JPWO2008117685A1 - 粘着テープ - Google Patents

粘着テープ Download PDF

Info

Publication number
JPWO2008117685A1
JPWO2008117685A1 JP2009506288A JP2009506288A JPWO2008117685A1 JP WO2008117685 A1 JPWO2008117685 A1 JP WO2008117685A1 JP 2009506288 A JP2009506288 A JP 2009506288A JP 2009506288 A JP2009506288 A JP 2009506288A JP WO2008117685 A1 JPWO2008117685 A1 JP WO2008117685A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive tape
sensitive adhesive
pressure
resin composition
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009506288A
Other languages
English (en)
Inventor
森内 清晃
清晃 森内
早味 宏
宏 早味
修司 東
修司 東
竜平 藤田
竜平 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Fine Polymer Inc
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Fine Polymer Inc
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Fine Polymer Inc, Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Fine Polymer Inc
Publication of JPWO2008117685A1 publication Critical patent/JPWO2008117685A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J11/00Features of adhesives not provided for in group C09J9/00, e.g. additives
    • C09J11/08Macromolecular additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J7/00Adhesives in the form of films or foils
    • C09J7/20Adhesives in the form of films or foils characterised by their carriers
    • C09J7/22Plastics; Metallised plastics
    • C09J7/24Plastics; Metallised plastics based on macromolecular compounds obtained by reactions involving only carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • C09J7/241Polyolefin, e.g.rubber
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J2433/00Presence of (meth)acrylic polymer

Abstract

粘着テープ3は、50〜200μmの厚みを有する基材5と、10〜50μmの厚みを有するとともに、基材5の少なくとも片面5aに設けられた粘着剤層6とを備えている。基材5は、ポリオレフィン樹脂とハロゲン系難燃剤とを含有する樹脂組成物からなり、ハロゲン元素を、樹脂組成物全体の15重量%〜35重量%の割合で含有する。それにより、難燃性、柔軟性および機械的強度に優れた粘着テープが提供される。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車用等のワイヤーハーネスに用いられる粘着テープであって、特に、難燃性、柔軟性、および機械的強度を兼ね備えた粘着テープに関する。
従来、自動車において、各種の電子、電気部品ないし機器を電気的に接続するための内部配線として、ワイヤーハーネスが多く使用されている。このワイヤーハーネスは、各種回路に流れる電流に応じた導体サイズの絶縁電線を束ねた電線束を備えている。その電線束は、チューブに通され、あるいは、粘着テープやシートを用いて、テーピングしてまとめられる。電線束は自動車の電気系統に接続され、その電線束の端末にはコネクター等の各種部品が取り付けられている。
ワイヤーハーネスに使用される絶縁電線は、軟銅の撚り導体や圧縮導体と、その導体を被覆する樹脂組成物とを備えている。樹脂組成物としては、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂組成物や、あるいは、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン樹脂に臭素系難燃剤等のハロゲン系難燃剤や金属水酸化物などの非ハロゲン系難燃剤を配合して難燃化したポリオレフィン樹脂組成物が使用されている。
一般に、エンジルーム内やエンジンの近傍に配設されるワイヤーハーネスには、特に、耐熱性が要求される。そのため、絶縁電線に加速電子線を照射するなどの方法により、上述の絶縁体を架橋処理して、耐熱性を高めたものが使用されている。
ここで、粘着テープを用いて、電線束をテーピングする際には、手作業により、粘着テープを引き伸ばしながら電線束に巻き付ける。そのため、粘着テープには、柔軟性(伸張性)や機械的強度が要求される。また、粘着テープには、難燃性も要求される。より具体的には、JIS K−7201に基づいたプラスチックの燃焼性に関する酸素指数による試験方法によって測定される限界酸素指数(LOI値)によって難燃性が評価される。その試験方法では、粘着テープを着火して、4秒以内に消火する酸素濃度が23.5以上であることが要求される。酸素濃度は以下の式で表される。
酸素濃度=(酸素分圧/(酸素分圧+窒素分圧))×100
エンジンルーム内やエンジンの近傍に配設されるワイヤーハーネスに使用される粘着テープには、上述の特性に加えて、初期引張り強さが29.4N(19mm幅)以上であって、初期伸び率が125%以上という特性が要求される。また、120℃で7日間の熱老化後の引張り強さが29.4N(19mm幅)以上であって、伸び率が100%以上という特性が要求される。更に、200℃で30分間の熱衝撃を与えた後、溶融が生じないという熱衝撃性も要求される。
そこで、これらの特性を満たす粘着テープとして、ポリ塩化ビニル樹脂からなる樹脂組成物を主成分とするフィルム状の基材の片面に粘着剤層を設けた粘着テープが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、エンジルーム内やエンジンの近傍に配設されるワイヤーハーネスに使用される粘着テープの基材としては、一般に、ポリ塩化ビニル樹脂からなる樹脂組成物を主成分とするフィルム状の基材に、加速電子線を照射して架橋処理し、耐熱性を高めたものが使用されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、従来の粘着テープにおいては、ポリ塩化ビニル樹脂を主成分としており、ポリ塩化ビニル樹脂は、分子中に塩素を多量に含むため、廃棄する際に、焼却するとダイオキシンを発生し、環境に対する負荷が大きいという問題があった。特に、近年、環境問題への感心の高まりを背景に、ポリ塩化ビニル樹脂の使用量の削減が検討されており、ポリ塩化ビニル樹脂を主成分とする粘着テープの代替となる非塩素系樹脂を主成分とする基材が使用された粘着テープが必要となっている。しかし、ポリ塩化ビニル樹脂を主成分とする粘着テープと同等以上の難燃性、柔軟性、および機械的強度を有する非塩素系の粘着テープの開発がなされていないという問題があった。
特開平11−205945号公報 特開平8−259909号公報
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、ポリ塩化ビニル樹脂を主成分とする粘着テープと同等以上の難燃性、柔軟性、および機械的強度に優れた粘着テープを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の態様によれば、50〜200μmの厚みを有する基材と、10〜50μmの厚みを有するとともに、前記基材の少なくとも片面に設けられた粘着剤層とを備えた粘着テープが提供される。粘着テープの基材が、ポリオレフィン樹脂とハロゲン系難燃剤とを含有する樹脂組成物からなり、ハロゲン元素を、前記樹脂組成物全体の15重量%〜35重量%の割合で含有することを特徴としている。
上記の構成によれば、基材が、ポリオレフィン樹脂とハロゲン系難燃剤とを含有する樹脂組成物からなっている。従って、基材は、従来のポリ塩化ビニル樹脂に代えて、非塩素系樹脂からなり、ポリ塩化ビニル樹脂を主成分とする粘着テープと同等以上の柔軟性、および機械的強度に優れた粘着テープを提供することが可能になる。
また、基材が、ハロゲン系難燃剤を含有し、ハロゲン元素を、樹脂組成物全体の15重量%〜35重量%含有する構成としている。従って、粘着テープにおいて、JIS K−7201に基づいて測定される限界酸素指数(LOI値)を23.5以上に設定することが可能になり、難燃性に優れた粘着テープを提供することが可能になる。
前記樹脂組成物が、さらにスチレン系エラストマーを含有し、スチレン系エラストマーの含有量がポリオレフィン樹脂の含有量よりも多いことが望ましい。この場合、スチレン系エラストマーがブレンドされることにより、粘着テープの柔軟性が向上する。
前記樹脂組成物が、ポリオレフィン樹脂のみをハロゲン系難燃剤の母材として含有していることが望ましい。この場合、ポリオレフィン樹脂のみが樹脂組成物に含まれるため、耐油性が向上した粘着テープを安価に製造できる。
ハロゲン系難燃剤が、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリフェニル、パークロロペンタシクロデカン、ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、エチレンビス臭素化フタルイミド、臭素化ポリスチレン、臭素化ジフェニルエーテル、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラデカブロモジフェノキシベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。その場合、安価かつ汎用性のあるハロゲン系難燃剤により、粘着テープの難燃性を向上することが可能になる。
樹脂組成物が、架橋処理されていることが望ましい。その場合、粘着テープの耐熱性を向上させることが可能になる。
架橋処理が、電離放射線の照射によるものであることが望ましい。その場合、基材の成分である樹脂組成物に対して、迅速な架橋処理を行うことが可能になる。
本発明の実施形態に係る粘着テープを使用したワイヤーハーネスの構成を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る粘着テープを示す断面図である。 本発明の実施形態に係る粘着テープの変形例を説明するための断面図である。
以下に、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る粘着テープを使用したワイヤーハーネスの構成を示す概略図であり、図2は、本発明の実施形態に係る粘着テープを示す断面図である。
図1に示すワイヤーハーネス1は、自動車において、各種の電子、電気部品ないし機器を電気的に接続するための内部配線として使用されるものである。このワイヤーハーネス1では、複数の絶縁電線2を束ねて電線束が形成され、当該電線束の周りが粘着テープ3により巻回されている。複数の絶縁電線2の電線束の端部には、コネクター4が連結されており、当該コネクター4を介して、自動車の電気系統との接続が行われる。
粘着テープ3は、図2に示すように、フィルム状の基材5と、当該基材5の片面5aに設けられた粘着剤層6とにより構成されている。粘着テープ3全体の厚みは、60μm〜250μmとすることができる。
基材5としては、非塩素系樹脂を主成分即ち母材とする基材が使用され、本実施形態においては、ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物を母材とする基材5、あるいは、スチレン系エラストマーからなる樹脂組成物を母材とする基材5が使用される。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂(ホモポリマー、ブロックポリマー、ランダムポリマー)、メタロセン触媒で重合されたポリプロピレン系樹脂、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、リアクター型ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、動的加硫型ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、ポリエチレン樹脂(高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、超低密度ポリエチレン樹脂)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−アクリルゴム、エチレン−グリジルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸メチル−グリジルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレンアイオノマー、および、これらの樹脂を無水マレイン酸等で変性したポリマーを使用することができる。
スチレン系エラストマーとしては、スチレン−エチレンブチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレンブチレン共重合体、スチレン−エチレンブチレン−オレフィン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−エチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレンブタジエンゴム等が挙げられ、これらの水素添加ポリマーや、部分水素添加ポリマー、さらには、これらの無水マレイン変性品あるいはエポキシ変性品等の化学変性ポリマーを例示できる。また、これらの無水マレイン変性品あるいはエポキシ変性品も例示でき、これらを単独で用いる他に、複数種を組み合わせて用いることもできる。
このようなポリオレフィン樹脂あるいはスチレン系エラストマーからなる樹脂組成物を母材として基材5を形成することにより、基材がポリ塩化ビニル樹脂からなる樹脂組成物を主成分とする上記従来の粘着テープと同等以上の柔軟性(伸張性)、および機械的強度(引張り強さ)を有する粘着テープ3を得ることが可能になる。なお、粘着テープ3に要求される柔軟性、および機械的強度に対応させて、これらの樹脂を単独または2種以上の混合物として使用することができる。また、各種特性をより一層向上させるとの観点から、ポリオレフィン樹脂あるいはスチレン系エラストマーからなる樹脂組成物に、上記以外の樹脂成分、例えば、熱可塑性エラストマーやエチレン−プロピレンゴム、を混合して使用することができ、アロイ化して使用することもできる。
粘着テープ3を巻く際の作業性を向上させるとの観点から、粘着テープ3全体の厚みは、50μm〜200μmとする構成としている。
粘着剤層6としては、ゴム系、ホットメルト系、アクリル系、エマルジョン系等の既知の粘着剤を使用することができる。このうち、ゴム系、ホットメルト系の粘着剤層6の材料としては、例えば、天然ゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリイソプレン、およびニトリルゴム等を使用できる。また、粘着剤層6の粘着性能を向上させるとの観点から、粘着剤層6に粘着付与剤を含有させることができ、当該粘着付与剤としては、ロジンエステル系粘着付与剤、テルペン系粘着付与剤、脂肪族石油炭化水素系粘着付与剤、および水添化合物等を使用することができる。また、熱反応性フェノール樹脂を配合することにより、架橋構造を導入し、粘着性能を制御することができる。粘着剤層6に、オイル、ワックス、酸化防止剤等の添加剤を添加しても良い。
アクリル系の粘着剤としては、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、または共重合性モノマーとの共重合体が挙げられる。この(メタ)アクリル酸エステル、または共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、グリシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシアミド、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。これらのうち、主成分となる樹脂としては、ホモポリマー(単独重合体)のガラス転移温度が−50℃以下のアクリル酸アルキルエステルを使用することが好ましい。これらの重合体は、多官能性イソシアネート等を添加する方法で、架橋度を調整し、粘着力を制御することもできる。
基材5の片面5aに粘着剤層6を形成する方法としては、まず、粘着剤層6の材料となる上述の粘着剤を、トルエン等の有機溶剤に溶解し、次いで、流延法、ロールコーター法、リバースコーター法、およびドクターブレード法等により、基材5の片面5a上に塗布して、乾燥炉で揮発除去する方法が使用できる。粘着剤層6の厚みは、作業性向上の観点から、10〜50μmが好ましく、15〜40μmが更に好ましい。
粘着テープ3の難燃性を向上させるとの観点から、本実施形態においては、ポリオレフィン樹脂あるいはスチレン系エラストマーからなる樹脂組成物を主成分即ち母材とする基材5に、ハロゲン系難燃剤を含有させている。当該ハロゲン系難燃剤としては、例えば、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリフェニル、パークロロペンタシクロデカン等の塩素系難燃剤や、ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、エチレンビス臭素化フタルイミド、臭素化ポリスチレン、臭素化ジフェニルエーテル、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン等の臭素系難燃剤が挙げられる。
粘着テープ3において、上述のJIS K−7201に基づいて測定される限界酸素指数(LOI値)が23.5以上という条件を満足させて、難燃性を向上させるとの観点から、本実施形態においては、粘着テープ3の基材5が、ハロゲン元素を、上述のポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物全体の15重量%〜35重量%の割合で含有している。その理由としては、難燃剤の含有量が、15重量%未満の場合は、限界酸素指数が23.5より小さくなるため、粘着テープ3の難燃性を向上させることが困難になる場合があり、また、30重量%より大きい場合も、同様に、粘着テープ3の難燃性を向上させることが困難になる場合があるためである。
粘着テープ3の耐熱性を、より一層向上させるとの観点から、基材5を構成するポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物を架橋処理することが好ましい。架橋方法としては、例えば、電子線やガンマ線等の電離放射線の照射による架橋や、基材5を構成するポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物中に、予め、ジクルミルパーオキサイドやビニル系シラン等の架橋剤を添加し、次いで、加圧水蒸気等により処理を行う熱架橋や、シラン架橋を行う方法が採用できる。
これらの架橋方法のうち、迅速な架橋処理を行うとの観点から、電離放射線の照射による架橋が好ましい。この場合、電子線の加速電圧は、基材5の厚みに応じて、適宜、設定することができる。例えば、基材5の厚みが、上述の50〜200μmの場合は、加速電圧が200kV〜1MeVの電子線を照射すれば良い。この場合、照射量は、60〜480kGyの吸収線量が好ましい。
基材5を構成するポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物として、ポリプロピレン系樹脂を使用する場合は、架橋性向上の観点から、トリメチロールプロパントリメタクリレートやトリアリルイソシアヌレート等の、多官能性モノマーを添加することが好ましい。
以上に説明した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態においては、粘着テープ3が、50〜200μmの厚みを有する基材5と、10〜50μmの厚みを有するとともに、基材5の片面5aに設けられた粘着剤層6とを備えている。そして、基材5が、ポリオレフィン樹脂あるいはスチレン系エラストマーからなる樹脂組成物を母材としている。従って、従来のポリ塩化ビニル樹脂に代えて、非塩素系樹脂からなり、ポリ塩化ビニル樹脂を主成分とする粘着テープと同等以上の柔軟性、および機械的強度を有する粘着テープ3を提供することが可能になる。また、基材5が、ハロゲン系難燃剤を含有し、ハロゲン元素を、樹脂組成物全体の15重量%〜35重量%の割合で含有している。従って、粘着テープ3において、JIS K−7201に基づいて測定される限界酸素指数を23.5以上に設定することが可能になり、難燃性に優れた粘着テープ3を提供することが可能になる。
(2)本実施形態においては、基材5に含有されるハロゲン系難燃剤が、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリフェニル、パークロロペンタシクロデカン、ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、エチレンビス臭素化フタルイミド、臭素化ポリスチレン、臭素化ジフェニルエーテル、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラデカブロモジフェノキシベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも一種である。従って、安価かつ汎用性のあるハロゲン系難燃剤により、粘着テープ3の難燃性を向上することが可能になる。
(3)本実施形態においては、基材5を構成するポリオレフィン樹脂あるいはスチレン系エラストマーからなる樹脂組成物に対して、架橋処理を行っている。従って、粘着テープ3の耐熱性を向上させることが可能になる。
(4)本実施形態においては、基材5を構成するポリオレフィン樹脂あるいはスチレン系エラストマーからなる樹脂組成物に対して、電離放射線の照射による架橋処理を行っている。従って、当該樹脂組成物に対して、迅速な架橋処理を行うことが可能になる。
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
・上記実施形態においては、フィルム状の基材5の片面5aに、粘着剤層6を設けたが、図3に示すように、基材5の他の片面5bにも粘着剤層6を設けて、基材5の両面に当該粘着剤層6を設けても良い。
必要に応じて、基材5を構成する樹脂組成物中に、既知の安定剤、着色剤、補強材、充填剤、発泡剤、および酸化防止剤等を添加しても良い。この場合、樹脂組成物の溶融混合を行う際には、オープンロールミキサー、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、単軸混合機、および二軸混合機等の既知の混合機を使用することができる。
以下に、本発明を実施例、比較例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能である。
(実施例1)
(基材の作製)
ポリオレフィン樹脂として、(1)直鎖状低密度ポリエチレン樹脂〔日本ユニカー(株)製、商品名DFDJ7540、MFR(メルトマスフローレート)=0.6g/10分(190℃、2.16kg荷重)、密度0.92g/cm〕、(2)低密度ポリエチレン樹脂〔住友化学(株)製、商品名スミカセンC215、MFR=1.4g/10分(190℃、2.16kg荷重)、密度0.92g/cm〕、および(3)エチレン−酢酸ビニル共重合体〔三井デュポンポリケミカル(株)製、商品名エバフレックスEV360、MFR=3g/10分(190℃、2.16kg荷重)、酢酸ビニル含有量=25重量%〕を使用した。
ハロゲン系難燃剤として、(4)臭素系難燃剤であるビス(ペンタブロモフェニル)エタン〔アルベマール日本(株)製、商品名Saytex8010〕を使用した。また、(5)酸化防止剤〔チバスペシャリティーケミカルズ(株)製、商品名イルガノックス1010)、(6)三酸化アンチモン〔山中産業(株)製〕および(7)ステアリン酸亜鉛を使用した。そして、これらの成分(1)〜(7)を重量比で30/20/50/28/1/20/2の割合で配合し、混練機(オープンロールミキサー)により溶融及び混練後、135℃に設定したカレンダーロールにてカレンダー加工し、70μmの厚みを有するフィルム状の基材を作製した。なお、臭素元素の含有量は、ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物全体の15.1重量%である。また、作製したフィルム状の基材に対して、加速電圧が300kVの電子線を120kGyとなるように照射し、基材を架橋させた。
(粘着剤の作製)
天然ゴム50重量部、スチレン系エラストマー〔クレイトンジャパン(株)製、商品名クイントンD〕40重量部、テルペンフェノール樹脂〔ヤスハラケミカル(株)製、商品名YSポリスター2100〕10重量部、および酸化防止剤〔チバスペッシャリティーケミカルズ(株)製、商品名イルガノックス1010〕1重量部を、トルエン溶媒中で混合し、固形分濃度が20%のゴム系の粘着剤を作製した。
(粘着テープの作製)
作製した基材の片面に対してコロナ処理を行いつつ、当該基材の片面に、上述の粘着剤をリバースコーターにて塗布し、100℃の恒温槽内で3分間乾燥させて、基材の片面に、厚さ30μmのゴム系粘着剤層を形成して、全体の厚みが100μmの粘着テープを作製した。
(難燃性評価)
作製した粘着テープに対して、JIS K7201に基づいて限界酸素指数(LOI値)を測定し、難燃性評価を行った。より具体的には、作製した粘着テープを試験片として用意し、試験片の上部が、燃焼円筒の上端部から100mm以上になるように針金に取り付け、当該針金を支持体として、垂直に測定治具に取り付けた。次いで、点火器を用いて試験片の上端部に接炎し、15秒接炎するか、あるいは明らかに燃焼し始めたら、接炎を止め、直ちに消炎するまでの時間を測定した。なお、消炎までの時間が4秒を越える場合は、酸素濃度を下げて消炎時間の測定を繰り返し、着火後、直ちに消えるか、4秒未満で消える場合は、酸素濃度を上げて消炎時間の測定を繰り返した。そして4秒以下で消炎する最大酸素流量を決定し、下記の(式1)を用いて、限界酸素指数(LOI値)を求め、当該限界酸素指数が23.5以上のものを合格とした。以上の結果を表1に示す。
LOI値=(酸素流量)×100/(酸素流量+窒素流量)…(式1)
(柔軟性評価、機械的強度評価)
作製した粘着テープから、長さが150mm、幅が19mmの試験片を3個用意し、各試験片の中央部において、50mmの間隔で評点を定めた。次いで、これらの試験片に対して、定速緊張型引張試験機〔島津製作所(株)製、商品名AGS−1kNJ〕を用いて、300mm/分の速度で引っ張り、試験片が破断した時の伸び率を測定して、3個の試験片の平均値を算出し、柔軟性を評価した。また、試験片が破断するまでの最大の引張強さを測定して、3個の試験片の平均値を算出し、機械的強度を評価した。以上の結果を表1に示す。なお、引張強さが、29.4N以上の場合を、機械的強度があるものとし、また、伸び率が125%以上の場合を、柔軟性があるものとして評価した。また、試験片の幅が19mmと異なる場合は、19mm幅に比例換算した。
(耐熱性評価)
作製した粘着テープから、長さが150mm、幅が19mmの試験片を3個用意し、各試験片を120±2℃で168時間保存後、常温で30分以上、放冷した。次いで、上述と同様の方法により、試験片の伸び率、および最大の引張り強さを測定して、耐熱性を評価した。以上の結果を表1に示す。なお、引張り強さが、29.4N以上であって、伸び率が100%以上の場合を、耐熱性があるものとして評価した。
(熱衝撃性評価)
別の耐熱性評価として、作製した粘着テープを200±3℃の恒温槽中に30分間保存後、溶融の有無を調べることにより、熱衝撃性を評価した。なお、溶融が生じていない場合を合格、溶融が生じた場合を不合格とした。以上の結果を表1に示す。
(実施例2)
上述の臭素系難燃剤であるビス(ペンタブロモフェニル)エタンの配合量を変え、実施例1において説明した成分(1)〜(7)を、重量比で30/20/50/40/1/20/2の割合で配合し、臭素元素の含有量を、ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物全体の20重量%に変更した。それ以外は、上述の実施例1と同様にして、70μmの厚みを有するフィルム状の基材を作製した。
(粘着剤の作製)
冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた反応容器に、トルエン溶媒中、アクリル酸2−エチルヘキシル100重量部、アクリル酸2重量部、重合開始剤としての過酸化ベンゾイル0.2重量部を入れ、60℃で8時間反応させて、ポリマー溶液を得た。次いで、このポリマー溶液に、ポリマー固形分100重量部に対してポリイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製、商品名コロネートL)を3重量部添加し、アクリル系の粘着剤を作製した。
(粘着テープの作製)
作製した基材の片面に対してコロナ処理を行いつつ、当該基材の片面に、上述のアクリル系の粘着剤をリバースコーターにて塗布し、100℃の恒温槽内で3分間乾燥させて、基材の片面に、厚さ30μmのアクリル系粘着剤層を形成して、全体の厚みが100μmの粘着テープを作製した。
その後、上述の実施例1と同一条件により、難燃性評価、柔軟性評価、機械的強度評価、耐熱性評価、および熱衝撃性評価を行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例3)
上述の臭素系難燃剤であるビス(ペンタブロモフェニル)エタンの配合量を変え、実施例1において説明した成分(1)〜(7)を、重量比で30/20/50/60/1/20/2の割合で配合し、臭素元素の含有量を、ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物全体の26.8重量%に変更した。それ以外は、上述の実施例1と同様にして、全体の厚みが100μmの粘着テープを作製した。その後、上述の実施例1と同一条件により、難燃性評価、柔軟性評価、機械的強度評価、耐熱性評価、および熱衝撃性評価を行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例4)
上述の臭素系難燃剤であるビス(ペンタブロモフェニル)エタンの配合量を変え、実施例1において説明した成分(1)〜(7)を、重量比で30/20/50/90/1/20/2の割合で配合し、臭素元素の含有量を、ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物全体の34.5重量%に変更した。また、作製したフィルム上の基材に対して、加速電圧が300kVの電子線を60kGyとなるように照射し、基材を架橋させた。それらのこと以外は、上述の実施例2と同様にして、全体の厚みが100μmの粘着テープを作製した。その後、上述の実施例1と同一条件により、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において説明した臭素系難燃剤として、ビス(ペンタブロモフェニル)エタンの代わりに、エチレンビス臭素化フタルイミド〔アルベマール日本(株)製、商品名SaytexBT93〕を使用した。そのこと以外は、上述の実施例1と同様にして、70μmの厚みを有するフィルム状の基材を作製した。次いで、実施例2と同様に、基材の片面に、厚さ30μmのアクリル系粘着剤層を形成して、全体の厚みが100μmの粘着テープを作製した。その後、上述の実施例1と同一条件により、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例6)
ポリオレフィン樹脂として、(1)直鎖状低密度ポリエチレン樹脂〔日本ユニカー(株)製、商品名DFDJ7540、MFR=0.6g/10分(190℃、2.16kg荷重)、密度0.92g/cm〕、(2)低密度ポリエチレン樹脂〔住友化学(株)製、商品名スミカセンCH5、MFR=1.4g/10分(190℃、2.16kg荷重)、密度0.92g/cm〕、および(3)エチレン−酢酸ビニル共重合体〔三井デュポンケミカル(株)製、商品名エバフレックスEV360、MFR=3g/10分(190℃、2.16kg荷重)、酢酸ビニル含有量=25重量%〕を使用した。また、ハロゲン系難燃剤として、(4)臭素系難燃剤であるエチレンビス臭素化フタルイミド〔アルベマール日本(株)製、商品名SaytexBT93〕を使用した。また、(5)酸化防止剤〔チバスペシャリティーケミカルズ(株)製、商品名イルガノックス1010)、(6)三酸化アンチモン〔山中産業(株)製〕、および(7)ステアリン酸亜鉛を使用した。そして、成分(1)〜(7)を重量比で30/20/50/80/1/20/2の割合で配合し、これらを混練機(オープンロールミキサー)により溶融及び混練後、135℃に設定したカレンダーロールにてカレンダー加工し、70μmの厚みを有するフィルム状の基材を作製した。なお、臭素元素の含有量は、ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物全体の26.3重量%である。
作製したフィルム上の基材に対して、加速電圧が300kVの電子線を60kGyとなるように照射し、基材を架橋させた。そして、上述の実施例2と同様にして、基材の片面に、厚さ30μmのアクリル系粘着剤層を形成して、全体の厚みが100μmの粘着テープを作製した。その後、上述の実施例1と同一条件により、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例7)
ポリオレフィン樹脂として、(1)直鎖状低密度ポリエチレン樹脂〔日本ユニカー(株)製、商品名DFDJ7540、MFR=0.6g/10分(190℃、2.16kg荷重)、密度0.92g/cm〕、(2)低密度ポリエチレン樹脂〔住友化学(株)製、商品名スミカセンCH5、MFR=1.4g/10分(190℃、2.16kg荷重)、密度0.92g/cm〕、および(3)エチレン−酢酸ビニル共重合体〔三井デュポンケミカル(株)製、商品名エバフレックスEV360、MFR=3g/10分(190℃、2.16kg荷重)、酢酸ビニル含有量=25重量%〕を使用した。
また、ハロゲン系難燃剤として、(4)臭素系難燃剤であるエチレンビス臭素化フタルイミド〔アルベマール日本(株)製、商品名SaytexBT93〕を使用した。(5)酸化防止剤〔チバスペッシャリティーケミカルズ(株)製、商品名イルガノックス1010)、(6)三酸化アンチモン〔山中産業(株)製〕、および(7)ステアリン酸亜鉛を使用した。そして、成分(1)〜(7)を重量比で30/20/50/135/1/20/2の割合で配合し、これらを混練機(オープンロールミキサー)により溶融及び混練後、135℃に設定したカレンダーロールにてカレンダー加工し、70μmの厚みを有するフィルム状の基材を作製した。なお、臭素元素の含有量は、ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物全体の35重量%である。
作製したフィルム上の基材に対して、加速電圧が300kVの電子線を60kGyとなるように照射し、基材を架橋させた。そして、上述の実施例2と同様にして、基材の片面に、厚さ30μmのアクリル系粘着剤層を形成して、全体の厚みが100μmの粘着テープを作製した。その後、上述の実施例1と同一条件により、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。以上の結果を表1に示す。
(実施例8)
ポリオレフィン樹脂として、(1)ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー〔サンアロマー(株)製、商品名Adflex Q100F、MFR=0.45g/10分(230℃、2.16kg荷重)、融点142℃〕、(2)ランダム系ポリプロピレン樹脂〔住友化学(株)製、商品名ノーブレンS131、MFR=1.2g/10分(230℃、2.16kg荷重)、密度0.89g/cm〕、および(3)エチレン−酢酸ビニル共重合体〔三井デュポンポリケミカル(株)製、商品名エバフレックスEV360、MFR=3g/10分(190℃、2.16kg荷重)、酢酸ビニル含有量=25重量%〕を使用した。
また、ハロゲン系難燃剤として、(4)臭素系難燃剤であるビス(ペンタブロモフェニル)エタン〔アルベマール日本(株)製、商品名Saytex8010〕を使用した。(5)酸化防止剤〔チバスペッシャリティーケミカルズ(株)製、商品名イルガノックス1010)、(6)三酸化アンチモン〔山中産業(株)製〕、および(7)ステアリン酸亜鉛を使用した。そして、これらの成分(1)〜(7)を重量比で40/40/20/28/1/20/2の割合で配合し、これらを混練機(オープンロールミキサー)により溶融及び混練後、135℃に設定したカレンダーロールにてカレンダー加工し、110μmの厚みを有するフィルム状の基材を作製した。なお、臭素元素の含有量は、ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物全体の15.1重量%である。
作製したフィルム上の基材に対して、加速電圧が300kVの電子線を120kGyとなるように照射し、基材を架橋させた。そして、上述の実施例2と同様にして、基材の片面に、厚さ30μmのアクリル系粘着剤層を形成して、全体の厚みが140μmの粘着テープを作製した。その後、上述の実施例1と同一条件により、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。以上の結果を表2に示す。
(実施例9)
上述の臭素系難燃剤であるビス(ペンタブロモフェニル)エタンの配合量を変え、実施例8において説明した成分(1)〜(7)を、重量比で40/40/20/50/1/20/2の割合で配合し、臭素元素の含有量を、ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物全体の23.6重量%に変更した。それ以外は、上述の実施例8と同様にして、110μmの厚みを有するフィルム状の基材を作製した。次いで、実施例1と同様に、基材の片面に、厚さ30μmのゴム系粘着剤層を形成して、全体の厚みが140μmの粘着テープを作製した。その後、上述の実施例1と同一条件により、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。以上の結果を表2に示す。
(実施例10)
ポリオレフィン樹脂として、(1)ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー〔サンアロマー(株)製、商品名Adflex Q100F、MFR=0.45g/10分(230℃、2.16kg荷重)、融点142℃〕、(2)メタロセンで重合されたランダム系ポリプロピレン〔日本ポリプロ(株)製、商品名ウィンテックWFX6、MFR=2.0g/10分(230℃、2.16kg荷重)、密度0.9g/cm〕、および(3)エチレン−酢酸ビニル共重合体〔三井デュポンポリケミカル(株)製、商品名エバフレックスEV360、MFR=3g/10分(190℃、2.16kg荷重)、酢酸ビニル含有量=25重量%〕を使用した。
ハロゲン系難燃剤として、(4)臭素系難燃剤であるビス(ペンタブロモフェニル)エタン〔アルベマール日本(株)製、商品名Saytex8010〕を使用した。また、(5)酸化防止剤〔チバスペッシャリティーケミカルズ(株)製、商品名イルガノックス1010)、(6)三酸化アンチモン〔山中産業〕、および(7)ステアリン酸亜鉛を使用した。そして、これらの成分(1)〜(7)を重量比で40/40/20/30/1/20/2の割合で配合し、これらを混練機(オープンロールミキサー)により溶融及び混練後、135℃に設定したカレンダーロールにてカレンダー加工し、110μmの厚みを有するフィルム状の基材を作製した。なお、臭素元素の含有量は、ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物全体の16重量%である。
作製したフィルム上の基材に対して、加速電圧が300kVの電子線を120kGyとなるように照射し、基材を架橋させた。そして、上述の実施例2と同様にして、基材の片面に、厚さ30μmのアクリル系粘着剤層を形成して、全体の厚みが140μmの粘着テープを作製した。その後、上述の実施例1と同一条件により、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。以上の結果を表2に示す。
(実施例11)
上述の臭素系難燃剤であるビス(ペンタブロモフェニル)エタンの配合量を変え、実施例10において説明した成分(1)〜(7)を、重量比で40/40/20/70/1/20/2の割合で配合し、臭素元素の含有量を、ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物全体の29.6重量%に変更したこと、および作製したフィルム上の基材に対して、加速電圧が300kVの電子線を60kGyとなるように照射し、基材を架橋させたこと以外は、上述の実施例10と同様にして、全体の厚みが140μmの粘着テープを作製した。その後、上述の実施例1と同一条件により、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性を行った。以上の結果を表2に示す。
(実施例12)
ポリオレフィン樹脂として、(1)エチレン-アクリル酸エチル共重合体〔日本ユニカー(株)製、商品名NUC6510、MFR=0.5g/10分(190℃、2.16kg荷重)、アクリル酸エチル含有量=23重量%〕、および(2)スチレン系エラストマー〔クラレ(株)製、商品名セプトン4033、MFR=0.1g/10分(230℃、2.16kg荷重)、スチレン含有量=30重量%〕を使用した。また、ハロゲン系難燃剤として、(3)臭素系難燃剤であるビス(ペンタブロモフェニル)エタン〔アルベマール日本(株)製、商品名Saytex8010〕を使用した。また、(4)酸化防止剤〔チバスペシャリティーケミカルズ(株)製、商品名イルガノックス1010)、(5)三酸化アンチモン〔山中産業(株)製〕、および(6)ステアリン酸亜鉛を使用した。そして、これらの成分(1)〜(6)を重量比で60/40/40/1/20/2の割合で配合し、これらを混練機(オープンロールミキサー)により溶融及び混練後、135℃に設定したカレンダーロールにてカレンダー加工し、110μmの厚みを有するフィルム状の基材を作製した。なお、臭素元素の含有量は、ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物全体の20重量%である。
作製したフィルム上の基材に対して、加速電圧が300kVの電子線を120kGyとなるように照射し、基材を架橋させた。そして、上述の実施例2と同様にして、基材の片面に、厚さ30μmのアクリル系粘着剤層を形成して、全体の厚みが140μmの粘着テープを作製した。その後、上述の実施例1と同一条件により、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。以上の結果を表2に示す。
(実施例13)
上述の臭素系難燃剤であるビス(ペンタブロモフェニル)エタンの配合量を変え、実施例12において説明した成分(1)〜(6)を、重量比で60/40/90/1/20/2の割合で配合し、臭素元素の含有量を、ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物全体の34.5重量%に変更した。また、作製したフィルム上の基材に対して、加速電圧が300kVの電子線を60kGyとなるように照射し、基材を架橋させた。それらのこと以外は、上述の実施例12と同様にして、全体の厚みが140μmの粘着テープを作製した。その後、上述の実施例1と同一条件により、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。以上の結果を表2に示す。
(実施例14)
スチレン系エラストマーとして、(1)スチレン−エチレンブチレン−スチレン共重合体〔旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名タフテックH1041,MFR=5.0g/10分(230℃、2.16kg荷重)〕、スチレン系エラストマーにブレンドするポリオレフィン樹脂として、(2)ランダム系ポリプロピレン樹脂〔住友化学製、商品名ノーブレンS131,MFR=1.2g/10分(230℃、2.16kg荷重)、密度0.89g/cm〕を使用した。また、ハロゲン系難燃剤として、(3)臭素系難燃剤であるビス(ペンタブロモフェニル)エタン(ある部マール日本(株)製、商品名Saytex8010)を使用した。
(4)酸化防止剤(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製、商品名イルガノックス1010)、(5)三酸化アンチモン(山中産業(株)製)、および(6)ステアリン酸亜鉛、(7)トリメチロールプロパントリメタクリレートを使用した。そして、これらの成分(1)〜(7)を重量比で60/40/40/1/20/2/2の割合で配合し、これらを混練機(オープンロールミキサー)により、溶融及び混練後、135℃に設定したカレンダーロールにてカレンダー加工し、110μmの厚みを有するフィルム状の基材を作製した。なお、臭素元素の含有量は樹脂組成物全体の19.1重量%である。
作製したフィルム状の基材に対して、加速電圧が300kVの電子線を240kGyとなるように照射し、基材を架橋させた。そして、基材の片面に厚さ30μmのアクリル系粘着剤層を形成して、全体の厚みが140μmの粘着テープを作製した。その後、上述した条件と同一の条件で、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。その結果を表3に示す。
(実施例15)
上述の臭素系難燃剤であるビス(ペンタブロモフェニル)エタンの配合量を変え、実施例14において説明した成分(1)〜(7)を重量比で60/40/70/1/20/2/2の割合で配合し、臭素元素の含有量をスチレン系エラストマーからなる樹脂組成物全体の29.5重量%に変更した。それ以外は、実施例14と同様に、110μmの厚みを有するフィルム状の基材を作製した。ただし、電子線照射量は120kGyである。次いで、実施例1と同様に基材片面に厚さ30μmのゴム系粘着剤層を形成して、全体の厚みが140μmの粘着テープを作製した。その後、上述した条件と同一の条件で、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。その結果を表3に示す。
(実施例16)
スチレン系エラストマーとして、(1)水素添加したスチレン−ブタジエン共重合体〔旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名SOE−SS9000、MFR=2.7g/10分(230℃、2.16kg荷重)〕、スチレン系エラストマーにブレンドするポリオレフィン樹脂として、(2)メタロセンで重合されたランダム系ポリプロピレン樹脂〔日本ポリプロ(株)製、商品名ウィンテックWFX6、MFR=2.0g/10分(230℃、2.16kg荷重)、密度0.9g/cm〕を使用した。
また、ハロゲン系難燃剤として、(3)臭素系難燃剤であるビス(ペンタブロモフェニル)エタン(アルベマール日本(株)製、商品名Saytex8010)を使用した。(4)酸化防止剤(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製、商品名イルガノックス1010)、(5)三酸化アンチモン(山中産業(株)製)、および、(6)ステアリン酸亜鉛、(7)トリメチロールプロパントリメタクリレートを使用した。そして、これらの成分(1)〜(7)を重量比で、70/30/28/1/20/2/2の割合で配合し、混練機(オープンロールミキサー)により、溶融及び混練後、135℃に設定したカレンダーロールにてカレンダー加工し、110μmの厚みを有するフィルム状の基材を作製した。臭素元素の含有量は15.0重量%である。
作製したフィルム状の基材に対して、加速電圧が300kVの電子線を240kGyとなるように照射し、基材を架橋させた。そして、基材の片面に厚さ30μmのアクリル系粘着剤層を形成して、全体の厚みが140μmの粘着テープを作製した。その後、上述した条件と同一の条件で、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。その結果を表3に示す。
(実施例17)
上述の臭素系難燃剤であるビス(ペンタブロモフェニル)エタンの配合量を変え、実施例16において説明した成分(1)〜(7)を重量比で70/30/70/1/20/2/2の割合で配合し、臭素元素の含有量をスチレン系レラストマーからなる樹脂組成物全体の32重量%に変更した。それ以外は、実施例16と同様に、110μmの厚みを有するフィルム状の基材を作製した。ただし、電子線の照射量は120kGyである。次いで、実施例1と同様に基材の片面に厚さ30μmのゴム系粘着剤層を形成して、全体の厚みが140μmの粘着テープを作製した。その後、上述した条件と同一の条件で、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。その結果を表3に示す。
(比較例1)
上述の臭素系難燃剤であるビス(ペンタブロモフェニル)エタンの配合量を変え、実施例1において説明した成分(1)〜(7)を、重量比で30/20/50/25/1/20/2の割合で配合し、臭素元素の含有量を、ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物全体の13.8重量%に変更し、更に、基材の厚みを80μmに変更した。それ以外は、実施例2と同様にして、全体の厚みが110μmの粘着テープを作製した。その後、実施例1と同一の条件により、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。以上の結果を表4に示す。
(比較例2)
上述の臭素系難燃剤であるビス(ペンタブロモフェニル)エタンの配合量を変え、実施例1において説明した成分(1)〜(7)を、重量比で30/20/50/95/1/20/2の割合で配合し、臭素元素の含有量を、ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物全体の35.6重量%に変更した。また、作製したフィルム上の基材に対して、加速電圧が300kVの電子線を60kGyとなるように照射し、基材を架橋させたこと、および、基材の厚みを80μmに変更した。それらのこと以外は、実施例2と同様にして、全体の厚みが110μmの粘着テープを作製した。その後、実施例1と同一の条件により、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。以上の結果を表4に示す。
(比較例3)
実施例10において使用した臭素系難燃剤としてのビス(ペンタブロモフェニル)エタンの代わりに、エチレンビス臭素化フタルイミド〔アルベマール日本(株)製、商品名SaytexBT93〕を使用し、実施例10において説明した成分(1)〜(7)を、重量比で40/40/20/30/1/20/2の割合で配合し、臭素元素の含有量を、ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物全体の13重量%に変更し、基材の厚みを80μmに変更した。それ以外は、実施例10と同様にして、全体の厚みが110μmの粘着テープを作製した。その後、実施例1と同一条件により、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。以上の結果を表4に示す。
(比較例4)
上述の比較例3において説明した臭素系難燃剤であるエチレンビス臭素化フタルイミドの配合量を変え、比較例3において説明した成分(1)〜(7)を、重量比で30/20/50/140/1/20/2の割合で配合し、臭素元素の含有量を、ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物全体の35.6重量%に変更し、作製したフィルム上の基材に対して、加速電圧が300kVの電子線を60kGyとなるように照射し、基材を架橋させた。それ以外は、比較例3と同様にして、全体の厚みが110μmの粘着テープを作製した。その後、実施例1と同一条件により、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。以上の結果を表4に示す。
(比較例5)
上述の比較例3において説明した臭素系難燃剤であるエチレンビス臭素化フタルイミドの配合量を変え、比較例3において説明した成分(1)〜(7)を、重量比で30/20/50/98/1/20/2の割合で配合し、臭素元素の含有量を、ポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物全体の35.6重量%に変更し、作製したフィルム上の基材に対して、電子線を照射せず、基材を架橋させなかった。それ以外は、比較例3と同様にして、全体の厚みが110μmの粘着テープを作製した。その後、実施例1と同一条件により、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。以上の結果を表4に示す。
(比較例6)
スチレン系エラストマーとして、(1)水素添加したスチレン−ブタジエン共重合体〔旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名SOE−SS9000、MFR=2.7g/10分(230℃、2.16kg荷重)〕、スチレン系エラストマーにブレンドするポリオレフィン樹脂として、(2)メタロセンで重合されたランダム系ポリプロピレン樹脂〔日本ポリプロ(株)製、商品名ウィンテックWFX6、MFR=2.0g/10分(230℃、2.16kg荷重)、密度0.9g/cm〕を使用した。
また、ハロゲン系難燃剤として、(3)臭素系難燃剤であるビス(ペンタブロモフェニル)エタン(アルベマール日本(株)製、商品名Saytex8010)を使用した。(4)酸化防止剤(チバスペシャリティーケミカルズ(株)製、商品名イルガノックス1010)、(5)三酸化アンチモン(山中産業(株)製)、および、(6)ステアリン酸亜鉛、(7)トリメチロールプロパントリメタクリレートを使用した。そして、これらの成分(1)〜(7)を重量比で、70/30/25/1/20/2/2の割合で配合し、混練機(オープンロールミキサー)により、溶融及び混練後、135℃に設定したカレンダーロールにてカレンダー加工し、110μmの厚みを有するフィルム状の基材を作製した。臭素元素の含有量は13.7重量%である。
作製したフィルム状の基材に対して、加速電圧が300kVの電子線を240kGyとなるように照射し、基材を架橋させた。そして、基材の片面に厚さ30μmのアクリル系粘着剤層を形成して、全体の厚みが140μmの粘着テープを作製した。その後、上述した条件と同一の条件で、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。その結果を表5に示す。
(比較例7)
上述の臭素系難燃剤であるビス(ペンタブロモフェニル)エタンの配合量を変え、実施例16において説明した成分(1)〜(7)を重量比で70/30/95/1/20/2/2の割合で配合し、臭素元素の含有量をスチレン系レラストマーからなる樹脂組成物全体の35.4重量%に変更した。それ以外は、比較例6と同様に、110μmの厚みを有するフィルム状の基材を作製した。ただし、電子線の照射量は120kGyである。次いで、実施例1と同様に基材の片面に厚さ30μmのゴム系粘着剤層を形成して、全体の厚みが140μmの粘着テープを作製した。その後、上述した条件と同一の条件で、難燃性、柔軟性、機械的強度、耐熱性、および熱衝撃性の評価を行った。その結果を表5に示す。
Figure 2008117685
Figure 2008117685
Figure 2008117685
Figure 2008117685
Figure 2008117685
表1から表3に示すように、実施例1〜17の粘着テープは、いずれの場合においても、限界酸素指数(LOI値)が23.5以上であり、難燃性に優れていることが判る。また、実施例1〜17の粘着剤テープは、いずれの場合においても、引張り強さが29.4N以上であるとともに、伸び率が125%以上であり、機械的強度、および柔軟性に優れていることが判る。さらに、実施例1〜17の粘着剤テープは、いずれの場合においても、120±2℃で168時間保存した後、常温で30分以上放冷した後の引張り強さが、29.4N以上であって、伸び率が100%以上であり、かつ、熱衝撃性評価において、溶融が生じておらず、優れた耐熱性を有していることが判る。
一方、表4に示す比較例1〜4の粘着テープ、および、表5に示す比較例6,7の粘着テープは、いずれの場合においても、限界酸素指数(LOI値)が23.5よりも小さく、難燃性に乏しいことが判る。また、比較例2、4においては、いずれの場合においても、引張り強さが29.4Nよりも小さく、かつ、伸び率が125%よりも小さく、機械的強度、および柔軟性に乏しいことが判る。さらに、比較例2、4においては、いずれの場合においても、120±2℃で168時間保存した後、常温で30分以上放冷した後の伸び率が100%よりも小さく、耐熱性に乏しいことが判る。また、表4に示すように、比較例5の粘着テープは、引張り強さが29.4Nよりも小さく、機械的強度に乏しいことが判る。さらに、比較例5の粘着テープは、熱衝撃性評価において、溶融が生じており、耐熱性に乏しいことが判る。これは、比較例1〜4及び比較例6,7においては、いずれの場合も、ポリオレフィン樹脂あるいはスチレン系エラストマーからなる樹脂組成物全体に対する臭素元素の含有量が、15重量%〜35重量%の範囲外であるためと考えられ、比較例5においては、作製したフィルム状の基材に対して、電子線を照射せず、基材を架橋させなかったためであると考えられる。
本発明の活用例としては、自動車用等のワイヤーハーネスに用いられる粘着テープであって、難燃性、柔軟性、および機械的強度を兼ね備えた粘着テープが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂(ホモポリマー、ブロックポリマー、ランダムポリマー)、メタロセン触媒で重合されたポリプロピレン系樹脂、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、リアクター型ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、動的加硫型ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー、ポリエチレン樹脂(高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、超低密度ポリエチレン樹脂)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−アクリルゴム、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸メチル−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレンアイオノマー、および、これらの樹脂を無水マレイン酸等で変性したポリマーを使用することができる。
アクリル系の粘着剤としては、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、または共重合性モノマーとの共重合体が挙げられる。この(メタ)アクリル酸エステル、または共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシアミド、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。これらのうち、主成分となる樹脂としては、ホモポリマー(単独重合体)のガラス転移温度が−50℃以下のアクリル酸アルキルエステルを使用することが好ましい。これらの重合体は、多官能性イソシアネート等を添加する方法で、架橋度を調整し、粘着力を制御することもできる。
粘着テープ3の耐熱性を、より一層向上させるとの観点から、基材5を構成するポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物を架橋処理することが好ましい。架橋方法としては、例えば、電子線やガンマ線等の電離放射線の照射による架橋や、基材5を構成するポリオレフィン樹脂からなる樹脂組成物中に、予め、ジクミルパーオキサイドやビニル系シラン等の架橋剤を添加し、次いで、加圧水蒸気等により処理を行う熱架橋や、シラン架橋を行う方法が採用できる。
(粘着剤の作製)
天然ゴム50重量部、スチレン系エラストマー〔クレイトンジャパン(株)製、商品名クレイトンD〕40重量部、テルペンフェノール樹脂〔ヤスハラケミカル(株)製、商品名YSポリスター2100〕10重量部、および酸化防止剤〔チバスペッシャリティーケミカルズ(株)製、商品名イルガノックス1010〕1重量部を、トルエン溶媒中で混合し、固形分濃度が20%のゴム系の粘着剤を作製した。

Claims (6)

  1. 50〜200μmの厚みを有する基材と、
    10〜50μmの厚みを有するとともに、前記基材の少なくとも片面に設けられた粘着剤層と
    を備え、
    前記基材が、ポリオレフィン樹脂とハロゲン系難燃剤とを含有する樹脂組成物からなり、ハロゲン元素を、前記樹脂組成物全体の15重量%〜35重量%の割合で含有することを特徴とする粘着テープ。
  2. 前記樹脂組成物が、さらにスチレン系エラストマーを含有し、スチレン系エラストマーの含有量がポリオレフィン樹脂の含有量よりも多いことを特徴とする請求項1に記載の粘着テープ。
  3. 前記樹脂組成物が、ポリオレフィン樹脂のみをハロゲン系難燃剤の母材として含有していることを特徴とする請求項1に記載の粘着テープ。
  4. 前記ハロゲン系難燃剤が、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリフェニル、パークロロペンタシクロデカン、ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、エチレンビス臭素化フタルイミド、臭素化ポリスチレン、臭素化ジフェニルエーテル、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラデカブロモジフェノキシベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の粘着テープ。
  5. 前記樹脂組成物が、架橋処理されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の粘着テープ。
  6. 前記架橋処理が、電離放射線の照射によるものであることを特徴とする請求項5に記載の粘着テープ。
JP2009506288A 2007-03-26 2008-03-14 粘着テープ Pending JPWO2008117685A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007079959 2007-03-26
JP2007079959 2007-03-26
PCT/JP2008/054823 WO2008117685A1 (ja) 2007-03-26 2008-03-14 粘着テープ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2008117685A1 true JPWO2008117685A1 (ja) 2010-07-15

Family

ID=39788421

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009506288A Pending JPWO2008117685A1 (ja) 2007-03-26 2008-03-14 粘着テープ

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JPWO2008117685A1 (ja)
CN (1) CN101631841A (ja)
WO (1) WO2008117685A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012056284A (ja) * 2010-09-13 2012-03-22 Sumitomo Electric Ind Ltd 耐摩耗性難燃テープ、耐摩耗性難燃粘着テープ及びワイヤーハーネス

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5468775B2 (ja) * 2008-12-26 2014-04-09 日本ウェーブロック株式会社 モール用装飾テープバッキング材、モール用装飾テープ、及び、モール
JP5881391B2 (ja) * 2011-01-25 2016-03-09 日立マクセル株式会社 防水用両面粘着テープ
JP5503710B2 (ja) * 2012-10-11 2014-05-28 古河電気工業株式会社 電線接続部用難燃性絶縁防水カバー
JP6765804B2 (ja) * 2014-11-28 2020-10-07 エルジー イノテック カンパニー リミテッド 発光素子パッケージ

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03259938A (ja) * 1990-03-09 1991-11-20 Sumitomo Electric Ind Ltd ポリオレフィン樹脂組成物及びそれからの耐熱テープ
JP2000136361A (ja) * 1998-08-26 2000-05-16 Sekisui Chem Co Ltd 粘着シ―ト
JP2001164209A (ja) * 1999-12-10 2001-06-19 Sumitomo Chem Co Ltd 基材シート又はフィルム、及び粘着シート又はフィルム
JP2006193565A (ja) * 2005-01-11 2006-07-27 Nitto Denko Corp 粘着テープ及び粘着テープ用基材

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03259938A (ja) * 1990-03-09 1991-11-20 Sumitomo Electric Ind Ltd ポリオレフィン樹脂組成物及びそれからの耐熱テープ
JP2000136361A (ja) * 1998-08-26 2000-05-16 Sekisui Chem Co Ltd 粘着シ―ト
JP2001164209A (ja) * 1999-12-10 2001-06-19 Sumitomo Chem Co Ltd 基材シート又はフィルム、及び粘着シート又はフィルム
JP2006193565A (ja) * 2005-01-11 2006-07-27 Nitto Denko Corp 粘着テープ及び粘着テープ用基材

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6012062215; 難燃剤 初版, 19720420, p.33, 株式会社 幸書房 *
JPN6012062216; プラスチックの難燃化-低発煙化と有害性燃焼ガス対策- 初版, 19780626, p.112, 日刊工業新聞社 *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012056284A (ja) * 2010-09-13 2012-03-22 Sumitomo Electric Ind Ltd 耐摩耗性難燃テープ、耐摩耗性難燃粘着テープ及びワイヤーハーネス

Also Published As

Publication number Publication date
WO2008117685A1 (ja) 2008-10-02
CN101631841A (zh) 2010-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5268647B2 (ja) フイルム基材及び粘着テープ
JP2006179452A (ja) ノンハロゲン電線、電線束及び自動車用ワイヤーハーネス
JPWO2008117685A1 (ja) 粘着テープ
TWI276118B (en) Tape for tying electric wire
JP5629424B2 (ja) フィルム基材及び粘着テープ
JP2011111469A (ja) 難燃性樹脂組成物
JPH039140B2 (ja)
JP4989871B2 (ja) 粘着テープ
JP4601040B2 (ja) 結束用テープ
JP3829646B2 (ja) ワイヤストリップ性に優れたノンハロゲン難燃絶縁電線
JP2006111646A (ja) フィルム基材及び粘着テープ
JP3578657B2 (ja) オレフィン系発泡マスターバッチ組成物
JPS5812684B2 (ja) ナンネンセイジコユウチヤクゼツエンソセイブツ
JPH0345638A (ja) 難燃性電気絶緑組成物
JPS6147753A (ja) 難燃性組成物およびこれを用いた難燃性ケ−ブル
JP7028821B2 (ja) 難燃性樹脂組成物、及びそれを用いた配線材
JP2006176680A (ja) 耐熱性難燃性樹脂組成物及び絶縁電線
JPH03197539A (ja) 難燃性樹脂組成物
JP3829647B2 (ja) ワイヤストリップ性に優れたノンハロゲン難燃絶縁電線
JP4650097B2 (ja) 電気絶縁性樹脂組成物
JP2527103B2 (ja) 難燃性電気絶縁組成物
JPS61283638A (ja) 難燃性電気絶縁組成物
JP2002173604A (ja) テープ
JPH04154853A (ja) 難燃性組成物
JPH07245022A (ja) 難燃絶縁電線

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100707

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20101001

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130402