JPWO2008032724A1 - 光導波路フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 低コストで大面積化・長尺化が容易であり、複数のコア形状が均一で、かつ、そのコアの位置がフィルム幅方向に等間隔に直線状に配列しており、光損失、およびそのコア間の光導波性能のバラツキが小さい自己支持性のある光導波路フィルムを提供するものである。本光導波路フィルムは、装置間、装置内ボード間、ボード内チップ間などの短〜中・長距離用通信に好適である。【解決手段】 断面形状として、熱可塑性樹脂Bからなるクラッドと、熱可塑性樹脂Aからなる分散体(コア)が、フィルム長手方向に延在しながら、フィルム幅方向に配列した構造であり、かつ3個以上のコアを含んでなる光導波路フィルムであって、フィルム幅方向の両端部に位置するコア径(We1、We2)とフィルム幅方向の中央部に位置するコア径(Wc)が下記式(1)および(2)を満たし、かつフィルム表面の少なくとも片面に連続なクラッド層を有し、フィルム幅方向の両端部でのクラッド層の厚み(Te1、Te2)とフィルム幅方向の中央部でのクラッド層の厚み(Tc)が下記式(3)および(4)を満たすことを特徴とする光導波路フィルム。0.8≦We1/Wc≦1.2 式(1)0.8≦We2/Wc≦1.2 式(2)0.8≦Te1/Tc≦1.2 式(3)0.8≦Te2/Tc≦1.2 式(4)

Description

本発明は、導光路を有した樹脂フィルム、その製造装置、製造方法に関するものである。
近年、インターネットの普及による通信トラフィックの爆発的な増加に伴い、従来の金属配線では通信情報量の限界に達するため、高速かつ大容量のデータ伝送を可能とする光通信へと置き換わりつつある。光通信は、電気配線による通信に比較して広帯域化できるだけでなく、ノイズの影響を受けないなどの利点がある。光通信の例としては、既に日本の通信メーカでは、石英系光ファイバーが家庭に達するFTTH(fiber to the home)の通信網を構築中であり、また、欧州の自動車メーカでは、プラスチック光ファイバーを用いた車載内LANの規格化であるMOSTCO(The Media Oriented Systems Transport Corporation)の整備を進めている。これらの長〜中距離通信用途以外に、一方で中〜短距離通信用途として、家庭内のコンピュータや電子交換機などの装置間・内における接続も現在のワイヤーハーネスから光ファイバーやシート状光導波路を用いた光インターコネクション化が進められている。中でも、ボード間、ボード内、チップ間、チップ内における光インターコネクション材料としては、特に樹脂フィルム化されたフレキシブルなポリマ光導波路に期待が高まっている。
このような光配線化を牽引する流れは、高価で取扱いが難しい石英系のシングルモード光ファイバーでなく、安価で取扱い性の易しいポリマ光導波路やプラスチック光ファイバーシートに注目が集まっている。ポリマ光導波路の製造方法としては、例えば、コアシートを一対のクラッドシートで挟んだ積層体を圧縮成型により、光導波路シートとする方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、このような方法では、コア層とクラッド層が変形して導波路を形成しているものの、このような方法によると、変形部およびその周囲の分子に応力や配向が生じるために屈折率の異方性が生じ、伝搬光の分散が大きくなり、高密度の情報伝送が困難になりやすいという問題がある。また、コア層が光の進行方向以外にも連続であるため、光が漏洩しやすい。
また、Cu−Si基板上に、1)クラッド層、コア層を順次形成、2)フォトリソグラフィーとドライエッチングにより導波路となるコアを形成、3)クラッド層で覆う、4)基板を剥離する方法にてフレキシブルな埋め込み型光導波路を得る方法も提案されている(特許文献2)。この場合、埋め込み型であるため、前者に比べて光の損失はある程度抑えられるが、真空プロセス、スピンコート、フォトリソグラフィー、ドライエッチングなどが必要となるため、枚葉での処理しかできず高コストとなる問題があり、長尺や大面積であるものも得られにくい。また、コアの断面形状が矩形以外は形成困難であり、円や楕円のコアに比較して損失が大きかったり、スピンコート法にてコア層を形成するために界面の粗さによる光損失が許容できない場合などが生じていた。その他、選択重合法、反応性イオンエッチング(RIE)とフォトリソグラフィーを組み合わせた方法(特許文献3)、直接露光法(特許文献4)、射出成形法をもとにした方法(特許文献5)、フォトブリーチング法(特許文献6)などが知られている。しかしながら、これらの製造方法全ては、工程数が非常に多いために製造時間が長く、また、製造コストが高く、生産収率が低いことが問題となっていた。さらに、ポリマ光導波路を構成するコア・クラッドは、光硬化および熱硬化性樹脂の反応現象を利用しているため、大面積かつ長尺化も困難であった。
一方、プラスチック光ファイバーシート(ファイバーリボンと称することもある。)の製造方法としては、複数本の光ファイバーを所定の間隔で配列したガイドリングに通して、接着材を介して一体成形したものが知られている。(特許文献7)また、導光路となる複合体の周りを樹脂などで融着被覆したシート状のものとしては、ダイを用いてファイバーアレイごとに一括成形する方法などが提案されている。(特許文献8)しかしながら、前者の光ファイバーシートの製造方法は、光ファイバーを正確に位置決めして配列させることが難しく、生産上の歩留まりが多く、高コスト化の問題となっていた。一方、後者については、この製造方法では、フィルム巾方向の全てのコア形状を均一に保ったまま並べることが困難であり、得られたコアの形状もバラツキが大きい問題があった。また、コア間を繋ぐクラッド壁は、フッ素樹脂を多く利用するためにコスト高となるばかりでなく、フッ素樹脂自体の低い自己支持性などにも問題があった。すなわち、フィルム幅方向に直線的かつ均一にコアが配列した状態保持が困難なために(コアの位置決めが困難なために)、光接続が難しい問題があった。
一方、本発明者らは、溶融押出プロセスにて、複数のコアを配置した光導波路フィルムを提案している(特許文献9)。この方法では、損失が小さく、大面積・長尺の光導波路フィルムが容易に得られるものであるが、各コア間での光導波性能のバラツキ低減が課題となっていた。
特開2001−281484号公報 特開平08−304650号公報 特開2004−206016号公報 特開2003−185860号公報 特開2003−172841号公報 特開2004−012635号公報 特開昭60−178405号公報 特開平04−043304号公報 特開2004−205834号公報
本発明の課題は、かかる問題を解決し、低コストで大面積化・長尺化が容易であり、複数のコア形状が均一で、かつ、そのコアの位置がフィルム幅方向に等間隔に直線状に配列しているため光接続が容易であり、光損失、およびそのコア間の光導波性能のバラツキが小さい自己支持性のある光導波路フィルムを提供するものである。本光導波路フィルムは、装置間、装置内ボード間、ボード内チップ間などの短〜中・長距離用通信に好適である。
断面形状として、熱可塑性樹脂Bからなるクラッドと、熱可塑性樹脂Aからなる分散体(コア)が、フィルム長手方向に延在しながら、フィルム幅方向に配列した構造であり、かつ3個以上のコアを含んでなる光導波路フィルムであって、フィルム幅方向の両端部に位置するコア径(We1、We2)とフィルム幅方向の中央部に位置するコア径(Wc)が下記式(1)および(2)を満たし、かつフィルム表面の少なくとも片面に連続なクラッド層を有し、フィルム幅方向の両端部でのクラッド層の厚み(Te1、Te2)とフィルム幅方向の中央部でのクラッド層の厚み(Tc)が下記式(3)および(4)を満たすことを特徴とする光導波路フィルム。
0.8≦We1/Wc≦1.2 式(1)
0.8≦We2/Wc≦1.2 式(2)
0.8≦Te1/Tc≦1.2 式(3)
0.8≦Te2/Tc≦1.2 式(4)
本発明によれば、低コストで大面積化・長尺化が容易であり、複数のコア形状が均一で、かつ、そのコアの位置がフィルム幅方向に等間隔に直線状に配列しているためコアの位置精度、コア径の寸法精度が非常に高く、光接続が容易であり、また、光損失およびそのコア間の光導波性能のバラツキが小さい自己支持性のある光導波路フィルムを提供することが可能である。さらには、光導波路フィルム表面の凹凸を利用することで光の入出力位置の調整が容易であり、光接続作業の時間を大幅に短縮することが可能である。本光導波路フィルムは、装置間、装置内ボード間、ボード内チップ間などの短〜中・長距離用通信に好適である。
光導波路フィルムの幅方向−厚み方向断面の一例を示す断面図 光導波路フィルムの幅方向−長さ方向断面の一例を示す断面図 コア群2つがフィルム表面にほぼ平行に配置された光導波路フィルムの断面の一例図 隣接するコアのコア間隔の説明図 コア径の説明図 熱可塑性樹脂Aからなる分散体(コア間隔調整部)が含まれた光導波路フィルムの断面図 一方の面に凹凸が存在する光導波路フィルムの断面図および全体図の例 フィードブロックの一例を示す平面図 スリット部の一例を示す平面図 フィードブロック内の一例を示す流路図 ダイの一例を示す断面図 ダイ内の一例を示す断面図 コームタイプフィードブロックによるマルチコア光導波路の製造方法の正面図 スリット板の正面図 コームタイプフィードブロックとダイの直結によるマルチコア光導波路の製造方法の正面図 光導波路フィルムが切断される箇所を示した図
符号の説明
1: クラッド層
2: クラッド壁
3: コア
4: コア間隔調整部
5: コア間隔
6: フィルム厚み(Z)方向に平行な2本の平行線とコアが接する間隔(コア径)
7: フィルム幅(X)方向の2本の平行線とコアが接する間隔
8: フィルム幅方向長さが10mm以上のコア間隔調整部
9: 凹凸
10: 側板
11: 樹脂A供給部
12: スリット部
13: 樹脂B供給部
14: 側板
15: フィードブロック
16: 樹脂流入口
17: 液溜部
18: 流出口
19a、19b: スリット
20: 各スリットの頂部の稜線の下端部
21: 各スリットの頂部の稜線の上端部
22: スリット稜線
23: 下端部
24: 上端部
25: スリット稜線
26: 液溜部
27: 流体流れ方向
28: 液溜部
29: 流入口
30: 流入口
31: 吐出口
32: 合流部
33: 複合装置
34: シングルダイ
35: スリット板の中央部に位置するスリット
36: スリット板の最端部に位置するスリット
37: 中央スリットと端部スリットがなす角度
38: マルチマ二ホールドダイ
39: コームタイプフィードブロック出口の幅(マルチマニホールドダイのポリマ流入部の幅)
40: スリット板両壁面の幅
41: マルチマニホールドダイのポリマ吐出部の幅
42: 最も距離の長いスリット部のスリット長
43: コームタイプフィードブロックのポリマ流入部からマルチマニホールドダイのポリマ吐出部までの距離
44: 切断される箇所
本発明の光導波路フィルムでは、コアとなる熱可塑性樹脂Aとクラッドとなる熱可塑性樹脂Bの少なくとも2種類の熱可塑性樹脂を含んでなければならない。ここで熱可塑性樹脂としては、ポリメチルメタクリレート(屈折率nが1.49、以下、屈折率はn)およびメチルメタクリレートを主成分とするコポリマー(n=1.47〜1.50)、ポリスチレン(n=1.58)およびスチレンを主成分とするコポリマー(n=1.50〜1.58)、ポリエチレン(n=1.51〜1.54)、ポリプロピレン(n=1.47〜1.52)、ポリ乳酸(n=1.47)、ノルボルネン系の脂環式ポリオレフィン(n=1.51〜1.53)およびそのコポリマー、スチレンアクリロニトリルコポリマー(n=1.56)、ポリ4−メチルペンテン1(n=1.46〜1.47)、ポリビニルアルコール(n=1.49〜1.53)、エチレン/酢酸ビニルコポリマー(n=1,46〜1.50)、ナイロン6,11,12,66(n=1.53)、ポリカーボネート(n=1.50〜1.57)、ポリエチレンテレフタレート(n=1.58〜1.68)、ポリエチレンテレフタレートコポリマー(n=1.54〜1.66)、フルオレン共重合ポリエチレンテレフタレート(n=1.6〜1.66)、ポリエチレンナフタレート(n=1.65〜1.81)、ポリクロロスチレン(n=1.61)、ポリ塩化ビニリデン(n=1.63)、ポリ酢酸ビニル(n=1.47)、メチルメタククリレート/スチレン、ビニルトルエン又はα−メチルスチレン/無水マレイン酸三元コポリマー又は四元コポリマー(n=1.50〜1.58)、ポリジメチルシロキサン(n=1.40)、ポリアセタール(n=1.48)、ポリエーテルサルフォン(n=1.65〜1.66)、ポリフェニレンスルフィド(n=1.6〜1.70)、ポリイミド(n=1.56〜1.60)、フッ化ポリイミド(n=1.51〜1.57)、ポリテトラフルオロエチレン(n=1.35)、ポリフッ化ビニリデン(n=1.42)、ポリトリフルオロエチレン(n=1.40)、パーフルオロプロピレン(n=1.34)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(n=1.36〜1.4)、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレン共重合体(n=1.36〜1.4)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(n=1.36〜1.4)、ポリクロロトリフルオロエチレン、およびこれらフッ化エチレンの二元系、又は三元系コポリマー(n=1.35〜1.40)、ポリフッ化ビニリデンとポリメチルメタクリレート・ブレンドポリマー(n=1.42〜1.46)、CF=CF−O−(CF)x−CF=CFモノマーの重合体(n=1.34)およびフッ化エチレンのコポリマー(n=1.31〜1.34)、CF=CF−O−(CF)−0−CF=CFモノマーの重合体(n=1.31)およびフッ化エチレンのコポリマー(n=1.31〜1.34)、一般式CH=C(CH)COORfで表わされるフッ化メタクリレートを主成分とするコポリマーで、基Rfが(CH)n(CFHであるコポリマー(n=1.37〜1.42)、Rfが(CH(CFFのもの(n=1.37〜1.40)、RfがCH・(CFのもの(n=1.38)、RfがC(CFのもの(n=1.36) 、RfがCHCFCHFCFのもの(n=1.40) 、RfがCHCF(CFのもの(n=1.37)、およびこれらのフッ化メタクリレートのコポリマー(n=1.36〜1.40)、およびこれらのフッ化メタクリレートとメチルメタクリレートコポリマー(n=1.37〜1.43)、一般式CH2=CH・COOR’fで表わされるフッ化アクリレートを主成分とするポリマ、但しRf’が(CH(CFFのもの(n=1.37〜1.40)、Rf’が(CH(CFHのもの(n=1.37〜1.41)、Rf’がCHCFCHF・CFのもの(n=1.41)、RfがCH(CHのもの(n=1.38) 、およびこれらフッ化アクリレートコポリマー(n=1.36〜1.41)、およびこれらフッ化アクリレートと前記フッ化メタクリレートコポリマー(n=1.36〜1.41)、およびこれらフッ化アクリレートとフッ化メタクリレートとメチルメクレートコポリマー(n=1.37〜1.43)、一般式CH=CF・COOR″fで表わされる2−フルオロアクリレートを主成分とするポリマ、およびそのコポリマー(n=1.37〜1.42)(但し、式中R”fはCH、(CH(CFF、(CH(CFH 、CHCFCHFCF、C(CFを示す)などがある。代表的なフッ化ポリメタクリレートとしては、例えば、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロブチルメタクリレートポリマー、トリフルオロエチルメタクリレートポリマー、ヘキサフルオロプロピルメタクリレートポリマー、フルオロアルキルメタクリレートポリマーなどのフッ素が含有されたポリメチルメタクリレートコポリマー(n=1.38〜1.42)などである。
この中で、強度・耐熱性・透明性・低損失の観点から、特に、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、メタロセンやチーグラーナッタ触媒にて共重合したノルボルネンとエチレンの共重合体である環状オレフィンコポリマー、ノルボネン系モノマーの開環メタセシス重合および水素化により得られる環状ポリオレフィン、ポリイミド樹脂、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、フッ化ポリマーであることがより好ましい。また、光損失を低下させるために、ポリマ中の水素が重水素化されていることがより好ましい。
これらの樹脂としてはホモ樹脂であってもよく、共重合または2種類以上のブレンドであってもよい。また、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、屈折率調整のためのドープ剤などが添加されていてもよい。
また、光導波路フィルムの90wt%以上が熱可塑性樹脂からなっていると、ダイヤモンドナイフ加工や、熱圧縮加工などの表面加工が容易となるため、装置間、装置内ボード間、ボード内チップ間光の接続がさらに容易となり低コストな光情報伝送システムを提供できる。
本発明の光導波路フィルムは、3個以上のコアを含んでなければならない。好ましくは、8個以上である。より好ましくは16個以上である。さらに好ましくは32個以上である。コア数は、2個(nは2以上の自然数。)で表現されることが、情報通信に用いられる観点から好ましい。コアの数が多いほど、より多チャンネルでの通信が可能な高密度配線となり、効率の高い光伝送が可能となる。コア数の上限については特に限定するものではないが、実用上の特性を維持するためには、2000個以下であることが好ましい。
また、本発明では、3個以上のコアの方向(光の進行方向)が、ほぼ並行であり、かつ該3個以上のコアの中心位置がフィルム表面に対しほぼ並行に配置されていることが好ましい。すならち、フィルム幅方向に等間隔に直線状に配列していることが好ましい。このような場合、高密度配線が可能であるとともに、光の入出力の調整が容易であり、光接続作業の時間を大幅に短縮することが可能である。コアの中心位置の定義は、JPCA−PE02−05−02S(2007)に記載の通りである。
次に、本光導波路フィルムの代表的な形状を図1および図2に示す。図1は、光導波路フィルムの幅方向(X)−厚み方向断面図(Z)である。図2は、光導波路フィルムの幅方向(X)−長さ方向(光の進行方向)図(Y)である。図1(a)では、両表面にクラッド層1があり、中央部にはクラッド壁2とコア3とコア間隔調整部4がある。光は、コア3中を図2のY方向に進行していく。なお、クラッド層1とクラッド壁2は、通常同材料を用いることが好ましい。また、コア3とコア間隔調整部4も同材料を用いることが製法上容易であり、好ましいが、別種の材料を用いることも可能である。このように、コア間隔調整部4を含んでいる場合、例えコア3と同材料を用いていても、コア間隔調整部はコアとはみなさない。なぜなら、コア間隔調整部は厚み方向と幅方向のアスペクト比が大きすぎるため、導波性能が著しく低く、コアとしての性能を満たさないためである。一方、図1(b)では、両表面にクラッド層1があり、中央部にはクラッド壁2とコア3のみの光導波路フィルムの断面図を示す。
本発明の光導波路フィルムは、フィルム幅方向の両端部に位置するコア径(We1、We2)とフィルム幅方向の中央部に位置するコア径(Wc)が下記式(1)および(2)を満たし、かつ少なくとも片面に連続なクラッド層を有し、フィルム幅方向の両端部での該クラッド層の厚み(Te1、Te2)とフィルム幅方向の中央部での該クラッド層の厚み(Tc)が下記式(3)および(4)を満たさなければならない。
0.8≦We1/Wc≦1.2 式(1)
0.8≦We2/Wc≦1.2 式(2)
0.8≦Te1/Tc≦1.2 式(3)
0.8≦Te2/Tc≦1.2 式(4)
ここで、フィルム幅方向の両端部に位置するコアとは、図1中の右端と左端のコアに相当する。本発明で言うコア径とは、あるX−Z断面におけるX方向の最大コアサイズのことを言う。すなち、図5において、Z方向に平行な2本の平行線とコアが接する間隔6に相当する。また、フィルム幅方向の中央部に位置するコアとは、図1では、中心にあるコアとなるが、両端部に位置するコアとコアを結んだ中心付近に最も近く存在するコアのことと定義される。なお、中央部に位置するコアが2つ存在する場合は、どちらか一方を選択する。
式(1)および(2)を満たしていると、コアの位置精度、コア径の寸法精度が非常に高いために、光導波性能のバラツキが小さい。また、光の入出力の調整が容易であり、光接続作業の時間を大幅に短縮することが可能である。さらには、調芯精度も向上するため、接続損失が低減できる。より好ましくは、式(8)および式(9)を満たす。このような場合、各コアの光導波性能にほとんど差がなくなるものである。
0.9≦We1/Wc≦1.1 式(8)
0.9≦We2/Wc≦1.1 式(9)
本発明では、少なくとも片面に連続なクラッド層を有していなければならない。この連続なク
ラッド層とは、図1中のクラッド層1に相当するものである。また、フィルム幅方向の両端部での該クラッド層の厚み(Te1、Te2)は、フィルム幅方向の各端部に位置するコアに接触しているいずれか一方の表面側のクラッド層の厚みと定義される。同様に、フィルム幅方向の中央部での該クラッド層の厚み(Tc)は、フィルム幅方向の中央部に位置するコアに接触しているいずれか一方の表面側のクラッド層の厚みと定義される。なお、両端部および中央部での該クラッド層厚みは、同一表面側にて比較しなければならない。また、クラッド層の厚みとは、クラッド層1とクラッド壁2を足し合わせた厚みではない。クラッド層の厚みは、フィルム表面からコアとクラッド層の境界値(X方向へのびる境界線)へ下ろした垂線を測長することで求められる。
式(3)および式(4)を満たしていると、コア径の寸法精度が高くなるために、光導波性能のバラツキが小さくなる。より好ましくは、式(10)および式(11)を満たす。この場合、各コア間の光導波性能の差がほとんどなくなる。
0.9≦Te1/Tc≦1.1 式(10)
0.9≦Te2/Tc≦1.1 式(11)
本発明において、フィルム幅方向に3個以上のコアを配列させる手段としては、積層技術を用いることが好ましい。積層技術としては、公知の積層装置であるマルチマニホールドタイプのフィードブロックとスクエアミキサーを用いる方法、もしくは、コームタイプのフィードブロックのみを用いる方法が挙げられる。マルチマニホールドタイプのフィードブロックとは、沢田慶司「プラスチック押出成形の最新技術」(ラバーダイジェスト社)(1993)に記載されているような公知のフィードブロックのことである。すなわち、複数の樹脂をダイ本体に送り込む前に、フィードブロック内で合流させ、次いでダイのシングルマニホールド部へ樹脂を送り込み、次いで、その流れをフィルム幅方向に拡幅し、シート化して押出す。但し、従来の厚み方向積層の場合、積層方向とダイのリップ巾方向(X方向)との関係が直角の関係であるが、本発明である幅方向積層の場合は、平行の関係になる。このような関係で押出すことにより、フィルム幅方向積層が実現し、コア、コア間隔調整部およびクラッド壁を交互に配列させることができる。
また、スクエアミキサーとは、ポリマ流路を断面積が四角状の流路に2分割し、さらに、分岐されたポリマを、再度、上下に積層されるように合わさる合流部を備えた公知の筒体である。この工程を繰り返すことにより、何層もの積層体を得ることができる。例えば、2種の樹脂からなるB/A/B構成の3層の積層体が、1度の分岐・合流を行うと5層の積層体になる。スクエアミキサーを用いた場合、積層数は、(初期の層数−1)×2のn乗+1で表現できる。但し、nは、1度の分岐・合流をn回、繰り返すことを意味する。また、スクエアミキサーの分配比は、通常、1:1の等しい断面積をもつ流路で等分配で分岐されるため、同じ積層体が周期的に形成される。以上より、マルチマニホールドタイプのフィードブロックとスクエアミキサーを組み合わせれば、例えば、マルチマニホールドタイプのフィードブロックにて9層に積層された溶融状態の積層体が、スクエアミキサーを4回通過すると、143層のコア、コア間隔調整部、およびクラッド壁が幅方向に配列した積層体を得ることができる。より層数を多くする方法としては、複数のフィードブロックを並列に並べる方法やスクエアミキサーの回数を増加させる方法でフィードブロック内で得られる積層流の層数を増加させる方法が挙げられる。ここでのマルチマニホールドタイプのフィードブロックとしては、特開2006−44212号公報に記載のタイプIIのフィードブロックが例示される。積層数とコア数は、密接に関係するため、情報量の観点から、少なくとも17層以上に積層されることが好ましい。チャンネル数および情報量の増大の観点から、65層以上が好ましく、より好ましくは、129層以上、さらに好ましくは257層以上である。
しかしながら、上記したマニホールドタイプのフィードブロックを用いて積層数を増加させると、装置サイズが大型化し、また、スクエアミキサーを複数回通過するために高い積層精度を維持したフィルム幅方向積層フィルムを得ることは難しい。そのため、本発明の光導波路フィルムにおいては、多数の微細スリットを有するコームタイプのフィードブロック(以下、フィードブロックと称す。)を用いて積層体を得ることが好ましい。このフィードブロックについての詳細は、特開2005−352237号公報に記載されている。このフィードブロックは、スリットの数を増やすことにより容易に400層までのフィルム幅方向積層フィルムを達成することが可能であり、積層体を一度に形成することが可能である。コア数も200個程度まで一度に形成することができる。
表層部となるクラッド層1を形成する方法としては、前述した溶融状態の積層体に厚み方向の上下に、クラッド層1となる熱可塑性樹脂を、公知の複合装置(ピノール)やマルチマニホールドダイを用いることによって、サンドウィッチ構造的に被覆積層することによって達成できる。
本発明では、コア径のムラ(R)が0.001%以上20%以下であることが好ましい。
コア径のムラは、光導波路フィルム中のフィルム幅方向に配列する全てのコアのコア径を正確に計測し、下記式(13)を用いて算出される。
Figure 2008032724
R= (Wmax−Wmin)/Wave 式(13)
R:コア径のムラ(%)
Wave:コア径の平均値(μm)
W(k):k番目のコアのコア径
n:光導波路フィルム中に含まれるコアの数
Wmax:コア径の最大値
Wmin:コア径の最小値
コア径のムラ(R)が0.001%以上20%以下であると、コア径の寸法精度が高いために、各コア間の光導波性能のバラツキが小さくなる。また、コア径のムラ(R)が0.001%以上10%以下であることがより好ましい。さらに、好ましくは、0.001%以上5%以下であることが各コア間の光導波性能のバラツキを殆どなくすため好ましい。
本発明の光導波路フィルムのコア径は、1μm以上3000μm以下であることが好ましい。好ましくは、2μm以上2000μm以下である。より好ましくは、3μm以上150μm以下である。コア径が1μmより小さいと、コアに光を入射することが困難である。また、3000μmより大きいと、フィルム厚みが厚すぎるためにフレキシブルでなくなるばかりか、光の損失も大きくなりすぎるため好ましくない。また、2μm以上2000μm以下であると、光ファイバーや面発光レーザーからの光の入射もさらに容易となり、損失も小さく、フレキシブル性も十分であることからより好ましい。さらに、3μm以上1000μm以下であると、導波径が十分小さいためにモード数が制約されるため、中・長距離での伝送で重要な広帯域での通信にもより対応しやすくなる。通信に用いる波長にも依存するが、例えば、マルチモードでは、20μm以上1000μm以下であり、シングルモード対応では、3μm以上20μm以下で対応することが好ましい。 また、本発明の光導波路フィルムのコア径の形状としては、円、楕円、角型、四角、台形などのいかなる幾何学図形でも良い。情報通信用途では、コア形状に依存したモード分散や光損失が発生する観点から、できるだけコア中心位置に対して対称性が良い図形であることが好ましく、最も好ましい形状は、円形である。対称性には、線対称、転対称などがある。
また、幅方向(X)−厚み方向(Z)断面において、光導波路フィルムの表面にほぼ平行に配置されたコアが、フィルムの幅方向の長さ1cmあたりに3個以上300個以下存在すると、大容量の通信が可能となるため、好ましい。3個より少ない場合には、光導波路密度が低すぎるために非効率である。300個より大きい場合には、コアとなる部分の径が小さくなりすぎ接続が困難であったり、クラッドの厚みが薄すぎるために光もれによるノイズが生じたりするため好ましくない。また、フィルム幅方向の長さ1cmあたりに8個以上100個以下であると、光導波路の効率も高く、より大容量のデータ伝送が可能となるため、より好ましい。
本発明では、幅方向−厚み断面において、フィルム表面にほぼ平行に配置されたコア群が、2つ以上存在すると、さらに小面積でチャンネル数を増加させることができるため好ましい。ここで、コア群とは、フィルムの幅方向−厚み方向断面内にほぼ等間隔に、かつフィルム表面に対してほぼ平行に配置されてなる3つ以上のコアの集合をいう。図1に示されたコア群2つがフィルム表面にほぼ平行に配置された光導波路フィルムを図3に示す。コア間隔調整部がある場合を(a)、ない場合を(b)に示す。エッチング法等では、チャンネル数を増やすために、コアをスタックする場合、工程数が非常に増加するために高コスト化となり、実用的ではなかったが、本発明の場合、その達成方法の特異性のため、一工程にて可能であるため、非常に低コストに精度良く製造することが可能である。その達成方法としては、フィルム幅方向に積層された2個以上の積層流を厚み方向にスタックすることで実現する。例えば、2個以上のスリット部を有するコームタイプフィードブロックやスクエアミキサーを用いることで達成することができる。
本発明の光導波路フィルムは、片面あるいは両面に5μm以上500μm以下のクラッド層が存在することが好ましい。ここで、5μm以上500μm以下のクラッド層とは、クラッド壁の厚さは含まない。また、この層は必ずしも最表面である必要はなく、最表層に別の樹脂からなる層が形成されていても良い。片面あるいは両面に5μm以上500μm以下のクラッド層が存在すると、表面に傷などが生じたとしても、コアに影響がほとんどないため、表面の傷等による損失低下が少ないため好ましい。より好ましくは、15μm以上100μm以下である。15μm以上100μm以下であると、フレキシブル性、ハンドリング性が向上するとともに、面発光レーザー、フォトディテクターなどの受発光素子や、電子部品などの電気回路を表面に形成して実装することも可能となる。なお、本発明の光導波路フィルムのコア径、クラッド壁径、クラッド層の厚みは、光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡を用いて、拡大倍率5〜1000倍の範囲で適宜調整し、有効数字3桁まで十分に観察できる倍率の光導波路フィルムの断面画像を用いて計測することができる。
本発明である光導波路フィルムは、フィルム幅方向の中央部に位置するコアの断面積(Ac)とフィルム幅方向に配列した任意のコアの断面積(A)が下記式(5)を満足するコアが少なくとも4個以上連続的に隣り合って存在することが好ましい。より好ましくは8個以上、さらに好ましくは16個以上である。最も好ましくは32個以上である。
0.8≦A/Ac≦1.2 式(5)
式(5)を満たしていると、コア径の精度寸法が非常に高いために、光導波性能のバラツキがより小さくなる。1.2を超えるか、もしくは0.8未満であると、コア断面積のバラツキが大きいため、連続する全てのコアにおいて同等の光導波性能を達成することが困難である。より好ましくは、式(14)を満たす。このような場合、各コアの光導波性能にほとんど差がなくなる。
0.9≦A/Ac≦1.1 式(14)
また、大容量のデータ転送を行うためには、双方向送受信に少なくとも2個ずつ計4個以上のコアが必要となるため、式(5)を満たすコアは連続4個以上存在することが好ましい。
本発明における光導波路フィルムでは、フィルム長手方向におけるコアの断面積のムラが5%以下であることが好ましい。フィルム長手方向のコアの断面積のムラが5%以下であると、伝送するデータの波形が乱れないため、正確なデータ転送が可能となる。より好ましくは3%以下である。さらに好ましくは1%以下である。ここで、フィルム長手方向のコア断面積のムラとは、ある一つのコアにおける断面積を、フィルム長手方向10cmおきに10点計測し、その平均値を基準として計算する。すなわち、コアの断面積のムラ、コアの最大断面積と最小断面積の差をその平均値で除し、100を乗じることにより求めることができる。
フィルム長手方向のムラを小さくする手段としては、コアとなる熱可塑性樹脂Aとクラッドとなる熱可塑性樹脂Bに溶融粘度の低い樹脂を用いることが好ましい。溶融粘度の低い樹脂を用いると、ポリマと壁面の界面での応力が小さくなり、フィルム厚み方向の乱れが低減されるため、その結果フィルム長手方向におけるコアの断面積のバラツキが少なくなる。また、光導波路フィルムのキャスト上の着地安定性の観点から、ダイのリップ間隙をキャスト時のフィルム厚みで割った値であるドラフト比が20以下であることが好ましい。より好ましくは、10以下であり、さらに好ましくは5以下である。
本製造法により製造した光導波路フィルムは、光接続に必要不可欠なコア間隔の位置精度が高く、およびコア形状が均一なものとなる。コア間隔の位置精度を表すものとして、隣り合うコアの中心間の距離のバラツキであるコア間隔のムラ(Vl)がある。ここで、コア間隔とは、図4で示すように、コアに接するフィルム厚み方向(Z)の2本の平行線の中心線同士の距離:5のことである。コア間隔のムラ(Vl)は、下記の式(15)のように定義する。
Vl=(Lmax−Lmin)/Lc×100(%) 式(15)
Vl:コア間隔のムラ
Lmax:最大コア間隔
Lmin:最小コア間隔
Lc:中央部に位置するコアとその隣接するコアとのコア間隔
ここで、コア数が奇数の場合、Lcは中央部に位置するコアに隣接する2つのコアの平均値をとる。偶数の場合は、中央に位置する二つのコア間隔とする。コア間隔ムラが30%以下であると、光の入出力の調整が容易であり、光接続作業の時間を大幅に短縮することが可能である。さらには、調芯精度も向上するため、接続損失が低減できる。コア間隔のムラは小さいほど好ましく、より好ましくは、20%以下であり、さらに好ましくは、10%以下である。最も好ましくは、5%以下である。
本発明の光導波路フィルムに用いられる熱可塑性樹脂Aからなるコアと熱可塑性樹脂Bからなるクラッドの面積比率は、0.5以上であることが好ましい。コアとクラッドの面積比率とは、フィルム厚み(Z)方向−幅方向(X)断面において、熱可塑性樹脂Aの占有面積を熱可塑性樹脂Bの占有面積で割った値である。すなわち、ここでのコアとは、コアとコア間隔調整部を足し合わせた領域を意味し、クラッドとは、クラッド壁とクラッド層を足し合わせた領域を意味する。この比率が、0.5未満であると、光を通さないクラッドが多くなるために、コアとなる熱可塑性樹脂Aを有効活用していない。さらに、フィルムの自己支持性も弱くなるため、コアの位置決めが難しくなり、光接続し難くなる恐れがある。そのため、より好ましくは、1以上である。さらに好ましくは、2以上である。一方、余り熱可塑性樹脂Aからなるコアが多くなると、光導波路フィルム自体が折れやすくなったり、光がクラッド壁を飛び越えて、隣のコアへ移行する光カップリングが発生する恐れがあるため、その上限は、10以下であることが好ましい。この比率は、押出機により、押出される熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂B、それぞれの吐出量を、密度に基づいて調整することができる。
本発明の光導波路フィルムは、熱可塑性樹脂Aを有効活用し、フィルムの腰を強くする観点から、コア間隔調整部となる熱可塑性樹脂Aからなる分散体を含んでいることが好ましい。図1(a)にコア間隔調整部4となる熱可塑性樹脂Aからなる分散体が含まれた光導波路フィルムの断面図の例を示す。図1(a)に示すように、熱可塑性樹脂Aからなるコア間隔調整部は、コア同様に、フィルム長手方向に伸びている。コア間隔調整部の径、コア間隔調整部の数などは、特に限定されない。熱可塑性樹脂Aからなるコア間隔調整部の径は、利用のされ方にもよるが、コアと区別するために、コア径と異なることが好ましい。コア間隔調整部を設けることにより、一般にクラッドと比べて安価に入手可能なコアとなる熱可塑性樹脂Aを有効に活用することができ、コア間隔の距離の調整の役割を果たすことも可能である。また、光導波路の光漏れの検査機能としても用いることができ、さらにはモード分散が問題とならない光通信用途へ適用することができる。コア間隔調整部の数は、スリット板の細孔部の数で調整でき、また、コア間隔調整部の径は、スリット板の細孔部の長さおよび間隙で調整することができる。特に、本発明の光導波路フィルムは、フィルム幅方向長さが少なくとも10mm以上のコア間隔調整部が1つ以上含まれていることが好ましい。ここでのフィルム幅方向長さとは、図5に示したようなフィルム厚み方向と平行な2本の平行線とコアが接する間隔6のことである。さらに、フィルム幅方向長さが少なくとも10mm以上のコア間隔調整部8は、図6に示すようにフィルム幅方向の両端部に設けることが好ましい。
両端部に設けることにより、口金出のシート状ポリマのネックダウンによる内部のコア形状の変形を抑制する観点からコア間隔調整部のフィルム幅方向長さは、20mm以上であることがより好ましい。さらに、好ましくは、40mm以上である。両端部に熱可塑性樹脂Aからなるコア間隔調整部を設けるには、スリット板の細孔部の両端部に熱可塑性樹脂Aが流入する積層装置の構成とすることで達成できる。すなわち、両端部の細孔部が、熱可塑性樹脂Aのマニホールド(液溜)側に開孔されていればよい。また、コア間隔調整部のフィルム幅方向長さを、20mm以上にするためには、下記(16)式で示されるように細孔部の間隙を広げる、もしくは長さを短くすることにより達成することができる。
具体的に細孔部に流入する樹脂の吐出量と圧力損失の関係は、下記(16)式で表されることが知られている。
ΔP=12・L・μ/h/t3・Q 式(16)
(ΔP:圧力損失、L:細孔部の長さ、μ:樹脂粘度、細孔部の間隙:t、細孔部の奥行
き:h、Q:吐出量)
すなわち、圧力損失を一定とすることで容易に流量を変化させることができるため、コア径、コア間隔調整部の径、クラッド径を任意の径へ調整することができるのである。一方、数については、スリット板の細孔部の数を調整することに達成することができる。
本発明の光導波路フィルムでは、少なくとも一方のフィルム表面に深さ10μm以上の凹凸が存在していることが好ましい。この概略図を図7を例に示す。各コア間に位置するクラッド部が陥没することにより、フィルム長手方向において、各コア間に存在するクラッド部が凹、コア部が凸となって存在している。(なお、陥没箇所のクラッド壁部がコア部であっても良い。)ここでの凹凸とは、クラッド層の隣り合う山と谷の、それぞれ、最大点と最小点の差の事である。これを図7中の9で示す。本発明では、複数ある凹凸のうち、中央部のコア付近の凹凸差を採用する。この凹凸をコネクタ接続時のガイドとして利用することで、正確な調芯が可能となる。凹凸が10μmよりも小さいと、コネクタ接続のガイドとして使用することが困難となる。また、フィルム切断時に凹部をガイドとすることで、簡便かつ正確にフィルムを切断することが可能となる。また、凹凸構造はフィルムの両面に存在してもかまわない。この達成方法としては、コア、クラッドの押出温度、粘弾性特性、押出量の違いにより達成することができる。また、コアに非晶性樹脂、クラッドに結晶化速度の速い結晶性樹脂を用いることも好ましい。
本発明におけるクラッドの屈折率nbとコアの屈折率naの差|nb−na|が0.001以上であることが好ましい。コア内の光の反射条件の観点から、nb<naである。より好ましくは、0.010以上である。さらに好ましくは、0.030以上である。最も好ましくは、0.06以上である。0.001以上であると、コア/クラッド界面での全反射が起きるため光導波路フィルムとして好適となる。また、0.010以上であると、光の入射軸の調整が容易であるため、接続しやすいため好ましい。さらに、0.030以上であると、チャンネル間での光の漏洩が原因で誤信号となることがほとんどないため、さらに好ましい。0.06以上であると、曲げによる光損失も少なくなる観点から、最も好ましい。クラッドとコアの屈折率の差|nb−na|が0.001以上である好ましい樹脂の組み合わせとしては、例えば、上記記載の樹脂などから任意の組み合わせを選ぶことができる。
より好ましくは、
クラッド:前記記載のフッ化ポリマ/コア:ポリメチルメタクリレートまたはそのコポリマー
クラッド:ポリメチルメタクリレート/コア;ポリメチルメタクリレートを主成分とするコポリマー
クラッド:ポリメチルメタクリレート/コア:脂環式ポリオレフィンまたは、環状オレフィンコポリマー
クラッド:脂環式ポリオレフィンまたはポリオレフィン/コア:脂環式ポリオレフィンまたは、環状オレフィンコポリマー
クラッド:ポリエチレンテレフタレートコポリマー/コア:ポリエチレンテレフタレートまたは
ポリエチレンテレフタレートコポリマー
クラッド:ポリエチレンテレフタレート/コア:ポリエチレンナフタレートまたはポリエチレンナフタレートコポリマー
クラッド:変性ポリカーボネート/コア:ポリカーボネート
クラッド:ポリカーボネート/コア:ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマー
クラッド:ポリオレフィン/コア:ポリカーボネート
などの組み合わせであり、これらの組み合わせでは、耐熱性、耐湿性に優れ、かつ生産性にも優れるため、低コストな光導波路を提供することが可能となる。特に、コアがポリメチルメタクリレートを主成分としてなり、クラッドがフッ素基を含有する熱可塑性樹脂を主成分としてなることがさらに好ましい。この場合、光導波性能に優れ、強度、耐熱性、ハンドリング性などの点においても実用的に優れたものとなる。また、フッ素基を含有する熱可塑性樹脂の製膜性、およびコア形状の観点から、その融点Tmは、220℃以下が好ましい。より好ましくは、150℃以下である。
本発明のフッ素基を有する熱可塑性樹脂は、溶融押出法による製膜が可能な観点から、四フッ化エチレン・エチレン共重合体であることが好ましい。ここでの四フッ化エチレン・エチレン共重合体とは、四フッ化エチレンとエチレンからなる単量体、クロロトリフルオロエチレンとエチレンからなる単量体、四フッ化エチレンとフッ化ビニリデンからなる単量体、四フッ化エチレンとフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンで構成された共重合ポリマのことである。また、これらの単量体には、カルボキシル基、カルボン酸塩などから選ばれた官能基を有していても良い。本発明のクラッドとなるフッ素基を有する熱可塑性樹脂は、特にテトラフルオロエチレンが40〜80mol%とエチレンが20〜60mol%の単量体、もしくは、テトラフルオロエチレン10〜50mol%とフッ化ビニリデンが50〜90mol%の単量体から構成された四フッ化エチレン・エチレン共重合体であることが好ましい。本発明の四フッ化エチレン・エチレン共重合体の融点Tmは、280℃以下であることが好ましく、より好ましくは、240℃以下である。さらに、好ましくは、220℃以下である。
また、本発明の光導波路フィルムのヘイズ値は、光損失が少なくなる観点から5%以下であることが好ましい。よりこの好ましくは、3%以下である。その達成方法としては、透明性に優れたコアと出来るだけ結晶性が低く、透明性に優れた熱可塑性樹脂Bをクラッドに用いることが好ましい。例えば、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bが四フッ化エチレン・エチレン共重合体である場合は、結晶融解エンタルピーΔHmが、30J/g以下である四フッ化エチレン・エチレン共重合体であることが好ましい。より好ましくは、20J/g以下である。
本発明の光導波路フィルムは、曲げ損失を少なくする観点から、熱可塑性樹脂Aの屈折率naと熱可塑性樹脂Bの屈折率nbの二乗差の平方根で表されるNAが0.5以上であることが好ましい。より好ましくは、0.6以上である。組合せの例としては、コアとなる熱可塑性樹脂Aに屈折率1.49のポリメチルメタクリレート、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bに屈折率1.40のテトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、熱可塑性樹脂Aに屈折率1.54のスチレン共重合−ポリメチルメタクリレート、熱可塑性樹脂Bに屈折率1.42のポリフッ化ビニリデンなどの組合せが挙げられるが、特に限定されない。なお、NAとは開口数の事であり、コアの屈折率の2乗からクラッドの屈折率の2乗を引いた値の平方根で定義される値のことである。その達成方法としては、クラッドとコアの屈折率の差|nb−na|が0.09以上で達成することができる。
本発明の光導波路フィルムの溶融製膜時のフィルム成形温度における熱可塑性樹脂Aからなるコアと熱可塑性樹脂Bからなるクラッドの溶融粘度の関係が下記式(6)および(7)を同時に満足することが好ましい。
コアの溶融粘度 ≧ クラッドの溶融粘度 式(6)
クラッドの溶融粘度 ≦ 1000 (Pa・s) 式(7)
本発明は、クラッドがコアの周りを囲う必要があるため、フィルムプロセス上の成形温度での樹脂のレオロジー特性を考慮しなければならない。そのため、式(6)および(7)を同時に満足することにより、複数のコアの形状が均一、かつコアがフィルム幅方向に直線状に配列し易くなる。ここでのフィルム成形温度とは、溶融押出する際の押出機出〜ダイまでの温度条件のことである。結晶性樹脂の場合は、融点±20℃〜50℃である。コアの溶融粘度は、700(Pa・s) 以下が好ましく、より好ましくは、400(Pa・s)以下であることが好ましい。さらに、コアとクラッドの溶融粘度の差は、200(Pa・s)以下が好ましくは、より好ましくは、100(Pa・s)以下である。また、コアの形状を均一にする観点からコアとクラッドの溶融粘度差は、できるだけ小さいことが好ましい。好ましくは、400(Pa・s)以下であり、より好ましくは、200(Pa・s)以下である。
本発明の光導波路フィルムは、使用条件に左右されず正確なデータ転送を行う観点から、100℃、24時間の熱処理によるフィルム長手方向の熱収縮率が5%以下であることが好ましい。より好ましくは3%以下である。更に好ましくは、1%以下である。その達成方法としては、コア、クラッドのいずれか一方、もしくは両方に、ガラス転移温度が100℃以上の熱可塑性樹脂を用いることが望ましい。
本発明の光導波路フィルムは、曲げ強度が5N/mm以上150N/mm以下であることが好ましい。より好ましくは、15N/mm以上80N/mm以下であることが好ましい。5N/mm以下であると、自己支持性が不足するため、ハンドリング性が不良であったり、使用過程で座屈する場合があるため好ましくなく、また150N/mmより大きいと、フレキシブル性が損なわれるため好ましくない。一方、15N/mm以上80N/mm以上であると、ハンドリング性
とフレキシブル性において最適な光導波路フィルムとなる。その達成方法は、最適な樹脂の選定や以下に示す光導波路フィルムの延伸により達成することもできる。
また、本発明の光導波路フィルムは、フィルムの機械強度を高める観点から、フィルム長手方向に一軸延伸することも好ましい。延伸方法は、この未延伸状態の光導波路フィルムを樹脂組成物のガラス転移点(Tg)+20℃以上の温度で延伸する方法などで得ることもできる。この際の延伸の方法は、フィルム長手方向に延伸されていることが、好ましい。例えば、コアとなる熱可塑性樹脂Aが、ポリメチルメタクリレートの場合、延伸温度及び延伸倍率はいくらであっても良いが、通常は、延伸温度は100℃以上200℃以下であり、延伸倍率は1.2倍以上3倍以下が好ましい。長手方向の延伸方法は、ロール間の周速度変化を利用して行う。次いで、この延伸された光導波路フィルムを、引き続きオーブン内で弛緩熱処理することが好ましい。この弛緩熱処理は、延伸温度より高く、融点より低い温度で行うのが一般的である。熱可塑性樹脂Aがポリメチルメタクリレートの場合、100℃ないし200℃の範囲で行うのが好ましい。
本発明の光導波路フィルムは、クラッド層の外側に保護層として、他の樹脂、例えばポリアミド、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリスチレンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリ−4−メチルペンテン1、ポリ沸化ビニリデン、アイオノマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、沸化ビニリデンコポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ABS、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、塩化ビニルなどを被覆してもよい。また、保護層樹脂にカーボンブラック、酸化鉛、酸化チタン、あるいは有機顔料等を混合し、保護層を着色することにより、光導波路フィルム内部の伝送光の外部への漏れを防ぎ、外部光の樹脂フィルム内部への侵入を防ぐ光遮蔽効果を高めることができる。また、保護層樹脂や、コアやクラッドとなる樹脂の劣化を防止するため、紫外線吸収剤やHALSなども添加されていてもよい。
本発明の光導波路フィルムは連続法にて製造することが可能であるため、ロール状に巻きとることもでき、光導波路にする際にロールtoロールでの加工をも可能である。また、平坦なフィルム状であるため、ロール状に巻きとっても光ファイバーをテープ状に束ねたものなどに比較して嵩張らず、生産性も高い。
本発明の光導波路フィルムもしくはその一部を用いて、レーザー、面発光レーザー、フォトダイオード、フォトディテクター、光ファイバー等と接続することにより光データリンクとすることができる。また、本光導波路フィルム上に電気配線を形成することも可能で、本光導波路フィルム上で光電変換を行い、伝送されてきた光信号を電気信号に変換したのち機器との接続を電気で行うことも可能である。本発明の光導波路フィルムから切削・打ち抜き加工などにより、その一部を光導波路として利用することも、エッチング法等に比較して低コストで生産できる。
次に、本発明の光導波路フィルムの好ましい製造方法を以下に説明する。
2種類の熱可塑性樹脂AおよびBをペレットなどの形態で用意する。また、より損失を低くするためには、熱可塑性樹脂の重合系と製膜系を閉鎖系とすることが好ましい。この場合、ペレットである必要はかならずしもない。ペレットは、必要に応じて、事前乾燥を熱風中あるいは真空下で行った後、押出機に供給する。押出機内において、加熱溶融された熱可塑性樹脂は、ギヤポンプ等で熱可塑性樹脂の押出量を均一化され、フィルタ等を介して異物や変性した熱可塑性樹脂などを取り除く。
押出機には、単軸押出機と二軸押出機のどちらを用いても良い。本発明に用いる熱可塑性樹脂の屈折率を調整する手段として、2種以上の異なる屈折率の熱可塑性樹脂をナノレベルで相溶(アロイ)化することにより屈折率の調整を可能とする混練化技術がある。このような場合は、スクリュー構成が非常に重要である。例えば、アロイ化を行う際は、単軸スクリューでは、ダルメージタイプ、マドックスタイプが好ましく、二軸スクリューでは、パドルの組合せにより練りを強くしたスクリュー構成にすることが好ましい。一方、1台の押出機から1種の熱可塑性樹脂を押出す場合は、余り混練が強すぎると、光損失の原因となる異物が発生するため、フルフライトスクリューを用いた単軸押出機が好ましい。そのスクリューのL/Dは、28以下であることが好ましく、より好ましくは、24以下である。また、スクリューの圧縮比は、3以下であることが好ましく、より好ましくは、2.5以下である。また、光損失の原因となる異物を除去する方法としては、真空ベント押出や濾過フィルタなどの公知の技術を用いることが効果的である。真空ベントの圧力は、差圧で1〜300mmHg程度が好ましい。また、濾過フィルタとしては、溶融押出中にFSS(Fiber Sintered Stereo)リーフディスクフィルタを用いことにより、高精度濾過することができる。異物の大きさや量などの発生状態、及び樹脂粘度による濾圧に依存したフィルタの濾過精度を適宜変更することが好ましいが、本発明においては25μm以下の濾過精度フィルタを用いることが好ましい。より好ましくは、10μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。また、その際の押出機先端の樹脂圧は、樹脂漏れを少なくする観点から、20MPa以下が好ましく、よりこの好ましくは、10MPa以下である。
これらの2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出された熱可塑性樹脂は、次にコームタイプのフィードブロックに送り込まれる。本発明の好ましいコームタイプのフィードブロックの一例を、図8に示す。図8は、フィードブロックの平面図である。フィードブロック15は、側板10、樹脂A供給部11、スリット部12、樹脂B供給部13、側板14からなり、これらを一体化せしめて使用する。図8のフィードブロックは、樹脂A供給部11,樹脂B供給部13に由来して2つの樹脂導入口16を有する。ここで、スリット部に存在する複数のスリットに導入される樹脂の種類は、樹脂A供給部11ならびに樹脂B供給部13のそれぞれの液溜部17の底面と各スリット部材における各スリットの端部との位置関係により決定される。以下その機構を説明する。
図9(a)はスリット部12を拡大したものである。スリット19aの形状を示すp−p’断面が同図の(b)であり、スリット19bの形状を示すq−q’断面が同図の(c)である。(b)および(c)に示すように各スリットの稜線21はスリット部材の厚み方向に対して傾斜を有する。
図10では、フィードブロックのうち、樹脂A供給部11,スリット部12,樹脂B供給部13を示している。そして、樹脂A供給部11,樹脂B供給部13それぞれにおける液溜部の底面26および28の高さは、スリット部に存在する稜線25の上端部24と下端部23との間の高さに位置する。このことにより、前記稜線25が高い側からは液溜部17より樹脂が導入されるが(図10中、矢印27)、前記稜線25が低い側からはスリットが封鎖された状態となり樹脂は導入されない。
図示していないが、図10で注目したスリットに隣接したスリットでは、スリットの稜線が図10とは逆の角度に配置されており、樹脂A供給部21からはスリット部12へ導入される。かくして各スリットごとに樹脂Aまたは樹脂Bが選択的に導入されるので、樹脂Bをクラッド形成材料とし、樹脂Aをコア形成材料および/またはコア間隔調整部とすると、複数のコアとクラッド壁が配列した構造を有する樹脂の流れがスリット部12中に形成され、当該部材15の下方の流出口18より流出することとなる。すなわち、図1中のコア3、コア間隔調整部4、クラッド壁2が配列した構造の元が形成される。
このようなフィードブロックを用いると、コアの個数はスリットの個数で容易に調整できる。また、コア径はスリットの形状(長さ、間隙)、流体の流量、幅方向の圧縮度合いにて容易に調整可能である。一方、コアの形状については、基本的には角型となるものであるが、樹脂Aと樹脂Bの粘度差を調整することにより、角型形状が流動過程で変形し、楕円となったり、円としたりすることが可能である。なお、好ましいスリットの個数としては、ひとつのスリット部に5個以上3000個以下である。5個より少ないと、コアの数が少なすぎるために、効率が悪い。一方、3000個より多いと、流量むらの制御が困難となり、コア径の精度が不足するため、光の接続が困難となる。より好ましくは、50個以上1000個以下である。この範囲では、コア径を高精度に制御しつつ、非常に効率よい多チャンネルの光導波路を提供することが可能となる。なお、200個以上のコアを有する場合には、別個に2個以上のスリット部を有するフィードブロックを用いることが好ましい。これは、1つのスリット部のなかに400個以上(コアとして200個以上)スリットが存在すると、各スリットの流量を均一にすることが困難となるためである。
かくして得られた樹脂Aと樹脂Bの配列構造を有する流体は、図11に示すダイにて、少なくとも片面にクラッド層を形成し、本発明の態様を有する構造体を形成する。図11は、本発明に使用するダイの一例を示した断面図である。図11のダイでは、3個の流入口を有し、樹脂Bが流入口29から流入する。なお、この樹脂Bは、上記フィードブロックの供給手段とは別の手段にて、供給される方が好ましい。また、上記フィードブロックにて形成した樹脂Aと樹脂Bが積層された樹脂流れは、流入口30から流入する。これらは、合流部32にて合流・積層され、樹脂Aと樹脂Bが幅方向に積層された樹脂流れの表面に樹脂Bの層が形成されることとなり、ダイ吐出口31から吐出されることとなる。
ここで、本発明のダイは、2個以上の流入口を有するダイであって、流入口から合流部に至るまでの流路において、拡幅比が2以上100以下である流路Bと、拡幅比が0.5以上1.5以下である流路Aとを少なくとも有していなければならない。本発明で言う拡幅比とは、ダイ吐出幅を各流路径(幅方向)の最小値で除したものと定義される。各流路径は、流路の形状が円形である場合は直径のことを言い、楕円や矩形の場合は、流路の幅長さのことを言う。この拡幅比について図12を用いて説明する。
図12(a)は図11のr−r’の断面図であり、樹脂Bの流路の幅方向−流れ方向の流路形状の一部を示しており、流路Bに相当する。図12(b)は図11のs−s’の断面図であり、フィードブロックにて形成された樹脂Aと樹脂Bが幅方向に積層された樹脂流れの流路形状を示しており、流路Aに相当する。図12(a)では、流入口からの流れは、ダイ吐出幅に合わせて拡幅されているのに対し、図12(b)はほとんど拡幅または圧縮されていない。本発明の特徴であるコア径の高い位置精度およびコア径の高い寸法精度を得るためには、コアとクラッド壁に対応する幅方向に積層された樹脂流れをダイ内で極力拡幅ないし圧縮しないことが重要であり、流路Aの拡幅比が0.5以上1.5以下であることが必要である。より好ましくは、0.8以上1.2以下である。この場合、さらに高い精度を得られやすくなる。また、流路Bについては、拡幅比2以上100以下でなければならない。この場合、表層のクラッド層の厚みを均一にすることが容易である。より好ましくは、拡幅比が2以上35以下である。この場合、さらにコア径の寸法精度および位置精度の高いものとなる。
また、ダイと同様に、フィードブロックの拡幅比についても、0.1以上10以下であることが好ましい。フィードブロックの拡幅比は、フィードブロック内の流路でもっとも幅方向の長さが長い箇所の幅方向の長さを、フィードブロック流出口の幅方向の長さで除して求められる。図15を用いて説明すると、スリット板の両壁面の幅40をフィードブロック出口の幅39で割った値のことである。フィードブロックでの拡幅比が0.1未満であったり、10よりも大きい場合には、スリット形状の調整だけではコア径の最適化することがむずかしいため、好ましくなくなるものである。より好ましくは、0.5以上7以下である。この場合、スリット形状の調整にて、コア径の寸法精度がより高くなるものである。上記フィードブロックとダイを用いることにより、ダイから吐出されたシートは、図1に示すような本願の好ましい態様である光導波路フィルムの構造を有するものとなる。
さらに、コア径の寸法精度および位置精度の高い光導波路フィルムを達成する方法としては、図13に示されるように、上記フィードブロック15にて形成した樹脂Aと樹脂Bが幅方向に積層された樹脂流れが、ダイではなく複合装置33によって、その表面に樹脂Bのクラッド層1が形成されることが好ましい。積層された樹脂流れは、ダイまでにコア形状が変形する可能性があるため、出来るだけ早い段階で、この複合装置33によるクラッド層1となる樹脂Bを表面に被覆することが好ましい。この樹脂Bは、第3の押出機から流入されても良く、あるいは、1つの押出機から分岐によりクラッド層1とクラッド壁2に分配されたクラッド層側の流入でも良い。
ここでの複合装置とは、フィルム厚み方向に複合積層の役割を果たす公知のピノールのことである。また、このピノールは、2種3層複合(α/β/α構造)タイプのものを用いる。この複合装置によって、厚み方向に熱脂B/フィルム幅方向の積層体/樹脂Bと順に積層されたポリマ流が、通常のシングルダイ34内部に送られ、拡幅されて、シート状に押出される。より好ましくは、拡幅されないこである。
さらに、本発明の光導波路フィルムのコアの断面積のバラツキを低減する好ましい積層方法の態様を説明する。コア断面積の断面積のバラツキを低減させる方法としては、スリット長さを微調整することが好ましい。一例として図14に図示したように、スリット板の中央部からスリット板の壁面付近に向かうにつれて、スリット長を徐々に短くすることにより、断面積が均一なコアを得ている。中央部スリット:35の先端と端部スリット:36の先端がなす角度:37は3°以上が好ましい。より好ましくは5°以上である。スリット数が偶数の場合は、中央に位置する二つのスリットと、そのスリットに対応する再壁面側にあるスリットとのなす角度とする。熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bの粘度により角度の最適値は変化するが、5°以上の傾斜があると、おおよその樹脂に対して断面積が均一なコアを得ることができる。また、このスリット長の傾斜は直線的でなくてもよく、例えば複数段傾斜構造やあるいは曲線傾斜構造であってもよい。複数段傾斜構造とは傾斜角度が変化する点が存在するような構造である。また、曲線傾斜構造とはスリット長の傾斜が曲線を描く構造であり、例えば2次関数的にスリット長が変化する構造である。また、スリット細孔部の間隙を徐々に大きくすることでも同様な効果を奏することが、式(16)からも理解できる。スリット長を調整する位置は、必要な箇所だけを行うことが好ましい。
また、フィードブロック15内での熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bの温度ムラより生じる積層乱れを低減するために、液溜部12に接続する各短管内にスタティックミキサーを入れるのが好ましい。スタティックミキサーを入れることにより、熱可塑性樹脂の加温度ラは解消され、高精度な幅方向積層が可能となる。
さらに、本発明の光導波路フィルムを製造する際に、図15に示すようにフィードブロック15とマルチマニホールドダイ38の間に短管を入れずに直接連結することが好ましい。直接連結することで、ポリマ合流部からポリマ吐出口部までの距離が短くなるため、コア形状の乱れを防ぐことができる。コア形状の乱れを防ぐためには、ポリマ流入部からダイ吐出口までの距離43を、最も長いスリットのスリット長42で除した値が20以下であることが好ましい。20以上であると、ポリマが流路を通過する時間が長くなるため、積層乱れが生じやすくなり、コア形状が乱れる。より好ましくは、10以下である。
その後、キャスティングドラムなどにより、冷却固化されることによって、コアが長手方向に延在し、フィルム幅方向にコアが3個以上配列した光導波路フィルムが得られる。なお、積層装置内のポリマ流路の断面形状は、均一な幅方向積層とする観点から、角型が好ましく、特にアスペクト比(流路断面のシート幅方向の長さ/厚み方向の長さ)が4以上であることが好ましい。より好ましくは、15以上である。また、得られるフィルムの平面性を保つために、冷却固化の際は、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させる静電印加法を用いることが好ましい。静電印加法とは、タングステンなどのワイヤーに3〜10kV程度の電圧をかけることにより、電界を発生させて、溶融状態のシートをキャスティングドラムに静電密着させて、冷却固化されたシート得る方法のことである。その他、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させる方法、公知の表面粗さが0.4〜0.2SレベルのHCrメッキのタッチロールなどにより、カレンダリングキャストしても良い。
かくして得られた吐出シートは、キャスティングドラムやカレンダリングロール等にて、冷却固化される。ダイからの吐出の際、ネックダウン現象によって、コア間隔が変動することがあるため、ダイリップ端部にエッジガイドを設けることが好ましい。エッジガイドとは、ダイから吐出された樹脂フィルムの端部を拘束するべく、ダイリップと冷却体間に設けられたものであり、エッジガイドと樹脂がわずかに接触することにより、表面張力にてネックダウンを抑制できる。こうすることにより、ダイから吐出された樹脂フィルムは、吐出量と引き取り速度の関係によって、厚み方向に薄膜化されるものの、幅方向寸法は変化しなくなるため、コアの幅方向精度が向上する。得られた光導波路フィルムは、必要に応じて延伸等を行い、ワインダーにて巻きとられる。
本発明の光導波路フィルムは、フィルム長手方向−厚み方向断面にて切断されて用いられることが好ましい。図16に光導波フィルムが切断される箇所:44の例を示す。図16に示すように、切断箇所は、コアでなければ、コア間隔調整部上であっても、クラッド壁上であっても良い。このように切断することにより、例えば、フィルム端部の不必要用な部分を取り除いたり、フィルム幅方向に光導波路フィルムを分割した製品を得ることができる。また、切断方法は、金属、セラミックやダイモンドなどのブレードによる切断であっても、レーザーなどを用いた切断であっても良い。レーザーとしては、例えば、YAG、He−Ne、炭酸ガスレーザ、フェムト秒レーザー、エキシマレーザーなどのことである。
また、本発明の光導波路フィルムに用いる光の波長は可視〜近赤外光線領域(400nm〜1550nm)であることが好ましい。特に1200nm以下であることが好ましい。通常、長距離光通信に用いられる波長は、1.55μm、1.31μmなどの近赤外領域であるが、本発明では熱可塑性樹脂を用いているため、一般的に、前記した近赤外線領域に光吸収端をもつことが多い。そのため、光吸収が小さく、かつ伝送容量が多い特徴を有する波長600〜1100nmが好ましく、特に850nmや650nmの光を用いることが本発明の光導波路フィルムには好適である。
また、本発明の光導波路フィルムは、光を導光させる光導波路であるため光損失が低いことが重要である。光損失が低いことにより、遠方まで正確な光情報を伝達することができる。そのため、好ましくは、1dB/cm以下である。より好ましくは、0.1dB/cm以下である。さらに好ましくは、0.05dB/cm以下である。光散乱、吸収損失が少ない熱可塑性樹脂、および対称性の良いコア形状、コアサイズにより達成することができる。
本発明の光導波路フィルムを用いた光モジュールとしては、光I/Oが内蔵されたシステムのことである。なお、光モジュールとは、一般に光と電気を相互に変換する電子部品のことである。例えば、光を送信する側である面発光型半導体レーザー(VCSEL)− ポリマ光導波路である光導波路フィルム − 光を受信するフォトダイオードの基本構成を有したシステムのことである。より具体的には、例えば、本構成が、光・磁気カード、装置間接続の光バックプレーン、メモリ−CPU間、スイッチLSIのパッケージに搭載されたシステムのことである。
本発明の光導波路フィルムの用途は、ディスプレイ部材、太陽電池部材、装飾部材、照明部材、情報通信部材などの用途に用いることができる。光導波路フィルムは、フィルム面直方向から光を照射すると、コア間隔に依存して異方拡散や回折現象などが発生するため、光が特定方向へ広がる。そのため、ディスプレイ部材である異方拡散板や視野角制御フィルム、さらには偏光フィルムなどとして利用することもできる。さらに、本発明の光導波路フィルム表面にエンボス加工、高濃度粒子のコーティングなどをさらに加えることにより、より前記効果を奏する。また、レンズなどと組み合わせることにより、光を効率的に導波路内に採光できるため、光電変換を必要とする太陽電池部材として用いることもできる。例えば、コアとフレネルレンズを接合させ、太陽光を採取し、太陽電池セルまで光を光導波路フィルムで導くことができる。導波させる光源の色を赤、青、黄、緑色とすることで、意匠用途としても用いることができる。また、ハロゲンランプ、白色LED、太陽光などの光を採光し、目的の位置まで光導波路フィルムで導波させて、照射することにより、照明部材として用いることもできる。特に、本発明の光導波路フィルムは、装置間通信や装置内通信などの短〜中・長距離用の光導波路に好適に用いることができる。
ゆえに、本発明の光導波路フィルムは、照明装置、通信装置、表示装置に用いられることが好ましい。また、コネクタ付きライトガイドに用いられることも好ましい。コネクタ規格としては、プラスチックのマルチコアタイプの汎用性の観点から、MTコネクタ、MPOコネクタ、MPXコネクタ、PMTコネクタなどを用いることが好ましい。
その他、本発明の光導波路フィルムは、イメージガイド、光センサシンシング部材として用いることができる。また、その光源としては、LDやLEDでも良い。
本発明に使用した物性値の評価法を記載する。
(物性値の評価法)
(1)内部形状
フィルムの内部形状は、ミクロトームを用いて断面(幅方向−厚み方向断面)を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡 JSM−6700F(日本電子(株)製)を用い、フィルムの厚み方向−幅方向断面を拡大観察し、断面写真を撮影し、コア数、クラッド壁数、コア間隔調整部数、コア径およびクラッド層の厚みを測定した。なお、撮影倍率は、コア径やクラッド径の大きさにあわせて、精度良く測定ができるように適宜調整を行った。
(2)コア径のムラ
フィルム幅方向中央部3cm幅におけるコア径全てを測定し、式(12)、式(13)に従い、コア径のムラR(%)を求めた。
(3)屈折率
樹脂の屈折率は、JIS K7142(1996)A法に従って測定した。なお、本発明における樹脂の屈折率は、樹脂フィルムを構成する各樹脂単体について測定した。この値を用いて、NA値を算出した。
(4)損失差
25℃、65%RHの環境下で、JIS C6823(1999)カットバック法(IEC60793−C1A)に準じて行った。光源には、波長850nmのLEDを用いた。中央部に位置するコアの損失と両端部に位置するコアの損失を測定し、損失の最大値と損失の最小値の差を、損失差(dB/m)とした。損失差が0.5dB/m未満の場合は◎、損失差が0.5dB/m以上1dB/m未満の場合は○、損失差が1dB/m以上3dB/m未満の場合は△、損失差が3dB/m以上の場合は×とした。
(5)コア間隔のムラ、コアの断面積、コア/クラッドの面積比率の評価方法
カッターもしくはミクロトームを用いて断面(幅方向−厚み方向断面)を切り出したサンプルについて、光学顕微鏡により、その断面を観察した。観察倍率は、20倍〜700倍程度で観察し、その画像をパソコン内部へ取り込んだ。次に、画像処理ソフト Image-Pro Plus ver.4(販売元 プラネトロン(株))を用いて、このファイルを開き、必要であれば、画像処理を行った。画像処理は、コアの形状を鮮明にするために行うものであり、例えば、ソフト付属の2値化およびローパスフィルタ処理などを行った。
続いて、画像解析にて、平行シックプロファイルモードで、フィルム厚み方向の2本の平行ライン間に全てのコアが挟まれるように配置し、位置とライン間の平均明るさとの関係を、数値データとして読み取った。表計算ソフト(Excel2000)を用いて、位置(μm)と明るさのデータに対してサンプリングステップ6(間引き6)でデータ採用した後に、3点移動平均の数値処理を施した。さらに、この得られた明るさが変化するデータを微分し、VBAプログラムにより、その微分曲線の極大値と極小値を読み込み、コアの両端部に位置する極値2つの中点をコア中心位置として全てについて算出した。次いで、隣り合うこれらの間隔を図4に示したコア間隔5として算出した。この操作を光導波路フィルムのフィルム厚み方向−幅方向断面すべての写真について行い、コア間隔のムラを求めた。
コア間隔のムラ(Vl)は、下記の式のように定義する。
Vl=(Lmax−Lmin)/Lc×100(%) 式(15)
Vl:コア間隔のムラ
Lmax:最大コア間隔
Lmin:最小コア間隔
Lc:中央部に位置するコアとその隣接するコアとのコア間隔
ここで、コア数が奇数の場合、Lcは中央部に位置するコアに隣接する2つのコアの平均値をとる。偶数の場合は、中央に位置する二つのコアの中心間の距離とする。なお、コア間隔のムラは、光導波路フィルムの両端部10mmをトリミングしたサンプルを測定サンプルとした。
コアの断面積の求め方は、得られたフィルム幅方向断面写真全てについて、上記同様に2値化などの画像処理によりコアとクラッドを区別し、コアの面積を求める。すわなち、Count/Sizeダイアログボックスの測定メニューから、測定項目のうち、“Area(面積)”を選択し、Countボタンを押し、自動測定を行った。こうして全てのコアに関して断面積を求め、式(5)を満たすコアが連続的に並んでいる個数の最大値を求めた。
10mm以上のコア間隔調整部のフィルム幅方向長さは、前記データ処理の過程において、10mm以上のコア間隔調整部の両端部に位置する微分曲線の極値2つから求めた。また、両端部のみに存在する場合は、その両端部の平均値を採用した。
一方、コア/クラッドの面積比率は、得られたフィルム幅方向断面写真全てについて、写真全体がコア、コア間隔調整部とクラッドから構成された写真になるように、上記と同じ画像処理ソフト用いて、切り取る。次いで、上記同様に、2値化などの画像処理によりコアとクラッドを区別し、それぞれの面積を求める。すわなち、Count/Sizeダイアログボックスの測定メニューから、測定項目のうち、“Area(面積)”を選択し、Countボタンを押し、自動測定を行った。得られたコア、コア間隔調整部の面積の総和とクラッドの面積の総和から、(コア+コア間隔調整部)/クラッドの面積比率を算出し、コア/クラッドの面積比率とした。
(6)長手方向のコアの断面積のムラ評価方法
フィルム長手方向に10cm間隔で幅方向中央部に位置するコアの断面積を、(物性値の評価法)の(5)の手法を用いて求めた。得られた10点での該コアの断面積の平均値(Savg)を算出した。コア長手方向における断面積のムラ(Sv)を、下記式(17)を用いて算出した。
Sv=(Smax―Smin)/Savg × 100(%) 式(17)
Sv :コアのフィルム長手方向10cmおき10点での断面積の平均値
Smax:10点のコア断面積の最大値
Smin:10点のコア断面積の最小値。
(7)自己支持性の評価
インストロンタイプの引張試験機(オリエンテック(株)製フィルム強伸度自動測定装置“テンシロンAMF/RTA−100”)を用いて、25℃、65%RHの環境下にてJIS−K7127に準拠して引っ張り弾性率を測定した。サンプルは、フィルム幅方向中央部から、幅10mm×試験長50mmとなるように切り出し、フィルム長手方向(MD方向:Machine Direction)のみについて、引張り速度300mm/分の条件で引張り、引っ張り弾性率を求め、以下の基準に従ってフィルムの自己支持性を評価した。なお、n数は5回とし、その平均値を採用した。
○:引っ張り弾性率1.5GPa以上
△:引っ張り弾性率0.5GPa以上1.5GPa未満
×:引っ張り弾性率0.5GPa未満。
(8)ヘイズ
フィルム幅方向の中央部から、長手4.0×幅3.5cmの寸法に切り出したものをサンプルとし、ヘイズメータ(スガ試験機製HGM−2DP(C光用))を用いて光導波路フィルムのヘイズを測定した。
(9)溶融粘度
コアとなる熱可塑性樹脂Aおよびクラッドとなる熱可塑性樹脂Bともに、真空オーブンにて80℃で4時間以上乾燥し、前処理を行った。測定条件は以下の通りである。
装置 :MR-300ソリキッドメータ[レオロジー(株)製]
測定システム :コーン・プレート型
コーン直径 :18mm
コーン角度 :1.7deg
ワイヤー直径:1mm
温度 :250℃(実施例19、29〜32のみ280℃の値を採用。)
歪み角度 :0.5deg
角周波数 :0.6s-1(0.1Hz)〜19s-1(3Hz)
測定雰囲気 :窒素気流中
なお、本発明における溶融粘度は、周波数3Hzでの複素粘性率η*値を採用した。複素粘性率は、回転粘度計法による粘度値からCox-Merz経験則に従い求めた。
(10)損失
25℃、65%RHの環境下で、JIS C6823(1999)カットバック法(IEC60793−C1A)に準じて行った。光源には、波長850nmのLED(アドバンテスト製Q81212)を用い、モードスクランブラを介してサンプルに光入力を行った。光ファイバーは、入力側φ50μmのマルチモードファイバ型GI、検出側コア径0.98mmのSIタイプ(NA0.5)を用いた。なお、光の入出力には、調芯器を用いて光軸合わせを行った。また、検出器には、光パワーセンサ(アドバンテスト社Q8221)を用いた。損失の評価基準は、以下の基準で判断し、測定に用いたコアは、フィルム幅方向中央部のコアとした。なお、コア径が980μmを越える場合は、レンズを用いて採光して光検出した。
◎:0.05dB/cm未満
○:0.05dB/cm以上 0.1dB/cm未満
△:0.1dB/cm以上 1dB/cm未満
×:1dB/cm以上。
(11)熱可塑性樹脂Bの融点Tmおよび結晶融解エンタルピーΔHm
示差熱量分析(DSC)を用い、JIS−K−7122(1987年)に従って測定・算出した。溶融押出に用いるチップを、25℃から280℃まで10℃/minで昇温した。このとき、結晶融解時のピークトップを融点とし、ベースラインからの積分値を結晶融解エンタルピーとした。得られた結果を表3に示す。
装置:セイコー電子工業(株)製”ロボットDSC−RDC220”
データ解析”ディスクセッションSSC/5200”
サンプル質量:5mg。
(12)熱収縮率
サンプル 長手方向150mm×幅方向10mmを準備し、この際、サンプル片の長軸が測定対象となるフィルム長手方向と一致するようにした。このサンプル片を、23℃、60%RHの雰囲気に30分間放置し、その雰囲気下で、フィルム長手方向に約100mmの間隔で2つの印をつけ、Nikon社製万能投影機(Model V−16A)を用いて、その印の間隔を測定し、その値をAとした。次に、サンプルを、張力フリーの状態で100℃の雰囲気中で24時間放置し、次いで、23℃・60%RHの雰囲気中で1時間冷却、調湿後、先につけた印の間隔を測定し、これをBとした。このとき、下記式(18)より、熱収縮率を求めた。なお、n数は3とし、その平均値を採用した。
熱収縮率(%)=100×(A−B)/A 式(18)。
(実施例1)
以下の樹脂A、樹脂Bを用意した。(熱可塑性樹脂A、B、共に無粒子)
樹脂A:ポリメチルメタクリレート(PMMA)
住友化学製 スミペックスタイプ MGSS
樹脂B:エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(変性ETFE)
ダイキン工業製 ネオフロン EFEP タイプ RP−4020
次に、ベント式押出機1に樹脂Aを、ベント式押出機2に樹脂Bを供給し、それぞれの押出機にて240℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、図8のごときフィードブロックに樹脂Aと樹脂Bを流入させた。フィードブロックにて、樹脂Aが両外側になるように樹脂Aと樹脂Bを交互に幅方向に積層せしめ、該積層流を図11のごときダイの中央流入部からダイ流路2(図11の流入口30に相当)に導いた。また、押出機3に、樹脂Bを供給し、240℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、ダイの両表面側の流入部からダイ流路1およびダイ流路3に樹脂Bを導いた。フィードブロックおよびダイの設計値を表1に示す。
ダイから吐出されたシートは、エッジガイドにて端部を拘束されながら、カレンダリングロール上に押し出され、急冷固化した。さらに得られた光導波路フィルムは、ワインダーにて最終フィルム幅が50mmになるようにトリミングした後、巻き取りを行った。得られたフィルムは、樹脂Aがコアとなっていた。表2−1に、得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。
(実施例2〜実施例10)
フィードブロックの形状およびダイ形状を、表1−1のように変更した以外は、実施例1と同様の条件で製膜した。得られた光導波路フィルムの構造と性能を表2−1に示す。
(比較例1)
フィードブロックの形状およびダイ形状を、表1のように変更した以外は、実施例1と同様の条件で製膜した。得られた光導波路フィルムの構造と性能を表2−1に示す。
(比較例2)
フィードブロック内部にて両表層にクラッド層を形成し、流入口が1個のダイを用い、表1のように各装置の形状を変更した以外は、実施例1と同様の条件で製膜した。得られた光導波路フィルムの構造と性能を表2−1に示す。
(実施例11)
以下の樹脂A、樹脂Bを用意した。(樹脂A、B、共に無粒子)
樹脂A:ポリメチルメタクリレート(PMMA)
三菱レイヨン製 アクリペット タイプ VH001
樹脂B:エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(変性ETFE)
ダイキン工業製 ネオフロン EFEP タイプ RP−4020
次に、L/D=26の単軸の押出機1に樹脂Aを、押出機2に樹脂Bを供給し、それぞれの押出機にて240℃の溶融状態とし、濾過精度10μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギヤポンプにて吐出比が樹脂A/樹脂B=3.3/1となるように計量した後に、図8のごときフィードブロックに樹脂Aと樹脂Bを流入させた。フィードブロックにて、樹脂Aが両外側になるように樹脂Aと樹脂Bを交互に幅方向に積層せしめ、該積層流を図13のごとき2種3層複合装置33(ピノール)の中央流入部へ導いた。両端部に位置する2つのコア間隔調整部は、樹脂Aとした。また、単軸押出機3に、樹脂Bを供給し、240℃の溶融状態とし、フィルタを介した後、ギヤポンプを用いて、該積層流との吐出比が10/1となるようにフィードブロック下の図13に示すがごとく、2種3層複合ピノール(樹脂B/積層流/樹脂B=1/20/1)にて合流させて、厚み方向上下が、クラッド層となるように樹脂Bを導いた。フィードブロックおよびダイの設計値を表1−2に示す。さらに、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。コアは、直線的にフィルム幅方向に整列しており、フィルム長手方向に数m以上も続くものであった。表2−2に得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。
(実施例12)
以下の樹脂A、樹脂Bを用意した。(樹脂A、B、共に無粒子)
樹脂A:ポリメチルメタクリレート(PMMA)
三菱レイヨン製 アクリペット タイプ VH001
樹脂B:エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(変性ETFE)
ダイキン工業製 ネオフロン EFEP RP−4020
次に、単軸の押出機1に樹脂Aを、押出機2に樹脂Bを供給し、それぞれの押出機にて240℃の溶融状態とし、濾過精度20μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギヤポンプにて吐出比が樹脂A/樹脂B=6/1となるように計量した後に、図8のごときフィードブロックに樹脂Aと樹脂Bを流入させた。フィードブロックにて、樹脂Aが両外側になるように樹脂Aと樹脂Bを交互に幅方向に積層せしめ、該積層流を図13のごとき2種3層複合装置33(ピノール)の中央流入部へ導いた。両端部に位置する2つのコア間隔調整部は、樹脂Aとした。また、単軸押出機3に、樹脂Bを供給し、240℃の溶融状態とし、フィルタを介した後、ギヤポンプを用いて、該積層流との吐出比が7/1となるようにフィードブロック下の図13に示すがごとく、2種3層複合ピノール(樹脂B/積層流/樹脂B=1/14/1)にて合流させて、厚み方向上下が、クラッド層となるように樹脂Bを導いた。フィードブロックおよびダイの設計値を表1−2に示す。さらに、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。フィルムのコア間隔調整部の数は、77個であり、両端部を除くコア間隔調整部のフィルム幅方向長さの平均は、1.5mm程度であった。コアは、直線的にフィルム幅方向に整列しており、フィルム長手方向に数m以上も続くものであった。表2−2に、得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。
(実施例13)
実施例11の樹脂Aをスチレン共重合ポリメチルメタクリレート(電気化学工業製 タイプTX400L)に変更し、それ以外は、実施例11と同様にして、光導波路フィルムを得た。コアは、直線的にフィルム幅方向に整列しており、フィルム長手方向に数m以上も続くものであった。フィードブロックおよびダイの設計値を表1−2に示す。表2−2に、得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。
(実施例14)
実施例12の樹脂Aをスチレン共重合ポリメチルメタクリレート(電気化学工業製 タイプTX400L。)に変更し、それ以外は、実施例12と同様にして、光導波路フィルムを得た。フィードブロックおよびダイの設計値を表1−2に示す。表2−2に得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。
(実施例15)
実施例11の樹脂Aをポリメチルメタクリレート(住友化学製 タイプMGSS)に変更し、樹脂Bの組成がテトラフルオロエチレン20mol%、フッ化ビニリデン80mol%の四フッ化エチレン・エチレン共重合体に変更した。また、フィルタの濾過精度を5μmとする以外は、実施例11と同様にして、光導波路フィルムを得た。コアは、直線的にフィルム幅方向に整列しており、フィルム長手方向に数m以上も続くものであった。フィードブロックおよびダイの設計値を表1−2に示す。表2−2に得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。さらに、得られたフィルム端部からそれぞれ、20mmところをダイヤモンドカッターで切り取ることで非常に平面性の良く、光接合しやすい光導波路フィルムが得られた。
(実施例16)
実施例15と同様の樹脂を用いて、実施例12と同様の製造方法にて、光導波路フィルムを得た。コアは、直線的にフィルム幅方向に整列しており、フィルム長手方向に数m以上も続くものであった。フィードブロックおよびダイの設計値を表1−2に示す。表2−2に、得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。コアは直線的にフィルム幅方向に整列しており、フィルム長手方向に数m以上も続くものであった。表2−2に、得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。
(実施例17)
以下の樹脂A、樹脂Bを用意した。(樹脂A、B、共に無粒子)
樹脂A:ポリメチルメタクリレート(PMMA)
住友化学製 スミペックス タイプ LG2
樹脂B:ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
呉羽化学製 KFポリマ タイプT#850
次に、単軸の押出機1に樹脂Aを、押出機2に樹脂Bを供給し、それぞれの押出機にて240℃の溶融状態とし、濾過精度20μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを2枚介した後、ギヤポンプにて吐出比が樹脂A/樹脂B=2.8/1となるように計量した後に、図8のごときフィードブロックに樹脂Aと樹脂Bを流入させた。フィードブロックにて、樹脂Aが両外側になるように樹脂Aと樹脂Bを交互に幅方向に積層せしめ、該積層流を図13のごとき2種3層複合装置33(ピノール)の中央流入部へ導いた。両端部に位置する2つのコア間隔調整部は、樹脂Aとした。また、単軸押出機3に、樹脂Bを供給し、240℃の溶融状態とし、フィルタを介した後、ギヤポンプを用いて、該積層流との吐出比が3.6/1となるようにフィードブロック下の図13に示すがごとく、2種3層複合ピノール(樹脂B/積層流/樹脂B=1/7.2/1)にて合流させて、厚み方向上下が、クラッド層となるように樹脂Bを導いた。フィードブロックおよびダイの設計値を表1−2に示す。さらに、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。コアは、直線的にフィルム幅方向に整列しており、フィルム長手方向に数m以上も続くものであった。表2−2に、得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。但し、若干フローマーク的な表層の乱れも確認された。
(実施例18)
以下の樹脂A、樹脂Bを用意した。(樹脂A、B、共に無粒子)
樹脂A:ポリメチルメタクリレート(PMMA)
三菱レイヨン製 アクリペット タイプ MD
樹脂B:四フッ化エチレン・エチレン共重合体
旭硝子製 タイプ LM−730−AP
次に、単軸の押出機1に樹脂Aを、押出機2に樹脂Bを供給し、それぞれの押出機にて240℃の溶融状態とし、濾過精度100μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを2枚介した後、ギヤポンプにて吐出比が樹脂A組成物/樹脂B組成物=0.76/1となるように計量した後に、図8のごときフィードブロックに樹脂Aと樹脂Bを流入させた。フィードブロックにて、樹脂Aが両外側になるように樹脂Aと樹脂Bを交互に幅方向に積層せしめ、該積層流を図13のごとき2種3層複合装置33(ピノール)の中央流入部へ導いた。両端部に位置する2つのコア間隔調整部は、樹脂Aとした。また、単軸押出機3に、樹脂Bを供給し、240℃の溶融状態とし、フィルタを介した後、ギヤポンプを用いて、該積層流との吐出比が4.25/1となるようにフィードブロック下の図13に示すがごとく、2種3層複合ピノール(樹脂B/積層流/樹脂B=1/8.5/1)にて合流させて、厚み方向上下が、クラッド層となるように樹脂Bを導いた。フィードブロックおよびダイの設計値を表1−2に示す。さらに、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。コアは、直線的にフィルム幅方向に整列しており、フィルム長手方向に数m以上も続くものであった。表2−2に、得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。また、採取した光導波路フィルムのコア間隔調整部のフィルム幅方向長さは、両端部以外は、300μm程度であった。但し、若干フローマーク的な表層の乱れも確認された。
(実施例19)
実施例18の樹脂Aをポリエチレンナフタレート、樹脂Bをポリエチレンテレフタレートに変更し、それ以外は、実施例18と同様にして、光導波路フィルムを得た。
コアは、直線的にフィルム幅方向に整列しており、フィルム長手方向に数m以上も続くものであった。フィードブロックおよびダイの設計値を表1−2に示す。表2−2に、得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。コアは、直線的にフィルム幅方向に整列しており、フィルム長手方向に数m以上も続くものであった。表2−2に、得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。
(実施例20)
以下の樹脂A、樹脂Bを用意した。(樹脂A、B、共に無粒子)
樹脂A:ポリメチルメタクリレート(PMMA)
住友化学製 スミペックス タイプ MH
樹脂B:ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
呉羽化学製 KFポリマ タイプT#850
次に、単軸の押出機1に樹脂Aを、押出機2に樹脂Bを供給し、それぞれの押出機にて265℃の溶融状態とし、濾過精度20μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを2枚介した後、ギヤポンプにて吐出比が樹脂A/樹脂B=0.32/1となるように計量した後に、図8のごときフィードブロックに樹脂Aと樹脂Bを流入させた。フィードブロックにて、樹脂Aが両外側になるように樹脂Aと樹脂Bを交互に幅方向に積層せしめ、該積層流を図13のごとき2種3層複合装置33(ピノール)の中央流入部へ導いた。両端部に位置する2つのコア間隔調整部は、樹脂Aとした。また、単軸押出機3に、樹脂Bを供給し、240℃の溶融状態とし、フィルタを介した後、ギヤポンプを用いて、該積層流との吐出比が10/1となるようにフィードブロック下の図13に示すがごとく、2種3層複合ピノール(樹脂B/積層流/樹脂B=1/20/1)にて合流させて、厚み方向上下が、クラッド層となるように樹脂Bを導いた。フィードブロックおよびダイの設計値を表1−2に示す。さらに、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。採取した光導波路フィルムのコアは、フィルム幅方向両端部では酷く変形しており、また、腰が弱いため光接続するには難しいものであった。但し、中央部幅5cm内では、特に光学性能のバラツキは、問題ないものであった。表2−2に、得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。
(実施例21)
以下の樹脂A、樹脂Bを用意した。(樹脂A、B、共に無粒子)
樹脂A:ポリメチルメタクリレート(PMMA)とポリフッ化ビニリデン(PVDF)のアロイ(重量分率4:1)
なお、PMMA 住友化学製 スミペックス タイプ MH
PVDF 呉羽化学製 KFポリマ タイプT#850
樹脂B:ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
呉羽化学製 KFポリマ タイプT#850
次に、単軸の押出機1に樹脂Aを、押出機2に樹脂Bを供給し、それぞれの押出機にて265℃の溶融状態とし、濾過精度20μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを2枚介した後、ギヤポンプにて吐出比が樹脂A/樹脂B=0.125/1となるように計量した後に、図8のごときフィードブロックに樹脂Aと樹脂Bを流入させた。フィードブロックにて、樹脂Aが両外側になるように樹脂Aと樹脂Bを交互に幅方向に積層せしめ、該積層流を図13のごとき2種3層複合装置33(ピノール)の中央流入部へ導いた。両端部に位置する2つのコア間隔調整部は、樹脂Aとした。また、単軸押出機3に、樹脂Bを供給し、240℃の溶融状態とし、フィルタを介した後、ギヤポンプを用いて、該積層流との吐出比が5/1となるようにフィードブロック下の図13に示すがごとく、2種3層複合ピノール(樹脂B/積層流/樹脂B=1/10/1)にて合流させて、厚み方向上下が、クラッド層となるように樹脂Bを導いた。フィードブロックおよびダイの設計値を表1−2に示す。さらに、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。採取した光導波路フィルムのコアは、フィルム幅方向両端部では酷く変形しており、また、フィルム表面にはフローマークも見られ、腰が弱いため光接続するには難しいものであった。但し、中央部幅5cm内では、特に光学性能のバラツキは、問題ないものであった。表2−2に、得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。
(実施例22)
以下の樹脂A、樹脂Bを用意した。(樹脂A、B、共に無粒子)
樹脂A:ポリメチルメタクリレート(PMMA)
住友化学製 スミペックス タイプ MH
樹脂B:ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
呉羽化学製 KFポリマ タイプ T10
次に、単軸の押出機1に樹脂Aを、押出機2に樹脂Bを供給し、それぞれの押出機にて265℃の溶融状態とし、濾過精度5μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギヤポンプにて吐出比が樹脂A/樹脂B=3.3/1となるように計量した後に、図8のごときフィードブロックに樹脂Aと樹脂Bを流入させた。フィードブロックにて、樹脂Aが両外側になるように樹脂Aと樹脂Bを交互に幅方向に積層せしめ、該積層流を図11のごときダイの中央流入部からダイ流路2に導いた。また、押出機3に、樹脂Bを供給し、240℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、ダイの両表面側の流入部からダイ流路1およびダイ流路3に樹脂Bを導いた。この際、ダイ流量2/(ダイ流量1+ダイ流量3)の比が10/1となるように吐出量を決定した。図15のごときフィードブロックおよびダイの設計値を表1−3に示す。さらに、Tダイに供給し、ドラフト比2でシート状に成形した後、ワイヤーで9kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。採取した光導波路フィルムのコアは、フィルム幅方向に直線的に整列しており、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。光学性能のバラツキに優れた光導波路フィルムであった。表2−3に、得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。
(実施例23)
実施例22の樹脂Aをスチレン共重ポリメチルメタクリレート(電気化学工業製 タイプTX800LF)に変更し、フィードブロックのスリット傾斜角度を4°のものを使用し、それ以外は、実施例22と同様にして、光導波路フィルムを得た。フィードブロックおよびダイの設計値を表1−3に示す。採取した光導波路フィルムのコアは、フィルム幅方向に直線的に整列しており、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。光学性能のバラツキに優れた光導波路フィルムであった。表2−3に、得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。
(実施例24)
実施例22の樹脂Aをポリメチルメタクリレート(三菱レイヨン製 タイプMD)に変更し、また、押出温度を共に240℃へ変更し、フィードブロックおよびダイの設計値を変更した。それ以外は、実施例22と同様にして、光導波路フィルムを得た。フィードブロックおよびダイの設計値を表1−3に示す。採取した光導波路フィルムのコアは、フィルム幅方向に直線的に整列しており、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。光学性能のバラツキに優れた光導波路フィルムであった。表2−3に、得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。
(実施例25)
以下の樹脂A、樹脂Bを用意した。(樹脂A、B、共に無粒子)
樹脂A:ポリメチルメタクリレート(PMMA)
住友化学製 スミペックス タイプ MH
樹脂B:四フッ化エチレン・エチレン共重合
旭硝子製 タイプLM−730−AP
次に、単軸の押出機1に樹脂Aを、押出機2に樹脂Bを供給し、それぞれの押出機にて265℃の溶融状態とし、濾過精度20μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギヤポンプにて吐出比が樹脂A/樹脂B=3.3/1となるように計量した後に、図8のごときフィードブロックに樹脂Aと樹脂Bを流入させた。フィードブロックにて、樹脂Aが両外側になるように樹脂Aと樹脂Bを交互に幅方向に積層せしめ、該積層流を図11のごときダイの中央流入部からダイ流路2に導いた。また、押出機3に、樹脂Bを供給し、240℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、ダイの両表面側の流入部からダイ流路1およびダイ流路3に樹脂Bを導いた。この際、ダイ流量2/(ダイ流量1+ダイ流量3)の比が7/1となるように吐出量を決定した。フィードブロックおよびダイの設計値を表1−3に示す。さらに、Tダイに供給し、ドラフト比10でシート状に成形した後、ワイヤーで9kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。採取した光導波路フィルムのコアは、フィルム幅方向に直線的に整列しており、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。光学性能のバラツキに優れた光導波路フィルムであった。表2−3に、得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。
(実施例26)
実施例25の樹脂Bを四フッ化エチレン・エチレン共重合(ダイキン工業製 ネオフロン EFEP RP−4020)に変更し、フィードブロックおよびダイの設計値を変更した。それ以外は、実施例25と同様にして、光導波路フィルムを得た。採取した光導波路フィルムのコアは、フィルム幅方向に直線的に整列しており、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。光学性能のバラツキに優れた光導波路フィルムであった。表2−3に、得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。
(比較例3)
以下の樹脂A、樹脂Bを用意した。(樹脂A、B、共に無粒子)
樹脂A:ポリメチルメタクリレート(PMMA)
住友化学製 スミペックス タイプ LG2
樹脂B:四フッ化エチレン・エチレン共重合
旭硝子製 タイプLM−730−AP
次に、単軸の押出機1に樹脂Aを、押出機2に樹脂Bを供給し、それぞれの押出機にて265℃の溶融状態とし、濾過精度20μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギヤポンプにて吐出比が樹脂A/樹脂B=0.5/1となるように計量した後に、図8のごときフィードブロックに樹脂Aと樹脂Bを流入させた。フィードブロックにて、樹脂Aが両外側になるように樹脂Aと樹脂Bを交互に幅方向に積層せしめ、該積層流を図11のごときダイの中央流入部からダイ流路2に導いた。また、押出機3に、樹脂Bを供給し、240℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、ダイの両表面側の流入部からダイ流路1およびダイ流路3に樹脂Bを導いた。この際、ダイ流量2/(ダイ流量1+ダイ流量3)の比が10/1となるように吐出量を決定した。フィードブロックおよびダイの設計値を表1−3に示す。さらに、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで9kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。採取した光導波路フィルムのコアは、フィルム幅方向両端部では酷く変形しており、光接続するには難しいものであった。また、コア間隔のムラが大きく、光接続に必要な調芯が困難であった。なお、フィルム幅方向に乱れながら整列しているコア数は51個であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。光学性能のバラツキも大きい光導波路フィルムであった。表2−3に得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。
(実施例27)
以下の樹脂A、樹脂Bを用意した。(樹脂A、B、共に無粒子)
樹脂A:ポリメチルメタクリレート(PMMA)
住友化学製 スミペックス タイプ MH
樹脂B:ポリフッ化ビニリデン(PVDF)
呉羽化学工業 KFポリマー タイプT10
次に、単軸の押出機1に樹脂Aを、押出機2に樹脂Bを供給し、それぞれの押出機にて265℃の溶融状態とし、濾過精度10μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギヤポンプにて吐出比が樹脂A/樹脂B=0.3/1となるように計量した後に、図8のごときフィードブロックに樹脂Aと樹脂Bを流入させた。フィードブロックにて、樹脂Aが両外側になるように樹脂Aと樹脂Bを交互に幅方向に積層せしめ、該積層流を図11のごときダイの中央流入部からダイ流路2に導いた。また、押出機3に、樹脂Bを供給し、240℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、ダイの両表面側の流入部からダイ流路1およびダイ流路3に樹脂Bを導いた。この際、ダイ流量2/(ダイ流量1+ダイ流量3)の比が10/1となるように吐出量を決定した。フィードブロックおよびダイの設計値を表1−3に示す。さらに、Tダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで9kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。採取した光導波路フィルムのコアは、フィルム幅方向に直線的に整列しており、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。幅方向5cm内では、光学性能のバラツキに優れた光導波路フィルムであった。表2−3に、得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。なお、ヘイズ値は、10%越えるものであった。
(実施例28)
樹脂A/樹脂B=0.125/1、ダイ流量2/(ダイ流量1+ダイ流量3)の比が5/1となるよう変更し、フィードブロックおよびダイの設計値を変更した。それ以外は、実施例27と同様にして、光導波路フィルムを得た。採取した光導波路フィルムのコアは、フィルム幅方向に直線的に整列しており、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。フィルム幅方向中央部においては、光学性能のバラツキに優れた光導波路フィルムであった。表2−3に、得られた光導波路フィルムの構造と性能を示す。
(実施例29〜実施例33)
コアとなる熱可塑性樹脂Aとクラッドとなる熱可塑性樹脂Bの樹脂を変更する以外は、フィードブロックの形状およびダイ形状を実施例1と同様の条件で製膜した。得られた光導波路フィルムの構造と性能を表2−4に示す。なお、フィードブロックの形状およびダイ形状を、表1−4に示す。
用いた樹脂を下記に記す。
(実施例29)
以下の樹脂A、樹脂Bを用意した。(熱可塑性樹脂A、B、共に無粒子)
樹脂A:ポリカーボネート(PC)
樹脂B:エチレン−プロピレン共重合体(EPC)
出光興産製 タイプ Y-2045GP
次に、ベント式押出機1に樹脂Aを、ベント式押出機2に樹脂Bを供給し、それぞれの押出機にて280℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、図8のごときフィードブロックに樹脂Aと樹脂Bを流入させた。
(実施例30)
以下の樹脂A、樹脂Bを用意した。(熱可塑性樹脂A、B、共に無粒子)
樹脂A:ポリカーボネート(PC)
樹脂B:ポリ4−メチルペンテン1(TPX)
三井化学製 タイプ DX820
次に、ベント式押出機1に樹脂Aを、ベント式押出機2に樹脂Bを供給し、それぞれの押出機にて280℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、図8のごときフィードブロックに樹脂Aと樹脂Bを流入させた。
(実施例31)
以下の樹脂A、樹脂Bを用意した。(熱可塑性樹脂A、B、共に無粒子)
樹脂A:ノルボルネン系シクロオレフィンコポリマー(COC)
ポリプラスチック製 TOPAS 5013
樹脂B:ポリ4−メチルペンテン1(TPX)
三井化学製 タイプ DX820
次に、ベント式押出機1に樹脂Aを、ベント式押出機2に樹脂Bを供給し、それぞれの押出機にて280℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、図8のごときフィードブロックに樹脂Aと樹脂Bを流入させた。
(実施例32)
以下の樹脂A、樹脂Bを用意した。(熱可塑性樹脂A、B、共に無粒子)
樹脂A:ポリエチレンテレフタレート(PET)
樹脂B:エチレン−プロピレン共重合体(EPC)
出光興産製 タイプ Y-2045GP
次に、ベント式押出機1に樹脂Aを、ベント式押出機2に樹脂Bを供給し、それぞれの押出機にて280℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、図8のごときフィードブロックに樹脂Aと樹脂Bを流入させた。
(実施例33)
以下の樹脂A、樹脂Bを用意した。(熱可塑性樹脂A、B、共に無粒子)
樹脂A:ポリメチルメタクリレート(PMMA)
住友化学製 スミペックス タイプ MGSS
樹脂B:四フッ化エチレン・エチレン共重合体
組成(テトラフルオロエチレン20mol%、フッ化ビニリデン80mol%)
次に、ベント式押出機1に樹脂Aを、ベント式押出機2に樹脂Bを供給し、それぞれの押出機にて240℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよびフィルタを介した後、図8のごときフィードブロックに樹脂Aと樹脂Bを流入させた。
Figure 2008032724
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本発明は、ディスプレイ部材、太陽電池部材、情報通信部材、装飾部材、照明部材などの用途に用いることができ、特に装置間通信や装置内通信などの短〜中・長距離用の光導波路に好適に用いることができる。

Claims (26)

  1. 断面形状として、熱可塑性樹脂Bからなるクラッドと、熱可塑性樹脂Aからなる分散体(コア)が、フィルム長手方向に延在しながら、フィルム幅方向に配列した構造であり、かつ3個以上のコアを含んでなる光導波路フィルムであって、フィルム幅方向の両端部に位置するコア径(We1、We2)とフィルム幅方向の中央部に位置するコア径(Wc)が下記式(1)および(2)を満たし、かつフィルム表面の少なくとも片面に連続なクラッド層を有し、フィルム幅方向の両端部でのクラッド層の厚み(Te1、Te2)とフィルム幅方向の中央部でのクラッド層の厚み(Tc)が下記式(3)および(4)を満たすことを特徴とする光導波路フィルム。
    0.8≦We1/Wc≦1.2 式(1)
    0.8≦We2/Wc≦1.2 式(2)
    0.8≦Te1/Tc≦1.2 式(3)
    0.8≦Te2/Tc≦1.2 式(4)
  2. コア径のムラが、0.001%以上20%以下である請求項1に記載の光導波路フィルム。
  3. フィルム幅方向の中央部に位置するコアの断面積(Ac)とフィルム幅方向に配列した任意のコアの断面積(A)が下記式(5)を満足するコアが少なくとも4個以上連続的に隣り合って存在する請求項1に記載の光導波路フィルム。
    0.8≦A/Ac≦1.2 式(5)
  4. フィルム長手方向におけるコアの断面積のムラが5%以下である請求項1に記載の光導波路フィルム。
  5. コア間隔のムラが30%以下である請求項1に記載の光導波路フィルム。
  6. 断面形状でのコア/クラッドの面積比率が0.5以上である請求項1に記載の光導波路フィルム。
  7. コア間隔調整部となる分散体が含まれている請求項1に記載の光導波路フィルム。
  8. フィルム幅方向の長さが少なくとも10mm以上のコア間隔調整部となる分散体が1つ以上含まれている請求項1に記載の光導波路フィルム。
  9. 少なくとも一方のフィルム表面に深さ10μm以上の凹凸が存在し、その凹部が各コアの間のクラッド部であって、フィルム長手方向に存在する請求項1に記載の光導波路フィルム。
  10. コアがポリメチルメタクリレートを主成分としてなり、クラッドがフッ素基を含有する熱可塑性樹脂を主成分としてなる請求項1に記載の光導波路フィルム。
  11. 前記フッ素基を有する熱可塑性樹脂が四フッ化エチレン・エチレン共重合体からなる請求項1に記載の光導波路フィルム。
  12. ヘイズ値が5%以下である請求項1に記載の光導波路フィルム。
  13. NAが0.5以上である請求項1に記載の光導波路フィルム。
  14. フィルム成形温度におけるコアとクラッドの溶融粘度の関係が下記式(6)および(7)を同時に満足する請求項1に記載の光導波路フィルム。
    コアの溶融粘度 ≧ クラッドの溶融粘度 式(6)
    クラッドの溶融粘度 ≦ 1000 (Pa・s) 式(7)
  15. 100℃、24時間の熱処理によるフィルム長手方向の熱収縮率が5%以下である請求項1に記載の光導波路フィルム。
  16. 2個以上の流入口を有するダイであって、流入口から合流部に至るまでの流路において、拡幅比が2以上100以下である流路Bと、拡幅比が0.5以上1.5以下である流路Aとを少なくとも有することを特徴とするダイ。
  17. 請求項16に記載のダイが、5個以上のスリットを有するスリット部を1個以上有するフィードブロックと接続されている光導波路フィルム製造装置。
  18. 請求項17に記載の光導波路フィルム製造装置を用いて製造されてなる請求項1に記載の光導波路フィルム。
  19. 請求項17に記載の光導波路フィルム製造装置を用いて製造する光導波路フィルムの製造方法。
  20. 光導波路フィルムを製造する請求項16に記載のダイ。
  21. フィルム長手方向−厚み方向断面にて切断されて用いられる請求項1に記載の光導波路フィルム。
  22. 請求項1に記載の光導波路フィルムを用いた光モジュール。
  23. 請求項1に記載の光導波路フィルムを用いた照明装置。
  24. 請求項1に記載の光導波路フィルムを用いた通信装置。
  25. 請求項1に記載の光導波路フィルムを用いた表示装置。
  26. 請求項1に記載の光導波路フィルムを用いたコネクタ付きライトガイド。
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