JPWO2007116959A1 - マイクロニードルデバイスおよびマイクロニードル付き経皮薬物投与装置 - Google Patents

マイクロニードルデバイスおよびマイクロニードル付き経皮薬物投与装置 Download PDF

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Abstract

低分子活性化合物においても有効で薬物効果を長時間持続させることができるコーティングを有するマイクロニードルデバイスおよびマイクロニードル付き経皮薬物投与装置を提供する。マイクロニードルデバイス(5)は、マイクロニードル基板(8)上に皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードル(6)を備え、マイクロニードル(6)および/またはマイクロニードル基板(8)の一部又は全面がポリビニルアルコールを包含するコーティング担体が固着した状態でコーティングされている。ここで、ポリビニルアルコールはけん化度が94.5mol%以上であることが好ましい。また、コーティング担体は薬物を包含することができる。

Description

本発明は、皮膚を介して薬物を投与するための、基板上に皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードルデバイスおよびマイクロニードル付き経皮薬物投与装置に関するものである。
従来から薬物を含有した貼付剤を皮膚に貼り、この貼付剤から薬物を皮膚に浸透させることにより薬物を投与する方法が一般的に行われている。一方、皮膚や粘膜に対して薬物の吸収を促進する方法として、イオントフォレーシス(Journal of Pharmaceutical Sciences,76巻,341ページ,1987年)やエレクトロポレーション(特表平3−502416号公報、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90巻,10504−10508ページ,1993年)等のように電気的なエネルギーを用いた投与方法が開発されている。イオントフォレーシスおよびエレクトロポレーションは、ともに経皮または経粘膜により薬物の吸収を促進する方法として、その利用が期待されている。
一方、経皮医薬品の放出前に皮膚に機械的に孔をあけることにより経皮流動を高めるための装置として、マイクロニードルを備えた装置が、例えば特表2000−512529号公報(特許文献1)により知られている。この種の技術は、特に最近、痛みの軽減、皮膚透過性の向上の進歩により特に興味深いものとなっている。この装置は、複数個の開口部を有しているシートと、それと一体であるとともにそれから下方に延在している複数個のマイクロブレードと、前記装置を体表面に係留するための手段とを有している。この場合、医薬品溜めの製剤形態は例えば粘性のあるゲルである。また、特表2004−501724号公報(特許文献2)では、ホルモン物質の経皮送達手段として多数の少ゲージニードルの長さを約300μm〜2mm、ニードルが挿入される深さを約250μm〜2mmと規定することで痛みの軽減とホルモン物質の確実な送達を達成させている。
また、最近の進歩として、特開2003−238347号公報(特許文献3)では、主成分素材が生体内において溶解、消失する糖質からなる柱状パイルを基板に設けることで、皮膚角質層内に到達する経路を設けて機能性物質を、無痛状態にて、簡便に、安全に、効率的に角質層に限定して挿入することが可能な機能性マイクロパイルが提案されている。また、特開2004−65775号公報(特許文献4)には、針状構造体の針部の貫通可能な薄膜フィルムが、針状構造体の針先側に存在し、該薄膜フィルムの表面に粘着剤が塗布されている針状構造体を備えたデバイスが開示されている。
さらに、最近ではマイクロニードルのコーティング技術も様々に進んできている。特表2004−504120(特許文献5)では、皮膚を通してワクチンを接種するためのデバイスとして皮膚穿刺部材がリザーバー媒体でコーティングされ或いはリザーバー媒体自体からなるマイクロニードルを備えたインターフェイスが開示されている。そのリザーバー媒体は、生分解して溶け出し中の薬剤を放出しやすい糖類(ラクトース、ラフィノース、トレハロースもしくはスクロース)が好ましいことが報告されている。また、特表2004−528900号公報(特許文献6)には、ワクチン等の経皮投与に用いる微小突起アレイのコーティング担体が、ヒトアルブミン、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、ポリヒスチジン、ペントサンポリ硫酸およびポリアミノ酸より選ばれる旨の記載がある。このコーティング担体もまた、皮膚貫通に際して迅速に溶解され、それにより有益な作用物質を放出するものである。さらにまた、WO2005/016440(特許文献7)には、ヒドロキシメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシドなどの高分子を含むコーティング担体が開示されていて、その粘度が3〜500cpsの流動性のある担体のため、針の表面を工夫することで自動的に針先にコーティング担体がコーティングされる。このためコーティング作業そのものが要らず、さらに作用時間を長くできる旨記載されている。しかし、この場合コーティング担体は強制的に皮膚を貫通するためその制御は難しく、その実用性については疑問が持たれる。
上述のように針状構造体のマイクロニードルに薬物或いはコーティング剤を塗布する方法は、薬物投与量が極小量に制限されるためワクチン等の微量投与に用いられることが多かった。特に、一般的にある程度のまとまった量を生体内に投与しないと作用の現れない低分子活性化合物においては、これまでのようなコーティング担体では皮膚貫通に際して溶解状態にあるため、有益な薬物が一気に流れ出してしまい有効な薬効を長時間持続させて発現させることができなかった。そのため低分子化合物には、コーティング技術は向かないとこれまで考えられていた。
特表2000−512529号公報 特表2004−501724号公報 特開2003−238347号公報 特開2004−65775号公報 特表2004−504120号公報 特表2004−528900号公報 WO2005/016440
従って本発明の目的は、低分子活性化合物においても有効で薬物効果を長時間持続させることができるコーティングを有するマイクロニードルデバイスおよびマイクロニードル付き経皮薬物投与装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、マイクロニードルのコーティング担体として種々の水溶性ポリマーを検討した結果、ポリビニルアルコール、そのうちでも特にけん化度が94.5mol%以上のものにコーティング特性が高く、薬物の皮膚透過性も他の水溶性高分子に比べ良好であることを見出し、発明を完成した。
また、この時ポリビニルアルコールのけん化度が94.5mol%以上であるコーティング担体は、対象物に固着後は水溶液中でも溶けることなくその薄膜形状を維持したことから、これまで知られた溶解性の薬物放出コーティング担体とは明らかに違い、薬物担体としての機能だけでなく、マイクロニードルインターフェイス(マイクロニードルデバイス)を介した薬物の透過経路としての役割があることが明らかとなった。
すなわち本発明に係るマイクロニードルデバイスは、基板上に皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルを備え、前記マイクロニードルおよび/または前記基板の一部又は全面がポリビニルアルコールを包含するコーティング担体が固着した状態でコーティングされているものである。ここで、前記コーティング担体は、経皮適用後も完全に溶解することがなく固着した状態を保つことが好ましい。また、前記ポリビニルアルコールは、けん化度が94.5mol%以上であることが好ましい。前記コーティング担体は薬物を包含することができる。
また本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置は、基板上に皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードルデバイスを有し、前記マイクロニードルおよび/または前記基板の一部又は全面がポリビニルアルコールおよび薬物を包含するコーティング担体が固着した状態でコーティングされているものである。ここで、前記マイクロニードルデバイスの上部に薬物溶液または薬物溶解用の溶解液を収納した溶解液溜めを備えることができる。
さらに本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置は、基板上に皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードルデバイスと、前記マイクロニードルデバイスの上部に設けられた薬物を保持する薬物保持部とを有し、前記マイクロニードルおよび/または前記基板の一部又は全面がポリビニルアルコールを包含するコーティング担体が固着した状態でコーティングされているものである。ここで、前記薬物保持部の上部に薬物溶液または薬物溶解用の溶解液を収納した溶解液溜めを備えることができる。さらに、外部から電気的エネルギーを供給するための電極を備えることができ、また、外部から音波振動エネルギーを供給するための音波振動子を備えることができる。前記ポリビニルアルコールは、けん化度が94.5mol%以上であることが好ましい。
また本発明に係るマイクロニードルデバイスのコーティング方法は、基板上に皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルを備え、前記マイクロニードルおよび/または基板の一部または全面にポリビニルアルコールを包含するコーティング担体をコーティングする工程と、前記コーティング担体を乾燥させ固着する工程とを含むものである。ここで、前記コーティング担体は薬物を包含することができる。また、前記コーティング担体の固着前の前記ポリビニルアルコールの粘度は1〜60,000cpsであり、かつその平均重合度は200〜3500であることが好ましい。
本発明によれば、マイクロニードルデバイスを用いた生理活性物質(薬物)の経皮投与時にマイクロニードルにポリビニルアルコールを含むコーティング担体をコーティングすることで、これまで難しいと思われてきた低分子の生理活性物質(薬物)においても良好な皮膚透過性と効果持続性を示すマイクロニードルデバイスおよびマイクロニードル付き経皮薬物投与装置を得ることができる。
本発明に係るマイクロニードルデバイスの一例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−B断面図、(c)および(d)はそれぞれ別の例を示すA−B断面図である。 本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の一例を示す図である。 本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の例を示す図である。 本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の例を示す図である。 実施例1の測定結果を示すグラフである。 実施例2の測定結果を示すグラフである。 実施例3の測定結果を示すグラフである。 実施例4の測定結果を示すグラフである。 実施例5の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
1 コーティング
5、50 マイクロニードルデバイス
6、51 マイクロニードル
7、52 開口部(溶液通路)
8、53 マイクロニードル基板
10 薬物
11 吸収材
12 粘着層
13 壁材
14 開口
15 支持体
16溶解液
17 突起部
18溶解液溜め
20隔膜
31吸収材
32薬物保持材
41パッド部
図1は本発明に係るマイクロニードルデバイスの一例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のA−B断面図、(c)および(d)はそれぞれ別の例を示すA−B断面図である。図1(a)に示すように、本発明に係るマイクロニードルデバイス(インターフェイス)5は、マイクロニードル基板8と、皮膚又は粘膜を穿孔可能な二次元状に配置された複数のマイクロニードル6とを有する。マイクロニードル基板8は、各マイクロニードル6に対応して配置された複数の開口部7を備える。本例では、マイクロニードル6の形状は円錐状であるが、本発明はこれに限定されず、四角錐等の多角錐でもよく、また別の形状でもよい。また、複数のマイクロニードル6と複数の開口部7とが交互にそれぞれ正方格子状に配置されているが、本発明はこれに限定されない。さらに、マイクロニードル6と開口部7の数は図では1:1であるが、本発明はこれに限定されることなく、開口部7を含まないものも含む。
本発明では、マイクロニードル6および/または基板8の一部又は全面(開口部7の内面を含む)がポリビニルアルコールを包含するコーティング担体が固着した状態でコーティングされている。なお、本発明に係るマイクロニードルデバイスは、薬物投与を目的として限定されるものではないが、本例では、さらに薬物をコーティング担体に包含させることもできる。また、薬物をコーティング担体に包含させることなく、別の手段でマイクロニードルデバイスに供給することもできる。コーティング1は、例えば、図1(b)に示すように、各マイクロニードル6の表面に配置される。このコーティング1は、マイクロニードル6の全体でなくその一部に配置することもできる。また、図1(c)に示すように、基板8の一部(開口部7の内面を含む)にコーティング1を配置することができる。さらに、図1(d)に示すように、基板8の全面(開口部7の内面を含む)にコーティング1を配置することができる。図示はしないが、開口部7の内面にはコーティング1を配置しないこともできる。用時に、図1(a)に示すマイクロニードル6の配置されたマイクロニードル基板面を皮膚に押し当て、その反対面から薬物の溶解液または薬物含有の液体を流すと、各開口部7から液体が流れ出て各マイクロニードル6に伝達され、薬物が経皮吸収される。ここで、開口部7は必須ではなく、液体は開口部7を用いることなく別の手段でマイクロニードル6に供給してもよい。
マイクロニードル(針部)は微小構造であり、マイクロニードルのサイズ(高さ)は、好ましくは50μm〜1000μm、更に好ましくは、50μm〜500μmである。ここで、マイクロニードルとは、凸状構造物であって広い意味での針形状又は針形状を含む構造物を意味するが、単純な針形状のものに限定されるものではない。また、先の尖っていない形状もあるため、マイクロニードルとは、先鋭な先端を有するものに限定されるものではない。基板はマイクロニードル(針部)を支持するための土台であり、その形態は限定されるものではない。マイクロニードルの材質としては、シリコン、二酸化ケイ素、セラミック、金属(ステンレス、チタン、ニッケル、モリブテン、クロム、コバルト等)及びプラスチック、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、それらの共重合体等が挙げられる。マイクロニードルの製法としては、シリコン基板を用いたウエットエッチング加工又はドライエッチング加工、金属又はプラスチックを用いた精密機械加工(放電加工、レーザー加工、ダイシング加工等)、機械切削加工、射出成形、エンボス加工等が挙げられる。これらの加工法により、マイクロニードルと基板は、一体に成型することができる。マイクロニードルは中空にすることができ、中空にする方法としては、マイクロニードルを作製後、レーザー加工等で2次加工する方法が挙げられる。
本発明に用いられるマイクロニードルのコーティング担体は、ポリビニルアルコールを含有し、そのけん化度は、78〜100mol%である。特に、けん化度94.5mol%以上のものが好ましく、特にまた、けん化度の高い完全けん化物グレードがさらに好ましく、完全けん化物グレード、例えばPVA−117(株式会社クラレ)の場合、そのけん化度は97mol%以上である。また、ポリビニルアルコールの平均重合度は、200〜3500が好ましく、さらに好ましくは、1000〜2000である。特に平均重合度500未満のポリビニルアルコール場合には、透過量が落ちる傾向にある。
コーティング担体中のポリビニルアルコール含量は、1〜20重量%であり、特に3〜8重量%が好ましい。また、このコーティング担体は、液だれすることのないようある程度の粘性が必要であり、粘度として1〜60,000cps程度必要である。より好ましい粘度は、30〜30,000cpsであり、更に粘度が100〜20,000cpsであると最も好ましい。
また、コーティングの平均の厚さは、50μm未満、および最も好ましくは25μm未満、例えば0.1〜10μmである。一般に、コーティングの厚さは、乾燥後にマイクロニードルの表面にわたって測定される平均の厚さである。コーティングの厚さは、一般に、コーティング担体の複数の被膜を適応することにより増大させることができ、被膜を連続する被覆の間に乾燥させることで形成することができる。コーティングは既知の方法を使用してマイクロニードルの表面に塗布し、乾燥させることで形成する。またコーティングは、マイクロニードルの針状構造体の中空路内面、マイクロニードル基板の下面、側面、上面、あるいは基板に形成した開口部内面に塗布することも可能である。
本発明に用いられる生理活性物質(薬物)は、低分子化合物であるが特に限定されることはない。低分子とは、目安として分子量1000以下であり、特に分子量100〜800の化合物が適当である。この薬物には、低分子であること以外特にその種に限定されない。例えば、催眠・鎮静剤(塩酸フルラゼパム、塩酸リルマザホン、フェノバルビタール、アモバルビタール等)、解熱消炎鎮痛剤(酒石酸ブトルファノール、クエン酸ペリソキサール、アセトアミノフェン、メフェナム酸、ジクロフェナックナトリウム、アスピリン、アルクロフェナク、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカム、ペンタゾシン、インドメタシン、サリチル酸グリコール、アミノピリン、ロキソプロフェン等)、ステロイド系抗炎症剤(ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン等)、興奮・覚醒剤(塩酸メタンフェタミン、塩酸メチルフェニデート等)、精神神経用剤(塩酸イミプラン、ジアゼパム、塩酸セルトラリン、マレイン酸フルボキサミン、塩酸パロキセチン、臭化水素酸シタロプラム、塩酸フルオキセチン、アルプラゾラム、ハロペリドール、クロミプラミン、アミトリプチリン、デシプラミン、アモクサピン、マプロチリン、ミアンセリン、セチプチリン、トラザドン、ロヘプラミン、ミルナシプラン、デュロキセチン、ベンラフェキシン、塩酸クロルプロマジン、チオリダジン、ジアゼパム、メプロバメート、エチゾラム等)、ホルモン剤(エストラジオール、エストリオール、プロゲステロン、酢酸ノルエチステロン、酢酸メテロノン、テストステロン等)、局所麻酔剤(塩酸リドカイン、塩酸プロカイン、塩酸テトラカイン、塩酸ジブカイン、塩酸プロピトカイン等)、泌尿器官用剤(塩酸オキシブチニン、塩酸タムスロシン、塩酸プロピベリン等)、骨格筋弛緩剤(塩酸チザニジン、塩酸エペリゾン、メシル酸プリジノール、塩酸スキサメトニウム、等)、生殖器官用剤(塩酸リトドリン、酒石酸メルアドリン)、抗てんかん剤(バルプロ酸ナトリウム、クロナゼパム、カルバマゼピン等)、自律神経用剤(塩化カルプロニウム、臭化ネオスチグミン、塩化ベタネコール等)、抗パーキンソン病剤(メシル酸ペルゴリド、メシル酸ブロモクリプチン、塩酸トリヘキシフェニジル、塩酸アマンタジン、塩酸ロピニロール、塩酸タリペキソール、カベルゴリン、ドロキシドパ、ピペリデン、塩酸セレギリン等)、利尿剤(ヒドロフルメチアジド、フロセミド等)、呼吸促進剤(塩酸ロベリン、ジモルホラミン、塩酸ナロキソン等)、抗片頭痛剤(メシル酸ジヒドロエルゴタミン、スマトリプタン、酒石酸エルゴタミン、塩酸フルナリジン、塩酸サイプロヘプタジン等)、抗ヒスタミン剤(フマル酸クレマスチン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェニルピラリン、プロメタジン等)、気管支拡張剤(塩酸ツロブテロール、塩酸プロカテロール、硫酸サルブタモール、塩酸クレンブテロール、臭化水素酸フェノテロ−ル、硫酸テルブタリン、硫酸イソプレナリン、フマル酸ホルモテロール等)、強心剤(塩酸イソプレナリン、塩酸ドパミン等)、冠血管拡張剤(塩酸ジルチアゼム、塩酸ベラパミル、硝酸イソソルビド、ニトログリセリン、ニコランジル等)、末梢血管拡張剤(クエン酸ニカメタート、塩酸トラゾリン等)、禁煙補助薬(ニコチン等)、循環器官用剤(塩酸フルナリジン、塩酸ニカルジピン、ニトレンジピン、ニソルジピン、フェロジピン、ベシル酸アムロジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、塩酸マニジピン、塩酸ベニジピン、マレイン酸エナラプリル、塩酸デモカプリル、アラセプリル、塩酸イミダプリル、シラザプリル、リシノプリル、カプトプリル、トランドラプリル、ペリンドプリルエルブミン、アテノロール、フマル酸ビソプロロール、酒石酸メトプロロール、塩酸ベタキソロール、塩酸アロチノロール、塩酸セリプロロール、カルベジロール、塩酸カルテオロール、塩酸ベバントロール、バルサルタン、カンデサルタンシレキセチル、ロサルタンカリウム、塩酸クロニジン等)、不整脈用剤(塩酸プロプラノロール、塩酸アルプレノロール、塩酸プロカインアミド、塩酸メキシチレン、ナドロール、ジソピラミド等)、抗悪性潰瘍剤(シクロフォスファミド、フルオロウラシル、デガフール、塩酸プロカルバジン、ラニムスチン、塩酸イリノテカン、フルリジン等)、抗脂血症剤(プラバスタチン、シンバスタチン、ベザフィブレート、プロブコール等)、血糖降下剤(グリベンクラミド、クロルプロパミド、トルブタミド、グリミジンナトリウム、グリブゾール、塩酸ブホルミン)、消化性潰瘍治療剤(プログルミド、塩酸セトラキサート、スピゾフロン、シメチジン、臭化グリコピロニウム)、利胆剤(ウルソデスオキシコール酸、オサルミド等)、消化管運動改善剤(ドンペリドン、シサプリド等)、肝臓疾患用剤(チオプロニン等)、抗アレルギー剤(フマル酸ケトチフェン、塩酸アゼラスチン等)、抗ウイルス剤(アシクロビル等)、鎮暈剤(メシル酸ベタヒスチン、塩酸ジフェニドール等)、抗生剤(セファロリジン、セフジニル、セフポドキシムプロキセチル、セファクロル、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、メチルエリスロマイシン、硫酸カナマイシン、サイクロセリン、テトラサイクリン、ベンジルペニシリンカリウム、プロピシリンカリウム、クロキサシンナトリウム、アンピシリンナトリウム、塩酸バカンピシリン、カルベニシリンナトリウム、クロラムフェニコール、等)、習慣性中毒用剤(シアナミド等)、食欲抑制剤(マジンドール等)、化学療法剤(イソニアシド、エチオナミド、ピラジナミド等)、血液凝固促進剤(塩酸チクロピジン、ワルファリンカリウム)、抗アルツハイマー剤(フィゾスチグミン、塩酸ドネペジル、タクリン、アレコリン、キサノメリン等)、セロトニン受容体拮抗制吐剤(塩酸オンダンセトロン、塩酸グラニセトロン、塩酸ラモセトロン、塩酸アザセトロン等)、痛風治療剤(コルヒチン、プロベネシド、スルフィンピラゾン等)、麻薬系の鎮痛剤(クエン酸フェンタニル、硫酸モルヒネ、塩酸モルヒネ、リン酸コデイン、塩酸コカイン、塩酸ペチジン等)が挙げられる。また、分子量が1000程度であれば、ワクチン、低分子ペプチド、糖、核酸等の生理活性物質でも構わない。
なおこれらの薬物は単独で用いても2種類以上併用してもよく、薬学的に許容できる塩であれば、無機塩あるいは有機塩のいずれの形態の薬物も当然含まれる。また、薬物は、コーティング担体中に包含させるのが基本であるが、コーティング担体中には薬物を包含させずに別に後からマイクロニードルの基板に施された貫通孔(開口部)より供給することもできる。
マイクロニードルをコーティングするのに使用される液体組成物は、生物適合性の担体、送達されるべき有益な作用物質、および場合によってはいずれかのコーティング補助物質を揮発性液体と混合することにより調製する。揮発性液体は、特に限定されないが、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、エタノール、イソプロピルアルコールおよびそれらの混合物であることができる。これらの中で水が最も好ましい。液体のコーティング溶液もしくは懸濁液は、典型的には、0.1〜60重量%の有益な低分子生理活性物質濃度を有することができ、好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは、3〜20重量%である。「固着する」という用語は、コーティング担体が対象物にほぼ一様に付着している状態を意味する。コーティング直後には、風乾、真空乾燥、凍結乾燥またはそれらの組合せのような既知の乾燥方法で、コーティング担体が乾燥状態で固着しているが、経皮投与後は、取り巻く雰囲気と平衡にある水分含量あるいは有機溶媒等を保持することもあるため、乾燥状態で固着しているとは限らない。
他の既知の製剤補助物質は、それらがコーティングに必要な溶解性および粘度の特徴ならびに乾燥されたコーティングの物理的完全性に有害に影響を及ぼさない限りは、コーティングに添加してもよい。
本発明に係るマイクロニードルデバイスは、その中に有益な生理活性物質(薬物)を含有する固体或いはゲル状の固着したコーティングで被覆される複数のマイクロニードルを使用して生理活性物質(薬物)を経皮的に送達させるものであるが、装置の形態としては、様々な形態が考えられる。例えば、マイクロニードル基板上に少なくとも一つ以上の溶液通路(開口部)を有し、更に同様の一つ以上の溶液通路(開口部)を有する板状補強材を備えることができる。更にまた、マイクロニードル基板の上に配置されたパッド部と、該パッド部上に配置され薬物溶解用の溶解液を収納した溶解液溜めとを備えることも可能である。このような溶解液留めを備えたマイクロニードルインターフェイスは例えばWO03/084595A1に開示されている。また、該溶解液溜めの押圧により、前記溶解液溜めが開封され前記溶解液が前記パッド部へ供給されるとともに前記マイクロニードルが皮膚の角質層を穿孔し、これにより前記溶解液で溶解された前記薬物が経皮吸収されるようにしたブリスタータイプのマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の形態を取ることも可能である。以下、ブリスタータイプの例について説明する。
図2は、本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の一例を示す図である。本装置は、皮膚を穿孔可能な複数のマクロニードル51を有するマイクロニードル基板53を備えたマイクロニードルデバイス50と、マイクロニードルデバイス50上に配置され薬物溶解用の溶解液16を収納した溶解液溜め18とを備える。本例では、マイクロニードル基板53に少なくとも1つの溶液通路(開口部)52が形成されている。本例では、マイクロニードルデバイス50は、ポリビニルアルコールおよび/または薬物を包含するコーティング担体が固着した状態でコーティングされている。このコーティングは、例えば、マイクロニードル51の外側表面または中空通路内面、あるいはマイクロニードル基板53の上面、下面、側面またはその溶液通路52内面のいずれか1箇所またはそれらの複数箇所に配置される。使用時には、装置を皮膚に当て、溶解液溜め18の突起部17を押圧することにより、隔膜20が破壊され溶解液溜め18が開封されて、支持体15に形成された開口14を介して、溶解液16がマイクロニードルデバイス50へ供給される。これにより、溶解液16が、マイクロニードル基板53に形成された溶液通路52を介してマイクロニードル51に供給される。それとともにマイクロニードル51が皮膚の角質層を穿孔し、これにより溶解液で溶解されたコーティング内の薬物が経皮吸収される。
図3は、本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の例を示す図である。本装置は、図示のように、皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードル51および少なくとも1つの溶液通路52を有するマイクロニードル基板53を備えたマイクロニードルデバイス50と、マイクロニードルデバイス50上に配置されたパッド部41と、パッド部41上に配置され薬物溶解用の溶解液16を収納し押圧により開封可能な溶解液溜め18とを備える。マイクロニードルデバイス50は、ポリビニルアルコールを包含するコーティング担体が固着した状態でコーティングされている。このコーティングは、例えば、マイクロニードル51の外側表面または中空通路内面、あるいはマイクロニードル基板53の上面、下面、側面またはその溶液通路52内面のいずれか1箇所またはそれらの複数箇所に配置される。また、パッド部41は本例では薬物保持部であり、液体を吸収できる材料で構成された吸収材11と薬物10とを備える。吸収材11の周囲には下面に粘着層12を有する壁材13が配置され、吸収材11および壁材13上には開口14を有する支持体15が配置され、支持体15上には隔膜20が配置される。隔膜20は溶解液溜め18と別個に形成してもよいし、一体的に形成してもよい。溶解液溜め18は隔膜20の破壊を容易とするために突起部17を有する。用時に、本装置を皮膚に装着してマイクロニードル51を皮膚の角質面に当接する。そして溶解液溜め18を押圧することにより突起部17で隔膜20を破壊する。これにより、溶解液溜め18が開封されるとともに上記押圧によりマイクロニードル51が皮膚の角質層を穿孔し、溶解液16で溶解された薬物が経皮吸収される。なお、本例では、薬物はコーティング担体に含有させることなく、パッド部41(薬物保持部)に含有させる形態としたが、コーティング担体に含有させることもできる。
図4は、本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の例を示す図である。図4において図2〜図3と同じ符号は図2〜図3と同じものを示す。本例が図3の例と異なるところは、図3の薬物を含有するパッド部41を、薬物を含有しない吸収材31と薬物を含有する薬物保持材(薬物保持部)32の2つに分けたこと、および装置の外部から電気的エネルギーを供給するための電極25を吸収材(パッド部)31上に備えた点である。電極25にはリード部26が接続されている。これにより本例の装置は、電気的薬物投与システム、例えば特開2003−93521に記載されているようなイオントフォレーシスシステム用装置(イオントフォレーシス電極構造体)として用いることができる。その他は図2〜図3の例と同様である。ここで、外部から電気的エネルギーを供給するための電極25に代えて、外部から音波振動エネルギーを供給するための音波振動子(図示しない)を備え、ソノフォレーシス用のデバイスとして用いることもできる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、全ての実験において、マイクロニードルはシリコン製で高さが約250μm(230〜270μm)で規格値として400本または841本/cmのマイクロニードル基板(1cm)を使用する。マイクロニードル基板の裏側には、3M社のフォームテープ(#9773、7.84cm)を皮膚側に粘着層がくるように貼り付け、余白部分は皮膚に接着させてマイクロニードル基板のマイクロニードル設置側と皮膚とを密着させて使用する。実験を開始する際には、皮膚へマイクロニードル基板を設置して、指による基板の押圧(2kg/patchで5秒間)を行う。
(実施例1)
(水溶性高分子コーティング担体のスクリーニング)
5重量%各種ポリマー(ポリビニルアルコール220、デキストリン、コンドロイチンA、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)・7重量%カルセインナトリウムの水溶液をコーティング担体として調整し、マイクロニードル(400pile/patch)に対して、25μL/patchで全面コーティングを施し、乾燥機で30分間乾燥して固着させた。
次に、ヘアレスマウス胴体部皮膚を剥離し、真皮側をレセプター層側に向け、タテ型アクリルセル(2.54cm)に装着し、37℃に設定された恒温装置内に設置した。角質層側に、本発明のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置を貼付し、各時間毎に6時間までサンプリングを行った。レセプター層には、リン酸緩衝液(PBS)を使用した。各時間毎に得られたレセプター液中の薬物含量を蛍光光度測定器(励起:485nm、蛍光:538nm)により測定した。
・動物種:ヘアレスマウス(n=3)
・レセプター液:PBS 4mL(Sampling volume:200μL)
・温度:37℃
・面積:2.54cm(ただし、M.N基板自体は1cm
図5は、実施例1の測定結果を示すグラフである。横軸は時間(h)、縦軸は累積透過量(μg)を示す。図示のように、カルセインの皮膚透過性は、各種ポリマーを添加することで概ね上昇したが、中でもポリビニルアルコール220が最も透過を上昇させた。
(実施例2)
(ポリビニルアルコールコーティング担体スクリーニング−けん化度)
5重量%ポリビニルアルコール(PVA220、PVA203、PVA117)・7重量%カルセインナトリウムの水溶液をコーティング担体として調整し、マイクロニードル(800pile/patch)に対して、30μL/patchで全面コーティングを施し、乾燥機で30分間乾燥して固着させた。ヘアレスラット(n=3)による皮膚透過試験は、実施例1と同様に行った。
・PVA220:けん化度(87〜89mol%)
・PVA203:けん化度(87〜89mol%)
・PVA117:けん化度(97mol%以上)
図6は、実施例2の測定結果を示すグラフである。横軸は時間(h)、縦軸は累積透過量(μg)を示す。図示のように、各種ポリビニルアルコールの中でPVA117(完全けん化物)が最も皮膚透過性を上昇させた。
(実施例3)
(ポリビニルアルコールコーティング担体スクリーニング−平均重合度)
5重量%ポリビニルアルコール(PVA105、PVA117、PVA124)・7重量%カルセインナトリウムの水溶液をコーティング担体として調整し、マイクロニードル(800pile/patch)に対して、30μL/patchで全面コーティングを施し、乾燥機で30分間乾燥して固着させた。ヘアレスラット(n=3)皮膚透過試験は、実施例1と同様に行った。
・PVA105:平均重合度(N=500)
・PVA117:平均重合度(N=1700)
・PVA124:平均重合度(N=2400)
図7は、実施例3の測定結果を示すグラフである。横軸は時間(h)、縦軸は累積透過量(μg)を示す。図示のように、重合度の違うポリビニルアルコールのうち、平均重合度が500(PVA105)に比べて1700(PVA117)および2400(PVA124)のものが皮膚透過性が高いことが判明した。
(実施例4)
(グラニセトロンを用いたin vivo吸収試験(血漿中濃度))
5重量%ポリマー水溶液に溶解した16重量%グラニセトロン塩酸塩の水溶液をコーティング担体として調整しマイクロニードル(800pile/patch)に対して、30μL/patchで全面コーティングを施し、室温で12時間乾燥して固着させた。in vivo試験は、ヘアレスラットを用いて、経時的に採血し定量はHPLCにより行った。
・動物種:ヘアレスラット(n=4)
・採血量:500μL(血漿:200μL)
・HPLC測定(励起:298nm、蛍光:353nm)
・カラム:TSKgelODS−80TsQA5μm(4.6×150)
図8は、実施例4の測定結果を示すグラフである。横軸は時間(h)、縦軸は血漿中濃度(ng/mL)を示す。本実施例では、低分子化合物をグラニセトロン塩酸塩に変更し、ポリビニルアルコールの効果をin vivoで検証した。図示のように、PVA117グレードのものが、ポリマーを用いない場合(aq)や溶解性のヒドロキシプロピルセルロース(HPC‐SSL)、PVA220と比較して高い皮膚透過性を示した。
(実施例5)
(グラニセトロンを用いたブリスタータイプ製剤性能評価)
実験は、5重量%ポリビニルアルコール(PVA−117)のみをマイクロニードル表面全域にコーティング担体として調整し、マイクロニードル(800pile/patch)に対して、30μL/patchで全面コーティングを施し、室温で12時間乾燥して固着させた。マイクロニードルを皮膚穿刺後、32重量%グラニセトロン塩酸塩の水溶液15μLをマイクロニードル基板に施された貫通孔(開口部)より30μL適応した。対照として、マイクロニードルに何もコーティングせずに、薬液のみを貫通孔より30μL適応する群と、これまで通り5重量%ポリビニルアルコール・32重量%グラニセトロン塩酸塩の水溶液をコーティング担体として調整し、マイクロニードル(800pile/patch)に対して、15μL/patchで全面コーティングを施した群とを用意した。
次に、ヘアレスラット胴体部皮膚を剥離し、真皮側をレセプター層側に向け、タテ型アクリルセル(2.54cm)に装着し、37℃に設定された恒温装置内に設置した。角質層側に、本発明のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置を貼付し、各時間毎に24時間までサンプリングを行った。レセプター層には、リン酸緩衝液(PBS)を使用した。各時間毎に得られたレセプター液中の薬物含量をHPLC測定(励起:298nm、蛍光:353nm)により測定した。
・動物種:ヘアレスラット(n=3)
・レセプター液:PBS 4mL(Sampling volume:200μL)
・温度:37℃面積:2.54cm(ただし、M.N基板自体は1cm
・カラム:TSKgelODS−80TsQA5μm(4.6×150)
図9は、実施例5の測定結果を示すグラフである。横軸は時間(h)、縦軸は累積透過量(μg)を示す。図示のように、PVA117と薬液とを混合してコーティングしたケース(normal coating)のみならず、ポリビニルアルコールのみをコーティングして薬液を別に投与したケース(PVA−117 under coating+Drug solution)においても、コーティングのないケース(uncoated+Drug solution)に比べ、透過量が大きい。これはPVA117を含有するコーティングの有用性を示すものである。
(実施例6)
(けん化度94.5mol%以上のポリビニルアルコールの溶解性)
各ポリマー(PVP、ポリエチレンオキサイド、ヒドロキプロピルセルロース、PVA220、ヒドロキプロピルメチルセルロース、PVA117)5重量%溶液および低分子量モデル化合物としてカルセインナトリウムの7重量%溶液を調整し、両溶液を混合した。混合液はキャスティング法により15mlをシャーレに充填し、50℃一昼夜乾燥させて薄膜を形成させた。次に、得られた薄膜2cmを切り取り、リン酸緩衝液(PBS)溶液に浸漬し、経時的にPBS溶液中に放出されるモデル化合物について測定した。実験は、37℃で実施した。表1は、比較例1〜5および実施例6−1(PVAの完全けん化物、PVA117:けん化度97mol%以上)、実施例6−2(PVAの中間けん化物、PVA617:けん化度94.5〜95.5mol%)のポリマーについての溶解時間および定常状態に達する時間を示すものである。
Figure 2007116959
表1に示すように、PVA117(実施例6−1)およびPVA617(実施例6−2)以外のポリマーについては浸漬後10分以内に溶解したのに対し、PVA617については若干の膨潤がみられたものの、PVA117は120分後、12時間後も薄膜形状を維持した状態で残存した。よって、PVA117およびPVA617は薬物担体としてだけではなく、マイクロニードルを介した薬剤の透過ルートとしても機能していることが判明した。
(実施例7)
(薬物の塩およびフリー体を用いたヘアレスラット皮膚透過試験)
10重量%ポリビニルアルコール(PVA117)水溶液に16重量%の各種薬物(ペルゴリド、プラミペキソール、ビソプロロール)の塩(ペルゴリド(メシル酸塩)、プラミペキソール(塩酸塩)、ビソプロロール(フマル酸塩)もしくはフリー体を含む水溶液をコーティング担体として調整しマイクロニードル(800piles/patch)に対して、30μL/patchで全面コーティングを施し、室温で12時間乾燥して固着させた。単体を含む薬剤をコートしたマイクロニードルをヘアレスラット摘出皮膚に穿刺後、経時的にサンプリングを行った。レセプター層には、リン酸緩衝液(PBS)を使用し、各時間毎に得られたレセプター溶液サンプルとアセトニトリル1:1で混ぜて撹拌、遠心(15,000rpm,5℃,5min)後、上清を採取して薬物含量をHPLC測定により測定した。表2にそれぞれの薬物の塩とフリー体の最大フラックスを示した。
・動物種:ヘアレスラット(n=3)
・サンプル量:1mL
・HPLC測定
<ペルゴリド>TSKgelODS−80TsQA(4.6×150mm)、223nm、40℃
<プラミペキソール>TSKgelODS−80TsQA(4.6×150mm)、265nm、40℃
<ビソプロロール>TSKgelODS−80TsQA(4.6×150mm)、280
nm、40℃
Figure 2007116959
ペルゴリドについては、それぞれの塩、フリー体において皮膚透過試験の結果は、塩もフリー体も薬物透過量は1μg程度と総じて低い値を示した。これは、本薬剤の塩およびフリー体の水に対する溶解度がほとんどゼロであるために、ポリマー中の薬剤が溶解されず、皮膚を透過しなかったと考えられる。一方、プラミペキソールとビソプロロールにおける皮膚透過試験の結果は、フリー体よりも塩の方が高い最大フラックスを示した。これは、一般的に、テープ製剤等の角質層に影響を及ぼさない製剤の場合には、薬物の物理化学的特性が皮膚透過性に大きく影響し、特に脂溶性の比較的高い薬剤は水溶性の高い薬剤に比べて高い透過性を示すことが知られている。しかし、本発明のデバイスを適用した場合は、脂溶性の高いフリー体よりもむしろ水溶性の高い塩化合物の方が高い皮膚透過性を示した。このことは、実施例4および5で示した塩酸グラニセトロンにおいても良好な皮膚透過性を示したことからも分かるとおり、水溶性の高い薬剤においても本発明デバイスを用いることで高い皮膚透過性を期待できることが確認された。
また、常温下で液状の低融点薬剤であるビソプロロールを用いた実験(表2)においては、フマル酸塩、フリー体の両方共に良好な皮膚透過性を示したことから、本デバイスを用いた場合の薬剤の皮膚透過性能は、薬剤の物理化学的特性というよりは存在状態(溶解または結晶)の違いが大きく寄与することが明らかとなった。すなわち、製剤適用時の薬剤が溶解状態を維持あるいは溶解状態へ移行すれば、皮膚透過性は促進されると考えられる。すなわち、ペルゴリドのように極端に溶解性の低い薬剤でなければ、通常の経皮製剤では適用困難とされていた水溶性の薬剤においても、適用が可能であることが判明した。
本発明は、皮膚を介して薬物を投与するための、基板上に皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードルデバイスおよびマイクロニードル付き経皮薬物投与装置に関するものであり、産業上の利用可能性がある。

Claims (14)

  1. 基板上に皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードルデバイスであって、前記マイクロニードルおよび/または前記基板の一部又は全面がポリビニルアルコールを包含するコーティング担体が固着した状態でコーティングされていることを特徴とするマイクロニードルデバイス。
  2. 前記コーティング担体が、経皮適用後も完全に溶解することがなく固着した状態を保つことを特徴とする請求項1記載のマイクロニードルデバイス。
  3. 前記ポリビニルアルコールが、94.5mol%以上のけん化度を持つことを特徴とする請求項1または2記載のマイクロニードルデバイス。
  4. 前記コーティング担体が薬物を包含することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロニードルデバイス。
  5. 基板上に皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードルデバイスを有するマイクロニードル付き経皮薬物投与装置であって、前記マイクロニードルおよび/または前記基板の一部又は全面がポリビニルアルコールおよび薬物を包含するコーティング担体が固着した状態でコーティングされていることを特徴とするマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  6. 前記マイクロニードルデバイスの上部に薬物溶液または薬物溶解用の溶解液を収納した溶解液溜めを備えたことを特徴とする請求項5記載のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  7. 基板上に皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードルデバイスと、前記マイクロニードルデバイスの上部に設けられた薬物を保持する薬物保持部とを有するマイクロニードル付き経皮薬物投与装置であって、前記マイクロニードルおよび/または前記基板の一部又は全面がポリビニルアルコールを包含するコーティング担体が固着した状態でコーティングされていることを特徴とするマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  8. 前記薬物保持部の上部に薬物溶液または薬物溶解用の溶解液を収納した溶解液溜めを備えたことを特徴とする請求項7記載のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  9. 外部から電気的エネルギーを供給するための電極を備えたことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  10. 外部から音波振動エネルギーを供給するための音波振動子を備えたことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  11. 前記ポリビニルアルコールが、94.5mol%以上のけん化度を持つことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  12. 基板上に皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードルデバイスのコーティング方法であって、前記マイクロニードルおよび/または基板の一部または全面にポリビニルアルコールを包含するコーティング担体をコーティングする工程と、前記コーティング担体を乾燥させ固着する工程とを含むことを特徴とするマイクロニードルデバイスのコーティング方法。
  13. 前記コーティング担体が薬物を包含することを特徴とする請求項12記載のマイクロニードルデバイスのコーティング方法。
  14. 前記コーティング担体の固着前の前記ポリビニルアルコールの粘度が1〜60,000cpsであり、かつその平均重合度が200〜3500である請求項12または13記載のマイクロニードルデバイスのコーティング方法。
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