JPWO2008153124A1 - 半導体装置及びその駆動方法 - Google Patents

半導体装置及びその駆動方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2008153124A1
JPWO2008153124A1 JP2009519315A JP2009519315A JPWO2008153124A1 JP WO2008153124 A1 JPWO2008153124 A1 JP WO2008153124A1 JP 2009519315 A JP2009519315 A JP 2009519315A JP 2009519315 A JP2009519315 A JP 2009519315A JP WO2008153124 A1 JPWO2008153124 A1 JP WO2008153124A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
semiconductor device
voltage value
electrode
state
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009519315A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5201138B2 (ja
Inventor
潤 砂村
潤 砂村
仁彦 伊藤
仁彦 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2009519315A priority Critical patent/JP5201138B2/ja
Publication of JPWO2008153124A1 publication Critical patent/JPWO2008153124A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5201138B2 publication Critical patent/JP5201138B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11CSTATIC STORES
    • G11C13/00Digital stores characterised by the use of storage elements not covered by groups G11C11/00, G11C23/00, or G11C25/00

Landscapes

  • Semiconductor Memories (AREA)
  • Dram (AREA)

Abstract

従来の抵抗変化素子ReRAMの動作上の問題点、即ち、所定電圧の信号を所定期間連続して印加して抵抗変化素子のセット・リセット動作を行った場合のセット・リセット動作の不安定性を解決し、安定で確実、かつ高速なセット・リセット動作が可能な半導体装置及びその駆動方法を提供する。電圧の印加に応じて、第一の状態と、該第一の状態よりも抵抗率の低い第二の状態と、に変化する可変抵抗体に対して、該第一の状態に対応する第一の電圧値と、該第一の電圧値の絶対値よりも絶対値の小さな第二の電圧値とを交互に推移する波形を印加する。

Description

[関連出願の記載]
本発明は、日本国特許出願:特願2007−158938号(2007年6月15日出願)の優先権主張に基づくものであり、同出願の全記載内容は引用をもって本書に組み込み記載されているものとする。
本発明は、抵抗変化素子を有する半導体装置及びその駆動方法に関する。
近年、書き換え可能な半導体記憶装置として不揮発性メモリの需要が増加している。不揮発性メモリの代表例であるフラッシュメモリにおいては、フローティングゲートを用いたものが主流であるが、トンネルゲート酸化膜の薄層化が困難であるとされており、微細化限界に近づきつつあるとされている。一方、フラッシュメモリの微細化限界を打破する不揮発性メモリとして抵抗変化型素子を用いるメモリが提案されている。これらは従来の不揮発性メモリとしてはもちろんのこと、高速に動作する汎用メモリとしても期待されている。抵抗変化型素子を用いたメモリには、マグネティックRAM(MRAM)、相変化型RAM(PRAM)、レジスティブRAM(ReRAM)、プログラマブル・メタライゼーション・セル(PMC)などがある。これらには、それぞれ固有の書き換え条件、抵抗変化率、書き換え回数が存在するが、低抵抗状態と高抵抗状態の間の抵抗比で定義される抵抗変化率が高いものはReRAMおよびPMCであり、より高い読み出しマージンが期待できる。
PRAMやReRAM、PMCなどの抵抗変化素子では、低抵抗状態へのスイッチングはセット動作、高抵抗状態へのスイッチングはリセット動作と呼ばれることが多い。本明細書でも、低抵抗状態へのスイッチングをセット動作、高抵抗状態へのスイッチングをリセット動作と定義する。PMCでは、セット・リセット動作の際にイオン伝導および電気化学反応を用いるため、セット動作とリセット動作で異なる極性の電圧を抵抗変化素子に印加する。一方、ReRAMのセット・リセット動作では、PMCと同様にセット・リセット動作に異なる極性の電圧を用いる場合と同一極性(または単極性)の電圧印加によって行う例が報告されている。
例えば、特許文献1に述べられている、ペロブスカイト系の材料を用いたReRAMでは、セット・リセット動作に異なる極性の電圧パルスを抵抗変化素子に印加することによりセット・リセット動作の繰り返しが可能になっている。一方で、例えば、特許文献2および特許文献3に述べられている遷移金属酸化物を用いたReRAMでは、セット・リセット動作に単極性の電圧を用いている。単極性の電圧掃引または電圧パルス印加によりセット・リセット動作が可能なため、負電圧発生回路が不要であり、メモリ回路における周辺回路を小さくし、セル占有面積を大きく取ることが可能となっている。
特許文献2および特許文献3に述べられている遷移金属酸化物を用いた抵抗変化素子ReRAMを有する半導体記憶装置を図12に示す。 図12に示す半導体記憶装置100は、次の構成からなっている。半導体であるシリコン基板110上に、ソースおよびドレイン電極となる不純物拡散層(ソース)111および不純物拡散層(ドレイン)112が形成され、シリコン基板110上にはシリコン酸化膜に代表されるゲート絶縁膜113が形成され、ゲート絶縁膜113上にはポリシリコンに代表されるゲート電極114が形成されて、いわゆるMOS型のトランジスタ構造101が形成されている。さらに、2つの電極115および116、および可変抵抗体117からなる抵抗変化素子102の片方の電極115は、MOS型のトランジスタ構造101の不純物拡散層(ドレイン)112に接続され、抵抗変化素子102のもう片方の電極116は上部の配線118に接続している。
米国特許第6204139号明細書 特開2004−363604号公報 特開2006−279042号公報 Hosoi et al.、インターナショナル・エレクトロン・デバイス・ミーティング、2006年、論文番号30−7(後述)
以上の特許文献1〜3及び非特許文献1の開示事項は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとする。以下に本発明による関連技術の分析を与える。
図12に示す従来の半導体装置の一通りの動作について考察する。図12に示す半導体記憶装置100において、単極性の電圧を用いた抵抗変化素子102のスイッチング動作を図13に示す。ここでは、抵抗変化素子102の2つの電極115と116の間に印加される電圧をVswと表記する。半導体記憶装置100において、抵抗変化素子102に所望の電圧Vswを印加するためには、不純物拡散層(ソース)111と上部の配線118の間にVswより高い電圧を印加し、ゲート電極114にトランジスタ構造101がオン状態になる閾値電圧以上の電圧を印加する。抵抗変化素子102に印加した電圧Vswの変化に対して抵抗変化素子102を流れる電流の関係は、例えば図13に示す関係となる。抵抗変化素子102が低抵抗状態すなわちセット状態の場合、印加電圧Vswに対して図13中の電圧−電流特性A121に従った振る舞いを示す。即ち、Vswが低い領域では低抵抗状態のため、電流が多く流れるが、ある電圧Vを超えると、電流値が急激に減少する。これは、抵抗変化素子102が高抵抗状態すなわちリセット状態へとスイッチングした結果である。さらにVswを増加していきある電圧Vを超えると、電流値が急激に増加する。これは、抵抗変化素子102が再度セット状態へとスイッチングした結果である。一方で、抵抗変化素子102が高抵抗状態すなわちリセット状態の場合、印加電圧Vswに対して図13中の電圧−電流特性B122に従った振る舞いを示す。即ち、Vswが低い領域では高抵抗状態のため、電流が流れにくいが、電圧Vを超えても高抵抗状態は変化しない。さらにVswを増加していき、電圧Vを超えると、電流値が急激に増加する。
図13より、Vsw<Vの領域では高抵抗状態および低抵抗状態のいずれも安定であるが、高抵抗状態が安定なのはV<Vsw<Vの領域で、低抵抗状態が安定なのはVsw>Vの領域であることが分かる。特許文献2では、以上の事実を利用して、リセット動作はV<Vsw<Vの条件で行い、セット動作はVsw>Vの条件で行うと良いとしている。一方で、特許文献3では、セット動作をVsw>Vの条件で電圧パルスを1nsないし100ns印加することにより行い、リセット動作はV<Vsw<Vの条件で、電圧パルスを1μsないし100μs印加することにより行うのが良いとしている。
ところが、本発明者らが従来の半導体装置について検討を重ねていくと、いくつかの難点に直面した。以下、その中でも重要と考えられる以下の点について、さらに考察する。
特許文献2に示された上述の従来例の構造を試作検討してみると、消去状態に不安定性があることが判明した。単極性動作を行うReRAMのセットおよびリセット動作においては同符号でそれぞれ振幅の異なる電圧を抵抗変化素子の両端に印加するが、リセット動作においてリセット中にセット動作が同時に起こってしまうという問題が明らかになってきた。言い換えると、特許文献2で述べられている「リセット電圧」というのは、リセット状態になりやすい電圧であってセット動作も起こりうるものであり、また一方で、「セット電圧」もセット状態になりやすい電圧であってリセット動作も起こりうることが判明した。この現象は、特許文献3に記してあるパルス幅のパルス印加でも起こってしまっていた。このため、リセット動作後に抵抗値を読み出すベリファイ動作が必要となり、リセット状態を確実に実現するまでに長い時間がかかってしまい、回路動作としての遅延が発生するという問題が発生した。また、十分な高抵抗状態にするためには、大きな電流を流す必要があるという事実も判明し、半導体装置の低消費電力化という観点から不利になることが分かってきた。
この問題に対する解決方法として、セット・リセット動作のいずれかの場合に回路を切り替えて固定抵抗を挿入し素子に印加される電圧を抑制する手法が非特許文献1に提案されている。これによりセット時に起こるリセット動作が抑えられ、セット動作が確実に行えるとされている。また、この手法は、リセット動作の安定化に用いることが可能である。
しかしながら、この提案では、セット・リセット動作のいずれかの場合に電源と抵抗変化素子の間に固定抵抗を挿入するが、リセット時間にバラツキがあり、リセット動作中にリセットが完了してさらにリセット電圧が印加され続ける場合に、結局セット動作が抑制されないことが判明した。この状況は例えば、抵抗変化素子のセット抵抗値にバラツキがある場合などに起こりうる。すなわち、リセット動作が安定な場合と不安定な場合が発生する問題が生じてしまった。また、抵抗変化素子のウェハ内特性バラツキがあると挿入する固定抵抗の抵抗値を調整しなくてはならず、安定した回路動作を行うことができなかった。以上のことから、より安定で確実なリセット動作が行える駆動方法が必要であることが判明した。
本発明は、以上のように従来の抵抗変化素子ReRAMを有する半導体装置を試作・検討した上で明らかとなった問題点に対応することを出発点とする。即ち、本発明は抵抗変化素子において、所定電圧の信号を所定期間連続して印加して抵抗変化素子のセット・リセット動作を行った場合のセット・リセット動作の不安定性を解決し、安定で確実、かつ高速なセット・リセット動作が可能な半導体装置及びその駆動方法を提供することを課題とする。
本発明の第1の視点において、電圧の印加に応じて、第一の状態と、該第一の状態よりも抵抗率の低い第二の状態と、に変化する可変抵抗体に対して、該第一の状態に対応する第一の電圧値と、該第一の電圧値の絶対値よりも絶対値の小さな第二の電圧値とを交互に推移する波形を印加する半導体装置の駆動方法が提供される。または、第一の電極と、第二の電極と、該第一の電極と該第二の電極との間に挟持されてなる可変抵抗体を含む層と、該第一の電極、該第二の電極のいずれか又は両方と電気的に接続された電圧発生部と、を備え、該第一の電極と、該第二の電極との間の電気抵抗は、該電圧発生部から印加した電圧に応じて、第一の状態と、前記第一の状態よりも抵抗の低い第二の状態と、に変化するものであり、該電圧発生部により、該第一の電極と該第二の電極との間に、該第一の状態に対応する第一の電圧値と、該第一の電圧値の絶対値よりも絶対値の小さな第二の電圧値とを交互に推移する波形を印加する半導体装置の駆動方法が提供される。
上記第1の視点において、上記可変抵抗体に対して、上記第一の電圧値を振幅とする電圧パルス内に、上記第一の電圧値と、上記第二の電圧値と、を交互に複数回推移するステップを有する波形を印加してもよい。
さらに、本発明の第2の視点において、電圧の印加に応じて、第一の状態と、該第一の状態よりも抵抗率の低い第二の状態と、に変化する可変抵抗体に対して、該第二の状態に対応する第三の電圧値と、該第三の電圧値の絶対値よりも絶対値の小さな第四の電圧値とを交互に推移する波形を印加する半導体装置の駆動方法が提供される。または、第一の電極と、第二の電極と、該第一の電極と該第二の電極との間に挟持されてなる可変抵抗体を含む層と、該第一の電極、該第二の電極のいずれか又は両方と電気的に接続された電圧発生部と、を備え、該第一の電極と、該第二の電極との間の電気抵抗は、該電圧発生部から印加した電圧に応じて、第一の状態と、前記第一の状態よりも抵抗の低い第二の状態と、に変化するものであり、該電圧発生部により、該第一の電極と該第二の電極との間に、該第二の状態に対応する第三の電圧値と、該第一の電圧値の絶対値よりも絶対値の小さな第四の電圧値とを交互に推移する波形を印加する半導体装置の駆動方法が提供される。
上記第2の視点において、上記可変抵抗体に対して、上記第三の電圧値を振幅とする電圧パルス内に、上記第三の電圧値と、上記第四の電圧値と、を交互に複数回推移するステップを有する波形を印加してもよい。
また、本発明の第3の視点において、マトリクス状に配列された抵抗変化素子と、電圧発生部と、を含む半導体記憶装置であって、該抵抗変化素子は、可変抵抗体が、第一の電極と、第二の電極と、に接続されてなり、該可変抵抗体は、電圧の印加に応じて、第一の状態と、該第一の状態よりも抵抗率の低い第二の状態と、に変化するものであり、該電圧発生部は、該第一の電極、該第二の電極のいずれか又は両方と電気的に接続され、該電圧発生部は、該第一の状態に対応する第一の電圧値と、該第一の電圧値よりも絶対値の小さな第二の電圧値とを交互に推移する波形の電圧を発生する半導体装置が提供される。
上記第3の視点において、上記電圧発生部は、上記第一の電圧値を振幅とする電圧パルス内に、上記第一の電圧値と、上記第二の電圧値と、を交互に複数回推移するステップを有する波形の電圧を発生するものであってもよい。
また、本発明の第4の視点において、マトリクス状に配列された抵抗変化素子と、電圧発生部と、を含む半導体記憶装置であって、該抵抗変化素子は、可変抵抗体が、第一の電極と、第二の電極と、に接続されてなり、該可変抵抗体は、電圧の印加に応じて、第一の状態と、該第一の状態よりも抵抗率の低い第二の状態と、に変化するものであり、該電圧発生部は、該第一の電極、該第二の電極のいずれか又は両方と電気的に接続され、該電圧発生部は、該第二の状態に対応する第三の電圧値と、該第三の電圧値よりも絶対値の小さな第四の電圧値とを交互に推移する波形の電圧を発生する半導体装置が提供される。
上記第4の視点において、上記電圧発生部は、上記第三の電圧値を振幅とする電圧パルス内に、上記第三の電圧値と、上記第四の電圧値と、を交互に複数回推移するステップを有する波形の電圧を発生するものであってもよい。
本発明の半導体装置及びその駆動方法によれば、可変抵抗体に対するセット・リセット動作についての従来の問題点であったセット・リセット動作の不安定性を解決して、安定で確実、かつ高速なセット・リセット動作とすることができる。
従来の半導体装置の駆動方法による、抵抗変化素子への印加電圧とスイッチング時間との関係を示す模式図である。 本発明の半導体装置及びその駆動方法を示す模式図である。 本発明の半導体装置の駆動方法に用いるその他の入力波形を示す模式図である。 本発明の半導体装置の駆動方法の効果を示す模式図である。 本発明の半導体装置の駆動方法の効果を示す模式図である。 本発明の実施例1の半導体装置の駆動方法の一例としての波形の模式図である。 本発明の実施例1の半導体装置の駆動方法による、累積電圧印加時間と抵抗値との関係を示す模式図である。 本発明の実施例1の半導体装置の駆動方法の一例としての波形の模式図である。 本発明の実施例1の半導体装置の駆動方法によるリセット後抵抗値と、従来の半導体装置の駆動方法によるリセット後抵抗値との比較図である。 本発明の実施例1の半導体装置の駆動方法の一例としての波形の模式図である。 本発明の実施例2の半導体装置の駆動方法の一例としての波形の模式図である。 従来の半導体装置の構造の一例を示す模式図である。 従来の半導体装置の電圧−電流特性の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 半導体装置
10 抵抗変化素子
11 第一の電極
12 第二の電極
13 可変抵抗体
14 書き換え電源回路
15 グラウンド線
100 半導体記憶装置
101 MOS型のトランジスタ構造
102 抵抗変化素子
110 半導体基板(シリコン基板)
111 不純物拡散層(ソース)
112 不純物拡散層(ドレイン)
113 ゲート絶縁膜
114 ゲート電極
115 電極
116 電極
117 可変抵抗体
118 配線
121 電圧−電流特性A
122 電圧−電流特性B
特許文献2及び3に開示された従来技術を考察した結果、判明した上記問題点について、さらに分析・考察を行った結果を以下にまとめる。
まず、リセット動作中に起こってしまうセット動作について考察した。特許文献2では、抵抗変化素子が高抵抗化する特定の電圧範囲および低抵抗化する特定の電圧範囲があり、高抵抗化および低抵抗化するためには、それぞれの範囲内の電圧を印加することにより所望のリセット・セット動作が実現できると述べられている。特許文献2にあげられているNiOの例では、高抵抗化する特定の電圧範囲は低抵抗化する特定の電圧範囲より小さいとされている。しかしながら、我々が詳細に検討を進めていくと、特許文献2で述べられている高抵抗化する特定の電圧範囲内でもセット動作が起こりうることが分かってきた。
そこで、まずセット動作の印加電圧Vswに対する依存性をNiOを用いた素子に対して調査した。具体的には、リセット状態にある抵抗変化素子に対して1秒と幅の広い電圧パルスを印加し、リセット状態では流れなかった電流が明確に観測され始めるまでの時間をスイッチング時間Tonとして、印加電圧パルスの振幅の関数として測定した。その結果、セット動作が起こるまでのスイッチング時間TonはVswに対して単調減少する関係があることが分かった。TonとVswの関係は大まかにいうと、図1(A)に模式的に示したTon=Aonexp(−αonsw)の関係式で表現された。Aonおよびαonは係数である。またこの式は、リセット動作を行うVswでも高抵抗化電圧の印加時間を長くすれば、セット動作が起こりうるということ、すなわち、通常のリセット動作に用いる電圧範囲でもセット動作が起こるということが分かってきた。言い換えると、特許文献2で述べられている高抵抗化する特定の電圧範囲は、正確にいうと高抵抗状態になりやすい電圧範囲であって、必ず高抵抗化が実現できる電圧範囲ではない、ということになる。
同様に、リセット動作の印加電圧Vswに対する依存性を調査した。具体的には、セット状態にある抵抗変化素子に対して1秒と幅の広い電圧パルスを印加し、セット状態になる前のリセット状態での抵抗値の1/10まで高抵抗化する時間をスイッチング時間Toff、印加電圧パルスの振幅の関数として測定した。その結果、リセット動作が起こるまでのスイッチング時間ToffもVswに対して単調減少する関係があることが分かった。ToffとVswの関係は大まかにいうと、図1(B)に模式的に示したToff=Aoffexp(−αoffsw)の関係式で表現された。Aoffおよびαoffは係数である。またこの式は、セット動作を行うVswでも低抵抗化電圧の印加時間を長くすれば、リセット動作が起こりうるということ、すなわち、通常のセット動作に用いる電圧範囲でもリセット動作が起こるということが分かってきた。言い換えると、特許文献2で述べられている低抵抗化する特定の電圧範囲は、正確にいうと低抵抗状態になりやすい電圧範囲であって、必ず低抵抗化が実現できる電圧範囲ではない、ということになる。
上記のセット・リセット動作が起こるまでのスイッチング時間TonおよびToffの印加電圧Vswに対する依存性の調査を総合すると、抵抗変化素子ReRAMには低抵抗状態になりやすい電圧範囲と高抵抗状態になりやすい電圧範囲が存在するが、スイッチング電圧を長い時間印加すると高抵抗化・低抵抗化の両過程が競合するということになる。スイッチング時間の式に現れる係数αonとαoffが異なるため、低抵抗状態になりやすい電圧範囲と高抵抗状態になりやすい電圧範囲が存在し、これらはスイッチング時間TonおよびToffの印加電圧Vswに対する依存性が交差する点から、決定される。スイッチング時間TonおよびToffに、印加電圧Vswに対する上式の依存性がある場合は、αonとαoff、およびAonとAoffの組み合わせによって、低抵抗状態になりやすい電圧範囲と高抵抗状態になりやすい電圧範囲が決定される。
また、より一般的な場合では、スイッチング時間TonおよびToffの印加電圧Vswに対する依存性は上式で表される必要は必ずしもなく、印加電圧Vswに対する依存性が異なっていれば、スイッチング時間TonおよびToffの印加電圧Vswに対する依存性が交差する点が存在し、低抵抗状態になりやすい電圧範囲と高抵抗状態になりやすい電圧範囲が決定される。以上の2つの電圧範囲は、主として、用いる材料および可変抵抗体の膜厚に依存すると考えられる。このような状況下で、高抵抗化・低抵抗化の競合過程を抑制することが、抵抗変化素子の安定したスイッチング動作には本質的に重要であると本発明者らは考えた。
そこで、本発明者らは以下の半導体装置の駆動方法を考案するに至った。本発明の半導体装置の駆動方法は、電圧の印加に応じて、第一の状態と、該第一の状態よりも抵抗率の低い第二の状態と、に変化する可変抵抗体に対して、該第一の状態に対応する第一の電圧値(以下、高抵抗化電圧とする)と、該第一の電圧値の絶対値よりも絶対値の小さな第二の電圧値とを交互に推移する波形を印加することによりリセット動作を行う。
上記可変抵抗体に対して、高抵抗化電圧を振幅とする電圧パルス内に、高抵抗化電圧と、上記第二の電圧値と、を交互に複数回推移するステップを有する波形を印加することも可能である。
さらに、本発明の半導体装置の駆動方法は、上記可変抵抗体に対して、上記第二の状態に対応する第三の電圧値(以下、低抵抗化電圧とする)と、該第三の電圧値の絶対値よりも絶対値の小さな第四の電圧値とを交互に推移する波形を印加することによりセット動作を行う。
上記可変抵抗体に対して、低抵抗化電圧を振幅とする電圧パルス内に、低抵抗化電圧と、上記第四の電圧値と、を交互に複数回推移するステップを有する波形を印加することも可能である。
以上において、第一の状態とは上記した高抵抗状態に対応し、第二の状態とは上記した低抵抗状態に対応する。第二の状態において、オン状態の電流経路が局所的に発生する場合は、抵抗率の低下領域が局所的であると考えられるが、抵抗率の低下は、上記可変抵抗体を構成要素とする抵抗変化素子の抵抗値の低下として観測される。
かかる構成により、所定電圧の信号を所定期間連続して印加することで該可変抵抗体を該第一の状態または該第二の状態にせしめる従来の半導体装置の駆動方法に代わって、本発明の半導体装置の駆動方法は、該所定電圧の信号を該所定期間よりも短いパルス幅の分割パルスとして連続的に印加することとなり、可変抵抗体に対するセット・リセット動作についての従来の問題点であったセット・リセット動作の不安定性を解決して、安定で確実、かつ高速なセット・リセット動作とすることが可能である。
なお、上記波形は、例えば図2(B)、図3(A)のような矩形波を用いることができるが、図3(C)に示すような三角波でもよい。その他、図示してはいないが、矩形波の後、三角波とするような、時間の推移とともに波形を可変とさせ混在させたものでもよい。
また、図3(D)に示すように、上記高抵抗化電圧に滞在する、ある第一の時刻点(a)から始まる第一の滞在時間Tと、該第一の時刻点とは異なる第二の時刻点(b)から始まる第二の滞在時間Tとが、互いに異なるものを含んでいてもよい。上記高抵抗化電圧に滞在する時間についても、同様のことがいえる。この場合、上記高抵抗化電圧または上記低抵抗化電圧に滞在する時間を、時間の推移に応じて短くすることが好ましい。但し、上記波形の一周期において、上記第二の電圧値に滞在する時間が、上記高抵抗化電圧に滞在する時間の1/5より長いことが好ましく、上記第四の電圧値に滞在する時間が、上記低抵抗化電圧に滞在する時間の1/5より長いことが好ましい。
また、上記第二の電圧値の絶対値は、高抵抗化電圧の絶対値の4/5以下であればよく、上記第四の電圧値の絶対値は、低抵抗化電圧の絶対値の1/2以下であればよい。ここで、図3(D)に示すのは、ある第三の時刻点(c)から始まる第二の電圧値と、該第三の時刻点とは異なる第四の時刻点(d)から始まる第二の電圧値とが同じ値の場合であるが、上記第二の電圧値は、上記条件の範囲内であれば、一定値でなくともよい。上記第四の電圧値についても同様に、上記条件の範囲内であれば、一定値でなくともよい。
さらに、上記可変抵抗体を高抵抗状態にするにあたっては、上記波形として矩形波を用いた場合は、そのパルス幅が1μs未満であることが好ましく、500ns以下であることがより好ましい。そして、上記可変抵抗体を低抵抗状態にするにあたっては、上記波形として矩形波を用いた場合は、そのパルス幅が100ns以下であることが好ましく、25ns以下であることがより好ましい。かかる構成により、より安定で確実なセット・リセット動作が可能である。
可変抵抗体及びそれに接続される電極を構成する材料としては、様々な例が報告されているが、酸素、窒素、硫黄、セレン、テルルからなる群から選択される一の、または複数の元素と、金属との化合物が挙げられる。その中でも、金属と酸素から成る化合物が代表例として挙げられる。
上記金属としては、Cr、Ti、V、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wが有効であり、その中でもTi、Ni、Cuが代表例として挙げられる。以上の可変抵抗体の作製には、スパッタリング法やレーザーアブレーション法、化学気相成長法などを用いればよい。なお可変抵抗体の膜厚は、おおよそ5ナノメートルから300ナノメートルの範囲であることが好ましい。
一方、上記電極としては、種々の金属を用いることができるが、その中でも、TaN、TiN、Ru、Pt、W、Mo、Taなどが代表例として挙げられる。
なお、本発明の半導体装置の駆動方法を、マトリクス状に並べられた抵抗変化素子と、該抵抗変化素子に電圧を印加する電圧発生部と、を含む半導体装置に適用し、該電圧発生部に上記波形の電圧を発生させることにより、抵抗変化素子を第1回路と第2回路とを接続するスイッチとして用いる半導体装置の安定動作を行うことができる。
本発明において明らかにされる半導体装置の駆動方法において得られる新規の効果を以下に説明する。本発明の新規の効果をわかりやすく示すために、図4には、図1(A)および(B)に示した印加時間とスイッチング時間の関係をまとめて示した。2本の直線が示された図4では、基本的に以下の4つの領域が存在する:(1)実線で示すリセットの直線より上側で破線で示すセットの直線より下側の領域、(2)実線で示すリセットの直線より下側で破線で示すセットの直線より上側の領域、(3)実線および破線の上側の領域、(4)実線および破線の下側の領域。2本の直線が交わる点が、前述のスイッチング時間TonおよびToffの印加電圧Vswに対する依存性が交差する点であり、低抵抗状態になりやすい電圧範囲と高抵抗状態になりやすい電圧範囲を決めている。この4領域の特性をそれぞれ見ていくと、(1)は高抵抗化へ進む領域、(2)は低抵抗化へ進む領域、(3)は高抵抗化・低抵抗化の競合過程が起こる領域、(4)はスイッチングが起こらない領域、ということが分かる。ここで、前述の低抵抗状態になりやすい電圧範囲は領域(2)の電圧範囲となり、高抵抗状態になりやすい電圧範囲は領域(1)の電圧範囲となるが、領域(2)は領域(1)より(印加電圧の値が)大きくなる。
例えば、高抵抗化電圧をVoffとしてリセット動作を行う場合、特許文献3に示された従来技術である1μsないし100μsの幅を有する単パルスを用いたリセット動作では図4に示す領域(3)中の点Aでの動作を行うことになる。この領域では、確かにリセット動作が起こる直線より上側にかかって(位置して)おりリセット過程が起こるが、同時にセット動作が起こる直線にもかかって(よりも上側に位置して)いるために、セット過程が起こり得る。すなわち、セット・リセット動作の競合が起こってしまう。そのため、従来手法を用いた我々の初期検討では安定なリセット動作を実現することが困難であった。一方、本発明において明らかにされる半導体装置の駆動方法を用いると、例えば高抵抗化電圧Voffを印加する時間を125nsにすることにより、図4に示す領域(1)中の点Bでの動作を行うことになる。こうすることにより、セット動作が起こる直線にかからなくなるため、リセット過程のみが起こる領域でリセット動作を行うことが可能となる。具体的な例で言うと、例えば5μs間の高抵抗化電圧印加を、1回の5μsパルスで行った場合と、40回の125nsパルスで行った場合を考えると、リセット動作の安定性に差が生じることが上記の議論より理解される。言い換えると、本発明により明らかにされる半導体憶装置の駆動方法では、同等のリセット時間でも、リセット動作中のセット過程を抑制できるために、リセット動作後の抵抗値をより高くすることができ、かつ安定で確実にリセット動作を実現することが可能となる。
また、さらに、本発明において明らかにされる半導体装置の駆動方法において得られる新規の効果を再び図4に則して以下に説明する。例えば、低抵抗化電圧をVonとしてセット動作を行う場合、特許文献3に示された従来技術である1nsないし100nsの幅を有する単パルスを用いたセット動作では図4に示す領域(3)中の点Cでの動作を行うことになる。この領域では、確かにセット動作が起こる直線より上側にかかって(位置して)おりセット過程が起こるが、同時にリセット動作が起こる直線にもかかって(よりも上側に位置して)いるために、リセット過程が起こりえる。すなわち、セット・リセット動作の競合が起こってしまう。そのため、従来手法を用いた我々の初期検討では安定なセット動作を実現することが困難であった。一方、本発明において明らかにされる半導体装置の駆動方法を用いると、例えば低抵抗化電圧Vonを印加する時間を500psにすることにより、図4に示す領域(2)点Dでの動作を行うことになる。こうすることにより、リセット動作が起こる直線にかからなくなるため、セット過程のみが起こる領域でセット動作を行うことが可能となる。具体的な例で言うと、例えば50ns間の低抵抗化電圧印加を、1回の50nsパルスで行った場合と、100回の500psパルスで行った場合を考えると、セット動作の安定性に差が生じることは上記の議論より理解される。言い換えると、本発明により明らかにされる半導体憶装置の駆動方法では、同等のセット時間でも、セット動作中のリセット過程を抑制できるために、セット動作後の抵抗値をより低くすることができ、かつ安定で確実にセット動作を実現することが可能となる。
なお、以上では、スイッチング時間Tonの印加電圧Vswに対する依存性がスイッチング時間Toffの印加電圧Vswに対する依存性より強い場合について述べたが、用いる可変抵抗体の材料によっては、スイッチング時間Toffの印加電圧Vswに対する依存性がスイッチング時間Tonの印加電圧Vswに対する依存性より強い場合も考えうる。この場合の、本発明の新規の効果をわかりやすく示した図5では、基本的に以下の4つの領域が存在する:(1)実線で示すリセットの直線より上側で破線で示すセットの直線より下側の領域、(2)実線で示すリセットの直線より下側で破線で示すセットの直線より上側の領域、(3)実線および破線の上側の領域、(4)実線および破線の下側の領域。この4領域の特性をそれぞれ見ていくと、(1)は高抵抗化へ進む領域、(2)は低抵抗化へ進む領域、(3)は高抵抗化・低抵抗化の競合過程が起こる領域、(4)はスイッチングが起こらない領域、ということが分かる。ここで、前述の低抵抗状態になりやすい電圧範囲は領域(2)の電圧範囲となり、高抵抗状態になりやすい電圧範囲は領域(1)の電圧範囲となるが、領域(2)は領域(1)より小さくなる。
この場合も、リセット動作を、図5に示す領域(3)中の点Aではなく領域(1)中の点Bでの動作を行うことにより、リセット過程のみが起こる領域でリセット動作を行うことが可能となる。また、セット動作を、図5に示す領域(3)中の点Cではなく領域(2)点Dでの動作を行うことにより、セット過程のみが起こる領域でセット動作を行うことが可能となる。言い換えると、本発明により明らかにされる半導体装置の駆動方法では、同等のリセット時間でも、リセット動作中のセット過程を抑制できるために、リセット動作後の抵抗値をより高くすることができ、かつ安定で確実にリセット動作を実現することが可能となる。また、同等のセット時間でも、セット動作中のリセット過程を抑制できるために、セット動作後の抵抗値をより低くすることができ、かつ安定で確実にセット動作を実現することが可能となる。
以上の説明により、本発明の半導体装置の駆動方法によれば、電圧の印加に応じて抵抗率が変化する可変抵抗体を有する半導体装置に関して、従来の動作方法で不安定であったセット・リセット動作を、安定で確実にかつ高速に行うことが可能となり、より短時間でのセット・リセット動作の完了が可能となる。さらに、本発明で明らかにされる駆動方法により、リセット動作をより低電流で行うことが可能となる。また、リセット状態をより高い抵抗値にすることが可能となり、リセット状態において電荷が流れにくくなるため、半導体装置の低消費電力化が可能となる。
上記した本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明すべく、本発明の実施例について図面を参照して以下に説明する。
(実施例1)本発明の半導体装置の駆動方法の第1の実施例を、図2(A)および(B)を参照しながら説明する。図2(A)に示す本発明に係る半導体装置1は、第一の電極11と第二の電極12およびこれらに挟持される可変抵抗体13から構成される抵抗変化素子10と、抵抗変化素子10の第一の電極11に接続された書き換え電源回路14から構成され、第二の電極12はグラウンド線15に接続されている。なお、第一の電極11と書き換え電源回路14との間、及び第二の電極12とグラウンド線15との間には、抵抗変化素子10を書き換えるのに必要十分な電圧を印加可能な範囲内で、別の回路や別のトランジスタが接続されていてもよい。ここでは、図2(A)における可変抵抗体13として、100ナノメートルの膜厚を有するNiO層を用い、第一の電極11及び第二の電極12としてRuを用いた場合を例に取り、以下に説明する。
書き換え電源回路14から第一の電極11に対して、NiOの高抵抗化電圧を振幅とする矩形パルスを印加した。図6にその波形の概念図を示す。ここで該矩形パルスにおいて、高抵抗化電圧(第一の電圧値)より絶対値の小さな第二の電圧値を印加することとなるステップを、低電圧印加ステップと定義する。ここでは低電圧印加ステップTLVを500msに固定し、高抵抗化電圧パルスTHを印加する時間を125nsから2μsまで変化させて1サイクルT(〜500ミリ秒)としてリセット動作の測定を行った。ここでは各低電圧印加ステップにおいて、抵抗変化素子10の抵抗値の変化を読み出した。なお、高抵抗化電圧パルスの振幅は3Vとした。より薄い膜厚を有する可変抵抗体の場合、高抵抗化電圧パルスの振幅はより低くなる。
図7に、抵抗変化素子10をまず100Ω程度のセット状態にしてからリセット動作を行い、その抵抗値の変化を読み出した結果を示す。縦軸には抵抗変化素子10の抵抗値、横軸には高抵抗化電圧パルスTHの累積電圧印加時間を示した。例えば、125nsの高抵抗化電圧パルスを40回(間の低電圧印加ステップは39回)印加した場合、累積電圧印加時間は5μsとなる。
図7の結果より、100Ω(未満)という初期の低抵抗状態から、累積電圧印加時間が増加するとともに、抵抗変化素子10の抵抗値が徐々に変化していくことが分かる。ここで注目すべきは、高抵抗化電圧パルスの幅を短くすればするほど、抵抗変化素子10の抵抗値がより高い方へ、すなわち高抵抗化へ確実に向かっていることである。また、最終的な抵抗値が高くなるのは、高抵抗化電圧パルスを印加する時間を1μs未満とした時であることが分かる。さらに、抵抗変化素子10の抵抗値が完全な高抵抗な値に収束するのが、高抵抗化電圧パルスを印加する時間が短いほど速くなるということが分かる。特に効果があるのが、各高抵抗化電圧パルス印加時間が250ns以下のときであった。
さらに、高抵抗化電圧が印加される時間を短縮化した効果を示すため、図6で示した例より短い周期で高抵抗化電圧印加ステップと低電圧印加ステップを交互に設けた例を示す。図8にその波形の概念図を示す。ここでは、20μsの高抵抗化電圧パルス中に、図6で示した例と比べ約6桁短い周期であるT=500ns毎にTLV=375nsの低電圧印加ステップを39回設けた。この場合、高抵抗化電圧パルスを印加する時間がTH=125nsで40回印加されるため、累積高抵抗化電圧パルス印加時間は5μsで、リセット動作として20μsとなる。
また、ここでは各低電圧印加ステップにおいて、抵抗変化素子10の抵抗値の変化を読み出していない。また、ここでは高抵抗化電圧パルスが印加される回数を40回としたが、この回数の下限は作製した素子に依存した。本実施例1で用いた素子に関しては、40回程度高抵抗化電圧パルスが印加されれば十分なリセット状態が実現された。一方で、この回数の上限は特になく、回数を増加したために誤動作が起こるということはなかった。我々の検討では40回程度高抵抗化電圧パルスが印加されれば十分なリセット状態が実現されたが、これを100回、200回と増やしても、リセット状態は安定に実現されていた。
次に、本発明のリセット動作と、従来技術である単パルス法によるリセット動作を比較した結果を次に示す。図9に、抵抗変化素子10の抵抗値をリセット動作完了後に読み出した結果を示す。縦軸には抵抗変化素子10の抵抗値、横軸には高抵抗化の手法を示した。なお、ここに示した抵抗値は、多数回セット・リセット動作を繰り返した際のリセット状態での抵抗値の平均値である。一番左に示されているのが本発明によるリセット動作の結果であり、その右側には従来手法、すなわち単パルス法によるリセット動作の結果を示した。単パルス法に関しては、単パルスの時間幅を変更させた結果を示した。
図9より、本発明により明らかにされる手法により得られるリセット動作後の抵抗値が、従来技術により得られるリセット動作後の抵抗値と比べて十分大きいことが分かる。従来技術を用いた場合、単パルスのパルス幅を長くすることによりリセット後の抵抗値を増大できる傾向があるが、100μsの単パルスでもリセット動作後の抵抗値は100kΩに満たない。一方で、本発明により明らかにされる手法により得られるリセット動作後の抵抗値は100kΩを優に超えている。これにより、本発明により明らかにされる手法による、抵抗変化素子の高抵抗化に関する優位性が明確に示された。
本発明の半導体装置の駆動方法による更なる効果を以下に列記する。まず、本駆動方法によれば、リセット動作にかかる総リセット動作時間は20μsであった。これを従来手法である20μsの単パルスを印加した結果と比較すると、リセット動作後の抵抗値は3.6倍となっている。一方、5倍の時間である100μsの単パルスを印加しても、リセット動作後の抵抗値は本発明による手法を用いた場合と比べて、同レベルには達していない。このことより、リセット動作にかかる時間に5倍以上の短縮効果があることが示された。
また、本駆動方法によれば、高抵抗化電圧印加時間は合計して5μsであった。これを従来手法により5μsの単パルスを印加した結果と比較すると、リセット動作後の抵抗値は4倍となっている。また、20倍の時間である100μsの単パルスを印加しても、リセット動作後の抵抗値は本発明による手法を用いた場合と比べて、同レベルには達していない。このことより、リセット動作にかかる電力に20倍以上の低減効果があることが示された。
なお、図8および図9では、T=500ns毎に低電圧印加ステップをTLV=375nsで39回設けた例を示したが、低電圧印加ステップの周期をさらに短くし、低電圧印加ステップの幅を375ns間よりも短縮することも可能である。我々の検討の範囲では、高抵抗化電圧パルスを印加する時間がTH=125nsの場合、低電圧印加ステップの幅をTLV=25ns〜125nsまで短縮しても同等の効果が得られた。即ち、高抵抗化電圧を所定期間連続で印加し続けずに、所定期間よりも短い期間の分割パルスを連続的に印加することが、リセット動作を安定で確実に行う本実施例1の駆動方法の主要なポイントである。
また、さらに検討を進めると、低電圧印加ステップでの印加電圧は、図6および図7もしくは図8および図9で示したような0Vである必要はなく、高抵抗化電圧として3Vを用いる場合、低電圧印加ステップとしてその4/5程度の電圧、すなわち2.4Vを印加していても同様の効果を得ることができた。実際には、−2.4V〜2.4Vの間の電圧であれば良いことが分かった。即ち、図10に示したように、(B)は図5および図6もしくは図7および図8で示したような低電圧印加ステップでの印加電圧が0Vである場合の波形の概念図であるが、低電圧印加ステップでの印加電圧が0V以上2.4V以下である(A)や低電圧印加ステップでの印加電圧が−2.4V以上0V以下である(C)のような波形でも同様の効果を得ることができた。さらに、低電圧印加ステップでの印加電圧が−2.4V〜2.4Vの間であれば、低電圧印加ステップでの印加電圧が一定値でなくとも同様の効果を得ることができた。即ち、高抵抗化電圧を所定期間連続で印加し続けずに、電圧振幅の絶対値がある閾値以下であり、かつ所定期間よりも短い期間の分割パルスを連続的に印加することが、リセット動作を安定で確実に行う本実施例1の駆動方法の主要なポイントである。
また、さらに検討を進めると、低電圧印加ステップを周期的に設ける必要がないことも分かった。即ち、リセット動作中の前半での高抵抗化電圧印加時間と後半での高抵抗化電圧印加時間が異なるように、低電圧印加ステップを意図的に調整してもよい。この一例として、図3(D)に示したような波形の概念図があげられる。この場合は、リセット動作中の前半での高抵抗化電圧印加時間が後半での高抵抗化電圧印加時間に比べて長くなっている。この手法を用いることにより、リセット動作をより時間的に能率よく行うことができることが分かった。例えば、リセット動作中の1回目の高抵抗化電圧印加時間Tを500nsとし、2回目以降の高抵抗化電圧印加時間T...Tを125nsとなるように、低電圧印加ステップが導入される周期を変えることにより、リセット動作にかかる時間を1.4μs程度短縮可能なことが分かった。
以上より、本発明に係る第1の実施例の駆動方法を用いることにより、リセット動作後の抵抗値をより高くすることが可能となることが示された。これは、メモリ回路に適用した場合には、より大きな読み出しマージンを確保できることを意味している。また、マトリクス状に配列された抵抗変化素子を含む回路、典型的にはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイなどに代表される書き換え可能なロジック回路に対して本発明の駆動方法を応用して、上記回路に併設される電圧発生部が発生する上記波形の電圧を、所定の抵抗変化素子へ印加することにより、抵抗変化素子を確実に高抵抗化することが可能となる。このような確実なリセット動作の実現は、配線切り替えスイッチの性能として有用であり、より低いリーク電流、すなわち低消費電力化に寄与できることになる。さらに、本発明に係る第1の実施例の駆動方法を用いると、リセット動作を安定で確実に行うことでき、リセット動作後の読み出しによる確認作業(ベリファイ)が不要となる。これにより、より高速な抵抗変化素子の切り替え動作が可能となり、回路動作の高速化を実現することができる。
(実施例2)実施例1における半導体装置1に対して実施した、本発明の第2の実施例の駆動方法を以下に説明する。
書き換え電源回路14から第一の電極11に対して、NiOの低抵抗化電圧を振幅とする矩形パルスを印加した。ここで該矩形パルスにおいて、低抵抗化電圧(上記第三の電圧値)より絶対値の小さな第四の電圧値を印加することとなるステップを、低電圧印加ステップと定義する。ここでは各低電圧印加ステップをTLV=500msに固定し、低抵抗化電圧パルスを印加する時間をTH=500psから500nsまで変化させてセット動作の測定を行った。ここでは各低電圧印加ステップにおいて、抵抗変化素子10の抵抗値の変化を読み出した。なお、低抵抗化電圧パルスの振幅は8Vとした。より薄い膜厚を有する可変抵抗体の場合、低抵抗化電圧パルスの振幅はより低くなる。
抵抗変化素子10をまず50kΩ程度のリセット状態にしてからセット動作を行い、その抵抗値の変化を読み出し、抵抗値と低抵抗化電圧パルスの累積電圧印加時間との関係を調べた。例えば、5nsの低抵抗化電圧パルスを20回(間の低電圧印加ステップは19回)印加した場合、累積電圧印加時間は100nsとなる。
この場合、50kΩという初期の高抵抗状態から、累積電圧印加時間が増加するとともに、抵抗変化素子10の抵抗値が徐々に変化していくことが分かった。ここで注目すべきは、低抵抗化電圧パルスの幅を短くすればするほど、抵抗変化素子10の抵抗値がより低い方へ、すなわち低抵抗化へ確実に向かっていることである。また、最終的な抵抗値が低くなるのは、低抵抗化電圧パルスを印加する時間を100ns未満とした時であることが分かった。さらに、抵抗変化素子10の抵抗値が完全な低抵抗な値に収束するのが、低抵抗化電圧パルスを印加する時間が短いほど速くなるということが分かった。特に効果があるのが、各高抵抗化電圧パルス印加時間が25ns以下のときであった。
さらに、低抵抗化電圧が印加される時間を短縮化した効果を示すため、より短い周期で低抵抗化電圧印加ステップTLと低電圧印加ステップTLV2を交互に設けた例を示す。ここでは、200nsの低抵抗化電圧パルスTL中に、10ns毎に5ns間の低電圧印加ステップを19回設けた。この場合、低抵抗化電圧パルスを印加する時間が5nsで20回印加されるため、累積低抵抗化電圧パルス印加時間は100nsで、リセット動作として200nsとなる。
また、ここでは各低電圧印加ステップにおいて、抵抗変化素子10の抵抗値の変化を読み出していない。また、ここでは低抵抗化電圧パルスが印加される回数を20回としたが、この回数の下限は作製した素子に依存した。本実施例2で用いた素子に関しては、20回程度低抵抗化電圧パルスが印加されれば十分なセット状態が実現された。一方で、この回数の上限は特になく、回数を増加したために誤動作が起こるということはなかった。我々の検討では20回程度低抵抗化電圧パルスが印加されれば十分なセット状態が実現されたが、これを50回に増やしても、セット状態は安定に再現されていた。
次に、本発明のセット動作と、従来技術である単パルス法によるセット動作を比較した。抵抗変化素子10の抵抗値をセット動作完了後に読み出した結果を、本発明によるセット動作の場合と、従来手法、すなわち単パルス法によるセット動作(単パルス法に関しては、単パルスの時間幅を変更させた)とで比較したところ、本発明により明らかにされる手法により得られるセット動作後の抵抗値が、従来技術により得られるセット動作後の抵抗値と比べて十分低く、バラツキも小さくなることが分かった。従来技術を用いた場合、単パルスのパルス幅を2μsと長くすることによりリセット後の抵抗値を低減できる傾向があるが、逆にセット状態のバラツキが大きくなり1kΩ程度の抵抗値をとるものがあった。一方で、本発明により明らかにされる手法により得られるセット動作後の抵抗値は安定して100Ω以下となった。これにより、本発明により明らかにされる手法による、抵抗変化素子の低抵抗化に関する優位性が明確に示された。
本発明の半導体装置の駆動方法による更なる効果を以下に2点列記する。まず、本駆動方法によれば、セット動作にかかる総セット動作時間は200nsであった。これを従来手法により200nsの単パルスを印加した結果と比較すると、セット動作後の抵抗値は半分以下となっている。一方、10倍の時間である2μsの単パルスを印加しても、セット動作後の抵抗値は本発明による手法を用いた場合と比べて、同レベルには達していない。むしろ、バラツキが大きくなる傾向があり実用的ではなかった。このことより、セット動作にかかる時間に10倍以上の短縮効果があることが示された。
また、本駆動方法によれば、低抵抗化電圧印加時間は合計して200nsであった。これを従来手法により200nsの単パルスを印加した結果と比較すると、セット動作後の抵抗値は1/2以下となった。また、10倍の時間である2μsの単パルスを印加しても、セット動作後の抵抗値は本発明による手法を用いた場合と比べて、同レベルには達していない。このことより、セット動作にかかる電力に10倍以上の低減効果があることが示された。なお、ここでは、10ns毎に5ns間の低電圧印加ステップを19回設けた例を示したが、低電圧印加ステップの周期をさらに短くし、低電圧印加ステップの幅を5ns間よりも短縮することが可能である。我々の検討の範囲では、低抵抗化電圧パルスを印加する時間が5nsの場合、低電圧印加ステップの幅を500ps〜5nsまで短縮しても同等の効果が得られた。即ち、低抵抗化電圧を所定期間連続で印加し続けずに、所定期間よりも短い期間の分割パルスを連続的に印加することが、セット動作を安定で確実に行う本実施例2の駆動方法の主要なポイントである。
また、さらに検討を進めると、低電圧印加ステップでの印加電圧は、0Vである必要はなく、低抵抗化電圧として8Vを用いる場合、低電圧印加ステップとしてその1/2程度の電圧、すなわち4Vを印加していても同様の効果を得ることができた。実際には、−4V〜4Vの間の電圧であれば良いことが分かった。即ち、図11に示したように、(B)は低電圧印加ステップでの印加電圧が0Vである場合の波形の概念図であるが、低電圧印加ステップでの印加電圧が0V以上4V以下である(A)や低電圧印加ステップでの印加電圧が−4V以上0V以下である(C)のような波形でも同様の効果を得ることができた。さらに、低電圧印加ステップでの印加電圧が−4V〜4Vの間であれば、低電圧印加ステップでの印加電圧が一定値でなくとも同様の効果を得ることができた。即ち、低抵抗化電圧を所定期間連続で印加し続けずに、電圧振幅の絶対値がある閾値以下であり、かつ所定期間よりも短い期間の分割パルスを連続的に印加することが、リセット動作を安定で確実に行う本実施例2の駆動方法の主要なポイントである。
また、さらに検討を進めると、低電圧印加ステップを周期的に設ける必要がないことも分かった。即ち、セット動作中の前半での低抵抗化電圧印加時間と後半での低抵抗化電圧印加時間が異なるように、低電圧印加ステップを意図的に調整してもよい。この一例として、図3(D)に示したような波形の概念図があげられる。この場合は、セット動作中の前半での低抵抗化電圧印加時間が後半での低抵抗化電圧印加時間に比べて長くなっている。この手法を用いることにより、セット動作をより時間的に能率よく行うことができることが分かった。例えば、セット動作中の1回目の低抵抗化電圧印加時間を20nsとし、2回目以降の低抵抗化電圧印加時間を5nsとなるように、低電圧印加ステップの導入される周期を変えることにより、リセット動作にかかる時間を20ns程度短縮可能なことが分かった。
以上より、本発明に係る第2の実施例の駆動方法を用いることにより、セット動作後の抵抗値をより低く安定に実現できることが可能となることが示された。これは、メモリ回路に適用した場合にはより大きな読み出しマージンを確保できることを意味している。また、マトリクス状に配列された抵抗変化素子を含む回路、典型的にはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイなどに代表される書き換え可能なロジック回路に対して本発明の駆動方法を応用して、上記回路に併設される電圧発生部が発生する上記波形の電圧を、所定の抵抗変化素子へ印加することにより、抵抗変化素子を確実に低抵抗化することが可能となる。このような確実なセット動作の実現は、配線切り替えスイッチの性能として有用であり、より高性能な回路動作に寄与できることになる。さらに、本発明に係る第2の実施例の駆動方法を用いると、セット動作を安定で確実に行うことができ、セット動作後の読み出しによる確認作業(ベリファイ)が不要となる。これにより、より高速な抵抗変化素子の切り替え動作が可能となり、回路動作の高速化を実現することができる。
以上の、本発明にかかる第1および第2の実施例の半導体装置の駆動方法により、電圧の印加に応じて第一の状態と、該第一の状態よりも抵抗率の低い第二の状態と、に変化する可変抵抗体を有する半導体装置に関して、本発明の目的であるセット動作・リセット動作の安定化が実現できた。さらに、本発明で明らかにされた駆動方法により、リセット動作をより低電流で行うことが可能となった。具体的には、従来技術である単パルスを用いた手法では30ミリアンペア必要であったリセット動作を、本発明の第1の実施例の駆動方法を用いることにより、2ミリアンペアまで低減することができた。また、リセット状態をより高い抵抗値にすることが可能となり、リセット状態において電荷が流れにくくなったため、半導体装置の低消費電力化が可能となった。
なお、本発明において明らかにされた半導体装置の駆動方法の概念は、本明細書において明らかにされた範囲にとどまらず、より一般的には、電圧の印加に応じて第一の状態と、該第一の状態よりも抵抗率の低い第二の状態とに変化する可変抵抗体を有する抵抗変化素子に関して、適用可能なものである。例えば、上記可変抵抗体の電気抵抗率を低抵抗率にさせる電圧の絶対値よりも、高抵抗率にさせる電圧の絶対値の方が大きい場合であっても、セット動作もしくはリセット動作が不安定で電圧印加により安定動作が難しい場合に、高電圧印加時間を短縮するために低電圧印加時間を設け、リセット過程もしくはセット過程を抑制し、より安定で確実にセット動作もしくはリセット動作を行うことが可能となる。また、電圧の印加に応じて、3つ以上の状態に変化する多値記憶可変抵抗体を有する抵抗変化素子についても、適用可能である。
また、図2(A)に示す抵抗変化素子10の可変抵抗体13の側面、即ち第一の電極11及び第二の電極12が可変抵抗体13と接する面と垂直方向の面に、第三の電極を設けた三端子抵抗変化素子の電気抵抗を変化する際にも、本発明において明らかにされた半導体装置の駆動方法の概念は適用可能である。第三の電極は、第一の電極と第二の電極との間の電流経路の生成及び消滅をアシストする役割を担い、第三の電極に所定の電圧を印加することで、より確実なセット・リセット動作が可能となる。ここで、第三の電極に相当する役割を担う電極が複数あってもよい。以上の構成により、より安定で確実にセット動作もしくはリセット動作を行うことが可能となる。
本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。

Claims (36)

  1. 電圧の印加に応じて、第一の状態と、前記第一の状態よりも抵抗率の低い第二の状態と、に変化する可変抵抗体に対して、
    前記第一の状態に対応する第一の電圧値と、前記第一の電圧値の絶対値よりも絶対値の小さな第二の電圧値とを交互に推移する波形を印加する半導体装置の駆動方法。
  2. 第一の電極と、第二の電極と、
    前記第一の電極と前記第二の電極との間に挟持されてなる、可変抵抗体を含む層と、
    前記第一の電極、前記第二の電極のいずれか又は両方と電気的に接続された電圧発生部と、
    を備え、
    前記第一の電極と、前記第二の電極との間の電気抵抗は、前記電圧発生部から印加した電圧に応じて、第一の状態と、前記第一の状態よりも抵抗の低い第二の状態と、に変化するものであり、
    前記電圧発生部により、前記第一の電極と前記第二の電極との間に、前記第一の状態に対応する第一の電圧値と、前記第一の電圧値の絶対値よりも絶対値の小さな第二の電圧値とを交互に推移する波形を印加する半導体装置の駆動方法。
  3. 前記第一の電圧値を振幅とする電圧パルス内に、前記第一の電圧値と、前記第二の電圧値と、を交互に複数回推移するステップを有する波形を印加することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の駆動方法。
  4. 前記波形が矩形波を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  5. 前記波形が三角波を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  6. 前記波形を、時間の推移に応じて可変させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  7. 前記波形が、第一の時刻点から始まる前記第一の電圧値の第一の滞在時間と、前記第一の時刻点とは異なる第二の時刻点から始まる前記第一の電圧値の第二の滞在時間と、が互いに異なるものを含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  8. 前記第一の電圧値に滞在する時間を、時間の推移に応じて短くすることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  9. 前記波形の一周期における、前記第二の電圧値に滞在する時間が、前記第一の電圧値に滞在する時間の1/5より長いことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  10. 前記第二の電圧値の絶対値が、前記第一の電圧値の絶対値の4/5以下であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  11. 前記矩形波のパルス幅が、1μs未満であることを特徴とする請求項4から10のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  12. 前記矩形波のパルス幅が、500ns以下であることを特徴とする請求項4から11のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  13. 第三の時刻点から始まる前記第二の電圧値と、前記第三の時刻点とは異なる第四の時刻点から始まる前記第二の電圧値とが、互いに異なるものを含むことを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  14. 電圧の印加に応じて、第一の状態と、前記第一の状態よりも抵抗率の低い第二の状態と、に変化する可変抵抗体に対して、
    前記第二の状態に対応する第三の電圧値と、前記第三の電圧値の絶対値よりも絶対値の小さな第四の電圧値とを交互に推移する波形を印加する半導体装置の駆動方法。
  15. 第一の電極と、第二の電極と、
    前記第一の電極と前記第二の電極との間に挟持されてなる、可変抵抗体を含む層と、
    前記第一の電極、前記第二の電極のいずれか又は両方と電気的に接続された電圧発生部と、
    を備え、
    前記第一の電極と、前記第二の電極との間の電気抵抗は、前記電圧発生部から印加した電圧に応じて、第一の状態と、前記第一の状態よりも抵抗の低い第二の状態と、に変化するものであり、
    前記電圧発生部により、前記第一の電極と前記第二の電極との間に、前記第二の状態に対応する第三の電圧値と、前記第三の電圧値の絶対値よりも絶対値の小さな第四の電圧値とを交互に推移する波形を印加する半導体装置の駆動方法。
  16. 前記第三の電圧値を振幅とする電圧パルス内に、前記第三の電圧値と、前記第四の電圧値と、を交互に複数回推移するステップを有する波形を印加することを特徴とする請求項14または15に記載の半導体装置の駆動方法。
  17. 前記波形が矩形波を含むことを特徴とする請求項14から16のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  18. 前記波形が三角波を含むことを特徴とする請求項14から17のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  19. 前記波形を、時間の推移に応じて可変させることを特徴とする請求項14から18のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  20. 前記波形が、第五の時刻点から始まる前記第三の電圧値の第三の滞在時間と、前記第三の時刻点とは異なる第六の時刻点から始まる前記第三の電圧値の第四の滞在時間と、が互いに異なるものを含むことを特徴とする請求項14から19のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  21. 前記第三の電圧値に滞在する時間を、時間の推移に応じて短くすることを特徴とする請求項14から20のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  22. 前記波形の一周期における、前記第四の電圧値に滞在する時間が、前記第三の電圧値に滞在する時間の1/5より長いことを特徴とする請求項14から21のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  23. 前記第四の電圧値の絶対値が、前記第三の電圧値の絶対値の1/2以下であることを特徴とする請求項14から22のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  24. 前記矩形波のパルス幅が、100ns未満であることを特徴とする請求項17から23のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  25. 前記矩形波のパルス幅が、25ns以下であることを特徴とする請求項17から24のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  26. 第七の時刻点から始まる前記第四の電圧値と、前記第七の時刻点とは異なる第八の時刻点から始まる前記第四の電圧値とが、互いに異なるものを含むことを特徴とする請求項23から25のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  27. 前記可変抵抗体は、酸素、窒素、硫黄、セレン、テルルからなる群から選択される一の、または複数の元素と、金属との化合物であることを特徴とする請求項1から26のいずれか1項に記載の半導体装置の駆動方法。
  28. 前記金属は、Cr、Ti、V、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wのいずれかであることを特徴とする請求項27に記載の半導体装置の駆動方法。
  29. マトリクス状に配列された抵抗変化素子と、電圧発生部と、を含む半導体装置であって、
    前記抵抗変化素子は、可変抵抗体が、第一の電極と、第二の電極と、に接続されてなり、前記可変抵抗体は、電圧の印加に応じて、第一の状態と、前記第一の状態よりも抵抗率の低い第二の状態と、に変化するものであり、
    前記電圧発生部は、前記第一の電極、前記第二の電極のいずれか又は両方と電気的に接続され、
    前記電圧発生部は、前記第一の状態に対応する第一の電圧値と、前記第一の電圧値よりも絶対値の小さな第二の電圧値とを交互に推移する波形の電圧を発生する半導体装置。
  30. 前記電圧発生部は、前記第一の電圧値を振幅とする電圧パルス内に、前記第一の電圧値と、前記第二の電圧値と、を交互に複数回推移するステップを有する波形の電圧を発生することを特徴とする請求項29に記載の半導体装置。
  31. 前記電圧発生部は、第一の時刻点から始まる前記第一の電圧値の第一の滞在時間と、前記第一の時刻点とは異なる第二の時刻点から始まる前記第一の電圧値の第二の滞在時間と、が互いに異なる波形の電圧を発生することを特徴とする請求項29または30に記載の半導体装置。
  32. 前記電圧発生部は、前記第一の電圧値に滞在する時間が、時間の推移に応じて短くなる波形の電圧を発生することを特徴とする請求項29から31のいずれか1項に記載の半導体装置。
  33. マトリクス状に配列された抵抗変化素子と、電圧発生部と、を含む半導体装置であって、
    前記抵抗変化素子は、可変抵抗体が、第一の電極と、第二の電極と、に接続されてなり、前記可変抵抗体は、電圧の印加に応じて、第一の状態と、前記第一の状態よりも抵抗率の低い第二の状態と、に変化するものであり、
    前記電圧発生部は、前記第一の電極、前記第二の電極のいずれか又は両方と電気的に接続され、
    前記電圧発生部は、前記第二の状態に対応する第三の電圧値と、前記第三の電圧値よりも絶対値の小さな第四の電圧値とを交互に推移する波形の電圧を発生する半導体装置。
  34. 前記電圧発生部は、前記第三の電圧値を振幅とする電圧パルス内に、前記第三の電圧値と、前記第四の電圧値と、を交互に複数回推移するステップを有する波形の電圧を発生することを特徴とする請求項33に記載の半導体装置。
  35. 前記電圧発生部は、第五の時刻点から始まる前記第三の電圧値の第三の滞在時間と、前記第六の時刻点とは異なる第四の時刻点から始まる前記第三の電圧値の第四の滞在時間と、が互いに異なる波形の電圧を発生することを特徴とする請求項33または34に記載の半導体装置。
  36. 前記電圧発生部は、前記第三の電圧値に滞在する時間が、時間の推移に応じて短くなる波形の電圧を発生することを特徴とする請求項33から35のいずれか1項に記載の半導体装置。
JP2009519315A 2007-06-15 2008-06-13 半導体装置及びその駆動方法 Active JP5201138B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009519315A JP5201138B2 (ja) 2007-06-15 2008-06-13 半導体装置及びその駆動方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007158938 2007-06-15
JP2007158938 2007-06-15
JP2009519315A JP5201138B2 (ja) 2007-06-15 2008-06-13 半導体装置及びその駆動方法
PCT/JP2008/060838 WO2008153124A1 (ja) 2007-06-15 2008-06-13 半導体装置及びその駆動方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008153124A1 true JPWO2008153124A1 (ja) 2010-08-26
JP5201138B2 JP5201138B2 (ja) 2013-06-05

Family

ID=40129727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009519315A Active JP5201138B2 (ja) 2007-06-15 2008-06-13 半導体装置及びその駆動方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5201138B2 (ja)
WO (1) WO2008153124A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4846813B2 (ja) 2009-03-12 2011-12-28 株式会社東芝 不揮発性半導体記憶装置
JP5418147B2 (ja) * 2009-10-26 2014-02-19 日本電気株式会社 素子制御回路、スイッチング素子及び素子制御方法
US8593853B2 (en) 2010-03-30 2013-11-26 Panasonic Corporation Nonvolatile storage device and method for writing into the same
WO2012132341A1 (ja) * 2011-03-25 2012-10-04 パナソニック株式会社 抵抗変化型不揮発性素子の書き込み方法および記憶装置
JP5313413B2 (ja) 2011-06-13 2013-10-09 パナソニック株式会社 抵抗変化素子の駆動方法、及び不揮発性記憶装置
US20130286714A1 (en) * 2011-09-28 2013-10-31 Panasonic Corporation Data write method for writing data to nonvolatile memory element, and nonvolatile memory device
US10395738B2 (en) * 2017-11-30 2019-08-27 Micron Technology, Inc. Operations on memory cells

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2002326868A1 (en) * 2002-09-11 2004-04-30 Ovonyx, Inc. Programming a phase-change material memory
TWI355661B (en) * 2003-12-18 2012-01-01 Panasonic Corp Method for using a variable-resistance material as
WO2005066969A1 (en) * 2003-12-26 2005-07-21 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Memory device, memory circuit and semiconductor integrated circuit having variable resistance
JP4365737B2 (ja) * 2004-06-30 2009-11-18 シャープ株式会社 可変抵抗素子の駆動方法及び記憶装置
JP4884784B2 (ja) * 2005-01-28 2012-02-29 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置の作製方法及び半導体装置
JP4701862B2 (ja) * 2005-06-22 2011-06-15 ソニー株式会社 記憶装置の初期化方法
JP2007294592A (ja) * 2006-04-24 2007-11-08 Sony Corp 記憶装置の駆動方法
JP4221031B2 (ja) * 2007-02-09 2009-02-12 シャープ株式会社 不揮発性半導体記憶装置及びその書き換え方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5201138B2 (ja) 2013-06-05
WO2008153124A1 (ja) 2008-12-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9208873B2 (en) Non-volatile storage system biasing conditions for standby and first read
US9734902B2 (en) Resistive memory device with ramp-up/ramp-down program/erase pulse
JP5222380B2 (ja) 可変抵抗素子のフォーミング処理方法および不揮発性半導体記憶装置
US8289751B2 (en) Non-volatile memory cell with programmable unipolar switching element
JP6750507B2 (ja) 選択素子およびメモリセルならびに記憶装置
US8238149B2 (en) Methods and apparatus for reducing defect bits in phase change memory
US8759806B2 (en) Semiconductor memory device
JP5201138B2 (ja) 半導体装置及びその駆動方法
KR100738092B1 (ko) 상전이 메모리 소자의 멀티-비트 동작 방법
US8179714B2 (en) Nonvolatile storage device and method for writing into memory cell of the same
JP5830655B2 (ja) 不揮発性記憶素子の駆動方法
US9472758B2 (en) High endurance non-volatile storage
WO2009145308A1 (ja) 半導体装置、素子再生回路および素子再生方法
US9208865B2 (en) Resistance-change memory
JP2006135335A (ja) 多様な抵抗状態を呈する抵抗体を利用した不揮発性メモリ素子、及び、その駆動方法
JP2006179926A (ja) 二種の抵抗体を含む不揮発性メモリ素子
JP2005203733A (ja) バッファ化層メモリセル
JP5490961B2 (ja) 不揮発性記憶素子の駆動方法及び不揮発性記憶装置
JP2006295157A (ja) 直列連結構造の抵抗ノードを有するメモリ素子
JP2008210441A (ja) 抵抗変化型メモリ装置のフォーミング方法および抵抗変化型メモリ装置
CN101685669B (zh) 相变式存储装置和其操作方法
US10211397B1 (en) Threshold voltage tuning for a volatile selection device
US11978509B2 (en) Semiconductor memory devices with differential threshold voltages
JP6092696B2 (ja) 可変抵抗素子を用いたメモリセル
JP5672143B2 (ja) 抵抗変化素子の制御方法、および、半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121030

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5201138

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160222

Year of fee payment: 3