JP2017211547A - レンズおよびその製造方法 - Google Patents

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良充 相磯
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Abstract

【課題】温度や水分による劣化が抑制され、無機ガラス基材と所定のフィルムとの接着性に優れたレンズを提供する。【解決手段】本発明のレンズ(10a)は、熱可塑性ポリエステルまたは熱可塑性ポリカーボネートからなるフィルム(12)と、フィルム(12)の少なくとも一方の面上に形成された、ヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジイソシアネート由来の構成単位とからなるウレタン樹脂を含む第1層(14aおよび/または14b)と、前記第1層とは異なる(チオ)ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、(ウレタン)ウレア樹脂から選ばれる樹脂を含む第2層(16aおよび/または16b)と、無機ガラス製レンズ基材(18aおよび/または18b)と、が順に積層されてなる。【選択図】図1

Description

本発明は、レンズおよびその製造方法に関する。詳しくは、無機ガラス製レンズ基材を用いたレンズ及びその製造方法に関する。
従来メガネレンズは無機ガラス製が主流であったが、近年は、軽量で、割れにくく安全性が高く、染色が容易でファッション性の高いプラスチック製に置き換わってきている。特に屈折率の高いプラスチック素材が登場してからはこの動きが顕著である。しかしながら、透明性や光学的均質性のような光学的な性能は、プラスチックよりも無機ガラスの方が優れているため、無機ガラス製メガネレンズの需要も依然として健在である。
メガネ用偏光レンズにおいても、無機ガラス製の需要は堅調であり、偏光フィルムと、該偏光フィルムの少なくとも一方の面に積層された無機ガラス基材とからなる無機ガラス製偏光レンズが知られている。
特許文献1には、調光レンズと白玉レンズの間に偏光フィルムを挟み込んで積層・接着したサングラス用の調光・偏光レンズが開示されている。
特許文献2には、偏光フィルムの両面に、接着層を介して2つの無機ガラス製レンズ基材を貼り合わせた眼鏡用レンズが開示されている。接着剤としては、アクリル樹脂系紫外線硬化型接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、変成シリコーン樹脂系接着剤が記載されている。
特許文献3には、偏光膜の両面に、無機ガラス製レンズ基材と樹脂レンズ基材とを貼り合わせた偏光レンズが開示されている。
特許文献4には、薄膜層の両面に接着剤を介してガラスレンズが積層されたガラスレンズが開示されている。薄膜層は、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエチレンテレフタレートポリマー等からなり、接着剤としては、エポキシまたはポリウレタンタイプの接着剤が記載されている。なお、特許文献4には偏光レンズについては開示されていない。
特許文献5には、熱可塑性ポリエステルからなる偏光フィルムの両面に、イソシアネート化合物と、活性水素化合物とを反応させて得られるチオウレタン樹脂からなる層が積層しているプラスチック偏光レンズが開示されている。
特許文献6には、熱可塑性ポリエステルからなる偏光フィルムと、前記偏光フィルムの少なくとも一方の面に形成された、特定のウレタン樹脂を含むコート層と、前記コート層付き偏光フィルムの少なくとも前記コート層上に形成された、チオウレタン樹脂からなる基材層と、が積層しているプラスチック偏光レンズが開示されている。なお、特許文献5および6には、無機ガラス製レンズ基材については開示されていない。
特開2010−26143号公報 特開2011−175176号公報 特開2014−106398号公報 特開2004−279512号公報 国際公開第2008/018168号パンフレット 国際公開第2013/132805号パンフレット
しかしながら、特許文献1〜3に記載の技術では、温度や水分によって偏光レンズが劣化しやすいという欠点があった。また、特許文献1〜4に記載の技術では、フィルムと無機ガラス製レンズ基材との接着性に改善の余地があった。
本発明者らは、このような従来技術に鑑み鋭意検討した結果、特定のフィルム及び特定のコート層と接着層により、温度や水分に強い無機ガラス製レンズが得られ、無機ガラス製レンズ基材と所定のフィルムとの接着性が改善されることを見出し、発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下に示すことができる。
[1] 熱可塑性ポリエステルまたは熱可塑性ポリカーボネートからなるフィルムと、
前記フィルムの少なくとも一方の面上に形成された、ヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジイソシアネート由来の構成単位とからなるウレタン樹脂を含む第1層と、
前記第1層とは異なる(チオ)ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、(ウレタン)ウレア樹脂から選ばれる樹脂を含む第2層と、
無機ガラス製レンズ基材と、が順に積層されてなる、レンズ。
[2] 前記フィルムの両面上に、
前記第1層と、
前記第2層と、
前記無機ガラス製レンズ基材と、
が順に積層されてなる、[1]に記載のレンズ。
[3] 前記フィルムの一方の面上に、前記第1層と、前記第2層と、前記無機ガラス製レンズ基材と、が順に積層され、
前記フィルムの他方の面上に、前記第1層と、前記第2層と、プラスチックレンズ基材と、が順に積層されてなる、[1]に記載のレンズ。
[4] 前記プラスチックレンズ基材は、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(4−イソシアナトシクロへキシル)メタン、および1,5−ペンタメチレンジイソシアネートよりなる群から選択される少なくとも1種と、
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、および2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンよりなる群から選択される少なくとも1種と、を重合させたチオウレタン樹脂、
アリル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、(ウレタン)ウレア樹脂、およびエピスルフィド樹脂
よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む、[3]に記載のレンズ。
[5] 前記プラスチックレンズ基材の前記第2層に対向する面と反対側の面にコーティング層を有する、[3]または[4]に記載のレンズ。
[6] 前記フィルムの一方の面上に、
前記第1層と、
前記第2層と、
前記無機ガラス製レンズ基材と、が順に積層されてなる、[1]に記載のレンズ。
[7] 前記フィルムの他方の面に、コーティング層を有する[6]に記載のレンズ。
[8] 前記第1層のウレタン樹脂の前記構成単位であるヒドロキシル基を有する化合物由来の前記構成単位が、ヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジカルボン酸由来の構成単位とからなる芳香族ポリエステルポリオール、トリメチロールプロパン、および末端に水酸基を有するポリブタジエンよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物由来の構成単位であり、
前記第1層のウレタン樹脂の前記構成単位である芳香族ジイソシアネート由来の前記構成単位が、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、およびこれらの化合物の一部あるいは全てがウレタン変性された化合物よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物由来の構成単位である、
[1]〜[7]のいずれかに記載のレンズ。
[9] ヒドロキシル基を有する化合物由来の前記構成単位が、トリメチロールプロパン由来の構成単位であり、芳香族イソシアネート由来の前記構成単位がトリレンジイソシアネート由来の構成単位である[8]に記載のレンズ。
[10] ヒドロキシル基を有する化合物由来の前記構成単位が、末端に水酸基を有するポリブタジエン由来の構成単位であり、芳香族イソシアネート由来の前記構成単位が一部あるいは全てがウレタン変性されたジフェニルメタンジイソシアネート由来の構成単位である[8]に記載のレンズ。
[11] 前記第2層は、前記第1層に含まれるウレタン樹脂以外のウレタン樹脂またはチオウレタン樹脂を含む接着層である、[1]〜[10]のいずれかに記載のレンズ。
[12] 前記フィルムが偏光フィルムである[1]〜[11]のいずれかに記載のレンズ。
[13] 熱可塑性ポリエステルまたは熱可塑性ポリカーボネートからなるフィルムの少なくとも一方の面に、ヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジイソシアネート由来の構成単位とからなるウレタン樹脂を含む第1層を形成する工程と、
前記第1層上に、該第1層とは異なる(チオ)ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、(ウレタン)ウレア樹脂から選ばれる樹脂を含む第2層を形成する工程と、
前記第2層上に無機ガラス製レンズ基材を積層する工程と、
を含むレンズの製造方法。
[14] 前記第1層を形成する前記工程は、前記フィルムの両面上に、前記第1層を形成する工程を含む、[13]に記載のレンズの製造方法。
[15] 前記第1層を形成する前記工程は、前記フィルムの両面上に、前記第1層を形成する工程を含み、
前記第2層を形成する前記工程は、2つの前記第1層上に、それぞれ前記第2層を形成する工程を含み、
前記第2層上に前記無機ガラス製レンズ基材を積層する前記工程は、一方の前記第2層上に前記無機ガラス製レンズ基材を積層する工程であり、
さらに、他方の前記第2層上にプラスチックレンズ基材を積層する工程を備える、[13]または[14]に記載のレンズの製造方法。
[16] 前記プラスチックレンズ基材は、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(4−イソシアナトシクロへキシル)メタン、1,5−ペンタメチレンジイソシアネートよりなる群から選択される少なくとも1種と、
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンよりなる群から選択される少なくとも1種と、を重合させたチオウレタン樹脂、
アリル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、(ウレタン)ウレア樹脂、およびエピスルフィド樹脂
よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む、[15]に記載のレンズの製造方法。
[17] 前記プラスチックレンズ基材の前記第2層と対向する面と反対側の面にコーティング層を形成する工程を含む、[15]または[16]に記載のレンズの製造方法。
[18] 前記第1層を形成する前記工程は、前記フィルムの一方の面に前記第1層を形成する工程である、[13]に記載のレンズの製造方法。
[19] さらに、前記フィルムの他方の面にコーティング層を形成する工程を含む、[18]に記載のレンズの製造方法。
[20] 前記第1層のウレタン樹脂の前記構成単位であるヒドロキシル基を有する化合物由来の前記構成単位が、ヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジカルボン酸由来の構成単位とからなる芳香族ポリエステルポリオール、トリメチロールプロパン、および末端に水酸基を有するポリブタジエンよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物由来の構成単位であり、
前記第1層のウレタン樹脂の前記構成単位である芳香族ジイソシアネート由来の前記構成単位が、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、およびこれらの化合物の一部あるいは全てがウレタン変性された化合物よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物由来の構成単位である、
[13]〜[19]のいずれかに記載のレンズの製造方法。
[21] ヒドロキシル基を有する化合物由来の前記構成単位が、トリメチロールプロパン由来の構成単位であり、芳香族イソシアネート由来の前記構成単位がトリレンジイソシアネート由来の構成単位である[20]に記載のレンズの製造方法。
[22] ヒドロキシル基を有する化合物由来の前記構成単位が、末端に水酸基を有するポリブタジエン由来の構成単位であり、芳香族イソシアネート由来の前記構成単位が一部あるいは全てがウレタン変性されたジフェニルメタンジイソシアネート由来の構成単位である[20]に記載のレンズの製造方法。
[23] 前記フィルムの面上に前記第1層を形成する工程の前に、
前記フィルムの表面に、ガス処理、薬液処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、粗面化処理、および火炎処理よりなる群から選択される少なくとも1種の前処理を行う工程を含む、[13]〜[22]のいずれかに記載のレンズの製造方法。
[24] 前記フィルムが偏光フィルムである[13]〜[23]のいずれかに記載のレンズの製造方法。
本発明のレンズによれば、無機ガラス製レンズ基材上に、特定の第1層(コート層)および第2層(接着層)を介して所定のフィルムが積層されており、温度や水分による劣化を抑制し、さらに無機ガラス製レンズ基材と所定のフィルムとの接着性を改善することができる。
第1の実施の形態に係るレンズを模式的に示した断面図である。 第2の実施の形態に係るレンズを模式的に示した断面図である。 第3の実施の形態に係るレンズを模式的に示した断面図である。
本発明のレンズは、熱可塑性ポリエステルまたは熱可塑性ポリカーボネートからなるフィルムと、前記フィルムの少なくとも一方の面上に形成された、ヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジイソシアネート由来の構成単位とからなるウレタン樹脂を含む第1層と、
第1層とは異なる(チオ)ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、(ウレタン)ウレア樹脂から選ばれる樹脂を含む第2層と、
無機ガラス製レンズ基材と、が順に積層されてなる。
そして、本発明のレンズの製造方法は、
熱可塑性ポリエステルまたは熱可塑性ポリカーボネートからなるフィルムの少なくとも一方の面に、
ヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジイソシアネート由来の構成単位とからなるウレタン樹脂を含む第1層を形成する工程と、
前記第1層上に、該第1層とは異なる(チオ)ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、(ウレタン)ウレア樹脂から選ばれる樹脂を含む第2層を形成する工程と、
前記第2層上に無機ガラス製レンズ基材を積層する工程と、を含む。
このような本発明のレンズは、以下の実施の形態を取りうる。
第1の実施形態のレンズ10aは、図1に示すように、
フィルム12と、フィルム12の両面上に順に積層された、第1層(コート層)14a,14bと、第2層(接着層)16a,16bと、無機ガラス製レンズ基材18a,18bと、を備える。
第2の実施形態のレンズ10bは、図2に示すように、
フィルム12と、フィルム12の一方の面上に順に積層された、第1層14aと、第2層16aと、無機ガラス製レンズ基材18aと、を備え、
フィルム12の他方の面上に順に積層された、第1層14bと、第2層16bと、プラスチックレンズ基材20と、を備える。
第3の実施形態のレンズ10cは、図3に示すように、
フィルム12と、フィルム12の一方の面上に順に積層された、第1層14aと、第2層16aと、無機ガラス製レンズ基材18aと、を備える。
なお、レンズの製造方法は、各実施形態において説明する。
以下、図面を用いて、本発明のレンズを第1〜第3の実施形態により説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
[第1の実施形態]
[レンズ]
図1に示すように、本実施形態のレンズ10aは、
フィルム12と、
フィルム12の両面に形成された、ヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジイソシアネート由来の構成単位とからなるウレタン樹脂を含む第1層(コート層)14a,14bと、
第1層とは異なる(チオ)ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、(ウレタン)ウレア樹脂から選ばれる樹脂を含む第2層(接着層)16a,16bと、
無機ガラス製レンズ基材18a,18bと、が順に積層してなる。
このようなレンズ10aは、無機ガラス製レンズ基材と所定のフィルムとの接着性に優れる。
フィルム12としては、偏光フィルム、調光フィルム、着色フィルム、特定波長カットフィルム等を挙げることができ、本実施形態においては偏光フィルムであることが好ましい。フィルム12として偏光フィルムを用いる場合、本実施形態のレンズは偏光レンズとして用いることができる。
フィルム12を構成する樹脂としては、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリカーボネートが挙げられる。耐水性、耐熱性および成形加工性の観点から、熱可塑性ポリエステルが好ましい。
フィルム12の厚さは通常10〜500μmの範囲である。
熱可塑性ポリエステルフィルムは、例えば、特開2002−267841号公報に開示されている、熱可塑性ポリエステルをマトリックスとするフィルム等が挙げられる。熱可塑性ポリエステルとして具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びポリブチレンテレフタレート等を用いることができ、耐水性、耐熱性および成形加工性の観点からポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。熱可塑性ポリエステルには、共重合成分を添加する等の手法で変性されたものも含まれる。
偏光フィルムは、熱可塑性樹脂に二色性色素をブレンドし、押出し成形の後に一軸方向に延伸させることにより得ることができる。
本実施形態で用いる二色性色素としては、公知の色素が使用される。例えば、特開昭61−087757号公報、特開昭61−285259号公報、特開昭62−270664号公報、特開昭62−275163号公報、特開平1−103667号公報等に開示されている。具体的には、アントラキノン系、キノフタロン系、アゾ系等の色素が挙げられる。二色性色素としては、熱可塑性樹脂の成形に耐える耐熱性を有するものが好ましい。
無機ガラス製レンズ基材18a,18bは、メガネレンズ用に使用されるものであれば使用できるが、硝酸カリにて化学強化を行ったうえで使用することが多い。
フィルムを積層する面と反対側の面に反射防止コートやミラーコートを施した無機ガラス製レンズ基材を用いてもよい。また、フォトクロミック性能を付与するための金属を含有した無機ガラス製レンズ基材を使用してもよい。
以下に、本実施形態のレンズ10aの製造方法について説明する。
[レンズの製造方法]
本実施形態のレンズ10aの製造方法は以下の工程を備える。
工程(a):熱可塑性ポリエステルまたは熱可塑性ポリカーボネートからなるフィルム12の両面に、第1層(コート層)14a,14bを形成する。
工程(b):第1層14a,14b上に、重合性組成物を塗布し、第2層(接着層)16a,16bを形成する。
工程(c):第2層16a,16b上に無機ガラス製レンズ基材18a,18bを積層する。
以下、各工程に沿って順に説明する。
<工程(a)>
本工程においては、熱可塑性ポリエステルまたは熱可塑性ポリカーボネートからなるフィルム12の両面に、ヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジイソシアネート由来の構成単位とからなるウレタン樹脂を含む第1層14a,14bを形成する。第1層14aに含まれる樹脂は、第1層14bに含まれる樹脂と同一でも異なっていてもよい。
本工程(a)の前に、フィルム12の表面に、ガス処理又は薬液処理などの薬品処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、粗面化処理、火炎処理、などから選ばれる1種又は2種以上の前処理を行うことができる。当該処理により、フィルム12と第1層14a,14bとの密着性が改善される。
また、本工程(a)の前に、フィルム12を、熱可塑性樹脂の融点以下の温度条件下で附形する工程を、有していてもよい。あるいは、当該附形工程を、第1層(コート層)を形成した後(工程(a)の後)に行ってもよい。
フィルムの附形は、好ましくは、樹脂のガラス転移温度+5℃以上、樹脂のガラス転移温度+100℃以下の温度条件下、さらに好ましくは樹脂のガラス転移温度+5℃以上、樹脂のガラス転移温度+80℃以下の温度条件下、特に好ましくは樹脂のガラス転移温度+5℃以上、樹脂のガラス転移温度+70℃以下の温度条件下で行うことができる。フィルムの附形方法は、上記温度にフィルムを加熱しつつ所望の曲率の形状に附形することができれば通常の方法を用いることができる。
フィルムが、例えばガラス転移温度74℃、融点259℃のポリエチレンテレフタレートの場合には、附形は、79℃以上、259℃以下、好ましくは79℃以上、174℃以下、さらに好ましくは79℃以上154℃以下の温度条件下、特に好ましくは79℃以上144℃以下の温度条件下で行うことができる。
樹脂のガラス転移温度は、一般的にDSC(示差走査型熱量計)などを用いて測定することができる。
附形方法としては、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、プレス成形等を挙げることができる。
フィルムの附形方法において、成形圧力および成形時間等の条件は、附形方法、附形の際の温度、製造機器等に合わせて適宜調整される。なお、フィルムは、金型等で附形する前に、予め加熱処理を行ってもよい。
工程(a)においては、重合性組成物をフィルム12の両面に塗布し、フィルム12の両面に、ヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジイソシアネート由来の構成単位とからなるウレタン樹脂を含む第1層14a,14bを形成する。
本実施形態における重合性組成物としては、ヒドロキシル基を有する化合物と芳香族ジイソシアネート化合物を含む重合性組成物を用いることができる。
(ヒドロキシル基を有する化合物)
ヒドロキシル基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ブタントリオール、 1,2−メチルグルコサイド、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール、エリスリトール、スレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、マニトール、ドルシトール、イディトール、グリコール、イノシトール、ヘキサントリオール、トリグリセロース、ジグリペロール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、シクロブタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘプタンジオール、シクロオクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキシプロピルシクロヘキサノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−ジメタノール、ビシクロ[4.3.0]−ノナンジオール、ジシクロヘキサンジオール、トリシクロ[5.3.1.1]ドデカンジオール、ビシクロ[4.3.0]ノナンジメタノール、トリシクロ[5.3.1.1]ドデカン−ジエタノール、ヒドロキシプロピルトリシクロ[5.3.1.1]ドデカノール、スピロ[3.4]オクタンジオール、ブチルシクロヘキサンジオール、1,1'−ビシクロヘキシリデンジオール、シクロヘキサントリオール、マルチトール、ラクトース、末端に水酸基を有するポリブタジエン等の脂肪族ポリオール;
ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシナフタレン、テトラヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゼン、ベンゼントリオール、ビフェニルテトラオール、ピロガロール、(ヒドロキシナフチル)ピロガロール、トリヒドロキシフェナントレン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、キシリレングリコール、ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノールA−ビス−(2−ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールA−ビス−(2−ヒドロキシエチルエーテル)、ヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジカルボン酸由来の構成単位とからなる芳香族ポリエステルポリオール等の芳香族ポリオール;
ジブロモネオペンチルグリコール等のハロゲン化ポリオール;
エポキシ樹脂等の高分子ポリオールが挙げられる。ヒドロキシル基を有する化合物としては、これらから選択される少なくとも1種を用いることができる。
(芳香族ジイソシアネート化合物)
芳香族ジイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルスルフィド−4,4−ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。芳香族ジイソシアネート化合物としては、これらから選択される少なくとも1種を用いることができる。
芳香族ジイソシアネート化合物としては、単量体以外に、変性体および/または変性体との混合物の場合も含み、イソシアネートの変性体としては、例えば、多量体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、オキサジアジントリオン変性体、ポリオール変性体、ウレタン変性体などが挙げられる。多量体としては、例えば、ウレットジオン、ウレトイミン、カルボジイミド等の二量体、イソシアヌレート、イミノオキサジアンジオン等の三量体以上の多量体が挙げられる。イソシアネートの変性体として、好ましくはウレタン変性イソシアネートを挙げることができ、具体的にはウレタン変性ジフェニルメタンジイソシアネートを用いることができる。
本実施形態においては、本発明の効果の観点から、ヒドロキシル基を有する化合物が、ヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジカルボン酸由来の構成単位とからなる芳香族ポリエステルポリオール、トリメチロールプロパン、および末端に水酸基を有するポリブタジエンよりなる群から選択される少なくとも1種であり、
芳香族ジイソシアネート化合物が、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、およびこれらの化合物の一部あるいは全てがウレタン変性された化合物よりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これらの中でも、(1)トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとの組み合わせ、または(2)末端に水酸基を有するポリブタジエンと、一部あるいは全てがウレタン変性されたジフェニルメタンジイソシアネートとの組み合わせがより好ましい。
(その他の成分)
さらに、本実施形態における重合性組成物は、他の成分として、シランカップリング剤、重合触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、樹脂改質剤等を含んでいてもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、エポキシ基、アミノ基、(メタ)アクロイル基、ビニル基、メルカプト基、ハロゲン基、イミノ基、イソシアネート基あるいはウレイド基いずれか1つ以上の置換基を有するシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤のケイ素原子に結合する加水分解性基としては、2個以上の酸素原子を有してもよいアルコキシ基、アルキルカルボキシル基、ハロゲン基などが挙げられる。中でも2個以上の酸素原子を有してもよいアルコキシ基を有するアルコキシシラン化合物がより好ましい。
具体例としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどのエポキシ基を有するシランカップリング剤;
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン、ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミンなどのアミノ基を有するシランカップリング剤又はその塩酸塩からなるシランカップリング剤;
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどの(メタ)アクリロキシ基を有するシランカップリング剤;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートなどのビニル基を有するシランカップリング剤;
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどのメルカプト基を有するシランカップリング剤;
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシランなどのハロゲンを有するシランカップリング剤;
γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基を有するシランカップリング剤;
γ−(ウレイドプロピル)トリメトキシシラン、γ−(ウレイドプロピル)トリエトキシシランなどのウレイド基を有するシランカップリング剤等
を挙げることができる。
中でも好ましいシランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。とりわけ、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシランなどの(メタ)アクリロキシアルキルアルコキシシランが特に好ましい。
これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ、異種のシランカップリング剤間で化学反応が介在する場合も含まれる。
重合触媒としては公知の重合触媒、例えばスズ化合物や3級アミン化合物を適宜に添加することができる。
スズ化合物としては、ジブチルスズジクロライド、ジメチルスズジクロライド等のジアルキルスズハロゲン化物類、ジメチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクタノエート、ジブチルスズジラウレート等のジアルキルスズジカルボキシレート類、が挙げられる。
ジアルキルスズハロゲン化物類には、モノアルキルスズハロゲン化物類、トリアルキルスズハロゲン化物類を含んでいてもよい。ジアルキルスズジカルボキシレート類には、モノアルキルスズトリカルボキシレート化物類、トリアルキルスズカルボキシレート化物類を含んでいてもよい。
3級アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミンが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外吸収剤、ジフェニルアクリレート系紫外線吸収剤、フェノール系紫外線吸収剤、オキサアニリド系紫外線吸収剤、およびマロン酸エステル系紫外線吸収剤が挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、具体的にセバシン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジン)、セバシン酸1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)10−メチル、ビス(1−ウンデカノキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)カーボネート、セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−4−オキシル)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンヘキサデカノエート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンオクタデカノエート等を挙げることができる。
樹脂改質剤としては、例えば、エピスルフィド化合物、アルコール化合物、アミン化合物、エポキシ化合物、有機酸及びその無水物、(メタ)アクリレート化合物等を含むオレフィン化合物等が挙げられる。
本実施形態の重合性組成物は、ヒドロキシル基を有する化合物及び芳香族ジイソシアネート化合物、必要に応じ上記のその他の成分を混合して、調製することができる。
なお、本実施形態の重合性組成物において、ヒドロキシル基を有する化合物と芳香族ジイソシアネート化合物の使用比率は、ヒドロキシル基を有する化合物/芳香族ジイソシアネート化合物の重量比で、通常0.05〜20の範囲内であり、好ましくは、0.1〜10の範囲内であり、さらに好ましくは0.5〜5の範囲内である。
本実施形態において、フィルム12の両面に前記重合性組成物(コート剤)を無溶剤でそのまま塗布してもよいが、適切な溶媒系を選択してコート剤を溶解又は分散させた塗布液として塗布するのが好ましい。本実施形態において用いられる塗布液は、コート剤を溶媒で希釈していない液体、および溶媒で希釈されている液体のいずれをも含む。
溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール化合物類、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル化合物類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン化合物類、ジクロロメタンなどのハロゲン化合物類などから選択することができ、単独もしくは2種以上併せて使用することができる。溶媒に少量の水を添加することも行われる。
コート剤を溶媒で希釈してなる塗布液において、コート剤換算での濃度は、0.1〜50wt%、好ましくは1〜50wt%、更に好ましくは3〜30wt%である。50wt%を超えると塗布液の経時安定性が乏しくなったり、塗布されるコート剤成分が多くなりコート層が厚くなりすぎてコート層の存在が目立ったり、コート層内での剥離による密着性の低下が生じたりする場合がある。逆に0.1wt%より小さいと、フィルムと無機ガラス製レンズ基材の密着性が十分に得られない場合がある。
コート層の厚さとしては、0.001〜30μm、好ましくは0.01〜10μm、さらに好ましくは0.05〜5μmである。
本実施形態におけるフィルム12の両面に上記塗布液を塗布する方法に特に限定はないが、フィルム12を上記塗布液で第1層(コート層)を形成後に湾曲加工する方法と、湾曲加工後に上記塗布液で第1層を形成する方法、さらには両者を併用する方法に大別されるがいずれの方法でも採用することができる。
塗布方法は、ロールコート法、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ディッピング法などの従来から知られている方法を採用することができる。乾燥後1回以上重ねて塗布することもでき、その際はそれぞれの塗布液の種類が同一であっても異なっていてもよい。通常は、重ねて塗布することなく1回のみの塗布と乾燥で本実施形態の目的は達成できることが多い。
前記塗布液をフィルム12に塗布後、必要に応じて乾燥及び/又は熱処理が施される。乾燥及び/又は熱処理時の適用温度はフィルム12の性能が実質的に劣化しない範囲内であれば特に制限はない。該塗布液をフィルム12に塗布後、活性エネルギー線を照射させてもよい。活性エネルギー線としては、紫外線あるいは電子線などが挙げられる。
また、上記のようなコーティング処理に先立って、予めフィルム12に、ガス又は薬液処理などの薬品処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、粗面化処理、火炎処理、などから選ばれる1種又は2種以上の前処理が施されていてもよい。
前記薬品処理の具体例としては、オゾン、ハロゲンガス、二酸化塩素などのガスを用いたガス処理、あるいは次亜塩素酸ナトリウム、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、金属ナトリウム、硫酸、硝酸などの酸化剤又は還元剤、あるいは酸・塩基などを用いた薬液処理が挙げられる。薬液処理においては、酸化剤又は還元剤あるいは酸・塩基などを、通常は水、アルコール、液体アンモニアなどに溶解させた溶液状として使用される。
前記処理薬品がアルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物である場合、アルカリ金属水酸化物としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられ、アルカリ土類金属水酸化物としては水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどが挙げられ、1種又は2種以上選択して使用することができる。中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、とりわけ水酸化ナトリウムが好ましい。
アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物はその溶液として使用することが好ましく、該溶液の溶媒としては水及び/又は有機溶媒が挙げられ、有機溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトンなどを例示することができる。
前記溶液の濃度は5〜55重量%、好ましくは10〜45重量%の範囲が好適であり、前記溶液の温度は0〜95℃、好ましくは10〜90℃、より好ましくは20〜80℃の範囲が好適である。
本実施形態におけるアルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物溶液による前処理は、前記の溶液濃度と溶液温度範囲にある溶液と、該フィルムの片面又は両面を所定の時間接触させることで行うことができる。該接触の方法として特に制限はないが、例えば該フィルムの溶液中への浸漬、あるいはシャワー、表面流下などによる該フィルムとの接触などの方法を例示することができる。中でも該フィルムを溶液中に浸漬させる方法が好ましい。その際、溶液の濃度と温度を均一化させるために、攪拌、対流、噴流などの方法を採用することができる。該接触させる時間に特に制限はないが、1分〜24時間、好ましくは5分〜10時間、特に好ましくは5分〜5時間の範囲が好ましい。
前記アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物溶液と該フィルムとを接触させる際には、超音波照射や振動など物理的刺激を併用することもできる。
アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物溶液は、該溶液と該フィルムとの濡れ性の向上を目的としてアニオン性、ノニオン性などの界面活性剤などを含んでいてもよい。
前記アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物溶液と該フィルムとの接触時における溶液濃度、溶液温度及び接触時間は、該フィルムの光学的特性を実質的に損なわない範囲で適宜選択して行うことができる。
前記アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物溶液に該フィルムを接触させた後、必要に応じて水及び/又はメタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトンなどの有機溶剤で該フィルムの洗浄、乾燥を行ってもよい。
前記コロナ放電処理は、気体放電の1種で、気体分子がイオン化し導電性を示し、そのイオン流でフィルム表面が活性化される現象を利用するものであり、広範に使用されている表面処理技術である。放電処理をする気体としては、空気が挙げられるが、窒素、二酸化炭素、アンモニアガスなどのガスであってもよい。コロナ放電処理は例えば公知の高周波発生装置において電圧を電極に印加して発生させるコロナを用いてフィルム表面を処理する方法で達成できる。コロナ放電処理強度は1〜500W・min/mが好ましく、より好ましくは5〜400W・min/mである。
前記プラズマ処理としては、常圧プラズマ処理及び真空プラズマ処理(低温プラズマ処理)を例示することができる。
常圧プラズマ処理では空気、水蒸気、アルゴン、窒素、ヘリウム、二酸化炭素、一酸化炭素などのガスを単独又は混合させたガス雰囲気中で放電処理される。
真空プラズマ処理は、減圧下で行うことができ、例えばドラム状電極と複数の棒状電極からなる対極電極を有する内部電極型の放電処理装置内にフィルムを置き、0.001〜50Torr、好ましくは0.01〜10Torr、より好ましくは0.02〜1Torrの処理ガス雰囲気下で、電極間に直流又は交流の高電圧を印加して放電させて該処理ガスのプラズマを発生させこれに該フィルムの表面を曝露させることで表面処理をすることができる。真空プラズマ処理の処理条件としては、処理装置、処理ガスの種類、圧力、電源の周波数などに依存するが、適宜好ましい条件を選定すればよい。上記処理ガスとしては例えば、アルゴン、窒素、ヘリウム、二酸化炭素、一酸化炭素、空気、水蒸気などを単独又は混合して使用することができる。
以上の工程(a)により、両面に第1層(コート層)が形成されたフィルムを得ることができる。
<工程(b)>
工程(b)においては、コート層付きフィルム12の第1層14a,14b上に、重合性組成物を塗布し、第2層(接着層)16a,16bを形成する。
本実施形態における第2層を形成するための重合性組成物により、(チオ)ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、(ウレタン)ウレア樹脂から選ばれる樹脂を含む第2層16a,16bを得ることができる。工程(b)に用いる重合性組成物は、第1層14a,14bを形成する重合性組成物とは異なるものを用いる。
((チオ)ウレタン樹脂)
(チオ)ウレタン樹脂は、ポリイソシアネート化合物と活性水素化合物を重合・硬化させることで得ることができる。本工程においては第1層14a,14bとは異なる樹脂を用いる。
(ポリイソシアネート化合物)
ポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)ナフタリン、メシチリレントリイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトエチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)エタン、ビス(イソシアナトメチルチオ)エタン等の脂肪族ポリイソシアネート化合物;
イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,2−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4'−ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルジメチルメタンイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、3,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソシアネート化合物;
ジフェニルスルフィド−4,4−ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物;
2,5−ジイソシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)チオフェン、2,5−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン等の複素環ポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。ポリイソシアネート化合物としては、これらから選択される少なくとも1種を用いることができる。
ポリイソシアネート化合物としては、単量体以外に、変性体および/または変性体との混合物、多量体の場合も含み、ポリイソシアネートの変性体としては、例えば、多量体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、オキサジアジントリオン変性体、ポリオール変性体、ウレタン変性体などが挙げられる。多量体としては、例えば、ウレットジオン、ウレトイミン、カルボジイミド等の二量体、イソシアヌレート、イミノオキサジアンジオン等の三量体以上の多量体が挙げられる。
ウレタン変性イソシアヌレートは、イソシアヌレートがウレタン変性されている化合物であり、イソシアヌレートのイソシアネート基と、ヒドロキシル基を有する化合物のヒドロキシル基とがウレタン反応することで得られる。ウレタン変性イソシアヌレートにおける、ヒドロキシル基を有する化合物としては、通常、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等であり、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
(活性水素化合物)
活性水素化合物は二官能以上の活性水素基を有する化合物であり、ポリオール、ポリチオール、ヒドロキシ基を有するチオール等を挙げることができる。活性水素化合物としては、ポリオール、ポリチオールを用いることが好ましい。
(ポリオール)
ポリオールは、2以上の水酸基を有する化合物である。ポリオールとしては、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ブタントリオール、 1,2−メチルグルコサイド、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール、エリスリトール、スレイトール、リビトール、アラビニトール、キシリトール、アリトール、マニトール、ドルシトール、イディトール、グリコール、イノシトール、ヘキサントリオール、トリグリセロース、ジグリペロール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、シクロブタンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘプタンジオール、シクロオクタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ヒドロキシプロピルシクロヘキサノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−ジメタノール、ビシクロ[4.3.0]−ノナンジオール、ジシクロヘキサンジオール、トリシクロ[5.3.1.1]ドデカンジオール、ビシクロ[4.3.0]ノナンジメタノール、トリシクロ[5.3.1.1]ドデカン−ジエタノール、ヒドロキシプロピルトリシクロ[5.3.1.1]ドデカノール、スピロ[3.4]オクタンジオール、ブチルシクロヘキサンジオール、1,1'−ビシクロヘキシリデンジオール、シクロヘキサントリオール、マルチトール、ラクトース、トリメチロールプロパン、末端に水酸基を有するポリブタジエン等の脂肪族ポリオール;
ジヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシナフタレン、テトラヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゼン、ベンゼントリオール、ビフェニルテトラオール、ピロガロール、(ヒドロキシナフチル)ピロガロール、トリヒドロキシフェナントレン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、キシリレングリコール、ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノールA−ビス−(2−ヒドロキシエチルエーテル)、テトラブロムビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールA−ビス−(2−ヒドロキシエチルエーテル)、ヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジカルボン酸由来の構成単位とからなる芳香族ポリエステルポリオール等の芳香族ポリオール;
ジブロモネオペンチルグリコール等のハロゲン化ポリオール;
エポキシ樹脂等の高分子ポリオールが挙げられる。
本実施形態においては、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記芳香族ポリエステルポリオールを構成する「ヒドロキシル基を有する前記化合物」としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等を挙げることができ、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。本実施形態において、ヒドロキシル基を有する化合物として、好ましくはエチレングリコールを用いることができる。
さらに、前記芳香族ポリエステルポリオールを構成する前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸等を挙げることができ、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。本実施形態において、芳香族ジカルボン酸として、好ましくはテレフタル酸とイソフタル酸との組み合わせである。テレフタル酸とイソフタル酸との重量比は特に限定されないが、好ましくは7:3である。
芳香族ポリエステルポリオールとしては、市販されているものを用いることができ、例えば荒川化学社製のAPシリーズ等が挙げられる。
また、ポリオール化合物として他に、シュウ酸、グルタミン酸、アジピン酸、酢酸、プロピオン酸、シクロヘキサンカルボン酸、β−オキソシクロヘキサンプロピオン酸、ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、サリチル酸、3−ブロモプロピオン酸、2−ブロモグリコール、ジカルボキシシクロヘキサン、ピロメリット酸、ブタンテトラカルボン酸、ブロモフタル酸などの有機酸と上記ポリオールとの縮合反応生成物;
上記ポリオールとエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどアルキレンオキサイドとの付加反応生成物;
アルキレンポリアミンとエチレンオキサイドや、プロピレンオキサイドなどアルキレンオキサイドとの付加反応生成物;さらには、
ビス−[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルフィド、ビス−[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]スルフィド、ビス−[4−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)フェニル]スルフィド、ビス−[4−(4−ヒドロキシシクロヘキシロキシ)フェニル]スルフィド、ビス−[2−メチル−4−(ヒドロキシエトキシ)−6−ブチルフェニル]スルフィドおよびこれらの化合物に水酸基当たり平均3分子以下のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドが付加された化合物;
ジ−(2−ヒドロキシエチル)スルフィド、1,2−ビス−(2−ヒドロキシエチルメルカプト)エタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジスルフィド、1,4−ジチアン−2,5−ジオール、ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)スルフィド、テトラキス(4−ヒドロキシ−2−チアブチル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(商品名ビスフェノールS)、テトラブロモビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールS、4,4'−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,3−ビス(2−ヒドロキシエチルチオエチル)−シクロヘキサンなどの硫黄原子を含有したポリオール等が挙げられる。本実施形態においては、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(ポリチオール)
ポリチオールは、2以上のメルカプト基を有する化合物である。ポリチオールは、2以上のメルカプト基を有する化合物を1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリチオールとしては、例えば、メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3−メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,2−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)エタン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン、及びこれらのチオグリコール酸およびメルカプトプロピオン酸のエステル、ヒドロキシメチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピネート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(2−メルカプトアセテート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(3−メルカプトプロピオネート)、チオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、トリス(メルカプトエチルチオ)メタン等の脂肪族ポリチオール化合物;
1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール等の芳香族ポリチオール化合物;
2−メチルアミノ−4,6−ジチオール−sym−トリアジン、3,4−チオフェンジチオール、ビスムチオール、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン等の複素環ポリチオール化合物;が挙げられ、少なくとも1種を用いることができる。
さらにこれらポリチオールのオリゴマーや塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体を使用しても良い。
これら活性水素化合物は単独でも、2種類以上を混合しても使用することができる。
ポリチオールとしては、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン、から選択される少なくとも1種が好ましく使用され、
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、から選択される少なくとも1種がさらに好ましく、
特に、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタンが好ましく使用される。
(ヒドロキシ基を有するチオール)
ヒドロキシ基を有するチオールとしては、例えば、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グルセリンビス(メルカプトアセテート)、4−メルカプトフェノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(チオグリコレート)等が挙げられ、少なくとも1種を用いることができる。
ポリイソシアネート化合物としては、好ましくは、トリレンジソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンおよびこれらのポリオール変性体、ウレタン変性体、トリマー変性物から選ばれる1種または2種以上を用いることができ、活性水素化合物としては、好ましくは、ポリオール、ポリチオール等を用いることができる。
ポリイソシアネート化合物と活性水素化合物を重合・硬化させて(チオ)ウレタン樹脂を得るに際しては、ジブチルスズジクロイド、ジメチルスズジクロリド、ジオクチルスズジクロリド、ジブチルスズジラウレート等のスズ化合物、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン化合物などの触媒を使用して硬化速度を速めるのが一般的である。触媒は、通常は、イソシアネート成分へ添加あるいは活性水素化合物へ添加あるいはその両方に添加して使用する。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂はエポキシ化合物を重合することにより得られる。
エポキシ化合物としては、芳香族エポキシ化合物の水素化物、脂環式エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物などを例示することができる。なお、硬化性化合物であるエポキシ化合物は、通常、分子内に2個以上のエポキシ基を有する。
前記芳香族エポキシ化合物の水素化物は、芳香族エポキシ化合物の原料である芳香族ポリヒドロキシ化合物を触媒の存在下、加圧下で、芳香環に対して選択的に水素化反応を行なって得られる核水添ポリヒドロキシ化合物をグリシジルエーテル化する方法により得ることができる。芳香族エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジグリシジルエーテルのようなビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ヒドロキシベンズアルデヒドフェノールノボラックエポキシ樹脂のようなノボラック型のエポキシ樹脂;テトラヒドロキシフェニルメタンのグリシジルエーテル、テトラヒドロキシベンゾフェノンのグリシジルエーテル、エポキシ化ポリビニルフェノールのような多官能型のエポキシ樹脂などが挙げられる。これらの原料であるビスフェノール類を代表例とする芳香族ポリヒドロキシ化合物を上記のように核水添し、その水酸基にエピクロロヒドリンを反応させれば、芳香族エポキシ化合物の水素化物が得られる。なかでも、芳香族エポキシ化合物の水素化物として、水素化されたビスフェノールAのグリシジルエーテルを用いることが好ましい。
前記脂環式エポキシ化合物としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジエチレングリコールビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエーテル)、エチレングリコールビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエーテル)、2,3,14,15−ジエポキシ−7,11,18,21−テトラオキサトリスピロ−[5.2.2.5.2.2]ヘンイコサン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−8,9−エポキシ−1,5−ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ビス−2,3−エポキシシクロペンチルエーテル、ジシクロペンタジエンジオキサイドなどを挙げることができる。
また、前記脂肪族エポキシ化合物としては、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテルを挙げることができる。より具体的には、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコールやプロピレングリコール、グリセリンのような脂肪族多価アルコールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド)を付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。
なお、エポキシ化合物は、1種のみを単独で使用してもよいし、あるいは2種以上を併用してもよい。
本実施形態の重合性組成物は、エポキシ化合物をカチオン重合させるために、公知のカチオン重合開始剤を含むことができる。
((ウレタン)ウレア樹脂)
ウレア樹脂としては、ジアミン成分とジイソシアネート成分とから合成されるポリウレア樹脂などが挙げられるが、必要に応じて3価以上のアミン成分や3価以上のイソシアネート成分を用いてもよい。
ジアミン成分としては、脂肪族アミン類、芳香族アミン類が挙げられ、中でも炭素数2〜18の脂肪族ジアミン類、炭素数6〜20の芳香族ジアミン類が挙げられる。
ジイソシアネート成分としては、芳香族イソシアネート類、脂肪族イソシアネート類、脂環式イソシアネート類、芳香脂肪族イソシアネート類が挙げられ、中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜20の芳香族ジイソシアネート、2〜18の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネート、8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネートおよびこれらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ウレタンウレア樹脂は、具体的にはポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタンプレポリマーに、ポリアミノ化合物を反応させた樹脂である。
前記ポリオールは、公知の化合物を使用できる。具体的には、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、およびこれらの共重合体、ならびにその他のグリコールなど好ましい。
前記ポリエーテルポリオールは、例えば、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド、ヘキサンジオール、メチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール若しくはこれらの混合物の縮合によるジオール、またはビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール類にエチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたグリコールが挙げられる。
前記ポリエステルポリオールは、例えば、多官能アルコールと二塩基酸とが縮合反応したポリエステルポリオールがある。
前記多官能アルコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3'−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどの2個の水酸基を有する化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3個以上の水酸基を有する化合物が挙げられる。
前記二塩基酸は、例えばテレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等の脂肪族あるいは芳香族二塩基酸が挙げられる。または、β−ブチロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−ヘプタノラクトン、α−メチル−β−プロピオラクトン等のラクトン類等の、環状エステル化合物の開環重合により得られるポリエステルポリオールを挙げられる。
ポリカーボネートポリオールは、例えば、(1)グリコール又はビスフェノールと炭酸エステルとの反応、または(2)グリコール又はビスフェノールにアルカリの存在下でホスゲンを反応することで得られる。
前記反応(1)で使用する炭酸エステルは、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどが挙げられる。
前記反応(1)および(2)で使用するグリコール又はビスフェノールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3,3'−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール;、ビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール類;、ビスフェノール類にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたビスフェノール類;等が挙げられる。これらの化合物は、単独または2種以上を使用できる。
前記その他のグリコールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブタンジオール、プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオールが挙げられる。また、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、メチルグルコシド等の、3個以上の水酸基を有する化合物が挙げられる。
前記ポリイソシアネートは、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が好ましい。
前記芳香族ポリイソシアネートは、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4'−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4',4"−トリフェニルメタントリイソシアネート等が挙げられる。
前記脂肪族ポリイソシアネートは、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記芳香脂肪族ポリイソシアネートは、ω,ω'−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω'−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω'−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
前記脂環族ポリイソシアネートは、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
また、上記ポリイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアヌレート環を有する3量体等を、併用することができる。ポリフェニルメタンポリイソシアネート(PAPI)、ナフチレンジイソシアネート、及びこれらのポリイソシアネート変性物等を併用することができる。尚、ポリイソシアネート変性物としては、カルボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、水と反応したビュレット基、イソシアヌレート基のいずれかの基、又はこれらの基の2種以上を有する変性物を使用できる。ポリオールとジイソシアネートの反応物も、ポリイソシアネートとして使用することができる。
前記ポリイソシアネートの中でも4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)等の無黄変型、又は難黄変型のポリイシソアネート化合物を使用することが好ましい。
前記ポリアミノ化合物は、2個以上のアミノ基を有する化合物である。
ポリアミノ化合物としては、具体的には、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリアミノプロパン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、(2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシエチルエチレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(2−ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン、ピペラジン等の脂肪族ポリアミン;
イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジアミン等の脂環式ポリアミン;
フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン,3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ビス−(sec−ブチル)ジフェニルメタン等の芳香族ジアミン;
及びダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン、末端に一級又は二級アミノ基を有するデンドリマーなどを挙げることができる。
第2層16a,16bに含まれるこれら樹脂には、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、色素等を配合してもよい。
重合性組成物の塗布は、ディッピング法、スプレーコート法、スピンコート法、バーコート法などの公知の方法を用いてもよいが、通常は、少量の重合性組成物をコート層付きフィルム12の第1層14a,14b上に載置し、後述の工程(c)にて無機ガラス製レンズ基材で樹脂組成物を押圧することで第2層(接着層)16a,16b形成することが一般的である。
第2層の厚みは、通常0.01〜50ミクロン、好ましくは0.05〜20ミクロン、更に好ましくは0.1〜10ミクロンの範囲である。
第2層16a,16bとして、これらの樹脂を用いることにより、無機ガラス製レンズ基材と所定のフィルムとの接着性をさらに改善することができる。
<工程(c)>
工程(c)においては、第2層16a,16b上に無機ガラス製レンズ基材18a,18bを積層する。
通常は、フィルム12の両面に第1層14a、14bを積層したものの両側を、第2層の16a、16bとなる重合性組成物を接着剤として用いて、無機ガラス製レンズ基材18a、18bと接着させる。接着には加熱するのが一般的であり、通常50〜150℃、好ましくは80〜120℃に加熱するのが好ましい。加熱時間は通常は10時間以内、好ましくは0.5〜5時間の範囲である。その際、クリップ等を使用して圧力をかけてもよい。
気泡の混入を防止するため、加熱する前に減圧下に放置してもよいし、減圧しながら加熱してもよい。
以上のような工程を含む製造方法により、図1に示すような本実施形態のレンズを得ることができる。このようなレンズ10aは、フィルム12の一方の面に第1層14aと、第2層16aと、無機ガラス製レンズ基材18aとが順に積層され、他方の面に第1層14b、第2層16bと、無機ガラス製レンズ基材18bが順に積層されている。このような構成であることにより、無機ガラス製レンズ基材18a,18bとフィルム12との接着性に優れる。
本実施形態のレンズは、必要に応じ、片面又は両面にコーティング層を施して用いられる。コーティング層としては、反射防止層、ミラーコート層、防曇コート層、防汚染層、撥水層、耐衝撃性向上コート層等が挙げられる。これらのコーティング層は、それぞれ単独で使用しても複数のコーティング層を多層化して使用してもよい。両面にコーティング層を施す場合、それぞれの面に同様なコーティング層を施しても異なるコーティング層を施してもよい。レンズを製造してからコーティング処理を施してもよいし、予めコーティング処理を施した無機ガラスレンズ基材を用いてレンズを製造してもよい。
これらのコーティング層には、それぞれ、紫外線からレンズや目を守る目的で紫外線吸収剤、赤外線から目を守る目的で赤外線吸収剤、レンズの耐候性を向上させる目的で光安定剤や酸化防止剤、レンズのファッション性を高める目的で染料や顔料、さらにフォトクロミック染料やフォトクロミック顔料、帯電防止剤、その他、レンズの性能を高める目的で公知の添加剤を併用してもよい。塗布性の改善を目的として各種レベリング剤を使用してもよい。
反射防止層には無機系と有機系があり、無機系の場合は、一般的には、SiO、TiO等の無機酸化物を用いて真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、CVD法等の乾式法により形成されることが多い。有機系の場合は、一般的には、有機ケイ素化合物と、内部空洞を有するシリカ系微粒子とを含む組成物を用いて湿式により形成されることが多い。
反射防止層は単層であっても多層であってもよいが、単層で用いる場合はハードコート層の屈折率よりも屈折率が少なくとも0.1以上低くなることが好ましい。効果的に反射防止機能を発現するには多層膜反射防止膜とすることが好ましく、その場合、通常は、低屈折率膜と高屈折率膜とを交互に積層する。この場合も低屈折率膜と高屈折率膜との屈折率差は0.1以上であることが好ましい。高屈折率膜としては、例えば、ZnO、TiO、CeO、Sb、SnO、ZrO、Ta等の膜が、低屈折率膜としては、SiO膜等が挙げられる。膜厚は、通常、50〜150nm程度である。
さらに、本実施形態のレンズは、必要に応じ、裏面研磨を施してもよい。
[第2の実施形態]
[レンズ]
図2に示すように、本実施形態のレンズ10bは、フィルム12と、フィルム12の一方の面に、ヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジイソシアネート由来の構成単位とからなるウレタン樹脂を含む第1層(コート層)14aと、第1層とは異なる(チオ)ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、(ウレタン)ウレア樹脂から選ばれる樹脂を含む第2層(接着層)16aと、無機ガラス製レンズ基材18aと、が順に積層され、
フィルム12の他方の面に、第1層14aと同一または異なるヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジイソシアネート由来の構成単位とからなるウレタン樹脂を含む第1層(コート層)14bと、第2層16aと同一または異なる第1層とは異なる(チオ)ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、(ウレタン)ウレア樹脂から選ばれる第2層(接着層)16bと、プラスチックレンズ基材20が順に積層されてなる。
このようなレンズ10bは、無機ガラス製レンズ基材と所定のフィルムとプラスチックレンズ基材との接着性に優れる。
なお、プラスチックレンズ基材20は、第2層16bに対向する面と反対側の面(露出面)に図示しないコーティング層を備えることもできる。
以下に、本実施形態のレンズ10bの製造方法について説明する。
[レンズの製造方法]
本実施形態のレンズ10bの製造方法は以下の工程を備える。
工程(a):熱可塑性ポリエステルまたは熱可塑性ポリカーボネートからなるフィルム12の両面に、第1層(コート層)14a,14bを形成する。
工程(b):第1層14a,14b上に、重合性組成物を塗布し、第2層(接着層)16a,16bを形成する。
工程(c):第2層16a上に無機ガラス製レンズ基材18aを積層する。
工程(d):第2層16b上にプラスチックレンズ基材20を積層する。
本実施形態において、工程(b)〜工程(d)の順序は特に限定されない。
なお、工程(a)〜工程(c)、さらにレンズ10b製造後の後工程は、第1実施形態と同じ工程であるので説明を省略する。
以下、各工程に沿って順に説明する。
<工程(d)>
工程(d)においては、第2層16b上で光学材料用重合性組成物を硬化させて、プラスチックレンズ基材20を積層することができる。
本実施形態における光学材料用重合性組成物は、ポリイソシアネート化合物と、活性水素化合物とを含むことができる。
ポリイソシアネート化合物および活性水素化合物としては、第1実施形態に記載のものを用いることができる。
ポリイソシアネート化合物としては、好ましくは、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(4−イソシアナトシクロへキシル)メタン、1,5−ペンタメチレンジイソシアネートおよびこれらのポリオール変性体、ウレタン変性体、トリマー変性物から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
活性水素化合物としては、好ましくは、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンよりなる群から選択される1種または2種以上を用いることができる。
本実施形態におけるそのほかの光学材料用重合性組成物としては、公知の(メタ)アクリル系モノマー、アリル系モノマー、エピスルフィド系モノマー、ウレア系モノマー等が挙げられる。
本実施形態における光学材料用重合性組成物は、第1実施形態の他の成分である、重合触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、樹脂改質剤等を含むことができ、さらに離型剤を含むことができる。
プラスチックレンズ基材としては、(チオ)ウレタン樹脂の他に、ジエチレングルコールビスアリルカーボネート樹脂等のアリル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エピスルフィド樹脂、(ウレタン)ウレア樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。
プラスチックレンズ基材20の製造方法は、特に限定されないが、好ましくは注型重合法、(圧縮)射出成型法を挙げることできる。
工程(d)は、例えば、
工程(a)〜(c)後の積層体を、第2層16bがモールドから離隔した状態でレンズ注型用鋳型内に固定する工程と、
第2層16bと、前記モールドとの間に形成される空隙に光学材料用重合性組成物を注入する工程と、
前記光学材料用重合性組成物を重合硬化して、第2層16b上に基材層を積層する工程と、を含むことができる。
レンズ注型用鋳型は、ガスケットあるいはテープで保持された2個の略円盤状のガラス製のモールドから構成されるものが一般的である。このレンズ注型用鋳型の空間内に、第2層16bを、第2層16b面が対向するモールド内面と平行となるように設置する。第2層16bとモールドとの間には、空隙部が形成される。
光学材料用重合性組成物の重合条件は、重合性組成物の組成、触媒の種類と使用量、モールドの形状等によって条件が異なるが、0〜150℃の温度で1〜50時間かけて行われる。場合によっては、5〜130℃の温度範囲で保持または徐々に昇温して、1〜30時間で硬化させることが好ましい。
重合により硬化した積層体を鋳型より離型して、本実施形態のレンズ10bを得ることができる。
上記は、第2層16b上で光学材料用重合性組成物を硬化させてプラスチックレンズ基材20を積層する方法で説明したが、第1層14bを積層したフィルムとプラスチックレンズ基材20とを第2層16bを接着剤として接着する方法を採ることもできる。
本実施形態において、重合・離型後の積層体は、必要に応じて、アニール等の加熱処理を行ってもよい。処理温度は、本発明の効果の観点から、通常は80〜150℃の間で行われるが、100〜130℃で行うことが好ましい。処理時間は、本発明の効果の観点から、0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間の範囲である。
なお、得られたプラスチックレンズ基材20の表面には、第1実施形態と同様な前記コーティング層を形成してもよく、ハードコート層を形成してもよい。その際にプライマー層を介してもよい。
[第3の実施形態]
[レンズ]
図3に示すように、本実施形態のレンズ10cは、フィルム12と、フィルム12の一方の面に、ヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジイソシアネート由来の構成単位とからなるウレタン樹脂を含む第1層(コート層)14aと、第1層とは異なる(チオ)ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、(ウレタン)ウレア樹脂から選ばれる樹脂を含む第2層(接着層)16aと、無機ガラス製レンズ基材18aと、が順に積層されてなる。
このようなレンズ10cは、無機ガラス製レンズ基材と所定のフィルムとの接着性に優れる。
なお、フィルム12は、第1層14aに対向する面と反対側の面(露出面)に図示しないコーティング層を備えることもできる。
以下に、本実施形態のレンズ10cの製造方法について説明する。
[レンズの製造方法]
本実施形態のレンズ10cの製造方法は以下の工程を備える。
工程(a):熱可塑性ポリエステルまたは熱可塑性ポリカーボネートからなるフィルム12の一方の面に、第1層(コート層)14aを形成する。
工程(b):第1層14a上に、重合性組成物を塗布し、第2層(接着層)16aを形成する。
工程(c):第2層16a上に無機ガラス製レンズ基材18aを積層する。
なお、工程(a)〜工程(c)、さらにレンズ10b製造後の後工程は、第1実施形態と同じ工程であるので説明を省略する。
なお、本実施形態においては、フィルム12の他方の面に、第1実施形態と同様な前記コーティング層を形成してもよく、ハードコート層を形成してもよい。その際にプライマー層を介してもよい。
本実施形態のレンズの用途としては、偏光レンズや調光レンズ等の眼鏡レンズ、カメラレンズ、発光ダイオード(LED)、プリズム、光ファイバー、情報記録基板、フィルター、発光ダイオード、自動車用光学レンズ、ロボット用光学レンズ等を挙げることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の様々な構成を採用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例−1]
ポリエチレンテレフタレート製偏光フィルム(厚み140ミクロン)を予め140℃で熱処理を行い、次いで、熱プレス法にて附形温度160℃で6C(カーブ)の湾曲形状に附形した。偏光フィルムを口径75mmの円状に切断した後、プラズマ照射表面改質装置(PS−601SW型:ウエッジ株式会社製)を用いて偏光膜の表面と裏面を各20秒間プラズマ照射し、メタノールで洗浄後風乾した。
コート液の調整として、アシスト7M(ソテック社製)の主剤7.69重量部と硬化剤2.31重量部を混合し、主剤と硬化剤の合計が0.5重量%濃度になるようにトルエン溶媒にて稀釈調整し、濃度0.5重量%アシスト7Mコート剤を得た。前記処理をしたポリエチレンテレフタレート製偏光フィルムの両面に、調整した濃度0.5重量%アシスト7Mコート剤をディッピング法によりコートし、およそ50〜60℃で乾燥させて、コート層付きの附型された偏光ウエハーを得た。
次に、m−キシリレンジイソシアネート50.6重量部、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンと4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンと4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンの混合物49.4重量部、硬化促進剤としてジブチル錫ジクロライド0.01重量部、および紫外線吸収剤としてSeesorb 709(シプロ化成社製)0.05重量部を攪拌して溶解させた後、減圧下で脱泡処理して、チオウレタン樹脂系重合性組成物とした。
凹面に6C曲面を有する口径75mmの無機ガラスの凹面に、上記チオウレタン樹脂系重合性組成物2滴を載置し、次いでその上に上記コーティング処理され附型された偏光ウエハーをその面が無機ガラスの面と一致するように載置した。更に偏光ウエハーの上に上記チオウレタン樹脂系重合性組成物2滴を載置し、次いでその上に凸面に6C曲を有する口径75mmの無機ガラスを載置した。
二つの無機ガラスをクリップで挟んで固定し、100℃のオーブンにて3時間放置した。冷却後クリップを取り外して無機ガラス製偏光レンズを得た。
なお、アシスト7Mの組成を分析したところ以下のとおりであった。
硬化剤成分:一部ウレタン変性されたジフェニルメタンジイソシアネート
主剤成分:末端水酸基ポリブタジエン
<密着性評価>
得られた偏光レンズをビニール袋で二重に包み、ハンマーにて叩き割って切断面を観察した。無機ガラスと偏光フィルムは十分に密着していた。
<耐水性評価>
得られた偏光レンズを50℃の温水に100時間浸漬したが、偏光レンズの色が変化することはなかった。
[実施例−2]
コート液として濃度0.5重量%アシスト7Mコート剤に代えてファウンデーション#123LLR−2(ソテック社製)を使用した以外は実施例−1と同様にして無機ガラス製偏光レンズを得た。
なお、ファウンデーション#123LLR−2の組成を分析したところ以下のとおりであった。
固形分:32%
トリレンジイソシアネート/トリメチロールプロパン/エタノール=1.0/0.18/0.11(モル比)
3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートを少量含有(0.25%程度)
溶剤:酢酸エチル、酢酸ブチル(酢酸エチル:酢酸ブチル=45:55)
<密着性評価>
得られた偏光レンズをビニール袋で二重に包み、ハンマーにて叩き割って切断面を観察した。無機ガラスと偏光フィルムは十分に密着していた。
<耐水性評価>
得られた偏光レンズを50℃の温水に100時間浸漬したが、偏光レンズの色が変化することはなかった。
[比較例−1]
ポリエチレンテレフタレート製偏光フィルム(厚み140ミクロン)を予め140℃で熱処理を行い、次いで、熱プレス法にて附形温度160℃で6C(カーブ)の湾曲形状に附形した。偏光フィルムを口径75mmの円状に切断した後、プラズマ照射表面改質装置(PS−601SW型:ウエッジ株式会社製)を用いて偏光膜の表面と裏面を各20秒間プラズマ照射し、メタノールで洗浄後風乾し偏光ウエハーを得た。
次に、m−キシリレンジイソシアネート50.6重量部、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンと4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンと4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカンの混合物49.4重量部、硬化促進剤としてジブチル錫ジクロライド0.01重量部、および紫外線吸収剤としてSeesorb 709(シプロ化成社製)0.05重量部を攪拌して溶解させた後、減圧下で脱泡処理して、チオウレタン樹脂系重合性組成物とした。
凹面に6C曲面を有する口径75mmの無機ガラスの凹面に、上記チオウレタン樹脂系重合性組成物2滴を載置し、次いでその上に上記偏光ウエハーをその面が無機ガラスの面と一致するように載置した。更に偏光ウエハーの上に上記チオウレタン樹脂系重合性組成物2滴を載置し、次いでその上に凸面に6C曲を有する口径75mmの無機ガラスを載置した。
二つの無機ガラスをクリップで挟んで固定し、100℃のオーブンにて3時間放置した。冷却後クリップを取り外して無機ガラス製偏光レンズを得た。
<密着性評価>
得られた偏光レンズをビニール袋で二重に包み、ハンマーにて叩き割って切断面を観察した。無機ガラスと偏光フィルムは一部で剥離が見られ、密着性は不充分であった。
<耐水性評価>
得られた偏光レンズを50℃の温水に100時間浸漬したが、偏光レンズの色が変化することはなかった。
10a、10b、10c レンズ
12 フィルム
14a,14b 第1層(コート層)
16a,16b 第2層(接着層)
18a,18b 無機ガラス製レンズ基材
20 プラスチックレンズ基材

Claims (24)

  1. 熱可塑性ポリエステルまたは熱可塑性ポリカーボネートからなるフィルムと、
    前記フィルムの少なくとも一方の面上に形成された、ヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジイソシアネート由来の構成単位とからなるウレタン樹脂を含む第1層と、
    前記第1層とは異なる(チオ)ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、(ウレタン)ウレア樹脂から選ばれる樹脂を含む第2層と、
    無機ガラス製レンズ基材と、が順に積層されてなる、レンズ。
  2. 前記フィルムの両面上に、
    前記第1層と、
    前記第2層と、
    前記無機ガラス製レンズ基材と、
    が順に積層されてなる、請求項1に記載のレンズ。
  3. 前記フィルムの一方の面上に、前記第1層と、前記第2層と、前記無機ガラス製レンズ基材と、が順に積層され、
    前記フィルムの他方の面上に、前記第1層と、前記第2層と、プラスチックレンズ基材と、が順に積層されてなる、請求項1に記載のレンズ。
  4. 前記プラスチックレンズ基材は、
    2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(4−イソシアナトシクロへキシル)メタン、および1,5−ペンタメチレンジイソシアネートよりなる群から選択される少なくとも1種と、
    ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、および2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンよりなる群から選択される少なくとも1種と、を重合させたチオウレタン樹脂、
    アリル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、(ウレタン)ウレア樹脂、およびエピスルフィド樹脂
    よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む、請求項3に記載のレンズ。
  5. 前記プラスチックレンズ基材の前記第2層に対向する面と反対側の面にコーティング層を有する、請求項3または4に記載のレンズ。
  6. 前記フィルムの一方の面上に、
    前記第1層と、
    前記第2層と、
    前記無機ガラス製レンズ基材と、が順に積層されてなる、請求項1に記載のレンズ。
  7. 前記フィルムの他方の面に、コーティング層を有する請求項6に記載のレンズ。
  8. 前記第1層のウレタン樹脂の前記構成単位であるヒドロキシル基を有する化合物由来の前記構成単位が、ヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジカルボン酸由来の構成単位とからなる芳香族ポリエステルポリオール、トリメチロールプロパン、および末端に水酸基を有するポリブタジエンよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物由来の構成単位であり、
    前記第1層のウレタン樹脂の前記構成単位である芳香族ジイソシアネート由来の前記構成単位が、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、およびこれらの化合物の一部あるいは全てがウレタン変性された化合物よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物由来の構成単位である、
    請求項1〜7のいずれかに記載のレンズ。
  9. ヒドロキシル基を有する化合物由来の前記構成単位が、トリメチロールプロパン由来の構成単位であり、芳香族イソシアネート由来の前記構成単位がトリレンジイソシアネート由来の構成単位である請求項8に記載のレンズ。
  10. ヒドロキシル基を有する化合物由来の前記構成単位が、末端に水酸基を有するポリブタジエン由来の構成単位であり、芳香族イソシアネート由来の前記構成単位が一部あるいは全てがウレタン変性されたジフェニルメタンジイソシアネート由来の構成単位である請求項8に記載のレンズ。
  11. 前記第2層は、前記第1層に含まれるウレタン樹脂以外のウレタン樹脂またはチオウレタン樹脂を含む接着層である、請求項1〜10のいずれかに記載のレンズ。
  12. 前記フィルムが偏光フィルムである請求項1〜11のいずれかに記載のレンズ。
  13. 熱可塑性ポリエステルまたは熱可塑性ポリカーボネートからなるフィルムの少なくとも一方の面に、ヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジイソシアネート由来の構成単位とからなるウレタン樹脂を含む第1層を形成する工程と、
    前記第1層上に、該第1層とは異なる(チオ)ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、(ウレタン)ウレア樹脂から選ばれる樹脂を含む第2層を形成する工程と、
    前記第2層上に無機ガラス製レンズ基材を積層する工程と、
    を含むレンズの製造方法。
  14. 前記第1層を形成する前記工程は、前記フィルムの両面上に、前記第1層を形成する工程を含む、請求項13に記載のレンズの製造方法。
  15. 前記第1層を形成する前記工程は、前記フィルムの両面上に、前記第1層を形成する工程を含み、
    前記第2層を形成する前記工程は、2つの前記第1層上に、それぞれ前記第2層を形成する工程を含み、
    前記第2層上に前記無機ガラス製レンズ基材を積層する前記工程は、一方の前記第2層上に前記無機ガラス製レンズ基材を積層する工程であり、
    さらに、他方の前記第2層上にプラスチックレンズ基材を積層する工程を備える、請求項13または14に記載のレンズの製造方法。
  16. 前記プラスチックレンズ基材は、
    2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−[2.2.1]−ヘプタン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(4−イソシアナトシクロへキシル)メタン、1,5−ペンタメチレンジイソシアネートよりなる群から選択される少なくとも1種と、
    ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタンよりなる群から選択される少なくとも1種と、を重合させたチオウレタン樹脂、
    アリル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、(ウレタン)ウレア樹脂、およびエピスルフィド樹脂
    よりなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む、請求項15に記載のレンズの製造方法。
  17. 前記プラスチックレンズ基材の前記第2層と対向する面と反対側の面にコーティング層を形成する工程を含む、請求項15または16に記載のレンズの製造方法。
  18. 前記第1層を形成する前記工程は、前記フィルムの一方の面に前記第1層を形成する工程である、請求項13に記載のレンズの製造方法。
  19. さらに、前記フィルムの他方の面にコーティング層を形成する工程を含む、請求項18に記載のレンズの製造方法。
  20. 前記第1層のウレタン樹脂の前記構成単位であるヒドロキシル基を有する化合物由来の前記構成単位が、ヒドロキシル基を有する化合物由来の構成単位と芳香族ジカルボン酸由来の構成単位とからなる芳香族ポリエステルポリオール、トリメチロールプロパン、および末端に水酸基を有するポリブタジエンよりなる群から選択される少なくとも1種の化合物由来の構成単位であり、
    前記第1層のウレタン樹脂の前記構成単位である芳香族ジイソシアネート由来の前記構成単位が、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、およびこれらの化合物の一部あるいは全てがウレタン変性された化合物よりなる群から選択される少なくとも1種の化合物由来の構成単位である、
    請求項13〜19のいずれかに記載のレンズの製造方法。
  21. ヒドロキシル基を有する化合物由来の前記構成単位が、トリメチロールプロパン由来の構成単位であり、芳香族イソシアネート由来の前記構成単位がトリレンジイソシアネート由来の構成単位である請求項20に記載のレンズの製造方法。
  22. ヒドロキシル基を有する化合物由来の前記構成単位が、末端に水酸基を有するポリブタジエン由来の構成単位であり、芳香族イソシアネート由来の前記構成単位が一部あるいは全てがウレタン変性されたジフェニルメタンジイソシアネート由来の構成単位である請求項20に記載のレンズの製造方法。
  23. 前記フィルムの面上に前記第1層を形成する工程の前に、
    前記フィルムの表面に、ガス処理、薬液処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、粗面化処理、および火炎処理よりなる群から選択される少なくとも1種の前処理を行う工程を含む、請求項13〜22のいずれかに記載のレンズの製造方法。
  24. 前記フィルムが偏光フィルムである請求項13〜23のいずれかに記載のレンズの製造方法。
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