JPWO2008047696A1 - モールド整流子とその製造方法およびそれらを用いたモータ - Google Patents

モールド整流子とその製造方法およびそれらを用いたモータ Download PDF

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Abstract

モールド整流子は、整流子片(1)と、隣り合う整流子片の間に圧入された円筒状のバリスタピン(20)と、整流子片(1)とバリスタピン(20)とを一体成形してモールド整流子を形成するモールド材(3)とを有する。バリスタピン(20)は、整流子片間のスパーク電圧を吸収してブラシ寿命を改善する。

Description

本発明は、掃除機や電動工具などに使用されるモータのモールド整流子とその製造方法に関する。
家電用の掃除機などに用いられる高速で回転するモータでは、個々の整流子片に働く遠心力によりモールド整流子の表面に段差を発生する。そして、段差が大きい場合には、ブラシの機械的な磨耗の増加やブラシとの間で大きな火花放電(以下、「スパーク」と記す)を生じるため、段差を小さくすることが重要となっている。そこで、整流子片間に円柱状のセラミックを圧入し、段差を数ミクロン程度に抑制したモールド整流子の例が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、情報機器などに使用される低電圧DCモータでは、一般に整流子片間にバリスタが外付けされている。このバリスタは、ある電圧以上になると抵抗値が急減して電流を流し始める特性を有する素子であり、これにより整流子片間のスパーク電圧を吸収して、ブラシ寿命の長寿命化やモータノイズの低減が図られる。そこで、低電圧駆動に適した酸化亜鉛バリスタを製造する方法の一例が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、上記モータの場合、整流子片の数が多いので、バリスタの外付けに長い作業時間を要する。さらに、モータの回転に伴う遠心力から、バリスタを保護する対策も必要となる。また、掃除機などのモータでは整流子片間に高電圧が印加されるため、バリスタ電圧の低いバリスタを使用できないという課題がある。
特公平5−38544号公報 特開平6−204006号公報
本発明のモールド整流子は、両側面部に溝部を有する複数の整流子片と、隣接する整流子片の溝部の間に係合する複数の円筒状のバリスタと、複数の整流子片と複数のバリスタとを係合させた状態で一体成形するモールド材とを有する。
これにより、モールド整流子の段差の発生を抑制するとともに、バリスタにより整流子片間のスパーク電圧を吸収してブラシ寿命の改善やモールド整流子の強度を向上できる。
図1は、本発明の実施の形態に係るモールド整流子の回転軸に対して垂直方向の断面図である。 図2は、図1の2−2線断面図である。 図3は、本発明の実施の形態に係るバリスタの斜視図である。 図4は、本発明の実施の形態に係るモールド整流子の製造方法を示すフローチャートである。 図5は、同実施の形態に係るモールド整流子の製造方法を説明する平面図である。 図6は、同実施の形態に係るモールド整流子の製造方法を説明する平面図である。 図7は、同実施の形態に係るモールド整流子の製造方法を説明する平面図である。 図8は、本発明の実施の形態におけるモールド整流子を用いたモータを説明する縦断面図である。 図9は、本発明の実施の形態におけるモールド整流子を用いたモータを説明する側断面図である。
符号の説明
1 整流子片
3 モールド材
7 モールド成形用リング
8 回転軸用の穴
11 溝部
20 バリスタ(バリスタピン)
30 モータ
31 固定子
32 回転子
33,34 ブラケット
35 出力軸
36 吸込用回転ファン
37 エアガイド
38 ファンケース
39 軸受け
40 スロット
41 ティース
42 モールド整流子
43 ブラシ
以下、本発明の実施の形態に係るモールド整流子について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るモールド整流子の回転軸に対して垂直方向の断面図である。図2は、図1の2−2線断面図である。図3は、本発明の実施の形態に係るバリスタの斜視図である。
図1と図2に示すように、モールド整流子は、複数の整流子片1と、複数の円筒状のバリスタ(以下、「バリスタピン」と記す)20と、複数の整流子片1と複数のバリスタピン20とを一体成形するモールド材3と、で構成される。そして、モールド材3の中央には、回転軸(図示せず)を固定するための回転軸用の穴8が設けられ、この回転軸用の穴8に回転軸を係合して回転対象物を回転させる。
また、整流子片1は、例えば導電性が良好な電気銅に対し、約0.05wt%の銀を添加した銅合金で構成され、図面中の矢印で示す回転方向の両側面部で回転軸方向(紙面に対して垂直方向)に溝部11を有している。ここで、整流子片1は、例えば銅合金のフープ材を異形ダイスを用いて連続的に溝部11を形成し、プレス加工により最終形状に加工される。このとき、必要に応じて整流子片1の表面には、例えば錫、ニッケル、金や銀などの柔軟性を有する金属が、例えばめっき処理により設けられる。これにより、バリスタピンと係合する際に、金属が容易に変形して安定した接触が得られる。
また、バリスタピン20は、図1から図3に示すように、整流子片1の溝部11の形状と合致する、例えば円筒形状で形成され、溝部11に圧入される。そして、バリスタピン20は、以下で詳細に説明するように、酸化亜鉛粉末に、例えば酸化ビスマス、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化アンチモンなどの酸化物を添加し混合した粉末を用いて、所定のバリスタ電圧を有して作製されている。このとき、必要に応じて、バリスタピン20の少なくとも整流子片1と接触する側面には、例えば錫、ニッケル、金や銀などの柔軟性を有する金属が、例えば焼き付け処理により設けられる。これにより、整流子片と安定した接触が得られる。
また、モールド材3は、例えばガラス繊維や無機充填剤が添加されたフェノール樹脂などで成形される。
なお、本発明のモールド整流子は、酸化亜鉛系組成物で押出成形により成形され焼成されたバリスタピンを整流子片間に備え、整流子片間のバリスタ電圧を、整流子片間電圧よりも高くしたことを特徴としている。そのため、隣接する整流子片間のバリスタ電圧Avは、1mAの電流を流すときに、整流子片間のバリスタ電圧Av>モータ印加電圧/(整流子片数/2)の条件を満たすように設定する。つまり、モータ印加電圧は、整流子の一点と接触する第1のブラシと、第1のブラシと接触する点と対向する点で接触する第2のブラシとの間に印加されるので、各整流子片間にかかる電圧は、モータ印加電圧/(整流子片数/2)となる。
また、バリスタピンのバリスタ特性は(数1)により表される。
Figure 2008047696
ここで、Iはバリスタピンに印加される電流、Kはバリスタ定数、Vはバリスタ電圧、αは非直線抵抗指数を表している。
そのため、本発明のモールド整流子のバリスタピンには、バリスタ特性として、以下に示すような、所定のバリスタ電圧と高い非直線抵抗指数を持つことが要求される。
まず、所定のバリスタ電圧は、1mAの電流がバリスタピンに流れるときの電圧として求められ、整流子片間に印加される電圧と整流子片間の距離により決定される。例えば、整流子片間にかかる電圧が30Vで整流子片間距離が0.5mmの場合、厚さ1mm当たりのバリスタ電圧は60V/mm以上が必要となる。また、実用上においては、整流子片間に発生するスパーク電圧は整流子片間電圧の2倍以上で、さらに電圧変動や製造時の整流子片間の距離の変動などの安全率を考慮して決める必要がある。具体的には、例えば整流子24極、交流240V仕様の場合、56V/0.8mm(実際の整流子片間距離)となる。そのため、実際には、厚さ1mm当たりのバリスタ電圧としては、70V/mmから80V/mm程度を有するバリスタピンを用いることが好ましい。
つぎに、非直線抵抗指数αは、α値が高いほど安定してバリスタピンに電流(スパーク電流)を流すことが可能となるので、α値の高い材料でバリスタピンを形成することが好ましい。例えば、チタン酸ストロンチウム系バリスタのα値は2から10程度に対して、酸化亜鉛系バリスタは20から60程度のα値を有しているため、スパーク電圧の吸収に対して非常に有用な材料である。
そこで、本実施の形態では、以下で説明する方法で作製した酸化亜鉛組成物からなるバリスタピンを用いた。なお、酸化亜鉛組成物とは、酸化亜鉛粉末に酸化ビスマス、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化チタン、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化アンチモンなどの酸化物を添加したものである。
以下に、本発明の実施の形態に係るバリスタピンの製造方法について説明する。まず、上記に示した酸化亜鉛を主体とした平均粒径が0.6μm以上で3μm以下の粉末に、バインダとしてポリビニルアルコールを添加し、成形可能な状態の混合物を作製する。
つぎに、この混合物を真空混練しながら押出成形を行い、所定の長さに切断して焼成する。このとき、混合物は、例えば焼成温度900℃以上で1300℃以下、焼成時間10時間以上で30時間以下、昇温速度25℃/時間以上で50℃/時間以下の条件で焼成される。
なお、一般に、整流子片の回転方向の両側面部に合致する円筒状のバリスタピンの径は1mmから2mm程度で、長さは5mmから15mm程度である。そのため、上記混合物を金型内に充填して、プレス成形により円筒状の成形品のバリスタピンを作製するには、成形性や生産性の観点から非常に困難である。
そこで、上述したように、酸化亜鉛組成物とバインダを真空混錬して得た混合物を高圧で押出成形することにより、連続して、しかも寸法精度の良好な円筒状のバリスタピンを生産性よく形成することができる。このとき、予め酸化亜鉛組成物の粉末とバインダとの混合物の密度を高くし、押出成形の圧力を調整することにより、焼成後のバリスタピンの密度が5g/cm以上5.5g/cm以下となるように作製する。これにより、不純物の混入やボイドの発生を未然に防止した信頼性に優れたバリスタピンを作製できる。
また、バリスタピンのバリスタ電圧は、結晶粒界の数により左右される。そのため、所定のバリスタ電圧を有するバリスタピンを作製するときに、結晶粒界の数を制御することが重要となる。
つまり、低電圧領域では、結晶粒界が抵抗となるため電子は結晶粒界を移動できず、電流が流れない。一方、高電圧領域では、トンネル効果により、電子が結晶粒界の壁を飛び越えることが可能で、電流が流れる。一般に、酸化亜鉛系バリスタでは、二つの結晶粒界間のバリスタ電圧は約2Vと言われている。
したがって、厚さ1mm当たりのバリスタ電圧を50V/mmとすれば、1mm間の結晶粒界の数は約25個である。また、厚さ1mm当たりのバリスタ電圧を350V/mmとすれば、1mm間の結晶粒界の数は約175個である。
そこで、バリスタピンの所定のバリスタ電圧は、焼成温度や焼成時間を調整することで制御する。例えば、焼成温度を高く、焼成時間を長くして酸化亜鉛の結晶粒径を成長させることにより、結晶粒界の数を減らして低電圧のバリスタ電圧を有するバリスタピンを製造することができる。なお、真空混錬時に粒径の大きい酸化亜鉛粉末を予め選定し、焼成して低電圧のバリスタ電圧を有するバリスタピンを作製してもよい。
また、酸化亜鉛組成物の粉末とバインダとの混合物の密度が低い場合、粒子同士が焼結しにくいため、単位長さ辺りの粒子数が多くなる。その結果、高電圧のバリスタ電圧を備えたバリスタピンを作製できる。
一方、酸化亜鉛組成物の粉末とバインダとの混合物の密度が高い場合、粒子同士が焼結しやすいため、単位長さ辺りの粒子数が少なくなる。その結果、低電圧のバリスタ電圧を備えたバリスタピンを作製できる。
なお、一般に、掃除機や電動工具などに使用される整流子モータの使用電圧は、100Vから240Vの交流で使用される。そのため、整流子モータの整流子片間に加わる電圧は10Vから50V程度、整流子片間の距離は0.2mmから1.0mm程度となる。その結果、バリスタピンに必要な厚さ1mm当たりのバリスタ電圧は、10V/mm以上で250V/mm以下となる。
しかし、実用上、整流子片間に発生するスパーク電圧は整流子片間の電圧の2倍以上であり、さらには電圧変動、製造時の整流子片間の距離の変動など安全率を考慮すると、厚さ1mm当たりの所定のバリスタ電圧として、20V/mm以上で500V/mm以下に設定することが好ましい。
上記で説明したように、酸化亜鉛の結晶粒径や所定のバリスタ電圧になるように調整することにより、モールド整流子に適したバリスタピン20を任意に作製できる。
以上、本実施の形態によれば、隣接する整流子片の間に保持されたバリスタピンにより、スパークを低減してブラシ寿命を改善するとともに、機械的な強度が向上したモールド整流子を実現できる。
また、本実施の形態によれば、所定のバリスタ電圧を有するバリスタピンにより、バリスタピンの特性低下や破壊を防止するとともに、スパークを効率よく吸収できる。
以下、本発明の実施の形態に係るモールド整流子の製造方法を図4から図7を参照しながら説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係るモールド整流子の製造方法を説明するフローチャートである。図5から図7は、同実施の形態に係るモールド整流子の製造方法を説明する平面図である。
まず、図4と図5に示すように、例えば24個の整流子片1を円筒状のモールド成形用リング7内の円周上に沿って、並列して配設する(ステップS1)。
つぎに、図4と図6に示すように、バリスタピン20を円周上に並列した各整流子片1の間の溝部11に沿って、2kNから5kNの圧入荷重で圧入する(ステップS2)。このとき、圧入荷重が2kN未満の場合、整流子片とバリスタピンとの間にモールド材が介在し、高いバリスタ電圧を発生する箇所ができるため好ましくない。また、圧入荷重が5kNを超える場合、バリスタピンの破損などが発生しやすく好ましくない。
つぎに、図4と図7に示すように、各整流子片1間にバリスタピン20を圧入し整流子片1とバリスタピン20とを係合させた状態で、モールド材3を注入し樹脂モールドする(ステップS3)。このとき、回転軸用の穴8を形成するリング(図示せず)を、モールド成形用リング7と同心で設ける。そして、モールド材3は、回転軸用の穴8から外周に向かって、少なくとも整流子片1の円周方向の最外周表面は被覆しないように注入して樹脂モールドする。なお、回転軸用の穴8は、モールド材3で全体を樹脂モールドした後に、打ち抜き加工や切削加工で形成してもよい。
そして、モールド材3を硬化した後、モールド成形用リング7やリング(図示せず)を取り外して、図1に示すモールド整流子が作製される。
本実施の形態の製造方法によれば、整流子片1とバリスタピン20の表面とが圧接状態で接続できるため、整流子片1とバリスタピン20との間の接触抵抗を低くできる。その結果、整流子片1とバリスタピン20との間の電気的な接続工程が不要となるため、生産性が向上する。
上記実施の形態のモールド整流子を用いたモータについて、図8を参照しながら簡単に説明する。図8は本発明の実施の形態におけるモールド整流子を用いたモータを説明する縦断面図であり、図9はその側断面図である。
図8と図9に示すように、モータ30は、固定子(界磁)31および回転子32が環状空隙を介して対向している。回転子32には出力軸35の軸線と平行な、例えば22個のスロット40が設けられ、互いのスロット40間には22個のティース41が形成されている。各ティース41間には巻き線が施されており、回転子32の一端部には、例えば22セグメントからなる本実施の形態のモールド整流子42が固定されている。回転子32が回転することにより、一対のブラシ43に対して、モールド整流子42が摺動するように互いに当接しながら回転する。
固定子(界磁)31および回転子32が取り付けられた一対のブラケット33、34を備える。回転子32の出力軸35は、上下2点を軸受け39によって回転可能に支持されている。ブラケット33の方からモータ30の外側に延長され、その先端に吸込用回転ファン36を取り付けられている。そして、吸込用回転ファン36と固定子31および回転子32との間を仕切るようにして、エアガイド37が取り付けられ、吸込用回転ファン36を覆うように外周部に複数個の穴を設けたファンケース38が取り付けられている。
以上のような構成により、長寿命で信頼性に優れたモータ30を実現できる。
以下に、本発明の実施の形態における具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1においては、整流子片およびバリスタピンの構成材料(表面状態)とブラシ寿命との関係を検討した。
まず、整流子片の表面状態として、銅合金からなる整流子片の表面に錫メッキ処理したものと未処理の整流子片を準備した。また、バリスタピンの表面状態として、酸化亜鉛系酸化物からなるバリスタピンで整流子片と接合する側面に銀電極を焼き付けたものと未処理のバリスタピンを準備した。また、バリスタピン径を選定して、整流子片の溝部間に圧入荷重は2kNに調整して圧入した。
そして、上記整流子片とバリスタピンとをそれぞれ組み合わせてモールド整流子を作製した。
このとき、各バリスタピンのバリスタ電圧は、酸化亜鉛粉末の平均粒径、焼成温度や焼成時間を検討して、厚さ1mm当たり100V/mmに調整した。
また、評価試料として、モールド成形後の整流子片間のバリスタ電圧が、バリスタピンの厚さ1mm当たりのバリスタ電圧と整流子片間距離との積の電圧に近い状態のもののみを合格品として用いて、サンプル1からサンプル4のモータを作製した。
そして、比較例1として、バリスタピンに代えて、酸化アルミニウムからなるセラミックピンを圧入したモールド整流子を用いて、サンプルC1のモータを準備した。
上記条件により作製したモータを用いて、無負荷の状態で100Vの交流電圧を印加し、回転数44000r/minの条件で、ブラシ寿命を測定し評価した。
以下に、サンプル1からサンプル4とサンプルC1の諸元と評価結果を(表1)に示す。
Figure 2008047696
(表1)に示すように、サンプルC1のセラミックピンを使用したモールド整流子を用いたモータと比較して、サンプル1からサンプル4の各バリスタピンを使用したモータは、ブラシ寿命の長寿命化に対して大きな効果があることがわかった。
すなわち、サンプルC1の場合のブラシ寿命が600hであるのに対し、サンプル1の場合のブラシ寿命が800hであり、サンプル2からサンプル4の場合のブラシ寿命が900hであった。
また、サンプル1の場合のブラシ寿命が800hであるのに対し、サンプル3の場合のブラシ寿命が900hであった。このことから、バリスタピンの整流子片と接触する側面に銀を焼き付けることにより、ブラシ寿命の長寿命化に対して効果があることがわかった。
さらに、サンプル1の場合のブラシ寿命が800hであるのに対し、サンプル2の場合のブラシ寿命が900hであることから、整流子片に錫メッキ処理を行うことによっても、ブラシ寿命の長寿命化に対する効果があることがわかった。
(実施例2)
実施例2においては、バリスタピンの圧入荷重とブラシ寿命との関係を検討した。
まず、整流子片として、銅合金からなる整流子片の表面を錫めっき処理した整流子片と、バリスタピンとして、酸化亜鉛系酸化物からなり表面が未処理(焼き付け電極なし)のバリスタピンを準備した。
また、バリスタピン径を選定して、整流子片の溝部間に圧入荷重を0.5kN以上で10kN以下になるように調整して圧入した。このとき、バリスタピン径は、それぞれ1.28mm、1.30mm、1.32mm、1.34mmで、対応する圧入荷重は0.5kN、2kN、5kN、10kNであった。
そして、上記以外の条件は実施例1と同様にしてモールド整流子を作製し、これを用いて、サンプル5からサンプル8のモータを作製した。
上記条件により作製したモータを用いて、無負荷の状態で100Vの交流電圧を印加し、回転数44000r/minの実施例1と同じ条件で、ブラシ寿命を測定し評価した。
以下に、サンプル5からサンプル8の諸元と評価結果を(表2)に示す。
Figure 2008047696
(表2)に示すように、圧入荷重が2kN未満で0.5kNのサンプル5では、整流子片とバリスタピン間に樹脂が介在し、モールド成形後整流子片間のバリスタ電圧が異常に高くなる箇所が発生した。そのため、圧入荷重が0.5kNのサンプル5の場合、ブラシ寿命を計測できなかった。
また、圧入荷重が5kNを超える10kNのサンプル8では、圧入時にバリスタピンが割れてしまい、モールド成形後整流子片間のバリスタ電圧が異常に高くなる箇所が発生した。そのため、圧入荷重が10kNのサンプル8の場合、ブラシ寿命を計測できなかった。
一方、圧入荷重は2kNから5kNの範囲のサンプル6とサンプル7では、整流子片とバリスタピン間に安定した導通が得られた。この結果、圧入荷重を2kNから5kNの範囲で調整することにより、ブラシ寿命を長寿命化できることがわかった。
(実施例3)
実施例3においては、バリスタピンのバリスタ電圧とブラシ寿命との関係を検討した。
まず、整流子片として銅合金からなる整流子片の表面を錫めっき処理した整流子片と、バリスタピンとして酸化亜鉛系酸化物からなり表面が未処理(焼き付け電極なし)のバリスタピンを準備した。
また、バリスタピン径が1.3mmのバリスタピンを選定して、整流子片の溝部間に圧入荷重を2kNに調整して圧入した。
このとき、バリスタピンのバリスタ電圧は、酸化亜鉛粉末の平均粒径の選定および焼成温度、焼成時間を調整して、厚さ1mm当たりのバリスタ電圧が50V/mm、100V/mm、120V/mm、240V/mmのバリスタピンを用いた。
そして、整流子片間の電圧が12Vと28Vに対して、モールド成形後の整流子片間のバリスタ電圧が約2倍と約4倍になる組み合わせでモールド整流子を作製した。具体的には、整流子片間の電圧が12Vの場合、モールド成形後の整流子片間のバリスタ電圧が25V(約2倍)のモールド整流子とモールド成形後の整流子片間のバリスタ電圧が50V(約4倍)のモールド整流子との組み合わせとした。また、整流子片間の電圧が28Vの場合、モールド成形後の整流子片間のバリスタ電圧が60V(約2倍)のモールド整流子とモールド成形後の整流子片間のバリスタ電圧が120V(約4倍)のモールド整流子との組み合わせとした。
そして、上記以外の条件は実施例1と同様にして、サンプル9からサンプル12のモータを作製した。
上記条件により作製したモータを用いて、無負荷の状態で100Vおよび240Vの交流電圧をそれぞれ印加し、44000r/min.および38000r/min.の回転数の条件で、ブラシ寿命を測定し評価した。
以下に、サンプル9からサンプル12の諸元と評価結果を(表3)に示す。
Figure 2008047696
(表3)に示すように、整流子片間の電圧に対してモールド成形後の整流子片間のバリスタ電圧が約2倍のサンプル9とサンプル11の方が、約4倍のサンプル10とサンプル12よりもブラシ寿命が若干長い結果となった。これは、モールド成形後整流子片間のバリスタ電圧が整流子片間の電圧に近い程、バリスタピンによるスパーク電圧やスパーク電流の吸収効果がより高く、モールド整流子のブラシ寿命の長寿命化につながったと考えられる。
以上の検討から、本発明のモールド整流子は、従来のモールド整流子に比べて、ブラシ寿命の長寿命化に極めて優れた効果を持つことが明らかになった。その結果、モータの寿命を大幅に改善できる。
なお、上記実施の形態では、24個の整流子片1および24個のバリスタピン20とを備えるモールド整流子を例に説明したが、これに限られない。例えば、整流子片1およびバリスタピン20の数を、それ以外の数にしてもよく、同様の効果が得られる。
また、上記実施の形態では、整流子片を、導電性が良好な電気銅に対し約0.05wt%の銀を添加した銅合金により構成した例で説明したが、これに限られない。例えば、導電性が良好な100%の銅により構成してもよく、添加する金属の材料および量を変化させてもよい。
また、上記実施の形態では、整流子片のバリスタピンとの接触面に錫メッキした例で説明したが、これに限られない。例えば、ニッケル、銀や金などのメッキ処理で整流子片を被覆してもよい。さらに、バリスタピンの整流子片1との接触面に銀を焼き付けた例で説明したが、錫、ニッケルや金などの焼き付け処理やメッキ処理で被覆してもよい。これらにより、整流子片とバリスタピンとの間の接触抵抗をさらに低くすることが可能となる。
また、上記実施の形態では、バリスタピンの形状を円筒形状を例に説明したが、これに限られない。例えば、整流子片の溝部の形状に合致する形状であれば任意である。
本発明のモールド整流子は、掃除機や電動工具などに使用されるモータのモールド整流子として有用である。
本発明は、掃除機や電動工具などに使用されるモータのモールド整流子とその製造方法に関する。
家電用の掃除機などに用いられる高速で回転するモータでは、個々の整流子片に働く遠心力によりモールド整流子の表面に段差を発生する。そして、段差が大きい場合には、ブラシの機械的な磨耗の増加やブラシとの間で大きな火花放電(以下、「スパーク」と記す)を生じるため、段差を小さくすることが重要となっている。そこで、整流子片間に円柱状のセラミックを圧入し、段差を数ミクロン程度に抑制したモールド整流子の例が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、情報機器などに使用される低電圧DCモータでは、一般に整流子片間にバリスタが外付けされている。このバリスタは、ある電圧以上になると抵抗値が急減して電流を流し始める特性を有する素子であり、これにより整流子片間のスパーク電圧を吸収して、ブラシ寿命の長寿命化やモータノイズの低減が図られる。そこで、低電圧駆動に適した酸化亜鉛バリスタを製造する方法の一例が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、上記モータの場合、整流子片の数が多いので、バリスタの外付けに長い作業時間を要する。さらに、モータの回転に伴う遠心力から、バリスタを保護する対策も必要となる。また、掃除機などのモータでは整流子片間に高電圧が印加されるため、バリスタ電圧の低いバリスタを使用できないという課題がある。
特公平5−38544号公報 特開平6−204006号公報
本発明のモールド整流子は、両側面部に溝部を有する複数の整流子片と、隣接する整流子片の溝部の間に係合する複数の円筒状のバリスタと、複数の整流子片と複数のバリスタとを係合させた状態で一体成形するモールド材とを有する。
これにより、モールド整流子の段差の発生を抑制するとともに、バリスタにより整流子片間のスパーク電圧を吸収してブラシ寿命の改善やモールド整流子の強度を向上できる。
以下、本発明の実施の形態に係るモールド整流子について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るモールド整流子の回転軸に対して垂直方向の断面図である。図2は、図1の2−2線断面図である。図3は、本発明の実施の形態に係るバリスタの斜視図である。
図1と図2に示すように、モールド整流子は、複数の整流子片1と、複数の円筒状のバリスタ(以下、「バリスタピン」と記す)20と、複数の整流子片1と複数のバリスタピン20とを一体成形するモールド材3と、で構成される。そして、モールド材3の中央には、回転軸(図示せず)を固定するための回転軸用の穴8が設けられ、この回転軸用の穴8に回転軸を係合して回転対象物を回転させる。
また、整流子片1は、例えば導電性が良好な電気銅に対し、約0.05wt%の銀を添加した銅合金で構成され、図面中の矢印で示す回転方向の両側面部で回転軸方向(紙面に対して垂直方向)に溝部11を有している。ここで、整流子片1は、例えば銅合金のフープ材を異形ダイスを用いて連続的に溝部11を形成し、プレス加工により最終形状に加工される。このとき、必要に応じて整流子片1の表面には、例えば錫、ニッケル、金や銀などの柔軟性を有する金属が、例えばめっき処理により設けられる。これにより、バリスタピンと係合する際に、金属が容易に変形して安定した接触が得られる。
また、バリスタピン20は、図1から図3に示すように、整流子片1の溝部11の形状と合致する、例えば円筒形状で形成され、溝部11に圧入される。そして、バリスタピン20は、以下で詳細に説明するように、酸化亜鉛粉末に、例えば酸化ビスマス、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化アンチモンなどの酸化物を添加し混合した粉末を用いて、所定のバリスタ電圧を有して作製されている。このとき、必要に応じて、バリスタピン20の少なくとも整流子片1と接触する側面には、例えば錫、ニッケル、金や銀などの柔軟性を有する金属が、例えば焼き付け処理により設けられる。これにより、整流子片と安定した接触が得られる。
また、モールド材3は、例えばガラス繊維や無機充填剤が添加されたフェノール樹脂などで成形される。
なお、本発明のモールド整流子は、酸化亜鉛系組成物で押出成形により成形され焼成されたバリスタピンを整流子片間に備え、整流子片間のバリスタ電圧を、整流子片間電圧よりも高くしたことを特徴としている。そのため、隣接する整流子片間のバリスタ電圧Avは、1mAの電流を流すときに、整流子片間のバリスタ電圧Av>モータ印加電圧/(整流子片数/2)の条件を満たすように設定する。つまり、モータ印加電圧は、整流子の一点と接触する第1のブラシと、第1のブラシと接触する点と対向する点で接触する第2のブラシとの間に印加されるので、各整流子片間にかかる電圧は、モータ印加電圧/(整流子片数/2)となる。
また、バリスタピンのバリスタ特性は(数1)により表される。
Figure 2008047696
ここで、Iはバリスタピンに印加される電流、Kはバリスタ定数、Vはバリスタ電圧、αは非直線抵抗指数を表している。
そのため、本発明のモールド整流子のバリスタピンには、バリスタ特性として、以下に示すような、所定のバリスタ電圧と高い非直線抵抗指数を持つことが要求される。
まず、所定のバリスタ電圧は、1mAの電流がバリスタピンに流れるときの電圧として求められ、整流子片間に印加される電圧と整流子片間の距離により決定される。例えば、整流子片間にかかる電圧が30Vで整流子片間距離が0.5mmの場合、厚さ1mm当たりのバリスタ電圧は60V/mm以上が必要となる。また、実用上においては、整流子片間に発生するスパーク電圧は整流子片間電圧の2倍以上で、さらに電圧変動や製造時の整流子片間の距離の変動などの安全率を考慮して決める必要がある。具体的には、例えば整流子24極、交流240V仕様の場合、56V/0.8mm(実際の整流子片間距離)となる。そのため、実際には、厚さ1mm当たりのバリスタ電圧としては、70V/mmから80V/mm程度を有するバリスタピンを用いることが好ましい。
つぎに、非直線抵抗指数αは、α値が高いほど安定してバリスタピンに電流(スパーク電流)を流すことが可能となるので、α値の高い材料でバリスタピンを形成することが好ましい。例えば、チタン酸ストロンチウム系バリスタのα値は2から10程度に対して、酸化亜鉛系バリスタは20から60程度のα値を有しているため、スパーク電圧の吸収に対して非常に有用な材料である。
そこで、本実施の形態では、以下で説明する方法で作製した酸化亜鉛組成物からなるバリスタピンを用いた。なお、酸化亜鉛組成物とは、酸化亜鉛粉末に酸化ビスマス、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化チタン、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化アンチモンなどの酸化物を添加したものである。
以下に、本発明の実施の形態に係るバリスタピンの製造方法について説明する。まず、上記に示した酸化亜鉛を主体とした平均粒径が0.6μm以上で3μm以下の粉末に、バインダとしてポリビニルアルコールを添加し、成形可能な状態の混合物を作製する。
つぎに、この混合物を真空混練しながら押出成形を行い、所定の長さに切断して焼成する。このとき、混合物は、例えば焼成温度900℃以上で1300℃以下、焼成時間10時間以上で30時間以下、昇温速度25℃/時間以上で50℃/時間以下の条件で焼成される。
なお、一般に、整流子片の回転方向の両側面部に合致する円筒状のバリスタピンの径は1mmから2mm程度で、長さは5mmから15mm程度である。そのため、上記混合物を金型内に充填して、プレス成形により円筒状の成形品のバリスタピンを作製するには、成形性や生産性の観点から非常に困難である。
そこで、上述したように、酸化亜鉛組成物とバインダを真空混錬して得た混合物を高圧で押出成形することにより、連続して、しかも寸法精度の良好な円筒状のバリスタピンを生産性よく形成することができる。このとき、予め酸化亜鉛組成物の粉末とバインダとの混合物の密度を高くし、押出成形の圧力を調整することにより、焼成後のバリスタピンの密度が5g/cm以上5.5g/cm以下となるように作製する。これにより、不純物の混入やボイドの発生を未然に防止した信頼性に優れたバリスタピンを作製できる。
また、バリスタピンのバリスタ電圧は、結晶粒界の数により左右される。そのため、所定のバリスタ電圧を有するバリスタピンを作製するときに、結晶粒界の数を制御することが重要となる。
つまり、低電圧領域では、結晶粒界が抵抗となるため電子は結晶粒界を移動できず、電流が流れない。一方、高電圧領域では、トンネル効果により、電子が結晶粒界の壁を飛び越えることが可能で、電流が流れる。一般に、酸化亜鉛系バリスタでは、二つの結晶粒界間のバリスタ電圧は約2Vと言われている。
したがって、厚さ1mm当たりのバリスタ電圧を50V/mmとすれば、1mm間の結晶粒界の数は約25個である。また、厚さ1mm当たりのバリスタ電圧を350V/mmとすれば、1mm間の結晶粒界の数は約175個である。
そこで、バリスタピンの所定のバリスタ電圧は、焼成温度や焼成時間を調整することで制御する。例えば、焼成温度を高く、焼成時間を長くして酸化亜鉛の結晶粒径を成長させることにより、結晶粒界の数を減らして低電圧のバリスタ電圧を有するバリスタピンを製造することができる。なお、真空混錬時に粒径の大きい酸化亜鉛粉末を予め選定し、焼成して低電圧のバリスタ電圧を有するバリスタピンを作製してもよい。
また、酸化亜鉛組成物の粉末とバインダとの混合物の密度が低い場合、粒子同士が焼結しにくいため、単位長さ辺りの粒子数が多くなる。その結果、高電圧のバリスタ電圧を備えたバリスタピンを作製できる。
一方、酸化亜鉛組成物の粉末とバインダとの混合物の密度が高い場合、粒子同士が焼結しやすいため、単位長さ辺りの粒子数が少なくなる。その結果、低電圧のバリスタ電圧を備えたバリスタピンを作製できる。
なお、一般に、掃除機や電動工具などに使用される整流子モータの使用電圧は、100Vから240Vの交流で使用される。そのため、整流子モータの整流子片間に加わる電圧は10Vから50V程度、整流子片間の距離は0.2mmから1.0mm程度となる。その結果、バリスタピンに必要な厚さ1mm当たりのバリスタ電圧は、10V/mm以上で250V/mm以下となる。
しかし、実用上、整流子片間に発生するスパーク電圧は整流子片間の電圧の2倍以上であり、さらには電圧変動、製造時の整流子片間の距離の変動など安全率を考慮すると、厚さ1mm当たりの所定のバリスタ電圧として、20V/mm以上で500V/mm以下に設定することが好ましい。
上記で説明したように、酸化亜鉛の結晶粒径や所定のバリスタ電圧になるように調整することにより、モールド整流子に適したバリスタピン20を任意に作製できる。
以上、本実施の形態によれば、隣接する整流子片の間に保持されたバリスタピンにより、スパークを低減してブラシ寿命を改善するとともに、機械的な強度が向上したモールド整流子を実現できる。
また、本実施の形態によれば、所定のバリスタ電圧を有するバリスタピンにより、バリスタピンの特性低下や破壊を防止するとともに、スパークを効率よく吸収できる。
以下、本発明の実施の形態に係るモールド整流子の製造方法を図4から図7を参照しながら説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係るモールド整流子の製造方法を説明するフローチャートである。図5から図7は、同実施の形態に係るモールド整流子の製造方法を説明する平面図である。
まず、図4と図5に示すように、例えば24個の整流子片1を円筒状のモールド成形用リング7内の円周上に沿って、並列して配設する(ステップS1)。
つぎに、図4と図6に示すように、バリスタピン20を円周上に並列した各整流子片1の間の溝部11に沿って、2kNから5kNの圧入荷重で圧入する(ステップS2)。このとき、圧入荷重が2kN未満の場合、整流子片とバリスタピンとの間にモールド材が介在し、高いバリスタ電圧を発生する箇所ができるため好ましくない。また、圧入荷重が5kNを超える場合、バリスタピンの破損などが発生しやすく好ましくない。
つぎに、図4と図7に示すように、各整流子片1間にバリスタピン20を圧入し整流子片1とバリスタピン20とを係合させた状態で、モールド材3を注入し樹脂モールドする(ステップS3)。このとき、回転軸用の穴8を形成するリング(図示せず)を、モールド成形用リング7と同心で設ける。そして、モールド材3は、回転軸用の穴8から外周に向かって、少なくとも整流子片1の円周方向の最外周表面は被覆しないように注入して樹脂モールドする。なお、回転軸用の穴8は、モールド材3で全体を樹脂モールドした後に、打ち抜き加工や切削加工で形成してもよい。
そして、モールド材3を硬化した後、モールド成形用リング7やリング(図示せず)を取り外して、図1に示すモールド整流子が作製される。
本実施の形態の製造方法によれば、整流子片1とバリスタピン20の表面とが圧接状態で接続できるため、整流子片1とバリスタピン20との間の接触抵抗を低くできる。その結果、整流子片1とバリスタピン20との間の電気的な接続工程が不要となるため、生産性が向上する。
上記実施の形態のモールド整流子を用いたモータについて、図8を参照しながら簡単に説明する。図8は本発明の実施の形態におけるモールド整流子を用いたモータを説明する縦断面図であり、図9はその側断面図である。
図8と図9に示すように、モータ30は、固定子(界磁)31および回転子32が環状空隙を介して対向している。回転子32には出力軸35の軸線と平行な、例えば22個のスロット40が設けられ、互いのスロット40間には22個のティース41が形成されている。各ティース41間には巻き線が施されており、回転子32の一端部には、例えば22セグメントからなる本実施の形態のモールド整流子42が固定されている。回転子32が回転することにより、一対のブラシ43に対して、モールド整流子42が摺動するように互いに当接しながら回転する。
固定子(界磁)31および回転子32が取り付けられた一対のブラケット33、34を備える。回転子32の出力軸35は、上下2点を軸受け39によって回転可能に支持されている。ブラケット33の方からモータ30の外側に延長され、その先端に吸込用回転ファン36を取り付けられている。そして、吸込用回転ファン36と固定子31および回転子32との間を仕切るようにして、エアガイド37が取り付けられ、吸込用回転ファン36を覆うように外周部に複数個の穴を設けたファンケース38が取り付けられている。
以上のような構成により、長寿命で信頼性に優れたモータ30を実現できる。
以下に、本発明の実施の形態における具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1においては、整流子片およびバリスタピンの構成材料(表面状態)とブラシ寿命との関係を検討した。
まず、整流子片の表面状態として、銅合金からなる整流子片の表面に錫メッキ処理したものと未処理の整流子片を準備した。また、バリスタピンの表面状態として、酸化亜鉛系酸化物からなるバリスタピンで整流子片と接合する側面に銀電極を焼き付けたものと未処理のバリスタピンを準備した。また、バリスタピン径を選定して、整流子片の溝部間に圧入荷重は2kNに調整して圧入した。
そして、上記整流子片とバリスタピンとをそれぞれ組み合わせてモールド整流子を作製した。
このとき、各バリスタピンのバリスタ電圧は、酸化亜鉛粉末の平均粒径、焼成温度や焼成時間を検討して、厚さ1mm当たり100V/mmに調整した。
また、評価試料として、モールド成形後の整流子片間のバリスタ電圧が、バリスタピンの厚さ1mm当たりのバリスタ電圧と整流子片間距離との積の電圧に近い状態のもののみを合格品として用いて、サンプル1からサンプル4のモータを作製した。
そして、比較例1として、バリスタピンに代えて、酸化アルミニウムからなるセラミックピンを圧入したモールド整流子を用いて、サンプルC1のモータを準備した。
上記条件により作製したモータを用いて、無負荷の状態で100Vの交流電圧を印加し、回転数44000r/minの条件で、ブラシ寿命を測定し評価した。
以下に、サンプル1からサンプル4とサンプルC1の諸元と評価結果を(表1)に示す。
Figure 2008047696
(表1)に示すように、サンプルC1のセラミックピンを使用したモールド整流子を用いたモータと比較して、サンプル1からサンプル4の各バリスタピンを使用したモータは、ブラシ寿命の長寿命化に対して大きな効果があることがわかった。
すなわち、サンプルC1の場合のブラシ寿命が600hであるのに対し、サンプル1の場合のブラシ寿命が800hであり、サンプル2からサンプル4の場合のブラシ寿命が900hであった。
また、サンプル1の場合のブラシ寿命が800hであるのに対し、サンプル3の場合のブラシ寿命が900hであった。このことから、バリスタピンの整流子片と接触する側面に銀を焼き付けることにより、ブラシ寿命の長寿命化に対して効果があることがわかった。
さらに、サンプル1の場合のブラシ寿命が800hであるのに対し、サンプル2の場合のブラシ寿命が900hであることから、整流子片に錫メッキ処理を行うことによっても、ブラシ寿命の長寿命化に対する効果があることがわかった。
(実施例2)
実施例2においては、バリスタピンの圧入荷重とブラシ寿命との関係を検討した。
まず、整流子片として、銅合金からなる整流子片の表面を錫めっき処理した整流子片と、バリスタピンとして、酸化亜鉛系酸化物からなり表面が未処理(焼き付け電極なし)のバリスタピンを準備した。
また、バリスタピン径を選定して、整流子片の溝部間に圧入荷重を0.5kN以上で10kN以下になるように調整して圧入した。このとき、バリスタピン径は、それぞれ1.28mm、1.30mm、1.32mm、1.34mmで、対応する圧入荷重は0.5kN、2kN、5kN、10kNであった。
そして、上記以外の条件は実施例1と同様にしてモールド整流子を作製し、これを用いて、サンプル5からサンプル8のモータを作製した。
上記条件により作製したモータを用いて、無負荷の状態で100Vの交流電圧を印加し、回転数44000r/minの実施例1と同じ条件で、ブラシ寿命を測定し評価した。
以下に、サンプル5からサンプル8の諸元と評価結果を(表2)に示す。
Figure 2008047696
(表2)に示すように、圧入荷重が2kN未満で0.5kNのサンプル5では、整流子片とバリスタピン間に樹脂が介在し、モールド成形後整流子片間のバリスタ電圧が異常に高くなる箇所が発生した。そのため、圧入荷重が0.5kNのサンプル5の場合、ブラシ寿命を計測できなかった。
また、圧入荷重が5kNを超える10kNのサンプル8では、圧入時にバリスタピンが割れてしまい、モールド成形後整流子片間のバリスタ電圧が異常に高くなる箇所が発生した。そのため、圧入荷重が10kNのサンプル8の場合、ブラシ寿命を計測できなかった。
一方、圧入荷重は2kNから5kNの範囲のサンプル6とサンプル7では、整流子片とバリスタピン間に安定した導通が得られた。この結果、圧入荷重を2kNから5kNの範囲で調整することにより、ブラシ寿命を長寿命化できることがわかった。
(実施例3)
実施例3においては、バリスタピンのバリスタ電圧とブラシ寿命との関係を検討した。
まず、整流子片として銅合金からなる整流子片の表面を錫めっき処理した整流子片と、バリスタピンとして酸化亜鉛系酸化物からなり表面が未処理(焼き付け電極なし)のバリスタピンを準備した。
また、バリスタピン径が1.3mmのバリスタピンを選定して、整流子片の溝部間に圧入荷重を2kNに調整して圧入した。
このとき、バリスタピンのバリスタ電圧は、酸化亜鉛粉末の平均粒径の選定および焼成温度、焼成時間を調整して、厚さ1mm当たりのバリスタ電圧が50V/mm、100V/mm、120V/mm、240V/mmのバリスタピンを用いた。
そして、整流子片間の電圧が12Vと28Vに対して、モールド成形後の整流子片間のバリスタ電圧が約2倍と約4倍になる組み合わせでモールド整流子を作製した。具体的には、整流子片間の電圧が12Vの場合、モールド成形後の整流子片間のバリスタ電圧が25V(約2倍)のモールド整流子とモールド成形後の整流子片間のバリスタ電圧が50V(約4倍)のモールド整流子との組み合わせとした。また、整流子片間の電圧が28Vの場合、モールド成形後の整流子片間のバリスタ電圧が60V(約2倍)のモールド整流子とモールド成形後の整流子片間のバリスタ電圧が120V(約4倍)のモールド整流子との組み合わせとした。
そして、上記以外の条件は実施例1と同様にして、サンプル9からサンプル12のモータを作製した。
上記条件により作製したモータを用いて、無負荷の状態で100Vおよび240Vの交流電圧をそれぞれ印加し、44000r/min.および38000r/min.の回転数の条件で、ブラシ寿命を測定し評価した。
以下に、サンプル9からサンプル12の諸元と評価結果を(表3)に示す。
Figure 2008047696
(表3)に示すように、整流子片間の電圧に対してモールド成形後の整流子片間のバリスタ電圧が約2倍のサンプル9とサンプル11の方が、約4倍のサンプル10とサンプル12よりもブラシ寿命が若干長い結果となった。これは、モールド成形後整流子片間のバリスタ電圧が整流子片間の電圧に近い程、バリスタピンによるスパーク電圧やスパーク電流の吸収効果がより高く、モールド整流子のブラシ寿命の長寿命化につながったと考えられる。
以上の検討から、本発明のモールド整流子は、従来のモールド整流子に比べて、ブラシ寿命の長寿命化に極めて優れた効果を持つことが明らかになった。その結果、モータの寿命を大幅に改善できる。
なお、上記実施の形態では、24個の整流子片1および24個のバリスタピン20とを備えるモールド整流子を例に説明したが、これに限られない。例えば、整流子片1およびバリスタピン20の数を、それ以外の数にしてもよく、同様の効果が得られる。
また、上記実施の形態では、整流子片を、導電性が良好な電気銅に対し約0.05wt%の銀を添加した銅合金により構成した例で説明したが、これに限られない。例えば、導電性が良好な100%の銅により構成してもよく、添加する金属の材料および量を変化させてもよい。
また、上記実施の形態では、整流子片のバリスタピンとの接触面に錫メッキした例で説明したが、これに限られない。例えば、ニッケル、銀や金などのメッキ処理で整流子片を被覆してもよい。さらに、バリスタピンの整流子片1との接触面に銀を焼き付けた例で説明したが、錫、ニッケルや金などの焼き付け処理やメッキ処理で被覆してもよい。これらにより、整流子片とバリスタピンとの間の接触抵抗をさらに低くすることが可能となる。
また、上記実施の形態では、バリスタピンの形状を円筒形状を例に説明したが、これに限られない。例えば、整流子片の溝部の形状に合致する形状であれば任意である。
本発明のモールド整流子は、掃除機や電動工具などに使用されるモータのモールド整流子として有用である。
本発明の実施の形態に係るモールド整流子の回転軸に対して垂直方向の断面図 図1の2−2線断面図 本発明の実施の形態に係るバリスタの斜視図 本発明の実施の形態に係るモールド整流子の製造方法を示すフローチャート 同実施の形態に係るモールド整流子の製造方法を説明する平面図 同実施の形態に係るモールド整流子の製造方法を説明する平面図 同実施の形態に係るモールド整流子の製造方法を説明する平面図 本発明の実施の形態におけるモールド整流子を用いたモータを説明する縦断面図 本発明の実施の形態におけるモールド整流子を用いたモータを説明する側断面図
符号の説明
1 整流子片
3 モールド材
7 モールド成形用リング
8 回転軸用の穴
11 溝部
20 バリスタ(バリスタピン)
30 モータ
31 固定子
32 回転子
33,34 ブラケット
35 出力軸
36 吸込用回転ファン
37 エアガイド
38 ファンケース
39 軸受け
40 スロット
41 ティース
42 モールド整流子
43 ブラシ

Claims (9)

  1. 回転方向における両側面部に回転方向と垂直な溝部が形成される複数の整流子片と、
    前記整流子片の溝部と隣接する前記整流子片の溝部との間を係合する複数のバリスタと、
    前記複数の整流子片と前記複数のバリスタとを係合させた状態で一体成形するモールド材と、
    により構成することを特徴とするモールド整流子。
  2. 1mAの電流が流れた場合の前記隣接する整流子片間のバリスタに印加されるバリスタ電圧Avが、バリスタ電圧Av>モータ印加電圧/(整流子片数/2)の条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載のモールド整流子。
  3. 前記バリスタは酸化亜鉛系組成物により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のモールド整流子。
  4. 前記バリスタは、前記バリスタを構成する酸化亜鉛系組成物の粉末を真空混練しながら押出成形することにより形成されていることを特徴とする請求項3に記載のモールド整流子。
  5. 前記整流子片は、錫、ニッケル、金、または、銀で被覆されることを特徴とする請求項1に記載のモールド整流子。
  6. 前記バリスタは、整流子片と接触する側面に、錫、ニッケル、金、または、銀が焼き付けられることを特徴とする請求項1に記載のモールド整流子。
  7. 回転方向における両側面部に回転方向と垂直な溝部が形成され円周上に並列する複数の整流子片と、前記整流子片の溝部と隣接する前記整流子片の溝部との間に係合する複数のバリスタと、前記複数の整流子片と前記複数のバリスタとを係合させた状態で一体成形するモールド材と、により構成されるモールド整流子の製造方法であって、
    円周上に並列した前記整流子片の間に、前記バリスタを2kN以上で5kN以下の圧入荷重で圧入するバリスタ圧入ステップと、
    前記整流子片と前記バリスタとを係合させた状態でモールド材で樹脂モールドするモールドステップと、
    を含むことを特徴とするモールド整流子の製造方法。
  8. 請求項1に記載のモールド整流子を用いたことを特徴とするモータ。
  9. 請求項7に記載のモールド整流子の製造方法により製造されたモールド整流子を用いたことを特徴とするモータ。
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