JPWO2007094387A1 - 周回メモリ、及びディスク装置 - Google Patents

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Abstract

被補償信号とフィードバックさせるメモリに記憶された情報との間に位相差が生じた場合でも、残留偏差を抑圧することができる周回メモリ、及び該周回メモリを備えるディスク装置を提供する。制御系の誤差信号などの周期的な周波数成分を持つ被補償信号s10が入力される加算器13と、前記加算器13の出力信号を1周期分毎にメモリ15に順次更新記憶し、該メモリ15に記憶された1周期分の情報を前記加算器13に入力するフィードバック信号系21と、を備え、前記フィードバック信号系21は、前記加算器13の出力信号のうち、任意に設定される学習の帯域に含まれる信号を出力するフィルタ部17と、前記フィルタ部17の出力信号を順次更新記憶する前記メモリ15と、前記メモリ15からの出力を前記加算器13に入力する際の位相量を任意に設定可能な位相補正部19と、該位相補正部19によって位相補正された1周期分の情報に、0以上1以下の値を乗じて前記加算器13に入力するゲイン要素14とを備えることとした。

Description

本発明は、制御系の制御に用いる周回メモリ、及び周回メモリを備えるディスク装置に関するものである。
近年、光ディスクの高倍速化、高密度化の進展に伴い、光ディスク装置においては、レーザビームの焦点を該ディスクの情報記録トラック上に維持する光サーボの精度向上が急速に求められている。そして、その光サーボの精度を向上させる手段として、繰り返し制御(学習制御)が注目されている。繰り返し制御とは、1周期前の偏差信号をメモリに記憶し、該記憶した結果を元に制御システムを制御するものである。
しかし、上述したような繰り返し制御を行う際、上記メモリには、1周期前の信号が記憶されるため、例えば入力信号として、ディスクの傷や装置に加わる振動などの外乱による周期的でない信号が与えられてしまうと、この信号を学習することで、かえって制御システムに不要なノイズを混入してしまうこととなる。従って、従来から、このような外乱が加わった際にも安定して制御できる制御システムや、上記メモリに学習されてしまう不要な無周期成分の影響をなくすことのできる繰り返し制御方法が求められている。
これを解決するものとして、特許文献1には、1周期分の入力信号を繰り返し記憶するために設けられた正帰還ループを含む学習メモリの入力信号を、現在の信号に0以上1以下であるゲイン要素kを乗じた信号と、さらに1周期前の学習メモリ4の出力にゲイン要素1−kを乗じた信号とで構成し、該kの値によって学習メモリの内部の情報を、1周期前の情報だけでなく、多周期にわたる情報に重み付けをした情報となるように作用させる周回メモリが開示されている。
図6は、特許文献1に示される、従来の光ディスク装置における周回メモリの構成を示した図である。
図6において、1は第1の加算器であり、追従目標となる、光ディスク装置の制御系の誤差信号などの周期性成分を持つ被補償信号と、当該周回メモリの出力とを加算するものである。2は学習の度合いを可変するアッテネーションゲインβである。そして、3はローパスフィルタ、4はディスク1周期分の周波数成分を記憶するメモリであり、5及び6は上記メモリ4に記憶させる信号を切り替えるゲイン要素である。7は第2の加算器であり、該第2の加算器7の出力が上記学習メモリ4に記憶される。12は入力される被補償信号に周期性があるかを判定する相関検出部であり、ローパスフィルタ8と、減算器9と、絶対値検出器10と、コンパレータ11とで構成されている。
以上のような構成を有する周回メモリは、まず相関検出部12において、入力信号となる周期性成分を持つ被補償信号に周期性があるかどうかを判定し、該被補償信号にノイズや外乱、あるいはディスク面の傷の影響などによる相関性のない誤差信号が重畳されていないかどうかを検出する。上記相関検出部12にて、相関がある(ノイズ不検出)と判断された場合は、上記ゲイン要素5,6のkの値をk=1とし、相関がない(ノイズ検出)と判断した場合は、上記ゲイン要素5,6のkの値をk=0とする。
そして、第1の加算器1において、入力された被補償信号とゲイン要素2の出力信号とが加算され、この加算された信号が当該周回メモリの出力となる。この周回メモリの出力は、ゲイン要素6にてk倍され、該k倍された信号と、学習メモリ4の出力をゲイン要素5にて1−k倍した値とを第2の加算器7にて加算した信号を学習メモリ4に入力する。学習メモリ4の出力は、ローパスフィルタ3に入力され、ゲイン要素2にて1以下のゲインβを乗じて第1の加算器1にフィードバックされる。これにより、長期にわたる周期的成分を記憶できる。
そして、上記相関検出部12より、k=1が出力された場合、ゲイン要素6を介して、学習メモリ4に上記第1の加算器1から出力されたディスク1回転分に相当する信号が記憶され、該学習メモリ4に記憶された信号は、繰り返し制御における安定条件を満足するために、ローパスフィルタ3と、ゲイン要素2とを介して、加算器1にフィードバックされ、また、上記相関検出部12より、k=0が出力された場合は、ゲイン要素6によって、上記学習メモリ4に、上記第1の加算器1から出力されるディスク1回転分に相当する信号を記憶することを停止し、ゲイン要素5を介して、直前に学習メモリ4に記憶したディスク1回転分に相当する信号が再度記憶され、該記録された信号が、ローパスフィルタ3と、ゲイン要素2とを介して、加算器1にフィードバックされる。
このような構成とすることで、外乱などが被補償信号に混入した時においても、学習の度合いを減衰させることなく、レーザビームの追従能力を向上させることができる。そして、このような繰り返し制御(学習制御)方式を備えた光ディスク装置においては、直結フィードバック制御からなるフォーカス・トラッキング制御と比較して、制御帯域を広げずに、周期的な追従目標に対する追従能力を向上させることができるため、狭トラックなシステムや偏芯の大きなシステム、ディスク回転数の高いシステム(転送レートの高いシステム)に対応することが出来る。
特開平9−50303号公報
しかしながら、上記従来の周回メモリの構成を用いた光ディスク装置において、高倍速記録再生動作を行った場合、上記メモリに記憶された直前の1周期分の信号をフィードバックする際に、メモリに記憶された直前の1周期分の信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号との間に無視できない位相差が生じ、これが残留偏差となり、結果的に偏差を十分に抑圧することができない、という課題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、メモリに記憶された直前の1周期分の信号と、現在検出している信号との間に大きな位相量の差分が生じた場合でも、追従性能を損なわない周回メモリ、及び該周回メモリを備えるディスク装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る周回メモリは、被補償信号の繰り返し制御を行なう周回メモリであって、周期的な周波数成分を持つ被補償信号が入力される加算器と、前記加算器の出力信号を1周期分毎にメモリに順次更新記憶し、該メモリに記憶された1周期分の情報を前記加算器に入力するフィードバック信号系と、を備え、前記フィードバック信号系は、前記加算器の出力信号のうち、任意に設定される学習の帯域に含まれる信号を出力するフィルタ部と、前記フィルタ部の出力信号を順次更新記憶するメモリと、前記メモリからの出力を前記加算器に入力する際の位相量を任意に設定可能な位相補正部と、該位相補正部によって位相補正された1周期分の情報に、0以上1以下の値を乗じて前記加算器に入力するゲイン要素と、を備えることを特徴とする。
これにより、メモリから出力される信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号の間に生じる位相差を補正することができ、高倍速記録再生時においても追従性能を損なわない周回メモリを提供できる。
また、本発明の請求項2に係る周回メモリは、ディスクより読み出される被補償信号の繰り返し制御を行なう周回メモリであって、周期的な周波数成分を持つ被補償信号が入力される加算器と、前記加算器の出力信号を1周期分毎にメモリに順次更新記憶し、該メモリに記憶された1周期分の情報を前記加算器に入力するフィードバック信号系と、前記ディスクの回転数を検出する回転数検出部とを備え、前記フィードバック信号系は、前記加算器の出力信号のうち、任意に設定される学習の帯域に含まれる信号を出力するフィルタ部と、前記フィルタ部の出力信号を順次更新記憶するメモリと、前記ディスクの回転数に応じて、前記メモリからの出力を前記加算器に入力する際の位相量を任意に設定可能な位相補正部と、該位相補正部によって位相補正された1周期分の情報に、0以上1以下の値を乗じて、前記加算器に入力するゲイン要素と、を備えることを特徴とする。
これにより、ディスクの回転数に応じて、メモリから出力される信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号の間に生じる位相差を補正することができるため、ディスクの回転数が変化する際においても追従性能を損なわない周回メモリを提供できる。
また、本発明の請求項3に係る周回メモリは、ディスクより読み出される被補償信号の繰り返し制御を行なう周回メモリであって、周期的な周波数成分を持つ被補償信号が入力される加算器と、前記加算器の出力信号を1周期分毎にメモリに順次更新記憶し、該メモリに記憶された1周期分の情報を前記加算器に入力するフィードバック信号系と、前記ディスクの半径方向における光ピックアップの位置を検出する位置検出部と、を備え、前記フィードバック信号系は、前記加算器の出力信号のうち、任意に設定される学習の帯域に含まれる信号を出力するフィルタ部と、前記フィルタ部の出力信号を順次更新記憶するメモリと、前記ディスクの半径方向における光ピックアップの位置に応じて、前記メモリからの出力を前記加算器に入力する際の位相量を任意に設定可能な位相補正部と、該位相補正部によって位相補正された1周期分の情報に、0以上1以下の値を乗じて、前記加算器に入力するゲイン要素と、を備えることを特徴とする。
これにより、光ピックアップがディスクの半径方向のどの位置にあっても、メモリから出力される信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号の間に生じる位相差を補正することができるため、上記光ピックアップのディスク半径方向の位置に関らず、追従性能を損なわない周回メモリを提供できる。
また、本発明の請求項4に係るディスク装置は、光または磁気によりディスクに情報を記録再生するディスク装置において、光または磁気を発生させるヘッドを、前記ディスクの所定の位置に位置決めする、アクチュエータ、及びモータを制御するヘッド制御系を備え、前記ヘッド制御系は、被補償信号の繰り返し制御を行なう周回メモリを有し、前記周回メモリは、周期的な周波数成分を持つ被補償信号が入力される加算器と、前記加算器の出力信号を1周期分毎にメモリに順次更新記憶し、該メモリに記憶された1周期分の情報を前記加算器に入力するフィードバック信号系と、を備え、前記フィードバック信号系は、前記加算器の出力信号のうち、任意に設定される学習の帯域に含まれる信号を出力するフィルタ部と、前記フィルタ部の出力信号を順次更新記憶するメモリと、前記メモリからの出力を前記加算器に入力する際の位相量を任意に設定可能な位相補正部と、該位相補正部によって位相補正された1周期分の情報に、0以上1以下の値を乗じて前記加算器に入力するゲイン要素とを備えることを特徴とする。
これにより、メモリから出力される信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号の間に生じる位相差を補正することができ、高倍速記録再生時においても追従性能を損なわない光ディスク装置を提供できる。
また、本発明の請求項5に係るディスク装置は、光または磁気によりディスクに情報を記録再生するディスク装置において、光または磁気を発生させるヘッドを、前記ディスクの所定の位置に位置決めする、アクチュエータ、及びモータを制御するヘッド制御系を備え、前記ヘッド制御系は、被補償信号の繰り返し制御を行なう周回メモリを有し、前記周回メモリは、周期的な周波数成分を持つ被補償信号が入力される加算器と、前記加算器の出力信号を1周期分毎にメモリに順次更新記憶し、該メモリに記憶された1周期分の情報を前記加算器に入力するフィードバック信号系と、前記ディスクの回転数を検出する回転数検出部とを備え、前記フィードバック信号系は、前記加算器の出力信号のうち、任意に設定される学習の帯域に含まれる信号を出力するフィルタ部と、前記フィルタ部の出力信号を順次更新記憶するメモリと、前記ディスクの回転数に応じて、前記メモリからの出力を前記加算器に入力する際の位相量を任意に設定可能な位相補正部と、該位相補正部によって位相補正された1周期分の情報に、0以上1以下の値を乗じて、前記加算器に入力するゲイン要素と、を備えることを特徴とする。
これにより、ディスクの回転数に応じて、メモリから出力される信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号の間に生じる位相差を補正することができるため、ディスクの回転数が変化する際においても追従性能を損なわない光ディスク装置を提供できる。
また、本発明の請求項6に係るディスク装置は、光または磁気によりディスクに情報を記録再生するディスク装置において、光または磁気を発生させるヘッドを、前記ディスクの所定の位置に位置決めする、アクチュエータ、及びモータを制御するヘッド制御系を備え、前記ヘッド制御系は、被補償信号の繰り返し制御を行なう周回メモリを有し、前記周回メモリは、周期的な周波数成分を持つ被補償信号が入力される加算器と、前記加算器の出力信号を1周期分毎にメモリに順次更新記憶し、該メモリに記憶された1周期分の情報を前記加算器に入力するフィードバック信号系と、前記ディスクの半径方向における光ピックアップの位置を検出する位置検出部と、を備え、前記フィードバック信号系は、前記加算器の出力信号のうち、任意に設定される学習の帯域に含まれる信号を出力するフィルタ部と、前記フィルタ部の出力信号を順次更新記憶するメモリと、前記ディスクの半径方向における光ピックアップの位置に応じて、前記メモリからの出力を前記加算器に入力する際の位相量を任意に設定可能な位相補正部と、該位相補正部によって位相補正された1周期分の情報に、0以上1以下の値を乗じて、前記加算器に入力するゲイン要素と、を備えることを特徴とする。
これにより、光ピックアップがディスクの半径方向のどの位置にあっても、メモリから出力される信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号の間に生じる位相差を補正することができるため、上記光ピックアップのディスク半径方向の位置に関らず、追従性能を損なわない光ディスク装置を提供できる。
本発明の周回メモリは、光ディスク装置の高倍速記録時等において、メモリから出力される信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号の間に生じる位相差を補正するので、直前の1周期分の信号と現在検出している信号との間に生じる位相差が大きい場合であっても、追従性能を損なわないものとすることができる。
また、本発明の周回メモリは、ディスクの回転数に応じて、メモリから出力される信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号の間に生じる位相差を補正するので、ディスクの回転数が変化する際においても、追従性能を損なわないものとすることができる。
また、本発明の周回メモリは、光ピックアップの位置に応じて、メモリから出力される信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号の間に生じる位相差を補正するので、光ピックアップがディスクの半径方向のどの位置にあっても、追従性能を損なわないものとすることができる。
また、本発明のディスク装置は、光または磁気を発生させるヘッドを上記ディスクの所定の位置に位置決めするためのアクチュエータまたはモータを制御する制御系に、直前の1周期分の信号と現在検出している信号との位相差を補正する周回メモリを備えるので、高倍速記録再生時における、フォーカス・トラッキング制御の追従能力を向上させることができ、残留偏差を飛躍的に抑圧できる。
図1は、本発明の実施の形態1による周回メモリを備えた光ディスク装置の構成を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態1による周回メモリの構成を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態1による信号波形を示す図である。 図4は、本発明の実施の形態2による周回メモリの別の構成例を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態3による周回メモリの構成を示す図である。 図6は、従来の周回メモリの構成を示す図である。
符号の説明
1 第1の加算器
2 アッテネーションゲイン
3 ローパスフィルタ
4 メモリ
5,6 ゲイン要素
7 第2の加算器
8 ローパスフィルタ
9 減算器
10 絶対値検出器
11 コンパレータ
12 相関検出部
13 加算器
14 ゲイン要素
15 メモリ
16a ローパスフィルタ
16b ハイパスフィルタ
17 フィルタ部
18 要素
19 位相補正部
20 コントローラ
21 フィードバック信号系
22 追従目標
23 アクチュエータの駆動信号
24 誤差信号
25 回転数検出部
26 位置検出部
100,100a,100b 周回メモリ
110 光ディスク
111 スピンドルモータ
112 光ヘッド
113 粗移動機構
114 記録・再生信号処理系
115 制御系
116 回転制御系
117 光ヘッド制御系
118 光ヘッド位置制御系
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本周回メモリを備えるディスク装置としては、磁気または光によりディスクに記録再生するディスク装置であればよいが、ここでは、光ディスク装置である場合を例に挙げて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る周回メモリ100を備える光ディスク装置の構成を示す図である。
図1に示すように、光ディスク装置は、光ディスク110に記録する記録データ、あるいは光ディスク110より読み出した再生データを処理する再生・記録信号処理系114と、光ディスク装置を動かす制御系115とを備え、該制御系115は、光ディスク110を回転させるスピンドルモータ111を制御する回転制御系116と、光ヘッド112を光軸方向、及び該光軸と垂直な方向の二軸方向に高速且つ高精度に動かすアクチュエータあるいはモータ(図示せず)を制御して、光ヘッド112から照射される光スポットを光ディスク110の記録膜上あるいは目標トラック上に常に焦点を結ばせるように制御する光ヘッド制御系117と、上記光ヘッド112を希望のトラック近傍まで移動させる粗移動機構113の制御を行なう光ヘッド位置制御系118とを備える。
本実施の形態1では、本周回メモリ100を、光ヘッド制御系117に設け、該光ヘッド制御系117において、光ディスク110の面振れや該ディスクの半径方向への変位によるトラック振れにより生じる、周期的な周波数成分をもつ制御系の誤差信号を検出し、該検出した誤差信号を、周回メモリ100において繰り返し制御(学習制御)することで、フォーカス制御あるいはトラッキング制御を安定して行なう。
図2は、本実施の形態1による周回メモリ100の構成を示す図である。
図2において、13は入力される被補償信号S10と、後述するフィードバック信号系21からの出力とを加算する加算器である。なお、本実施の形態1では、加算器を用いた動作を説明しているが、減算器を用いた場合でも、加算器を用いた場合と同様の偏差抑圧効果が得られる。21は加算器13の出力信号を、順次更新記憶して加算器13に入力するフィードバック信号系である。
14はメモリ15に記憶されている1周期分の信号に0以上1以下のゲインβを乗じて、当該周回メモリ100における学習の度合いを変化させるゲイン要素である。このゲイン要素14のゲインβは、繰り返し制御の安定条件から、β≦1とし、常に学習の度合いが100%とならないようにする係数である。このように、ゲイン要素14において、メモリ15からの出力にゲインβを乗ずることにより、光ディスク装置におけるフォーカス制御を、安定に、且つ制御帯域を広げずに、追従能力のみを向上させるように、作用させることができる。
17は加算器13から出力された1周期分の信号のうち、メモリ15で記憶(学習)する信号の帯域を任意に設定可能なフィルタ部であり、該フィルタ部17は、ローパスフィルタ16aと、ハイパスフィルタ16bと、該ローパスフィルタ16a及びハイパスフィルタ16bのゲインと帯域とを変化させる要素18とからなる。
15は上記フィルタ部17からの出力信号を順次更新記憶するメモリであり、ディスク1周をN個に分割してディスク1回転分の周期成分である信号情報を記憶するものである。19は、メモリ15からの出力を上記加算器に入力する際の位相量を、任意に設定可能な位相補正部である。位相補正部19は、例えば、アクチュエータの感度、フィルタ部17を通過することによる位相遅れ、メモリ15における書き込みタイミングと読み出しタイミングによる位相遅れまたは位相進み等、制御ループを構成する際に発生する位相のずれを、メモリ15からの読み出しタイミングを可変させることにより補正するものである。20は上記要素18内のk値を制御するコントローラである。
次に、以上のように構成される周回メモリ100の動作について説明する。なお、ここでは、周回メモリ100に、被補償信号としてフォーカスエラー信号が入力される場合を例に挙げて説明する。上記フォーカスエラー信号は、ディスクの面振れという周期性成分を持つ。
まず、光ディスク装置において、初期起動時に、コントローラ20を介して要素18にk値が設定される。このk値の設定は、ユーザが上記コントローラ20を介して要素18に任意の値を設定したり、図6に示した相関検出部等において被補償信号の相関をとり、その相関結果に基づいた値を、上記コントローラ20を介して設定するなどの方法が例として挙げられるが、その設定方法はどのようなものであってもよい。
次に、光ディスク装置による記録、再生動作が開始すると、光ディスク110が回転し、該ディスクの回転に伴ってディスクの面ぶれ等が発生する。このとき、光ヘッド制御系117においてフォーカスエラー信号s10が検出され、周回メモリ100に入力される。
周回メモリ100に入力された上記フォーカスエラー信号s10は、加算器13に入力され、フィードバック信号系21から出力される信号s13と加算された後、当該周回メモリ100より出力されると共に、フィードバック信号系21に入力される。
フィードバック信号系21に入力された信号s11は、フィルタ部17に入力され、要素18のk値によってカットオフ周波数が任意に設定されたハイパスフィルタ16b及びローパスフィルタ16aで、フィルタリングされる。
上記フィルタ部17においてフィルタリングされた信号s12は、メモリ15に、直前のディスク1回転分の信号情報として記憶され、この記憶された信号が、位相補正部19に入力される。そして、位相補正部19で位相量の補正がなされた後に、ゲイン要素14においてゲインβが乗算され、フィードバック信号系21より出力されて、加算器13に入力される。
これ以降、周回メモリ100において、メモリ15に記憶された直前の1周期分の信号の位相を補正し、該補正後の信号にゲインを乗じた信号を、入力されたフォーカスエラー信号s10に対して加算する動作が、繰り返し行なわれる。なお、本実施例では、加算器を用いた動作について説明しているが、減算器を用いた場合でも同様の偏差抑圧効果が得られる。
次に、本実施の形態2の周回メモリ100bによる作用、効果について説明する。
まず、周回メモリ100の導入理由について説明する。図3は、周回メモリ100のフォーカス制御時の動作を説明するための図であり、図3において、22はフォーカス制御における追従目標、23はフォーカスアクチュエータを駆動させるためのアクチュエータの駆動信号、24は上記追従目標と上記駆動信号の差から得られる誤差信号で、いずれもディスクの1周期(ディスク1回転分の周期)を示す。
光ディスク装置において、フォーカス制御を行うと、図3に示すようにフォーカス制御における追従目標22として面振が発生し、この追従目標を追いかけるようにフォーカスアクチュエータを駆動する必要がある。そこで、周回メモリ100を導入し、直前の1周期分の信号をメモリ15に記憶し、これをフォーカスアクチュエータの駆動信号として利用することで、追従目標と駆動信号の差から得られる誤差信号(残留偏差)を0に近づけようとするものである。
図3に示すように、フォーカス制御における追従目標22とアクチュエータ駆動信号23の間に、位相進みや位相遅れといった位相誤差量が生じた場合には、追従目標と駆動信号の差から得られる誤差信号24は、大きくなる。
そこで、本実施の形態1による周回メモリ100では、目標とする被補償信号に対して、例えば、直前の1周期分の信号をメモリ15に記憶し、フォーカスアクチュエータの駆動信号に変えることで、フォーカスアクチュエータを上記被補償信号に追従するように動作させ、また、位相補正部19において、例えば、フォーカスアクチュエータの感度、フィルタ部17を通過することによって生じる位相遅れや、メモリ15における書き込みタイミングと読み出しタイミングの時間差によって生じる位相遅れ、または位相進み等、制御ループを構成する際に発生する位相量の補正を行うことで、光ディスク装置におけるフォーカス制御を、安定に、且つ制御帯域を広げることなく追従能力を向上させることができ、結果として残留偏差を飛躍的に抑圧できる。
なお、本実施の形態1では、周回メモリ100に入力される被補償信号s10が、フォーカスエラー信号である場合を例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、例えばフォーカス駆動信号などを用いても、結果的に定常偏差を0に近づけるといった偏差抑圧効果が得られる。さらに、光ディスク110の偏芯を追従目標とするトラッキング制御に対しても、上記被補償信号s10としてトラッキングエラー信号を用いることで、十分に偏差を抑圧することができる。
以上のように、本実施の形態1による周回メモリによれば、光ディスク装置における高倍速記録再生動作時のように、ディスクの面振または偏心量が大きい時など、直前の1周期分の信号と現在検出している信号とに大きな位相量の差分が生じる場合に、両信号の位相差を補正することとしたので、当該周回メモリにおいて、位相量の差分による信号の偏差を抑圧して、被補償信号の追従能力を向上させることができ、この結果、光ディスク装置において、光ピックアップのフォーカス・トラッキング制御を常に安定して行なうことが可能となる。
(実施の形態2)
本実施の形態2に係る周回メモリは、上記実施の形態1による周回メモリにおいて、ディスクの回転数が変化した場合においても、回転数に応じた位相補正を行い、適切な繰り返し制御を行えるようにするものである。
図4は、本実施の形態2による周回メモリ100aの構成を示す図である。
図4において、25は光ディスク110を回転させるスピンドルモータのモータ回転数情報に基づいて、モータの回転数を検出し、該検出結果に基づいて位相補正部19を制御する回転数検出部である。
また、本実施の形態2において、位相補正部19は、モータの回転数に応じて位相補正量を設定する。例えば、光ディスク装置において、高倍速で記録再生動作を行った場合は、メモリ15に記憶される直前の1周期前の信号は、低倍速で記録再生を行った場合に、メモリ15に記憶される直前の1周期前の信号と比較して周期が早いため、位相量の誤差も大きくなる傾向にある。
そこで、回転数検出部25は、記録再生時の光ディスク110の回転数を検出し、位相補正部19は、該回転数に応じて、位相進みまたは位相遅れ量を適切に補正する。また、回転数検出部25は、記録再生動作時のディスク回転数を検出するだけでなく、あらかじめ回転数の設定が決まっている場合でも、位相補正部19によって、位相進みまたは位相遅れ量を適切に補正するようにすることができる。このような構成とすることで、ディスクの回転数に増減やCAVまたはCLVといったディスクの回転方式の違いに関らず、常に適切な位相補正を行うことができ、光ディスク装置におけるフォーカス制御を、安定に、且つ制御帯域を広げることなく追従能力を向上させることができ、残留偏差を抑圧できるように、作用させることができる。
なお、図4におけるその他の構成要素は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは詳述しない。
次に、以上のように構成される周回メモリ100aの動作について説明する。なお、ここでは、周回メモリ100aに、被補償信号としてフォーカスエラー信号が入力される場合を例に挙げて説明する。このフォーカスエラー信号s10は、ディスクの面振れという周期性成分を持つものである。
まず、光ディスク装置において、初期起動時に、コントローラ20を介して要素18にk値が設定される。また、回転数検出部25では、記録再生時の光ディスク110の回転数が検出され、位相補正部19に出力される。
次に、光ディスク装置による記録、再生動作が開始すると、光ディスク110が回転し、該ディスクの回転に伴ってディスクの面振れ等が発生する。このとき、光ヘッド制御系においてフォーカスエラー信号s10が検出され、周回メモリ100aに入力される。
周回メモリ100aに入力された上記フォーカスエラー信号s10は、加算器13に入力され、フィードバック信号系21から出力される信号s13と加算された後、当該周回メモリ100aより出力されると共に、フィードバック信号系21に入力される。
フィードバック信号系21に入力された信号s11は、フィルタ部17に入力され、要素18のk値によってカットオフ周波数が任意に設定されたハイパスフィルタ16b及びローパスフィルタ16aで、フィルタリングされる。
フィルタ部17においてフィルタリングされた信号s12は、メモリ15に、直前のディスク1周期分の信号情報として記憶され、この記憶された信号が、位相補正部19に入力され、位相補正部19により、光ディスク110の回転数に基づいて、位相量の補正がなされた後に、加算器13にゲイン要素14を介してフィードバック信号系21より出力されて、上記加算器13に入力される。
これ以降、周回メモリ100aにおいて、入力されたフォーカスエラー信号s10に対し、光ディスク110の回転数に応じて、メモリ15に記憶された直前の1周期分の信号の位相補正を行い、この1周期前の信号にゲインを乗じた信号を加算する動作が繰り返し行なわれ、これにより定常偏差が十分に抑圧される。なお、本実施例では、加算器を用いた動作について説明しているが、減算器を用いた場合でも同様の偏差抑圧効果が得られる。
また、本実施の形態2による周回メモリ100aにおいて、上述した実施の形態1と同様に、目標とする被補償信号に対して、例えば、直前の1周期分の信号をメモリ15に記憶した信号を、フォーカスアクチュエータの駆動信号に変えることで、フォーカスアクチュエータを上記被補償信号に追従するように動作させ、また、回転数検出部25からのディスク回転数情報に基づいて、上記位相補正部19において、例えば、フォーカスアクチュエータの感度、フィルタ部17を通過することによって生じる位相遅れや、メモリ15における書き込みタイミングと読み出しタイミングの時間差によって生じる位相遅れ、または位相進み等、制御ループを構成する際に発生する位相量の補正を行うことで、光ディスク装置におけるフォーカス制御を、安定に、且つ制御帯域を広げることなく追従能力を向上させることができ、結果として残留偏差を飛躍的に抑圧できる。
また、本実施の形態2では、周回メモリ100aに入力される被補償信号s10が、フォーカスエラー信号である場合を例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、例えばフォーカス駆動信号などを用いても、結果的に定常偏差を0に近づけるといった偏差抑圧効果が得られる。さらに、光ディスクの偏芯を追従目標とするトラッキング制御に対しても、上記被補償信号s10としてトラッキングエラー信号を用いることで、十分に偏差を抑圧することができる。
以上のように、本実施の形態2による周回メモリによれば、光ディスク装置における高倍速記録再生動作時のように、直前の1周期分の信号と現在検出している信号とに大きな位相量の差分が生じる場合に、光ディスク装置のディスク回転数に応じて、位相量の補正を行なうようにしたので、ディスクの回転数の増減に関らず、周回メモリにおいて、位相量の差分による信号の偏差を抑圧して、被補償信号の追従能力を向上させることができ、この結果、光ディスク装置において、光ピックアップのフォーカス・トラッキング制御を常に安定して行なうことが可能となる。
(実施の形態3)
本実施の形態3に係る周回メモリは、上記実施の形態1による周回メモリにおいて、光ディスクの半径方向における光ピックアップの位置が変化した際にも、光ピックアップの位置情報に基づいて位相補正を行い、適切な繰り返し制御を行えるようにするものである。
図5は、本実施の形態3による周回メモリ100bの構成を示す図である。
図5において、26は光ディスクの半径方向における光ピックアップの位置を検出し、該検出結果に基づいて位相補正部19を制御する位置検出部である。
また、本実施の形態3において、位相補正部19は、位置検出部26により検出されたディスクの半径方向における光ピックアップの位置に応じて、位相補正量を設定する。例えば、光ディスク装置においてディスクの内周と外周で、メモリ15に記憶される直前の1周期前の信号の周波数が変化したり、信号の振幅が異なる時など、ディスクの半径方向における光ピックアップの位置によって、位相量の差が異なる場合に、位置検出部26により光ピックアップの位置を検出し、この位置情報に基づいて、位相補正部19により、位相進みまたは位相遅れ量を適切に補正する。
また、位置検出部26は、記録再生動作時の光ピックアップの位置を検出するだけでなく、あらかじめ移動する位置が決まっていたり、推測できるような、ジャンプ時等においても、位相補正部19によって、位相進みまたは位相遅れ量を補正するようにすることができる。このような構成とすることで、常に適切な位相補正を行うことができ、光ディスク装置におけるフォーカス制御を、安定に、且つ制御帯域を広げることなく追従能力を向上させることができ、残留偏差を抑圧できるように、作用させることができる。
なお、図5において、その他の構成要素は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは詳述しない。
次に、動作について説明する。なお、ここでは、周回メモリ100bに、被補償信号としてフォーカスエラー信号が入力される場合を例に挙げて説明する。上記フォーカスエラー信号s10は、ディスクの面振れという周期性成分を持つものである。
まず、光ディスク装置において、初期起動時に、コントローラ20を介して要素18にk値が設定される。次に、光ディスク装置による記録、再生動作が開始すると、光ディスク110が回転し、該ディスクの回転に伴ってディスクの面振れ等が発生する。このとき、光ヘッド制御系においてフォーカスエラー信号s10が検出され、周回メモリ100bに入力される。また、位置検出部26により、ディスクの半径方向における光ピックアップの位置が検出され、位相補正部19に出力される。
周回メモリ100bに入力された上記フォーカスエラー信号s10は、加算器13に入力され、フィードバック信号系21から出力される信号s13と加算された後、当該周回メモリ100aより出力されると共に、フィードバック信号系21に入力される。
上記フィードバック信号系21に入力された信号s11は、フィルタ部17に入力され、要素18のk値によってカットオフ周波数が任意に設定されたハイパスフィルタ16b及びローパスフィルタ16aで、フィルタリングされる。
フィルタ部17においてフィルタリングされた信号s12は、メモリ15に、直前のディスク1周期分の信号情報として記憶され、この記憶された信号が、位相補正部19に入力され、位置検出部26によって検出された光ピックアップの位置情報に基づいて、位相量の補正がなされた後に、加算器13にゲイン要素14を介してフィードバック信号系21より出力されて、上記加算器13に入力される。
これ以降、周回メモリ100bにおいて、入力されたフォーカスエラー信号s10に対し、ディスクの半径方向における光ピックアップの位置に応じて、メモリ15に記憶された直前の1周期分の信号の位相補正を行い、1周期前の信号にゲインを乗じた信号を加算する動作が繰り返し行なわれ、これにより定常偏差が十分に抑圧されることになる。なお、本実施例では、加算器を用いた動作について説明しているが、減算器を用いた場合でも同様の偏差抑圧効果が得られる。
また、上記実施の形態1と同様に、周回メモリ100bにおいて、目標とする被補償信号に対して、例えば、直前の1周期分の信号をメモリ15に記憶した信号を、フォーカスアクチュエータの駆動信号に変えることで、フォーカスアクチュエータを上記被補償信号に追従するように動作させ、また、上述の位置検出部26からの光ピックアップの位置情報に基づいて、上記位相補正部19において、制御ループを構成する際に発生する位相量の補正を行うことで、光ディスク装置におけるフォーカス制御を、安定に、且つ制御帯域を広げることなく追従能力を向上させることができ、結果として残留偏差を飛躍的に抑圧できる。
また、本実施の形態3では、周回メモリ100bに入力される被補償信号s10が、フォーカスエラー信号である場合を例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、例えばフォーカス駆動信号などを用いても、結果的に定常偏差を0に近づけるといった偏差抑圧効果が得られる。さらに、光ディスクの偏芯を追従目標とするトラッキング制御に対しても、上記被補償信号s10としてトラッキングエラー信号を用いることで、シーク動作やトラックジャンプ動作時においても、ディスクの半径方向における光ピックアップの位置情報に基づいて、位相量の補正を適切に行うことができるため、十分に残留偏差を抑圧することができる。
以上のように、本実施の形態3による周回メモリによれば、光ディスク装置におけるシーク動作やジャンプ動作時など、直前の1周期分の信号と現在検出している信号との間に大きな位相量の差分が生じる場合に、光ピックアップの位置情報に基づいて、位相量の補正を行なうようにしたので、ディスクの半径方向における光ピックアップの位置に関らず、周回メモリにおいて、位相量の差分による信号の偏差を抑圧して、被補償信号の追従能力を向上させることができ、この結果、光ディスク装置において、光ピックアップのフォーカス・トラッキング制御を常に安定して行なうことが可能となる。
本発明による周回メモリは、繰り返し制御方式を有し、光ディスク装置におけるフォーカス・トラッキング制御の安定化と追従能力向上等に有用である。また光ディスク装置の高倍速化・高密度化の用途等にも応用できる。
本発明は、制御系の制御に用いる周回メモリ、及び周回メモリを備えるディスク装置に関するものである。
近年、光ディスクの高倍速化、高密度化の進展に伴い、光ディスク装置においては、レーザビームの焦点を該ディスクの情報記録トラック上に維持する光サーボの精度向上が急速に求められている。そして、その光サーボの精度を向上させる手段として、繰り返し制御(学習制御)が注目されている。繰り返し制御とは、1周期前の偏差信号をメモリに記憶し、該記憶した結果を元に制御システムを制御するものである。
しかし、上述したような繰り返し制御を行う際、上記メモリには、1周期前の信号が記憶されるため、例えば入力信号として、ディスクの傷や装置に加わる振動などの外乱による周期的でない信号が与えられてしまうと、この信号を学習することで、かえって制御システムに不要なノイズを混入してしまうこととなる。従って、従来から、このような外乱が加わった際にも安定して制御できる制御システムや、上記メモリに学習されてしまう不要な無周期成分の影響をなくすことのできる繰り返し制御方法が求められている。
これを解決するものとして、特許文献1には、1周期分の入力信号を繰り返し記憶するために設けられた正帰還ループを含む学習メモリの入力信号を、現在の信号に0以上1以下であるゲイン要素kを乗じた信号と、さらに1周期前の学習メモリ4の出力にゲイン要素1−kを乗じた信号とで構成し、該kの値によって学習メモリの内部の情報を、1周期前の情報だけでなく、多周期にわたる情報に重み付けをした情報となるように作用させる周回メモリが開示されている。
図6は、特許文献1に示される、従来の光ディスク装置における周回メモリの構成を示した図である。
図6において、1は第1の加算器であり、追従目標となる、光ディスク装置の制御系の誤差信号などの周期性成分を持つ被補償信号と、当該周回メモリの出力とを加算するものである。2は学習の度合いを可変するアッテネーションゲインβである。そして、3はローパスフィルタ、4はディスク1周期分の周波数成分を記憶するメモリであり、5及び6は上記メモリ4に記憶させる信号を切り替えるゲイン要素である。7は第2の加算器であり、該第2の加算器7の出力が上記学習メモリ4に記憶される。12は入力される被補償信号に周期性があるかを判定する相関検出部であり、ローパスフィルタ8と、減算器9と、絶対値検出器10と、コンパレータ11とで構成されている。
以上のような構成を有する周回メモリは、まず相関検出部12において、入力信号となる周期性成分を持つ被補償信号に周期性があるかどうかを判定し、該被補償信号にノイズや外乱、あるいはディスク面の傷の影響などによる相関性のない誤差信号が重畳されていないかどうかを検出する。上記相関検出部12にて、相関がある(ノイズ不検出)と判断された場合は、上記ゲイン要素5,6のkの値をk=1とし、相関がない(ノイズ検出)と判断した場合は、上記ゲイン要素5,6のkの値をk=0とする。
そして、第1の加算器1において、入力された被補償信号とゲイン要素2の出力信号とが加算され、この加算された信号が当該周回メモリの出力となる。この周回メモリの出力は、ゲイン要素6にてk倍され、該k倍された信号と、学習メモリ4の出力をゲイン要素5にて1−k倍した値とを第2の加算器7にて加算した信号を学習メモリ4に入力する。学習メモリ4の出力は、ローパスフィルタ3に入力され、ゲイン要素2にて1以下のゲインβを乗じて第1の加算器1にフィードバックされる。これにより、長期にわたる周期的成分を記憶できる。
そして、上記相関検出部12より、k=1が出力された場合、ゲイン要素6を介して、学習メモリ4に上記第1の加算器1から出力されたディスク1回転分に相当する信号が記憶され、該学習メモリ4に記憶された信号は、繰り返し制御における安定条件を満足するために、ローパスフィルタ3と、ゲイン要素2とを介して、加算器1にフィードバックされ、また、上記相関検出部12より、k=0が出力された場合は、ゲイン要素6によって、上記学習メモリ4に、上記第1の加算器1から出力されるディスク1回転分に相当する信号を記憶することを停止し、ゲイン要素5を介して、直前に学習メモリ4に記憶したディスク1回転分に相当する信号が再度記憶され、該記録された信号が、ローパスフィルタ3と、ゲイン要素2とを介して、加算器1にフィードバックされる。
このような構成とすることで、外乱などが被補償信号に混入した時においても、学習の度合いを減衰させることなく、レーザビームの追従能力を向上させることができる。そして、このような繰り返し制御(学習制御)方式を備えた光ディスク装置においては、直結フィードバック制御からなるフォーカス・トラッキング制御と比較して、制御帯域を広げずに、周期的な追従目標に対する追従能力を向上させることができるため、狭トラックなシステムや偏芯の大きなシステム、ディスク回転数の高いシステム(転送レートの高いシステム)に対応することが出来る。
特開平9−50303号公報
しかしながら、上記従来の周回メモリの構成を用いた光ディスク装置において、高倍速記録再生動作を行った場合、上記メモリに記憶された直前の1周期分の信号をフィードバックする際に、メモリに記憶された直前の1周期分の信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号との間に無視できない位相差が生じ、これが残留偏差となり、結果的に偏差を十分に抑圧することができない、という課題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、メモリに記憶された直前の1周期分の信号と、現在検出している信号との間に大きな位相量の差分が生じた場合でも、追従性能を損なわない周回メモリ、及び該周回メモリを備えるディスク装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る周回メモリは、被補償信号の繰り返し制御を行なう周回メモリであって、周期的な周波数成分を持つ被補償信号が入力される加算器と、前記加算器の出力信号を1周期分毎にメモリに順次更新記憶し、該メモリに記憶された1周期分の情報を前記加算器に入力するフィードバック信号系と、を備え、前記フィードバック信号系は、前記加算器の出力信号のうち、任意に設定される学習の帯域に含まれる信号を出力するフィルタ部と、前記フィルタ部の出力信号を順次更新記憶するメモリと、前記メモリからの出力を前記加算器に入力する際の位相量を任意に設定可能な位相補正部と、該位相補正部によって位相補正された1周期分の情報に、0以上1以下の値を乗じて前記加算器に入力するゲイン要素と、を備えることを特徴とする。
これにより、メモリから出力される信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号の間に生じる位相差を補正することができ、高倍速記録再生時においても追従性能を損なわない周回メモリを提供できる。
また、本発明の請求項2に係る周回メモリは、ディスクより読み出される被補償信号の繰り返し制御を行なう周回メモリであって、周期的な周波数成分を持つ被補償信号が入力される加算器と、前記加算器の出力信号を1周期分毎にメモリに順次更新記憶し、該メモリに記憶された1周期分の情報を前記加算器に入力するフィードバック信号系と、前記ディスクの回転数を検出する回転数検出部とを備え、前記フィードバック信号系は、前記加算器の出力信号のうち、任意に設定される学習の帯域に含まれる信号を出力するフィルタ部と、前記フィルタ部の出力信号を順次更新記憶するメモリと、前記ディスクの回転数に応じて、前記メモリからの出力を前記加算器に入力する際の位相量を任意に設定可能な位相補正部と、該位相補正部によって位相補正された1周期分の情報に、0以上1以下の値を乗じて、前記加算器に入力するゲイン要素と、を備えることを特徴とする。
これにより、ディスクの回転数に応じて、メモリから出力される信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号の間に生じる位相差を補正することができるため、ディスクの回転数が変化する際においても追従性能を損なわない周回メモリを提供できる。
また、本発明の請求項3に係る周回メモリは、ディスクより読み出される被補償信号の繰り返し制御を行なう周回メモリであって、周期的な周波数成分を持つ被補償信号が入力される加算器と、前記加算器の出力信号を1周期分毎にメモリに順次更新記憶し、該メモリに記憶された1周期分の情報を前記加算器に入力するフィードバック信号系と、前記ディスクの半径方向における光ピックアップの位置を検出する位置検出部と、を備え、前記フィードバック信号系は、前記加算器の出力信号のうち、任意に設定される学習の帯域に含まれる信号を出力するフィルタ部と、前記フィルタ部の出力信号を順次更新記憶するメモリと、前記ディスクの半径方向における光ピックアップの位置に応じて、前記メモリからの出力を前記加算器に入力する際の位相量を任意に設定可能な位相補正部と、該位相補正部によって位相補正された1周期分の情報に、0以上1以下の値を乗じて、前記加算器に入力するゲイン要素と、を備えることを特徴とする。
これにより、光ピックアップがディスクの半径方向のどの位置にあっても、メモリから出力される信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号の間に生じる位相差を補正することができるため、上記光ピックアップのディスク半径方向の位置に関らず、追従性能を損なわない周回メモリを提供できる。
また、本発明の請求項4に係るディスク装置は、光または磁気によりディスクに情報を記録再生するディスク装置において、光または磁気を発生させるヘッドを、前記ディスクの所定の位置に位置決めする、アクチュエータ、及びモータを制御するヘッド制御系を備え、前記ヘッド制御系は、被補償信号の繰り返し制御を行なう周回メモリを有し、前記周回メモリは、周期的な周波数成分を持つ被補償信号が入力される加算器と、前記加算器の出力信号を1周期分毎にメモリに順次更新記憶し、該メモリに記憶された1周期分の情報を前記加算器に入力するフィードバック信号系と、を備え、前記フィードバック信号系は、前記加算器の出力信号のうち、任意に設定される学習の帯域に含まれる信号を出力するフィルタ部と、前記フィルタ部の出力信号を順次更新記憶するメモリと、前記メモリからの出力を前記加算器に入力する際の位相量を任意に設定可能な位相補正部と、該位相補正部によって位相補正された1周期分の情報に、0以上1以下の値を乗じて前記加算器に入力するゲイン要素とを備えることを特徴とする。
これにより、メモリから出力される信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号の間に生じる位相差を補正することができ、高倍速記録再生時においても追従性能を損なわない光ディスク装置を提供できる。
また、本発明の請求項5に係るディスク装置は、光または磁気によりディスクに情報を記録再生するディスク装置において、光または磁気を発生させるヘッドを、前記ディスクの所定の位置に位置決めする、アクチュエータ、及びモータを制御するヘッド制御系を備え、前記ヘッド制御系は、被補償信号の繰り返し制御を行なう周回メモリを有し、前記周回メモリは、周期的な周波数成分を持つ被補償信号が入力される加算器と、前記加算器の出力信号を1周期分毎にメモリに順次更新記憶し、該メモリに記憶された1周期分の情報を前記加算器に入力するフィードバック信号系と、前記ディスクの回転数を検出する回転数検出部とを備え、前記フィードバック信号系は、前記加算器の出力信号のうち、任意に設定される学習の帯域に含まれる信号を出力するフィルタ部と、前記フィルタ部の出力信号を順次更新記憶するメモリと、前記ディスクの回転数に応じて、前記メモリからの出力を前記加算器に入力する際の位相量を任意に設定可能な位相補正部と、該位相補正部によって位相補正された1周期分の情報に、0以上1以下の値を乗じて、前記加算器に入力するゲイン要素と、を備えることを特徴とする。
これにより、ディスクの回転数に応じて、メモリから出力される信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号の間に生じる位相差を補正することができるため、ディスクの回転数が変化する際においても追従性能を損なわない光ディスク装置を提供できる。
また、本発明の請求項6に係るディスク装置は、光または磁気によりディスクに情報を記録再生するディスク装置において、光または磁気を発生させるヘッドを、前記ディスクの所定の位置に位置決めする、アクチュエータ、及びモータを制御するヘッド制御系を備え、前記ヘッド制御系は、被補償信号の繰り返し制御を行なう周回メモリを有し、前記周回メモリは、周期的な周波数成分を持つ被補償信号が入力される加算器と、前記加算器の出力信号を1周期分毎にメモリに順次更新記憶し、該メモリに記憶された1周期分の情報を前記加算器に入力するフィードバック信号系と、前記ディスクの半径方向における光ピックアップの位置を検出する位置検出部と、を備え、前記フィードバック信号系は、前記加算器の出力信号のうち、任意に設定される学習の帯域に含まれる信号を出力するフィルタ部と、前記フィルタ部の出力信号を順次更新記憶するメモリと、前記ディスクの半径方向における光ピックアップの位置に応じて、前記メモリからの出力を前記加算器に入力する際の位相量を任意に設定可能な位相補正部と、該位相補正部によって位相補正された1周期分の情報に、0以上1以下の値を乗じて、前記加算器に入力するゲイン要素と、を備えることを特徴とする。
これにより、光ピックアップがディスクの半径方向のどの位置にあっても、メモリから出力される信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号の間に生じる位相差を補正することができるため、上記光ピックアップのディスク半径方向の位置に関らず、追従性能を損なわない光ディスク装置を提供できる。
本発明の周回メモリは、光ディスク装置の高倍速記録時等において、メモリから出力される信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号の間に生じる位相差を補正するので、直前の1周期分の信号と現在検出している信号との間に生じる位相差が大きい場合であっても、追従性能を損なわないものとすることができる。
また、本発明の周回メモリは、ディスクの回転数に応じて、メモリから出力される信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号の間に生じる位相差を補正するので、ディスクの回転数が変化する際においても、追従性能を損なわないものとすることができる。
また、本発明の周回メモリは、光ピックアップの位置に応じて、メモリから出力される信号と、今まさに光ピックアップから検出している被補償信号の間に生じる位相差を補正するので、光ピックアップがディスクの半径方向のどの位置にあっても、追従性能を損なわないものとすることができる。
また、本発明のディスク装置は、光または磁気を発生させるヘッドを上記ディスクの所定の位置に位置決めするためのアクチュエータまたはモータを制御する制御系に、直前の1周期分の信号と現在検出している信号との位相差を補正する周回メモリを備えるので、高倍速記録再生時における、フォーカス・トラッキング制御の追従能力を向上させることができ、残留偏差を飛躍的に抑圧できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本周回メモリを備えるディスク装置としては、磁気または光によりディスクに記録再生するディスク装置であればよいが、ここでは、光ディスク装置である場合を例に挙げて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る周回メモリ100を備える光ディスク装置の構成を示す図である。
図1に示すように、光ディスク装置は、光ディスク110に記録する記録データ、あるいは光ディスク110より読み出した再生データを処理する再生・記録信号処理系114と、光ディスク装置を動かす制御系115とを備え、該制御系115は、光ディスク110を回転させるスピンドルモータ111を制御する回転制御系116と、光ヘッド112を光軸方向、及び該光軸と垂直な方向の二軸方向に高速且つ高精度に動かすアクチュエータあるいはモータ(図示せず)を制御して、光ヘッド112から照射される光スポットを光ディスク110の記録膜上あるいは目標トラック上に常に焦点を結ばせるように制御する光ヘッド制御系117と、上記光ヘッド112を希望のトラック近傍まで移動させる粗移動機構113の制御を行なう光ヘッド位置制御系118とを備える。
本実施の形態1では、本周回メモリ100を、光ヘッド制御系117に設け、該光ヘッド制御系117において、光ディスク110の面振れや該ディスクの半径方向への変位によるトラック振れにより生じる、周期的な周波数成分をもつ制御系の誤差信号を検出し、該検出した誤差信号を、周回メモリ100において繰り返し制御(学習制御)することで、フォーカス制御あるいはトラッキング制御を安定して行なう。
図2は、本実施の形態1による周回メモリ100の構成を示す図である。
図2において、13は入力される被補償信号S10と、後述するフィードバック信号系21からの出力とを加算する加算器である。なお、本実施の形態1では、加算器を用いた動作を説明しているが、減算器を用いた場合でも、加算器を用いた場合と同様の偏差抑圧効果が得られる。21は加算器13の出力信号を、順次更新記憶して加算器13に入力するフィードバック信号系である。
14はメモリ15に記憶されている1周期分の信号に0以上1以下のゲインβを乗じて、当該周回メモリ100における学習の度合いを変化させるゲイン要素である。このゲイン要素14のゲインβは、繰り返し制御の安定条件から、β≦1とし、常に学習の度合いが100%とならないようにする係数である。このように、ゲイン要素14において、メモリ15からの出力にゲインβを乗ずることにより、光ディスク装置におけるフォーカス制御を、安定に、且つ制御帯域を広げずに、追従能力のみを向上させるように、作用させることができる。
17は加算器13から出力された1周期分の信号のうち、メモリ15で記憶(学習)する信号の帯域を任意に設定可能なフィルタ部であり、該フィルタ部17は、ローパスフィルタ16aと、ハイパスフィルタ16bと、該ローパスフィルタ16a及びハイパスフィルタ16bのゲインと帯域とを変化させる要素18とからなる。
15は上記フィルタ部17からの出力信号を順次更新記憶するメモリであり、ディスク1周をN個に分割してディスク1回転分の周期成分である信号情報を記憶するものである。19は、メモリ15からの出力を上記加算器に入力する際の位相量を、任意に設定可能な位相補正部である。位相補正部19は、例えば、アクチュエータの感度、フィルタ部17を通過することによる位相遅れ、メモリ15における書き込みタイミングと読み出しタイミングによる位相遅れまたは位相進み等、制御ループを構成する際に発生する位相のずれを、メモリ15からの読み出しタイミングを可変させることにより補正するものである。20は上記要素18内のk値を制御するコントローラである。
次に、以上のように構成される周回メモリ100の動作について説明する。なお、ここでは、周回メモリ100に、被補償信号としてフォーカスエラー信号が入力される場合を例に挙げて説明する。上記フォーカスエラー信号は、ディスクの面振れという周期性成分を持つ。
まず、光ディスク装置において、初期起動時に、コントローラ20を介して要素18にk値が設定される。このk値の設定は、ユーザが上記コントローラ20を介して要素18に任意の値を設定したり、図6に示した相関検出部等において被補償信号の相関をとり、その相関結果に基づいた値を、上記コントローラ20を介して設定するなどの方法が例として挙げられるが、その設定方法はどのようなものであってもよい。
次に、光ディスク装置による記録、再生動作が開始すると、光ディスク110が回転し、該ディスクの回転に伴ってディスクの面ぶれ等が発生する。このとき、光ヘッド制御系117においてフォーカスエラー信号s10が検出され、周回メモリ100に入力される。
周回メモリ100に入力された上記フォーカスエラー信号s10は、加算器13に入力され、フィードバック信号系21から出力される信号s13と加算された後、当該周回メモリ100より出力されると共に、フィードバック信号系21に入力される。
フィードバック信号系21に入力された信号s11は、フィルタ部17に入力され、要素18のk値によってカットオフ周波数が任意に設定されたハイパスフィルタ16b及びローパスフィルタ16aで、フィルタリングされる。
上記フィルタ部17においてフィルタリングされた信号s12は、メモリ15に、直前のディスク1回転分の信号情報として記憶され、この記憶された信号が、位相補正部19に入力される。そして、位相補正部19で位相量の補正がなされた後に、ゲイン要素14においてゲインβが乗算され、フィードバック信号系21より出力されて、加算器13に入力される。
これ以降、周回メモリ100において、メモリ15に記憶された直前の1周期分の信号の位相を補正し、該補正後の信号にゲインを乗じた信号を、入力されたフォーカスエラー信号s10に対して加算する動作が、繰り返し行なわれる。なお、本実施例では、加算器を用いた動作について説明しているが、減算器を用いた場合でも同様の偏差抑圧効果が得られる。
次に、本実施の形態1の周回メモリ100による作用、効果について説明する。
まず、周回メモリ100の導入理由について説明する。図3は、周回メモリ100のフォーカス制御時の動作を説明するための図であり、図3において、22はフォーカス制御における追従目標、23はフォーカスアクチュエータを駆動させるためのアクチュエータの駆動信号、24は上記追従目標と上記駆動信号の差から得られる誤差信号で、いずれもディスクの1周期(ディスク1回転分の周期)を示す。
光ディスク装置において、フォーカス制御を行うと、図3に示すようにフォーカス制御における追従目標22として面振が発生し、この追従目標を追いかけるようにフォーカスアクチュエータを駆動する必要がある。そこで、周回メモリ100を導入し、直前の1周期分の信号をメモリ15に記憶し、これをフォーカスアクチュエータの駆動信号として利用することで、追従目標と駆動信号の差から得られる誤差信号(残留偏差)を0に近づけようとするものである。
図3に示すように、フォーカス制御における追従目標22とアクチュエータ駆動信号23の間に、位相進みや位相遅れといった位相誤差量が生じた場合には、追従目標と駆動信号の差から得られる誤差信号24は、大きくなる。
そこで、本実施の形態1による周回メモリ100では、目標とする被補償信号に対して、例えば、直前の1周期分の信号をメモリ15に記憶し、フォーカスアクチュエータの駆動信号に変えることで、フォーカスアクチュエータを上記被補償信号に追従するように動作させ、また、位相補正部19において、例えば、フォーカスアクチュエータの感度、フィルタ部17を通過することによって生じる位相遅れや、メモリ15における書き込みタイミングと読み出しタイミングの時間差によって生じる位相遅れ、または位相進み等、制御ループを構成する際に発生する位相量の補正を行うことで、光ディスク装置におけるフォーカス制御を、安定に、且つ制御帯域を広げることなく追従能力を向上させることができ、結果として残留偏差を飛躍的に抑圧できる。
なお、本実施の形態1では、周回メモリ100に入力される被補償信号s10が、フォーカスエラー信号である場合を例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、例えばフォーカス駆動信号などを用いても、結果的に定常偏差を0に近づけるといった偏差抑圧効果が得られる。さらに、光ディスク110の偏芯を追従目標とするトラッキング制御に対しても、上記被補償信号s10としてトラッキングエラー信号を用いることで、十分に偏差を抑圧することができる。
以上のように、本実施の形態1による周回メモリによれば、光ディスク装置における高倍速記録再生動作時のように、ディスクの面振または偏心量が大きい時など、直前の1周期分の信号と現在検出している信号とに大きな位相量の差分が生じる場合に、両信号の位相差を補正することとしたので、当該周回メモリにおいて、位相量の差分による信号の偏差を抑圧して、被補償信号の追従能力を向上させることができ、この結果、光ディスク装置において、光ピックアップのフォーカス・トラッキング制御を常に安定して行なうことが可能となる。
(実施の形態2)
本実施の形態2に係る周回メモリは、上記実施の形態1による周回メモリにおいて、ディスクの回転数が変化した場合においても、回転数に応じた位相補正を行い、適切な繰り返し制御を行えるようにするものである。
図4は、本実施の形態2による周回メモリ100aの構成を示す図である。
図4において、25は光ディスク110を回転させるスピンドルモータのモータ回転数情報に基づいて、モータの回転数を検出し、該検出結果に基づいて位相補正部19を制御する回転数検出部である。
また、本実施の形態2において、位相補正部19は、モータの回転数に応じて位相補正量を設定する。例えば、光ディスク装置において、高倍速で記録再生動作を行った場合は、メモリ15に記憶される直前の1周期前の信号は、低倍速で記録再生を行った場合に、メモリ15に記憶される直前の1周期前の信号と比較して周期が早いため、位相量の誤差も大きくなる傾向にある。
そこで、回転数検出部25は、記録再生時の光ディスク110の回転数を検出し、位相補正部19は、該回転数に応じて、位相進みまたは位相遅れ量を適切に補正する。また、回転数検出部25は、記録再生動作時のディスク回転数を検出するだけでなく、あらかじめ回転数の設定が決まっている場合でも、位相補正部19によって、位相進みまたは位相遅れ量を適切に補正するようにすることができる。このような構成とすることで、ディスクの回転数に増減やCAVまたはCLVといったディスクの回転方式の違いに関らず、常に適切な位相補正を行うことができ、光ディスク装置におけるフォーカス制御を、安定に、且つ制御帯域を広げることなく追従能力を向上させることができ、残留偏差を抑圧できるように、作用させることができる。
なお、図4におけるその他の構成要素は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは詳述しない。
次に、以上のように構成される周回メモリ100aの動作について説明する。なお、ここでは、周回メモリ100aに、被補償信号としてフォーカスエラー信号が入力される場合を例に挙げて説明する。このフォーカスエラー信号s10は、ディスクの面振れという周期性成分を持つものである。
まず、光ディスク装置において、初期起動時に、コントローラ20を介して要素18にk値が設定される。また、回転数検出部25では、記録再生時の光ディスク110の回転数が検出され、位相補正部19に出力される。
次に、光ディスク装置による記録、再生動作が開始すると、光ディスク110が回転し、該ディスクの回転に伴ってディスクの面振れ等が発生する。このとき、光ヘッド制御系においてフォーカスエラー信号s10が検出され、周回メモリ100aに入力される。
周回メモリ100aに入力された上記フォーカスエラー信号s10は、加算器13に入力され、フィードバック信号系21から出力される信号s13と加算された後、当該周回メモリ100aより出力されると共に、フィードバック信号系21に入力される。
フィードバック信号系21に入力された信号s11は、フィルタ部17に入力され、要素18のk値によってカットオフ周波数が任意に設定されたハイパスフィルタ16b及びローパスフィルタ16aで、フィルタリングされる。
フィルタ部17においてフィルタリングされた信号s12は、メモリ15に、直前のディスク1周期分の信号情報として記憶され、この記憶された信号が、位相補正部19に入力され、位相補正部19により、光ディスク110の回転数に基づいて、位相量の補正がなされた後に、ゲイン要素14を介してフィードバック信号系21より出力されて、上記加算器13に入力される。
これ以降、周回メモリ100aにおいて、入力されたフォーカスエラー信号s10に対し、光ディスク110の回転数に応じて、メモリ15に記憶された直前の1周期分の信号の位相補正を行い、この1周期前の信号にゲインを乗じた信号を加算する動作が繰り返し行なわれ、これにより定常偏差が十分に抑圧される。なお、本実施例では、加算器を用いた動作について説明しているが、減算器を用いた場合でも同様の偏差抑圧効果が得られる。
また、本実施の形態2による周回メモリ100aにおいて、上述した実施の形態1と同様に、目標とする被補償信号に対して、例えば、直前の1周期分の信号をメモリ15に記憶した信号を、フォーカスアクチュエータの駆動信号に変えることで、フォーカスアクチュエータを上記被補償信号に追従するように動作させ、また、回転数検出部25からのディスク回転数情報に基づいて、上記位相補正部19において、例えば、フォーカスアクチュエータの感度、フィルタ部17を通過することによって生じる位相遅れや、メモリ15における書き込みタイミングと読み出しタイミングの時間差によって生じる位相遅れ、または位相進み等、制御ループを構成する際に発生する位相量の補正を行うことで、光ディスク装置におけるフォーカス制御を、安定に、且つ制御帯域を広げることなく追従能力を向上させることができ、結果として残留偏差を飛躍的に抑圧できる。
また、本実施の形態2では、周回メモリ100aに入力される被補償信号s10が、フォーカスエラー信号である場合を例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、例えばフォーカス駆動信号などを用いても、結果的に定常偏差を0に近づけるといった偏差抑圧効果が得られる。さらに、光ディスクの偏芯を追従目標とするトラッキング制御に対しても、上記被補償信号s10としてトラッキングエラー信号を用いることで、十分に偏差を抑圧することができる。
以上のように、本実施の形態2による周回メモリによれば、光ディスク装置における高倍速記録再生動作時のように、直前の1周期分の信号と現在検出している信号とに大きな位相量の差分が生じる場合に、光ディスク装置のディスク回転数に応じて、位相量の補正を行なうようにしたので、ディスクの回転数の増減に関らず、周回メモリにおいて、位相量の差分による信号の偏差を抑圧して、被補償信号の追従能力を向上させることができ、この結果、光ディスク装置において、光ピックアップのフォーカス・トラッキング制御を常に安定して行なうことが可能となる。
(実施の形態3)
本実施の形態3に係る周回メモリは、上記実施の形態1による周回メモリにおいて、光ディスクの半径方向における光ピックアップの位置が変化した際にも、光ピックアップの位置情報に基づいて位相補正を行い、適切な繰り返し制御を行えるようにするものである。
図5は、本実施の形態3による周回メモリ100bの構成を示す図である。
図5において、26は光ディスクの半径方向における光ピックアップの位置を検出し、該検出結果に基づいて位相補正部19を制御する位置検出部である。
また、本実施の形態3において、位相補正部19は、位置検出部26により検出されたディスクの半径方向における光ピックアップの位置に応じて、位相補正量を設定する。例えば、光ディスク装置においてディスクの内周と外周で、メモリ15に記憶される直前の1周期前の信号の周波数が変化したり、信号の振幅が異なる時など、ディスクの半径方向における光ピックアップの位置によって、位相量の差が異なる場合に、位置検出部26により光ピックアップの位置を検出し、この位置情報に基づいて、位相補正部19により、位相進みまたは位相遅れ量を適切に補正する。
また、位置検出部26は、記録再生動作時の光ピックアップの位置を検出するだけでなく、あらかじめ移動する位置が決まっていたり、推測できるような、ジャンプ時等においても、位相補正部19によって、位相進みまたは位相遅れ量を補正するようにすることができる。このような構成とすることで、常に適切な位相補正を行うことができ、光ディスク装置におけるフォーカス制御を、安定に、且つ制御帯域を広げることなく追従能力を向上させることができ、残留偏差を抑圧できるように、作用させることができる。
なお、図5において、その他の構成要素は、上記実施の形態1と同様であるため、ここでは詳述しない。
次に、動作について説明する。なお、ここでは、周回メモリ100bに、被補償信号としてフォーカスエラー信号が入力される場合を例に挙げて説明する。上記フォーカスエラー信号s10は、ディスクの面振れという周期性成分を持つものである。
まず、光ディスク装置において、初期起動時に、コントローラ20を介して要素18にk値が設定される。次に、光ディスク装置による記録、再生動作が開始すると、光ディスク110が回転し、該ディスクの回転に伴ってディスクの面振れ等が発生する。このとき、光ヘッド制御系においてフォーカスエラー信号s10が検出され、周回メモリ100bに入力される。また、位置検出部26により、ディスクの半径方向における光ピックアップの位置が検出され、位相補正部19に出力される。
周回メモリ100bに入力された上記フォーカスエラー信号s10は、加算器13に入力され、フィードバック信号系21から出力される信号s13と加算された後、当該周回メモリ100aより出力されると共に、フィードバック信号系21に入力される。
上記フィードバック信号系21に入力された信号s11は、フィルタ部17に入力され、要素18のk値によってカットオフ周波数が任意に設定されたハイパスフィルタ16b及びローパスフィルタ16aで、フィルタリングされる。
フィルタ部17においてフィルタリングされた信号s12は、メモリ15に、直前のディスク1周期分の信号情報として記憶され、この記憶された信号が、位相補正部19に入力され、位置検出部26によって検出された光ピックアップの位置情報に基づいて、位相量の補正がなされた後に、加算器13にゲイン要素14を介してフィードバック信号系21より出力されて、上記加算器13に入力される。
これ以降、周回メモリ100bにおいて、入力されたフォーカスエラー信号s10に対し、ディスクの半径方向における光ピックアップの位置に応じて、メモリ15に記憶された直前の1周期分の信号の位相補正を行い、1周期前の信号にゲインを乗じた信号を加算する動作が繰り返し行なわれ、これにより定常偏差が十分に抑圧されることになる。なお、本実施例では、加算器を用いた動作について説明しているが、減算器を用いた場合でも同様の偏差抑圧効果が得られる。
また、上記実施の形態1と同様に、周回メモリ100bにおいて、目標とする被補償信号に対して、例えば、直前の1周期分の信号をメモリ15に記憶した信号を、フォーカスアクチュエータの駆動信号に変えることで、フォーカスアクチュエータを上記被補償信号に追従するように動作させ、また、上述の位置検出部26からの光ピックアップの位置情報に基づいて、上記位相補正部19において、制御ループを構成する際に発生する位相量の補正を行うことで、光ディスク装置におけるフォーカス制御を、安定に、且つ制御帯域を広げることなく追従能力を向上させることができ、結果として残留偏差を飛躍的に抑圧できる。
また、本実施の形態3では、周回メモリ100bに入力される被補償信号s10が、フォーカスエラー信号である場合を例に挙げて説明したが、これに限るものではなく、例えばフォーカス駆動信号などを用いても、結果的に定常偏差を0に近づけるといった偏差抑圧効果が得られる。さらに、光ディスクの偏芯を追従目標とするトラッキング制御に対しても、上記被補償信号s10としてトラッキングエラー信号を用いることで、シーク動作やトラックジャンプ動作時においても、ディスクの半径方向における光ピックアップの位置情報に基づいて、位相量の補正を適切に行うことができるため、十分に残留偏差を抑圧することができる。
以上のように、本実施の形態3による周回メモリによれば、光ディスク装置におけるシーク動作やジャンプ動作時など、直前の1周期分の信号と現在検出している信号との間に大きな位相量の差分が生じる場合に、光ピックアップの位置情報に基づいて、位相量の補正を行なうようにしたので、ディスクの半径方向における光ピックアップの位置に関らず、周回メモリにおいて、位相量の差分による信号の偏差を抑圧して、被補償信号の追従能力を向上させることができ、この結果、光ディスク装置において、光ピックアップのフォーカス・トラッキング制御を常に安定して行なうことが可能となる。
本発明による周回メモリは、繰り返し制御方式を有し、光ディスク装置におけるフォーカス・トラッキング制御の安定化と追従能力向上等に有用である。また光ディスク装置の高倍速化・高密度化の用途等にも応用できる。
図1は、本発明の実施の形態1による周回メモリを備えた光ディスク装置の構成を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態1による周回メモリの構成を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態1による信号波形を示す図である。 図4は、本発明の実施の形態2による周回メモリの別の構成例を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態3による周回メモリの構成を示す図である。 図6は、従来の周回メモリの構成を示す図である。
符号の説明
1 第1の加算器
2 アッテネーションゲイン
3 ローパスフィルタ
4 メモリ
5,6 ゲイン要素
7 第2の加算器
8 ローパスフィルタ
9 減算器
10 絶対値検出器
11 コンパレータ
12 相関検出部
13 加算器
14 ゲイン要素
15 メモリ
16a ローパスフィルタ
16b ハイパスフィルタ
17 フィルタ部
18 要素
19 位相補正部
20 コントローラ
21 フィードバック信号系
22 追従目標
23 アクチュエータの駆動信号
24 誤差信号
25 回転数検出部
26 位置検出部
100,100a,100b 周回メモリ
110 光ディスク
111 スピンドルモータ
112 光ヘッド
113 粗移動機構
114 記録・再生信号処理系
115 制御系
116 回転制御系
117 光ヘッド制御系
118 光ヘッド位置制御系

Claims (6)

  1. 被補償信号の繰り返し制御を行なう周回メモリであって、
    周期的な周波数成分を持つ被補償信号が入力される加算器と、
    前記加算器の出力信号を1周期分毎にメモリに順次更新記憶し、該メモリに記憶された1周期分の情報を前記加算器に入力するフィードバック信号系と、を備え、
    前記フィードバック信号系は、
    前記加算器の出力信号のうち、任意に設定される学習の帯域に含まれる信号を出力するフィルタ部と、
    前記フィルタ部の出力信号を順次更新記憶するメモリと、
    前記メモリからの出力を前記加算器に入力する際の位相量を任意に設定可能な位相補正部と、
    該位相補正部によって位相補正された1周期分の情報に、0以上1以下の値を乗じて前記加算器に入力するゲイン要素と、を備える、
    ことを特徴とする周回メモリ。
  2. ディスクより読み出される被補償信号の繰り返し制御を行なう周回メモリであって、
    周期的な周波数成分を持つ被補償信号が入力される加算器と、
    前記加算器の出力信号を1周期分毎にメモリに順次更新記憶し、該メモリに記憶された1周期分の情報を前記加算器に入力するフィードバック信号系と、
    前記ディスクの回転数を検出する回転数検出部とを備え、
    前記フィードバック信号系は、
    前記加算器の出力信号のうち、任意に設定される学習の帯域に含まれる信号を出力するフィルタ部と、
    前記フィルタ部の出力信号を順次更新記憶するメモリと、
    前記ディスクの回転数に応じて、前記メモリからの出力を前記加算器に入力する際の位相量を任意に設定可能な位相補正部と、
    該位相補正部によって位相補正された1周期分の情報に、0以上1以下の値を乗じて、前記加算器に入力するゲイン要素と、を備える、
    ことを特徴とする周回メモリ。
  3. ディスクより読み出される被補償信号の繰り返し制御を行なう周回メモリであって、
    周期的な周波数成分を持つ被補償信号が入力される加算器と、
    前記加算器の出力信号を1周期分毎にメモリに順次更新記憶し、該メモリに記憶された1周期分の情報を前記加算器に入力するフィードバック信号系と、
    前記ディスクの半径方向における光ピックアップの位置を検出する位置検出部と、を備え、
    前記フィードバック信号系は、
    前記加算器の出力信号のうち、任意に設定される学習の帯域に含まれる信号を出力するフィルタ部と、
    前記フィルタ部の出力信号を順次更新記憶するメモリと、
    前記ディスクの半径方向における光ピックアップの位置に応じて、前記メモリからの出力を前記加算器に入力する際の位相量を任意に設定可能な位相補正部と、
    該位相補正部によって位相補正された1周期分の情報に、0以上1以下の値を乗じて、前記加算器に入力するゲイン要素と、を備える、
    ことを特徴とする周回メモリ。
  4. 光または磁気によりディスクに情報を記録再生するディスク装置において、
    光または磁気を発生させるヘッドを、前記ディスクの所定の位置に位置決めする、アクチュエータ、及びモータを制御するヘッド制御系を備え、
    前記ヘッド制御系は、被補償信号の繰り返し制御を行なう周回メモリを有し、
    前記周回メモリは、
    周期的な周波数成分を持つ被補償信号が入力される加算器と、
    前記加算器の出力信号を1周期分毎にメモリに順次更新記憶し、該メモリに記憶された1周期分の情報を前記加算器に入力するフィードバック信号系と、を備え、
    前記フィードバック信号系は、
    前記加算器の出力信号のうち、任意に設定される学習の帯域に含まれる信号を出力するフィルタ部と、
    前記フィルタ部の出力信号を順次更新記憶するメモリと、
    前記メモリからの出力を前記加算器に入力する際の位相量を任意に設定可能な位相補正部と、
    該位相補正部によって位相補正された1周期分の情報に、0以上1以下の値を乗じて前記加算器に入力するゲイン要素と、を備える、
    ことを特徴とするディスク装置。
  5. 光または磁気によりディスクに情報を記録再生するディスク装置において、
    光または磁気を発生させるヘッドを、前記ディスクの所定の位置に位置決めする、アクチュエータ、及びモータを制御するヘッド制御系を備え、
    前記ヘッド制御系は、被補償信号の繰り返し制御を行なう周回メモリを有し、
    前記周回メモリは、
    周期的な周波数成分を持つ被補償信号が入力される加算器と、
    前記加算器の出力信号を1周期分毎にメモリに順次更新記憶し、該メモリに記憶された1周期分の情報を前記加算器に入力するフィードバック信号系と、
    前記ディスクの回転数を検出する回転数検出部と、を備え、
    前記フィードバック信号系は、
    前記加算器の出力信号のうち、任意に設定される学習の帯域に含まれる信号を出力するフィルタ部と、
    前記フィルタ部の出力信号を順次更新記憶するメモリと、
    前記ディスクの回転数に応じて、前記メモリからの出力を前記加算器に入力する際の位相量を任意に設定可能な位相補正部と、
    該位相補正部によって位相補正された1周期分の情報に、0以上1以下の値を乗じて、前記加算器に入力するゲイン要素と、を備える、
    ことを特徴とするディスク装置。
  6. 光または磁気によりディスクに情報を記録再生するディスク装置において、
    光または磁気を発生させるヘッドを、前記ディスクの所定の位置に位置決めする、アクチュエータ、及びモータを制御するヘッド制御系を備え、
    前記ヘッド制御系は、被補償信号の繰り返し制御を行なう周回メモリを有し、
    前記周回メモリは、
    周期的な周波数成分を持つ被補償信号が入力される加算器と、
    前記加算器の出力信号を1周期分毎にメモリに順次更新記憶し、該メモリに記憶された1周期分の情報を前記加算器に入力するフィードバック信号系と、
    前記ディスクの半径方向における光ピックアップの位置を検出する位置検出部と、を備え、
    前記フィードバック信号系は、
    前記加算器の出力信号のうち、任意に設定される学習の帯域に含まれる信号を出力するフィルタ部と、
    前記フィルタ部の出力信号を順次更新記憶するメモリと、
    前記ディスクの半径方向における光ピックアップの位置に応じて、前記メモリからの出力を前記加算器に入力する際の位相量を任意に設定可能な位相補正部と、
    該位相補正部によって位相補正された1周期分の情報に、0以上1以下の値を乗じて、前記加算器に入力するゲイン要素と、を備える、
    ことを特徴とするディスク装置。
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