JP2006080345A - ウエハ搬送アームとウエハ搬送装置 - Google Patents

ウエハ搬送アームとウエハ搬送装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ウエハの擦れによる塵の発生が抑えられたウエハ搬送装置を提供する。
【解決手段】ウエハ搬送アーム110は、アーム本体130と、アーム本体130の先端部に設けられた二つの固定爪140と、アーム本体130に対して±X方向に移動可能な一つの可動爪160と、ウエハ10の外周縁を光学的に検出するための二つのセンサー150とを備えている。二つのセンサー150は搬送基準軸を挟んでウエハ10のノッチ12の幅より広い間隔を置いて配置されている。固定爪140はウエハ10を把持して心出しするためのウエハ心出し把持面142とを有し、可動爪160はウエハ10を把持して心出しするためのウエハ心出し把持面162とを有している。ウエハ心出し把持面142とウエハ心出し把持面162の幅はいずれもウエハ10のノッチ12の幅よりも広い。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カセットに収納されたウエハを心出しして保持し、搬送するためのウエハ搬送装置に関する。
4インチ(100mm)程度の外径のシリコンウエハを用いることによって本格的な生産が始まったIC製造は、生産性を追求した結果、6インチウエハ、8インチウエハを経て、現在は12インチウエハが主流になりつつある。
この間、シリコンウエハ面上に刻印される線幅はどんどん細くなって来た。そして、12インチウエハでICの生産が始まった頃には0.2ミクロン以下となり、製造途中で発生する塵がこれまで以上に大きな問題としてクローズアップされだした。12インチウエハによるICの製造は、ウエハの大型化による設備の大型化と線幅の微細化、塵対策など、この産業に大きな技術革新をもたらした。
その結果として、フープ(FOUP)カセットやフォスブ(FOSB)カセットと呼ばれる、収納ウエハのピッチ間隔が大きく、作業時以外はカセット内と外気が遮断される大型密閉カセットの導入や、塵発生の少ないウエハの外周縁把持や塵が付着してもIC製造には悪影響を及ぼすことの少ない裏面外周辺チャック搬送装置の導入が行なわれた。
特開平7−201947号公報は、カセット内に侵入し、ウエハをカセット内で心出しし、カセット外にウエハを搬出するための3ツ爪チャック方式のウエハ搬送アームを開示している。このウエハ搬送アームは、アーム先端部にアーム表面から立ち上がった二つの固定爪と、固定爪にウエハを押し付け心出し把持する可動爪とを有している。
このウエハ搬送アームが提案されたのは6インチウエハが生産の主流である頃で、ウエハのオリエンテーションフラット(オリフラ)をカセット開口側に揃えた上で、アームによるカセット内ウエハ心出し搬送が想定されている。
ここで、オリフラとノッチについて説明をしておく。オリフラとノッチはいずれもウエハの結晶方向を示したり、ウエハ加工時の位置決めの基準としてウエハの外周に設けられた切り欠き指標である。オリフラは、ウエハ外周に50mm程度の弦を設けたもので、6インチウエハはほとんどがこのタイプである。ノッチは、ウエハ外周に幅3mm程度のV字溝が切られたもので、8インチウエハでは90%以上、12インチウエハでは100%このタイプである。
本発明は、ノッチ付き12インチと8インチウエハを対象としている。一方、特開平7−201947号公報は、オリフラ付きウエハを対象としており、本発明とは対象が異なるが、二つの固定爪と一つの可動爪によるウエハの心出し把持についての説明には好適である。以下、特開平7−201947号公報のウエハ搬送アームによるウエハの心出し把持について説明する。
まず、二つの固定爪が先端に設けられたアームがカセット内のウエハとウエハの隙間に侵入し始める。このとき、ウエハがカセット開口側に位置していると、ウエハ把持開放位置にある可動爪がウエハのオリフラ部を押し、ウエハがカセット奥壁に当たらない位置(例えば、奥壁とウエハの間に2mm程度の隙間がある位置)まで押し込んでアームは停止する。この奥壁に当たらない位置とは、ウエハがカセット奥壁に当たるとカセットが倒れるか、ウエハが破損することを防ぐ意味である。このとき、ウエハとカセットのウエハ載置襞との間では、擦れが発生して塵を発生させる。例えば、ウエハがカセット奥壁から7mm開口側に位置していると、5mmの擦れが発生する。
次に、アームが上昇するかカセットが下降するかしてウエハがアームに受け渡される。以下では、アームが上昇してウエハを受け取るものとして説明する。このとき、ウエハがカセット奥壁に接触して収納されている状態でも、固定爪とウエハの間にも数mm(3mm程度)の隙間が空くように固定爪の位置が設定されている。この隙間は、ウエハが固定爪上に乗り上げて、挟み込み求心ができなくなることを防ぐためのものである。ウエハがアームに受け渡されると、アームはウエハを載せたまま、数mm(例えば5mm程度)、カセット開口方向に後退する。この動きがないと、可動爪に押されたウエハが固定爪に当たる前に、カセットの奥壁に当たる。その後、可動爪はウエハを把持するために固定爪の方向に移動する。そして、ウエハを二つの固定爪に押し当てウエハの心出しを行なうと同時にウエハを固定把持すると可動爪は停止する。この後、アームはカセットから引き抜かれ、ウエハがカセット外に搬送される。
ここで、固定爪とウエハ外周縁との最大隙間は、ウエハがカセット奥壁に当たらないための隙間の量とウエハがカセット奥壁に接触して載置されていた場合のウエハと固定爪の隙間の和(=5mm程度)となる。このことは、ウエハがアーム表面と5mmの擦れ距離を生じさせ、その分の塵を発生させることを意味する。この他、アームが上昇する際に、可動爪とウエハの間でも擦れが発生する。
また、可動爪はカセット侵入時にウエハを押すことから、可動爪の背は高くなくてはならず、取り出すウエハに接近して侵入した場合など、アームがウエハ受け取るために上昇する際に、すぐ上のスロットのウエハを押し上げてしまうという恐れもある。
次に、特開平7−201947号公報の心出し精度を高めようとしたものに特開平11−220002号公報がある。特開平11−220002号公報は、二つの固定爪と一つの移動爪に加えて、可動爪を挟んで、ウエハ外周縁を押し、ウエハの心出しを助ける二つのローラを備えたアームを提案している。
このアームでは、二つのローラとカセットの奥壁の間にウエハを挟み込んでウエハの心出しを行なう。その後、アームが上昇してウエハを受け取り、二つの固定爪と一つの可動爪でウエハを把持する。
特開平11−220002号公報のアームでは、ウエハがカセット奥壁に当たるときのカセットの倒れを防止するために、可動爪にスプリングなどの弾性体を組み込み、ウエハを押し付ける力量、すなわち、カセットを押す力量を一定量より大きくならないようにしている。このため、カセットをしっかり固定しておく機構が必要である。また、多種あるカセットの奥壁の形状が一定ではないことや、カセットの素材が樹脂製であることから生じる変形などを考慮すると、高い心出し精度を得ることは難しい。
ウエハとカセットやアームとの擦れに関して述べると、ウエハをカセット奥までカセットの襞上を移動させること、ウエハを奥壁にぶつけること、ウエハが奥壁に当たり停止する位置が不安定なことから、アームの固定爪がウエハと干渉しないように、固定爪をカセット奥方向に深く挿入しなければならないこと(ウエハ受け取り時に、ウエハと固定爪間の距離が増大することから、ウエハとアーム表面の擦れ距離が長くなる)などから、特開平7−201947号公報よりも、塵の発生が大きい。
次に、爪の形状に関して、特開2002−134586号公報は、ウエハとの接触部がより少ない爪を提案している。この爪の形状は、カセットからウエハを受け取る際に接触するウエハ受け面がウエハ裏面に対して緩斜面となっていることと、ウエハを挟み込み固定するウエハ把持面が急斜面となっていることに特徴がある。
アームがウエハを受け取るとき、ウエハが何かの原因で、心出しがうまく行なわれないときなど、ウエハの外周縁が急斜面部に当たっても、ウエハはこの斜面に沿って落下し、ウエハ載置部の緩斜面に載置される効果と、緩斜面とウエハの当接部がウエハ下面エッジのみとなる効果と、ウエハをカセットに戻す際にウエハ外周縁と急斜面との間の擦れが発生しない効果と、ウエハの把持時にウエハの水平を保つ効果とがある。
この場合、アームのウエハ載置面の緩斜面とウエハをカセットに返す際の急斜面の効果は十分認められるものの、ウエハをカセットから受け取る際には問題がある。例えば、カセットが変わって、カセットの奥壁位置が変わると、ウエハ受け取り時に、ウエハがこの急斜面に引っかかってしまう場合がある。三つの爪の急斜面にウエハ外周縁が同時に当たる場合は、引っかかりも発生せず、心出しされた状態でウエハは緩斜面に載置されるが、ウエハの中心位置が上記の理由などにより、所定の位置に心出しされない場合など、二つまたは一つの爪の急斜面にのみ引っかかる場合がある。このとき、引っかからない爪の緩斜面では、ウエハ外周縁は緩斜面との間で摩擦が生じウエハが移動せず、引っかかった爪の急斜面でウエハが引っかかったままの状態が出現する。すなわち、三つの爪すべての緩斜面に着地しない場合が発生する。
一般的に、3ツ爪チャック方式では、カセット内でアームがウエハを受け取るときは、心出しができるように、ウエハのオリフラもノッチも三つの爪に当たらないような位置にあらかじめ整列しておかなければならない。何故なら、円周を三点で挟まない限り、求心できないからである。ただし、ノッチの場合は切り欠きが小さいので、三つの爪のウエハ外周当接部をノッチの幅より大きくすれば、ウエハの求心は可能である。特開平11−220002号公報では、ウエハの心出しにローラを使っているが、ローラの径がノッチ幅より十分大きければ、求心誤差は無視できる。
次に、ウエハ外周検出・真空チャック方式のアームについて述べる。ウエハ外周検出・真空チャック方式のアームはウエハの外周縁位置を検出するセンサーを備えており、検出されたウエハ外周縁位置からウエハの中心を算出し、この位置とアームのウエハ載置基準位置(アーム上に設定した、ウエハ中心が載せられるべき位置=設計値)が一致するようにアームを動かし、ウエハを載置し、真空吸着によりウエハを保持して搬出する。
特開平8−64654号公報はウエハ外周縁のカセット開口側の位置を三つの透過型センサーで検出するものを、特開平8−97269号公報は二つのセンサーで検出するものを、特開平9−82776号公報は一つまたは三つの反射センサーで検出するものを開示している。これらの先行技術の真の目的は、ウエハを次工程の装置のステージや精密センタリング用のテーブルに、±0.5mm程度の精度で載置するためのプリアライメントにある。
これらの先行技術では、カセットの中で、ウエハの搬送方向(X方向)とその垂直方向(Y方向)の中心位置を求めようとしていることから、一つのセンサーにオリフラやノッチがかかると、ウエハ中心の同定ができなくなり、同定できるまで、カセットに対するアームの侵入位置を変え、アームを侵入させる必要があり、タクトタイムが増大する。もちろん、オリフラなりノッチがこのセンサーにかからないように整列されていれば問題はないが、この当時の生産方式からすれば、IC製造の数十ある工程毎の検査では、作業者がウエハをカセットから真空ピンセットで取り出し、検査後も同ピンセットでカセットに収納することから、オリフラやノッチの整列は困難で、ランダムにオリフラが位置しているウエハの求心を如何に行なうかが、重要な目的である。
なお、これら三つの先行技術の求心アルゴリズムは基本的には同じであり、ウエハ外周の二点を結ぶ直線の垂直二等分線上に半径Rのウエハの中心があるとするもので、例えば、ウエハ外周三点を検出した場合、二点の組を三つ作り、中心を求めた上で、三つの中心位置が同じなら、真のウエハ中心とするものである。
また、これらの先行技術が提案された当時は、8インチ/6インチが生産の主流であって、IC製造に塵は禁物と言われても、実際にICパターンの刻印されないウエハ裏面とアームの接触は許され、ウエハ裏面を吸着して搬送する方式が標準的に使われていた。
逆に、メカチャックは真空雰囲気の工程以外では、ウエハに歪みを与えるとか、カセット内のウエハの隙間にアームを侵入させることから、アーム先端の背の高い固定爪が、ウエハに接触することが多いとの理由でほとんど使われていなかった。
ところが、12インチウエハが主流になりつつある現在、前述した線幅の微細化に伴う塵問題がクローズアップされ、ウエハの裏面さえアームと接触しないようにとの要望が出てきている。つまり、ウエハの外周縁を保持して搬送することが望まれている。従って、上記の三つの先行技術には、ウエハ裏面外周部を真空吸着しようとする意図は記述されていない。
幸い、ウエハが大型化したことにより、カセット内でのウエハ収納間隔は、6インチカセットの4.8mm、8インチカセットの6.4mmから、12インチカセットでは10mmまで広がってきた。また、フォスブやフープカセットではロボットがウエハをカセットに収納し、人が手でウエハに触ることもなくなり、ノッチのカセット内位置がカセット中心線上の開口側中心か奥側中心にほぼ整列されるようになった。
特開平7−201947号公報 特開平11−220002号公報 特開2002−134586号公報
3ツ爪メカチャック方式では、カセット内のウエハ位置決めは、アームがカセット内のウエハの隙間に侵入する際に、アーム根本側の爪がウエハを一定位置まで押し込んで行ない、アームが上昇しウエハを受け取った後に、アームを数mm後退させ、三つの爪でウエハを心出し把持して行なっている。
この場合、アームがウエハを載置するために上昇する位置をウエハがカセット奥壁に当たる寸前とし、さらにアーム上昇時にアーム先端側の爪とウエハが干渉しないように十分なウエハと爪の隙間をもたせる必要がある。
このため、ウエハを押し込む際にウエハとカセットウエハ載置襞との擦れが生じる。また、ウエハがアームに載置された後にウエハが三つの爪によって求心される際にウエハとアーム表面との擦れが生じる。また、カセット奥壁にウエハをあてて心出しする方式では、ウエハがカセット奥壁に衝突する際にウエハとカセット奥壁との擦れが生じる。この結果、塵が発生し、塵のウエハヘの付着が生じる。
ウエハ外周検出・真空チャック方式では、センサーにオリフラやノッチがかかると一回の外周検出では求心できない求心アルゴリズムを用いており、アームのカセットヘの侵入位置を変え、求心できるまで侵入を繰り返さなければならないため、タクトタイムがかかる。また、裏面中央部の吸着による塵の付着が生じるという不具合がある。当時、ウエハの裏面吸着は、裏面の任意の位置が許され、ウエハがアームから落下しにくい位置が吸着位置として選ばれた。しかし、この吸着位置は現代のウエハ搬送の要求に合致していない。
本発明は、このような実状を考慮して成されたものであり、その目的は、ウエハの擦れによる塵の発生が抑えられたウエハ搬送装置を提供することである。また、一回の動作でウエハを心出しして保持し得るウエハ搬送装置を提供することである。
本発明は、ひとつには、カセットに収納されているウエハを心出しして保持するためのウエハ搬送アーム(ウエハ搬送装置のアーム)に向けられている。ここで、ウエハは、方位決めや位置決めのための指標が外周縁に設けられている。本発明のウエハ搬送アームは、アーム本体と、アーム本体に設けられた少なくとも一つの可動爪を含む三つの爪と、三つの爪でウエハの外周縁を挟み込むことによってウエハを心出しして把持するために可動爪を移動させる可動爪駆動部と、カセットに収納されているウエハのカセット開口側外周縁の位置を検出するための少なくとも二つのセンサーとを備えている。二つのセンサーはウエハのノッチの幅よりも広い間隔を置いて配置されている。三つの爪はいずれもウエハの外周縁と接触するウエハ心出し把持面を有し、ウエハ心出し把持面の幅はいずれもウエハの指標の幅より広い。
本発明は、ひとつには、カセットに収納されているウエハを心出しして保持し、搬送するためのウエハ搬送装置に向けられている。ここで、ウエハは、方位決めや位置決めのための指標が外周縁に設けられている。本発明のウエハ搬送装置は、ウエハを心出しして保持するためのアームと、アームを移動させるための駆動機構とを備えている。アームは、アーム本体と、アーム本体に設けられた少なくとも一つの可動爪を含む三つの爪と、三つの爪でウエハの外周縁を挟み込むことによってウエハを心出しして把持するために可動爪を移動させる可動爪駆動部と、カセットに収納されているウエハのカセット開口側外周縁の位置を検出するための二つのセンサーとを有している。二つのセンサーはウエハの指標の幅よりも広い間隔を置いて配置されている。ウエハ搬送装置は、二つのセンサーによって検出されたデータに基づいてウエハ搬送方向のウエハ中心位置を算出し、算出したウエハ中心位置に基づいてアームをウエハ受け取り位置に移動・停止する。
本発明は、ひとつには、カセットに収納されているウエハを心出しして保持するためのウエハ搬送アーム(ウエハ搬送装置のアーム)に向けられている。ここで、ウエハは、方位決めや位置決めのための指標が外周縁に設けられていて、指標が位置合わせされてカセットに収納されている。本発明のウエハ搬送アームは、アーム本体と、アーム本体に設けられたウエハ裏面の外周縁近くを受ける少なくとも三つのウエハ受け部と、カセットに収納されているウエハのカセット開口側外周縁の位置を検出するための二つのセンサーとを備えている。二つのセンサーはウエハの指標の幅よりも広い間隔を置いて配置されている。ウエハ受け部の少なくとも一つは、ウエハの指標と合致しない位置に、ウエハを真空吸着して固定するための吸着口を有している。
本発明は、ひとつには、カセットに収納されているウエハを心出しして保持し、搬送するためのウエハ搬送装置に向けられている。ここで、ウエハは、方位決めや位置決めのための指標が外周縁に設けられていて、指標が位置合わせされてカセットに収納されている。本発明のウエハ搬送装置は、ウエハを心出しして保持するためのアームを備え、アームは、アーム本体と、アーム本体に設けられたウエハ裏面の外周縁近くを受ける少なくとも三つのウエハ受け部と、カセットに収納されているウエハの搬送方向のウエハ外周縁位置を検出するための二つのセンサーとを有し、二つのセンサーはウエハの指標の幅よりも広い間隔を置いて配置されており、ウエハ受け部の少なくとも一つは、ウエハの指標と合致しない位置に、ウエハを真空吸着して固定するための吸着口を有している。ウエハ搬送装置はさらに、アームを移動させるための駆動機構と、ウエハが搬出される搬送経路中に配置された、搬送方向に垂直な方向のウエハ外周縁位置を検出するためのセンサーとを備えている。ウエハ搬送装置は、二つのセンサーによって検出されたデータに基づいてウエハ搬送方向のウエハ中心位置を算出し、算出したウエハ中心位置に基づいてアームをウエハ受け取り位置に移動・停止する。さらにウエハ搬送装置は、ウエハの搬送方向のウエハ外周縁位置を検出するための二つのセンサーから算出されるウエハ搬送方向のウエハ中心位置と、搬送方向に垂直な方向のウエハ外周縁位置を検出するためのセンサーから得られる搬送方向に垂直な方向のウエハ中心位置とに基づいて、ウエハを載置台の所定位置に載置する。
本発明によれば、ウエハの擦れによる塵の発生が抑えられたウエハ搬送装置が提供される。また、一回の動作でウエハを心出しして保持し得るウエハ搬送装置が提供される。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
第一実施形態
本実施形態は、カセットに収納されているウエハを心出しして保持し、搬送するためのウエハ搬送装置、特にそのアーム(ウエハ搬送アーム)に向けられている。
図1は、本発明の第一実施形態によるウエハ搬送アームの平面図であり、ウエハの心出し終了時の状態を示している。図2は、図1に示されたウエハ搬送アームの可動爪周辺部を拡大して示す平面図である。図3は、図1に示されたウエハ搬送アームの可動爪周辺部の断面図である。図4は、図2に示されたIV−IVに沿った断面を示している。図5は、図1に示されたウエハ搬送アームのA−O−B線に沿った断面を示している。
続く説明のため、図1に示されるように、次のように座標系を設定する。搬送基準軸(カセット20内の所定位置に載置されたウエハ10の中心を通り、ウエハ10の搬送方向にひいた軸)に平行にX軸をとり、カセット20から離れる方向を+とする。また、搬送基準軸に垂直な軸に平行にY軸をとり、図1の上側を+とする。さらに、図1の紙面に垂直な軸に平行にZ軸をとり、図1の紙面の上方を+とする。
図1と図2に示されるように、ウエハ10は12インチウエハであり、方位決めや位置決めのための指標として、外周縁の一個所にV字状の溝すなわちノッチ12が設けられている。
図1において、カセット20は、フォスブカセットまたはフープカセットと呼ばれるカセットである。
フープカセットは、開口フタがオープナーと呼ばれる装置であけられるため、フープカセット内のウエハ10は、X軸方向およびY軸方向ともほぼ1mm程度に整列されている。さらに、ノッチ12の位置は、フープカセットの後方または前方に位置し、フープカセットのほぼ中心位置に対して±3度程度以内に整列されている。
フォスブカセットは、検査装置などのカセット台に載せる際に手でフタをあけて載せられることから、Y軸方向に±2mm程度、X軸方向に+5mm程度、所定の位置からずれることがある。ノッチ12の位置は、ウエハ10がフォスブカセット内で回転をしないことから、フォスブカセットの開口のほぼ中心位置に±3度程度で整列されている。
フォスブカセットにおいて、Y軸方向に±2mm程度のずれは、カセットウエハ載置部(ウエハスロットの襞部)の幅がウエハ径より4mmほど広いことに起因し、X軸方向に+5mm程度のずれは、検査装置などにはウエハ10の出っ張りセンサーが一般的に設けられており、5mm以上は警告が表示されるようになっていることを起因している。
図1に示されるように、ウエハ搬送アーム110は、アーム本体130と、アーム本体130の先端部に設けられた二つの固定爪140と、アーム本体130に対して±X方向に移動可能な一つの可動爪160と、ウエハ10の外周縁を光学的に検出するための二つのセンサー150とを備えている。
図1において、ウエハ搬送アーム110は、図示しないコントローラーからの指示に従って図示しない搬送ロボットなどの駆動機構によって、X軸(搬送基準軸)方向とY軸方向とZ軸方向とに移動可能となっている。言い換えれば、本実施形態によるウエハ搬送装置は、ウエハ搬送アーム110と、ウエハ搬送アーム110を移動させる搬送ロボットなどの駆動機構とを備えている。
図3に示されるように、可動爪160の裏側にはリニアガイドケース135が設けられている。リニアガイドケース135は、アーム本体130に固定されたリニアガイド136に沿って移動可能である。これにより、可動爪160はアーム本体130に対して±X方向に滑らかに移動可能になっている。
図2に示されるように、アーム本体130にはピン133が、可動爪160には係止穴166が設けられている。ピン133と係止穴166の間にはバネ134が配置され、バネ134は伸ばされていて、バネ134の両端部はそれぞれピン133と係止穴166に固定されている。これにより、バネ134は常に可動爪160を−X方向に移動させる力を可動爪160に与えている。モーター180はアーム本体130に固定されており、±X方向に移動可能な軸181を備えている。軸181は、可動爪160に設けられた溝部167を通って延びており、先端にはT型部材182が固定されている。溝部167のT型部材182の側には、緩衝リング183が設けられている。モーター180は、図示しないコントローラーからの指示により、軸181を+X方向に移動させることにより、バネ134の力に抗して可動爪160を+X方向に移動させることが可能になっている。
図4と図5に示されるように、センサー150は、上方に向いた発光受光窓151を有し、発光受光窓151を通して光を射出するとともに、ウエハ10からの反射光を取り込むことによってウエハ10の外周縁を検出する。センサー150はファイバー部が板132によって保持されている。
二つのセンサー150は、図1と図2に示されるように、搬送基準軸を挟んで、ノッチ12の幅より広い間隔を置いて配置されている。搬送基準軸の付近にセンサー150が置かれる理由は、ウエハ10がカセット20内で偏心していたとしても、ウエハ10の外周縁を測定する際に誤差がわずかしか発生しないからである。二つのセンサー150がノッチ12の幅より広い間隔を置いて配置されている理由は、このような配置であれば、センサー150の少なくとも一方は確実にウエハ10の外周縁を正しく検出するからである。そして、一般的には、最初に検出される側が正常なウエハ10の外周縁である。しかし、ウエハ10が偏心していると必ずしも先に検出した値が正常なウエハ10の外周縁でない場合がある。
図6は、ノッチがセンサーにかかる場合に発生する誤差を説明する概念図である。
図6では、二つのセンサー150は搬送基準軸から10mm離して配置されており、ウエハ10の偏心を2mmとして試算する。偏心していないウエハ10がセンサー150を通過した場合、ウエハ10の外周縁の検出値はウエハ10の最凸部から0.33mm遅れて(減算されての意)検出されるが、この値は、補正値として処理部にあらかじめ記憶されており、ウエハ10の外周縁の検出時にセンサー150による検出値に加算される。
ウエハ10が右側に2mm偏心している場合、偏心がない場合に比べて、偏心方向側すなわち右側のセンサー150は、0.11mm早く(+側)ウエハ10の外周縁を検出するので、真の値より0.11mm+側に外周縁があると判断する。これが、センサー150にノッチ12がかからないときの誤差である。
次に、センサー150にノッチ12がかかるときの誤差について述べる。
ウエハ10の中心が搬送基準軸上を搬送される場合、ノッチ12にかかる側のセンサー150によるウエハ10の外周縁検出は、ノッチ12がかからない側のセンサー150より必ず遅れるので、問題はない。しかし、図6に一点鎖線で示されるように、ウエハ10が右側に2mm偏心して搬送され、ノッチ12が右側のセンサー150にかかる場合、ウエハ10の外周縁検出点Pはノッチ12の角度に依存して点P1から点P2までの間に存在し、左側のセンサー150より先に右側のセンサー150がウエハ10の外周縁を検出するため、本来の位置よりウエハ10の内側をデータとして取り込む。このために誤差が発生する。
このとき、右側のセンサー150と左側のセンサー150が同時にウエハ10の外周縁を検出するときに、最大誤差を生じさせる。このとき、点P5はウエハ10の外周縁から0.48mm減算されて測定されるとともに0.33mmの補正値が加算される結果、真の値より−0.15mmして測定される。つまり、計算されるウエハ10の中心はX軸上で0.15mmカセット20の奥方向にずれる。
しかし、これら二つの値は、本実施形態において必要な精度に対して無視できる程度の値であるので、これらの誤差は問題とならない。
なお、本実施形態では、センサー150に反射型センサーで構成されているが、透過型センサーで構成されてもよい。昨今、光ファイバーを用いたセンサーは、径が2mm程度のロッド形状で、狭い場所にも設置できるサイドビュータイプのものが発売されている。例えば、オムロン社の型番E32−D24Rなどは、外径が2mmで、物体の検出可能距離が7mm程度である。このようなセンサーはアーム本体130の肉厚よりも薄いので、アーム本体130に設けた凹部131の中に埋め込むことにより、アーム本体130の表面から突出させることなく配置できる。
図1に示されるように、二つの固定爪140は、アーム本体130の先端部に搬送基準軸に対称に設けられており、ウエハ10の中心Oに向けられている。二つの固定爪140は可動爪160と共働してウエハ10を把持するとともに心出しを行なう。ウエハ10が偏心すると、ウエハ搬送アーム110のウエハ受け取り位置でのウエハ10の外周縁と爪(固定爪140と可動爪160)との距離が変化するので、すべての爪(固定爪140と可動爪160)は搬送基準軸から30度以内に配置されるとよく、また、ウエハ10の心出し効果を考えると15度以上に配置されるとよい。ウエハ心出し把持面の幅は、すべての爪(固定爪140と可動爪160)において、ノッチ12の幅より大きく、例えば10mmから20mm程度である。また、図7に示されるように、ウエハ10の外周縁が爪のウエハ心出し把持面の全面に当たらないように凹部が設けられてもよい。
図5に示されるように、固定爪140は、カセット20からウエハ10を受けるためのウエハ受け面141と、ウエハ10を把持して心出しするためのウエハ心出し把持面142とを有している。同様に、可動爪160は、カセット20からウエハ10を受けるためのウエハ受け面161と、ウエハ10を把持して心出しするためのウエハ心出し把持面162とを有している。
ウエハ受け面141とウエハ受け面161はいずれも、同一の角度θ1(5度〜20度程度)をもった緩い円錐面の一部で構成されている。可動爪160のウエハ受け面161の幅は、ウエハ10を安定に支持するため、固定爪140のウエハ受け面141の幅より広く、例えば30mm〜50mm程度となっている。
ウエハ心出し把持面142とウエハ心出し把持面162の幅はいずれも、ウエハ10のノッチ12の幅よりも広い。またウエハ心出し把持面142とウエハ心出し把持面162はいずれも、ウエハ10の径に等しい径をもち、その中心軸がウエハ10の主面に垂直な円筒面の一部で構成されている。この構造は、爪(固定爪140と可動爪160)がウエハ10を挟み込んだときに、ウエハ10を滑らかに動かして心出しするとともに、ウエハ10を傾きなく把持することを可能にする。また、ウエハ10と接触する部位が三個所となり塵の防止に有利である。
可動爪160はさらに、ウエハ搬送アーム110がウエハ10を受け取るために上昇した際にすぐ上のスロットのウエハ10を押し上げないための逃げ163を有している。逃げ163は、固定爪140と同じ高さで、長さLは10mm〜15mm程度である。アーム本体130と固定爪140の合計の高さは5mm程度で、12インチカセットのウエハ10とウエハ10の間に入り込むには十分に薄い。
なお、本実施形態では、二つの固定爪と一つの可動爪をもつタイプの3ツ爪チャックを例示しているが、3ツ爪チャックは一つの固定爪と二つの可動爪をもつタイプであってもよい。また、ウエハ外周縁に当接する爪の部分の幅が十分に広ければ、一つの固定爪と一つの可動爪をもつタイプも実質的に3ツ爪チャックの範中に含まれる。
ウエハ心出し把持の手順
まず、ウエハ搬送アーム110があらかじめ記憶されたカセット内のウエハ10とウエハ10の隙間のほぼ中間位置にコントローラーからの指示に従い挿入される。このとき、二つのセンサー150はウエハ10のカセット開口側のウエハ外周縁位置を検出する。そして、ウエハ径を300mmとして、この検出位置から300mm先にウエハ10のカセット奥側外周縁があり、150mm先にウエハ10のX方向中心があるとする。そして、X方向に関して、爪(固定爪140と可動爪160)の内接円の中心とウエハ10の中心とを合致させてウエハ搬送アーム110は停止する。
図8は、ウエハと固定爪とカセット奥壁の位置関係を示している。ウエハ搬送アーム110は、検出されたウエハ10の外周縁と開放状態にある可動爪160のウエハ心出し把持面162との距離L1を2mm程度として停止する。このとき、固定爪140のウエハ心出し把持面142とウエハ10の外周縁との間の距離L2は2mm程度である。なお、ウエハ10の外周縁とカセット奥壁24との間の距離L3は、ウエハ10のカセット内の初期位置によって様々な値をとる。
このような状態で、ウエハ搬送アーム110は上昇し、ウエハ10をカセット20からウエハ搬送アーム110に移し替える。このとき、ウエハ10は、爪(固定爪140と可動爪160)に干渉することなく、確実に爪(固定爪140と可動爪160)の緩斜面(ウエハ受け面141とウエハ受け面161)上に載置される。そして、ウエハ搬送アーム110をカセット20の開口側に5mmほど移動(後退)させ、その後、可動爪160を固定爪140の側に動かしウエハ10を挟み込み心出ししてウエハ搬送アーム110に固定する。このとき、ウエハ10は可動爪160によって押され、緩斜面(ウエハ受け面141とウエハ受け面161)上を相対的に移動し、最終的に緩斜面(ウエハ受け面141とウエハ受け面161)と直角面(ウエハ心出し把持面142とウエハ心出し把持面162)の交わる位置で心出しされ把持される。この後、ウエハ10はカセット外に搬出される。
ここで、ウエハ搬送アーム110を5mmほど後退させるのは、ウエハ10がカセット奥壁24に当たっている場合など、開口側に移動させておかないと、可動爪160がウエハ10を押したときにウエハ10がカセット20を押し倒すおそれがあるからである。
これまでの説明から分かるように、本実施形態によれば、センサー150にノッチ12がかかる場合でも、誤差の少ないウエハ10のX方向の求心が一回の動作で可能であり、ウエハ10に対するウエハ搬送アーム110のウエハ受け取り位置を正確に制御できるため、ウエハ10が爪(固定爪140と可動爪160)に乗り上げたり、爪(固定爪140と可動爪160)の急斜面に擦れ落ちることがなくなる。また、ウエハ10とカセット襞の擦れはなく、ウエハ10とウエハ搬送アーム110の擦れは2mmと小さくできるので、塵の発生が良好に抑えられ、従ってウエハ10へ塵の付着も良好に抑えられる。さらに、ウエハ10のカセット奥壁24への衝突もないので、カセット20の倒れも発生しない。
第二実施形態
図9は、本発明の第二実施形態によるウエハ搬送装置の構成を概略的に示している。図10は、図9に示されたウエハ搬送アームのセンサー周辺部の断面図である。
本実施形態の説明においても、図9に示されるように、座標系は第一実施形態と同様に設定されている。
本実施形態のウエハ搬送装置200は、図9に示されるように、ウエハ10を心出しして保持するためのウエハ搬送アーム210と、ウエハ搬送アーム210を移動させるための図示しないロボットなどからなる駆動機構と、ウエハ10がカセット20から搬送基準軸に沿って搬出される際に搬送方向に垂直な方向のウエハ外周縁位置を検出するためのセンサー260とを備えている。
ウエハ搬送アーム210は、アーム本体230と、ウエハ10の裏面の外周縁を真空吸着するための二つの吸着パッド240と、ウエハ10の載置時の安定を図るための二つの補助パッド232と、カセット20に収納されているウエハ10のカセット開口側外周縁の位置を検出するための二つのセンサー250とを備えている。
吸着パッド240と補助パッド232はいずれもアーム本体230に設けられており、ウエハ10の外周縁から4mm以内の部分に接触するように配置されている。二つの吸着パッド240はウエハ10の搬送基準軸上に配置されている。補助パッド232は吸着パッド240と同じ高さで、アーム本体230の先端部に搬送基準軸から離れて配置されている。吸着パッド240は、それぞれ、ウエハ10を真空吸着して固定するための二つの吸着口242を有している。吸着口242は、ウエハ10のノッチ12と合致しない位置に配置されている。吸着口242はいずれもアーム本体230に設けられた真空通路244に連絡されている。真空通路244は、アーム本体230の下面に溝を設け、アーム本体230の下面に接着板248を貼り付けることによって形成されている。真空通路244は図示しないポンプに連絡されている。
一般的に、ウエハ10の外周縁から5mm程度以内の部分は、IC製品として使用されないことから、裏面を吸着してもよいとされる部分である。吸着パッド240と補助パッド232は、ウエハ10がカセット20内で偏心していた場合を想定して、ウエハ10がウエハ搬送アーム210に載せられたとき、ウエハ10の裏面の外周縁から4mm以内の部分に接触するように配置されている。
吸着パッド240は、厚さ0.5mm、円弧長さ40mm程度、幅4mmであり、その内側に二つの吸着口242が設けられている。二つの吸着口242は15mm程度離れており、それぞれ、幅1mm、長さ10mm程度である。二つの吸着口242が15mm離れているのは、このあたりにノッチ12が整列されているからで、角度にすると3度程度である。ノッチ12はカセット20の開口中心付近に精度良く整列されているので、二つの吸着口242がこの程度離れていれば、吸着口242とノッチ12が合致することはない。
補助パッド232は、厚さは吸着パッド240と同じで、径5mm程度の大きさで、搬送基準軸から50mm程度離れた位置に貼り付けられている。ウエハ10が2mm程度偏心していると、この位置ではウエハ10の外周縁は±1mm程度X軸方向に変化するので、ウエハ10の外周縁から5mmより内側に入り込まないように、外側に貼り付けられている。
二つのセンサー250は、図9に示されるように、ウエハ10のノッチ12の幅よりも広い間隔を置いて配置されている。センサー250はいずれも、アーム本体230に取り付けられている。センサー250は透過型ファイバーセンサーからなり、図10に示されるように、発光部252と受光部254とを備えている。発光部252は発光窓253を有し、受光部254は受光窓255を有し、発光窓253と受光窓255は互いに向き合っている。発光部252と受光部254は、ファイバー止め256によって、Z軸方向に所定の間隔をおいてアーム本体230に取り付けられている。受光部254は、アーム本体230の厚さより径が小さく、アーム本体230に設けられた凹部234の中に、アーム本体230の上面から上に突出することなく、配置されている。
心出し搬送手順
ウエハ搬送アーム210は、コントローラーからに指示に従い、カセット20内のウエハ10とウエハ10の中間位置に侵入し、センサー250がウエハ10のカセット開口側外周縁を検出してX方向の中心を求め停止する。このとき、第一実施形態と同様に、最初に検出する外周縁を求心に用いる外周縁とする。その後、このデータに基づき、ウエハ搬送アーム210はカセット開口側に後退し、ウエハ10の外周縁近くと吸着パッド240とが合致する位置で停止する。このとき、二つのセンサー250は、ウエハ10の外周縁から十分外側に逃げて位置する。この理由は、ウエハ搬送アーム210がウエハ10を受け取るために上昇するとき、取り出そうとするウエハ10のすぐ上のスロットにあるウエハ10と干渉しないようにするためである。この後、ウエハ搬送アーム210は上昇し、ウエハ10を受け取り停止した後、吸着を開始してウエハ10を固定し、ウエハ10をカセット20の外に搬送基準軸に沿って搬出する。
この搬送経路中に、Y方向のウエハ外周縁位置を検出する一つのセンサー260が配置されている。このセンサー260によって、ウエハ10のY軸方向の偏心量が求められる。もちろん、Y方向の両側の外周縁を測定して平均化するのもよい。
ウエハ搬送アーム210はセンサー260を通過した後、カセット内で求めたX方向のウエハ中心位置に基づいてウエハ載置台270上に停止し、さらにセンサー260で求められたY軸方向の偏心量(言い換えればY方向のウエハ中心位置)に基づいてY軸方向に移動する。その後、ウエハ搬送アーム210は降下してウエハ10をウエハ載置台270に載置する。
このように、本実施形態によれば、第一実施形態と同様に、センサー250にノッチ12がかかる場合でも、誤差の少ないウエハ10のX方向の求心が一回の動作で可能である。さらに、センサー260によってウエハ10のY方向の求心が可能であるため、次工程のウエハ載置台270にウエハ10を良好に位置決めして載置するができる。また、ウエハ裏面とアームの間の擦れがないため、塵の発生が良好に抑えられ、従ってウエハ10へ塵の付着も良好に抑えられる。
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
ウエハの外周縁位置を検出するためのセンサーは、第一実施形態では反射型センサーで構成されており第二実施形態では透過型センサーで構成されているように、透過型センサーと反射型センサーのいずれで構成されてもよい。反射型センサーはウエハ10の外周縁の面取りによる誤差を生じるので、検出精度の点では透過型センサーの方が好ましい。一方、透過型センサーは、ウエハ10を挟むようにしてウエハ10の外周縁を検出するため、ウエハ10の収納ピッチ(すなわちスロットのピッチ)が小さいカセット20に対しては配置が難しい。
本発明の第一実施形態によるウエハ搬送アームの平面図であり、ウエハの心出し終了時の状態を示している。 図1に示されたウエハ搬送アームの可動爪周辺部を拡大して示す平面図である。 図1に示されたウエハ搬送アームの可動爪周辺部の断面図である。 図2に示されたIV−IVに沿った断面を示している。 図1に示されたウエハ搬送アームのA−O−B線に沿った断面を示している。 ノッチがセンサーにかかる場合に発生する誤差を説明する概念図である。 図1〜図5に示された爪に代えて適用可能な別の爪の形状を示している。 ウエハと固定爪とカセット奥壁の位置関係を示している。 本発明の第二実施形態によるウエハ搬送装置の構成を概略的に示している。 図9に示されたウエハ搬送アームのセンサー周辺部の断面図である。
符号の説明
10…ウエハ、12…ノッチ、20…カセット、24…カセット奥壁、110…ウエハ搬送アーム、130…アーム本体、131…凹部、132…板、133…ピン、134…バネ、135…リニアガイドケース、136…リニアガイド、140…固定爪、141…ウエハ受け面、142…ウエハ心出し把持面、150…センサー、151…発光受光窓、160…可動爪、161…ウエハ受け面、162…ウエハ心出し把持面、166…係止穴、167…溝部、180…モーター、181…軸、182…T型部材、183…緩衝リング、200…ウエハ搬送装置、210…ウエハ搬送アーム、230…アーム本体、232…補助パッド、234…凹部、240…吸着パッド、242…吸着口、244…真空通路、248…接着板、250…センサー、252…発光部、254…受光部、260…センサー、270…ウエハ載置台。

Claims (6)

  1. カセットに収納されているウエハを心出しして保持するためのウエハ搬送アームであり、ウエハは、方位決めや位置決めのための指標が外周縁に設けられており、ウエハ搬送アームは、
    アーム本体と、
    アーム本体に設けられた少なくとも一つの可動爪を含む三つの爪と、
    三つの爪でウエハの外周縁を挟み込むことによってウエハを心出しして把持するために可動爪を移動させる可動爪駆動部と、
    カセットに収納されているウエハのカセット開口側外周縁の位置を検出するための少なくとも二つのセンサーとを備え、
    二つのセンサーはウエハのノッチの幅よりも広い間隔を置いて配置されており、
    三つの爪はいずれもウエハの外周縁と接触するウエハ心出し把持面を有し、ウエハ心出し把持面の幅はいずれもウエハの指標の幅より広い、ウエハ搬送アーム。
  2. 請求項1において、三つの爪のウエハ心出し把持面はいずれも、ウエハの径と同じ径の円筒面の一部で構成されている、ウエハ搬送アーム。
  3. 請求項1において、三つの爪はいずれもウエハを受けるためのウエハ受け面を有し、ウエハ受け面は、ウエハ裏面に対する傾斜面であり、ウエハ心出し把持面を構成するウエハの径と同じ径の円筒面と同心の円錐面の一部で構成されている、ウエハ搬送アーム。
  4. カセットに収納されているウエハを心出しして保持し、搬送するためのウエハ搬送装置であり、ウエハは、方位決めや位置決めのための指標が外周縁に設けられており、ウエハ搬送装置は、
    ウエハを心出しして保持するためのアームであって、アーム本体と、アーム本体に設けられた少なくとも一つの可動爪を含む三つの爪と、三つの爪でウエハの外周縁を挟み込むことによってウエハを心出しして把持するために可動爪を移動させる可動爪駆動部と、カセットに収納されているウエハのカセット開口側外周縁の位置を検出するための二つのセンサーとを有し、二つのセンサーはウエハの指標の幅よりも広い間隔を置いて配置されている、アームと、
    アームを移動させるための駆動機構とを備えており、
    二つのセンサーによって検出されたデータに基づいてウエハ搬送方向のウエハ中心位置を算出し、算出したウエハ中心位置に基づいてアームをウエハ受け取り位置に移動・停止する、ウエハ搬送装置。
  5. カセットに収納されているウエハを心出しして保持するためのウエハ搬送アームであり、ウエハは、方位決めや位置決めのための指標が外周縁に設けられていて、指標が位置合わせされてカセットに収納されており、ウエハ搬送アームは、
    アーム本体と、
    アーム本体に設けられたウエハ裏面の外周縁近くを受ける少なくとも三つのウエハ受け部と、
    カセットに収納されているウエハのカセット開口側外周縁の位置を検出するための二つのセンサーとを備えており、
    二つのセンサーはウエハの指標の幅よりも広い間隔を置いて配置されており、
    ウエハ受け部の少なくとも一つは、ウエハの指標と合致しない位置に、ウエハを真空吸着して固定するための吸着口を有している、ウエハ搬送アーム。
  6. カセットに収納されているウエハを心出しして保持し、搬送するためのウエハ搬送装置であり、ウエハは、方位決めや位置決めのための指標が外周縁に設けられていて、指標が位置合わせされてカセットに収納されており、ウエハ搬送装置は、
    ウエハを心出しして保持するためのアームであって、アーム本体と、アーム本体に設けられたウエハ裏面の外周縁近くを受ける少なくとも三つのウエハ受け部と、カセットに収納されているウエハの搬送方向のウエハ外周縁位置を検出するための二つのセンサーとを有し、二つのセンサーはウエハの指標の幅よりも広い間隔を置いて配置されており、ウエハ受け部の少なくとも一つは、ウエハの指標と合致しない位置に、ウエハを真空吸着して固定するための吸着口を有している、アームと、
    アームを移動させるための駆動機構と、
    ウエハが搬出される搬送経路中に配置された、搬送方向に垂直な方向のウエハ外周縁位置を検出するためのセンサーとを備えており、
    二つのセンサーによって検出されたデータに基づいてウエハ搬送方向のウエハ中心位置を算出し、算出したウエハ中心位置に基づいてアームをウエハ受け取り位置に移動・停止し、
    ウエハの搬送方向のウエハ外周縁位置を検出するための二つのセンサーから算出されるウエハ搬送方向のウエハ中心位置と、搬送方向に垂直な方向のウエハ外周縁位置を検出するためのセンサーから得られる搬送方向に垂直な方向のウエハ中心位置とに基づいて、ウエハを載置台の所定位置に載置する、ウエハ搬送装置。
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