JPWO2007091608A1 - マイクロニードル付き経皮薬物投与装置 - Google Patents

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Abstract

生理活性物質(薬物)の経皮投与時に簡易な操作で皮膚を穿孔することができるとともに生理活性物質を速やかに吸収可能とするマイクロニードル付き経皮薬物投与装置を提供する。本装置は、皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードル(51)を有するマイクロニードル基板(53)を備えたマイクロニードルデバイス(50)と、その上に配置され液体を吸収できる材料で構成された吸収材(11)と、吸収材(11)上に配置され薬物を溶解する溶解液(16)を収納し押圧により吸収材(11)との間に設けられた隔膜(20)を破壊可能な溶解液溜め(18)とを備える。マイクロニードル(51)および/またはマイクロニードル基板(53)には乾燥薬物を含むコーティングが配置される。

Description

本発明は皮膚を介して薬物を投与するための経皮薬物投与装置に係り、特に皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードル付き経皮薬物投与装置に関するものである。
従来から薬物を含有した貼付剤を皮膚に貼り、この貼付剤から薬物を皮膚に浸透させることにより薬物を投与する方法が一般的に行われている。一方、皮膚や粘膜に対して薬物の吸収を促進する方法として、イオントフォレーシス(Journal of Pharmaceutical Sciences,76巻,341ページ,1987年)やエレクトロポレーション(特表平3−502416、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90巻,10504−10508ページ,1993年)等のように電気的なエネルギーを用いた投与方法が開発されている。イオントフォレーシスおよびエレクトロポレーションは、ともに経皮または経粘膜により薬物の吸収を促進する方法として、その利用が期待されている。
薬物吸収の促進に関連して、特表2000−512529号公報(特許文献1)には、経皮医薬品の放出前に皮膚に機械的に孔をあけることにより経皮流動を高めるための装置が提案されている。この装置は、複数個の開口部を有しているシートと、それと一体であるとともにそれから下方に延在している複数個のマイクロブレードと、前記装置を体表面に係留するための手段とを有している。この場合、医薬品溜めの製剤形態は例えば粘性のあるゲルである。
この種の装置において、乾燥形態の薬物を保持可能なものとして、例えば特公平6−14980号公報(特許文献2)に記載の、皮膚針を有するタンパク及びペプチド性薬物の経皮投与器具がある。この器具は、外部へ通じる電極と、高分子電解質貯蔵槽と、親水性高分子薬物支持体と、水膨潤性高分子皮膚針支持体とが積層されており、前記高分子電解質貯蔵槽の上端中央部には溶媒注入口が形成されている。この溶媒注入口は、注射器等を使って前記高分子電解質貯蔵槽内部にイオン化溶媒組成物を投入できるように、例えばV溝形態のゴム等で形成されている。この器具を使用する場合、溶媒組成物投入用に別途注射器等を用意する必要がある。
乾燥形態の薬物を保持可能で且つ注射器等が不要な装置としては、例えばWO03/084595A1(特許文献3)に記載のバルブ付き経皮送達装置がある。この装置は、例えば蒸留水を保持できる溜めと、この溜めを開閉するバルブと、乾燥薬物を保持できる空洞と、皮膚を貫通することができる複数の微小皮膚貫通部材とを備える。この装置は用時に患者の皮膚に配置され、皮膚に前記微小皮膚貫通部材が貫通できるように下側に押され、そして前記バルブを開いて前記溜めを押圧することにより前記蒸留水を前記乾燥薬物に供給し、これにより薬物を患者に送達するものである。
一方、特公平5−84180号公報(特許文献4)には、イオントフォレーシス用の新規プラスター構造体が示されているが、上記のような皮膚針は備えていない。この構造体は、例えば、電解質溶液を封入したカプセルをプラスター構造体の上部に設けておき、このカプセルと水含有層とのあいだに配したアルミ箔等の薄膜を貼着時に破壊して電解液を含浸させる構造を有する。そして水分解性の薬物を用いる場合には、薬物含有層と水含有層を乾燥状態に調整しておき、電解質溶液を封入したカプセルを具備したプラスター構造体として需要に供するのが良いとされている。
さらに、最近ではマイクロニードルのコーティング技術も様々に進んできている。例えば、特表2004−504120公報(特許文献5)には、薬剤を含有する固体の生分解性リザーバー媒体を含んでなる皮膚穿刺部材を有する薬剤送達デバイスが開示されている。このリザーバー媒体は、皮膚穿刺部材上においてその外側にコーティングされるものであり、生分解して溶け出し中の薬剤を放出しやすい糖類(ラクトース、ラフィノース、トレハロースもしくはスクロース)が好ましいことが記載されている。また、特表2004−528900号公報(特許文献6)には、ワクチン等の経皮投与に用いる微小突起アレイのコーティング担体として、ヒトアルブミン、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、ポリヒスチジン、ペントサンポリ硫酸およびポリアミノ酸より選ばれる旨の記載がある。このコーティング担体もまた、皮膚貫通に際して迅速に溶解され、それにより有益な作用物質を放出するものである。さらにまた、WO2005/016440A1(特許文献7)には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシドなどの高分子を含むコーティング担体が開示されている。その粘度は3〜500cpsの流動性のある担体のため、針の表面を工夫することで自動的に針先に担体がコーティングされる。このためコーティング作業そのものが要らず、さらに作用時間を長くできる旨記載されている。しかし、この場合コーティング担体は強制的に皮膚を貫通するためその制御は難しく、その実用性については疑問が持たれる。
特表2000−512529号公報 特公平6−14980号公報 WO2003/084595A1 特公平5−84180号公報 特表2004−504120号公報 特表2004−528900号公報 WO2005/016440A1
上述のように、従来、皮膚針を有する経皮薬物投与装置において乾燥形態の薬物を保持する場合、前記薬物に液体を供給するために別途注射器等を用意したり、または装置中に液体供給用のバルブを設けたりする必要があった。別途注射器等を用意することは装置の使用上煩雑であり患者自身が操作することが困難な場合もある。また装置中に液体供給用のバルブを設けることは装置を複雑にしコストも高くなる。またこれとは別に、針状構造体のマイクロニードルに薬物含有のコーティング剤を塗布する方法は、薬物投与量が極小量に制限されるためワクチン等の微量投与に用いられることが多く、用途の面で限られていた。
従って本発明の目的は、生理活性物質(薬物)の経皮投与時に簡易な操作で皮膚を穿孔することができるとともに生理活性物質を速やかに吸収可能とするマイクロニードル付き経皮薬物投与装置を提供することにある。
上記目的は、皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルおよび少なくとも1つの溶液通路を有するマイクロニードル基板を備えたマイクロニードルデバイスと、前記マイクロニードルおよび/または前記マイクロニードル基板に配置された乾燥薬物を含むコーティングと、前記マイクロニードルデバイス上に配置されたパッド部と、前記パッド部上に配置され薬物溶解用の溶解液を収納した溶解液溜めとを備え、前記溶解液溜めの押圧により、前記溶解液溜めが開封され前記溶解液が前記パッド部および前記マイクロニードルデバイスへ供給されるとともに前記マイクロニードルが皮膚を穿孔し、これにより前記溶解液で溶解された前記薬物が経皮吸収されるようにしたマイクロニードル付き経皮薬物投与装置により、達成される。ここで、外部から電気的エネルギーを供給するための電極を前記パッド部上に備えることができる。また、外部から音波振動エネルギーを供給するための音波振動子を前記パッド部上に備えることができる。前記マイクロニードルデバイスは、前記マイクロニードル基板上に少なくとも1つの溶液通路を有する板状補強材を備えることができる。また、前記パッド部は、乾燥薬物を含むことができる。前記パッド部は、前記乾燥薬物を含有する薬物保持材と、前記溶解液を吸収する吸収材とを備えることができる。
また本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置は、皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルおよび少なくとも1つの溶液通路を有するマイクロニードル基板を備えたマイクロニードルデバイスと、前記マイクロニードルおよび/または前記マイクロニードル基板に配置された乾燥薬物を含むコーティングと、前記マイクロニードルデバイス上に配置され液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記吸収材上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を収納し押圧により前記吸収材との間に設けられた隔膜を破壊可能な溶解液溜めとを備えたものである。ここで、前記吸収材は乾燥薬物を含むことができる。
また本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置は、皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルおよび少なくとも1つの溶液通路を有するマイクロニードル基板を備えたマイクロニードルデバイスと、前記マイクロニードルおよび/または前記マイクロニードル基板に配置された乾燥薬物を含むコーティングと、前記マイクロニードルデバイス上に配置された薬物保持材と、前記薬物保持材上に配置され液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記吸収材上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を収納し押圧により前記吸収材との間に設けられた隔膜を破壊可能な溶解液溜めとを備えたものである。ここで、前記薬物保持材は乾燥薬物を含むことができる。
ここで、外部から電気的エネルギーを供給するための電極を前記吸収材上に備えることができる。これにより、電気的薬物投与システム用の装置、例えばイオントフォレーシスシステム用の装置(イオントフォレーシス電極構造体)として用いることができる。また、外部から音波振動エネルギーを供給するための音波振動子を前記吸収材上に備えることができる。この場合、前記複数のマイクロニードルは、その長手方向に前記薬物を伝達可能な中空通路を有し、前記マイクロニードルの中空通路と前記マイクロニードル基板の溶液通路が連結されるようにすることができる。さらに、前記マイクロニードルデバイスの外側に皮膚を伸長するための皮膚固定部を備えることができる。
また本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置は、皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルを有するマイクロニードル基板を備えたマイクロニードルデバイスと、前記マイクロニードルおよび/または前記マイクロニードル基板に配置された乾燥薬物を含むコーティングと、前記マイクロニードルデバイス上に配置され薬物溶解用の溶解液を収納した溶解液溜めとを備え、前記溶解液溜めの押圧により、前記溶解液溜めを開封して前記溶解液を前記マイクロニードルデバイスへ供給するとともに前記マイクロニードルを皮膚に穿孔し、これにより前記溶解液で溶解された前記薬物を前記マイクロニードルを介して経皮投与するようにしたマイクロニードル付き経皮薬物投与装置である。ここで、前記溶解液は、前記マイクロニードル基板に形成された少なくとも1つの溶液通路を介して前記マイクロニードルに供給することができる。また、前記溶解液は、前記マイクロニードル基板の周りから前記マイクロニードルに供給することができる。さらに、前記マイクロニードルデバイスと前記溶解液溜めの間であって、少なくとも前記溶解液溜めが開封される部分に、液体を吸収できる材料で構成された吸収材を設けることができる。
また本発明に係る薬物含有のコーティングを施す方法は、皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルおよび前記マイクロニードルを支持するマイクロニードル基板を備えたマイクロニードルデバイスの前記マイクロニードルおよび/または前記マイクロニードル基板に薬物含有のコーティングを施すものであって、薬物および液体を混合して液体組成物を調製する工程と、前記液体組成物を前記マイクロニードルおよび/または前記マイクロニードル基板に塗布する工程と、前記塗布された液体組成物を乾燥させる工程とを含むものである。
本発明に係る経皮薬物投与方法は、皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルおよび前記マイクロニードルを支持するマイクロニードル基板を有するマイクロニードルデバイスと、前記マイクロニードルおよび/または前記マイクロニードル基板に配置された乾燥薬物を含むコーティングと、前記マイクロニードルデバイス上に配置されたパッド部と、前記パッド部上に配置され薬物溶解用の溶解液を収納した溶解液溜めとを備えた装置を皮膚に当て、前記溶解液溜めの押圧により、前記溶解液溜めを開封して前記溶解液を前記パッド部および前記マイクロニードルデバイスへ供給するとともに前記マイクロニードルを皮膚に穿孔し、これにより前記溶解液で溶解された前記薬物を前記マイクロニードルを介して経皮投与するものである。
また、本発明に係る経皮薬物投与方法は、皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルおよび前記マイクロニードルを支持するマイクロニードル基板を有するマイクロニードルデバイスと、前記マイクロニードルおよび/または前記マイクロニードル基板に配置された乾燥薬物を含むコーティングと、前記マイクロニードルデバイス上に配置された薬物溶液用の溶解液を収納した溶解液溜めとを備えた装置を皮膚に当て、前記溶解液溜めの押圧により、前記溶解液溜めを開封して前記溶解液を前記マイクロニードルデバイスへ供給するとともに前記マイクロニードルを皮膚に穿孔し、これにより前記溶解液で溶解された前記薬物を前記マイクロニードルを介して経皮投与するものである。
本発明では、用時に、まず本装置を皮膚に装着し、複数のマイクロニードルを皮膚に当接する。そして、溶解液を内包する密封された溶解液溜め(容器)を押圧することによって前記溶解液溜めを開封する。これにより、前記溶解液はパッド部または吸収剤を介して、あるいは直接マイクロニードルデバイスに流入し、生理活性物質(薬物)が溶解液に溶解するとともに、前記溶解液溜めを押圧した際に前記マイクロニードルが皮膚を穿孔し、溶解液に溶解した薬物が穿孔された孔を通って経皮吸収される。そして、必要に応じて、薬物の経皮吸収を促進させるためのエネルギーが付加される。
本発明によれば、生理活性物質(薬物)の経皮投与時に簡易な操作で皮膚を穿孔することができるとともに生理活性物質を速やかに吸収可能とするマイクロニードル付き経皮薬物投与装置を提供することができる。生理活性物質の経皮投与時にマイクロニードルに薬剤をコーティングし、皮膚を穿孔することにより、生理活性物質を効率的に経皮投与(受動拡散)するため、イオントフォレーシス投与による治療効果を高めることができる。
本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の一例を示す概念図である。 本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の一実施例を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図、(c)および(d)は本装置適用時の図である。 本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の実施例を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図、(c)および(d)は本装置適用時の図である。 本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の実施例を示す図である。 本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の実施例を示す図である。 本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置に用いるマイクロニードルデバイスの構成例を示す図で、(a)は全体図、(b)は(a)の点線で囲まれた部分の拡大図、(c)は溶解液で溶解された薬物の流れを示す図、(d)はマイクロニードルデバイスの変形例を示す一部拡大図である。 本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の実施例を示す図である。 本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の実施例を示す図である。 本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の実施例を示す図である 本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の実施例を示す図である 本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の実施例を示す図である 薬剤コーティングおよび溶解液併用の効果に関係するデータを示すグラフである。 薬剤コーティングおよび溶解液併用の効果に関係するデータを示すグラフである。 薬剤コーティング−水溶性高分子および溶解液併用の効果に関係するデータを示すグラフである。 カルセインナトリウムコーティングおよび溶解液併用の効果に関係するデータを示すグラフである。 カルセインナトリウムコーティングおよび溶解液併用の効果に関係するデータを示すグラフである。 カルセインナトリウムコーティングおよび溶解液併用の効果に関係するデータを示すグラフである。
符号の説明
10、70 薬物
11 乾燥薬物を含有する吸収材
12 粘着層
13 壁材
14 開口
15 支持体
16 溶解液
17 突起部
18 溶解液溜め
19 ライナー
20 隔膜
25 電極
26、61 リード部
31 薬物を含有しない吸収材
32 薬物保持材
41 パッド部
50 マイクロニードルデバイス
51、56 マイクロニードル
52 溶液通路
53 マイクロニードル基板
54 皮膚
55 押圧方向
57 中空通路
58 皮膚固定部
59 板状補強材
60 音波振動子
71 コーティング
図1は、本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の一例を示す概念図である。本装置は、図示のように、皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードル(針部)51および少なくとも1つの溶液通路52を有するマイクロニードル基板53を備えたマイクロニードルデバイス50と、マイクロニードルデバイス50上に配置されたパッド部41と、パッド部41上に配置され薬物溶解用の溶解液16を収納し押圧により開封可能な溶解液溜め18とを備える。マイクロニードルデバイス50のマイクロニードル51および/またはマイクロニードル基板53には乾燥薬物を含むコーティングが配置されている。このコーティングの例については図6(b)で説明する。また、パッド部41は、本例のように、液体を吸収できる材料で構成された吸収材11と薬物10とを備えることができる。この薬物10は、上記のようにコーティングされた薬物と同じものでもよいし、異なるものでもよい。薬物10は後述のように薬物保持材に設けることもできる。吸収材11の周囲には下面に粘着層12を有する壁材13が配置され、吸収材11および壁材13上には開口14を有する支持体15が配置され、支持体15上には隔膜20が配置される。隔膜20は溶解液溜め18と別個に形成してもよいし、一体的に形成してもよい。溶解液溜め18は隔膜20の破壊を容易とするために突起部17を有する。
用時に、本装置を皮膚に装着してマイクロニードル51を皮膚に当接する。そして溶解液溜め18を押圧することにより突起部17で隔膜20を破壊する。これにより、溶解液溜め18が開封されるとともに上記押圧によりマイクロニードル51が皮膚を穿孔し、溶解液16で溶解された薬物が経皮吸収される。
本装置のパッド部41上に電極およびそのリード部を設け、これにより本装置を電気的薬物投与システム用の装置、例えばイオントフォレーシスシステム用の装置(イオントフォレーシス電極構造体)として用いることができる。本装置を通常の貼付剤として用いる場合はこの電極等は不要である。また、本装置では、パッド部41は、液体を吸収できる材料で構成された吸収材と薬物を含有する薬物保持材とを別個に備えることができる。なお、本例では、薬物を含むコーティングと薬物を含むパッド部とを備えた例を説明したが、本発明によれば、パッド部は必ずしも薬物を含む必要はなく、少なくとも上記のような薬物を含むコーティングを備えることで足りる。このコーティングは、具体的には、例えば、マイクロニードル51の外側表面または中空通路内面、あるいはマイクロニードル基板53の上面、下面、側面またはその溶液通路52内面のいずれか1箇所またはそれらの複数箇所に配置することができるが、より好ましくは、マイクロニードル51の外側表面または中空路内面、あるいはマイクロニードル基板53の下面に配置するのがよい。以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
図2は本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の一実施例を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図、(c)および(d)は本装置適用時の図である。本実施例の装置は、例えば通常の貼付剤として用いることができ、図2(a)、(b)に示すように、図示しない乾燥薬物を含むコーティングが配置されたマイクロニードル51および複数の溶液通路52を有するマイクロニードル基板53を備えたマイクロニードルデバイス50と、マイクロニードルデバイス50上に配置され、乾燥薬物10を含有するとともに液体を吸収できる材料で構成された吸収材11と、吸収材11の周囲に配置され下面に粘着層12を有する壁材13と、吸収材11および壁材13上に配置され中央部に開口14を有する支持体15と、支持体15上に配置された隔膜20と、隔膜20上に配置され薬物を溶解する溶解液16を隔膜20との間に保持し押圧により隔膜20を破壊するための突起部17を有する溶解液溜め18とを備える。突起部17は、例えば、図示のように線状の先端部を有しており、隔膜20に接触または近接して配置される。マイクロニードルデバイス50および粘着層12の下側にはライナー19が取り外し可能に取り付けられている。
ここで、溶解液溜め18と隔膜20は別個に形成してもよいし、一体的に形成してもよい。また、支持体の開口14の形状は特に限定されないが、吸収材11に溶液をまんべんなく供給できる形状であればよく、例えば円形状であることが好ましい。この場合、開口14の寸法は吸収材11の大きさにもよるが、例えば直径2mm〜10mmであり、好ましくは4mm〜8mmである。なお、支持体15を省略して隔膜20にその機能を兼用させることもできる。この場合は予め開口は設けず、用時に突起部により開口が形成されることになる。また、隔膜20は溶解液溜め18の一部として形成することもできる。
用時には、図2(c)に示すように、ライナー19を取り外し、本装置(貼付剤)を皮膚54に貼る。そして、溶解液溜め18の上面を矢印55の方向に押圧して、突起部17で隔膜20を破る。この際、隔膜20は突起部17の線状の先端部に沿って大きく破れ、溶解液溜め18中の溶解液16が支持体15の開口14を介して吸収材11に流れる。この溶解液16により、吸収材11およびマイクロニードルデバイス50が湿潤状態となり薬物がまんべんなく活性化される。この溶解液溜め18の押圧により同時に装置全体が皮膚側に押され、マイクロニードル51が皮膚を穿孔する。これにより、活性化された薬物がマイクロニードル基板53およびマイクロニードル51を介して皮膚に浸透する。溶解液16が流れた後は溶解液溜め18は空になり、図2(d)に示すようにほぼ元の形状に復元する。
マイクロニードル基板53は、溶解液溜め18の押圧時に破損しない強度を有するように構成される。マイクロニードル基板53の厚みは、その材料がシリコンまたは金属材料の場合は約0.1〜3mm、より好ましくは0.5〜2mmであり、ポリマー材料等では補強材との積層構造の基板として約0.1〜3mm、より好ましくは0.5〜2mmである。このように、本発明では、溶解液溜めの押圧により、溶解液の移動と皮膚穿刺を同時に行う、即ち押圧力をそのまま穿刺力として伝えることができる。マイクロニードル穿刺圧は、溶解液溜め18の突起部17による隔膜20の破断力を変えることで調整することができる。具体的には、溶解液溜めを押して破るときの力は、例えば、300g〜3kg/patchの範囲が妥当である。これは、ニードル製剤(マイクロニードル基板)の面積が1〜4cm程度で5秒間溶解液溜めを押圧することを想定した場合の値である。このように、本発明では、溶解液溜めの押圧により、溶解液溜めと吸収材間に設けられた隔膜が破壊されるとともにマイクロニードルが皮膚を穿孔し、これにより溶解液で溶解された薬物がマイクロニードルデバイスを介して効率よく皮膚に伝達される。
図3は本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の実施例を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X断面図、(c)および(d)は本装置適用時の図である。図3において図2と同じ符号は図2と同じものを示す。本実施例が図2の実施例と異なるところは、外部から電気的エネルギーを供給するための電極25を吸収材11上に備えた点である。電極25にはリード部26が接続されている。これにより本実施例の装置は、電気的薬物投与システム用の装置、例えばイオントフォレーシスシステム用の装置(イオントフォレーシス電極構造体)として用いることができる。その他は図2の実施例と同様である。
電極25およびリード部26は、例えば支持体15下面に印刷することにより作製される。電極25はリード部26を介して図示しない電源装置の一方の出力端子(例えば+極)に接続される。電源装置の他方の出力端子(例えば−極)は、図示しないカウンター装置に接続される。カウンター装置は本経皮薬物投与装置と同様の構成にすることができるが、薬物は必ずしも含む必要はない。電源装置からはイオントフォレーシス用の電圧または電流が本経皮薬物投与装置およびカウンター装置間に付与される。
用時には、ライナー19を取り外し、本装置(イオントフォレーシス電極構造体)を皮膚54に貼る。そして、図3(c)に示すように、まず、溶解液溜め18の上面を矢印55の方向に押圧して、突起部17で隔膜20を破る。この際、隔膜20は突起部17の線状の先端部に沿って大きく破れ、溶解液溜め18中の溶解液が支持体15の開口14を介して吸収材11に流れる。この溶解液により、吸収材11およびマイクロニードルデバイス50が湿潤状態となり薬物がまんべんなく活性化される。この溶解液溜め18の押圧により同時に装置全体が皮膚側に押され、マイクロニードル51が皮膚を穿孔する。そして図示しない電源装置をオンにしてイオントフォレーシスシステムを作動させる。これにより、活性化された薬物がマイクロニードル基板53およびマイクロニードル51を介して皮膚に浸透する。溶解液16が流れた後は溶解液溜め18は空になり、図3(d)に示すようにほぼ元の形状に復元する。このように、本発明では、溶解液溜めの押圧により、溶解液溜めと吸収材間に設けられた隔膜が破壊されるとともにマイクロニードルが皮膚を穿孔し、これにより溶解液で溶解された薬物がマイクロニードルデバイスを介して効率よく皮膚に伝達される。
図4は、本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の実施例を示す図である。本実施例の装置は、図2の薬物を含有する吸収材11を、薬物を含有しない吸収材31と薬物を含有する薬物保持材32の2つに分けたものであり、その他は図2のものと同様である。吸収材31と薬物保持材32を分けた理由は、薬物を生体に高濃度で接触させることで、薬剤の吸収を最大限に発揮するためである。
図5は、本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の実施例を示す図である。図5において図3〜図4と同じ符号は図3〜図4と同じものを示す。本実施例が図4の実施例と異なるところは、外部から電気的エネルギーを供給するための電極25を吸収材11上に備えた点である。電極25にはリード部26が接続されている。これにより本実施例の装置は、電気的薬物投与システム、例えばイオントフォレーシスシステム用装置(イオントフォレーシス電極構造体)として用いることができる。その他は図3〜図4の実施例と同様である。
図6は、本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置に用いるマイクロニードルデバイスの構成例を示す図で、(a)は全体図、(b)は(a)の点線で囲まれた部分の拡大図、(c)は溶解液で溶解された薬物の流れを示す図、(d)はマイクロニードルデバイスの変形例を示す一部拡大図である。図6(a)に示すとおり、マイクロニードルデバイス50は、皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードル51および複数の溶液通路52を有するマイクロニードル基板53を備える。本例では、図6(b)に示すように、マイクロニードル51の表面およびマイクロニードル基板53の下面に乾燥薬物70を含むコーティング71を備える。溶解された薬物10、70は、同図(c)に示すように、溶解液とともにマイクロニードル51に沿って皮膚へと流れる。また、同図(d)に示すように、マイクロニードル56の長手方向に薬物を伝達可能な中空通路57を形成し、マイクロニードル基板の溶液通路52とマイクロニードルの中空通路57とを連結してもよい。
図7は、本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の実施例を示す図である。本実施例の装置は、図1のマイクロニードルデバイス50の外側に、マイクロニードル穿刺部分の皮膚を伸長するための皮膚固定部58を設け、さらにマイクロニードルデバイス50に少なくとも1つの溶液通路を有する板状補強材59を設けたものであるが、その他は図1のものと同様である。皮膚固定部58の高さは、マイクロニードルデバイス50の厚みよりも大きくすることが好ましい。また、皮膚固定部58は、マイクロニードルデバイス50の外側の粘着層12に設けることができるが、これに限定されない。その形状はリング状、例えばO−リングとすることができるが、これに限定されず、リングの一部を用いることでもよいし、リング状でなくともよい。マイクロニードルデバイス50の板状補強材59は、例えばマイクロニードル基板53上に配置される。これはマイクロニードル基板53が破損するといけないので、これを補強するために設けられる。本実施例によれば、皮膚固定部58により皮膚が伸長されるのでマイクロニードル51が皮膚に穿孔しやすくなり、また板状補強材59によりマイクロニードルデバイス50を強固にすることができるという利点がある。本実施例では、図1の装置に皮膚固定部58と板状補強材59の両方を設けた例を示したが、これらの一方だけを設けてもよい。また、図2〜図5の装置にも同様に皮膚固定部58や板状補強材59を設けることができる。
図8は、本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の実施例を示す図である。本実施例の装置は、図1のパッド部41上に、外部から音波振動エネルギーを供給するための音波振動子60と、音波振動子60に接続された外部電源接続用のリード部61とを備えたものである。音波振動子60は例えばドーナツ形で、支持体15の開口14を取り囲むように配置される。音波振動子60は例えば、セラミックス等の材質で構成され、その振動周波数は1KHz〜5MHz、その強度は〜3.0mW/cmである。音波振動子60は薬物10の拡散をうながすために有効である。
図9は、本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の実施例を示す図である。本実施例の装置は、皮膚を穿孔可能な複数のマクロニードル51を有するマイクロニードル基板53を備えたマイクロニードルデバイス50と、マイクロニードルデバイス50上に配置され薬物溶解用の溶解液16を収納した溶解液溜め18とを備える。本実施例では、マイクロニードル基板53に少なくとも1つの溶液通路52が形成されている。マイクロニードルデバイス50には乾燥薬物を含むコーティングが配置される。このコーティングは、例えば、マイクロニードル51の外側表面または中空通路内面、あるいはマイクロニードル基板53の上面、下面、側面またはその溶液通路52内面のいずれか1箇所またはそれらの複数箇所に配置される。使用時には、ライナー19を外し、装置を皮膚に当て、溶解液溜め18の突起部17を押圧することにより、隔膜20が破壊され溶解液溜め18が開封されて、支持体15に形成された開口14を介して、溶解液16がマイクロニードルデバイス50へ供給される。これにより、溶解液16が、マイクロニードル基板53に形成された溶液通路52を介してマイクロニードル51に供給される。それとともにマイクロニードル51が皮膚を穿孔し、これにより溶解液で溶解された薬物が経皮吸収される。なお、本図では、使用前にライナー19を支持体15に保持しておくための粘着層、およびマイクロニードルデバイス50に配置される薬物の図示を簡略化のため省略している。
図10は、本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の実施例を示す図である。本実施例の装置は、マイクロニードル基板53に溶液通路が形成されていない点で図9の実施例と異なるが、その他の点では図9の実施例と同様である。すなわち、本実施例では、使用時には、ライナー19を外し、装置を皮膚に当て、溶解液溜め18の突起部17を押圧することにより、隔膜20が破壊され溶解液溜め18が開封されて、支持体15に形成された開口14を介して、溶解液16がマイクロニードルデバイス50へ供給される。このとき、溶解液16は、開口14に対向するマイクロニードル基板53上に滲みていきマイクロニードル基板53の周りからマイクロニードル51に供給される。それとともにマイクロニードル51が皮膚を穿孔し、これにより溶解液で溶解された薬物が経皮吸収される。本実施例のマイクロニードル基板53は、図9の実施例のような溶液通路52を形成していないので、構成が簡単で作成が容易であるという利点がある。但し、溶解液16がマイクロニードル基板53の周りからマイクロニードル51に流れ易くするために、マクロニードル基板53の上面および下面の少なくとも一方に、溶解液を通すための溝を形成してもよい。また、溶解液溜18とマイクロニードル基板53との間は密着することなく、溶解液16が滲み易くなるように所定の間隔を形成するようにしてもよい。
図11は、本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置の他の実施例を示す図である。本実施例の装置は、マイクロニードルデバイス50と溶解液溜め18の間であって、少なくとも溶解液溜め18が開封される部分に、液体を吸収できる材料で構成された吸収材11が壁材13に囲まれて設けられている点で図9の実施例と異なるが、その他の点では図9の実施例と同様である。すなわち、本実施例では、使用時には、ライナー19を外し、装置を皮膚に当て、溶解液溜め18の突起部17を押圧することにより、隔膜20が破壊され溶解液溜め18が開封されて、溶解液16が支持体15に形成された開口14、およびそれに対応する部分に設けられた吸収材11を介して、マイクロニードルデバイス50へ供給される。これにより、溶解液16が、マイクロニードル基板53に形成された溶液通路52を介してマイクロニードル51に供給される。それとともにマイクロニードル51が皮膚を穿孔し、これにより溶解液で溶解された薬物が経皮吸収される。本実施例では、図9の実施例と同様に、マイクロニードル基板53として溶液通路52が形成されたものを用いたが、これに限定されず、例えば、図10の実施例と同様に、マイクロニードル基板53に溶液通路が形成されていないものを用いることもできる。この場合、溶解液16は、上述のとおり、マイクロニードル基板53の周りからマイクロニードル51に供給される。
図9〜図11に示した実施例においても、図示はしないが、外部から電気的エネルギーを供給するための電極をマイクロニードルデバイス上または吸収材上に備えることができる。これにより、電気的薬物投与システム用の装置、例えばイオントフォレーシスシステム用の装置(イオントフォレーシス電極構造体)として用いることができる。また、外部から音波振動エネルギーを供給するための音波振動をマクロニードルデバイス上または吸収材上に備えることができる。また、複数のマイクロニードルは、その長手方向に薬物を伝達可能な中空通路を有し、マイクロニードルの中空通路とマイクロニードル基板の溶液通路が連結されるようにすることができる。さらに、マイクロニードルデバイスの外側に皮膚を伸張するための皮膚固定部を備えることができる。
本発明に係るマイクロニードル付き経皮薬物投与装置では各部において次のものを使用することができる。
生理活性物質(薬物)としては、治療目的に応じた薬物を各種選択することができ、例えば、薬理活性を有する化合物であれば薬剤の種類及び塩の種類、各薬剤の適応等には特に制限されず、例えば、抗生物質、抗真菌剤、抗腫瘍剤、強心剤、不整脈治療剤、血管拡張剤、降圧剤、利尿剤、降圧利尿剤、循環器用剤、抗血小板薬、止血剤、抗高脂血症剤、解熱・鎮痛・消炎剤、抗リウマチ剤、弛緩剤、鎮咳去たん剤、抗潰瘍剤、鎮静剤、抗てんかん剤、抗うつ剤、抗アレルギー剤、糖尿病治療剤、抗結核剤、ホルモン剤、麻薬拮抗剤、骨吸収抑制剤、血管新生阻害剤,局所麻酔剤などが用いられる。
イオントフォレーシスシステムで用いる装置の場合、薬物としては、治療目的に応じた薬物を上述のように各種選択することができるが、イオントフォレーシスを用いた薬物投与に際して、薬物投与量の許容精度が厳しい薬物に対して特に有用である。例えば、インシュリンなどのように有効血中濃度と副作用発現濃度の幅が狭い薬物に対して本装置は安全に使用できる。また、その他の有効血中濃度と副作用発現濃度の幅が比較的広い薬物においても、電気的な誤差要因を極力抑制することは薬物の高い安全性および有効性を得るために重要である。また、薬物に加え、薬物の溶解速度調節剤、安定化のための添加剤、吸着防止剤等を加えることができる。pH調節剤、吸収促進剤は、適宜乾燥状態で保持される。
吸収材としては、液体を良好に吸収できる材料が選択され、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)、多糖類またはセルロース誘導体(レーヨン、綿)、ポリアミド(ナイロン)、不織布、織布、ガーゼ、またはスポンジなどの多孔質体、または、親水性高分子(寒天、アガロース、アルギン酸、キサンタンガム、グアーガム、デキストラン、デキストリン、プルラン、キトサン、ゼラチン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース塩、ポリオキシアルキレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド)、イオン交換樹脂(amberlite、diaion、コレスチラミン)等が挙げられるが、好ましくは、例えば、レーヨンを主体とする不織布である。
薬物保持材としては、例えば、親水性膜、または薬物透過可能な流路を形成したセラミックス、金属、ポリマー材料等の剛性材料等を用いることができる。また、多孔質膜またはイオン交換膜に薬物を含有させたものを用いることができる。多孔質膜としては、例えば、ポリオレフィン(PE、PP)、セルロース、セルロースアセテート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン等が挙げられる。イオン交換膜としては、例えば、陽イオン交換膜、陰イオン交換膜、複合荷電膜等が挙げられるが、好ましくは、ナイロン系の陽イオン交換膜である。
壁材としては、非透水性の材料が選択され、例えば、発泡ポリオレフィン(PE、PPなど)、発泡ポリウレタン、発泡ポリスチレン、発泡ゴム(ポリブチレンなど)、発泡ポリビニルアセテート(EVA)、発泡ポリビニルクロライド(PVC)等が挙げられるが、好ましくは、例えば、発泡ポリオレフィンである。
粘着層としては、例えば、天然ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、ポリアクリレート、シリコンゴム等が挙げられるが、好ましくは、例えば、ポリアクリレートである。
支持体としては、非透水性の材料が選択され、例えば、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、ゴム、EVA、PVC、PET等が挙げられる。
溶解液溜めとしては、例えば、PET、PVC、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、PP、PE、ポリスチレン、環状ポリオレフィン(COC)、アルミニウム(Al)、及びこれらの積層体よりなるシート材をドーム状に成型し、その内部に凸状の突起部を形成した成型シート、または、バリアー性の高いシート(PCTFE/PP系、PCTFE/PVC系、環状ポリオレフィン/PP系)、Al蒸着やSiO蒸着シート等が挙げられる。溶解液溜めは、凸状の突起部を押圧することにより、隔膜または隔膜と支持体の積層体の少なくとも1ヶ所が破壊される。凸状の突起部は、円錐状では破壊される部分が点になり、溶解液の吸収材側への浸透が悪くなる。凸状の突き破り部分(突起部の先端部)は線状または面状であることが好ましい。材料はPCTFE(−CF2−CFCl−)ポリ(クロロ−トリフルオロエチレン)、COC環状ポリオレフィン共重合体でもよい。シートの厚みは例えば100〜500μmとされる。溶解液溜めは、好ましくは、例えば、PP、PP/COC/PP、PCTFE/PP系が用いられる。
隔膜(突起部で破られる膜)としては、例えば、Al、PP、PE及びこれらの積層体が挙げられる。Al箔は、必要に応じ腐食を防止するためのコーティング等を施すことが好ましい。隔膜の厚みは、例えば、Alでは5〜100μm、PPやPEでは15〜50μmとされる。
溶解液としては、例えば、水、アルコール類、多価アルコール、界面、活性剤類、糖類、pH調節剤(有機および無機酸類・塩基類)、塩類、水溶性高分子、溶解剤、吸収促進剤、油脂類、保存剤等が挙げられるが、好ましくは、例えば、精製水、エタノール、グリセリン、メチルパラベン、プロピルパラベン、プロピレングリコール等である。この溶解液は、溶解液留めに封入する他に事前に皮膚に滴下しておくこともできる。
ライナーとしては、例えば、PET、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PP、PE、紙、Al、これらの積層体等が挙げられるが、好ましくは、PETである。また、シリコン処理などの離型性表面処理を行うことが好ましい。さらに、マイクロニードルと接触しないように、ライナーを凹状に加工することが好ましい。
また、本発明では、図2および図3の実施例において、薬物を含有する吸収材の下面に溶液透過膜を備えることができる。溶液透過膜は、吸収材を保持するために有効であり、さらに粉末状の物質を含む際の保持手段としての役目もある。溶液透過膜としては、例えば、多孔質膜またはイオン交換膜を用いることができる。多孔質膜としては、例えば、PE、PP、セルロース、セルロースアセテート、PET、ナイロン等が挙げられる。イオン交換膜としては、例えば、陽イオン交換膜、陰イオン交換膜、複合荷電膜等が挙げられるが、好ましくは、ナイロン系の陽イオン交換膜である。但し、吸収材が不織布のときは溶液透過膜はなくてもよい。
マイクロニードルデバイス(針状構造体)は、皮膚又は粘膜に穿刺されるマイクロニードル(針部)とこのマイクロニードルを支持するマイクロニードル基板からなり、マイクロニードルは基板に複数配列されている。本発明では、マイクロニードルは微小構造のものを扱うため、マイクロニードルのサイズ(高さ)は、皮膚の角質層を穿孔可能な長さが適当で、好ましくは50μm〜1000μm、更に好ましくは、50μm〜500μmである。マイクロニードルの密度は、空間に対し実質等しい距離だけ離れており1cm当り100ないし10000本の密度を有するのが好ましい。ここで、マイクロニードルとは、凸状構造物であって広い意味での針形状又は針形状を含む構造物を意味するが、単純な針形状のものに限定されるものではない。また、先の尖っていない形状もあるため、マイクロニードルとは、先鋭な先端を有するものに限定されるものではない。基板はマイクロニードルを支持するための土台であり、その形態は限定されるものではない。針状構造体の材質としては、シリコン、二酸化ケイ素、セラミック、金属(ステンレス、チタン、ニッケル、モリブテン、クロム、コバルト等)及びプラスチック等が挙げられ、針状構造体の製法としては、シリコン基板を用いたウエットエッチング加工又はドライエッチング加工、金属又はプラスチックを用いた精密機械加工(放電加工、レーザー加工、ダイシング加工等)、機械切削加工等が挙げられる。これらの加工法により、マイクロニードルとマイクロニードル基板は、一体に成型される。マイクロニードルを中空にする方法としては、マイクロニードルを作製後、レーザー加工等で2次加工する方法が挙げられる。
本発明では、活性薬物をマイクロニードルに精製水、低級アルコール、多価アルコールおよび/または高分子担体(コーティング剤)を用いてコーティングすることが可能である。用いられる高分子担体は、ポリエチレンオキサイド、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、デキストラン、ポリビニルピロリドンおよびコンドロイチンから選ばれる少なくとも1を含むことが好ましい。このようなコーティング剤を例えばマイクロニードルに全面コーティングしたのち乾燥する。用時には、このように作製した乾燥薬物コーティング付きのマイクロニードルが皮膚を穿孔し、この穿孔された孔を通って、溶解液により溶解された薬物が経皮吸収される。その後、必要に応じて、薬物の経皮吸収を促進させるためのエネルギーが付加される。
また、コーティング高分子担体は、1〜70重量%であり、特に3〜20重量%が好ましい。また、このコーティング担体は、液だれすることのないようある程度の粘性が必要であり、粘度として100〜50,000cps程度必要である。より好ましい粘度は、300〜10,000cpsであり、更に粘度が500〜5,000cpsであると最も好ましい。
また、コーティングの厚さは、50μm未満、および最も好ましくは25μm未満、すなわち1〜10μmである。一般に、コーティングの厚さは、乾燥後にマイクロニードルの表面にわたって測定される平均の厚さである。コーティングの厚さは、一般に、コーティング担体の複数の被膜を適応することにより増大させることができ、被膜を連続する被覆の間に乾燥させることで形成できる。コーティングは既知の方法を使用してマイクロニードルに塗布し、乾燥させることで形成する。
マイクロニードルをコーティングするのに使用される液体組成物は、生物適合性の担体、送達されるべき有益な作用物質(薬物)、および場合によってはいずれかのコーティング補助物質を揮発性液体と混合することにより調製する。揮発性液体は、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、エタノール、イソプロピルアルコールおよびそれらの混合物であることができる。これらの中で水が最も好ましい。液体のコーティング溶液または懸濁液は、典型的には、約0.1〜40重量%の有益な生理活性物質濃度を有することができ、好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは、3〜20重量%である。コーティングは、マイクロニードル表面に堆積された後に、風乾、真空乾燥、凍結乾燥および/またはそれらの組合せのような既知の乾燥方法を利用して乾燥する。「乾燥された」という用語は揮発性液体を実質的に含まないことを意味し、あっても10%以下であると解釈されるべきである。水性のコーティング溶液または懸濁液の場合には、コーティングは典型的に若干の水分を保持し、より典型的には、コーティングは、マイクロニードルを取り巻く雰囲気と平衡にある水分含量を保持する。
他の既知の製剤補助物質は、それらがコーティングの必要な溶解性および粘度の特徴ならびに乾燥されたコーティングの物理的完全性に有害に影響を及ぼさない限りは、コーティングに添加してもよい。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(薬剤コーティングおよび溶解液併用の効果)
図9のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置を用い、薬剤としてBSA(ウシ血清アルブミン)100mg、FITC−BSA(蛍光標識ウシ血清アルブミン)150mg及び水350μLにより調整した30%水溶液を母液として、10%、20%水溶液を作成した。調整した10〜30%水溶液を、30μL/patchにてマイクロニードルに全面コーティングし、室温で12時間乾燥し、合計で3種類のコーティングマイクロニードルを作成した(→3mg/patch,6mg/patch,9mg/patch)(図12)。
対照となる薬液注入型は、薬剤(FITC−BSA)をマイクロニードルにコーティングせずに溶解液に20%薬剤水溶液15μLを添加した場合と5%PVA203水溶液を30μL/patchでコーティングしたのち薬剤を添加した場合を示した(図13)。
透過量測定は、ヘアレスマウス胴体部皮膚を剥離し、真皮側をレセプター層側に向け、タテ型アクリルセル(2.54cm)に装着し、37℃に設定された恒温装置内に設置した。角質層側に、本発明のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置を貼付し、5.5mL/hrの速さで1,2時間後それ以降は2時間毎に8時間までサンプリングを行った。レセプター層には、リン酸緩衝液(PBS)を使用した。各時間に得られたレセプター液中の薬物含量を蛍光光度測定器(励起:485、蛍光:538)により測定した。
・動物種:ヘアレスマウス(n=3)
・レセプター液:PBS 4mL(Sampling volume:200μL/time)
・温度:37℃
・面積:2.54cm(ただし、M.N基板自体は1cm
・溶解液:生理食塩水を溶解液溜めより滴下した
・PVA203:ポリビニルアルコール(部分けん化物、重合度、300、株式会社クラレ)
測定結果を図12,図13に示す。
溶解液20μLを併用することによりFITC−BSAの皮膚透過性が上昇したため、薬物コーティング量と溶解液の関係を検討した。その結果、図12に示すように、薬物量を3,6,9mgとし、溶解液量を20μLと固定した場合、薬物量が3mgの場合に溶解液の併用効果が最も高かった。一方、9mgに関しては溶解液の相乗効果は全く認められていない。以上より、溶解液の添加により促進効果を期待するためには、薬物量と溶解液量のバランスが関係することが判明した。
また、図13からいずれも薬剤をニードルにコーティングしていないため透過量はかなり低下している。
(薬剤コーティング−水溶性高分子および溶解液併用の効果)
図9のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置を用い、薬剤としてBSA(ウシ血清アルブミン)400mg、FITC−BSA(蛍光標識ウシ血清アルブミン)400mgを水5mlに溶解させ、同様にポリマー(PEO,PVA117)800mgを水5mLに溶解させて、両者を同量ずつ混合してコーティング液とし、マイクロニードルに25μLを全面コーティングし、乾燥機で30分間乾燥した。また、水のみのコーティング剤には、ポリマーを加えなかった。
透過量測定は、ヘアレスマウス胴体部皮膚を剥離し、真皮側をレセプター層側に向け、タテ型アクリルセル(2.54cm)に装着し、37℃に設定された恒温装置内に設置した。角質層側に、本発明のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置を貼付し、5.5mL/hrの速さで1,2時間後、それ以降は2時間毎に8時間までサンプリングを行った。レセプター層には、リン酸緩衝液(PBS)を使用した。各時間毎に得られたレセプター液中の薬物含量を蛍光光度測定器(励起:496、蛍光:517)により測定した。
・動物種:ヘアレスマウス(n=3)
・レセプター液:PBS 4mL(Sampling volume:500μL/time)
・温度:37℃
・面積:2.54cm(ただし、M.N基板自体は1cm
・溶解液:生理食塩水を溶解液溜めより滴下した
・PEO:ポリエチレンオキサイド(分子量90万、濃度2.5%)
・PVA117S:ポリビニルアルコール(完全けん化物、株式会社クラレ)
測定結果を図14に示す。
図14に示すように、コーティング組成として、水溶性高分子であるポリエチレンオキサイド(分子量90万)を混合した場合、または水のみでポリマーを混合しない場合は溶解液20μLを併用することによりFITC−BSAの皮膚透過性が上昇する。よって、溶解液による透過性の調整の可能性が示された。一方、難溶解性ポリマーであるPVA117を混合した場合には溶解液の添加による皮膚透過性促進効果は認められなかった。
以上の結果から、ポリマー自身の溶解性の高いポリマーを使用するか、ポリマーを使用せず溶解液を添加することで透過促進効果が期待できる。また、難溶解性のポリマーの使用は、溶解液を添加しても透過促進効果が見られないことが判明した。
(カルセインナトリウムコーティングおよび溶解液併用の効果)
図9のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置を用い、薬剤としてカルセインナトリウム70mg、5%ポリマー(ポリビニルピロリドン、デキストラン)水溶液930μLと混ぜ合わせ、マイクロニードルに25μLを全面コーティングし、室温で12時間乾燥した。また、水のみのコーティング剤には、ポリマーを加えなかった。
透過量測定は、ヘアレスマウス胴体部皮膚を剥離し、真皮側をレセプター層側に向け、タテ型アクリルセル(2.54cm)に装着し、37℃に設定された恒温装置内に設置した。角質層側に、本発明のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置を貼付し、5.5mL/hrの速さで1,2時間後それ以降は2時間毎に6時間までサンプリングを行った。レセプター層には、リン酸緩衝液(PBS)を使用した。各時間毎に得られたレセプター液中の薬物含量を蛍光光度測定器(励起:485、蛍光:538)により測定した。
・動物種:ヘアレスマウス(n=3)
・レセプター液:PBS 4mL(Sampling volume:200μL/time)
・温度:37℃
・面積:2.54cm(ただし、M.N基板自体は1cm
・溶解液:生理食塩水を溶解液溜めより滴下した
測定結果を図15,図16,図17に示す。
分子量623のカルセインナトリウムにおいても、ポリマーの有無に関わらず、溶解液滴下により、透過促進効果が認められており、ポリビニルピロリドン、デキストランの併用においても促進効果が認められた。
本発明は皮膚を介して薬物を投与するための経皮薬物投与装置に係り、特に皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルを備えたマイクロニードル付き経皮薬物投与装置に関するものであり、産業上の利用可能性がある。また、吸収性の困難な生理活性物質の経皮投与時にマイクロニードルに薬剤をコーティングし皮膚を穿孔することにより、生理活性物質を効率的に経皮投与(受動拡散)が可能となる。よって、イオントフォレーシス投与による治療効果を高めることができるため産業上の利用可能性が大いにある。

Claims (21)

  1. 皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルおよび少なくとも1つの溶液通路を有するマイクロニードル基板を備えたマイクロニードルデバイスと、前記マイクロニードルおよび/または前記マイクロニードル基板に配置された乾燥薬物を含むコーティングと、前記マイクロニードルデバイス上に配置されたパッド部と、前記パッド部上に配置され薬物溶解用の溶解液を収納した溶解液溜めとを備え、前記溶解液溜めの押圧により、前記溶解液溜めが開封され前記溶解液が前記パッド部および前記マイクロニードルデバイスへ供給されるとともに前記マイクロニードルが皮膚を穿孔し、これにより前記溶解液で溶解された前記薬物が経皮吸収されるようにしたことを特徴とするマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  2. 外部から電気的エネルギーを供給するための電極を前記パッド部上に備えたことを特徴とする請求項1に記載のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  3. 外部から音波振動エネルギーを供給するための音波振動子を前記パッド部上に備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  4. 前記マイクロニードルデバイスが、前記マイクロニードル基板上に少なくとも1つの溶液通路を有する板状補強材を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  5. 前記パッド部が乾燥薬物を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  6. 前記パッド部が、前記乾燥薬物を含有する薬物保持材と、前記溶解液を吸収する吸収材とを備えたことを特徴とする請求項5に記載のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  7. 皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルおよび少なくとも1つの溶液通路を有するマイクロニードル基板を備えたマイクロニードルデバイスと、前記マイクロニードルおよび/または前記マイクロニードル基板に配置された乾燥薬物を含むコーティングと、前記マイクロニードルデバイス上に配置され液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記吸収材上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を収納し押圧により前記吸収材との間に設けられた隔膜を破壊可能な溶解液溜めとを備えたことを特徴とするマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  8. 前記吸収材が乾燥薬物を含むことを特徴とする請求項7に記載のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  9. 皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルおよび少なくとも1つの溶液通路を有するマイクロニードル基板を備えたマイクロニードルデバイスと、前記マイクロニードルおよび/または前記マイクロニードル基板に配置された乾燥薬物を含むコーティングと、前記マイクロニードルデバイス上に配置された薬物保持材と、前記薬物保持材上に配置され液体を吸収できる材料で構成された吸収材と、前記吸収材上に配置され前記薬物を溶解する溶解液を収納し押圧により前記吸収材との間に設けられた隔膜を破壊可能な溶解液溜めとを備えたことを特徴とするマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  10. 前記薬物保持材が乾燥薬物を含むことを特徴とする請求項7に記載のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  11. 外部から電気的エネルギーを供給するための電極を前記吸収材上に備えたことを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  12. 外部から音波振動エネルギーを供給するための音波振動子を前記吸収材上に備えたことを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  13. 前記複数のマイクロニードルがその長手方向に中空通路を有し、前記マイクロニードルの中空通路と前記マイクロニードル基板の溶液通路が連結されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  14. 前記マイクロニードルデバイスの外側に皮膚を伸長するための皮膚固定部を備えたことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  15. 皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルを有するマイクロニードル基板を備えたマイクロニードルデバイスと、前記マイクロニードルおよび/または前記マイクロニードル基板に配置された乾燥薬物を含むコーティングと、前記マイクロニードルデバイス上に配置され薬物溶解用の溶解液を収納した溶解液溜めとを備え、前記溶解液溜めの押圧により、前記溶解液溜めを開封して前記溶解液を前記マイクロニードルデバイスへ供給するとともに前記マイクロニードルを皮膚に穿孔し、これにより前記溶解液で溶解された前記薬物を前記マイクロニードルを介して経皮投与することを特徴とするマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  16. 前記溶解液が、前記マイクロニードル基板に形成された少なくとも1つの溶液通路を介して前記マイクロニードルに供給されることを特徴とする請求項15に記載のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  17. 前記溶解液が、前記マイクロニードル基板の周りから前記マイクロニードルに供給されることを特徴とする請求項15に記載のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置。
  18. 前記マイクロニードルデバイスと前記溶解液溜めの間であって、少なくとも前記溶解液溜めが開封される部分に、液体を吸収できる材料で構成された吸収材が設けられることを特徴とする請求項15〜17のいずれかに記載のマイクロニードル付き経皮薬物投与装置
  19. 皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルおよび前記マイクロニードルを支持するマイクロニードル基板を備えたマイクロニードルデバイスの前記マイクロニードルおよび/または前記マイクロニードル基板に薬物含有のコーティングを施す方法であって、薬物および液体を混合して液体組成物を調製する工程と、前記液体組成物を前記マイクロニードルおよび/または前記マイクロニードル基板に塗布する工程と、前記塗布された液体組成物を乾燥させる工程とを含むことを特徴とする方法。
  20. 皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルおよび前記マイクロニードルを支持するマイクロニードル基板を有するマイクロニードルデバイスと、前記マイクロニードルおよび/または前記マイクロニードル基板に配置された乾燥薬物を含むコーティングと、前記マイクロニードルデバイス上に配置されたパッド部と、前記パッド部上に配置され薬物溶解用の溶解液を収納した溶解液溜めとを備えた装置を皮膚に当て、前記溶解液溜めの押圧により、前記溶解液溜めを開封して前記溶解液を前記パッド部および前記マイクロニードルデバイスへ供給するとともに前記マイクロニードルを皮膚に穿孔し、これにより前記溶解液で溶解された前記薬物を前記マイクロニードルを介して経皮投与することを特徴とする経皮薬物投与方法。
  21. 皮膚を穿孔可能な複数のマイクロニードルおよび前記マイクロニードルを支持するマイクロニードル基板を有するマイクロニードルデバイスと、前記マイクロニードルおよび/または前記マイクロニードル基板に配置された乾燥薬物を含むコーティングと、前記マイクロニードルデバイス上に配置された薬物溶液用の溶解液を収納した溶解液溜めとを備えた装置を皮膚に当て、前記溶解液溜めの押圧により、前記溶解液溜めを開封して前記溶解液を前記マイクロニードルデバイスへ供給するとともに前記マイクロニードルを皮膚に穿孔し、これにより前記溶解液で溶解された前記薬物を前記マイクロニードルを介して経皮投与することを特徴とする経皮薬物投与方法。
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