JP2014170703A - 導光体及びその製造方法並びに導光体を用いたバックライト及び表示装置 - Google Patents

導光体及びその製造方法並びに導光体を用いたバックライト及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】入射逆端面からの抜け光を低減させた導光体、その製造方法、導光体を用いたバックライト及び表示装置を提供する。
【解決手段】表層12、中心層11、裏層13の3層をこの順に積層して構成され、表層12及び裏層13のいずれか一方もしくは両方に光学形状を有し、中心層11の光入射面から入射される光を表層から射出する導光体であって、表層の屈折率nsと中心層の屈折率ncと裏層の屈折率nbと間に|ns−nc|<0.0005または|nb−nc|<0.0005の条件の少なくとも一方を満たすように中心層に該中心層の屈折率を低下させる屈折率低下剤を一定重量%添加したものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、ディスプレイ表示部材もしくは照明用部材として用いられるバックライト部材に使用される導光体及びその製造方法並びに導光体を用いたバックライト及び表示装置に関する。
バックライト部材用導光体はディスプレイ表示用部材、照明用部材などのバックライトユニット部材の一部として用いられている。このような導光体には、光源からの光の光取り出し効率を向上することによる輝度向上と消費電力低減とが求められている。
従来の導光体を用いた面光源装置は、冷陰極管やLED等の光源と、光源に入射端面を近接させて配置する透明体で構成される導光体と、導光体の光出射側表面に配置した拡散板やレンズなどの光取り出し構造と、導光体の裏面に設けられた反射面とにより構成されている。
この面光源装置では、光源から発した光を導光体の入射端面より導光体内に取り入れ、導光体の表面と裏面にて反転、伝播することにより、入射端面の反対側へ伝達するようにしている。そして、導光体内で伝播する一部の光を導光体表面もしくは裏面に設けられた光学形状により射出させることで、この射出された光を照明光としている。
導光体表面もしくは裏面に光学形状を施すに際には、予め用意された金属や樹脂などからなる型を用意して、その形状を転写する工法が一般的に用いられる。具体的には特許文献1にあるように熱と圧力により、プラスチックシートと型とを圧着して形状を熱転写・剥離する方法や、放射線などの手法で液状の樹脂を重合硬化する作用を利用することで、型の形状が転写された導光体を得る方法が一般的である。
また、その光学形状としては、プリズム形状や、レンズ形状とする場合が多く、それらの形状を正確に実現し、所望の光学特性を得るには、プリズムの頂点などに代表されるエッジ部分が、丸くなることなく正確に再現することが重要である。
また、面積の全域においてムラ無く表示方向へ向けて光線を射出させるために、導光体表面及び裏面に光学形状を設けて、光線の反射及び屈折を適切にコントロールする方式が一般的であるが、光利用効率が良好な導光体とするには、一般に、プリズム形状のようなエッジを有するパターンが有効である。
導光体は、ディスプレイ装置その他の表示装置や照明装置等において、他の部材と比べて比較的大きな重量と厚さを占める部材である。また導光体は、光源からの光線をその内部で伝播し、所望の位置で、所望の方向にその光線を射出させる機能が求められているため、導光体には、ディスプレイ装置、照明装置やその他の表示装置全体をカバーする面積と、たわみなどが生じない、機械的強度が必要となる。
導光体の表面に、エッジを有する光学形状のエッジ部分を成形するには、導光体を柔らかい素材とし、且つ、柔らかくなる条件(例えば温度や圧力など)で、金型などから転写する方式で作製される。しかし、転写が容易な粘度の低い樹脂は柔らかい素材であるため機械的強度が低い。したがって、板状に成形した場合に粘度の高い樹脂を比べて、脆くなってしまうので、更に厚みが必要となり重量も増加してしまう。
そのため、表示装置とりわけ大型の装置においては装置全体の薄型化や軽量化に限界が生じている。
以上の背景から、導光体には、構造内部に機械的強度が異なる表層、中心層、裏層の3層からなる構造の作製が試みられている。すなわち、中心層にMI値(メルトインデックス)が低い材料、すなわち硬い材料を用いることで、導光体自体の機械的強度を充分に得ることができる。また、導光体の表層、もしくは裏層にMI値の高い樹脂を用いることで、微細であり、かつエッジを有する良好な光学形状を転写することができる。
特許第2925069号公報
しかしながら、導光体を構成する表層及び裏層に所望の光学形状を転写するためにMI値の高い熱可塑性樹脂材料を利用した場合において、以下のような問題が生じる。
一般的にMI値が高くなる、すなわち熱可塑性樹脂が柔らかくなるにつれて、その熱可塑性樹脂固有の屈折率が小さくなる。例えば、アクリル樹脂材料として中心層に三菱レイヨン社製アクリペット(登録商標)VH000(MI=2)、表層および裏層に三菱レイヨン社製アクリペットTF9(MI=20)を用いた場合などにおいて、JIS K7142(2008)記載の方法にて各材料の屈折率を測定した場合、MI値が高いほど屈折率が低いといった傾向があることが示された。
上述のように、相対的に中心層にMI値の低い、すなわち屈折率の高い熱可塑性樹脂を使用し、表層及び裏層にMI値の高い、すなわち屈折率の低い熱可塑性樹脂を使用した場合、屈折率の高い材質から屈折率の低い材質に光が進行する層界面において全反射が生じる。
層界面で全反射が生じる場合、導光体の端面からの入射光が、表層および裏層に与えられた所望の光学形状に達する光線量が減少し、界面での全反射を繰り返すことにより導光体の光入射端面と反対側の端面より抜け光が発生し、面光源としての光取り出し効率が低下してしまうという問題がある。
なお、光入射端面と反対側の端面に反射テープ、反射板等を設置することで、光入射端面と反対側の端面からの抜け光を低減させる方策をとることも考えられる。しかし、かかる方法は、製造のプロセス数の増加や、コストの増加といった問題点が生じることや、導光体の両側端面に光源を配置する形態をとる際に反射テープの設置が事実上不可能となる。そのため、導光体成形プロセスにおいて抜け光の低減を図ることのできる方策を講じることが必要とされる。
本発明は、このような問題を解決し、光入射端面と反対側の端面からの抜け光を低減させることができる導光体及びその製造方法並びにかかる導光体を用いたバックライト及び表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、透明樹脂材からなる中心層と、前記中心層の厚さ方向の一方の面に積層された透明樹脂材からなる表層と、前記中心層の厚さ方向の他方の面に積層された透明樹脂材からなる裏層と、前記表層の前記中心層との境界面と反対の面及び前記裏層の前記中心層との境界面と反対の面のいずれか一方もしくは両方に形成された光線射出用の光学形状とを備え、前記中心層の前記表層との境界面の縁部と前記中心層の前記裏層との境界面の縁部とを接続する前記中心層の端面の少なくとも一部を光入射面とし、前記光入射面から入射される光を前記表層から射出する導光体であって、前記表層及び前記裏層は前記中心層よりメルトインデックス(MI)値の高い透明樹脂材で構成されており、前記表層の屈折率nsと前記中心層の屈折率ncとの屈折率差が|ns−nc|<0.0005または前記裏層13の屈折率nbと前記中心層の屈折率ncとの屈折率差が|nb−nc|<0.0005の条件の少なくとも一方を満たすように前記中心層に該中心層の屈折率を低下させる屈折率低下剤が一定の重量%添加されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の導光体において、前記屈折率低下剤が二酸化ケイ素微粒子であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2記載の導光体において、前記表層の屈折率nsと前記中心層の屈折率ncと前記裏層の屈折率nbとが、ns=nc=nbの条件を満たしていることを特徴とする。
請求項4の発明は、導光体の製造方法であって、請求項1乃至3の何れか一項に記載の導光体の製造方法であって、押出法によって前記表層を構成する樹脂と前記中心層を構成する屈折率低下剤混入の樹脂と前記裏層を構成する樹脂とを同時に溶融し3層に積層してシーティングする工程を備えることを特徴とする。
請求項5の発明は、バックライトであって、請求項1乃至3の何れか一項に記載の導光体と、前記導光体の光入射面に対向して配置された光源と、前記導光体の前記表層に対向して配置された光学シートを備えることを特徴とする。
請求項6の発明は、表示装置であって、請求項5に記載のバックライトと、表示画面を規定する画像表示素子とを備えることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項6に記載の表示装置において、前記画像表示素子が液晶セルであることを特徴とする。
本発明によれば、導光体の中心層の屈折率を制御し、中心層と表層、中心層と裏層との屈折率差を小さくすることにより、導光体の中心層と表層、中心層と裏層との層界面における端面入射光の全反射を低減させ、光の入射逆端面からの抜け光を低減させることができ、これにより面光源としての光取り出し効率が向上し、導光体を用いたバックライト及び表示装置等の輝度向上に寄与することが可能となる。
本発明における導光体の一例を示した概略断面図である。 本発明における導光体に光線を通した状態を示す概略図である。 本発明における導光体の概略斜視図である。 本発明における導光体の製造方法を示す説明図である。 本発明を用いて作製された導光体と、従来方式で作製された導光体の実施の結果を示す説明図である。
以下、本発明にかかる導光体の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態における導光体10は、図1に示すように、表層12、中心層11、裏層13がこの順に積層された3層構造となっている。
これら3層構造からなる中心層11と表層12との境界面及び中心層11と裏層13との境界面は、平滑かつ平行な面となっている。また、表層12の中心層11との境界面と反対の面である表面には光線射出用の光学形状121が形成されている。この光学形状121は、そのパターンによって光の射出方向や明るさをコントロールすることができる。光学形状121の一例としては、エッジ状の尖端を有するプリズム形状が挙げられる。
また、裏層13の中心層11との境界面と反対の面である表面には、光源からの光を光学形状121に向け反射する凹状の光学形状131が形成されている。
なお、光線射出用の光学形状は、図1に示すように、表層12の中心層11との境界面と反対の面である表面のみに形成された導光体に限らず、表層12の表面と裏層13の中心層11との境界面と反対の面である表面の両方に形成してもよく、または表層12及び裏層13の何れか一方に形成する構造のものであってもよい。
また、表層12及び裏層13は、中心層11のメルトインデックス(MI)値より高いメルトインデックス値の透明な熱塑性樹脂材で構成されている。すなわち、中心層11にメルトインデックス値の低い、すなわち硬い熱塑性樹脂材を使用することで、導光体10自体の機械的強度を向上できる。そして、表層12及び裏層13にメルトインデックス値の高い、すなわち柔らかい熱塑性樹脂材を使用することで、微細で、かつエッジを有する良好な光学形状を表層12及び/または裏層13に転写することが可能になる。
導光体10の中心層11には、一定重量%の屈折率低下剤が添加されている。添加される屈折率低下剤としては、添加することにより材料の屈折率を低下させる物質であれば特に限定されるものではないが、一例を示すと、Si、Ca、Mg、Alを含有する化合物が好ましく、中でも、Siを含有する酸化物が好適に用いられる。
上記酸化物は、化学的に安定で、特に、シリカナノ粒子は分散性が高く、異方性が無く均一性の高い製品が得られ、材料の透明性も維持できることやその屈折率は通常1.5未満であり、多くの熱可塑性樹脂の屈折率よりも小さいので、添加する屈折率低下剤として好ましい。その具体例としては、二酸化ケイ素(SiO2)等が挙げられる。更にはシリカ化合物の中でかご型シルセスキオキサン(POSS)を用いることで材料の熱的・機械的特性を上げつつ、屈折率を低下させることが可能であり、より好ましい。
導光体を構成する素材には、光学シートの製造に適した熱可塑性樹脂が用いられる。また、導光体には透明性、耐熱性、耐湿性、耐衝撃性が必要である。これに伴い、熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、メタクリルスチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリオレフィン系樹等が適している。中でも、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。
また、表層12、中心層11及び裏層13に用いる素材は3層全てで同一の熱可塑性樹脂を使用しても良く、3層全てで互いに異なる熱可塑性樹脂を使用しても良い。なお、表層12及び裏層13には、所望の光学形状を良好に転写するために、中心層11に比べMI値の高い熱可塑性樹脂材料を使用する。
次に、本実施の形態に示す導光体10に対して光源21からの光線を通したときの伝播経路について図2を参照して説明する。
光源21から発して中心層11の光入射端面111から入射した光線は、中心層11と表層12との層界面あるいは中心層11と裏層13との層界面に当たるたびに屈折と反射を繰り返して、光入射端面111と反対側へと導かれる。導光体内での反射は、中心層11と表層12との屈折率差あるいは中心層11と裏層13との屈折率差で生じるため、屈折率差が無いと見なせる程度に小さいことが望ましい。光学形状121により所望の取り出し光となる光が取り出し光22であり、また、上記層界面での全反射を繰返して、光入射端面111と反対の端面から発せられる光が抜け光23である。また、中心層11の光入射端面111から中心層11に入射した光が中心層11と裏層13との境界面で屈折されることなく該境界面を透過して裏層13に進入し、その光学形状131で反射された光22は、屈折及び反射させることなく中心層11と裏層13との境界面及び中心層11を通して表層12の光学形状121に向け反射される。
一般に、光の全反射は光が屈折率の高い物質から屈折率の低い物質の界面に入射した際に生じる現象であることが知られており、そのことから中心層11の屈折率ncの値が表層12の屈折率ns及び裏層13の屈折率nbの値に限りなく近くなることが好ましい。そのために、上述の屈折率低下剤によって、表層12の屈折率nsと中心層11の屈折率ncとの屈折率差が|ns−nc|<0.0005、または中心層11の屈折率ncと裏層13の屈折率nbとの屈折率差が|nb−nc|<0.0005の条件の少なくとも一方を満たすように調整される。また、層界面の屈折率差が無い、ns=nc=nbの条件を満たすように調整されることが更に好ましい。
本実施の形態に示す導光体10にあっては、屈折率低下剤を添加する前の表層12の屈折率をns´、裏層13の屈折率をnb´とすると、表層12と中心層11との層界面の屈折率差|ns´−nc|または裏層13と中心層11との層界面の屈折率差|nb´−nc|が、0.0005以上0.0020の範囲内であることが好ましい。
本発明では、従来、屈折率差は0であると判断されていたきわめて微小な屈折率差が導光体の光学性能を左右することを見出し、表層12、中心層11及び裏層13の屈折率を小数点以下4桁まで求め、表層の屈折率ns、中心層の屈折率nc、裏層の屈折率nbが|ns−nc|<0.0005または|nb−nc|<0.0005の少なくとも一方の条件を満たすように調整することにより、光の取り出し効率に優れた導光体とすることができた。
図1で示した断面形状の導光体を、連続して構成することで、導光体31の端面すなわち光入射面32側に配置した光源33からの入射光を導光体31の上面方向へ立ち上げ、取り出し光34、すなわち面光源として利用することができる。
導光体の製造方法としては、Tダイによる多層押法や、インジェクション法、あるいは押出コーティング法などが挙げられるが、本実施形態では生産性に優れたTダイによる多層押出法を用いて製造を行う。Tダイによる多層押出法は、Tダイを用いて樹脂膜をつくり冷却ロールで樹脂を冷却しながらシーティングを行う方式である。
次に、本発明における導光体の製造方法について、図4を参照して説明する。
図4に示すように、表層12を構成する原材料となる樹脂ペレット48a、中心層11を構成する原材料となる樹脂ペレット48b、裏層13を構成する原材料となる樹脂ペレット48cはそれぞれ別の押出機41a、41b、41cにて溶融され、スクリュー49a、49b、49cにて混合してTダイ42へ供給される。各溶融樹脂47a、46、47cは、Tダイ42の上流部分に設けられるフィードブロックなどで合流、多層化される。あるいは、Tダイ42内部で合流多層化されてもよい。
中心層11を構成する原材料となる樹脂ペレット48bの調整の際には、上述の屈折率低下剤を適当な割合で混合した樹脂ペレットマスターバッチを準備し、このマスターバッチを適当な割合で均等に原材料樹脂に混合した樹脂ペレットを調整し、これを押出機41bに供給して行えばよい。
また、表層12の原材料となる樹脂ペレット48aの調整、及び裏層13cの原材料となる樹脂ペレット48aの調整に際しても、中心層11の場合と同様に、上述の屈折率低下剤を適当な割合で混合した樹脂ペレットマスターバッチを準備し、このマスターバッチを適当な割合で均等に原材料樹脂に混合した樹脂ペレットを調整し、これをそれぞれの押出機41a、41cに供給して行えばよい。
Tダイ42から吐出される樹脂は、押出機41a、41b、41cの回転数、温度条件などを調整することで、適切な層比、厚みをコントロールできる。
また、Tダイ42から吐出された溶融樹脂は、冷却ロール43および冷却ロール44間で挟み込み、冷却ロール44に密着するようにロール温度、トルク、挟圧を調整する。この場合、冷却ロールで挟み込む力をコントロールすることで、厚みの調整を行うこともある。この場合、樹脂が外力で変形可能な温度に保たれていることが必要である。
更には、冷却ロール43と冷却ロール44で挟みこむ際に、それらの表面に転写形状を彫刻したロールなどを使用することで、溶融樹脂に形状の転写を行うことができる。
冷却ロール44と冷却ロール45で除熱を行い、冷却ロールの温度差や、張力等を用いてシートの反りを矯正しながらシーティングを行い、下流部分で断裁を行うことで、目的の導光体を得られる。
この導光体と、導光体の側面に配置される光源とを備えることで、バックライトを構成することができる。このような導光体を用いたエッジライト方式を採用したバックライトにおいては、導光体を用いず光取り出し方向の背面側に光源を配置し、その間に拡散板を配置する直下型方式のバックライトに比べ、視野角の制御、光取り出し効率の向上及びバックライトの薄型化を図ることができる。
導光体を用いたバックライトにおいては、光源の光の利用率を高める手段として輝度向上光学シートを併せて使用することが好ましい。光学シートは、導光体の光取り出し方向である表層側に配置されていれば特に限定されるものではないが、具体的な例を示すと、液晶表示装置の輝度向上を目的として表面にプリズム形状を付与したシートである、3M社のBEF(登録商標:Brightness Enhancement Film)に代表される上向きに設置する頂角90°のプリズムシートなどが挙げられる。
また、このバックライトと、表示画面を規定する画像表示素子とを備えることでディスプレイ装置(表示装置)を構成することができる。画像表示素子は例えば液晶セルを備える。
また、エッジライト方式を用いたバックライトの用途としては表示装置のみならず、証明用部材など様々な使用例を選択することが可能である。
以下、本発明の実施例および比較例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
例えば、アクリル樹脂を材料として選定する場合、中心層11にアクリル樹脂である三菱レイヨン社製アクリペットVH000(MI=2)、表層12及び裏層13にアクリル樹脂である三菱レイヨン社製アクリペットTF9(MI=20)を用いることができる。JIS K7142(2008)記載の方法にて、原材料の屈折率を測定したところ、それぞれVH000の屈折率が1.4925、TF9の屈折率が1.4920となる値が得られた。また、MI(メルトインデックス)は、JIS K7210(1997)に準じておこない、230℃、37.3Nの条件下で測定しており、単位はg/10minである。
中心層11を構成する原材料としてVH000を用い、屈折率低下剤として二酸化ケイ素微粒子(屈折率:1.45)を10重量%含む樹脂マスターペレットバッチを調整し、これを原材料VH000と共に二酸化ケイ素微粒子が最終的に0.0012重量%となるように押出機41bに供給し、スクリュー49aにて混合することで中心層11の屈折率が1.4922となるように調整した。成形の際には表層12、中心層11、裏層13を構成するアクリル樹脂をそれぞれ押出機41a、41b、41cに投入し、Tダイ42にて多層化せしめた溶融樹脂を吐出し、冷却ロール43及び冷却ロール44及び冷却ロール45にてシーティングを行った。成形時には冷却ロール43及び冷却ロール44の表面にそれぞれ光学形状を彫刻したロールを使用し、溶融樹脂に光学形状の転写を行い、下流にてシートを断裁、端面の研磨を行うことで目的の導光体を作製した。
作製された導光体をバックライトユニットに組み込み、輝度の測定を行った。
(実施例2)
実施例1において、中心層11に対して二酸化ケイ素微粒子添加量が最終的に0.0020重量%となるよう添加し、中心層の屈折率が1.4920となるように調整した。以下、実施例1と同様にして導光体を作製し、輝度の測定を行った。
(実施例3)
実施例1において、中心層11に対して二酸化ケイ素微粒子添加量が最終的に0.0032重量%となるよう添加し、中心層の屈折率が1.4917となるように調整した。以下、実施例1と同様にして導光体を作製し、輝度の測定を行った。
(比較例1)
実施例1において、中心層11の屈折率調整を行わず原材料をそのまま使用し、以下実施例1と同様にして導光体を作製し、輝度の測定を行った。
(比較例2)
実施例1において、中心層11に対して二酸化ケイ素微粒子添加量が最終的に0.0040重量%となるよう添加し、中心層の屈折率が1.4915となるように調整した。以下、実施例1と同様にして導光体を作製し、輝度の測定を行った。
本発明を用いて作製された導光体と、従来方式で作製された導光体の実施の結果を示すと、図5に示す表のようになる。
図5において、「屈折率調整の有無」欄の○/×は中心層への屈折率低下剤添加の有/無、「屈折率」欄の数値は作製した導光体の各構成層の屈折率を示す。また、「輝度」欄の中心輝度比は、比較例1における光取り出し面中心部の輝度を1とした時の相対値を示し、積分輝度比は、比較例1における光取り出し面全体光量の積分値を1とした時の相対値を示し、輝度性能は、中心輝度比及び積分輝度比に基づく評価結果(○:良、◎:最良)を示している。
図5に示す実施の結果からも明らかなように、屈折率を調整していない比較例1に対して、中心層11に屈折率低下剤を添加し、屈折率の調整を行った実施例1、実施例2及び実施例3で輝度性能が向上したことがわかった。また、中心層11の屈折率を表層12及び裏層13の屈折率と同一の値とした実施例2では、中心輝度比及び積分輝度比の値が最も高くなり、輝度性能として最良の結果が得られた。また、比較例2では、積分輝度は向上したものの、中心輝度は低下した。以上の結果より、表層12の屈折率nsと中心層11の屈折率ncと裏層13の屈折率nbについてns=nc=nbの条件を満たす実施例2にて光取り出し効率が最も向上したことがわかった。比較例2では、比較例1に対して積分輝度比の向上は見られたが、中心輝度比が低下する結果となった。
以上のように、本発明の導光体は、光源より入射した光の面光源としての光取り出し効率を上げることができる。また本発明の導光体は、TVをはじめとする各種ディスプレイ装置のみならず、照明機材、デジタルサイネージなど各種装置の輝度向上や視野角改善にも用いることができる。
本発明は、導光体、これを用いたバックライト、表示装置、照明機材等に利用可能である。
10…導光体
11…中心層
111…光入射端面
12…表層
121…光学形状
13…裏層
131…光学形状
21…光源
22…取り出し光
23…抜け光
31…導光体
32…入射面
33…光源
34…取り出し光
41a、41b、41c…押出機
42…Tダイ
43…冷却ロール
44…冷却ロール
45…冷却ロール
46…中心層を構成する溶融樹脂
47a…表層を構成する溶融樹脂
47c…裏層を構成する溶融樹脂
48a…樹脂ペレット
48b…樹脂ペレット
48c…樹脂ペレット
49a、49b、49c…スクリュー

Claims (7)

  1. 透明樹脂材からなる中心層と、前記中心層の厚さ方向の一方の面に積層された透明樹脂材からなる表層と、
    前記中心層の厚さ方向の他方の面に積層された透明樹脂材からなる裏層と、
    前記表層の前記中心層との境界面と反対の面及び前記裏層の前記中心層との境界面と反対の面のいずれか一方もしくは両方に形成された光線射出用の光学形状とを備え、
    前記中心層の前記表層との境界面の縁部と前記中心層の前記裏層との境界面の縁部とを接続する前記中心層の端面の少なくとも一部を光入射面とし、前記光入射面から入射される光を前記表層から射出する導光体であって、
    前記表層及び前記裏層は前記中心層よりメルトインデックス(MI)値の高い透明樹脂材で構成されており、
    前記表層の屈折率nsと前記中心層の屈折率ncとの屈折率差が|ns−nc|<0.0005または前記裏層13の屈折率nbと前記中心層の屈折率ncとの屈折率差が|nb−nc|<0.0005の条件の少なくとも一方を満たすように前記中心層に該中心層の屈折率を低下させる屈折率低下剤が一定の重量%添加されている、
    ことを特徴とする導光体。
  2. 前記屈折率低下剤が二酸化ケイ素微粒子であることを特徴とする請求項1記載の導光体。
  3. 前記表層の屈折率nsと前記中心層の屈折率ncと前記裏層の屈折率nbとが、ns=nc=nbの条件を満たしていることを特徴とする請求項1または2記載の導光体。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の導光体の製造方法であって、押出法によって前記表層を構成する樹脂と前記中心層を構成する屈折率低下剤混入の樹脂と前記裏層を構成する樹脂とを同時に溶融し3層に積層してシーティングする工程を備える、
    ことを特徴とする導光体の製造方法。
  5. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の導光体と、前記導光体の光入射面に対向して配置された光源と、前記導光体の前記表層に対向して配置された光学シートを備える、
    ことを特徴とするバックライト。
  6. 請求項5に記載のバックライトと、表示画面を規定する画像表示素子とを備える、
    ことを特徴とする表示装置。
  7. 前記画像表示素子が液晶セルであることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
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