JPWO2007145241A1 - 重合促進剤、硬化性組成物および硬化物ならびにチオール化合物の製造方法 - Google Patents

重合促進剤、硬化性組成物および硬化物ならびにチオール化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

〔課題〕特定のチオール化合物からなる重合促進剤、該重合促進剤を含む熱安定性に優れた硬化性組成物および該硬化性組成物から得られる硬化物を提供すること。〔解決手段〕重合促進剤は、下記一般式(1)で示される基を2個以上有するチオール化合物からなる。(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表わし、mは0または1〜2の整数を示す)。

Description

本発明は、コーティング材料、UV及び熱硬化塗料、成形材料、接着剤、インキ、光学材料、光造形材料、印刷版材料、レジスト材料などで使用され、特に光学材料に適している硬化性組成物に使用される重合促進剤、該重合促進剤を含む硬化性組成物および該硬化性組成物から得られる硬化物に関し、より詳細には、特定のチオール化合物からなる重合促進剤、該重合促進剤を含む熱安定性に優れた硬化性組成物および該硬化性組成物から得られる硬化物ならびにチオール化合物の製造方法に関する。
近年、紫外線等の活性光線の照射によって硬化する組成物は、コーティング材料、UVおよび熱硬化塗料、成形材料、接着剤、インキ、レジスト、光学材料、光造形材料、印刷版材料、歯科材料、ポリマー電池材料、あるいはポリマーの原料などの広範な分野で使用されている。例えば、光学材料の用途としては、光学レンズ、フィルムのコート材料、光ファイバーのクラッド用材料や、あるいは光ファイバー、光学レンズ等の光学接着剤などにも使用される。このような光硬化性組成物のひとつとして、チオール化合物を成分として含有する硬化性組成物が知られている。このような硬化性組成物は、上記の光学材料や電子材料の各用途分野における高機能化の要求に従って、各性能の要求レベルも上がってきている。例えば、反応性や硬化特性、あるいは硬化物の透過率や屈折率などの光学特性、基材に対する密着性、耐熱性などである。
この種の硬化性組成物は1液型あるいは2液型の光硬化タイプであり、光照射によりエチレン性不飽和2重結合を含有する化合物とチオール化合物とがラジカル重合して数秒から数分の短時間で硬化する。しかし、安定性と硬化性能が両立していない。このような従来のポリエン・ポリチオール系の光硬化性組成物は、熱安定性が悪く、使用前に液体状態で保持しておくと増粘しゲル化を起こす。
これらの従来技術を詳細にみると、特開2003−226718号公報(特許文献1)には、特定のポリチオールと1種以上のエン化合物、および光ラジカル重合開始剤を含有する光硬化性組成物が開示されており、硬化物に硫黄原子を含ませることにより、高屈折率かつ硬度が得られる光硬化性組成物を得ている。
特開2003−277505号公報(特許文献2)には、ポリエンおよびポリチオールに、更に臭素置換された芳香環を有する化合物を含有する光硬化性樹脂組成物を開示されており、臭素原子を含有させることにより、高屈折率が得られている。しかしながら、上記の特開2003−226718号公報(特許文献1)や特開2003−277505号公報(特許文献2)に記載された光硬化性樹脂組成物では、硫黄原子を含有させることにより、高屈折な硬化性組成物を得ているが、安定性と反応性、硬化収縮率、密着性などの両立に課題を残している。
特開2001−26608号公報(特許文献3)には、ポリエンおよび光重合開始剤を含有し、かつ金属イオンが50ppm以下である光硬化性樹脂組成物が開示されており、金属イオンを減らすことで、光硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性を得ている。
また、特開2004−149755号公報(特許文献4)には、特定の置換基を有するメルカプト基含有チオール化合物と光重合開始剤を含む光重合開始剤組成物が開示されており、高感度で貯蔵安定性に優れた感光性組成物を得ている。
しかしながら、これらの従来技術においては、コート材料や接着剤、或いはその他の電子材料用途などで必要な長期間の熱安定性が未だ充分でないという課題が残っている。
特開2003−226718号公報 特開2003−277505号公報 特開2001−26608号公報 特開2004−149755号公報
従って、本発明は、重合促進剤、該重合促進剤を含む熱安定性に優れた硬化性組成物、および該硬化性組成物から得られる硬化物ならびにチオール化合物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、従来技術に使用されているチオール化合物が1級のチオール化合物であるのに対し、メルカプト基に対してα位の炭素原子がアリール基を有する構造を2個以上含有するチオール化合物を重合開始剤の一成分として硬化性組成物に用いることにより、上記課題が解決することを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば、以下の事項からなる。
〔1〕下記一般式(1)で示される基を2個以上有するチオール化合物からなることを特徴とする重合促進剤。
Figure 2007145241
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表わし、mは0または1〜
2の整数を示す)
〔2〕前記チオール化合物が、下記一般式(2)で示されるメルカプト基含有カルボン酸と多官能アルコールとのエステル化合物である〔1〕に記載の重合促進剤。
Figure 2007145241
(式中、R1およびmは〔1〕の一般式(1)におけるR1およびmと同じ意味を示す)
〔3〕前記多官能アルコールが、アルキレングリコール(但し、アルキレン基の炭素数は2〜10で枝分かれしていてもよい。)、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ノルボルネンジメタノール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、4,4'−(9−フルオレニリデン)ビス(2−フェノキシエタノール)から選ばれる化合物である〔2〕に記載の重合促進剤。
〔4〕前記チオール化合物が、下記一般式(3)で示される化合物である〔2〕に記載の重合促進剤。
Figure 2007145241
(式中、R2〜R5は各々独立して水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、mは1〜3の整数を表わし、Lは〔1〕の一般式(1)で示される基を示す)
〔5〕前記チオール化合物が、下記一般式(4)で示される化合物である〔2〕に記載の重合促進剤。
Figure 2007145241
(式中、Lは〔1〕の一般式(1)で示される基を示す)
〔6〕前記チオール化合物が、下記一般式(5)で示される化合物である〔2〕に記載の重合促進剤。
Figure 2007145241
(式中、Lは〔1〕の一般式(1)で示される基を示す)
〔7〕前記チオール化合物が、下記一般式(6)で示される化合物である〔2〕に記載の重合促進剤。
Figure 2007145241
〔8〕前記チオール化合物が、下記一般式(7)で示される化合物である〔2〕に記載の重合促進剤。
Figure 2007145241
〔9〕〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のチオール化合物とラジカル重合性化合物を含むことを特徴とする硬化性組成物。
〔10〕〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のチオール化合物とエチレン性不飽和2重結合を含有する化合物を含有することを特徴とする硬化性組成物。
〔11〕〔9〕または〔10〕に記載される硬化性組成物から得られる硬化物。
〔12〕水を共沸脱水できる溶媒に、〔2〕に記載の一般式(2)で示されるメルカプト基含有カルボン酸と〔3〕に記載の多官能アルコールから選ばれる少なくとも1種の化合物を溶解させ、さらに酸触媒を添加して加熱還流させ、エステル化で生成した水を共沸脱水することを特徴とする〔1〕に記載の一般式(1)で示される基を2個以上有するチオール化合物の製造方法。
上記のような組成物を用いると、従来の1級のチオール化合物、あるいは2級のチオールであっても、従来のようなメルカプト基のα位の炭素原子がアルキル基を有する構造となるようなチオール化合物に対して、メルカプト基のα位の炭素原子がアリール基を有する構造とすることで、メルカプト基がアリール基の立体障害および電子的な効果により、エチレン性不飽和2重結合への付加反応が抑制される。その結果として、熱的な安定性が向上した硬化性組成物が得られる。
また、ラジカル発生剤である重合開始剤を併用し硬化性組成物とした場合、チオール化合物のメルカプト基は、重合開始剤の光または熱によるラジカル発生に伴いラジカル連鎖反応が起こると同時に、エチレン性不飽和2重結合のラジカル重合開始種となる。これらは通常、チオール化合物のメルカプト基周辺の立体障害により反応性が減少されるが、アルキル基がアリール基となることで、反応性がさほど減少せず、これはアリール基の平面構造と電子的効果によると推定される。
本発明で得られる重合促進剤および硬化性組成物は、コーティング材料、UV及び熱硬化塗料、成形材料、接着剤、インキ、光学材料、光造形材料、印刷版材料、レジスト材料などの広範な分野で好適に使用することができる。しかし、それらに限定されるものでない。
前記一般式(1)で示される基を2個以上有するチオール化合物を重合促進剤として用いると、メルカプト基がアリール基の立体障害と電子的効果の為に付加反応が抑制され、かつエチレン性不飽和2重結合への付加反応が抑制されるために、熱安定性に優れた硬化性組成物を得ることができる。
合成例1で合成した3−メルカプト−3−フェニルプロピオン酸の1H−NMRのチャートである。 合成例2で合成したペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)の1H−NMRのチャートである。 合成例3で合成したジグリセロールテトラ(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)の1H−NMRのチャートである。
以下、本発明における実施形態について詳細に説明する。
(チオール化合物)
本発明に使用されるチオール化合物は一般式(1)で示される基を2個以上有するチオール化合物であり、該チオール化合物を含む硬化性組成物は、エチレン性不飽和2重結合への付加反応が抑制され熱的安定性の向上した硬化性組成物となる。
Figure 2007145241
上記一般式(1)中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基である。R1が表わす炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられ、好ましくは水素原子、メチル基またはエチル基である。mは0または1〜2の整数、好ましくは0または1である。
本発明で使用されるチオール化合物は、メルカプト基を2個以上有している多官能チオール化合物である。このように、多官能であることにより単官能化合物と比較して、ラジカル重合反応に際して、より架橋密度が上がることが解っている。
本発明で使用されるチオール化合物は、上記一般式(1)で表されるメルカプト基を含有する基が、下記の一般式(8)で示されるようなカルボン酸誘導体構造、あるいは、一般式(9)で示されるようなエーテル誘導体構造となっているものが好ましい。
Figure 2007145241
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表わし、mは0または1〜
2の整数を示す)
Figure 2007145241
(式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表わし、mは0または1〜
2の整数を示す)
本発明の上記一般式(1)の構造を有するチオール化合物の具体例としては以下の化合物を挙げることができる。
エチレングリコールビス(2−メルカプト−2−フェニルアセテート)、プロピレングリコールビス(2−メルカプト−2−フェニルアセテート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプト−2−フェニルアセテート)、ブタンジオールビス(2−メルカプト−2−フェニルアセテート)、オクタンジオールビス(2−メルカプト−2−フェニルアセテート)、シクロヘキサンジメタノールビス(2−メルカプト−2−フェニルアセテート)、
トリメチロールプロパントリス(2−メルカプト−2−フェニルアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプト−2−フェニルアセテート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプト−2−フェニルアセテート)、グリセロールトリス(2−メルカプト−2−フェニルアセテート)、ジグリセロールテトラキス(2−メルカプト−2−フェニルアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、ブタンジオールビス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、オクタンジオールビス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、シクロヘキサンジメタノールビス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、グリセロールトリス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、ジグリセロールテトラキス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、エチレングリコールビス(4−メルカプト−4−フェニルブチレート)、プロピレングリコールビス(4−メルカプト−4−フェニルブチレート)、
ジエチレングリコールビス(4−メルカプト−4−フェニルブチレート)、ブタンジオールビス(4−メルカプト−4−フェニルブチレート)、オクタンジオールビス(4−メルカプト−4−フェニルブチレート)、シクロヘキサンジメタノールビス(4−メルカプト−4−フェニルブチレート)、トリメチロールプロパントリス(4−メルカプト−4−フェニルブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(4−メルカプト−4−フェニルブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(4−メルカプト−4−フェニルブチレート)、グリセロールトリス(4−メルカプト−4−フェニルブチレート)、ジグリセロールテトラキス(4−メルカプト−4−フェニルブチレート)、水素化ビスフェノールAビス(2−メルカプト−2−フェニルアセテート)、水素化ビスフェノールAビス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、水素化ビスフェノールAビス(4−メルカプト−4−フェニルブチレート)、ビスフェノールAジヒドロキシエチルエーテルビス(2−メルカプト−2−フェニルアセテート)、ビスフェノールAジヒドロキシエチルエーテルビス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、ビスフェノールAジヒドロキシエチルエーテルビス(4−メルカプト−4−フェニルブチレート)、4、4‘−(9−フルオレニリデン)ビス(2−フェノキシエチル(2−メルカプト−2−フェニルアセテート))、4、4‘−(9−フルオレニリデン)ビス(2−フェノキシエチル(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート))、4、4‘−(9−フルオレニリデン)ビス(2−フェノキシエチル(4−メルカプト−4−フェニルブチレート))等が例示できる。
更に、上記一般式(9)で示されるようなエーテル誘導体構造をもつチオール化合物としては、例えば、2−メルカプト−2−フェニルメチルエーテル基、2−メルカプト−2−フェニルエチルエーテル基、3−メルカプト−3−フェニルプロピルエーテル基、などのような構造をもつ化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
好ましいチオール化合物の例示としては、下記一般式(3)、(4)または(5)で示されるもの挙げられる。
Figure 2007145241
一般式(3)において、R3〜R6は各々独立して水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。アルキル基としては、炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキル基であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基等が挙げられ、より好ましくはメチル基またはエチル基である。Lは前記一般式(1)で表されるメルカプト基を含有する基である。
一般式(3)で表されるチオール化合物は、多官能アルコールとしてアルキレン主鎖の炭素数が2のジオールを用いて得られる、メルカプト基を含有する基を2個有するものである。一般式(4)で表されるチオール化合物は、多官能アルコールとしてトリメチロールプロパンを用いて得られる、メルカプト基を含有する基を3個有するものである。一般式(5)で表されるチオール化合物は、多官能アルコールとしてペンタエリスリトールを用いて得られる、メルカプト基を含有する基を4個有するものである。
上記一般式(3)、(4)または(5)で示される多官能チオール化合物の好ましい具体例として、例えば以下の一般式(10)〜(15)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2007145241
Figure 2007145241
Figure 2007145241
Figure 2007145241
Figure 2007145241
Figure 2007145241
本発明のチオール化合物の分子量は特に限定されるものではないが、好ましくは200〜2000である。
(チオール化合物の合成法)
本発明で使用されるチオール化合物は、例えば上記の一般式(2)で表されるメルカプト基含有カルボン酸とアルコール類とのエステル化で合成できる。
アルコール類としては多官能アルコールを用いることにより、エステル化反応後の化合物を多官能チオール化合物とすることができる。
上記一般式(2)で表されるメルカプト基含有カルボン酸としては、2−メルカプト−2−フェニル酢酸、3−メルカプト−3−フェニルプロピオン酸、4−メルカプト−4−フェニルブタン酸が例示される。
多官能アルコールとしては、アルキレングリコール(但し、アルキレン基の炭素数は2〜10が好ましく、その炭素鎖は枝分かれしていてもよい。)、ジエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ノルボルネンジメタノール、ノルボルナンジメタノール、ポリカーボネートジオール、両末端ヒドロキシポリシリコーン、芳香環を含有したポリオールなどが例示できる。
アルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、テトラメチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。
芳香環を含有したポリオールとしては、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAジヒドロキシエチルエーテル、4,4'−(9−フルオレニリデン)ジフェノール、4,4'−(9−フルオレニリデン)ビス(2−フェノキシエタノール)などが挙げられる。
好ましい多官能アルコールは、アルキレングリコール(但し、アルキレン基の炭素数は2〜10で枝分かれしていてもよい。)、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ノルボルネンジメタノール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、4,4'−(9−フルオレニリデン)ビス(2−フェノキシエタノール)などが挙げられる。
本発明のチオール化合物の製造方法は特に限定されるものではないが、メルカプト基含有カルボン酸とアルコール類とのエステルについては、上述した一般式(2)で表されるメルカプト基含有カルボン酸とアルコール類とを常法に従って反応させてエステルを形成させることにより得ることができる。
例えば、以下のような方法により目的のチオール化合物を得ることができる。
上記に示した一般式(2)のメルカプト基含有カルボン酸は、鉱酸水溶液にチオ尿素を加え加熱攪拌し、更にその水溶液に不飽和2重結合にフェニル基が結合したカルボン酸化合物を添加し加熱攪拌することでチウロニウム塩が得られ、更に苛性ソーダなどのアルカリ水溶液でチウロニウム塩を加水分解することで得ることができる。
このとき使用される鉱酸としては、特に限定されるものはないが、例えば、硫酸、硝酸、塩酸、などを使用することができ、好ましい酸としては塩酸が挙げられる。アルカリとしては、苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸ソーダなどの無機アルカリ、あるいはアンモニア、ジエチルアミン、トリエチルアミンなどの有機塩基化合物が使用することができるが、なかでも無機アルカリが好ましく、更に好ましくは苛性ソーダが挙げられる。加熱攪拌の温度は、80〜140℃が好ましく、更に好ましくは、90〜120℃である。また、上記の不飽和2重結合にフェニル基が結合したカルボン酸化合物とは、例えば、桂皮酸、4−フェニル−3−ブテン酸などのような化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
このように合成された一般式(2)に示されるようなメルカプト基含有カルボン酸と上記に示した多官能アルコールを、水を共沸脱水できる溶媒に溶解させ、更に酸触媒を添加し加熱還流することにより、エステル化反応によって生成する水を共沸脱水し、目的のチオール化合物を得ることができる。
溶媒としては、水が共沸脱水できる溶媒が好ましく、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ペンタメチルベンゼン、アニソールなどの芳香族系溶媒、あるいはテトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどのようなエーテル系溶媒などが挙げられる。また、酸触媒としては、硫酸のような鉱酸、あるいはメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフレンスルホン酸などの有機酸などが挙げられる。酸触媒の添加量に関しては、メルカプト基含有カルボン酸に対して、0.5〜5重量%が好ましく、更に好ましくは1.0〜3重量%である。
メルカプト基含有カルボン酸の添加量は、カルボン酸基のモル数がアルコール基のモル数に対して、1.0〜1.5の比率が好ましく、更に好ましくは1.1〜1.3の比率である。
エステル反応の条件については特に制限はなく、従来公知の反応条件の中から適宜選択することができる。
(硬化性組成物)
本発明に係る硬化性組成物は、上記チオール化合物とラジカル重合性化合物を含有する。ラジカル重合性化合物としては、例えばエチレン性不飽和2重結合を含有する化合物を挙げることができる。
本発明に使用されるエチレン性不飽和2重結合を含有する化合物は、ラジカル重合(または架橋)反応および付加反応により硬化可能な化合物であり、すなわち、アリルアルコール誘導体、エチレン性不飽和芳香族化合物、(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル類およびウレタン(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート類が挙げられる。これらの1種または2種以上を用いることができる。
エチレン性不飽和芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ジイソプロペニルベンゼン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、1,1−ジフェニルエチレン、p−メトキシスチレン、N,N−ジメチル−p−アミノスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノスチレン、エチレン性不飽和ピリジン、エチレン性不飽和イミダゾールなどが、(メタ)アクリレート類としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのカルボキシル基含有化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレートなどのフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート類;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのポリエチレングリコール(メタ)アクリレート類;ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)アクリレート類;ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート類としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2,2−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)メチルイソシアネート、4−(メタ)アクリロイルオキシフェニルイソシアネートなどがアルコールのような活性水素に付加した化合物である。例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ノルボルネンジメタノール、ノルボルナンジメタノール、、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレート、ポリカーボネートジオール、両末端ヒドロキシポリシリコーン、ビスフェノールAエトキシレートなどのようなポリオールに、上記のようなイソシアネート化合物を付加させた化合物が挙げられる。また、これらは一種または二種以上の組み合わせでも使用できる。
しかし、エチレン性不飽和2重結合を含有する化合物としては、エチレン性不飽和基をもち重合できるものであれば使用でき、上記に限定されるものではない。更に、エチレン性不飽和2重結合を含有する化合物としては、高分子量体中にエチレン性不飽和2重結合を含有するものであってもよい。
本発明において、上記のチオール化合物とエチレン性不飽和2重結合を含有する化合物は、チオール化合物のメルカプト基とエチレン性不飽和2重結合が、モル比で1:99〜50:50の範囲で配合するのが好ましく、特にモル比で5:95〜20:80の範囲が好ましい。
本発明で上記チオール化合物と共に用いることができる重合開始剤としては、例えば、光あるいは熱重合開始剤が使用できる。光重合開始剤は、紫外線あるいは可視光線、あるいは電子線などの活性エネルギー線を照射することで、重合反応および付加反応を起こし硬化物を得ることができる。このような光重合開始剤の具体例として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2'−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイルプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,2'−ビス(2−クロロフェニル)−4,4',5,5'−テトラフェニル−1,2'−ビイミダゾール等が挙げられる。
また、市販品としては、例えば、イルガキュア184、651、500、907、CG1369、CG24−61、ダロキュア1116、1173(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)、ルシリンLR8728,TPO(BASF社製)、ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
これらは一種単独でまたは二種以上組み合わせて使用することができる。
また、熱によっても重合反応を起こし硬化物を得ることができる。すなわち、熱重合開始剤を添加することで硬化性組成物とすることができる。場合によっては、熱重合開始剤が存在しなくとも付加反応を起こさせることができる。
このような熱重合開始剤としては、アゾビスジフェニルメタン、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのようなアゾ系化合物、あるいは、ジアシルパーオキサイド類、ケトンパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステル類などの有機過酸化物、過硫酸塩などが使用でき、これらは一種単独または二種以上の組み合わせても使用できる。有機過酸化物の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどが挙げられる。
重合開始剤の使用量については、使用量については特に制限されるものではないが、上記のエチレン性不飽和2重結合を含有する化合物を100重量部としたときに、0.1〜20重量部の範囲内の値とするのが好ましい。さらに好ましくは、0.5〜10重量部の範囲内の値とするのがより好ましい。これは重合開始剤の使用量が0.1重量部未満となると重合速度が遅くなり、あるいは酸素等による重合阻害を受けやすくなる場合があるためである。一方、重合開始剤の使用量が20重量部を超えると逆に重合反応における停止反応が大きくなり、得られる密着強度や透明性に影響を及ぼす為である。
また、チオール化合物は、重合開始剤組成物中に通常10〜90重量%の割合で含まれる。
また、本発明の硬化性組成物は、必要に応じて、増感剤、シランカップリング剤や酸性リン酸エステル等の密着性向上剤、酸化防止剤、染料、充填剤、顔料、チキソトロピー付与剤、可塑剤、界面活性剤、滑剤、帯電防止剤などの添加剤を加えることができる。
本発明の硬化組成物は、上記のようなメルカプト基のα位の炭素原子にアリール基を有する2級以上であるメルカプト基を2個以上もつチオール化合物と、エチレン性不飽和2重結合を含有する化合物を含む硬化性組成物とすることで、メルカプト基の水素引き抜き反応の抑制と、エチレン性不飽和2重結合への付加反応の促進するなどの効果を示す。
上記の硬化性組成物に関しては、以下のように配合、調整できる。本発明のチオール化合物とエチレン性不飽和2重結合を含有する化合物、および重合開始剤を室温または加熱条件下で、ミキサー、ボールミルあるいは3本ロールなどの混合機により混合するか、あるいは、溶剤などを希釈剤として添加し溶解し、配合、調整することができる。
例えば、チオール化合物やエチレン性不飽和2重結合を含有する化合物の例としては、上記に表わしたものでよく、溶剤の例としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;トルエンなどの芳香族炭化水素類、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
(硬化物)
上記の硬化性組成物の硬化方法としては、特に制限されないが、例えば、基材上に上記の硬化性組成物を塗布し、塗膜を形成した後、放射線を照射したり、あるいは加熱したり、更にはこれらを組み合わせて使用することで、硬化させることができる。
塗膜の厚さに関しては、評価用としては1〜200μmの範囲内の値とするのが好ましいが、用途により適宜設定することができる。
塗布方法としては、例えば、ダイコーター、スピンコーター、スプレーコーター、カーテンコーター、ロールコーターなどによる塗布、スクリーン印刷などによる塗布、ディッピングなどによる塗布が挙げられる。
ここに使用される放射線としては、特に限定はされないが、電子線、あるいは紫外から赤外線の範囲の光源が好ましい。例えば、紫外線であれば超高圧水銀あるいはメタルハライド光源、可視光線であればメタルハライドあるいはハドゲン光源、また、赤外線であればハロゲン光源などが使用できるが、この他にもレーザー、LEDなどの光源も使用できる。赤外線を使用すれば熱的な硬化もできる。放射線の照射量についても、光源の種類、塗膜の膜厚などに応じて適宜設定することができる。
上記で示した硬化性組成物は、レジスト(ソルダーレジスト、エッチングレジスト、カラーフィルタレジスト、スペーサなど)、シーリング(防水シーリングなど)、塗料(防汚塗料、フッ素系塗料、水性塗料など)、粘・接着剤(接着剤、ダイシングテープなど)、印刷版(CTP版、オフセット版など)、印刷校正(カラープルーフなど)、レンズ(コンタクトレンズ、マイクロレンズ、光導波路など)、歯科材料、表面処理(光ファイバーコーティング、ディスクコートなど)、電池材料(固体電解質など)などの用途に使用することができる。
[実施例]
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載により何らの限定を受けるものではない。
合成例1:
3−メルカプト−3−フェニルプロピオン酸(以下、「MPPA」と略記する。)の合成
1L三つ口フラスコにチオ尿素(和光純薬(株)製)25.3g、36%塩酸(純正化学(株)製)175g、イオン交換水168gを入れ、120℃、4時間加熱攪拌した後、桂皮酸(和光純薬(株)製)24.6gを加え11時間加熱攪拌すると微黄色固体が析出した。室温に冷却後、さらに氷水冷却し、28wt%苛性ソーダ 420gを滴下攪拌し、90℃に昇温攪拌すると、結晶は一旦溶解し再度結晶が析出した。室温に冷却後、更に氷水冷却しながら23%塩酸 210gを滴下し中和し、桐山ロートでろ過し粗結晶を得た。この粗結晶を2Lのトルエン(純正化学(株)製)に溶解水洗し、トルエンを留去、乾燥し、MPPA17.5g(収率56.1%)を得た。
1H−NMR>
MPPAの1H−NMRのチャートを図1に示した。1H−NMRは、日本電子(株)製JNM−AL400を使用し、重クロロホルム中にて測定を行った。
Figure 2007145241
2.246〜2.261ppm :SH基の水素原子
2.985〜3.071ppm :2のメチレン基の水素原子
4.425〜4.476ppm :3のメチン基の水素原子
7.172〜7.521ppm :4〜9のフェニル基の水素原子
合成例2:
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)(以下、「PEMPP」と略記する。)の合成
0.5L三つ口フラスコにペンタエリスリトール(東京化成(株)製)2g、o−キシレン(東京化成(株)製)100g、MPPA 13.7g、p−トルエンスルホン酸(東京化成(株)製)0.143gを入れ、Dean−Stark装置および冷却管を装着した。内容物を撹拌しながら155℃で加熱した。反応開始8時間後に放冷し、イオン交換水100mlで洗浄し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液200mLで反応液を中和した。さらに反応液をイオン交換水にて3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウム(純正化学(株)製)にて脱水・乾燥を行った。次にo−キシレンを減圧留去し真空乾燥し、PEMPP10.0g(収率84.0%)を得た。
1H−NMR>
PEMPPの1H−NMRのチャートを図2に示した。1H−NMRは、日本電子(株)製JNM−AL400を使用し、重クロロホルム中にて測定を行った。
Figure 2007145241
2.134〜2.143ppm :SH基の水素原子
2.906〜2.956ppm :2のメチレン基の水素原子
3.961〜3.967ppm :11のメチレン基の水素原子
7.183〜7.259ppm :4〜9のフェニル基の水素原子
合成例3:
ジグリセロールテトラ(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)(以下、「DGMPP」と略記する。)の合成
0.5L三つ口フラスコにジグリセロール(関東化学(株)製)3g、o−キシレン(東京化成(株)製)100g、MPPA 14.7g、p−トルエンスルホン酸(東京化成(株)製)0.4gを入れ、Dean−Stark装置および冷却管を装着した。内容物を撹拌しながら155℃で加熱した。
反応開始15.5時間後に放冷し、イオン交換水100mlで洗浄し、10%炭酸水素ナトリウム水溶液200mLで反応液を中和した。さらに反応液をイオン交換水にて3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウム(純正化学(株)製)にて脱水・乾燥を行った。次にo−キシレンを減圧留去し真空乾燥し、DGMPP 10.0g(収率48.6%)を得た。
1H−NMR>
PEMPPの1H−NMRのチャートを図3に示した。1H−NMRは、日本電子(株)製JNM−AL400を使用し、重クロロホルム中にて測定を行った。
Figure 2007145241
2.233 ppm :SH基の水素原子
2.732〜3.004ppm :2、8のメチレン基の水素原子
3.626〜4.044ppm :16、17、18のメチレン基、メチン基の水素原子
4.440 ppm :11のメチレン基の水素原子
合成例4:
1.カルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル共重合体(AP):
滴下漏斗、温度計、冷却管、撹拌機、窒素導入管を装着した4つ口フラスコに、メタクリル酸(三菱レーヨン(株)製)7.38質量部、p−メチルスチレン(Deltech Corp製)8.63質量部、メルカプトエタノール(和光純薬(株)製)0.05質量部、PGME 23.45質量部を仕込み、90℃で0.5時間、四つ口フラスコ内を窒素置換した。さらに、PGME 23.45質量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(「AIBN」と略記 和光純薬(株)製)0.31質量部の混合液を1時間かけて滴下し、90℃で3時間加熱攪拌した。その後、シクロヘキサノン(和光純薬(株)製)2.61質量部、AIBN 0.10質量部の混合液を滴下し、その後、90℃で1.5時間加熱攪拌し、100℃で1.0時間加熱攪拌することにより、カルボキシル基を有するアクリル共重合体を得た。
更に、上記で得られたカルボキシル基を有するアクリル共重合体を、温度計、冷却管、撹拌機、空気導入管を装着した4つ口フラスコに仕込み、トリフェニルホスフィン(東京化成(株)製)2.30質量部、ハイドロキノン(東京化成(株)製)0.16質量部、グリシジルメタクリレート(三菱レーヨン(株)製)21.82質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(日本化成(株)製)16.45質量部を添加し、空気置換後、100℃、12時間加熱攪拌させた後放冷し、カルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル共重合体(AP)、35質量%溶液(溶媒:PGMEA)を得た。APの重量平均分子量(GPCにより測定、ポリスチレン換算)は23,000であった。
合成例5:
カルボキシル基を有するエポキシアクリレートの合成(EA):
エピコート1004(ビスフェノールA型エポキシ樹脂 ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量925)185質量部、アクリル酸 14.4質量部、ヒドロキノン0.20質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下「DGEA」と略記 ダイセル化学(株)製)197質量部を仕込み、95℃に加熱し、上記混合物が均一に溶解したことを確認後、トリフェニルホスフィン 2.0質量部を仕込み、100℃に加熱し、約30時間反応させ、酸価0.5mgKOH/gの反応物を得た。これに、テトラヒドロ無水フタル酸(新日本理化(株)製)96.0質量部を仕込み、90℃に加熱し約6時間反応させIRにて酸無水物の吸収の消失を確認し、固形酸価119mgKOH/gのエポキシアクリレート樹脂(EA)、60質量%溶液(溶媒:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート)を得た。
光重合性組成物の評価:
[試薬類]
<エチレン性不飽和基を有する化合物(モノマー)>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート DPHA:ダイセルUCB社製
EO変性ビスフェノールAジアクリレート BP4EA:共栄社化学(株)製
<光重合開始剤>
1)EMK(4,4'−ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン:保土谷化学(株)製
2)イルガキュア907:チバ・スペシャルティ−ケミカルズ社製
3)PEMB(ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)):昭和電工製
<顔料>
1)カーボンブラック Special Black 350:デグサ社製
2)チタンブラック 13MC:三菱マテリアル(株)製
<その他>
1)PMA(プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート):東京化成(株)製
2)シクロヘキサノン:和光純薬(株)製
3)アジスパーPB822:分散剤 味の素ファインテクノ(株)製
[光重合性組成物の調製]
<実施例1>
PMA 212質量部の混合溶剤に、分散剤アジスパー PB822 4.44質量部を溶解した後、前記EA 9.5質量部(固形分 5.7質量部)を混合した。さらに黒色顔料として、カーボンブラック Special Black350 22.0質量部、チタンブラック 13MC 22.0質量部を混合した後、ペイントコンディショナー(浅田鉄工(株)製)を用いて3時間分散を行った。
この分散液に、カルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル共重合体(AP)93.5質量部(固形分32.7重量部)、DPHA 4.43質量部、BP4EA 4.43質量部、PMA103質量部を混合し、更に、光重合開始剤として、EMK 0.5質量部、イルガキュア907 5質量部、PEMPP 1.0質量部を混合溶解した。
更にこの組成物を孔径0.8μmのフィルター(桐山濾紙・GFP用)で濾過することにより、本発明の光重合性組成物とした。
得られた光重合性組成物について、以下に示す方法で感度を評価し、結果は表1に示した。
<実施例2〜5>
実施例2〜5についても表1に示す光重合開始剤の配合以外は実施例1と同様に光重合性組成物を調製した。得られた光重合性組成物について、実施例1と同様に感度を評価し、結果は表1に示した。
<実施例6〜7>
実施例6〜7についても表1に示す光重合開始剤の配合以外は実施例1と同様に光重合性組成物を調製し、更に60℃、30時間で過熱し得られた光重合性組成物について、実施例1と同様に感度を評価し、結果は表1に示した。
<比較例1〜2>
チオール化合物としてPEMBを使用する以外は、実施例1と同様に表1に示す光重合性組成物を調製した。得られた光重合性組成物について、実施例1と同様に感度を評価し、結果は表1に示した。
<比較例3>
チオール化合物としてPEMBを使用する以外は、実施例1と同様に光重合性組成物を調製し、更に60℃、30時間で過熱し得られた光重合性組成物について、実施例1と同様に感度を評価し、結果は表1に示した。
[感度評価]
得られた光重合性組成物をガラス基板(大きさ100×100mm)に乾燥膜厚が約1.5μmになるようにスピンコートし、室温で2分間、90℃で3分間乾燥した。
乾燥後の皮膜の膜厚を膜厚計(株式会社東京精密製、SURFCOM130A)で正確に測定した後、超高圧水銀ランプを組み込んだ露光装置(ウシオ電機株式会社製、商品名「マルチライト ML−251A/B」)を用い、石英製フォトマスクを介して露光量を変えて光重合性組成物に光を照射して光硬化した。露光量は紫外線積算光量計(ウシオ電機(株)製、商品名「UIT−150」、受光部「UVD−S365」)を用いて測定した。
露光された皮膜は0.1%炭酸ナトリウム水溶液(25℃)で、所定の時間アルカリ現像した。現像時間は露光前の皮膜がアルカリ現像により、皮膜が完全に溶解する時間:tDの1.5倍に設定した。なお、tDはアルカリ現像時間を変化させて皮膜の溶解の程度を観察する実験を繰り返し行い、皮膜が完全に溶解するまでの時間をtDとして決定した。アルカリ現像後、水洗、エアスプレーによりガラス基板を乾燥し、残った皮膜(レジスト)の膜厚を測定し、残膜率を計算した。残膜率は以下の式より算出した。
残膜率(%)=100×(アルカリ現像後膜厚)/(アルカリ現像前膜厚)
上記に従い、露光量を100mJ/cm2の時の残膜率を測定し感度を比較した。
表1の実施例1〜7と比較例1〜3の結果、特に実施例2、5と比較例2との対比、実施例6、7と比較例3との対比から解るように、メルカプト基の結合する炭素にフェニル基を置換させることで、感度(残膜率)は幾らか減少するが、熱安定性が向上することが示された。
Figure 2007145241

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で示される基を2個以上有するチオール化合物からなることを特徴とする重合促進剤;
    Figure 2007145241
    (式中、R1は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表わし、mは0または1〜
    2の整数を示す)。
  2. 前記チオール化合物が、下記一般式(2)で示されるメルカプト基含有カルボン酸と多官能アルコールとのエステル化合物である請求項1に記載の重合促進剤;
    Figure 2007145241
    (式中、R1およびmは請求項1の一般式(1)におけるR1およびmと同じ意味を示す)。
  3. 前記多官能アルコールが、アルキレングリコール(但し、アルキレン基の炭素数は2〜10で枝分かれしていてもよい。)、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ノルボルネンジメタノール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAおよび4,4'−(9−フルオレニリデン)ビス(2−フェノキシエタノール)から選ばれる化合物である請求項2に記載の重合促進剤。
  4. 前記チオール化合物が、下記一般式(3)で示される化合物である請求項2に記載の重合促進剤;
    Figure 2007145241
    (式中、R2〜R5は各々独立して水素原子または炭素数1〜10のアルキル基、nは1〜3の整数を表わし、Lは請求項1の一般式(1)で示される基を示す)。
  5. 前記チオール化合物が、下記一般式(4)で示される化合物である請求項2に記載の重合促進剤;
    Figure 2007145241

    (式中、Lは請求項1の一般式(1)で示される基を示す)。
  6. 前記チオール化合物が、下記一般式(5)で示される化合物である請求項2に記載の重合促進剤;
    Figure 2007145241
    (式中、Lは請求項1の一般式(1)で示される基を示す)。
  7. 前記チオール化合物が、下記一般式(6)で示される化合物である請求項2に記載の重合促進剤;
    Figure 2007145241
  8. 前記チオール化合物が、下記一般式(7)で示される化合物である請求項2に記載の重合促進剤;
    Figure 2007145241
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のチオール化合物とラジカル重合性化合物を含むことを特徴とする硬化性組成物。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載のチオール化合物とエチレン性不飽和2重結合を含有する化合物を含むことを特徴とする硬化性組成物。
  11. 請求項9または10に記載される硬化性組成物から得られる硬化物。
  12. 水を共沸脱水できる溶媒に、請求項2に記載の一般式(2)で示されるメルカプト基含有カルボン酸と請求項3に記載の多官能アルコールから選ばれる少なくとも1種の化合物を溶解させ、さらに酸触媒を添加して加熱還流させ、エステル化で生成した水を共沸脱水することを特徴とする請求項1に記載の一般式(1)で示される基を2個以上有するチオール化合物の製造方法。
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