JPWO2007114089A1 - ハニカム構造体成形用口金、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

第一の板状部材23と第二の板状部材24とを有する口金基体22を備えたハニカム構造体成形用口金1であって、第一の板状部材23における第二の板状部材24との接合面28側に溝部7が形成されており、この溝部7の深さy(mm)が、下記式(1)を満足するものである。y≦a・(t1×E1+t2×E2)/(t1×t2×E1×E2) ・・・(1)(但し、t1は第一の板状部材の厚み(mm)から溝部の深さ(mm)を引いた厚み(mm)、E1は第一の板状部材の裏孔が形成された状態を考慮した見かけの25℃における体積弾性率(GPa)、t2は第二の板状部材の厚み(mm)、E2は第二の板状部材の25℃における体積弾性率(GPa)、aは製造時の条件によって決定する係数である)

Description

本発明は、ハニカム構造体成形用口金、及びその製造方法に関する。更に詳しくは、ハニカム構造体を高精度に成形することが可能なハニカム構造体成形用口金、及びその製造方法に関する。
セラミック質のハニカム構造体の製造方法としては、従来から、成形原料(坏土)を導入する裏孔と、この裏孔に連通する格子状等のスリットとが形成された口金基体を備えたハニカム構造体成形用口金(以下、単に「口金」ということがある)を用いて押出成形する方法が広く行われている。この口金は、通常、口金基体の一方の面に、ハニカム構造体の隔壁厚さに対応する幅のスリットが格子状等に設けられており、その反対側の面(他方の面)に、スリットと連通する裏孔が大きな面積で開口して設けられている。そして、この裏孔は、通常、格子状等のスリットが交差する位置に対応して設けられ、両者は、口金基体内部で連通している。したがって、裏孔から導入されたセラミック原料等の成形原料は、比較的内径の大きな裏孔から、幅の狭いスリットへと移行して、このスリットの開口部からハニカム構造の成形体(ハニカム成形体)として押出される。
このようなハニカム構造体成形用口金を構成する口金基体としては、例えば、ステンレス合金や超硬合金等の一種類の合金から構成された板状部材や、また、異なる二種類の板状部材、例えば、スリットを形成するための板状部材と裏孔を形成するための板状部材とを積層して接合させた口金基体が用いられている(例えば、特許文献1及び2)。
従来のハニカム構造体成形用口金の製造方法においては、このような口金基体に、上記したスリットと裏孔とを機械加工して形成している。
特開2000−326318号公報 特開2003−285308号公報
上記したように異なる二種類の板状部材を接合させた口金基体を得る場合には、予め一方の板状部材に、裏孔や、裏孔から導入した成形原料をスリットに滑らかに移動させるためのスリットに対応した形状の溝部等を予め形成しておくことがある。
しかしながら、異なる二種類の板状部材を接合させた口金基体は、板状部材同士の接合面に大きな残留応力が生じるため、予め一方の板状部材に形成した裏孔や溝部が、その残留応力によって変形してしまう。このため、このような口金基体を用いて製造されたハニカム構造体成形用口金は成形精度が低いという問題があった。
また、上記したように変形した裏孔や溝部は、板状部材同士の接合面に対して垂直な方向に応力を生じさせるため、接合させた板状部材が剥離してしまうという問題もあった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、ハニカム構造体を高精度に成形することが可能なハニカム構造体成形用口金、及びその製造方法を提供する。
本発明は、以下のハニカム構造体成形用口金、及びその製造方法を提供するものである。
[1] 成形原料を導入するための裏孔が形成された第一の板状部材と、前記成形原料を格子状に成形するためのスリットが形成された第二の板状部材と、を有する口金基体を備えたハニカム構造体成形用口金であって、前記第一の板状部材における前記第二の板状部材との接合面側に、前記スリットに対応した形状の溝部が形成されており、前記溝部の深さy(mm)が、下記式(1)を満足するものであるハニカム構造体成形用口金。
y≦a・(t1×E1+t2×E2)/(t1×t2×E1×E2) ・・・(1)
(但し、t1は前記第一の板状部材の厚み(mm)から前記溝部の深さ(mm)を引いた厚み(mm)、E1は前記第一の板状部材の前記裏孔が形成された状態を考慮した見かけの25℃における体積弾性率(GPa)、t2は前記第二の板状部材の厚み(mm)、E2は前記第二の板状部材の25℃における体積弾性率(GPa)、aは前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とのそれぞれの熱膨張係数、前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とを接合する際の接合温度と常温との温度差、及び溝部の幅とピッチによって決定する係数である)
[2] 前記第二の板状部材が、炭化タングステン基超硬合金から構成されたものである前記[1]に記載のハニカム構造体成形用口金。
[3] 前記第一の板状部材が、オーステナイト相の冷却によってマルテンサイト変態、ベイナイト変態、及びパーライト変態からなる群より選択される少なくとも一つの相変態を起こし得る金属又は合金から構成されたものである前記[1]又は[2]に記載のハニカム構造体成形用口金。
[4] 第一の板状部材と第二の板状部材とを有する口金基体を備え、前記第一の板状部材に成形原料を導入するための裏孔が形成され、且つ、前記第二の板状部材に前記成形原料を格子状に成形するためのスリットが形成されたハニカム構造体成形用口金を製造するハニカム構造体成形用口金の製造方法であって、前記第一の板状部材の一方の表面に、前記スリットに対応した形状の溝部を、前記溝部の深さy(mm)が下記式(2)を満足するように形成し、その前記第一の板状部材の前記一方の表面に前記第二の板状部材を積層して、前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とが接合された前記口金基体を得る工程を含むハニカム構造体成形用口金の製造方法。
y≦a・(t1×E1+t2×E2)/(t1×t2×E1×E2) ・・・(2)
(但し、t1は前記第一の板状部材の厚み(mm)から前記溝部の深さ(mm)を引いた厚み(mm)、E1は前記第一の板状部材の前記裏孔が形成された状態を考慮した見かけの25℃における体積弾性率(GPa)、t2は前記第二の板状部材の厚み(mm)、E2は前記第二の板状部材の25℃における体積弾性率(GPa)、aは前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とのそれぞれの熱膨張係数、前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とを接合する際の接合温度と常温との温度差、及び溝部の幅とピッチによって決定する係数である)
[5] 前記第二の板状部材として、炭化タングステン基超硬合金から構成されたものを用いる前記[4]に記載のハニカム構造体成形用口金の製造方法。
[6] 前記第一の板状部材として、オーステナイト相の冷却によってマルテンサイト変態、ベイナイト変態、及びパーライト変態からなる群より選択される少なくとも一つの相変態を起こし得る金属又は合金から構成されたものを用いる前記[4]又は[5]に記載のハニカム構造体成形用口金の製造方法。
[7] 積層した前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とを、前記第一の板状部材がオーステナイト変態を起こす温度以上に加熱して、前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とを接合する前記[6]に記載のハニカム構造体成形用口金の製造方法。
[8] 得られた前記口金基体を、前記少なくとも一つの相変態が開始される温度まで降温して、前記第一の板状部材を構成する金属組織又は合金組織を相変態させる前記[6]又は[7]に記載のハニカム構造体成形用口金の製造方法。
[9] 接合された前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とを、0.1〜100℃/minの降温速度にて、前記少なくとも一つの相変態が開始される温度まで降温する前記[6]〜[8]のいずれかに記載のハニカム構造体成形用口金の製造方法。
[10] 前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とを積層する前に、前記第一の板状部材に前記裏孔の少なくとも一部を形成する前記[4]〜[9]のいずれかに記載のハニカム構造体成形用口金の製造方法。
本発明のハニカム構造体成形用口金は、ハニカム構造体を高精度に成形することができるとともに、板状部材を接合させた口金基体において、板状部材の接合面における剥離を低減することができる。
また、本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法は、上述した本発明のハニカム構造体成形用口金を簡便に製造することができる。
本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施の形態を模式的に示す斜視図である。 図1に示す口金を平面Aで切断した断面を示す断面図である。 図1に示す口金によって押出成形されたハニカム構造体を示す斜視図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法の一の実施の形態における、第一の板状部材に溝部を形成する工程の一例を示す説明図であり、図2と同様の断面を示している。 本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法の一の実施の形態における、第一の板状部材と第二の板状部材とを積層する工程の一例を示す説明図であり、図2と同様の断面を示している。 本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法の一の実施の形態における、第二の板状部材にスリットを形成する工程の一例を示す説明図であり、図2と同様の断面を示している。
符号の説明
1:ハニカム構造体成形用口金(口金)、5:スリット、6:裏孔、7:溝部、12:ハニカム構造体、13:隔壁、14:セル、22:口金基体、23:第一の板状部材、24:第二の板状部材、27:ろう材、28:接合面(第一の板状部材と第二の板状部材との接合面)。
以下、図面を参照して、本発明のハニカム構造体成形用口金(以下、単に「口金」ということがある)、及びその製造方法の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
まず、本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施の形態について具体的に説明する。図1は、本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施の形態を模式的に示す斜視図であり、図2は、図1に示す口金を平面Aで切断した断面を示す断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態のハニカム構造体成形用口金1は、成形原料を導入するための裏孔6が形成された第一の板状部材23と、この成形原料を格子状に成形するためのスリット5が形成された第二の板状部材24と、を有する口金基体22を備えたハニカム構造体成形用口金1である。
この本実施の形態のハニカム構造体成形用口金1は、第一の板状部材23における第二の板状部材24との接合面側に、スリット5に対応した形状の溝部7が形成されており、この溝部の深さy(mm)が、下記式(3)を満足するものである。
y≦a・(t1×E1+t2×E2)/(t1×t2×E1×E2) ・・・(3)
(但し、t1は第一の板状部材23の厚み(mm)から溝部7の深さ(mm)を引いた厚み(mm)、E1は第一の板状部材23の裏孔6が形成された状態を考慮した見かけの25℃における体積弾性率(GPa)、t2は第二の板状部材24の厚み(mm)、E2は第二の板状部材24の25℃における体積弾性率(GPa)、aは第一の板状部材23と第二の板状部材24とのそれぞれの熱膨張係数、第一の板状部材23と第二の板状部材24とを接合する際の接合温度と常温との温度差、及び溝部の幅とピッチによって決定する係数である)
上記したように、溝部7の深さy(mm)が、前記式(3)を満足するものであることにより、第一の板状部材23と第二の板状部材24との接合面28に生じる応力による溝部7の変形や歪みを減少させて、接合面28に対して垂直方向の応力の発生を抑制することができる。このため、本実施の形態のハニカム構造体成形用口金1は、ハニカム構造体を高精度に成形することができるとともに、それぞれの板状部材を接合させた口金基体22において、第一の板状部材23と第二の板状部材24との接合面28における剥離を低減することができる。
なお、第一の板状部材23の裏孔6が形成された状態を考慮した見かけの25℃における体積弾性率E1(GPa)は、例えば、裏孔6が形成された第一の板状部材23の有限要素(FEM)シミュレーションを用いることにより、容易に求めることができる。
なお、上記した係数aは、第一の板状部材23と第二の板状部材24とのそれぞれの熱膨張係数、第一の板状部材23と第二の板状部材24とを接合する際の接合温度と常温との温度差、及び溝部の幅とピッチによって決定する係数であり、下記式(4)によって算出することができる。
a=k×ΔT×(1−α2/α1)×(L−M) ・・・(4)
(但し、α1は第一の板状部材23の熱膨張係数(1/℃)、α2は第二の板状部材24の熱膨張係数(1/℃)、ΔTは第一の板状部材23と第二の板状部材24とを接合する際の接合温度と常温との温度差(℃)、Mは溝部7の幅(mm)、Lは溝部7のピッチ(mm)、kは第一の板状部材23と第二の板状部材24との接合時の相性(以下、単に「接合時の相性k」ということがある)である)
上記した接合時の相性kは、接合強度を表す数値であり、第一の板状部材23と第二の板状部材24とを実際に接合した実験結果より求めることができる。例えば、第一の板状部材23としてステンレス鋼を用い、第二の板状部材24として超硬合金を用いた場合には、第一の板状部材の熱膨張係数α1が11.5×10−6(1/℃)、第二の板状部材の熱膨張係数α2が6.3×10−6(1/℃)となり、第一の板状部材23と第二の板状部材24とを接合する際の接合温度と常温との温度差ΔTを1100℃とし、溝部7の幅Mを0.3mm、溝部7のピッチLを1.0mmとした場合には、上記の接合時の相性kは1.75となり、係数aは約610となる。
本実施の形態のハニカム構造体成形用口金1は、例えば、図3に示すように、多孔質の隔壁13を備え、この隔壁13によって流体の流路となる複数のセル14が区画形成されたハニカム構造体12を押出成形するための口金である。なお、図3に示すハニカム構造体12は、内燃機関、ボイラー、化学反応機器及び燃料電池用改質器等の触媒作用を利用する触媒用担体や、排気ガス中の微粒子捕集フィルター等に好適に用いることができる。
図1及び図2に示すハニカム構造体成形用口金1のスリット5は、図3に示すハニカム構造体12の隔壁13の部分を成形するためのものであり、この隔壁13の形状に対応して、図1に示すように格子状に形成されている。
また、裏孔6は、成形原料を導入するためのものである。裏孔6の形状については、導入された成形原料をスリット5に導くことができるような形状であれば特に制限はないが、図1及び図2に示すように、ハニカム構造体成形用口金1のスリット5における交点と連通するような位置に形成されていることが好ましい。このように構成することによって、本実施の形態のハニカム構造体成形用口金1を用いて押出成形を行う際に、裏孔6に導入した成形原料をスリット5全体に均一に広げることができ、高い成形性を実現することができる。
なお、裏孔6の開口径の大きさ等については、ハニカム構造体成形用口金1の大きさや、押出成形するハニカム構造体12(図3参照)の形状等によって適宜決定することができるが、例えば、裏孔6の開口径の大きさは、10〜0.1mmであることが好ましく、3〜0.5mmであることが更に好ましい。このような裏孔6は、例えば、電解加工(ECM加工)、放電加工(EDM加工)、レーザ加工、ドリル等の機械加工等による従来公知の方法によって形成することができる。
また、第一の板状部材23の接合面28側に形成された溝部7は、裏孔6から導入した成形原料をスリット5に導くための緩衝部分(バッファ)として機能するものであり、このような溝部7が形成されていることにより、ハニカム構造体の押出成形を行う際に、裏孔6から導入した成形原料を支障なく滑らかに移動させることができ、高精度にハニカム構造体を成形することができる。
また、特に限定されることはないが、本実施の形態のハニカム構造体成形用口金1においては、第一の板状部材23が、オーステナイト相の冷却によってマルテンサイト変態、ベイナイト変態、及びパーライト変態からなる群より選択される少なくとも一つの相変態を起こし得る金属又は合金から構成されたものであることが好ましい。
このような第一の板状部材23を構成する金属又は合金としては、例えば、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及びアルミニウム(Al)からなる群から選ばれる少なくとも一つの金属を含む金属又は合金を挙げることができる。また、第一の板状部材23を構成する金属又は合金は、炭素(C)、ケイ素(Si)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の添加剤を更に含んだものあってもよい。
このような第一の板状部材23を構成する合金としては、ステンレス合金、例えば、SUS630(C;0.07以下,Si;1.00以下,Mn;1.00以下,P;0.040以下,S;0.030以下,Ni;3.00〜5.00,Cr;15.50〜17.50,Cu;3.00〜5.00,Nb+Ta;0.15〜0.45,Fe;残部(単位は質量%))を好適例として挙げることができる。このようなステンレス合金は、裏孔6の形成するための機械加工が比較的に容易であるとともに、安価な材料である。
また、本実施の形態のハニカム構造体成形用口金1においては、第二の板状部材24が、炭化タングステン基超硬合金から構成されたものであることが好ましい。
炭化タングステン基超硬合金は、少なくとも炭化タングステンを含む合金であり、炭化タングステンを、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、及びクロム(Cr)からなる群より選択される少なくとも一つの金属で焼結した合金であることが好ましい。このように、上記群より選択される少なくとも一つの金属を結合材として使用した炭化タングステン基超硬合金は、耐摩耗性や機械的強度に特に優れている。このような炭化タングステン基超硬合金としては、例えば、コバルト(Co)を結合材として使用した炭化タングステン基超硬合金を挙げることができる。具体的には、WC−Co(Co含有率0.1〜50質量%)等の合金がある。
このような第一の板状部材23及び第二の板状部材24の厚みについては特に制限はないが、第一の板状部材23と第二の板状部材24との接合面28における残留応力を有効に減少させることができるとともに、スリット5と裏孔6との一般的な形状を考慮して適宜決定することができる。例えば、一般的なハニカム構造体成形用口金1を製造する場合には、第二の板状部材24の厚みに対する、第一の板状部材23の厚みの割合が、0.1〜200であることが好ましく、1〜10であることが更に好ましい。
また、本実施の形態のハニカム構造体成形用口金1においては、第一の板状部材23と第二の板状部材24との間に、ろう材27が配設されたものであってもよい。
このようなろう材27は、異なる二種の金属や合金を接合する際に用いられている従来公知のろう材を用いることができる。
なお、特に限定されることはないが、本実施の形態のハニカム構造体成形用口金1に用いられるろう材27は、第一の板状部材23を構成する金属又は合金に浸透し得る材料から構成されたものであることが好ましい。このような材料から構成されたろう材27を用いることにより、ろう材27が第一の板状部材23の組織内部に浸透するために、ろう材27が単独の層として存在しなくなる。これにより、ハニカム構造体成形用口金1の機械的強度の低下を有効に防止することができる。また、ろう材27が第一の板状部材23の組織内部に浸透するものであれば、第一の板状部材23と第二の板状部材24との接合面28にはろう材27が存在しないため、ろう材27からの腐食や磨耗を有効に防止することができる。
このようなろう材27としては、具体的には、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、及びアルミニウム(Al)からなる群より選択される少なくとも一つを含む金属又は合金のろう材27を挙げることができる。なお、銅(Cu)又は銅(Cu)を含んだ合金は、第一の板状部材23として好適に用いることができるステンレス合金に対しての浸透性が高いため、特に好適に用いることができる。
また、このようなろう材27は、例えば、パラジウム(Pd)、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、コバルト(Co)、リン(P)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、ホウ素(B)等の添加剤を更に含んだものであってもよい。このような添加剤を更に含んだものは、接合信頼性を向上させることができる。
次に、本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法の一の実施の形態について具体的に説明する。本実施の形態のハニカム構造体成形用口金の製造方法は、図1及び図2に示す本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施の形態(ハニカム構造体成形用口金1)を製造する方法である。ここで、図4〜図6は、本実施の形態のハニカム構造体成形用口金の製造方法における各工程を説明する説明図である。なお、図4〜図6は、図2と同様の断面を示している。
本実施の形態のハニカム構造体成形用口金の製造方法は、図1及び図2に示すように、第一の板状部材23と第二の板状部材24とを有する口金基体22を備え、第一の板状部材23に成形原料を導入するための裏孔6が形成され、且つ第二の板状部材24に成形原料を格子状に成形するためのスリット5が形成されたハニカム構造体成形用口金1を製造するハニカム構造体成形用口金の製造方法であって、図4に示すように、第一の板状部材23の一方の表面に、スリット5(図2参照)に対応した形状の溝部7を、この溝部7の深さy(mm)が下記式(5)を満足するように形成し、図5に示すように、その第一の板状部材23の一方の表面に第二の板状部材24を積層して、第一の板状部材23と第二の板状部材24とが接合された口金基体22を得る工程を含むハニカム構造体成形用口金の製造方法である。
y≦a・(t1×E1+t2×E2)/(t1×t2×E1×E2) ・・・(5)
(但し、t1は第一の板状部材23の厚み(mm)から溝部7の深さ(mm)を引いた厚み(mm)、E1は第一の板状部材23の裏孔6が形成された状態を考慮した見かけの25℃における体積弾性率(GPa)、t2は第二の板状部材24の厚み(mm)、E2は第二の板状部材24の25℃における体積弾性率(GPa)、aは第一の板状部材23と第二の板状部材24とのそれぞれの熱膨張係数、第一の板状部材23と第二の板状部材24とを接合する際の接合温度と常温との温度差、及び溝部7の幅とピッチによって決定する係数である)
なお、上記した係数aは、本発明のハニカム構造体成形用口金の実施の形態にて説明した上記式(4)によって算出することができる。例えば、第一の板状部材23としてステンレス鋼を用い、第二の板状部材24として超硬合金を用いた場合には、第一の板状部材23の熱膨張係数α1が11.5×10−6(1/℃)、第二の板状部材24の熱膨張係数α2が6.3×10−6(1/℃)となり、第一の板状部材23と第二の板状部材24とを接合する際の接合温度と常温との温度差ΔTを1100℃とし、溝部7の幅Mを0.3mm、溝部7のピッチLを1.0mmとした場合には、上記の接合時の相性kは1.75となり、係数aは約610となる。
このように構成することによって、図1及び図2に示すようなハニカム構造体成形用口金1を簡便に製造することができる。以下、本実施の形態のハニカム構造体成形用口金の製造方法について、各工程毎に更に具体的に説明する。
まず、図4に示すように、第一の板状部材23の一方の表面に、スリット5(図2参照)に対応した形状の溝部7を、溝部7の深さy(mm)が前記式(5)を満足するように形成する。
第一の板状部材23は、主に口金基体22(図1参照)における裏孔6が形成される部分を構成するものであり、従来公知のハニカム構造体成形用口金に用いられる金属又は合金から構成されたものを用いることができる。特に、本実施の形態のハニカム構造体成形用口金の製造方法においては、本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施の形態にて説明したように、オーステナイト相の冷却によってマルテンサイト変態、ベイナイト変態、及びパーライト変態からなる群より選択される少なくとも一つの相変態を起こし得る金属又は合金から構成されたものを好適に用いることができる。
このような金属又は合金としては、例えば、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及びアルミニウム(Al)からなる群から選ばれる少なくとも一つの金属を含む金属又は合金を挙げることができる。なお、このような第一の板状部材23を構成する金属又は合金は、炭素(C)、ケイ素(Si)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の添加剤を含んだものであることが更に好ましい。
例えば、第一の板状部材23を構成する合金としては、ステンレス合金、より具体的には、SUS630(C;0.07以下,Si;1.00以下,Mn;1.00以下,P;0.040以下,S;0.030以下,Ni;3.00〜5.00,Cr;15.50〜17.50,Cu;3.00〜5.00,Nb+Ta;0.15〜0.45,Fe;残部(単位は質量%))を好適例として挙げることができる。このようなステンレス合金は、裏孔6の形成するための機械加工が比較的に容易であるとともに、安価な材料である。
溝部7を形成する方法としては、例えば、ダイヤモンド砥石による研削加工や放電加工(EDM加工)等の従来公知の方法を好適に用いることができる。
また、本実施の形態のハニカム構造体成形用口金の製造方法においては、第一の板状部材23の一方の表面に溝部7を形成する前、又は溝部7を形成した後に、第一の板状部材23の他方の表面から溝部7へと連通する裏孔6(図2参照)を形成してもよい。なお、裏孔6(図2参照)は、第一の板状部材23と第二の板状部材24とを接合した後に形成することもできる。図5においては、溝部7のみを形成した場合を示している。
裏孔6を形成する方法については特に制限はないが、例えば、電解加工(ECM加工)、放電加工(EDM加工)、レーザ加工、ドリル等の機械加工等による従来公知の方法を好適に用いることができる。
なお、溝部7の深さy(mm)が、前記式(5)を満足しない、即ち、a・(t1×E1+t2×E2)/(t1×t2×E1×E2)の値を超えてしまうものであると、第一の板状部材23と第二の板状部材24との接合面に生じる熱応力によって溝部7が大きく変形してしまう。
次に、図5に示すように、溝部7を形成した第一の板状部材23の一方の表面に第二の板状部材24を積層して、第一の板状部材23と第二の板状部材24とが接合された口金基体22を得る。この第二の板状部材24は、主に口金基体22(図1参照)におけるスリット5(図1参照)が形成される部分を構成するものであり、炭化タングステン基超硬合金から構成されたものを好適に用いることができる。
炭化タングステン基超硬合金は、少なくとも炭化タングステンを含む合金であり、炭化タングステンを、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、及びクロム(Cr)からなる群より選択される少なくとも一つの金属で焼結した合金であることが好ましい。このように、上記群より選択される少なくとも一つの金属を結合材として使用した炭化タングステン基超硬合金は、耐摩耗性や機械的強度に特に優れている。このような炭化タングステン基超硬合金としては、例えば、コバルト(Co)を結合材として使用した炭化タングステン基超硬合金を挙げることができる。具体例としては、WC−Co(Co含有率0.1〜50質量%)等の合金がある。
また、本実施の形態のハニカム構造体成形用口金の製造方法においては、第一の板状部材23の一方の表面に第二の板状部材24を積層する際に、第一の板状部材23と第二の板状部材24との間にろう材を配して接合してもよい。このようなろう材としては、本発明のハニカム構造体成形用口金の一の実施の形態にて説明したろう材を好適に用いることができる。
第一の板状部材23と第二の板状部材24とを積層して接合する際には、第一の板状部材23と第二の板状部材24とを、第一の板状部材23がオーステナイト変態を起こす温度以上に加熱して接合することが好ましい。このように構成することによって、第一の板状部材23と第二の板状部材24とを良好に接合することができる。
また、本実施の形態のハニカム構造体成形用口金の製造方法においては、得られた口金基体22を、上記した少なくとも一つの相変態が開始される温度まで降温して、第一の板状部材23を構成する金属組織又は合金組織を相変態させてもよい。このように第一の板状部材23を相変態させることによって、第一の板状部材23の寸法を変化させることができ、第一の板状部材23と第二の板状部材24との接合面28における残留応力を小さくすることができる。具体的には、接合面28における残留応力は1000MPa以下にすることが好ましい。
上記した第一の板状部材23と第二の板状部材24との接合面28における残留応力(以下、単に「接合面28における残留応力」ということがある)とは、接合面28に残留する引張応力や圧縮応力のことであり、例えば、X線応力測定装置等を使用して測定することができる。具体的な測定方法としては、例えば、まず、特性X線を被検査対象(口金基体22)の表面に照射し、その反射回折線を測定する。次に、被検査対象(口金基体22)の表面の応力を、その表面に平行な成分から構成された二次元応力とし、得られた反射回折線の測定結果をもとに、弾性力学における諸公式を用いることにより、上記した残留応力を算出することができる。
なお、反射回折線を測定する方法としては、フィルム法や計数管法等を好適例として挙げることができる。このような方法としては、例えば、日本材料学会(編)、「X線応力測定方法」、養賢社、1981年、に記載されている。また、接合面28における残留応力は、X線応力測定装置を用いずとも、例えば、口金基体22に溝を加工し、その際の反りの変化量を測定することによっても測定可能である。
上記した第一の板状部材23の寸法が変化する割合は、相変態中の降温速度に依存するため、第一の板状部材23の寸法変化と第二の板状部材24の寸法変化とが近づくように降温速度を調節し、第一の板状部材23と第二の板状部材24との接合面28における残留応力を小さくする。
本実施の形態のハニカム構造体成形用口金の製造方法においては、接合された第一の板状部材23と第二の板状部材24とを、0.1〜100℃/minの降温速度にて、上記した少なくとも一つの相変態が開始される温度まで降温することが好ましい。
また、第一の板状部材23の寸法変化は、上記した相変態中の降温速度だけに依存するものではなく、例えば、第一の板状部材23を構成する合金の成分にも影響を受ける。このため、第一の板状部材23を構成する合金の成分を調整することにより、第一の板状部材23の寸法変化を制御することもできる。第一の板状部材23を構成する合金の成分を調整する方法としては、第一の板状部材23を構成する合金に、所定の元素を添加する方法を挙げることができる。
このようにして口金基体22を得た後、図6に示すように、口金基体22にスリット5と裏孔6とを形成してハニカム構造体成形用口金1を製造する。なお、予め、第一の板状部材23に裏孔6を形成した場合には、スリット5のみを形成すればよい。
スリット5を形成する方法については特に制限はないが、例えば、ダイヤモンド砥石による研削加工や放電加工(EDM加工)等の従来公知の方法を好適に用いることができる。また、図1に示すハニカム構造体成形用口金1は、スリット5の形状が四角形の格子状のものであるが、本実施の形態のハニカム構造体成形用口金の製造方法においては、第二の板状部材24に形成するスリット5の形状は四角形の格子状に限定されることはなく、その他の多角形の格子状であってもよい。
また、第二の板状部材24に形成するスリット5の幅については、成形するハニカム構造体12(図3参照)の形状によって適宜決定することができる。なお、例えば、一般的なハニカム構造体を押出成形するためのハニカム構造体成形用口金1を製造するためには、スリット5の幅は、5〜5000μmであることが好ましく、10〜500μmであることが更に好ましい。
以上のようにして、図1及び図2に示すような、成形原料を導入するための裏孔6と、成形原料を格子状に形成するためのスリット5とが形成されたハニカム構造体成形用口金1を製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
成形原料を導入するための裏孔と、成形原料を格子状に形成するためのスリットとが形成され、裏孔に導入した成形原料をスリットから押出してハニカム構造体を成形するハニカム構造体成形用口金を製造した。
実施例1においては、SUS630(C;0.07以下,Si;1.00以下,Mn;1.00以下,P;0.040以下,S;0.030以下,Ni;3.00〜5.00,Cr;15.50〜17.50,Cu;3.00〜5.00,Nb+Ta;0.15〜0.45,Fe;残部(単位は質量%))から構成された第一の板状部材と、WC−16質量%Coの炭化タングステン基超硬合金から構成された第二の板状部材と、銅から構成されたろう材と、を用いてハニカム構造体成形用口金の製造を行った。
第一の板状部材は、その面の大きさが80mm×80mmの正方形で、厚みが12.5mmであり、第二の板状部材は、その面の大きさが80mm×80mmの正方形で、厚みが2.5mmであり、ろう材は、その面の大きさが80mm×80mmの正方形で、厚みが0.01mmである。
まず、第一の板状部材に、深さが1.0(mm)の格子状の溝部と、開口径約1mmの裏孔とを電解加工(ECM加工)によって形成した。なお、溝部の幅は0.3mmとし、溝部のピッチは1.0mmとした。また、第一の板状部材の裏孔が形成された状態を考慮した見かけの25℃における体積弾性率E1は50GPaであり、第二の板状部材の25℃における体積弾性率E2は500GPaである。更に、第一の板状部材の熱膨張係数は11.5×10−6(1/℃)であり、第二の板状部材の熱膨張係数は6.3×10−6(1/℃)である。
次に、第一の板状部材と第二の板状部材とを、その間にろう材を配して積層した後に1120℃に加熱して、第一の板状部材と第二の板状部材とを接合させて口金基体を得た。なお、接合時における常温は20℃であり、第一の板状部材と第二の板状部材とを接合する際の接合温度と常温との温度差ΔTは1100℃である。また、接合時の相性kは1.75であり、上記式(1)における係数aは610である。
得られた口金基体を常温まで降温した後、第二の板状部材にスリットを形成してハニカム構造体成形用口金を得た。スリットは、ダイヤモンド砥石によって四角形の格子状に形成した。スリットの幅は約0.1mm、深さは約2.5mmとし、隣接するスリット相互の間隔は約1.0mmとした。
得られたハニカム構造体成形用口金について、第一の板状部材に形成した溝部の変形の程度と、接合面の剥離について評価を行った。溝部の変形は、口金として使用する際に問題の無い程度である場合には、溝部の変形を「小」とし、口金として使用することが困難である場合には、溝部の変形を「大」とした。また、接合面の剥離は超音波探傷映像装置によって確認した。また、得られたハニカム構造体成形用口金を用いてハニカム構造体を押出成形して、成形性についての評価を行った。表1に、第一の板状部材の厚み(mm)から溝部の深さ(mm)を引いた厚みt1(mm)、第一の板状部材の裏孔が形成された状態を考慮した見かけの25℃における体積弾性率E1(GPa)、第二の板状部材の厚みt2(mm)、第二の板状部材の25℃における体積弾性率E2(GPa)、及び得られたハニカム構造体成形用口金の評価結果を示す。
Figure 2007114089
本実施例のハニカム構造体成形用口金は、溝部の深さ(mm)が上記式(1)を満足するものであり、溝部の変形が良好に抑制されており、ハニカム構造体を成形する際に問題とならない程度に小さいものであった。また、第一の板状部材と第二の板状部材との接合面に対して垂直な方向の応力の発生も抑制されており、第一の板状部材と第二の板状部材と接合面の剥離も確認されなかった。また、このハニカム構造体成形用口金は、成形性も良好であり、高精度にハニカム構造体を成形することができた。
(実施例2〜5)
実施例1と同様の材料を用い、第一の板状部材の厚みを、実施例2が13.5mm、実施例3が13mm、実施例4が14mm、実施例5が17.5mmとし、溝部の深さ(mm)を、実施例2が1.5mm、実施例3〜5が1.0mmとした以外は、実施例1と同様の方法によってハニカム構造体成形用口金を製造した。
得られたハニカム構造体成形用口金は、溝部の深さ(mm)が上記式(1)を満足するものであり、実施例1のハニカム構造体成形用口金と同様に、溝部の変形が小さく、また、接合面の剥離もなく、更に、成形性も良好であった。
(比較例1〜3)
実施例1と同様の材料を用い、第一の板状部材の厚みを、比較例1が14.5mm、比較例2が18mm、比較例3が14.5mmとし、溝部の深さを、比較例1及び2が3.0mm、比較例3が1.5mmとした以外は、実施例1と同様の方法によってハニカム構造体成形用口金を製造した。
得られたハニカム構造体成形用口金は、溝部の深さ(mm)が上記式(1)の範囲を超えてしまうものであり、溝部の変形が大きく、第一の板状部材と第二の板状部材との接合面に対して垂直な方向に応力が生じてしまい、接合面に剥離が生じていた。また、溝部の変形や接合面の剥離が生じているために、成形したハニカム構造体に欠陥等を生じさせることがあった。
本発明のハニカム構造体成形用口金は、内燃機関、ボイラー、化学反応機器及び燃料電池用改質器等の触媒作用を利用する触媒用担体や、排気ガス中の微粒子捕集フィルター等として用いられるハニカム構造体を成形する際に用いることができる。また、本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法は、上記したハニカム構造体成形用口金を簡便に製造することができる。

Claims (10)

  1. 成形原料を導入するための裏孔が形成された第一の板状部材と、前記成形原料を格子状に成形するためのスリットが形成された第二の板状部材と、を有する口金基体を備えたハニカム構造体成形用口金であって、
    前記第一の板状部材における前記第二の板状部材との接合面側に、前記スリットに対応した形状の溝部が形成されており、
    前記溝部の深さy(mm)が、下記式(1)を満足するものであるハニカム構造体成形用口金。
    y≦a・(t1×E1+t2×E2)/(t1×t2×E1×E2) ・・・(1)
    (但し、t1は前記第一の板状部材の厚み(mm)から前記溝部の深さ(mm)を引いた厚み(mm)、E1は前記第一の板状部材の前記裏孔が形成された状態を考慮した見かけの25℃における体積弾性率(GPa)、t2は前記第二の板状部材の厚み(mm)、E2は前記第二の板状部材の25℃における体積弾性率(GPa)、aは前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とのそれぞれの熱膨張係数、前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とを接合する際の接合温度と常温との温度差、及び溝部の幅とピッチによって決定する係数である)
  2. 前記第二の板状部材が、炭化タングステン基超硬合金から構成されたものである請求項1に記載のハニカム構造体成形用口金。
  3. 前記第一の板状部材が、オーステナイト相の冷却によってマルテンサイト変態、ベイナイト変態、及びパーライト変態からなる群より選択される少なくとも一つの相変態を起こし得る金属又は合金から構成されたものである請求項1又は2に記載のハニカム構造体成形用口金。
  4. 第一の板状部材と第二の板状部材とを有する口金基体を備え、前記第一の板状部材に成形原料を導入するための裏孔が形成され、且つ、前記第二の板状部材に前記成形原料を格子状に成形するためのスリットが形成されたハニカム構造体成形用口金を製造するハニカム構造体成形用口金の製造方法であって、
    前記第一の板状部材の一方の表面に、前記スリットに対応した形状の溝部を、前記溝部の深さy(mm)が下記式(2)を満足するように形成し、
    その前記第一の板状部材の前記一方の表面に前記第二の板状部材を積層して、前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とが接合された前記口金基体を得る工程を含むハニカム構造体成形用口金の製造方法。
    y≦a・(t1×E1+t2×E2)/(t1×t2×E1×E2) ・・・(2)
    (但し、t1は前記第一の板状部材の厚み(mm)から前記溝部の深さ(mm)を引いた厚み(mm)、E1は前記第一の板状部材の前記裏孔が形成された状態を考慮した見かけの25℃における体積弾性率(GPa)、t2は前記第二の板状部材の厚み(mm)、E2は前記第二の板状部材の25℃における体積弾性率(GPa)、aは前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とのそれぞれの熱膨張係数、前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とを接合する際の接合温度と常温との温度差、及び溝部の幅とピッチによって決定する係数である)
  5. 前記第二の板状部材として、炭化タングステン基超硬合金から構成されたものを用いる請求項4に記載のハニカム構造体成形用口金の製造方法。
  6. 前記第一の板状部材として、オーステナイト相の冷却によってマルテンサイト変態、ベイナイト変態、及びパーライト変態からなる群より選択される少なくとも一つの相変態を起こし得る金属又は合金から構成されたものを用いる請求項4又は5に記載のハニカム構造体成形用口金の製造方法。
  7. 積層した前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とを、前記第一の板状部材がオーステナイト変態を起こす温度以上に加熱して、前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とを接合する請求項6に記載のハニカム構造体成形用口金の製造方法。
  8. 得られた前記口金基体を、前記少なくとも一つの相変態が開始される温度まで降温して、前記第一の板状部材を構成する金属組織又は合金組織を相変態させる請求項6又は7に記載のハニカム構造体成形用口金の製造方法。
  9. 接合された前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とを、0.1〜100℃/minの降温速度にて、前記少なくとも一つの相変態が開始される温度まで降温する請求項6〜8のいずれかに記載のハニカム構造体成形用口金の製造方法。
  10. 前記第一の板状部材と前記第二の板状部材とを積層する前に、前記第一の板状部材に前記裏孔の少なくとも一部を形成する請求項4〜9のいずれかに記載のハニカム構造体成形用口金の製造方法。
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