JP2009509682A - 予め充填された結合電気搬送パッチからの性腺刺激ホルモン放出ホルモンのパルス状搬送 - Google Patents

予め充填された結合電気搬送パッチからの性腺刺激ホルモン放出ホルモンのパルス状搬送 Download PDF

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Abstract

【解決手段】薄膜によって性腺刺激ホルモン放出ホルモン及び/又は関連する類似物を含む組成物のような組成物を搬送するために構成された、電気的に支援された搬送装置で使用するように構成された、結合電極装置、アセンブリ及びシステムの様々な実施例が提供される。結合電極装置、アセンブリ及びシステムは、1又は2以上の構造的、物理的、機械的、電気的及び電気機械的に増強されたものを含んでいる。ここに記述された様々な実施例による結合電極装置を用いて、患者へ組成物を投与する方法も開示される。
【選択図】図2

Description

発明の分野
本発明は一般に、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)を搬送する種々の電気的に支援された搬送装置及びシステムに関連して用いられるように構成された種々のアセンブリ、装置及びシステムに関する。
関連技術の記載
近年、経皮的に薬剤を搬送するシステムは、薬剤を投与する手段としての重要性が高まっている。そのようなシステムは、2−3の例を挙げると、胃腸部又は皮膚の刺し穴を通って薬剤を導入するような他の投与モードによっては達成し得ない利点を明らかに提供する。
経皮的に薬剤を搬送するシステムには「受動型」と「能動型」の2つのタイプがある。受動型システムは、薬剤を次第にユーザの皮膚を通って搬送し、その例は米国特許第3,814,095号に開示されたように、限定部分を救護する(relief)局所麻酔の処置を含む。その一方で、能動型システムは、外部力を用いて、患者の皮膚を通る薬剤の搬送を容易にする。能動型システムの例は、超音波、電気穿孔及び/又はイオン導入法である。
薬剤のイオン導入搬送は、薬剤を搭載した電極溜めに電圧を加えることにより達成され、該電圧は薬剤を搭載した電極溜めと患者の皮膚に付けられる逆の電極(他方の電極)溜めとの間の電流を維持するのに十分であり、所望の薬剤はイオン形式で患者に搬送される。
米国特許第4,820,263号及び第5,084,008号に記載された従来のイオン導入装置は、イオン導入によって薬剤を経皮的に搬送し、これらの開示は引用を持って本願への記載加入とする。これらの装置は基本的に2つの電極、陽極と陰極から構成される。典型的なイオン導入装置に於いて、電流は外部の供給電源から運ばれる。陽極から薬剤を搬送する装置に於いて、正に帯電した薬剤は、陰極と電気的回路を完成した陽極にて皮膚内に搬送される。同様に、陰極から薬剤を搬送するシステムに於いて、負に帯電した薬剤は、陽極と電気的回路を完成した陰極にて皮膚内に搬送される。従って、種々の目的から薬剤の搬送を実行するイオン導入に、強い関心があった。その一例は、一般に局所的麻酔薬であるリドカインである。
性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)及びその類似物の治療対象は、低ゴナドトロピン性機能低下症に関する無月経及び不妊症の取り扱いであるが、これに限定されない。ゴナドレリン(ゴナドレリン(HCl)は、商標FACTREL(ニュージャージー州マジソンのWyeth-Ayerst Laboratoriesの登録商標)の下で米国内にて市販されている)、又はゴナドレリン酢酸塩(商標LUTREPULSE(ニューヨーク州サファーンのFerring Pharmaceuticalsの登録商標)の下でカナダ国内にて市販されている)は、人間の視床下部で合成された内部成長的なGnRH、及び視床下部で停止する(terminate)様々なニューロンと同じアミノ酸配列をしている合成デカペプチドである。従って、その薬学・毒物学上のプロフィールは内部成長的なGnRHのプロフィールと同一である。
GnRHの他の類似物は、次のものを含んでいる:黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、黄体形成ホルモン放出ホルモンジヒドロクロリド(ゴナドレリン塩酸塩)、黄体形成ホルモン放出ホルモンジアセテートテトラハイドレード(ゴナドレリン酢酸塩)及び黄体形成ホルモン-/卵胞刺激ホルモン−放出ホルモン(LH/FSH-RH)。
GnRHは脳下垂体に他のホルモン(黄体形成ホルモン(LH)及び卵胞刺激ホルモン(FSH))を放出させる。LH及びFSHは、子供の成長及び大人の受胎を制御する。この治療はGnRHの間欠パルスを理想的には60−120分間隔で受け取る。
この服用量摂生法は一般的には、皮下注入ポンプの使用によって実行される。
これは、ポンプを埋め込み及び取り外すことを外科的手順に要求し、及び治療全般の厄介な性質により、ポンプシステムの使用が制限された。
米国特許番号第5,013,293号;第5,312,325号;第5,328,454号;第5,336,168号及び第5,372,579号は、GnRHの搬送を含むパルス状の経皮的な薬剤搬送を示す。
これらの特許は、自然なリズムに従って性腺刺激ホルモンの放出を引き起こすGnRHの搬送を示す。これらの特許は、また定常状態モード又は固有周波数を越える周波数に於けるGnRHの投与が生殖腺刺激性の分泌を消滅させることを開示する。
本発明は、先行技術に対する改良点、及び電極溜め、薬物濃度及び得られるプロフィールに関する新規性のある特徴を開示する。
その改良点は、ここに開示された電気的に支援された搬送装置を用いた実際の生体内搬送によって実証される。
我々は、イオン導入システムが別々の必要なパルス状投与、及びGnRHの正確な搬送を許す非侵入性の搬送システムを達成し、投薬と時間の関係の記録を維持することができることを究明した。GnRHが、FACTREL(商標)静脈内ポンプによって生成されたのと似ているパルス状搬送プロフィールを用いた電気輸送によって搬送されるかどうかを決定する研究が企画された。ポンプは、1分のパルス間隔及び90分の投与間隔で、2.5及び20μg/パルスの間で搬送する。
研究の代替目標は、皮下(SC)の搬送をシミュレートすることであり、それはさらにより高い投与量範囲、〜20μg/パルスにおいて効果的である。
我々は、電気輸送によってGnRHが搬送され得ることを究明した。我々は、薬物濃度とパルス時間の影響を究明し、及び再現性を究明した。
実験は、パルス状の経皮的なイオン導入がGnRHのパルス分泌を再生し、皮下注入プロフィールに比較して優れていることを実証した。より短いパルス期間(8×5分)によって、鋭い血漿プロフィールを提供することができる。
血漿GnRHレベルは、8分のパルス時間でドナー薬物濃度(10−50mg/mL)に比較的関係しなかったが、5分のパルス時間である程度の関連性を示した。パッチの構成は組立てから使用期間中は安定しているままだった。
実験は、最初の2つのパルスについて、立ち上げ効果を示し、そこでは、GnRHの血漿レベルは相対的により低い。これはそれらの2つのパルス用の電流密度を増加させることによって克服することができる。搬送された電流は、十分に許容可能な限界内であり、刺激を引き起こさない最低値である。最後に、5分間に8つのパルスに亘ったGnRH搬送は再現された。
従来のイオン導入装置は、皮膚のような薄膜を通って、GnRHのような組成物を効率よく且つ有効に伝えることができない。構造的、物理的、機械的、電気的、電気化学的及び/又は電気機械的要素のような改善された構成は、イオン導入装置の性能を増強するために要求される。
要約
本発明の種々の実施例に於いて、薄膜を通ってGnRHの組成物を搬送する電気的に支援された搬送装置に関連して用いるように構成された結合電極アセンブリが提示される。種々の実施例に於いて、結合電極アセンブリは、可撓性のある基材、可撓性のある基材に接続された電極層を具え、電極層は少なくとも1つのドナー電極と、リターン電極と、各ドナー電極とリターン電極からアセンブリにタブ端部に延びる少なくとも1つのリードを具え、タブ端部は電気的に支援された搬送装置の少なくとも1つの要素に電気的に繋がるように構成され、ドナー電極に電気的に繋がって位置するドナー溜めを具え、該ドナー溜めは組成物量を含み、リターン電極と電気的に繋がって位置するリターン溜めを具える。
更に、本発明の実施例は、以下の構成の少なくとも1つを含む。少なくとも1つの電極及びリードの少なくとも一部に隣接して位置する絶縁性の誘電被覆、電極層に形成された少なくとも1つの薄肉部(spline)、タブ端部に接続されたタブ補強材、タブ端部に形成されたタブスリット、タブ端部上に位置するセンサトレース、ドナー溜めを覆うように構成されたドナー部と、リターン溜めを覆うように構成されたリターン部を有する剥離カバー、可撓性のある基材の少なくとも一部は、電極層の少なくとも一部の撓み剛性よりも小さな撓み剛性を有し、ドナー電極及びドナー溜めを含むアセンブリの表面積と、リターン電極及びリターン溜めを含むアセンブリの表面積との間の最短距離は、薄膜を通って組成物を搬送する略均一な経路を形成するような大きさであり、ドナー電極及びドナー溜めを含むアセンブリの表面積は、リターン電極及びリターン溜めを含むアセンブリの表面積よりも大きく、少なくとも1つの溜めの表面積の対応する電極の表面積に対する比は、約1.0から1.5の範囲であり、アセンブリのフットプリント領域は、約5cm2から100cm2の範囲であり、電極の総表面積が、アセンブリの総フットプリント領域に対する比は、約0.1から0.7の範囲であり、ドナー電極の表面積が、リターン電極の表面積に対する比は、約0.1から5.0の範囲であり、ドナー溜めの厚みのリターン溜めの厚みに対する比は、約0.1から2.0の範囲であり、少なくとも1つの溜めに電気的に繋がるアセンブリの少なくとも1つの要素の水分吸収容量は、アセンブリの要素に面接触する溜めの水分吸収容量よりも小さく、ドナー電極及びリターン電極間に位置する領域内にて、可撓性のある基材内にはスリットが形成され、少なくとも1つの非接着性タブは可撓性のある基材から延び、電極層上に蒸着された転写接着層の一部と、タブ端部に接続されたタブ補強材の一部の間にギャップが形成され、少なくとも1つの触感補助がタブ端部に形成され、少なくとも1つの印がアセンブリの少なくとも一部に形成され、少なくとも1つのドナー電極及びリターン電極に隣接した電極層上に蒸着された転写接着層の一部の最小幅は、少なくとも約0.953cm(0.375インチ)の範囲であり、又はタブ端部に繋がるタブの最小長さは、少なくとも約3.81cm(1.50インチ)の範囲である。
本開示の他の実施例は、薄膜を通って組成物を投与する方法であるが、これに限定されない。方法は、薄膜を通って組成物を搬送する電気的に支援された搬送装置に繋がって用いるように構成された結合電極アセンブリを薄膜に取り付ける工程を有する。結合電極アセンブリは、上記及び後記する。方法は更に、電気的に支援された搬送装置に約40mA・分から100mA・分の電荷を印加する工程を有する。
発明の詳細な記載
述べられた範囲内の最大値及び最小値には、両方とも前に用語「約」が付されるように、明確に示されていなければ、本願で特定される種々の範囲内の数値の使用は、概略値で述べられる。このように、述べられた範囲を越える及び該範囲未満の僅かなバラ付きは、範囲内の値と同じ結果を略達成するために使用され得る。さらに、これらの範囲の開示は、最小値と最大値の間の全ての値を含む連続的な範囲として意図される。
別段の定めがない限り、本発明の実施例は「正常な使用」条件の下で使用され、それはそれらの実施例の標準的な動作パラメータ内で使用することを指す。
ここに記載された様々な実施例の動作中に、イオン導入装置の「正常な使用」の下で、1又は2以上のパラメータの目標の約10%又はそれ未満の偏差は、本発明の目的についての適切な偏位と考えられる。
用語は「非充填(unloaded)」又は「非充填の溜め」が溜めを充填する過程によって必ず定義される。充填する(loading)過程に於いて、薬剤又は他の組成物か、吸収されるならば配合物が、溜め内に吸収され及び/又は拡散されて、組成物又は配合物の最終的な内容又は濃度になる。充填されない溜めは、最終的な内容又は濃度ではない組成物又は配合物の溜めである。
一例に於いて、以下に詳細に記載されるように、充填されない薬剤の溜めはヒドロゲルであって、水と塩を含む。更なる一又は2以上の成分が、充填されない溜めに含まれていてもよい。一般的には、有効成分は充填されないゲル溜めの中にはない。防腐剤のような他の更なる、一般的な非イオンの成分は負荷を充填されない溜めに含まれていてもよい。
塩はアルカリ金属ハロゲン化物塩類を含む多くの塩のうちの1つであるが、塩は一般的には塩化ナトリウムである。以下に限定されないが、機能性の点からNaClと等しいかもしれない、KCl又はLiClのような他のハロゲン化物が、機能性の点からNaClと等しいかもしれないが、好ましくない。
電極腐食を防ぐハロゲン化物塩類の使用は、米国特許第6,629,968号及び第6,635,045号に開示され、両方の内容は全体の引用を持って、本願への記載加入とする。
用語「電気的に支援された搬送」は、薄膜を越えて電位を印加することによって、以下に限定されないが、皮膚、粘膜及び爪のような薄膜を通して、あらゆる組成物の転送を促進することを指す。「電気的に支援された搬送」は、イオン導入法、電気泳動法及び電気浸透法を含むように意図されるが、これらに限定されない。
用語「有効成分」によって、薬剤、活性薬剤、治療用組成物、薬物、及び電気的に支援された搬送方法によって搬送可能な受容体内の如何なる薬学的効果を誘発することができる他の組成物が意味されるが、これらに限定されない。
特段の定めがない限り、用語「GnRH」は、遊離塩基、塩、派生物、同族体又はそれらの類似物を含むGnRHのあらゆる水溶性、イオン化の形式を指す。例えば、明細書内及びこの中の例で記載されたように、「GnRH」は他にも商品名はあるが、夫々LUTREPULSE(商標)又はFACTREL(商標)として市販されているGnRH塩酸塩(HCl)、GnRH酢酸塩又はそれらの混合物を指す。
本開示の限定されない実施例に於いて、GnRHに代えて、又はGnRHに加えて使用され得る他の使用可能なGnRHの同族体、派生物、又は類似物は、他のGnRH作用薬を含み、該作用薬は同じ薬学効果を生むペプチドを含み、例えばブセレリン、デスロレリン、ゴセレリン、ヒストレリン、ロイプロライド(ロイプロレリン)、ナフェレリン及びトリプトレリンのような一層長い半減期を有する。
ここで記載された電気的に支援された搬送装置の種々の実施例に適用されるように、装置に関して使用される用語「結合」は、少なくとも2つの電極が装置の共通の構造要素に繋がっていることを示す。例えば、イオン導入装置の経皮パッチは、陰極と陽極の「結合」をその中に含み、即ち陰極と陽極は共通の基材に取り付けられるが、これに限定されない。
ここで記載された電気的に支援された搬送装置の種々の実施例に適用されるように、「可撓性材料」即ち構成要素は、種々の薄膜表面積構成に略対応して一致しており、「堅い材料」即ち構成要素は、種々の薄膜表面積構成に略対応せず一致していない。更に、「可撓性材料」即ち要素は、一層高い曲げ剛性を有する「堅い材料」即ち構成要素に比して、曲げ剛性が低い。例えば、可撓性材料は結合パッチの基材として用いられると、患者の前腕又は肘内側の形状に亘って略一致し、然るに比較的「堅い」材料は、同様に基材として使用されるに当たって略一致しないが、例はこれに限定されない。
ここで用いられるように、用語「搬送吸収剤」は、その中に少なくとも一時的に流体を保持し、且つ保持した流体を例えばヒドロゲルのような他の媒体に放出するように構成されたあらゆつ媒体を含む。ここで用いられる「搬送吸収剤」の例は、不織布及び剥離セルスポンジ及び泡であるが、これらに限定されない。
イオン導入装置
図1は、一般的な電気的に支援された薬剤搬送装置(1)を示す。装置(1)は、電源/コントローラ(2)、陽極アセンブリ(4)及び陰極アセンブリ(6)を含む。陽極アセンブリ(4)及び陰極アセンブリ(6)は、夫々導電性リード(8a)(8c)によって電源/コントローラ(2)に電気的に接続される。陽極アセンブリ(4)は陽極(10)を含み、陰極アセンブリ(6)は陰極(12)を含む。陽極(10)及び陰極(12)は両方ともリード(8a)(8c)に電気的に接触している。
陽極電極アセンブリ(4)はさらに陽極溜め(14)を含み、その一方、陰極電極アセンブリ(6)はさらに陰極溜め(16)を含む。
陽極電極アセンブリ(4)及び陰極電極アセンブリ(6)の両方は、基材(18)を含み、感圧型の接着剤(20)が用いられて該基材に、電極アセンブリ(4)(6)を薄膜(例えば、患者の皮膚)に取り付け、溜め(14)(16)と薄膜との電気的な接触を確立する。
随意的に、溜め(14)(16)は、少なくとも一部が感圧型の接着剤(20)で覆われ得る。
図2乃至図10は、例えばGnRHのような組成物を薄膜を通って搬送する電気的に支援された搬送装置に用いるように構成された本発明の結合電極アセンブリ(100)の種々の態様を示す。
2つの電極(陽極(104)及び陰極(106))を含む印刷された電極層(102)は、印刷された電極層(102)と可撓性基材(108)の間に位置する可撓性の転写接着剤の層(110)によって、可撓性基材(108)に接続される。
1又は2以上のリード(112)(114)が、陽極(104)及び/又は陰極(106)から、印刷された電極層(102)のタブ端部(116)に延びる。種々の態様に於いて、絶縁性の誘電被覆(118)は、1又は2以上の電極(104)(106)及び/又はリード(112)(114)の少なくとも一部に蒸着され及び/又は隣接する。誘電被覆(118)は、印刷された電極層(102)の物理的な一体性を強くするか支持するのに役立ち、リード(112)(114)及び/又は電極(104)(106)を通る点光源の密度を減じるのに役立ち、及び/又は陽極(104)及び関連するリード(112)と、陰極(106)及び関連するリード(114)との間の望ましくない短絡経路を形成するのを阻止するのに役立つ。
示すように、他の態様に於いて、1又は2以上の薄肉部(122)(122A)(122B)(122C)(122D))が、印刷された電極層(102)の種々の部分から延びるように形成される。薄肉部(122)の少なくとも1つの利点は、アセンブリ(100)にて用いられる印刷された電極層(102)の製造性(例えば、電極層(102)の型抜き)及び構成を容易にする点であることが判るだろう。薄肉部(122)はまた、アセンブリ(100)の構成又は使用に関して、剥離カバー(後記の記載を参照)が位置するとき、望ましくない真空が形成されるのを阻止するのに役立つ。
本発明の他の実施例に於いて、タブ補強材(124)が、タブ補強材(124)とタブ端部(116)の間に位置する接着剤の層(126)によって、印刷された電極層(102)のタブ端部(116)に接続される。種々の実施例に於いて、アセンブリ(100)のタブ端部(116)にタブスリット(128)が形成される(図2及び図4に特に示される)。タブスリット(128)は、タブ補強材(124)及び接着剤の層(126)を通って延びるように形成される。他の実施例に於いて、タブ端部(116)に関連して構成されるタブの最短長さ(129)(図6に特に示される)は、少なくとも1.5インチの範囲である。
図5A−図5Cについて、タブ端部(116)は、例えばコネクタアセンブリ(250)のナイフエッジ(250A)のような電気的に支援された搬送装置の1又は2以上の要素に機械的又は電気的に動作可能に結合するように構成される。図5B及び図5Cに示すように、タブ端部(116)が一旦コネクタアセンブリ(250)の可撓性回路コネクタ(250B)内に挿入されると、タブ端部(116)のタブスリット(128)は、その中にナイフエッジ(250A)を受け入れるように構成される。
ナイフエッジ(250A)及びタブスリット(128)の相互作用は、タブ端部(116)をコネクタアセンブリ(250)の可撓性回路コネクタ(250B)内に挿入する使用者にとって、触覚で感じる補助として役立つことが理解されるだろう。更に、ナイフエッジ(250A)は、コネクタアセンブリ(250)からタブ端部(116)を外す際に、例えばセンサトレース(130)のようなタブ端部(116)上に位置する1又は2以上の電気的接触部を切断し、或いはそうでなければ不能にする。この電気的接触部を不能にすることにより、例えば、薄膜を通って組成物を搬送するアセンブリ(100)及びコネクタアセンブリ(250)を最初に使用した後に、意図しないアセンブリ(100)の使用が生じる可能性を少なくすることが判るだろう。
他の態様に於いて、転写接着剤の層(110)は、印刷された電極層(102)に繋がって位置し、アセンブリ(100)を含む電気的に支援された搬送装置の動作中に、薄膜からアセンブリ(100)の付着及び/又は除去を容易にする。随意的に、第2の接着剤の層(132)が電極層上に位置して、印刷された電極層(102)の周辺を囲み、薄膜からアセンブリ(100)の付着及び/又は除去を容易にする。図2に示すように、第1のヒドロゲル溜め(134)は、印刷された電極層(102)の陽極(104)に電気的に繋がって位置し、第2のヒドロゲル溜め(136)は、印刷された電極層(102)の陰極(106)に電気的に繋がって位置する。
他の態様に於いて、多くの例に於いて、ヒドロゲルが好ましいが、例えばNaclを含む塩を含む如何なる水溶性の導電性媒体も、陰極(106)として用いられる。
図3に示すように、剥離カバー(138)は、陽極ドナー部(140)及び陰極リターン部(142)を含む。陽極ドナー部(140)は、その中にドナー搬送吸収体(144)を受け入れるように構成され、該ドナー搬送吸収体(144)は陽極ドナー部(140)内に設置されるのに適切に構成され/サイズ化されている。同様に、陰極リターン部(142)は、リターン搬送吸収体(146)を受け入れるように構成され、該リターン搬送吸収体(146)は、陰極リターン部(142)内に設置されるのに適切に構成され/サイズ化されている。搬送吸収体(144)(146)は、例えば1又は2以上の接合点を使用することのような適切な方法又は器具によって、夫々の部(140)(142)に取り付けられる。アセンブリ(100)を構成するには、剥離カバー(138)が可撓性の転写接着剤の層(110)と面接触するように構成され、ドナー搬送吸収体(144)は陽極(104)に繋がるヒドロゲル溜め(134)と接触し、リターン搬送吸収体(146)が陰極(106)に繋がるヒドロゲル溜め(136)と接することが判るだろう。
種々の実施例に於いて、結合アセンブリ(100)は、ドナーアセンブリとして機能する例えばGnRH(HCl)及び/又はGnRH(酢酸塩)又は同族体、派生体、又はそれらの類似品である薬品が充填された第1の電極溜めアセンブリ(溜め(134)及び陽極(104)を含む)、及びリターンアセンブリとして機能する第2の電極溜めアセンブリ(溜め(136)及び陰極(106)を含む)を有する。
アセンブリ(100)は、可撓性の基材(108)の電極アセンブリ固定部(108A)上に取り付けられた電極溜め(104)及び電極溜め(106)を含む。
アセンブリ(100)は、陽極(104)及び陰極(106)の2つの電極を含み、各々は夫々電極表面及び動作的に関連する電極トレース、即ちリード(112)(114)を有する。電極(104)(106)及び電極トレース(112)(114)は、例えば導電性インクを使用して電極層(102)上に蒸着された薄手フィルムとして形成されてもよい。
導電性インクは、適切なバインダー材料に、例えばAg及びAg/AgClを含んでいてもよく、導電性インクには両方の電極(104)(106)及び電極トレース(112)(114)に同じ組成物があってもよい。
導電性インク用の基板厚さは約0.05mm(0.002インチ)から約0.18mm(0.007インチ)までの範囲にある。限定されない実施例の他の態様では、Ag/AgCl電気化学用の導電性インクの特定のキャパシティーは、約2から約120mA・分/cm2の範囲が好ましく、約5から約20mA・分/cm2の範囲が特に好ましい。他の実施例に於いて、Ag/AgCl電気化学用の導電性インクの特定のキャパシティーは、約20から約40mA・分/cm2の範囲が好ましい。種々の態様に於いて、導電性インクは印刷された導電性インクからなる。電極(104)(106)及び電極トレース(112)(114)は、電極層(102)内に形成されて、アセンブリ(100)の堅い部分を構成する。
本発明の種々の実施例に於いて、陽極(104)/溜め(134)アセンブリの表面積と、陰極(106)/溜め(136)アセンブリの表面積の間の最短距離(152)は、少なくとも約0.064cm(0.25インチ)の範囲にある。
例えば、図8を参照すると、距離(152)、電極(104)(106)の幾何学的構成(例えば、厚み、幅、総表面積、及びその他)及び/又は他の要素の組み合わせを不適切に選択すると、アセンブリ(100)の動作中に薄膜(154)を通った組成物が略不均一に搬送される結果となることが判るだろう。示されるように、薄膜を通る組成物の搬送は、組成物搬送経路(156A)-(156F)によって概略的に示される。
対照的に、図9に示すように、距離(152)、電極(104)(106)の幾何学的構成(例えば厚み、幅、総表面積及びその他)及び/又は他の要素の組み合わせの適切な選択は、搬送経路(156A)-(156F)によって示すように、薄膜を通る組成物の搬送が略均一に帰する。
発明者らは、例えば瘢痕組織を含む薄膜を通って組成物を搬送する問題、又は例えば装置の電極間の組成物の搬送の有効性及び均一性に悪影響を与える薄膜の密度に於ける他の変形例を認識したことが判るだろう。
上記の記載に従って、各電極(104)(106)は夫々、例えば、塩の略均一な濃度を含む架橋したポリヒドロゲル(ビニルピロロジン)のような架橋高分子材料から形成された吸収性溜め(bibulous reservoir)(134)(136)を用いて取り付けられる。溜め(134)(136)はまた、例えば、ヒドロゲルの形を保持する基本重量が低い不織布スクリムのような1又は2以上の増強材を含んでいてもよい。
各溜め(134)(136)は、薄膜(例えば、患者の皮膚)の適用領域に取り外し可能な接着性を付与する接着性で密着力のある特性があってもよい。種々の実施例では、アセンブリ(100)の部分と薄膜の適用領域間に形成される接着力の強さは、薄膜と溜め(134)(136)間に形成される接着力の強さよりも小さい。溜め(134)(136)の接着性で密着力のある特性は、アセンブリ(100)が薄膜の適用領域から取り外される場合、例えば相当量の接着性のある残留物が、薄膜上に残らないとの効果がある。
これらの特性により、溜め(134)(136)は夫々の電極(104)(106)と実質的な電気的な繋がりを残し、可撓性の基材(108)は印刷された電極層(102)と実質的な電気的な繋がりを残すことができる。
本発明の実施例に従って提供されたように、アセンブリ(100)の部分は、装置(100)の構造に沿った多方向に柔軟性、即ち低い曲げ剛性を示すように構成され得る。しかし、装置(100)の柔軟性に対し作用するので、基板として、例えば印刷処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)のような材料を含む比較的堅い電極層(102)を構成する。PETは機械の方向及び機械を横切る方向に高い伸張性を示し、G=E*δnの曲げ剛性を示し、これは弾性係数(E)及び材料の厚み(δ)の累乗の関数である。
仮定の反例のつもりで、例えばMYLAR(商標)のような物質が電極層(102)及び可撓性の基材(108)の両方に使用されるなら、少なくとも2つの問題がある。それは、薄膜上の処理部分に十分又は有効に付着するには堅すぎること、及び一度処理が完了した薄膜からアセンブリ(100)を取り外すのに、アセンブリ(100)は、可撓性の基材(108)の強さ故に、比較的高レベルの力を要求することである。
本発明の実施例は、堅い電極層(102)の周縁の周りに可撓性の基材(108)を付与する。或る態様では、例えば約0.010cm(0.004インチ)のエチル酢酸ビニル(EVA)からできている比較的薄く、非常に従順な柔軟な基材が、可撓性の基材(108)に使用されてもよい。
この構成は、多数の平面方向に柔軟で従順なアセンブリ(100)を提示し、アセンブリ(100)が様々な薄膜及び表面の輪郭に一致することを可能にする。更に、圧力感知型の接着剤(例えばポリイソブチレン(PIB))が代替接着剤層(110)として用いられ、柔軟性が減少する虞れを緩和する。
様々な実施例では、アセンブリ(100)の機能を崩壊させずに、処理中に本発明に従って構築された装置が、ある程度の動きと屈曲性を許すことが判るだろう。
従って、アセンブリ(100)は、多方向に低い曲げ剛性を示し、通常の使用中は、アセンブリ(100)が選択された方向に概ね関係ないような方法で、アセンブリ(100)が種々の薄膜表面積構成に一致することを許す。種々の実施例に於いて、可撓性の基材(108)の少なくとも一部の曲げ剛性は、電極層(102)の少なくとも一部の曲げ剛性よりも小さい。
一般に、アセンブリ(100)が薄膜に適用されて、組成物を搬送する場合、本発明の実施例の1つの利点は、アセンブリ(100)の「フットプリント」を最小化することで実現される。ここに用いられるように、用語「フットプリント」はアセンブリ(100)の動作中に薄膜表面積(例えば、患者の皮膚)に接するアセンブリ(100)の部分を指す。
或る態様では、ドナー電極(104)及びドナー溜め(134)を含むアセンブリの表面積は、リターン電極(106)及びリターン溜め(134)を含むアセンブリの表面積より大きいように構成されてアセンブリ(100)のフットプリント全体上のリターンアセンブリの影響を制限する。
加えて、陽極(104)と陰極(106)の間を分離する距離(152)の長さは、更にフットプリントを密着させ得る。更に、夫々の溜め(134)(136)に対する電極(104)(106)のサイズは、アセンブリ(100)のフットプリントに影響し得る。
或る態様に於いて、溜め(134)(136)は、少なくとも夫々の電極(104)(106)と略同じサイズであるべきである。
発明者らは、陽極(104)及び陰極(106)、分離距離(152)の配置を含めて、電極層(102)の表面積が一旦固定されれば、アセンブリ(100)が薄膜(例えば、患者の皮膚)上にて使用することについて、十分に柔軟であるべきであり付着しているべきであることを認識していたことが判るだろう。これらの目標は、堅い電極層(102)を囲む代替接着層(110)の周縁部次第である。
種々の実施例では、陽極(104)及び陰極(106)の一方又は両方に隣接する代替接着層(110)の周縁領域の幅は、最小幅(137)として提供される(例えば、図4に示すように)。或る態様では、最小幅(137)は、少なくとも約0.953cm(0.375インチ)の範囲内で形成されてもよい。また、これらの目標物は、代替接着層(110)及び可撓性の基材(108)の強力さ(aggressiveness)に依り、可撓性の基材(108)の強さ(例えば、弾性係数)及び厚さの機能として柔軟でしなやかであるのが好ましい。十分に薄いあらゆる材料(例えば、極めて薄いPETのように)が柔軟であるだろうが、代替接着層(110)及び可撓性の基材(108)が、患者への不快感を最小にしつつ、薄膜から取り外すことができるべきとの点で、他の問題が生じる。従って、しなやかな(即ち、低い強度)可撓性の基材(108)は、アセンブリ(100)を用いる処理に適切な強さを維持する間に用いられる。
本発明の構成の種々の態様例に於いて、アセンブリ(100)のフットプリント領域は、約3cm2から100cm2の範囲であるのが好ましく、約5cm2から60cm2の範囲であるのがより好ましく、約20cm2から30cm2の範囲であるのが最も好ましい。更に、全ての電極領域(104)(106)は、約2cm2から50cm2の範囲であるのが好ましく、約3cm2から30cm2の範囲であるのがより好ましく、約4cm2から15cm2の範囲であるのが最も好ましい。各溜め(134)(136)の対応する電極(104)(106)に対する領域比は、例えば約1.0から1.5の範囲である。一動作例に於いて、電極(104)(106)の総接触領域は約6.3cm2であり、溜め(134)(136)の総接触領域は約7.5cm2である。
他の態様に於いては、印刷された電極層(102)用の代替接着層(110)を具えた可撓性の基材は、例えば約0.038mm(0.0015インチ)から約0.013mm(0.005インチ)の範囲の厚みを有する。可撓性の基材(108)は、EVA、ポリオレフィン、ポリエチレン(PE)(低密度ポリエチレン(LDPE)が好ましい)、ポリウレタン(PU)のような適切な材質及び/又は他の同様の適切な材質から構成される。
本発明の構成の他の態様例に於いて、電極の総表面積が、アセンブリの総フットプリント領域に対する比は、約0.1から0.7の範囲である。或る態様に於いて、ドナー電極(104)の表面積が、リターン電極(106)の表面積に対する比は、約0.1から5.0の範囲である。尚、他の態様に於いて、ドナー溜め(134)の厚みのリターン溜め(136)の厚みに対する比は、約0.1から2.0の範囲であり、約1.0がより好ましい。
種々の実施例に於いて、例えば、充填溶液の一部をヒドロゲル溜め上に直接置き、所定時間経過後に充填溶液がヒドロゲルに吸収され拡散することを許すことにより、電極溜め充填溶液からドナー電極溜め(134)に、有効成分が充填されてもよい。
図10は、電極溜めを充填するこの方法を示し、充填溶液の一部は溜め内に吸収され拡散されるべく、ヒドロゲル溜め上に置かれる。図10は、陽極(280)、基材(288)上の陽極トレース(281)、及び陽極(280)に接する陽極溜め(284)を有する陽極電極アセンブリ(274)の概略断面図である。溜め(284)に充填される組成物を含む充填溶液(285)の一部は、溜め(284)に接して置かれる。
充填溶液(285)は、充填溶液(285)の成分の所望量がゲル溜め(284)内に吸収され拡散することができるのに十分な時間だけ溜め(284)に接する。組成物を有する溜め(284)を充填するのに、当該技術分野で公知のあらゆる適切な方法又は装置が用いられ得ることが判るだろう。
本発明の他の実施例に於いて、少なくとも1つのヒドロゲル溜め(134)(136)が位置して、少なくとも1つの電極(104)(106)の少なくとも一部と電気的に繋がっている。種々の態様に於いて、ヒドロゲル溜め(134)(136)の少なくとも1つの表面積は、対応する電極(104)(106)の表面積よりも大きいか又はに等しい。少なくとも1つのヒドロゲル溜め(134)(136)は組成物と共に充填されて、充填されたヒドロゲル溜めの吸収飽和未満のヒドロゲル溜めを充填する。更に、充填されたヒドロゲル溜めに面接触し、又はヒドロゲル溜めの近傍であるアセンブリ(100)の少なくとも1つの要素は、充填されたヒドロゲル溜めの水分吸収容量よりも少ない水分吸収容量を有する。或る実施例に於いて、陽極電極(104)と電気的に繋がった未充填のヒドロゲル溜め(134)を構成する材料の第1の種類は、陰極電極(106)と電気的に繋がった未充填の第2のヒドロゲル溜め(136)を構成する材料の第2の種類と略同じである。
本発明の他の実施例に於いて、アセンブリ(100)の陽極(104)と陰極(106)間に位置する領域内の可撓性の基材(108)に、スリット(202)が形成され得る。陽極を含むアセンブリの一部と、陰極を含むアセンブリの一部との間で、応力を分け合うことにより、薄膜へのアセンブリ(100)の一体化を容易にすることができる。
種々の実施例に於いて、電極アセンブリ(100)は、可撓性の基材(108)から延びる1又は2以上の非接着性のタブ(206)(208)を含み、該タブ(206)(208)には如何なるタイプの接着剤も塗布されない。例えば、非接着性のタブ(206)(208)は、剥離カバー(138)をその付属品から電極アセンブリ(100)へ予め分離することを許す。非接着性のタブ(206)(208)はまた、アセンブリ(100)が使用される為に位置する薄膜(例えば、患者の皮膚)からアセンブリ(100)が取り外されることを容易にする。
上記の如く、陽極電極トレース(112)及び陰極電極トレース(114)の少なくとも1つの少なくとも一部は、トレース(112)(114)に沿った部分上にて、絶縁誘電被覆(118)に覆われる。絶縁誘電被覆(118)は、アセンブリ(100)のタブ端部(116)に位置するトレース(112)(114)の部分を完全に覆うほどには延びないように構成されている。これにより、トレース(112)(114)間の電気的接触及びコネクタアセンブリ(250)の可撓性回路コネクタ(250B)のような内部接続デバイスの電気的接触が可能となる。
種々の実施例に於いて、誘電被覆(118)は、陽極(104)/溜め(134)アセンブリ及び陰極(106)/溜め(136)アセンブリの少なくとも一方の少なくとも一部を覆う。更に、誘電被覆(118)は、電極(104)(106)及び/又はトレース(112)(114)の少なくとも一方の周縁の略全て又は少なくとも一部を覆う。
本発明の種々の実施例に於いて、タブ端部(116)の最寄りの代替接着層(110)の一部と、代替接着層(110)の最寄りのタブ補強材(124)の一部との間に、ギャップ(212)が形成されて、アセンブリ(100)を例えばコネクタアセンブリ(250)のような電気的に支援された搬送装置の要素から取り外し、又は該搬送装置の要素に取り付けることを容易にする。或る実施例に於いて、ギャップ(212)は幅が少なくとも約1.3cmである。ギャップ(212)は、例えばアセンブリ(100)を、コネクタアセンブリ(250)の可撓性回路コネクタ(250B)内に手で挿入するような場合について、触覚感知の補助となる。ギャップ(212)は、アセンブリ(100)を薄膜上に接着し使用するときに、アセンブリ(100)と搬送装置の他の要素(例えば、コネクタアセンブリ(250))間の相対運動によって生じる応力を緩和する。
更に、少なくとも1つの触覚フィードバックノッチ(214)及び1又は2以上の翼(216)(218)が電極アセンブリ(100)のタブ端部(116)内に形成され、又はタブ端部(116)から延びる。フィードバックノッチ(214)及び/又は翼(216)(218)は、例えばアセンブリ(100)がコネクタアセンブリ(250)の可撓性回路コネクタ(250B)に作動可能に繋がるように、電気的に支援された搬送装置の要素にタブ端部(116)を挿入することを容易にし、又は要素からタブ端部(116)を外すことを容易にする。
図6B及び図6Cは夫々、図6に示す電極アセンブリ(100)の要素の層を示している。図6B及び図6Cに於いて、層の厚みは測られたものではないことが判るであろうし、図示の目的から接着層を省く。図6Bは、陽極電極(104)/溜め(134)アセンブリ及び陰極電極(106)/溜め(136)アセンブリの断面部を示す。陽極(104)及び陰極(106)は、印刷された電極層(102)上に積層される。陽極溜め(134)及び陰極溜め(136)は夫々、陽極電極(104)及び陰極電極(106)上に積層されて示される。図6Cは、陽極(104)、陽極トレース(112)、及び陽極溜め(134)の断面図である。陽極(104)、陽極トレース(112)、及びセンサトレース(130)は、電極層(102)上に積層される。陽極溜め(134)は、陽極(104)に電気的に繋がっているとして示される。
例えば、アクリル材から形成されるタブ補強材(124)は、アセンブリ(100)のタブ端部(116)に取り付けられるとして示される。更に、センサトレース(130)は電極アセンブリ(100)のタブ端部(116)に位置する。
本発明の他の実施例に於いて、図7及び図7Aは、本発明の種々の装置、電極アセンブリ及び/又はシステムに用いられるように構成された剥離カバー(138)を概略的に示す。剥離カバー(138)は、陽極吸収泉(140)及び陰極吸収泉(142)を含む剥離カバー基材(139)を含む。種々の実施態様に於いて、不織布陽極吸収パッドは、代替吸収剤(144)として陽極吸収泉(140)内に含まれ、不織布陰極吸収パッドは、代替吸収剤(146)として陰極吸収泉(142)内に含まれる。
使用に際して、剥離カバー(138)は電極アセンブリ(100)に取り付けられ、陽極吸収パッド(144)及び陰極吸収パッド(146)は夫々、陽極溜め(134)及び陰極溜め(136)を略覆う。陽極吸収パッド(144)及び陰極吸収パッド(146)は、それらの対応する陽極溜め(134)及び陰極溜め(136)よりも稍大きく、溜め(134)(136)を覆って保護する。陽極吸収パッド(144)及び陰極吸収パッド(146)は夫々また、陽極吸収泉(140)及び陰極吸収泉(142)よりも稍小さい。種々の実施例に於いて、1又は2以上の印(220)(例えば、図2に示すシンボル「+」)が、陽極泉(140)及び/又はドナー泉(142)に隣接したアセンブリ(100)の可撓性の基材(108)の少なくとも一部上に形成される。印(220)は、イオン導入手順の実行中に薬剤搬送電極溜めと同様に、アセンブリ(100)の正しい向き及び使用を促進することが判るだろう。
陽極吸収パッド(144)及び陰極吸収パッド(146)は図7に示すように、1又は2以上の溶接点(222)(224)(226)のような超音波溶接点によって基材(139)に取り付けられる。溶接点(222)(224)(226)は、不織布パッド(144)(146)及び泉(140)(142)間の接続領域に略均一に分配される。
電極アセンブリ(100)から剥離カバー(138)を取り外すことを容易にすべく、剥離カバー(138)が電極アセンブリ(100)に取り付けられるときは、代替接着層(110)に繋がる基材(139)の部分は、例えばシリコン被覆のような剥離剤を用いて処理される。
イオン導入装置の包装
図11は、密閉して封止された包装(360)内の電極アセンブリ(300)の分解概略図である。
包装された電極アセンブリ(300)は、剥離ライナー(350)とともに適所に示され、陽極(310)及び陰極(312)は参考のための仮想線で示される。密閉して封止された包装(360)は、第1のシート(362)及び第2のシート(364)から形成される容器であり、継ぎ目(366)に沿って密閉される。
密閉して封止された包装(360)は、封止されたとき、例えば酸素の包装(360)内への浸透を含むあらゆる流体又はガスの浸透を略防ぎ、及び/又は電極アセンブリ(300)が密閉して封止された包装(360)の内側で封止された後に、包装(360)から水が損失するのを略防ぐ限り、任意の適切な構成及び配置になり得る。
使用に際し、シート(362)(364)は、一緒に封止されて、電極アセンブリ(300)がシート(362)(364)の1枚上に置かれた後に、パウチを形成する。包装の当該技術分野の当業者に周知の他の技術が、空気又は不活性気体に対する密閉して封止された包装を形成するのに用いられる。次に電極アセンブリ(300)がシート(362)(364)間に挿入されて、密閉して封止された包装(360)が封止される。密閉して封止された包装(360)は、接着剤、熱積層又は包装デバイスの当該技術分野の当業者に公知のあらゆる方法によって、電極アセンブリ(300)のように封止される。
シート(362)(364)は、それ自体の上に折り重ねられる1枚のシート材から形成されてもよく、密閉して封止された包装(360)の片側はシールではなく、結合したシート中の折り目であることに注目すべきである。他の実施例に於いて、シート(362)(364)は、例えば一緒に積層された個々のシートから形成されて、包装を形成する。容器が密閉して封止される限り、電極アセンブリを格納するのに、他の容器構成が同様に適しているだろう。
一般に、包装(360)を密閉して封止するシート(362)(364)は、様々な材料から作られ得る。一実施例に於いて、包装(360)を密閉して封止するのに用いられる材料は、48ゲージPET(ポリエチレンテレフタレート)/プリメール/15lb LDPE(低密度ポリエチレン)/0.025mm(1.0ミル)アルミニウム箔/48ゲージPET/10 lb LDPEシェブロンパウチ0.05mm(2ミル)の剥離可能な層の構造を有する。
このタイプの積層品(箔、オレフィンのフィルム及び結合力のある接着剤)は、強力でチャンネルのないシールを形成し、大凡ピンホールがなく、24ヶ月迄又は24ヶ月を越えて保存するのに、ガス及び水蒸気の移動を略ゼロにすることを確実にする。24ヶ月以上の期間について、酸素、窒素及び水蒸気の移動を制限する他の適切な遮断材料は、当該技術分野の当業者に周知であり、イリノイ州のマンダラインのレグザムの医学のパッケージングから市販されているINTEGRA(商標)製品のようなアルミニウム箔層を含むが、これらに限定されない。
ここで記載された構造的に適したあらゆるアセンブリ、装置、システム又は他の器具は、上記の密閉して封止するパッケージングに含まれることが判るだろう。
充填溜め用のプロトコル
使用に際し、ここで記載した電極溜めは、ヒドロゲルへ成分を吸収し拡散するのにふさわしい任意のプロトコルに従って溶液を充填する電極溜めから有効成分を充填することができる。
ヒドロゲルを充填するための2つのプロトコルは、1)不織布材のような材料である吸収性パッドに接するヒドロゲルを置き、成分を含む充填溶液は吸収性パッドに吸収される。
2)ヒドロゲル上に充填溶液の一部(aliquot)を直接置き、所定時間経過後に充填溶液がヒドロゲル内に吸収され拡散されることを許すが、これらに限定されない。
例えば、上記の如く、第1のプロトコルを電極アセンブリ(100)に適用する際に、各陽極溜め(134)及び陰極溜め(136)内に吸収され拡散される成分を含む充填溶液は夫々、不織布陽極吸収パッド(144)及び不織布陰極吸収パッド(146)に先ず吸収される。
このように充填された剥離カバーが電極アセンブリ(100)に接続されると、その中の成分は吸収パッド(144)(146)から夫々の溜め内に取り除かれ、拡散する。この場合に於いて、溜めカバーから溜め内への吸収及び拡散は搬送効率が約95%であり、吸収パッド内に吸収される充填溶液よりも約5%を越えることが必要となる。この不完全な搬送に拘わらず、溜め上に充填溶液の水滴を置き、約16時間から24時間の間、又は水滴が移動できなくなり吸収されるまで待機することに比較して、充填工程の利点は大きい、なぜなら一旦剥離カバーが電極アセンブリ上に積層されると、アセンブリは更なる処理の為、直ぐに搬送され、在庫状態に置かれる(in inventory)。吸収及び/又は拡散の完了を待っている間に、アセンブリが平坦を保ち、動かないことは要求されない。
搬送吸収材(144)(146)は、一般には不織布材である。しかし、ガーゼパッドのような織地、及び剛体又は半剛体のオープンセルの泡のような吸収性の重合体の組成物を含む他の吸収材が用いられ得る。ここで記載された特定の実施例に於いて、剥離カバーの吸収性のパッドから溜めへの充填溶液の搬送効率は、約95%である。本発明の技術分野の当業者には、搬送効率は吸収パッド及び溜めの組成物によって変わり、それは溜め及び吸収パッドのサイズ、形、厚みを含む更なる物理的要素、及び剥離カバーが電極アセンブリに取り付けられたときの吸収パッド及び溜めの圧縮度と同様であるが、物理的要素はこれらに限定されないことが理解されるだろう。あらゆる所定の剥離カバー−電極アセンブリの組み合わせについての搬送効率は、経験的に容易に決定され、従って、溜めに所望の薬剤含有量を十分に充填するのに必要な充填溶液の量は、目標の仕様に容易に決定される。
上記の如く、図10は電極溜めを充填する第2のプロトコルを示し、該プロトコルの中で充填溶液の一部が、ヒドロゲル溜め上に置かれて、溜め内に吸収され拡散される。搬送吸収体(144)(146)は一般に、この方法によって充填される溜めを有する電極アセンブリ用の剥離カバーには含まれない。
種々の実施例に於いて、電極アセンブリ(100)の適切な部分は、以下の工程によって製造される。第1に、電極(104)(106)及びトレース(112)(114)(130)は、例えばインク印刷可能に処理されたPETフィルムのような重合体の基材、又は他の適切な半剛体で寸法安定性のある材料上に印刷される。誘電層(118)はトレース(112)(114)の適切な部分上に蒸着され、該適切な部分は電極溜めに電気的に接することを意図されておらず、例えば電極アセンブリ及び電源/コントローラ間の内部接続に接する。電極が印刷される重合体の基材は、次に可撓性の基材(108)に積層される。陽極溜め(134)及び陰極溜め(136)は、次に夫々電極(104)(106)上に位置決めされる。
第1のプロトコルの下で充填された装置用の剥離カバーアセンブリに於いて、搬送吸収材(144)(146)は、泉(140)(142)内に超音波で点溶接され、陽極及び/又は陰極溜め(134)(136)内に吸収され及び/又は拡散される適切な充填溶液で充填される。充填工程の搬送効率が約95%であることにより、一般に、約5%超の充填溶液(ヒドロゲル内に吸収され及び拡散されるのに必要な量を超える)が溜めカバーに加えられ、いくらかの充填溶液が吸収溜めカバー内に残る結果となる。
使用方法
第1のプロトコルの下、一旦アセンブリ化され充填溶液で充填されると、剥離カバーは、充填された搬送吸収体(144)(146)にて電極アセンブリ(100)上に位置決めされ、夫々陽極溜め(134)及び陰極溜め(136)に面接触する。一般には少なくとも約24時間である時間経過後、充填溶液の相当な部分(約95%)がヒドロゲル内に吸収され拡散される。完成したアセンブリは次に付随的な不活性ガス雰囲気内にて包装され、密封して封止される。
使用の一実施例に於いて、剥離カバー(138)は電極アセンブリ(100)から外されて、該電極アセンブリ(100)は適切な位置にて患者の皮膚に置かれる。電極アセンブリ(100)が皮膚の上に置かれた後に、該電極アセンブリ(100)が例えばコネクタアセンブリ(250)の要素のような適切な内部接続内に挿入される。電位があらゆるプロフィールに従い、且つ当該技術分野で公知の電気的に支援された薬剤搬送のあらゆる手段によって印加される。電気的に支援された薬剤搬送用の電源及びコントローラの例は、特に米国特許第6,018,680号及び第5,857,994号に記載されたように当該技術分野で公知である。結局、最適な電流密度、薬剤濃度、及び電流プロフィール(時間と共に)及び/又は電位は、あらゆる所定の電極/電極溜めの組み合わせについて、実験的に決定され及び/又は実証される。
ここで記載された電極は、標準的なAg又はAgCl電極であり、AgのAgClに対する比(もし最初に存在すれば)、厚み及びパターンの標準的な方法に従ったあるゆる方法で準備され、各電極は、所望の処理持続時間について、Ag/AgCl電気化学性を貫く(support)。一般には、使い捨てのイオン導入電極を用意するには普通であるように、電極及び電極トレースは、Ag/AgClインクを標準的な印刷方法によって、例えば0.051mm(0.002インチ)の印刷処理されたPETフィルムである堅い重合性基材上に所望のパターンで印刷することによって用意される。
Ag/AgClインクは、例えばE.I.デュポンドヌムールアンドカンパニーから市販されているデュポン製品ID番号5279であるが、これに限定されない。誘電体はまた、標準的な方法によって、電極トレースに印加される。電極と同様に、電極及び電極トレースに亘って所望のパターンが、例えばロートグラビア又はスクリーン印刷のような標準的な印刷方法によって印加される。
圧力感知型接着剤(PSA)及び転写接着剤は、所望の目的に適した薬学的に受け入れ可能ないかなる接着剤でもよい。圧力感知型接着剤の場合、接着剤は電極アセンブリを患者の皮膚又は他の薄膜に固定するのに有用な受け入れ可能なあらゆる接着剤であり得る。例えば、接着剤はポリイソブチレン系(PIB)接着剤であり得る。電極アセンブリの異なる層を他の層に取り付けるのに用いられる転写接着剤はまた、PIB接着剤のようにその目的に適した薬学的に受け入れ可能なあらゆる接着剤であり得る。ここに記載された電極アセンブリについて、一般にPSAは、基材材質に取り付けられるシリコン被覆剥離ライナーを用いて基材材質上に予め被覆され、材質の切断と取り扱いを容易にする。
移送接着剤は一般に、シリコン被覆剥離ライナーの2つの層間に配備され、正確な切断、取り扱いを容易にし、電極アセンブリ上の整列を容易にする。
ここに記述された陽極溜めと陰極溜めは、ヒドロゲルを含み得る。ヒドロゲルは一般には親水性で、実行可能なように、種々の架橋と含水量を有する。
ここに記述されたヒドロゲルは、薬学的及び化粧的に受け入れ可能な吸収剤であり、その中に充填溶液及び該溶液内の有効成分が吸収され、拡散され、又は組み込まれ、それは電気的に支援された薬剤搬送に適している。ヒドロゲルを形成するのに役立つ適切な重合体組成物は、当該技術分野で知られており、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル及びポリビニルアルコールを含むが、これらに限定されない。
1つの限定されない実施例にて、ヒドロゲルは重量で約15%から17%のPVPを含んてもよい。溜めは、付随的に防腐剤のような更なる材料を含み、防腐剤はノースカロライナ州マウントホリーのクラリアントコーポレイションから市販されているフェノリップ抗菌薬のようなものであるが、これに限定されず、メタ重亜硫酸のような酸化防止剤を含み、エチレンジアミン・テトラ酢酸(EDTA)のようなキレート試薬を含み、また、湿潤剤も組込まれてもよい。一般的に未充填の溜めは、防腐剤と塩を含んでいる。電極溜めの水要素に関してここに使用されるように、水は浄化され、USP XXIVに於いて、浄化された水の基準を満たす。
上記のように、ヒドロゲルは処理、形成及び意図された使用時に、その形状を略保持する十分な内部強さ及び接着構造を有して、使用後に電極が外れたときは、殆ど残っていない。
このように、ヒドロゲルの接着強さ及びヒドロゲルと電極間の接着強さは、ヒドロゲルと使用時に電極アセンブリが取り付けられる薄膜(例えば、皮膚)の結合接着力よりも夫々大きい。1つの限定されない実施例にて、ヒドロゲルは、約0.089cm(0.035インチ)から約0.114cm(0.045インチ)の厚みを有する。他の実施例に於いて、ヒドロゲルは、約0.013cm(0.005インチ)から約0.38cm(0.015インチ)の厚みを有する。尚、他の実施例に於いて、ヒドロゲルは、約0.38cm(0.015インチ)から約0.064cm(0.025インチ)の厚みを有する。ここで開示されたヒドロゲルの厚みは、充填溶液と共にヒドロゲルを充填する前に測定される。
非充填ドナー(陽極)溜めはまた、塩、好ましくは完全にイオン化された塩を含み、それは例えば塩化ナトリウムのようなハロゲン化物塩であり、濃度が約0.001重量%から約1.0重量%まであり、好ましくは約0.01重量%から約0.09重量%までであり、0.06重量%が最も好ましい。塩分含量は、電極アセンブリの製造時及び棚保管中に電極腐食を防ぐのに十分である。
これらの量は、塩化ナトリウムの分子量及び原子価についての、各所定の塩のイオン成分の分子量及び原子価を含む多くの要因に基づいて略比例するやり方で他の塩類に代わってもよい。
有機塩のような他の塩類は、所定の薬塩類の腐食作用を改善するのに役立つ。一般には、任意のイオン薬剤の最良の塩は、薬の対イオンと同じイオンを含むだろう。例えば、薬剤が酢酸塩形式である場合、GnRH酢酸塩のような酢酸塩が好まれるだろう。しかし、塩の目的は電極の腐食を防ぐことである。
一実施例に於いて、GnRHが所望の薬学的反応を導出するのに使用される。
塩化物イオンは電極腐食を防ぐのに有用かもしれないが、GnRHの対イオンが塩化物、例えばGnRH酢酸塩内の酢酸塩でない場合、他の対イオンの腐食抑止量は、塩化物イオンに加えて、又は塩化物イオンに代えて非充填溜め内に存在して、電極の腐食を防ぐ。1つ以上の薬剤が充填され、各薬剤が異なる対イオンを有する場合のように、1つ以上の対イオンが存在すれば、電極の腐食を防ぐべく、溜め内に十分な量の両方の対イオンを含むのが好ましい。
或る実施例に於いて、GnRHを含む組成物が薬剤充填溶液内に加えられる。充填溶液内のGnRHは、所望の薬学的反応を導出するのに必要な相当量を含む。種々の限定されない実施例に用いられる充填溶液内のGnRH充填濃度は、約0.1mg/mLから約150mg/mLまでである。或る実施例に於いて、充填溶液内のGnRH濃度は、約5mg/mLから約75mg/mLまでである。他の実施例では、充填溶液内のGnRH濃度は、約10mg/mLから約100mg/mLまでである。限定されない或る実施例では、充填溶液内のGnRHは、約60mg/mLの濃度を有する。限定されない他の実施例では、充填溶液内のGnRHは、約20mg/mLの濃度を有する。限定されない他の実施例では、充填溶液内のGnRHは、約25mg/mLの濃度を有する。尚、限定されない他の実施例では、充填溶液内のGnRHは、約50mg/mLの濃度を有する。
例えば、約0.705mLの量の陽極溜めを有するイオン導入装置について、本発明の開示の一実施例に従って、或る実施例ではGnRHの充填重量は約0.07mgのGnRHから約106mgのGnRHである。或る実施例に於いて、陽極溜め内のGnRH重量は約3.5mgのGnRHから約53mgのGnRHまでであり得る。他の実施例に於いて、陽極溜め内のGnRH重量は約7mgのGnRHから約70mgのGnRHまでであり得る。限定されない或る実施例に於いて、陽極溜め内のGnRH重量は約42mgの重量を有する。他の限定されない実施例では、陽極溜め内のGnRH重量は約18mgの重量を有する。尚、他の限定されない実施例では、陽極溜め内のGnRH重量は約35mgの重量を有する。
当該技術分野に於いて、通常の知識を有する者は、陽極溜め内のGnRH重量は例えば溜めの量、用いられるGnRH処方(即ち、塩酸塩、酢酸塩、遊離塩基など)の分子量及び/又は充填溶液の濃度に依存し、所望のGnRH量、所定の溜め量及び充填溶液濃度を計算することができることが判るだろう。
他の実施例に於いて、1又は2以上のGnRH類似物を含む組成物が、薬剤充填溶液に加えられる。適切なGnRH類似物は、ブセレリン、デスロレリン、ゴセレリン、ヒストレリン、ロイプロライド(ロイプロレリン)、ナフェレリン及びトリプトレリンを含むが、これらに限定されない。GnRH類似物を利用することの1つの潜在的な利点は、GnRHに代えて又はGnRHに加えて、一層低濃度の活性有効成分が装置内に充填され、その後、患者に投与され得ることである。例えば、充填溶液内のGnRH類似物の充填濃度は、約0.1mg/mLから約50mg/mLまでである。このように、或る実施例によって、溜め量が例えば0.705mLの場合、GnRH類似物の充填重量は、約0.07mgから約35mgまでである。GnRH類似物を利用する第2の利点は、該類似物はGnRHより長い半減期を有することである。
ここで開示された種々の非限定の実施例による充填溶液は、例えばHCl塩又は酢酸塩であるGnRH又はその塩を水に溶解させることによって形成され、水のpHは約4から約8の範囲である。或る実施例に於いて、水のpHは約5.0である。他の限定されない実施例に於いて、上記の1又は2以上のGnRH類似物、又はそれらの薬学的に受け入れられる塩を含む充填溶液は、約4から約8のpHを有する水に溶解される。
塩(NaCl)、2ナトリウムEDTA、クエン酸、異性重亜硫酸ナトリウム及びグリセリンのような1又は2以上の電解質のような他の要素が、GnRH及び/又はGnRH類似物を追加する前に、GnRH及び/又はGnRH類似物を追加すると同時に、又はGnRH及び/又はGnRH類似物を追加した後の何れかで、水に溶解され得るが、電解質はこれらに限定されない。
リターン(陰極)溜めは、同じ又は異なる重合体構造を有するヒドロゲルであり、一般に塩化ナトリウムのような塩、防腐剤及び任意に湿潤剤を含んでいる。
最終の製造工程にもよるが、ヒドロゲル溜めの架橋時に一部の有効成分が加えられ、その一方、他の工程に有効成分が充填される。
しかしながら、成分の追加の順序に関係なく、電極に付着する溜め内に塩が存在して、有効成分又は他の成分の充填前に、略均一に分配され、電解質濃度セルの形成を制限することは認識されるべきである。
ここで開示された非限定の実施例に従って、イオン導入搬送システムは、広範な様々の現在のプロフィールを伝えることができる。或る非限定の実施例によれば、現在のプロフィールは周期的な性質である、即ち、或るプロフィールは例えば複数の個々のパルスを含んで、周期的に繰り返される。
更に或る非限定の実施例によれば、現在のプロフィールは単極又は単向性である、即ち、現在のレベルは全て肯定的か、全て否定的かである。現在のプロフィールの1つの限定されない実施例は、図17に示され、方形の周期的な現在のプロフィール(A−B−C−D−E)の概略を示す。図17を参照して、プロフィール領域A−Bは、パルスの上昇時間を示し、プロフィール領域B−Cはパルスの水平状態を示し、プロフィール領域C−Dは、パルスの落下(即ち、減衰)期間を示し、プロフィール領域D−Eは、パルスのオフ時間を示す。パルスのオン時間の総計は、領域A−Dで示され、パルスのデューティサイクルは、パルスのオン時間(A−D)のパルス時間の総計A−Eに対するパーセント、即ち比として定義され、パルスのオン時間及びパルスのオフ時間の両方を含む(即ち、[(A−D)/(A−E)]×100%)。パルス期間は、パルス時間の総計(A−E)として定義され、パルス周波数(Hz)は、パルス期間の逆数である(即ち、パルス周波数=1/(A−E))。
或る非限定の実施例では、第1のパルスのプロフィールは、図17に方形パルスプロフィール(A’−B’−C’−D’−E’)によって表される少なくとも1つの次のパルスプロフィールに続く。或る非限定の実施例では、少なくとも1つの次のパルスプロフィールは、方形パルスプロフィールA−B−C−D−Eと同じ大きさを有する。他の非限定の実施例に於いて、少なくとも1つの次のパルスプロフィールは、パルスプロフィールA−B−C−D−Eと異なる大きさを有し、例えば非限定の実施例に於いて、少なくとも1つの次のパルスプロフィールの電流は、パルスプロフィールA−B−C−D−Eの電流よりも小さい。
ここで開示された一実施例の例示の目的から、方形の周期的な電流プロフィールのみが記載されてきたが、同じものに限定する目的ではなく、当該技術分野の通常の知識を有する者は電流プロフィールの種々の変形(方形、矩形、三角形、鋸歯、正弦波、及び必要ならばそれらの組み合わせ)が本発明を離れることなく、発明の原理及び範囲内で用いられることが判るだろう。
或る非限定の実施例によれば、電流搬送プロフィールは、n個のパルスを有し、ここでnは2以上又は2に等しく、パルス電流プロフィールは、単向性であり、形状が略方形である。或る非限定の実施例によれば、パルス周波数(秒当たりのサイクル、Hz)は、約1.0×10-4Hzから約5×10-4Hzである。或る非限定の実施例によれば、オン時間は約1分から約15分であり、約5分から約10分がより好ましい。或る非限定の実施例によれば、パルスのデューティサイクルは、約1%から約20%までの範囲であり、約5%から約10%がより好ましく、約5.5%から約8.9%が最も好ましい。
或る非限定の実施例によれば、電流搬送プロフィールは、各々が4分から10分の持続時間と、約1mAから約4mAの電流を有する4から10のパルスから構成され、パルス間に60分から110分の静止時間(電流=0mA)を有する。他の非限定の実施例に於いて、電流搬送プロフィールは、各々が8分の持続時間と、約1.2mAの電流を有する5つのパルスから構成され、パルス間に80分から90分の静止時間を有する。他の非限定の実施例に於いて、電流搬送プロフィールは、各々が5分の持続時間と、約1.2mAの電流を有する8つのパルスから構成され、パルス間に80分から90分の静止時間を有する。
パッチ製造プラットフォーム−予備充填された結合型パッチ
一の非限定の実施例に於いて、上記の如く、イオン導入によってGnRHを搬送する電極アセンブリを準備すべく、図2乃至図9及び図11に略示すように、以下の要素が組み立てられる。上記の研究に用いられるパッチシステムは、活性電極(陽極)及びリターン電極(陰極)を具えた結合型パッチであった。各パッチはAg/AgCl電極積層品、ポリビニールピロリドン(PVP)ヒドロゲル溜め、基材フィルム/アクリル粘着積層品、及びシリコン処理された剥離ライナーから構成される。陽極及び陰極を構成するのに用いられる電極材料は、ポリエステル基材上にAg/AgCl印刷されたインク材であり、面積が5cm2を越えなかった。パッチの製造は、以下により詳細に記述される。
基材
基材は、ポリイソブチレン(PIB)接着剤(6mg/cm2)(ペンシルベニア州グレンロックノアドヘシブリサーチ社製)で被覆されたエチルビニル酢酸塩(EVA)(0.10mm(4.0ミル)±0.01mm(0.4ミル))である。基材はゲル縁上のあらゆる点で、ゲル電極と機材の外縁間に、0.939cm(0.370インチ)及び0.953cm(0.375インチ)±0.013cm(0.005インチ)のギャップを生じるように、寸法付けられる。触覚フィードバックノッチ及び翼を除き、電極の幅は、1.14cm(0.450インチ)から1.27cm(0.500インチ)±0.013cm(0.005インチ)である。
タブ補強材
タブ補強材は、0.18mm(7ミル)PET/アクリル接着剤(コネチカット州のウインドソルのスカパテープ社製)である。
印刷電極
印刷電極は、デュポン社200J102 005mm(2ミル)の透明な印刷可能PETフィルム上に印刷されたAg/AgCl電極であり、Ag/AgClトレースで絶縁被覆される。Ag/AgClインクは、デュポン社Ag/AgClインク#5279、デュポンシンナー#8243、デュポンデフォーマー及びメチルアミルケトン(MAK)から用意された。絶縁インクは、サムケミカル絶縁インク#ESG56520G/Sであった。電極は図2及び図4に略示すように、少なくとも約2.6mg/cm2の被覆重量の電極インク及び絶縁インクの両方を用いて印刷された。陽極は2.26cm(0.888インチ)±0.013cm(0.005インチ)の直径を有した。陰極は図示の如く、略楕円形であった。楕円形の半円端部は、両方とも0.490cm(0.193インチ)±0.013cm(0.005インチ)の半径を有した。楕円形の半円端部の中心は、1.84cm(0.725インチ)±0.013cm(0.005インチ)だけ離れていた。
転写接着剤
転写接着剤は、6mg/cm2±0.4mg/cm2で、Ma-24A PIB転写接着剤である(アドヘシブリサーチ社)。電極上に印刷されたとき、陽極電極と陰極電極間に0.076cm(0.030インチ)±0.0076cm(0.0030インチ)のギャップがあり、転写接着剤は電極を囲んでいた。
陽極ゲル溜め
陽極ゲル溜めは、10mm(40ミル)の高接着性架橋ポリビニルピロリドン(PVP)ヒドロゲルシートであり、24%wt±1%wtのPVP、1%wt±0.05%のフェノニップ(Phenonip)、0.05%のNaclを含んで、純水(USP)で量を設定する(QS)。
ヒドロゲルは、1MeVの電子ビーム電圧で、約2.7Mrad(27kGy)の照射線量で電子ビーム照射することにより、架橋された。陽極ゲル溜めは円形で、2.525cm(0.994インチ)±0.013cm(0.005インチ)の直径を有し、約0.53gの質量を有した。溜めは下記のように、334mgの充填溶液(テーブルA参照)を吸収剤(不織布)上に置き、次に吸収剤を含むカバーアセンブリをパッチ上に置くことによって充填され、吸収剤は陽極溜めに直に接し、充填溶液を溜め内に充填することができた。
充填溶液組成物は、表Aに示す有効成分から用意され、その結果、表Bに示すような陽極溜め組成物となった。10mg/mLの充填されたパッチについて、25.9mg/mLの充填濃度が用いられた。25mg/mLの充填されたパッチについて、64.8mg/mLの充填濃度が用いられた。50mg/mLの充填されたパッチについて、129.6mg/mLの充填濃度が用いられた。
表A:充填溶液組成物
Figure 2009509682
表B:十分に充填されたヒドロゲル陽極の全要素の組成物
Figure 2009509682
陰極溜め
非充填の陰極ゲルは、1.0mm(40ミル)の高接着ポリビニルピロリドン(PVP)ヒドロゲルシートから構成され、該シートは24%wt±1%wtのPVP、1%wt±0.05%のフェノニップ抗菌薬、0.06%のNacl及び純水(ヒドロゲルデザイン社)を含んでいた。ヒドロゲルは1MeVの電子ビーム電圧で、約2.7Mrad(27kGy)の照射線量で電子ビーム照射することにより、架橋された。陰極溜めは、図示の如く、略楕円形であった。楕円形の半円端部は、両方とも0.617cm(0.243インチ)±0.013cm(0.005インチ)の半径を有した。楕円形の半円端部の中心は、1.85cm(0.725インチ)±0.013cm(0.005インチ)だけ離れ、陰極溜めの容量は約0.36mL(0.37g)であった。陰極溜めは、下記の227mgの陰極充填溶液を下記の吸収剤(不織布)上に置き、次に吸収剤を含むカバーアセンブリをパッチ上に置くことによって充填され、吸収剤は陰極溜めに直に接し、充填溶液を溜め内に充填することができた。陰極充填溶液は、表Cに示す有効成分から用意され、その結果、表Dに示すような陰極溜め組成物となった。
表C:陰極充填溶液
Figure 2009509682
表D:陰極溜め組成物
Figure 2009509682
溶液分量及び組成物内のロット変化は一般に±5%であるが、統計的に分析されていない。
剥離カバー
剥離カバーは、0.19mm(7.5ミル)±0.0095mm(0.375ミル)のポリエチレンテレフタレートグリコレート(PETG)フィルムであって、シリコンコーティング(フロン7600UV硬化シリコン)がされている。
不織布
不織布は、1.00mm±0.2mmのビルムドM1561医療用不織布であり、ビスコース及びPE(ドイツ国、ワインハイムのフロイデンバーグ ファザーブリエストッフェ KG不織布グループ社製)に熱結合されたポリエステル/ポリエチレン(PES/PE)ファイバの混合物である。
電極アセンブリ
電極は、図示の如く、電極上に積層された陽極溜めと陰極溜めとともに略組み立てられた。タブ補強材が、陽極トレース及び陰極トレースから基材の反対側上の電極アセンブリの基材のタブ端部上に取り付けられた。上記の如く、薬剤が非充填の陽極溜めに加えられた。
包装
組み立てられた電極アセンブリは、裏にフォイルが付いたポリエチエンパウチに密閉して封止された。
パッチ製造プラットフォームII−ドロップ充填された結合型パッチ
他の実施例に於いて、図3及び図7Aにて述べた吸収剤が無い点を除き、ここで記載された図2−図11の全ての特徴を有する電極アセンブリが用意された。この実施例によれば、結合型パッチアセンブリ内の非充填ゲル溜めは、表Eに示す仕様に従って用意された。
表E:非充填ゲル溜めの内容
Figure 2009509682
ゲルは1MeVの電子ビーム電圧で、約2.7Mrad(27kGy)の照射線量で電子ビーム照射することにより、架橋された。
本実施例に於いて、ゲル溜めは、ここで記載された水滴充填方法によって充填された。非充填の陽極ゲル溜めは、Ag/AgCl陽極上に置かれ、0.32mLの充填溶液(表Aに示す)が溜め上に置かれ、溜め内に吸収され拡散され得る。
実施例1
この実施例は、皮下薬剤搬送に関するパッチ製造プラットフォームIの装置を用いる経皮的イオン導入によって、GnRH搬送の実現可能性と再現性を評価した。10mg/mLのGnRH濃度、024mA/cm2の電流密度、5cm2の活性領域、8分のパルス適用を用いて、イオン導入は、5回以上の投与サイクルの皮下注入に匹敵する血漿プロフィールを生成した。搬送された投与及び薬剤搬送の再現性は、受け入れ可能な基準に近く、又は該基準内であった。
6頭の思春期前の雌のヨークシャ豚が、この例に用いられた。クロスオーバーデザインが用いられ、然るに各動物は皮下及びイオン導入処理を受けた。皮下及びイオン導入実験は、受け入れ可能な動物の血液の限界絞り比(draw limit)を充たすべく、2週間の間隔が空けられた。皮下注入実験は、一連の最初に実行された。2週間の研究中、動物の体重は15−32kgの範囲を動いた。
動物の毛は、実験の前の夜に刈り取られた。パッチを付ける前に、明らかな切り傷(cut)や擦り傷が無い皮膚側が選択された。選択された皮膚側は、温水及びアルコールが充填されたガーゼできれいに拭き取られ、完全に乾燥された。
濃度200μg/mL及び400μg/mLの皮下投与溶液が、pH5.0の水内に用意された。5回の投与の各々につき、豚1及び豚2は400μg/mLの溶液の50μlを受け取り、一方、豚3−豚6は200μg/mLの溶液の100μlを受け取った。
パッチ製造プラットフォームI(5cm2の活性領域)に従って用意されたイオン導入ヒドロゲルパッチが、これらの研究で用いられた。パッチはGnRH(HCl)溶液で充填され、パッチ内で10mg/mLのGnRH(HCl)又は2mg/mLのGnRH(HCl)の何れかの最終濃度になる。ゲル表面のpHは、約5から約5.5であった。
全ての動物は、一般的なプロポフォール麻酔の下で、吊り包帯(sling)上に置かれて、頸部、耳の血管、動脈のカテーテルが経皮的に設置される。皮下注入の研究については、静脈カテーテルが、動物の下腹部の壁に抗して設置され、20μgの薬剤が90分間隔で注入された(全5投与サイクル)。各薬剤注入の後に、生理食塩水のフラッシュが行われる。各動物に於ける皮下注入の2週間後に、同じ動物にイオン導入投与がされた。イオン導入実験はまた、90分間隔で5つの投与サイクルを含んでいた。薬剤が充填されたパッチは、動物の背中の丁度中間部に設置された。
研究所コントローラが定電流電源として使用された。コントローラはバッテリ駆動される電子伝達型(electrotransport)コントローラであり、試験的研究について予めプログラムされた電流密度プロフィールを搬送する。更に、コントローラは薬剤搬送時に、電子伝達型パッチを横切る電圧及び該パッチを通る電流を測定する。搬送された電流の正確さは、フルスケールで±1%である。コントローラは最大電圧35Vであり、1時間以下について1秒当たり1回読みとることができる。記録された電流の正確さは、フルスケールで±1%である。記録された電流の正確さは、最大0.8Vである。コントローラ上に動く部分はない。搬送プロフィールの赤外線通信及びコンピュータのデータ回復により、対象物の処理中に妨害がないことが確実になる。
3頭の豚を用いる各イオン導入条件は、以下の表Fに要約される。例1は、8分のパルスの75サイクルから構成される電流搬送プロフィールを用い、各パルスは1.2mAの電流を有し、パルス間に90分の静止時間を有する。
表F:実験条件(例1)
Figure 2009509682
血液サンプルは、頸部カテーテルから、以下のプロトコルを用いる予め冷やされた3mLのバキュテイナー内に取り出された。チューブはEDTA(1mg/mLの血液)及びアプロチニン(500KIU/mLの血液)を含んでいた。2mLの血液のフラッシュ量が引き出され、次に3mLのサンプルが引き出された。血液のサンプルは、以下の表Gに概略が述べられるように、回収された。
チューブは4℃で15分間、1600rpmで血液収集の遠心分離機に15分内でかけられた。分離された血漿は、2本の(略等量)2mLチューブへ分割され、ドライアイスで冷凍された。サンプルは出荷まで−70℃で格納された。サンプルは、I125ラジオラベル免疫測定を用いて分析された。
表G:血液サンプルタイムズ(例1)
Figure 2009509682
X=得られた血液サンプル。総てで49の3.0mLの血液サンプル=147mL
皮下処理の後に実験動物を総て麻酔から回復させた。頚部カテーテルは夜間残され、24時間の血液引き出しが完了した後に外された。24時間のイオン導入血液引き出しに続いて直ちに、動物は安楽死させられた。動物1は皮下処理の7日後に死んだ。
動物2、3及び4は、条件#1のイオン導入を受け取り、また、動物5及び6は、条件#2のイオン導入を受け取った。
図12は、皮下注入及びイオン導入条件#1(n=3)の後の平均的な血漿濃度−時間プロフィールを示す。イオン導入後の血漿濃度−時間プロフィールの一般的な形状は、皮下注入プロフィールに非常に似ている。
表Hは、イオン導入条件#1及び皮下注入の後に得られた薬物動態学の(「PK」)パラメータ(曲線下の面積(「AUC」)、設定時間内の血流の薬剤の最大濃度(「Cmax」)及び薬剤が血流内の最大濃度である時間(「Tmax」))を示す。イオン導入条件#1及び皮下注入の後の平均Tmaxは比較可能であった。
イオン導入及び皮下の平均間のパーセント差は、皮下のAUC(20μg投与)の47%であった。パルス1についての平均的なAUCは、その次の4つのパルスより低かった。
イオン導入薬剤搬送の平均的な変動係数(「CV」)(標準偏差/平均×100)(AUCについて)は、皮下薬剤搬送の18%に比較して35%だった。
パルス1が除外されるなら、イオン導入薬剤搬送の平均CV(AUCについて)は、皮下薬剤搬送の18%より良い15%になる。イオン導入と皮下のCmax平均の間のパーセント差は皮下平均Cmaxの32%だった。イオン導入薬剤搬送の平均CV(Cmaxについて)は、皮下薬剤搬送の20%に比して、40%であった。パルス1が除外されるなら、イオン導入薬剤搬送の平均CV(Cmaxについて)は、皮下薬剤搬送のCVの20%に匹敵する22%である。
イオン導入の薬剤搬送及び皮下薬剤搬送の間のCmaxの平均CVの比は、2.0であり、また、AUCについては、比は1.9だった。パルス1が除外されるなら、Cmaxのこの比は、1.1に改善され、AUCの比は0.83に改善された。上記のデータは、標準化された動物重量である。これらの結果は、GnRHのイオン導入搬送が、皮下の薬剤搬送に比して実現可能で複製可能なことを示す。
表H:GnRH(条件#1、n=3、動物2−4)の皮下及びイオン導入搬送後のPKパラメータ(AUC、Cmax及びTmax)
Figure 2009509682
「Ionto」は、イオン導入、「Subcut」は、皮下である。
※ Iontoの第2行、AUC及びCmaxは動物体重によって標準化される。
図13は、皮下注入及びイオン導入条件#2の後の血漿濃度−時間プロフィールを示す。動物5について、最初の3つのパルスの血漿濃度は、検知の検査限界以下であり、動物6について、最初のパルスの血漿濃度は、検知の検査限界以下であった。動物5に対するパルス4及び5、及び動物6に対するパルス2−5は再び、皮下注入とイオン導入条件#1と同じ一般的なプロフィールに続くが、搬送は可成り低かった。表I及びJは、動物5及び6に夫々、イオン導入条件#2及び皮下注入をした後に得られるPKパラメータ(AUC、Cmax及びTmax)を示す。パルス4及び5についての平均AUC及びCmax(4103pg−分/mL及び138pg/mL)は夫々イオン導入条件#1より小さい5.6倍及び4.6倍であった。これは、2つの条件(イオン導入条件#1について10mg/mL、イオン導入条件#2について2mg/mL、5倍の差)について用いられる薬剤パッチのGnRHの差と一致する。Cmax及びAUCは、主にパルス1−5から出る有用なGnRHの濃度が増加することによるイオン導入条件#2(動物6のデータのみ)でのパルス1−5からの一般的な増加傾向を示す。
本例は、皮下注入に関して薬剤搬送及び再現性の両方について、経皮的なイオン導入によってGnRHのパルス状搬送を示す。皮下注入に適合する血漿ファイルは、5つの投与サイクル総てに生成された。
表I:動物5について、GnRHの皮下及びイオン導入搬送(条件#2)後のPKパラメータ(AUC、Cmax及びTmax)
Figure 2009509682
「Ionto」は、イオン導入、「Subcut」は、皮下である。
※ Iontoの第2行、AUC及びCmaxは動物体重によって標準化される。
表J:動物6について、GnRHの皮下及びイオン導入搬送(条件#2)後のPKパラメータ(AUC、Cmax及びTmax)
Figure 2009509682
「Ionto」は、イオン導入、「Subcut」は、皮下である。
※ Iontoの第2行、AUC及びCmaxは動物体重によって標準化される。
この例は、パッチ製造プラットフォームIに従ってイオン導入装置を用いる、薬剤搬送の再現性と同様に、GnRHのイオン導入搬送に対する薬剤濃度及びイオン導入の脈拍時間の効果を評価した。
6頭の思春期前の雌(7−12に番号付けられた)のヨークシャ豚が、この研究に用いられた。各動物は、2つのイオン導入処理を受けた。最初の3頭の動物の組み合わせは、5つの8分のパルス(条件#3)を使用して、50mg/mLの薬物濃度を受け取り、8つの5分のパルス(条件#5)を使用して、1週間後に同じ濃度を受け取った。第2の3頭の動物の組み合わせは、5つの8分のパルス(条件#4)を使用して、25mg/mLの薬剤濃度を受け取り、8つの5分のパルス(条件#6)を使用して、1週間後に同じ濃度を受け取った。一連の中で、5つの8分のパルスが最初に実行された。研究の期間中に、動物の体重は約18−33kgの範囲で変動した。
動物は例1に記載するように、用意された。パッチ製造プラットフォームI(5cm2の活性領域)に従って用意されたイオン導入のヒドロゲルパッチは、これらの研究に使用された。パッチはGnRH(HCl)溶液を用いて充填され、パッチ内で25mg/mLのGnRH(HCl)或いは50mg/mLのGnRH(HCl)の何れかの最終的な濃度を提供した。
ゲル表面のpHは、5.0±0.5であると測定された。パッチは、丁度中間部から動物の後ろに置かれた。例1に記載されたように、コントローラが使用された。条件3−5について、各1つのパッチが全搬送期間に亘って使用された。#6の条件について、パッチは5つのパルス後に新鮮なパッチと取り替えられた。実験条件は、表Kに要約される。例2は、条件#3及び#4について、各々が1.2mAの電流を有する8分間のパルスの5サイクル、及び条件#5及び#6について、各々が1.2mAの電流を有する5分間のパルスの8サイクルを有する。各プロフィールは、パルス間に90分の静止時間を持っていた。
表K:実験条件(例2)
Figure 2009509682
表Lに開示されるように、血液サンプルは頚静脈カテーテルから時々取り出され、例1にて示されたプロトコルに従って処理された。
表L:血液サンプルタイムズ(例2)
Figure 2009509682
5つの8分間パルスの例:3.0mLにて総てで31の血液サンプル=93mL
8つの5分間パルスの例:3.0mLにて総てで44の血液サンプル=132mL
図14は、8分間のパルス(n=3)を5つ用いた、パッチ(10mg/mL(例1から)、25mg/mL及び50mg/mL)内で、3つの異なる当初の薬物濃度で平均的な血漿濃度−時間プロフィールを示す。イオン導入に続く血漿濃度−時間プロフィール(条件#3及び#4)の一般的な形は、皮下注入プロフィール(例1)に再び匹敵した。
表Mは、条件#1(10mg/mLイオン導入)後と同様に、イオン導入条件#3と#4後に得られる、薬物動態学の(「PK」)パラメータ(曲線下面積(「AUC」)、設定時間内の血流の最大濃度(「Cmax」)及び薬剤が血流内で最大となる時間(「Tmax」)及び例1から得られる皮下注入を示す。
25及び50mg/mLの濃度について、重量の標準化された平均AUC及びCmaxは、10mg/mLよりも低かった。例1の結果と同様に、この例の結果は、25及び50mg/mL濃度の両方にて、パルス3−5に亘って、薬剤搬送の良好な再現性を示す。
表M:8分間の5つのパルス(#1と同様に、条件#3及び4、n=3及び例1からの皮下)後のPKパラメータ(AUC、Cmax及びTmax)
Figure 2009509682
「Ionto」は、イオン導入、「Subcut」は、皮下である。
※ Iontoの第2行、AUC及びCmaxは動物体重(25kg)によって標準化され、従来の研究からの10mg/mL濃度との比較を容易にする。
図15は、イオン導入条件#5及び#6(n=3)後の平均的な血漿濃度−時間プロフィールを示し、条件#4及び#5が比較の為にまた示される。表Nはイオン導入条件#5及び#6後に得られるPKパラメータ(AUC、Cmax及びTmax)を示す。5分間の8つのパルスについて、GnRH搬送に濃度効果がある。50mg/mL濃度を用いる条件#5について、平均的なAUC及びCmaxは、25mg/mL濃度を用いる条件#6のイオン導入よりも2倍大きく、濃度差と一致していた。平均のTmaxは、条件3及び4については、32±11分及び16±6分であり、それに対し、条件#5及び6については、20±7分及び13±5分であり、8分間のパルスに比して5分間のパルスでは、Cmaxへの立ち上がりが比較的鋭いことを反映している。50mg/mL薬剤濃度及び5分間パルスについての平均的なAUC及びCmaxは、10mg/mL薬剤濃度及び8分間パルス(例1)について見られる平均的なAUC及びCmaxよりも、25%少なかった。
10mg/mLの薬物濃度及び8分間のパルス(例1)が、皮下搬送に関する受け入れな基準内にあった薬剤搬送を与えたことは、注目されるべきである。データは、さらにパルス3−5(1つのデータポイントだけが50mg/mLのグループに利用可能だった)に関して、パルス8の再現可能な薬剤搬送を示唆する。
表N:5分間の8つのパルス(条件#5及び#6)後のPKパラメータ(AUC、Cmax及びTmax)
Figure 2009509682
「Ionto」は、イオン導入、「Subcut」は、皮下である。
※ Iontoの第2行、AUC及びCmaxは動物体重(25kg)によって標準化され、従来の研究からの10mg/mL濃度との比較を容易にする。
この例は、10mg/mL(50mg/mL以内)以上にパッチ内の初期的な薬剤濃度の増加が8分間の5つのパルスを使用するGnRH搬送を促進しないことを実証する。しかし、5分間の8つのパルスを使用する25から50mg/mLの範囲内の濃度について、薬剤搬送にて(AUC及びCmax)に増加があった。
更に、データは、搬送プロフィールが8分間のパルスと比較して5分間のパルスには比較的より鋭く見え、8つの5分のパルスに亘ってGnRH搬送の良好な再現性があることを示唆する。
パッチ内でGnRH濃度を10mg/mLから50mg/mLに最初に増加させることは、0.24mA/cm2の電流密度及び5つの8分間のパルスを使用するGnRHのイオン導入搬送を促進しなかった。0.24mA/cm2にて、5分間の8つのパルスが印加されたとき、薬剤搬送はGnRH濃度に比例して、25mg/mLから50mg/mLまで増加した。
5分間のパルスは、8分間のパルスと比較して、比較的より鋭い血漿プロフィールを生成するように見えた。50mg/mLの薬物濃度及び5分のパルスが適用された時、薬剤搬送は10mg/mLの薬剤濃度及び8分間のパルスと比較して、25%少なかった。
例3
この例は、パッチ製造プラットフォームIに従って、電極アセンブリにて0.24mA/cm2の電流密度、8つの5分間のパルスを有する90分サイクル及び25mg/mLの薬剤濃度(64.5mg/mLの充填濃度)を使用して、GnRHのイオン導入搬送の再現性を評価した。8つの5分間のパルスに亘ってGnRH搬送は、再現可能であった。
3匹の思春期前の雌のヨークシャー豚(13−15と番号付けられた)がこの例にて使用された。各動物は、8つの90分サイクル及び比較のために9サイクルの皮下(「SC」)投薬された1のイオン導入処理を受けた。イオン導入装置は、パッチ製造プラットフォームI(5cm2の活性領域)に従って用意された。パッチにはGnRH(HCl)溶液が充填されて、25mg/mLのGnRHの最終濃度が付与される。
ゲル表面のpHは、5.0±0.5であると測定された。パッチは、研究側へ運ぶ間を除き、総ての時間で5℃に格納された。動物13に使用されたSC投与溶液は、使用前4日間準備され、室温(「RT」)で格納された。動物14に使用されたSC投与溶液は、使用前6日間準備され、主にRTで格納された。動物15に使用されたSC投与溶液は、使用前1日間準備され、RTで格納された。研究の間、動物の体重は、約15−30kgの範囲で動いた。実験条件は、表Oに要約される。例3は、5分間のパルスの8サイクルからなる電流搬送プロフィールを用い、各パルスは1.2mAの電流を有し、パルス間に90分の静止時間がある。
表O:実験条件(例3)
Figure 2009509682
動物は、例1に記載するように用意された。薬剤が充填されたパッチは、丁度中間線部から動物の背後に置かれた。毎回、1つのパッチが、8つの搬送パルスの全体に亘って使用された。例1に記載しているように、コントローラは定電流源として使用された。
表Pに開示されているように、血液サンプルは頚静脈カテーテルから時々取り出され、例1にて述べられた分析的なプロトコルによって処理された。
表P:血液サンプル時間
Figure 2009509682
3.0mLで全サンプル74=222mLの血液量
図16は、8つの5分間のパルス(n=3、豚13−15)を使用して、パッチ内の25mg/mLの薬剤濃度に於ける平均的な血漿濃度−時間プロフィールを示す。
イオン導入(条件#6)後の血漿濃度−時間プロフィールの一般的な形状は、皮下注入プロフィール(例1)に匹敵した。
表Qは、例3及び例2時に、イオン導入条件#6後に得られる薬物動態学のパラメータ(曲線下面積(「AUC」)、設定時間内の血流の薬剤の最大濃度(「Cmax」)及び血流内で薬剤が最大濃度となるときの時間(「Tmax」))を示す。
重量が標準化された平均的なAUC及びCmaxは、2つの例の間で比較可能である。GnRH搬送プロフィールは例1で見られた皮下のレベルと一致しないが、これらの結果はAUC、Cmax及びTmax及び重量が標準化されたデータの夫々22%、17%及び9%の変動係数について、パルス2−8に亘って薬剤搬送の非常に良好な再現性があることを示している。
表Q:8つの5分間のパルス(条件25mg/mLの薬剤濃度、例3(n=3、豚13、14及び15)及び例2(n=3、豚10、11及び12))後のPKパラメータ(AUC、Cmax及びTmax)
Figure 2009509682
※、Iontoの第2行、AUC及びCmaxは動物体重(25kg)によって標準化され、従来の研究からの10mg/mL濃度との比較を容易にする。
※※ 研究3について、豚14についてはパッチが電極容量の点から開始しなかったとの事実により、AUC、Cmax及びTmaxは、豚13及び15についてのみ算出された。
NS=特定のパルスは、プロトコル毎にサンプリング化されなかった。
使用済みのパッチは、この例の中で使用されるパッチの搬送効率を実証するために抜き出された。
使用に先立った最初の濃度は、5%の変動係数を有する18.7mg/パッチと評価された。使用後の、パッチの濃度は5%の変動係数を有する17.3mg/パッチと評価された。これは、使用済みのパッチから平均93%を回収したことに関連する。
この例は、5分の脈拍時間を用いた25mg/mLの薬剤濃度に於けるGnRH搬送は、8つの90分サイクルまでについては、GnRH搬送プロフィールの良好な再現性を有することを実証した。
発明の説明の目的から、発明の特定の実施例がここに記載され、これに限定する目的ではないが、当該技術分野の通常の知識を有する者には、添付の請求の範囲に記載された発明から離れることなく、詳細、材料及び部分の構成の種々の変更が発明の原理及び範囲内でなされることが判るだろう。、
(従来技術)陽極アセンブリ、陰極アセンブリ、及びコントローラ/電源を含む電気的に支援薬剤搬送システムを概略的に示す。 本発明に従って配備された結合電極アセンブリの種々の態様の分解斜視図である。 本発明に従って配備された結合電極アセンブリの剥離カバーの種々の態様の分解斜視図である。 本発明に従って配備された結合電極アセンブリの種々の態様の俯瞰図である。 電気的に支援された搬送装置を具えた、本発明に従って配備された結合電極アセンブリの相互接続の種々の態様の分解斜視図である。 本発明に従って配備された結合電極アセンブリの一部と、電気的に支援された搬送装置の要素間の相互作用の概略を示す図である。 本発明に従って配備された結合電極アセンブリの一部と、電気的に支援された搬送装置の要素間の相互作用の概略を示す図である。 本発明に従って配備された結合電極アセンブリの種々の態様の俯瞰図である。 図6の電極アセンブリの態様を示す断面図である。 図6の電極アセンブリの態様を示す断面図である。 本発明に従って配備された結合電極アセンブリの種々の態様の俯瞰図である。 図7の剥離カバーの断面図である。 電極の形状及び薄膜を通った組成物の搬送経路上の空間の効果を示す概略図である。 電極の形状及び薄膜を通った組成物の搬送経路上の空間の効果を示す概略図である。 充填された溶液に接する非充填電極アセンブリの概略断面図である。 本発明に従って構成された電極アセンブリ剥離カバーを含む包みの断面図である。 例1、2及び3のGnRHの血漿濃度対時間のプロットを示す。 例1、2及び3のGnRHの血漿濃度対時間のプロットを示す。 例1、2及び3のGnRHの血漿濃度対時間のプロットを示す。 例1、2及び3のGnRHの血漿濃度対時間のプロットを示す。 例1、2及び3のGnRHの血漿濃度対時間のプロットを示す。 方形パルス搬送プロフィールの概略図である。

Claims (65)

  1. 薄膜を通って組成物を搬送する電気的に支援された搬送装置について用いられるように構成された結合電極アセンブリであって、
    可撓性のある基材と、
    可撓性のある基材に接続されて、少なくともドナー電極とリターン電極を有する電極層と、
    各ドナー電極とリターン電極から、アセンブリのタブ端部に延びる少なくとも1つのリードであって、タブ端部は電気的に支援された搬送装置の少なくとも1つの要素に電気的に接続されるように構成されたリードと、
    ドナー電極に電気的に繋がって配置され、GnRHを含む組成物の量を含むドナー溜めと、
    リターン電極に電気的に繋がって配置されたリターン溜めと、
    以下の少なくとも1つを含む、結合電極アセンブリ。
    (a) 電極及びリードの少なくとも1つの少なくとも一部に隣接して位置する絶縁性の誘電被覆、
    (b) 電極層に形成された少なくとも1つの薄肉部、
    (c) タブ端部に接続されたタブ補強材、
    (d) タブ端部に形成されたタブスリット、
    (e) タブ端部上に位置するセンサトレース、
    (f) ドナー溜めを覆うように構成されたドナー部と、リターン溜めを覆うように構成されたリターン部を有する剥離カバー、
    (g) 可撓性のある基材の少なくとも一部は、電極層の少なくとも一部の撓み剛性よりも小さな撓み剛性を有している、
    (h) ドナー電極及びドナー溜めを含むアセンブリの表面積と、リターン電極及びリターン溜めを含むアセンブリの表面積との間の最短距離は、薄膜を通って組成物を搬送する略均一な経路を形成するような大きさである、
    (i) ドナー電極及びドナー溜めを含むアセンブリの表面積は、リターン電極及びリターン溜めを含むアセンブリの表面積よりも大きい、
    (j) 少なくとも1つの溜めの表面積が、対応する電極の表面積に対する比は、約1.0から約1.5の範囲である、
    (k) アセンブリのフットプリント領域は、約5cm2から約100cm2の範囲である、
    (l) 電極の総表面積が、アセンブリの総フットプリント領域に対する比は、約0.1から約0.7の範囲である、
    (m) ドナー電極の表面積が、リターン電極の表面積に対する比は、約0.1から約5.0の範囲である、
    (n) ドナー溜めの厚みのリターン溜めの厚みに対する比は、約0.1から約2.0の範囲である、
    (o) 少なくとも1つの溜めに電気的に繋がるアセンブリの少なくとも1つの要素の水分吸収容量は、アセンブリの要素に面接触する溜めの水分吸収容量よりも小さい、
    (p) ドナー電極及びリターン電極間に位置する領域内にて、可撓性のある基材内にはスリットが形成される、
    (q) 少なくとも1つの非接着性タブは可撓性のある基材から延び、
    (r) 電極層上に蒸着された転写接着層の一部と、タブ端部に接続されたタブ補強材の一部の間にギャップが形成される、
    (s) タブ端部の一部に取り付けられたタブ補強材、
    (t) タブ端部に形成された少なくとも1つの触感補助、
    (u) 少なくとも1つの印がアセンブリの少なくとも一部に形成される、
    (v) 少なくとも1つのドナー電極及びリターン電極に隣接した電極層上に蒸着された転写接着層の一部の最小幅は、少なくとも約0.953cmの範囲である、
    (w) タブ端部に繋がるタブの最小長さは、少なくとも約3.8cmの範囲である。
  2. 組成物は、前記ドナー溜め内に、約5mg/mLから約75mg/mLのGnRH濃度を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
  3. 組成物は、前記ドナー溜め内に、約10mg/mLから約50mg/mLのGnRH濃度を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
  4. 少なくとも1つの電極は、Ag及びAg/AgClからなるグループから選択される材料から構成される、請求項1に記載のアセンブリ。
  5. ドナー電極及びリターン電極は夫々、1mA・分/cm2よりも大きな比容量を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
  6. 結合電極アセンブリは、電極及びリードの少なくとも一方の少なくとも一部に隣接して位置する絶縁性の誘電被覆を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
  7. 絶縁性の誘電被覆は、少なくとも一方の電極の周縁部の少なくとも一部に隣接して位置する、請求項6に記載のアセンブリ。
  8. 結合電極アセンブリは、電極層内に形成された少なくとも1つの薄肉部を具える、請求項1に記載のアセンブリ。
  9. 結合電極アセンブリは、タブ端部に接続されたタブ補強材を具える、請求項1に記載のアセンブリ。
  10. 結合電極アセンブリは、タブ端部に形成されたタブスリットを具える、請求項1に記載のアセンブリ。
  11. 更に、タブスリットは、電気的に支援された搬送装置のナイフエッジ要素を受け入れるように構成されている、請求項10に記載のアセンブリ。
  12. 更に、タブスリットは、タブ端部が電気的に支援された搬送装置から除去される際に、ナイフエッジによって切断されるように構成されている、請求項11に記載のアセンブリ。
  13. 結合電極アセンブリは、タブ端部に位置するセンサトレースを具える、請求項1に記載のアセンブリ。
  14. 更に、センサトレースは、アセンブリが電気的に支援された搬送装置の要素と電気的に繋がっているときに、アセンブリの存在を検知することができるように構成されている、請求項13に記載のアセンブリ。
  15. 結合電極アセンブリは、ドナー溜めを覆うように構成されたドナー部、及びリターン溜めを覆うように構成されたリターン部を有する剥離カバーを具える、請求項1に記載のアセンブリ。
  16. 更に、ドナー部及びリターン部の少なくとも1つは、その中に少なくとも1つの搬送吸収剤を具える、請求項15に記載のアセンブリ。
  17. 更に、搬送吸収剤は少なくとも1つのウェルドで剥離カバーに取り付けられる、請求項16に記載のアセンブリ。
  18. 更に、ウェルドは、搬送吸収剤と剥離カバーのドナー部との間の接続領域に略均一に分布した、請求項17に記載のアセンブリ。
  19. 更に、ウェルドは、搬送吸収剤と剥離カバーのリターン部との間の接続領域に略均一に分布した、請求項17に記載のアセンブリ。
  20. 結合電極アセンブリは、電極層の少なくとも一部の撓み剛性よりも小さな撓み剛性を有する可撓性の基材の少なくとも一部を具える、請求項1に記載のアセンブリ。
  21. ドナー電極及びドナー溜めを含むアセンブリの表面と、リターン電極とリターン溜めを含むアセンブリの表面間の最短距離は、組成物が薄膜を通って搬送される略均一な経路を提供するようなサイズである、請求項1に記載のアセンブリ。
  22. 最短距離は、少なくとも約0.64cmの範囲である、請求項21に記載のアセンブリ。
  23. ドナー電極及びドナー溜めを含むアセンブリの表面は、リターン電極とリターン溜めを含むアセンブリの表面よりも大きい、請求項1に記載のアセンブリ。
  24. 少なくとも1つの溜めの表面積と、対応する電極の表面積の比は、約1.0から1.5である、請求項1に記載のアセンブリ。
  25. 少なくとも1つの溜めの表面積は、対応する電極の表面積と略同じである、請求項24に記載のアセンブリ。
  26. アセンブリのフットプリント領域は、約5cm2から100cm2である、請求項1に記載のアセンブリ。
  27. 電極の全表面積の、アセンブリの全フットプリント領域への比は、約0.1から0.7である、請求項1に記載のアセンブリ。
  28. ドナー電極の表面積と、リターン電極の表面積の比は、約0.1から5.0である、請求項1に記載のアセンブリ。
  29. ドナー溜めの厚みの、リターン溜めの厚みへの比は、約0.1から2.0の範囲である、請求項1に記載のアセンブリ。
  30. 少なくとも1つの溜めと接するアセンブリの少なくとも1つの要素は、アセンブリの要素と接する溜めの水分吸収容量よりも小さな水分吸収容量を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
  31. 結合電極アセンブリは、ドナー電極とリターン電極との間に位置する領域内の可撓性基材に形成されたスリットを有する、請求項1に記載のアセンブリ。
  32. 結合電極アセンブリは、可撓性基材から延びる少なくとも1つの非接着性タブを有する、請求項1に記載のアセンブリ。
  33. 結合電極アセンブリは、タブ端部の一部に取り付けられたタブ補強剤と、転写接着層の一部とタブ補強剤の間に形成されたギャップを具える、請求項1に記載のアセンブリ。
  34. ギャップの幅は、少なくとも約1.27cmの範囲である、請求項33に記載のアセンブリ。
  35. 結合電極アセンブリは、タブ端部に形成された少なくとも1つの触覚感知の補助を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
  36. 触覚感知の補助は、タブ端部に形成された少なくとも1つのノッチである、請求項35に記載のアセンブリ。
  37. 触覚感知の補助は、タブ端部から延びる少なくとも1つの翼を有する、請求項35に記載のアセンブリ。
  38. 結合電極アセンブリは、アセンブリの少なくとも一部に形成された少なくとも1つの印を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
  39. 印は、ドナー電極に隣接した可撓性の基材上に形成されている、請求項38に記載のアセンブリ。
  40. 印は、リターン電極に隣接した可撓性の基材上に形成されている、請求項38に記載のアセンブリ。
  41. ドナー電極及びリターン電極の少なくとも1つに隣接した転写接着層の一部の最小幅は、少なくとも約0.963cmの範囲である、請求項1に記載のアセンブリ。
  42. タブ端部に繋がったタブの最小長さは、少なくとも約3.81cmの範囲である、請求項1に記載のアセンブリ。
  43. GnRHを含む組成物は、10mg/mL、25mg/mL及び50mg/mLのGnRH(HCl)のうち、1つを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
  44. GnRHを含む組成物は、10mg/mLのGnRH(HCl)を含む、請求項43に記載のアセンブリ。
  45. GnRHを含む組成物は、10mg/mL、25mg/mL及び50mg/mLのGnRH酢酸塩のうち、1つを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
  46. GnRHを含む組成物は、25mg/mLのGnRH酢酸塩を含む、請求項45に記載のアセンブリ。
  47. 薄膜を通して組成物を投与する方法であって、
    薄膜に、薄膜を通して組成物を搬送する電気的に支援された搬送装置に関して用いるように構成された結合電極アセンブリを取り付け、
    該結合電極アセンブリは、
    可撓性の基材と、
    少なくともドナー電極とリターン電極を有し、可撓性の基材に接続された電極層と、
    ドナー電極とリターン電極の各々からアセンブリのタブ端部に延びる少なくとも1つのリードであって、タブ端部は電気的に支援された搬送装置の少なくとも1つの要素に電気的に接続されるように構成され、
    ドナー電極と電気的に繋がるように位置したドナー溜めを具え、ドナー溜めはGnRHを含む組成物の所定量を含み、
    リターン電極と電気的に繋がるように位置したリターン溜めと、
    以下の少なくとも1つを含み、
    (a) 電極及びリードの少なくとも1つの少なくとも一部に隣接して位置する絶縁性の誘電被覆、
    (b) 電極層に形成された少なくとも1つの薄肉部、
    (c) タブ端部に接続されたタブ補強材、
    (d) タブ端部に形成されたタブスリット、
    (e) タブ端部上に位置するセンサトレース、
    (f) ドナー溜めを覆うように構成されたドナー部と、リターン溜めを覆うように構成されたリターン部を有する剥離カバー、
    (g) 可撓性のある基材の少なくとも一部は、電極層の少なくとも一部の撓み剛性よりも小さな撓み剛性を有する、
    (h) ドナー電極及びドナー溜めを含むアセンブリの表面積と、リターン電極及びリターン溜めを含むアセンブリの表面積との間の最短距離は、薄膜を通って組成物を搬送する略均一な経路を形成するような大きさである、
    (i) ドナー電極及びドナー溜めを含むアセンブリの表面積は、リターン電極及びリターン溜めを含むアセンブリの表面積よりも大きい、
    (j) 少なくとも1つの溜めの表面積が、対応する電極の表面積に対する比は、約1.0から約1.5の範囲である、
    (k) アセンブリのフットプリント領域は、約5cm2から約100cm2の範囲であり、
    (l) 電極の総表面積が、アセンブリの総フットプリント領域に対する比は、約0.1から約0.7の範囲である、
    (m) ドナー電極の表面積が、リターン電極の表面積に対する比は、約0.1から約5.0の範囲である、
    (n) ドナー溜めの厚みのリターン溜めの厚みに対する比は、約0.1から約2.0の範囲である、
    (o) 少なくとも1つの溜めに電気的に繋がるアセンブリの少なくとも1つの要素の水分吸収容量は、アセンブリの要素に面接触する溜めの水分吸収容量よりも小さい、
    (p) ドナー電極及びリターン電極間に位置する領域内にて、可撓性のある基材内にはスリットが形成される、
    (q) 少なくとも1つの非接着性タブは可撓性のある基材から延びる、
    (r) 電極層上に蒸着された転写接着層の一部と、タブ端部に接続されたタブ補強材の一部の間にギャップが形成される、
    (s) タブ端部の一部に取り付けられたタブ補強材、
    (t) 少なくとも1つの触感補助がタブ端部に形成される、
    (u) 少なくとも1つの印がアセンブリの少なくとも一部に形成される、
    (v) 少なくとも1つのドナー電極及びリターン電極に隣接した電極層上に蒸着された転写接着層の一部の最小幅は、少なくとも約0.953cmの範囲である、
    (w) タブ端部に繋がるタブの最小長さは、少なくとも約3.81cmの範囲である。
    電気的に支援された搬送装置に、約40mA-分から約100mA-分の電荷を印加する工程を含む方法。
  48. 更に、n個のパルスを含むパルス状の電流搬送プロフィールを印加する工程を含み、ここでnは1より大きい又は1に等しい、請求項47に記載の方法。
  49. パルスは、一方向性である、請求項48に記載の方法。
  50. パルスは、方形パルスである、請求項49に記載の方法。
  51. nは2より大きい、請求項48に記載の方法。
  52. パルス状の電流搬送プロフィールは、約1.0x10-4Hzから約5x10-4Hzのパルス周波数を有する、請求項48に記載の方法。
  53. パルスは、0秒から約30秒の上昇時間を有する、請求項48に記載の方法。
  54. パルスは、0秒から約30秒の下降時間を有する、請求項48に記載の方法。
  55. パルスは、約1分から約15分のオン時間を有する、請求項48に記載の方法。
  56. パルスは、約5分から約10分のオン時間を有する、請求項55に記載の方法。
  57. パルスは、約1%から約20%のデューティサイクルを有する、請求項48に記載の方法。
  58. デューティサイクルは、約5%から約10%である、請求項57に記載の方法。
  59. デューティサイクルは、約5%である、請求項57に記載の方法。
  60. パルスの数は5であり、オン時間は8分であり、電流は1.2mAであり、パルス周波数は約1.85x10-4Hzである、請求項48に記載の方法。
  61. パルスの数は8であり、オン時間は5分であり、電流は1.2mAであり、パルス周波数は約1.85x10-4Hzである、請求項48に記載の方法。
  62. GnRHを含む組成物は、10mg/mL、25mg/mL及び50mg/mLのGnRH(HCl)のうち、1つを含む、請求項47に記載の方法。
  63. GnRHを含む組成物は、25mg/mLのGnRH(HCl)を含む、請求項62に記載の方法。
  64. GnRHを含む組成物は、10mg/mL、25mg/mL及び50mg/mLのGnRH酢酸塩のうち、1つを含む、請求項47に記載の方法。
  65. GnRHを含む組成物は、25mg/mLのGnRH酢酸塩を有する、請求項64に記載の方法。
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