JPWO2008018168A1 - プラスチック偏光レンズ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

加工特性等に優れるプラスチック偏光レンズ及びその製造方法を提供する。本発明のプラスチック偏光レンズは、熱可塑性ポリエステルからなる偏光フィルムの両面に、(A)ポリイソシアネート化合物、イソチオシアネート基を有するイソシアネート化合物、およびポリイソチオシアネート化合物よりなる群から選ばれる1種または2種以上のイソシアネート化合物と、(B)ヒドロキシ基を有するチオール化合物、およびポリチオール化合物よりなる群から選ばれる1種または2種以上の活性水素化合物とを反応させて得られるチオウレタン系樹脂からなる層が積層している。

Description

本発明はプラスチック偏光レンズ及びその製造方法に関する。
偏光レンズは、反射光の透過を防ぐことができる。そのため、スキー場やフィッシングなど戸外における強い反射光を遮断することによる眼の保護等や、自動車運転時における対向車からの反射光を遮断することによる安全性の確保などに使用されている。
プラスチック偏光レンズとして、レンズ材料の表面に偏光フィルムを配置した偏光レンズと、レンズ材料の内部に偏光フィルムを配置したサンドイッチ構造の偏光レンズの2種類が提案されている。レンズ材料の表面に偏光フィルムを配置した偏光レンズ(例えば、特開平9−258009号公報(特許文献1))は、レンズの厚みを薄くすることができるものの、外周研磨工程(所定の形状に合わせるためのレンズの縁を削る工程)において、偏光フィルムがレンズ材料から剥離し易いという深刻な欠点がある。
偏光レンズを構成する偏光フィルムに適用される樹脂としては、これまでは実質的にポリビニルアルコールに限定されている。偏光フィルムを製造するには、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素あるいは二色性染料を包含させて一軸延伸し、一軸方向に分子配向されたフィルムにすることにより行われる。ポリビニルアルコール偏光フィルムからなる偏光レンズの製造法は、例えば、国際公開第04/099859号パンフレット(特許文献2)に開示されている。
しかしながら、ポリビニルアルコール偏光フィルムを用いて製造された偏光レンズは、レンズの端の部分から徐々に水分の浸入が生じ、レンズ外周部から中心部に向けて経時的に、あるいは環境によって劣化が進行する欠点がある。
前述の欠点を改良するため、国際公開第02/073291号パンフレット(特許文献3)では、ジアミンおよびイソシアネートプレポリマーから得られる耐衝撃性ポリウレタン樹脂からなるレンズ材料と、ポリエチレンテレフタレート偏光フィルムとを用いた偏光レンズが提案されている。
しかしながら、この偏光レンズは、偏光フィルムが入っているのがはっきりと判り、装着時に不快に感じる使用者が多いという欠点を有している。更に、ジアミンとイソシアネートプレポリマーを混合した組成物は、粘度が高いうえポットライフが短いため、偏光フィルムが固定されたレンズ注型用鋳型への注入に難があり、特に薄いレンズの製造は極めて困難であった。
このように従来のプラスチック偏光レンズにおいては、後工程である外周研磨工程における偏光フィルムの剥離の発生が抑制され、耐水性に優れ、装着時の不快感が抑制され、または薄型化等が可能なプラスチック偏光レンズが求められていた。
特開平9−258009号公報 国際公開第04/099859号パンフレット 国際公開第02/073291号パンフレット
本発明は上記背景技術に鑑みなされたものであり、加工特性等に優れたプラスチック偏光レンズ及びその製造方法を提供する。
すなわち本発明は、以下に記載されるものである。
(1)熱可塑性ポリエステルからなる偏光フィルムの両面に、
(A)ポリイソシアネート化合物、イソチオシアネート基を有するイソシアネート化合物、およびポリイソチオシアネート化合物よりなる群から選ばれる1種または2種以上のイソシアネート化合物と、
(B)ヒドロキシ基を有するチオール化合物、およびポリチオール化合物よりなる群から選ばれる1種または2種以上の活性水素化合物と
を反応させて得られるチオウレタン系樹脂からなる層が積層していることを特徴とするプラスチック偏光レンズ。
(2)前記熱可塑性ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートである(1)記載のプラスチック偏光レンズ。
(3)前記偏光フィルムが、予めシランカップリング剤処理、水酸化ナトリウム水溶液処理、常圧あるいは真空プラズマ処理、コロナ放電処理およびウレタン系樹脂によるコーティング処理よりなる群から選択される1種または2種以上の方法により処理されたものである(1)あるいは(2)記載のプラスチック偏光レンズ。
(4)前記イソシアネート化合物(A)がジイソシアネート化合物であり、前記活性水素化合物(B)がポリチオール化合物である(1)乃至(3)のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズ。
(5)前記イソシアネート化合物(A)が、2,5−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、およびm−キシリレンジイソシアネートよりなる群から選ばれる1種または2種以上のジイソシアネートであり、
前記活性水素化合物(B)が、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、1,1,3,3-テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、および2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンよりなる群から選ばれる1種または2種以上のポリチオール化合物である(1)乃至(4)のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズ。
(6)前記チオウレタン系樹脂のe線の屈折率が1.57〜1.70の範囲である(1)乃至(5)のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズ。
(7)前記チオウレタン系樹脂のe線の屈折率が1.59〜1.70の範囲である(1)乃至(5)のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズ。
(8)レンズ注型用鋳型内に、モールドから離隔した状態で熱可塑性ポリエステルからなる偏光フィルムを固定する工程と、
前記偏光フィルムの両面と前記モールドとの間の空隙に混合物を注入する工程と、
前記混合物を重合硬化して、前記偏光フィルムの両面にチオウレタン系樹脂からなる層を積層する工程と、を含み、
前記混合物が、
(A)ポリイソシアネート化合物、イソチオシアネート基を有するイソシアネート化合物、およびポリイソチオシアネート化合物よりなる群から選ばれる1種または2種以上のイソシアネート化合物と、
(B)ヒドロキシ基を有するチオール化合物、およびポリチオール化合物よりなる群から選ばれる1種または2種以上の活性水素化合物と、を含むことを特徴とするプラスチック偏光レンズの製造方法。
(9)前記熱可塑性ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートである(8)に記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。
(10)前記偏光フィルムが、予めシランカップリング剤処理、水酸化ナトリウム水溶液処理、常圧あるいは真空プラズマ処理、コロナ放電処理およびウレタン系樹脂によるコーティング処理よりなる群から選択される1種または2種以上の方法により処理されたものである(8)あるいは(9)記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。
(11)前記イソシアネート化合物(A)がジイソシアネート化合物であり、前記活性水素化合物(B)がポリチオール化合物である(8)乃至(10)のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。
(12)前記イソシアネート化合物(A)が、2,5−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、およびm−キシリレンジイソシアネートよりなる群から選ばれる1種または2種以上のジイソシアネートであり、
前記活性水素化合物(B)が、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、1,1,3,3-テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、および2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンよりなる群から選ばれる1種または2種以上のポリチオール化合物である(8)乃至(11)のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。
(13) 前記注入工程における、前記イソシアネート化合物(A)と前記活性水素化合物(B)との混合物の20℃における粘度が、200mPa・s以下である(8)乃至(12)のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。
本発明のプラスチック偏光レンズは、加工特性等に優れる。そのため、メガネ用の偏光レンズとして特に有用である。
実施の形態に係るプラスチック偏光レンズを模式的に示した断面図である。 実施の形態に係るレンズ注型用鋳型を模式的に示した断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
図1に示すように、本発明のプラスチック偏光レンズ10は、熱可塑性ポリエステルからなる偏光フィルム12の両面に、チオウレタン系樹脂からなる樹脂層(レンズ材料)14a,14bが形成されている。
熱可塑性ポリエステルとして具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びポリブチレンテレフタレート等を用いることができ、耐水性、耐熱性および成形加工性の観点からポリエチレンテレフタレートが好ましい。共重合成分を添加する等の手法で変性されたものも含まれる。
このような熱可塑性ポリエステルからなる偏光フィルムの両面に、チオウレタン系樹脂からなる樹脂層が積層されているプラスチック偏光レンズによれば、耐水性に優れ、装着時の不快感が抑制され、薄型化が可能となり、さらに後工程の外周研磨工程において偏光フィルムの剥離が抑制される。つまり、これらの特性のバランスに優れる。
本発明における熱可塑性ポリエステルからなる偏光フィルムは、例えば、特開2002−267841号公報に開示されている。具体的には、熱可塑性ポリエステルをマトリックスとする偏光フィルムであり、熱可塑性ポリエステルに二色性染料をブレンドしてフィルム状に成形し、次いで得られたフィルムを一軸方向に延伸させた後、所定の温度で加熱処理することにより得ることができる。厚さは通常10〜500μmの範囲である。
本発明で用いる二色性染料としては、公知の染料が使用される。例えば、特開昭61−087757号公報、特開昭61−285259号公報、特開昭62−270664号公報、特開昭62−275163号公報、特開平1−103667号公報等に開示されている。具体的には、アントラキノン系、キノフタロン系、アゾ系等の色素が挙げられる。熱可塑性ポリエステルの成形に耐える耐熱性を有するものが好ましい。
本発明における熱可塑性ポリエステルからなる偏光フィルムは、通常は、公知の手法により所望の曲率の形状に附形して使用される。
また偏光フィルムは、チオウレタン系樹脂と偏光フィルムの密着性を向上させるために、プライマーコーティング処理、薬品処理(ガス又は薬液処理)、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、粗面化処理、火炎処理などから選ばれる1種又は2種以上の前処理を行った上で使用してもよい。このような前処理のなかでも、プライマーコーティング処理、薬品処理、コロナ放電処理、プラズマ処理から選ばれる1種又は2種以上が特に好ましい。前処理は、所望の曲率の形状への附形前に行っても、附形後に行ってもよい。
前記プライマーコーティング処理の具体例としては、シランカップリング剤の塗布処理、シランカップリング剤が含有されていてもよい樹脂の塗布処理、などが挙げられる。
前記プライマーコーティング処理に使用されるシランカップリング剤としては、例えば、エポキシ基、アミノ基、(メタ)アクロイル基、ビニル基、メルカプト基、ハロゲン基、イミノ基、イソシアネート基あるいはウレイド基いずれか1つ以上の置換基を有するシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤のケイ素原子に結合する加水分解性基としては、2個以上の酸素原子を有してもよいアルコキシ基、アルキルカルボキシル基、ハロゲン基などが挙げられる。中でも2個以上の酸素原子を有してもよいアルコキシ基を有するアルコキシシラン化合物がより好ましい。
具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどのエポキシ基を有するシランカップリング剤;
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンなどのアミノ基を有するシランカップリング剤又はその塩酸塩からなるシランカップリング剤;
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどの(メタ)アクリロキシ基を有するシランカップリング剤;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシランなどのビニル基を有するシランカップリング剤;
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基を有するシランカップリング剤;
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシランなどのハロゲンを有するシランカップリング剤;
γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基を有するシランカップリング剤;
γ−(ウレイドプロピル)トリメトキシシラン、γ−(ウレイドプロピル)トリエトキシシランなどのウレイド基を有するシランカップリング剤等
を挙げることができる。
中でも好ましいシランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。とりわけ、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシランなどの(メタ)アクリロキシアルキルアルコキシシランが特に好ましい。
これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ、異種のシランカップリング間で化学反応が介在する場合も含まれる。
本発明における熱可塑性ポリエステルからなる偏光フィルムにシランカップリング剤を塗布するにあたっては、無溶剤でそのまま塗布してもよいが、通常は適切な溶媒系を選択してシランカップリング剤を溶解又は分散させた塗布液を用いて塗布するのが好ましい。
溶剤としては、水、あるいはメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール化合物類、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物類、酢酸エチルなどのエステル化合物類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン化合物類、ジクロロメタンなどのハロゲン化合物類などから選択することができ、単独もしくは2種以上併せて使用することができる。これらの中には例えばアミノ基とアセトン、あるいはイソシアネート基とメタノールの如く、シランカップリング剤の有機基中の官能基と溶剤が化学反応する可能性の高い組み合わせも含まれるが、積極的に該反応を取り入れた方が好ましい場合以外は、有機基中の官能基と化学的に不活性な溶媒から選択される。
シランカップリング剤はケイ素原子に結合したアルコキシド基などの加水分解性基を有しており、これらは水と反応して加水分解してシラノール基を生じ、更にシラノール基は脱水縮合して−Si−O−Si−結合を基本として高分子化が進行し、進行度が極度に進むと沈殿として析出してくる。これら一連の反応は、設定された条件に応じた反応速度で進行する。加水分解が生じていない段階も含め、これら一連の反応のどの段階での状態でも塗布液として使用することができるが、好ましくは一部加水分解が進行し、−Si−O−Si−結合生成による高分子化合物が実質的に析出する前の段階の状態で使用される。
シランカップリング剤と水との加水分解反応から始まる一連の反応を適度に進行させるため、溶媒が水以外の場合には、シランカップリング剤の加水分解性基1当量当たり、1000〜0.1倍当量、好ましくは100〜0.5倍当量、更に好ましくは10〜0.5倍当量、特に好ましくは2〜0.5倍当量の水が加えられた塗布液を使用するのが好ましい。
その際、シランカップリング剤を溶解又は分散させた溶媒中に含まれている水も上記の添加水と同様に考慮される。
水を加える場合には、予め高濃度のシランカップリング剤溶液に水を加えた後溶剤で所望の濃度に希釈してもよい。又予め所望の範囲の水を含む溶剤を使用してもよい。溶媒が水の場合、あるいは加えられる水の量に応じて、あるいは塗布液の保管環境条件に応じて塗布液として使用可能な時間は選択される。
上記塗布液のシランカップリング剤換算での濃度は300g〜0.01g/L、好ましくは30g〜0.05g/L、更に好ましくは5g〜0.1g/Lである。300g/Lを超えると塗布量が多すぎて経済的に無駄を生じるだけでなく、形成されたレンズ中に該接着層が視認される場合がある。300g/Lを超えて塗布後、溶剤のみで表面洗浄することで上記問題の一部は解決できるが、通常は、当初から上記設定の範囲で実施する場合以上の利点はない。シランカップリング剤換算での濃度が0.01g/L未満では1回で塗布されるシランカップリング剤の量が不足し、レンズ成型の際に偏光フィルムとの密着性に支障をきたす。繰り返しの塗布で塗布量を必要なレベルまで増量することはできるが、通常は、当初から上記設定の範囲で実施する場合以上の利点はない。
本発明における熱可塑性ポリエステルからなる偏光フィルムの両面に上記塗布液を塗布後、必要に応じてフィルム上で流動性のある塗布液部を除去し、乾燥する。乾燥温度は200℃以下であれば特に制限はないが、好ましくはシランカップリング剤の縮合反応が過度に進行しないよう、通常5〜100℃、更に好ましくは、10〜80℃、特に好ましくは20〜70℃の範囲が適当である。
乾燥時間は使用する溶剤や乾燥温度、あるいは送風状態など環境に応じて設定され特に制限はないが、通常10秒〜60分、好ましくは20秒〜30分の範囲が適当である。
本発明における熱可塑性ポリエステルからなる偏光フィルムの両面に上記塗布液を塗布する方法に特に限定はないが、該偏光フィルムをシランカップリング剤で処理後に湾曲加工する方法と、湾曲加工後にシランカップリング処理する方法、さらには両者を併用する方法に大別されるがいずれの方法でも採用することができ、それぞれの状況に応じてロールコート法、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ディッピング法などの従来から知られている方法を採用することができる。乾燥後1回以上重ねて塗布することもでき、その際はそれぞれの塗布液の種類が同一であっても異なっていてもよい。通常は、重ねて塗布することなく1回のみの塗布と乾燥で本発明の目的は達成できることが多い。
上記シランカップリング剤の溶液又は分散液においては、所望の加水分解硬化速度を達成するため、本発明を妨げない範囲で必要に応じてpHの調整剤、あるいは有機錫化合物や無機酸、有機酸などの触媒が添加されてもよい。pHの調整剤としては例えば酢酸、蓚酸、蟻酸、クエン酸などの有機酸が挙げられる。これらはシランカップリング剤の溶液又は分散液の保存安定性や塗布された偏光フィルムの可使時間の調整、あるいはより高速の加水分解硬化速度の達成などを目的として、必要に応じて使用することができる。
前記プライマーコーティング処理の他の具体例としては、上記のような「シランカップリング剤が含有されていてもよい樹脂の塗布処理」が挙げられる。
樹脂の具体例としてはポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂などが挙げられる。透明性などの観点からは、これらの中でも飽和又は不飽和のポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂が好ましく、とりわけウレタン系樹脂が好ましい。樹脂は溶剤と併用されていてもよく、該溶剤としては有機溶剤又は水が挙げられる。溶剤が水の場合は、樹脂を乳化あるいは分散させて使用される。
前記プライマーコーティング処理に先立って、予め偏光フィルムに、ガス又は薬液処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、粗面化処理、火炎処理、などから選ばれる1種又は2種以上の前処理が施されていてもよい。
前記プライマーコーティング処理に使用する樹脂を偏光フィルムに塗布する方法に特に制限はなく、ロールコート法、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ディッピング法などの従来から知られている方法を採用することができる。
樹脂のコーティングに先立って、シランカップリング剤の塗布処理や、前記のガス又は薬液処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、粗面化処理、火炎処理、などから選ばれる1種又は2種以上の前処理を行ってもよい。
前記プライマーコーティング処理に使用する樹脂を偏光フィルムに塗布後、必要に応じて乾燥及び/又は熱処理が施される。乾燥及び/又は熱処理時の適用温度は偏光フィルムの性能が実質的に劣化しない範囲内であれば特に制限はない。該樹脂を偏光フィルムに塗布後、活性エネルギー線を照射させてもよい。活性エネルギー線としては、紫外線あるいは電子線などが挙げられる。
前記プライマーコーティング処理に使用されるポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸由来の構成単位とグリコール由来の構成単位からなる共重合ポリエステルである。ジカルボン酸の具体例としては、官能基を有してもよい脂肪族系、芳香族系、または脂肪族/芳香族系のジカルボン酸、などが挙げられる。官能基としてはスルホン酸基、及び該酸とのアルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩などが挙げられる。ジカルボン酸は、これらの例示から1種又は2種以上選択して使用することができる。
官能基を有しないジカルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸類、1,3―シクロヘキサンジカルボン酸、1,4―シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸類などを挙げることができ、1種又は2種以上選択して使用することができる。
前記ポリエステル系樹脂のモノマーであるグリコールとしては、脂肪族系、芳香族系、または脂肪族/芳香族系のグリコール、などを挙げることができる。これらのうちでも、脂肪族系のグリコールが特に好ましい。脂肪族系のグリコールの具体例としては、エチレングリコール、1,2―プロパンジオール、1,3―プロパンジオール、1,4―ブタンジオール、1,5―ペンタンジオール、1,6―ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロ−ルプロパン、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等が挙げられ、1種又は2種以上選択して使用することができる。
前記プライマーコーティング処理に使用されるウレタン系樹脂は、ポリヒドロキシ化合物由来の構成単位とポリイソシアネート由来の構成単位とからなるポリマーである。該ポリヒドロキシ化合物としては、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリチオエーテルジオール、ポリラクトンジオール、ポリアセタールジオール等を挙げることができる。特に、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオールが好ましい。
前記ポリエステルジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、トリメチロールプロパン等に例示される飽和多価アルコール類、あるいはブテンジオール等に例示される不飽和多価アルコール類等のジオール類又は多価アルコール類等を原料として、さらに、これらの混合物と、アジピン酸、セバチン酸等の飽和脂肪酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和脂肪酸、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸又はその無水物等の有機ジカルボン酸類又はそれらの混合物と、を反応させて得られる末端に水酸基を有するポリエステル類、あるいは、カプロラクタムやメチルカプロラクトンなどのラクトン類をジオール類で開環重合させて得られるポリエステル類などを挙げることができる。
前記ポリエーテルジオールの具体例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、オキサシクロブタン、置換オキサシクロブタンあるいはテトラヒドロフランなどの開環重合又は開環共重合によって得られる末端に水酸基を有する重合体もしくは共重合体又はそれらの混合物等を挙げることができる。
前記ウレタン系樹脂のモノマーであるポリイソシアネートとしては、1,4―テトラメチレンジイソシアネート、1,6―ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8―オクタメチレンジイソシアネート、1,10―デカメチレンジイソシアネート、1,4―シクロヘキシレン―ジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、1,3―フェニレンジイソシアネート、4,4′―メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、4,4′―ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等が挙げられ、1種又は2種以上選択して使用することができる。
前記薬品処理の具体例としては、オゾン、ハロゲンガス、二酸化塩素などのガスを用いたガス処理、あるいは次亜塩素酸ナトリウム、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、金属ナトリウム、硫酸、硝酸などの酸化剤又は還元剤、あるいは酸・塩基などを用いた薬液処理が挙げられる。薬液処理においては、酸化剤又は還元剤あるいは酸・塩基などを、通常は水、アルコール、液体アンモニアなどに溶解させた溶液状として使用される。
前記処理薬品がアルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物である場合、アルカリ金属水酸化物としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられ、アルカリ土類金属水酸化物としては水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどが挙げられ、1種又は2種以上選択して使用することができる。中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、とりわけ水酸化ナトリウムが好ましい。
アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物はその溶液として使用することが好ましく、該溶液の溶媒としては水及び/又は有機溶媒が挙げられ、有機溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロパノールなどを例示することができる。
前記溶液の濃度は5〜55重量%、好ましくは10〜45重量%の範囲が好適であり、前記溶液の温度は0〜95℃、好ましくは20〜90℃、より好ましくは30〜80℃の範囲が好適である。
本発明におけるアルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物溶液による前処理は、前記の溶液濃度と溶液温度範囲にある溶液と、該偏光フィルムの片面又は両面を所定の時間接触させることで行うことができる。該接触の方法として特に制限はないが、例えば該偏光フィルムの溶液中への浸漬、あるいはシャワー、表面流下などによる該偏光フィルムとの接触などの方法を例示することができる。中でも該偏光フィルムを溶液中に浸漬させる方法が好ましい。その際、溶液の濃度と温度を均一化させるために、攪拌、対流、噴流などの方法を採用することができる。該接触させる時間に特に制限はないが、1分〜24時間、好ましくは5分〜10時間、特に好ましくは5分〜5時間の範囲が好ましい。
前記アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物溶液と該偏光フィルムと接触させる際には、超音波照射や振動など物理的刺激を併用することもできる。
アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物溶液は、該溶液と該偏光フィルムとの濡れ性の向上を目的としてアニオン性、ノニオン性などの界面活性剤などを含んでいてもよい。
前記アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物溶液と該偏光フィルムとの接触時における溶液濃度、溶液温度及び接触時間は、該偏光フィルムの光学的特性を実質的に損なわない範囲で適宜選択して行うことができる。
前記アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物溶液に該偏光フィルムを接触させた後、該偏光フィルムを溶液中から引き上げ、必要に応じて水及び/又はメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトンなどの有機溶剤で該偏光フィルムを洗浄、乾燥を行ってもよい。
前記コロナ放電処理は、気体放電の一種で、気体分子がイオン化し導電性を示し、そのイオン流でフィルム表面が活性化される現象を利用するものであり、広範に使用されている表面処理技術である。放電処理をする気体としては、空気が挙げられるが、窒素、二酸化炭素、アンモニアガスなどのガスであってもよい。コロナ放電処理は例えば公知の高周波発生装置において電圧を電極に印加して発生させるコロナを用いて偏光フィルム表面を処理する方法で達成できる。コロナ放電処理強度は1〜500W・min/mが好ましく、より好ましくは5〜400W・min/mである。
前記プラズマ処理としては、常圧プラズマ処理及び真空プラズマ処理(低温プラズマ処理)を例示することができる。
常圧プラズマ処理では空気、水蒸気、アルゴン、窒素、ヘリウム、二酸化炭素、一酸化炭素などのガスを単独又は混合させたガス雰囲気中で放電処理される。
真空プラズマ処理は、減圧下で行うことができ、例えばドラム状電極と複数の棒状電極からなる対極電極を有する内部電極型の放電処理装置内に偏光フィルムを置き、0.001〜50Torr、好ましくは0.01〜10Torr、より好ましくは0.02〜1Torrの処理ガス雰囲気下で、電極間に直流又は交流の高電圧を印加して放電させて該処理ガスのプラズマを発生させこれに該偏光フィルムの表面を暴露させることで表面処理をすることができる。真空プラズマ処理の処理条件としては、処理装置、処理ガスの種類、圧力、電源の周波数などに依存するが、適宜好ましい条件を選定すればよい。上記処理ガスとしては例えば、アルゴン、窒素、ヘリウム、二酸化炭素、一酸化炭素、空気、水蒸気などを単独又は混合して使用することができる。
本発明においては、上記の前処理方法のうちでも、偏光フィルムを、シランカップリング剤処理、水酸化ナトリウム水溶液処理、常圧あるいは真空プラズマ処理、コロナ放電処理およびウレタン系樹脂によるコーティング処理よりなる群から選択される1種または2種以上の方法により処理することが好ましい。
これにより、偏光フィルムとチオウレタン系樹脂との密着性をより向上させることができる。
本発明のプラスチック偏光レンズは、図2に示すように、熱可塑性ポリエステルからなる偏光フィルム12が固定されたレンズ注型用鋳型20に、特定のイソシアネート化合物と特定の活性水素化合物との混合物を注入したのち重合硬化させて得られる。
なお、上述したように、偏光フィルム12は予めシランカップリング剤により処理されていてもよい。その場合には、レンズ注型用鋳型20内に、成形面から離隔した状態で熱可塑性ポリエステルからなる偏光フィルム12を固定する前に、シランカップリング剤を溶解又は分散させた塗布液を偏光フィルムに塗布する工程を有していてもよい。
レンズ注型用鋳型20は、ガスケット22cで保持された2個のモールド22a,22bから構成されるものが一般的である。
ガスケット22cの材質としては、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−エチルアクリレートコポリマー、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンコポリマー、ポリウレタンエラストマー、フッ素ゴム、あるいはそれらにポリプロピレンをブレンドした軟質弾性樹脂類が用いられる。本発明において使用される特定のイソシアネート化合物と特定の活性水素化合物との混合物に対して膨潤も溶出もしない材料が好ましい。
モールド22a,22bの材質としては、ガラス、金属などが挙げられ、通常はガラスが用いられる。モールド22a,22bには、得られたレンズの離型性を向上させるために予め離型剤を塗付してもよい。また、レンズ材料にハードコート性能を付与するためのコート液を予めモールドに塗付してもよい。
このレンズ注型用鋳型20の空間内に、熱可塑性ポリエステルからなる偏光フィルム12を、フィルム面が対向するフロント側のモールド22a内面と並行となるように設置する。偏光フィルム12とモールド22a,22bとの間には、各々空隙部24a,24bが形成される。空隙部24a,24bの最も間隙の狭い離間距離aは、0.2〜2.0mm程度である。
本発明においては、(A)イソシアネート化合物と、(B)チオール基を有する活性水素化合物との混合物を使用しているため、注入時における粘度が低く、上記のような間隙の空隙部であっても、容易に注入することができる。
次いで、レンズ注型用鋳型20の空間内において、モールド22a,22bと偏光フィルム12との間の2つの空隙部24a,24bに、所定の注入手段により(A)特定のイソシアネート化合物と(B)特定の活性水素化合物の混合物を注入する。
本発明において使用される(A)イソシアネート化合物は、イソチオシアネート基を有する化合物を含むものであり、具体的には、ポリイソシアネート化合物、イソチオシアネート基を有するイソシアネート化合物、ポリイソチオシアネート化合物から選ばれる1種または2種以上の化合物である。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、
ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル、リジントリイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)ナフタリン、メシチリレントリイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)スルフィド、ビス(イソシアネートエチル)スルフィド、ビス(イソシアネートメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアネートエチル)ジスルフィド、ビス(イソシアネートメチルチオ)メタン、ビス(イソシアネートエチルチオ)メタン、ビス(イソシアネートエチルチオ)エタン、ビス(イソシアネートメチルチオ)エタン等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;
イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタンイソシアネート、2,5−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、3,8−ビス(イソシアネートメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソシアネートメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソシアネートメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソシアネートメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソシアネート化合物;
フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4−ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物;
2,5−ジイソシアネートチオフェン、2,5−ビス(イソシアネートメチル)チオフェン、2,5−ジイソシアネートテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソシアネートメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソシアネートメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアネート1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアネートメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアネート1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアネートメチル)−1,3−ジチオラン等の複素環ポリイソシアネート化合物等
を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。
イソチオシアネート基を有するイソシアネート化合物としては、例えば、上記に例示したポリイソシアネート化合物のイソシアナート基の一部をイソチオシアナート基に変えたものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ポリイソチオシアネート化合物としては、例えば、
ヘキサメチレンジイソチオシアネート、リジンジイソチオシアネートメチルエステル、リジントリイソチオシアネート、m−キシリレンジイソチオシアネート、ビス(イソチオシアネートメチル)スルフィド、ビス(イソチオシアネートエチル)スルフィド、ビス(イソチオシアネートエチル)ジスルフィド等の脂肪族ポリイソチオシアネート化合物;
イソホロンジイソチオシアネート、ビス(イソチオシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソチオシアネート、シクロヘキサンジイソチオシアネート、メチルシクロヘキサンジイソチオシアネート、2,5−ビス(イソチオシアネートメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソチオシアネートメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、3,8−ビス(イソチオシアネートメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソチオシアネートメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソチオシアネートメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソチオシアネートメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソチオシアネート化合物;
トリレンジイソチオシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソチオシアネート、ジフェニルジスルフィド−4,4−ジイソチオシアネート等の芳香族ポリイソチオシアネート化合物;
2,5−ジイソチオシアネートチオフェン、2,5−ビス(イソチオシアネートメチル)チオフェン、2,5−ジイソチオシアネートテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソチオシアネートメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソチオシアネートメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソチオシアネート1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソチオシアネートメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソチオシアネート1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソチオシアネートメチル)−1,3−ジチオラン等の含硫複素環ポリイソチオシアネート化合物等
を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。
さらに、これらイソシアネート化合物の塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や、多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビウレット変性体、ダイマー化あるいはトリマー化反応生成物等も使用することができる。これらイソシアネート化合物は単独でも、2種類以上を混合しても使用することができる。
これらイソシアネート化合物のうち、入手の容易さ、価格、得られる樹脂の性能等から、ジイソシアネート化合物が好ましく使用される。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、m−キシリレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアネートメチル)−1,4−ジチアンが好ましく使用され、2,5−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、m−キシリレンジイソシアネートが特に好ましく使用される。
本発明において使用される(B)活性水素化合物とは、ヒドロキシ基を有するチオール化合物、ポリチオール化合物から選ばれる1種または2種以上の活性水素化合物である。
ヒドロキシ基を有するチオール化合物としては、例えば、
2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グルセリンビス(メルカプトアセテート)、4−メルカプトフェノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(チオグリコレート)等
を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。
ポリチオール化合物としては、例えば、
メタンジチオール、1,2-エタンジチオール、1,2,3-プロパントリチオール、1,2-シクロヘキサンジチオール、ビス(2-メルカプトエチル)エーテル、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、ジエチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールエタントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2-メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3-メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2-ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2-ビス(2-メルカプトエチルチオ)エタン、1,2-ビス(3-メルカプトプロピルチオ)エタン、1,2,3-トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3-トリス(2-メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3-トリス(3-メルカプトプロピルチオ)プロパン、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2-メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3-メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3-ジメルカプトプロピル)スルフィド、2,5-ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2、5-ジメルカプト-1,4-ジチアン、2,5-ジメルカプトメチル-2,5-ジメチル-1,4-ジチアン、及びこれらのチオグリコール酸およびメルカプトプロピオン酸のエステル、ヒドロキシメチルスルフィドビス(2-メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3-メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2-メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3-メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2-メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3-メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2―メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3―メルカプトプロピネート)、2-メルカプトエチルエーテルビス(2-メルカプトアセテート)、2-メルカプトエチルエーテルビス(3-メルカプトプロピオネート)、チオジグリコール酸ビス(2-メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2-メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2-メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2-メルカプトエチルエステル)、1,1,3,3-テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2-テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、4,6-ビス(メルカプトメチルチオ)-1,3-ジチアシクロヘキサン、トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、トリス(メルカプトエチルチオ)メタン等の脂肪族ポリチオール化合物;
1,2-ジメルカプトベンゼン、1,3-ジメルカプトベンゼン、1,4-ジメルカプトベンゼン、1,2-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4-ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5-トリメルカプトベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5-トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、2,5-トルエンジチオール、3,4-トルエンジチオール、1,5-ナフタレンジチオール、2,6-ナフタレンジチオール等の芳香族ポリチオール化合物;
2-メチルアミノ-4,6-ジチオール-sym-トリアジン、3,4-チオフェンジチオール、ビスムチオール、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン等の複素環ポリチオール化合物等
を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。
さらにこれら活性水素化合物のオリゴマ−や塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体を使用しても良い。これら活性水素化合物は単独でも、2種類以上を混合しても使用することができる。
これら活性水素化合物のうち、入手の容易さ、価格、得られる樹脂の性能等から、ポリチオール化合物が好ましく使用される。例えば、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、2,5-ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、1,1,3,3-テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンが好ましく使用され、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、1,1,3,3-テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンが特に好ましく使用される。
また、本発明において使用される(A)イソシアネート化合物は、予め(B)活性水素化合物の一部を予備的に反応させたものでもよい。また、本発明において使用される(B)活性水素化合物は、予め(A)イソシアネート化合物の一部を予備的に反応させたものでもよい。
更に、(A)イソシアネート化合物、(B)活性水素化合物に加えて、樹脂の改質を目的として、ヒドロキシ化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、有機酸及びその無水物、(メタ)アクリレート化合物等を含むオレフィン化合物等の樹脂改質剤を加えてもよい。ここで、樹脂改質剤とは、チオウレタン系樹脂の屈折率、アッベ数、耐熱性、比重等の物性や耐衝撃性等の機械強度等を調製あるいは向上させる化合物である。
樹脂改質剤として用いるヒドロキシ化合物としては、例えば、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、チオジエタノール、ジチオジエタノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、さらにこれらのオリゴマー
を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。
樹脂改質剤として添加することができるエポキシ化合物としては、例えば、
ビスフェノールAグリシジルエーテル等の多価フェノール化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合反応により得られるフェノール系エポキシ化合物;
水添ビスフェノールAグリシジルエーテル等の多価アルコール化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるアルコール系エポキシ化合物;
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の多価有機酸化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるグリシジルエステル系エポキシ化合物;
一級及び二級ジアミン化合物とエピハロヒドリン化合物との縮合により得られるアミン系エポキシ化合物;
ビニルシクロヘキセンジエポキシド等の脂肪族多価エポキシ化合物等
を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。
樹脂改質剤として添加することができるエピスルフィド化合物としては、例えば、
ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)スルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ジスルフィド、ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)エタン、1,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)−3−チアペンタン等の鎖状脂肪族の2,3−エピチオプロピルチオ化合物;
1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、2,5−ビス(2,3−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン等の環状脂肪族、複素環を有する2,3−エピチオプロピルチオ化合物;
1,3−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(2,3−エピチオプロピルチオ)ベンゼン等の芳香族2,3−エピチオプロピルチオ化合物等
を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。
樹脂改質剤として添加することができる有機酸及びその無水物としては、例えば、
チオジグリコール酸、チオジプロピオン酸、ジチオジプロピオン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。
樹脂改質剤として添加することができるオレフィン化合物としては、例えば、
ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシメチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールビスグリシジルアクリレート、エチレングリコールビスグリシジルメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、ビスフェノールFジアクリレート、ビスフェノールFジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、キシリレンジチオールジアクリレート、キシリレンジチオールジメタクリレート、メルカプトエチルスルフィドジアクリレート、メルカプトエチルスルフィドジメタクリレート等の(メタ)アクリレート化合物;
アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等のアリル化合物;
スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ジビニルベンゼン、3,9−ジビニルスピロビ(m−ジオキサン)等のビニル化合物等
を挙げることができるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。
これら樹脂改質剤は、単独でも、2種類以上を混合しても使用することができる
本発明において使用される(A)イソシアネート化合物と(B)活性水素化合物(改質剤であるヒドロキシ化合物も含む)の使用割合は、通常(NCO+NCS)/(SH+OH)の官能基モル比が、通常、0.8〜1.5の範囲、好ましくは、0.9〜1.2の範囲である。
本発明において使用される(A)イソシアネート化合物と(B)活性水素化合物は、入手の容易さ、価格、取扱いの容易さ、得られる樹脂の性能等を考慮して選択される。
取扱いの容易さとして特に重要な因子は、混合物の注入時の粘度である。注入時の粘度は、(A)イソシアネート化合物と(B)活性水素化合物の組合せ(樹脂改質剤を使用する場合は樹脂改質剤の種別及び量を含む。また、触媒を使用する場合は、触媒の種別及び量を含む。)にて決定されるが、粘度が高過ぎると、レンズ注型用鋳型20の空間内のガラスモールド22a、22bと偏光フィルム12との間の狭い空隙部24a、24bに注入することが困難となり偏光レンズの製造が困難となる。通常、注入時の粘度が、20℃での測定値として、200mPa・s以下が好ましく、中心厚が非常に薄いレンズの製造のためには、更なる低粘度、例えば100mPa・s以下がより好ましい。混合物の粘度は、液温20℃においてB型粘度計を用いて測定される。
考慮する樹脂の性能としては、屈折率が重要であり、高屈折率であるものを好適に用いることができる。例えば、e線で測定した屈折率で、通常1.57〜1.70の範囲、好ましくは1.59〜1.70の範囲、更に好ましくは1.65〜1.68の範囲の屈折率を有する樹脂が得られる(A)イソシアネート化合物と(B)活性水素化合物(樹脂改質剤を使用する場合は、樹脂改質剤種別及び量を含む)の組合せが好ましい。屈折率が低すぎると、偏光レンズの中にフィルムが入っているのがはっきりと判かり、見栄えが悪くなる。
本発明において使用される(A)イソシアネート化合物と(B)活性水素化合物の混合物は、通常は、偏光フィルム面の両側で同一のものが使用されるが、異なるものを用いても差し支えない。
(A)イソシアネート化合物と(B)活性水素化合物の混合物を硬化成形する際には、必要に応じ、公知の成形法における手法と同様に、ジブチル錫ジクロライドなどの触媒、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤、酸性リン酸エステルなどの内部離型剤、光安定剤、酸化防止剤、ラジカル反応開始剤などの反応開始剤、鎖延長剤、架橋剤、着色防止剤、油溶染料、充填剤などの物質を添加してもよい。
(A)イソシアネート化合物と(B)活性水素化合物に反応触媒や離型剤、その他添加剤を混合して注入液を調製する場合、触媒や離型剤その他の添加剤の添加は、(A)イソシアネート化合物や(B)活性水素化合物への溶解性にも左右されるが、あらかじめ(A)イソシアネート化合物に添加溶解させるか、また、(B)活性水素化合物に添加溶解させるかあるいは(A)イソシアネート化合物と(B)活性水素化合物の混合物に添加溶解させてもよい。あるいは、使用する(A)イソシアネート化合物や(B)活性水素化合物の一部に溶解させてマスター液を調製した後、これを添加しても構わない。添加順序については、これら例示の方法に限定されず、操作性、安全性、便宜性等を踏まえ、適宜選ばれる。
混合は、通常、30℃以下の温度で行われる。混合物のポットライフの観点から、さらに低温にすると好ましい場合がある。また、触媒や離型剤などの添加剤が、(A)イソシアネート化合物や(B)活性水素化合物に対して良好な溶解性を示さない場合は、あらかじめ加温して、(A)イソシアネート化合物、(B)活性水素化合物やその混合物に溶解させる場合もある。
更に、得られるプラスチックレンズに要求される物性によっては、必要に応じて、減圧下での脱泡処理や加圧、減圧等での濾過処理等を行うことが好ましい場合が多い。
次いで、(A)イソシアネート化合物と(B)活性水素化合物との混合物が注入された偏光フィルムが固定されたレンズ注型用鋳型をオーブン中または水中等の加熱可能装置内で所定の温度プログラムにて数時間から数十時間かけて加熱して硬化成型する。
重合硬化の温度は、混合物の組成、触媒の種類、モールドの形状等によって条件が異なるため限定できないが、およそ、−50〜200℃の温度で1〜100時間かけて行われる。
通常、5℃から40℃の範囲の温度で開始し、その後徐々に80℃から130℃の範囲にまで昇温させ、その温度で1時間から4時間加熱するのが一般的である。
硬化成形終了後、レンズ注型用鋳型から取り出すことで、図1に示すような本発明のプラスチック偏光レンズを得ることができる。このようなプラスチック偏光レンズ10は、樹脂層14a、偏光フィルム12、樹脂層14bが順に積層されている。このような構成であることにより、外周研磨加工の際に、偏光フィルム12がレンズ材料から剥離することを抑制することができる。
本発明のプラスチック偏光レンズは、重合による歪みを緩和することを目的として、離型したレンズを加熱してアニール処理を施すことが望ましい。アニール温度は通常80〜150℃の範囲、好ましくは100〜130℃の範囲、更に好ましくは110〜130℃の範囲である。アニール時間は、通常0.5〜5時間の範囲、好ましくは1〜4時間の範囲である。
本発明のプラスチック偏光レンズは、必要に応じ、片面又は両面にコーティング層を施して用いられる。コーティング層としては、プライマー層、ハードコート層、反射防止膜層、防曇コート層、防汚染層、撥水層等が挙げられる。これらのコーティング層は、それぞれ単独で使用しても複数のコーティング層を多層化して使用してもよい。両面にコーティング層を施す場合、それぞれの面に同様なコーティング層を施しても異なるコーティング層を施してもよい。
これらのコーティング層には、それぞれ、紫外線からレンズや目を守る目的で紫外線吸収剤、赤外線から目を守る目的で赤外線吸収剤、レンズの耐候性を向上させる目的で光安定剤や酸化防止剤、レンズのファッション性を高める目的で染料や顔料、さらにフォトクロミック染料やフォトクロミック顔料、帯電防止剤、その他、レンズの性能を高める目的で公知の添加剤を併用してもよい。塗布性の改善を目的として各種レベリング剤を使用してもよい。
プライマー層は、一般的には、ハードコート層の密着性や偏光レンズの耐衝撃性の向上を目的に、偏光レンズ基材(チオウレタン系樹脂)とハードコート層との間に形成され、その膜厚は、通常、0.1〜10μm程度である。
プライマー層は、例えば、塗布法や乾式法にて形成される。塗布法では、プライマー組成物をスピンコート、ディップコートなど公知の塗布方法で塗布した後、固化させることによりプライマー層が形成される。乾式法では、CVD法や真空蒸着法などの公知の乾式法で形成される。プライマー層を形成するに際し、密着性の向上を目的として、必要に応じて、レンズの表面をアルカリ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの前処理を行ってもよい。
プライマー組成物としては、固化したプライマー層がレンズ基材(チオウレタン系樹脂)と密着性の高い素材が好ましく、通常、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラニン系樹脂、ポリビニルアセタールを主成分とするプライマー組成物などが使用される。プライマー組成物は、無溶剤での使用も可能であるが、組成物の粘度を調整する等の目的でレンズに影響を及ぼさない適当な溶剤を用いてもよい。
ハードコート層は、レンズ表面に耐擦傷性、耐摩耗性、耐湿性、耐温水性、耐熱性、耐候性等の機能を与えることを目的としたコーティング層であり、その膜厚は、通常、0.3〜30μm程度である。
ハードコート層は、通常、ハードコート組成物をスピンコート、ディップコートなど公知の塗布方法で塗布した後、硬化して形成される。硬化方法としては、熱硬化、紫外線や可視光線などのエネルギー線照射による硬化方法等が挙げられる。ハードコート層を形成するに際し、密着性の向上を目的として、必要に応じて、被覆表面(レンズ基材あるいはプライマー層)を、アルカリ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの前処理を行ってもよい。
ハードコート組成物としては、一般的には、硬化性を有する有機ケイ素化合物とSi,Al,Sn,Sb,Ta,Ce,La,Fe,Zn,W,Zr,InおよびTi等の酸化物微粒子(複合酸化物微粒子を含む)の混合物が使用されることが多い。更にこれらの他に、アミン類、アミノ酸類、金属アセチルアセトネート錯体、有機酸金属塩、過塩素酸類、過塩素酸類の塩、酸類、金属塩化物および多官能性エポキシ化合物等を使用してもよい。ハードコート組成物は、無溶剤での使用も可能であるが、レンズに影響を及ぼさない適当な溶剤を用いてもよい。
反射防止層は、必要に応じて、通常、ハードコート層の上に形成される。反射防止層には無機系と有機系があり、無機系の場合は、一般的には、SiO、TiO等の無機酸化物を用いて真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、CVD法等の乾式法により形成されることが多い。有機系の場合は、一般的には、有機ケイ素化合物と、内部空洞を有するシリカ系微粒子とを含む組成物を用いて湿式により形成されることが多い。
反射防止層は単層であっても多層であってもよいが、単層で用いる場合はハードコート層の屈折率よりも屈折率が少なくとも0.1以上低くなることが好ましい。効果的に反射防止機能を発現するには多層膜反射防止膜とすることが好ましく、その場合、通常は、低屈折率膜と高屈折率膜とを交互に積層する。この場合も低屈折率膜と高屈折率膜との屈折率差は0.1以上であることが好ましい。高屈折率膜としては、例えば、ZnO、TiO、CeO、Sb、SnO、ZrO、Ta等の膜が、低屈折率膜としては、SiO膜等が挙げられる。膜厚は、通常、50〜150nm程度である。
さらに、本発明のプラスチック偏光レンズは、必要に応じ、裏面研磨、帯電防止処理、染色処理、調光処理等を施してもよい。
このようなプラスチック偏光レンズは、薄型化が可能であることから、メガネ用の偏光レンズ、特に視力補正用レンズとして有用である。
[実施例]
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
偏光レンズの性能試験は以下の方法で行った。
(A)偏光フィルムの密着性
成形後の偏光レンズ周辺部を研削除去し、側面を定型化する外周研磨工程に相当する評価項目である。試験にはTOPCON社製オートレンズエッジャ−型番ALE−100DXを使用して、試験対象となる偏光レンズの両面を挟持して保持し、偏光レンズ面に平行に回転させながら別途設置されたセラミックチップを偏光レンズの側面に移動、接触させて側面全体を研削して偏光レンズ周辺部を除去した。この時、偏光フィルムと硬化レンズ材との密着性が不十分である場合は、偏光フィルムの剥離が生じる。すなわち、レンズ端の偏光フィルムの積層部の剥離状態に着目して観察して密着状態を以下の基準により評価した。
A:密着状態が良好
B:密着状態が良好であったものの、微細な剥離が確認される
C:密着状態が不良
(B)レンズ内での偏光膜の見え難さ
通常の生活光環境下でも判定は可能であるが、できるだけ環境光因子を簡素化するために下記の方法に従って判定した。
他の光源が無視できる暗室にて上方に設置点灯された長さ約120cm、37ワットの蛍光灯の直下約150cmの場所に、試験対象となる偏光レンズについて、レンズの両面付近に光障害物がないように側面を手で支えながら凹面を蛍光灯側に向けて水平にして持ち、レンズの約30cm上で、できるだけ面に垂直近くなる方向からレンズの凹面を覗いて蛍光灯の像を観察する。またレンズを水平方向から若干角度を変動させながら像を観察する。共通して明瞭な大小2種類の像が観察されるが、偏光フィルムが目立つ場合にはその他にぼやけた像を確認することができる。レンズ内での偏光膜の見え難さを、以下の基準から判定した。
a:ぼやけた像がほとんど見えない
b:ぼやけた像がかすかに見えるが広がっていない
c:ぼやけた像が揺らついて広がっており目立つ
と判定した。
(C)耐水性
水温が60℃に設定された恒温水槽中に、試験対象となる偏光レンズを浸漬させ、所定時間毎に3種類のレンズを引き上げて変化を観察した。耐水性が不十分な場合は、レンズの端から中心に向けて白化ないしは脱色様の劣化が発生し、浸漬時間(4時間後、3日後および7日後のデータを取得)とともに中心部に進行するのが観察されたので、周辺部から中心部へ向けての劣化部の長さをノギスにてミリ単位で測定した。
(D)レンズ材料の屈折率
別途、偏光フィルムを用いずに成形した樹脂片(レンズ材料)の20℃におけるe線の屈折率を、プルフリッヒ屈折計にて測定した。
(E)粘度
注入用モノマー混合物の粘度は、液温20℃においてB型粘度計を用いて測定した。
(実施例1)
シランカップリング剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学株式会社商品名:KBM503)10gを使用直前にメタノール10Lに溶解させた溶液に、水2.0gを加えて攪拌して含浸液を調製した。
両面に保護フィルムを有するポリエチレンテレフタレート製偏光フィルム[三井化学株式会社製:"ポラソーラ(登録商標)"](厚み130ミクロン)を熱プレス法にて2Rの湾曲形状に附形した。偏光フィルムをモールドの大きさに合わせて切断後、両面の保護フィルムを剥がし、これを前記の含浸液に垂直方向に含浸させ、手早く引き上げ、1分間垂直方向に維持して液だれさせた。その後、50℃の送風乾燥オーブン中で10分間乾燥させて偏光フィルムを作成した。これを、図2に示す偏光レンズ成形用の鋳型(ガラスモールドセット)(前面:2R、後面:6R、デイオプター:S−5.00)内に挟み込んで設置した。
一方、m−キシリレンジイソシアネート50.6重量部、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカンと4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカンと5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3、6、9−トリチアウンデカンとの混合物49.4重量部、硬化促進剤としてジブチル錫ジクロライド0.01重量部、離型剤としてZelec UN(登録商標、Stepan社製)0.1重量部、および紫外線吸収剤としてSeesorb 709(シプロ化成社製)0.05重量部を攪拌して溶解させた後、減圧下で脱泡処理して、調製直後に注入用モノマー混合物として供した。攪拌溶解1時間後の20℃における粘度は30mPa・sであった。
次いで、レンズ注型用鋳型内のガラスモールド22a,22bと偏光フィルム12で仕切られた2つの空隙部24a,24bに、このモノマー混合物を、3μmのフィルターを通してろ過後チューブを通して注入した。なお、最も間隙の狭い空隙部24aの離間距離aは0.5mm程度であった。注入後閉栓したレンズ注型用鋳型20を熱風循環式オーブンの中に置き、16時間かけて25℃から120℃に昇温し、その後120℃で4時間維持、徐冷の後、オーブンからレンズ注型用鋳型を取り出した。レンズ注型用鋳型からレンズを離型し、130℃で2時間アニール処理して偏光レンズを得た。
得られた偏光レンズの性能試験の結果を表−1に示した。
(実施例2)
シランカップリング剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学株式会社商品名:KBM503)10gを使用直前にメタノール10Lに溶解させた溶液に、水2.0gを加えて攪拌して含浸液を調製した。
両面に保護フィルムを有するポリエチレンテレフタレート製偏光フィルム[三井化学株式会社製:"ポラソーラ(登録商標)"]厚み130ミクロン)を熱プレス法にて2Rの湾曲形状に附形し、モールドの大きさに合わせて切断後、両面の保護フィルムを剥がし、これを前記の含浸液に垂直方向に含浸させ、手早く引き上げ、1分間垂直方向に維持して液だれさせた。その後、50℃の送風乾燥オーブン中で10分間乾燥させて偏光フィルムを作成し、これを偏光レンズ成形用の鋳型(ガラスモールドセット)(前面:2R、後面:6R、デイオプター:S−5.00)内に挟み込んで設置した。
一方、ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン(2,5−体と2,6−体の混合物)50.6重量部、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)23.9重量部、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン25.5重量部、硬化促進剤としてジブチル錫ジクロライド0.02重両部、離型剤としてZelec UN(登録商標、Stepan社製)0.13重量部、および紫外線吸収剤としてSeesorb 709(シプロ化成社製)0.05重量部加えて混合溶解した後、減圧下で脱泡処理し、調製直後に注入用モノマー混合物として供した。攪拌溶解1時間後の20℃における粘度は40mPa・sであった。
次いで、実施例1と同様にして、レンズ注型用鋳型内のガラスモールド22a,22bと偏光フィルム12で仕切られた2つの空隙部24a,24bに、このモノマー混合物を、3μmのフィルターを通してろ過後チューブを通して注入した。注入後閉栓したレンズ注型用鋳型を熱風循環式オーブン中で26時間かけて20℃から130℃に昇温し、その後130℃で4時間維持、徐冷の後、オーブンからレンズ注型用鋳型を取り出した。レンズ注型用鋳型からレンズを離型し、130℃で2時間アニール処理して偏光レンズを得た。
得られた偏光レンズの性能試験の結果を表−1に示した。
(実施例3)
片面に保護フィルムを有するポリエチレンテレフタレート製偏光フィルム[三井化学株式会社製:"ポラソーラ(登録商標)"](厚み130ミクロン)を熱プレス法にて2Rの湾曲形状に附形した。偏光フィルムをモールドの大きさに合わせて切断後、保護フィルムを剥がし、これを40℃の保温した20重量%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬させた。30分後に引き上げて水洗し、続いてメタノールで洗浄後風乾させて偏光フィルムを作成した。この偏光フィルムを、図2に示す偏光レンズ成形用の鋳型内に挟み込んで設置し、実施例1と同様の操作を行って偏光レンズを得た。
得られた偏光レンズの性能試験の結果を表−1に示した。
(実施例4)
片面に保護フィルムを有するポリエチレンテレフタレート製偏光フィルム[三井化学株式会社製:"ポラソーラ(登録商標)"](厚み130ミクロン)の保護フィルムを剥がし、これを熱プレス法にて2Rの湾曲形状に附形した。偏光フィルムをモールドの大きさに合わせて切断後、これを40℃の保温した20重量%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬させた。30分後に引き上げて水洗し、続いてメタノールで洗浄後風乾させ、更にこのフィルムをプラズマ処理機(キーエンス社製、ST−7000型)の出力「強」を選択して空気雰囲気で約11秒間処理して偏光フィルムを作成した。この偏光フィルムを、図2に示す偏光レンズ成形用の鋳型内に挟み込んで設置し、実施例1と同様の操作を行って偏光レンズを得た。
得られた偏光レンズの性能試験の結果を表−1に示した。
(実施例5)
片面に保護フィルムを有するポリエチレンテレフタレート製偏光フィルム[三井化学株式会社製:"ポラソーラ(登録商標)"](厚み130ミクロン)の保護フィルムを剥がし、これを熱プレス法にて2Rの湾曲形状に附形した。偏光フィルムをモールドの大きさに合わせて切断後、これを40℃の保温した20重量%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬させた。30分後に引き上げて水洗し、続いてメタノールで洗浄後風乾させ、更にこのフィルムを真空プラズマ処理機(March社製、PCB型 出力〜2000W)の出力「強」を選択して真空雰囲気で約300秒間処理して偏光フィルムを作成した。この偏光フィルムを、図2に示す偏光レンズ成形用の鋳型内に挟み込んで設置し、実施例1と同様の操作を行って偏光レンズを得た。
得られた偏光レンズの性能試験の結果を表−1に示した。
(実施例6)
片面に保護フィルムを有するポリエチレンテレフタレート製偏光フィルム[三井化学株式会社製:"ポラソーラ(登録商標)"](厚み130ミクロン)を熱プレス法にて2Rの湾曲形状に附形した。この偏光フィルムをモールドの大きさに合わせて切断後、保護フィルムを剥がし、その両面をコロナ放電処理機(春日電機社製)にて200W・min/m、間隔0.5cmの条件下で3回スキャン処理をして偏光フィルムを作成した。この偏光フィルムを、図2に示す偏光レンズ成形用の鋳型内に挟み込んで設置し、実施例1と同様の操作を行って偏光レンズを得た。
得られた偏光レンズの性能試験の結果を表−1に示した。
(実施例7)
片面に保護フィルムを有するポリエチレンテレフタレート製偏光フィルム[三井化学株式会社製:"ポラソーラ(登録商標)"](厚み130ミクロン)の保護フィルムを剥がし、該両面にウレタン樹脂溶液系のコート剤をコートし、約50〜60℃で乾燥させた。これを熱プレス法にて2Rの湾曲形状に附形した。この偏光フィルムをモールドの大きさに合わせて切断して偏光フィルムを作成した。この偏光フィルムを、図2に示す偏光レンズ成形用の鋳型内に挟み込んで設置し、実施例1と同様の操作を行って偏光レンズを得た。
得られた偏光レンズの性能試験の結果を表−1に示した。
(実施例8)
片面に保護フィルムを有するポリエチレンテレフタレート製偏光フィルム[三井化学株式会社製:"ポラソーラ(登録商標)"](厚み130ミクロン)を熱プレス法にて2Rの湾曲形状に附形し、この偏光フィルムをモールドの大きさに合わせて切断後、保護フィルムを剥がした。この偏光フィルムを、図2に示す偏光レンズ成形用の鋳型内に挟み込んで設置し、実施例1と同様の操作を行って偏光レンズを得た。
得られた偏光レンズの性能試験の結果を表−1に示した。
(比較例1)
ポリビニルアルコール(クラレビニロン#750(クラレ社製))を二色性染料の水溶液中で染色した後、溶液中で延伸、ついで該フィルムを室温で短時間乾燥後、40℃で3分間加熱処理して厚み40ミクロンの偏光フィルムを得た。得られた偏光フィルムを熱プレスで2Rの湾曲形状に附形、モールド形状に合わせて切断、恒温恒湿器中に静置して調湿した後、60℃に温度調節した熱風循環式オーブン内に2時間置いたのち、即座にレンズ成型用の鋳型(ガラスモールドセット)の中に設置した。
以降は、実施例1と同様の操作を行って偏光レンズを得た。
得られた偏光レンズの性能試験の結果を表−1に示した。
Figure 2008018168
以上の結果より、本発明の偏光レンズは、耐水性に優れ、レンズの中にフィルムが溶け込んですっきりと見え、後工程の外周研磨工程(所定の形状に合わせるためのレンズの縁を削る工程)においても偏光フィルムの剥離の問題がなく、注入時の粘度が低く薄型化が可能であることが確認された。
本発明のプラスチック偏光レンズは、加工特性等に優れ、眼鏡レンズ用の偏光レンズに好適である。

Claims (13)

  1. 熱可塑性ポリエステルからなる偏光フィルムの両面に、
    (A)ポリイソシアネート化合物、イソチオシアネート基を有するイソシアネート化合物、およびポリイソチオシアネート化合物よりなる群から選ばれる1種または2種以上のイソシアネート化合物と、
    (B)ヒドロキシ基を有するチオール化合物、およびポリチオール化合物よりなる群から選ばれる1種または2種以上の活性水素化合物と
    を反応させて得られるチオウレタン系樹脂からなる層が積層していることを特徴とするプラスチック偏光レンズ。
  2. 前記熱可塑性ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートである請求項1記載のプラスチック偏光レンズ。
  3. 前記偏光フィルムが、予めシランカップリング剤処理、水酸化ナトリウム水溶液処理、常圧あるいは真空プラズマ処理、コロナ放電処理およびウレタン系樹脂によるコーティング処理よりなる群から選択される1種または2種以上の方法により処理されたものである請求項1または2記載のプラスチック偏光レンズ。
  4. 前記イソシアネート化合物(A)がジイソシアネート化合物であり、前記活性水素化合物(B)がポリチオール化合物である請求項1乃至3のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズ。
  5. 前記イソシアネート化合物(A)が、2,5−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、およびm−キシリレンジイソシアネートよりなる群から選ばれる1種または2種以上のジイソシアネートであり、
    前記活性水素化合物(B)が、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、1,1,3,3-テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、および2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンよりなる群から選ばれる1種または2種以上のポリチオール化合物である請求項1乃至4のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズ。
  6. 前記チオウレタン系樹脂のe線の屈折率が1.57〜1.70の範囲である請求項1乃至5のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズ。
  7. 前記チオウレタン系樹脂のe線の屈折率が1.59〜1.70の範囲である請求項1乃至5のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズ。
  8. レンズ注型用鋳型内に、モールドから離隔した状態で熱可塑性ポリエステルからなる偏光フィルムを固定する工程と、
    前記偏光フィルムの両面と前記モールドとの間の空隙に混合物を注入する工程と、
    前記混合物を重合硬化して、前記偏光フィルムの両面にチオウレタン系樹脂からなる層を積層する工程と、を含み、
    前記混合物が、
    (A)ポリイソシアネート化合物、イソチオシアネート基を有するイソシアネート化合物、およびポリイソチオシアネート化合物よりなる群から選ばれる1種または2種以上のイソシアネート化合物と、
    (B)ヒドロキシ基を有するチオール化合物、およびポリチオール化合物よりなる群から選ばれる1種または2種以上の活性水素化合物と、を含むことを特徴とするプラスチック偏光レンズの製造方法。
  9. 前記熱可塑性ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートである請求項8記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。
  10. 前記偏光フィルムが、予めシランカップリング剤処理、水酸化ナトリウム水溶液処理、常圧あるいは真空プラズマ処理、コロナ放電処理およびウレタン系樹脂によるコーティング処理よりなる群から選択される1種または2種以上の方法により処理されたものである請求項8または9記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。
  11. 前記イソシアネート化合物(A)がジイソシアネート化合物であり、前記活性水素化合物(B)がポリチオール化合物である請求項8乃至10のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。
  12. 前記イソシアネート化合物(A)が、2,5−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアネートメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、およびm−キシリレンジイソシアネートよりなる群から選ばれる1種または2種以上のジイソシアネートであり、
    前記活性水素化合物(B)が、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、4-メルカプトメチル-1,8-ジメルカプト-3,6-ジチアオクタン、5,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,7-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、4,8-ジメルカプトメチル-1,11-ジメルカプト-3,6,9-トリチアウンデカン、1,1,3,3-テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、および2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンよりなる群から選ばれる1種または2種以上のポリチオール化合物である請求項8乃至11のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。
  13. 前記注入工程における、前記イソシアネート化合物(A)と前記活性水素化合物(B)との混合物の20℃における粘度が、200mPa・s以下である請求項8乃至12のいずれかに記載のプラスチック偏光レンズの製造方法。
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