JP5503710B2 - 電線接続部用難燃性絶縁防水カバー - Google Patents
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Description
本発明は、主に電力ケーブルの接続部に用いる難燃性絶縁防水カバーに関するものである。
従来、電力ケーブルの接続部の段差を埋めるには、段差部分にシール材を充填し、絶縁テープを巻き付ける。もしくは、プラスチックカバーを被せる。更には、あらかじめ常温収縮チューブを挿入しておき、膨張させた状態で接続した後に常温に戻して収縮させる等の方法がとられていた。
難燃性を有するものとして、2層の難燃性熱収縮チューブを被覆に具え、各難燃性熱収縮チューブは、収縮後の厚さが1.0〜1.5mmであり、酸素指数が24〜30であり、内面に接着剤が塗布されていないというケーブル端末構造が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
難燃性を有するものとして、2層の難燃性熱収縮チューブを被覆に具え、各難燃性熱収縮チューブは、収縮後の厚さが1.0〜1.5mmであり、酸素指数が24〜30であり、内面に接着剤が塗布されていないというケーブル端末構造が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
テープ(またはシート)を巻き付ける方式では、作業者の熟練度により防水性に差が出る。例えば、テープの巻きつけ方が悪いと隙間が生じて防水性が損なわれる。またシートを用いたカバー方式では、基材がプラスチックもしくは架橋ゴムであると、粘着性、密着性が悪く、防水性が損なわれる。また、ゴム系のカバーでは、硬い突起物に対して弱く、難燃ケーブルの接続部であっても難燃性カバーになっていない。さらにプラスチックカバー方式では、構造上から防水性を得ることが難しい。特に分岐電線の場合は尚更である。さらにまた常温収縮チューブでは、あらかじめ電線にチューブを挿入しておく必要がある点で作業上の制限がある。また、高価であり、収縮時に引き抜くコアが廃棄物となる。難燃ケーブルの接続部では難燃性を有することが要求されている。
本発明は、難燃性を有し、かつ絶縁性と防水性を兼ね備え、電線に巻き付ける作業性に優れた電線接続部用難燃性絶縁防水カバーを提供することを課題とする。
本発明は、これらの課題を解決するものであり、非架橋ゴムの基材を用い、柔らかい粘着剤層の厚さを厚くし、更に難燃化した粘着シートを用いたカバー方式であって、電線接続部分の上から粘着シートを巻きつけることで柔らかい粘着剤層を有効に使って絶縁とともに防水も図るとともに難燃性ケーブルの接続にも対応したものである。
すなわち、上記課題は以下の手段により解決される。
(1)電線接続部においてコネクター部と電線被覆部を含めて全体を覆う粘着シートのカバーであって、前記粘着シートのカバーは基材と粘着剤層からなる二層構造を有し、前記基材がエチレン・α‐オレフィン共重合ゴムをベースとし、金属水酸化物を配合して難燃性とした非架橋の混和物からなり、前記粘着剤層がブチルゴムをベースとし、金属水酸化物を配合して難燃性とした非架橋の混和物からなり、前記基材が、エチレン・α‐オレフィン共重合ゴムとエチレン・プロピレンゴム、ポリプロピレン、金属水酸化物を配合したものであり、エチレン・α‐オレフィン共重合ゴム50〜90質量部とエチレン・プロピレンゴム10〜50質量部の割合で100質量部を配合したベースゴムに対し、ポリプロピレンを20〜60質量部および金属水酸化物を150〜400質量部配合したものであることを特徴とする電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
(2)前記粘着剤層がブチルゴムとエチレン・プロピレンゴム、金属水酸化物、および軟化剤を配合したものであることを特徴とする(1)に記載の電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
(3)前記ブチルゴム100質量部に対し、前記エチレン・プロピレンゴムを10〜50質量部、前記金属水酸化物を300〜800質量部配合したことを特徴とする(2)に記載の電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
(4)前記基材厚さが0.3〜1.0mm、前記粘着剤層厚さが1.5〜4.0mm、前記基材と前記粘着剤層との合計厚さが1.8〜5.0mmであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1に記載の電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
(5)(1)〜(4)のいずれか1に記載の電線接続部用難燃性絶縁防水カバーであって、片面に粘着加工を施した架橋ポリエチレン製の絶縁補強シートを、あらかじめ前記コネクター部を覆うように巻き付けたことを特徴とする電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
(6)前記基材が酸素指数23〜30、前記粘着剤層が酸素指数25〜35であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1に記載の電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
(7)電線接続部においてコネクター部と電線被覆部を含めて全体を覆う粘着シートのカバーであって、前記粘着シートのカバーは基材と粘着剤層からなる二層構造を有し、前記基材がエチレン・α‐オレフィン共重合ゴムをベースとし、金属水酸化物を配合して難燃性とした非架橋の混和物からなり、前記粘着剤層がブチルゴムをベースとし、金属水酸化物を配合して難燃性とした非架橋の混和物からなり、前記基材が、エチレン・α‐オレフィン共重合ゴムとエチレン・プロピレンゴム、ポリプロピレン、金属水酸化物を配合したものであり、エチレン・α‐オレフィン共重合ゴム50〜90質量部とエチレン・プロピレンゴム10〜50質量部の割合で100質量部を配合したベースゴムに対し、ポリプロピレンを20〜60質量部および金属水酸化物を150〜400質量部配合したものであり、前記エチレン・α‐オレフィン共重合ゴムのビカット軟化温度が40〜100℃であることを特徴とする電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
(1)電線接続部においてコネクター部と電線被覆部を含めて全体を覆う粘着シートのカバーであって、前記粘着シートのカバーは基材と粘着剤層からなる二層構造を有し、前記基材がエチレン・α‐オレフィン共重合ゴムをベースとし、金属水酸化物を配合して難燃性とした非架橋の混和物からなり、前記粘着剤層がブチルゴムをベースとし、金属水酸化物を配合して難燃性とした非架橋の混和物からなり、前記基材が、エチレン・α‐オレフィン共重合ゴムとエチレン・プロピレンゴム、ポリプロピレン、金属水酸化物を配合したものであり、エチレン・α‐オレフィン共重合ゴム50〜90質量部とエチレン・プロピレンゴム10〜50質量部の割合で100質量部を配合したベースゴムに対し、ポリプロピレンを20〜60質量部および金属水酸化物を150〜400質量部配合したものであることを特徴とする電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
(2)前記粘着剤層がブチルゴムとエチレン・プロピレンゴム、金属水酸化物、および軟化剤を配合したものであることを特徴とする(1)に記載の電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
(3)前記ブチルゴム100質量部に対し、前記エチレン・プロピレンゴムを10〜50質量部、前記金属水酸化物を300〜800質量部配合したことを特徴とする(2)に記載の電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
(4)前記基材厚さが0.3〜1.0mm、前記粘着剤層厚さが1.5〜4.0mm、前記基材と前記粘着剤層との合計厚さが1.8〜5.0mmであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1に記載の電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
(5)(1)〜(4)のいずれか1に記載の電線接続部用難燃性絶縁防水カバーであって、片面に粘着加工を施した架橋ポリエチレン製の絶縁補強シートを、あらかじめ前記コネクター部を覆うように巻き付けたことを特徴とする電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
(6)前記基材が酸素指数23〜30、前記粘着剤層が酸素指数25〜35であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1に記載の電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
(7)電線接続部においてコネクター部と電線被覆部を含めて全体を覆う粘着シートのカバーであって、前記粘着シートのカバーは基材と粘着剤層からなる二層構造を有し、前記基材がエチレン・α‐オレフィン共重合ゴムをベースとし、金属水酸化物を配合して難燃性とした非架橋の混和物からなり、前記粘着剤層がブチルゴムをベースとし、金属水酸化物を配合して難燃性とした非架橋の混和物からなり、前記基材が、エチレン・α‐オレフィン共重合ゴムとエチレン・プロピレンゴム、ポリプロピレン、金属水酸化物を配合したものであり、エチレン・α‐オレフィン共重合ゴム50〜90質量部とエチレン・プロピレンゴム10〜50質量部の割合で100質量部を配合したベースゴムに対し、ポリプロピレンを20〜60質量部および金属水酸化物を150〜400質量部配合したものであり、前記エチレン・α‐オレフィン共重合ゴムのビカット軟化温度が40〜100℃であることを特徴とする電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
本発明の電線接続部用難燃性絶縁防水カバーは、難燃性を有し、かつ絶縁性と防水性を兼ね備え、非架橋の混和物であることからシートがしなやかで電線に巻き付ける作業性に優れている。このため、熟練度を必要とせず、優れた絶縁性と防水性とを確保して電線接続部に装着することができる。更に、難燃化されていることにより、難燃電線を含めた多くの電線接続部に適用することができる。
この発明の好ましい一実施形態について図1を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は一例であり、本発明の範囲において、種々の実施形態をとり得る。
図1に示すように、本発明の電線接続部用難燃性絶縁防水カバー300は、電線接続部においてコネクター部と電線被覆部を含めて全体を覆う粘着シートのカバーであり、基材100と粘着剤層200からなる二層構造を有している。また、粘着剤層200には、剥離可能なセパレーター400が接着されている。
基材100は、エチレン・α‐オレフィン共重合ゴムをベースとし、金属水酸化物を配合して難燃性とした非架橋の混和物からなる。ここで非架橋とは、架橋反応をさせないものを意味する。具体的には、エチレン・α‐オレフィン共重合ゴムを50〜90質量部とエチレン・プロピレンゴム10〜50質量部の割合で100質量部を配合したベースゴムに対し、ポリプロピレンを20〜60質量部および金属水酸化物を150〜400質量部を配合したものである。
エチレン・α‐オレフィン共重合ゴムとエチレン・プロピレンゴム100質量部に対して、エチレン・α‐オレフィン共重合ゴムは、50〜90質量部であり、好ましくは50〜80質量部であり、さらに好ましくは60〜80質量部である。エチレン・α‐オレフィン共重合ゴムが少なすぎると、シート強度が弱くなり、不均一に延ばされ、変形しやすいため、電線接続部への巻き付け作業性が劣る。このように作業性が劣るので、カバーを十分に電線接続部に密着させることができないために、防水性に劣り、その結果として水中での電気絶縁性に劣り、絶縁破壊を起こす。一方、エチレン・α‐オレフィン共重合ゴムが多すぎると、コンパウンドが粉状でまとまらず、シートを形成することができない。
基材100のエチレン・プロピレンゴムは、エチレン・α‐オレフィン共重合ゴムと該エチレン・プロピレンゴムとを合わせて100質量部に対して10〜50質量部であり、好ましくは20〜50質量部であり、さらに好ましくは20〜40質量部である。エチレン・プロピレンゴムが少なすぎると、コンパウンドが粉状でまとまらず、シートを形成することができない。一方、エチレン・プロピレンゴムが多すぎると、シート強度が弱くなり、不均一に延ばされ、変形しやすいため、電線接続部への巻き付け作業性が劣る。そのため、カバーを十分に電線接続部に密着させることができず、その結果、防水性に劣り、水中での電気絶縁性に劣り、絶縁破壊を起こす。また耐熱性試験として100℃の恒温槽中で24時間吊るしたときに、流動、変形が見られる。
ポリプロピレンは20〜60質量部であり、好ましくは30〜50質量部であり、さらに好ましくは30〜40質量部である。ポリプロピレンが少なすぎると、シート強度が弱くなり、不均一に延ばされ、変形しやすいため、電線接続部への巻き付け作業性が劣る。そのため、カバーを十分に電線接続部に密着させることができず、その結果、防水性に劣り、水中での電気絶縁性に劣り、絶縁破壊を起こす。また上記耐熱性試験の結果、流動、変形が見られる。一方、ポリプロピレンが多すぎると、シートが硬くなり、電線接続部への巻き付け作業性が劣る。このため、カバーを十分に電線接続部に密着させることができず、その結果、防水性に劣り、水中での電気絶縁性に劣り、絶縁破壊を起こす。このポリプロピレンは加工性の点からホモポリマーよりコポリマーの方が好ましい。より好ましくはランダムコポリマーである。
基材100の金属水酸化物は150〜400質量部であり、好ましくは200〜400質量部であり、さらに好ましくは200〜300質量部である。基材100の金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、等を用いることができる。金属水酸化物が少なすぎると、難燃性が得られず、JIS C 2107に規定された火炎試験で燃焼する。一方、金属水酸化物が多すぎると、コンパウンドが粉状でまとまらず、シートを形成することができない。
粘着剤層200は、ブチルゴムをベースとし、金属水酸化物を配合して難燃性とした非架橋の混和物からなる。具体的には、ブチルゴム100質量部に対し、エチレン・プロピレンゴム10〜50質量部および金属水酸化物を300〜800質量部配合したものである。
粘着剤層200のエチレン・プロピレンゴムは10〜50質量部であり、好ましくは20〜50質量部であり、さらに好ましくは20〜40質量部である。エチレン・プロピレンゴムが少なすぎると、上記耐熱性試験の結果、流動、変形が見られる。また防水性に劣り、水中での電気絶縁性に劣り、絶縁破壊を起こす。
粘着剤層200の金属水酸化物は300〜800質量部であり、好ましくは400〜700質量部であり、さらに好ましくは400〜600質量部である。粘着剤層200の金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、等を用いることができる。金属水酸化物が少なすぎると、難燃性が得られず、JIS C 2107に規定された火炎試験で、燃焼する。一方、金属水酸化物が多すぎると、シートは硬く、粘着性が弱く、電線接続部への巻き付け作業性が劣る。このため、カバーを十分に電線接続部に密着させることができず、その結果、防水性に劣り、水中での電気絶縁性に劣り、絶縁破壊を起こす。
粘着剤層200には、通常、軟化剤を含有させる。軟化剤には、ナフテン系プロセスオイル、パラフィン系プロセスオイル、ポリブテン等を用いることができ、その配合量は、50〜300質量部、好ましくは100〜250質量部であり、さらに好ましくは100〜200質量部である。
上記基材100の厚さは、0.3〜1.0mmであり、好ましくは0.3〜0.8mmであり、さらに好ましくは0.4〜0.7mmである。基材1の厚さが薄すぎると、シート強度が弱くなり、不均一に延ばされ、変形しやすいため、電線接続部への巻き付け作業性が劣る。そのため、カバーを十分に電線接続部に密着させることができず、その結果、防水性に劣り、水中での電気絶縁性に劣り、絶縁破壊を起こす。一方、基材100の厚さが厚すぎると、シートが硬くなり、巻き付け作業後にシートの跳ね返りが生じ、十分な巻き付けができない。よって、電線接続部への巻き付け作業性が劣る。
上記粘着剤層200の厚さは、1.5〜4.0mmであり、好ましくは1.5〜3.5mmであり、さらに好ましくは2.0〜3.5mmである。粘着剤層の厚さが薄すぎると、防水性に劣り、水中での電気絶縁性に劣り、絶縁破壊を起こす。一方、粘着剤層の厚さが厚すぎると、シートが硬くなり、巻き付け作業後にシートの跳ね返りが生じ、十分な巻き付けができない。よって、電線接続部への巻き付け作業性が劣る。
また、上記基材100と上記粘着剤層200との合計厚さは、1.8〜5.0mmであり、好ましくは2.0〜4.5mmであり、さらに好ましくは2.5〜4.0mmである。合計厚さが薄すぎると、防水性に劣り、水中での電気絶縁性に劣り、絶縁破壊を起こす。一方、合計厚さが厚すぎると、シートが硬くなり、巻き付け作業後にシートの跳ね返りが生じ、十分な巻き付けができない。よって、電線接続部への巻き付け作業性が劣る。
更に、上記基材100の酸素指数は23〜30であり、好ましくは24〜29であり、さらに好ましくは25〜28である。酸素指数が小さすぎると、難燃性が得られず、JIS C 2107に規定された火炎試験で燃焼する。一方、酸素指数が大きすぎると、一般的には機械的強度が低下し、また高価な材料を用いている場合が多いため、コストがかかる。
上記粘着剤層200の酸素指数は25〜35であり、好ましくは26〜34であり、さらに好ましくは27〜33である。酸素指数が小さすぎると、難燃性が得られず、JIS C 2107に規定された火炎試験で燃焼する。一方、酸素指数が大きすぎると、一般的には機械的強度が低下し、また高価な材料を用いている場合が多いため、コストがかかる。
また、JIS K 7312 タイプCにより測定された粘着剤層の硬度は、防水を確保するために、20〜60が好ましく、更に好ましくは25〜55である。
上記電線接続部用難燃性絶縁防水カバー300は、電線接続部に巻き付けられる前に、電線接続部に絶縁補強シートを巻き付けてから、その上に巻き付けられてもよい。この絶縁補強シートは、片面に粘着加工を施した架橋ポリエチレン製等のシートを用いることができる。このように、絶縁補強シートをあらかじめ巻き付けることにより、より高い絶縁性が得られると同時に、コネクター部の凹凸を少なくして絶縁補強シートと電線接続部用難燃性絶縁防水カバーとによる電線接続部の密閉性が向上し、より高い防水性が得られる。
電線接続部用難燃性絶縁防水カバー300は、絶縁性に優れたエチレン・プロピレンゴム製の薄い非架橋基材に絶縁性と粘着性に優れたブチルゴム製の厚い粘着剤層を持った粘着シートが主体となっているので、軟質で厚さの厚い粘着剤層での防水が有効になる。特に非架橋の混和物からなることから、しなやかさが高められるため、電線接続部への密着性がよくなるので、防水性がよくなる。なお、非架橋であることから強度が低下し、伸びが低下するが、エチレン・α‐オレフィン共重合ゴムを用いていることにより強度が補われ、伸びが補われている。
また、非架橋であることから、リサイクルが可能になり、環境に優しくなる。さらに架橋工程を必要としないので、製造コストが安価になる。
また、非架橋であることから、リサイクルが可能になり、環境に優しくなる。さらに架橋工程を必要としないので、製造コストが安価になる。
次に、上記電線接続部用難燃性絶縁防水カバー形状について以下に説明する。
直線接続の場合は、図2に示すように、上記電線接続部用難燃性絶縁防水カバー300は、長方形に形成されている。また分岐接続の場合は、図3に示すように、分岐側を広くした略台形の本体部301を成し、電線の二股部にはパテ材を置いて略台形の広幅側から一部延出させた逆台形状の二股押さえ部302で押さえる構造を有する。
直線接続の場合は、図2に示すように、上記電線接続部用難燃性絶縁防水カバー300は、長方形に形成されている。また分岐接続の場合は、図3に示すように、分岐側を広くした略台形の本体部301を成し、電線の二股部にはパテ材を置いて略台形の広幅側から一部延出させた逆台形状の二股押さえ部302で押さえる構造を有する。
以下に、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記基材100は表1に示す組成および特性を有するものである。
上記各基材の一部に含まれるエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)は、任意成分であり、含まれても、含まれなくてもよいが、含むことにより、金属水酸化物を多く含ませることができる。
上記粘着剤層200は表2に示す組成および特性を有するものである。
測定方法は下記の通りである。
引張強さ及び伸びの測定方法(引張試験)は、JIS K 6251に準拠し、ダンベル状1号形試験片にて引張速度500mm/min で試験する。
破壊電圧の測定方法(絶縁破壊試験)は、JIS C 2110による。
酸素指数の測定方法は、JIS K 7211による。
硬度の測定方法は、JIS K 7312 タイプCによる。
次に、各材料について以下に説明する。
エチレン・αオレフィン共重合ゴムには、ビカット軟化温度が40〜100℃のものを用いることが好ましく、本例では三井化学製エラストマーK75を用いた。また、住友化学製エクセレンFX301、FX307、等も用いることができる。
エチレン・αオレフィン共重合ゴムには、ビカット軟化温度が40〜100℃のものを用いることが好ましく、本例では三井化学製エラストマーK75を用いた。また、住友化学製エクセレンFX301、FX307、等も用いることができる。
エチレンプロピレンゴムは、エチレンとプロピレンの二元共重合体(EPM)または、このEPMに第三成分として、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、1,4ヘキサジエンのような非共役ジエンを加えた三元共重合体を上げることができる。
このエチレンプロピレンゴムとしては高分子量のものが好ましい。具体的には、ムーニー粘度ML1+4(121℃)で100以上のものが用いられる。このムーニー粘度ML1+4(121℃)が100より低いものは、低分子量であるため軟らか過ぎて形状保持性が小さいので、シート状に成形加工する際、例えば成形機のロールなどに粘着して成形が困難になったり、使用時大きく塑性変形することがある。
このエチレンプロピレンゴムは、通常、その加工性を高めるために、オイルを所定量配合した油展品として市販されているが、用いるオイルは、パラフィン系が好ましく本例では住友化学製エスプレン670F(100質量部油展品(エチレンプロピレンゴム100質量部に対しパラフィン系オイル100質量部で油展したもの))を用いた。その油展ゴムは100質量部油展品ではムーニー粘度ML1+4(100℃)が35以上、40質量部油展品でそのムーニー粘度ML1+4(100℃)が50以上のものが好適である。
また、DSM社製ケルタン509×100、日本合成ゴム製EP98、住友化学製エスプレン601F、等も用いることができる。
このエチレンプロピレンゴムとしては高分子量のものが好ましい。具体的には、ムーニー粘度ML1+4(121℃)で100以上のものが用いられる。このムーニー粘度ML1+4(121℃)が100より低いものは、低分子量であるため軟らか過ぎて形状保持性が小さいので、シート状に成形加工する際、例えば成形機のロールなどに粘着して成形が困難になったり、使用時大きく塑性変形することがある。
このエチレンプロピレンゴムは、通常、その加工性を高めるために、オイルを所定量配合した油展品として市販されているが、用いるオイルは、パラフィン系が好ましく本例では住友化学製エスプレン670F(100質量部油展品(エチレンプロピレンゴム100質量部に対しパラフィン系オイル100質量部で油展したもの))を用いた。その油展ゴムは100質量部油展品ではムーニー粘度ML1+4(100℃)が35以上、40質量部油展品でそのムーニー粘度ML1+4(100℃)が50以上のものが好適である。
また、DSM社製ケルタン509×100、日本合成ゴム製EP98、住友化学製エスプレン601F、等も用いることができる。
ポリプロピレンは、加工性の点からホモポリマーよりコポリマーの方が好ましく、軟化温度の低いものとして(例えば荷重たわみ温度で40℃〜100℃)、本例では、日本ポリプロ株式会社製ノバテックPP FX4Gを用いた。また、日本ポリプロ株式会社製 FX4FB、FL03H、株式会社プライムポリマー製J2041GA、B241、F329RA、等も用いることができる。
EVAには、酢酸ビニル含有量の多いものが好ましく、例では三井・デュポンポリケミカル製エバフレックス460(酢酸ビニル含有量40%品)を用いた。また、ランクセス社製レバプレン400、450、500、等も用いることができる。
酢酸ビニル基含有量が多いと非結晶で柔軟なゴムに近いものとなり、着火時の炭化層の形成が増加することで着火性が低くなり難燃性が向上する効果もある。
酢酸ビニル基含有量が多いと非結晶で柔軟なゴムに近いものとなり、着火時の炭化層の形成が増加することで着火性が低くなり難燃性が向上する効果もある。
水酸化アルミニウムには、昭和電工製ハイジライトH42Sを用いた。また、昭和電工製ハイジライトH34、H320、日本軽金属製日軽金B−103、B−53、等も用いることができる。
水酸化マグネシウムには、協和化学工業製キスマ5Aを用いた。また、協和化学工業製キスマ4AF、5B、神島化学工業製マグシーズN−1、N−3、等も用いることができる。
軟化剤には、ブチルゴムと相溶性の良好なパラフィン系又はナフテン系プロセスオイル或いはポリブテンを用いることが好ましく、本例ではJX日鉱日石エネルギー製ポリブテンHV100(イソブテンを主体として一部ノルマルブテンが反応した長鎖状炭化水素の分子構造を持った共重合物質)を用いた。また、出光興産製ダイアナプロセスPW−90、NS−100、三共油化製SNH46、220、等も用いることができる。
絶縁シートには、0.2mm厚さ架橋ポリエチレン製で片面にアクリル粘着剤を塗布したシートを用いた。このシートの体積抵抗率は1×1016Ω・cm、破壊電圧は55kV/mm、引張強度は15N/mm2、伸びは600%であった。
防水パテには、針入度が60のブチルゴム混和物を用いた。
防水パテには、針入度が60のブチルゴム混和物を用いた。
実施例1は、600V分岐ケーブル接続部に、分岐側線芯間に防水パテを隙間無く埋め、セパレーターを取り除いて粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材1と粘着剤層1とからなり、基材1の厚さが0.5mm、粘着剤層1の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
実施例2は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シート巻きつけた。粘着シートは、基材2と粘着剤層2とからなり、基材2の厚さが0.5mm、粘着剤層2の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
実施例3は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材3と粘着剤層3とからなり、基材3の厚さが0.5mm、粘着剤層3の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
実施例4は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材4と粘着剤層4とからなり、基材4の厚さが0.5mm、粘着剤層4の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
実施例5は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材5と粘着剤層5とからなり、基材5の厚さが0.5mm、粘着剤層5の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
実施例6は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材6と粘着剤層6とからなり、基材6の厚さが0.5mm、粘着剤層6の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
実施例7は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材7と粘着剤層4とからなり、基材7の厚さが0.5mm、粘着剤層4の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
実施例8は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材8と粘着剤層5とからなり、基材8の厚さが0.3mm、粘着剤層5の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.3mmであった。
実施例9は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材5と粘着剤層4とからなり、基材5の厚さが1.0mm、粘着剤層4の厚さが3.0mmであり、合計厚さが4.0mmであった。
実施例10は、基材5の厚さが0.5mm、粘着剤層4の厚さが2.0mmであり、合計厚さが2.5mmである以外、実施例9と同様にして巻き付けた。
実施例10は、基材5の厚さが0.5mm、粘着剤層4の厚さが2.0mmであり、合計厚さが2.5mmである以外、実施例9と同様にして巻き付けた。
実施例11は、基材5の厚さが0.5mm、粘着剤層4の厚さが3.5mmであり、合計厚さが4.0mmである以外、実施例9と同様にして巻き付けた。
実施例12は、600V分岐ケーブル接続部に、厚さ0.2mmの架橋ポリエチレン製絶縁シート(片面にアクリル系粘着剤30μm塗布)をコネクター部に2.5周巻き付けた後、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材5と粘着剤層4とからなり、絶縁シートの総厚さが0.5mm、基材5の厚さが0.5mm、粘着剤層4の厚さが2.5mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
(比較例)
比較例1は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材9と粘着剤層4とからなり、基材9の厚さが0.5mm、粘着剤層4の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
比較例2は、基材10の混合において、コンパウンドが粉状でまとまらず、シート化が出来なかった。
比較例3は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材11と粘着剤層4とからなり、基材11の厚さが0.5mm、粘着剤層4の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
比較例4 基材12の混合において、コンパウンドが粉状でまとまらず、シート化が出来なかった。
比較例5は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材13と粘着剤層4とからなり、基材13の厚さが0.5mm、粘着剤層4の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
比較例6は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材14と粘着剤層4とからなり、基材14の厚さが0.5mm、粘着剤層4の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
比較例1は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材9と粘着剤層4とからなり、基材9の厚さが0.5mm、粘着剤層4の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
比較例2は、基材10の混合において、コンパウンドが粉状でまとまらず、シート化が出来なかった。
比較例3は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材11と粘着剤層4とからなり、基材11の厚さが0.5mm、粘着剤層4の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
比較例4 基材12の混合において、コンパウンドが粉状でまとまらず、シート化が出来なかった。
比較例5は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材13と粘着剤層4とからなり、基材13の厚さが0.5mm、粘着剤層4の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
比較例6は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材14と粘着剤層4とからなり、基材14の厚さが0.5mm、粘着剤層4の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
比較例7は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材5と粘着剤層7とからなり、基材5の厚さが0.5mm、粘着剤層7の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
比較例8は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材5と粘着剤層8とからなり、基材5の厚さが0.5mm、粘着剤層7の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
比較例9は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材5と粘着剤層9とからなり、基材5の厚さが0.5mm、粘着剤層9の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
比較例10は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材5と粘着剤層10とからなり、基材5の厚さが0.5mm、粘着剤層10の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
比較例8は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材5と粘着剤層8とからなり、基材5の厚さが0.5mm、粘着剤層7の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
比較例9は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材5と粘着剤層9とからなり、基材5の厚さが0.5mm、粘着剤層9の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
比較例10は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材5と粘着剤層10とからなり、基材5の厚さが0.5mm、粘着剤層10の厚さが3.0mmであり、合計厚さが3.5mmであった。
比較例11は、実施例1と同様にして、600V分岐ケーブル接続部に粘着シートを巻きつけた。粘着シートは、基材5と粘着剤層5とからなり、基材5の厚さが0.5mm、粘着剤層5の厚さが5.5mmであり、合計厚さが6.0mmであった。
比較例12は、粘着剤層5の厚さが1.0mmであり、合計厚さが1.5mmである以外、比較例11と同様にして巻き付けた。
比較例13は、基材5の厚さが0.1mm、粘着剤層5の厚さが2.0mmであり、合計厚さが2.1mmである以外、比較例11と同様にして巻き付けた。
比較例14は、基材5の厚さが1.5mm、粘着剤層5の厚さが2.0mmであり、合計厚さが3.5mmである以外、比較例11と同様にして巻き付けた。
比較例12は、粘着剤層5の厚さが1.0mmであり、合計厚さが1.5mmである以外、比較例11と同様にして巻き付けた。
比較例13は、基材5の厚さが0.1mm、粘着剤層5の厚さが2.0mmであり、合計厚さが2.1mmである以外、比較例11と同様にして巻き付けた。
比較例14は、基材5の厚さが1.5mm、粘着剤層5の厚さが2.0mmであり、合計厚さが3.5mmである以外、比較例11と同様にして巻き付けた。
比較例15は、基材5のコンパウンドに架橋剤としてジクミルパーオキサイドを2.7質量%配合して、175℃×20分間プレス加熱して0.5mmのシートを得た。このシートに厚さが3.0mmの粘着剤層5を貼りあわせて、合計厚さが3.5mmの粘着シートとした。そして実施例1と同様にして、この粘着シートを接続部に巻きつけた。
試験例
実施例および比較例の電線接続部用難燃性絶縁防水カバーについて、以下に示す火炎試験、および防水・絶縁耐圧試験を実施するとともに、シート巻き付け性(作業性)の評価を実施した。その結果を表3に示す。
実施例および比較例の電線接続部用難燃性絶縁防水カバーについて、以下に示す火炎試験、および防水・絶縁耐圧試験を実施するとともに、シート巻き付け性(作業性)の評価を実施した。その結果を表3に示す。
(火炎試験)
難燃性の判断基準:JIS C 2107に規定された難燃性(火炎試験)を評価した。評価の結果は、燃焼しない場合を○印で示し、燃焼した場合を×印で示した。
難燃性の判断基準:JIS C 2107に規定された難燃性(火炎試験)を評価した。評価の結果は、燃焼しない場合を○印で示し、燃焼した場合を×印で示した。
(防水・絶縁耐圧試験)
電線接続部に巻き付けた電線接続部用難燃性絶縁防水カバーを水中に接続部が浸るように浸漬し、上端と水中間に6kVの電圧を1分間かけて絶縁性を評価する絶縁破壊試験を行った。評価の結果は、絶縁破壊を起さなかった場合を○印で示し、絶縁破壊を起こした場合を×印で示した。
電線接続部に巻き付けた電線接続部用難燃性絶縁防水カバーを水中に接続部が浸るように浸漬し、上端と水中間に6kVの電圧を1分間かけて絶縁性を評価する絶縁破壊試験を行った。評価の結果は、絶縁破壊を起さなかった場合を○印で示し、絶縁破壊を起こした場合を×印で示した。
(耐熱性試験)
100℃の恒温槽中で24時間吊るして、流動または変形の有無を確認した。評価の結果は、流動・変形を起こさなかった場合を○印で示し、流動または変形を起こした場合を×印で示した。
100℃の恒温槽中で24時間吊るして、流動または変形の有無を確認した。評価の結果は、流動・変形を起こさなかった場合を○印で示し、流動または変形を起こした場合を×印で示した。
(作業性の評価)
作業性は、粘着シートを電線接続部に隙間なく巻き付けることができ、防水性が確保されている場合を○印で示し、電線との間に隙間を生じ、防水が不完全な場合を×印で示した。
作業性は、粘着シートを電線接続部に隙間なく巻き付けることができ、防水性が確保されている場合を○印で示し、電線との間に隙間を生じ、防水が不完全な場合を×印で示した。
上記各種試験結果および評価結果を表3に示す。
表3から明らかなように、実施例1〜12は、いずれも、巻き付け作業性は良好であった。耐熱性試験の結果、流動・変形の無い事が確認された。防水・絶縁性試験では、絶縁破壊がないことが確認された。難燃性についてはJIS C 2107に規定された火炎試験で合格となった。
比較例1は、巻き付け作業性は良好であったが、JIS C 2107に規定された難燃性(火炎試験)、で燃焼してしまい不合格となった。
比較例2は、基材10の混合において、コンパウンドが粉状でまとまらず、シート化が出来なかった。
比較例3は、巻き付け作業性でシート強度が弱く、不均一に延ばされ、変形気味であった。耐熱性試験として100℃の恒温槽中で24時間吊るして変形が見られた。防水性と絶縁性の確認として、水槽中に接続部が浸るように浸漬し上端と水中間に6kVの電圧を1分間かけたところ、絶縁破壊を起こした。
比較例4は、基材12の混合において、コンパウンドが粉状でまとまらず、シート化が出来なかった。
比較例5は、巻き付け作業性でシート強度が弱く、不均一に延ばされ、変形気味であった。耐熱性試験として100℃の恒温槽中で24時間吊るして変形が見られた。防水性と絶縁性の確認として、水槽中に接続部が浸るように浸漬し上端と水中間に6kVの電圧を1分間かけたところ、絶縁破壊を起こした。
比較例6は、シートが硬く、巻き付け作業性が劣るものであった。防水性と絶縁性の確認として、水槽中に接続部が浸るように浸漬し上端と水中間に6kVの電圧を1分間かけて、絶縁破壊を起こした。
比較例2は、基材10の混合において、コンパウンドが粉状でまとまらず、シート化が出来なかった。
比較例3は、巻き付け作業性でシート強度が弱く、不均一に延ばされ、変形気味であった。耐熱性試験として100℃の恒温槽中で24時間吊るして変形が見られた。防水性と絶縁性の確認として、水槽中に接続部が浸るように浸漬し上端と水中間に6kVの電圧を1分間かけたところ、絶縁破壊を起こした。
比較例4は、基材12の混合において、コンパウンドが粉状でまとまらず、シート化が出来なかった。
比較例5は、巻き付け作業性でシート強度が弱く、不均一に延ばされ、変形気味であった。耐熱性試験として100℃の恒温槽中で24時間吊るして変形が見られた。防水性と絶縁性の確認として、水槽中に接続部が浸るように浸漬し上端と水中間に6kVの電圧を1分間かけたところ、絶縁破壊を起こした。
比較例6は、シートが硬く、巻き付け作業性が劣るものであった。防水性と絶縁性の確認として、水槽中に接続部が浸るように浸漬し上端と水中間に6kVの電圧を1分間かけて、絶縁破壊を起こした。
比較例7は、巻き付け作業性は良好であったが、100℃の恒温槽中で24時間吊るしておいたところ、粘着剤の流動・変形が見られ、防水性と絶縁性の確認として、水槽中に接続部が浸るように浸漬し上端と水中間に6kVの電圧を1分間かけた結果、絶縁破壊を起こした。
比較例8は、シートが硬く、巻き付け作業性が劣るものであった。防水性と絶縁性の確認として、水槽中に接続部が浸るように浸漬し上端と水中間に6kVの電圧を1分間かけたところ、絶縁破壊を起こした。
比較例9は、巻き付け作業性は良好であったが、JIS C 2107に規定された難燃性(火炎試験)、で燃焼してしまい不合格となった。
比較例10は、シートが硬く、粘着性も弱く、巻き付け作業性が劣るものであった。防水性と絶縁性の確認として、水槽中に接続部が浸るように浸漬し上端と水中間に6kVの電圧を1分間かけたところ、絶縁破壊を起こした。
比較例8は、シートが硬く、巻き付け作業性が劣るものであった。防水性と絶縁性の確認として、水槽中に接続部が浸るように浸漬し上端と水中間に6kVの電圧を1分間かけたところ、絶縁破壊を起こした。
比較例9は、巻き付け作業性は良好であったが、JIS C 2107に規定された難燃性(火炎試験)、で燃焼してしまい不合格となった。
比較例10は、シートが硬く、粘着性も弱く、巻き付け作業性が劣るものであった。防水性と絶縁性の確認として、水槽中に接続部が浸るように浸漬し上端と水中間に6kVの電圧を1分間かけたところ、絶縁破壊を起こした。
比較例11は、シートが硬く、巻き付け後跳ね返りがあり、作業性が劣るものであった。
比較例12は、巻き付け作業性は良好であったが、防水性が悪く、水槽中に接続部が浸るように浸漬し上端と水中間に6kVの電圧を掛けたところ絶縁破壊を起こした。
比較例13は、巻き付け作業性でシート強度が弱く、不均一に延ばされ、変形気味となり、防水性が悪く、水槽中に接続部が浸るように浸漬し上端と水中間に6kVの電圧を掛けたところ絶縁破壊を起こした。
比較例14は、シートが硬く、巻き付け後跳ね返りがあり、作業性が劣るものであった。
比較例12は、巻き付け作業性は良好であったが、防水性が悪く、水槽中に接続部が浸るように浸漬し上端と水中間に6kVの電圧を掛けたところ絶縁破壊を起こした。
比較例13は、巻き付け作業性でシート強度が弱く、不均一に延ばされ、変形気味となり、防水性が悪く、水槽中に接続部が浸るように浸漬し上端と水中間に6kVの電圧を掛けたところ絶縁破壊を起こした。
比較例14は、シートが硬く、巻き付け後跳ね返りがあり、作業性が劣るものであった。
比較例15は、シートが硬く、粘着性も弱く、巻き付け作業性が劣るものであった。防水性と絶縁性の確認として、水槽中に接続部が浸るように浸漬し上端と水中間に6kVの電圧を1分間かけたところ、絶縁破壊を起こした。
100 基材
200 粘着剤
300 電線接続部用難燃性絶縁防水カバー
400 セパレーター
200 粘着剤
300 電線接続部用難燃性絶縁防水カバー
400 セパレーター
Claims (7)
- 電線接続部においてコネクター部と電線被覆部を含めて全体を覆う粘着シートのカバーであって、前記粘着シートのカバーは基材と粘着剤層からなる二層構造を有し、前記基材がエチレン・α‐オレフィン共重合ゴムをベースとし、金属水酸化物を配合して難燃性とした非架橋の混和物からなり、前記粘着剤層がブチルゴムをベースとし、金属水酸化物を配合して難燃性とした非架橋の混和物からなり、
前記基材が、エチレン・α‐オレフィン共重合ゴムとエチレン・プロピレンゴム、ポリプロピレン、金属水酸化物を配合したものであり、エチレン・α‐オレフィン共重合ゴム50〜90質量部とエチレン・プロピレンゴム10〜50質量部の割合で100質量部を配合したベースゴムに対し、ポリプロピレンを20〜60質量部および金属水酸化物を150〜400質量部配合したものであることを特徴とする電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。 - 前記粘着剤層がブチルゴムとエチレン・プロピレンゴム、金属水酸化物、および軟化剤を配合したものであることを特徴とする請求項1に記載の電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
- 前記ブチルゴム100質量部に対し、前記エチレン・プロピレンゴムを10〜50質量部、前記金属水酸化物を300〜800質量部配合したことを特徴とする請求項2に記載の電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
- 前記基材厚さが0.3〜1.0mm、前記粘着剤層厚さが1.5〜4.0mm、前記基材と前記粘着剤層との合計厚さが1.8〜5.0mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電線接続部用難燃性絶縁防水カバーであって、片面に粘着加工を施した架橋ポリエチレン製の絶縁補強シートを、あらかじめ前記コネクター部を覆うように巻き付けたことを特徴とする電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
- 前記基材が酸素指数23〜30、前記粘着剤層が酸素指数25〜35であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
- 電線接続部においてコネクター部と電線被覆部を含めて全体を覆う粘着シートのカバーであって、前記粘着シートのカバーは基材と粘着剤層からなる二層構造を有し、前記基材がエチレン・α‐オレフィン共重合ゴムをベースとし、金属水酸化物を配合して難燃性とした非架橋の混和物からなり、前記粘着剤層がブチルゴムをベースとし、金属水酸化物を配合して難燃性とした非架橋の混和物からなり、
前記基材が、エチレン・α‐オレフィン共重合ゴムとエチレン・プロピレンゴム、ポリプロピレン、金属水酸化物を配合したものであり、エチレン・α‐オレフィン共重合ゴム50〜90質量部とエチレン・プロピレンゴム10〜50質量部の割合で100質量部を配合したベースゴムに対し、ポリプロピレンを20〜60質量部および金属水酸化物を150〜400質量部配合したものであり、
前記エチレン・α‐オレフィン共重合ゴムのビカット軟化温度が40〜100℃であることを特徴とする電線接続部用難燃性絶縁防水カバー。
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