JPWO2007122893A1 - 窒素同位体重成分の濃縮方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、窒素同位体重成分である15Nを効率的に50atom%以上に濃縮する方法を提供することを課題とし、この課題を解決するために、コンデンサC1〜C4およびリボイラR1〜R4を少なくとも一つずつ備えた蒸留塔T1〜T4を複数用い、これらの蒸留塔を直列に接続して窒素N2を連続的に低温蒸留し、窒素同位体重成分15Nを含む同位体分子である14N15N および/または15N2を濃縮し、蒸留中の窒素の一部を抜き出して同位体スクランブラS1により同位体スクランブリングを行い、その少なくとも一部を前記蒸留工程へ戻すことにより、15N濃縮度が50atom%以上の窒素N2を得る。

Description

本発明は、窒素の安定同位体15Nの濃縮方法に関し、詳しくは、窒素(N2)の低温蒸留と同位体スクランブリングとを組み合わせることによって、存在比が極めて小さな窒素の安定同位体である15Nを効率的に高濃度まで濃縮する方法に関する。
本願は、2006年3月23日に出願された特願2006−80345号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
窒素の安定同位体には14Nと15Nとの二種類があり、自然界では前者が99.635atom%、後者が0.365atom%を占める。なお、本発明における窒素同位体重成分とは15Nを指す。
大気中の窒素(窒素分子N2)には1421415N、および152の3種類の同位体分子が存在し、その存在率は以下の通りである。
142 :99.635 atom% × 99.635 atom% = 99.271 mol%
1415N:99.635 atom% × 0.365 atom% × 2 = 0.727 mol%
152 :0.365 atom% × 0.365 atom% = 0.001 mol%
現在、窒素の安定同位体15Nは、主に自然科学や医療の分野でトレーサとして利用されている。また、近年ではエネルギー分野においても15Nの利用が検討されている。しかしながら15Nは、天然存在比が極めて小さいため、効率的に高濃度まで濃縮する方法が求められている。
15Nの濃縮方法には、化合物によって同位体の平衡分配濃度が異なる現象を利用する化学交換法、アンモニアのゼオライトへの吸着挙動の同位体効果による違いを利用する気相吸着法、および一酸化窒素(NO)を低温蒸留し1518Oを濃縮して15Nと18Oとを得る低温蒸留方法などがある。
低温蒸留による同位体濃縮の方法には、15Nおよび18Oの濃縮を目的とした前述の一酸化窒素蒸留の他に、13Cの濃縮を目的とした一酸化炭素蒸留やメタン蒸留がある。また、酸素蒸留と同位体スクランブリングとを組み合わせることによって、18Oを高濃度に濃縮する方法もある。
特開平11−188240号公報 特開2003−210945号公報 国際公開第00/27509号パンフレット 「大陽日酸技報」No.23(2004)20〜25頁
化学交換法や気相吸着法で15Nを濃縮する方法は、工業規模の大量生産には向いていない。また、窒素化合物を介して同位体分離を行うため、最終的に、N2以外の不純物を含まない高純度のN2を得ることは容易ではない。
一酸化窒素蒸留も、後工程で酸素原子を分離しなければならないので同様である。一酸化窒素は毒性・腐食性があるため、取り扱いが難しいという問題もある。
高純度の製品を大量生産するには、窒素の低温蒸留法による濃縮が有望だが、
15Nを50atom%以上に濃縮する場合、以下に示すような問題がある。
つまり、窒素の同位体分子組成は、142: 99.272mol%、1415N: 0.727mol%、152: 13.3ppmである。152に比べ豊富に存在する1415Nを、仮に100mol%まで濃縮しても、15N濃縮度は50atom%にしかならない。これはすなわち、15N濃縮度を50atom%以上にするには、極微量しか存在しない152を高濃度に濃縮しなければならないことを意味する。例えば80atom%の15Nを得るには、少なくとも152を60mol%まで濃縮しなければならない。このとき必要な原料は、少なくとも製品量の60mol%/13.3ppm=45,000倍以上となる。
15Nを99atom%に濃縮するためには、152を少なくとも98mol%に濃縮しなければならず、少なくとも製品量の98mol%/13.3ppm=73,000倍以上の原料が必要となる。またこの場合、製品中に含まれる1415Nはわずか2mol%であり、ほとんどの1415Nを廃棄する。このため、15Nの収率は99atom%/0.365atom%/73000=0.37%以下となるから、同位体分離プロセスとしても非効率である。
152の収率を100%とする仮定は非現実的であり、実際には、上述の10倍以上の原料が必要となると考えられる。したがって、15Nの収率は、さらに十分の一以下になる。
このように、窒素の2原子分子であるN2の低温蒸留で15Nを濃縮する場合、製品同位体濃縮度が50atom%以上か、50atom%以下かによって困難さが大きく異なる。50atom%以下でよければ比較的豊富に存在する1415Nを濃縮するだけでも可能だが、50atom%以上となると、極わずかしか存在しない152を濃縮しなければならず、大量の原料が必要となる。
また、窒素の低温蒸留により15Nを濃縮する場合、次のような問題もある。
酸素の低温蒸留により18Oを濃縮するプロセスでは、酸素は空気を原料として深冷空気分離装置により得られるが、不純物として数千ppmのアルゴンおよび数十ppmの炭化水素を含む。これらを、酸素同位体分子と共に蒸気圧順に並べると、アルゴン>1618>>炭化水素、となる。炭化水素は、アルゴンや酸素に比べ蒸気圧がはるかに低いため、蒸留による除去が比較的容易である。したがって、複数の蒸留塔を直列に連結したカスケード(以下、「蒸留カスケード」という。)に原料として酸素を供給する前に炭化水素を除去しておけば、最も蒸気圧が低い18を最終塔塔底で比較的容易に濃縮することが出来た。
一方、窒素も空気を原料として深冷空気分離装置により得られるが、不純物として通常、酸素0.01ppm〜10ppm、アルゴン1ppm〜1000ppmを含む。これらを窒素同位体分子と共に蒸気圧順に並べると1415>アルゴン>酸素となる。この場合、蒸留カスケードで15を濃縮しようとすると、最終塔塔底に、不純物であるアルゴンおよび酸素が高濃度に濃縮される。
同位体分離プロセスは還流比が非常に大きい。したがって、原料窒素量に対する製品量の比が、一万分の一である15N濃縮プロセスの場合、原料窒素に同伴されたアルゴンおよび酸素は、蒸留カスケードの最終塔塔底で一万倍に濃縮する。例えば、原料窒素中にアルゴン50ppm、酸素0.1ppmが含まれていた場合、蒸留カスケードの最終塔塔底ではアルゴン50mol%、酸素0.1mol%に濃縮する。
一般に、製品窒素中の酸素は、数ppm以下であることが要求される場合が多い。15N濃縮製品中の酸素分を1ppm以下にするためには、この例の場合、原料窒素中の酸素分を0.1ppb以下としなければならない。また、アルゴンは不活性ガスのため不純物として問題にされることは少ないが、原料窒素中に酸素の数十〜数百倍含まれるため、最終塔塔底にかなり高濃度に濃縮されてしまう。
原料窒素中のアルゴンおよび酸素を、蒸留カスケードに供給する前に除去することは可能であるが、その場合、原料窒素に含まれる1415Nおよび152濃度も低下してしまうことが問題である。
さらに、蒸留カスケードによる従来の同位体濃縮プロセスでは、液体ホールドアップ量が非常に大きいため、起動時間が数ヵ月から数年と非常に長いという問題があった。
以上のことから、窒素蒸留法による15N分離の場合、原料窒素を高純度化して蒸留カスケードに供給しても、15N製品へのアルゴンおよび酸素の濃縮が避けられない場合がある。特に酸素は化学的に活性であるため、多くの場合、酸素の濃縮は不都合である。また、原料窒素を高純度化することは15Nを含む同位体分子の濃度を低下させてしまうという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、窒素同位体重成分を効率的に50atom%以上に濃縮する方法であって、窒素同位体重成分が濃縮した窒素を工業規模で大量生産できる方法を提供することを課題とする。また、アルゴンおよび酸素などの高沸点成分をほとんど含まない、窒素同位体重成分を濃縮した窒素を、工業規模で大量生産できる方法を提供することを課題とする。また、従来よりも短い起動時間で窒素同位体重成分を濃縮する方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、窒素同位体重成分15Nを含む同位体分子である1415N および/または152を濃縮する窒素同位体重成分の濃縮方法であって、コンデンサおよびリボイラを備えた蒸留塔を複数用い、これら蒸留塔を直列に接続して窒素N2を連続的に低温蒸留し、その蒸留工程において、蒸留中の窒素の一部を抜き出して同位体スクランブリングを行い、同位体スクランブル後の窒素を前記蒸留工程へ戻すことにより、15N濃縮度が50atom%以上の窒素N2を得る窒素同位体重成分(15N)の濃縮方法を提供する。
上記濃縮方法においては、15Nが濃縮した製品の採取位置を最終塔塔底から2〜10m上部の最終塔中間部とすることが好ましい。これにより、酸素、アルゴンなどの高沸点成分をほとんど含まない15N濃縮窒素を得ることができる。
この際、最終塔塔底から抜き出すガスまたは液体の流量は、原料窒素中のアルゴン含有量および酸素含有量の合計100%に対して、80%〜100%を含む流量とすることが好ましい。これにより、最終塔塔底の窒素濃度を小さくし、アルゴンおよび酸素と共に廃棄される15Nを最小限に抑えると共に、15N製品中にアルゴンおよび酸素が濃縮されるのを防ぐことができる。最終塔塔底の窒素濃度を測定し、その値が1mol%以下になるように最終塔塔底から抜き出す量を調整しても良い。最終塔塔底から抜き出す量が小さく、連続的に流量制御することが難しい場合、一定時間ごとに一定量抜き出すようにすることができる。
最終塔塔底から濃縮したアルゴンおよび酸素を抜き出す場合、最終塔塔底のリボイラに15を溜める必要がない。よって、装置内の15ホールドアップ量を大幅に減らすことができ、起動時間を大幅に短縮することができる。
蒸留中の窒素(N2)を同位体スクランブリングのために抜き出す位置は、1415N濃度が最も高い位置であることが望ましい。
同位体スクランブリングを行った窒素は、抜き出した箇所に戻しても良いし、それ以外の箇所に戻しても良い。
更に、本発明は、前記同位体分子を濃縮する蒸留工程において、該工程を構成する最終塔を除く任意の蒸留塔から次段の蒸留塔へのN2の供給が、それら二つの蒸留塔の圧力差を推進力として行うものである。このとき、該工程を構成する第1塔を除く任意の蒸留塔から、その前段の蒸留塔へのN2の返送は、該窒素の液頭圧(液ヘッド)を推進力として行われる。
コンデンサにおける冷流体としては、蒸留工程で蒸留する窒素(N2)とは別系統の窒素(N2)を用いることが望ましい。別系統の窒素を用いることで、該コンデンサを備えた蒸留塔の塔頂圧力の制御が容易になり、その前段の蒸留塔から該コンデンサを備えた蒸留塔へN2を供給するための推進力となる圧力差を、適切に制御することができる。
窒素同位体の蒸留では、通常の蒸留に比べ、後段の蒸留塔ほど処理量が極端に少なくなる。そのため前段の蒸留塔へ返送する窒素量も微量になってくる。蒸留温度が極端に低い窒素同位体の場合、返送する窒素が配管中でガス化することが懸念される。ガス化すると必要な液頭圧が得られなくなり、N2の返送が行われず、所望の蒸留性能が得られない。よって、必要な液頭圧を確実に得るために、前段の蒸留塔へNを返送するための配管を冷却することが望ましい。
この配管の冷却は、冷媒として液体窒素を用いることが好ましく、その液体窒素は、該当する蒸留塔のコンデンサの冷流体と同系統の窒素を用いるのが良い。コンデンサの冷流体と同系統の窒素を用いることで、過冷却を防止することができる。
また、原料窒素中のアルゴンおよび/もしくは酸素含有量は、10ppm以下であることが望ましい。窒素同位体重成分を含む窒素15は、アルゴンや酸素側に濃縮されやすいからである。とりわけ、同位体スクランブリングの際に高濃度の酸素が存在すると、同位体スクランブリングの方法によってはNOが生成されることも考えられるので、酸素濃度は低いほうが望ましい。
本発明によれば、窒素の低温蒸留法と同位体スクランブリングとを組み合わせることにより、15Nを容易に50atom%以上に濃縮できる。このため、従来の他の方法よりも大量生産が可能であり、かつ高濃縮が容易にできる。
従来のN2蒸留法は15Nを高濃縮(例えば50atom%以上)できなかったが、本発明においては低温蒸留と同位体スクランブラとを組み合わせることにより収率を大幅に高めることができるため、現実的にこれが可能となった。
従来のN蒸留法では、アルゴンおよび酸素をほとんど含まない製品を短い起動時間で得るのは容易ではなかったが、本発明においては、低温蒸留と同位体スクランブラとを組み合わせ、かつ、蒸留カスケード最終塔塔底にアルゴンおよび酸素を濃縮させることによって、現実的にこれが可能になった。
本発明の窒素同位体重成分の濃縮方法を実施できる装置の構成を表した概略図である。 蒸留塔内の窒素同位体組成分布の一例である。 蒸留塔内のアルゴンおよび酸素の濃縮挙動の一例である。
符号の説明
T1、T2、T3、T4・・・蒸留塔
C1、C2、C3、C4・・・コンデンサ
R1、R2、R3、R4・・・リボイラ
S1・・・スクランブラ
本発明は、窒素の低温蒸留に同位体スクランブリングを組み合わせることにより、高純度窒素(N2)を原料にして15Nを高濃度(50atom%以上)に濃縮する方法である。
図1は、本発明の濃縮方法を実施するための装置の一例を示したものである。
この装置は、第1塔T1〜第4塔T4の4つの蒸留塔と、それぞれの蒸留塔に設けられたリボイラR1〜R4およびコンデンサC1〜C4と、同位体スクランブラS1とから概略構成されている。実際の装置では、さらに多くの蒸留塔から構成される場合もあるが、発明の本質を明瞭にするために、ここでは蒸留塔4塔を備えた装置例で説明する。
この装置には原料F(窒素)が供給され、15Nの同位体純度が高められた窒素の製品Pおよび15Nの同位体純度が低下した窒素の排ガスWに分離される。
4塔の蒸留塔は、第1塔T1の塔底と第2塔T2の塔頂、第2塔T2の塔底と第3塔T3の塔頂、第3塔T3の塔底と第4塔T4の塔頂が接続されており、全体として一連の蒸留を行うようになっている。蒸留塔内の低沸点成分は第1塔T1の塔頂へ向かって濃縮され、高沸点成分は第4塔T4塔底へ向かって濃縮される。
以下、本発明の濃縮方法を、図1を用いて詳細に説明する。
原料Fは、第1塔T1の中間部へ供給される。原料Fは空気を原料に深冷空気分離装置(図は省略)により製造される。原料Fは窒素(N2)であり、その純度は99.9999mol%以上の高純度であることが望ましい。窒素(N)は、ガスでも液体でもあるいは気液混合物でもよい。ガスで供給する場合は、露点付近まで冷やした状態で供給するのがよい。
第1塔T1内では下方から上昇してくる蒸気と、上方から降下してくる液とが気液接触しており、その過程で最も低沸点の成分である142はより上方である蒸気側に、最も高沸点の成分である152はより下方の液側に濃縮していく。中間成分である1415Nはその中間の挙動を示す。
各蒸留塔内の気液接触方式は、棚段塔でも充填塔でもどちらでも良いが、起動時間が短縮されるため、装置全体の液貯留量(液ホールドアップ)が小さくなる充填塔が好ましい。
充填物には規則充填物を用いてもよいし、不規則充填物を用いてもよい。
蒸留塔内を流下し塔底に溜まった液をリボイラR1で気化し、塔底に戻すことにより上昇蒸気を発生させる。蒸留塔内を上昇し塔頂からでた蒸気をコンデンサC1で液化し、再び塔頂に還流することにより下降液を発生させる。
蒸留塔の運転圧力は低いほうが、窒素同位体分子の相対揮発度が大きくなり分離しやすくなる。塔頂圧力は負圧にならない範囲でゲージ圧力150kPa以下とするのが良い。
塔頂圧力は、コンデンサにおける冷流体の温度と流体との温度差で決まる。本発明におけるN2蒸留では、コンデンサの冷流体として蒸留とは別系統のN2を用いることもできる。
第2塔ないし第4塔T2〜T4の上昇蒸気速度、圧力などの基本的な運転条件は第1塔T1と同様でよい。
第1塔T1の塔頂に達した蒸気の一部は、15Nが減損した排ガスWとして排出される。この排ガスは液化して、高純度窒素製品として回収することもできる。排ガスWの流量は、物質収支により原料Fから製品Pを差し引いた分として自ずと決定される。実際には、第1塔T1の塔底液面がほぼ一定となるように排ガスWの量を決定するのがよい。
同位体重成分の濃度が高められた第1塔T1塔底の蒸気の一部は、経路5によりバルブVF1を経由して、第2塔フィードF2として、第2塔T2塔頂に供給される。コンデンサC2入口の経路8に合流させても良い。流れの推進力は第1塔塔底と第2塔塔頂の圧力差である。第2塔フィードF2は、第2塔T2塔頂の上昇蒸気と共にコンデンサC2で液化され、第2塔T2塔頂に還流される。第2塔T2内では第1塔T1と同様に気液接触が行われ、塔底に向かって同位体重成分の濃度が高められる。
第2塔フィードF2の流量は、第2塔フィードF2に対する製品P(15N)の収率が大きくても20%以下になる範囲で、一定の値に設定するのが良い。第2塔T2塔頂に還流される液の一部は、経路6によりバルブVR1を経由して、第1塔戻り液FR1として第1塔T1塔底に戻される。
この第1塔戻り液FR1の流量は、物質収支により第2塔フィードF2から製品Pを差し引いた分として自ずと決定される。実際には、第2塔T2の塔底液面がほぼ一定になるように第1塔戻り液FR1の量が決定される。
第1塔戻り液FR1の流れの推進力は、バルブVR1の一次側に溜まる液頭圧である。ここで配管への入熱が大きいと、液頭圧が得られないことが懸念される。一般に、極低温蒸留の場合、配管への入熱を防ぐために真空二重管などを採用する場合がある。窒素同位体分離の蒸留では、後段の蒸留塔ほど前段の蒸留塔に返送する窒素の流量が極端に少なくなるという特異性を有しているため、特に入熱の影響が大きくなる。よって、バルブVR1、VR2、VR3・・・の一次側に液体が溜まらなかった場合には、それらバルブの一次側配管を積極的に冷却することが望ましい。
この一次側配管の冷却に用いる流体は、低温窒素であることが望ましい。コンデンサの冷流体の熱交換循環サイクルに用いる冷流体を、この循環サイクルから分岐して用いることが望ましい。循環サイクルから分岐した冷流体は、そのコンデンサが備えられた蒸留塔の塔頂ガスを液化するのに適した温度となっており、一次側配管の冷却には最適である。
第3塔T3および第4塔T4についても蒸留塔および接続経路の構成は同様である。これにより第1塔T1から第4塔T4までが連続的に接続され、全体として一つの蒸留塔のようにして一連のN2蒸留を行う。最も沸点が高い窒素同位体分子152が第4塔T4塔底に向かって濃縮し、最も沸点が低い窒素同位体分子142が第1塔T1塔頂に向かって濃縮する。中間成分である1415Nはその中間の挙動を示す。
蒸留塔T1〜T4は極低温で運転されるため、外部からの入熱を最小にするためのコールドボックス(図示略)内に収められる。
第3塔T3塔底のガスの一部FSCは、経路18により同位体スクランブラS1に送られる。必要に応じて、ガスFSCを熱交換器などによって常温付近まで加温する。同位体スクランブルされたガスFRSCは経路19により第4塔塔頂に戻される。必要に応じて、ガスFRSCを熱交換器などによって冷却する。
同位体スクランブラS1と蒸留塔との接続位置は、図1に示す位置には限定されない。つまり経路18の蒸留塔側接続位置はどの位置でも構わないが、中間成分である1415N濃度が最も高くなっている位置が好ましい。また、経路19の蒸留塔側接続位置は、目的成分である152の濃度がガスFRSCのそれと近いところが良い。経路18→スクランブラS1→経路19の工程でガスの流れの推進力が足りない場合は、経路18、スクランブラS1内部、または経路19のいずれかにブロワ等の昇圧手段(図示略)を使っても良い。
同位体スクランブラS1は次の機能を持つ。
本発明における同位体スクランブラS1とは、一連の蒸留により偏りが生じた14Nと15Nとの3種類の組み合わせを再度ランダムにシャッフルするための装置である。言い換えると、同位体スクランブラS1に供給される1421415N、および152それぞれの成分のN-N結合を一時的に解離させ、再度ランダムにN-N結合させるための装置である。
同位体スクランブラと蒸留塔との接続位置を適切に選ぶことにより、一連の蒸留により濃縮された1415Nの一部を152に変換することができるため、蒸留塔へ供給される正味の152量を大幅に高めることができる。これにより、同位体スクランブラを使わない窒素蒸留に比べ、はるかに効率的に15Nを濃縮することができる。すなわち従来技術で問題となっていた、「窒素の低温蒸留で15Nを50atom%以上に濃縮するためには152を高濃縮する必要があるため大量の原料が必要となる」という問題を解決できる。
同位体スクランブラS1に供給されるガスFSC中の1421415N、および152のモル分率をそれぞれx、y、およびzとし(0<x,y,z<1, x+y+z=1)、流量をV[mol/s]とする。2原子分子である窒素は、後述の同位体スクランブルにより、一旦は1原子ずつに分かれる。このときの14N、15Nそれぞれの同位体濃度(原子分率)α、βは以下となる。
α= x + y×1/2
β= y×1/2 + z
これが、再度、窒素分子(2原子分子)に戻ると、1421415N、および152のそれぞれの濃度x’、y’、およびz’は、二つのN原子がランダムに結合するため、以下のようになる。
x’= α2 = (x + y×1/2)2
y’= 2×α×β = 2×(x + y×1/2)(y×1/2 + z)
z’= β2 = (y×1/2 + z)2
したがって、同位体スクランブル前後における1421415N、および152のそれぞれのモル分率変化量は
Δ142 = x’− x = (x + y×1/2)2 − x
Δ1415N = y’− y = (x + y×1/2)(y×1/2 + z)×2 − y
Δ152 = z’− z = (y×1/2 + z)2 − z
(Δ14214 15N+Δ152 = 0)となる。
同位体スクランブラS1と蒸留塔とを結ぶ経路18の蒸留塔側の接続位置は、Δ152が正で、かつ、できるだけ大きくなるような位置を選ぶのが良い。接続位置を誤ると、かえって152が減少してしまう。
同位体スクランブラS1で新たに生成される152の量は、Δ152×V[mol/s]となる。供給されるガスFSCの流量であるVは、Δ152×V[mol/s]が製品Pに同伴される152量よりも大きくなるように設定するのが良い。
上述の同位体スクランブリングの手段は、N2分子を一旦解離させ、最終的にN2に戻すものであれば何でも良い。N2単独で同位体スクランブリングさせるものでも良いし、別の物質と反応させた後、再度N2分子に戻す方法でも良い。前者の例としては以下の方法がある。
・触媒反応を利用する。主成分が鉄(Fe)またはルテニウム(Ru)などである触媒を利用できる。
・無声放電、高周波放電あるいは電磁誘導によるプラズマ中を通過させる。
・紫外線、X線、あるいはγ線を照射する。
・800℃以上で高温熱処理する。
また、後者の例としては以下の方法がある。
・N2を一旦NOxあるいはNHに合成した後、それをN2にもどす。
第1塔〜第4塔T1〜T4の一連の蒸留により15Nが最も濃縮するのは、第4塔T4の塔底である。そこからガスまたは液体を取り出すことにより15Nが濃縮された製品Pを得ることができる。15Nの同位体濃縮度は、第4塔T4塔底から第1塔T1塔頂に向かって小さくなっていくが、その途中の任意の位置から15Nを任意の濃度で含有する第2の製品(図示略)を得ることもできる。
以下、本発明の窒素同位体の濃縮方法を実施例および比較例を参照して説明する。
図1に示したプロセスにより15Nの濃縮シミュレーションを行った。シミュレーションに用いた蒸留計算プログラムの詳細は、上述の特許文献3に詳しい。これを窒素同位体3成分系に適用した。
原料F、つまり原料Nは、表1の通り、事前に高純度に精製され、アルゴンおよび酸素を含まないとした。各精留塔の仕様および運転条件は表2の通りとした。
シミュレーションの結果、表3に示す組成を有する製品が得られた。
同位体スクランブラS1で処理したN2の組成などは、表4に示した通りである。参考として、N2蒸留塔内の同位体組成分布を図2に示す。
上記結果から、本実施例では天然存在比のN2同位体混合物から15N同位体濃縮度86.1atom%の製品が得られることがわかる。
また、本発明の効果を明らかにするため、以下に、本実施例における収率を検証する。
表1より、原料N2に同伴する152は、
[1.0mol-N2/s]×[13×10-6] = 13×10-6 mol-15N2/s
表3より、製品Pに同伴する152は、
[1.27×10-4mol-N2/s]×[0.739] = 9.38×10-5 mol-15N2/s
したがって、152の見かけの収率は
[9.38×10-5]÷[13×10-6]×100 = 720%
となり、100%をはるかに超えている。これがN2蒸留に同位体スクランブリングを組み合わせた効果である。
本実施例では、表4から解るように、同位体スクランブラによって
[処理量0.01mol-N2/s]×[15N2組成変化0.0092]= 9.2×10-5mol-15N2/sの152が新たに生成されている。
これを考慮すると、152の収率は
[9.38×10-5]÷[13×10-6 + 9.2×10-5]×100 = 89.3%
となり、152はかなりの高収率で回収されており、本プロセスは非常に効率的であることが解る。
次に本プロセスの15N収率についても検証する。一般的に同位体分離ではこの同位体原子基準の収率がプロセス効率の評価の目安となる。
原料N2に同伴する15Nは表1より
[1.0mol-N2/s]×[2mol-N/ mol-N2] × [0.00365]
= 7.3×10-3 mol-15N/s
一方、製品Pに同伴する15Nは表3より
[1.27×10-4mol-N2/s] ×[2mol-N/ mol-N2]×[0.861]
= 2.19×10-4 mol-15N/s
したがって、15Nの収率は
[2.19×10-4]÷[7.3×10-3]×100 = 3.0%となる。
(実施例2)
実施例1では、事前に高純度に精製し、アルゴンおよび酸素を含まないNを原料としたが、本実施例ではアルゴン50ppm、および酸素0.1ppmが含まれるNを原料としてシミュレーションを行った。
図3は蒸留塔内の窒素、アルゴン、酸素の組成をプロットしたものである。Nについては各同位体分子(141415N、15)を区別せず、N−Ar−Oの三成分系としてプロットしている。
図3より、アルゴンおよび酸素は、最終塔塔底付近で急激に濃縮することが解る。本実施例では、最終塔塔底から5m上(第1塔からの充填高さ395m)の位置から15N濃縮窒素を、実施例1と同様に、1.27×10−4mol/s採取した。これに含有されるアルゴンは4.7ppmであり、そして酸素は0.006ppmであり、窒素同位体分子組成は表3と同じである。
また、アルゴンおよび酸素が装置内で濃縮しつづけることを防ぐため、最終塔塔底からアルゴン・酸素濃縮ガスを系外に取り出すとした。
本実施例では、最終塔塔底から採取するガスの流量を、原料窒素に同伴されるアルゴンおよび酸素の量の合計量と同じにした。
[最終塔塔底から採取するカ゛ス]=
[原料1mol/s]×{[アルコ゛ン50×10-6]+[酸素0.1×10-6]}=5.01×10-5mol/s
これにより、最終塔塔底から採取するガスの組成は窒素0.3mol%、アルゴン99.5%、そして酸素0.2mol%となり、含有される15は極僅かになる。
実際の運転では、窒素の含有量をさらに小さくするため、これよりも流量を数%少なめにした方が良い。たたし、あまり少なくしすぎると、5m上から採取する15N濃縮窒素製品にアルゴン、酸素が多く入りこむことになるのでよくない。また、最終塔塔底から採取するガスの量が多すぎるとそこから15がアルゴン、酸素と共に逃げてしまうのでよくない。これらを考慮すると、最終塔塔底から採取するガスの流量は、原料窒素に同伴されるアルゴンおよび酸素の量の合計量の80〜100%の範囲が良い。
この方法によれば最終塔塔底リボイラーに溜まる窒素分は極僅かである。このため、高濃縮された15をリボイラーに溜める必要がないため、装置の起動時間を大幅に短縮することができる。
(比較例)
低温蒸留法で同位体スクランブラを使用しなかった場合、15N収率が3%になることはない。
表3に示す流量・組成の製品を得るために必要な原料N2(天然存在比)量は、152収率を100%とした場合でも、最低限、7.22 mol-N2/s必要である。
[1.27×10-4mol-N2/s]×[0.739]÷[13×10-6]
= 7.22 mol-N2/s
これは、実施例の7.22倍である。
ここで15N収率(同位体原子基準の収率)を計算すると、
{ [1.27×10-4mol-N2/s] ×[2mol-N/ mol-N2]×[0.861] }
÷{[7.22mol-N2/s]×[2mol-N/ mol-N2] × [0.00365]}×100
= 0.42 %となる。
ここでは152収率を100%としているが、現実的には、収率はせいぜい10%以下であるため、実際の15N収率は0.042%以下となる。
本発明の窒素同位体重成分の濃縮方法によれば、窒素同位体重成分を効率的に50atom%以上に濃縮でき、かつ濃縮した窒素同位体重成分を工業規模で大量生産できる。

Claims (8)

  1. 窒素同位体重成分15Nを含む同位体分子である1415N および/または152を濃縮する窒素同位体重成分の濃縮方法であって、
    コンデンサおよびリボイラを備えた蒸留塔を複数用い、これらの蒸留塔を直列に接続して窒素N2を連続的に低温蒸留し、その蒸留工程において、蒸留中の窒素の一部を抜き出して同位体スクランブリングを行い、同位体スクランブル後の窒素を前記蒸留工程へ戻すことにより、15N濃縮度が50atom%以上の窒素N2を得る窒素同位体重成分の濃縮方法。
  2. 前記同位体分子を濃縮する蒸留工程において、該工程を構成する最終塔を除く任意の蒸留塔から次段の蒸留塔への窒素N2の供給が、それら二つの蒸留塔の圧力差を推進力として行われ、かつ、該工程を構成する第1塔を除く任意の蒸留塔から前段の蒸留塔への窒素N2の返送が、該N2の液頭圧を推進力として行われる請求項1記載の窒素同位体重成分の濃縮方法。
  3. コンデンサにおける冷流体に前記蒸留工程で蒸留する窒素N2とは別系統の窒素N2を用いることで、前記コンデンサを備えた蒸留塔の塔頂圧力を制御し、該蒸留塔への窒素N2の供給の推進力となる圧力差を生じさせる請求項2記載の窒素同位体重成分の濃縮方法。
  4. 前記蒸留塔から前段の蒸留塔へ窒素N2を返送するための配管を、蒸留工程中の窒素N2とは別系統の液体窒素により冷却する請求項2記載の窒素同位体重成分の濃縮方法。
  5. 前記配管の冷却に、コンデンサの冷流体と同系統の冷流体を用いる請求項4記載の窒素同位体重成分の濃縮方法。
  6. 前記蒸留工程の原料窒素中のアルゴンおよび/または酸素含有量が10ppm以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の窒素同位体重成分の濃縮方法。
  7. 前記蒸留工程において、含まれる窒素が1mol%以下のアルゴンおよび/または酸素が濃縮されたガスまたは液体を最終塔塔底から排出し、かつ、最終塔塔底から2〜10mの位置から15N濃縮製品を得ることを特徴とする請求項1記載の窒素同位体重成分の濃縮方法。
  8. 最終塔塔底から排出するガスまたは液体の流量を、原料窒素に同伴されるアルゴンの含有量および酸素の含有量の合計量100%に対して、80〜100%を含有する流量とした請求項7記載の窒素同位体重成分の濃縮方法。
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