JPWO2008053776A1 - 水溶性アゾ化合物又はその塩、インク組成物及び着色体 - Google Patents

水溶性アゾ化合物又はその塩、インク組成物及び着色体 Download PDF

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Abstract

本発明は、下記式(1)
Figure 2008053776

(式(1)中、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はスルホ基を、nは1又は2、mは1から3、xは2から4、yは1から3の整数をそれぞれ表す。)で表される水溶性アゾ化合物又はその塩、及びこれを含有するインク組成物に関するものであり、上記化合物又はその塩はインクジェット記録に適する高い鮮明性をもつ色相を有し、且つ記録物の各種堅牢性が高く、又インク組成物を調製した時のインク組成物の保存安定性に優れたイエロー色素として有用であり、インク組成物、特にインクジェット記録用インクに適する。

Description

本発明は水溶性のアゾ化合物又はその塩、これを含有するインク組成物及びこれにより着色された着色体に関する。
各種カラー記録方法の中で、その代表的方法の一つであるインクジェットプリンタによる記録方法は、インクの吐出方式が各種開発されているが、いずれもインクの小滴を発生させ、これを種々の被記録材料(紙、フィルム、布帛等)に付着させ記録を行うものである。この方法は、記録ヘッドと被記録材料とが直接接触しない為、音の発生がなく静かであり、また小型化、高速化、カラー化が容易という特長の為、近年急速に普及しつつあり、今後とも大きな伸長が期待されている。従来、万年筆、フェルトペン等のインク及びインクジェット記録用インクとしては、水溶性の染料を水性媒体に溶解したインクが使用されており、これらの水性インクにおいてはペン先やインク吐出ノズルでのインクの目詰まりを防止すべく、一般に水溶性の有機溶剤が添加されている。これらのインクにおいては、十分な濃度の記録画像を与えること、ペン先やノズルの目詰まりを生じないこと、被記録材上での乾燥性がよいこと、滲みが少ないこと、保存安定性に優れること等が要求される。また形成される記録画像には、耐水性、耐湿性、耐光性、および耐ガス性等の堅牢度が求められている。
インクジェットプリンタのノズル詰まりは、ノズル付近でインク中の水分が蒸発し、水分が少なく溶剤や添加剤が多いという状態になったときに、色素が結晶として析出し、発生する場合が多い。したがって、このような状態においても結晶が析出しにくいということが非常に重要な要求性能の一つである。このため、上記の状態においても色素の結晶が析出しない、より高い水溶性を有する色素が求められている。
また、コンピューターのカラーディスプレー上の画像又は文字情報をインクジェットプリンタによりカラ−で記録するには、一般にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のインクによる減法混色が用いられる。これにより画像がカラーで記録される。CRT(ブラウン管)ディスプレー等におけるレッド(R)、グリーン(G)及びブルー(B)による加法混色画像を減法混色画像で出来るだけ忠実に再現するには、インクに使用される各色素、中でもY、M及びCのそれぞれが、標準に近い色相を有し、且つ鮮明であることが望まれる。又、インクは長期の保存に対して安定であり、また前記のようにプリントした画像の濃度が高く、しかも耐水性、耐湿性、耐光性及び耐ガス性等の堅牢度に優れている事が求められる。ここで耐ガス性とは、空気中に存在する酸化作用を持つ酸化窒素ガス、オゾンガス等の酸化性ガスが、記録紙上又は記録紙中で、記録画像の色素(染料)と反応し、印刷された画像を変退色させるという現象に対する耐性のことである。特に、オゾンガスは、インクジェット記録画像の退色現象を促進させる主要な原因物質とされている。この変退色現象はインクジェット画像に特徴的なものであるため、耐オゾンガス性の向上はこの分野における重要な技術的課題である。
写真画質を得るために、記録紙の一つであるインクジェット専用紙の表面にインク受容層を設けることもある。このインク受容層には、インクの乾燥を早め、また高画質での滲みを少なくする為に、多孔性白色無機物が用いられることが多い。このような記録紙上では特にオゾンガスによる変退色が顕著に見られる。また、非特許文献1に示されるように、酸化性ガスとしてオゾンガスの他にもNOxガスやSOxガスも印刷物の褪色現象に大きな影響を与えているとされている。特に、NO2ガスは大気中に存在する量が比較的多い為、その影響も無視できない。最近のデジタルカメラ及びカラープリンターの普及と共に、家庭でもデジタルカメラ等で得られた画像を写真画質としてプリントする機会が増しており、得られたプリント物を保管する時に、これら空気中の酸化性ガスによる画像の変色が耐オゾンガス性と共に問題視されることが多い。
水溶性及び鮮明性に優れたインクジェット用の黄色色素としては、C.I.(カラーインデックス)ダイレクト・イエロー132が挙げられる。特許文献1〜3にその使用例が開示されている。
またインクジェット記録用の高堅牢性のアゾ系黄色色素が特許文献4に開示されている。
Japan Hardcopy 2004論文集 p.73〜80 特開平11−70729号 特開2000−154344号、実施例A1〜5 特開2003−34763号、表1−1(実施例4) 特開2006−152244号
C.I.ダイレクト・イエロー132は、その色相、鮮明性、耐光性などの各種の堅牢性、及び保存安定性のすべてにおいて必ずしも満足すべきものではない。例えば、耐湿性、耐オゾンガス性及び溶解性等の点では必ずしも満足すべきものではない。また、特許文献4に記載の黄色色素は耐光性などの各種の堅牢性は非常に高いレベルにあるが、色濃度がやや不足するという問題がある。そのため一定以上の色濃度を出すためにはインク中の色素(固形分)の濃度をあげなければならないという問題がある。インク中の色素の濃度を上げることは、インクのコストアップにつながるだけでなく、色素の析出の可能性を高め、その結果ノズル口の閉塞などの問題を起こりやすくする。そのため、色濃度が高いということは非常に重要な要求物性の一つになっている。よって、堅牢性と色濃度、更には色相や鮮明性などに関して一層の向上が図られた黄色色素の開発が求められていた。
本発明は水に対する溶解性が高く、インクジェット記録に適する色相と鮮明性を有し、色濃度が高く、且つ記録物の耐水性、耐湿性、耐ガス性、および特に耐光性などの堅牢性に優れた水溶性の黄色色素(化合物)及びそれを含有する保存安定性の良いインク組成物を提供する事を目的とする。
本発明者等は前記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、下記式(1)で表される水溶性ジスアゾ化合物及びそれを含有するインク組成物が前記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は
(1)下記式(1)で表される水溶性アゾ化合物又はその塩
Figure 2008053776
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はスルホ基を表し、nは1又は2、mは1から3、xは2から4、及びyは1から3の整数をそれぞれ表す)、
(2)下記式(2)で表される上記(1)に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩
Figure 2008053776
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はスルホ基を表し、nは1又は2、lは1又は2、xは2から4及びyは1から3の整数をそれぞれ表す)、
(3)式(2)のRが水素原子、メチル基、メトキシ基又はスルホ基であり、lが1又は2であり、nが1であり、xが3であり、yが2である上記(2)に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩、
(4)下記式(3)で表される(2)に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩
Figure 2008053776
(式中OMeはメトキシ基を示す)、
(5)上記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩を含有するインク組成物、
(6)水溶性有機溶剤を含有する上記(5)に記載のインク組成物、
(7)インクジェット記録用である上記(5)又は(6)に記載のインク組成物、
(8)インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インクとして上記(5)乃至(7)のいずれか一項に記載のインク組成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方法、
(9)被記録材が情報伝達用シートである上記(8)に記載のインクジェット記録方法、
(10)情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有するインク受容層を有するシ−トである上記(9)に記載のインクジェット記録方法、
(11)上記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の水溶性アゾ化合物、又は上記(5)乃至(7)のいずれか一項に記載のインク組成物で着色された着色体、
(12)着色がインクジェットプリンタによりなされた上記(11)に記載の着色体、
(13)上記(5)乃至(7)のいずれか一項に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ、
(14) 上記(1)において、(SOH)mで置換された点線の縮合環を有するフェニル基が2−ナフチル基である請求項1に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩、
に関する。
本発明の上記式(1)で表される水溶性アゾ化合物又はその塩は、従来品と比較して水に対する溶解性に極めて優れる。またインク組成物を製造する過程での、例えばメンブランフィルターに対するろ過性が良好という特徴を有し、インクジェット記録紙上で非常に鮮明で、明度および色濃度の高い黄色色相を与える。又、この化合物を含有する本発明のインク組成物は長期間保存後の結晶析出、物性変化、色相変化等もなく、従来品と比較して貯蔵安定性が極めて良好である。そして本発明のインク組成物をインクジェット記録用のインクとして使用した印刷物は被記録材(例えば紙、フィルム等)を選択することなく黄色色相として理想的な色相であり、写真調のカラー画像を紙の上に忠実に再現させることも可能である。更に写真画質用インクジェット専用紙やフィルムのような多孔性白色無機物を表面に塗工した被記録材に記録しても各種堅牢性、すなわち耐水性、耐湿性、耐ガス性、および特に耐光性が良好であり、写真調の記録画像の長期保存安定性に優れている。このように、式(1)の水溶性アゾ化合物はインク用、特にインクジェット記録用のインク用の黄色色素として極めて有用である。
本発明を詳細に説明する。尚、本明細書においては特に断りがない限り、スルホ基およびカルボキシ基などの酸性官能基は遊離酸の形で表す。
また以下の本明細書においては特に断りがない限り、便宜上、「本発明の水溶性アゾ化合物又はその塩」を「本発明の色素」、又は「式(1)の色素」と記載する。また、上付RTMは登録商標を意味する。
本発明の色素は遊離の形において、下記式(1)
Figure 2008053776
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はスルホ基を、nは1又は2、mは1から3、xは2から4、yは1から3の整数をそれぞれ表す)
で表される。
なお、本明細書の式(1)等において、(SOH)mで置換された点線の縮合環を有するフェニル基は、フェニル基又はナフチル基を表す。
また、本明細書において使用する下記用語、記号及び式(1)の化合物等につき、以下により詳しく説明する。
炭素数1〜4のアルキル基(又は後記(C1〜C4)アルキル基)として好ましいものはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、1−メチルプロピル又はt−ブチルである。通常より好ましくはメチル基である。
炭素数1〜4のアルコキシ基(又は後記(C1〜C4)アルコキシ基)として好ましいものはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、1−メチルプロポキシ、t−ブトキシである。通常より好ましくはメトキシ基である。
好ましいRとしては水素原子、メチル基、メトキシ基又はスルホ基が挙げられる。
mは1から3、好ましくは1又は2である。更に好ましくは(SOH)mがフェニル基上に置換する時、mは1であり、ナフチル基上に置換するとき、mは2である。
nは1又は2、好ましくは1である。
xは2から4、好ましくは3である。
yは1から3、好ましくは2である。
より好ましい上記式(1)の化合物の一つは前記式(2)の化合物である。式(2)の化合物において、xが3、yが2、及びRがメチル、メトキシ又はスルホ、好ましくはメチル又はメトキシ、より好ましくはメトキシである化合物が好ましい。この場合、Rの置換位置はアゾ基に対して、メタ位が好ましい。また、この場合l(エル)が1及びnが1である化合物は更に好ましい。また、(SOH)n基及び(SOH)l基の置換位置は、それぞれアゾ基に対して、オルト、メタ又はパラ位の何れでもよいが、メタ位又はパラ位が好ましく、少なくとも何れか一方がメタ位の時より好ましく、両者がメタ位である時更に好ましい。特に好ましいのは前記式(3)の化合物である。
式(1)において、(SOH)mで置換された点線の縮合環を有するフェニル基が、(SOH)mで置換された2−ナフチル基の化合物も好ましい化合物の一つである。この場合、xが3、yが2で、及びRが水素、メチル、メトキシ又はスルホ、好ましくは、水素、メチル又はスルホ、より好ましくは水素又はメチルである化合物が好ましい。この場合、nが1、mが2又は3、好ましくは2である化合物がより好ましい。(SOH)n基はアゾ基に対して、メタ位又はパラ位が好ましく、メタ位がより好ましい。
(SOH)mのナフチル基上の置換位置は、ナフチル基のアゾ基に結合した位置を2位とするとき、mが2であれば、4及び8位、又は6及び8位が好ましい。
本発明において、遊離の形で上記式(1)で表される化合物は遊離酸、あるいはその塩の何れでもよく、何れも本発明に含まれる。上記式(1)の化合物の塩としては、無機又は有機の陽イオンとの塩が挙げられる。無機陽イオンとの塩の具体例としてはアルカリ金属塩、例えばリチウム、ナトリウム又はカリウムなどとの塩が挙げられる。また、有機の陽イオンとの塩としては、たとえば下記式(4)で表される4級アンモニウムイオンとの塩が挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
Figure 2008053776
式中、Z1〜Z4はそれぞれ独立に水素原子、(C1〜C4)アルキル基、ヒドロキシ(C1〜C4)アルキル基又はヒドロキシ(C1〜C4)アルコキシ(C1〜C4)アルキル基を表わす。
ここで、Z1〜Z4におけるアルキル基の例としてはメチル、エチル等があげられ、同じくヒドロキシアルキル基の例としてはヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル等があげられる。更にヒドロキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−(ヒドロキシエトキシ)プロピル、3−(ヒドロキシエトキシ)ブチル、2−(ヒドロキシエトキシ)ブチル等が挙げられる。
前記塩のうち好ましいものは、ナトリウム、カリウム、リチウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン又はトリイソプロパノールアミンの塩、及びアンモニウム塩等が挙げられる。これらのうち、特に好ましいものは、リチウム塩、ナトリウム塩、及びアンモニウム塩である。
当業者においては明らかなように、上記式(1)の化合物の塩は以下の方法などにより容易に得ることができる。
例えば、式(1)の化合物の水溶液(例えば、合成によって得られた式(1)の化合物を含む反応液、具体的には後述する実施例1におけるアセトン800部を加えて式(1)の化合物を析出させる前の反応液、又は、式(1)の化合物を含むウェットケーキ若しくは式(1)の化合物の乾燥品を溶解した水溶液)に食塩を加えて塩析し、析出固体を濾過分離することにより、上記式(1)の化合物のナトリウム塩をウェットケーキとして得ることができる。
又、得られたナトリウム塩のウェットケーキを水に溶解後、塩酸などの酸を加えてそのpHを適宜調整し、析出した固体を濾過分離することにより、上記式(1)の化合物の遊離酸、あるいは遊離酸とナトリウム塩の混合物(式(1)の化合物の一部がナトリウム塩である混合物)を得ることもできる。
更に、式(1)の化合物の遊離酸のウェットケーキを水と共に撹拌しながら、例えば、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水又は式(4)のアンモニウム水溶液(又はそれに対応するアミン)等を添加してアルカリ性にすれば、各々相当するカリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、又は4級アンモニウム塩を得ることもできる。遊離酸のモル数に対して、加える上記の塩基の種類又はモル数を調整することにより、例えばリチウムとナトリウムの混塩など、さらにはリチウム、ナトリウム、及びアンモニウムの混塩などを得ることも可能である。上記式(1)の化合物の塩は、その塩の種類により溶解性などの物理的な性質、あるいはインクとして用いた場合のインクの性能が変化する場合もある。このため目的とするインク性能などに応じて塩の種類を選択するのが好ましい。
これらの塩のうち、特に好ましいものは、前記した通りリチウム、ナトリウム、及びアンモニウム塩である。
本発明の上記「式(1)の色素」は、例えば次のようにして製造することができる。なお下記式(A)から(H)において適宜使用されるR、m、n、x、およびyは、それぞれ上記式(1)におけるのと同じ意味を表す。
特開2004−75719号公報に記載の例を参考にして得られる下記式(A)の化合物を重亜硫酸ナトリウム及びホルマリンを用いてメチル‐ω‐スルホン酸誘導体(B)に変える。次いで、常法により、下記式(C)で表されるアミノベンゼンスルホン酸をジアゾ化し、得られたジアゾ化物と先に得られた式(B)のメチル‐ω‐スルホン酸誘導体とを0〜15℃、pH2〜4でカップリング反応させ、引き続き、80〜95℃、pH10.5〜11.5で加水分解反応を行うことにより、下記式(D)の化合物が得られる。
Figure 2008053776
また上記式(A)の代わりに下記式(E)を、また(C)の代わりに下記式(F)を用いる以外は上記と同様の方法により、下記式(G)の化合物が得られる。
Figure 2008053776
次に前記で得られた式(D)の化合物(1当量)とハロゲン化シアヌル、例えば塩化シアヌルとを、温度0〜15℃、弱酸性(通常pH5〜6)で縮合することにより、下記式(H)の化合物が得られる。続いて、式(G)の化合物(1当量)と式(H)の化合物とを、温度20〜35℃、弱酸性(通常pH6〜7)で縮合することにより、下記式(I)の化合物が得られる。
Figure 2008053776
さらに得られた上記式(I)の化合物を、好ましくは75〜80℃、pH7〜9の条件下に、下記式(J)の化合物と反応させ、式(I)の化合物における塩素原子を置換することにより、前記式(1)で表される本発明の色素を得ることができる。
Figure 2008053776
式(A)の化合物としては、2−スルホエトキシアニリン、2−スルホプロポキシアニリン及び2―スルホブトキシアニリンが具体例として挙げられ、式(C)の化合物としては、例えば、4−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼン−1,3−ジスルホン酸、3−アミノベンゼン−1,4−ジスルホン酸などが具体例として挙げられる。
また式(E)の化合物としては、例えばアニリン、3−メチルアニリン、2−メチルアニリン、2−メトキシアニリン、3−メトキシアニリンなどが具体例として挙げられ、式(F)の化合物としては、4−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、2−アミノナフタレン−4,8−ジスルホン酸、2−アミノナフタレン−5,7−ジスルホン酸、2−アミノナフタレン−6,8−ジスルホン酸、2−アミノナフタレン−4,6,8−トリスルホン酸などが具体例として挙げられる。
さらに上記式(J)の化合物としては、アミノメチルスルホン酸、タウリン及びホモタウリンが具体例として挙げられる。
次に本発明の色素の好ましい具体例を下記表1に示す。表1において、スルホ基は遊離酸の形で表す。
Figure 2008053776
Figure 2008053776
Figure 2008053776
Figure 2008053776
本発明の式(1)の色素は、カップリング反応後、塩酸などの鉱酸の添加により固体の遊離酸として得ることができ、得られた遊離酸の固体を水又は例えば塩酸水などの酸性水で洗浄することにより、不純物として含有する無機塩、例えば塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどを除去することができる。
上記のようにして得られる本発明の色素の遊離酸を、水性媒体中で所望の無機塩基又は有機塩基と反応させることにより、対応する塩の溶液を得ることができる。なお水性媒体とは、通常の場合、水溶性の有機溶剤と水との混合溶液を意味する。しかし通常有機溶剤とは分類されないが、例えば尿素などのように水との混合により水溶液となる塩基性物質は、水溶液とすることにより、上記の塩基処理の媒体として使用が可能である。従って、場合により、このような物質の水溶液を含めて、本明細書中では水性媒体と記載する。
無機塩基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、および水酸化アンモニウムなどが挙げられる。
有機塩基の例としては、例えば水溶液中で前記式(4)で表される4級アンモニウムイオンを生ずるアミン、例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミンなどが挙げられる。しかし、これらに限定されるものではない。
本発明の色素は、水性媒体等に溶解又は分散させ、天然及び合成繊維材料又は混紡品の染色、各種製品の着色に使用することができる。また、筆記用インク及びインクジェット記録用インク組成物の製造に適している。
本発明の式(1)の色素を含む反応液(例えば後述する実施例1における、アセトン800部を投入する前の反応液など)は、本発明のインク組成物の製造に直接使用する事も出来る。しかし、通常は反応液から該化合物を分離して、得られた化合物を該インク組成物の製造に使用する。例えば反応液から濾過分離して得られた式(1)の色素のウエットケーキ、又はその乾燥品、反応液のスプレー乾燥などの方法により得られた式(1)の色素の乾燥品等が使用される。本発明のインク組成物は、上記式(1)の色素を、インク組成物全量に対して、通常0.1〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%、更に好ましくは2〜8質量%含有する。
本発明のインク組成物は、前記式(1)の色素を水及び/又は水溶性有機溶剤(水との混和可能な有機溶剤)などの水性媒体に溶解し、必要に応じインク調製剤を添加したものである。このインク組成物をインクジェットプリンタ用のインクとして使用する場合、不純物として含有する金属陽イオンの塩化物、例えば塩化ナトリウム、硫酸塩、例えば硫酸ナトリウム等の無機物の含有量が少ないものを用いるのが好ましい。この場合、例えば塩化ナトリウムと硫酸ナトリウムの総含有量は、色素中に、色素全量に対して1質量%以下程度である。無機物の少ない色素を製造するには、例えばそれ自体公知の逆浸透膜による方法又は本発明の水溶性アゾ化合物又はその塩の乾燥品あるいはウェットケーキをメタノールなどのアルコール及び水の混合溶媒中で撹拌して懸濁精製し、固体を濾過分離し、乾燥するなどの方法で脱塩処理すればよい。
本発明のインク組成物は水を媒体として調製され、必要に応じて、水溶性有機溶剤及びその他のインク調製剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しても良い。通常それらを含有することが好ましい。水溶性有機溶剤は、乾燥防止剤(湿潤剤)、粘度調整剤、浸透促進剤、表面張力調整剤、消泡剤等として使用される。その他のインク調製剤としては、例えば、防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、染料溶解剤、褪色防止剤、乳化安定剤、表面張力調整剤、消泡剤、分散剤、及び分散安定剤等の公知の添加剤が挙げられる。水溶性有機溶剤の含有量はインク全体に対して0〜60質量%、好ましくは10〜50質量%であり、その他のインク調製剤はインク全体に対して0〜20質量%、好ましくは0〜15質量%用いるのが良い。上記以外の残部は水である。
本発明で使用しうる水溶性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1〜C4アルカノール;N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オンまたは1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の複素環式ケトン;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等の脂肪族ケトンまたは脂肪族ケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−または1,3−プロピレングリコール、1,2−または1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはチオジグリコール等の(C2〜C6)アルキレン単位を有するモノ、オリゴまたはポリアルキレングリコールまたはチオグリコール;グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(好ましくはトリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの(C1〜C4)モノアルキルエーテル;γーブチロラクトンまたはジメチルスルホキシド等があげられる。
上記の水溶性有機溶剤として好ましいものは、イソプロパノール、グリセリン、モノ、ジまたはトリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンおよびブチルカルビトールであり、より好ましくはイソプロパノール、グリセリン、ジエチレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンおよびブチルカルビトールである。これらの水溶性有機溶剤は、単独もしくは混合して用いられる。
防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ベンゾチアゾール系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、および無機塩系等の化合物が挙げられる。
有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられ、ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられ、イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、さらには酢酸ソーダ等が挙げられる。
その他の防腐防黴剤としてソルビン酸ソーダ、安息香酸ナトリウム等があげられる。防腐防黴剤のその他の具体例としては、例えば、アベシア社製 商品名プロクセルRTMGXL(S)およびプロクセルRTMXL−2(S)等が好ましく挙げられる。
pH調整剤は、インクの保存安定性を向上させる目的で、インクのpHを6.0〜11.0の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。
キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウムなどがあげられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトなどがあげられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物、スチルベン系化合物、又はベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
粘度調整剤としては、水溶性有機溶剤の他に、水溶性高分子化合物があげられ、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等があげられる。
染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等があげられる。尿素を使用するのが好ましい。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、及びヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、及び亜鉛錯体などがある。
表面張力調整剤としては、界面活性剤があげられ、例えばアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、及びノニオン界面活性剤などがあげられる。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸およびその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体などがある。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、その他イミダゾリン誘導体などがある。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル又はポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル又はポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどのアセチレングリコール(アルコール)系(例えば、日信化学工業株式会社製 商品名サーフィノールRTM104、82、465、オルフィンRTMSTG等)等が挙げられる。
消泡剤としては、高酸化油系、グリセリン脂肪酸エステル系、フッ素系、シリコーン系化合物が必要に応じて用いられる。
これらのインク調製剤は、単独もしくは混合して用いられる。なお、本発明のインクの表面張力は通常25〜70mN/m、より好ましくは25〜60mN/mである。また本発明のインクの粘度は30mPa・s以下が好ましい。更に20mPa・s以下に調整することがより好ましい。
本発明のインク組成物を製造するにあたり、添加剤などの各薬剤を溶解させる順序には特に制限はない。インクを調製するにあたり、用いる水はイオン交換水または蒸留水など不純物が少ない水が好ましい。さらに、必要に応じメンブランフィルターなどを用いて精密濾過を行って夾雑物を除いてもよく、インクジェットプリンタ用のインクとして使用する場合は精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行うフィルターの孔径は通常1ミクロン〜0.1ミクロン、好ましくは、0.8ミクロン〜0.2ミクロンである。
本発明の色素を含有するインク組成物は、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピング、又は記録(印刷)、特にインクジェット記録における使用に適する。また本発明のインク組成物は、インクジェットプリンタのノズル付近における乾燥に対しても結晶析出は起こりにくく、この理由によりヘッドの閉塞もまた起こりにくい。さらに本発明のインク組成物をインクジェット記録に用いた場合、水、光、オゾンや酸化窒素ガス、及び摩擦に対する良好な耐性を有する高品質で、特に色濃度の高い黄色の印捺物が得られる。
インクジェットプリンタにおいて、高精細な画像を供給することを目的に、高濃度のインクと低濃度のインクの2種類のインクが1台のプリンタに装填されたものもある。その場合、本発明の色素を用いて高濃度のインク組成物と、低濃度のインク組成物をそれぞれ作製し、それらをインクセットとして使用してもよい。またどちらか一方だけに該色素を用いてもよい。また本発明の色素と公知の黄色色素とを併用してもよい。また、レッドインクやグリーンインクを調製するために、本発明の色素を他の色(例えばマゼンタ色素やシアン色素)と混合して用いることもできる。また、ブラックインクの調色用色素として用いることもできる。
本発明の着色体とは本発明の色素または本発明の色素を含有するインク組成物などにより着色された製品(colored article)のことである。着色体の材質には特に制限はなく、例えば紙、フィルムなどの情報伝達用シート、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等、着色されるものであればなんでも良く、これらに限定されない。着色法としては、例えば浸染法、捺染法、スクリーン印刷等の印刷法、インクジェットプリンタによる方法等があげられるが、インクジェットプリンタによる方法が好ましい。
情報伝達用シートとしては、表面処理されたもの、具体的には紙、合成紙、フィルム等の基材にインク受容層を設けたものが好ましい。インク受容層は、例えば上記基材にカチオン系ポリマーを含浸あるいは塗工する方法、または多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックスなどのインク中の色素を吸収し得る無機微粒子をポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に塗工する方法などにより設けられる。
このようなインク受容層を設けたものは通常インクジェット専用紙、インクジェット専用フィルム、光沢紙、または光沢フィルム等と呼ばれる。
これらの中でも空気中の酸化作用を持つガス、すなわちオゾンガスや酸化窒素ガス等に対して影響を受けやすいとされているのが、上記の多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックスなどを基材表面に塗工したインクジェット専用紙である。
インクジェット専用紙として例えば代表的な市販品の一例を挙げると、商品名:ピクトリコRTM(旭硝子株式会社製)、商品名:プロフェッショナルフォトペーパー、スーパーフォトペーパー及びマットフォトペーパー(いずれもキヤノン株式会社製)、商品名:写真用紙クリスピアRTM(高光沢)、写真用紙(光沢)及びフォトマット紙(いずれもセイコーエプソン株式会社製)、商品名:アドバンスフォト用紙(光沢)、プレミアム光沢フィルム及びフォト用紙(いずれも日本ヒューレット・パッカード株式会社製)、商品名:フォトライクQP(コニカ株式会社製)、商品名:高品位コート紙及び写真光沢紙(いずれもソニー株式会社製)等がある。
本発明のインク組成物は上記の酸化作用を持つガスへの耐性が優れているため、このような被記録材への記録においても変退色の小さい優れた記録画像を与える。また普通紙にも当然用いることができる。
本発明のインクジェット記録方法で、被記録材に記録するには、例えば上記のインク組成物が充填された容器をインクジェットプリンタの所定位置にセットし、通常の方法で、被記録材に記録すればよい。本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物と共に、マゼンタインク、シアンインク、必要に応じて、グリーンインク、ブルー(又はバイオレット)インク、レッドインク、及びブラックインク等を使用しうる。この場合、各色のインクは、それぞれの容器に注入され、それらの容器を、インクジェットプリンタの所定位置に装填して使用する。
インクジェットプリンタには、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式や加熱により生ずる泡を利用したバブルジェット(登録商標)方式等を利用したものがある。本発明のインクジェット記録方法は、いかなる方式であっても使用が可能である。
本発明のインク組成物は、鮮明な黄色であり、特にインクジェット専用紙や光沢紙に記録した画像の鮮明度及び色濃度が高く(特に色濃度が高く)、インクジェット記録法に適した色相を有する。また、その記録画像の各種堅牢度が非常に高いことを特徴とする。
本発明のインク組成物は貯蔵中に沈澱又は分離することがない。また、本発明のインク組成物をインクジェット記録に使用した場合、ノズル付近におけるインク組成物の水の蒸散(高濃度化)によっても結晶析出が非常に起こりにくく、噴射器(インクヘッド)を閉塞することもない。本発明のインク組成物は連続式インクジェットプリンタを用い、比較的長い時間間隔においてインクを再循環させて使用する場合においても、又はオンデマンド式インクジェットプリンタによる断続的な使用においても、物理的性質の変化を起こさない。
以下に本発明を実施例により、更に具体的に説明する。尚、特別の記載のない限り、本文中「部」及び「%」とあるのは質量基準であり、また反応温度は内温である。
なお合成した各化合物のλmax(最大吸収波長)は、pH7〜8の水溶液中での測定値を示した。また実施例で得た本発明の色素はいずれもナトリウム塩であるが、便宜上、その化学構造式は遊離酸として示した。しかし前記したとおり、遊離酸あるいはナトリウム塩以外のアルカリ金属塩などをも適当な方法を用いることにより容易に得ることが可能であり、本発明は本実施例に限定されるものではない。
実施例1
3−アミノベンゼンスルホン酸17.3部を水酸化ナトリウムでpH6に調整しながら水200部に溶解し、次いでそこに亜硝酸ナトリウム7.2部を加えた。この溶液を0〜10℃で、5%塩酸300部中に30分間かけて滴下した後、10℃以下で1時間攪拌し、ジアゾ化反応を行い、ジアゾニウム塩を調製した。
一方、2−メトキシアニリン12.3部を、水酸化ナトリウムでpH5に調整しながら水130部に溶解した。得られた溶液を、10.4部の重亜硫酸ナトリウム及び8.6部の35%ホルマリンを用いて常法により処理し、メチル−ω−スルホン酸誘導体を得た。
得られたメチル−ω−スルホン酸誘導体を、先に調製したジアゾニウム塩中に加え、0〜15℃、pH2〜4で5時間攪拌した。得られた反応液を水酸化ナトリウムでpH11とした後、同pHを維持しながら80〜95℃で5時間攪拌し、次いで、そこに100部の塩化ナトリウムを加えて塩析し、析出固体を濾過分離することにより下記式(5)で表されるアゾ化合物100部をウエットケーキとして得た。
Figure 2008053776
3−アミノベンゼンスルホン酸17.3部を、水酸化ナトリウムでpH6に調整しながら水200部に溶解し、次いでそこに亜硝酸ナトリウム7.2部を加えた。この溶液を0〜10℃で、5%塩酸300部中に30分間かけて滴下した後、10℃以下で1時間攪拌し、ジアゾ化反応を行い、ジアゾニウム塩を調製した。
一方、2−スルホプロポキシアニリン23.1部を、水酸化ナトリウムでpH5に調整しながら水130部に溶解した。得られた溶液を10.4部の重亜硫酸ナトリウム及び8.6部の35%ホルマリンを用いて常法により処理し、メチル−ω−スルホン酸誘導体を得た。
得られたメチル−ω−スルホン酸誘導体を、先に調製したジアゾニウム塩中に加え、0〜15℃、pH2〜4で5時間攪拌した。反応液を水酸化ナトリウムでpH11とした後、同pHを維持しながら80〜95℃で5時間攪拌し、そこに100部の塩化ナトリウムを加えて塩析し、析出固体を濾過分離することにより下記式(6)で表されるアゾ化合物130部をウエットケーキとして得た。
Figure 2008053776
次に250部の氷水中にレオコールRTMTD90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)0.10部を加えて激しく攪拌し、その中に塩化シアヌル8.0部を添加し0〜5℃で30分間攪拌し、懸濁液を得た。
上記の方法により得たアゾ化合物(5)100部のウエットケーキを水200部に溶解し、この溶液に上記の懸濁液を30分間かけて滴下した。滴下終了後該溶液をpH5〜6、0〜10℃で6時間撹拌した。
次に、上記の方法により得たアゾ化合物(6)130部のウエットケーキを水300部に溶解し、上記の溶液に30分間かけて滴下した。滴下終了後pH6〜7、25〜35℃で6時間撹拌し、タウリン18.8部を加え、pH7〜9、75〜80℃で3時間攪拌した。得られた反応液を20〜25℃まで冷却後、この反応液にアセトン800部を加え、20〜25℃で1時間攪拌した。析出固体を濾過分離することによりウエットケーキ95.0部を得た。このウエットケーキを80℃の熱風乾燥機で乾燥することにより、下記式(7)で表される本発明の水溶性アゾ化合物(λmax 391nm)30.0部を得た。
Figure 2008053776
実施例1A
(A)インクの調製
上記実施例1で得られた本発明のアゾ化合物を用いて表2に示した組成比で混合して本発明のインク組成物を得、それぞれ0.45μmのメンブランフィルターで濾過する事により夾雑物を除いた。尚、水はイオン交換水を使用し、インク組成物のpHがおよそ9となるように水酸化ナトリウム水溶液で調整後、総量が100部になるように水を加えた。
Figure 2008053776
比較例1A
比較例1Aとして、色素成分として実施例1で得られたアゾ化合物のかわりに、インクジェット用黄色色素として広く用いられているC.I.ダイレクトイエロー132を用いて表2Aと同様の組成比で比較用のインク組成物を調製した。
比較例2A
比較例2Aとして、色素成分として実施例1で得られたアゾ化合物のかわりに特許文献4の実施例1に記載の方法で合成した下記式(13)の化合物を用いて、表2Aと同様の組成比で比較用のインク組成物を調製した。用いた化合物の構造式を以下に示す。尚、評価は下記式(13)のナトリウム塩を用いて行った。
Figure 2008053776
(B)インクジェットプリント
インクジェットプリンタ(キヤノン株式会社製 商品名:PIXUS ip7100)を用いて、光沢紙(キヤノン株式会社製 商品名:プロフェッショナルフォトペーパー PR−101)にインクジェット記録を行った。インクジェット記録の際、反射濃度が数段階の階調が得られるように画像パターンを作り、黄色の印字物を得た。
耐湿性試験は未印字部と印字部を有する印刷物を用いて行った。又耐光性試験、耐酸化窒素ガス試験、及び耐オゾンガス性試験は試験前の印字物の反射濃度D値が1に最も近い部分について反射濃度の測定を行った。また、反射濃度は測色システム(SpectroEye、GretagMacbeth社製)を用いて測定した。
記録画像の各種試験方法および試験結果の評価方法を以下に記載する。
(C)印刷物の色濃度
光沢紙にプリントした画像のうち、もっとも反射濃度が高い部分について上記測色システムを用いてイエロー濃度Dy値を測定した。結果を表3Aに示す。評価基準は以下の通りである。
Dy値が1.70以上・・・・・・・・・・・○
Dy値が1.70未満1.60以上・・・・・△
Dy値が1.60未満・・・・・・・・・・・×
(D)耐湿性試験
光沢紙にプリントした試験片を恒温恒湿器(応用技研産業株式会社製)を用いて50℃、90%RHで7日間放置し、試験前後の印字部の色素(染料)の未印字部への滲みを目視により判定した。結果を表3Aに示す。評価基準は以下の通りである。
色素の未印字部への滲みがほとんど見られない・・○
色素の未印字部への滲みがやや見られる・・・・・△
色素の未印字部への滲みがかなり見られる・・・・×
(E)キセノン耐光性試験
光沢紙にプリントした試験片をホルダ−に設置して、キセノンウェザオメータCi4000(ATLAS社製)を用い、0.36W/平方メートル放射照度で100時間照射した。
試験後、反射濃度を測色システムを用いて測色し、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求め、また同測色システムを用いて試験前後の色差ΔEを測定した。
結果を表4Aに示す。
(F)耐酸化窒素ガス性試験
窒素酸化物染色堅牢度試験機GF−5(スガ試験機社製)のチャンバー中に、飽和亜硝酸ナトリウム水溶液15mlと5%硫酸水溶液を10ml加えたシャーレをセットして窒素酸化物ガスを発生させ、同じチャンバー内に光沢紙1と光沢紙2にプリントした試験片をセットして30分間暴露した。暴露後、光沢紙を1週間室温放置し、過剰に吸収した窒素酸化物ガスを放出させた後に、反射濃度を前記の測色システムを用いて測色した。測定後、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求め、3段階で評価した。
色素残存率が80%以上・・・・・・・・○
色素残存率が70%以上80%未満・・・△
色素残存率が70%未満・・・・・・・・×
結果を表3Aに示す。
(G)耐オゾンガス性試験
光沢紙1と光沢紙2にプリントした試験片をオゾンウェザーメーター(スガ試験機社製)を用いてオゾン濃度10ppm、湿度60%RH、温度24℃の環境下に8時間放置した後、反射濃度を前記の測色システムを用いて測色した。測定後、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求め、3段階で評価した。
色素残存率が85%以上・・・・・・・・○
色素残存率が80%以上85%未満・・・△
色素残存率が80%未満・・・・・・・・×
結果を表3Aに示す。
(H)溶解性試験
実施例1Aで得られたアゾ化合物、比較例1A及び比較例2Aで使用した各化合物について、 水に対する溶解性を試験した。水はイオン交換水を用い、pH8付近、室温(約25℃)で試験を行った。溶解性は以下の評価基準で評価した。
100g/L以上の水溶性を有する・・・・・・・・・・・・○
50g/L以上100g/L未満の水溶性を有する・・・・・△
50g/L未満の水溶性を有する・・・・・・・・・・・・・×
結果を表5Aに示す。
表3A 色濃度(C)、耐湿(D)、耐酸化窒素ガス(F)及び耐オゾンガス(G)の試験結果
(C) (D) (F) (G)
実施例1A ○ ○ ○ ○
比較例1A ○ △ ○ △
比較例2A × ○ ○ ○

表4A(C)印刷物の色濃度試験結果(実測値)
Dy値
実施例1A 1.72
比較例1A 1.77
比較例2A 1.58

表5A(E)キセノン耐光性試験結果
色素残存率(%) ΔE
実施例1A 89.0 4.6
比較例1A 73.8 16.2
比較例2A 88.6 5.0

表6A (H)溶解性試験
溶解性
実施例1A ○
比較例1A △
比較例2A ○
表3Aの結果より明らかなように、C.I.ダイレクトイエロー132を用いた比較例1Aは、(D)耐湿性試験において滲みがやや見られ、また(G)耐オゾン性試験において色素の残存率が80以上85%未満であり、実施例1Aが同様に前者において滲みがほとんど見られず、また後者において85%以上であるのに対して、これらの堅牢性に問題のあることが判明した。また、(C)色濃度について、比較例2Aは1.60未満であり、実施例1Aが1.70以上であるのに対して、比較例2Aの色濃度に問題があることが確認された。この色濃度については実測値を表4Aに挙げた。実施例1AのDy値は比較例2より9%近くも大きく、色濃度が高いことが判る。
また、表5Aより、(E)耐光性試験においては、実施例1Aは色素残存率が89.0%、色差が4.6であり、比較例1Aの色素残存率73.8%、色差16.2と比較して明らかに優れた耐光性を持つことが判明した。
また表6Aより明らかなように、(H)溶解性試験において、水に対する溶解性は比較例1Aに用いているC.I.ダイレクトイエロー132が50g/L以上100g/L未満であるのに対して、実施例1Aのインクに用いている色素化合物は100g/L以上であり、比較例1Aよりもさらに高い水溶解性を示した。
以上の結果から、実施例1Aは比較例2Aと同等に優れた堅牢性を持ち、さらに色濃度については比較例2Aよりも優れたものであり、比較例1Aより耐湿性、耐光性、耐オゾン性、及び溶解性試験において優れた結果を示した。
実施例2
実施例1の3−アミノベンゼンスルホン酸17.3部を4−アミノベンゼンスルホン酸17.3部とする以外は実施例1と同様の方法で下記式(8)で表される本発明の水溶性アゾ化合物(λmax391nm)30.0部を得た。
Figure 2008053776
実施例3
実施例1の3−アミノベンゼンスルホン酸17.3部を2−アミノナフタレン−4,8−ジスルホン酸30.3部とし、2−メトキシアニリン12.3部を3−メチルアニリン10.7部とする以外は実施例1と同様の方法で下記式(9)で表される本発明の水溶性アゾ化合物(λmax390nm)31.0部を得た。
Figure 2008053776
実施例4
実施例1の3−アミノベンゼンスルホン酸17.3部を2−アミノナフタレン−6,8−ジスルホン酸30.3部とし、2−メトキシアニリン12.3部をアニリン9.3部とする以外は実施例1と同様の方法で下記式(10)で表される本発明の水溶性アゾ化合物(λmax389nm)30.5部を得た。
Figure 2008053776
実施例5
250部の氷水中にレオコールTD90(商品名、界面活性剤、ライオン株式会社製)0.10部を加えて激しく攪拌し、その中に塩化シアヌル8.0部を添加し0〜5℃で30分間攪拌し、懸濁液を得た。
下記式(11)で表されるアゾ化合物(ケムコインターナショナル製)を水200部に溶解し、この溶液に上記の懸濁液を30分間かけて滴下した。滴下終了後pH5〜6、0〜10℃で8時間撹拌し、溶液を得た。
Figure 2008053776
次に、実施例1におけると同様な方法により得た前記式(6)で表されるアゾ化合物130部のウエットケーキを水300部に溶解し、上記の溶液に30分間かけて滴下した。滴下終了後pH6〜7、25〜35℃で6時間撹拌し、そこにタウリン18.8部を加え、pH7〜9、75〜80℃で3時間攪拌した。得られた反応液を20〜25℃まで冷却後、この反応液にアセトン800部を加え、20〜25℃で1時間攪拌した。析出固体を濾過分離することによりウエットケーキ95.0部を得た。このウエットケーキを80℃の熱風乾燥機で乾燥することにより、下記式(12)で表される本発明の水溶性アゾ化合物(λmax 379nm)31.0部を得た。
Figure 2008053776
実施例6〜9
(A)インクの調製
上記実施例2〜5で得られた本発明のアゾ化合物を用いて表2に示した組成比で混合して本発明のインク組成物を得、それぞれ0.45μmのメンブランフィルターで濾過する事により夾雑物を除いた。尚、水はイオン交換水を使用し、インク組成物のpHがおよそ9となるように水酸化ナトリウム水溶液で調整後、総量が100部になるように水を加えた。実施例2の化合物を用いて調製したインク組成物を実施例6、実施例3の化合物を用いて調製したインク組成物を実施例7、実施例4の化合物を用いて調製したインク組成物を実施例8実施例5の化合物を用いて調製したインク組成物を実施例9とする。
Figure 2008053776
比較例1
比較例1として、色素成分として表2における上記各実施例で得られたアゾ化合物のかわりに、インクジェット用黄色色素として広く用いられているC.I.ダイレクトイエロー132を用いて表2と同様の組成比で比較用のインク組成物を調製した。
比較例2
比較例2として、色素成分として表2における上記各実施例で得られたアゾ化合物のかわりに特許文献4の実施例1に記載の方法にて合成した下記式(13)の化合物を用いて、表2と同様の組成比で比較用のインク組成物を調製した。尚、下記式(13)の化合物としてはナトリウム塩を用いた。
Figure 2008053776
比較例3
比較例3として、色素成分として表2における上記各実施例で得られたアゾ化合物のかわりに特許文献5のExample1に記載の方法で合成した下記式(14)の化合物を用いて、表2と同様の組成比で比較用のインク組成物を調製した。尚、下記式(14)の化合物としてはナトリウム塩を用いた。
Figure 2008053776
(B)インクジェットプリント
インクジェットプリンタ(キヤノン株式会社製 商品名:PIXUS ip7100)を用いて、光沢紙(キヤノン株式会社製 商品名:プロフェッショナルフォトペーパー PR−101)にインクジェット記録を行った。インクジェット記録の際、反射濃度が数段階の階調が得られるように画像パターンを作り、黄色の印字物を得た。
耐湿性試験は未印字部と印字部を有する印刷物を用いて行った。又耐光性試験、耐酸化窒素ガス試験、及び耐オゾンガス性試験は試験前の印字物の反射濃度D値が1に最も近い部分について反射濃度の測定を行った。また、反射濃度は測色システム(SpectroEye、GretagMacbeth社製)を用いて測定した。
記録画像の各種試験方法および試験結果の評価方法を以下に記載する。
(C)印刷物の色濃度
光沢紙にプリントした画像のうち、もっとも反射濃度が高い部分について上記測色システムを用いてイエロー濃度Dy値を測定した。結果を表3、4に示す。評価基準は以下の通りである。
Dy値が1.70以上・・・・・・・・・・・○
Dy値が1.70未満1.60以上・・・・・△
Dy値が1.60未満・・・・・・・・・・・×
(D)耐湿性試験
光沢紙にプリントした試験片を恒温恒湿器(応用技研産業株式会社製)を用いて50℃、90%RHで7日間放置し、試験前後の印字部の色素(染料)の未印字部への滲みを目視により判定した。結果を表3に示す。評価基準は以下の通りである。
色素の未印字部への滲みがほとんど見られない・・○
色素の未印字部への滲みがやや見られる・・・・・△
色素の未印字部への滲みがかなり見られる・・・・×
(E)キセノン耐光性試験
光沢紙にプリントした試験片をホルダ−に設置して、キセノンウェザオメータCi4000(ATLAS社製)を用い、0.36W/平方メートル放射照度で100時間照射した。
試験後、反射濃度を測色システムを用いて測色し、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求め、また同測色システムを用いて試験前後の色差ΔEを測定した。
結果を表5に示す。
(F)耐酸化窒素ガス性試験
窒素酸化物染色堅牢度試験機GF−5(スガ試験機社製)のチャンバー中に、飽和亜硝酸ナトリウム水溶液15mlと5%硫酸水溶液を10ml加えたシャーレをセットして窒素酸化物ガスを発生させ、同じチャンバー内に光沢紙1と光沢紙2にプリントした試験片をセットして30分間暴露した。暴露後、光沢紙を1週間室温放置し、過剰に吸収した窒素酸化物ガスを放出させた後に、反射濃度を前記の測色システムを用いて測色した。測定後、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求め、3段階で評価した。
色素残存率が80%以上・・・・・・・・○
色素残存率が70%以上80%未満・・・△
色素残存率が70%未満・・・・・・・・×
結果を表3に示す。
(G)耐オゾンガス性試験
光沢紙1と光沢紙2にプリントした試験片をオゾンウェザーメーター(スガ試験機社製)を用いてオゾン濃度10ppm、湿度60%RH、温度24℃の環境下に8時間放置した後、反射濃度を前記の測色システムを用いて測色した。測定後、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求め、3段階で評価した。
色素残存率が85%以上・・・・・・・・○
色素残存率が80%以上85%未満・・・△
色素残存率が80%未満・・・・・・・・×
結果を表3に示す。
(H)溶解性試験
実施例2〜5で得られたアゾ化合物、比較例2及び比較例3で使用した各化合物について、 水に対する溶解性を試験した。水はイオン交換水を用い、pH8付近、室温(約25℃)で試験を行った。溶解性は以下の評価基準で評価した。
100g/L以上の水溶性を有する・・・・・・・・・・・・○
50g/L以上100g/L未満の水溶性を有する・・・・・△
50g/L未満の水溶性を有する・・・・・・・・・・・・・×
結果を表6に示す。
表3 色濃度(C)、耐湿(D)、耐酸化窒素ガス(F)及び耐オゾンガス(G)の試験結果
(C) (D) (F) (G)
実施例6 ○ ○ ○ ○
実施例7 ○ ○ ○ ○
実施例8 ○ ○ ○ ○
実施例9 ○ ○ ○ ○
比較例1 ○ △ ○ △
比較例2 × ○ ○ ○
比較例3 ○ ○ ○ △
表4 (C)印刷物の色濃度試験結果(実測値)
Dy値
実施例6 1.72
実施例7 1.75
実施例8 1.75
実施例9 1.78
比較例1 1.81
比較例2 1.58
比較例3 1.75
表5 (E)キセノン耐光性試験結果
色素残存率(%) ΔE
実施例6 89.4 4.6
実施例7 90.9 5.1
実施例8 91.2 5.7
実施例9 91.2 6.2
比較例1 74.5 16.7
比較例2 90.8 6.2
比較例3 83.6 9.5
表6 (H)溶解性試験
実施例6 ○
実施例7 ○
実施例8 ○
実施例9 ○
比較例1 △
比較例2 ○
比較例3 ○
表3の結果より明らかなように、C.I.ダイレクトイエロー132を用いた比較例1は、(D)耐湿性試験において滲みがやや見られ、また(G)耐オゾン性試験において色素の残存率が80以上85%未満であり、これらの堅牢性に問題のあることが判明した。式(13)の化合物を用いた比較例2のインクは堅牢性には問題ないが、(C)の色濃度が1.60未満であり、問題があることがわかる。この色濃度については実測値を表4に挙げた。いずれの実施例のインクもDy値は比較例2より8%以上も大きく、色濃度が高いことが判る。式(14)の化合物を用いた比較例3のインクは(C)の色濃度、(D)の耐湿性試験及び(F)の耐酸化窒素ガス性試験においては良好な結果が得られたが、(G)の耐オゾンガス性試験の結果においては色素残存率が80%以上85%未満であり、各実施例が全て85%以上の残存率を有していることから比較しても十分な堅牢性を有しているとは言えないことがわかった。
また、表5より、(E)耐光性試験においては、実施例では最も色素残存率が低いのは実施例6の89.4%、色差が最も大きいのは実施例9の6.2であるが、比較例1の色素残存率74.5%、色差16.7、また比較例3の色素残存率83.9%、色差9.5と比較して実施例のインクが明らかに優れた耐光性を持つことが判明した。
また表6より明らかなように、(H)溶解性試験において、水に対する溶解性は比較例1で用いているC.I.ダイレクトイエロー132が50g/L以上100g/L未満であるのに対して、各実施例のインクに用いている色素化合物は100g/L以上であり、比較例1よりもさらに高い水溶解性を示した。
以上の結果から、各実施例は比較例2と同等に優れた堅牢性を持ち、さらに色濃度については比較例2よりも優れたものであり、比較例1より耐湿性、耐光性、耐オゾン性及び溶解性試験において、比較例3より耐オゾン性及び耐光性に優れた結果を示した。
以上の結果から、本発明の水溶性アゾ化合物はインクジェット記録用のインク組成物を調製するのに適しており、各種の堅牢性、すなわち耐湿性、耐光性、耐オゾンガス性および耐酸化窒素ガス性に極めて優れ、また水溶解性が高く、長期に保存した場合にも沈殿やゲル化を生ずることなく安定である。更に本発明のアゾ化合物は高い色濃度を持ち、良好で鮮明な色相を持つ。これらの特徴から、本発明のアゾ化合物は各種の記録用インク色素、特にインクジェットインク用の黄色色素として非常に有用な化合物であることが明らかである。

Claims (14)

  1. 下記式(1)
    Figure 2008053776
    (式中、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はスルホ基を表し、nは1又は2、mは1から3、xは2から4及びyは1から3の整数をそれぞれ表す)
    で表される水溶性アゾ化合物又はその塩。
  2. 下記式(2)
    Figure 2008053776
    (式中、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はスルホ基を表し、nは1又は2、lは1又は2、xは2から4、及びyは1から3の整数をそれぞれ表す。)
    で表される請求項1に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩。
  3. 式(2)のRが水素原子、メチル基、メトキシ基又はスルホ基であり、lが1又は2であり、nが1であり、xが3であり、及びyが2である請求項2に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩。
  4. 下記式(3)
    Figure 2008053776
    (式中OMeはメトキシ基を示す)
    で表される請求項2に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩を含有するインク組成物。
  6. 水溶性有機溶剤を含有する請求項5に記載のインク組成物。
  7. インクジェット記録用である請求項5又は6に記載のインク組成物。
  8. インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インクとして請求項7に記載のインク組成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
  9. 被記録材が情報伝達用シートである請求項8に記載のインクジェット記録方法。
  10. 情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有するインク受容層を有するシ−トである請求項9に記載のインクジェット記録方法。
  11. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の水溶性アゾ化合物、又は請求項5又は6のいずれか一項に記載のインク組成物で着色された着色体。
  12. 着色がインクジェットプリンタによりなされた請求項11に記載の着色体。
  13. 請求項7に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ。
  14. 請求項1において、(SOH)mで置換された点線の縮合環を有するフェニル基が2−ナフチル基である請求項1に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩。
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