JP2013161617A - 電力ケーブル用半導電性ゴム組成物、並びにこれを用いた電力ケーブルおよびケーブル接続部 - Google Patents

電力ケーブル用半導電性ゴム組成物、並びにこれを用いた電力ケーブルおよびケーブル接続部 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性が高く、かつ圧縮永久歪み特性に優れた電力ケーブル用半導電性ゴム組成物、およびそのような組成物を用いた電力ケーブル、ケーブル接続部を提供する。
【解決手段】電力ケーブル用半導電性ゴム組成物は、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体100質量部に対し、導電性カーボンブラック50〜100質量部、および針状単結晶体からなるテトラポット状酸化亜鉛0.5〜15.0質量部を含有する。また、電力ケーブルおよびケーブル接続部は、それぞれそのような半導電性ゴム組成物からなる半導電層を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、電力ケーブルやその接続部の半導電層の形成に適した半導電性ゴム組成物、並びにこれを用いた電力ケーブルおよびケーブル接続部に関する。
CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル)などのゴム・プラスチック絶縁電力ケーブルやその接続部においては、導体や絶縁体の外周に電気的ストレスの緩和やコロナ放電の防止などを目的として半導電層が設けられる。この半導電層の形成には、従来、エチレンプロピレンゴム、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体などのエチレン系ポリマーに、導電性付与剤として導電性カーボンブラックを配合した組成物が一般に使用されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
しかしながら、このような従来の組成物においては、導電性を高めるため導電性カーボンブラックを多量に配合しており、そのため、十分な圧縮永久歪み特性が得られないという問題があった。これは、導電性カーボンブラックを多量に配合すると、架橋(加硫)阻害が生じて架橋度が低下するためで、この架橋度の低下は架橋剤の添加量を増大させても解決することはできなかった。また、導電性付与剤として金属粉を併用することで、導電性カーボンブラックの使用量を減らすことも検討されたが、長期に亘って安定した導電性を得ることが難しいという難点があった。
特開昭60−208340号公報 特開昭60−208340号公報
本発明はこのような従来技術の課題を解決するためになされたもので、導電性が高く、かつ圧縮永久歪み特性に優れた電力ケーブル用半導電性ゴム組成物、並びにそのような半導電性ゴム組成物を用いた高信頼性の電力ケーブルおよびケーブル接続部を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、特定のエチレン系三元共重合体ゴムに、導電性カーボンブラックとともに、テトラポット状という特定の三次元形状を有する針状単結晶体からなる酸化亜鉛を配合することにより、導電性が高く、かつ圧縮永久歪み特性に優れた電力ケーブル用半導電性ゴム組成物、およびこれを用いた電力ケーブル、ケーブル接続部が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記目的を解決するため、請求項1に記載された発明は、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体100質量部に対し、導電性カーボンブラック50〜100質量部、および針状単結晶体からなるテトラポット状酸化亜鉛0.5〜15.0質量部を含有することを特徴とする電力ケーブル用半導電性ゴム組成物である。
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物において、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体のジエン成分が、エチリデンノルボルネンであることを特徴とする電力ケーブル用半導電性ゴム組成物である。
請求項3に記載された発明は、請求項1または2記載の半導電性樹脂組成物において、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体100質量部に対し、テトラポット状酸化亜鉛を1.0〜10.0質量部含有することを特徴とする電力ケーブル用半導電性ゴム組成物である。
請求項4に記載された発明は、請求項1または2記載の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物において、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体100質量部に対し、テトラポット状酸化亜鉛を1.5〜7.0質量部含有することを特徴とする電力ケーブル用半導電性ゴム組成物である。
請求項5に記載された発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物において、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体100質量部に対し、導電性カーボンブラックを60〜90質量部含有することを特徴とする電力ケーブル用半導電性ゴム組成物である。
請求項6に記載された発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物において、テトラポット状酸化亜鉛が、平均繊維長(針状部分)5〜15μmのものであることを特徴とする電力ケーブル用半導電性ゴム組成物である。
請求項7に記載された発明は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物において、圧縮永久歪み(JIS K 6262)が17%以下で、かつ23℃、90℃および105℃における体積抵抗率がいずれも2.0×10〜7.0×10Ω・cmであることを特徴とする電力ケーブル用半導電性ゴム組成物である。
請求項8に記載された発明は、請求項1乃至7のいずれか1項記載の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物からなる半導電層を有することを特徴とする電力ケーブルである。
請求項9に記載された発明は、請求項1乃至7のいずれか1項記載の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物からなる半導電層を有することを特徴とするケーブル接続部である。
本発明によれば、導電性が高く、かつ圧縮永久歪み特性に優れた電力ケーブル用半導電性ゴム組成物、並びにそのような半導電性ゴム組成物を用いた高信頼性の電力ケーブルおよびケーブル接続部を得ることができる。
本発明の電力ケーブルの一実施形態を示す断面図である。 本発明のケーブル接続部の一実施形態を示す断面図である。 図2に示すケーブル接続部の要部拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
まず、本発明の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物について説明する。
本発明の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物は、(A)エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体と、(B)導電性カーボンブラックと、(C)針状単結晶体からなるテトラポット状酸化亜鉛とを含有するものである。
本発明の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物において使用される(A)成分のエチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体におけるジエン成分としては、エチリデンノルボルネン(ENB)、ビニルノルボル、ネンジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどが挙げられる。これらのなかでもエチリデンノルボルネンが信頼性の点から好ましい。このジエン成分のエチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体中の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは15質量%以下であり、15質量%を超えると加工性が低下する。ジエン成分の含有量は1〜12質量%の範囲であることがより好ましい。また、エチレンおよびプロピレンの各単位成分についても特に限定されるものではないが、エチレン含有量は45〜70質量%であることが加工性の点から好ましい。
この(A)成分のエチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体として好適な市販品を例示すると、住友化学(株)製のエスプレン501A(エチレン含有量:52重量%、ジエン含有量:4.0重量%、ジエン成分:ENB)、同エスプレン502(エチレン含有量:56重量%、ジエン含有量:4.0重量%、ジエン成分:ENB)、三井化学(株)製のEPT#3045(エチレン含有量:56重量%、ジエン含有量:4.7重量%、ジエン成分:ENB)、同EPT#4045(エチレン含有量:45重量%、ジエン含有量:7.6重量%、ジエン成分:ENB)、同EPT#3070(エチレン含有量:58重量%、ジエン含有量:4.7重量%、ジエン成分:ENB)、ダウケミカル社製のノーデルIP4520(エチレン含有量:58重量%、ジエン含有量:4.7重量%、ジエン成分:ENB)、同ノーデルIP4640(エチレン含有量:55重量%、ジエン含有量:4.9重量%、ジエン成分:ENB)(以上、商品名)などが挙げられる。
本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体以外のポリマーを含有させてもよい。そのようなポリマーの例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン;ポリプロピレン(PP);ポリイソブチレン;エチレンに、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルなどのビニルエステルを共重合させたエチレン・ビニルエステル共重合体;エチレンに、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸‐2‐エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステルを共重合させたエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体;エチレンに、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチルなどの不飽和カルボン酸を共重合させたエチレン・不飽和カルボン酸共重合体;エチレンに、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィンを共重合させたエチレン・α−オレフィン共重合体;イソブチレン・イソプレン共重合体;エチレンに、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン、および上述したジエン成分などを共重合させた共重合体などが挙げられる。
本発明の半導電性樹脂組成物において使用される(B)成分の導電性カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、ケッチェンブラックなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。(B)成分の導電性カーボンブラックとしては、なかでも、アセチレンブラック、ケッチェンブラックが導電性の点から好ましく、アセチレンブラックがより好ましい。
この(B)成分の導電性カーボンブラックの配合量は、(A)成分のエチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体100質量部に対して、50〜100質量部、好ましくは60〜90質量部、より好ましくは65〜80質量部である。配合量が50質量部未満では、導電性が不十分となり、また、100質量部を超えると、圧縮永久歪みが大きくなる。また組成物の粘度が上昇して加工性が低下し、さらに、機械的強度、特に伸びが低下する。
本発明の半導電性樹脂組成物において使用される(C)成分の酸化亜鉛は、テトラポット状という特殊な三次元形状を有する針状単結晶体からなるもので、圧縮永久歪み特性を改善する観点からは、特に、針状部分の平均繊維長が5〜15μmの範囲のものが好ましい。(C)成分のテトラポット状酸化亜鉛として好適な市販品を例示すると、例えば、針状部分の平均繊維長が10μmの(株)アムテック製のパナテトラWZ−0501、パナテトラWZ−0511(以上、商品名)などが挙げられる。
この(C)成分のテトラポット状酸化亜鉛の配合量は、(A)成分のエチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体100質量部に対して、0.5〜15.0質量部、好ましくは1.0〜10.0質量部、より好ましくは1.5〜7.0質量部である。配合量が0.5質量部未満では、圧縮永久歪みが大きくなり、導電性も低下する。また、15.0質量部を超えると、組成物の粘度が上昇して加工性が低下する。
本発明においては、必要に応じて、従来よりこの種のゴム組成物に一般に使用されている微粒子状の酸化亜鉛、例えば、酸化亜鉛1種、酸化亜鉛2種、酸化亜鉛3種などを、上記テトラポット状酸化亜鉛とともに使用してもよい。但し、併用する場合には、テトラポット状酸化亜鉛との合計量が、(A)成分のエチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体100質量部に対して15.0質量部を超えないようにすることが、圧縮永久歪特性や加工性などの点から好ましく、10.0質量部以下とすることがより好ましく、7.0質量部以下とすることがより一層好ましい。
本発明の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物は、被覆後もしくは成形後にポリマー成分を架橋させる。架橋方法は、予め組成物に架橋剤を添加しておき、被覆後もしくは成形後に架橋させる化学架橋法や、電子線照射による電子線架橋法などを用いることができるが、架橋剤として有機過酸化物を用いる化学架橋法が特に適している。
有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイドなどが使用される。これらの有機過酸化物は1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。有機過酸化物としては、なかでも、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンが加工性などの点から好ましく、特に、ジクミルパーオキサイドが好ましい。
有機過酸化物は、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体100質量部に対して、通常1〜5質量部、好ましくは2〜4質量部使用される。有機過酸化物の配合量が1質量部未満では、機械的特性や耐熱老化性が低下し、圧縮永久歪みも増大するおそれがある。また5質量部を超えると、スコーチタイムが短くなり、硬さも大きくなる。
本発明の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物には、以上説明した成分の他、さらに、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、酸化亜鉛以外の無機充填剤、加工助剤、架橋助剤、難燃剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、軟化剤、可塑剤、分散剤、滑剤、その他の添加剤を配合することができる。
具体的には、例えば、軟化剤として、各種プロセスオイルを使用することができる。プロセスオイルはパラフィン系プロセスオイルが好ましい。パラフィン系プロセスオイルの市販品を例示すると、例えば、出光興産(株)製のPW−90、PW−150、PW−380(以上、商品名)などが挙げられる。プロセスオイルは、(A)成分のエチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体100質量部に対して、通常10〜30質量部、好ましくは15〜25質量部使用される。プロセスオイルの配合量が10質量部未満では、ムーニー粘度、硬さが大きくなり、また30質量部を超えると、機械的特性などが低下する。
本発明の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物は、以上の各成分をバンバリーミキサ、タンブラー、加圧ニーダ、混練押出機、ミキシングローラなどの通常の混練機を用いて均一に混合することにより容易に製造することができる。
本発明の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物は、圧縮永久歪み(JIS K 6262)が17%以下で、かつ23℃、90℃および105℃における体積抵抗率がいずれも2.0×10〜7.0×10Ω・cmであることが好ましい。
次に、上記電力ケーブル用半導電性ゴム組成物を用いた本発明の電力ケーブルについて説明する。
本発明の電力ケーブルは、前述した方法で調製した組成物を、導体外周に直接もしくは他の被覆を介して押出し被覆するか、あるいはテープ状に成形したものを巻き付けることにより製造される。なお、前述したように、組成物は、被覆後もしくは成形後に架橋させる。
図1は、本発明の電力ケーブルの一実施形態を示す横断面図である。
図1において、11は、例えば多数本の銅素線を撚り合わせ円形圧縮加工を施してなる導体を示している。この導体11上には、内部半導電層12、架橋ポリエチレンなどからなる絶縁体13、外部半導電層14、遮蔽層15およびポリエチレン樹脂などからなるプラスチックシース16が順に設けられている。そして、この電力ケーブルにおいては、内部半導電層12および外部半導電層14が前述した電力ケーブル用半導電性ゴム組成物の押出被覆により形成されている。
このように構成される電力ケーブルにおいては、内部半導電層12および外部半導電層14がいずれも導電性が高く、かつ圧縮永久歪みの小さい半導電性ゴム組成物で形成されているため、長期に亘って高い信頼性を具備することができる。
なお、本発明の電力ケーブルは、上記実施形態に限定されるものではなく、半導電層を備えたものであれば、従来知られる各種電力ケーブルに広く適用可能である。
次に、上記電力ケーブル用半導電性ゴム組成物を用いた本発明のケーブル接続部について説明する。
図2は、本発明のケーブル接続部の一実施形態を示す横断面図、図3はその要部拡大断面図である。図2に示すように、本実施形態のケーブル接続部においては、ケーブル端部の絶縁体21外周に、電気的および機械的な補強を目的として、予め成形されたストレスコーン22と称する紡錘状のゴムモールド絶縁補強体が装着されている。ストレスコーン22は、図3に示すように、円筒部22aと、それに続くケーブル端末側に向けて拡径する円錐状テーパー部22bを有しており、円筒部22aから円錐状テーパー部22bにかけて半導電層23が形成されている。そして、このケーブル接続部においては、半導電層23が前述した電力ケーブル用半導電性ゴム組成物により形成されている。
なお、ケーブル接続部は、上記ストレスコーン22の他、これをケーブル端末側に向けて押圧する押圧装置24、ケーブル導体を接続する導体接続体25が内設されたエポキシがい管26、押圧装置24の外周に設けられたケーブル保護金具27、ケーブル保護金具27上からケーブルシース28上に跨って設けられた防水処理層29などを備えている。図2中、31は接地線を示している。
このように構成されるケーブル接続部においては、ストレスコーン22を構成する半導電層23が、導電性が高く、かつ圧縮永久歪みの小さい半導電性ゴム組成物で形成されているため、長期に亘って高い信頼性を具備することができる。
なお、以上説明した実施形態は終端接続部の例であるが、このような終端接続部に限らず、ケーブル同士を接続する中間接続部や、幹線ケーブルからのケーブルの分岐に使用する分岐接続部など、各種ケーブル接続部に本発明は広く適用可能である。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。実施例および比較例で用いた成分は以下の通りである。
・エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体(EPDM):
住友化学(株)製 商品名 エスプレン501A
・酸化亜鉛A:
アムテック(株)製 商品名 パナテトラWZ−0511
・酸化亜鉛B:酸化亜鉛2種
三井金属(株)製 商品名 酸化亜鉛2種
・アセチレンブラック:
電気化学工業(株)製 商品名 デンカブラック
・プロセスオイル:
出光興産(株)製 商品名 PW−90
・架橋剤:ジクミルパーオキサイド;
化薬アクゾ(株)製 商品名 カヤクミルD−40C(40%希釈品)
実施例1
EPDM100質量部、酸化亜鉛A0.9質量部、アセチレンブラック70.0質量部、プロセスオイル20.0質量部、架橋剤7.5質量部を加圧ニーダを用いて均一に混練して電力ケーブル用半導電性ゴム組成物を調製した。
実施例2〜8、比較例1〜4
配合成分および配合量を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして電力ケーブル用半導電性ゴム組成物を調製した。
上記各実施例および各比較例で得られた電力ケーブル用半導電性ゴム組成物について、下記に示す方法で各種特性を評価した。
[ムーニー粘度]
JIS K 6300−1のムーニー粘度試験に準拠し、測定温度125℃で、L型ロータを用いて測定した。
[スコーチタイムt
JIS K 6300のムーニースコーチ試験に準拠し、測定温度125℃で、L型ロータを用いて測定した。
[加硫速度t90
ヤマト科学社製レオメーター(型名 DV−I Prime)を使用し、温度160℃にて加硫曲線を求め、この加硫曲線から90%加硫時間を測定した。
[比重]
JIS K 6268に規定するA法により測定した。
[硬さ]
電力ケーブル用半導電性ゴム組成物を、180℃で7分間プレス成形して作成した厚さ約12mmのシートについて、JIS K 6253のタイプAデュロメータにより測定した。
[100%モジュラス、引張強さ、破断伸び]
上記と同様に作製した厚さ約2mmのシートについて、JIS K 6251に規定の引張試験を行い、100%伸長時の引張応力、引張強さ、および破断伸びを測定した。
[加熱老化引張強さ残率、加熱老化破断伸び残率]
上記と同様に作製した厚さ約2mmのシートを145℃で96時間熱老化させた後、JIS K 6251に規定の引張試験を行って引張強さおよび破断伸びを測定し、上記で得られた初期の引張強さ、および破断伸びからの残率を算出した。
[体積抵抗率]
上記と同様に作製した厚さ約2mmのシートを、φ50mmの主電極およびφ80mmの対電極で挟み込み、デジタルマルチメータにて測定した。測定は23℃、90℃および105℃の各温度にて実施した。
[圧縮永久歪み]
上記と同様に作製した厚さ約2mmのシートについて、JIS K 6262に準拠し、70℃で22時間熱処理して測定した。
これらの結果を表1の下欄に示す。
Figure 2013161617
表1から明らかなように、実施例に係る電力ケーブル用半導電性ゴム組成物は、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体100質量部に対し、テトラポット状酸化亜鉛(酸化亜鉛A)0.5〜15.0質量部を含有することにより、23℃、90℃、105℃における体積抵抗率、および圧縮永久歪みにおいて良好な結果が得られた(実施例1〜8)。
また、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体100質量部に対するテトラポット状酸化亜鉛(酸化亜鉛A)の含有量を1.0〜10.0質量部とすることにより、圧縮永久歪みにおいてより良好な結果が得られた(実施例2〜6)。
さらに、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体100質量部に対するテトラポット状酸化亜鉛(酸化亜鉛A)の含有量を1.5〜7.0質量部とすることにより、圧縮永久歪みにおいて著しく良好な結果が得られた(実施例4、5)。
11…導体、12…内部半導電層、13…架橋ポリエチレン絶縁体、14…外部半導電層、15…遮蔽層、16…プラスチックシース、21…ケーブル絶縁体、22…ストレスコーン、23…半導電層、24…押圧装置、25…導体接続体。

Claims (9)

  1. エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体100質量部に対し、導電性カーボンブラック50〜100質量部、および針状単結晶体からなるテトラポット状酸化亜鉛0.5〜15.0質量部を含有することを特徴とする電力ケーブル用半導電性ゴム組成物。
  2. エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体のジエン成分が、エチリデンノルボルネンであることを特徴とする請求項1記載の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物。
  3. エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体100質量部に対し、テトラポット状酸化亜鉛を1.0〜10.0質量部含有することを特徴とする請求項1または2記載の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物。
  4. エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体100質量部に対し、テトラポット状酸化亜鉛を1.5〜7.0質量部含有することを特徴とする請求項1または2記載の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物。
  5. エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体100質量部に対し、導電性カーボンブラックを60〜90質量部含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物。
  6. テトラポット状酸化亜鉛が、平均繊維長(針状部分)5〜15μmのものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物。
  7. 圧縮永久歪み(JIS K 6262)が17%以下で、かつ23℃、90℃および105℃における体積抵抗率がいずれも2.0×10〜7.0×10Ω・cmであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項記載の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物からなる半導電層を有することを特徴とする電力ケーブル。
  9. 請求項1乃至7のいずれか1項記載の電力ケーブル用半導電性ゴム組成物からなる半導電層を有することを特徴とするケーブル接続部。
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