JP6339436B2 - ドリル用ブランク、ドリル用ブランクの製造方法、およびドリル - Google Patents

ドリル用ブランク、ドリル用ブランクの製造方法、およびドリル Download PDF

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本発明は孔開け加工に用いるドリルのドリル用ブランク、ドリル用ブランクの製造方法、およびドリルに関する。
孔開け加工に使用するドリルは、先端の切刃部からフルート溝を形成したソリッドドリルが知られており、例えば電子部品を搭載する基板の孔開け加工用として用いられている。そして、電子部品の小型化に伴って加工する孔径が小さくなっていることから、ドリルの径も小さいものが要求されている。
かかるドリルは、例えば、特許文献1のように押出成形にて繊維状に成形した成形体を所定の長さに切断して焼成したブランクを作製し、このブランクに段加工やフルート溝等を施してドリルを完成させる方法が採用されている。また、ドリルは、切刃部においては摩耗が進行するので耐摩耗性の高い高硬度の材質が求められるが、高硬度の材質は折損しやすいことから、高硬度の材質を採用することができなかった。
そこで、特許文献2では、切刃部がサーメット、シャンク部を超硬合金からなるドリルが開示されている。さらに、特許文献3では、ステンレス等の鋼材からなるシャンク部の先端に、超硬合金からなるドリル部がロウ付け接合されたドリルが開示されている。
特開2003−277807号公報 特開平03−43112号公報 特開平10−151506号公報
しかしながら、特許文献1のような押出成形では、切刃部とシャンク部の材質を変えることができない。特許文献2の構成では、切刃部における耐摩耗性は向上するものの、シャンク部を超硬合金にて形成するので、コスト高になるという問題があった。さらに、特許文献3のように、ドリル部をシャンク部にロウ付けする構成において、引例2のように、ドリル部に切刃部が高硬度の材質からなるドリルブランクを適用すると、接合部付近であるドリルブランクの根元において撓みやすく、ドリルの刃ブレが大きくなり、ドリルの穴位置精度が悪いという課題があった。
そこで、本発明は、耐摩耗性および耐折損性が高く、安価で、かつ穴位置精度の高いドリル用ブランク、ブランクの製造方法、およびドリルを提供することを目的とする。
本発明のドリル用ブランクは、切刃部となる一端部と、接合部となる他端部と、フルート部となる前記一端部と前記他端部との間の中央部とを有する、WC粒子とCoとを含有する超硬合金からなり、前記一端部および前記他端部における前記Coの含有比率が、前記中央部における前記Coの含有比率よりも少なく、前記一端部および前記他端部における前記WC粒子の平均粒径が、前記中央部における前記WC粒子の平均粒径よりも大きいものである。
本発明のドリル用ブランクの製造方法は、前記Co原料の添加量が異なる2種類以上の混合粉末を調合して、2種類以上の成形用顆粒を作製する工程と、
プレス成形金型のダイスの空隙部内に、前記Co原料の添加量が少ない第1顆粒を充填し、上方から上パンチを下降させて、前記ダイスの空隙部内の第1顆粒を加圧した後、前記上パンチを前記ダイスから引き抜く工程と、
前記第1顆粒が加圧された前記ダイスの空隙部内に、前記Co原料の添加量が多い第2顆粒を充填し、上方から前記上パンチを下降させて、前記ダイスの空隙部内の前記第1顆粒および第2顆粒を加圧した後、前記上パンチを前記ダイスから引き抜く工程と、
前記第1顆粒および前記第2顆粒が加圧された前記ダイスの空隙部内に、前記Co原料の添加量が少ない第3顆粒を充填し、上方から前記上パンチを下降させて、前記ダイスの空隙部内の前記第1顆粒、第2顆粒および第3顆粒を加圧した後、前記上パンチを前記ダイスから引き抜く工程と、前記第1顆粒、第2顆粒および第3顆粒が順に積層された成形体を焼成する工程と、を具備する。
本発明のドリル用ブランクによって作製されるドリルは、切刃部における耐摩耗性が高く、耐折損性も高いとともに、安価で、接合部付近であるドリルブランクの根元において撓みにくく、ドリルの穴位置精度が高い。
また、本発明のドリル用ブランクの製造方法は、焼成時のCoの拡散を抑制して、焼成後の超硬合金において、端部と中央部とが所望の組成差を有するブランクを作製することができる。
本発明のドリル用ブランクの一例についての側面図である。 本発明のドリル用ブランクを成形する方法の一例について、金型の構成を説明するための模式図である。 図1のドリル用ブランクをシャンクに接合して刃付け加工したドリルの一例について、3Aは側面図であり、3Bは先端から見た平面図である。
図1の本発明のドリル用ブランクをシャンクに接合したドリルの一例についての側面図に基づいて説明する。
図1のドリル1に用いられるドリル用ブランク(以下、単にブランクと略す。)2は、超硬合金からなる円柱長尺状で、シャンク3に接合されて使用される。ブランク2は、長手方向において、切刃部となる一端部Aと、接合部となる他端部Bと、フルート部となる一端部Aと他端部Bとの間の中央部Cとを有する。
本発明において、一端部Aおよび他端部Bとは、ブランク2の長さLに対して、ブランク2の端から0.1Lの長さの領域と定義され、中央部Cとは、ブランク2の中央における長さ0.1Lの長さの領域と定義される。なお、一端部Aおよび他端部Bと、中央部Cとの間は、Co含有比率が漸次変化するが、本実施態様では、中央部Cを中心とする長さ0.4L〜0.6Lの領域におけるCo含有比率は、中央部CにおけるCo含有比率に対する比率で0.8〜1である。
また、ブランク2はWC粒子を50体積%以上含有するとともに、WC粒子間を、Coを50質量%以上含有する結合相にて結合した超硬合金からなる。ブランク2中には、WC粒子およびCo以外に、Wを除く周期表4、5および6族のいずれか1種の金属元素を含有しても良く、これらは炭化物、窒化物または炭窒化物としてWC粒子以外の硬質粒子を形成するか、結合相中に金属として固溶した状態で存在する。
本実施態様においては、ブランク2の一端部Aおよび他端部BにおけるCoの含有比率が、中央部CにおけるCoの含有比率よりも少ないものである。これによって、ドリル1の切刃部5における耐摩耗性が高く、耐折損性にも優れたものであるとともに、接合部付近であるドリルブランクの根元Bにおいて撓みにくく、ドリル1の穴位置精度が向上する。望ましい一端部Aおよび他端部BにおけるCoの含有比率は、0.5質量%〜4質量%であり、中央部CにおけるCoの含有比率は、5質量%〜12質量%である。一端部AにおけるCoの含有比率が3質量%以上の場合、一端部AにおけるCoの含有比率と他端部BにおけるCoの含有比率との差は2質量%以内であり、一端部AにおけるCoの含有比率が3質量%未満の場合、一端部AにおけるCoの含有比率と他端部BにおけるCoの含有比率との比は0.5〜2である。
一端部Aと他端部BにおけるCo含有比率は、同じであっても良いが、後述する製造工程上、ブランク2の一端部Aと他端部Bにおける発生する場合がある寸法差を抑制するために、一端部AにおけるCo含有比率を他端部BにおけるCo含有比率よりも多くすることもできる。このとき、一端部AにおけるCo含有比率は、他端部BにおけるCo含有比率を100としたときに、質量比で5%以上多くすることが望ましい。
本実施態様では、両端のうちの一端部Aの直径をd、他端部Bの直径をd、中央部Cにおける最小直径をd、長手方向の長さをLとしたとき、d、dがともに2mm以下で、d≧d>dであるとともに、dに対する長さLの比率が3以上であり、d/d=0.9〜1、かつd/d=0.8〜0.995である。この形状からなるブランク2は、ブランク2の端部の直径がブランク2の中央部の直径に比べて大きいので接合面積も広く接合強度も高いものである。
本実施態様によれば、一端部Aと他端部BとのCo含有比率が0.9〜1.1である。また、このd/d=0.96〜1である。このブランク2は、一端部Aと他端部BとのCo含有比率が0.9〜1.1から外れるか、またはd/dが0.96未満のテーパ形状からなる場合に比べて、シャンク3への接合工程において、ブランク2の向きを揃える必要がない。そのため、接合工程が簡略化できる。さらに、ブランク2とシャンク3との中心軸のずれが小さい状態で接合されるので、接合した後の刃付け加工する際の研削代を小さくすることもできる。
なお、ブランク2の好適な寸法は、d、dが0.3〜1.7mm、長さLが3〜20mmであり、d/d=0.985〜1、かつd/d=0.980〜0.995である。
また、本実施態様のブランク2においては、一端部A、他端部BにおけるWC粒子の平均粒径が、中央部CにおけるWC粒子の平均粒径よりも大きい。これによって、ドリル1の刃付け加工における切刃部5のチッピングを防止することができるとともに、中央部Cの撓みを抑制できる。
(ブランクの製造方法)
ここで、上記ドリル用ブランクを作製する方法の一例について説明する。まず、ブラン
クおよびドリルをなす超硬合金を作製するためのWC粉末およびCo粉末等の原料粉末を調合し、これにバインダや溶媒を添加してスラリーを作製する。このスラリーを造粒して顆粒とし、成形用粉末とする。本実施態様においては、Co原料の添加量が異なる2種類以上の混合粉末を調合して、2種類以上の成形用顆粒を作製する。
一方、プレス成形金型(以下、単に金型と略す。)20を準備し、金型20のダイス21の空隙部22内に上記顆粒を充填する。そして、ダイス21の空隙部22内に充填された顆粒の上方から上パンチ24を下降させて加圧することにより成形体を作製する。
本実施態様におけるプレス成形工程においては、第1に、金型20のダイス21の空隙部22内に、Co原料の添加量が少ない第1顆粒26を充填し、上方から上パンチ24を下降させて、ダイス21の空隙部22内に充填された第1顆粒26を加圧した後、上パンチ24をダイス21から引き抜く。これによって、第1顆粒26のみを一旦加圧する。
第2に、第1顆粒26が加圧されたダイス21の空隙部22内に、Co原料の添加量が多い第2顆粒27を充填し、上方から上パンチ24を下降させて、ダイス21の空隙部22内に充填された第1顆粒26および第2顆粒27を加圧した後、上パンチ24をダイス21から引き抜く。これによって、すでに加圧された第1顆粒26と、加圧されていない第2顆粒27とを同時に加圧する。
第3に、第1顆粒26および第2顆粒27が加圧されたダイス21の空隙部22内に、Co原料の添加量が少ない第3顆粒28を充填し、上方から上パンチ24を下降させて、ダイス21の空隙部22内に充填された第1顆粒26、第2顆粒27および第3顆粒28を加圧した後、上パンチ24をダイスから引き抜く。これによって、すでに加圧された第1顆粒26および第2顆粒27と、加圧されていない第2顆粒27とを同時に加圧する。図2は、すでに加圧された第1顆粒26および第2顆粒27と、加圧されていない第2顆粒27とを同時に加圧している状態を示している。
本実施態様では、第1顆粒26、第2顆粒27および第3顆粒28を積層した成形体を成形する際に、各顆粒を充填する都度に加圧することによって、焼成時における各顆粒間のCoの拡散を抑制することができ、焼成後のブランクのCo含有量を所定の範囲に調整できる。
ここで、成形体の作製条件については、顆粒の平均粒径を40〜150μm、顆粒の粒度ばらつきを60〜100μmに制御する。顆粒の粒度ばらつきは、望ましくは平均粒径に対して±30〜50μmの範囲内に制御する。顆粒の粒度ばらつきを制御するには、ふるい分級等によって調整することができる。また、上下パンチで成形体を成形する際に、加圧した後、この加圧時の上パンチの保持位置から上パンチの位置が0.1mm〜2mmだけ下方に下降するように上パンチに追加荷重を加えるとともに下パンチの荷重を小さくする。
この成形条件によって、成形体の圧力ムラを改善できて、下パンチが成形体を抜き出す際に破損することを抑制できるとともに、成形体を焼成した後のブランク2の形状を所定の形状とすることができる。つまり、成形体の密度が一端部A、および他端部Bでは高く、中央部Cでは低い状態となることによって、焼結後の焼結体の寸法は、一端部A、他端部Bに比べて中央部Cでより収縮して、d/d=0.96〜1、かつd/d=0.9〜0.995となる。
本実施態様では、第1顆粒26、第2顆粒27および第3顆粒28のバインダ量、原料粉末の平均粒径、Co添加量を調整することにより、得られる焼結体の形状、特に、d
、d、dを制御する。例えば、中心部CはCo含有量が多いので、焼成が先に進行しやすく、dが小さい中凹み形状になりやすい。そのために、第2顆粒27に添加するバインダの添加量を他の顆粒よりも少なくして、中心部Cの焼成時の収縮率を一端部Aおよび他端部Bよりも小さくすることができる。それ以外にも、第2顆粒27中の原料粉末の平均粒径を他の顆粒よりも大きくすることによって、中心部Cにおける焼成の進行を遅くすることができ、一端部Aおよび他端部Bにおける焼成の進行状態に近づけることができる。この構成によれば、ブランク2の焼成中に毛細管現象によってCoの拡散が抑制され、一端部A、他端部Bおよび中央部CにおけるCo含有比率を所定の範囲内とすることができる。その結果、dをdおよびdに近づけることができる。
また、一端部Aは他端部Bに対して生密度が大きくなる傾向にあるため、焼成後の一端部Aは他端部Bよりも寸法が大きくなる傾向にある。そのため、第1顆粒26に添加するバインダの添加量を第3顆粒28よりも多くして、一端部Aの焼成時の収縮率を大きくすることによって、焼成後の一端部Aの寸法を他端部Bの寸法に近づけることができる。それ以外にも、第1顆粒26中の原料粉末の平均粒径を第3顆粒28よりも小さくすること、第1顆粒26中のCo原料粉末の添加量を第3顆粒28よりも多くすることによって、焼成後の一端部Aの寸法を他端部Bの寸法に近づけることができる。
なお、製造効率を高めるとともに、上パンチが傾いて下降しないようにするために、金型には上パンチ−空隙部−下パンチのセットが複数設けられて、一度に複数本の成形体を成形することができる。上パンチ−空隙部−下パンチのセット数は、例えば、4〜144本である。また、金型の側面形状は、上パンチから下パンチまで同じ直径のストレート形状であってもよい。または、上パンチ側よりもより圧力のかかりやすい下パンチ側において焼成時の収縮が少ないので、その分を加味して焼成後上パンチ側と下パンチ側との寸法が同じとなるようにする範囲内で、図2に示すように、ダイス21の粉末充填部(空隙部)22に顆粒25を充填して上パンチ24と下パンチ23との間で顆粒25を加圧してプレス成形する金型20において、下パンチ23側の直径Dを上パンチ24側の直径Dよりも小さくしておいてもよい。これによって、d/d比を所定範囲に制御することができる。
そして、成形体は金型から取り出され、真空中、1300〜1500℃で焼成されることによってブランク2となる。本発明においては、焼成時のCoの拡散を抑制して、焼成後の超硬合金において、端部と中央部とが所望の組成差を有するブランクを作製することができる。さらに、所望により、ドリル1の表面には被覆層(図示せず)を成膜することもできる。
(ドリルの製造方法)
上記工程によって得られたブランク2は、数十本または数百本の単位でランダムに接合装置内に投入される。ブランク2は、接合装置内で長手方向に整列され、自動的に、別途準備されたシャンク3に続く首部7の所定の位置に当接された後、レーザ等で接合される。その後、接合されたブランク2に刃付け加工を施す。
本実施態様においては、ドリル1の切刃部5における硬度が高いので、切刃部5における耐摩耗性が高い。また、ドリル1のシャンク3側に接合される他端部Bが、Coの含有比率が低く高硬度であるので、ドリル1の根元における撓みを抑制して、ドリル1全体の撓み量を小さくできる。さらに、他端部Bは接合部にて衝撃を吸収するため、他端部Bで折損することも抑制できる。
なお、図1においては、一端部Aがドリル1の切刃部5側で、他端部Bがドリル1のシャンク3側となる態様について記載したが、本発明は上記態様に限定されるものではなく
、接合時の整列機内にてランダムに選択されるため、一端部Aがドリル1のシャンク3側で、他端部Bがドリル1の切刃部5側となる場合もある。
(ドリル)
上記ブランク2の刃付け加工によって、ドリル1が作製される。図3Aのドリル1の側面形状は、一端部A側に切刃部5を備え、切刃部5と、それに続くフルート部6と、首部7とでボディ8を構成している。切刃部5とフルート部6が加工部となっている。フルート部6と、首部7との間は接合部9となっている。そして、ボディ8に続いてシャンク3を有している。ここで、切刃部5は中心軸を有して回転しながら被削材に最初に接触する部分であり、高い耐チッピング性と耐摩耗性が要求される。フルート部6は加工によって発生する切屑を後方へ排出する機能を持ち、首部7はドリル1の加工径(フルート部6の直径)とシャンク3の直径とを調整するつなぎである。シャンク3はドリル1を加工機に固定する部分である。
上記方法で得られたドリルは、超硬合金からなる切刃部5とフルート部6とをからなる加工部を備えており、本実施態様では、加工部の最大直径が2mm以下である。先端から見た図である図3Bに示すように、切刃部5は、切刃5aとチゼル4とを有し、切刃5aからドリル1の回転方向に、フルート部に繋がる切屑排出溝6aを有する。
また、本実施態様のブランク2を用いたドリル1は、ドリル1の切刃部5におけるWC粒子の平均粒径が、加工部の中央部CにおけるWC粒子の平均粒径よりも大きい。そのため、フルート部6の剛性が高いとともに、切刃部5におけるチッピングが抑制される。
また、首部7とシャンク3とを鋼、合金鋼またはステンレス鋼等の安価な材質で形成し、ブランク2を首部7の先端に、ロウ付け等によって接合した構成とする。この構成であれば、首部7の先端に接合されるブランク2の直径を切刃部5側よりも大きくすることもでき、接合面積が広くなって接合強度を高めることも可能である。なお、ドリルの切刃部5からシャンク3までをブランクで形成するものであってもよい。また、ドリルは、首部7を省略した形状であってもよい。
表1に示す平均粒径および添加量の金属コバルト(Co)粉末と、平均粒径3.0μmの0.6質量%の炭化クロム(Cr)粉末と、平均粒径0.8μmの0.3質量%の炭化バナジウム(VC)粉末と、残部が表1に示す平均粒径の炭化タングステン(WC)粉末の割合で調合し、表1に示す添加量のバインダと、溶媒を添加、混合して、スラリーを作製し、スプレードライヤにて表1に示す平均粒径60μmの第1顆粒、第2顆粒および第3顆粒を作製した。
空隙部を4個有するダイスを備えた図2に示す金型を準備し、上記第1顆粒、第2顆粒および第3顆粒を用いて、金型のダイスの空隙部内に第1顆粒を充填し、上方から上パンチを下降させて第1顆粒を加圧した後、上パンチを前記ダイスから引き抜き、第1顆粒が加圧されたダイスの空隙部内に、第2顆粒を充填し、上方から上パンチを下降させて、第1顆粒および第2顆粒を加圧した後、上パンチを前記ダイスから引き抜き、第1顆粒および前記第2顆粒が加圧されたダイスの空隙部内に第3顆粒を充填し、上方から上パンチを下降させて、第1顆粒、第2顆粒および第3顆粒を加圧した後、上パンチを前記ダイスから引き抜いて、第1顆粒、第2顆粒および第3顆粒が順に積層された成形体を得た。
成形体の形状は、下パンチ側の直径Dが1.30mmで、上パンチ側の直径Dが1.26mmのであった。また、試料No.6については、第1顆粒、第2顆粒および第3顆粒を充填する都度に加圧せず、第1顆粒、第2顆粒および第3顆粒を順に充填した後、
一括で加圧することにより、成形体を作製した。この成形体を真空中、1350℃で焼成してブランクとした。なお、ブランクの長手方向の長さは8mmであった。
得られたブランクの長手方向について、一端部A、他端部B、中央部Cの最小直径について寸法を測定し表2に記載した(d、d、d)。また、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて超硬合金を5000倍で組織観察して、ルーゼックス解析法によって一端部A、他端部B、中央部CのWC粒子の平均粒径を算出した。ブランクを両端1mmずつと、中央部1mmを切り出して、ICP分析により、一端部A、他端部B、中央部CにおけるCo含有比率を測定した。結果は表2に示した。
そして、このブランクを用いて、ドリルを作製し、下記条件でドリル加工テストを行った。結果は表2に示した。
(ドリル加工テスト条件)
被削材 :FR4・6層板、1.6mm厚、2枚重ね
ドリル形状:φ0.3mmアンダーカットタイプ
回転数:160krpm
送り速度:3.2m/min.
評価項目:3000孔加工時のドリル加工径の減少量(μm)、3000孔加工した時点での穴位置精度(μm)、孔開け加工ができた製品の個数(個)
Figure 0006339436
Figure 0006339436
表1、2より、第1顆粒、第2顆粒および第3顆粒を順に積層して、一括で加圧し、焼成後に一端部A、他端部B、中央部CにおけるCo含有比率が同じ試料No.6では、ドリル加工径の減少量が大きくなった。また、第1顆粒と第2顆粒の2層が積層された成形体とした試料No.7では、穴位置精度が悪くなり、加工個数も少ないものであった。
これに対して、本発明に従う試料No.1〜5では、良好なブランクを作製できた。
1 ドリル
2 ブランク(ドリル用ブランク)
A 一端
B 他端
C 中央部
3 シャンク
4 チゼル
5 切刃部
5a 切刃
6 フルート部(加工部)
6a 切屑排出溝
7 首部
8 ボディ
9 接合部
一端部A側の直径
他端部B側の直径
中央部の最小直径
成形体の下パンチ側の直径
成形体の上パンチ側の直径

Claims (4)

  1. 切刃部となる一端部と、接合部となる他端部と、フルート部となる前記一端部と前記他端部との間の中央部とを有する、WC粒子とCoとを含有する超硬合金からなり、
    前記一端部および前記他端部における前記Coの含有比率が、前記中央部における前記Coの含有比率よりも少なく、
    前記一端部および前記他端部における前記WC粒子の平均粒径が、前記中央部における前記WC粒子の平均粒径よりも大きいドリル用ブランク。
  2. プレス成形にて作製されている請求項1記載のドリル用ブランク。
  3. 請求項1又は2記載のドリル用ブランクがシャンクに接合されているとともに、前記ドリル用ブランクに刃付け加工が施されているドリル。
  4. 前記Co原料の添加量が異なる2種類以上の混合粉末を調合して、2種類以上の成形用顆粒を作製する工程と、
    プレス成形金型のダイスの空隙部内に、前記Co原料の添加量が少ない第1顆粒を充填し、上方から上パンチを下降させて、前記ダイスの空隙部内の第1顆粒を加圧した後、前記上パンチを前記ダイスから引き抜く工程と、
    前記第1顆粒が加圧された前記ダイスの空隙部内に、前記Co原料の添加量が多い第2顆粒を充填し、上方から前記上パンチを下降させて、前記ダイスの空隙部内の前記第1顆粒および第2顆粒を加圧した後、前記上パンチを前記ダイスから引き抜く工程と、
    前記第1顆粒および前記第2顆粒が加圧された前記ダイスの空隙部内に、前記Co原料の添加量が少ない第3顆粒を充填し、上方から前記上パンチを下降させて、前記ダイスの空隙部内の前記第1顆粒、第2顆粒および第3顆粒を加圧した後、前記上パンチを前記ダイスから引き抜く工程と、
    前記第1顆粒、第2顆粒および第3顆粒が順に積層された成形体を焼成する工程と、を具備するドリル用ブランクの製造方法。
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