JP5379460B2 - ハニカム構造体成形用口金及びハニカム構造体成形用口金の製造方法 - Google Patents

ハニカム構造体成形用口金及びハニカム構造体成形用口金の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハニカム構造体成形用口金及びハニカム構造体成形用口金の製造方法に関する。
セラミックス質のハニカム構造体の製造方法としては、従来から、成形原料(坏土)を導入する裏孔と、この裏孔に連通する格子状等のスリットとが形成された口金基体を備えたハニカム構造体成形用口金を用いて押出成形する方法が広く行われている。この口金は、通常、口金基体の一方の面に、ハニカム構造体の隔壁厚さに対応する幅のスリットが格子状等に設けられており、その反対側の面(他方の面)に、スリットと連通する裏孔が大きな面積で開口して設けられている。そして、この裏孔は、通常、格子状等のスリットが交差する位置に対応して設けられ、両者は、口金基体内部で連通している。したがって、裏孔から導入されたセラミック原料等の成形原料は、比較的内径の大きな裏孔から、幅の狭いスリットへと移行して、このスリットからハニカム構造の成形体として押出される。
このようなハニカム構造体成形用口金を構成する口金基体としては、例えば、ステンレス合金や超硬合金等の一種類の合金から構成された板状部材(口金前駆体)や、異なる二種類の板状の部材を接合して形成された板状部材(口金前駆体)が用いられている(例えば、特許文献1〜3)。
特開2000−326318号公報 特開2003−285308号公報 特開2006−51682号公報
しかしながら、成形材料は坏土など硬度が高く磨耗を生じさせやすいものであるため、ハニカム構造体成形用口金では、裏孔やスリットの内壁を磨耗に強くする必要がある。ハニカム構造体成形用口金は、硬度の高い1枚の板状の超硬合金から裏孔とスリットを切削して作ることが考えられるが、硬い超硬合金に複数の裏孔やスリットを掘ることは技術的に困難であり、また超硬合金の硬さ故にスリットの壁が折れてしまうなどの脆さもある。
一方、従来広く用いられているステンレス合金と超硬合金との異材質の板状部材からなるハニカム構造体成形用口金では、ステンレスの軟らかさから口金が割れるような不具合は生じにくくなる。しかしながら、超硬合金よりも硬度の低いステンレスを用いるには裏孔の内壁などをコーティングするなどして磨耗対策の手間が要求されるため、ステンレス合金と超硬合金との異材質の板状部材からなるハニカム構造体成形用口金でも根本的な問題の解決にはいたらない。
上記の問題に鑑みて、本発明の課題は、耐摩耗性が高いハニカム構造体成形用口金及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者等は、超硬合金からなる板状部材同士を所定の条件にて接合させることで、超硬合金からなる板状部材の硬度を部分的に高くできることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明によれば、以下に示すハニカム構造体成形用口金及びハニカム構造体成形用口金の製造方法が提供される。
[1] 成形原料を導入するための裏孔と、前記成形原料を格子状に押出成形するためのスリットが形成されたハニカム構造成形用口金であって、炭化タングステンと結合材とを含有する超硬合金からなり、厚さ方向に貫通する前記裏孔が形成された第1の板状部材と、前記第1の板状部材と接合し、炭化タングステンと結合材とを含有する超硬合金からなり、前記裏孔と連通する前記スリットが形成された第2の板状部材と、を備え、前記結合材が、前記第1の板状部材と前記第2の板状部材との接合部において、前記第1の板状部材及び前記第2の板状部材の他の部分と比較して少なく分散している、ハニカム構造体成形用口金。
[2] 前記結合材は、前記第1の板状部材と前記第2の板状部材とが接合した接合界面において最も少なく分散し、且つ、前記第1の板状部材と前記第2の板状部材のそれぞれにおいて前記接合界面に向かって連続的又は段階的に少なくなるように分散する、前記[1]に記載のハニカム構造体成形用口金。
[3] 前記結合材は、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、及びクロム(Cr)からなる群から選ばれる少なくとも1つの金属である、前記[1]又は[2]に記載のハニカム構造体成形用口金。
[4] 炭化タングステンと結合材とを含有する超硬素材を板状に成形し、次いで予備焼結を行うことにより、第1の板状部材を作製する第1の板状部材作製工程と、同じく前記超硬素材を板状に成形し、次いで予備焼結を行うことにより、第2の板状部材を作製する第2の板状部材作製工程と、前記第1の板状部材に、厚さ方向に貫通する裏孔を形成する裏孔加工工程と、前記第1の板状部材及び前記第2の板状部材を1300〜1600℃にて0.5〜100時間真空焼結する焼結工程と、前記焼結工程後、前記第1の板状部材と前記第2の板状部材とを重ね合わせて口金前駆体とし、前記口金前駆体に対して、前記第1の板状部材と前記第2の板状部材とが接触する面に向かって厚さ方向に10MPa以下の圧力を加えつつ、1400〜1500℃にて1〜10時間加熱をする接合工程と、前記接合工程後、前記第2の板状部材に、前記裏孔と連通するスリットを形成するスリット加工工程と、を有するハニカム構造体成形用口金の製造方法。
[5] 前記結合材は、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、及びクロム(Cr)からなる群から選ばれる少なくとも1つの金属である、前記[4に記載のハニカム構造体成形用口金の製造方法。
[6] 前記超硬素材は、前記炭化タングステン75〜95質量%と前記結合材5〜25質量%とを少なくとも含有する、前記[4]又は[5]に記載のハニカム構造体成形用口金の製造方法。
本発明のハニカム構造体成形用口金は、耐摩耗性が高い効果を奏する。また、本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法では、耐摩耗性が高いハニカム構造体成形用口金を得ることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。なお、以下の記述では、図面と対応させるため、用語の末尾に符号を付する場合があるが、用語の末尾に符号が付されていても、図面に示された形態に限定して本発明の技術的範囲を規定するものではない。まず、本発明のハニカム構造体成形用口金について説明し、続いてその製造方法(本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法)について説明する。
A.ハニカム構造体成形用口金:
A−1.本発明のハニカム構造体成形用口金の概要:
図1は、本発明のハニカム構造体成形用口金の一実施形態の一部の構造を模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示すハニカム構造体成形用口金について裏孔を縦断する平面Aで切断した断面図、並びに、超硬合金での結合材の分散及び超硬合金の硬度を示す図である。図3は、図1に示すハニカム構造体成形用口金について裏孔を縦断しない平面Bで切断した断面図、並びに、超硬合金での結合材の分散及び超硬合金の硬度を示す図である。図1〜3を参照して概要を述べると、本発明のハニカム構造体成形用口金1は、成形原料を導入するための裏孔4と、裏孔4から導入された成形原料を格子状に押出成形するためのスリット5が形成されている。本発明のハニカム構造成形用口金1は、第1の板状部材2と第2の板状部材3とが接合したものである。第1の板状部材2には、厚さ方向10に貫通する裏孔4が形成されている。第2の板状部材3には、裏孔4に連通するスリット5が形成されている。第1の板状部材2及び第2の板状部材3は、それぞれ炭化タングステンと結合材とを含有する超硬合金からなる。さらに、第1の板状部材2と第2の板状部材3との接合部6における結合材が、第1の板状部材2及び第2の板状部材3の他の部分(接合部6以外の部分)と比較して少なく分散している(図2の「結合材量」のグラフ参照)。
本発明のハニカム構造体成形用口金1では、導入部11から裏孔4に導入された成形原料がスリット5へと供給されて最後に格子状に開口した射出部12から押し出される。このような本発明のハニカム構造体成形用口金1の使用により(図1〜3)、例えば図4の斜視図にて示すような、格子状の隔壁32を持つハニカム構造体31が成形される。
本発明のハニカム構造体成形用口金1では、結合材が接合部6で少なく分散することにより、接合部6の硬度が他の部分(接合部6以外の部分)より高くできる(図2の「結合材料」のグラフと「硬度」のグラフとを比較)。
ここでいう「接合部」6とは、第1の板状部材2及び第2の板状部材3とが接合する接合界面7の近傍の部分をいい、具体的には、接合界面7からの距離が6mm以下の範囲にある領域のことをいう。
ここでいう「結合材が少なく分散する」とは、換言すると、対象となる部分において結合材の含有量が少ない状態のことをいう。本明細書のいう「結合材の含有量」は、元素分析(EDS、EDX等)にて測定される結合材の含有量(質量%)を意味する。エネルギー分散型X線分析装置(EDX)により結合材の含有量を測定する場合には、入射電子ビームが照射される微小な領域(1mm程度)における結合材の含有量として表される。すなわち、「結合材が接合部6で少なく分散する」とは、上述の手法で測定されるハニカム構造体成形用口金1の接合部6での結合材の含有量の値が、ハニカム構造体成形用口金1の他の部分での結合材の含有量の値よりも少ない状態にあることを意味する。
本発明のハニカム構造体成形用口金1では、裏孔4及びスリット5の形状・大きさ・数などは、従来公知のハニカム構造体成形用口金に設けられたもの、あるいは当業者が通常設計しうるものと同じ形態を適用できる。
本発明のハニカム構造体成形用口金1では、成形原料をいったん滞留させながら圧縮するために、しぼり部8を設けることも可能である。
「しぼり部」とは、図2の断面図に表されているしぼり部8のように、裏孔4及びスリット5など成形原料が流動する流路において、成形原料の押出方向の上流から下流に向かって流路幅が徐々に狭くなるように設けられた部分をいう。しぼり部8が設けられたハニカム構造体成形用口金1では、しぼり部8全体に成形原料をいったん滞留させて圧縮し、続いて下流の流路全体に密度の高く均一な成形原料が押し出される。そのため、緻密な隔壁32からなるハニカム構造体31を成形できる。
しぼり部8では原料流体が圧縮されるため、しぼり部8の内壁に対しては、原料流体から大きい負荷がかけられる。よって、しぼり部8の内壁には、特に高い耐磨耗性があることが望ましい。本発明のハニカム構造体成形用口金1において、しぼり部8が配設される場合、しぼり部8は、硬度の高い接合部6に位置しているのがよい(図2及び図3)。なお、本明細書において、しぼり部8は、裏孔4では裏孔しぼり部8a、スリット5ではスリットしぼり部8bと称して説明する。
以下、本発明のハニカム構造体成形用口金を特徴づける「超硬合金」及び「接合部での結合材の分散」について最初に詳しく説明し、超硬合金及び接合部の特徴を効果的に活用するための「裏孔」や「スリット」などの形態を順次説明する。
A−2.超硬合金:
本発明のハニカム構造体成形用口金1では、第1の板状部材2及び第2の板状部材3は、ともに炭化タングステンと結合材とを含有する超硬合金からなる。
ここでいう「超硬合金」とは、炭化タングステン超硬合金とも称され、少なくとも炭化タングステンと結合材とが焼結した合金である。
さらに上述の結合材は、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、及びクロム(Cr)からなる群から選ばれる少なくとも1つの金属であることが好ましい。上述の群から選ばれる少なくとも1つの金属が結合材として使用されている超硬合金は、耐摩耗性や機械的強度に特に優れている。更に、本発明のハニカム構造体成形用口金1では、結合材としてコバルトを選択することがより好ましい。
コバルトが結合材として用いられる場合、コバルトの含有量が5〜25質量%であることが好ましい。このコバルトの含有量が、5質量%未満の場合には、超硬合金が脆くなるため好ましくない。また、コバルトの含有量が、25質量%を超える場合には、硬度が低いため、成形時にスリット部等が消耗しやすく好ましくない。
なお、本発明のハニカム構造体成形用口金1では、第1の板状部材2及び第2の板状部材3を構成する超硬合金の組成は、同じであっても異なっていてもよい。
A−3.接合部での結合材の分散:
本発明のハニカム構造体成形用口金1では、図2及び3にて表すハニカム構造体成形用口金1の構造とその横に示す結合材量のグラフとを比較して理解できるように、第1の板状部材2と第2の板状部材3とが接合する接合界面7近傍の接合部6において、結合材が他の部分(接合部6以外の部分)と比較して少なく分散している。
本発明のハニカム構造体成形用口金1では、接合部6での結合材の含有量は、5〜6質量%であることが好ましい。このような数値範囲の結合材の含有量に起因して、接合部6は、硬度が高くなり、しぼり部の耐磨耗性向上、成形時のセル倒れ防止という効果を得ることができる。
また、本発明のハニカム構造体成形用口金1では、結合材が接合部6において他の部分の結合材よりも少なく分散することを特徴とするが、具体的には接合部6での結合材の平均含有量が、他の部分(接合部6以外の部分)の結合材の平均含有量に対して0.2倍以上1.0倍未満であることが好ましい。
本発明のハニカム構造体成形用口金1では、結合材は、第1の板状部材2と第2の板状部材3とが接合した接合界面7において最も少なく分散し、且つ、第1の板状部材2と第2の板状部材3のそれぞれにおいて接合界面7に向かって連続的又は段階的に少なくなるように分散する形態が好適である。図2及び3にて示す「結合材量のグラフ」は、結合材が接合界面に向かって連続的に少なく分散する一形態を表す。
A−4.裏孔:
本発明のハニカム構造体成形用口金1では、第1の板状部材2において、厚さ方向10に貫通する裏孔4が形成されている(図1及び2参照)。なお、本発明のハニカム構造体成形用口金1では、裏孔4は、第1の板状部材2に複数形成されている。
裏孔4は、ハニカム構造体成形用口金1に設けられた成形原料の流路のうち、はじめに成形原料が流動する流路である。具体的には、裏孔4は、板状部材2の一方の面に開口された導入部11を一方の端部として、第1の板状部材2内をハニカム構造体成形用口金1の厚さ方向10に貫通する。また、裏孔4は、導入部11とは反対側の端部でスリット5と連通する。これにより、導入部11から裏孔4の内部に導入された成形原料は、スリット5へと供給される。
本発明のハニカム構造体成形用口金1では、裏孔4は、格子状に形成されるスリット5の交点の部分と連通するような位置に設けられることが好ましい(図1及び図2参照)。本発明のハニカム構造体成形用口金1では、裏孔4がスリット5の交点に設けられた場合、押出成形を行う際に、裏孔4に導入した成形原料がスリット5全体に均一に広げられて高い成形性を実現できる。
なお、ここでいう「裏孔が厚さ方向に貫通する」とは、第1の板状部材2の一方の面(導入部11側の面)から他方の面(接合界面7側の面)に向かって裏孔4が貫通していることを意味する。
本発明のハニカム構造体成形用口金1では、第1の板状部材2に設けられる裏孔4の径の形状・大きさについては、成形原料や押出成形するハニカム構造体の形状によって適宜決定することができる。裏孔4の径の大きさについては、0.1〜10mmであることが好ましく、0.5〜3mmであることがさらに好ましい。
本発明のハニカム構造体成形用口金1では、密度の高い成形原料をスリット5全体に供給して良好な成形性が実現できる観点から、裏孔4には、その流路幅をスリット5側の方向に向かって狭めていくしぼり部8aが設けられていることが好ましい。
本発明のハニカム構造体成形用口金1では、裏孔4の流動する成形原料から大きい負荷がかかる箇所の裏孔4の壁面が、超硬合金の硬度が高い箇所に対応するように、裏孔4の形状を定めることが最も好ましい。本発明のハニカム構造体成形用口金1では、成形原料による磨耗の耐久性を効果的にする観点から、成形原料の圧縮に伴って成形原料との摩擦負荷を受けやすい裏孔しぼり部8aは、接合界面7側の裏孔4の端部、すなわち硬度が高い接合部6に設けることがより好ましい。これにより、ハニカム構造体成形用口金1は、長時間の使用でも良好な成形性を維持できる。
また、結合材が、接合界面7において最も少なく分散し、且つ、第1の板状部材2と第2の板状部材3のそれぞれにおいて接合界面7に向かって連続的又は段階的に少なくなるように分散する形態のハニカム構造体成形用口金1では、接合界面7に向かって連続的又は段階的に超硬合金の硬度が高くなる(図2及び3の「硬度のグラフ」参照)。例えば、第1の板状部材2において、接合界面7からの距離が同じ位置の硬度が同じ場合には、硬度の高い接合部6の耐磨耗効果を効率良く発揮させ、各裏孔4での磨耗を均等にするため、裏孔4は、第1の板状部材2の厚さ方向と平行な方向で貫通するように形成され、各裏孔4の形状は、裏孔4の貫通方向での中心軸に対して対称な形状の壁面を有するとよい。
A−5.スリット:
本発明のハニカム構造体成形用口金1は、図1の斜視図及び図2の断面図にて表されるスリット5のように、第2の板状部材3において、裏孔4と連通するスリット5が形成されている。スリット5には、裏孔4と連通する接合界面7とは反対側の面に、格子状の射出部12が開口されている。
本発明のハニカム構造体成形用口金1では、スリット5の形状は、これを用いて成形されるハニカム構造体31の隔壁32の形状に対応させたものであればよい。本発明のハニカム構造体成形用口金1では、例えば、幅0.05〜1mm、深さ2〜6mmとするスリットが形成されると十分な成形性能を備えたものとなる。
本発明のハニカム構造体成形用口金1では、スリット5全体で均一な供給量にて密度の高い成形原料の押し出しができる観点から、スリット5には、成形原料の押出方向における上流側の部分の流路幅を射出部12に向かって狭めていく、スリットしぼり部8bが設けられていることが好ましい。
このようなスリットしぼり部8bが設けられたハニカム構造体成形用口金1では、押出成形時に成形原料がスリットしぼり部8b全体にいったん滞留して圧縮され、続いて下流のスリット5内全体に均一で密度の高い成形原料が押し出される。
さらに、本発明のハニカム構造体成形用口金1では、成形原料による磨耗の耐久性を効果的にする観点から、成形原料の圧縮に伴って成形原料との摩擦による負荷を受けやすいスリットしぼり部8bは、接合界面7側のスリット5の端部、すなわち硬度が高い接合部6に設けられていることがより好ましい。これにより、ハニカム構造体成形用口金1は、長時間の使用でも良好な成形性を維持できる。
A−6.その他の実施形態:
上述では、格子状のスリット5が第2の板状部材3のみに切削されているハニカム構造体成形用口金1を表す図1〜3を用いて説明したが、裏孔4と連通するスリット5の端部は、第1の板状部材2の接合界面7側に位置してもよい。この場合、スリットの底壁13は、第1の板状部材2の内部に存在することになる(なお、図1〜3ではスリットの底壁13が接合界面7にある)。あるいは、裏孔4の上流側の端部は、第2の板状部材3に位置してもよい。この場合、スリットの底壁13は、第2の板状部材3の内部に存在することになる。これらの形態のハニカム構造体成形用口金1においても、裏孔4及びスリット5の最も磨耗の激しい部分が、硬度の高い接合部6に合わせられていることが好ましい。
本発明のハニカム構造体成形用口金1では、その他の実施形態として、例えば、第1の板状部材2が、超硬合金からなる2つの板状部材から構成されていてよい。このような形態の第1の板状部材2の場合、2つの板状部材が接合する「第2の接合部」において、結合材が、他の部分(第1の板状部材2中の「第2の接合部」以外の部分)より少なく分散されている形態としてもよい。この「第2の接合部」が、磨耗しやすい裏孔4の形状に対応していることにより、硬度の高い「第2の接合部」の特徴を効果的に活用する実施形態にできる。
ここまでに述べた本発明のハニカム構造体成形用口金1は、以下の製造方法(本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法)によって得ることができる。
B.ハニカム構造体成形用口金の製造方法:
B−1.本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法の概要:
本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法(以下、「本発明の製造方法」)は、まず、第1の板状部材作製工程と第2の板状部材作製工程とを有する(図5A(I−1))及び(I−2))。第1の板状部材作製工程及び第2の板状部材作製工程は、炭化タングステンと結合材とを含有する超硬素材を板状に成形し、次いで予備焼結を行う工程であって、これらの工程により第1の板状部材2及び第2の板状部材3が作製される。続いて、本発明の製造方法は、図5A(II)にて模式的に示す一実施形態を参照すると、第1の板状部材2に、ドリル24等を用いて、厚さ方向10に貫通する裏孔4を形成する裏孔加工工程を有する。そして、本発明の製造方法では、第1の板状部材及び第2の板状部材を1300〜1600℃にて0.5〜100時間真空焼結する焼結工程を実施する(図5A(I−2)及び(II))。焼結工程後、本発明の製造方法では、図5B(III)にて模式的に示すように、第1の板状部材2と第2の板状部材3とを重ね合わせて口金前駆体23とし、この口金前駆体23に対して、第1の板状部材2と第2の板状部材3とが接触する面に向かって、換言すると接合界面7に向かって厚さ方向10に10MPa以下の圧力を加えつつ、1400〜1500℃にて1〜10時間の加熱をする接合工程が実施される。さらに、本発明の製造方法では、接合工程後、図5B(IV)にて模式的に示す一実施形態を参照すると、ダイヤモンド砥石26等を用いて、口金前駆体23の第2の板状部材3に、裏孔4と連通するスリット5を形成するスリット加工工程が実施される。
本発明の製造方法では、先ず、第1の板状部材作製工程と第2の板状部材作製工程を先ず実施し、次いで焼結工程の順に実施する。続いて、本発明の製造方法では、焼結工程を経た第1の板状部材2と第2の板状部材3から接合工程を実施する。なお、本発明の製造方法では、裏孔加工工程の順番は特に限定されない。しかし、焼結工程後には第1の板状部材2の硬度が高くなり、裏孔加工では研削する体積も大きいため、本発明の製造方法では、裏孔加工工程は、焼結工程の前に行うことが好ましい。一方、本発明の製造方法では、スリット加工工程の順番は特に限定されないが、非常に微細な幅のスリット5を研削するため、スリット加工工程は、第2の板状部材3の硬度が十分に高い状態にある接合工程後に行うことが好ましい。
本発明の製造方法では、接合工程において、口金前駆体23中の結合材が接合界面7近傍で揮発する(図2参照)。これにより、本発明の製造方法では、第1の板状部材2と第2の板状部材3とが接合した接合部6において、結合材が他の部分(接合部6以外の部分)より少なく分散したハニカム構造体成形用口金1(上述の本発明のハニカム構造体成形用口金1)を得ることができる(図2及び3の「結合材量」のグラフ参照)。その結果、本発明の製造方法では、接合部6の硬度が、他の部分(接合部6以外の部分)の硬度より高いハニカム構造体成形用口金1を得ることができる(図2及び3の「硬度」のグラフ参照)。
B−2.本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法の諸工程の説明:
B−2−1.第1の板状部材作製工程と第2の板状部材作製工程:
第1の板状部材作製工程及び第2の板状部材作製工程は、炭化タングステンと結合材とを含有する超硬素材を板状に成形し、次いで予備焼結を行う工程であり、第1の板状部材2及び第2の板状部材3が作製される(図5A(I−1)及び(I−2)参照)。
B−2−1−1.超硬素材:
本発明の製造方法に用いる超硬素材は、炭化タングステン粉末、コバルト等の結合材、及びその他成分の粉末を混合することにより調製される。
本発明の製造方法において、超硬素材を作製するために混合する炭化タングステン粉末の量は、75〜95質量%であることが好ましい。同じく混合する結合材は、5〜25質量%であることが好ましい。例えば、本発明の製造方法に用いる結合材としては、コバルト(Co)を5〜25質量%含有し、他に、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)などを微量含有するものでもよい。
この超硬素材に含有される結合材は、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、及びクロム(Cr)からなる群から選ばれる少なくとも1つの金属であることが好ましい。更に、本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法に用いられる結合材は、コバルトを選択することがより好ましい。
なお、本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法に用いられる超硬素材は、TiC、TaCを微量含有するものでもよい。
第1の板状部材作製工程及び第2の板状部材作製工程において、上述の手法によって調製された超硬素材は、冷間等方圧加圧法(CIP)などによって板状に成形される。なお、本発明の製造方法では、超硬素材を板状に成形する手法は、先に詳しく述べた形態のハニカム構造体成形用口金を得ることができる限りあらゆる手法が許容され、通常当業者が用いる手法によって炭化タングステン、コバルト等の結合材の粉末を混合し、これを成形すればよい。
また、第1の板状部材2及び第2の板状部材3の大きさは、ハニカム構造体成形用口金1から押出成形されるハニカム構造体の大きさに応じて適宜設計することが可能である。同じく、第1の板状部材2及び第2の板状部材3の厚さは、最終製品のハニカム構造体成形用口金1が成形性能を発揮できるだけの裏孔4及びスリット5の深さを最低限確保できるものであればよい。
本発明の製造方法では、第1の板状部材2と第2の板状部材3とを重ね合わせる。両者の接合強度を高くする観点から、第1の板状部材2と第2の板状部材3の双方とも、相方と接触する接合界面7が、平滑であるように成形されていることが好ましい。
B−2−1−2.予備焼結:
本発明の製造方法では、上述のように超硬素材を板状に成形して得た成形体が予備焼結され、第1の板状部材2及び第2の板状部材3を作製する。本発明の製造方法では、超硬素材の板状の成形体を300〜1000℃、圧力0〜1Pa及び水素等の雰囲気にて、0.5〜50時間の予備終結をする。
B−2−2.裏孔加工工程:
本発明の製造方法における裏孔加工工程では、図5A(II)にて模式的に示す一実施形態を参照して説明すると、ドリル24等を用いて、口金前駆体の第1の板状部材2に、厚さ方向に貫通する裏孔4を形成する。この裏孔加工工程では、裏孔4を形成する手法に特に制限はなく、ドリル等の機械加工による従来公知の方法を好適に用いることができる。なお、裏孔4の径の大きさ、裏孔しぼり部8aなど裏孔4の形状等に関しては、先に説明したハニカム構造体成形用口金1ができるように、当業者が通常用いる手法を採用すればよい。図2にて示すハニカム構造体成形用口金1の断面図を参照して説明すると、裏孔しぼり部8aは、接合界面7から2mm以内の部分に形成するとよい。これにより、第1の板状部材2の結合材の含有量が少ない部分、すなわち硬度の高い部分に裏孔しぼり部8aが形成されることになる。
B−2−3.焼結工程:
本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法の焼結工程では、口金前駆体に対して、1300〜1600℃で0.5〜100時間の真空焼結をする。なお、真空の環境下にて上述の温度に設定できれば、焼結工程に用いる装置は特に制限されない。
B−2−4.接合工程:
本発明の製造方法の接合工程では、焼結工程後、図5B(III)にて模式的に示すように、第1の板状部材2と第2の板状部材3とを重ね合わせて口金前駆体23とする。さらに、この口金前駆体23に対して、第1の板状部材2と第2の板状部材3とが接触する面に向かって、換言すると接合界面7に向かって厚さ方向10に10MPa以下の圧力を加えつつ、1400〜1500℃にて1〜10時間の加熱をすることにより、接合工程を実施する。通常、焼結工程後までは、第1の板状部材2及び第2の板状部材3における結合材の分散は、接合部6とそれ以外の部分とにかかわらず均一である。この接合工程を経ることで、結合材が接合界面7近傍で揮発し、図2にて模式的に示すように、第1の板状部材2及び第2の板状部材3の接合部6では、結合材が他の部分よりも少なく分散するようになる。
さらに、接合界面7において結合材が最も少なく分散し、且つ、第1の板状部材2及び第2の板状部材3それぞれにおいて、接合界面7に向かって連続的又は段階的に少なくなるように結合材が分散する形態とするためには、接合工程は、裏穴4から結合材が揮発しやすいようにするとよい。裏孔4から結合材が揮発しやすい状態とするためには、例えば、以下の実施形態を採用できる。まず、口金前駆体23において第1の板状部材2と第2の板状部材3とを上下に重ねて配置し、上側に配置された板状部材の自重により接合界面7に向かって厚さ方向10に10MPa以下の圧力を加える場合、図5B(III)の模式図にて表すように、第1の板状部材2を上側に配置するとよい。この実施形態により、裏孔4が依然として開口されている状態となり、裏孔4内に揮発した結合材は、外部へと放出される。あるいは、例えば、プレス板を用いて挟むことにより、口金前駆体23の接合界面7に向かって厚さ方向10に10MPa以下の圧力を加える場合、第1の板状部材2に接触させるプレス板によって裏孔4が塞がれた状態とならないように、第1の板状部材2に接触させるプレス板には、貫通孔が設けられているとよい。このプレス板に設けられた貫通孔は、プレス板が第1の板状部材2に接触している時、裏孔4と連通するように配置されているとよい。これにより、裏孔4内へ揮発した結合材は、この貫通孔を通過し、外部へと放出される。なお、上述のようなプレス板に設けられる貫通孔は、全ての裏孔4と連通するだけの数が少なくとも設けられることが好ましい。すなわち、接合工程では、裏孔4内に揮発した結合材が外部に放出されるように、裏孔4内の空間が外部と通じている実施形態にすることが好ましい。
B−2−5.スリット加工:
図5B(IV)にて模式的に示す一実施形態を参照して説明すると、本発明の製造方法のスリット加工工程では、第2の板状部材3に、砥石26等を用いて、裏孔4と連通するスリット5を形成する。他にも、このスリット加工工程では、例えば、ダイヤモンド砥石による研削加工、あるいは放電加工(EDM加工)によってスリットを形成できる。スリット加工工程の一実施形態としては、スリットの底壁13の一部が、先に研削された裏孔4によって開口されてスリット5と裏孔4とが連通する形態(図2参照)となるように、スリットの研削が実施されるとよい。スリット加工工程は、例えば、図5B(IV)に示すように、ダイヤモンド砥石26を用いて、第2の板状部材3の表面(接合界面7とは反対側の面)から研削することにより実施できる。なお、スリット5の幅や深さ、スリットしぼり部8bなどスリット5の形状等に関しては、先に説明したようなハニカム構造体成形用口金1ができるように、当業者が通常用いるものを採用すればよい。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
C−1.ハニカム構造体成形用口金の製造:
(実施例1)
(1)第1の板状部材作製工程及び第2の板状部材作製工程:
第1の板状部材2の作製のため、炭化タングステン(WC)粉末92質量%、コバルト(Co)8質量%、(その他炭化チタン(TiC)、炭化タンタル(TaC)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)を微量)混合した。この混合物を、冷間等方圧加圧法(CIP)によって、厚さ4mmのφ260mmの円形の表裏両面を有した板状に成形した。得られた板状の成形体に対して、800℃、圧力5Paにて5時間の予備終結を行うことにより、第1の板状部材2を作製した。第1の板状部材と同様の方法により、第2の板状部材3を作製した。
(2)裏孔加工工程:
続いて、図5A(II)にて示すように、第1の板状部材2の一方の表面からドリル24を用いて研削することにより、開口径が2.1mm、第1の板状部材2の表面(接合界面7の反対側の面)から深さ32.5mmの裏孔を形成した(貫通加工)。なお、裏孔4の配置は、第1の板状部材2の表面上おいて、上下方向と左右方向にそれぞれ1.8mm間隔とした。
(3)焼結工程:
裏孔加工の後、口金前駆体23に対して1500℃で5時間の真空焼結を行った。
(4)接合工程:
焼結工程後、第1の板状部材2及び第2の板状部材3それぞれの表面を研磨した。次いで、図5B(III)にて示すように、第1の板状部材2と第2の板状部材3とを重ね合わせて口金前駆体23とし、この口金前駆体23に対して、厚さ方向10において接合界面7に向かって圧力を加えつつ、1450℃で1時間の加熱を行うことにより、第1の板状部材2と第2の板状部材3とが接合した口金前駆体23を作製した。なお、口金前駆体23の厚さ方向10への加圧は、第2の板状部材3の上に重ね合わせた第1の板状部材2の自重を利用した。第1の板状部材1の質量から計算すると、口金前駆体23に対して、厚さ方向10において接合界面7に向かってかけられた圧力は、0.001〜0.01MPaであった。
(5)スリット加工工程:
接合工程の後、図5B(IV)にて模式的に示すように、円盤状のダイヤモンド砥石26(スライサー26)を用いて、幅0.3mm、深さ4mmのスリット5を(格子状に)研削した。最後に、外周加工を施し、実施例1のハニカム構造体成形用口金1を得た。
(比較例1)
(2)の裏孔加工工程を「止まり穴加工」にて行い、(4)の接合工程を省略した以外は、実施例1と同じハニカム構造体成形用口金の製造方法により、比較例1のハニカム構造体成形用口金1を得た。
C−2.コバルト(結合材)の含有量の計測:
実施例1及び比較例1において、接合工程の後、口金前駆体23におけるコバルト含有量の分布は、元素分析装置(EDX、HORIBA S−4700)を用いて計測した。計測地点は、裏孔4及びスリット5をそれぞれ1つ構成するハニカム構造体成形用口金1の部分構造(以下、「裏孔−スリット単位構造」)を表した図6にて模式的に示す。接合部6の計測位置は接合界面7からの距離が0.5mm、接合部6以外の他の部分の計測位置は接合界面7からの距離が1.5mmの位置とし、計測地点Aが第1の板状部材2の接合部6、計測地点Bが第2の板状部材3の接合部6、計測地点Cが第1の板状部材2の他の部分、計測地点Dが第2の板状部材3の他の部分とした。なお、1体のハニカム構造体成形用口金1では、その中心部に存在している裏孔−スリット単位構造についての計測地点A〜Dをコバルトの含有量の計測対象とした。
実施例1にて作製されたハニカム構造体成形用口金のコバルトの含有量は、計測地点Aでは6質量%、計測地点Bでは6質量%、計測地点Cでは8質量%、計測地点Dでは8質量%であった。比較例1にて作製されたハニカム構造体成形用口金のコバルトの含有量は、計測地点Aでは質量%、計測地点Bでは質量%であり、計測地点Cでは8質量%、計測地点Dでは8質量%であった。
C−3.硬度の計測:
上述のコバルトの含有量を計測と同時に、計測地点A〜Dにおける硬度(HRC硬度)を計測した。硬度の計測には、硬度計(MATSUZAWA社製、品番RMT−3)を用いた。
実施例1にて作製されたハニカム構造体成形用口金の硬度(HRC硬度)は、計測地点Aでは76、計測地点Bでは76、計測地点Cでは75、計測地点Dでは75であった。比較例1にて作製されたハニカム構造体成形用口金の硬度(HRC硬度)は、計測地点Aでは75、計測地点Bでは75、計測地点Cでは75、計測地点Dでは75であった。
実施例1の接合部6は、比較例1の接合部6と比較して硬度が高い。これらの結果は、本発明の製造方法が、耐摩耗性が要求される裏孔とスリットが連結する部分において、より高い硬度のハニカム構造体成形用口金を製造できることを実験的に示している。
本発明は、成形原料による磨耗に対して優れた耐久性を有するハニカム構造体成形用口金及びその製造方法として利用できる。
本発明のハニカム構造体成形用口金の一実施形態の一部の構造を模式的に示す斜視図である。 図1に示すハニカム構造体成形用口金について裏孔を縦断する平面Aで切断した断面図、並びに、超硬合金での結合材の分散及び超硬合金の硬度を示す図である。 図1に示すハニカム構造体成形用口金について裏孔を縦断しない平面Bで切断した断面図、並びに、超硬合金での結合材の分散及び超硬合金の硬度を示す図である。 図1に示すハニカム構造体成形用口金によって押出成形されたハニカム構造体を示す斜視図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法の一実施形態の一部の概略を示した図である。 本発明のハニカム構造体成形用口金の製造方法の一実施形態の一部の概略を示した図である。 裏孔及びスリットそれぞれ1つからなるハニカム構造体成形用口金の部分構造の断面斜視図であり、実施例1及び比較例1における結合材の含有量及び硬度の計測地点を表す模式図である。
符号の説明
1:ハニカム構造体成形用口金、2:第1の板状部材、3:第2の板状部材、4:裏孔、5:スリット、6:接合部、7:接合界面、8:しぼり部、8a:裏孔しぼり部、8b:スリットしぼり部、10:厚さ方向、11:導入部、12:射出部、13:スリットの底壁、23:口金前駆体、24:ドリル、26:砥石(スライサー)、31:ハニカム構造体、32:隔壁、33:セル。

Claims (6)

  1. 成形原料を導入するための裏孔と、前記成形原料を格子状に押出成形するためのスリットが形成されたハニカム構造成形用口金であって、
    炭化タングステンと結合材とを含有する超硬合金からなり、厚さ方向に貫通する前記裏孔が形成された第1の板状部材と、
    前記第1の板状部材と接合し、炭化タングステンと結合材とを含有する超硬合金からなり、前記裏孔と連通する前記スリットが形成された第2の板状部材と、を備え、
    前記結合材が、前記第1の板状部材と前記第2の板状部材との接合部において、前記第1の板状部材及び前記第2の板状部材の他の部分と比較して少なく分散している、ハニカム構造体成形用口金。
  2. 前記結合材は、前記第1の板状部材と前記第2の板状部材とが接合した接合界面において最も少なく分散し、且つ、前記第1の板状部材と前記第2の板状部材のそれぞれにおいて前記接合界面に向かって連続的又は段階的に少なくなるように分散する、請求項1に記載のハニカム構造体成形用口金。
  3. 前記結合材は、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、及びクロム(Cr)からなる群から選ばれる少なくとも1つの金属である、請求項1又は2に記載のハニカム構造体成形用口金。
  4. 炭化タングステンと結合材とを含有する超硬素材を板状に成形し、次いで予備焼結を行うことにより、第1の板状部材を作製する第1の板状部材作製工程と、
    同じく前記超硬素材を板状に成形し、次いで予備焼結を行うことにより、第2の板状部材を作製する第2の板状部材作製工程と、
    前記第1の板状部材に、厚さ方向に貫通する裏孔を形成する裏孔加工工程と、
    前記第1の板状部材及び前記第2の板状部材を1300〜1600℃にて0.5〜100時間真空焼結する焼結工程と、
    前記焼結工程後、前記第1の板状部材と前記第2の板状部材とを重ね合わせて口金前駆体とし、前記口金前駆体に対して、前記第1の板状部材と前記第2の板状部材とが接触する面に向かって厚さ方向に10MPa以下の圧力を加えつつ、1400〜1500℃にて1〜10時間加熱をする接合工程と、
    前記接合工程後、前記第2の板状部材に、前記裏孔と連通するスリットを形成するスリット加工工程と、を有するハニカム構造体成形用口金の製造方法。
  5. 前記結合材は、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、及びクロム(Cr)からなる群から選ばれる少なくとも1つの金属である、請求項4に記載のハニカム構造体成形用口金の製造方法。
  6. 前記超硬素材は、前記炭化タングステン75〜95質量%と前記結合材5〜25質量%とを少なくとも含有する、請求項4又は5に記載のハニカム構造体成形用口金の製造方法。
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