JPWO2008150033A1 - エポキシドと二酸化炭素との立体選択的交互共重合 - Google Patents
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Abstract
プロピレンオキシド原料のポリマーへの転化率が高く且つ高分子鎖構造の立体規則性を制御し得るようなポリカルボナートの製造方法および該製造方法のための触媒化合物を提供する。本発明の製造方法は、平面4配位型のコバルト−シッフ塩基錯体の存在下、エポキシド化合物をモノマー原料として、二酸化炭素と共重合させることによりポリカルボナート共重合体を製造する方法であって、前記シッフ塩基配位子がN,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジリデン)エチレンジアミンまたはN,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジリデン)フェニレンジアミンまたはそれらの誘導体であって、サリチル基に由来するベンゼン環の3位および/または3’位に不斉炭素原子または不斉軸を有するアミノ基で置換されたメチル基が導入されていることを特徴とする。また、本発明の触媒化合物は、サリチル基の3位および/または3’位に不斉炭素原子または不斉軸を有するアミノ基で置換されたメチル基が導入されていることを特徴とするコバルト−シッフ塩基錯体である。
Description
本発明は、エポキシドと二酸化炭素との交互共重合によりポリカルボナートを製造する方法および該製造方法のために使用する触媒に関する。特に、本発明は、高い立体規則性を有するポリカルボナートを製造する方法および該製造方法に用いる触媒に関する。
近年、二酸化炭素の有効利用のための技術として、エポキシドと二酸化炭素との共重合によるポリカルボナートの製造方法が注目を集めている。また、ポリカルボナートの立体規則性を制御することによって、新たな物性、機能の発現および用途の拡大を目指した開発研究が行われている。
例えば、ポリカルボナートの高分子鎖に規則的に光学活性中心を導入することによる立体規則性の制御が検討されている。キラルなエポキシドの異性体の一種類と二酸化炭素が交互に重合して得られる光学活性ポリカルボナートは、非常に立体規則性の高い高分子構造を有し、優れた機械的および物理化学的特性を示すことが予想されることから、クロマトグラフィー、分離膜などの分離媒体、生分解性材料、強誘電体材料および圧電性焦電性材料としての応用が期待されている。
上記光学活性ポリカルボナートは、キラルエポキシドの片方の光学異性体を用いることにより製造できると考えられるが、キラルエポキシドは通常ラセミ混合物として入手されるため、該製造方法では非常に高価な片方の光学異性体を準備しなければならない。一方、該光学活性ポリカルボナートの製造は、入手容易なエポキシドのラセミ混合物から光学異性体の一種類を選択的に二酸化炭素と交互重合させることによっても合成可能である。そのため、ラセミ混合物を用いたエナンチオ選択的な交互共重合反応の開発を目指した研究が行われている。
X.Luらは、シッフ塩基−コバルト錯体と求核試薬とを組み合わせた二元系触媒を用いてエポキシドのラセミ混合物と二酸化炭素との交互共重合反応を試み、光学活性ポリカルボナートが得られたことを報告している(X.Liu,et al.,J.Am.Chem.Soc.,2006,128,1664−1674)。
中野らは、シッフ塩基−コバルト錯体に属する下記式の化合物を単独で用いた場合に、当該錯体のエナンチオ選択性は観察されなかったが、環状カルボナートの副生を抑制することができ、プロピレンオキシド原料のポリカルボナートへの転化率が約80%であることを見出した(K.Nakano,et al.,Angew.Chem.,Int.Ed,2006,45,7274−7277)。
そして、このように高い基質転化率を有する上記化合物の利用方法として、第1のエポキシ原料(プロピレンオキシド)のすべてをポリマー鎖に変換した後、更に第2のエポキシ原料(1−ブテンオキシド)を投入して該ポリマー鎖の末端に異なるポリマー鎖を形成させ、ブロック共重合体を製造するという方法を報告している。
例えば、ポリカルボナートの高分子鎖に規則的に光学活性中心を導入することによる立体規則性の制御が検討されている。キラルなエポキシドの異性体の一種類と二酸化炭素が交互に重合して得られる光学活性ポリカルボナートは、非常に立体規則性の高い高分子構造を有し、優れた機械的および物理化学的特性を示すことが予想されることから、クロマトグラフィー、分離膜などの分離媒体、生分解性材料、強誘電体材料および圧電性焦電性材料としての応用が期待されている。
上記光学活性ポリカルボナートは、キラルエポキシドの片方の光学異性体を用いることにより製造できると考えられるが、キラルエポキシドは通常ラセミ混合物として入手されるため、該製造方法では非常に高価な片方の光学異性体を準備しなければならない。一方、該光学活性ポリカルボナートの製造は、入手容易なエポキシドのラセミ混合物から光学異性体の一種類を選択的に二酸化炭素と交互重合させることによっても合成可能である。そのため、ラセミ混合物を用いたエナンチオ選択的な交互共重合反応の開発を目指した研究が行われている。
X.Luらは、シッフ塩基−コバルト錯体と求核試薬とを組み合わせた二元系触媒を用いてエポキシドのラセミ混合物と二酸化炭素との交互共重合反応を試み、光学活性ポリカルボナートが得られたことを報告している(X.Liu,et al.,J.Am.Chem.Soc.,2006,128,1664−1674)。
中野らは、シッフ塩基−コバルト錯体に属する下記式の化合物を単独で用いた場合に、当該錯体のエナンチオ選択性は観察されなかったが、環状カルボナートの副生を抑制することができ、プロピレンオキシド原料のポリカルボナートへの転化率が約80%であることを見出した(K.Nakano,et al.,Angew.Chem.,Int.Ed,2006,45,7274−7277)。
そして、このように高い基質転化率を有する上記化合物の利用方法として、第1のエポキシ原料(プロピレンオキシド)のすべてをポリマー鎖に変換した後、更に第2のエポキシ原料(1−ブテンオキシド)を投入して該ポリマー鎖の末端に異なるポリマー鎖を形成させ、ブロック共重合体を製造するという方法を報告している。
しかしながら、ポリカルボナート共重合体の合成において、エナンチオ選択性が優れ且つ高い基質転化率を示す触媒化合物は報告されていない。そこで、ポリカルボナート共重合体の立体規則性の制御の可能性を更に広げ、多様なポリカルボナートの立体構造を実現するために、かかる触媒化合物の開発が新たな課題となっている。
本発明は、平面4配位型のコバルト−シッフ塩基錯体の存在下、エポキシド化合物をモノマー原料として、二酸化炭素と共重合させることによりポリカルボナート共重合体を製造する方法であって、前記シッフ塩基配位子がN,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジリデン)エチレンジアミン(salen、サレン)またはN,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジリデン)フェニレンジアミン(salph)またはそれらの誘導体であって、サリチル基に由来するベンゼン環の3位および/または3’位に不斉炭素原子または不斉軸を有するアミノ基で置換されたメチル基が導入されていることを特徴とする方法である。
また、本発明の別の態様は、ポリカルボナート製造用重合触媒として使用可能なコバルト−シッフ塩基錯体であって、サリチル基の3位および/または3’位に不斉炭素原子または不斉軸を有するアミノ基で置換されたメチル基が導入されていることを特徴とする前記コバルト−シッフ塩基錯体である。
本発明によるコバルト錯体化合物は、エポキシドのラセミ混合物に対するエナンチオ選択性が高いため、該ラセミ混合物と二酸化炭素とから立体規則性が制御された多様なポリカルボナート共重合体を製造することができる。
本発明は、平面4配位型のコバルト−シッフ塩基錯体の存在下、エポキシド化合物をモノマー原料として、二酸化炭素と共重合させることによりポリカルボナート共重合体を製造する方法であって、前記シッフ塩基配位子がN,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジリデン)エチレンジアミン(salen、サレン)またはN,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジリデン)フェニレンジアミン(salph)またはそれらの誘導体であって、サリチル基に由来するベンゼン環の3位および/または3’位に不斉炭素原子または不斉軸を有するアミノ基で置換されたメチル基が導入されていることを特徴とする方法である。
また、本発明の別の態様は、ポリカルボナート製造用重合触媒として使用可能なコバルト−シッフ塩基錯体であって、サリチル基の3位および/または3’位に不斉炭素原子または不斉軸を有するアミノ基で置換されたメチル基が導入されていることを特徴とする前記コバルト−シッフ塩基錯体である。
本発明によるコバルト錯体化合物は、エポキシドのラセミ混合物に対するエナンチオ選択性が高いため、該ラセミ混合物と二酸化炭素とから立体規則性が制御された多様なポリカルボナート共重合体を製造することができる。
本発明において触媒として使用されるコバルト錯体は、平面4配位型の多座配位子であるシッフ塩基を含む。本発明に使用される典型的なシッフ塩基配位子は、サレン(salen)配位子(N,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン)およびその誘導体(以下「サレン系配位子」という)である。サレン系配位子は、サリチルアルデヒドとエチレンジアミンとの脱水縮合反応により得られるが、エチレンジアミンの代わりに異なるジアミンを用いることにより、また、サリチル酸の芳香環部分に置換基を導入することによって、多数の誘導体を得ることができる。それらの誘導体の中で特に好ましい化合物は、サレン配位子のエチレンジアミン部分をシクロヘキサンジアミンに変更して得られるsalcy配位子(N,N’−ビス(サリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミン)とその誘導体、または、salenのエチレンジアミン部分がフェニレンジアミンに置き換わったsalph配位子(N,N’−ビス(サリチリデン)フェニレンジアミン)およびその誘導体である。
これらのサレン系配位子に含まれるサリチル基の3位および/または3’位には、不斉炭素中心または不斉軸を有するアミノ基で置換されたメチル基(以下「アーム」という。)を導入することができる。3,3’位の双方にアームが導入される場合、2個の置換基は同一でも異なっていてもよい。アームを構成するアミノ基は三級アミノ基であってよく、好ましくはピロリジニル基またはピペリジニル基であり、最も好ましいのはピロリジニル基である。したがって、例えばアームを構成するアミノ基がピロリジニル基である場合には、該基の5員環に単一の置換基が結合した場合、該置換基の結合する5員環の炭素は不斉中心として光学活性を示すことになる。以下にアームの具体的例を示す(ただし、以下の置換基に限定されるわけではない)。
アームを構成するアミノ基の構造を特徴づける不斉炭素中心または不斉軸周りの絶対配置は(R)、(S)の2種類であるが、いずれの絶対配置を有するアームを選択して導入すべきかという点については、所望の光学活性を有するポリカルボナートの絶対配置を考慮して決めることができる。
本発明の重合反応には上記コバルト錯体の中心金属が関与することから、基質に対してコバルト金属が作用しやすいように、中心金属の軸方向には1個または2個の置換容易な配位子が配位し得る。もっとも典型的な配位子は、カルボキシラート、ハロゲンなどであり、好ましくはアセトナト(AcO−)である。
したがって、好ましい本発明のコバルト−シッフ塩基錯体は下式で表される化合物である。
(式中、Xは、H、C1−20アルキル、C1−20アルコキシ、C6−20アリール、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択されるいずれか1種類の基または原子であり、Yは脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、Cl−、Br−およびI−からなる群から選択される1種類のアニオン配位子である。)
特に好ましい本発明のコバルト−シッフ塩基錯体は下式で表される化合物である。
本発明に使用する触媒系は、求核試薬その他の助触媒を使用しなくても、単独で十分な触媒活性を示しかつ優れたエナンチオ選択性を発揮する。また、本発明において、ポリカルボナート共重合体の製造に使用されている従来の触媒系と同様に、コバルト−シッフ塩基錯体と求核試薬などの助触媒とを組み合わせた複合触媒系を使用してもよい。
また、本発明の触媒には、基質転化率を100%にすることができる(すなわち、基質を完全に消費することが可能である)という特徴がある。この特徴に関連して、本発明には、以下のような好ましい態様が存在する。
すなわち、本発明の触媒の存在下、モノマー原料としてキラルエポキシドのラセミ混合物を使用して二酸化炭素との交互共重合を行わせた場合、最初にモノマー原料中に含まれる光学異性体の1種類が選択的に消費されることから、当該光学異性体が完全に消費されるまでの間、高分子鎖中に含まれる不斉炭素中心の絶対配置はSまたはRの一方を優先的に含む光学活性ポリマーが生成する。
したがって、本発明の一態様によれば、モノマー原料に含まれる1種類の光学異性体が選択的に消費され、該光学異性体が完全になくなる前に、反応停止剤により重合反応を停止させることによって、高分子鎖中に含まれる不斉炭素中心の絶対配置がSまたはRの一方を優先的に含む光学活性ポリカルボナートを製造することができる。
これに対し、本発明の触媒の存在下、一方の光学異性体を完全に重合反応に消費させた後、引き続き重合反応を継続させると、選択されずに残存していたもう一方の光学異性体が高分子鎖に結合されて、従前の高分子鎖とは絶対配置の異なる連鎖構造が付加される。
したがって、本発明の別の態様によれば、光学異性体の1種類が完全に消費された後、更に重合反応を継続させることによって、高分子鎖中の不斉炭素中心の絶対配置がSであるものを優先的に含むブロックと絶対配置がRであるものを優先的に含むブロックからなるポリカルボナートを製造することができる。
さらに、本発明の触媒の存在下、モノマー原料としてメソエポキシド化合物を使用して二酸化炭素と交互共重合を行わせた場合には、エポキシ環の開環と重合が立体選択的に起こる。
したがって、本発明の更に異なる態様によれば、高分子鎖中の不斉炭素中心の絶対配置が(R,R)または(S,S)の一方のみからなる立体規則性の高い(しかも光学活性を有する)ポリカルボナートを製造することもできる。
加えて、本発明の触媒を利用した製造方法によれば、基質を完全に消費することが可能であることから、第一のエポキシドを完全に消費した後で、第一のエポキシドと同一または異なる第二のエポキシドを投入することによって、立体規則性の高いブロック重合体を合成できる。
したがって、本発明の製造方法によれば、モノマー原料に含まれる光学異性体の構成比率のみならず、エポキシドの種類や投入する順序を適宜調整することによって、立体規則性が制御された多様なポリカルボナート共重合体を製造することができる。
本発明の好ましい態様は、新規なブロック共重合体構造を有するポリカルボナートを包含する。すなわち、本発明のポリカルボナートは、高分子鎖中の不斉炭素中心の絶対配置がSであるものを優先的に含むブロックと絶対配置がRであるものを優先的に含むブロックからなるブロック共重合体である。さらに、本発明のポリカルボナートは、高分子鎖中の不斉炭素中心の絶対配置がSのみであるものを含むブロックと絶対配置がRのみであるものを含むブロックからなるブロック共重合体である。
ここで、ブロック内に優先的に含まれる一方のエポキシド光学異性体のモル比は、ブロック内に含まれるエポキシドモノマーの全量を基準として60%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以上の値をとり得る。
本発明の製造方法のモノマー原料として使用可能なエポキシド化合物には、キラルエポキシドおよびメソエポキシドのいずれもが包含される。具体的には下式で表されるエポキシドが包含され得る。
(上式中、R1およびR2は、同時に水素原子であることがないことを条件に、同一でも異なっていてもよく、更に、R1およびR2は、独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換アミノ基(−NR3R4)、シアノ、直鎖または分岐鎖のC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル若しくはC2〜C20アルキニル、C4〜C10シクロアルキル、C6〜C40アリールまたはC7〜C40アリールアルキルであり、あるいは、R1およびR2は一緒になって飽和または不飽和のC4〜C10脂環式基を形成してもよく;前記アリールおよびアリールアルキル中のアリール部分並びに前記脂環式基は、ハロゲン原子、直鎖または分岐鎖のC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル若しくはC2〜C20アルキニル、C4〜C20シクロアルキルからなる群から選ばれる1個以上の置換基で置換されてもよく、あるいは、アリール環を構成する二個の隣接した炭素に結合する両置換基が一緒になって飽和または不飽和のC4〜C10脂環式基を形成してもよく;前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル、アリールおよび脂環式基は1個以上のヘテロ原子を含んでよく、ここで前記ヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、リンおよびケイ素の中から選択される1種類以上の原子であり;前記ハロゲンはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素の中から選択される1種類以上の原子であり、
R3およびR4は直鎖または分岐鎖のC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル若しくはC2〜C20アルキニル、C4〜C10シクロアルキル、C6〜C40アリールまたはC7〜C40アリールアルキルであり、あるいは、R3およびR4は一緒になって飽和または不飽和のC4〜C10脂環式基を形成してもよく、
さらに、前記ヘテロ原子は、例えば以下の形態で存在することが可能であり:
酸素原子はアルキルおよびアリールアルキルのアルキル鎖に含まれて、エーテル結合を生じさせ、アリールオキシ基を形成し得る。また、酸素はアルキル鎖(環状、非環状のいずの場合も含む)の炭素原子との間でカルボニル(C=O)を形成してもよく、該カルボニルと隣接する酸素または窒素とともにエステル構造またはアミド構造を与えてもよく;酸素の代わりにSが存在する場合には、チオエーテル、チオニル(C=S)、チオエステルなどの構造が形成され得る。)
本発明の製造方法に使用可能な、より好ましいエポキシド化合物は、下式で表されるキラルエポキシドまたはメソエポキシドである。
(上式中、R1およびR2は、同時に水素原子であることがないことを条件に、同一でも異なっていてもよく、更に、R1およびR2は、独立に、水素原子、直鎖または分岐鎖のC1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル若しくはC2〜C8アルキニル、C4〜C8シクロアルキル、C6〜C16アリールまたはC7〜C20アリールアルキルであり、あるいは、R1およびR2は一緒になって飽和または不飽和のC4〜C8脂環式基を形成してもよく;前記アリールおよびアリールアルキル中のアリール部分並びに前記脂環式基は、ハロゲン原子、直鎖または分岐鎖のC1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル若しくはC2〜C8アルキニル、C4〜C8シクロアルキルからなる群から選ばれる1個以上の置換基で置換されてもよく、あるいは、アリール環を構成する二個の隣接した炭素に結合する両置換基が一緒になって飽和または不飽和のC4〜C8脂環式基を形成してもよく;前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル、アリールおよび脂環式基は1個以上のヘテロ原子を含んでよく、前記ハロゲンはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素の中から選択される1種類以上の原子である。)
本発明の製造方法にモノマー原料として特に好ましいキラルエポキシドの具体例としては、プロピレンオキシド、1−ブテンオキシド、1−ペンテンオキシド、2−ペンテンオキシド、1−ヘキセンオキシド、1−オクテンオキシド、1−ドデセンオキシド、スチレンオキシド、ビニルシクロヘキセンオキシド、3−フェニルプロピレンオキシド、3,3,3−トリフルオロプロピレンオキシド、3−ナフチルプロピレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、3−トリメチルシリルオキシプロピレンオキシドなどが挙げられ、中でもプロピレンオキシドが好ましい。これらのキラルエポキシドはラセミ混合物として用いることができる(ただし、これらに限定されるわけではない)。
同様に、モノマー原料として特に好ましいメソエポキシドの具体例としては、2−ブテンオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシドをあげることができる(ただし、これらに限定されるわけではない)。
一方、キラルエポキシドと共重合させる二酸化炭素は、気体のまま反応容器に導入して反応に使用する。また、本発明における交互共重合反応は、酸素などの影響を排除するために不活性雰囲気下で実施することが好ましく、二酸化炭素は不活性ガスとともに反応容器内に共存する。反応容器内の二酸化炭素の圧力は、0.1〜6MPa、好ましくは、1.0〜3.0MPaである。反応に使用するエポキシドと二酸化炭素のモル比は、典型的には1:0.1〜1:10であるが、好ましくは1:0.5〜1:3.0、より好ましくは1:1.0〜1:2.0である。
本発明の共重合反応は、溶媒中で行ってもよいし、溶媒を使用せずに行ってもよい。溶媒を用いる場合には、トルエン、塩化メチレン、1,2−ジメトキシエタンなどを使用してもよく、好ましくは、1,2−ジメトキシエタンである。
本発明における交互共重合は、約0〜60℃の温度範囲で実施可能であるが、通常は室温で実施される。交互共重合反応は、過剰量の二酸化炭素の存在下では、エポキシドが完全に消費されるまで続けることができるが、数時間〜数十時間にわたって反応を十分に進行させた後に適当な反応停止剤で反応を停止させてもよい。反応停止剤は、ポリカルボナートの重合反応を停止させる慣用の試薬であれば、特に制限なく使用してよい。例えば、アルコール(例えばメタノール)、水、酸(例えば塩酸)などの活性プロトンをもつ化合物を使用することができる。交互共重合の終了後、未反応物および溶媒(溶媒を用いた場合)を留去し、生成した反応生成物を再沈殿その他の適切な方法で精製することができる。
本発明のより製造されるポリカルボナートの分子量は、ゲルパミエーションクロマトグラフィー(GPC;ポリスチレン換算)によって測定した典型的な数平均分子量Mnでは1000以上、好ましくは2,000〜1,000,000、さらに好ましくは3,000〜100,000である。
本発明の製造方法により得られる光学活性ポリカルボナートは比較的狭い分子量分布(Mw/Mn)を有し得る。具体的には、4未満であり、好ましくは2.5未満、最も好ましくは、約1.0〜約1.6である。
これらのサレン系配位子に含まれるサリチル基の3位および/または3’位には、不斉炭素中心または不斉軸を有するアミノ基で置換されたメチル基(以下「アーム」という。)を導入することができる。3,3’位の双方にアームが導入される場合、2個の置換基は同一でも異なっていてもよい。アームを構成するアミノ基は三級アミノ基であってよく、好ましくはピロリジニル基またはピペリジニル基であり、最も好ましいのはピロリジニル基である。したがって、例えばアームを構成するアミノ基がピロリジニル基である場合には、該基の5員環に単一の置換基が結合した場合、該置換基の結合する5員環の炭素は不斉中心として光学活性を示すことになる。以下にアームの具体的例を示す(ただし、以下の置換基に限定されるわけではない)。
アームを構成するアミノ基の構造を特徴づける不斉炭素中心または不斉軸周りの絶対配置は(R)、(S)の2種類であるが、いずれの絶対配置を有するアームを選択して導入すべきかという点については、所望の光学活性を有するポリカルボナートの絶対配置を考慮して決めることができる。
本発明の重合反応には上記コバルト錯体の中心金属が関与することから、基質に対してコバルト金属が作用しやすいように、中心金属の軸方向には1個または2個の置換容易な配位子が配位し得る。もっとも典型的な配位子は、カルボキシラート、ハロゲンなどであり、好ましくはアセトナト(AcO−)である。
したがって、好ましい本発明のコバルト−シッフ塩基錯体は下式で表される化合物である。
(式中、Xは、H、C1−20アルキル、C1−20アルコキシ、C6−20アリール、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択されるいずれか1種類の基または原子であり、Yは脂肪族カルボキシラート、芳香族カルボキシラート、Cl−、Br−およびI−からなる群から選択される1種類のアニオン配位子である。)
特に好ましい本発明のコバルト−シッフ塩基錯体は下式で表される化合物である。
本発明に使用する触媒系は、求核試薬その他の助触媒を使用しなくても、単独で十分な触媒活性を示しかつ優れたエナンチオ選択性を発揮する。また、本発明において、ポリカルボナート共重合体の製造に使用されている従来の触媒系と同様に、コバルト−シッフ塩基錯体と求核試薬などの助触媒とを組み合わせた複合触媒系を使用してもよい。
また、本発明の触媒には、基質転化率を100%にすることができる(すなわち、基質を完全に消費することが可能である)という特徴がある。この特徴に関連して、本発明には、以下のような好ましい態様が存在する。
すなわち、本発明の触媒の存在下、モノマー原料としてキラルエポキシドのラセミ混合物を使用して二酸化炭素との交互共重合を行わせた場合、最初にモノマー原料中に含まれる光学異性体の1種類が選択的に消費されることから、当該光学異性体が完全に消費されるまでの間、高分子鎖中に含まれる不斉炭素中心の絶対配置はSまたはRの一方を優先的に含む光学活性ポリマーが生成する。
したがって、本発明の一態様によれば、モノマー原料に含まれる1種類の光学異性体が選択的に消費され、該光学異性体が完全になくなる前に、反応停止剤により重合反応を停止させることによって、高分子鎖中に含まれる不斉炭素中心の絶対配置がSまたはRの一方を優先的に含む光学活性ポリカルボナートを製造することができる。
これに対し、本発明の触媒の存在下、一方の光学異性体を完全に重合反応に消費させた後、引き続き重合反応を継続させると、選択されずに残存していたもう一方の光学異性体が高分子鎖に結合されて、従前の高分子鎖とは絶対配置の異なる連鎖構造が付加される。
したがって、本発明の別の態様によれば、光学異性体の1種類が完全に消費された後、更に重合反応を継続させることによって、高分子鎖中の不斉炭素中心の絶対配置がSであるものを優先的に含むブロックと絶対配置がRであるものを優先的に含むブロックからなるポリカルボナートを製造することができる。
さらに、本発明の触媒の存在下、モノマー原料としてメソエポキシド化合物を使用して二酸化炭素と交互共重合を行わせた場合には、エポキシ環の開環と重合が立体選択的に起こる。
したがって、本発明の更に異なる態様によれば、高分子鎖中の不斉炭素中心の絶対配置が(R,R)または(S,S)の一方のみからなる立体規則性の高い(しかも光学活性を有する)ポリカルボナートを製造することもできる。
加えて、本発明の触媒を利用した製造方法によれば、基質を完全に消費することが可能であることから、第一のエポキシドを完全に消費した後で、第一のエポキシドと同一または異なる第二のエポキシドを投入することによって、立体規則性の高いブロック重合体を合成できる。
したがって、本発明の製造方法によれば、モノマー原料に含まれる光学異性体の構成比率のみならず、エポキシドの種類や投入する順序を適宜調整することによって、立体規則性が制御された多様なポリカルボナート共重合体を製造することができる。
本発明の好ましい態様は、新規なブロック共重合体構造を有するポリカルボナートを包含する。すなわち、本発明のポリカルボナートは、高分子鎖中の不斉炭素中心の絶対配置がSであるものを優先的に含むブロックと絶対配置がRであるものを優先的に含むブロックからなるブロック共重合体である。さらに、本発明のポリカルボナートは、高分子鎖中の不斉炭素中心の絶対配置がSのみであるものを含むブロックと絶対配置がRのみであるものを含むブロックからなるブロック共重合体である。
ここで、ブロック内に優先的に含まれる一方のエポキシド光学異性体のモル比は、ブロック内に含まれるエポキシドモノマーの全量を基準として60%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは75%以上の値をとり得る。
本発明の製造方法のモノマー原料として使用可能なエポキシド化合物には、キラルエポキシドおよびメソエポキシドのいずれもが包含される。具体的には下式で表されるエポキシドが包含され得る。
(上式中、R1およびR2は、同時に水素原子であることがないことを条件に、同一でも異なっていてもよく、更に、R1およびR2は、独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換アミノ基(−NR3R4)、シアノ、直鎖または分岐鎖のC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル若しくはC2〜C20アルキニル、C4〜C10シクロアルキル、C6〜C40アリールまたはC7〜C40アリールアルキルであり、あるいは、R1およびR2は一緒になって飽和または不飽和のC4〜C10脂環式基を形成してもよく;前記アリールおよびアリールアルキル中のアリール部分並びに前記脂環式基は、ハロゲン原子、直鎖または分岐鎖のC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル若しくはC2〜C20アルキニル、C4〜C20シクロアルキルからなる群から選ばれる1個以上の置換基で置換されてもよく、あるいは、アリール環を構成する二個の隣接した炭素に結合する両置換基が一緒になって飽和または不飽和のC4〜C10脂環式基を形成してもよく;前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル、アリールおよび脂環式基は1個以上のヘテロ原子を含んでよく、ここで前記ヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、リンおよびケイ素の中から選択される1種類以上の原子であり;前記ハロゲンはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素の中から選択される1種類以上の原子であり、
R3およびR4は直鎖または分岐鎖のC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニル若しくはC2〜C20アルキニル、C4〜C10シクロアルキル、C6〜C40アリールまたはC7〜C40アリールアルキルであり、あるいは、R3およびR4は一緒になって飽和または不飽和のC4〜C10脂環式基を形成してもよく、
さらに、前記ヘテロ原子は、例えば以下の形態で存在することが可能であり:
酸素原子はアルキルおよびアリールアルキルのアルキル鎖に含まれて、エーテル結合を生じさせ、アリールオキシ基を形成し得る。また、酸素はアルキル鎖(環状、非環状のいずの場合も含む)の炭素原子との間でカルボニル(C=O)を形成してもよく、該カルボニルと隣接する酸素または窒素とともにエステル構造またはアミド構造を与えてもよく;酸素の代わりにSが存在する場合には、チオエーテル、チオニル(C=S)、チオエステルなどの構造が形成され得る。)
本発明の製造方法に使用可能な、より好ましいエポキシド化合物は、下式で表されるキラルエポキシドまたはメソエポキシドである。
(上式中、R1およびR2は、同時に水素原子であることがないことを条件に、同一でも異なっていてもよく、更に、R1およびR2は、独立に、水素原子、直鎖または分岐鎖のC1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル若しくはC2〜C8アルキニル、C4〜C8シクロアルキル、C6〜C16アリールまたはC7〜C20アリールアルキルであり、あるいは、R1およびR2は一緒になって飽和または不飽和のC4〜C8脂環式基を形成してもよく;前記アリールおよびアリールアルキル中のアリール部分並びに前記脂環式基は、ハロゲン原子、直鎖または分岐鎖のC1〜C8アルキル、C2〜C8アルケニル若しくはC2〜C8アルキニル、C4〜C8シクロアルキルからなる群から選ばれる1個以上の置換基で置換されてもよく、あるいは、アリール環を構成する二個の隣接した炭素に結合する両置換基が一緒になって飽和または不飽和のC4〜C8脂環式基を形成してもよく;前記アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキル、アリールおよび脂環式基は1個以上のヘテロ原子を含んでよく、前記ハロゲンはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素の中から選択される1種類以上の原子である。)
本発明の製造方法にモノマー原料として特に好ましいキラルエポキシドの具体例としては、プロピレンオキシド、1−ブテンオキシド、1−ペンテンオキシド、2−ペンテンオキシド、1−ヘキセンオキシド、1−オクテンオキシド、1−ドデセンオキシド、スチレンオキシド、ビニルシクロヘキセンオキシド、3−フェニルプロピレンオキシド、3,3,3−トリフルオロプロピレンオキシド、3−ナフチルプロピレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、3−トリメチルシリルオキシプロピレンオキシドなどが挙げられ、中でもプロピレンオキシドが好ましい。これらのキラルエポキシドはラセミ混合物として用いることができる(ただし、これらに限定されるわけではない)。
同様に、モノマー原料として特に好ましいメソエポキシドの具体例としては、2−ブテンオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシドをあげることができる(ただし、これらに限定されるわけではない)。
一方、キラルエポキシドと共重合させる二酸化炭素は、気体のまま反応容器に導入して反応に使用する。また、本発明における交互共重合反応は、酸素などの影響を排除するために不活性雰囲気下で実施することが好ましく、二酸化炭素は不活性ガスとともに反応容器内に共存する。反応容器内の二酸化炭素の圧力は、0.1〜6MPa、好ましくは、1.0〜3.0MPaである。反応に使用するエポキシドと二酸化炭素のモル比は、典型的には1:0.1〜1:10であるが、好ましくは1:0.5〜1:3.0、より好ましくは1:1.0〜1:2.0である。
本発明の共重合反応は、溶媒中で行ってもよいし、溶媒を使用せずに行ってもよい。溶媒を用いる場合には、トルエン、塩化メチレン、1,2−ジメトキシエタンなどを使用してもよく、好ましくは、1,2−ジメトキシエタンである。
本発明における交互共重合は、約0〜60℃の温度範囲で実施可能であるが、通常は室温で実施される。交互共重合反応は、過剰量の二酸化炭素の存在下では、エポキシドが完全に消費されるまで続けることができるが、数時間〜数十時間にわたって反応を十分に進行させた後に適当な反応停止剤で反応を停止させてもよい。反応停止剤は、ポリカルボナートの重合反応を停止させる慣用の試薬であれば、特に制限なく使用してよい。例えば、アルコール(例えばメタノール)、水、酸(例えば塩酸)などの活性プロトンをもつ化合物を使用することができる。交互共重合の終了後、未反応物および溶媒(溶媒を用いた場合)を留去し、生成した反応生成物を再沈殿その他の適切な方法で精製することができる。
本発明のより製造されるポリカルボナートの分子量は、ゲルパミエーションクロマトグラフィー(GPC;ポリスチレン換算)によって測定した典型的な数平均分子量Mnでは1000以上、好ましくは2,000〜1,000,000、さらに好ましくは3,000〜100,000である。
本発明の製造方法により得られる光学活性ポリカルボナートは比較的狭い分子量分布(Mw/Mn)を有し得る。具体的には、4未満であり、好ましくは2.5未満、最も好ましくは、約1.0〜約1.6である。
以下の実施例により、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例で得られた化合物の1H NMRスペクトルの測定は、JEOL社製JNM−ECP500(500MHz)を用いて行った。
光学活性ポリカルボナートの分子量測定は、ジーエルサイエンス社製高速液体クロマトグラフィーシステム(DG660B・PU713・UV702・RI704・CO631A)とSHODEX社製 KF−804Fカラム2本を用いてテトラヒドロフランを溶出液として(40℃,1.0mL/分)、ポリスチレン標準を基準に換算して測定し、解析ソフトウェア(Scientific Software社製 EZChrom Elite)で処理して求めた。
また、本実施例では、未反応の光学活性エポキシドの光学純度を、該エポキシドを対応する環状カルボナートに変換して算出した鏡像体過剰率(%ee)によって評価した。鏡像体過剰率を求めるために、島津製作所社製ガスクロマトグラフシステム(GC−2010)および分析カラム(Chemopack社製 CHIRASIL−DEX CB)を使用してヘリウムをキャリアガスとして測定を行った。鏡像体過剰率は、ガスクロマトグラフによって得られるそれぞれの光学異性体のピーク面積(R体、S体のピーク面積をそれぞれAR、ASとする)から下式により評価した。
鏡像体過剰率(% ee)=100×|AR−AS|/(AR+AS)
さらに、ラセミ体から一種類の鏡像異性体を優先的にポリマーに取り込んだかを示す選択性を以下の指標(kre1)を下式により評価した。
kre1=ln[1−c(1+ee)]/ln[1−c(1−ee)]
ここで、eeは上記の方法で求めた未反応エポキシドの鏡像体過剰率であり、cはエポキシドの転化率である。
(1)触媒の調製
以下の合成例に溶媒として使用したジクロロメタンおよびテトラヒドロフランは関東化学株式会社から入手した脱水グレードの試薬をGlass Contour社製溶媒精製装置に通したものを使用した。また、エタノールは関東化学から入手した試薬を精製せずにそのまま用いた。
酢酸コバルトは関東化学から入手可能した。氷酢酸はアルドリッチ社から入手した試薬を精製せずにそのまま用いた。(1R,2R)−1,2−ジアミノシクロヘキサンは、東京化成工業株式会社から入手した試薬をそのまま使用した。(S)−2−(ジフェニルメトキシメチル)ピロリジンは文献[(1)Enders,D.;Kipphardt,H.;Gerdes,P.;Brena−Valle,L.J.;Bhushan,V.Bull.Soc.Chim.Belg.1988,8−9,691−704. (2)Ho,C.Y.;Chen,Y.C.;Wong,M.K.;Yang,D.J.Org.Chem.2005,70、898−906.]に記載の方法に従って調製したものを使用した。
以下の配位子合成において原料に用いられるサリチルアルデヒド誘導体3は文献(DiMauro,E.F.;Kozlowski,M.C.Org.Lett.2001,3,3053−3056)に従って調製したものを使用した。
また、以下の錯体合成に使用した既知のシッフ塩基化合物1aは、文献(DiMauro,E.F.;Kozlowski,M.C.Org.Lett.2002,4,3781−3784.)に従って調製したものを使用した。
合成例A: 新規なシッフ塩基化合物の合成
A−1.salcy配位子1bの合成
アルゴンガス雰囲気下、20mL容のシュレンク管にサリチルアルデヒド誘導体3(248mg,0.91mmol)とテトラヒドロフラン(10mL)を入れ、テトラヒドロフラン(20mL)に溶解させた(S)−2−(ジフェニルメトキシメチル)ピロリジン[(S)−4,450mg,1.7mmol]をゆっくり加える。25℃で2時間攪拌後、生じた沈殿をろ別し、濾液を濃縮して、サリチルアルデヒド誘導体(S)−5を得た(384mg,収率84%)。1H NMR(CDCl3,500MHz)d 10.29(s,1H),7.56−7.50(m,5H),7.40−7.29(m,8H),4.36(d,J=13.5Hz,1H),3.99(dd,J=9.9,4.1Hz,1H),3.68(d,J=13.7Hz,1H),2.96(s,3H),2.38−2.34(m,1H),2.20−2.15(m,1H),2.10−2.02(m,1H),1.86−1.80(m,1H),1.46−1.40(m,1H),1.30(s,9H),0.72−0.62(m,1H)。
得られたサリチルアルデヒド誘導体(S)−5(178mg,0.39mmol)をエタノール(1.0mL)、塩化メチレン(3.0mL)に溶解させ、エタノール(3.0mL)に溶解させた(1R,2R)−1,2−ジアミノシクロヘキサン[(1R,2R)−6,22mg,0.19mmol]を加えた。25℃で12時間攪拌し、濃縮して目的のsalcy配位子1bを得た(190mg,収率99%)。1H NMR(CDCl3,500MHz)d 8.24(s,2H),7.63(d,J=7.3Hz,4H),7.60(d,J=7.6Hz,4H),7.40−7.21(m,16H),6.95(d,J=2.1Hz,2H),3.99(dd,J=9.6,3.2Hz,2H),3.92(d,J=13.1Hz,2H),3.81(d,J=14.2Hz,2H),3.30−3.25(m,2H),2.90(s,6H),2.45−2.39(m,2H),2.10−2.03(m,2H),2.00−1.60(m,12H),1.48−1.41(m,2H),1.22(s,18H),0.38−0.29(m,2H)。
合成例B: 新規なコバルト−シッフ塩基錯体の合成
B−1.錯体2aの合成
アルゴンガス雰囲気下、20mL容のシュレンク管に酢酸コバルト(29mg,0.16mmol)、salcy配位子1a(110mg,0.16mmol)、ジクロロメタン(1.0mL)を入れ、室温で15分攪拌した後、35℃で2.5時間攪拌した。ジクロロメタン(2.0mL)に溶解させた氷酢酸(65mL)を加え、空気下で3.5時間攪拌した。減圧下で揮発成分を除き、十分に乾燥させて、目的のコバルト錯体2aを赤褐色の固体として定量的に得た。1H NMR(CDCl3,500MHz)d 7.64(s,2H),7.40(d,J=2.2Hz,2H),7.29(d,J=2.2Hz,2H),5.21(d,J=12.1Hz,2H),4.31(d,J=12.1Hz,2H),4.12−4.06(m,2H),4.01(d,J=8.2Hz,2H),3.93−3.88(m,2H),3.76−3.71(m,2H),3.67−3.62(m,2H),3.49−3.41(m,6H),2.91(d,J=11.0Hz,2H),2.06−1.86(m,10H),1,77−1.68(m,4H),1.60−1.54(m,2H),1.34−1.24(m,24H)。
B−2.錯体2bの合成
アルゴンガス雰囲気下、20mL容のシュレンク管に酢酸コバルト(23mg,0.13mmol)、salcy配位子1b(127mg,0.13mmol)、ジクロロメタン(1.0mL)を入れ、室温で15分攪拌した後、35℃で2.5時間攪拌した。25℃に降温し、ジクロロメタン(2.0mL)に溶解させた氷酢酸(50mL)を加え、空気下で3時間攪拌した。減圧下で揮発成分を除き、十分に乾燥させて、目的のコバルト錯体2bを赤褐色の固体として定量的に得た。
(2)ポリカルボナートの製造
以下の重合実験に使用したプロピレンオキシドは、東京化成工業から入手した試薬を水素化カルシウムで脱水後、アルゴン雰囲気下で蒸留して得られたものである。
また、以下のポリカルボナートの製造に使用した錯体6は、前掲のK.Nakano,et al.,Angew.Chem.,Int.Ed,2006,45,7274−7277に従って調製したものを使用した。
また、基質転化率は以下のようにして算出した。すなわち、重合終了後、反応混合物に内部標準としてフェナントレンを加え、生じた混合物の一部を抜き取り、1H NMR測定をおこなった。フェナントレン、ポリプロピレンカルボナート(PPC)、プロピレンカルボナート(PC)それぞれのピーク面積から、PPCとPCの生成量を算出し、その和を基質転化率とした。
実施例1:本発明のコバルト錯体2aを用いたポリプロピレンカルボナートの製造
アルゴンガス雰囲気下、コバルト錯体2a(12.4mg,0.014mmol)、プロピレンオキシド(2.0mL,28.6mmol)を耐圧反応容器に入れ、二酸化炭素(1.4MPa)を圧入して25℃で12時間攪拌した。二酸化炭素圧を抜き、未反応のプロピレンオキシドの大部分を減圧下で回収し、反応容器内に残った固体状の組成生物をジクロロメタンをもちいて丸底フラスコに移したあと、濃縮・真空乾燥して共重合体の粗生成物を得た。[NMR収率32%(内部標準物質:フェナントレン)、[α]D 25=−10° (c=0.50,CHCl3)]。
回収した未反応のエポキシド、ヨウ化ナトリウム(21mg,0.14mmol)、トリフェニルホスフィン(38mg,0.14mmol)、フェノール(14mg,0.14mmol)を耐圧反応容器に入れ、二酸化炭素(4.0MPa)を圧入して120℃で5時間攪拌した。二酸化炭素圧を抜き、反応混合物の一部を採取して、ガスクロマトグラフィーによって生成したプロピレンカルボナートの鏡像体過剰率を決定した(13.3% ee)。上述の式により、kre1=2.0と算出した。
実施例2:本発明のコバルト錯体2bを用いたポリプロピレンカルボナートの製造
アルゴンガス雰囲気下、コバルト錯体2b(17mg,0.014mmol)、プロピレンオキシド(2.0mL,28.6mmol)を耐圧反応容器に入れ、二酸化炭素(1.4MPa)を圧入して25℃で84時間撹拌した。二酸化炭素圧を抜き、未反応のプロピレンオキシドの大部分を減圧下で回収し、反応容器内に残った固体状の組成生物をクロロホルムをもちいて丸底フラスコに移したあと、濃縮・真空乾燥して共重合体の粗生成物を得た[NMR収率24%(内部標準物質:フェナントレン)]。
回収した未反応のエポキシド、ヨウ化ナトリウム(21mg,0.14mmol)、トリフェニルホスフィン(38mg,0.14mmol)、フェノール(14mg,0.143mmol)を耐圧反応容器に入れ、二酸化炭素(4.0MPa)を圧入して120℃で5時間攪拌した。二酸化炭素圧を抜き、反応混合物の一部を採取して、ガスクロマトグラフィーによって生成したプロピレンカルボナートの鏡像体過剰率を決定した(15.4% ee)。上述の式により、kre1=2.7と算出した。
比較例1: 公知のコバルト錯体6を用いたポリプロピレンカルボナートの製造
アルゴンガス雰囲気下、コバルト錯体6(12mg,0.014mmol)、プロピレンオキシド(2.0mL,28.6mmol)を耐圧反応容器に入れ、二酸化炭素(1.4MPa)を圧入して25℃で2時間撹拌した。二酸化炭素圧を抜き、未反応のプロピレンオキシドの大部分を減圧下で回収し、反応容器内に残った固体状の組成生物をクロロホルムをもちいて丸底フラスコに移したあと、濃縮・真空乾燥して共重合体の粗生成物を得た[NMR収率29%(内部標準物質:フェナントレン)]。
回収した未反応のエポキシド、ヨウ化ナトリウム(21mg,0.143mmol)、トリフェニルホスフィン(38mg,0.143mmol)、フェノール(14mg,0.143mmol)を耐圧反応容器に入れ、二酸化炭素(4.0MPa)を圧入して120℃で5時間攪拌した。二酸化炭素圧を抜き、反応混合物の一部を採取して、ガスクロマトグラフィーによって生成したプロピレンカルボナートの鏡像体過剰率を決定した(0% ee)。上述の式により、kre1=1.0と算出した。
実施例1、2および比較例1の結果を比較したものを下表に示す。
実施例3: 本発明のコバルト錯体2aを用いポリプロピレンカルボナートの製造(高基質転化率を達成した場合)
アルゴンガス雰囲気下、コバルト錯体2a(12mg,0.014mmol)、プロピレンオキシド(2.0mL,28.6mmol)を耐圧反応容器に入れ、二酸化炭素(1.4MPa)を圧入して25℃で78時間撹拌した。二酸化炭素圧を抜き、未反応のプロピレンオキシドの大部分を減圧下で回収し、反応容器内に残った固体状の組成生物をクロロホルムをもちいて丸底フラスコに移したあと、濃縮・真空乾燥して共重合体の粗生成物を得た[NMR収率84%(内部標準物質:フェナントレン)]。
比較例2: 公知のコバルト錯体6を用いたポリプロピレンカルボナートの製造(高基質転化率を追求した場合)
アルゴンガス雰囲気下、コバルト錯体6(5.9mg,0.0073mmol)、プロピレンオキシド(3.3mL,47.2mmol)を耐圧反応容器に入れ、二酸化炭素(1.4MPa)を圧入して25℃で116時間撹拌した。二酸化炭素圧を抜き、未反応のプロピレンオキシドの大部分を減圧下で回収し、反応容器内に残った固体状の粗生成物をクロロホルムをもちいて丸底フラスコに移したあと、濃縮・真空乾燥して共重合体の粗生成物を得た[NMR収率76%(内部標準物質:フェナントレン)]。
本実施例で得られた化合物の1H NMRスペクトルの測定は、JEOL社製JNM−ECP500(500MHz)を用いて行った。
光学活性ポリカルボナートの分子量測定は、ジーエルサイエンス社製高速液体クロマトグラフィーシステム(DG660B・PU713・UV702・RI704・CO631A)とSHODEX社製 KF−804Fカラム2本を用いてテトラヒドロフランを溶出液として(40℃,1.0mL/分)、ポリスチレン標準を基準に換算して測定し、解析ソフトウェア(Scientific Software社製 EZChrom Elite)で処理して求めた。
また、本実施例では、未反応の光学活性エポキシドの光学純度を、該エポキシドを対応する環状カルボナートに変換して算出した鏡像体過剰率(%ee)によって評価した。鏡像体過剰率を求めるために、島津製作所社製ガスクロマトグラフシステム(GC−2010)および分析カラム(Chemopack社製 CHIRASIL−DEX CB)を使用してヘリウムをキャリアガスとして測定を行った。鏡像体過剰率は、ガスクロマトグラフによって得られるそれぞれの光学異性体のピーク面積(R体、S体のピーク面積をそれぞれAR、ASとする)から下式により評価した。
鏡像体過剰率(% ee)=100×|AR−AS|/(AR+AS)
さらに、ラセミ体から一種類の鏡像異性体を優先的にポリマーに取り込んだかを示す選択性を以下の指標(kre1)を下式により評価した。
kre1=ln[1−c(1+ee)]/ln[1−c(1−ee)]
ここで、eeは上記の方法で求めた未反応エポキシドの鏡像体過剰率であり、cはエポキシドの転化率である。
(1)触媒の調製
以下の合成例に溶媒として使用したジクロロメタンおよびテトラヒドロフランは関東化学株式会社から入手した脱水グレードの試薬をGlass Contour社製溶媒精製装置に通したものを使用した。また、エタノールは関東化学から入手した試薬を精製せずにそのまま用いた。
酢酸コバルトは関東化学から入手可能した。氷酢酸はアルドリッチ社から入手した試薬を精製せずにそのまま用いた。(1R,2R)−1,2−ジアミノシクロヘキサンは、東京化成工業株式会社から入手した試薬をそのまま使用した。(S)−2−(ジフェニルメトキシメチル)ピロリジンは文献[(1)Enders,D.;Kipphardt,H.;Gerdes,P.;Brena−Valle,L.J.;Bhushan,V.Bull.Soc.Chim.Belg.1988,8−9,691−704. (2)Ho,C.Y.;Chen,Y.C.;Wong,M.K.;Yang,D.J.Org.Chem.2005,70、898−906.]に記載の方法に従って調製したものを使用した。
以下の配位子合成において原料に用いられるサリチルアルデヒド誘導体3は文献(DiMauro,E.F.;Kozlowski,M.C.Org.Lett.2001,3,3053−3056)に従って調製したものを使用した。
また、以下の錯体合成に使用した既知のシッフ塩基化合物1aは、文献(DiMauro,E.F.;Kozlowski,M.C.Org.Lett.2002,4,3781−3784.)に従って調製したものを使用した。
合成例A: 新規なシッフ塩基化合物の合成
A−1.salcy配位子1bの合成
アルゴンガス雰囲気下、20mL容のシュレンク管にサリチルアルデヒド誘導体3(248mg,0.91mmol)とテトラヒドロフラン(10mL)を入れ、テトラヒドロフラン(20mL)に溶解させた(S)−2−(ジフェニルメトキシメチル)ピロリジン[(S)−4,450mg,1.7mmol]をゆっくり加える。25℃で2時間攪拌後、生じた沈殿をろ別し、濾液を濃縮して、サリチルアルデヒド誘導体(S)−5を得た(384mg,収率84%)。1H NMR(CDCl3,500MHz)d 10.29(s,1H),7.56−7.50(m,5H),7.40−7.29(m,8H),4.36(d,J=13.5Hz,1H),3.99(dd,J=9.9,4.1Hz,1H),3.68(d,J=13.7Hz,1H),2.96(s,3H),2.38−2.34(m,1H),2.20−2.15(m,1H),2.10−2.02(m,1H),1.86−1.80(m,1H),1.46−1.40(m,1H),1.30(s,9H),0.72−0.62(m,1H)。
得られたサリチルアルデヒド誘導体(S)−5(178mg,0.39mmol)をエタノール(1.0mL)、塩化メチレン(3.0mL)に溶解させ、エタノール(3.0mL)に溶解させた(1R,2R)−1,2−ジアミノシクロヘキサン[(1R,2R)−6,22mg,0.19mmol]を加えた。25℃で12時間攪拌し、濃縮して目的のsalcy配位子1bを得た(190mg,収率99%)。1H NMR(CDCl3,500MHz)d 8.24(s,2H),7.63(d,J=7.3Hz,4H),7.60(d,J=7.6Hz,4H),7.40−7.21(m,16H),6.95(d,J=2.1Hz,2H),3.99(dd,J=9.6,3.2Hz,2H),3.92(d,J=13.1Hz,2H),3.81(d,J=14.2Hz,2H),3.30−3.25(m,2H),2.90(s,6H),2.45−2.39(m,2H),2.10−2.03(m,2H),2.00−1.60(m,12H),1.48−1.41(m,2H),1.22(s,18H),0.38−0.29(m,2H)。
合成例B: 新規なコバルト−シッフ塩基錯体の合成
B−1.錯体2aの合成
アルゴンガス雰囲気下、20mL容のシュレンク管に酢酸コバルト(29mg,0.16mmol)、salcy配位子1a(110mg,0.16mmol)、ジクロロメタン(1.0mL)を入れ、室温で15分攪拌した後、35℃で2.5時間攪拌した。ジクロロメタン(2.0mL)に溶解させた氷酢酸(65mL)を加え、空気下で3.5時間攪拌した。減圧下で揮発成分を除き、十分に乾燥させて、目的のコバルト錯体2aを赤褐色の固体として定量的に得た。1H NMR(CDCl3,500MHz)d 7.64(s,2H),7.40(d,J=2.2Hz,2H),7.29(d,J=2.2Hz,2H),5.21(d,J=12.1Hz,2H),4.31(d,J=12.1Hz,2H),4.12−4.06(m,2H),4.01(d,J=8.2Hz,2H),3.93−3.88(m,2H),3.76−3.71(m,2H),3.67−3.62(m,2H),3.49−3.41(m,6H),2.91(d,J=11.0Hz,2H),2.06−1.86(m,10H),1,77−1.68(m,4H),1.60−1.54(m,2H),1.34−1.24(m,24H)。
B−2.錯体2bの合成
アルゴンガス雰囲気下、20mL容のシュレンク管に酢酸コバルト(23mg,0.13mmol)、salcy配位子1b(127mg,0.13mmol)、ジクロロメタン(1.0mL)を入れ、室温で15分攪拌した後、35℃で2.5時間攪拌した。25℃に降温し、ジクロロメタン(2.0mL)に溶解させた氷酢酸(50mL)を加え、空気下で3時間攪拌した。減圧下で揮発成分を除き、十分に乾燥させて、目的のコバルト錯体2bを赤褐色の固体として定量的に得た。
(2)ポリカルボナートの製造
以下の重合実験に使用したプロピレンオキシドは、東京化成工業から入手した試薬を水素化カルシウムで脱水後、アルゴン雰囲気下で蒸留して得られたものである。
また、以下のポリカルボナートの製造に使用した錯体6は、前掲のK.Nakano,et al.,Angew.Chem.,Int.Ed,2006,45,7274−7277に従って調製したものを使用した。
また、基質転化率は以下のようにして算出した。すなわち、重合終了後、反応混合物に内部標準としてフェナントレンを加え、生じた混合物の一部を抜き取り、1H NMR測定をおこなった。フェナントレン、ポリプロピレンカルボナート(PPC)、プロピレンカルボナート(PC)それぞれのピーク面積から、PPCとPCの生成量を算出し、その和を基質転化率とした。
実施例1:本発明のコバルト錯体2aを用いたポリプロピレンカルボナートの製造
アルゴンガス雰囲気下、コバルト錯体2a(12.4mg,0.014mmol)、プロピレンオキシド(2.0mL,28.6mmol)を耐圧反応容器に入れ、二酸化炭素(1.4MPa)を圧入して25℃で12時間攪拌した。二酸化炭素圧を抜き、未反応のプロピレンオキシドの大部分を減圧下で回収し、反応容器内に残った固体状の組成生物をジクロロメタンをもちいて丸底フラスコに移したあと、濃縮・真空乾燥して共重合体の粗生成物を得た。[NMR収率32%(内部標準物質:フェナントレン)、[α]D 25=−10° (c=0.50,CHCl3)]。
回収した未反応のエポキシド、ヨウ化ナトリウム(21mg,0.14mmol)、トリフェニルホスフィン(38mg,0.14mmol)、フェノール(14mg,0.14mmol)を耐圧反応容器に入れ、二酸化炭素(4.0MPa)を圧入して120℃で5時間攪拌した。二酸化炭素圧を抜き、反応混合物の一部を採取して、ガスクロマトグラフィーによって生成したプロピレンカルボナートの鏡像体過剰率を決定した(13.3% ee)。上述の式により、kre1=2.0と算出した。
実施例2:本発明のコバルト錯体2bを用いたポリプロピレンカルボナートの製造
アルゴンガス雰囲気下、コバルト錯体2b(17mg,0.014mmol)、プロピレンオキシド(2.0mL,28.6mmol)を耐圧反応容器に入れ、二酸化炭素(1.4MPa)を圧入して25℃で84時間撹拌した。二酸化炭素圧を抜き、未反応のプロピレンオキシドの大部分を減圧下で回収し、反応容器内に残った固体状の組成生物をクロロホルムをもちいて丸底フラスコに移したあと、濃縮・真空乾燥して共重合体の粗生成物を得た[NMR収率24%(内部標準物質:フェナントレン)]。
回収した未反応のエポキシド、ヨウ化ナトリウム(21mg,0.14mmol)、トリフェニルホスフィン(38mg,0.14mmol)、フェノール(14mg,0.143mmol)を耐圧反応容器に入れ、二酸化炭素(4.0MPa)を圧入して120℃で5時間攪拌した。二酸化炭素圧を抜き、反応混合物の一部を採取して、ガスクロマトグラフィーによって生成したプロピレンカルボナートの鏡像体過剰率を決定した(15.4% ee)。上述の式により、kre1=2.7と算出した。
比較例1: 公知のコバルト錯体6を用いたポリプロピレンカルボナートの製造
アルゴンガス雰囲気下、コバルト錯体6(12mg,0.014mmol)、プロピレンオキシド(2.0mL,28.6mmol)を耐圧反応容器に入れ、二酸化炭素(1.4MPa)を圧入して25℃で2時間撹拌した。二酸化炭素圧を抜き、未反応のプロピレンオキシドの大部分を減圧下で回収し、反応容器内に残った固体状の組成生物をクロロホルムをもちいて丸底フラスコに移したあと、濃縮・真空乾燥して共重合体の粗生成物を得た[NMR収率29%(内部標準物質:フェナントレン)]。
回収した未反応のエポキシド、ヨウ化ナトリウム(21mg,0.143mmol)、トリフェニルホスフィン(38mg,0.143mmol)、フェノール(14mg,0.143mmol)を耐圧反応容器に入れ、二酸化炭素(4.0MPa)を圧入して120℃で5時間攪拌した。二酸化炭素圧を抜き、反応混合物の一部を採取して、ガスクロマトグラフィーによって生成したプロピレンカルボナートの鏡像体過剰率を決定した(0% ee)。上述の式により、kre1=1.0と算出した。
実施例1、2および比較例1の結果を比較したものを下表に示す。
実施例3: 本発明のコバルト錯体2aを用いポリプロピレンカルボナートの製造(高基質転化率を達成した場合)
アルゴンガス雰囲気下、コバルト錯体2a(12mg,0.014mmol)、プロピレンオキシド(2.0mL,28.6mmol)を耐圧反応容器に入れ、二酸化炭素(1.4MPa)を圧入して25℃で78時間撹拌した。二酸化炭素圧を抜き、未反応のプロピレンオキシドの大部分を減圧下で回収し、反応容器内に残った固体状の組成生物をクロロホルムをもちいて丸底フラスコに移したあと、濃縮・真空乾燥して共重合体の粗生成物を得た[NMR収率84%(内部標準物質:フェナントレン)]。
比較例2: 公知のコバルト錯体6を用いたポリプロピレンカルボナートの製造(高基質転化率を追求した場合)
アルゴンガス雰囲気下、コバルト錯体6(5.9mg,0.0073mmol)、プロピレンオキシド(3.3mL,47.2mmol)を耐圧反応容器に入れ、二酸化炭素(1.4MPa)を圧入して25℃で116時間撹拌した。二酸化炭素圧を抜き、未反応のプロピレンオキシドの大部分を減圧下で回収し、反応容器内に残った固体状の粗生成物をクロロホルムをもちいて丸底フラスコに移したあと、濃縮・真空乾燥して共重合体の粗生成物を得た[NMR収率76%(内部標準物質:フェナントレン)]。
Claims (13)
- 平面4配位型のコバルト−シッフ塩基錯体の存在下、エポキシド化合物をモノマー原料として、二酸化炭素と共重合させることによりポリカルボナート共重合体を製造する方法であって、前記シッフ塩基配位子がN,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジリデン)エチレンジアミンもしくはN,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジリデン)フェニレンジアミンまたはそれらの誘導体であって、サリチル基に由来するベンゼン環の3位および/または3’位に不斉炭素原子または不斉軸を有するアミノ基で置換されたメチル基が導入されていることを特徴とする方法。
- 前記モノマー原料がキラルエポキシド化合物のラセミ混合物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 前記モノマー原料中に含まれる光学異性体の1種類が重合反応に完全に消費される前に反応停止剤により重合反応を停止させ、高分子鎖中に含まれる不斉炭素中心の絶対配置がSまたはRの一方を優先的に含むポリカルボナートを得ることを含む請求項2に記載の製造方法。
- 前記モノマー原料中に含まれる光学異性体の1種類が完全に消費された後も更に重合反応を継続させて、高分子鎖中の不斉炭素中心の絶対配置がSであるものを優先的に含むブロックと絶対配置がRであるものを優先的に含むブロックからなるポリカルボナートを得ることを含む請求項2に記載の製造方法。
- 前記モノマー原料がメソエポキシド化合物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 前記モノマー原料が完全に二酸化炭素との交互共重合反応に消費された後、前記モノマー原料として使用されたエポキシド化合物と同一または異なる種類のエポキシド化合物を添加して二酸化炭素との交互共重合反応を実施することを更に含む請求項1、2、4および5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記シッフ塩基がN,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジリデン)シクロヘキサンジアミンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記アミノ基がピロリジニル基であって、該ピロリジニル基の2位の炭素原子が不斉中心となるように置換されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記ピロリジニル基が、(S)−2−メトキシメチル−1−ピロリジニル基および(S)−2−ジフェニルメトキシメチル−1−ピロリジニル基からなる群から選択されるいずれかの1つの基であることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
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XIAO-BING LU ET AL., JOURNAL OF YHE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 126, JPN6013021194, 2004, pages 3732 - 3733, ISSN: 0002522747 * |
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