JPWO2008108355A1 - 絶縁用樹脂組成物およびこれを用いた電線・ケーブル - Google Patents
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Abstract
絶縁用樹脂組成物は、ポリオレフィンをベースポリマーとする絶縁用樹脂組成物であって、(a)灰分量が20質量%以下、(b)比誘電率が2.8以下、(c)タイプAデュロメータ硬さが90以下である。また、電線・ケーブルは、このような絶縁用樹脂組成物からなる高圧絶縁体4を備える。
Description
本発明は、X線装置のX線管球と高電圧発生装置間とを連結するX線用高電圧ケーブルの絶縁体材料などとして有用な絶縁用樹脂組成物およびこれを用いた電線・ケーブルに関する。
一般に、X線装置のX線管球と高電圧発生装置間を連結するX線用高電圧ケーブルにおいては、外径が細く軽量であること、可撓性が良好で取り扱いやすいこと、高圧絶縁体の静電容量が小さく、高電圧の繰り返し課電に追従できることなどが要求されている。
従来、かかるX線用高電圧ケーブルとしては、低圧線心の2条と裸導体の1〜2条とを撚り合わせ、この上に内部半導電層を設け、さらにこの上に、高圧絶縁体、外部半導電層、遮蔽層およびシースを順に設けてなるものが知られている。高圧絶縁体には、一般に、柔軟性があり、かつ、電気特性が比較的良好なEPゴム(エチレンプロピレンゴム)が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
近時、X線装置は大幅に進歩し、それに伴い一段と高性能なケーブルが要求されてきており、特に、高圧絶縁体の低静電容量化に対する要求が高まっている。
高圧絶縁体の静電容量を小さくするためには、高圧絶縁体の厚さを厚くすればよいが、その場合、ケーブルが大径化するという問題を生じる。また、高圧絶縁体の材料として、従来のEPゴム(比誘電率約3.0)より比誘電率の低い材料、例えば比誘電率が2.3程度の架橋ポリエチレンやポリエチレンなどを使用することも考えられるが、これらの比誘電率の低い絶縁材料は硬さが大きいため、ケーブルの可撓性が損なわれるという問題を生ずる。また、例えば医療用CT(computerized tomography)装置に用いるX線用高電圧ケーブルでは、X線管球の発熱に耐え得る耐熱性が要求されるが、ポリエチレンは耐熱性に乏しく、かかる用途への適用が困難になるという問題も生ずる。
特開2002−245866公報
本発明はこのような従来技術の課題を解決するためになされたもので、X線用高電圧ケーブルの高圧絶縁体材料などとして有用な、ケーブルの大径化や可撓性および耐熱性の低下を招くことなく、絶縁体の静電容量を小さくすることができる絶縁用樹脂組成物およびこれを用いた電線・ケーブルを提供することを目的とする。
本発明の絶縁用樹脂組成物は、ポリオレフィンをベースポリマーとする絶縁用樹脂組成物であって、(a)灰分量が20質量%以下、(b)比誘電率が2.8以下、(c)タイプAデュロメータ硬さが90以下であることを特徴とする。
また、本発明の電線・ケーブルは、上記絶縁用樹脂組成物からなる被覆を有することを特徴とする。
本発明の一態様においては、(a)灰分量が10質量%以下、(b)比誘電率が2.6以下、(c)タイプAデュロメータ硬さが80以下とすることができる。
また、本発明の一態様においては、(d)熱老化(100℃、96時間)後の引張強さ残率が80%以上で、伸び残率が80%以上とすることができる。
また、本発明の一態様においては、ゲル分率が60%以上とすることができる。
また、本発明の一態様においては、ポリオレフィンが、エチレンプロピレンゴムを含む構成とすることができる。
また、本発明の一態様においては、電線・ケーブルが、高電圧電子機器用ケーブルであってよい。
本発明によれば、ケーブルの大径化や可撓性および耐熱性の低下を招くことなく、絶縁体の静電容量を小さくすることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の絶縁用樹脂組成物を構成する各成分と、この組成物の物性について説明する。なお、物性の測定方法は下記のとおりである。
(a)灰分量
JIS K 6228に準拠して測定
(b)比誘電率
高圧シェーリングブリッジ法により、1kV、周波数50Hzの条件で測定
(c)タイプAデュロメータ硬さ
JIS K 6253のタイプAデュロメータにより測定
(d)熱老化(100℃、96時間)後の引張強さ残率および伸び残率
100℃×96時間の熱老化条件で、JIS K 6257に準拠して測定
(a)灰分量
JIS K 6228に準拠して測定
(b)比誘電率
高圧シェーリングブリッジ法により、1kV、周波数50Hzの条件で測定
(c)タイプAデュロメータ硬さ
JIS K 6253のタイプAデュロメータにより測定
(d)熱老化(100℃、96時間)後の引張強さ残率および伸び残率
100℃×96時間の熱老化条件で、JIS K 6257に準拠して測定
本発明の絶縁用樹脂組成物のベースポリマーとして使用されるポリオレフィンは、エチレン・プロピレン共重合体(EPM)、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)などのエチレンプロピレンゴム、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン・アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリイソプチレンなどが例示される。また、メタロセン触媒によりエチレンにプロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテンなどのα−オレフィンや環状オレフィンなどを共重合させたものなども使用することができる。これらは単独または混合して使用される。ポリオレフィンとしては、なかでもエチレン・プロピレン共重合体(EPM)、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)などのエチレンプロピレンゴムが好ましく、その他のポリオレフィンはエチレンプロピレンゴムとの併用成分としての使用が好ましい。ポリオレフィンは、エチレンプロピレンゴム単独であることがより好ましく、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)単独であることがよりいっそう好ましい。エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)の具体例としては、三井EPT(三井化学社製 商品名)、エスプレンEPDM(住友化学社製 商品名)などが挙げられる。
本発明の絶縁用樹脂組成物は、被覆後もしくは成形後にポリマー成分を架橋させることが好ましく、これにより耐熱性や耐磨耗性などの機械的特性を向上させることができる。架橋方法は、予め絶縁用樹脂組成物に架橋剤を添加しておき、成形後に架橋させる化学架橋法や、電子線照射による電子線架橋法などを用いることができる。化学架橋法を行う場合に用いる架橋剤としては、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチルー2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルー2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイドなどが挙げられる。
架橋の度合いは、ゲル分率で60%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、85%以上がよりいっそう好ましい。ゲル分率が60%未満であると、耐熱性が不十分となり、例えば医療用CT装置に用いるX線用高電圧ケーブルの絶縁体材料として用いた場合に、X線管球の発熱に耐え得る耐熱性が得られないおそれがある。なお、このゲル分率は、JIS C 3005に規定の架橋度試験方法に基づき測定される。
本発明の絶縁用樹脂組成物には、以上説明した成分の他、さらに、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、無機充填剤(例えば、タルク、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、水酸化マグネシウムなど)、加工助剤、架橋助剤、難燃剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、軟化剤、可塑剤、滑剤、その他の添加剤を配合することができる。
本発明の絶縁用樹脂組成物における(a)灰分量は、20質量%以下であり、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、よりいっそう好ましくは3質量%以下である。灰分量が20質量%を超えると比誘電率が大きくなり、絶縁体の低静電容量化を図ることができなくなる。
また、本発明の絶縁用樹脂組成物の(b)比誘電率は、2.8以下であり、好ましくは2.6以下、より好ましくは2.4以下である。比誘電率が2.8を超えると、ケーブルを大径化せずに絶縁体の低静電容量化を図ることができなくなる。
さらに、本発明の絶縁用樹脂組成物の(c)タイプAデュロメータ硬さは、90以下であり、好ましくは80以下、より好ましくは70以下の範囲である。タイプAデュロメータ硬さが90を超えると、ケーブルの可撓性、取り扱い性が低下する。
本発明の絶縁用樹脂組成物は、(d)熱老化(100℃、96時間)後の引張強さ残率および伸び残率が、いずれも80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。熱老化(100℃、96時間)後の引張強さ残率および伸び残率のいずれか一方でも80%に満たないと、耐熱性が不十分となり、医療用CT装置に用いるX線用高電圧ケーブルの絶縁体材料への適用が困難になる。
本発明の絶縁用樹脂組成物は、前述した各成分をバンバリーミキサー、タンブラー、加圧ニーダ、混練押出機、ミキシングローラなどの通常の混練機を用いて均一に混練することにより容易に製造することができる。
また、このようにして得られた組成物を、導体外周に直接もしくは他の被覆を介して押出し被覆するか、あるいはテープ状に成形したものを巻き付けることにより、本発明の電線・ケーブルが製造される。なお、前述したように、組成物は、被覆後もしくは成形後、架橋することが好ましい。
図1は、本発明の電線・ケーブルの一実施形態のX線用高電圧ケーブルを示す横断面図である。
図1において、1は、低圧線心を示しており、この低圧線心1は、例えば直径0.35mmのすずめっき軟銅線を19本集合撚りしてなる断面積が1.8mm2の導体1aと、この導体1a上に設けられた、例えばポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂からなる、例えば厚さが0.25mmの絶縁体1bから構成されている。また、2は、高圧線心を示しており、例えば直径0.18mmのすずめっき軟銅線を50本集合撚りしてなる断面積が1.25mm2の裸導体2aで構成されている。裸導体2a上には、場合により、半導電性の被覆が設けられていてもよい。
このような低圧線心1の2条と高圧線心2の2条とが撚り合わされて線心部8が構成され、その外周には内部半導電層3、高圧絶縁体4および外部半導電層5が順に設けられている。内部半導電層3、および外部半導電層5は、例えばナイロン基材、ポリエステル基材などからなる半導電性テープの巻き付け、および/または、汎用の半導電性エチレンプロピレンゴムの押出被覆により形成され、高圧絶縁体4は、前述した絶縁用樹脂組成物の押出被覆により形成される。内部半導電層3の外径は、例えば5.0mmとされ、高圧絶縁体4および外部半導電層5は、それぞれ、例えば4.4mm厚さおよび0.2mm厚さに被覆される。
外部半導電層5上には、例えばすずめっき軟銅線の編組からなる厚さ0.3mmの遮蔽層6が設けられ、さらに、その上に例えば塩化ビニル樹脂の押出被覆により形成される厚さ1.0mmのシース7が設けられている。
このように構成されるX線用高電圧ケーブルにおいては、高圧絶縁体4が比誘電率が2.8以下でタイプAデュロメータ硬さが90以下の絶縁用樹脂組成物により形成されているので、高圧絶縁体4の静電容量を従来のそれより小さくすることができるうえ、ケーブルの可撓性が低下することはなく、ケーブル外径も従来のケーブルと同等程度とすることができる。
すなわち、高圧絶縁体の厚さを大きくすることなく(ケーブルの外径を大きくすることなく)、X線用高電圧ケーブルなどとして好適な高電圧電子機器用ケーブルを提供することができる。また、従来の静電容量と同等でよい場合には、絶縁性能に影響のない範囲内で、高圧絶縁体の外径を小さくすることができ、すなわち、ケーブルの細径化・軽量化を達成でき、可撓性が良好で取り扱い易い高電圧電子機器用ケーブルを提供することができる。
なお、高電圧電子機器用ケーブルとしては、X線装置に用いられるX線用高電圧ケーブルの他、電子ビーム溶接装置、放電加工装置、静電塗装装置、真空蒸着装置などの高圧直流回路に用いられる高圧直流ケーブルなどが挙げられる。
図2および図3は、それぞれ本発明の電線・ケーブルの他の実施形態のX線用高電圧ケーブルを示す横断面図である。
図2に示すX線用高電圧ケーブルは、線心部8が低圧線心1の2条と高圧線心2(図面の例では、裸導体2a上に半導電性の被覆2bが設けられている)の1条とを撚り合わせて構成されている以外は、図1に示すX線用高電圧ケーブルと同様に構成されている。また、図3に示すX線用高電圧ケーブルは、いわゆる単心型ケーブルの例であり、線心部8が導体2aのみで構成され、導体2a上に、内部半導電層3、高圧絶縁体4、外部半導電層5、遮蔽層6およびシース6を順に設けた構成となっている。これらのケーブルにおいても、従来の同種のケーブルと比較して、高圧絶縁体4の静電容量を従来のそれより小さくすることができるうえ、ケーブルの可撓性が低下することはなく、ケーブル外径も従来のケーブルと同等程度とすることができる。
すなわち、高圧絶縁体の厚さを大きくすることなく(ケーブルの外径を大きくすることなく)、X線用高電圧ケーブルなどとして好適な高電圧電子機器用ケーブルを提供することができる。また、従来の静電容量と同等でよい場合には、絶縁性能に影響のない範囲内で、高圧絶縁体の外径を小さくすることができ、すなわち、ケーブルの細径化・軽量化を達成でき、可撓性が良好で取り扱い易い高電圧電子機器用ケーブルを提供することができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1〜7、比較例1〜3
ベースポリマーとしてEPDM(三井化学社製 商品名 三井EPT1045)、無機充填剤としてタルク(竹原化学社製 商品名 ハイトロン)、軟化剤としてプロセスオイル(出光興産社製 商品名 ダイアナプロセスオイルPW−90)および架橋剤として有機過酸化物の一種であるジクミルパーオキサイド(日本油脂社製 商品名 パークミルD)を用い、表1に示す配合で各成分をミキシングロールにより均一に混練した後、シート状に押し出した。
ベースポリマーとしてEPDM(三井化学社製 商品名 三井EPT1045)、無機充填剤としてタルク(竹原化学社製 商品名 ハイトロン)、軟化剤としてプロセスオイル(出光興産社製 商品名 ダイアナプロセスオイルPW−90)および架橋剤として有機過酸化物の一種であるジクミルパーオキサイド(日本油脂社製 商品名 パークミルD)を用い、表1に示す配合で各成分をミキシングロールにより均一に混練した後、シート状に押し出した。
次いで、上記各シートをプレス機にて170℃×30分間、圧力19MPaの条件で加熱加圧して架橋させ、試験用シートを作製した。なお、試験用シートは、厚さ0.5mmと厚さ2mmの2種類を作製した。
得られた試験用シートについて、灰分量、ゲル分率、タイプAデュロメータ硬さ、比誘電率、並びに、熱老化(100℃、96時間)後の引張強さ残率および伸び残率を測定評価した。測定評価試験のうち、熱老化試験のみ厚さ2mmの試験用シートを使用した。これらの結果を表1下欄に示す。
表1から明らかなように、灰分量が20質量%を超える比較例1〜3では、比誘電率が3.0以上であったのに対し、灰分量が20質量%以下の実施例1〜7では、タイプAデュロメータ硬さが90以下であり、比誘電率が2.8以下であることから、ケーブルの可撓性の付与に必要な低硬度と、ケーブルの細径化および低静電容量化の両立に必要な低比誘電率とを併せ有することが確認された。さらに、熱老化(100℃、96時間)後の引張強さ残率および伸び残率がいずれも80%以上で、ゲル分率が60%以上である実施例1〜6では、耐熱性も良好であった。
実施例8〜13、比較例4〜6
ベースポリマーとしてEPDM(三井EPT1045)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ社製 商品名 ニップシールVN3)、軟化剤としてプロセスオイル(ダイアナプロセスオイルPW−90)および架橋剤として有機過酸化物の一種であるジクミルパーオキサイド(パークミルD)を用い、表2に示す配合で各成分をミキシングロールにより均一に混練した後、シート状に押し出した。
ベースポリマーとしてEPDM(三井EPT1045)、無機充填剤としてシリカ(東ソー・シリカ社製 商品名 ニップシールVN3)、軟化剤としてプロセスオイル(ダイアナプロセスオイルPW−90)および架橋剤として有機過酸化物の一種であるジクミルパーオキサイド(パークミルD)を用い、表2に示す配合で各成分をミキシングロールにより均一に混練した後、シート状に押し出した。
次いで、上記各シートをプレス機にて170℃×30分間、圧力19MPaの条件で加熱加圧して架橋させ、試験用シートを作製した。なお、試験用シートは、厚さ0.5mmと厚さ2mmの2種類を作製した。
得られた試験用シートについて、灰分量、ゲル分率、タイプAデュロメータ硬さ、比誘電率、並びに、熱老化(100℃、96時間)後の引張強さ残率および伸び残率を測定評価した。測定評価試験のうち、熱老化試験のみ厚さ2mmの試験用シートを使用した。これらの結果を表2下欄に示す。
表2から明らかなように、無機充填剤としてシリカを用いた場合であっても、灰分量が20質量%を超える比較例4〜6では、比誘電率が3.0以上となり、灰分量が20質量%以下の実施例8〜13では、タイプAデュロメータ硬さが90以下であり、比誘電率が2.8以下であることから、ケーブルの可撓性の付与に必要な低硬度と、ケーブルの細径化および低静電容量化の両立に必要な低比誘電率とを併せ有することが確認された。また、熱老化(100℃、96時間)後の引張強さ残率および伸び残率がいずれも80%以上で、ゲル分率が60%以上である実施例8〜13では、耐熱性も良好であった。
なお、本発明は以上説明した実施形態および実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
この出願は、2007年3月6日に出願された日本出願、特願2007−55864による優先権の利益に基づく。よって、それによる優先権の利益を主張する。前記日本出願の内容すべてはここに参照文献として組み込まれる。
本発明の絶縁用樹脂組成物は、例えば電力ケーブル、高電圧電子機器用ケーブル、制御用ケーブル、通信ケーブル、計装用ケーブル、信号用ケーブル、移動用ケーブルなどの各種電線・ケーブルの絶縁材、シース材をはじめ、プラグなどの電線・ケーブルの付属品など、電気絶縁性が要求される用途に広く用いることができる。特に、本発明の絶縁用樹脂組成物は、比誘電率が小さく、かつ、柔軟性に優れているので、X線用高電圧ケーブル、高圧直流ケーブルなどの高電圧電子機器用ケーブルの絶縁体材料として有用である。
Claims (18)
- ポリオレフィンをベースポリマーとする絶縁用樹脂組成物であって、
(a)灰分量が20質量%以下、(b)比誘電率が2.8以下、(c)タイプAデュロメータ硬さが90以下であることを特徴とする絶縁用樹脂組成物。 - (a)灰分量が10質量%以下、(b)比誘電率が2.6以下、(c)タイプAデュロメータ硬さが80以下であることを特徴とする請求項1記載の絶縁用樹脂組成物。
- (a)灰分量が5質量%以下、(b)比誘電率が2.4以下、(c)タイプAデュロメータ硬さが70以下であることを特徴とする請求項1記載の絶縁用樹脂組成物。
- (d)熱老化(100℃、96時間)後の引張強さ残率が80%以上で、伸び残率が80%以上であることを特徴とする請求項1記載の絶縁用樹脂組成物。
- ゲル分率が60%以上であることを特徴とする請求項1記載の絶縁用樹脂組成物。
- ゲル分率が80%以上であることを特徴とする請求項1記載の絶縁用樹脂組成物。
- ポリオレフィンが、エチレンプロピレンゴムを含むことを特徴とする請求項1記載の絶縁用樹脂組成物。
- ポリオレフィンが、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体を含むことを特徴とする請求項1記載の絶縁用樹脂組成物。
- ポリオレフィンをベースポリマーとし、(a)灰分量が20質量%以下、(b)比誘電率が2.8以下、(c)タイプAデュロメータ硬さが90以下である絶縁用樹脂組成物からなる被覆を有することを特徴とする電線・ケーブル。
- (a)灰分量が10質量%以下、(b)比誘電率が2.6以下、(c)タイプAデュロメータ硬さが80以下であることを特徴とする請求項9記載の絶縁用樹脂組成物。
- (a)灰分量が5質量%以下、(b)比誘電率が2.4以下、(c)タイプAデュロメータ硬さが70以下であることを特徴とする請求項9記載の電線・ケーブル。
- (d)熱老化(100℃、96時間)後の引張強さ残率が80%以上で、伸び残率が80%以上であることを特徴とする請求項9記載の電線・ケーブル。
- ゲル分率が60%以上であることを特徴とする請求項9記載の電線・ケーブル。
- ゲル分率が80%以上であることを特徴とする請求項9記載の電線・ケーブル。
- ポリオレフィンが、エチレンプロピレンゴムを含むことを特徴とする請求項9記載の電線・ケーブル。
- ポリオレフィンが、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体を含むことを特徴とする請求項9記載の電線・ケーブル。
- 電線・ケーブルが、高電圧電子機器用ケーブルであることを特徴とする請求項9記載の電線・ケーブル。
- 電線・ケーブルが、X線用高電圧ケーブルであることを特徴とする請求項9記載の電線・ケーブル。
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