JP2009098647A - 光導波路フィルムならびにそれを用いた光モジュール、照明装置、通信装置、表示装置およびライトガイド - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のコアの形状が均一、かつコアの位置がフィルム幅方向に等間隔で配列し、低コストで大面積化、長尺化が可能であり、また光損失や符号誤り率が非常に小さい光導波路フィルムを作製可能とする。さらに、フィルム表面に存在する凹凸を利用することでコネクタに接続時の位置合わせを容易に行うことが可能な光導波路フィルムを提供するものである。
【解決手段】熱可塑性樹脂Aからなるコアと熱可塑性樹脂Bからなるクラッドにより構成されるフィルムであって、コアがフィルム長手方向に延在しながらフィルム幅方向に配列した構造をとり、かつコアがクラッドに周囲を囲まれた断面形状を有する光導波路フィルムであって、コアの損失正接(tanδ(コア))とクラッドの損失正接(tanδ(クラッド))の差が下記式(1)を満たすことを特徴とする光導波路フィルム。
|tanδ(コア)−tanδ(クラッド)|≦5 式(1)
【選択図】図1
【解決手段】熱可塑性樹脂Aからなるコアと熱可塑性樹脂Bからなるクラッドにより構成されるフィルムであって、コアがフィルム長手方向に延在しながらフィルム幅方向に配列した構造をとり、かつコアがクラッドに周囲を囲まれた断面形状を有する光導波路フィルムであって、コアの損失正接(tanδ(コア))とクラッドの損失正接(tanδ(クラッド))の差が下記式(1)を満たすことを特徴とする光導波路フィルム。
|tanδ(コア)−tanδ(クラッド)|≦5 式(1)
【選択図】図1
Description
本発明は、導光路を有した光導波路フィルムに関するものである。
光通信技術は、電気通信技術と比較して、大量のデータを長距離にわたり、かつ高速に伝送することが可能であるため、長距離基幹伝送を中心に発達してきた。一方で、電気通信技術はチップ内などの超短距離から装置間といった中・近距離のデータ伝送に用いられてきた。しかし、近年、FTTH(Fiber To The Home)の普及などに伴い、サーバーやルータなど情報通信機器のデータ伝送量が急激に増加し、従来の電気配線によるデータ伝送に限界が近づいてきている。これに対応するために、装置内といった場所においても、電気配線よりも高速なデータ伝送が可能な光配線を用いる動きが加速しつつある。
特に、このようなボード間、ボード内、チップ間、チップ内の光配線化を牽引する流れは、高価で取扱いが難しい石英系のシングルモード光ファイバーでなく、安価で取扱い性の易しいポリマー光導波路やプラスチック光ファイバーシートへと向かっている。たとえば、プラスチック光ファイバーシートの製造法としては、複数本の光ファイバーを所定の間隔で配列したガイドリングに通して、接着材を介して一体成形したものが知られている(特許文献1)。また、導光路となる複合体の周りを樹脂などで融着被覆したシート状のものとしては、ダイを用いてファイバーアレイごとに一括成形する方法などが提案されている(特許文献2)。しかしながら、前者の光ファイバーシートの製造方法は、光ファイバーを正確に位置決めして配列させることが難しく、生産上の歩留まりが多く、高コスト化の問題となっていた。一方、後者については、この製造方法では、フィルム巾方向の全てのコアの形状を均一に保ったまま並べることが困難であり、得られたコアの形状もバラバラであるため、光接続が難しく、また信号の符号誤り率が大きくなるといった問題があった。
また、ポリマー光導波路の製造方法としては、例えば、選択重合法、反応性イオンエッチング(RIE)とフォトリソグラフィーを組み合わせた方法(特許文献3)、直接露光法(特許文献4)、射出成形法をもとにした方法(特許文献5)、フォトブリーチング法(特許文献6)などが知られている。しかしながら、これらの製造方法は、工程数が非常に多いために製造時間が長く、また、製造コストが高く、生産収率が低いことが問題となっていた。さらに、ポリマー光導波路を構成するコア・クラッドは、光硬化および熱硬化性樹脂の反応現象を利用しているため、大面積かつ長尺化が困難であった。
特開昭60−178405号公報
特開平04−043304号公報
特開2004−206016号公報
特開2003−185860号公報
特開2003−172841号公報
特開2004−012635号公報
本発明の課題は、溶融押出プロセスを用いることによりかかる問題を解決し、複数のコアの形状が均一、かつコアの位置がフィルム幅方向に等間隔で配列し、低コストで大面積化、長尺化が可能であり、また光損失や符号誤り率が非常に小さい光導波路フィルムを作製可能とする。さらに、フィルム表面に存在する凹凸を利用することでコネクタに接続時の位置合わせを容易に行うことが可能である。本光導波路フィルムは、装置間、装置内ボード間、ボード内チップ間などの短〜中・長距離通信に最適である。
熱可塑性樹脂Aからなるコアと熱可塑性樹脂Bからなるクラッドにより構成されるフィルムであって、複数のコアがフィルム面上の1方向に延在しながら相互に交差しないよう配列した構造をとり、かつコアがクラッドに周囲を囲まれた断面形状を有する光導波路フィルムであって、熱可塑性樹脂Aの損失正接(tanδ(コア))と熱可塑性樹脂Bの損失正接(tanδ(クラッド))の差が下記式(1)を満たすことを特徴とする光導波路フィルム。
|tanδ(コア)−tanδ(クラッド)|≦5 式(1)
|tanδ(コア)−tanδ(クラッド)|≦5 式(1)
本発明によれば、溶融押出プロセスを利用するため、低コストで、大面積・長尺化が可能であり、また符号誤り率が極めて小さく、コアに用いる樹脂の分子量を最適化することによる非常に光損失の小さな光導波路フィルムが作成可能である。複数のコアの形状が均一、かつフィルム幅方向に直線状にコアを配列するため、光接続がし易く、さらにコネクタへの接続が容易であるため、装置間、装置内ボード間、ボード内チップ間などの短〜中・長距離用通信用途に好適な光導波路フィルムを提供することができる。
以下に、本発明の詳細を説明する。熱可塑性樹脂Aからなるコアと熱可塑性樹脂Bからなるクラッドにより構成されるフィルムであって、複数のコアがフィルム面上の1方向に延在しながら相互に交差しないよう配列した構造、典型的には複数のコアがフィルム長手方向に延在しながらフィルム幅方向に配列した構造をとり、かつコアがクラッドに周囲を囲まれた断面形状を有する光導波路フィルムであって、熱可塑性樹脂Aの損失正接(tanδ(コア))と熱可塑性樹脂Bの損失正接(tanδ(クラッド))の差が下記式(1)を満たすことが必要である。
|tanδ(コア)−tanδ(クラッド)|≦5 式(1)
ここでの熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bの損失正接は、光導波路フィルムの作製を行う装置系での熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bの合流後から吐出されるまでの加熱する温度における、角速度が10rad/secでの値であり、動的粘弾性測定により求める。式(1)を満たしていると、溶融押出プロセスを用いて本光導波路フィルムを作製する際、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの形状が崩れることなく設計通りのコア形状による光導波路フィルムを製作可能となる。その達成方法としては、押出成形温度における熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bに粘性樹脂を用いるか、もしくは、粘弾性挙動を示す樹脂を用いる場合は、粘度のべき乗則から求められるべき指数の差の絶対値が0.15以下であるとよい。より好ましくは0.1以下であり、さらに好ましくは、0.05以下である。べき乗則とは、溶融粘度=定数×剪断速度^(−べき指数)で表される粘度特性のことである。なお、ここでの粘性樹脂とは、押出成形温度において、剪断速度と溶融粘度曲線の関係から求められるべき指数nが0.1以下の樹脂のことである。より好ましくは、0.05以下である。また、押出成形温度において、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの溶融粘度の差が4000poise以下であることが、式(1)を満足する条件として好ましい。より好ましくは、2000poise以下である。
|tanδ(コア)−tanδ(クラッド)|≦5 式(1)
ここでの熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bの損失正接は、光導波路フィルムの作製を行う装置系での熱可塑性樹脂A及び熱可塑性樹脂Bの合流後から吐出されるまでの加熱する温度における、角速度が10rad/secでの値であり、動的粘弾性測定により求める。式(1)を満たしていると、溶融押出プロセスを用いて本光導波路フィルムを作製する際、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの形状が崩れることなく設計通りのコア形状による光導波路フィルムを製作可能となる。その達成方法としては、押出成形温度における熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bに粘性樹脂を用いるか、もしくは、粘弾性挙動を示す樹脂を用いる場合は、粘度のべき乗則から求められるべき指数の差の絶対値が0.15以下であるとよい。より好ましくは0.1以下であり、さらに好ましくは、0.05以下である。べき乗則とは、溶融粘度=定数×剪断速度^(−べき指数)で表される粘度特性のことである。なお、ここでの粘性樹脂とは、押出成形温度において、剪断速度と溶融粘度曲線の関係から求められるべき指数nが0.1以下の樹脂のことである。より好ましくは、0.05以下である。また、押出成形温度において、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの溶融粘度の差が4000poise以下であることが、式(1)を満足する条件として好ましい。より好ましくは、2000poise以下である。
熱可塑性樹脂Aの損失正接と熱可塑性樹脂Bの損失正接の差が5より大きくなると、溶融状態における熱可塑性樹脂A、熱可塑性樹脂Bの力学的バランスが崩れ、コアの形状が大きく崩れることとなる。その結果、隣り合うコアの距離が接近することとなり、通信光が隣接コアに漏れだすクロストーク現象が生じる。この結果、精密な情報の伝送が不可能となる。より好ましくは、3以下である。さらに好ましくは1以下である。このような場合、本光導波路フィルム中に存在する全てのコア形状はほぼ均一となる。
また、コア形状については、コアの延在する方向に垂直な断面において、コアに内接する円の半径(Ri)とコアに外接する円の半径(Ro)が下記式(2)を満足するコアが、フィルム中央部のコアより少なくとも5個以上連続的に隣り合って存在することが好ましい。
0.3≦Ri/Ro≦1 式(2)
情報通信用途に用いる場合は、各コアの形状が異なると、各コアにおけるデータ転送精度にばらつきが生じるため、通信用途に使用することが困難となる。従って、各コアにおける通信性能を均一化するという観点から、コアの形状は同一であることが好ましい。式(2)を満足していると、各コアの形状が一定の範囲内に存在することになり、発生するエラーも少なく、かつばらつきも一定の範囲内に抑えられるため、連続する全てのコアにおいて同等の性能を達成することが可能となる。0.3よりも小さくなると、コア形状の取りうる範囲が広くなり、その結果、発生するエラーの量やばらつきが大きく、通信用途として使用することが困難となる。より好ましくは0.5以上1以下である。この範囲内であると、各コアにて発生するエラーがほぼ均一になり、各コアの性能がほぼ均一となる。また、Ri/Roが1に近づくほど、コアの形状は円形に近づき、通信性能、すなわち符号誤り率に優れる。この観点から、最も好ましくは0.8以上1以下である。
0.3≦Ri/Ro≦1 式(2)
情報通信用途に用いる場合は、各コアの形状が異なると、各コアにおけるデータ転送精度にばらつきが生じるため、通信用途に使用することが困難となる。従って、各コアにおける通信性能を均一化するという観点から、コアの形状は同一であることが好ましい。式(2)を満足していると、各コアの形状が一定の範囲内に存在することになり、発生するエラーも少なく、かつばらつきも一定の範囲内に抑えられるため、連続する全てのコアにおいて同等の性能を達成することが可能となる。0.3よりも小さくなると、コア形状の取りうる範囲が広くなり、その結果、発生するエラーの量やばらつきが大きく、通信用途として使用することが困難となる。より好ましくは0.5以上1以下である。この範囲内であると、各コアにて発生するエラーがほぼ均一になり、各コアの性能がほぼ均一となる。また、Ri/Roが1に近づくほど、コアの形状は円形に近づき、通信性能、すなわち符号誤り率に優れる。この観点から、最も好ましくは0.8以上1以下である。
また、データの大容量転送を考慮し、本光導波路フィルム中に存在するコアは連続6個以上存在することが好ましい。大容量のデータ転送を行うためには、双方向送受信に少なくとも3個ずつ計6個以上のコアが必要となるためである。より好ましくは、12個以上、さらに好ましくは32個以上である。達成方法としては、フィルム幅方向・厚み方向へのコア形状の変化を抑制する観点から、装置形状を最適化することである。その態様としては、フィードブロックの幅方向圧縮比、マルチマニホールドダイの拡幅比をできるだけ1に近づけることで達成される。
また、本光導波路フィルムは、式(2)を満たしながら6個以上連続的に隣り合って存在するコアの断面積の平均値(Aavg)と、その各コアの断面積(A)が下記式(3)を満たすことが好ましい。
0.8≦A/Aavg≦1.2 式(3)
式(3)を満たしていると、コア径の精度寸法が非常に高いために、光導波性能のばらつきが小さい。1.2を越えるかもしくは0.8未満であると、コア断面積のばらつきが大きいため、連続する全てのコアにおいて同等の性能を達成することが困難である。つまり、各コアにおけるデータ転送精度にばらつきが生じるため、通信用途に使用することが困難となる。より好ましくは、0.9以上1.1以下である。このような場合、フイルム幅方向に配列する各コアの光損失や符号誤り率にほとんど差がなくなるものである。
0.8≦A/Aavg≦1.2 式(3)
式(3)を満たしていると、コア径の精度寸法が非常に高いために、光導波性能のばらつきが小さい。1.2を越えるかもしくは0.8未満であると、コア断面積のばらつきが大きいため、連続する全てのコアにおいて同等の性能を達成することが困難である。つまり、各コアにおけるデータ転送精度にばらつきが生じるため、通信用途に使用することが困難となる。より好ましくは、0.9以上1.1以下である。このような場合、フイルム幅方向に配列する各コアの光損失や符号誤り率にほとんど差がなくなるものである。
本発明の光導波路フィルムとは、フィルム内部に光が導波するコアが埋め込まれた光導波路のことである。本発明である光導波路フィルム断面図および全体図の例を図1に示す。コアとなる熱可塑性樹脂Aからなる分散体(コア):1は、フィルム幅方向:4の方向に少なくとも5個以上配列し、また、各々のコアはフィルム長手方向:5の方向に伸びている構造を有する。コア数は、数が多ければ多いほど、多くの情報を伝送できる観点から、32個以上が好ましく、より好ましくは64個以上、さらに好ましくは、128個以上である。その数は、積層装置のコアとクラッド樹脂の積層数を調整することにより、容易に任意の数を達成することができる。コアの数が多いほど、より多チャンネルでの通信が可能な高密度配線となり、効率の高い光伝送が可能となる。コア数の上限については特に限定するものではないが、実用上の特性を維持するためには、2000個以下であることが好ましい。また、その長さは、短〜中距離用通信用途に用いる観点から、少なくとも1cm以上であることが好ましい。また、必要な長さのみ取り出して利用できるように、数十〜数百m以上の長さでロール状に巻かれていることがより好ましい。
一方、図1のフィルム断面における海島構造の海である熱可塑性樹脂Bからなるクラッド:2は、分散体である各々のコアの周りを囲い、フィルム状の外形を形成するものである。なお、フィルム厚み方向:3とフィルム幅方向:4の断面内のコア形状は、円、楕円、四角、台形などのいかなる幾何学図形でも良い。しかし、情報通信用途に用いる場合は、コア形状に依存したモード分散が発生する観点から、できるだけ対称性が良い図形であることが好ましく、最も好ましい形状は、円形である。対称性には、線対称、点対称などがある。コア径は、小さ過ぎると光量が少なくなる観点から10μm以上が好ましく、一方、大きすぎるとコア内に光を閉じ込めることが難しくなる観点から、5mm以下が好ましい。より好ましくは、20μm以上1mm以下である。特に、情報通信用途に用いる場合は、マルチモード対応の観点から20μm以上100μm以下であることが好ましい。ここでのコア径とは、図2に示したように、フィルム厚み方向の2本の平行線とコアが接する間隔:7とフィルム幅方向の2本の平行線とコアが接する間隔:6の長さの平均値である。
本発明に用いる熱可塑性樹脂としては、ポリメチルメタクリレート(屈折率nが1.49、以下、屈折率はn)およびメチルメタクリレートを主成分とするコポリマー(n=1.47〜1.50)、ポリスチレン(n=1.58)およびスチレンを主成分とするコポリマー(n=1.50〜1.58)、脂環式オレフィン(n=1.51〜1.53)、スチレンアクリロニトリルコポリマー(n=1.56)、ポリ4−メチルペンテン1(n=1.46)、エチレン/酢酸ビニルコポリマー(n=1,46〜1.50)、ポリカーボネート(n=1.50〜1.57)、ポリエチレンテレフタレート(n=1.58〜1.68)、ポリエチレンテレフタレートコポリマー(n=1.54〜1.64)、ポリエチレンナフタレート(n=1.65〜1.73)、ポリクロロスチレン(n=1.61)、ポリ塩化ビニリデン(n=1.63)、ポリ酢酸ビニル(n=1.47)、メチルメタククリレート/スチレン、ビニルトルエン又はα−メチルスチレン/無水マレイン酸三元コポリマー又は四元コポリマー(n=1.50〜1.58)、ポリジメチルシロキサン(n=1.40)、ポリアセタール(n=1.48)、ポリイミド(n=1.56〜1.60)、フッ化ポリイミド(n=1.51〜1.57)、ポリテトラフルオロエチレン(n=1.35)、ポリフッ化ビニリデン(n=1.42)、ポリトリフルオロエチレン(n=1.40)、パーフルオロプロピレン(n=1.34)、およびこれらフッ化エチレンの二元系、又は三元系コポリマー(n=1.35〜1.40)、ポリフッ化ビニリデンとポリメチルメタクリレート・ブレンドポリマー(n=1.42〜1.46)、CF2=CF−O−(CF2)x−CF=CF2モノマーの重合体(n=1.34)およびフッ化エチレンのコポリマー(n=1.31〜1.34)、CF2=CF−O−(CF2)−0−CF=CF2モノマーの重合体(n=1.31)およびフッ化エチレンのコポリマー(n=1.31〜1.34)、一般式CH2=C(CH3)COORfで表わされるフッ化メタクリレートを主成分とするコポリマーで、基Rfが(CH2)n(CF2)nHであるコポリマー(n=1.37〜1.42)、Rfが(CH2)m(CF2)nFのもの(n=1.37〜1.40)、RfがCH・(CF3)2のもの(n=1.38)、RfがC(CF3)3のもの(n=1.36)、RfがCH2CF2CHFCF3のもの(n=1.40)、RfがCH2CF(CF3)2のもの(n=1.37)、およびこれらのフッ化メタクリレートのコポリマー(n=1.36〜1.40)、およびこれらのフッ化メタクリレートとメチルメタクリレートコポリマー(n=1.37〜1.43)、一般式CH2=CH・COORf’で表わされるフッ化アクリレートを主成分とするポリマー、但しRf’が(CH2)m(CF2)nFのもの(n=1.37〜1.40)、Rf’が(CH2)m(CF2)nHのもの(n=1.37〜1.41)、Rf’がCH2CF2CHF・CF3のもの(n=1.41)、Rf’がCH(CH3)2のもの(n=1.38)、およびこれらフッ化アクリレートコポリマー(n=1.36〜1.41)、およびこれらフッ化アクリレートと前記フッ化メタクリレートコポリマー(n=1.36〜1.41)、およびこれらフッ化アクリレートとフッ化メタクリレートとメチルメクレートコポリマー(n=1.37〜1.43)、一般式CH2=CF・COOR”fで表わされる2−フルオロアクリレートを主成分とするポリマー、およびそのコポリマー(n=1.37〜1.42)(但し、式中R”fはCH3、(CH2)m(CF2)nF、(CH2)m(CF2)nH、CH2CF2CHFCF3、C(CF3)3を示す)などがある。なお、上記化学式中のm、nは正の整数である。
この中で、強度・耐熱性・透明性・低損失の観点から、特に、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、脂環式オレフィン、ポリイミド樹脂、フッ化ポリマーであることがより好ましい。低損失の観点からは、ポリメチルメタクリレートが最も好ましい。さらに、損失を低下するために、ポリマー中の水素が重水素化されていることがより好ましい。
これらの樹脂としてはホモ樹脂であってもよく、共重合または2種類以上のブレンドであってもよい。また、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、屈折率調整のためのドープ剤などが添加されていてもよい。
これらの樹脂としてはホモ樹脂であってもよく、共重合または2種類以上のブレンドであってもよい。また、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、屈折率調整のためのドープ剤などが添加されていてもよい。
また、光導波路フィルムの90wt%以上が熱可塑性樹脂からなっていると、ダイヤモンドナイフ加工や、熱圧縮加工などの表面加工が容易となるため、装置間、装置内ボード間、ボード内チップ間光の接続がさらに容易となり、低コストな光情報伝送システムを提供できる。
本発明の光導波路フィルムは、溶融押出プロセスを用いて幅方向に積層したフィルムとして製膜されることにより得ることができる。つまり、2台の押出機を用いて、コアとなる熱可塑性樹脂Aとクラッドとなる熱可塑性樹脂Bを押出し、これを積層装置を用いて交互に積層し、さらにこの幅方向に積層されたポリマー流を厚み方向の上下から熱可塑性樹脂Bで挟み込み、ダイスリット部から溶融状態でシート上に押し出し、その後キャスティングドラムにて固化することで、光導波路フィルムが得られる。ここで、幅方向に交互に積層とは、2種類の熱可塑性樹脂よりなるA層とB層がフィルム幅方向にABABAB・・・と交互に並んでいる構造をさしている。両端の層が同じポリマーよりなるため、合計の総数は奇数となる。
押出機には、単軸押出機と二軸押出機のどちらを用いても良い。本発明に用いる熱可塑性樹脂の屈折率を調整する手段として、2種以上の異なる屈折率の熱可塑性樹脂をナノレベルで相溶(アロイ)化することにより屈折率の調整を可能とする混練化技術がある。このような場合は、スクリュー構成が非常に重要である。例えば、アロイ化を行う際は、単軸スクリューでは、ダルメージタイプ、マドックスタイプが好ましく、二軸スクリューでは、パドルの組合せにより練りを強くしたスクリュー構成にすることが好ましい。一方、1台の押出機から1種の熱可塑性樹脂を押出す場合は、余り混練が強すぎると、光損失の原因となる異物が発生するため、フルフライトスクリューを用いた単軸押出機が好ましい。そのスクリューのL/Dは、28以下であることが好ましく、より好ましくは、24以下である。また、スクリューの圧縮比は、3以下であることが好ましく、より好ましくは、2.5以下である。また、光損失の原因となる異物を除去する方法としては、真空ベント押出や濾過フィルターなどの公知の技術を用いることが効果的である。真空ベントの圧力は、差圧で1〜300mmHg程度が好ましい。また、濾過フィルターとしては、溶融押出中にFSS(Fiber Sintered Stereo)リーフディスクフィルタを用いことにより、高精度濾過することができる。異物の大きさや量などの発生状態、及び樹脂粘度による濾圧に依存したフィルターの濾過精度を適宜変更することが好ましいが、本発明においては25μm以下の濾過精度フィルターを用いることが好ましい。より好ましくは、10μm以下、さらに好ましくは5μmである。また、その際の押出機先端の樹脂圧は、樹脂漏れを少なくする観点から、20MPa以下が好ましく、よりこの好ましくは、10MPa以下である。
本フィルムを作製するための積層装置としては、高い積層精度を達成することが可能であるという点から、コームタイプフィードブロックを用いることが好ましい。このコームタイプフィードブロックの詳細は、特開2005−352237号公報に記載されている。
該コームタイプフィードブロックを用いた本光導波路フィルムの製造方法を説明する。2台の押出機を用いて、図4に示すようなフィードブロック:11の両側に存在するマニホールド:9に、コアとなる熱可塑性樹脂Aとクラッドとなる熱可塑性樹脂Bを送る。マニホールド:9の間に挟まれたスリット板:10の細孔部にそれぞれの樹脂が交互に流入し、これが合流することで幅方向に積層した構造を得ることができる。スリット板:10の各スリットの長さおよび間隙を調整することにより、各層ごとの吐出量を調節することが可能となる。具体的にスリット板:10の細孔部に流入する樹脂の吐出量と圧力損失の関係は、下記(5)式で表されることが知られている。
ΔP=12・L・μ/h/t3・Q ・・・ (5)式
ΔP:圧力損失
L :細孔部の長さ
μ :樹脂粘度
t :細孔部の間隙
h :細孔部の奥行き
Q :吐出量
すなわち、例えば、圧力損失を一定とすることで、細孔部の長さ、間隙および奥行きを調整することで、容易に流量を変化させることができるため、コア径、クラッド径を任意の径へ調整することができるのである。一方、コア数については、スリット板:10の細孔部の数を調整することで達成することができる。
ΔP=12・L・μ/h/t3・Q ・・・ (5)式
ΔP:圧力損失
L :細孔部の長さ
μ :樹脂粘度
t :細孔部の間隙
h :細孔部の奥行き
Q :吐出量
すなわち、例えば、圧力損失を一定とすることで、細孔部の長さ、間隙および奥行きを調整することで、容易に流量を変化させることができるため、コア径、クラッド径を任意の径へ調整することができるのである。一方、コア数については、スリット板:10の細孔部の数を調整することで達成することができる。
本光導波路フィルムでは、スリット板の中央部とスリット板の壁面付近との圧力損失の違いより生じるコア断面積の差をなくすため、スリット長さを微調整することにより、断面積が均一なコアが連続的に並んでいる構造を達成することができる。つまり、図5のように、スリット板の中央部からスリット板の壁面付近に向かうにつれて、スリット長を徐々に短くすることにより、断面積が均一なコアを得ている。中央部スリット:12の先端と端部スリット:13の先端とを結んだ直線21とフィードブロックの幅方向に平行な線22とがなす角度:14(スリット長の傾斜角度)は3°以上が好ましい。より好ましくは5°以上である。スリット数が偶数の場合は、中央に位置する二つのスリットと、そのスリットに対応する再壁面側にあるスリットとのなす角度とする。熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bの粘度により角度の最適値は変化するが、5°以上の傾斜があると、おおよその樹脂に対して断面積が均一なコアを得ることができる。また、このスリット長の傾斜は直線的でなくてもよく、例えば複数段傾斜構造やあるいは曲線傾斜構造であってもよい。複数段傾斜構造とは傾斜角度が変化する点が存在するような構造である。また、曲線傾斜構造とはスリット長の傾斜が曲線を描く構造であり、例えば2次関数的にスリット長が変化する構造である。また、スリット細孔部の間隙を徐々に大きくすることで、断面積が均一なコアを得ることも可能である。
また、該コームタイプフィードブロック:11を用いるに当たり、熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂Bの加熱ムラより生じる積層乱れを低減するために、マニホールド:9に接続する短管内にスタティックミキサーを入れるのが好ましい。スタティックミキサーを入れることにより、熱可塑性樹脂の加熱ムラは解消され、精密な幅方向積層が可能となる。
次に、図6のように、積層構造となった熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂B溶融積層体は、マルチマニホールドダイ:15へ導かれる。ここで、本光導波路フィルムの製造工程においては、2種3層複合型(α/β/α構造)のダイを用いることで、熱可塑性樹脂B/幅方向積層体/熱可塑性樹脂Bと積層された溶融体を得ている。その後、マルチマニホールドダイ:15よりシート状に押し出された溶融積層体を、キャスティングドラムなどを用いて冷却個化することで、コアが長手方向に延在し、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bに周りを囲まれたコアとなる熱可塑性樹脂Aからなる分散体(コア)がフィルム長手方向に延在しながらフィルム幅方向に配列した構造である光導波路フィルムが得られる
ここで、コア形状を崩さないようにするという観点から、コームタイプフィードブロック:11におけるポリマー流の幅方向圧縮比は、0.5以上が好ましい。幅方向圧縮比が0.5より小さくなると、幅方向の圧縮が大きくなることでコア形状が大きく乱れ、精密な積層構造を保つことができない。より好ましくは0.7以上である。ここで、ポリマー流の圧縮比とは、コームタイプフィードブロック:11出口の幅:16をスリット板両壁面の幅:17で割った値である。また、同様の観点から、ダイの拡幅比は0.8以上1.2以下が好ましい。より好ましくは、0.9以上1.1以下である。ここで、ダイの拡幅比とは、ダイのポリマー吐出部の幅:18をダイのポリマー流入部(コームタイプフィードブロック出口の幅):16で除した値である。
ここで、コア形状を崩さないようにするという観点から、コームタイプフィードブロック:11におけるポリマー流の幅方向圧縮比は、0.5以上が好ましい。幅方向圧縮比が0.5より小さくなると、幅方向の圧縮が大きくなることでコア形状が大きく乱れ、精密な積層構造を保つことができない。より好ましくは0.7以上である。ここで、ポリマー流の圧縮比とは、コームタイプフィードブロック:11出口の幅:16をスリット板両壁面の幅:17で割った値である。また、同様の観点から、ダイの拡幅比は0.8以上1.2以下が好ましい。より好ましくは、0.9以上1.1以下である。ここで、ダイの拡幅比とは、ダイのポリマー吐出部の幅:18をダイのポリマー流入部(コームタイプフィードブロック出口の幅):16で除した値である。
また、同様の観点から、本光導波路フィルム製造する際、コームタイプフィードブロック:11とマルチマニホールドダイ:15の間に短管を入れずに直接連結することが好ましい。直接連結することで、ポリマー合流部からポリマー吐出口までの距離が短くなり、ポリマー合流後のコア形状の乱れを防ぐことができる。コア形状の乱れを防ぐためには、ポリマー流入部からダイ吐出口までの距離:20を、最も長いスリットのスリット長:19で除した値が20以下であることが好ましい。20以上であると、ポリマーが流路を通過する時間が長くなるため、積層乱れが生じやすくなり、コア形状が乱れる。コア形状の乱れは、符号誤り率の増加に繋がる。
また、得られるフィルム表面の平面性を保つために、冷却固化の際は、静電印加法によりキャスティングドラム上にシートを密着させるのが好ましい。静電印加法とは、タングステンなどのワイヤーに3〜10kV程度の電圧をかけることにより、電界を発生させて、溶融状態のシートをキャスティングドラムに静電密着させて、冷却固化されたシートを得る方法のことである。その他、公知の表面粗さが0.4〜0.2Sレベルのハードクロム(HCr)メッキのタッチロールによるカレンダリングキャストやエアチャンバーによるキャストを行っても良い。
また、本発明における光導波路フィルムでは、フィルム長手方向におけるコアの断面積のばらつきが5%以内であることが好ましい。フィルム長手方向のコアの断面積のばらつきが5%以内であると、伝送するデータの波形が乱れないため、正確なデータ転送が可能となる。より好ましくは3%以内である。さらに好ましくは1%以内である。ここで、フィルム長手方向のコア断面積のばらつきとは、ある一つのコアにおける断面積を、フィルム長手方向10cmおきに10点計測し、その平均値を基準として計算する。
フィルム長手方向のばらつきを小さくする手段としては、コアとなる熱可塑性樹脂Aとクラッドに用いる熱可塑性樹脂Bに、溶融粘度の低い樹脂を用いることが好ましい。溶融粘度の値は、フィルム成形温度にて9000poise以下であることが好ましい。より好ましくは7000poise以下である。溶融粘度の低い樹脂を用いると、ポリマーと壁面の界面での応力が小さくなり、フィルム厚み方向の乱れが低減されるため、その結果フィルム長手方向におけるコアの断面積のばらつきが少なくなる。
本製造法により製造した光導波路フィルムは、光接続に必要不可欠なコア間隔の位置精度が高く、およびコア形状が均一なものとなる。コア間隔の位置精度を表すものとして、隣り合うコアの中心間の距離のばらつき(Vl)がある。ここで、コアの中心の距離とは、図3で示すように、コアと接するフィルム厚み方向の2本の平行線の中心同士の距離:8のことである。隣り合うコアの中心間の距離のばらつきは、下記の式を用いて算出される。
Vl=(Lmax−Lmin)/Lc × 100(%)
Vl:隣り合うコアの中心間の距離のばらつき
Lmax:任意の隣接するコアの中心間の距離の最大値
Lmin:任意の隣接するコアの中心間の距離の最小値
Lc:中央部に位置するコアとその隣接するコアの中心間の距離
ここで、コア数が奇数の場合、Lcは中央部に位置するコアに隣接する2つのコアの平均値をとる。偶数の場合は、中央に位置する二つのコアの中心間の距離とする。隣り合う中心間の距離のばらつきが10%以下であると、光の入出力の調整が容易であり、接続作業の時間を大幅に短縮することが可能である。さらには、調芯精度も向上するため、接続損失が低減できる。ばらつきは小さいほど好ましく、5%以下が好ましい。また、フィルム端部の方ほど、ネックダウンの影響などが原因でコア間隔が狭くなり、ばらつきが大きくなる傾向があるため、コア間隔ばらつきの小さい中央部のみを用いるために切断して用いることも好ましい。
Vl=(Lmax−Lmin)/Lc × 100(%)
Vl:隣り合うコアの中心間の距離のばらつき
Lmax:任意の隣接するコアの中心間の距離の最大値
Lmin:任意の隣接するコアの中心間の距離の最小値
Lc:中央部に位置するコアとその隣接するコアの中心間の距離
ここで、コア数が奇数の場合、Lcは中央部に位置するコアに隣接する2つのコアの平均値をとる。偶数の場合は、中央に位置する二つのコアの中心間の距離とする。隣り合う中心間の距離のばらつきが10%以下であると、光の入出力の調整が容易であり、接続作業の時間を大幅に短縮することが可能である。さらには、調芯精度も向上するため、接続損失が低減できる。ばらつきは小さいほど好ましく、5%以下が好ましい。また、フィルム端部の方ほど、ネックダウンの影響などが原因でコア間隔が狭くなり、ばらつきが大きくなる傾向があるため、コア間隔ばらつきの小さい中央部のみを用いるために切断して用いることも好ましい。
本発明の光導波路フィルムは、使用条件に左右されず精密なデータ転送を行うという観点から、100℃、24時間の熱処理によるフィルム長手方向の熱収縮率が5%以下であることが好ましい。より好ましくは3%以下である。更に好ましくは、1%以下である。その達成方法としては、コア、クラッドのいずれか一方、もしくは両方に、できるだけ結晶性の低い熱可塑性樹脂を用いることが望ましい。
本発明の光導波路フィルムでは、少なくとも一方の面に10μm以上の凹凸が存在していることが好ましい。各コア間のクラッド部が陥没することにより、フィルム長手方向において、各コア間に存在するクラッド部が凹、コア部が凸となって存在している。この凹凸をコネクタ接続時のガイドとして利用することで、精密な調芯が可能となる。凹凸が10μmよりも小さいと、コネクタ接続のガイドとして使用することが困難となる。また、フィルム切断時に凹部をガイドとすることで、簡便かつ正確にフィルムを切断することが可能となる。また、凹凸構造はフィルムの両面に存在してもかまわない。この達成方法としては、クラッドに結晶性樹脂を用いることが好ましい。
本発明の光導波路フィルムは、コア樹脂として用いる熱可塑性樹脂Aの数平均分子量(Mn)を重量平均分子量(Mw)で除した値である多分散度(Mw/Mn)が下記式(4)を満たすことが好ましい。
Mw/Mn≦4 式(4)
多分散度が4より大きくなると、分子量の異なるポリマーがコア内に存在することで屈折率の分布が生じ、その結果、光の散乱による損失が大きくなる。より好ましくは3以下である。さらに好ましくは2以下である。多分散度が2以下となると、コア内における屈折率の分散がほぼ解消され、光損失が極めて小さくなる。
Mw/Mn≦4 式(4)
多分散度が4より大きくなると、分子量の異なるポリマーがコア内に存在することで屈折率の分布が生じ、その結果、光の散乱による損失が大きくなる。より好ましくは3以下である。さらに好ましくは2以下である。多分散度が2以下となると、コア内における屈折率の分散がほぼ解消され、光損失が極めて小さくなる。
本発明の光導波路フィルムは、フィルムの機械強度を高める観点から、フィルム長手方向に一軸延伸してもかまわない。延伸方法は、この未延伸状態の光導波路フィルムを樹脂組成物のガラス転移点(Tg)以上の温度で延伸する方法で得ることができる。例えば、コアとなる熱可塑性樹脂Aが、ポリメチルメタクリレートの場合、延伸温度及び延伸倍率はいくらであっても良いが、通常は、延伸温度は100℃以上200℃以下であり、延伸倍率は1.2倍以上3倍以下が好ましい。長手方向の延伸方法は、ロール間の周速度変化を利用して行う。次いで、この延伸された光導波路フィルムを、引き続きオーブン内で弛緩熱処理することが好ましい。この弛緩熱処理は、延伸温度より高く、融点より低い温度で行うのが一般的である。熱可塑性樹脂Aがポリメチルメタクリレートの場合、100℃ないし200℃の範囲で行うのが好ましい。
また、本発明の光導波路フィルムに用いる光の波長は可視〜近赤外光線領域(400nm〜1550nm)であることが好ましい。特に1200nm以下であることが好ましい。通常、長距離光通信に用いられる波長は、1.55μm、1.31μmなどの近赤外領域であるが、本発明では熱可塑性樹脂を用いているため、一般的に、前記した近赤外線領域に光吸収端をもつことが多い。そのため、光吸収が小さく、かつ伝送容量が多い特徴を有する波長850nmの光を用いることが本発明の光導波路フィルムには好適である。
また、本発明の光導波路フィルムは、光を導光させる光導波路であるため光損失が低いことが重要である。好ましくは、1dB/cm以下である。より好ましくは、0.1dB/cm以下である。さらに好ましくは、0.05dB/cm以下である。不純物などによる光散乱、吸収損失が少ない熱可塑性樹脂の選択、およびフィルム幅方向の均一なコアの配列により達成することができる。その他、高精度フィルタを用いることで不純物を除去することができる。
本発明の光導波路フィルムを用いた光モジュールとしては、光I/Oが内蔵されたシステムのことである。なお、光モジュールとは、一般に光と電気を相互に変換する電子部品のことである。例えば、光を送信する側である面発光型半導体レーザー(VCSEL)− ポリマ光導波路である光導波路フィルム − 光を受信するフォトダイオードの基本構成を有したシステムのことである。より具体的には、例えば、本構成が、光・磁気カード、装置間接続の光バックプレーン、メモリ−CPU間、スイッチLSIのパッケージに搭載されたシステムのことである。
本発明の光導波路フィルムの用途は、ディスプレイ部材、太陽電池部材、装飾部材、照明部材、情報通信部材などの用途に用いることができる。光導波路フィルムは、フィルム面直方向から光を照射すると、コア間隔に依存して異方拡散や回折現象などが発生するため、光が特定方向へ広がる。そのため、ディスプレイ部材である異方拡散板や視野角制御フィルム、さらには偏光フィルムなどとして利用することもできる。フイルム端部から光を照射すると、光を目的の位置まで導くために、エッジライト型の液晶ディスプレイの導光板として用いることもできる。さらに、本発明の光導波路フィルム表面にエンボス加工、高濃度粒子のコーティングなどをさらに加えることにより、より前記効果を奏する。また、レンズなどと組み合わせることにより、光を効率的に導波路内に採光できるため、光電変換を必要とする太陽電池部材として用いることもできる。例えば、コアとフレネルレンズを光学的に接合させ、太陽光を採取し、太陽電池セルまで光を光導波路フィルムで導くことができる。導波させる光源の色を赤、青、黄、緑色とすることで、意匠用途としても用いることができる。また、ハロゲンランプ、白色LED、太陽光などの光を採光し、目的の位置まで光導波路フィルムで導波させて、照射することにより、照明部材として用いることもできる。特に、本発明の光導波路フィルムは、装置間通信や装置内通信などの短〜中・長距離用の光導波路に好適に用いることができる。
ゆえに、本発明の光導波路フィルムは、照明装置、通信装置、表示装置に用いられることが好ましい。また、コネクタ付きライトガイドに用いられることも好ましい。コネクタ規格としては、プラスチックのマルチコアタイプの汎用性の観点から、MTコネクタ、MPOコネクタ、MPXコネクタ、PMTコネクタなどを用いることが好ましい。
その他、本発明の光導波路フィルムは、イメージガイド、光センサシンシング部材として用いることができる。また、その光源としては、LDやLEDでも良い。
その他、本発明の光導波路フィルムは、イメージガイド、光センサシンシング部材として用いることができる。また、その光源としては、LDやLEDでも良い。
本発明に使用した物性値の評価法を記載する。なお、評価法(2)、(3)、(5)、(6)においては、コア断面積や中心間距離の正確な値を得るために、フィルムをカッターにて切り出した後、その断面を研磨し、平均粗さが500nm以下の平滑面を得ている。
(物性値の評価法)
(1)損失正接tanδ測定法
損失正接測定法をおこなうにあたり、はじめに測定温度を決定するためにガラス転移温度および融点を求めた。ガラス転移温度および融点の測定には、示唆走査熱量計(SIIナノテクノロジー社製 EXSTAR6000)を用いた。その測定法としては、光導波路フィルムに用いた測定する樹脂を5mg用意し、これを測定容器に入れたあと、25℃から300℃まで20℃/minで昇温する。300℃で5分間保持したあと、25℃まで急冷することにより樹脂の持つ熱履歴を消す。その後、再び25℃から300℃まで20℃/minで昇温し、そのときの熱量の曲線から求めた。次に、損失正接は動的粘弾性測定装置(レオロジ社製 MR−300ソリキッドメータ)を用い、測定システムをコーンプレート型(コーン角度1.7deg、直径18mm)に設定し、損失正接tanδの測定を行った。測定する樹脂を、光導波路フィルムから50mg切り出したあと、減圧乾燥を8時間行った。その乾燥温度はガラス転移温度よりも10℃低い温度で行った。8時間減圧乾燥を行い、測定直前まで同条件にて保管した。その後、加熱した装置にセットし、3分間保持したあと、窒素フロー、歪み角度0.5deg、角周波数10rad/secの条件における損失正接tanδの値を求めた。tanδは以下の(6)式から求めた。
tanδ=G”/G’ ・・・(6)式
G”は損失剛性率、G’は貯蔵剛性率。
(1)損失正接tanδ測定法
損失正接測定法をおこなうにあたり、はじめに測定温度を決定するためにガラス転移温度および融点を求めた。ガラス転移温度および融点の測定には、示唆走査熱量計(SIIナノテクノロジー社製 EXSTAR6000)を用いた。その測定法としては、光導波路フィルムに用いた測定する樹脂を5mg用意し、これを測定容器に入れたあと、25℃から300℃まで20℃/minで昇温する。300℃で5分間保持したあと、25℃まで急冷することにより樹脂の持つ熱履歴を消す。その後、再び25℃から300℃まで20℃/minで昇温し、そのときの熱量の曲線から求めた。次に、損失正接は動的粘弾性測定装置(レオロジ社製 MR−300ソリキッドメータ)を用い、測定システムをコーンプレート型(コーン角度1.7deg、直径18mm)に設定し、損失正接tanδの測定を行った。測定する樹脂を、光導波路フィルムから50mg切り出したあと、減圧乾燥を8時間行った。その乾燥温度はガラス転移温度よりも10℃低い温度で行った。8時間減圧乾燥を行い、測定直前まで同条件にて保管した。その後、加熱した装置にセットし、3分間保持したあと、窒素フロー、歪み角度0.5deg、角周波数10rad/secの条件における損失正接tanδの値を求めた。tanδは以下の(6)式から求めた。
tanδ=G”/G’ ・・・(6)式
G”は損失剛性率、G’は貯蔵剛性率。
なお、動的粘弾性測定を行う温度は、結晶性樹脂の場合は融点よりも20℃高い温度で行い、非晶性樹脂の場合はガラス転移温度よりも130℃高い温度で行った。測定温度は、表中に記した。
(2)コア中心間の距離のばらつき、コア断面積、Ri/Ro、凹凸部の深さ、フイルム厚みの評価方法
カッターもしくはミクロトームを用いて断面(幅方向−厚み方向断面)を切り出したサンプルについて、光学顕微鏡により、その断面を観察した。Leica社製光学顕微鏡DMLMを用いて、フィルムの厚み方向−幅方向断面全てについて撮影した。撮影条件は、透過/反射モード、観察倍率は、厚み方向全てが視野に入るように適宜調整した。この撮影により、フィルム幅方向の全てのコア数を測定した。撮影した画像は、付属のソフトAxioVision3.0で画像データとしてコンピュータへ保存した。なお、観察倍率は、20倍〜700倍程度で観察した。次に、画像処理ソフト Image-Pro Plus ver.4(販売元 プラネトロン(株))を用いて、このファイルを開き、必要であれば、画像処理を行った。画像処理は、コアの形状を鮮明にするために行うものであり、例えば、ソフト付属の2値化およびローパスフィルタ処理などを行った。
(a)コアの中心間の距離のばらつき
続いて、画像解析にて、平行シックプロファイルモードで、フィルム幅方向の2本の平行ライン間に全てのコアが挟まれるよう配置し、位置とライン間の平均明るさとの関係を、数値データとして読み取った。表計算ソフト(Excel2000)を用いて、位置(μm)と明るさのデータに対してサンプリングステップ4(間引き4)でデータ採用した後に、3点移動平均の数値処理を施した。さらに、この得られた明るさが変化するデータを微分し、VBAプログラムにより、その微分曲線の極大値と極小値を読み込み、コアの両端部に位置する極値2つの中点をコア中心位置として全てについて算出した。次いで、隣り合うこれらの間隔をコア間隔として算出し、この操作を光導波路フィルムのフィルム厚み方向−幅方向断面すべての写真について行った。隣り合うコアの中心間の距離のばらつき(Vl)は、下記の式のように定義する。
Vl=(Lmax−Lmin)/Lc × 100(%)
Vl:隣り合うコアの中心間の距離のばらつき
Lmax:任意の隣接するコアの中心間の距離の最大値
Lmin:任意の隣接するコアの中心間の距離の最小値
Lc:中央部に位置するコアとその隣接するコアの中心間の距離
ここで、コア数が奇数の場合、Lcは中央部に位置するコアに隣接する2つのコアの平均値をとる。偶数の場合は、中央に位置する二つのコアの中心間の距離とする。
(b)コアの断面積A/コアの断面積の平均値Aavg
式(2)を満たすコア断面積の求め方は、得られたフィルム幅方向断面写真から式(2)を満足する全てのコアについて、上記同様に2値化などの画像処理によりコアとクラッドを区別し、コアの断面積を求める。すわなち、Count/Sizeダイアログボックスの測定メニューから、測定項目のうち、“Area(面積)”を選択し、Countボタンを押し、自動測定を行った。こうして全てのコアに関して断面積を求め、それぞれについて、式(2)を満足するコアの断面積の平均値Aavgで除することにより、A/Aavg値を求めた。この値の中で、最も1から離れた値を指標して評価した。
(c)内接円の半径を外接円の半径で除した値(Ri/Ro)
フィルム幅方向に配列するコア全てについて、前記と同様の画像処理ソフトImage-Pro Plus ver.4(販売元 プラネトロン(株))を用いて、内接円の半径Riと外接円の半径Roを測長し、Ri/Roを求めた。具体的には、マニュアル測定で円ツールを選択し、測長するコアについて最適な内接円と外接円を描き、それぞれの半径を読み取った。
また、(2)式を満足するコアの数が、フィルム幅方向の中央部のコアより連続的にいくつあるか数えた。なお、表1−1、1−2には、(2)式を満足するコア全てについてのRi/Roを求め、その平均値を記した。
(d)表面凹凸部の深さ
表面凹凸部の深さは、フィルム幅方向中央部のコアの凸部の頂点のトレース線と隣接する凹部の谷の底辺のトレース線の間の垂直成分の距離を同様のソフトのマニュアル測定の水平幅ツールを用いて測長した。トレース線は、フィルム幅方向に平行に描いた。凹凸部がフィルムの両面にある場合は、その平均を表面凹凸部の深さとした。
(e)フィルム厚み
撮影した画像を用いて、フィルム幅方向中央部に位置するフィルム厚みを計測した。計測には、前期同様の画像処理ソフトを用いて、マニュアル測定の直線距離を求めるツールを用いて測長した。凹凸がある場合は、凸部をフィルム厚みとした。
(f)コア径
コア径は、フィルム幅方向中央部において得られた画像を用いて、図2に示したように、フィルム厚み方向の2本の平行線とコアが接する間隔:7とフィルム幅方向の2本の平行線とコアが接する間隔:6の長さを、付属ソフトの水平幅ツールと垂直幅ツールを用いて(d)の評価方法と同様の方法で、それぞれ測長し、その平均値をコア径として求めた。
カッターもしくはミクロトームを用いて断面(幅方向−厚み方向断面)を切り出したサンプルについて、光学顕微鏡により、その断面を観察した。Leica社製光学顕微鏡DMLMを用いて、フィルムの厚み方向−幅方向断面全てについて撮影した。撮影条件は、透過/反射モード、観察倍率は、厚み方向全てが視野に入るように適宜調整した。この撮影により、フィルム幅方向の全てのコア数を測定した。撮影した画像は、付属のソフトAxioVision3.0で画像データとしてコンピュータへ保存した。なお、観察倍率は、20倍〜700倍程度で観察した。次に、画像処理ソフト Image-Pro Plus ver.4(販売元 プラネトロン(株))を用いて、このファイルを開き、必要であれば、画像処理を行った。画像処理は、コアの形状を鮮明にするために行うものであり、例えば、ソフト付属の2値化およびローパスフィルタ処理などを行った。
(a)コアの中心間の距離のばらつき
続いて、画像解析にて、平行シックプロファイルモードで、フィルム幅方向の2本の平行ライン間に全てのコアが挟まれるよう配置し、位置とライン間の平均明るさとの関係を、数値データとして読み取った。表計算ソフト(Excel2000)を用いて、位置(μm)と明るさのデータに対してサンプリングステップ4(間引き4)でデータ採用した後に、3点移動平均の数値処理を施した。さらに、この得られた明るさが変化するデータを微分し、VBAプログラムにより、その微分曲線の極大値と極小値を読み込み、コアの両端部に位置する極値2つの中点をコア中心位置として全てについて算出した。次いで、隣り合うこれらの間隔をコア間隔として算出し、この操作を光導波路フィルムのフィルム厚み方向−幅方向断面すべての写真について行った。隣り合うコアの中心間の距離のばらつき(Vl)は、下記の式のように定義する。
Vl=(Lmax−Lmin)/Lc × 100(%)
Vl:隣り合うコアの中心間の距離のばらつき
Lmax:任意の隣接するコアの中心間の距離の最大値
Lmin:任意の隣接するコアの中心間の距離の最小値
Lc:中央部に位置するコアとその隣接するコアの中心間の距離
ここで、コア数が奇数の場合、Lcは中央部に位置するコアに隣接する2つのコアの平均値をとる。偶数の場合は、中央に位置する二つのコアの中心間の距離とする。
(b)コアの断面積A/コアの断面積の平均値Aavg
式(2)を満たすコア断面積の求め方は、得られたフィルム幅方向断面写真から式(2)を満足する全てのコアについて、上記同様に2値化などの画像処理によりコアとクラッドを区別し、コアの断面積を求める。すわなち、Count/Sizeダイアログボックスの測定メニューから、測定項目のうち、“Area(面積)”を選択し、Countボタンを押し、自動測定を行った。こうして全てのコアに関して断面積を求め、それぞれについて、式(2)を満足するコアの断面積の平均値Aavgで除することにより、A/Aavg値を求めた。この値の中で、最も1から離れた値を指標して評価した。
(c)内接円の半径を外接円の半径で除した値(Ri/Ro)
フィルム幅方向に配列するコア全てについて、前記と同様の画像処理ソフトImage-Pro Plus ver.4(販売元 プラネトロン(株))を用いて、内接円の半径Riと外接円の半径Roを測長し、Ri/Roを求めた。具体的には、マニュアル測定で円ツールを選択し、測長するコアについて最適な内接円と外接円を描き、それぞれの半径を読み取った。
また、(2)式を満足するコアの数が、フィルム幅方向の中央部のコアより連続的にいくつあるか数えた。なお、表1−1、1−2には、(2)式を満足するコア全てについてのRi/Roを求め、その平均値を記した。
(d)表面凹凸部の深さ
表面凹凸部の深さは、フィルム幅方向中央部のコアの凸部の頂点のトレース線と隣接する凹部の谷の底辺のトレース線の間の垂直成分の距離を同様のソフトのマニュアル測定の水平幅ツールを用いて測長した。トレース線は、フィルム幅方向に平行に描いた。凹凸部がフィルムの両面にある場合は、その平均を表面凹凸部の深さとした。
(e)フィルム厚み
撮影した画像を用いて、フィルム幅方向中央部に位置するフィルム厚みを計測した。計測には、前期同様の画像処理ソフトを用いて、マニュアル測定の直線距離を求めるツールを用いて測長した。凹凸がある場合は、凸部をフィルム厚みとした。
(f)コア径
コア径は、フィルム幅方向中央部において得られた画像を用いて、図2に示したように、フィルム厚み方向の2本の平行線とコアが接する間隔:7とフィルム幅方向の2本の平行線とコアが接する間隔:6の長さを、付属ソフトの水平幅ツールと垂直幅ツールを用いて(d)の評価方法と同様の方法で、それぞれ測長し、その平均値をコア径として求めた。
なお、(a)〜(f)の測定前には、既知の尺度を用いてスケーリング(空間校正)を事前に行った。スケーリングには、ニコン社製MBM13100のオブジェクティブマイクロメータを用いて、10μmの精度で空間校正した。
(3)コア断面積の長手方向のばらつき評価方法
式(1)を満たし、幅方向に3個以上連続して存在しているコアについて、中央コアにおける断面積を(2)の手法を用いて求め、その後フィルム長手方向に10cm進んだ場所における該コアの断面積を、同様の手法を用いて計算した。これを10回行い、得られた10点での該コアの断面積の平均値(Savg)を算出した。コア長手方向における断面積のばらつき(Sv)を、下記式を用いて算出し、その値が何パーセント以下になるかを求めた。なお、中央コアとは、コア数が奇数の場合は両端から数えて中央部に存在するコアを、コアの数が偶数の場合は中央に位置する二つのコアの平均値を取ることとした。
Sv=(Smax―Smin)/Savg × 100(%)
Sv :コアのフィルム長手方向10cmおき10点での断面積の平均値
Smax:10点のコア断面積の最大値
Smin:10点のコア断面積の最小値。
式(1)を満たし、幅方向に3個以上連続して存在しているコアについて、中央コアにおける断面積を(2)の手法を用いて求め、その後フィルム長手方向に10cm進んだ場所における該コアの断面積を、同様の手法を用いて計算した。これを10回行い、得られた10点での該コアの断面積の平均値(Savg)を算出した。コア長手方向における断面積のばらつき(Sv)を、下記式を用いて算出し、その値が何パーセント以下になるかを求めた。なお、中央コアとは、コア数が奇数の場合は両端から数えて中央部に存在するコアを、コアの数が偶数の場合は中央に位置する二つのコアの平均値を取ることとした。
Sv=(Smax―Smin)/Savg × 100(%)
Sv :コアのフィルム長手方向10cmおき10点での断面積の平均値
Smax:10点のコア断面積の最大値
Smin:10点のコア断面積の最小値。
(4)熱収縮率
サンプル片150mm×10mmを準備し、この際、サンプル片の長軸が測定対象となるフィルム長手方向と一致するようにした。このサンプル片を、23℃、60%RHの雰囲気に30分間放置し、その雰囲気下で、フィルム長手方向に約100mmの間隔で2つの印をつけ、Nikon社製万能投影機(Model V−16A)を用いて、その印の間隔を測定し、その値をAとした。次に、サンプルを、張力フリーの状態で100℃の雰囲気中で24時間放置し、次いで、23℃・60%RHの雰囲気中で1時間冷却、調湿後、先につけた印の間隔を測定し、これをBとした。このとき、次式より、熱収縮率を求めた。なお、n数は3開とし、その平均値を採用した。
熱収縮率(%)=100×(A−B)/A。
サンプル片150mm×10mmを準備し、この際、サンプル片の長軸が測定対象となるフィルム長手方向と一致するようにした。このサンプル片を、23℃、60%RHの雰囲気に30分間放置し、その雰囲気下で、フィルム長手方向に約100mmの間隔で2つの印をつけ、Nikon社製万能投影機(Model V−16A)を用いて、その印の間隔を測定し、その値をAとした。次に、サンプルを、張力フリーの状態で100℃の雰囲気中で24時間放置し、次いで、23℃・60%RHの雰囲気中で1時間冷却、調湿後、先につけた印の間隔を測定し、これをBとした。このとき、次式より、熱収縮率を求めた。なお、n数は3開とし、その平均値を採用した。
熱収縮率(%)=100×(A−B)/A。
(5)光伝搬損失
25℃、65%RHの環境下で、JIS C6823(1999)カットバック法(IEC60793−C1A)に準じて行った。光源には、波長850nmのファブリペローレーザ(アジレントテクノロジーズ社製81655A-E01)を用い、モードコンディショナーを介してサンプルに光入力を行った。光ファイバーは、入力側φ50μm、検出側φ1mmのマルチモードタイプを用いた。なお、光の入出力には、調芯器を用いて光軸合わせを行った。また、検出器には、光パワーセンサ(アジレントテクノロジーズ社製81623B)を用いた。
なお、損失の評価基準は、以下の基準で判断し、測定に用いたコアは、フィルム幅方向中央部のコアとした。
◎:0.05dB/cm未満
○:0.05dB/cm以上0.1dB/cm未満
△:0.1dB/cm以上 1dB/cm未満
×:1dB/cm以上。
25℃、65%RHの環境下で、JIS C6823(1999)カットバック法(IEC60793−C1A)に準じて行った。光源には、波長850nmのファブリペローレーザ(アジレントテクノロジーズ社製81655A-E01)を用い、モードコンディショナーを介してサンプルに光入力を行った。光ファイバーは、入力側φ50μm、検出側φ1mmのマルチモードタイプを用いた。なお、光の入出力には、調芯器を用いて光軸合わせを行った。また、検出器には、光パワーセンサ(アジレントテクノロジーズ社製81623B)を用いた。
なお、損失の評価基準は、以下の基準で判断し、測定に用いたコアは、フィルム幅方向中央部のコアとした。
◎:0.05dB/cm未満
○:0.05dB/cm以上0.1dB/cm未満
△:0.1dB/cm以上 1dB/cm未満
×:1dB/cm以上。
(6)符号誤り率評価
25℃、65%RHの環境下で計測を行った。パスルパターンジェネレーター(アンリツ社製 MP1800A)にて発生するパスルパターンを電気―光変換器(New Focus社製1780 E/O 850nm VICSEL Type)を用いて光信号に変換後、フィルム長手方向に10cm切り出した光導波路フィルムに光入力を行った。光ファイバーは入力側φ50μm、検出側は先端にコリメートレンズを取り付けたφ200μmのマルチモードタイプを用いた。コア径が600μm程度のものは、φ750μmのマルチモードタイプの光ファイバを用いた。なお、光の入出力には、調芯器を用いて光軸合わせを行い、リファレンス測定ではエラーレートが1×10―12以下である確認を行った。検出した光は光―電気変換器(New Focus社製1580―B O/E 850nm)を用いて電気信号に変換後、エラーディテクター(アンリツ社製MP1800A)にて検出した。
25℃、65%RHの環境下で計測を行った。パスルパターンジェネレーター(アンリツ社製 MP1800A)にて発生するパスルパターンを電気―光変換器(New Focus社製1780 E/O 850nm VICSEL Type)を用いて光信号に変換後、フィルム長手方向に10cm切り出した光導波路フィルムに光入力を行った。光ファイバーは入力側φ50μm、検出側は先端にコリメートレンズを取り付けたφ200μmのマルチモードタイプを用いた。コア径が600μm程度のものは、φ750μmのマルチモードタイプの光ファイバを用いた。なお、光の入出力には、調芯器を用いて光軸合わせを行い、リファレンス測定ではエラーレートが1×10―12以下である確認を行った。検出した光は光―電気変換器(New Focus社製1580―B O/E 850nm)を用いて電気信号に変換後、エラーディテクター(アンリツ社製MP1800A)にて検出した。
なお、符号誤り率の評価は10GHzの信号を入力したときのエラーレートを検出し、以下の基準で判断した。また、測定に用いたコアはフィルム幅方向中央部のコアとした。
◎:1×10―7未満
○:1×10―7以上 1×10―5未満
△:1×10―5以上 1×10―3未満
×:1×10―3以上。
◎:1×10―7未満
○:1×10―7以上 1×10―5未満
△:1×10―5以上 1×10―3未満
×:1×10―3以上。
(7)溶融粘度測定
溶融粘度はフローテスター(島津製作所製 CFT−5000)を用いて測定を行った。計測する温度まで加熱したシリンダ内に測定する樹脂を3g程度入れ、3分間加熱したのち測定を開始する。装置の重りの重量を変化させて複数回測定を行い、剪断速度に対する溶融粘度のグラフを求め、剪断速度が100sec−1における樹脂の溶融粘度をグラフより求めた。
溶融粘度はフローテスター(島津製作所製 CFT−5000)を用いて測定を行った。計測する温度まで加熱したシリンダ内に測定する樹脂を3g程度入れ、3分間加熱したのち測定を開始する。装置の重りの重量を変化させて複数回測定を行い、剪断速度に対する溶融粘度のグラフを求め、剪断速度が100sec−1における樹脂の溶融粘度をグラフより求めた。
(8)多分散度の測定法
ゲル浸透クロマトグラフGPC(東ソー社製)を用い、標準試料(昭和電工製 ポリメチルメタクリレート)との相対値から数平均分子量および重量平均分子量を測定し、多分散度を求めた。カラムとしてはTSKgel GMHHR―M(東ソー社製 φ7.8mm × 30cm、理論段数5500段)を2本用い、検出器には示差屈折率検出器(Waters社製 2410型 感度256)を使用した。測定する試料をテトラヒドロフラン(和光純薬工業社製)に濃度0.2w/v%となるように溶解させ、メンブレンフィルター(東ソー社製 マイショリディスクH−13−5、孔径0.45μm)で濾過後、0.2mLをシリンダにとり、これを温度23℃に保たれたカラムへ注入し、流速1.0mL/minの条件で測定を行った。
ゲル浸透クロマトグラフGPC(東ソー社製)を用い、標準試料(昭和電工製 ポリメチルメタクリレート)との相対値から数平均分子量および重量平均分子量を測定し、多分散度を求めた。カラムとしてはTSKgel GMHHR―M(東ソー社製 φ7.8mm × 30cm、理論段数5500段)を2本用い、検出器には示差屈折率検出器(Waters社製 2410型 感度256)を使用した。測定する試料をテトラヒドロフラン(和光純薬工業社製)に濃度0.2w/v%となるように溶解させ、メンブレンフィルター(東ソー社製 マイショリディスクH−13−5、孔径0.45μm)で濾過後、0.2mLをシリンダにとり、これを温度23℃に保たれたカラムへ注入し、流速1.0mL/minの条件で測定を行った。
なお、PET、PCについては溶媒にo−クロロフェノール/クロロホルムを用い、COC(シクロオレフィンコポリマー)はトルエンを用いて、同じく標準試料との相対値から数平均分子量および重量平均分子量を測定し、多分散度を求めた。
(9)溶融粘度差
コアとなる熱可塑性樹脂Aおよびクラッドとなる熱可塑性樹脂Bともに、オーブンにて90℃で4時間以上乾燥し、前処理を行った。測定条件は以下の通りである。なお、PET、PBTについては、150℃で乾燥を行った。
装置 :島津製作所(株)島津フローテスタCFT-500形A
試料 :約数g
溶融温度 :表中記載の押出温度
荷重 :100,150,200kgf(サンプルセットを始めて5分後に荷重スタート)
試験回数 :3
ダイス :φ1mm、L=10mm
データは、試験回数3回の平均を採用した。また、熱可塑性樹脂A、Bとも剪断速度100S^(―1)の溶融粘度値(poise)を採取した。なお、100での値が読みとれないときは、線形近似を行い直線の数式から値を読み取った。
コアとなる熱可塑性樹脂Aおよびクラッドとなる熱可塑性樹脂Bともに、オーブンにて90℃で4時間以上乾燥し、前処理を行った。測定条件は以下の通りである。なお、PET、PBTについては、150℃で乾燥を行った。
装置 :島津製作所(株)島津フローテスタCFT-500形A
試料 :約数g
溶融温度 :表中記載の押出温度
荷重 :100,150,200kgf(サンプルセットを始めて5分後に荷重スタート)
試験回数 :3
ダイス :φ1mm、L=10mm
データは、試験回数3回の平均を採用した。また、熱可塑性樹脂A、Bとも剪断速度100S^(―1)の溶融粘度値(poise)を採取した。なお、100での値が読みとれないときは、線形近似を行い直線の数式から値を読み取った。
(10)スリット長の傾斜角度、フィードブロックの幅方向圧縮比、マルチマニホールドダイの拡幅比、フィードブロックスリット流入口からマルチマニホールドダイ吐出口までの距離の比
これらの値は、測定個所に応じて公知のノギス、分度器、定規、メジャーなどの測長冶具を用いて測長して求めた。
これらの値は、測定個所に応じて公知のノギス、分度器、定規、メジャーなどの測長冶具を用いて測長して求めた。
(実施例1)
コアとなる熱可塑性樹脂Aとしてはポリメチルメタクリレート(8500poise/250℃)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bとしては、テトラフルオロエチレン20mol%、フッ化ビニリデン80mol%の4フッ化エチレン・フッ化ビニリデン共重合体(5500poise/250℃)を用いた。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれの単軸押出機にて250℃で溶融させ、濾過精度5μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=3.3/1になるように計量しながら、スリット長の傾斜角度が3°のスリット板を用いて101層のコームタイプのフィードブロック(幅方向圧縮比0.8)にて合流させて、フィルム幅方向に交互に積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが51層、熱可塑性樹脂Bが50層からなる幅方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であった。さらに、3台目の単軸押出機から、250℃で溶融したクラッドとなる熱可塑性樹脂Bが、フィルム厚み方向の最外層部にくるように、ギアポンプを用いて、積層体との吐出比が10/1となるようにマルチマニホールドダイ部(拡幅比1.0、熱可塑性樹脂B/101層積層体/熱可塑性樹脂B=1/20/1)で合流させて、厚み方向上下がクラッドに覆われたフィルム幅方向積層体とした。また、本装置構成におけるスリット流入口からダイ吐出口までの距離の比は7とした。その後、ワイヤーで9kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは700μmであった。採取した光導波路フィルムのコア径は、600μmであり、フィルム幅方向に直線的に整列しており、その数は51個であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
コアとなる熱可塑性樹脂Aとしてはポリメチルメタクリレート(8500poise/250℃)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bとしては、テトラフルオロエチレン20mol%、フッ化ビニリデン80mol%の4フッ化エチレン・フッ化ビニリデン共重合体(5500poise/250℃)を用いた。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれの単軸押出機にて250℃で溶融させ、濾過精度5μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=3.3/1になるように計量しながら、スリット長の傾斜角度が3°のスリット板を用いて101層のコームタイプのフィードブロック(幅方向圧縮比0.8)にて合流させて、フィルム幅方向に交互に積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが51層、熱可塑性樹脂Bが50層からなる幅方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であった。さらに、3台目の単軸押出機から、250℃で溶融したクラッドとなる熱可塑性樹脂Bが、フィルム厚み方向の最外層部にくるように、ギアポンプを用いて、積層体との吐出比が10/1となるようにマルチマニホールドダイ部(拡幅比1.0、熱可塑性樹脂B/101層積層体/熱可塑性樹脂B=1/20/1)で合流させて、厚み方向上下がクラッドに覆われたフィルム幅方向積層体とした。また、本装置構成におけるスリット流入口からダイ吐出口までの距離の比は7とした。その後、ワイヤーで9kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは700μmであった。採取した光導波路フィルムのコア径は、600μmであり、フィルム幅方向に直線的に整列しており、その数は51個であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1の熱可塑性樹脂Aをスチレン共重ポリメチルメタクリレート(7000poise/250℃)に変更し、フィードブロックのスリット傾斜角度を8°の301層コームタイプのフィードブロック(幅方向圧縮比0.6)を使用し、マルチマニホールドダイの拡幅比を0.9、スリット流入口からダイ吐出口までの距離の比は7とし、それ以外は、実施例1と同様にして、光導波路フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは120μmであった。採取した光導波路フィルムのコア径は103μmであり、フィルム幅方向の間隔のばらつきは大きいものの、その数は151個であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
実施例1の熱可塑性樹脂Aをスチレン共重ポリメチルメタクリレート(7000poise/250℃)に変更し、フィードブロックのスリット傾斜角度を8°の301層コームタイプのフィードブロック(幅方向圧縮比0.6)を使用し、マルチマニホールドダイの拡幅比を0.9、スリット流入口からダイ吐出口までの距離の比は7とし、それ以外は、実施例1と同様にして、光導波路フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは120μmであった。採取した光導波路フィルムのコア径は103μmであり、フィルム幅方向の間隔のばらつきは大きいものの、その数は151個であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1の熱可塑性樹脂Bを、主鎖中の水素原子の90%をフッ素原子に置換したフッ素化ポリメチルメタクリレート(7500poise/240℃)に変更し、フィードブロックのスリット傾斜角度を8°、幅方向圧縮比0.6のものを用い、マルチマニホールドダイに拡幅比0.9のものを使用し、スリット流入口からダイ吐出口までの距離の比を40とした。それ以外は、実施例1と同様にして、光導波路フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは760μmであった。採取した光導波路フィルムのコア径は、600μmであり、フィルム幅方向に直線的に整列しており、その数は51個であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
実施例1の熱可塑性樹脂Bを、主鎖中の水素原子の90%をフッ素原子に置換したフッ素化ポリメチルメタクリレート(7500poise/240℃)に変更し、フィードブロックのスリット傾斜角度を8°、幅方向圧縮比0.6のものを用い、マルチマニホールドダイに拡幅比0.9のものを使用し、スリット流入口からダイ吐出口までの距離の比を40とした。それ以外は、実施例1と同様にして、光導波路フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは760μmであった。採取した光導波路フィルムのコア径は、600μmであり、フィルム幅方向に直線的に整列しており、その数は51個であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1の熱可塑性樹脂Aをポリメチルメタクリレート(12000poise/250℃)、熱可塑性樹脂Bをポリフッカビニリデン(7000poise/250℃)に変更し、フィードブロックのスリット傾斜角度を5°、幅方向圧縮比0.3のものを用い、マルチマニホールドダイに拡幅比1.2のものを使用し、スリット流入口からダイ吐出口までの距離の比を25とした。それ以外は、実施例1と同様にして、光導波路フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは770μmであった。採取した光導波路フィルムのコア径は、600μmであり、フィルム幅方向に直線的に整列しており、その数は51個であった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
実施例1の熱可塑性樹脂Aをポリメチルメタクリレート(12000poise/250℃)、熱可塑性樹脂Bをポリフッカビニリデン(7000poise/250℃)に変更し、フィードブロックのスリット傾斜角度を5°、幅方向圧縮比0.3のものを用い、マルチマニホールドダイに拡幅比1.2のものを使用し、スリット流入口からダイ吐出口までの距離の比を25とした。それ以外は、実施例1と同様にして、光導波路フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは770μmであった。採取した光導波路フィルムのコア径は、600μmであり、フィルム幅方向に直線的に整列しており、その数は51個であった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例5の熱可塑性樹脂Bをポスチレン共重ポリメチルメタクリレート(7000poise/250℃)に変更し、フィードブロックのスリット傾斜角度を8°、幅方向圧縮比0.3のものを用い、マルチマニホールドダイに拡幅比1.5のものを使用し、スリット流入口からダイ吐出口までの距離の比を20とした。それ以外は、実施例1と同様にして、光導波路フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは650μmであった。採取した光導波路フィルムのコア径は、600μmであり、フィルム幅方向に直線的に整列しており、その数は51個であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
実施例5の熱可塑性樹脂Bをポスチレン共重ポリメチルメタクリレート(7000poise/250℃)に変更し、フィードブロックのスリット傾斜角度を8°、幅方向圧縮比0.3のものを用い、マルチマニホールドダイに拡幅比1.5のものを使用し、スリット流入口からダイ吐出口までの距離の比を20とした。それ以外は、実施例1と同様にして、光導波路フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは650μmであった。採取した光導波路フィルムのコア径は、600μmであり、フィルム幅方向に直線的に整列しており、その数は51個であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
(実施例6)
コアとなる熱可塑性樹脂Aとしてはポリエチレンテレフタレート(3000poise/270℃)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bとしては、エチレン・プロピレン共重合体(1000poise/270℃)を用いた。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれの単軸押出機にて270℃で溶融させ、濾過精度20μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=3.3/1になるように計量しながら、スリットの傾斜角度が0°のスリット板を用いて301層のコームタイプのフィードブロック(幅方向圧縮比0.8)にて合流させて、フィルム幅方向に交互に積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが151層、熱可塑性樹脂Bが150層からなる幅方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であった。また、本装置構成におけるスリット流入口からダイ吐出口までの距離の比は10とした。さらに、3台目の単軸押出機から、270℃で溶融したクラッドとなる熱可塑性樹脂Bが、フィルム厚み方向の最外層部にくるように、ギアポンプを用いて、積層体との吐出比が7/1となるようにマルチマニホールドダイ部(拡幅比0.9、熱可塑性樹脂B/301層積層体/熱可塑性樹脂B=1/14/1)で合流させて、厚み方向上下がクラッドに覆われたフィルム幅方向積層体とした。その後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは670μmであった。採取した光導波路フィルムのコア径は、610μmであり、フィルム幅方向に直線的に整列しており、その数は51個であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
コアとなる熱可塑性樹脂Aとしてはポリエチレンテレフタレート(3000poise/270℃)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bとしては、エチレン・プロピレン共重合体(1000poise/270℃)を用いた。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれの単軸押出機にて270℃で溶融させ、濾過精度20μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=3.3/1になるように計量しながら、スリットの傾斜角度が0°のスリット板を用いて301層のコームタイプのフィードブロック(幅方向圧縮比0.8)にて合流させて、フィルム幅方向に交互に積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが151層、熱可塑性樹脂Bが150層からなる幅方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であった。また、本装置構成におけるスリット流入口からダイ吐出口までの距離の比は10とした。さらに、3台目の単軸押出機から、270℃で溶融したクラッドとなる熱可塑性樹脂Bが、フィルム厚み方向の最外層部にくるように、ギアポンプを用いて、積層体との吐出比が7/1となるようにマルチマニホールドダイ部(拡幅比0.9、熱可塑性樹脂B/301層積層体/熱可塑性樹脂B=1/14/1)で合流させて、厚み方向上下がクラッドに覆われたフィルム幅方向積層体とした。その後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは670μmであった。採取した光導波路フィルムのコア径は、610μmであり、フィルム幅方向に直線的に整列しており、その数は51個であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例7の熱可塑性樹脂Aとしてシクロオレフィンコポリマー(2000poise/270℃)、熱可塑性樹Bとしてポリブチレンテレフタレート(1100poise/270℃)を使用し、フィードブロックのスリット傾斜角度を5°、幅方向圧縮比0.3のものを用い、マルチマニホールドダイに拡幅比1.7のものを使用し、スリット流入口からダイ吐出口までの距離の比を20とした。得られたフィルムの厚みは670μmであった。採取した光導波路フィルムのコア径は、600μmであり、フィルム幅方向に直線的に整列しており、その数は51個であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
実施例7の熱可塑性樹脂Aとしてシクロオレフィンコポリマー(2000poise/270℃)、熱可塑性樹Bとしてポリブチレンテレフタレート(1100poise/270℃)を使用し、フィードブロックのスリット傾斜角度を5°、幅方向圧縮比0.3のものを用い、マルチマニホールドダイに拡幅比1.7のものを使用し、スリット流入口からダイ吐出口までの距離の比を20とした。得られたフィルムの厚みは670μmであった。採取した光導波路フィルムのコア径は、600μmであり、フィルム幅方向に直線的に整列しており、その数は51個であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例7の熱可塑性樹脂Bをポリメチルペンテン(2000poise/270℃)に変更し、フィードブロックのスリット傾斜角度を3°、幅方向圧縮比0.6のものを用い、マルチマニホールドダイに拡幅比2.1のものを使用し、スリット流入口からダイ吐出口までの距離の比を15とした。得られたフィルムの厚みは670μmであった。採取した光導波路フィルムのコア径は、600μmであり、フィルム幅方向に直線的に整列しており、その数は51個であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
実施例7の熱可塑性樹脂Bをポリメチルペンテン(2000poise/270℃)に変更し、フィードブロックのスリット傾斜角度を3°、幅方向圧縮比0.6のものを用い、マルチマニホールドダイに拡幅比2.1のものを使用し、スリット流入口からダイ吐出口までの距離の比を15とした。得られたフィルムの厚みは670μmであった。採取した光導波路フィルムのコア径は、600μmであり、フィルム幅方向に直線的に整列しており、その数は51個であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
なお、実施例1〜8について、式(2)を満たすコアについて、コアの断面積の平均値(Aavg)と、その各コアの断面積(A)の関係が式(3)を満たすコアが、6個以上連続的に隣り合って存在していることを確認している。
(比較例1)
コアとなる熱可塑性樹脂Aとしては、ポリメチルメタクリレート(5500poise/250℃)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bとしては、四フッ化エチレン・エチレン共重合(10000poise/250℃)を用いた。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれの単軸押出機にて250℃で溶融させ、濾過精度20μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=3.3/1になるように計量しながら、スリットの傾斜角度が3°のスリット板を用いて101層のコームタイプのフィードブロック(幅方向圧縮比0.4)にて合流させて、フィルム幅方向に交互に積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが51層、熱可塑性樹脂Bが50層からなる幅方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であった。積層された熱可塑性樹脂はフィードブロック下に取り付けられた短管を通った後、マルチマニホールドダイへ流入する装置構成とした。本装置構成におけるスリット流入口からダイ吐出口までの距離の比は20となった。3台目の単軸押出機から、250℃で溶融したクラッドとなる熱可塑性樹脂Bが、フィルム厚み方向の最外層部にくるように、ギアポンプを用いて、積層体との吐出比が10/1となるように2種3層複合マルチマニホールドダイ(拡幅比1.0、熱可塑性樹脂B/101層積層体/熱可塑性樹脂B=1/20/1)で合流させて、厚み方向上下がクラッドに覆われたフィルム幅方向積層体とした。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで9kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは690μmであった。採取した光導波路フィルムのコアは、フィルム幅方向両端部では酷く変形しており、光接続するには難しいものであった。また、コア中心間距離のばらつきが大きく、精密な調芯が困難であった。なお、フィルム幅方向に乱れながら整列しているコア数は51個であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
コアとなる熱可塑性樹脂Aとしては、ポリメチルメタクリレート(5500poise/250℃)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bとしては、四フッ化エチレン・エチレン共重合(10000poise/250℃)を用いた。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれの単軸押出機にて250℃で溶融させ、濾過精度20μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=3.3/1になるように計量しながら、スリットの傾斜角度が3°のスリット板を用いて101層のコームタイプのフィードブロック(幅方向圧縮比0.4)にて合流させて、フィルム幅方向に交互に積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが51層、熱可塑性樹脂Bが50層からなる幅方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であった。積層された熱可塑性樹脂はフィードブロック下に取り付けられた短管を通った後、マルチマニホールドダイへ流入する装置構成とした。本装置構成におけるスリット流入口からダイ吐出口までの距離の比は20となった。3台目の単軸押出機から、250℃で溶融したクラッドとなる熱可塑性樹脂Bが、フィルム厚み方向の最外層部にくるように、ギアポンプを用いて、積層体との吐出比が10/1となるように2種3層複合マルチマニホールドダイ(拡幅比1.0、熱可塑性樹脂B/101層積層体/熱可塑性樹脂B=1/20/1)で合流させて、厚み方向上下がクラッドに覆われたフィルム幅方向積層体とした。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで9kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは690μmであった。採取した光導波路フィルムのコアは、フィルム幅方向両端部では酷く変形しており、光接続するには難しいものであった。また、コア中心間距離のばらつきが大きく、精密な調芯が困難であった。なお、フィルム幅方向に乱れながら整列しているコア数は51個であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
(比較例2)
コアとなる熱可塑性樹脂Aとしては、ポリメチルメタクリレート(3000poise/250℃)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bとしては、四フッ化エチレン・エチレン共重合(10000poise/250℃)を用いた。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれの単軸押出機にて250℃で溶融させ、濾過精度10μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=3.3/1になるように計量しながら、スリットの傾斜角度が0°のスリット板を用いて101層のコームタイプのフィードブロック(幅方向圧縮比0.8)にて合流させて、フィルム幅方向に交互に積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが51層、熱可塑性樹脂Bが50層からなる幅方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であった。本装置構成におけるスリット流入口からダイ吐出口までの距離の比は40となった。さらに、3台目の単軸押出機から、250℃で溶融したクラッドとなる熱可塑性樹脂Bが、フィルム厚み方向の最外層部にくるように、ギアポンプを用いて、積層体との吐出比が10/1となるようにフィードブロックに取り付けた短管下の2種3層複合マルチマニホールドダイ(拡幅比1.7、熱可塑性樹脂B/101層積層体/熱可塑性樹脂B=1/20/1)から合流させて、厚み方向上下がクラッドに覆われたフィルム幅方向積層体とした。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは770μmであり、フィルム表面にはフローマークが見られた。採取した光導波路フィルムのコアは、フィルム幅方向両端部では酷く変形しており、光接続するには難しいものであった。また、コア中心間距離のばらつきが大きく、精密な調芯が困難であった。なお、フィルム幅方向に乱れながら整列しているコア数は51個であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
コアとなる熱可塑性樹脂Aとしては、ポリメチルメタクリレート(3000poise/250℃)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bとしては、四フッ化エチレン・エチレン共重合(10000poise/250℃)を用いた。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれの単軸押出機にて250℃で溶融させ、濾過精度10μmのFSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=3.3/1になるように計量しながら、スリットの傾斜角度が0°のスリット板を用いて101層のコームタイプのフィードブロック(幅方向圧縮比0.8)にて合流させて、フィルム幅方向に交互に積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが51層、熱可塑性樹脂Bが50層からなる幅方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であった。本装置構成におけるスリット流入口からダイ吐出口までの距離の比は40となった。さらに、3台目の単軸押出機から、250℃で溶融したクラッドとなる熱可塑性樹脂Bが、フィルム厚み方向の最外層部にくるように、ギアポンプを用いて、積層体との吐出比が10/1となるようにフィードブロックに取り付けた短管下の2種3層複合マルチマニホールドダイ(拡幅比1.7、熱可塑性樹脂B/101層積層体/熱可塑性樹脂B=1/20/1)から合流させて、厚み方向上下がクラッドに覆われたフィルム幅方向積層体とした。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは770μmであり、フィルム表面にはフローマークが見られた。採取した光導波路フィルムのコアは、フィルム幅方向両端部では酷く変形しており、光接続するには難しいものであった。また、コア中心間距離のばらつきが大きく、精密な調芯が困難であった。なお、フィルム幅方向に乱れながら整列しているコア数は51個であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
(比較例3)
コアとなる熱可塑性樹脂Aとしては、ポリカーボネート(12000poise/250℃)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bとしては、ポリプロピレン(3300poise/250℃)を用いた。それぞれの単軸押出機にて270℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを2枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=0.125/1になるように計量しながら、スリットの傾斜角度が4°のスリット板を用いて301層のコームタイプのフィードブロック(幅方向圧縮比0.3)にて合流させて、フィルム幅方向に交互に積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが151層、熱可塑性樹脂Bが150層からなる幅方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であった。積層された熱可塑性樹脂はフィードブロック下に取り付けられた短管を通った後、マルチマニホールドダイへ流入する装置構成とした。本装置構成におけるスリット流入口からダイ吐出口までの距離の比は20となった。さらに、3台目の単軸押出機から、270℃で溶融させられたクラッドとなる熱可塑性樹脂Bが、フィルム厚み方向の最外層部にくるように、ギアポンプを用いて、積層体との吐出比が5/1となるようにフィードブロック下の2種3層複合マルチマニホールドダイ(拡幅比2.1、熱可塑性樹脂B/101層積層体/熱可塑性樹脂B=1/10/1)で合流させて、厚み方向上下がクラッドに覆われた積層体とした。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは120μmであり、フィルム表面にはフローマークも見られた。採取した光導波路フィルムのコアは、フィルム幅方向両端部では酷く変形しており、また、腰が弱いため光接続するには難しいものであった。また、コア中心間距離のばらつきが大きく、精密な調芯が困難であった。なお、採取した光導波路フィルムのコアは、フィルム幅方向に乱れながら整列しており、その数は151であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
コアとなる熱可塑性樹脂Aとしては、ポリカーボネート(12000poise/250℃)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bとしては、ポリプロピレン(3300poise/250℃)を用いた。それぞれの単軸押出機にて270℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを2枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=0.125/1になるように計量しながら、スリットの傾斜角度が4°のスリット板を用いて301層のコームタイプのフィードブロック(幅方向圧縮比0.3)にて合流させて、フィルム幅方向に交互に積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが151層、熱可塑性樹脂Bが150層からなる幅方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であった。積層された熱可塑性樹脂はフィードブロック下に取り付けられた短管を通った後、マルチマニホールドダイへ流入する装置構成とした。本装置構成におけるスリット流入口からダイ吐出口までの距離の比は20となった。さらに、3台目の単軸押出機から、270℃で溶融させられたクラッドとなる熱可塑性樹脂Bが、フィルム厚み方向の最外層部にくるように、ギアポンプを用いて、積層体との吐出比が5/1となるようにフィードブロック下の2種3層複合マルチマニホールドダイ(拡幅比2.1、熱可塑性樹脂B/101層積層体/熱可塑性樹脂B=1/10/1)で合流させて、厚み方向上下がクラッドに覆われた積層体とした。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光導波路フィルムを得た。得られたフィルムの厚みは120μmであり、フィルム表面にはフローマークも見られた。採取した光導波路フィルムのコアは、フィルム幅方向両端部では酷く変形しており、また、腰が弱いため光接続するには難しいものであった。また、コア中心間距離のばらつきが大きく、精密な調芯が困難であった。なお、採取した光導波路フィルムのコアは、フィルム幅方向に乱れながら整列しており、その数は151であり、これがフィルム長手方向に数m以上も続くものであった。得られた光導波路フィルムの物性結果を表1に示す。
本発明は、ディスプレイ部材、太陽電池部材、情報通信部材、装飾部材、照明部材などの用途に用いることができるが、特に装置間通信や装置内通信などの短〜中・長距離用の光導波路に好適に用いることができる。
1 :コアとなる熱可塑性樹脂Aからなる分散体(コア)
2 :クラッドとなる熱可塑性樹脂B
3 :フィルム厚み方向
4 :フィルム幅方向
5 :フィルム長手方向
6 :フィルム幅方向の2本の平行線とコアが接する間隔
7 :フィルム厚み方向の2本の平行線とコアが接する間隔
8 :コア間隔
9 :マニホールド
10:スリット板
11:積層装置(コームタイプフィードブロック)
12:スリット板の中央部に位置するスリット
13:スリット板の最端部に位置するスリット
14:中央スリットと端部スリットがなす角度(スリット長の傾斜角度)
15:マルチマ二ホールドダイ
16:コームタイプフィードブロック出口の幅(マルチマニホールドダイのポリマー流入部の幅)
17:スリット板両壁面の幅
18:マルチマニホールドダイのポリマー吐出部の幅
19:最も距離の長いスリット部のスリット長
20:コームタイプフィードブロックのポリマー流入部からマルチマニホールドダイのポリマー吐出部までの距離
21:中央部スリットの先端と端部スリットの先端とを結んだ直線
22:フィードブロックの幅方向に平行な線
2 :クラッドとなる熱可塑性樹脂B
3 :フィルム厚み方向
4 :フィルム幅方向
5 :フィルム長手方向
6 :フィルム幅方向の2本の平行線とコアが接する間隔
7 :フィルム厚み方向の2本の平行線とコアが接する間隔
8 :コア間隔
9 :マニホールド
10:スリット板
11:積層装置(コームタイプフィードブロック)
12:スリット板の中央部に位置するスリット
13:スリット板の最端部に位置するスリット
14:中央スリットと端部スリットがなす角度(スリット長の傾斜角度)
15:マルチマ二ホールドダイ
16:コームタイプフィードブロック出口の幅(マルチマニホールドダイのポリマー流入部の幅)
17:スリット板両壁面の幅
18:マルチマニホールドダイのポリマー吐出部の幅
19:最も距離の長いスリット部のスリット長
20:コームタイプフィードブロックのポリマー流入部からマルチマニホールドダイのポリマー吐出部までの距離
21:中央部スリットの先端と端部スリットの先端とを結んだ直線
22:フィードブロックの幅方向に平行な線
Claims (14)
- 熱可塑性樹脂Aからなるコア(分散体)と熱可塑性樹脂Bからなるクラッドにより構成されるフィルムであって、複数のコアがフィルム面上の1方向に延在しながら相互に交差しないよう配列した構造をとり、かつコアがクラッドに周囲を囲まれた断面形状を有する光導波路フィルムであって、熱可塑性樹脂Aの損失正接(tanδ(コア))と熱可塑性樹脂Bの損失正接(tanδ(クラッド))の差が下記式(1)を満たすことを特徴とする光導波路フィルム。
|tanδ(コア)−tanδ(クラッド)|≦5 式(1) - コアに内接する円の半径(Ri)とコアに外接する円の半径(Ro)が下記式(2)を満足するコアが、フィルム中央部のコアより少なくとも5個以上連続的に隣り合って存在する請求項1に記載の光導波路フィルム。
0.3≦Ri/Ro≦1 式(2) - 式(2)を満たしながら6個以上連続的に隣り合って存在するコアの断面積の平均値(Aavg)と、その各コアの断面積(A)が下記式(3)を満たす請求項1または2に記載の光導波路フィルム。
0.8≦A/Aavg≦1.2 式(3) - コアのフィルム長手方向における断面積のばらつきが5%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の光導波路フィルム。
- 隣り合うコアの中心間の距離のばらつきが10%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の光導波路フィルム。
- 100℃、24時間の熱処理によるフィルム長手方向の熱収縮率が5%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の光導波路フィルム。
- 少なくとも1方向に延伸されてなる請求項1〜7のいずれかに記載の光導波路フィルム。
- 少なくとも一方のフィルム表面に深さ10μm以上の凹凸が存在し、その凸部がほぼコア部上に存在する請求項1〜7のいずれかに記載の光導波路フィルム。
- 熱可塑性樹脂Aの数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)が下記式(4)を満たす請求項1〜8のいずれかに記載の光導波路フィルム。
Mw/Mn≦4 式(4) - 請求項1〜9のいずれかに記載の光導波路フィルムを含んでなる光モジュール。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の光導波路フィルムを含んでなる照明装置。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の光導波路フィルムを含んでなる通信装置。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の光導波路フィルムを含んでなる表示装置。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の光導波路フィルムを含んでなるライトガイド。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2008230654A JP2009098647A (ja) | 2007-09-27 | 2008-09-09 | 光導波路フィルムならびにそれを用いた光モジュール、照明装置、通信装置、表示装置およびライトガイド |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007250760 | 2007-09-27 | ||
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2008230654A Pending JP2009098647A (ja) | 2007-09-27 | 2008-09-09 | 光導波路フィルムならびにそれを用いた光モジュール、照明装置、通信装置、表示装置およびライトガイド |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009098647A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021182598A1 (ja) * | 2020-03-13 | 2021-09-16 | 三菱ケミカル株式会社 | 導光板、及びarディスプレイ |
-
2008
- 2008-09-09 JP JP2008230654A patent/JP2009098647A/ja active Pending
Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
WO2021182598A1 (ja) * | 2020-03-13 | 2021-09-16 | 三菱ケミカル株式会社 | 導光板、及びarディスプレイ |
JPWO2021182598A1 (ja) * | 2020-03-13 | 2021-09-16 | ||
CN115244449A (zh) * | 2020-03-13 | 2022-10-25 | 三菱化学株式会社 | 导光板以及ar显示器 |
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