラであって、前記像振れ補正手段は、前記レンズ群に含まれる補正レンズが固定され、前記補正レンズに入射する光の光軸と略平行な回転軸を備える補正レンズ保持部材と、前記補正レンズに入射する光の光軸に直交する面内における任意の方向である直進方向に前記回転軸を直進移動可能にするとともに、前記面内において前記回転軸を中心に回転移動可能にするように、前記補正レンズ保持部材を保持する保持部材と、前記直進方向へ前記補正レンズ保持部材を駆動するために、前記補正レンズ保持部材に対して駆動力を付与する直進用駆動部と、前記回転方向へ前記補正レンズ保持部材を駆動するために、前記補正レンズ保持部材に対して駆動力を付与する回転用駆動部とを備えたものである。
本発明では、像振れ補正性能の低下を防止しつつ、小型化・低消費電力化が可能となる像振れ補正装置、およびそれを備えるカメラを提供することが可能となる。
図1は、デジタルカメラの外観を示す斜視図である。 図2は、デジタルカメラの外観を示す斜視図である。 図3Aは、本体部の構成を概略的に示す透視図である。 図3Bは、本体部の構成を概略的に示す透視図である。 図3Cは、本体部の構成を概略的に示す透視図である。 図4は、撮像装置の組み立て斜視図である。 図5は、撮像装置の撮像素子側からみた矢視図である。 図6は、撮像装置の分解斜視図である。 図7は、像振れ補正装置の分解斜視図である。 図8Aは、像振れ補正装置の保持部材と嵌合部を示す斜視図である。 図8Bは、像振れ補正装置の保持部材と嵌合部を示す部分拡大斜視図である。 図8Cは、像振れ補正装置の保持部材と嵌合部を示す部分拡大斜視図である。 図8Dは、像振れ補正装置の保持部材と嵌合部を示す部分拡大斜視図である。 図8Eは、像振れ補正装置の保持部材と嵌合部を示す部分拡大斜視図である。 図9は、補正レンズ保持部材の斜視図である。 図10は、保持部材と補正レンズ保持部材の位置関係を示すユニット分解斜視図である。 図11は、像振れ補正装置の補正レンズ部材を組み込んだ時の分解斜視図である。 図12は、補正レンズ保持部材および電気基板のY軸方向正側から見た平面概略図である。 図13Aは、マグネットの使用可能領域およびホール素子の性能保証範囲の説明図である。 図13Bは、マグネットの使用可能領域およびホール素子の性能保証範囲の説明図である。 図14Aは、第1支持部および第2支持部の嵌め込み状態の模式図である。 図14Bは、第1支持部および第2支持部の嵌め込み状態の模式図である。 図14Cは、第1支持部および第2支持部の嵌め込み状態の模式図である。 図15Aは、グリースのダンピング効果を示すグラフである。 図15Bは、グリースのダンピング効果を示すグラフである。 図15Cは、グリースのダンピング効果を示すグラフである。 図15Dは、グリースのダンピング効果を示すグラフである。 図16は、アクチュエータの磁気回路を変更した像振れ補正装置の分解斜視図である。 図17は、補正レンズ保持部材および電気基板のY軸方向正側から見た平面概略図である(他の実施形態)。 図18は、従来の像振れ補正装置の分解斜視図である。 図19は、従来の像振れ補正装置の分解斜視図である。 図20は、従来の像振れ補正装置の分解斜視図である。
第1の発明に係る像振れ補正装置は、カメラの動きに起因する画像の振れの補正を行うための像振れ補正装置であって、カメラの光学系に含まれる補正レンズが固定され、補正レンズに入射する光の光軸と略平行な回転軸を備える補正レンズ保持部材と、補正レンズに入射する光の光軸に直交する面内における任意の方向である直進方向に回転軸を直進移動可能にするとともに、面内において回転軸を中心に回転移動可能にするように、補正レンズ保持部材を保持する保持部材と、直進方向へ補正レンズ保持部材を駆動するために、補正レンズ保持部材に対して駆動力を付与する直進用駆動部と、回転方向へ補正レンズ保持部材を駆動するために、補正レンズ保持部材に対して駆動力を付与する回転用駆動部と、を備える。
この像振れ補正装置では、補正レンズ保持部材が光軸に直交する面内において、任意の方向に直進し、かつ光軸と略平行な回転軸を中心に回転する。このため、補正レンズ保持枠を回転方向に駆動可能に支持する案内用のシャフトが不要となる。よって、像振れを抑制するために必要な2方向に案内するシャフトが必要なくなる。そのため補正レンズ保持枠の取り付け精度(高さ・位置・角度・平行度等)を確保するための工程・検査が必要なくなる。これにより、この像振れ補正装置では、直進方向に垂直な方向の寸法の小型化を実現することができると共に、組立性の向上を図ることが可能となる。したがって、第1の発明に係る像振れ補正装置を屈曲光学系に採用すると、像振れ補正装置の長尺方向と補正レンズ保持枠の直進方向とが略一致するように補正レンズ保持枠を配置することができるので、屈曲光学系においても、像振れ補正装置を搭載することが可能となる。
それに加えて、この像振れ補正装置では、補正レンズが固定されるレンズ保持部材に対して、直進用および回転用駆動部から駆動力が直接付与される。このため、直進用駆動部及び回転用駆動部の駆動力が補正レンズ保持部材に直接作用していない場合に比べて、補正レンズの位置精度の低下を防止することができ、像振れ補正性能の低下を防止できる。
以上より、この像振れ補正装置では、像振れ補正性能の低下を防止しつつ、小型化を図ることができる。また、組立性が向上し、製造コストを削減することが可能となる。
第2の発明に係る像振れ補正装置は、第1の発明に係る像振れ補正装置において、レンズ保持部材に、入射する光の光軸に直交する面内における任意の方向に設けられた摺動溝を有している。レンズ保持部材は、該摺動溝と回転軸の外周部とが摺動することにより直進し、さらに回転軸周りに回転することにより、補正レンズを2方向に移動させることが可能となる。ここで、レンズ保持部材には、CCD等の光学撮像素子が取り付けられている。一方、レンズ保持部材には、直接補正レンズの直進方向の移動を規制する溝が形成されている。したがって、摺動溝を、CCD等の光学撮像素子のX−Z軸に対してどちらか一方の溝に並行に形成することによって、補正レンズの補正方向とCCD等の光学素子の軸とを精度良く、簡単に合わせることが可能となる。従って、簡単な構成で高精度な像ぶれ装置を構成することが可能となると共に、光軸方向に薄型に構成することが可能となる。
第3の発明に係る像振れ補正装置は、第1または第2の発明に係る像振れ補正装置において、回転方向におけるレンズ保持部材の位置を検出する回転用位置検出素子をさらに備えている。また、回転用駆動部は回転用マグネットを有している。また、回転用マグネットの回転方向の磁束密度分布は、磁束密度がほぼ一定の割合で変化する回転用使用可能領域を含んでいる。また、像振れ補正装置を光軸に沿った方向から見た場合、レンズ保持部材の移動可動な領域内において、回転用位置検出素子の検出中心が回転方向における回転用使用可能領域の中心線と一致する状態が存在する。さらに、回転用位置検出素子、もしくは回転用マグネットのいずれか一方を補正レンズ保持部材と一体的に構成する。
これにより、回転用位置検出素子の検出中心の可動範囲が回転用マグネットの使用可能領域内に収まりやすくなると共に、補正レンズ保持部材と回転用位置検出素子及び回転用マグネットのいずれか一方とを補正レンズ保持部材と一体的に構成することにより、回転方向の位置検出精度の低下を防止できる。
さらに、回転用位置検出素子の回転使用可能領域の中心線上に補正レンズ保持部材の回転軸中心を配することにより、補正レンズ保持部材または補正レンズの回転方向の位置検出精度の向上を図ることができる。
第4の発明に係る像振れ補正装置は、第3の発明に係る装置において、光軸に沿った方向から見た場合に、回転用位置検出素子の検出中心が回転方向における回転用使用可能領域の中心線と一致する状態において、回転方向における回転用使用可能領域の中心線方向が直進方向と略一致する(略平行になる)ように構成する。
この場合、レンズ保持部材が直進方向に駆動される際に、回転用位置検出素子の検出中心と回転方向における回転用使用可能領域の中心線との位置ずれが抑制される。この結果、回転用マグネットの使用可能領域内に回転用位置検出素子の検出中心の可動範囲が収まりやすくなる。これにより、直進方向への動作に伴う回転方向の位置検出精度の低下を防止できる。
ここで、「回転方向における回転用使用可能領域の中心線が直進方向と略一致する(略平行になる)」場合には、中心線と直進方向とが完全に一致する場合の他に、回転用位置検出素子の検出中心の可動範囲が回転用マグネットの使用可能領域内に収まっている状態で、中心線と直進方向とがずれている場合も含まれる。
第5の発明に係る像振れ補正装置は、第3または第4の発明に係る像振れ補正装置において、光軸に沿った方向から見た場合に、補正レンズに入射する光軸が補正レンズの中心と一致する状態において、回転用位置検出素子の検出中心が回転方向における回転用使用可能領域の中心線と略一致する。
この場合、補正レンズに入射する光の軸が補正レンズの中心と一致する状態で、回転用位置検出素子の検出中心の可動範囲が回転用マグネットの使用可能領域内に収まりやすくなる。このため、回転方向の位置検出精度が高い範囲で、像振れ補正を行うことが可能となり、像振れ補正性能の低下を防止できる。
ここで、「回転用位置検出素子の検出中心が回転方向における回転用使用可能領域の中心線と略一致する」場合には、検出中心と中心線とが完全に一致する場合の他に、回転用位置検出素子の検出中心の可動範囲が回転用マグネットの使用可能領域内に収まっている状態で、検出中心と中心線とがずれている場合も含まれる。
第6の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第5のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、光軸に沿った方向から見た場合に、回転軸と、補正レンズの中心と、回転用位置検出素子の検出中心と、が略一直線上に配置されている。
この場合、レンズ保持部材が直進方向に駆動される際に、回転用位置検出素子の検出中心と回転方向における回転用使用可能領域の中心線との位置ずれが抑制される。その結果、回転用マグネットの使用可能領域内に回転用位置検出素子の検出中心の可動範囲が収まりやすくなる。これにより、回転方向の位置検出精度の低下を防止できる。
ここで、「回転軸と、補正レンズの中心と、回転用位置検出素子の検出中心と、が略一直線上に配置される」には、回転軸、光軸中心および検出中心が一直線上に配置されている場合の他に、回転用位置検出素子の検出中心の可動範囲がマグネットの使用可能領域内に収まっている状態で、回転軸、光軸中心および検出中心がずれている場合も含まれる。
第7の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第6のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、直進方向における補正レンズ保持部材の位置を検出する直進用位置検出素子をさらに備えている。また、像振れ補正装置を光軸に沿った方向から見た場合、回転軸と直進用位置検出素子の検出中心とを結んだ線分が直進方向と略一致する構成とすることができる。
この場合、補正レンズに入射する光の光軸が補正レンズの中心と一致する状態で、直進用の位置検出素子の検出中心の可動範囲が直進用マグネットの使用可能領域内に収まりやすくなる。このため、位置検出素子による直進方向の位置検出精度が高い範囲で、像振れ補正を行うことが可能となり、位置検出精度の低下を防止できる。
ここで、「回転軸と直進用位置検出素子の検出中心とを結んだ線分が直進方向と略一致する」場合には、線分と直進方向とが完全に一致する場合の他に、直線用位置検出素子の検出中心の可動範囲が直進用マグネットの使用可能領域内に収まっている状態で、線分と直進方向とがずれている場合も含まれる。
第8の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第6のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、直進方向における補正レンズ保持部材の位置を検出する直進用の位置検出素子をさらに備えている。また、直進用駆動部は直進用マグネットを有している。また、直進用マグネットの直進方向の磁束密度分布は、磁束密度がほぼ一定の割合で変化する直進用使用可能領域を含んでいる。また、像振れ補正装置を光軸に沿った方向から見た場合、補正レンズ保持部材の移動可能な領域内において、直進用位置検出素子の検出中心が直進方向における直進用使用可能領域の中心線と一致する状態が存在する。
これにより、直進用位置検出素子の検出中心の可動範囲が直進用マグネットの使用可能領域内に収まりやすくなり、直進方向の位置検出精度の低下を防止できる。
第9の発明に係る像振れ補正装置は、第8の発明に係る像振れ補正装置において、光軸に沿った方向から見た場合に、補正レンズに入射する光の光軸が補正レンズの中心と一致する状態において、直進用位置検出素子の検出中心が直進方向における直進用使用可能領域の中心線と略一致する。
この場合、補正レンズ保持部材が回転方向に駆動される際に、直進用位置検出素子の検出中心と直進方向における直進用使用可能領域の中心線との位置ずれが抑制される。この結果、直進用位置検出素子の検出中心の可動範囲が直進用マグネットの使用可能領域内に収まりやすくなる。これにより、直進方向の位置検出精度の低下を防止できる。
ここで、「直進用位置検出素子の検出中心が直進方向における直進用使用可能領域の中心線と略一致する」場合には、検出中心と中心線とが完全に一致する場合の他に、直進用位置検出素子の検出中心の可動範囲が直進用マグネットの使用可能領域内に収まっている状態で、検出中心と中心線とがずれている場合も含まれる。
第10の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第9のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、回転用駆動部が、回転用マグネットと、回転用マグネットに対向して配置された回転用コイルと、を有している。また、像振れ補正装置を光軸に沿った方向から見た場合に、回転軸と回転用コイルの中心との間の距離は、回転軸と補正レンズの中心との間の距離よりも長い。
一般的に、補正レンズは補正レンズ保持部材よりも重い。このため、像振れ補正装置の可動部分の重心位置は、補正レンズの中心付近となる。
回転用コイルの中心は回転用駆動部の荷重発生点とみなすことができる。ここでは、回転軸と回転用駆動部の荷重発生点との間の距離が回転軸と補正レンズの中心との間の距離よりも長い。このため、小さい駆動力でレンズ保持部材を駆動することが可能となり、回転用駆動部の小型化および省電力化を実現できる。
第11の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第9のいずれかの発明に係る装置において、回転用駆動部が、回転用マグネットと、回転用マグネットに対向して配置された回転用コイルと、を有している。光軸に沿った方向から見た場合に、回転軸と回転用位置検出素子の検出中心との間の距離は、回転軸と回転用コイルの中心との間の距離よりも短い。
この場合、回転用位置検出素子の回転方向の可動範囲が小さくなる。この結果、回転用位置検出素子の検出中心の可動範囲が回転用マグネットの使用可能領域内に収まりやすくなる。これにより、回転方向の位置検出精度の低下を防止できる。
第12の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第11のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、直進用駆動部と補正レンズとの間の領域に回転軸が配置されている。
補正レンズ保持部材の補正レンズが固定されている部分は、補正レンズを保持できる程度の強度が必要とされる。このため、補正レンズ周辺には補正レンズ保持部材の一部が必ず存在する。
一方で、反対側に回転軸を配置すると、直進用駆動部から、さらに回転軸を形成する部分だけ装置の外形寸法が大きくなる。
ここでは、直進用駆動部と補正レンズとの間の領域に回転軸が配置されている。このため、補正レンズ周辺のスペースを有効利用することができ、装置の小型化を図ることができる。
第13の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第11のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、前記回転軸と前記補正レンズとの間の領域に直進用駆動部が配置されている。
特に、回転軸と補正レンズとを結ぶ直線上に直進方向における補正レンズ保持部材の位置を検出する直進用位置検出素子を備えている場合、回転により発生する直進用位置検出の誤差を他の配置と比較して小さくすることができる。これにより、直進方向の補正精度の向上を図ることができる。
第14の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第13のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、直進方向における補正レンズ保持部材の位置を検出する直進用位置検出素子をさらに備えている。直進用駆動部は、直進用マグネットと、直進用マグネットに対向して配置された直進用コイルと、を有している。回転軸と直進用位置検出素子の検出中心との間の距離は、回転軸と直進用コイルの中心との間の距離よりも短い。
この場合、直進用位置検出素子の回転方向の可動範囲が小さくなる。この結果、直進用位置検出素子の検出中心の可動範囲がマグネットの使用可能領域内に収まりやすくなる。これにより、直進方向の位置検出精度を確保することができる。
第15の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第14のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、回転用駆動部に電圧を供給するために、回転用駆動部に電気的に接続されたフレキシブルプリント基板をさらに備えている。フレキシブルプリント基板は、補正レンズ保持部材に固定される第1固定部と、レンズ保持部材に固定される第2固定部と、第1の固定部と第2固定部とを連結した可撓部と、を有している。また、可撓部は、補正レンズの回転軸側に配置されている。
この場合、レンズ保持部材が回転方向に移動した場合の可撓部の変形量が小さくなり、フレキシブルプリント基板の断線を防止できる。また、可撓部の変形量が小さくなると、レンズ保持部材を回転方向に駆動する際の駆動力が小さくなる。これにより、この像振れ補正装置では消費電力を低減できる。
第16の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第15のいずれかの発明に係る装置において、回転用駆動部と直進用駆動部との間の領域に補正レンズが配置されている。
この場合、像振れ補正装置を光軸に沿った方向から見ると、回転用駆動部および直進用駆動部が補正レンズの両側に配置されている。このため、概ね一方向に像振れ補正装置が長くなる。言い換えると、像振れ補正装置の長尺方向に直交する方向の寸法を短縮できる。このことにより、屈曲光学系を採用した場合でも、像振れ補正装置を採用することが可能となる。
また、通常光学系においても、像振れ補正装置を一方向に長尺に構成できるので、短尺の方向に空間ができるので、その空間にシャッタやアイリスなどを動作させるためのモータを配置できるので、レンズユニットを光軸方向に薄く構成することが可能となる。
第17の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第16のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、少なくとも3組の支持部を備えている。支持部は、補正レンズ部材を光軸に直交する面内に自在に移動可能に保持すると共に、光軸に沿った方向の両側に傾くのを規制する。
このようにレンズ保持部材と補正レンズ保持部材とに設けられた少なくとも3組の支持部材により、レンズ保持部材に対して補正レンズ保持部材を保持しているので、補正レンズ部材の傾き量を小さくすることができる。
第18の発明に係る像振れ補正装置は、前記第17の発明に対して、補正レンズ保持部材の重心を3組の支持部材を結んで形成される図形内に配置することによって、3組の支持部材に加わる圧力を分散することができる。したがって、補正レンズ保持部材が稼働している時に必ず3組の支持部材に力が加わる。よって、補正レンズ保持部材を安定的に保持することができる。
特に、第19の発明に係る像ぶれ装置の様に、補正レンズ保持部材の重心と、支持部材を結んで形成される図形の重心とを略一致させることにより、3組の支持部材に偏荷重がかからなくなる。このことにより、ガタ共振の発生を抑えることが可能となるので、像振れ補正を安定的に行うことができる。
第20の発明に係る像振れ補正装置は、第17から第19のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、少なくとも3つの支持部のそれぞれが、回転部材に形成された第1支持部と、回転保持部材に形成され第1支持部に対して回転軸に直交する方向から嵌め込み可能な第2支持部と、を有している。また、第1の支持部および第2支持部のうち一方は、棒状体である。また、第1の支持部および第2支持部のうち他方は、棒状体に所定の隙間を持って嵌め込まれる略U字体に形成されている。また、第1の支持部と第2の支持部との嵌合隙間部に、ちょう度310〜340(JIS分類1号)のグリースを介在させることにより、潤滑する。
このような構成とすることにより、簡素な構成で、回転部材が回転保持部材に対して光軸に沿った方向に移動するのを規制することができる。また、所定の隙間にちょう度310〜340のグリースを介在させることにより、グリースの粘性によりダンパー効果を持たせることができ、第1の支持部と第2の支持部との嵌合隙間部において光軸方向のガタ共振を抑制することができる。
第21の発明に係るカメラは、第1から第20のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、像振れ補正を行うために光学系に含まれる補正レンズを保持する補正レンズ保持部材を前記レンズ保持部材に組み込んだ後に、補正レンズ保持部材、またはレンズ保持部材のいずれか一方に補正レンズ保持部材の可動範囲を規制するための可動範囲規制部材を組み込むことにより、レンズ保持部材から補正レンズ保持部材が外れることを防止する。また、補正レンズ保持部材の移動範囲を高精度に制限できる。また、可動範囲補正部材を補正レンズ保持部材、もしくはレンズ保持部材の一方に一体的に構成したものと比較して、組立性の向上を図ることができる。
第22の発明に係るカメラは、光軸に沿った光を取り込むレンズ群と、第1から第21のいずれかの発明に記載の像振れ補正装置と、レンズ群を通過した光を受光する撮像部と、レンズ群と、像振れ補正装置と、撮像部とが配置される。ケーシングは、レンズ鏡筒を保持する。
ここで、「光軸に沿う」、とは、例えば、光軸に平行なこと、を意味している。また、その光軸を含む光学系としては、直線光学系の他に、屈曲光学系で構成することができる。屈曲光学系は、例えば、反射面を有する部材を含み、より詳しくは、プリズム、ミラーなどを含む構成とすることができる。また、撮像部は、例えば、電気的に受光するCCD、CMOSなどで構成されていてもよいが、これに限定せず、フィルムなどで構成されていてもよい。
このカメラでは、第1から第21のいずれかの発明に係る像振れ補正装置を備えるため、像振れ補正性能の低下を防止しつつ、小型化が可能となる。特に、光軸方向の寸法の薄型化に顕著な効果がある。また、この屈曲光学系が採用されたカメラでは、直進方向に直交する方向への寸法が小型化された本発明の像振れ補正装置を搭載することが可能となる。これにより、カメラの寸法(カメラの厚み)を小型化することが可能となる。すなわち、このカメラでは、小型化を図ると共に、像振れが補正された高画質な画像を取得することができる。
第23の発明に係るカメラは、第10の発明の像ぶれ装置を搭載した第22の発明に係るカメラにおいて、前記像振れ補正装置のレンズ保持部材における直進移動方向を重力方向に対して略垂直方向とすることにより、通常撮影時は、主に回転方向のアクチュエータを使用することになるので、梃子の原理により、アクチュエータの消費電力を削減することが可能となる。特に、動画を撮影可能なカメラにおいては、消費電力削減の効果を大きくすることができる。
なお、以上に使用されている用語の説明は以下の通りである。
「位置検出素子の検出中心」とは、位置検出の際に位置検出素子がその1点に配置されていると考えることができる仮想点である。検出中心としては、例えば、位置検出素子において検出感度が最大となる点などが挙げられる。一般的には、検出中心は、位置検出素子の検出面の中心点であると想定できる。
「使用可能領域」は、例えば、マグネットが2極着磁されている場合は、N極とS極との間の分極線を中心とした、磁束密度がほぼ一定の割合で変化する性能保証範囲を意味している。したがって、「使用可能領域の中心線」としては、例えば、マグネットが2極着磁されている場合はN極とS極との間において極性が変化する境界線を意味している。マグネットの状態には、N極の部分とS極の部分とが物理的に一体となっている場合の他に、N極の部分とS極の部分とが物理的に離れている場合も含まれる。
「コイルの中心」とは、コイルの外形から求められた中心を意味しており、例えばコイルが略四角形である場合は、その四角形の重心を意味している。
なお、位置検出素子としては、例えば、ホール効果を利用した磁気センサ(ホール素子)、PSD(Position Sensitive Detector)などが挙げられる。
(実施の形態)
〔1.本実施の形態の概要〕
本発明の実施形態について、図1〜図15を参照して説明する。
本発明のデジタルカメラは、像振れ補正装置の構成に主な特徴を有している。本実施形態に係るデジタルカメラは、屈曲光学系を有していないカメラについて説明するが、光学系に屈曲光学系を採用してもよい。すなわち、本実施形態に係るデジタルカメラは、光学系が屈曲する構成及び屈曲しない構成のいずれであっても、装置の薄型化・小型化・低消費電力化を実現することができる。
〔2.デジタルカメラの構成〕
本発明の第1実施形態のデジタルカメラについて、図1〜図3を参照して説明する。
〔2−1.デジタルカメラの具体的な構成〕
図1は、本発明の第1実施形態のデジタルカメラ1の外観を示す斜視図である。
デジタルカメラ1は、撮像装置2と、本体部3とを備えている。撮像装置2は、光軸Aに沿って入射した光束を固定倍率、もしくは変倍自由に撮像素子に導くような光学系を備えている。本体部3は、撮像装置2を収納するとともに、撮像装置2の制御などを行う。
まず、撮像装置2の詳しい構成を説明する前に、本体部3の構成について説明を行う。
なお、以下の説明では、デジタルカメラ1の6面を以下のように定義する。
まず、「前面」は、デジタルカメラ1による撮影時に被写体側を向く面である。「背面」は、前面の反対側の面を背面である。「上面」は、被写体の鉛直方向上下とデジタルカメラ1で撮像される長方形の像(一般には、アスペクト比(長辺対短辺の比)が3:2、4:3、16:9など)の短辺方向上下とが一致する姿勢で撮影を行う場合に、鉛直方向上側に向く面である。「底面」は、上面の反対側の面である。「左側面」は、被写体の鉛直方向上下とデジタルカメラ1で撮像される長方形の像の短辺方向上下とが一致する姿勢で撮影を行う場合に、被写体側から見て左側に位置する面である。「右側面」は、左側面の反対側の面である。なお、以上の定義は、デジタルカメラ1の使用姿勢を限定するものではない。
以上の定義によれば、図1は、前面、上面および左側面を示す斜視図ということになる。
なお、デジタルカメラ1の6面だけでなく、デジタルカメラ1に配置される各構成部材の6面も同様に定義する。すなわち、デジタルカメラ1に配置された状態の各構成部材の6面に対して、上述の定義を適用する。
また、図1に示すように、光軸Aに平行なY軸とデジタルカメラ1の正姿勢に対して、水平な方向をX軸、垂直な方向をZ軸とする。さらに、図1に示すように、光軸Aに沿って背面側から前面側に向かう方向がY軸正方向であり、デジタルカメラ1の右側面側から左側面側に向かう方向がX軸正方向であり、これらのX軸とY軸とに直交する直交軸に沿ってデジタルカメラ1の底面側から上面側に向かう方向がZ軸正方向となる。
以下、それぞれの図面において、このXYZ座標系を基準として説明を行う。すなわち、それぞれの図面におけるX軸正方向、Y軸正方向、Z軸正方向は、それぞれ同じ方向を示している。
〔2−2.本体部の構成〕
図1、図2、図3A、図3B、図3Cを参照して、本体部3の構成について説明を行う。
図2は、デジタルカメラ1の背面、上面および右側面の外観を示す斜視図である。
図3A〜図3Cは、本体部3の構成を概略的に示す透視図である。図3Aは、Y軸方向正側(前面側)に配置される部材の構成を示す透視図である。図3Bは、Z軸方向負側(底面側)に配置される部材の構成を示す透視図である。図3Cは、Y軸方向負側(背面側)に配置される部材の構成を示す透視図である。
図1〜図3に示すように、本体部3は、外装部11、グリップ部12、ストロボ15,レリーズボタン16、操作ダイアル17、画像表示部18、メインコンデンサ20、サブ基板21、電池22、メイン基板23を備えている。外装部11およびグリップ部12は、撮像装置2を収納する筐体を構成する。ストロボ15、レリーズボタン16、操作ダイアル17および画像表示部18は、外装部11の表面に配置されている。メインコンデンサ20、サブ基板21、電池22、およびメイン基板23は、外装部11およびグリップ部12から構成される筐体の内部に配置されている。また、本体部3は、メモリカード24を着脱可能である。なお、メモリーカード24などの記憶媒体は、本体部3に対して着脱可能である構成に限らず、本体部3内部に固定されていてもよい。
図1に示すように、外装部11は、略直方体形状のハウジングである。外装部11のX軸方向正側には、撮影者が撮影時に把持するためのグリップ部12が外装部11からY軸方向に突出するように配置されている。これにより、外装部11およびグリップ部12は、略L字状の中空の筐体を構成している。また、外装部11の前面には、ストロボ15が配置されている。ストロボ15は、被写体が暗い時など必要に応じて閃光して被写体を照射し露光の補助を行う。また、外装部11の上面のグリップ部12側には、レリーズボタン16や操作ダイアル17が配置されている。レリーズボタン16は、使用者によるZ軸方向負側への押下操作を受け付ける。操作ダイアル17は、撮影動作の設定など各種設定を行うことができる。
さらに、図2に示すように、外装部11の背面には、撮像装置2により撮影される像を撮影者などに視認させる画像表示部18(視認部)が設けられている。画像表示部18は、例えば、アスペクト比(長辺対短辺の比)が3:2、4:3、16:9などの長方形の外形を有している。
なお、図1や図2は、図示を明確にするために、外装部11の表面に配置される主な部材のみを描画した。したがって、図1及び図2には、説明を行った部材以外の部材が設けられていてもよい。
次に、図3A〜図3Cを参照して、本体部3の内部構成について説明を行う。
図3Aに示すように、撮像装置2は、被写体に向くレンズ群G1を保持する。
さらに、撮像装置2のZ軸方向正側には、ストロボ15と、メインコンデンサ20と、サブ基板21とが配置されている。メインコンデンサ20は、後述する電池22からの充電により、ストロボ15に閃光エネルギーを与える。サブ基板21は、後述する電池22からの電力を必要に応じて変圧する。また、ストロボ15の制御を行う。また、グリップ部12の内部のY軸方向正側には、デジタルカメラ1を動作させるため電源としての電池22が配置されている。
さらに、図3Bおよび図3Cに示すように、撮像装置2のY軸方向負側には、メイン基板23が配置されている。メイン基板23には、撮像装置2からの画像信号を処理する画像処理回路や、撮像装置2を制御するための制御回路などが実装されている。また、電池22のY軸方向負側には、メモリーカードスロットに装着されたメモリカード24が配置されている。メモリカード24は、撮像装置2からの画像信号を記録する。
なお、図3Aおよび図3Bに示すように、撮像装置2は、そのZ軸方向幅(Wz)がY軸方向幅(Wy)よりも大きく形成されている。
〔3.撮像装置の構成〕
〔3−1.撮像装置の具体的な構成〕
図4、図5、図6を参照して、デジタルカメラ1に搭載されている撮像装置2の構成について説明を行う。
図4は、撮像装置2の組み立て斜視図である。図5は、撮像装置2の撮像素子側からみた矢視図である。図6は、図4と同じ視点から見た撮像装置2の分解斜視図である。
撮像装置2は、レンズ鏡筒31、モータユニット32、マスターフランジ33とを備えている。レンズ鏡筒31は、光学系を有する。モータユニット32は、レンズ鏡筒31を駆動するズームモータ36を有する。マスターフランジ33は、レンズ鏡筒31を通過した光束を受光する撮像部であるCCD37を有する。
モータユニット32は、例えば、DCモータなどのズームモータ36と、フレキシブルプリント基板(FPC)(図示せず)と、フォトセンサ(図示せず)とを備えている。FPCは、ズームモータ36をメイン基板23(図3参照)に電気的に接続することができる。フォトセンサは、ズームモータ36のモータ回転数の計測を通して、レンズ鏡筒31におけるレンズの原点からの位置を計測することができる。ズームモータ36は、レンズ鏡筒31を駆動し、光学系を広角端と望遠端との間で移動させる。これにより、レンズ鏡筒31が備える光学系は、CCD37における光束の結像倍率を変化させるズームレンズ系として動作する。
マスターフランジ33は、CCD37と、CCD板金38と、FPC39とを備えている。CCD37は、レンズ鏡筒31を通過した光束を受光し、電気的な信号に変換することができる。CCD板金38は、CCD37をレンズ鏡筒31に固定することができる。FPC39は、CCD37をメイン基板23(図3参照)に電気的に接続することができる。
〔4.レンズ鏡筒の構成〕
〔4−1.レンズ鏡筒の具体的な構成〕
図6を参照して、撮像装置2の構成、主に、レンズ鏡筒31の構成について説明する。
レンズ鏡筒31は、1群枠ユニット41と、2群枠ユニット42と、中枠43と、3群枠ユニット44と、4群枠ユニット45とを備えている。1群枠ユニット41は、第1レンズ群G1を保持する。2群枠ユニット42は、第2レンズ群G2を保持する。3群枠ユニット44は、露光調整部材、シャッターおよび第3レンズ群G3を保持する。4群枠ユニット45は、第4レンズ群G4を保持する。1群枠ユニット41と、2群枠ユニット42と、中枠43と、3群枠ユニット44と、4群枠ユニット45とは、中枠43に設けられたフォーカスモータ35、及びマスターフランジ33に設けられたズームモータ36の動作により、中枠43とカム枠46とに設けられたカム溝の協調動作により、変倍、及び合焦動作を行うことができるように構成されている。
〔4−2.像振れ補正装置の構成〕
(4−2−1.像振れ補正装置の全体構成)
まず、図7〜図10を参照して、像振れ補正装置400の全体構成について説明する。図7は、像振れ補正装置400の分解斜視図である。図8は、像振れ補正装置400の保持部材と嵌合部を示す斜視図である。図9は、補正レンズ保持部材の斜視図である。図10は、保持部材と補正レンズ保持部材の位置関係を示すユニット分解斜視図である。図11は、像振れ補正装置の補正レンズ部材を組み込んだ時の分解斜視図である。
図7に示すように、像振れ補正装置400は、補正レンズ保持部材405と、電気基板406と、保持部材408とを備えている。補正レンズ保持部材405は、第3レンズ群G3を保持する。電気基板406は、補正レンズ保持部材405に固定されている。保持部材408は、補正レンズ保持部材405をヨーイング方向(X軸方向)に直線的に移動可能に支持する。また、保持部材408は、補正レンズ保持部材405をピッチング方向(Z軸方向)に直線的に移動可能に支持する。また、保持部材408は、補正レンズ保持部材405を光軸Aに対して平行な軸に回動可能に支持する。
図7に示すように、補正レンズ保持部材405は、光軸Aに直交する面内において移動可能に支持され、かつ光軸A方向の相対移動が規制されている。この規制部分(支持部)は、X軸に直交する面内において、3カ所設けられている。3カ所の位置は、X−Z平面において、3カ所を結んでできる三角形内部に、補正レンズ保持部材405の重心が入るように配している。
具体的には図8および図9に示すように、レンズ保持部材408には、3つの第1支持部483、484、485(図8参照)と補正レンズ保持部材405に設けられた3つの第2支持部486、487、488(図9参照)とを有している。第1支持部483は、X軸方向正側に開いた略U字形状を有している。第1支持部484、485は、Z軸方向に延びる棒状体を有している。一方、第2支持部486、487、488は、第3レンズ群G3の周辺に配置されている。第2支持部486は、Z軸方向に延びる棒状体である。第2支持部487、488は、X軸方向逆側に開いた略U字形状の部分を有している。
図10に示すように、第1支持部483、484、485は、第2支持部486、487、488に対応する位置に配置されている。第1支持部483、484、485と第2支持部486、487、488とは、Y軸方向には隙間が確保されている。第2支持部486は、第1支持部483に摺動可能に嵌め込まれている。第2支持部487は、第1支持部484に摺動可能に嵌め込まれている。第2支持部488は、第1支持部485に摺動可能に嵌め込まれている。
また、第1支持部483、484、485と第2支持部486、487、488との嵌合隙間部には、ちょう度310〜340のグリース(図示せず)を介在させることにより、潤滑している。
さらに、補正レンズ保持部材405は、回転軸A3を有している。一方レンズ保持部材408には、ヨーイング方向(X軸方向)に直線的な摺動溝482を有している。回動軸A3は、その径が摺動溝482の溝幅よりも小さく構成されており、摺動溝482に摺動可能、かつ回転可能に嵌め込まれている。
同様に、回動軸A3と摺動溝482の嵌合隙間部には、ちょう度310〜340のグリース(図示せず)を介在させることにより、潤滑している。
なお、ここで「ピッチング方向」とは、回転軸A3を中心とする円弧に沿った方向(回転方向)を意味しており、「ヨーイング方向」とはX軸方向(直進方向)を意味している。
さらに、図11に示すように、回転方向に駆動するための回転用電磁アクチュエータ412(図7参照)は、ヨーク462fと、固定用マグネット462e(図8参照)と、回転用コイル406bと、対向ヨーク462hとから構成されている。ヨーク462fは、レンズ保持部材408に固定されている。固定用マグネット462eは、ヨーク462fに固定され、Z軸方向に2極着磁されている。回転用コイル406bは、補正レンズ保持部材405に固定されている。回転用コイル406bに通電することにより、ピッチング方向の電磁力Fpが発生する。
一方、直進方向に駆動するための直進用電磁アクチュエータ413(図7参照)は、ヨーク462d(図8参照)と、回転用マグネット462cと、直進用コイル406aと、対向ヨーク462gとから構成されている。ヨーク462dは、保持部材408に固定されている。回転用マグネット462cは、ヨーク462dに固定され、X軸方向に2極着磁されている。直進用コイル406aは、回転用マグネット462cと、補正レンズ保持部材405に固定されている。直進用コイル406aに通電することにより、ヨーイング方向の電磁力Fyが発生する。
コイル406bのX軸方向正側には、マグネット462eの磁束を検知し、補正レンズ保持部材405のZ軸方向位置を検出するためのホール素子406d(回転用位置検出素子)が配置されている。ホール素子406dは、マグネット462eを回転用電磁アクチュエータ412と共有している。
同様に、コイル406aのZ軸方向正側には、マグネット462cの磁束を検知し、補正レンズ保持部材405のX軸方向位置を検出するためのホール素子406c(直進用位置検出素子)が配置されている。ホール素子406cは、マグネット462cを直進用電磁アクチュエータ413と共有している。
回転用電磁アクチュエータ412は、第3レンズ群G3を直進用電磁アクチュエータ413と反対側に配置されている。言い換えると、第3レンズ群G3は、回転用電磁アクチュエータ412と直進用電磁アクチュエータ413との間の領域に配置されている。なお、各構成部分の平面的な配置の詳細については後述する。
また図10に示すように、補正レンズ保持部材405は、さらに、電気基板406に電圧を供給するためのフレキシブルプリント基板490を有している。フレキシブルプリント基板490は、電気基板406に電気的に接続されている。
〔4−2−2.像振れ補正装置400の各部の位置関係〕
また、像振れ補正装置400は、各部の位置関係についても特徴を有している。図12、及び図13を参照して各部の位置関係について詳細に説明する。図12は、補正レンズ保持部材405および電気基板406のY軸方向正側から見た平面概略図である。図13は、マグネットの使用可能領域およびホール素子の性能保証範囲の説明図である。図12は、光軸Aが第3レンズ群G3の中心Cと一致する状態、すなわち第3レンズ群G3の位置が移動可能な領域の中央付近にある状態を示している。
図12に示すように、光軸Aが第3レンズ群G3の中心Cと一致する状態において、像振れ補正装置400のホール素子406c、406dおよびコイル406bの中心Ppは、回転軸A3および第3レンズ群G3の中心Cを含む平面内に配置されている。すなわち、補正レンズ保持部材405の移動可能な領域内においては、回転軸A3、第3レンズ群G3の中心C、ホール素子406c、406dおよびコイル406bの中心PpがX軸方向に延びる直線L上に配置されている。
ここで、コイル406bの中心Ppとは、コイル406bに通電した時にマグネット462eとの協調動作により発生する荷重の作用中心点を意味している。なお、コイル406aの中心Pyについても、中心Ppと同様である。
補正レンズ保持部材405の移動可能な領域内において、ホール素子406dの検出中心Rpがマグネット462eの分極線Qpと一致する状態が存在する。ホール素子406dの検出中心Rpがマグネット462eの分極線Qpと一致する状態において、マグネット462eの分極線Qpの方向がヨーイング方向(X軸方向)と略一致している。さらに図12に示すように、光軸Aが第3レンズ群G3の中心Cと一致する状態において、ホール素子406dの検出中心Rpがマグネット462eの分極線Qpと略一致している。
また図12に示す状態では、回転軸A3と、第3レンズ群G3の中心Cと、ホール素子406dの検出中心Ryとは、概ね直線L上に配置されている。回転軸A3とホール素子406cの検出中心Ryとを結んだ線分が、ヨーイング方向(X軸方向)と略一致している。
図12に示すように、回転軸A3とコイル406bの中心Ppとの間の距離L1は、回転軸A3と第3レンズ群G3の中心Cとの間の距離L0よりも長い。回転軸A3とホール素子406dの検出中心Rpとの間の距離L2は、回転軸A3とコイル406bの中心Ppとの間の距離L1よりも短い。回転軸A3とホール素子406cの検出中心Ryとの間の距離L3は、回転軸A3とコイル406aの中心Pyとの間の距離L4よりも短い。
一方、図12に示すように、補正レンズ保持部材405の移動可能な領域内において、ホール素子406cの検出中心Ryがマグネット462cの分極線Qyと一致する状態が存在する。光軸Aが第3レンズ群G3の中心Cと一致する状態において、ホール素子406cの検出中心Ryがマグネット462cの分極線Qyと略一致する。
図12に示す状態において、分極線Qpおよび直線Lは電磁アクチュエータ414において発生する電磁力Fpの方向にほぼ直交している。すなわち、図12に示す状態において、電磁力Fpの作用点と回転軸A3とを含む平面は、電磁力Fpの作用する方向とほぼ直交している。
ここで、「ホール素子の検出中心」とは、位置検出の際にホール素子がその1点に配置されていると考えることができる仮想点である。検出中心としては、例えば、ホール素子において検出感度が最大となる点などが挙げられる。一般的には、検出中心はホール素子の検出面の中心点であると想定できる。「マグネットの分極線」とは、N極とS極との間において極性が変化する境界線を意味している。図13Aに示すように、マグネットの磁束密度分布は、分極線を中心とした、磁束密度がほぼ一定の割合で変化する使用可能領域を含んでいる。使用可能領域とは位置検出として使用可能な範囲を意味しており、使用可能領域内であれば、ホール素子の測定値が測定位置に応じてほぼリニアに変化し、正確な位置検出が可能となる。
例えば図13Bに示すように、マグネットの使用可能領域内であれば、ホール素子とマグネットとの相対位置(測定位置)が変化すると、ホール素子の測定値(出力)が相対位置の変化に応じてほぼリニアに変化する。このため、ホール素子の出力に基づいてホール素子のマグネットに対する正確な相対位置を求めることが可能となる。すなわち、マグネットの使用可能領域が位置検出の性能保証範囲に対応している。ホール素子の可動範囲がこの性能保証範囲内であれば、ホール素子は像振れ補正のための位置検出素子として使用に耐え得る。
像振れ補正装置400の場合、直進用マグネット462cのヨーイング方向(X軸方向)の磁束密度分布は、分極線Qyを中心とした使用可能領域を含んでいる。回転用マグネット462eのピッチング方向(Z軸方向)の磁束密度分布は、分極線Qyを中心とした使用可能領域を含んでいる。ホール素子406cの検出中心Ryの可動範囲は、マグネット462cの使用可能領域内に設定されている。ホール素子406dの検出中心Ryの可動範囲は、マグネット462eの使用可能領域内に設定されている。
〔4−2−3.像振れ補正装置400の組立方法〕
さらに、像振れ補正装置400は組立方法についても特徴を有している。図10、図11、図14A、図14B、および図14C参照して像振れ補正装置400の組立方法について説明する。図14A、図14B、および図14Cは、第1支持部および第2支持部の嵌め込み状態の模式図である。
図10に示すように、まずレンズ保持部材408のY軸方向正側の面に、補正レンズ保持部材405が嵌め込まれる。このとき、図14A、図14Bに示すように、補正レンズ保持部材405の第1支持部487、488がレンズ保持部材408の第2支持部484、484周辺の空間に挿入され、第2支持部483が第1支持部486周辺の空間に挿入される。
次に、図10に示すように、レンズ保持部材408に対して補正レンズ保持部材405をX軸方向負側にスライドさせる。これにより、図14Cに示すように、第2支持部484、485のシャフト部が略U字形状の第1支持部487、488に挿入され、第1支持部486のシャフト部が略U字形状の第2支持部483に挿入される。
このとき、同時に、補正レンズ保持部材405の軸A3は、レンズ保持部材408の摺動溝482に挿入される。
また、図8に示すようにレンズ保持部材408には、補正レンズ保持部材405のX−Z平面上のピッチング方向、およびヨーイング方向の移動量を規制するためのシャフトA4を圧入するためのボス部408aが設けられている。一方、図9、図10、図11、および図12に示すように、補正レンズ保持部材405には、ボス部408aと対向する位置に穴部405aが設けられている。この穴部405aは、シャフトA4と協調することによって補正レンズ保持部材405のピッチング方向、ヨーイング方向の移動量を規制することができる形状になっている。
したがって、補正レンズ保持部材405をレンズ保持部材408に装着した後、Y軸方向正側から移動量規制シャフトA4を補正レンズ保持部材405の穴部405aを通して、レンズ保持部材408aのボス部408aに圧入、または接着固定する。
以上のように、第1支持部486、487、488および第2支持部483、484、485により補正レンズ保持部材405とレンズ保持部材408とが嵌合されて、補正レンズ保持部材405のY方向の移動を規制すると共に、X−Z平面上において、回転軸A3を中心に回転可能、かつX方向に直進可能なように構成している。つまり、従来の像振れ補正装置のように、例えば、ヨーイングシャフト、ピッチングシャフトの両端を保持枠に対して接着固定する必要がない。
〔5.作用効果〕
以上に述べた像振れ補正装置400の作用効果は以下の通りである。
(1).この像振れ補正装置400では、レンズ保持部材408に対して回転軸A3を中心に補正レンズ保持部材405がピッチング方向(回転方向)に駆動される。また、レンズ保持部材408に設けられた、摺動溝482の溝方向に回転軸A3がヨーイング方向(直進方向に)駆動される。このため、ピッチング方向、ヨーイング方向の案内用のシャフトが不要となる。これにより、ピッチング方向に垂直なZ軸方向の寸法の小型化を実現することができる。
(2).この像振れ補正装置400では、ホール素子406dの検出中心Rpがマグネット462eの分極線Qpと一致する状態において、マグネット462eの分極線Qpの方向がヨーイング方向(直進方向)と略一致している。このため、補正レンズ保持部材405がヨーイング方向に駆動される際に、ホール素子406dの検出中心Rpとマグネット462eの分極線Qpとのヨーイング方向(直進方向)の位置ずれが抑制される。この結果、マグネット462eの使用可能領域内にホール素子406dの検出中心Rpの可動範囲が収まりやすくなる。これにより、ピッチング方向への動作に伴うヨーイング方向の位置検出精度の低下を防止できる。
ここで、「マグネット462eの分極線Qpの方向がヨーイング方向(X軸方向)と略一致する」場合には、分極線Qpとヨーイング方向とが完全に一致する場合の他に、マグネット462eの使用可能領域内にホール素子406dの検出中心Rpの可動範囲が収まっている状態で、分極線Qpとヨーイング方向とがずれている場合も含まれる。
(3).この像振れ補正装置400では、第3レンズ群G3の中心Cが光軸Aと一致する状態において、ホール素子406dの検出中心Rpがマグネット462eの分極線Qpと略一致している。このため、第3レンズ群G3の中心Cが光軸Aと一致する状態で、ホール素子406dの検出中心Rpの範囲がマグネット462eの使用可能領域内に収まりやすくなる。これにより、ヨーイング方向の位置検出精度の低下を防止できる。
ここで、「ホール素子406dの検出中心Rpがマグネット462eの分極線Qpと略一致する」場合には、検出中心Rpと分極線Qpとが完全に一致する場合の他に、マグネット462eの使用可能領域内にホール素子406dの検出中心Rpの可動範囲が収まっている状態で、検出中心Rpと分極線Qpとがずれている場合も含まれる。
(4).この像振れ補正装置400では、回転軸A3と、第3レンズ群G3の中心Cと、ホール素子406dの検出中心Rpとは、概ね直線L上に配置されている。このため、補正レンズ保持部材405がヨーイング方向に駆動される際に、ホール素子406dの検出中心Rpとマグネット462eの分極線Qpとの位置ずれが抑制される。この結果、マグネット462eの使用可能領域内にホール素子406dの検出中心Rpの可動範囲が収まりやすくなる。これにより、ヨーイング方向の位置検出精度の低下を防止できる。
ここで、「回転軸A3と、第3レンズ群G3の中心Cと、ホール素子406dの検出中心Rpと、が概ね一直線L上に配置される」には、回転軸A3、光軸中心および検出中心Rpが一直線上に配置されている場合の他に、マグネット462eの使用可能領域内にホール素子406dの検出中心Rpの可動範囲が収まっている状態で、回転軸A3、光軸中心および検出中心Rpがずれている場合も含まれる。
(5).この像振れ補正装置400では、回転軸A3とホール素子406cの検出中心Ryとを結んだ線分がヨーイング方向(X軸方向)と略一致している。このため、光軸Aが第3レンズ群G3の中心Cと一致する状態で、ホール素子406cの検出中心Ryの可動範囲がマグネット462eの使用可能領域内に収まりやすくなる。これにより、ピッチング方向の位置検出精度の低下を防止できる。ここで、「回転軸A3とホール素子406cの検出中心Ryとを結んだ線分がヨーイング方向と略一致する」場合には、この線分とヨーイング方向とが完全に一致する場合の他に、ホール素子406cの検出中心Ryの可動範囲がマグネット462eの使用可能領域内に収まっている状態で、この線分とヨーイング方向とがずれている場合も含まれる。
(6).この像振れ補正装置400では、光軸Aが第3レンズ群G3の中心Cと一致する状態において、ホール素子406cの検出中心Ryがマグネット462cの分極線Qyと略一致する。このため、補正レンズ保持部材405がピッチング方向に駆動される際に、ホール素子406cの検出中心Ryとマグネット462cの分極線Qyとの位置ずれが抑制される。この結果、ホール素子406cの検出中心Ryの可動範囲がマグネット462cの使用可能領域内に収まりやすくなる。これにより、ピッチング方向の位置検出精度の低下を防止できる。
ここで、「ホール素子406cの検出中心Ryがマグネット462cの分極線Qyと略一致する」場合には、検出中心Ryと分極線Qyとが完全に一致する場合の他に、ホール素子406cの検出中心Ryの可動範囲がマグネット462eの使用可能領域内に収まっている状態で、検出中心Ryと分極線Qyとがずれている場合も含まれる。
(7).この像振れ補正装置400では、回転軸A3とコイル406bの中心Ppとの間の距離L1は、回転軸A3と第3レンズ群G3の中心Cとの間の距離L0よりも長い。このため、像振れ補正装置400のヨーイング方向への可動部分(ピッチング移動枠405およびヨーイング移動枠408などにより構成される部分)の重心位置は、Y軸方向から見た場合は第3レンズ群G3の中心C付近となる。
例えば、可動部分の自重W〔N〕がZ軸方向負側に作用している場合、像振れ補正装置400の可動部分の重心位置を第3レンズ群G3の中心C付近であると仮定する。回転軸A3から自重Wの作用点までの距離をL〔m〕、回転軸A3からコイル406bの中心Ppまでの距離をL1〔m〕とすると、自重Wを支持するために回転用電磁アクチュエータ414において必要な電磁力Fp〔N〕は、モーメントの釣り合いより以下のようになる。
Fp×L1=W×L
図12に示すように、L<L1であるためFp<Wという関係が成立する。すなわち、実際の重量を支持する力よりも小さい駆動力により、ピッチング方向への駆動が可能となる。
以上に述べた構成により、従来の像振れ補正装置に比べて回転用電磁アクチュエータ414において必要とされる電磁力Fpを小さくすることができる。これにより、回転用電磁アクチュエータ414の小型化を実現できるとともに、像振れ補正装置400の消費電力を低減させることができる。
特に、本実施例で説明しているように、ヨーイング方向の補正に直進用電磁アクチュエータ、ピッチング方向に回転用電磁アクチュエータを使用した場合、この像振れ補正装置400を用いたカメラ装置において、低消費電力の効果を著しくあげることが可能となる。
(8).この像振れ補正装置400では、回転軸A3とホール素子406dの検出中心Rpとの間の距離L2は、回転軸A3とコイル406bの中心Ppとの間の距離L1よりも短い。このため、ホール素子406dのピッチング方向の可動範囲が小さくなり、この結果、ホール素子406dの検出中心Rpの可動範囲をマグネット462eの使用可能領域内に収めることができる。これにより、ピッチング方向の位置検出精度の低下を防止できる。
(9).この像振れ補正装置400では、回転軸A3に対して、X軸方向負側に直進用電磁アクチュエータ413、第3レンズ群G3、回転用電磁アクチュエータ412の順に配置されている。ここで補正レンズの移動量をαとすると回転による直進用位置検出素子であるところのホール素子406cの位置検出誤差Ps_1は、
Ps_1=(L0_1−L3_1)×(1−cos(sin−1(α/L0_1)))
で表すことができる。一方、第2の実施例で示されるところの各構成要素の配置、すなわち、回転軸A3に対して、X軸方向正側に直進用電磁アクチュエータ413、X軸方向負側に第3レンズ群G3、回転用電磁アクチュエータ412の順に配置した場合、同様にホール素子406cの位置検出誤差Ps_2は、
Ps_2=(L0_2+L3_2)×(1−cos(sin−1(α/L0_1)))
で表すことができる。
ここで、補正レンズ保持部材405の大きさをほぼ同じにするため、例えば、各値を以下のように設定する。
α=0.2[mm]
L0_1=15[mm]
L3_1=5[mm]
L0_2=7[mm]
L3_2=5[mm]
とすると、それぞれの配置における位置検出誤差は、
Ps_1=0.001[mm]
Ps_2=0.005[mm]
となる。
このことにより、回転用電磁アクチュエータ412の作用により、補正レンズ保持部材405が回転軸A3に対して回転することによるホール素子406dの検出中心Rpとホール素子406cの検出素子Ryの移動軌跡によりできる円弧が、回転軸A3に対して方向が同じになるので、回転することによって発生する直進方向の位置ずれを小さくすることができる。
したがって、直進方向の位置検出精度の低下を防止できる。
(10).この像振れ補正装置400では、回転軸A3とホール素子406cの検出中心Ryとの間の距離L3は、回転軸A3とコイル406aの中心Pyとの間の距離L4よりも短い。このため、コイル406aのピッチング方向の可動範囲よりも、ホール素子406cのピッチング方向の可動範囲の方が小さくなる。この結果、ホール素子406cの検出中心Ryの可動範囲をマグネット462cの使用可能領域内に収めることができる。これにより、ヨーイング方向の位置検出精度の低下を防止できる。
(11).この像振れ補正装置400では、フレキシブルプリント基板490の可撓部492が第3レンズ群G3の回転軸A3側に配置されている。このため、補正レンズ部材405がピッチング方向に移動した場合の可撓部492の変形量を抑えることができ、フレキシブルプリント基板490の断線を防止できる。
また、可撓部492の変形量が小さくなると、補正レンズ保持部材405をピッチング方向に駆動する際の駆動力が小さくなる。これにより、この像振れ補正装置400では消費電力を低減できる。
(12).この像振れ補正装置400では、回転用電磁アクチュエータ414と直進用電磁アクチュエータ412との間の領域に第3レンズ群G3が配置されている。すなわち、直進用電磁アクチュエータ412および回転用電磁アクチュエータ414が第3レンズ群G3の両側に配置されている。このため、概ね一方向(本実施形態の場合はヨーイング方向としてのX軸方向)に像振れ補正装置400が長くなる。言い換えると、X軸方向に直交するZ軸方向(ピッチング方向)の寸法の短縮が可能となる。
(13).この像振れ補正装置400では、第1支持部486、487、488および第2支持部483、484、485により補正レンズ保持部材405とレンズ保持部材408が嵌合されて、補正レンズ保持部材405のY方向の移動を規制すると共に、X−Z平面上において、回転軸A3を中心に回転可能、かつX方向に直進可能に構成している。
また、第1および第2支持部のうち一方は棒状体であり、他方は略U字形状に形成されている。このような構成とすることにより、簡素な構成で、補正レンズ保持部材405がレンズ保持部材408に対して光軸A方向に移動するのを規制することができる。また、ピッチング方向、ヨーイング方向を一段構成で支持しているので、従来の2段構成の像振れ補正レンズと比較して、補正レンズ保持部材405の光軸Aの垂直方向に対する傾きを小さくすることが可能となる。
本実施例においては、第1および第2支持部のうち一方は棒状体、他方は略U字形状としたが、支持方法はこの形態に限らない。例えば、第1および第2支持部のうち一方は板状の弾性体、他方は円筒、もしくは、球状体のものでもよい。
(14).この像振れ補正装置400では、また、第1支持部483、484、485と第2支持部486、487、488との嵌合隙間部には、ちょう度310〜340のグリース(図示せず)を介在させることにより、潤滑している。
このことにより、補正レンズ保持部材405のX−Z平面上移動を円滑にすることができる。また、第1支持部483、484、485と第2支持部486、487、488との嵌合隙間部におけるY軸方向の振れを抑止するダンピング効果を持たせることが可能となる。
グリースは、一例として、ベースオイルにパーフルオロポリエーテル(PFPE)を使用し、増ちょう剤にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を主成分として、ちょう度を310〜340としたグリースを使用した場合、摩擦抵抗を下げる(消費電力を下げる)ことができる。また、嵌合部にグリースを介在させることにより、各支持部の嵌合部の隙間によって発生するガタに対して、グリースの粘性により、ダンピング効果を発揮することが可能となる。
ここで、図15A〜図15Dは、グリースによるダンピング効果を示している図である。図15A及び図15Bは、ちょう度355〜385のグリースを塗布した場合の像振れ補正装置のオープンループ特性を測定したグラフを示す。図15C及び図15Dは、ちょう度310〜340のグリースを塗布した場合の像振れ補正装置のオープンループ特性を測定したグラフである。図15A及び図15Bに示すように、ちょう度355〜385のグリースを塗布した場合、350Hzのところで共振が発生している。一方、図15C及び図15Dに示すように、ちょう度310〜340のグリースを塗布した場合、この350Hzの共振が無くなっている。このようにグリースのちょう度を調整することにより、ダンピング効果を発揮させることができる。
なお、グリースの種類においては、上述の例に決まるものではない。一例として基油にPFPE、増ちょう剤にPTFEからなるグリースを提示したが、基油にオレフィン系合成油、増ちょう剤にリチウム石けんからなるグリースを使用することができる。
さらに、実施例で示した一例は、摺動部の隙間が約7〜20μmの時のものである。ここで、一般的にちょう度を310より下げたグリースを塗布すると、摺動部分の粘性負荷が上がるので、ダンピング効果を上げることができるが、像振れ補正装置の消費電力が上がることが考えられる。摺動部分の隙間と必要なダンピング特性、消費電力に代表される負荷特性、さらには摺動特性などで、グリースのちょう度を調節しても良い。
また、嵌合隙間部の隙間の大きさと嵌合部の材質とによって、塗布するグリースの最適なちょう度は、変わることもある。
(15).この像振れ補正装置400では、CCD等の撮像素子を固定するレンズ保持部材408に形成されたヨーイング方向(X方向)の摺動溝により、補正レンズ保持部材405のヨーイング方向が決定する。よって、CCD等の撮像素子のX方向と補正レンズ保持部材405によって補正するヨーイング方向のずれを小さくすることができるので、像振れの補正精度を上げることが可能となる。
(16).この像振れ補正装置400の製造方法では、基本的には、接着などの工程無しで、像振れ補正装置400を組み立てることが可能となるので、精度の向上と工程の簡素化が可能となる。また、工程を少なくすることができるので、製造コストを削減することができる。
(17).この像振れ補正装置400の製造方法では、レンズ保持部材408に補正レンズ保持部材405を組み付けた後、シャフトA4をレンズ保持部材408に形成されたボス部408aに圧入、もしくは接着固定することにより、補正レンズ保持部材405のレンズ保持部材408に対する、ピッチング方向、およびヨーイング方向の移動範囲を規制しているので、移動範囲の規制を精度良く行うことが可能となる。
(18).本実施例においては、CCD等の撮像素子に光軸を曲げることなく直線で入射する光学系において説明を行っているが、光学系は屈曲光学系でもよく、その場合は、カメラ装置の薄型化が可能となる。
(19).本実施例においては、直進方向をヨーイング方向、回転方向をピッチング方向の像振れ補正としたが、方向はその逆でも良く、直進方向をピッチング方向、回転方向をヨーイング方向とすることができる。すなわち、補正する方向に対して、アクチュエータの駆動方法、配置を限定するものではない。
(20).本実施例においては、補正レンズ保持部材405にコイル、レンズ保持部材408にマグネットを設けることによって、電磁アクチュエータを構成したが、電磁アクチュエータの構成は、この構成に限るものではない。
例えば、図16に示すように、補正レンズ保持部材405にマグネット、レンズ保持部材408にコイル406a、406bを設けてアクチュエータを構成することができる。
一例として、図16は、アクチュエータの磁気回路を変更した像振れ補正装置の斜視図である。本図において、図7の像振れ補正装置と同一の部品においては、同一の番号を付す。
図16に示すように、像振れ補正装置400は、レンズ保持部材408にコイル406a及びコイル406bが固定されている。コイル406bは、補正レンズ保持部材405が回転軸A3を中心に、通電することにより回転駆動させるものである。コイル406aは、補正レンズ保持部材405をZ軸方向に直進駆動させるものである。さらに、像振れ補正装置400は、回転用マグネット462eと直進用マグネット462cと対向する位置にホール素子などからなる位置検出素子406c、406dが、フレキシブル基板(図示せず)を介して固定されている。
また、第3レンズ群G3を保持する補正レンズ保持部材405には、Z軸方向に2極着磁された回転用マグネット462eとX軸方向に2極着磁された直進用マグネット462cとが固定されている。
さらに、補正レンズ保持部材405は、回転軸A3を有している。一方、レンズ保持部材408には、ピッチング方向(Y軸方向)に直線的な摺動溝482を(図示せず)有している。回動軸A3は、その径が摺動溝482の溝幅よりも小さく形成されており、摺動溝482に摺動可能、かつ回転可能に嵌め込まれている。
図16に示すように、補正レンズ保持部材405は、光軸Aに直交する面内において移動可能に指示され、かつ光軸A方向の相対移動が規制されている。この規制部分(支持部)は、X軸に直交する面内において、3カ所(略U字形状の支持部483,487,488)設けられている。さらに、3カ所の位置は、X−Z平面において、3カ所を結んでできる三角形内部に、補正レンズ保持部材405の重心が入るように配している。
さらに、直径が、略U字形状の支持部483,487,488の開口幅より小さい非磁性の金属シャフト485、486を略U字形状の支持部483,487,488の開講部に摺動可能に嵌め込んだ後、レンズ保持部材408に圧入、接着などの手段によって固定することにより、補正レンズ保持部材405をピッチング方向(Z軸方向)に直線的に移動可能に支持し、かつヨーイング方向(X軸方向)かつ、光軸Aに対して平行な軸に回動可能に支持するように構成されている。
この構成を採用することにより、コイル406a、406bは、レンズ保持部材408(固定部)に固定するので、可撓部を有するフレキシブルプリント基板が必要なくなるので、安価になる。また、フレキシブル基板の可撓部の弾性により補正レンズ保持部材405が一方向に付勢されることがないので、制御性の向上を図ることが可能となる。
さらには、補正レンズ保持部材405の移動によるフレキシブル基板の可撓部に繰り返し負荷が掛かることがないので、フレキシブル基板の断線を防止することが可能となり、信頼性の向上に繋がる。
(21).本実施例においては、アクチュエータとして電磁アクチュエータを用いて説明したが、アクチュエータの構成は、電磁アクチュエータに限るものではなく、圧電素子の振動などを用いたアクチュエータ、ステッピングモータなどのモータなどで構成することができる。
〔6.像振れ補正装置の第2の構成例〕
前述の像振れ補正装置400では、回転軸A3に対して、X軸方向負側に直進用電磁アクチュエータ413、第3レンズ群G3、回転用電磁アクチュエータ412の順に配置されていたが、図17に示すように、回転軸A3に対して、X軸方向正側に直進用電磁アクチュエータ413、X軸方向負側に第3レンズ群G3、回転用電磁アクチュエータ412の順に配置してもよい。
このように配置された像振れ補正装置400では、補正レンズ保持部材405の第3レンズ群G3が固定されている部分は、第3レンズ群G3を保持できる程度の強度が必要とされる。このため、第3レンズ群G3周辺には補正レンズ保持部材405の一部が必ず存在する。本実施形態では、像振れ補正装置400をY軸方向から見た場合に、補正レンズ保持部材405に第3レンズ群G3が取り囲まれている。直進用電磁アクチュエータ412と第3レンズ群G3との間の領域に回転軸A3が配置されている。このため、第3レンズ群G3周辺のスペースを有効利用することができ、装置の小型化を図ることができる。特に、X軸方向の寸法の短縮が可能となる。
このように、回転による直進方向の位置検出誤差を少なくするためには、第一の構成を有する像振れ補正装置をカメラ装置に搭載することが好ましい。また、長尺方向に小型な像振れ補正装置が必要な場合は、第二の構成を有する像振れ補正装置をカメラ装置に搭載することが好ましい。すなわち、カメラ装置に求められるスペックによって、回転軸A3、直進用電磁アクチュエータ413、第3レンズ群G3、回転用電磁アクチュエータ412の配置を採用すれば良い。
本発明にかかる像振れ補正装置およびカメラは、小型化および像振れ補正性能が要求されるカメラに関する分野において有用である。
本発明は、像振れ補正装置およびカメラに関する。特に、補正レンズを駆動し像振れ補正を行う像振れ補正装置およびその像振れ補正装置を備えるカメラに関する。
近年、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子を用いて、光学像を電気信号に変換し、電気信号をデジタル化して記録するデジタルカメラが普及している。このようなデジタルカメラにおいては、CCDやCMOSセンサの高画素化などだけでなく、それらの撮像素子に光学像を結像させるレンズ鏡筒に対しても高性能化が求められている。具体的には、より高倍率なズームレンズ系を搭載したレンズ鏡筒が求められている。
一方、デジタルカメラの分野においては、携帯性能の向上のため、本体の小型化に対する要求がある。このため、本体の小型化に大きく貢献すると考えられる、レンズ鏡筒と撮像素子とを備える撮像装置の小型化が求められている。このような撮像装置の小型化に際しては、ズームレンズ系を光路の途中で折り曲げ、光路長を変化させずに装置の小型化を図る、いわゆる屈曲光学系の提案が行われている。
例えば、特許文献1では、反射鏡を用いて光路を折り曲げる屈曲光学系が開示されている。具体的には、特許文献1に開示されたレンズ鏡筒は、反射鏡の被写体側に、被写体側から順に第1レンズ群および第2レンズ群を備え、反射鏡の撮像素子側に、反射鏡側から順に第3レンズ群と第4レンズ群とを備えている。第1レンズ群は、固定されている。第2レンズ群および第3レンズ群は、それぞれ光軸方向に移動可能であり、それぞれの協働によりズームレンズ系を構成する。第4レンズ群は、フォーカス調整用のレンズである。
また、特許文献2では、プリズムを用いて光路を折り曲げる屈曲光学系が開示されている。具体的には、特許文献2に開示されたレンズ鏡筒は、プリズムの被写体側に、レンズ群を備える。レンズ群は、使用位置と収納位置との間を光軸方向に移動可能である。さらに、プリズムは、レンズ群が収納位置に有る場合にその収納空間を確保するように移動可能である。
また、特許文献3では、屈曲光学系に用いられるレンズ群の構成について開示されている。
しかしながら、高倍率なズームレンズ系の実現と小型化の実現とに対する要求の高まりを両立するためには、さらなる改善が求められる。
具体的には、特許文献1や特許文献2に開示されている構成では、装置の小型化を実現しつつ、高倍率なズームレンズ系を構成することが難しい。さらに、特許文献3に開示されているレンズ構成を採用するとしても、特許文献3には装置の小型化を実現するための構成が開示されていない。
また、一方、一般的に、撮像装置を小型化した場合、または高倍率なズームレンズ系を備える場合には、手振れなどを主な原因とする撮影された像の振れ(像振れ)を防止することが求められる。
図18は、従来技術としての像振れ補正装置の分解斜視図である(特許文献4参照)。図18に示す像振れ補正装置では、第2レンズ群101は、レンズ枠102に保持されている。レンズ枠102は、ピッチング方向及びヨーイング方向の移動をガイドするガイド軸103により移動可能に支持されている。また、レンズ枠102には、レンズ枠102をピッチング方向、ヨーイング方向に駆動するためのコイル104a,104bが設けられている。固定ベース105には、それぞれのコイル104a,104bと対向してマグネット106a,106bが設けられている。コイル104a,104bに通電することにより、それぞれの方向に駆動力が発生する。第2レンズ群101は、コイル104a,104bに発生する駆動力により、ピッチング方向およびヨーイング方向に駆動される。レンズ鏡筒の振れ量は、角速度センサ107a,107bにより検出され、この検出信号に応じてコイル104a,104bに通電され、像振れ補正が行われる。
特開平11−258678号公報 特開2003−169236号公報 特開2004−102089号公報 特開2000−75338号公報(第4図) 特開平7−5514号公報(図6,図8)
像振れ補正装置を搭載した撮像装置においても、撮像装置の小型化の要求は存在する。この要求に答えるため、撮像装置に搭載される従来の像振れ補正装置では、像振れ補正装置に入射する光の光軸方向への寸法を小さくする試みがなされている。
一方、像振れ補正装置を様々な撮像装置において搭載することが求められるようになってきている。この場合、撮像装置の設計の自由度を高めるためには、像振れ補正装置の光軸方向の寸法の小型化だけではなく、光軸に直交するいずれかの方向の寸法の小型化が求められている。例えば、上述の像振れ補正装置に屈曲光学系を有する撮像装置に搭載する場合、従来の像振れ補正装置を反射鏡やプリズムの光の出射側に搭載すると、像振れ補正装置に入射する光の光軸に垂直な方向への撮像装置の寸法が大型化する。すなわち、反射鏡やプリズムへ入射する光の光軸方向への撮像装置の寸法(撮像装置の厚み)が大型化する。これは、従来の像振れ補正装置では、ピッチング方向、ヨーイング方向に像振れ補正用の補正レンズを駆動する2つの駆動部が、補正レンズを中心として90度離れた位置に配置されているためである。
また、前述のように、従来の像振れ補正装置では、ピッチング移動枠およびヨーイング移動枠がピッチング方向およびヨーイング方向に直進可能なように、ガイド軸103が設けられている。このため、ガイド軸103の設置スペースが必要となり、像振れ補正装置の小型化の妨げとなる。
また、このような屈曲光学系を有する撮像装置に限らず、光軸に直交するいずれかの方向の寸法を小型化した像振れ補正装置を搭載し、撮像装置のいずれかの方向への小型化を実現することは、撮像装置の顧客への訴求力を高める要因となる。
そこで、像振れ補正装置のさらなる小型化を実現するために、補正レンズの光軸に略平行に配置された回転軸を中心として補正レンズを回転駆動する像振れ補正装置が提案されている(例えば、引用文献5を参照)。図19および図20は、従来技術としての像振れ補正装置の分解斜視図である。
図19に示す像振れ補正装置は主に、補正レンズ16が固定される支持枠15と、支持枠15を直進可能に保持する支持アーム13と、支持アーム13を回転可能に保持する鏡筒11と、から構成されている。この像振れ補正装置では、支持アーム13は、支持アーム13に取り付けられた永久磁石45および鏡筒11に取り付けられたコイル46aにより、鏡筒11に対して軸45aを中心とする円弧に沿った方向に回転駆動される。支持枠15は、支持枠15に取り付けられた永久磁石47a,47bおよび支持アーム13に取り付けられたコイル49により、支持枠15が支持アーム13に対して光軸に直交する方向に駆動される。これらの構成により、補正レンズ16は、光軸に直交する面内においてピッチング方向およびヨーイング方向に移動可能である。
また、図20に示す像振れ補正装置は主に、補正レンズ16が固定される支持枠15と、支持枠15を回転可能に保持する支持アーム13と、支持アーム13を直進可能に保持する鏡筒11と、から構成されている。この像振れ補正装置では、支持アーム13は、支持アーム13に取り付けられたコイル62yおよび鏡筒11に取り付けられた永久磁石63yにより、鏡筒11に対して光軸に直交する方向に駆動される。支持枠15は、支持枠15に取り付けられたコイル62pおよび支持アーム13に取り付けられた永久磁石63pにより、支持アーム13に対して光軸に直交する方向に駆動される。これらの構成により、光軸に直交する面内においてピッチング方向およびヨーイング方向に補正レンズ16は移動可能である。
図19および図20に示す像振れ補正装置では、一方の支持枠が回転軸を中心とする円弧に沿った方向に駆動される。このため、支持枠の駆動時の摩擦力が減少し、コイルおよび永久磁石を有する駆動部の小型化が可能となる。また、前述の特許文献1〜4に記載の像振れ補正装置と比較した場合、一方の直進用のガイド軸が省略されている。このため、案内機構の小型化が可能となる。すなわち、図19および図20に示す像振れ補正装置により、さらなる小型化が可能となる。
しかし、図19および図20に示す像振れ補正装置では、像振れ補正性能の低下が懸念される。具体的には、図19に示す像振れ補正装置では、補正レンズ16を回転させるための駆動力は、支持アーム13に作用するが、補正レンズ16が固定される支持枠15に直接作用しない。また図20に示す像振れ補正装置では、補正レンズ16を直進させるための駆動力は、支持アーム13に作用するが、補正レンズ16が固定される支持枠15に直接作用しない。このため、支持アーム13および支持枠15が連結されている部分の寸法精度によってはレンズ保持部材が所望の位置に保持されない場合がある。これにより、補正レンズの位置精度が低下する恐れがある。
このように、小型化が実現されると、その一方で像振れ補正性能が低下する恐れがある。
また、特許文献1〜4に記載された像振れ補正装置では、例えばガイド軸が接着により固定されている。このため、像振れ補正装置の製造過程において、接着剤の塗布および乾燥作業が必要となる。この結果、製造作業が繁雑となり、製造コストが増大する。
本発明の目的は、像振れ補正性能の低下を防止しつつ、小型化が可能で、かつ製造コストを低減することができる像振れ補正装置、およびそれを備えるカメラを提供することにある。
本発明の像振れ補正装置は、カメラの動きに起因する画像の振れの補正を行うための像振れ補正装置であって、前記カメラの光学系に含まれる補正レンズが固定され、前記補正レンズに入射する光の光軸と略平行な回転軸を備える補正レンズ保持部材と、前記補正レンズに入射する光の光軸に直交する面内における任意の方向である直進方向に前記回転軸を直進移動可能にするとともに、前記面内において前記回転軸を中心に回転移動可能にするように、前記補正レンズ保持部材を保持する保持部材と、前記直進方向へ前記補正レンズ保持部材を駆動するために、前記補正レンズ保持部材に対して駆動力を付与する直進用駆動部と、前記回転方向へ前記補正レンズ保持部材を駆動するために、前記補正レンズ保持部材に対して駆動力を付与する回転用駆動部とを備え、前記保持部材は、前記補正レンズ保持部材を前記光軸に直交する面内に自在に移動可能に保持するとともに、前記光軸に沿った方向の両側に移動するのを規制する、少なくとも3つの支持部を備え、前記少なくとも3つの支持部のそれぞれは、前記補正レンズ保持部材に形成された第1支持部と、前記補正レンズ保持部材に形成され、前記第1支持部に対して前記回転軸に直交する方向から嵌め込み可能な第2支持部と、を有しており、前記第1および第2支持部のうち一方は、棒状体であり、前記第1および第2支持部のうち他方は、前記棒状体に所定の隙間を持って嵌め込まれる略U字体であり、該嵌合隙間部にグリースを介在させたものである。
本発明のカメラは、当該カメラの動きに起因する画像の振れの補正を行う前記像振れ補正手段と、前記レンズ群を通過した光を受光する撮像部とを備えたカメラであって、前記像振れ補正手段は、前記レンズ群に含まれる補正レンズが固定され、前記補正レンズに入射する光の光軸と略平行な回転軸を備える補正レンズ保持部材と、前記補正レンズに入射する光の光軸に直交する面内における任意の方向である直進方向に前記回転軸を直進移動可能にするとともに、前記面内において前記回転軸を中心に回転移動可能にするように、前記補正レンズ保持部材を保持する保持部材と、前記直進方向へ前記補正レンズ保持部材を駆動するために、前記補正レンズ保持部材に対して駆動力を付与する直進用駆動部と、前記回転方向へ前記補正レンズ保持部材を駆動するために、前記補正レンズ保持部材に対して駆動力を付与する回転用駆動部とを備えたものである。
本発明では、像振れ補正性能の低下を防止しつつ、小型化・低消費電力化が可能となる像振れ補正装置、およびそれを備えるカメラを提供することが可能となる。
デジタルカメラの外観を示す斜視図 デジタルカメラの外観を示す斜視図 本体部の構成を概略的に示す透視図 本体部の構成を概略的に示す透視図 本体部の構成を概略的に示す透視図 撮像装置の組み立て斜視図 撮像装置の撮像素子側からみた矢視図 撮像装置の分解斜視図 像振れ補正装置の分解斜視図 像振れ補正装置の保持部材と嵌合部を示す斜視図 像振れ補正装置の保持部材と嵌合部を示す部分拡大斜視図 像振れ補正装置の保持部材と嵌合部を示す部分拡大斜視図 像振れ補正装置の保持部材と嵌合部を示す部分拡大斜視図 像振れ補正装置の保持部材と嵌合部を示す部分拡大斜視図 補正レンズ保持部材の斜視図 保持部材と補正レンズ保持部材の位置関係を示すユニット分解斜視図 像振れ補正装置の補正レンズ部材を組み込んだ時の分解斜視図 補正レンズ保持部材および電気基板のY軸方向正側から見た平面概略図 マグネットの使用可能領域およびホール素子の性能保証範囲の説明図 マグネットの使用可能領域およびホール素子の性能保証範囲の説明図 第1支持部および第2支持部の嵌め込み状態の模式図 第1支持部および第2支持部の嵌め込み状態の模式図 第1支持部および第2支持部の嵌め込み状態の模式図 グリースのダンピング効果を示すグラフ グリースのダンピング効果を示すグラフ グリースのダンピング効果を示すグラフ グリースのダンピング効果を示すグラフ アクチュエータの磁気回路を変更した像振れ補正装置の分解斜視図 補正レンズ保持部材および電気基板のY軸方向正側から見た平面概略図(他の実施形態) 従来の像振れ補正装置の分解斜視図 従来の像振れ補正装置の分解斜視図 従来の像振れ補正装置の分解斜視図
第1の発明に係る像振れ補正装置は、カメラの動きに起因する画像の振れの補正を行うための像振れ補正装置であって、カメラの光学系に含まれる補正レンズが固定され、補正レンズに入射する光の光軸と略平行な回転軸を備える補正レンズ保持部材と、補正レンズに入射する光の光軸に直交する面内における任意の方向である直進方向に回転軸を直進移動可能にするとともに、面内において回転軸を中心に回転移動可能にするように、補正レンズ保持部材を保持する保持部材と、直進方向へ補正レンズ保持部材を駆動するために、補正レンズ保持部材に対して駆動力を付与する直進用駆動部と、回転方向へ補正レンズ保持部材を駆動するために、補正レンズ保持部材に対して駆動力を付与する回転用駆動部と、を備える。
この像振れ補正装置では、補正レンズ保持部材が光軸に直交する面内において、任意の方向に直進し、かつ光軸と略平行な回転軸を中心に回転する。このため、補正レンズ保持枠を回転方向に駆動可能に支持する案内用のシャフトが不要となる。よって、像振れを抑制するために必要な2方向に案内するシャフトが必要なくなる。そのため補正レンズ保持枠の取り付け精度(高さ・位置・角度・平行度等)を確保するための工程・検査が必要なくなる。これにより、この像振れ補正装置では、直進方向に垂直な方向の寸法の小型化を実現することができると共に、組立性の向上を図ることが可能となる。したがって、第1の発明に係る像振れ補正装置を屈曲光学系に採用すると、像振れ補正装置の長尺方向と補正レンズ保持枠の直進方向とが略一致するように補正レンズ保持枠を配置することができるので、屈曲光学系においても、像振れ補正装置を搭載することが可能となる。
それに加えて、この像振れ補正装置では、補正レンズが固定されるレンズ保持部材に対して、直進用および回転用駆動部から駆動力が直接付与される。このため、直進用駆動部及び回転用駆動部の駆動力が補正レンズ保持部材に直接作用していない場合に比べて、補正レンズの位置精度の低下を防止することができ、像振れ補正性能の低下を防止できる。
以上より、この像振れ補正装置では、像振れ補正性能の低下を防止しつつ、小型化を図ることができる。また、組立性が向上し、製造コストを削減することが可能となる。
第2の発明に係る像振れ補正装置は、第1の発明に係る像振れ補正装置において、レンズ保持部材に、入射する光の光軸に直交する面内における任意の方向に設けられた摺動溝を有している。レンズ保持部材は、該摺動溝と回転軸の外周部とが摺動することにより直進し、さらに回転軸周りに回転することにより、補正レンズを2方向に移動させることが可能となる。ここで、レンズ保持部材には、CCD等の光学撮像素子が取り付けられている。一方、レンズ保持部材には、直接補正レンズの直進方向の移動を規制する溝が形成されている。したがって、摺動溝を、CCD等の光学撮像素子のX−Z軸に対してどちらか一方の溝に並行に形成することによって、補正レンズの補正方向とCCD等の光学素子の軸とを精度良く、簡単に合わせることが可能となる。従って、簡単な構成で高精度な像ぶれ装置を構成することが可能となると共に、光軸方向に薄型に構成することが可能となる。
第3の発明に係る像振れ補正装置は、第1または第2の発明に係る像振れ補正装置において、回転方向におけるレンズ保持部材の位置を検出する回転用位置検出素子をさらに備えている。また、回転用駆動部は回転用マグネットを有している。また、回転用マグネットの回転方向の磁束密度分布は、磁束密度がほぼ一定の割合で変化する回転用使用可能領域を含んでいる。また、像振れ補正装置を光軸に沿った方向から見た場合、レンズ保持部材の移動可動な領域内において、回転用位置検出素子の検出中心が回転方向における回転用使用可能領域の中心線と一致する状態が存在する。さらに、回転用位置検出素子、もしくは回転用マグネットのいずれか一方を補正レンズ保持部材と一体的に構成する。
これにより、回転用位置検出素子の検出中心の可動範囲が回転用マグネットの使用可能領域内に収まりやすくなると共に、補正レンズ保持部材と回転用位置検出素子及び回転用マグネットのいずれか一方とを補正レンズ保持部材と一体的に構成することにより、回転方向の位置検出精度の低下を防止できる。
さらに、回転用位置検出素子の回転使用可能領域の中心線上に補正レンズ保持部材の回転軸中心を配することにより、補正レンズ保持部材または補正レンズの回転方向の位置検出精度の向上を図ることができる。
第4の発明に係る像振れ補正装置は、第3の発明に係る装置において、光軸に沿った方向から見た場合に、回転用位置検出素子の検出中心が回転方向における回転用使用可能領域の中心線と一致する状態において、回転方向における回転用使用可能領域の中心線方向が直進方向と略一致する(略平行になる)ように構成する。
この場合、レンズ保持部材が直進方向に駆動される際に、回転用位置検出素子の検出中心と回転方向における回転用使用可能領域の中心線との位置ずれが抑制される。この結果、回転用マグネットの使用可能領域内に回転用位置検出素子の検出中心の可動範囲が収まりやすくなる。これにより、直進方向への動作に伴う回転方向の位置検出精度の低下を防止できる。
ここで、「回転方向における回転用使用可能領域の中心線が直進方向と略一致する(略平行になる)」場合には、中心線と直進方向とが完全に一致する場合の他に、回転用位置検出素子の検出中心の可動範囲が回転用マグネットの使用可能領域内に収まっている状態で、中心線と直進方向とがずれている場合も含まれる。
第5の発明に係る像振れ補正装置は、第3または第4の発明に係る像振れ補正装置において、光軸に沿った方向から見た場合に、補正レンズに入射する光軸が補正レンズの中心と一致する状態において、回転用位置検出素子の検出中心が回転方向における回転用使用可能領域の中心線と略一致する。
この場合、補正レンズに入射する光の軸が補正レンズの中心と一致する状態で、回転用位置検出素子の検出中心の可動範囲が回転用マグネットの使用可能領域内に収まりやすくなる。このため、回転方向の位置検出精度が高い範囲で、像振れ補正を行うことが可能となり、像振れ補正性能の低下を防止できる。
ここで、「回転用位置検出素子の検出中心が回転方向における回転用使用可能領域の中心線と略一致する」場合には、検出中心と中心線とが完全に一致する場合の他に、回転用位置検出素子の検出中心の可動範囲が回転用マグネットの使用可能領域内に収まっている状態で、検出中心と中心線とがずれている場合も含まれる。
第6の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第5のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、光軸に沿った方向から見た場合に、回転軸と、補正レンズの中心と、回転用位置検出素子の検出中心と、が略一直線上に配置されている。
この場合、レンズ保持部材が直進方向に駆動される際に、回転用位置検出素子の検出中心と回転方向における回転用使用可能領域の中心線との位置ずれが抑制される。その結果、回転用マグネットの使用可能領域内に回転用位置検出素子の検出中心の可動範囲が収まりやすくなる。これにより、回転方向の位置検出精度の低下を防止できる。
ここで、「回転軸と、補正レンズの中心と、回転用位置検出素子の検出中心と、が略一直線上に配置される」には、回転軸、光軸中心および検出中心が一直線上に配置されている場合の他に、回転用位置検出素子の検出中心の可動範囲がマグネットの使用可能領域内に収まっている状態で、回転軸、光軸中心および検出中心がずれている場合も含まれる。
第7の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第6のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、直進方向における補正レンズ保持部材の位置を検出する直進用位置検出素子をさらに備えている。また、像振れ補正装置を光軸に沿った方向から見た場合、回転軸と直進用位置検出素子の検出中心とを結んだ線分が直進方向と略一致する構成とすることができる。
この場合、補正レンズに入射する光の光軸が補正レンズの中心と一致する状態で、直進用の位置検出素子の検出中心の可動範囲が直進用マグネットの使用可能領域内に収まりやすくなる。このため、位置検出素子による直進方向の位置検出精度が高い範囲で、像振れ補正を行うことが可能となり、位置検出精度の低下を防止できる。
ここで、「回転軸と直進用位置検出素子の検出中心とを結んだ線分が直進方向と略一致する」場合には、線分と直進方向とが完全に一致する場合の他に、直線用位置検出素子の検出中心の可動範囲が直進用マグネットの使用可能領域内に収まっている状態で、線分と直進方向とがずれている場合も含まれる。
第8の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第6のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、直進方向における補正レンズ保持部材の位置を検出する直進用の位置検出素子をさらに備えている。また、直進用駆動部は直進用マグネットを有している。また、直進用マグネットの直進方向の磁束密度分布は、磁束密度がほぼ一定の割合で変化する直進用使用可能領域を含んでいる。また、像振れ補正装置を光軸に沿った方向から見た場合、補正レンズ保持部材の移動可能な領域内において、直進用位置検出素子の検出中心が直進方向における直進用使用可能領域の中心線と一致する状態が存在する。
これにより、直進用位置検出素子の検出中心の可動範囲が直進用マグネットの使用可能領域内に収まりやすくなり、直進方向の位置検出精度の低下を防止できる。
第9の発明に係る像振れ補正装置は、第8の発明に係る像振れ補正装置において、光軸に沿った方向から見た場合に、補正レンズに入射する光の光軸が補正レンズの中心と一致する状態において、直進用位置検出素子の検出中心が直進方向における直進用使用可能領域の中心線と略一致する。
この場合、補正レンズ保持部材が回転方向に駆動される際に、直進用位置検出素子の検出中心と直進方向における直進用使用可能領域の中心線との位置ずれが抑制される。この結果、直進用位置検出素子の検出中心の可動範囲が直進用マグネットの使用可能領域内に収まりやすくなる。これにより、直進方向の位置検出精度の低下を防止できる。
ここで、「直進用位置検出素子の検出中心が直進方向における直進用使用可能領域の中心線と略一致する」場合には、検出中心と中心線とが完全に一致する場合の他に、直進用位置検出素子の検出中心の可動範囲が直進用マグネットの使用可能領域内に収まっている状態で、検出中心と中心線とがずれている場合も含まれる。
第10の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第9のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、回転用駆動部が、回転用マグネットと、回転用マグネットに対向して配置された回転用コイルと、を有している。また、像振れ補正装置を光軸に沿った方向から見た場合に、回転軸と回転用コイルの中心との間の距離は、回転軸と補正レンズの中心との間の距離よりも長い。
一般的に、補正レンズは補正レンズ保持部材よりも重い。このため、像振れ補正装置の可動部分の重心位置は、補正レンズの中心付近となる。
回転用コイルの中心は回転用駆動部の荷重発生点とみなすことができる。ここでは、回転軸と回転用駆動部の荷重発生点との間の距離が回転軸と補正レンズの中心との間の距離よりも長い。このため、小さい駆動力でレンズ保持部材を駆動することが可能となり、回転用駆動部の小型化および省電力化を実現できる。
第11の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第9のいずれかの発明に係る装置において、回転用駆動部が、回転用マグネットと、回転用マグネットに対向して配置された回転用コイルと、を有している。光軸に沿った方向から見た場合に、回転軸と回転用位置検出素子の検出中心との間の距離は、回転軸と回転用コイルの中心との間の距離よりも短い。
この場合、回転用位置検出素子の回転方向の可動範囲が小さくなる。この結果、回転用位置検出素子の検出中心の可動範囲が回転用マグネットの使用可能領域内に収まりやすくなる。これにより、回転方向の位置検出精度の低下を防止できる。
第12の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第11のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、直進用駆動部と補正レンズとの間の領域に回転軸が配置されている。
補正レンズ保持部材の補正レンズが固定されている部分は、補正レンズを保持できる程度の強度が必要とされる。このため、補正レンズ周辺には補正レンズ保持部材の一部が必ず存在する。
一方で、反対側に回転軸を配置すると、直進用駆動部から、さらに回転軸を形成する部分だけ装置の外形寸法が大きくなる。
ここでは、直進用駆動部と補正レンズとの間の領域に回転軸が配置されている。このため、補正レンズ周辺のスペースを有効利用することができ、装置の小型化を図ることができる。
第13の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第11のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、前記回転軸と前記補正レンズとの間の領域に直進用駆動部が配置されている。
特に、回転軸と補正レンズとを結ぶ直線上に直進方向における補正レンズ保持部材の位置を検出する直進用位置検出素子を備えている場合、回転により発生する直進用位置検出の誤差を他の配置と比較して小さくすることができる。これにより、直進方向の補正精度の向上を図ることができる。
第14の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第13のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、直進方向における補正レンズ保持部材の位置を検出する直進用位置検出素子をさらに備えている。直進用駆動部は、直進用マグネットと、直進用マグネットに対向して配置された直進用コイルと、を有している。回転軸と直進用位置検出素子の検出中心との間の距離は、回転軸と直進用コイルの中心との間の距離よりも短い。
この場合、直進用位置検出素子の回転方向の可動範囲が小さくなる。この結果、直進用位置検出素子の検出中心の可動範囲がマグネットの使用可能領域内に収まりやすくなる。これにより、直進方向の位置検出精度を確保することができる。
第15の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第14のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、回転用駆動部に電圧を供給するために、回転用駆動部に電気的に接続されたフレキシブルプリント基板をさらに備えている。フレキシブルプリント基板は、補正レンズ保持部材に固定される第1固定部と、レンズ保持部材に固定される第2固定部と、第1の固定部と第2固定部とを連結した可撓部と、を有している。また、可撓部は、補正レンズの回転軸側に配置されている。
この場合、レンズ保持部材が回転方向に移動した場合の可撓部の変形量が小さくなり、フレキシブルプリント基板の断線を防止できる。また、可撓部の変形量が小さくなると、レンズ保持部材を回転方向に駆動する際の駆動力が小さくなる。これにより、この像振れ補正装置では消費電力を低減できる。
第16の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第15のいずれかの発明に係る装置において、回転用駆動部と直進用駆動部との間の領域に補正レンズが配置されている。
この場合、像振れ補正装置を光軸に沿った方向から見ると、回転用駆動部および直進用駆動部が補正レンズの両側に配置されている。このため、概ね一方向に像振れ補正装置が長くなる。言い換えると、像振れ補正装置の長尺方向に直交する方向の寸法を短縮できる。このことにより、屈曲光学系を採用した場合でも、像振れ補正装置を採用することが可能となる。
また、通常光学系においても、像振れ補正装置を一方向に長尺に構成できるので、短尺の方向に空間ができるので、その空間にシャッタやアイリスなどを動作させるためのモータを配置できるので、レンズユニットを光軸方向に薄く構成することが可能となる。
第17の発明に係る像振れ補正装置は、第1から第16のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、少なくとも3組の支持部を備えている。支持部は、補正レンズ部材を光軸に直交する面内に自在に移動可能に保持すると共に、光軸に沿った方向の両側に傾くのを規制する。
このようにレンズ保持部材と補正レンズ保持部材とに設けられた少なくとも3組の支持部材により、レンズ保持部材に対して補正レンズ保持部材を保持しているので、補正レンズ部材の傾き量を小さくすることができる。
第18の発明に係る像振れ補正装置は、前記第17の発明に対して、補正レンズ保持部材の重心を3組の支持部材を結んで形成される図形内に配置することによって、3組の支持部材に加わる圧力を分散することができる。したがって、補正レンズ保持部材が稼働している時に必ず3組の支持部材に力が加わる。よって、補正レンズ保持部材を安定的に保持することができる。
特に、第19の発明に係る像ぶれ装置の様に、補正レンズ保持部材の重心と、支持部材を結んで形成される図形の重心とを略一致させることにより、3組の支持部材に偏荷重がかからなくなる。このことにより、ガタ共振の発生を抑えることが可能となるので、像振れ補正を安定的に行うことができる。
第20の発明に係る像振れ補正装置は、第17から第19のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、少なくとも3つの支持部のそれぞれが、回転部材に形成された第1支持部と、回転保持部材に形成され第1支持部に対して回転軸に直交する方向から嵌め込み可能な第2支持部と、を有している。また、第1の支持部および第2支持部のうち一方は、棒状体である。また、第1の支持部および第2支持部のうち他方は、棒状体に所定の隙間を持って嵌め込まれる略U字体に形成されている。また、第1の支持部と第2の支持部との嵌合隙間部に、ちょう度310〜340(JIS分類1号)のグリースを介在させることにより、潤滑する。
このような構成とすることにより、簡素な構成で、回転部材が回転保持部材に対して光軸に沿った方向に移動するのを規制することができる。また、所定の隙間にちょう度310〜340のグリースを介在させることにより、グリースの粘性によりダンパー効果を持たせることができ、第1の支持部と第2の支持部との嵌合隙間部において光軸方向のガタ共振を抑制することができる。
第21の発明に係るカメラは、第1から第20のいずれかの発明に係る像振れ補正装置において、像振れ補正を行うために光学系に含まれる補正レンズを保持する補正レンズ保持部材を前記レンズ保持部材に組み込んだ後に、補正レンズ保持部材、またはレンズ保持部材のいずれか一方に補正レンズ保持部材の可動範囲を規制するための可動範囲規制部材を組み込むことにより、レンズ保持部材から補正レンズ保持部材が外れることを防止する。また、補正レンズ保持部材の移動範囲を高精度に制限できる。また、可動範囲補正部材を補正レンズ保持部材、もしくはレンズ保持部材の一方に一体的に構成したものと比較して、組立性の向上を図ることができる。
第22の発明に係るカメラは、光軸に沿った光を取り込むレンズ群と、第1から第21のいずれかの発明に記載の像振れ補正装置と、レンズ群を通過した光を受光する撮像部と、レンズ群と、像振れ補正装置と、撮像部とが配置される。ケーシングは、レンズ鏡筒を保持する。
ここで、「光軸に沿う」、とは、例えば、光軸に平行なこと、を意味している。また、その光軸を含む光学系としては、直線光学系の他に、屈曲光学系で構成することができる。屈曲光学系は、例えば、反射面を有する部材を含み、より詳しくは、プリズム、ミラーなどを含む構成とすることができる。また、撮像部は、例えば、電気的に受光するCCD、CMOSなどで構成されていてもよいが、これに限定せず、フィルムなどで構成されていてもよい。
このカメラでは、第1から第21のいずれかの発明に係る像振れ補正装置を備えるため、像振れ補正性能の低下を防止しつつ、小型化が可能となる。特に、光軸方向の寸法の薄型化に顕著な効果がある。また、この屈曲光学系が採用されたカメラでは、直進方向に直交する方向への寸法が小型化された本発明の像振れ補正装置を搭載することが可能となる。これにより、カメラの寸法(カメラの厚み)を小型化することが可能となる。すなわち、このカメラでは、小型化を図ると共に、像振れが補正された高画質な画像を取得することができる。
第23の発明に係るカメラは、第10の発明の像ぶれ装置を搭載した第22の発明に係るカメラにおいて、前記像振れ補正装置のレンズ保持部材における直進移動方向を重力方向に対して略垂直方向とすることにより、通常撮影時は、主に回転方向のアクチュエータを使用することになるので、梃子の原理により、アクチュエータの消費電力を削減することが可能となる。特に、動画を撮影可能なカメラにおいては、消費電力削減の効果を大きくすることができる。
なお、以上に使用されている用語の説明は以下の通りである。
「位置検出素子の検出中心」とは、位置検出の際に位置検出素子がその1点に配置されていると考えることができる仮想点である。検出中心としては、例えば、位置検出素子において検出感度が最大となる点などが挙げられる。一般的には、検出中心は、位置検出素子の検出面の中心点であると想定できる。
「使用可能領域」は、例えば、マグネットが2極着磁されている場合は、N極とS極との間の分極線を中心とした、磁束密度がほぼ一定の割合で変化する性能保証範囲を意味している。したがって、「使用可能領域の中心線」としては、例えば、マグネットが2極着磁されている場合はN極とS極との間において極性が変化する境界線を意味している。マグネットの状態には、N極の部分とS極の部分とが物理的に一体となっている場合の他に、N極の部分とS極の部分とが物理的に離れている場合も含まれる。
「コイルの中心」とは、コイルの外形から求められた中心を意味しており、例えばコイルが略四角形である場合は、その四角形の重心を意味している。
なお、位置検出素子としては、例えば、ホール効果を利用した磁気センサ(ホール素子)、PSD(Position Sensitive Detector)などが挙げられる。
(実施の形態)
〔1.本実施の形態の概要〕
本発明の実施形態について、図1〜図15を参照して説明する。
本発明のデジタルカメラは、像振れ補正装置の構成に主な特徴を有している。本実施形態に係るデジタルカメラは、屈曲光学系を有していないカメラについて説明するが、光学系に屈曲光学系を採用してもよい。すなわち、本実施形態に係るデジタルカメラは、光学系が屈曲する構成及び屈曲しない構成のいずれであっても、装置の薄型化・小型化・低消費電力化を実現することができる。
〔2.デジタルカメラの構成〕
本発明の第1実施形態のデジタルカメラについて、図1〜図3を参照して説明する。
〔2−1.デジタルカメラの具体的な構成〕
図1は、本発明の第1実施形態のデジタルカメラ1の外観を示す斜視図である。
デジタルカメラ1は、撮像装置2と、本体部3とを備えている。撮像装置2は、光軸Aに沿って入射した光束を固定倍率、もしくは変倍自由に撮像素子に導くような光学系を備えている。本体部3は、撮像装置2を収納するとともに、撮像装置2の制御などを行う。
まず、撮像装置2の詳しい構成を説明する前に、本体部3の構成について説明を行う。
なお、以下の説明では、デジタルカメラ1の6面を以下のように定義する。
まず、「前面」は、デジタルカメラ1による撮影時に被写体側を向く面である。「背面」は、前面の反対側の面を背面である。「上面」は、被写体の鉛直方向上下とデジタルカメラ1で撮像される長方形の像(一般には、アスペクト比(長辺対短辺の比)が3:2、4:3、16:9など)の短辺方向上下とが一致する姿勢で撮影を行う場合に、鉛直方向上側に向く面である。「底面」は、上面の反対側の面である。「左側面」は、被写体の鉛直方向上下とデジタルカメラ1で撮像される長方形の像の短辺方向上下とが一致する姿勢で撮影を行う場合に、被写体側から見て左側に位置する面である。「右側面」は、左側面の反対側の面である。なお、以上の定義は、デジタルカメラ1の使用姿勢を限定するものではない。
以上の定義によれば、図1は、前面、上面および左側面を示す斜視図ということになる。
なお、デジタルカメラ1の6面だけでなく、デジタルカメラ1に配置される各構成部材の6面も同様に定義する。すなわち、デジタルカメラ1に配置された状態の各構成部材の6面に対して、上述の定義を適用する。
また、図1に示すように、光軸Aに平行なY軸とデジタルカメラ1の正姿勢に対して、水平な方向をX軸、垂直な方向をZ軸とする。さらに、図1に示すように、光軸Aに沿って背面側から前面側に向かう方向がY軸正方向であり、デジタルカメラ1の右側面側から左側面側に向かう方向がX軸正方向であり、これらのX軸とY軸とに直交する直交軸に沿ってデジタルカメラ1の底面側から上面側に向かう方向がZ軸正方向となる。
以下、それぞれの図面において、このXYZ座標系を基準として説明を行う。すなわち、それぞれの図面におけるX軸正方向、Y軸正方向、Z軸正方向は、それぞれ同じ方向を示している。
〔2−2.本体部の構成〕
図1、図2、図3A、図3B、図3Cを参照して、本体部3の構成について説明を行う。
図2は、デジタルカメラ1の背面、上面および右側面の外観を示す斜視図である。
図3A〜図3Cは、本体部3の構成を概略的に示す透視図である。図3Aは、Y軸方向正側(前面側)に配置される部材の構成を示す透視図である。図3Bは、Z軸方向負側(底面側)に配置される部材の構成を示す透視図である。図3Cは、Y軸方向負側(背面側)に配置される部材の構成を示す透視図である。
図1〜図3に示すように、本体部3は、外装部11、グリップ部12、ストロボ15,レリーズボタン16、操作ダイアル17、画像表示部18、メインコンデンサ20、サブ基板21、電池22、メイン基板23を備えている。外装部11およびグリップ部12は、撮像装置2を収納する筐体を構成する。ストロボ15、レリーズボタン16、操作ダイアル17および画像表示部18は、外装部11の表面に配置されている。メインコンデンサ20、サブ基板21、電池22、およびメイン基板23は、外装部11およびグリップ部12から構成される筐体の内部に配置されている。また、本体部3は、メモリカード24を着脱可能である。なお、メモリーカード24などの記憶媒体は、本体部3に対して着脱可能である構成に限らず、本体部3内部に固定されていてもよい。
図1に示すように、外装部11は、略直方体形状のハウジングである。外装部11のX軸方向正側には、撮影者が撮影時に把持するためのグリップ部12が外装部11からY軸方向に突出するように配置されている。これにより、外装部11およびグリップ部12は、略L字状の中空の筐体を構成している。また、外装部11の前面には、ストロボ15が配置されている。ストロボ15は、被写体が暗い時など必要に応じて閃光して被写体を照射し露光の補助を行う。また、外装部11の上面のグリップ部12側には、レリーズボタン16や操作ダイアル17が配置されている。レリーズボタン16は、使用者によるZ軸方向負側への押下操作を受け付ける。操作ダイアル17は、撮影動作の設定など各種設定を行うことができる。
さらに、図2に示すように、外装部11の背面には、撮像装置2により撮影される像を撮影者などに視認させる画像表示部18(視認部)が設けられている。画像表示部18は、例えば、アスペクト比(長辺対短辺の比)が3:2、4:3、16:9などの長方形の外形を有している。
なお、図1や図2は、図示を明確にするために、外装部11の表面に配置される主な部材のみを描画した。したがって、図1及び図2には、説明を行った部材以外の部材が設けられていてもよい。
次に、図3A〜図3Cを参照して、本体部3の内部構成について説明を行う。
図3Aに示すように、撮像装置2は、被写体に向くレンズ群G1を保持する。
さらに、撮像装置2のZ軸方向正側には、ストロボ15と、メインコンデンサ20と、サブ基板21とが配置されている。メインコンデンサ20は、後述する電池22からの充電により、ストロボ15に閃光エネルギーを与える。サブ基板21は、後述する電池22からの電力を必要に応じて変圧する。また、ストロボ15の制御を行う。また、グリップ部12の内部のY軸方向正側には、デジタルカメラ1を動作させるため電源としての電池22が配置されている。
さらに、図3Bおよび図3Cに示すように、撮像装置2のY軸方向負側には、メイン基板23が配置されている。メイン基板23には、撮像装置2からの画像信号を処理する画像処理回路や、撮像装置2を制御するための制御回路などが実装されている。また、電池22のY軸方向負側には、メモリーカードスロットに装着されたメモリカード24が配置されている。メモリカード24は、撮像装置2からの画像信号を記録する。
なお、図3Aおよび図3Bに示すように、撮像装置2は、そのZ軸方向幅(Wz)がY軸方向幅(Wy)よりも大きく形成されている。
〔3.撮像装置の構成〕
〔3−1.撮像装置の具体的な構成〕
図4、図5、図6を参照して、デジタルカメラ1に搭載されている撮像装置2の構成について説明を行う。
図4は、撮像装置2の組み立て斜視図である。図5は、撮像装置2の撮像素子側からみた矢視図である。図6は、図4と同じ視点から見た撮像装置2の分解斜視図である。
撮像装置2は、レンズ鏡筒31、モータユニット32、マスターフランジ33とを備えている。レンズ鏡筒31は、光学系を有する。モータユニット32は、レンズ鏡筒31を駆動するズームモータ36を有する。マスターフランジ33は、レンズ鏡筒31を通過した光束を受光する撮像部であるCCD37を有する。
モータユニット32は、例えば、DCモータなどのズームモータ36と、フレキシブルプリント基板(FPC)(図示せず)と、フォトセンサ(図示せず)とを備えている。FPCは、ズームモータ36をメイン基板23(図3参照)に電気的に接続することができる。フォトセンサは、ズームモータ36のモータ回転数の計測を通して、レンズ鏡筒31におけるレンズの原点からの位置を計測することができる。ズームモータ36は、レンズ鏡筒31を駆動し、光学系を広角端と望遠端との間で移動させる。これにより、レンズ鏡筒31が備える光学系は、CCD37における光束の結像倍率を変化させるズームレンズ系として動作する。
マスターフランジ33は、CCD37と、CCD板金38と、FPC39とを備えている。CCD37は、レンズ鏡筒31を通過した光束を受光し、電気的な信号に変換することができる。CCD板金38は、CCD37をレンズ鏡筒31に固定することができる。FPC39は、CCD37をメイン基板23(図3参照)に電気的に接続することができる。
〔4.レンズ鏡筒の構成〕
〔4−1.レンズ鏡筒の具体的な構成〕
図6を参照して、撮像装置2の構成、主に、レンズ鏡筒31の構成について説明する。
レンズ鏡筒31は、1群枠ユニット41と、2群枠ユニット42と、中枠43と、3群枠ユニット44と、4群枠ユニット45とを備えている。1群枠ユニット41は、第1レンズ群G1を保持する。2群枠ユニット42は、第2レンズ群G2を保持する。3群枠ユニット44は、露光調整部材、シャッターおよび第3レンズ群G3を保持する。4群枠ユニット45は、第4レンズ群G4を保持する。1群枠ユニット41と、2群枠ユニット42と、中枠43と、3群枠ユニット44と、4群枠ユニット45とは、中枠43に設けられたフォーカスモータ35、及びマスターフランジ33に設けられたズームモータ36の動作により、中枠43とカム枠46とに設けられたカム溝の協調動作により、変倍、及び合焦動作を行うことができるように構成されている。
〔4−2.像振れ補正装置の構成〕
(4−2−1.像振れ補正装置の全体構成)
まず、図7〜図10を参照して、像振れ補正装置400の全体構成について説明する。図7は、像振れ補正装置400の分解斜視図である。図8は、像振れ補正装置400の保持部材と嵌合部を示す斜視図である。図9は、補正レンズ保持部材の斜視図である。図10は、保持部材と補正レンズ保持部材の位置関係を示すユニット分解斜視図である。図11は、像振れ補正装置の補正レンズ部材を組み込んだ時の分解斜視図である。
図7に示すように、像振れ補正装置400は、補正レンズ保持部材405と、電気基板406と、保持部材408とを備えている。補正レンズ保持部材405は、第3レンズ群G3を保持する。電気基板406は、補正レンズ保持部材405に固定されている。保持部材408は、補正レンズ保持部材405をヨーイング方向(X軸方向)に直線的に移動可能に支持する。また、保持部材408は、補正レンズ保持部材405をピッチング方向(Z軸方向)に直線的に移動可能に支持する。また、保持部材408は、補正レンズ保持部材405を光軸Aに対して平行な軸に回動可能に支持する。
図7に示すように、補正レンズ保持部材405は、光軸Aに直交する面内において移動可能に支持され、かつ光軸A方向の相対移動が規制されている。この規制部分(支持部)は、X軸に直交する面内において、3カ所設けられている。3カ所の位置は、X−Z平面において、3カ所を結んでできる三角形内部に、補正レンズ保持部材405の重心が入るように配している。
具体的には図8および図9に示すように、レンズ保持部材408には、3つの第1支持部483、484、485(図8参照)と補正レンズ保持部材405に設けられた3つの第2支持部486、487、488(図9参照)とを有している。第1支持部483は、X軸方向正側に開いた略U字形状を有している。第1支持部484、485は、Z軸方向に延びる棒状体を有している。一方、第2支持部486、487、488は、第3レンズ群G3の周辺に配置されている。第2支持部486は、Z軸方向に延びる棒状体である。第2支持部487、488は、X軸方向逆側に開いた略U字形状の部分を有している。
図10に示すように、第1支持部483、484、485は、第2支持部486、487、488に対応する位置に配置されている。第1支持部483、484、485と第2支持部486、487、488とは、Y軸方向には隙間が確保されている。第2支持部486は、第1支持部483に摺動可能に嵌め込まれている。第2支持部487は、第1支持部484に摺動可能に嵌め込まれている。第2支持部488は、第1支持部485に摺動可能に嵌め込まれている。
また、第1支持部483、484、485と第2支持部486、487、488との嵌合隙間部には、ちょう度310〜340のグリース(図示せず)を介在させることにより、潤滑している。
さらに、補正レンズ保持部材405は、回転軸A3を有している。一方レンズ保持部材408には、ヨーイング方向(X軸方向)に直線的な摺動溝482を有している。回動軸A3は、その径が摺動溝482の溝幅よりも小さく構成されており、摺動溝482に摺動可能、かつ回転可能に嵌め込まれている。
同様に、回動軸A3と摺動溝482の嵌合隙間部には、ちょう度310〜340のグリース(図示せず)を介在させることにより、潤滑している。
なお、ここで「ピッチング方向」とは、回転軸A3を中心とする円弧に沿った方向(回転方向)を意味しており、「ヨーイング方向」とはX軸方向(直進方向)を意味している。
さらに、図11に示すように、回転方向に駆動するための回転用電磁アクチュエータ412(図7参照)は、ヨーク462fと、固定用マグネット462e(図8参照)と、回転用コイル406bと、対向ヨーク462hとから構成されている。ヨーク462fは、レンズ保持部材408に固定されている。固定用マグネット462eは、ヨーク462fに固定され、Z軸方向に2極着磁されている。回転用コイル406bは、補正レンズ保持部材405に固定されている。回転用コイル406bに通電することにより、ピッチング方向の電磁力Fpが発生する。
一方、直進方向に駆動するための直進用電磁アクチュエータ413(図7参照)は、ヨーク462d(図8参照)と、回転用マグネット462cと、直進用コイル406aと、対向ヨーク462gとから構成されている。ヨーク462dは、保持部材408に固定されている。回転用マグネット462cは、ヨーク462dに固定され、X軸方向に2極着磁されている。直進用コイル406aは、回転用マグネット462cと、補正レンズ保持部材405に固定されている。直進用コイル406aに通電することにより、ヨー方向の電磁力Fyが発生する。
コイル406bのX軸方向正側には、マグネット462eの磁束を検知し、補正レンズ保持部材405のZ軸方向位置を検出するためのホール素子406d(回転用位置検出素子)が配置されている。ホール素子406dは、マグネット462eを回転用電磁アクチュエータ412と共有している。
同様に、コイル406aのZ軸方向正側には、マグネット462cの磁束を検知し、補正レンズ保持部材405のX軸方向位置を検出するためのホール素子406c(直進用位置検出素子)が配置されている。ホール素子406cは、マグネット462cを直進用電磁アクチュエータ413と共有している。
回転用電磁アクチュエータ412は、第3レンズ群G3を直進用電磁アクチュエータ413と反対側に配置されている。言い換えると、第3レンズ群G3は、回転用電磁アクチュエータ412と直進用電磁アクチュエータ413との間の領域に配置されている。なお、各構成部分の平面的な配置の詳細については後述する。
また図10に示すように、補正レンズ保持部材405は、さらに、電気基板406に電圧を供給するためのフレキシブルプリント基板490を有している。フレキシブルプリント基板490は、電気基板406に電気的に接続されている。
〔4−2−2.像振れ補正装置400の各部の位置関係〕
また、像振れ補正装置400は、各部の位置関係についても特徴を有している。図12、及び図13を参照して各部の位置関係について詳細に説明する。図12は、補正レンズ保持部材405および電気基板406のY軸方向正側から見た平面概略図である。図13は、マグネットの使用可能領域およびホール素子の性能保証範囲の説明図である。図12は、光軸Aが第3レンズ群G3の中心Cと一致する状態、すなわち第3レンズ群G3の位置が移動可能な領域の中央付近にある状態を示している。
図12に示すように、光軸Aが第3レンズ群G3の中心Cと一致する状態において、像振れ補正装置400のホール素子406c、406dおよびコイル406bの中心Ppは、回転軸A3および第3レンズ群G3の中心Cを含む平面内に配置されている。すなわち、補正レンズ保持部材405の移動可能な領域内においては、回転軸A3、第3レンズ群G3の中心C、ホール素子406c、406dおよびコイル406bの中心PpがX軸方向に延びる直線L上に配置されている。
ここで、コイル406bの中心Ppとは、コイル406bに通電した時にマグネット462eとの協調動作により発生する荷重の作用中心点を意味している。なお、コイル406aの中心Pyについても、中心Ppと同様である。
補正レンズ保持部材405の移動可能な領域内において、ホール素子406dの検出中心Rpがマグネット462eの分極線Qpと一致する状態が存在する。ホール素子406dの検出中心Rpがマグネット462eの分極線Qpと一致する状態において、マグネット462eの分極線Qpの方向がヨーイング方向(X軸方向)と略一致している。さらに図12に示すように、光軸Aが第3レンズ群G3の中心Cと一致する状態において、ホール素子406dの検出中心Rpがマグネット462eの分極線Qpと略一致している。
また図12に示す状態では、回転軸A3と、第3レンズ群G3の中心Cと、ホール素子406dの検出中心Ryとは、概ね直線L上に配置されている。回転軸A3とホール素子406cの検出中心Ryとを結んだ線分が、ヨーイング方向(X軸方向)と略一致している。
図12に示すように、回転軸A3とコイル406bの中心Ppとの間の距離L1は、回転軸A3と第3レンズ群G3の中心Cとの間の距離L0よりも長い。回転軸A3とホール素子406dの検出中心Rpとの間の距離L2は、回転軸A3とコイル406bの中心Ppとの間の距離L1よりも短い。回転軸A3とホール素子406cの検出中心Ryとの間の距離L3は、回転軸A3とコイル406aの中心Pyとの間の距離L4よりも短い。
一方、図12に示すように、補正レンズ保持部材405の移動可能な領域内において、ホール素子406cの検出中心Ryがマグネット462cの分極線Qyと一致する状態が存在する。光軸Aが第3レンズ群G3の中心Cと一致する状態において、ホール素子406cの検出中心Ryがマグネット462cの分極線Qyと略一致する。
図12に示す状態において、分極線Qpおよび直線Lは電磁アクチュエータ414において発生する電磁力Fpの方向にほぼ直交している。すなわち、図12に示す状態において、電磁力Fpの作用点と回転軸A3とを含む平面は、電磁力Fpの作用する方向とほぼ直交している。
ここで、「ホール素子の検出中心」とは、位置検出の際にホール素子がその1点に配置されていると考えることができる仮想点である。検出中心としては、例えば、ホール素子において検出感度が最大となる点などが挙げられる。一般的には、検出中心はホール素子の検出面の中心点であると想定できる。「マグネットの分極線」とは、N極とS極との間において極性が変化する境界線を意味している。図13Aに示すように、マグネットの磁束密度分布は、分極線を中心とした、磁束密度がほぼ一定の割合で変化する使用可能領域を含んでいる。使用可能領域とは位置検出として使用可能な範囲を意味しており、使用可能領域内であれば、ホール素子の測定値が測定位置に応じてほぼリニアに変化し、正確な位置検出が可能となる。
例えば図13Bに示すように、マグネットの使用可能領域内であれば、ホール素子とマグネットとの相対位置(測定位置)が変化すると、ホール素子の測定値(出力)が相対位置の変化に応じてほぼリニアに変化する。このため、ホール素子の出力に基づいてホール素子のマグネットに対する正確な相対位置を求めることが可能となる。すなわち、マグネットの使用可能領域が位置検出の性能保証範囲に対応している。ホール素子の可動範囲がこの性能保証範囲内であれば、ホール素子は像振れ補正のための位置検出素子として使用に耐え得る。
像振れ補正装置400の場合、直進用マグネット462cのヨーイング方向(X軸方向)の磁束密度分布は、分極線Qyを中心とした使用可能領域を含んでいる。回転用マグネット462eのピッチング方向(Z軸方向)の磁束密度分布は、分極線Qyを中心とした使用可能領域を含んでいる。ホール素子406cの検出中心Ryの可動範囲は、マグネット462cの使用可能領域内に設定されている。ホール素子406dの検出中心Ryの可動範囲は、マグネット462eの使用可能領域内に設定されている。
〔4−2−3.像振れ補正装置400の組立方法〕
さらに、像振れ補正装置400は組立方法についても特徴を有している。図10、図11、図14A、図14B、および図14C参照して像振れ補正装置400の組立方法について説明する。図14A、図14B、および図14Cは、第1支持部および第2支持部の嵌め込み状態の模式図である。
図10に示すように、まずレンズ保持部材408のY軸方向正側の面に、補正レンズ保持部材405が嵌め込まれる。このとき、図14A、図14Bに示すように、補正レンズ保持部材405の第1支持部487、488がレンズ保持部材408の第2支持部484、484周辺の空間に挿入され、第2支持部483が第1支持部486周辺の空間に挿入される。
次に、図10に示すように、レンズ保持部材408に対して補正レンズ保持部材405をX軸方向負側にスライドさせる。これにより、図14Cに示すように、第2支持部484、485のシャフト部が略U字形状の第1支持部487、488に挿入され、第1支持部486のシャフト部が略U字形状の第2支持部483に挿入される。
このとき、同時に、補正レンズ保持部材405の軸A3は、レンズ保持部材408の摺動溝482に挿入される。
また、図8に示すようにレンズ保持部材408には、補正レンズ保持部材405のX−Z平面上のピッチング方向、およびヨーイング方向の移動量を規制するためのシャフトA4を圧入するためのボス部408aが設けられている。一方、図9、図10、図11、および図12に示すように、補正レンズ保持部材405には、ボス部408aと対向する位置に穴部405aが設けられている。この穴部405aは、シャフトA4と協調することによって補正レンズ保持部材405のピッチング方向、ヨーイング方向の移動量を規制することができる形状になっている。
したがって、補正レンズ保持部材405をレンズ保持部材408に装着した後、Y軸方向正側から移動量規制シャフトA4を補正レンズ保持部材405の穴部405aを通して、レンズ保持部材408aのボス部408aに圧入、または接着固定する。
以上のように、第1支持部486、487、488および第2支持部483、484、485により補正レンズ保持部材405とレンズ保持部材408とが嵌合されて、補正レンズ保持部材405のY方向の移動を規制すると共に、X−Z平面上において、回転軸A3を中心に回転可能、かつX方向に直進可能なように構成している。つまり、従来の像振れ補正装置のように、例えば、ヨーイングシャフト、ピッチングシャフトの両端を保持枠に対して接着固定する必要がない。
〔5.作用効果〕
以上に述べた像振れ補正装置400の作用効果は以下の通りである。
(1).この像振れ補正装置400では、レンズ保持部材408に対して回転軸A3を中心に補正レンズ保持部材405がピッチング方向(回転方向)に駆動される。また、レンズ保持部材408に設けられた、摺動溝482の溝方向に回転軸A3がヨーイング方向(直進方向に)駆動される。このため、ピッチング方向、ヨーイング方向の案内用のシャフトが不要となる。これにより、ピッチング方向に垂直なZ軸方向の寸法の小型化を実現することができる。
(2).この像振れ補正装置400では、ホール素子406dの検出中心Rpがマグネット462eの分極線Qpと一致する状態において、マグネット462eの分極線Qpの方向がヨーイング方向(直進方向)と略一致している。このため、補正レンズ保持部材405がヨーイング方向に駆動される際に、ホール素子406dの検出中心Rpとマグネット462eの分極線Qpとのヨーイング方向(直進方向)の位置ずれが抑制される。この結果、マグネット462eの使用可能領域内にホール素子406dの検出中心Rpの可動範囲が収まりやすくなる。これにより、ピッチング方向への動作に伴うヨーイング方向の位置検出精度の低下を防止できる。
ここで、「マグネット462eの分極線Qpの方向がヨーイング方向(X軸方向)と略一致する」場合には、分極線Qpとヨーイング方向とが完全に一致する場合の他に、マグネット462eの使用可能領域内にホール素子406dの検出中心Rpの可動範囲が収まっている状態で、分極線Qpとヨーイング方向とがずれている場合も含まれる。
(3).この像振れ補正装置400では、第3レンズ群G3の中心Cが光軸Aと一致する状態において、ホール素子406dの検出中心Rpがマグネット462eの分極線Qpと略一致している。このため、第3レンズ群G3の中心Cが光軸Aと一致する状態で、ホール素子406dの検出中心Rpの範囲がマグネット462eの使用可能領域内に収まりやすくなる。これにより、ヨーイング方向の位置検出精度の低下を防止できる。
ここで、「ホール素子406dの検出中心Rpがマグネット462eの分極線Qpと略一致する」場合には、検出中心Rpと分極線Qpとが完全に一致する場合の他に、マグネット462eの使用可能領域内にホール素子406dの検出中心Rpの可動範囲が収まっている状態で、検出中心Rpと分極線Qpとがずれている場合も含まれる。
(4).この像振れ補正装置400では、回転軸A3と、第3レンズ群G3の中心Cと、ホール素子406dの検出中心Rpとは、概ね直線L上に配置されている。このため、補正レンズ保持部材405がヨーイング方向に駆動される際に、ホール素子406dの検出中心Rpとマグネット462eの分極線Qpとの位置ずれが抑制される。この結果、マグネット462eの使用可能領域内にホール素子406dの検出中心Rpの可動範囲が収まりやすくなる。これにより、ヨーイング方向の位置検出精度の低下を防止できる。
ここで、「回転軸A3と、第3レンズ群G3の中心Cと、ホール素子406dの検出中心Rpと、が概ね一直線L上に配置される」には、回転軸A3、光軸中心および検出中心Rpが一直線上に配置されている場合の他に、マグネット462eの使用可能領域内にホール素子406dの検出中心Rpの可動範囲が収まっている状態で、回転軸A3、光軸中心および検出中心Rpがずれている場合も含まれる。
(5).この像振れ補正装置400では、回転軸A3とホール素子406cの検出中心Ryとを結んだ線分がヨーイング方向(X軸方向)と略一致している。このため、光軸Aが第3レンズ群G3の中心Cと一致する状態で、ホール素子406cの検出中心Ryの可動範囲がマグネット462eの使用可能領域内に収まりやすくなる。これにより、ピッチング方向の位置検出精度の低下を防止できる。ここで、「回転軸A3とホール素子406cの検出中心Ryとを結んだ線分がヨーイング方向と略一致する」場合には、この線分とヨーイング方向とが完全に一致する場合の他に、ホール素子406cの検出中心Ryの可動範囲がマグネット462eの使用可能領域内に収まっている状態で、この線分とヨーイング方向とがずれている場合も含まれる。
(6).この像振れ補正装置400では、光軸Aが第3レンズ群G3の中心Cと一致する状態において、ホール素子406cの検出中心Ryがマグネット462cの分極線Qyと略一致する。このため、補正レンズ保持部材405がピッチング方向に駆動される際に、ホール素子406cの検出中心Ryとマグネット462cの分極線Qyとの位置ずれが抑制される。この結果、ホール素子406cの検出中心Ryの可動範囲がマグネット462cの使用可能領域内に収まりやすくなる。これにより、ピッチング方向の位置検出精度の低下を防止できる。
ここで、「ホール素子406cの検出中心Ryがマグネット462cの分極線Qyと略一致する」場合には、検出中心Ryと分極線Qyとが完全に一致する場合の他に、ホール素子406cの検出中心Ryの可動範囲がマグネット462eの使用可能領域内に収まっている状態で、検出中心Ryと分極線Qyとがずれている場合も含まれる。
(7).この像振れ補正装置400では、回転軸A3とコイル406bの中心Ppとの間の距離L1は、回転軸A3と第3レンズ群G3の中心Cとの間の距離L0よりも長い。このため、像振れ補正装置400のヨーイング方向への可動部分(ピッチング移動枠405およびヨーイング移動枠408などにより構成される部分)の重心位置は、Y軸方向から見た場合は第3レンズ群G3の中心C付近となる。
例えば、可動部分の自重W〔N〕がZ軸方向負側に作用している場合、像振れ補正装置400の可動部分の重心位置を第3レンズ群G3の中心C付近であると仮定する。回転軸A3から自重Wの作用点までの距離をL〔m〕、回転軸A3からコイル406bの中心Ppまでの距離をL1〔m〕とすると、自重Wを支持するために回転用電磁アクチュエータ414において必要な電磁力Fp〔N〕は、モーメントの釣り合いより以下のようになる。
Fp×L1=W×L
図12に示すように、L<L1であるためFp<Wという関係が成立する。すなわち、実際の重量を支持する力よりも小さい駆動力により、ピッチング方向への駆動が可能となる。
以上に述べた構成により、従来の像振れ補正装置に比べて回転用電磁アクチュエータ414において必要とされる電磁力Fpを小さくすることができる。これにより、回転用電磁アクチュエータ414の小型化を実現できるとともに、像振れ補正装置400の消費電力を低減させることができる。
特に、本実施例で説明しているように、ヨーイング方向の補正に直進用電磁アクチュエータ、ピッチング方向に回転用電磁アクチュエータを使用した場合、この像振れ補正装置400を用いたカメラ装置において、低消費電力の効果を著しくあげることが可能となる。
(8).この像振れ補正装置400では、回転軸A3とホール素子406dの検出中心Rpとの間の距離L2は、回転軸A3とコイル406bの中心Ppとの間の距離L1よりも短い。このため、ホール素子406dのピッチング方向の可動範囲が小さくなり、この結果、ホール素子406dの検出中心Rpの可動範囲をマグネット462eの使用可能領域内に収めることができる。これにより、ピッチング方向の位置検出精度の低下を防止できる。
(9).この像振れ補正装置400では、回転軸A3に対して、X軸方向負側に直進用電磁アクチュエータ413、第3レンズ群G3、回転用電磁アクチュエータ412の順に配置されている。ここで補正レンズの移動量をαとすると回転による直進用位置検出素子であるところのホール素子406cの位置検出誤差Ps_1は、
Ps_1=(L0_1−L3_1)×(1−cos(sin−1(α/L0_1))
で表すことができる。一方、第2の実施例で示されるところの各構成要素の配置、すなわち、回転軸A3に対して、X軸方向正側に直進用電磁アクチュエータ413、X軸方向負側に第3レンズ群G3、回転用電磁アクチュエータ412の順に配置した場合、同様にホール素子406cの位置検出誤差Ps_2は、
Ps_2=(L0_2+L3_2)×(1−cos(sin−1(α/L0_1))
で表すことができる。
ここで、補正レンズ保持部材405の大きさをほぼ同じにするため、例えば、各値を以下のように設定する。
α=0.2[mm]
L0_1=15[mm]
L3_1=5[mm]
L0_2=7[mm]
L3_2=5[mm]
とすると、それぞれの配置における位置検出誤差は、
Ps_1=0.001[mm]
Ps_2=0.005[mm]
となる。
このことにより、回転用電磁アクチュエータ412の作用により、補正レンズ保持部材405が回転軸A3に対して回転することによるホール素子406dの検出中心Rpとホール素子406cの検出素子Ryの移動軌跡によりできる円弧が、回転軸A3に対して方向が同じになるので、回転することによって発生する直進方向の位置ずれを小さくすることができる。
したがって、直進方向の位置検出精度の低下を防止できる。
(10).この像振れ補正装置400では、回転軸A3とホール素子406cの検出中心Ryとの間の距離L3は、回転軸A3とコイル406aの中心Pyとの間の距離L4よりも短い。このため、コイル406aのピッチング方向の可動範囲よりも、ホール素子406cのピッチング方向の可動範囲の方が小さくなる。この結果、ホール素子406cの検出中心Ryの可動範囲をマグネット462cの使用可能領域内に収めることができる。これにより、ヨーイング方向の位置検出精度の低下を防止できる。
(11).この像振れ補正装置400では、フレキシブルプリント基板490の可撓部492が第3レンズ群G3の回転軸A3側に配置されている。このため、補正レンズ部材405がピッチング方向に移動した場合の可撓部492の変形量を抑えることができ、フレキシブルプリント基板490の断線を防止できる。
また、可撓部492の変形量が小さくなると、補正レンズ保持部材405をピッチング方向に駆動する際の駆動力が小さくなる。これにより、この像振れ補正装置400では消費電力を低減できる。
(12).この像振れ補正装置400では、回転用電磁アクチュエータ414と直進用電磁アクチュエータ412との間の領域に第3レンズ群G3が配置されている。すなわち、直進用電磁アクチュエータ412および回転用電磁アクチュエータ414が第3レンズ群G3の両側に配置されている。このため、概ね一方向(本実施形態の場合はヨーイング方向としてのX軸方向)に像振れ補正装置400が長くなる。言い換えると、X軸方向に直交するZ軸方向(ピッチング方向)の寸法の短縮が可能となる。
(13).この像振れ補正装置400では、第1支持部486、487、488および第2支持部483、484、485により補正レンズ保持部材405とレンズ保持部材408が嵌合されて、補正レンズ保持部材405のY方向の移動を規制すると共に、X−Z平面上において、回転軸A3を中心に回転可能、かつX方向に直進可能に構成している。
また、第1および第2支持部のうち一方は棒状体であり、他方は略U字形状に形成されている。このような構成とすることにより、簡素な構成で、補正レンズ保持部材405がレンズ保持部材408に対して光軸A方向に移動するのを規制することができる。また、ピッチング方向、ヨーイング方向を一段構成で支持しているので、従来の2段構成の像振れ補正レンズと比較して、補正レンズ保持部材405の光軸Aの垂直方向に対する傾きを小さくすることが可能となる。
本実施例においては、第1および第2支持部のうち一方は棒状体、他方は略U字形状としたが、支持方法はこの形態に限らない。例えば、第1および第2支持部のうち一方は板状の弾性体、他方は円筒、もしくは、球状体のものでもよい。
(14).この像振れ補正装置400では、また、第1支持部483、484、485と第2支持部486、487、488との嵌合隙間部には、ちょう度310〜340のグリース(図示せず)を介在させることにより、潤滑している。
このことにより、補正レンズ保持部材405のX−Z平面上移動を円滑にすることができる。また、第1支持部483、484、485と第2支持部486、487、488との嵌合隙間部におけるY軸方向の振れを抑止するダンピング効果を持たせることが可能となる。
グリースは、一例として、ベースオイルにパーフルオロポリエーテル(PFPE)を使用し、増ちょう剤にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を主成分として、ちょう度を310〜340としたグリースを使用した場合、摩擦抵抗を下げる(消費電力を下げる)ことができる。また、嵌合部にグリースを介在させることにより、各支持部の嵌合部の隙間によって発生するガタに対して、グリースの粘性により、ダンピング効果を発揮することが可能となる。
ここで、図15A〜図15Dは、グリースによるダンピング効果を示している図である。図15A及び図15Bは、ちょう度355〜385のグリースを塗布した場合の像振れ補正装置のオープンループ特性を測定したグラフを示す。図15C及び図15Dは、ちょう度310〜340のグリースを塗布した場合の像振れ補正装置のオープンループ特性を測定したグラフである。図15A及び図15Bに示すように、ちょう度355〜385のグリースを塗布した場合、350Hzのところで共振が発生している。一方、図15C及び図15Dに示すように、ちょう度310〜340のグリースを塗布した場合、この350Hzの共振が無くなっている。このようにグリースのちょう度を調整することにより、ダンピング効果を発揮させることができる。
なお、グリースの種類においては、上述の例に決まるものではない。一例として基油にPFPE、増ちょう剤にPTFEからなるグリースを提示したが、基油にオレフィン系合成油、増ちょう剤にリチウム石けんからなるグリースを使用することができる。
さらに、実施例で示した一例は、摺動部の隙間が約7〜20μmの時のものである。ここで、一般的にちょう度を310より下げたグリースを塗布すると、摺動部分の粘性負荷が上がるので、ダンピング効果を上げることができるが、像振れ補正装置の消費電力が上がることが考えられる。摺動部分の隙間と必要なダンピング特性、消費電力に代表される負荷特性、さらには摺動特性などで、グリースのちょう度を調節しても良い。
また、嵌合隙間部の隙間の大きさと嵌合部の材質とによって、塗布するグリースの最適なちょう度は、変わることもある。
(15).この像振れ補正装置400では、CCD等の撮像素子を固定するレンズ保持部材408に形成されたヨーイング方向(X方向)の摺動溝により、補正レンズ保持部材405のヨーイング方向が決定する。よって、CCD等の撮像素子のX方向と補正レンズ保持部材405によって補正するヨーイング方向のずれを小さくすることができるので、像振れの補正精度を上げることが可能となる。
(16).この像振れ補正装置400の製造方法では、基本的には、接着などの工程無しで、像振れ補正装置400を組み立てることが可能となるので、精度の向上と工程の簡素化が可能となる。また、工程を少なくすることができるので、製造コストを削減することができる。
(17).この像振れ補正装置400の製造方法では、レンズ保持部材408に補正レンズ保持部材405を組み付けた後、シャフトA4をレンズ保持部材408に形成されたボス部408aに圧入、もしくは接着固定することにより、補正レンズ保持部材405のレンズ保持部材408に対する、ピッチング方向、およびヨーイング方向の移動範囲を規制しているので、移動範囲の規制を精度良く行うことが可能となる。
(18).本実施例においては、CCD等の撮像素子に光軸を曲げることなく直線で入射する光学系において説明を行っているが、光学系は屈曲光学系でもよく、その場合は、カメラ装置の薄型化が可能となる。
(19).本実施例においては、直進方向をヨーイング方向、回転方向をピッチング方向の像振れ補正としたが、方向はその逆でも良く、直進方向をピッチング方向、回転方向をヨーイング方向とすることができる。すなわち、補正する方向に対して、アクチュエータの駆動方法、配置を限定するものではない。
(20).本実施例においては、補正レンズ保持部材405にコイル、レンズ保持部材408にマグネットを設けることによって、電磁アクチュエータを構成したが、電磁アクチュエータの構成は、この構成に限るものではない。
例えば、図16に示すように、補正レンズ保持部材405にマグネット、レンズ保持部材408にコイル406a、406bを設けてアクチュエータを構成することができる。
一例として、図16は、アクチュエータの磁気回路を変更した像振れ補正装置の斜視図である。本図において、図7の像振れ補正装置と同一の部品においては、同一の番号を付す。
図16に示すように、像振れ補正装置400は、レンズ保持部材408にコイル406a及びコイル406bが固定されている。コイル406bは、補正レンズ保持部材405が回転軸A3を中心に、通電することにより回転駆動させるものである。コイル406aは、補正レンズ保持部材405をZ軸方向に直進駆動させるものである。さらに、像振れ補正装置400は、回転用マグネット462eと直進用マグネット462cと対向する位置にホール素子などからなる位置検出素子406c、406dが、フレキシブル基板(図示せず)を介して固定されている。
また、第3レンズ群G3を保持する補正レンズ保持部材405には、Z軸方向に2極着磁された回転用マグネット462eとX軸方向に2極着磁された直進用マグネット462cとが固定されている。
さらに、補正レンズ保持部材405は、回転軸A3を有している。一方、レンズ保持部材408には、ピッチング方向(Y軸方向)に直線的な摺動溝482を(図示せず)有している。回動軸A3は、その径が摺動溝482の溝幅よりも小さく形成されており、摺動溝482に摺動可能、かつ回転可能に嵌め込まれている。
図16に示すように、補正レンズ保持部材405は、光軸Aに直交する面内において移動可能に指示され、かつ光軸A方向の相対移動が規制されている。この規制部分(支持部)は、X軸に直交する面内において、3カ所(略U字形状の支持部483,487,488)設けられている。さらに、3カ所の位置は、X−Z平面において、3カ所を結んでできる三角形内部に、補正レンズ保持部材405の重心が入るように配している。
さらに、直径が、略U字形状の支持部483,487,488の開口幅より小さい非磁性の金属シャフト485、486を略U字形状の支持部483,487,488の開講部に摺動可能に嵌め込んだ後、レンズ保持部材408に圧入、接着などの手段によって固定することにより、補正レンズ保持部材405をピッチング方向(Z軸方向)に直線的に移動可能に支持し、かつヨーイング方向(X軸方向)かつ、光軸Aに対して平行な軸に回動可能に支持するように構成されている。
この構成を採用することにより、コイル406a、406bは、レンズ保持部材408(固定部)に固定するので、可撓部を有するフレキシブルプリント基板が必要なくなるので、安価になる。また、フレキシブル基板の可撓部の弾性により補正レンズ保持部材405が一方向に付勢されることがないので、制御性の向上を図ることが可能となる。
さらには、補正レンズ保持部材405の移動によるフレキシブル基板の可撓部に繰り返し負荷が掛かることがないので、フレキシブル基板の断線を防止することが可能となり、信頼性の向上に繋がる。
(21).本実施例においては、アクチュエータとして電磁アクチュエータを用いて説明したが、アクチュエータの構成は、電磁アクチュエータに限るものではなく、圧電素子の振動などを用いたアクチュエータ、ステッピングモータなどのモータなどで構成することができる。
〔6.像振れ補正装置の第2の構成例〕
前述の像振れ補正装置400では、回転軸A3に対して、X軸方向負側に直進用電磁アクチュエータ413、第3レンズ群G3、回転用電磁アクチュエータ412の順に配置されていたが、図17に示すように、回転軸A3に対して、X軸方向正側に直進用電磁アクチュエータ413、X軸方向負側に第3レンズ群G3、回転用電磁アクチュエータ412の順に配置してもよい。
このように配置された像振れ補正装置400では、補正レンズ保持部材405の第3レンズ群G3が固定されている部分は、第3レンズ群G3を保持できる程度の強度が必要とされる。このため、第3レンズ群G3周辺には補正レンズ保持部材405の一部が必ず存在する。本実施形態では、像振れ補正装置400をY軸方向から見た場合に、補正レンズ保持部材405に第3レンズ群G3が取り囲まれている。直進用電磁アクチュエータ412と第3レンズ群G3との間の領域に回転軸A3が配置されている。このため、第3レンズ群G3周辺のスペースを有効利用することができ、装置の小型化を図ることができる。特に、X軸方向の寸法の短縮が可能となる。
このように、回転による直進方向の位置検出誤差を少なくするためには、第一の構成を有する像振れ補正装置をカメラ装置に搭載することが好ましい。また、長尺方向に小型な像振れ補正装置が必要な場合は、第二の構成を有する像振れ補正装置をカメラ装置に搭載することが好ましい。すなわち、カメラ装置に求められるスペックによって、回転軸A3、直進用電磁アクチュエータ413、第3レンズ群G3、回転用電磁アクチュエータ412の配置を採用すれば良い。
本発明にかかる像振れ補正装置およびカメラは、小型化および像振れ補正性能が要求されるカメラに関する分野において有用である。

Claims (23)

  1. カメラの動きに起因する画像の振れの補正を行うための像振れ補正装置であって、
    前記カメラの光学系に含まれる補正レンズが固定され、前記補正レンズに入射する光の光軸と略平行な回転軸を備える補正レンズ保持部材と、
    前記補正レンズに入射する光の光軸に直交する面内における任意の方向である直進方向に前記回転軸を直進移動可能にするとともに、前記面内において前記回転軸を中心に回転移動可能にするように、前記補正レンズ保持部材を保持する保持部材と、
    前記直進方向へ前記補正レンズ保持部材を駆動するために、前記補正レンズ保持部材に対して駆動力を付与する直進用駆動部と、
    前記回転方向へ前記補正レンズ保持部材を駆動するために、前記補正レンズ保持部材に対して駆動力を付与する回転用駆動部とを備えた、像振れ補正装置。
  2. 前記保持部材は、前記面内において前記直進方向に形成された溝を備え、
    前記回転軸は、前記溝に沿って移動可能に前記溝と係合する、請求項1記載の像振れ補正装置。
  3. 前記回転方向における前記補正レンズ保持部材の位置を検出する回転用位置検出素子を備え、
    前記回転用駆動部は、回転用マグネットを有しており、
    前記回転用マグネットの前記回転方向の磁束密度分布は、磁束密度がほぼ一定の割合で変化する回転用使用可能領域を含んでおり、
    前記光軸に沿った方向から見た場合、前記補正レンズ保持部材の移動可動な領域内において、前記回転用位置検出素子の検出中心が前記回転方向における前記回転用使用可能領域の中心線と一致する状態が存在し、
    前記回転用位置検出素子、もしくは前記回転用マグネットのいずれか一方を前記補正レンズ保持部材と一体的に構成した、請求項1または2に記載の像振れ補正装置。
  4. 前記光軸に沿った方向から見た場合に、前記回転用位置検出素子の検出中心が前記回転方向における前記回転用使用可能領域の中心線と一致する状態において、前記回転方向における前記回転用使用可能領域の中心線の方向が前記直進方向と略一致する、請求項3に記載の像振れ補正装置。
  5. 前記光軸に沿った方向から見た場合に、前記補正レンズに入射する光の光軸が補正レンズの中心と一致する状態において、前記回転用位置検出素子の検出中心が前記回転方向における前記回転用使用可能領域の中心線と略一致する、請求項3から4に記載の像振れ補正装置。
  6. 前記光軸に沿った方向から見た場合に、前記回転軸と、前記補正レンズの中心と、前記回転用位置検出素子の検出中心とが略一直線上に配置されている、請求項1から5のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  7. 前記直進方向における前記補正レンズ保持部材の位置を検出する直進用位置検出素子をさらに備え、
    前記光軸に沿った方向から見た場合、前記回転軸と前記直進用位置検出素子の検出中心とを結んだ線分が前記直進方向と略一致する、請求項1から6のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  8. 前記直進方向における前記補正レンズ保持部材の位置を検出する直進用位置検出素子を備え、
    前記直進用駆動部は、直進用マグネットを有しており、
    前記直進用マグネットの前記直進方向の磁束密度分布は、磁束密度がほぼ一定の割合で変化する直進用使用可能領域を含んでおり、
    前記光軸に沿った方向から見た場合、前記補正レンズ保持部材の移動可能な領域内において、前記直進用位置検出素子の検出中心が前記直進方向における前記直進用使用可能領域の中心線と一致する状態が存在する、請求項1から6のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  9. 前記光軸に沿った方向から見た場合に、前記補正レンズに入射する光の光軸が前記補正レンズの中心と一致する状態において、前記直進用位置検出素子の検出中心が前記直進方向における前記直進用使用可能領域の中心線と略一致する、請求項8に記載の像振れ補正装置。
  10. 前記回転用駆動部は、回転用マグネットと、前記回転用マグネットに対向して配置された回転用コイルとを有しており、
    前記光軸に沿った方向から見た場合に、前記回転軸と前記回転用コイルの中心との間の距離は、前記回転軸と前記補正レンズの中心との間の距離よりも長い、請求項1から9のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  11. 前記回転用駆動部は、回転用マグネットと、前記回転用マグネットに対向して配置された回転用コイルと、を有しており、
    前記光軸に沿った方向から見た場合に、前記回転軸と前記回転用位置検出素子の検出中心との間の距離は、前記回転軸と前記回転用コイルの中心との間の距離よりも短い、請求項1から9のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  12. 前記直進用駆動部と前記補正レンズとの間の領域に前記回転軸が配置されている、請求項1から11のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  13. 前記回転軸と前記補正レンズとの間の領域に前記直進用位置検出素子が配置されている、請求項1から11のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  14. 前記直進方向における前記補正レンズ保持部材の位置を検出する直進用位置検出素子をさらに備え、
    前記直進用駆動部は、直進用マグネットと、前記直進用マグネットに対向して配置された直進用コイルと、を有しており、
    前記回転軸と前記直進用位置検出素子の検出中心との間の距離は、前記回転軸と前記直進用コイルの中心との間の距離よりも短い、請求項1から13のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  15. 前記直動用、及び回転用駆動部に電圧を供給するために、前記直動用、及び回転用駆動部に電気的に接続されたフレキシブルプリント基板をさらに備え、
    前記フレキシブルプリント基板は、前記レンズ保持部材に固定される固定部と、前記固定部を連結し、たわみ可能な可撓部とを有しており、
    前記可撓部は、前記補正レンズの前記回転軸側に配置されている、請求項1から14のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  16. 前記回転用駆動部と前記直進用駆動部との間の領域に前記補正レンズが配置されている、請求項1から15のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  17. 前記保持部材は、
    前記補正レンズ保持部材を前記光軸に直交する面内に自在に移動可能に保持するとともに、前記光軸に沿った方向の両側に移動するのを規制する、少なくとも3つの支持部を備えた、請求項1から16のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  18. 前記補正レンズ保持部材の重心が、前記支持部を結んで形成される図形の内側にある、請求項17記載の像振れ補正装置。
  19. 前記補正レンズ保持部材の重心と前記支持部を結んで形成される図形の重心と略一致する、請求項18記載の像振れ補正装置。
  20. 前記少なくとも3組の支持部のそれぞれは、前記補正レンズ保持部材に形成された第1支持部と、前記レンズ保持部材に形成され、前記第1支持部に対して前記回転軸に直交する方向から嵌め込み可能な第2支持部と、を有しており、
    前記第1および第2支持部のうち一方は、棒状体であり、
    前記第1および第2支持部のうち他方は、前記棒状体に所定の隙間を持って嵌め込まれる略U字体であり、
    該嵌合隙間部にちょう度310〜340のグリースを介在させた、請求項17から19のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  21. 像振れ補正を行うために光学系に含まれる補正レンズを保持する補正レンズ保持部材を前記レンズ保持部材に組み込んだ後に、前記補正レンズ保持部材、またはレンズ保持部材のいずれか一方に補正レンズ保持部材の可動範囲を規制するための可動範囲規制部材を組み込んだ、請求項1から20のいずれかに記載の像振れ補正装置。
  22. 当該カメラの動きに起因する画像の振れの補正を行う前記像振れ補正手段と、
    前記レンズ群を通過した光を受光する撮像部とを備えたカメラであって、
    前記像振れ補正手段は、
    前記レンズ群に含まれる補正レンズが固定され、前記補正レンズに入射する光の光軸と略平行な回転軸を備える補正レンズ保持部材と、
    前記補正レンズに入射する光の光軸に直交する面内における任意の方向である直進方向に前記回転軸を直進移動可能にするとともに、前記面内において前記回転軸を中心に回転移動可能にするように、前記補正レンズ保持部材を保持する保持部材と、
    前記直進方向へ前記補正レンズ保持部材を駆動するために、前記補正レンズ保持部材に対して駆動力を付与する直進用駆動部と、
    前記回転方向へ前記補正レンズ保持部材を駆動するために、前記補正レンズ保持部材に対して駆動力を付与する回転用駆動部とを備えた、カメラ。
  23. 前記像振れ補正装置のレンズ保持部材における直進移動方向を重力方向に対して略垂直方向とした、請求項22記載のカメラ。
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