JP2005198477A - 電刷子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 摺動特性を損なうことなく電気的損失を低減できる電刷子を提供する。
【解決手段】 高抵抗層1、中抵抗層2及び低抵抗層3を含む3層構造の電刷子において、低抵抗層3にリード線4を埋設してなる電刷子に関するものであり、各層における抵抗率は、高抵抗層1>中抵抗層2>低抵抗層3の関係を満足していれば特に制約はないが、高抵抗層1の抵抗率は中抵抗層2の抵抗率の2〜20倍程度が好ましく、また低抵抗層3の抵抗率は中抵抗層2の抵抗率の2/3以下が好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】 高抵抗層1、中抵抗層2及び低抵抗層3を含む3層構造の電刷子において、低抵抗層3にリード線4を埋設してなる電刷子に関するものであり、各層における抵抗率は、高抵抗層1>中抵抗層2>低抵抗層3の関係を満足していれば特に制約はないが、高抵抗層1の抵抗率は中抵抗層2の抵抗率の2〜20倍程度が好ましく、また低抵抗層3の抵抗率は中抵抗層2の抵抗率の2/3以下が好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、回転電機などに用いられる電刷子に関する。
回転電機などに用いられる電刷子の電気的損失は、回転電機全体の効率に大きな影響を及ぼす。そのため、高出力及び高効率が求められる回転電機においては、電刷子の電気的損失は極力低い方が望ましいとされている。
電刷子の電気的損失を低減する手段としては、電刷子中の金属含有量を増加し、電刷子本体の抵抗率を下げることが有効である。ところが、電刷子は摺動材料であるため潤滑性に乏しい金属の含有量を増加すると摩耗速度が増大(摺動特性が悪化)し、回転電機の寿命が短くなるという問題点がある。
この電気的損失の低減と摩耗速度の低減という相反する要求特性を両立する手段としては、特許文献1に記載されているように、電刷子を高抵抗層と低抵抗層の電気抵抗が異なる複数の層で構成することで整流性能を向上させ、かつ火花発生量を減らし、整流子との接触電圧降下を増大させることなく摩耗速度を低減させるか、特許文献2に記載されているように、電刷子を高抵抗層と低抵抗層の層から構成し、そしてリード線を高抵抗層に触れることなく低抵抗層に埋設することで、リード線埋め込み部の電気的損失を低減する方法がある。
しかしながら上記に記載されているような方法では電刷子の電気的損失低減は、摺動特性とのバランスに制約を受けるという点で本質的には変わっていない。
本発明は、摺動特性を損なうことなく電気的損失を低減できる電刷子を提供するものである。
本発明は、高抵抗層、中抵抗層及び低抵抗層を含む3層構造の電刷子において、低抵抗層の部分にリード線を埋設してなる電刷子に関する。
また、本発明は、摺動面が高抵抗層及び中抵抗層である上記の電刷子に関する。
また、本発明は、摺動面が高抵抗層及び中抵抗層である上記の電刷子に関する。
本発明になる電刷子は、摺動特性を損なうことなく電気的損失を低減でき、工業的に極めて好適である。
本発明になる電刷子は、図1に示されるように高抵抗層1、中抵抗層2、低抵抗層3及びリード線4から構成されている。各層における抵抗率は、高抵抗層1>中抵抗層2>低抵抗層3の関係を満足していれば特に制約はないが、これらの抵抗率の関係を満足するには、例えば、高抵抗層1の抵抗率は中抵抗層2の抵抗率の2〜20倍程度が好ましく、4〜16倍程度がより好ましく、8〜12倍程度がさらに好ましい。
また、低抵抗層3の抵抗率は中抵抗層2の抵抗率の2/3以下が好ましく、1/2以下がより好ましく、1/3以下がさらに好ましい。なお、中抵抗層2は電刷子の性能のおおよそを決定する部位であるため、抵抗率は使用される回転電機の要求特性に合わせて設定されるが、一般的には0.1〜30μΩ・m程度の値である。これら各層の抵抗率は、主に黒鉛を主成分とした電刷子に含有させる金属量を調整して適宜選定する。電刷子に含有させる金属としては、銅、銀等の粉末が挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1
平均粒径が50μmの天然黒鉛(日本黒鉛工業(株)製、商品名CB−150)80重量部及びレゾ-ル型フェノール樹脂(日立化成工業(株)製、商品名VP11N)20重量部を混練した後、65℃で16時間乾燥し、その後粉砕して平均粒径が150μmの樹脂処理黒鉛粉を得た。
実施例1
平均粒径が50μmの天然黒鉛(日本黒鉛工業(株)製、商品名CB−150)80重量部及びレゾ-ル型フェノール樹脂(日立化成工業(株)製、商品名VP11N)20重量部を混練した後、65℃で16時間乾燥し、その後粉砕して平均粒径が150μmの樹脂処理黒鉛粉を得た。
次に、この樹脂処理黒鉛粉45重量部及び平均粒径が35μmの電解銅粉(福田金属箔工業(株)製、商品名CE−25)55重量部を混合して中抵抗層用の粉体を得た。一方、上記で得た樹脂処理黒鉛粉65重量部及び上記で用いた電解銅粉35重量部を混合して高抵抗層用の粉体を得ると共に上記で得た樹脂処理黒鉛粉30重量部及び上記で用いた電解銅粉70重量部を混合して低抵抗層用の粉体を得た。
上記で得た各々の粉体を金型の所定の位置にそれぞれ別々に充填し、さらに所定の箇所(低抵抗層となる部分)にリード線を設置した後、成形プレスで392MPaの圧力で一体成形し、その後還元雰囲気中で700℃まで3時間で昇温し、700℃で1時間焼結し、次いで所定の形状に機械加工して図1に示す電刷子を得た。得られた電刷子の抵抗率を測定したところ、高抵抗層は3.5μΩ・m、中抵抗層は0.4μΩ・m及び低抵抗層は0.2μΩ・mであった。
なお、抵抗率の測定は、各々の粉体を単独で上記と同様の条件で成形、焼結後、機械加工して5×5×20mmの寸法に試験片を作製し、20mmの方向に1Aの電流を流した際の10mm間の電圧降下を測定し、次式により算出した。ここで、測定用試験片は20mm方向を成形加圧直角方向とした。
比較例1
実施例1で得た中抵抗層用の粉体と低抵抗層用の粉体を金型の所定の位置にそれぞれ別々に充填し、さらに所定の箇所(中抵抗層となる部分)にリード線を設置し、以下実施例1と同様の工程を経て図2に示す電刷子を得た。得られた電刷子の抵抗率を測定したところ、高抵抗層は3.5μΩ・m及び中抵抗層は0.4μΩ・mであった。
実施例1で得た中抵抗層用の粉体と低抵抗層用の粉体を金型の所定の位置にそれぞれ別々に充填し、さらに所定の箇所(中抵抗層となる部分)にリード線を設置し、以下実施例1と同様の工程を経て図2に示す電刷子を得た。得られた電刷子の抵抗率を測定したところ、高抵抗層は3.5μΩ・m及び中抵抗層は0.4μΩ・mであった。
次に、実施例1で得た電刷子と比較例1で得た電刷子の製造直後(0時間のとき)のリード線埋め込み部の電圧降下値及び温度80℃、湿度90%の条件で250時間後のリード線埋め込み部の電圧降下値の経時変化を調べた。その結果を図3に示すが図3中の0時間の値は、製造直後の値である。なお、リード線埋め込み部の電圧降下値は図4に示すようにA−B間に200Aの電流を流したときのC−D間の電圧降下を測定した値である。
図3に示されるように、本発明になる実施例1の電刷子は、比較例1の電刷子に比較して、リード線埋め込み部の電圧降下値が小さいことが明らかである。また温度80℃、湿度90%の高温多湿の条件で250時間放置した後においても実施例1の電刷子は、比較例1の電刷子に比較して、リード線埋め込み部の電圧降下が小さいことが明らかであると共に実施例1の電刷子と比較例1の電刷子との電圧降下の差が大きいことが明らかである。なお、実施例1の電刷子と比較例1の電刷子とは摺動部成分は同一であることから摺動特性に差はなく、これにより実施例1の電刷子は比較例1の電刷子に対し、摺動特性を損なわずに電気的損失が低減されていることが明らかである。
1 高抵抗層
2 中抵抗層
3 低抵抗層
4 リード線
2 中抵抗層
3 低抵抗層
4 リード線
Claims (2)
- 高抵抗層、中抵抗層及び低抵抗層を含む3層構造の電刷子において、低抵抗層にリード線を埋設してなる電刷子。
- 摺動面が高抵抗層及び中抵抗層である請求項1記載の電刷子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004112009A JP2005198477A (ja) | 2003-12-08 | 2004-04-06 | 電刷子 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003408840 | 2003-12-08 | ||
JP2004112009A JP2005198477A (ja) | 2003-12-08 | 2004-04-06 | 電刷子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005198477A true JP2005198477A (ja) | 2005-07-21 |
Family
ID=34828881
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004112009A Pending JP2005198477A (ja) | 2003-12-08 | 2004-04-06 | 電刷子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005198477A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007159283A (ja) * | 2005-12-06 | 2007-06-21 | Fuji Carbon Seizosho:Kk | 樹脂結合質カーボンブラシ |
DE102008059994A1 (de) | 2007-12-12 | 2009-06-18 | Denso Corp., Kariya-shi | Bürste für eine elektrische Drehmaschine |
JP2017523748A (ja) * | 2015-06-02 | 2017-08-17 | シュンク ホフマン カーボン テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト | スパーク発生を抑制する特定の導電率分布を有するブラシ及び整流子を伴う電気機械 |
-
2004
- 2004-04-06 JP JP2004112009A patent/JP2005198477A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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