JPWO2007114072A1 - 負の剛性装置及び該負の剛性装置を備えた免震構造物 - Google Patents

負の剛性装置及び該負の剛性装置を備えた免震構造物 Download PDF

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Abstract

【課題】構造物での過大な応力の発生を防止し、免震構造物の免震周期を延長し、摩擦減衰により免震構造物の減衰効果を増加させ、静摩擦によるトリガー機能も付与でき、構成が簡単な負の剛性装置及び免震構造物を提供する。【解決手段】転動体(14)又は摺動体の水平方向の転動又は摺動に伴って、転動体の転動面(12)又は摺動体の摺動面を傾斜可能とした傾斜機構(11)を備える負の剛性装置(10)。転動体を、ローラー又は車輪(14b)とし、いずれかを上部材又は下部材に備えることができる。傾斜機構(11)は、平面状転動板(12)と、弾性材からなる弾性パッド(13)とで構成したり、平面状転動板と、弾性体と薄肉鋼板とを積層した積層体とで構成できる。負の剛性装置(10)と、復元力特性を有する装置とで免震構造物を構成し、負剛性を利用するとともに、原点復帰を容易にできる。【選択図】図4

Description

本発明は、重力の作用する方向(鉛直方向)に転動又は摺動を生じさせ、水平力と水平変位との関係において負の剛性を生じる負の剛性装置、並びに該負の剛性及び摩擦減衰を利用した建築又は土木に用いられる免震構造物に関する。
マンション等の集合住宅、事務所ビル、戸建住宅、及び橋梁等の構造物への過大な入力を防止する手段として、構造物へ付加する装置が種々提案されている。例えば、振子型の滑り摩擦装置等は、摺動曲面の円弧から求められる周期により免震させ、過大な入力が上部構造物に作用しないようにしている。しかし、各種提案されている装置のほとんどが正の剛性を有するものであり、前記振子型の滑り摩擦装置においても、その摺動メカニズムは、重力が作用する方向とは反対の方向に摺動する(水平変形に伴い上方移動する)ため、正の剛性を生じる。
また、金属材料からなる弾塑性ダンパーは加工硬化により、また、粘性体材料からなる粘性ダンパーは高速領域で生じる弾性特性からの剛性(ばね)により、正の剛性を有するものが一般的である。尚、水平面上で摺動する滑り機構を利用したダンパーは、剛性がゼロと言えるが、力の変形の増分の向きを変化させることはできない。言い換えると、構造物全体の剛性に対して制御することができない。
このような問題を解決する手段として、特許文献1には、構造部材に生ずる応力の大きさを調整したり、制震建物の減衰効果を増加させたり、免震建物における地震外力の絶縁効果を増加させることが可能な負の剛性装置と、この負の剛性装置を使用した建築構造物が開示されている。
一方、マンション等の集合住宅、事務所ビル、戸建住宅、及び橋梁等の構造物の耐震設計において、地震、風又は交通振動等の動的入力による構造物、及びその周辺の応答値のうちのいくつかを、振動エネルギ吸収装置により低減し、ある制限値以内に制御する方法が採られている。その中でも、振動エネルギ吸収装置を構造物内又は/及び構造物外に取り付け、該振動エネルギ吸収装置によって地震等の動的入力によって励起された構造物の振動応答を低減しようとする方法が最も有力な手段の一つである。
前記振動エネルギ吸収装置として用いられる従来のダンパーには、エネルギ吸収特性が優れている装置がいくつかあり、また各々特有の特徴がある。例えば、粘性系であるオイルダンパーを例に挙げると、構造物の持つ剛性にダンパーの減衰を付加した場合、このダンパーは、振動速度に比例した減衰力を概略仮定することで、減衰定数という形式で性能を設定することができる。
また、特許文献2には、抵抗力を受ける構造物、又は、抵抗力と復帰手段の復元力とを受ける免震構造物の部位の剛性を特に大きくしなくても良い上に、広い占有スペースを必要とせず、小型に構成することのできる振動エネルギ吸収装置等が開示されている。
この振動エネルギ吸収装置は、液体を収容する円筒シリンダ内を2つの室に区画する可動なピストンと、可変オリフィスを介して2室を連通させる連通手段と、ピストンの円筒シリンダに対する相対的な移動方向に基づいて可変オリフィスを選択するとともに、ピストンの円筒シリンダに対する相対的な移動位置に基づいてオリフィス径を決定する選択・決定手段とを具備している。
日本特開2003−287079号公報 日本特開2004−301306号公報
上述のように、特許文献1には、負の剛性を構造物へ付与する負の剛性装置が開示されているが、免震構造物として使用する場合には、構造物の剛性を調整する機能を有し効果的であるが、少なくとも減衰機能を有した別の装置が必要である。
さらには、この負の剛性装置は、ローラー材の場合は転動し易く、可動部材の場合は線接触のため摺動し易いため、安定して直立位置を保持することができない虞がある。このことは、小さい入力で作動することに他ならないため、応答性の良さを保証するものではあるが、反面小さな入力で容易に装置の設置中心位置が動いてしまうことになり、施工面での工夫が必要となる。
すなわち、特許文献1に記載の負の剛性装置は、免震構造物として小地震時や風による比較的小さな入力の場合には、免震構造物が不要な振動を生じないように、通常与えられるトリガー機能を負担することができず、該負の剛性装置を使用した場合は、別途設ける復元力(原点復帰能力)を有する装置及び/又はエネルギ吸収装置にトリガー機能を持たせる必要があった。
また、特許文献1の負の剛性装置には、負の剛性を得るための手段として、可動部材が重力の作用する方向(鉛直方向)に滑らかに摺動するための方法として、下部材の表面形状を円弧状とする加工が施されているが、加工精度が必要であり、その分装置の製造コストが上昇するという問題があった。
一方、前記振動エネルギ吸収装置として用いられるオイルダンパーは、振動速度に比例した減衰力を概略仮定することで、減衰定数という形式で性能を設定することができるが、その際に構造物の持つ剛性と変位量から求められる水平力に対し、該オイルダンパーの持つ履歴減衰分の水平力が加算され、構造物に生じる水平力が構造物の持つ耐力以上になる可能性がある。
すなわち、ダンパーを付加することによって免震・制振効果を持たせているが、ダンパーを付加することで、剛性力を見かけ上増加させる結果となり、ダンパーを設置した構造物に、より大きな負荷を与える虞がある。従って、構造物の持つ剛性力以上の負荷をダンパーが構造物に与えてしまうという問題が生じている。
また、特許文献2に記載の負の剛性を有する振動エネルギ吸収装置は、免震構造物に使用する際、全体の剛性を特に大きくすることはないという利点があり、免震構物の免震周期を伸ばし、免震効果を高めるという効果がある。その反面、構造そのものが複雑であり、さらには該負の剛性を有する振動エネルギ吸収装置の制御のために検出手段を別途設ける必要があった。
そこで、本発明は、上記従来の負の剛性装置における問題点に鑑みてなされたものであって、負の剛性により、構造物への過大な応力を防止したり、作用する応力を調整できる上に、復元力を有する装置(例えば積層ゴム体)の復元力を特に大きくする必要がないため免震構造物の免震周期を延長でき、また、一つの装置で負の剛性と摩擦減衰の両方を得ることも可能で、該摩擦減衰により免震構造物の減衰効果を増すことができ、静摩擦によるトリガー機能も付与できる装置であって、さらには加工精度を要する円弧状の部品を使用しなくとも簡単な構成で前記作用効果を具備する負の剛性装置及び該負の剛性装置を備えた免震構造物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、負の剛性装置であって、転動体又は摺動体の水平方向の転動又は摺動に伴って、該転動体の転動面又は該摺動体の摺動面の傾斜具合が変化する傾斜機構を備えることを特徴とする。
そして、本発明によれば、前記転動体と傾斜機構とを組み合わせることにより、簡単な構成を有し、加工も容易で、製造コストを低く抑えることが可能な負の剛性装置を提供することができ、構造物への過大な応力を防止したり、作用する応力を調整することができる。また、前記摺動体と傾斜機構とを組み合わせることにより、一つの装置で負の剛性と摩擦減衰の両方を有し、摩擦減衰により免震構造物の減衰効果を増すことができ、静摩擦によるトリガー機能も付与することが可能な負の剛性装置を提供することができる。
前記負の剛性装置において、前記転動体は、ローラー又は車輪であって、該ローラー又は車輪を上部材又は下部材に備えることができる。
本発明によれば、地震等の際に、上部材又は下部材のローラー又は車輪が水平方向に転動すると、転動面が傾斜するため、負の剛性を与えることができる。これによって、例えば、複合的に使用する積層ゴム体の歪依存を考え合わせると、該積層ゴムのせん断剛性は線形でないため、詳しくは歪が大きいとハードニング現象により剛性が高くなることから、本発明にかかる負の剛性装置と組み合わせることにより、簡単な構成によって、広い範囲で線形性を得ることが可能となる。
前記負の剛性装置において、前記傾斜機構を、平面状転動板と、弾性材からなる弾性パッドとで構成することができる。傾斜機構の弾性パッドの弾性材の硬さを変更することで、弾性パッドの寸法的な変更を行わなくとも、転動体の移動時における弾性パッドの傾斜具合を任意に変更できるため、負の剛性の程度を調整することができる。
前記負の剛性装置において、前記弾性パッドの、前記転動体の転動方向の両端部側部分の弾性材の硬度と、中央側部分の弾性材の硬度とを異ならせることができる。これによって、平面状転動板の傾斜具合を任意に変更できるため、負の剛性の程度を調整できる。
前記負の剛性装置において、前記傾斜機構を、平面状転動板と、弾性体と薄肉鋼板とを積層した積層体とで構成することができる。積層体を構成する弾性体と薄肉鋼板の組み合わせを変更することによって、転動体の移動による積層体の傾斜具合を任意に変更することができ、これによって、負剛性の程度を調整することができる。
前記負の剛性装置において、前記積層体の、前記転動体の転動方向の両端部側部分の薄肉鋼板の積層数と、中央側部分の薄肉鋼板の積層数とを異ならせることができる。これによって、平面状転動板の傾斜具合を任意に変更できるため、負の剛性の程度を調整できる。
前記負の剛性装置におけるローラー又は車輪を有する上部材又は下部材と、該ローラー又は車輪との組み合わせを上下方向に2段にわたって、かつ互いに直交した状態で配置することができる。これによって、上述の特徴を有する負の剛性装置であって、上部材が下部材に対して全方向に移動可能な負の剛性装置を実現することができる。
また、本発明は、転動体の水平方向の転動に伴って、該転動体の転動面の傾斜具合が変化する傾斜機構を備える剛性装置であって、前記転動体をローラー又は車輪とし、該ローラー又は車輪を上部材又は下部材に備え、前記傾斜機構を、前記転動体の転動方向の中央部分を支点とした転動板とし、前記転動体が該転動板上を転動するに従って、該転動板の前記中央部分を支点として該転動板が撓むように構成することができる。このような構成により、転動体を介して付加される鉛直方向からの荷重と、装置中心からの変位量による生じる曲げモーメントにより転動板に撓みを生じさせ、転動体が装置中心より水平移動するに従って部材の撓み量が大きくなることを利用して負の剛性を得ることができる。また、転動板の断面形状等を変更することで、転動板の傾斜具合を任意に変更できるため、負の剛性の程度を容易に調整することができる。
前記負の剛性装置において、前記転動板の前記中央部分の支点を前記上部材又は下部材に固定することができる。これによって、転動体が装置中心位置より水平方向へ変位を生じると、該水平変位量に応じ、鉛直方向からの荷重とで生じる曲げモーメントの大きさが変化し、水平変形が大きくなるに従い、曲げモーメントも大きくなり、その結果固定部材から張り出された部分等の撓みが増加し、負の剛性を得ることができる。
前記負の剛性装置において、前記転動板の前記中央部分の支点を前記上部材又は下部材に固定せず、該転動板の端部の浮き上がりを防止する浮き上がり防止機構を備えることができる。これによって、支点部分の剛性を大きくしなくとも負の剛性を得ることができる。また、一の方向へ転動体が転動板上を転動して水平移動を生じた場合、シーソーのように他の方向の転動板の端部が浮き上がり、一定の勾配となってしまうが、浮き上がり防止機構を設けることで他の方向の浮き上がりを抑制することができるため、一の方向は一定の傾斜とはならず、転動体又は摺動体の水平方向の移動につれて、装置中央に配された支点部分の曲げモーメントが大きくなる結果、傾斜具合が変化し(具体的には、大きくなる方向に変化し)、負の剛性を得ることができる。
前記負の剛性装置において、前記転動板の転動方向の中央部分に配置される支点部材の平面寸法範囲では負の剛性を生じないように構成することができる。これによって、前記平面寸法範囲においては水平面を転動するため、負の剛性を生じさせないようにすることができ、構造物の水平変形が小さい範囲において負の剛性が不要である場合でも対応することができる。
さらに、本発明は、免震構造物であって、前記負の剛性装置と、復元力特性を有する装置と、減衰特性を有する装置とを備えることを特徴とする。これによって、前記負の剛性装置の負剛性を利用するとともに、地震等の後に構造物の原点復帰が容易となり、余震の際等に作動状況が不安定になることを防止することができる。ここで、復元力特性を有する装置には、ばね装置、積層ゴム支承装置等を用いることができ、減衰特性を有する装置には金属ダンパー、オイルダンパ、粘性ダンパー、摩擦ダンパー等を用いることができる。
前記負の剛性装置において、摺動体を、上部材又は下部材と互いに回転可能に当接し、該上部材又は下部材とともに前記摺動面に対して移動するように構成することができる。
そして、本発明によれば、地震等の際に、摺動体と摺動面との間の静摩擦力を超える水平力が作用すると、摺動体が上部材又は下部材との間で回転しながら摺動面の表面に沿って摺動するとともに、偏荷重が生じることで傾斜機構が傾くため徐々に下降していく。これにより、簡単な構成により、一つの装置で負の剛性と摩擦減衰の両方の機能を発揮することができ、負の剛性により、構造物への過大な入力を防止し、構造物に作用する応力を調整し、免震構造物の免震周期を延長し、摩擦減衰作用により、免震構造物の減衰効果を増加させ、トリガー機能も付与することができる。
前記負の剛性装置において、前記傾斜機構を、平面状滑り板と、弾性材からなる弾性パッドとで構成することができ、傾斜機構の弾性パッドの弾性材の硬さを変更することで、弾性パッドの寸法的な変更を行わなくとも、摺動体の移動時における弾性パッドの傾斜具合を任意に変更できるため、負の剛性の程度を調整することができる。
前記負の剛性装置において、前記弾性パッドの、前記摺動体の摺動方向の両端部側部分の弾性材の硬度と、中央側部分の弾性材の硬度とを異ならせることができる。これによって、平面状滑り板の傾斜具合を任意に変更できるため、負の剛性の程度を調整できる。
前記負の剛性装置において、前記弾性パッドの厚さを中央部から端部に向かうにつれて漸増するように形成し、該弾性パッドを前記平面状滑り板とで挟持する支持部材を備えることができる。これによって、弾性パッドの端部の方が中央部より変形が大きくなるとともに、弾性パッドに生ずるせん断変形を抑制することができる。
前記負の剛性装置において、前記傾斜機構を、平面状滑り板と、弾性体と薄肉鋼板とを積層した積層体とすることができ、積層体を構成する弾性体と薄肉鋼板の組み合わせを変更することによって、転動体の移動による傾斜機構の傾斜具合を任意に変更することができ、これによって、負剛性の程度を調整することができる。
前記積層体の、前記摺動体の摺動方向の両端部側部分の薄肉鋼板の積層数と、中央側部分の薄肉鋼板の積層数とを異ならせることができる。これによって、平面状滑り板の傾斜具合を任意に変更できるため、負の剛性の程度を調整できる。
前記負の剛性装置において、前記傾斜機構を、上方又は下方が開口した箱状の下沓又は上沓に収納し、該傾斜機構の平面状滑り板の端部を前記下沓又は上沓の内壁に当接させることができる。これによって、箱状の下沓又は上沓の内壁近傍で弾性パッドに局所的な応力集中が発生することを防止し、平面状滑り板の滑らかな傾斜を確保することができる。
前記負の剛性装置における摺動体と当接する上部材又は下部材と、該摺動体との組み合わせを上下方向に2段にわたって、かつ互いに直交した状態で配置することができ、上述の特徴を有する負の剛性装置であって、上部材又は下部材が傾斜機構の平面状滑り板に対して全方向に移動可能な負の剛性装置を実現することができる。
また、前記負の剛性装置において、前記摺動体を、前記傾斜機構の平面状滑り板上を全水平方向に摺動可能とすることができる。これによって、該摺動体と互いに回転可能に当接する上部材又は下部材が傾斜機構の平面状滑り板に対して全方向に移動可能な負の剛性装置を実現することができる。この場合においても、傾斜機構を上方又は下方が開口した箱状の下沓又は上沓に収納し、該傾斜機構の平面状滑り板の端部を前記下沓又は上沓の内壁に当接させ、平面状滑り板の滑らかな傾斜を確保することができる。
前記負の剛性装置において、前記弾性パッドの、周辺部分の弾性材の硬度と、中心部分の弾性材の硬度とを異ならせることができる。これによって、平面状滑り板の傾斜具合を任意に変更できるため、負の剛性の程度を調整できる。
前記負の剛性装置において、前記弾性パッドの厚さを中心部から周辺部分に向かうにつれて漸増するように形成し、該弾性パッドを前記平面状滑り板とで挟持する支持部材を備えることができる。これによって、弾性パッドの周辺部の方が中心部より変形が大きくなるとともに、弾性パッドに生ずるせん断変形を抑制することができる。
前記負の剛性装置において、前記積層体の、周辺部分の薄肉鋼板の積層数と、中心部分の薄肉鋼板の積層数とを異ならせることができる。これによって、平面状滑り板の傾斜具合を任意に変更できるため、負の剛性の程度を調整できる。
また、本発明は、摺動体の水平方向の摺動に伴って、該摺動体の摺動面の傾斜具合が変化する傾斜機構を備え、前記摺動体は、上部材又は下部材と互いに回転可能に当接し、該上部材又は下部材とともに前記摺動面に対して移動する負の剛性装置であって、前記傾斜機構を、前記摺動体の摺動方向の中央部分を支点とした滑り板とし、前記摺動体が該滑り板上を摺動するに従って、該滑り板の前記中央部分を支点として該滑り板が撓むように構成することができる。このような構成により、摺動体を介して付加される鉛直方向からの荷重と、装置中心からの変位量による生じる曲げモーメントにより滑り板に撓みを生じさせ、転動体が装置中心より水平移動するに従って滑り板の撓み量が大きくなることを利用して負の剛性を得ることができる。また、滑り板の断面形状等を変更することで、滑り板の傾斜具合を任意に変更できるため、負の剛性の程度を容易に調整することができる。
前記負の剛性装置において、前記滑り板の前記中央部分の支点を前記上部材又は下部材に固定することができる。これによって、摺動体が装置中心位置より水平方向へ変位を生じると、該水平変位量に応じ、鉛直方向からの荷重とで生じる曲げモーメントの大きさが変化し、水平変形が大きくなるに従い、曲げモーメントも大きくなり、その結果固定部材から張り出された滑り板部分等の撓みが増加し、負の剛性を得ることができる。
前記負の剛性装置において、前記滑り板の前記中央部分の支点を前記上部材又は下部材に固定せず、該滑り板の端部の浮き上がりを防止する浮き上がり防止機構を備えることができる。これによって、固定部材の剛性を大きくしなくとも負の剛性を得ることができる。また、一の方向へ摺動体が滑り板上を摺動し水平移動を生じた場合、シーソーのように他の方向の滑り板の端部が浮き上がり、一定の勾配となってしまうが、浮き上がり防止機構を設けることで他の方向の浮き上がりを抑制することができるため、一の方向は一定の傾斜とはならず、摺動体の水平方向の移動につれて、装置中央に配された支点部分の曲げモーメントが大きくなる結果、傾斜具合が変化し(具体的には、大きくなる方向に変化し)、負の剛性を得ることができる。
前記負の剛性装置において、前記摺動体は、前記傾斜機構の滑り板上を全水平方向に摺動可能とすることができる。これによって、該摺動体と互いに回転可能に当接する上部材又は下部材が傾斜機構の平面状滑り板に対して全方向に移動可能な負の剛性装置を実現することができる。
前記負の剛性装置において、前記滑り板の摺動方向の中央部分又は中心部分に配置される支点部材の平面寸法範囲では負の剛性を生じないように構成することができる。これによって、前記平面寸法範囲においては水平面を摺動するため、負の剛性を生じさせないことができ、構造物の水平変形が小さい範囲において負の剛性が不要である場合でも対応することができる。
さらに、本発明は、免震構造物であって、前記負の剛性装置と、復元力特性を有する装置とを備えることができる。これによって、前記負の剛性装置の負剛性を利用するとともに、地震等の後に構造物の原点復帰が容易となり、余震の際等に作動状況が不安定になることを防止することができる。ここで、復元力特性を有する装置には、ばね装置、積層ゴム支承装置等を用いることができる。
また、前記負の剛性装置において、負剛性を得る構成を、弾性体からなる弾性パッドを使用した場合、転動板又は滑り板の曲げ変形を利用した場合のいずれの場合でも、上部構造物の水平変位が復元する場合(原点へ戻る場合)には、転動体又は摺動体を原点へ復元する方向への力が作用するため、地震動が終了した際に、過大な残留変形を防止する効果もある。
以上のように、本発明によれば、負の剛性により、構造物への過大な応力を防止したり、作用する応力を調整することができ、免震構造物の免震周期を延長することもでき、一つの装置で負の剛性と摩擦減衰の両方を有するように構成することも可能で、該摩擦減衰により免震構造物の減衰効果を増すことができ、静摩擦によるトリガー機能も付与できる装置であって、簡単な構成で前記作用効果を具備する負の剛性装置及び該負の剛性装置を備えた免震構造物を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明にかかる負の剛性装置のうち、転動体の水平方向の転動に伴って、転動体の転動面を傾斜可能とした傾斜機構を備える負の剛性装置について説明するが、この負の剛性装置等の説明に先立ち、負の剛性装置の原理について簡単に説明する。
図1の左側のグラフは、積層ゴム等の正の剛性を有する装置(以下、「正の剛性装置」という)に地震等の外力が作用した場合の水平力と変位との関係を示し、右上がりの直線で表現される。すなわち、装置に外力が加わり、変位が増加すると、加えられた外力に対抗するため、各変位位置に対して水平力(抵抗力)が増加する。
一方、その右側のグラフは、負の剛性を有する装置(以下、「負の剛性装置」という)に地震等の外力が作用した場合の水平力と変位との関係を示し、右下がりの直線で表現される。すなわち、装置に外力が加わり、変位が増加すると、加えられた外力に対抗するのではなく、逆に加えられた外力により生じる変位位置に対して水平力(抵抗力)が減少する。
そして、上記正の剛性装置と負の剛性装置とを組み合わせた場合の挙動は、上記両グラフを組み合わせたものとなり、右側に示したように、任意の変位において水平力が0となり、剛性がゼロの装置となる。
前記負の剛性装置は、例えば、図2に示すように、かまぼこ形、すなわち板付かまぼこのように中高で彎形の下部材1と、この下部材1の上側表面1aに沿って転動する上部材としてのローラー2とで構成することができる。尚、上側表面1aは曲率半径Rを有する。
図2(a)に示すように、ローラー2に水平力Fが付加されると、図2(b)に示すように、ローラー2は、上側表面1a上を左方向に転動し、徐々に落下していく。この際、ローラー2の変位が大きくなるに従って、ローラー2には負の負荷が加わることとなるため、図1の真ん中に示したグラフに示すような挙動を取ることとなる。尚、図2(c)に示すように、ローラー2に右方向の水平力Fが加えられた場合も同様である。
また、前記負の剛性装置は、例えば、図3に示すように、かまぼこ形の下部材4の上側表面4aに沿って転動する上部材としての車輪5とで構成することもできる。ここで、車輪5は上方からの鉛直力Wを受けている。尚、上側表面4aは曲率半径Rを有する。
このような構成でも、図3(a)に示すように、車輪5に水平力Fが付加されると、車輪5は、図3(b)に示すように、上側表面4a上を左方向に転動し、徐々に落下していく。この際、車輪5の変位が大きくなるに従って、車輪5には負の負荷が加わることとなるため、図1の真ん中に示したグラフに示すような挙動を取ることとなる。尚、図3(c)に示すように、車輪5に右方向の水平力Fが加えられた場合も同様である。
尚、図3に示した負の剛性装置の剛性(−K)は、曲率半径Rと物体の重量Wの関係より、(−K))=W/Rとして計算され、併用される積層ゴム等の正の剛性Kと適宜組み合わせることで、装置全体の剛性を如何様にも調整することができる。
図4は、本発明にかかる負の剛性装置の第1の実施の形態を示し、この負の剛性装置10は、平面状転動板12と、弾性材からなる弾性パッド13とで構成される傾斜機構11と、ローラー14bを備えた上部材14とで構成される。上部材14は、ローラー14bが回転可能に回転軸14cに支持され、回転軸14cはブラケット14aに固定される。
上記平面状転動板12と上部材14には、ステンレス鋼材、潤滑皮膜で被覆された鋼材、又はメッキを施した鋼材等を使用することができる。弾性パッド13を形成する弾性材には、ゴム等を使用することができる。
上記構成により、図5(a)に示すように、上部材14に上方から鉛直力Wが作用した状態で、地震等により左方向の水平力Fが加わると、上部材14のローラー14bが、傾斜機構11の平面状転動板12の表面に沿って転動し、図5(b)に示すように、ローラー14bが転動した位置で荷重が傾斜機構11に加わるため、弾性パッド13に偏荷重が作用する結果、平面状転動板12が傾斜し、上部材14には負の負荷が加わることとなるため、負の剛性装置として機能し、図1の真ん中に示したグラフに示すような挙動を取ることとなる。
また、本実施の形態では、傾斜機構11の弾性パッド13の弾性材の硬さを変更することで、弾性パッド13の寸法的な変更を行わなくとも、上部材14の移動時における弾性パッド13の傾斜具合を任意に変更できるため、負の剛性の程度を調整できるという利点がある。また、弾性パッド13の転動方向の両端部側部分の弾性材の硬度と、中央側部分の弾性材の硬度を変えることで傾斜具合を任意に変更できるため、負の剛性の程度を調整できる。
図6は、本発明にかかる負の剛性装置の第2の実施の形態を示し、この負の剛性装置20は、第1の実施の形態における弾性パッド13に代えて、弾性体23aと薄肉鋼板23bとを積層した積層体23を備え、平面状転動板22との組み合わせで傾斜機構21を構成する。尚、上部材14は、第1の実施の形態と同様の構成を有する。
上記構成により、上部材14のローラー14bが、傾斜機構21の平面状転動板22の上側表面に沿って転動すると、平面状転動板22が傾斜し、負剛性を付与することができる。また、本実施の形態では、積層体23を構成するゴム等の弾性体23aと、薄肉鋼板23bとの組み合わせを変更することによって、また、積層体23の転動方向の両端部側部分と中央側部分とで弾性体23aと薄肉鋼板23bの組み合わせを変更することによって、上部材14の移動による傾斜機構の傾斜具合を任意に変更することができ、これによって、負剛性の程度を調整することができる。
尚、上記実施の形態においては、傾斜機構11、21と、ローラー14bを備えた上部材14とを組み合わせたが、これらを上下方向に反転し、下部材にローラーを設け、上方の傾斜構造の平面状転動板の表面に沿って転動させるようにして、上記と同様の作用効果を奏するように構成することもできる。
次に、本発明にかかる負の剛性装置の第3の実施の形態について、図7を参照しながら説明する。
この負の剛性装置30は、平面状転動板32と、弾性材からなる弾性パッド33とで構成される傾斜機構31と、平面状転動板32上を転動するローラー34bを備える中間部材34と、中間部材34の上側表面34dを転動するローラー35bを備えた上部材35とで構成される。尚、ローラー34bの軸線と、ローラー35bの軸線とは互いに直交する。
中間部材34は、ローラー34bが回転可能に回転軸34cに支持され、回転軸34cはブラケット34aに固定される。上部材35は、ローラー35bが回転可能に回転軸35cに支持され、回転軸35cはブラケット35aに固定される。
上記構成により、中間部材34のローラー34bが、傾斜機構31の平面状転動板32の表面に沿って転動すると、平面状転動板32が傾斜して、負剛性を与えることが可能となり、図1の真ん中に示したグラフに示すような挙動を取ることとなる。
また、本実施の形態では、中間部材34と上部材35とは、ともに平面状転動板32に対して直交するように配置されているため、上部材35は、中間部材34に対して図7の紙面の表裏方向に移動可能であり、一方、中間部材34は平面状転動板32に対して図7の左右方向に移動可能となる。これによって、上部材35は、中間部材34を介して平面状転動板32に対して全方向に移動することができる。
尚、上記実施の形態においては、傾斜機構31と、ローラー34bを備えた中間部材34と、ローラー35bを備えた上部材35とを組み合わせたが、これらを上下方向に反転し、下部材及び中間部材にローラーを備えるようにし、上方に配置した傾斜機構と組み合わせるようにして、上記と同様の作用効果を奏するように構成することもできる。
次に、本発明にかかる負の剛性装置を用いた免震構造物の第1の実施の形態について、図8を参照しながら説明する。
この免震構造物40は、構造物41に、図4に示した負の剛性装置10と、積層ゴム42と、減衰器43とを設置することにより構成される。
積層ゴム42は、そのせん断剛性が線形ではなく、歪が大きいとハードニング現象により剛性が高くなる。そのため、本発明にかかる負の剛性装置10と組み合わせることにより、広い範囲で線形性を得ることが可能となる。
また、地震発生後は、構造物41を所定の位置、すなわち構造物の原点に復帰させるにあたって、負の剛性装置10は抵抗力として作用する。そのため、復元力特性を有する積層ゴム42によって原点復帰を行う。
次に、本発明にかかる負の剛性装置のうち、摺動体の水平方向の摺動に伴って、摺動体が摺動する面を傾斜可能とした傾斜機構を備える負の剛性装置について説明するが、この負の剛性装置等の説明に先立ち、負の剛性を有する振動エネルギ吸収装置(ダンパー)の原理について説明する。
図9は、従来例を説明するためのものであって、例えば、左側のグラフに示すような正の剛性を有する積層ゴムに、真ん中の楕円形状の挙動を示す粘性ダンパーを取り付けた場合には、免震システムとして右側に示すような挙動を示すこととなる。ここで、積層ゴムの持つ剛性と変位量から求められる水平力に対し、ダンパーの持つ減衰分の水平力が加算されるのであるが、大地震等のせん断速度が大きい場合においては、粘性ダンパーに生じるばね要素がさらに加わるため、システム全体として考えた場合、構造物に生じる水平力が増加し、構造物の持つ耐力以上になる虞がある。
そこで、図10に示すように、左側のグラフに示すような正の剛性を有する積層ゴムに、真ん中の右下がりの直線と縦軸に平行な直線からなる平行四辺形状の挙動を示すダンパー(滑り型の負剛性ダンパー、以下、単に「負の剛性装置」という)を取り付けると、免震システムとして右側に示すような正方形状の挙動を得ることが可能となる。すなわち、積層ゴムの持つ剛性と変位量から求められる水平力に対し、負の剛性装置の持つ履歴減衰分の水平力が加算されても、システム全体として考えた場合、構造物に生じる水平力が増加することを抑制することができ、構造物の持つ耐力以上になることを防止し得る。
図11は、本発明にかかる負の剛性装置の第4の実施の形態を示し、この負の剛性装置50は、平面状滑り板52と、弾性材からなる弾性パッド53とで構成される傾斜機構51と、傾斜機構51の平面状滑り板52の表面に沿って摺動する摺動体54と、上部材55とで構成される。
図12に示すように、上部材55は、下方に開口する凹曲面状溝55aを有する。摺動体54は、上部材55の凹曲面状溝55aと同一曲率の凸曲面状上表面54aを有する。これによって、上部材55と摺動体54とが組み合わされた状態で、摺動体54が上部材55との間で回転しながら平面状滑り板52の上表面を摺動し、これに伴い上部材55が傾斜機構51に対して相対移動することができる。
摺動体54の摺動表面には所望の摩擦係数に応じ、フッ素樹脂等の樹脂系材料、交織布系材料、ベアリングプレート(固体潤滑剤付きを含む)等を使用することができ、上部材55及び平面状滑り板52には、ステンレス鋼材、潤滑皮膜で被覆された鋼材、又はメッキを施した鋼材等を使用することができる。また、上部材55には、構造物の重量に加え、上部材55を上方からばね等で押圧することにより負荷を加え所望の摩擦力を得ることもできる。
上記構成により、図12(a)に示すように、上部材55が上方からの鉛直力Wを受けている状態で、地震等によって摺動体54に左方向の水平力Fが付加され、平面状滑り板52と摺動体54との間の静摩擦力を超える水平力が作用すると、摺動体54は、図12(b)に示すように、上部材55の凹曲面状溝55aとの間で回転しながら上部材55とともに平面状滑り板52の表面に沿って左方向に摺動し、その際偏荷重が傾斜機構51に作用するため、平面状滑り板52が傾斜し、徐々に下降していく。この際、摺動体54の変位が大きくなるに従って、摺動体54には負の負荷が加わることとなるため、図10の真ん中に示したグラフに示すような挙動を取ることとなる。
また、弾性パッド53の弾性体の硬さを変更することで、傾斜機構51の傾斜具合を任意に変更できるため、負の剛性の程度を調整できる。さらに、弾性パッド53の摺動方向の両端部側部分の弾性材の硬度と、中央側部分の弾性材の硬度を変えることで、傾斜機構51の傾斜具合を任意に変更できるため、負の剛性の程度を調整できる。
図13は、本発明にかかる負の剛性装置の第5の実施の形態を示し、この負の剛性装置60は、傾斜機構61の弾性パッド63の厚さを中央部から端部に向かうにつれて漸増するように形成し、この弾性パッド63を平面状滑り板62とで挟持する支持部材64を備える。尚、摺動体54及び上部材55は、第4の実施の形態と同様の構成を有する。
上記構成により、摺動体54が上部材55とともに、傾斜機構61の平面状滑り板62の表面に沿って摺動すると、平面状滑り板62が傾斜し、負剛性を付与することができる。ここで、弾性パッド63の厚さを中央部から端部に向かうにつれて漸増するように形成しているため、弾性パッド63の端部の方が中央部より変形が大きくなるとともに、摺動体54が平面滑り板62の表面に沿って摺動する際の摩擦力により生ずる弾性パッド63のせん断変形を抑制することができる。
図14は、本発明にかかる負の剛性装置の第6の実施の形態を示し、この負の剛性装置70は、図11に示した第4の実施の形態における弾性パッド53に代えて、弾性体73aと薄肉鋼板73bとを積層した積層体73を備え、平面状滑り板72との組み合わせで傾斜機構71を構成する。尚、摺動体54と、上部材55とは、第4の実施の形態と同様の構成を有する。このように構成することにより、積層体73の弾性体73aと薄肉鋼板73bの組み合わせを変更して、摺動体54の移動による傾斜機構の傾斜具合を任意に変更することができ、これによって、負剛性の程度を調整することができる。
図15は、本発明にかかる負の剛性装置の第7の実施の形態を示し、この負の剛性装置80は、平面状滑り板82と、弾性材からなる弾性パッド83とで構成される傾斜機構81を、上方が開口した箱状の下沓84に収納している。また、この際、平面状滑り板82の端部を下沓84の内壁に当接するように構成している
この下沓84を設けるとともに、平面状滑り板82との位置関係を上述のようにした理由は以下のとおりである。すなわち、図16に示すように、下沓84を設けただけでは、図16(a)の状態で摺動体54に鉛直力W及び左方向の水平力Fが加わると、図16(b)に示すように、平面状滑り板82の左端部により、弾性パッド83の左端部に局所的に応力が集中して弾性パッド83の一部83aが盛り上がり、平面状滑り板82の滑らかな傾斜が妨げられる。
そこで、図17に示すように、平面状滑り板82の端部を下沓84の内壁に当接するように構成すると、図17(a)の状態で摺動体54に鉛直力W及び左方向の水平力Fが加わると、図17(b)に示すように、平面状滑り板82の左端部が下沓84の内壁に沿って下方に移動するため、弾性パッド83に局所的な応力集中が発生することがなく、平面状滑り板82が滑らかに傾斜することができる。
図18は、本発明にかかる負の剛性装置の第8の実施の形態を示し、この負の剛性装置90は、図14及び図15に示した各々の構成を組み合わせたものであり、箱状の下沓94によって、平面状滑り板92の滑らかな傾斜を確保するとともに、弾性体93aと薄肉鋼板93bとを積層した積層体93を用いて摺動体54の移動による傾斜機構91の傾斜を任意に変更することができる。
次に、本発明にかかる負の剛性装置の第9の実施の形態について、図19を参照しながら説明する。
この負の剛性装置100は、平面状滑り板102と、弾性材からなる弾性パッド103とで構成される傾斜機構101と、第1の摺動体104と、中間部材105と、第2の摺動体106と、上部材107とで構成される。ここで、第1の摺動体104は、中間部材105とともに平面状滑り板102の表面に沿って摺動し、第2の摺動体106は、上部材107とともに中間部材105の上表面に沿って摺動する。また、第1の摺動体104の軸線と、第2の摺動体106の軸線とは互いに直交する。
この負の剛性装置100は、図11に示した負の剛性装置50における摺動体54及び上部材55を上下方向に2段にわたって、かつ互いに直交した状態で配置したものであって、負の剛性装置50と同様の効果を奏するとともに、上部材107は、中間部材105に対して第1の摺動体104の軸線に対して垂直な方向に移動可能であり、一方、中間部材105は平面状滑り板102に対して第1の摺動体104の軸線に対して垂直な方向に移動可能となる。これによって、上部材107は、中間部材105を介して平面状滑り板102に対して全方向に移動することが可能となる。
尚、上記実施の形態においては、下方に開口する凹曲面状溝を有する上部材107と、下方に開口する凹曲面状溝を有する中間部材105と、傾斜機構101と、2つの摺動体104、106を組み合わせたが、これらを上下方向に反転し、上方に開口する凹曲面状溝を有する下部材と、上方に開口する凹曲面状溝を有する中間部材と、傾斜機構と、2つの摺動体を組み合わせることによって、上記の負の剛性装置と同様の作用効果を奏するように構成することもできる。
次に、本発明にかかる負の剛性装置の第10の実施の形態について、図20を参照しながら説明する。
この負の剛性装置110は、平面状滑り板112と、弾性材からなる弾性パッド113とで構成される傾斜機構111と、摺動体114と、上部材115とで構成される。ここで、上部材115は、下方に開口する球面状凹部115aを有し、摺動体114は、上部材115の球面状凹部115aと同一曲率の凸球面状上表面114aを有する。
図20(c)に示すように、上部材115と、摺動体114と、傾斜機構111とを組み合わせ、上部材115の上方から鉛直力Wを付加する。そして、地震等により、摺動体114に右方向の水平力Fが付加され、摺動体114と傾斜機構111との間に静摩擦力を超える水平力が作用すると、摺動体114は、上部材115の球面状凹部115aとの間で回転しながら上部材115とともに傾斜機構111の平面状滑り板112の表面に沿って摺動し、その際偏荷重が傾斜機構111に作用するため、平面状滑り板112が傾斜し、徐々に下降していく。この際、上部材115の変位が大きくなるに従って、上部材115には負の負荷が加わることとなるため、前述の図10の真ん中に示したグラフに示すような挙動を取ることとなる。
また、本実施の形態においては、摺動体114と上部材115とが互いに球面で接触しているため、上部材115は、傾斜機構111に対して全方向に移動することができる。また、弾性パッド113の弾性体の硬さを変更することで、傾斜機構111の傾斜具合を任意に変更できるため、負の剛性の程度を調整できる。さらに、弾性パッド113の周辺部分の弾性材の硬度と、中心部分の弾性材の硬度を変えることで、傾斜機構111の傾斜具合を任意に変更できるため、負の剛性の程度を調整できる。
尚、傾斜機構111の弾性パッド113の厚さを中心部から周辺部分に向かうにつれて漸増するように形成し、この弾性パッド113を平面状滑り板112とで挟持する、例えば、ドーム状の支持部材(図示せず)を備えることで、弾性パッド113の周辺部の方が中央部より変形が大きくなるとともに、摺動体114が平面滑り板112の表面に沿って摺動する際の摩擦力により生ずる弾性パッド113のせん断変形を抑制できる。
尚、上記実施の形態においては、下方に開口する球面状凹部115aを有する上部材115と、凸球面状上表面114aを有する摺動体114と、傾斜機構111とを組み合わせたが、これらを上下方向に反転し、下部材に上方に開口する球面状凹部を設け、上方に傾斜機構111を設け、これらの間を摺動体114が摺動するように構成し、上記と同様の作用効果を奏することもできる。
次に、本発明にかかる負の剛性装置を用いた免震構造物の一実施の形態について、図21を参照しながら説明する。
この免震構造物120は、構造物121に、図15の負の剛性装置80と、積層ゴム122を設置することにより構成される。
積層ゴム122は、そのせん断剛性が線形ではなく、歪が大きいとハードニング現象により剛性が高くなる。そのため、本発明にかかる負の剛性装置80と組み合わせることにより、免震構造物全体の特性として広い範囲で線形性を有する剛性と、併せて減衰を得ることが可能となる。
また、地震発生後は、構造物121を所定の位置、すなわち構造物の原点に復帰させるにあたって、負の剛性装置80は抵抗力として作用する。そのため、復元力特性を有する積層ゴム122によって原点復帰を行う。
図22は、本発明にかかる負の剛性装置の第11の実施の形態を示し、この負の剛性装置130は、図22(a)及び(c)に示すように、下部材135にボルト137で固定された支持部133及び滑り板132とで構成される傾斜機構131と、滑り板132の上表面を摺動する摺動体134と、上部材136とで構成される。
支持部133は、滑り板132の支点として機能する。滑り板132は金属板等からなり、中央部において支持部133に固定されている。
図22(c)に示すように、上部材136は、下方に開口する凹曲面状溝136aを有する。摺動体134は、上部材136の凹曲面状溝136aと同一曲率の凸曲面状上表面134aを有する。これによって、上部材136と摺動体134とが組み合わされた状態で、摺動体134が上部材136との間で回転しながら滑り板132の上表面を摺動し、これに伴い上部材136が傾斜機構131に対して相対移動することができる。
上記構成により、図22(a)に示すように、上部材136が上方からの鉛直力Wを受けている状態で、地震等によって右方向の水平力Fが付加され、滑り板132と摺動体134との間の静摩擦力を超える水平力が作用すると、摺動体134は、図22(b)に示すように、上部材136との間で回転しながら上部材136とともに滑り板132の表面に沿って右方向に摺動し、その際、偏荷重が滑り板132に作用するため、滑り板132が弾性変形して傾斜し、摺動体134は徐々に下降していく。この際、摺動体134の変位が大きくなるに従って、摺動体134には負の負荷が加わることとなるため、図10の真ん中に示したグラフに示すような挙動を取ることとなる。
また、負の剛性装置130が実際に施工された場合に、負の剛性装置130の負剛性の程度が使用上好ましくなかった場合でも、滑り板132の厚みを加工により薄くして撓み易くしたり、滑り板132の下面側に適宜リブを設け、滑り板132の断面係数を大きくすることで撓みにくくしたりすることができ、容易に最適な負剛性を提供することが可能となる。
また、図22(c)に示すように、支持部133の平面寸法Lを任意に変化させることで、平面寸法Lの範囲においては、摺動体134が水平方向に摺動する結果、負の剛性を生じさせないようにすることができる。これにより、負の剛性装置130を設置する構造物の水平変形が小さい範囲において、負の剛性が不要である場合においても容易に対応することができる。
図23は、本発明にかかる負の剛性装置の第12の実施の形態を示し、この負の剛性装置140は、図23(a)及び(c)に示すように、図示しない下部材に固定される浮き上がり防止部材144と、浮き上がり防止部材144の内部に配置された支持部143及び滑り板142とで構成される傾斜機構141と、滑り板142の上表面を摺動する摺動体145と、上部材146とで構成される。
支持部143は、浮き上がり防止部材144の内側上面に固定され、滑り板142の支点として機能する。滑り板142は金属板等からなり、中央部において支持部143に支持されているが、支持部143に固定されていない。浮き上がり防止部材144は、滑り板142の上方に位置する曲折部144aにおいて滑り板142の両端部を覆うように構成される。
図23(c)に示すように、上部材146は、下方に開口する凹曲面状溝146aを有する。摺動体145は、上部材146の凹曲面状溝146aと同一曲率の凸曲面状上表面145aを有する。これによって、上部材146と摺動体145とが組み合わされた状態で、摺動体145が上部材146との間で回転しながら滑り板142の上表面を摺動し、これに伴い上部材146が傾斜機構141に対して相対移動することができる。
上記構成により、図23(a)に示すように、上部材146が上方からの鉛直力Wを受けている状態で、地震等によって右方向の水平力Fが付加され、滑り板142と摺動体145との間の静摩擦力を超える水平力が作用すると、摺動体145は、図23(b)に示すように、上部材146との間で回転しながら上部材146とともに滑り板142の表面に沿って右方向に摺動し、その際、偏荷重が滑り板142に作用するため、滑り板142が弾性変形して傾斜し、摺動体145は徐々に下降していく。この際、摺動体145の変位が大きくなるに従って、摺動体145には負の負荷が加わることとなるため、図10の真ん中に示したグラフに示すような挙動を取ることとなる。
本実施の形態では、滑り板142を支持部143に固定せずに、滑り板142の端部の浮き上がりを防止する浮き上がり防止部材144を設けているため、支持部143の剛性を大きくしなくとも負の剛性を得ることができる。また、摺動体145が滑り板142上を右方向に摺動し水平移動を生じた場合、滑り板142の左側の端部が浮き上がり、一定の勾配になろうとするが、浮き上がり防止部材144によって滑り板142の左側の端部の浮き上がりを防止することができるため、滑り板142は一定の傾斜とはならず、摺動体145の水平方向の移動につれて支持部143への曲げモーメントが大きくなり、滑り板142の傾斜具合が大きくなるような負の剛性を得ることができる。
尚、この負の剛性装置140においても、図22に示した負の剛性装置130と同様に、滑り板142の断面形状を変化させたり、滑り板142の下面側に適宜リブを設けて断面係数を大きくすることで容易に最適な負剛性を提供することが可能となる。また、支持部143の平面寸法を任意に変化させることで、負の剛性を生じさせない範囲を変化させ、負の剛性が不要である場合に容易に対応することもできる。
図24は、本発明にかかる負の剛性装置の第13の実施の形態を示し、この負の剛性装置150は、図示しない下部材に固定される浮き上がり防止部材154(154a〜154c)と、浮き上がり防止部材154の内部に配置された支持部153及び滑り板152とで構成される傾斜機構151と、滑り板152の上表面を摺動する摺動体155と、上部材156とで構成される。
支持部153は、浮き上がり防止部材154の基部154aの内側上面に固定され、滑り板152の支点として機能する。滑り板152は、円形の金属板等からなり、中心部において支持部153に支持されているが、支持部153に固定されていない。浮き上がり防止部材154は、滑り板152の上方に位置する曲折部154eにおいて滑り板152の周辺部を覆うように構成される。
浮き上がり防止部材154は、中心部に支持部153の下部を挿入可能な穴部154fと、側面に複数の雌ねじ部154gを備えた円板状の基部154aと、基部154aに雄ねじ154dと雌ねじ部154gを介して固定される側壁部154b、154cとで構成され、組み立てられた状態で、図24(b)に示すように、基部154aの中心部において支持部153を支持するとともに、滑り板152の周辺部を曲折部154eによって覆うように構成される。
図24(b)に示すように、上部材156は、下方に開口する球面状凹部156aを有する。摺動体155は、上部材156の球面状凹部156aと同一曲率の凸球面状上表面155aを有する。これによって、上部材156と摺動体155とが組み合わされた状態で、摺動体155が上部材156との間で回転しながら滑り板152の上表面を摺動し、これに伴い上部材156が傾斜機構151に対して相対移動することができる。
上記構成により、図24(b)に示すように、上部材156が上方からの鉛直力Wを受けている状態で、地震等によって右方向の水平力Fが付加され、滑り板152と摺動体155との間の静摩擦力を超える水平力が作用すると、摺動体155は、上部材156との間で回転しながら上部材156とともに滑り板152の表面に沿って右方向に摺動し、その際、偏荷重が滑り板152に作用するため、滑り板152が弾性変形して傾斜し、摺動体155は徐々に下降していく。この際、摺動体155の変位が大きくなるに従って、摺動体155には負の負荷が加わることとなるため、図10の真ん中に示したグラフに示すような挙動を取ることとなる。
本実施の形態では、上部材156と摺動体155とを球面構造を介して回転可能に組み合わせたため、上部材156及び摺動体155が滑り板152上を全水平方向に移動可能となり、いずれの方向の振動に対しても対応することができる。
また、滑り板152の端部の浮き上がりを防止する浮き上がり防止部材154を設けているため、支持部153の剛性を大きくしなくとも負の剛性を得ることができるなどの利点があることは、図22及び図23に示した負の剛性装置130、140と同様であり、滑り板152の断面形状を変化させたり、滑り板152の下面側に適宜リブを設けて断面係数を大きくすることで容易に最適な負剛性を提供することも可能である。また、支持部153の平面寸法を任意に変化させ、負の剛性が不要である場合に容易に対応することもできる。
尚、図22乃至図24に示した実施の形態においては、摺動体を備えた負の剛性装置の場合を例にとって説明したが、図2乃至図6に示したような転動体を備えた負の剛性装置についても、同様に傾斜機構131、141、151と組み合わせることで負の剛性装置を構成することもできる。
また、図21において、負の剛性装置80に代えて、図22乃至図24に示した負の剛性装置130、140、150のいずれかを設置することができ、積層ゴム122と組み合わせて広い範囲で線形性を有する剛性と、併せて減衰を得ることができるとともに、地震発生後は、構造物121を所定の位置、すなわち構造物の原点に復帰させるにあたって、負の剛性装置120等も抵抗力として作用する。そのため、復元力特性を有する積層ゴム122によって原点復帰を行う。
さらに、図22乃至図24に示した負の剛性装置130、140、150の摺動体134、145、155に代えて、転動体を備えた負の剛性装置についても、図8において、負の剛性装置10に代えて設置することができ、積層ゴム42と組み合わせて広い範囲で線形性を得るとともに、地震発生後は、構造物41を所定の位置、すなわち構造物の原点に復帰させるにあたって、負の剛性装置は抵抗力として作用するため、復元力特性を有する積層ゴム42によって原点復帰を行う。
負の剛性装置の原理を説明するための図である。 負の剛性装置の一例を示す図である。 負の剛性装置の一例を示す図である。 本発明にかかる負の剛性装置の第1の実施の形態を示す斜視図である。 図4の負の剛性装置の動作説明図である。 本発明にかかる負の剛性装置の第2の実施の形態を示す斜視図である。 本発明にかかる負の剛性装置の第3の実施の形態を示す正面図である。 本発明にかかる負の剛性装置と、復元力特性を有する装置とを組み合わせた免震構造物の一実施の形態を示す正面図である。 従来の線形ダンパーを用いた構造物全体の水平力−変位履歴を説明するための図である。 本発明にかかる負の剛性装置を用いた構造物全体の水平力−変位履歴を説明するための図である。 本発明にかかる負の剛性装置の第4の実施の形態を示す斜視図である。 図11の負の剛性装置の動作説明図である。 本発明にかかる負の剛性装置の第5の実施の形態を示す斜視図である。 本発明にかかる負の剛性装置の第6の実施の形態を示す斜視図である。 本発明にかかる負の剛性装置の第7の実施の形態を示す斜視図である。 図15の負の剛性装置の作用効果を説明するための断面図である。 図15の負の剛性装置の作用効果を説明するための断面図である。 本発明にかかる負の剛性装置の第8の実施の形態を示す斜視図である。 本発明にかかる負の剛性装置の第9の実施の形態を示す斜視図である。 本発明にかかる負の剛性装置の第10の実施の形態を示す図であって、(a)は分解斜視図、(b)は分解断面図、(c)は組立断面図である。 本発明にかかる負の剛性装置と、復元力特性を有する装置とを組み合わせた免震構造物の一実施の形態を示す一部断面図である。 本発明にかかる負の剛性装置の第11の実施の形態の構成及び動作を説明するための図であって、(a)は初期状態を示す斜視図、(b)は振動が付加された場合の斜視図、(c)は(a)の断面図である。 本発明にかかる負の剛性装置の第12の実施の形態の構成及び動作を説明するための図であって、(a)は初期状態を示す斜視図、(b)は振動が付加された場合の斜視図、(c)は(a)の正面図である。 本発明にかかる負の剛性装置の第13の実施の形態を示す図であって、(a)は分解斜視図、(b)は断面図である。
符号の説明
1 下部材
1a 上側表面
2 ローラー
4 下部材
4a 上側表面
5 車輪
10 負の剛性装置
11 傾斜機構
12 平面状転動板
13 弾性パッド
14 上部材
14a ブラケット
14b ローラー
14c 回転軸
20 負の剛性装置
21 傾斜機構
22 平面状転動板
23 積層体
23a 弾性体
23b 薄肉鋼板
30 負の剛性装置
31 傾斜機構
32 平面状転動板
33 弾性パッド
34 中間部材
34a ブラケット
34b ローラー
34c 回転軸
34d 上側表面
35 上部材
35a ブラケット
35b ローラー
35c 回転軸
40 免震構造物
41 構造物
42 積層ゴム
43 減衰器
50 負の剛性装置
51 傾斜機構
52 平面状滑り板
53 弾性パッド
54 摺動体
54a 凸曲面状上表面
55 上部材
55a 凹曲面状溝
60 負の剛性装置
61 傾斜機構
62 平面状滑り板
63 弾性パッド
64 支持部材
70 負の剛性装置
71 傾斜機構
72 平面状滑り板
73 積層体
73a 弾性体
73b 薄肉鋼板
80 負の剛性装置
81 傾斜機構
82 平面状滑り板
83 弾性パッド
83a 弾性パッドの一部(盛り上がり部)
84 下沓
90 負の剛性装置
91 傾斜機構
92 平面状滑り板
93 積層体
93a 弾性体
93b 薄肉鋼板
94 下沓
100 負の剛性装置
101 傾斜機構
102 平面状滑り板
103 弾性パッド
104 第1の摺動体
105 中間部材
106 第2の摺動体
107 上部材
110 負の剛性装置
111 傾斜機構
112 平面状滑り板
113 弾性パッド
114 摺動体
114a 凸球面状上表面
115 上部材
115a 球面状凹部
120 免震構造物
121 構造物
122 積層ゴム
130 負の剛性装置
131 傾斜機構
132 滑り板
133 支持部
134 摺動体
134a 凸曲面状上表面
135 下部材
136 上部材
136a 凹曲面状溝
137 ボルト
140 負の剛性装置
141 傾斜機構
142 滑り板
143 支持部
144 浮き上がり防止部材
144a 曲折部
145 摺動体
145a 凸曲面状上表面
146 上部材
146a 凹曲面状溝
150 負の剛性装置
151 傾斜機構
152 滑り板
153 支持部
154 浮き上がり防止部材
154a 基部
154b 側壁部
154c 側壁部
154d 雄ねじ
154e 曲折部
154f 穴部
154g 雌ねじ部
155 摺動体
155a 凸球面状上表面
156 上部材
156a 球面状凹部
【0003】
ことになり、施工面での工夫が必要となる。
[0012]
すなわち、特許文献1に記載の負の剛性装置は、免震構造物として小地震時や風による比較的小さな入力の場合には、免震構造物が不要な振動を生じないように、通常与えられるトリガー機能を負担することができず、該負の剛性装置を使用した場合は、別途設ける復元力(原点復帰能力)を有する装置及び/又はエネルギ吸収装置にトリガー機能を持たせる必要があった。
[0013]
また、特許文献1の負の剛性装置には、負の剛性を得るための手段として、可動部材が重力の作用する方向(鉛直方向)に滑らかに摺動するための方法として、下部材の表面形状を円弧状とする加工が施されているが、加工精度が必要であり、その分装置の製造コストが上昇するという問題があった。
[0014]
一方、前記振動エネルギ吸収装置として用いられるオイルダンパーは、振動速度に比例した減衰力を概略仮定することで、減衰定数という形式で性能を設定することができるが、その際に構造物の持つ剛性と変位量から求められる水平力に対し、該オイルダンパーの持つ履歴減衰分の水平力が加算され、構造物に生じる水平力が構造物の持つ耐力以上になる可能性がある。
[0015]
すなわち、ダンパーを付加することによって免震・制振効果を持たせているが、ダンパーを付加することで、剛性力を見かけ上増加させる結果となり、ダンパーを設置した構造物に、より大きな負荷を与える虞がある。従って、構造物の持つ剛性力以上の負荷をダンパーが構造物に与えてしまうという問題が生じている。
[0016]
また、特許文献2に記載の負の剛性を有する振動エネルギ吸収装置は、免震構造物に使用する際、全体の剛性を特に大きくすることはないという利点があり、免震構造物の免震周期を伸ばし、免震効果を高めるという効果がある。その反面、構造そのものが複雑であり、さらには該負の剛性を有する振動エネルギ吸収装置の制御のために検出手段を別途設ける必要があった。
[0017]
そこで、本発明は、上記従来の負の剛性装置における問題点に鑑みてなされたものであって、負の剛性により、構造物への過大な応力を防止したり、作用する応力を調整できる上に、復元力を有する装置(例えば積層ゴム体)の復元力を特に大きくする必要がないため免震構造物の免震周期を延長でき、また、一つの装置で負の剛性
【0004】
と摩擦減衰の両方を得ることも可能で、該摩擦減衰により免震構造物の減衰効果を増すことができ、静摩擦によるトリガー機能も付与できる装置であって、さらには加工精度を要する円弧状の部品を使用しなくとも簡単な構成で前記作用効果を具備する負の剛性装置及び該負の剛性装置を備えた免震構造物を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0018]
上記目的を達成するため、本発明は、負の剛性装置であって、転動体又は摺動体の水平方向の転動又は摺動に伴って変形し、該転動体又は摺動体の水平変位が大きくなるほど、該転動体の転動面又は該摺動体の摺動面の下方への傾斜具合が大きくなる傾斜機構を備えることを特徴とする。
[0019]
そして、本発明によれば、前記転動体と傾斜機構とを組み合わせることにより、簡単な構成を有し、加工も容易で、製造コストを低く抑えることが可能な負の剛性装置を提供することができ、構造物への過大な応力を防止したり、作用する応力を調整することができる。また、前記摺動体と傾斜機構とを組み合わせることにより、一つの装置で負の剛性と摩擦減衰の両方を有し、摩擦減衰により免震構造物の減衰効果を増すことができ、静摩擦によるトリガー機能も付与することが可能な負の剛性装置を提供することができる。
[0020]
前記負の剛性装置において、前記転動体は、ローラー又は車輪であって、該ローラー又は車輪を上部材又は下部材に備えることができる。
[0021]
本発明によれば、地震等の際に、上部材又は下部材のローラー又は車輪が水平方向に転動すると、転動面が傾斜するため、負の剛性を与えることができる。これによって、例えば、複合的に使用する積層ゴム体の歪依存を考え合わせると、該積層ゴムのせん断剛性は線形でないため、詳しくは歪が大きいとハードニング現象により剛性が高くなることから、本発明にかかる負の剛性装置と組み合わせることにより、簡単な構成によって、広い範囲で線形性を得ることが可能となる。
[0022]
前記負の剛性装置において、前記傾斜機構を、平面状転動板と、弾性材からなる弾性パッドとで構成することができる。傾斜機構の弾性パッドの弾性材の硬さを変更することで、弾性パッドの寸法的な変更を行わなくとも、転動体の移動時における弾性パッドの傾斜具合を任意に変更できるため、負の剛性の程度を調整することができ
【0012】
[0061]
このような構成でも、図3(a)に示すように、車輪5に水平力Fが付加されると、車輪5は、図3(b)に示すように、上側表面4a上を左方向に転動し、徐々に落下していく。この際、車輪5の変位が大きくなるに従って、車輪5には負の負荷が加わることとなるため、図1の真ん中に示したグラフに示すような挙動を取ることとなる。尚、図3(c)に示すように、車輪5に右方向の水平力Fが加えられた場合も同様である。
[0062]
尚、図3に示した負の剛性装置の剛性(−K)は、曲率半径Rと物体の重量Wの関係より、(−K)=W/Rとして計算され、併用される積層ゴム等の正の剛性Kと適宜組み合わせることで、装置全体の剛性を如何様にも調整することができる。
[0063]
図4は、本発明にかかる負の剛性装置の第1の実施の形態を示し、この負の剛性装置10は、平面状転動板12と、弾性材からなる弾性パッド13とで構成される傾斜機構11と、ローラー14bを備えた上部材14とで構成される。上部材14は、ローラー14bが回転可能に回転軸14cに支持され、回転軸14cはブラケット14aに固定される。
[0064]
上記平面状転動板12と上部材14には、ステンレス鋼材、潤滑皮膜で被覆された鋼材、又はメッキを施した鋼材等を使用することができる。弾性パッド13を形成する弾性材には、ゴム等を使用することができる。
[0065]
上記構成により、図5(a)に示すように、上部材14に上方から鉛直力Wが作用した状態で、地震等により左方向の水平力Fが加わると、上部材14のローラー14bが、傾斜機構11の平面状転動板12の表面に沿って転動し、図5(b)に示すように、ローラー14bが転動した位置で荷重が傾斜機構11に加わるため、弾性パッド13に偏荷重が作用する結果、平面状転動板12が傾斜し、上部材14には負の負荷が加わることとなるため、負の剛性装置として機能し、図1の真ん中に示したグラフに示すような挙動を取ることとなる。
[0066]
また、本実施の形態では、傾斜機構11の弾性パッド13の弾性材の硬さを変更することで、弾性パッド13の寸法的な変更を行わなくとも、上部材14の移動時における弾性パッド13の傾斜具合を任意に変更できるため、負の剛性の程度を調整できるという利点がある。また、弾性パッド13の転動方向の両端部側部分の弾性材の硬度と、中央側部分の弾性材の硬度を変えることで傾斜具合を任意に変更できるため、負の剛性の程度を調整できる。

Claims (30)

  1. 転動体又は摺動体の水平方向の転動又は摺動に伴って、該転動体の転動面又は該摺動体の摺動面の傾斜具合が変化する傾斜機構を備えることを特徴とする負の剛性装置。
  2. 前記転動体は、ローラー又は車輪であって、該ローラー又は車輪を上部材又は下部材に備えることを特徴とする請求項1に記載の負の剛性装置。
  3. 前記傾斜機構は、平面状転動板と、弾性材からなる弾性パッドとで構成されることを特徴とする請求項2に記載の負の剛性装置。
  4. 前記弾性パッドの、前記転動体の転動方向の両端部側部分の弾性材の硬度と、中央側部分の弾性材の硬度とが異なることを特徴とする請求項3に記載の負の剛性装置。
  5. 前記傾斜機構は、平面状転動板と、弾性体と薄肉鋼板とを積層した積層体とで構成されることを特徴とする請求項2に記載の負の剛性装置。
  6. 前記積層体の、前記転動体の転動方向の両端部側部分の薄肉鋼板の積層数と、中央側部分の薄肉鋼板の積層数とが異なることを特徴とする請求項5に記載の負の剛性装置。
  7. 請求項2乃至6のいずれかに記載の負の剛性装置におけるローラー又は車輪を有する上部材又は下部材と、該ローラー又は車輪との組み合わせを上下方向に2段にわたって、かつ互いに直交した状態で配置したことを特徴とする負の剛性装置。
  8. 前記傾斜機構は、前記転動体の転動方向の中央部分を支点とした転動板であって、前記転動体が該転動板上を転動するに従って、該転動板の前記中央部分を支点として該転動板が撓むことを特徴とする請求項2に記載の負の剛性装置。
  9. 前記転動板の前記中央部分の支点を前記上部材又は下部材に固定したことを特徴とする請求項8に記載の負の剛性装置。
  10. 前記転動板の前記中央部分の支点を前記上部材又は下部材に固定せず、該転動板の端部の浮き上がりを防止する浮き上がり防止機構を備えたことを特徴とする請求項8に記載の負の剛性装置。
  11. 前記転動板の転動方向の中央部分に配置される支点部材の平面寸法範囲では負の剛性を生じないことを特徴とする請求項8、9又は10に記載の負の剛性装置。
  12. 請求項2乃至11のいずれかに記載の負の剛性装置と、
    復元力特性を有する装置と、減衰特性を有する装置とを備えることを特徴とする免震構造物。
  13. 前記摺動体は、上部材又は下部材と互いに回転可能に当接し、該上部材又は下部材とともに前記摺動面に対して移動することを特徴とする請求項1に記載の負の剛性装置。
  14. 前記傾斜機構は、平面状滑り板と、弾性材からなる弾性パッドとで構成されることを特徴とする請求項13に記載の負の剛性装置。
  15. 前記弾性パッドの、前記摺動体の摺動方向の両端部側部分の弾性材の硬度と、中央側部分の弾性材の硬度とが異なることを特徴とする請求項14に記載の負の剛性装置。
  16. 前記弾性パッドの厚さを中央部から端部に向かうにつれて漸増するように形成し、該弾性パッドを前記平面状滑り板とで挟持する支持部材を備えることを特徴とする請求項14又は15に記載の負の剛性装置。
  17. 前記傾斜機構は、平面状滑り板と、弾性体と薄肉鋼板とを積層した積層体とで構成されることを特徴とする請求項13に記載の負の剛性装置。
  18. 前記積層体の、前記摺動体の摺動方向の両端部側部分の薄肉鋼板の積層数と、中央側部分の薄肉鋼板の積層数とが異なることを特徴とする請求項17に記載の負の剛性装置。
  19. 前記傾斜機構を、上方又は下方が開口した箱状の下沓又は上沓に収納し、該傾斜機構の平面状滑り板の端部を前記下沓又は上沓の内壁に当接させたことを特徴とする請求項13、14、15、17又は18に記載の負の剛性装置。
  20. 請求項13乃至19のいずれかに記載の負の剛性装置における摺動体と当接する上部材又は下部材と、該摺動体との組み合わせを上下方向に2段にわたって、かつ互いに直交した状態で配置したことを特徴とする負の剛性装置。
  21. 前記摺動体は、前記傾斜機構の平面状滑り板上を全水平方向に摺動可能であることを特徴とする請求項13乃至19のいずれかに記載の負の剛性装置。
  22. 前記弾性パッドの、周辺部分の弾性材の硬度と、中心部分の弾性材の硬度とが異なることを特徴とする請求項21に記載の負の剛性装置。
  23. 前記弾性パッドの厚さを中心部から周辺部分に向かうにつれて漸増するように形成し、該弾性パッドを前記平面状滑り板とで挟持する支持部材を備えることを特徴とする請求項21又は22に記載の負の剛性装置。
  24. 前記積層体の、周辺部分の薄肉鋼板の積層数と、中心部分の薄肉鋼板の積層数とが異なることを特徴とする請求項21に記載の負の剛性装置。
  25. 前記傾斜機構は、前記摺動体の摺動方向の中央部分を支点とした滑り板であって、前記摺動体が該滑り板上を摺動するに従って、該滑り板の前記中央部分を支点として該滑り板が撓むことを特徴とする請求項13に記載の負の剛性装置。
  26. 前記滑り板の前記中央部分の支点を前記上部材又は下部材に固定したことを特徴とする請求項25に記載の負の剛性装置。
  27. 前記滑り板の前記中央部分の支点を前記上部材又は下部材に固定せず、該滑り板の端部の浮き上がりを防止する浮き上がり防止機構を備えたことを特徴とする請求項25に記載の負の剛性装置。
  28. 前記摺動体は、前記傾斜機構の滑り板上を全水平方向に摺動可能であることを特徴とする請求項25、26又は27に記載の負の剛性装置。
  29. 前記滑り板の摺動方向の中央部分又は中心部分に配置される支点部材の平面寸法範囲では負の剛性を生じないことを特徴とする請求項25乃至28のいずれかに記載の負の剛性装置。
  30. 請求項13乃至29のいずれかに記載の負の剛性装置と、
    復元力特性を有する装置とを備えることを特徴とする免震構造物。
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