JPWO2007069355A1 - 衝撃緩衝シートとそれを用いた電子機器 - Google Patents

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Abstract

衝撃緩衝シートは衝撃荷重を受ける第1面を有する。そして第1の緩衝材と第2の緩衝材とで構成されている。第2の緩衝材は、第1の緩衝材より大きな圧縮弾性率を有し、第1の緩衝材中に配置されている。第2の緩衝材は第1面に対し実質的に直交する方向に伸びているように配置されている。第1面と平行な断面において第1の緩衝材の断面積は第2の緩衝材の断面積以上である。

Description

本発明は、高密度に情報の記録・再生を行う磁気ディスク装置や光ディスク装置等のディスク型記録再生装置(以下、ディスク装置)や、携帯に供する電子装置等への衝撃を緩衝するための衝撃緩衝シートとそれを用いた電子機器に関する。
近年、ディスク装置等の電子機器の小型化、軽量化が進み、携帯に供する電子機器が非常に多くなってきている。そのような電子機器には、携帯時に落下等により非常に大きな衝撃を受ける機会も増加している。また、さらなる小型化、軽量化の進展に伴い、電子機器の携帯時の落下高さが高くなる傾向があり、そのときの落下による衝撃は一層大きくなっている。
このような状況に対し、まず電子機器本体の周囲にスポンジクッション材等の衝撃緩衝部材を貼付し、この衝撃緩衝部材を介して電子機器本体を内蔵用ケースに取り付ける方法が提案された。しかしながらこの構成によって、例えば1万G以上にも達する非常に大きな落下衝撃の衝撃力を有効に緩和し、電子機器本体を致命的な損傷から守るためには、衝撃緩衝部材の厚みを大きくする必要がある。衝撃緩衝部材の厚みを増加させれば、衝撃が加わった初期の時点における衝撃吸収力は大きい。しかしながら、衝撃緩衝部材の変形は急速に進むため、衝撃緩衝部材の弾性復元力は急速に大きくなる。それにしたがって緩衝能力は急速に低下して緩衝吸収力が弱くなり、短時間のうちに電子機器本体は比較的大きな衝撃力を受けることになる。また、衝撃緩衝部材の厚みを増加すると、電子機器本体と衝撃緩衝部材とを内蔵する電子機器が大きくなり、小型化が困難になる。
このような課題を解決するために、特開平11−242881号公報には弾性変形率の異なる2種類の衝撃緩衝部材を適用することが提案されている。この構成では、硬質の第2の衝撃緩衝部材の厚さは、柔らかい第1の衝撃緩衝部材の圧縮による緩衝効果が失われる厚さにほぼ等しく設定されている。
衝撃が弱い場合には、柔らかい第1の衝撃緩衝部材のみが柔らかく衝撃を吸収し、衝撃が強い場合には、柔らかい第1の衝撃緩衝部材で吸収しきれない衝撃を第2の衝撃緩衝部材が吸収する。このようにいずれの衝撃緩衝部材もそれぞれの弾性変形により衝撃を吸収する。この構成により、単一の衝撃緩衝部材に比べて弱い衝撃から強い衝撃までの幅広い衝撃に対して効果的に対応することができる。このような構成において硬質の第2の衝撃緩衝部材も、単に弾性変形によって衝撃を吸収する。しかしながらこのような構成でも、例えば1万G以上にも達する非常に大きな落下衝撃の場合には、その衝撃力を有効に緩和して電子機器本体に致命的な損傷がないようにすることは困難である。
さらに特開2004−315087号公報は、耐衝撃性能を飛躍的に向上することができる技術を開示している。この技術を図11A、図11Bを用いて説明する。図11Aはディスク装置等の電子機器を内蔵した機器の断面図、図11Bはこの機器に用いられる衝撃緩衝部材の模式斜視図である。
図11Bに示すように、衝撃緩衝部材1118は緩衝基材部1118Aと緩衝柔軟部1118Bとが個片で組み合わされた構造を有する。そして図11Aに示すように、ディスク装置等の電子機器1117は衝撃緩衝部材1118を介して機器1119に内蔵されている。この構成では、機器1119に加わる衝撃が弱い場合には、緩衝柔軟部1118Bが柔らかく衝撃を吸収する。そして衝撃が強い場合には緩衝基材部1118Aが衝撃を吸収する。さらに、緩衝基材部1118Aが吸収しきれないほど衝撃が大きい場合には緩衝基材部1118Aが折れることによって衝撃を吸収する。これにより例えば1万G以上にも達する非常に大きな落下衝撃の衝撃力も吸収される。
しかしながらこの構成の衝撃緩衝性能を越えるほどの衝撃の場合には、電子機器1117が損傷することも想定される。さらに、このような複数の個片からなる衝撃緩衝部材1118を電子機器1117と機器1119との間隙に配置する必要がある。このため電子機器1117へ個々の衝撃緩衝部材1118を取り付ける繁雑な作業が必要になる。
本発明は、落下等の非常に大きな衝撃を受けた場合にも、装置本体には大きな衝撃を伝えることがなく、衝撃による致命的な損傷を与えない衝撃緩衝シートである。またそれを具備した電子機器である。本発明の衝撃緩衝シートは衝撃荷重を受ける第1面を有する。そして第1の緩衝材と第2の緩衝材とで構成されている。第2の緩衝材は第1の緩衝材より大きな圧縮弾性率を有し、第1の緩衝材中に配置されている。第2の緩衝材は第1面に対し実質的に直交する方向に伸びているように配置され、第1面と平行な断面において第1の緩衝材の断面積が第2の緩衝材の断面積以上である。この構成により、この衝撃緩衝シートは非常に大きな衝撃を受けたときにも、比較的長い時間にわたって衝撃圧縮力を受けとめることができる。そのためこの衝撃緩衝シートを周囲に設けられた電子機器装置本体が受ける衝撃は非常に小さな衝撃となる。これにより、電子機器装置本体は致命的な損傷を受けることがない。本発明による電子機器は、電子機器本体と、その周囲に設けられた上記衝撃緩衝シートとを有し、優れた衝撃緩衝能力を有する。
図1は本発明の実施の形態による電子機器の構造を示す概略断面図である。 図2Aは本発明の実施の形態による衝撃緩衝シートを構成する衝撃緩衝部材の斜視図である。 図2Bは図2Aの衝撃緩衝部材を密着して並べた衝撃緩衝シートの構造を示す斜視図である。 図2Cは本発明の実施の形態における衝撃緩衝シートの衝撃吸収の一過程を示す側面図である。 図2Dは本発明の実施の形態における他の衝撃緩衝シートの衝撃吸収の一過程を示す側面図である。 図3は本発明の実施の形態における衝撃緩衝シートの製造方法の一例を示す図である。 図4Aは本発明の実施の形態における衝撃緩衝部材を模式化して示す図である。 図4Bは図4Aに示す模式化された衝撃緩衝部材が動作した状態を示す図である。 図4Cは図4Aに示す模式化された衝撃緩衝部材に加わる衝撃荷重と衝撃緩衝部材の耐衝撃能の時間変化率との、それぞれの経時変化を示すグラフである。 図5Aは従来の衝撃緩衝部材を従来の配置により衝撃緩衝の効果を調べる方法の一例を示す概略側面図である。 図5Bは従来の衝撃緩衝部材を本発明の実施の形態と同様な配置により衝撃緩衝の効果を調べる方法の一例を示す概略側面図である。 図5Cはシート状の従来の衝撃緩衝部材を従来の配置により衝撃緩衝の効果を調べる方法の一例を示す概略側面図である。 図5Dは本発明の実施の形態における衝撃緩衝部材を本発明の実施の形態の配置により衝撃緩衝の効果を調べる方法の一例を示す概略側面図である。 図6は本発明の実施の形態における他の電子機器の構造を示す概略断面図である。 図7Aは本発明の実施の形態における衝撃緩衝シートの別の構造を示す斜視図である。 図7Bは図7Aに示す衝撃緩衝部材に支え棒を挿入した状態を示す斜視図である。 図8は本発明の実施の形態における衝撃緩衝シートの他の構造を示す断面図である。 図9は本発明の実施の形態における衝撃緩衝シートのさらに他の構造を示す透視斜視図である。 図10は本発明の実施の形態における衝撃緩衝シートのさらに別の構造を示す斜視図である。 図11Aは従来の衝撃緩衝構成を有するディスク装置の構造を示す概略断面図である。 図11Bは図11Aに示す従来の衝撃緩衝部材の斜視図である。
符号の説明
1 軸受部
2 回転軸
3 ロータハブ部
4 回転磁石
5 モータシャーシ
6 ステータ
6A ステータコア
6B コイル
7 スピンドルモータ
8 磁気ディスク
9 基板
10 回路基板
11 支持部材
12 磁気ヘッド
13 サスペンション
14 支柱
15 上内部筐体
16 下内部筐体
17 磁気ディスク装置本体(電子機器本体)
18,42,47,182 衝撃緩衝部材
18A,18C,42A,47A,182A 第2の緩衝材
18B,42B,47B,182B 第1の緩衝材
19 外装ケース
21 端面(第2面)
22 端面(第1面)
41 模擬装置
43 台
44,45 加速度計
46 矢印
180,180A,180B,186 衝撃緩衝シート
181 屈曲部
183 穴
184 支え棒(延出部)
185 ベースシート
1117 電子機器
1118 衝撃緩衝部材
1118A 緩衝基材部
1118B 緩衝柔軟部
1119 機器
図1は本発明の実施の形態における電子機器の構造を示す概略断面図である。以下の記述において、電子機器として、磁気ディスク装置を例に挙げて説明する。
軸受部1は回転軸2を回転自在に支持している。ロータハブ部3は回転軸2に固着されている。ロータハブ部3の外周下端面側には、複数の磁極に着磁された回転磁石4が圧入または接着そのほかの周知の方法により固着されている。モータシャーシ5には回転磁石4の内周面に対向するようにステータ6が固定されている。ステータ6は、複数の磁極歯部を有するステータコア6Aとそれぞれの磁極歯部にコイル6Bが巻かれた構成を有している。コイル6Bに電流が供給されると、回転磁石4に回転駆動力が発生し、ロータハブ部3が回転する。このようにしてスピンドルモータ7が構成されている。ロータハブ部3のフランジ部の上面には磁気ディスク8が載置されている。磁気ディスク8はロータハブ部3の回転に伴って回転する。
磁気ディスク8が搭載されたスピンドルモータ7は、基板9に固定されている。回路基板10は支持部材11を介して下内部筐体16に固定されている。回路基板10には、スピンドルモータ7を回転駆動し、回転制御する回路と、磁気ディスク8に信号を記録または再生する信号処理回路等の装置として必要な電子回路とが組み込まれている。サスペンション13は支柱14を介して基板9に固定されている。サスペンション13は磁気ヘッド12を所定のトラック位置に位置決めする揺動部である。磁気ヘッド12は磁気ディスク8の表面に対向するように配設されている。磁気ヘッド12は磁気ディスク8に信号を記録または再生する信号変換素子である。
例えば基板9の端縁部において、基板9の上側または下側へ屈曲された部分には、上内部筐体15と下内部筐体16とが固定されている。上内部筐体15と下内部筐体16とは電子機器本体である磁気ディスク装置本体17の外郭を形成している。このようにして磁気ディスク装置本体17が構成されている。
シート状に配列された衝撃緩衝部材18は、磁気ディスク装置本体17の外側にある6面のそれぞれに対応して固着されている。すなわち、衝撃緩衝シート180は磁気ディスク装置本体17の周囲に設けられている。衝撃緩衝部材18は、磁気ディスク装置本体17の外側に配置された外装ケース19の内側に当接している。このようにして磁気ディスク装置が構成されている。磁気ディスク装置本体17は必ずしも上内部筐体15と下内部筐体16とで囲まれる構成にする必要はなく、曲げ加工等の加工を加えられた基板9に衝撃緩衝部材18を直接固着してもよい。
次に、衝撃緩衝部材18と衝撃緩衝シート180について、図2A、図2Bを用いて説明する。図2Aは本発明の実施の形態における電子機器装置である磁気ディスク装置に用いられる衝撃緩衝部材の構造を示す斜視図である。図2Bは図2Aの衝撃緩衝部材18を密着して並べた衝撃緩衝シート180の構造を示す斜視図である。
衝撃緩衝部材18は、第1の緩衝材18Bと第2の緩衝材18Aとが交互に積層された緩衝材シートを所定の大きさに切断して作製されている。第2の緩衝材18Aは一般的なポリエチレンシートのような緩衝基材部である。第1の緩衝材18Bはゲル等の緩衝部材により形成された緩衝柔軟部である。すなわち、第2の緩衝材18Aは、第1の緩衝材18Bより大きな圧縮弾性率を有し、第1の緩衝材18B中に配置されている。圧縮弾性率とは、例えばJIS規格の、JIS K 7181などで定義することができる。
ここで、衝撃緩衝部材18(衝撃緩衝シート180)の製造方法の一例を、図3を用いて説明する。第1の緩衝材18Bには、シリコーン樹脂を主原料とし、圧縮弾性率(ヤング率)が119.5kPa、厚み2mmのゲルシートを用いた。また第2の緩衝材16Aには、圧縮弾性率が7200kPa、厚み0.5mmのポリエチレンシートを用いた。
まずゲルシートを10cm角に切断する(S01)。一方、ポリエチレンシートも10cm角に切断する(S02)。次にポリエチレンシートの表面に合成ゴム系接着剤からなる接着剤を塗布する(S03)。そしてゲルシートとポリエチレンシートとを100枚ずつ交互に積層する(S04)。この積層物を・例えば40℃、30分の条件で加熱して接着剤を硬化させる(S05)。硬化した後、積層方向に厚み1mmに切断する(S06)。このようにして衝撃緩衝シート180が完成する(S07)。
例えばポリエチレンシートからなる第2の緩衝材18Aはある程度の硬さを有する。そのため衝撃緩衝部材18を面内方向に押圧した場合、第2の緩衝材18Aは屈曲して変形する。一方、第1の緩衝材18Bは、ゴム材のようにクッション性能を有する。そのため衝撃緩衝部材18を押圧すると第1の緩衝材18Bは圧縮変形する。すなわち、第2の緩衝材18Aの圧縮弾性率は第1の緩衝材18Bの圧縮弾性率より大きい。このように、衝撃緩衝部材18はこの第2の緩衝材18Aと第1の緩衝材18Bとを組み合わせた構成を有する。
第1の緩衝材18Bと第2の緩衝材18Aとの圧縮弾性率の大小関係を実現する材料の組み合わせは種々ある。例えば第1の緩衝材18Bとしてシリコーン系ゲル等の一般のゲル材料、または天然ゴム、合成ゴム等のゴム材料等が使用可能である。一方、第2の緩衝材18Aとしてはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリナフタレンテレフタレート(PEN)、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、ポリカーボネート等が使用可能である。
衝撃緩衝シート180は、図2Aにおける第2の緩衝材18Aと第1の緩衝材18Bとが一体成形されて重なった面に対して垂直に相対する長手方向の両側の端面21、22を有する。端面22は衝撃荷重を受ける第1面であり、端面21はそれに対向する第2面である。そして図1に示すように、衝撃緩衝シート180は上内部筐体15または下内部筐体16と外装ケース19との間に設置されている。すなわち、衝撃緩衝シート180は磁気ディスク装置本体17と外装ケース19との間に設置されている。そして端面21、22は、磁気ディスク装置本体17の外側にある面と外装ケース19の内側にある面にそれぞれ当接するように配置されている。このように衝撃緩衝シート180は、ある程度の硬さのある第2の緩衝材18Aと非常に柔軟でクッション性能を有する第1の緩衝材18Bとが積層して一体成形されている。
衝撃緩衝シート180では等しい厚さの第1の緩衝材18Bと第2の緩衝材18Aとがそれぞれ層として形成され、端面21、22に実質的に直交する方向に交互に積層配置されている。これ以外に、第1の緩衝材18Bの厚さと第2の緩衝材18Aの厚さとが異なっていてもよい。このとき、積層の方向における第1の緩衝材18Bの平均厚さが第2の緩衝材18Aの平均厚さ以上であることが望ましい。すなわち、第2の緩衝材18Aは端面21、22に対し実質的に直交する方向に伸びているように配置され、端面21、22と平行な断面において第1の緩衝材18Bの断面積が第2の緩衝材18Aの断面積以上であればよい。図2Bの構成では、第2の緩衝材18Aの端部が端面21、22に露出しているので、端面21、22における第1の緩衝材18Bの面積が第2の緩衝材18Aの面積以上であればよい。
第2の緩衝材18Aの平均厚さが第1の緩衝材18Bの平均厚さより厚い場合、クッション材としての第1の緩衝材18Bの効果は発現しにくくなる。この場合、衝撃緩衝シート180は単に硬い第2の緩衝材18Aのみで構成されているようになってしまい、緩衝効果が小さくなる。よって第1の緩衝材18Bと第2の緩衝材18Aとは上述のような大きさになっていることが好ましい。
第2の緩衝材18Aと第1の緩衝材18Bとの両者は並列的に衝撃を受ける。ここで、衝撃緩衝部材18の緩衝部分の厚みを適当な厚みとすることが好ましい。これによって、非常に大きな衝撃を受けた際の初期の衝撃に対して、ある程度の硬さのある第2の緩衝材18Aとクッション性能を有する第1の緩衝材18Bとが並列的に衝撃を受けることができる。ここで衝撃緩衝部材18の緩衝部分の厚みとは、端面21と端面22の距離である。
次に衝撃を受けた第2の緩衝材18Aの変化について図2Cを用いて説明する。図2Cは本発明の実施の形態における衝撃緩衝シートの衝撃吸収の一過程を示す側面図である。
非常に大きな衝撃を受けた際の初期の衝撃に対しては、主として第2の緩衝材18Aが衝撃に耐える。次に、第2の緩衝材18Aは中程の屈曲部181で屈曲する。すなわち、第2の緩衝材18Aは、端面22に荷重が作用した場合に、端面22と平行な方向に屈曲変形する屈曲部181を有する。そして第2の緩衝材18Aは衝撃的圧縮力に耐えきれずに中間部近傍の屈曲部181で座屈する。
その後は、圧縮力に対する第2の緩衝材18Aの反発力は徐々に小さくなり、クッション性能を有する第1の緩衝材18Bが主として衝撃力を吸収する。なお、図2Cにおいては、第2の緩衝材18Aの屈曲する方向が全て同一方向になる例を示しているが、第2の緩衝材18Aが異なる方向にランダムに屈曲する屈曲部を有する場合もある。この場合、第2の緩衝材18Aには圧縮される部分と膨張する部分とが発生するが、それら両方の部分が衝撃力に対して抵抗作用を発揮するために、耐衝撃性能の効果が一層発揮される。
図2Dは衝撃緩衝シート180の衝撃吸収の一過程を示す他の側面図であり、衝撃を受けた場合の第2の緩衝材18Aの他の変化を示している。この場合、第2の緩衝材18Aが座屈せずに図面の左方向に倒れている。言い換えると第2の緩衝材18Aは端面22と平行な方向に傾倒している。この場合も、外装ケース19に対して第2の緩衝材18Aが垂直状態から倒れるまで座屈の場合と同様の効果が生じる。
図4Aは第2の緩衝材18Aと第1の緩衝材18Bとで構成された衝撃緩衝部材18の動作を模式化して示す図である。外装ケース19と下内部筐体16(または上内部筐体15)とは並列に配設されている。第2の緩衝材18Aは、屈曲部181をリンクとする剛体とみなして太い実線で示されている。また第1の緩衝材18Bはばねで図形化して示されている。図4Bは外装ケース19から衝撃荷重Fが作用した時の状態を示している。
図4Cは、衝撃緩衝部材18に加わる衝撃荷重Fと衝撃緩衝部材18の耐衝撃能の時間変化率Pとの、それぞれの時間tの経過における変化を示すグラフである。装置の落下等により、外装ケース19に非常に大きな衝撃荷重Fが働くと、最初は第2の緩衝材18Aが例えば板ばねが曲がるように、第1の緩衝材18Bが例えばゴム部材が圧縮されるように、ともに弾性変形する。そのため、耐衝撃能の時間変化率Pは時間t1における図4Cの時間t1における点Uまで、衝撃荷重Fにほぼ沿って変化していく。衝撃荷重Fが第2の緩衝材18Aの線形の弾性変形限界を越えて増加すると、剛体である第2の緩衝材18Aは屈曲部181で撓み、屈曲し始める。このことは、屈曲部181をリンクとして第2の緩衝材18Aが曲がるように変形すると考えればよい。この撓み変形の状態では第2の緩衝材18Aの耐衝撃能の時間変化率Pは、ほとんど一定で変化せずに推移し、図4Cの時間t2における点Vに至る。
衝撃荷重Fがさらに増加し、第2の緩衝材18Aの撓み変形による屈曲の限界を越えると衝撃的圧縮力に耐えきれずに第2の緩衝材18Aは中間部近傍の屈曲部181で座屈する。すなわち図2Cに示すように、第2の緩衝材18Aは屈曲部181にて屈折する。このとき、図4Bに示すように、屈曲部181をリンクとして、第2の緩衝材18Aは折れ曲がるように変形した状態になると考えられる。この時点で衝撃緩衝部材18は変形量δだけ圧縮された形状になる。このようにして衝撃緩衝部材18は衝撃荷重Fを吸収する。
その後、圧縮力に対する第2の緩衝材18Aの反発力は徐々に小さくなる。そしてクッション性能を有する第1の緩衝材18Bが主として衝撃荷重Fを吸収する。そのため、耐衝撃能の時間変化率Pは図4Cの点Vよりも右側に示すように次第に減少していく。
衝撃緩衝部材18に衝撃荷重Fが加わり、耐衝撃能の時間変化率Pが点Uから点Vにいたる状況は、重量物をメカニカルジャッキで持ち上げる場合と似ている。すなわち、最初は非常に重く大きな力を必要とするまでの経過が、図4Cの衝撃荷重の加わり始めから点Uまでに相当する。そしてある程度持ち上がると軽くなり小さな力で操作できるようになるまでの経過が、図4Cの点Uから点Vまでに相当する。
以上説明したように、衝撃緩衝シート180は、ある程度の硬さを有し、かつ、柔軟性を有する材料を用いて形成された第2の緩衝材18Aとクッション性能を有する非常に柔軟な材料を用いて形成された第1の緩衝材18Bとを一体化した構成を有する。そして非常に大きな衝撃が加わったとき、第2の緩衝材18Aが中間部の屈曲部181で屈曲し、さらに座屈させることにより衝撃力を吸収する。非常に大きな衝撃が加わったときに、屈曲部181で確実に座屈を発生させるために、第2の緩衝材18Aの中間部(屈曲部181)に孔部や切り込み、切り欠きの少なくともいずれかを設けてもよい。
また、第2の緩衝材18Aは、端面21、22に露出していなくてもよい。この場合でも、第1の緩衝材18Bが圧縮変形した時に第2の緩衝材18Aが端面21と端面22との間を橋渡しすれば、第2の緩衝材18Aによる衝撃緩衝効果は得られる。ただし、第2の緩衝材18Aの両端部が端面21、22に露出していれば第2の緩衝材18Aによる衝撃緩衝効果は、上記のように端面に露出していない場合に比べてさらに強力に得られるため好ましい。
次に、衝撃緩衝シート180の効果について、実験結果を示して説明する。実験には、図5A〜図5Dに示す構成を用いた。
図5Aの側面図に示す構成では、従来の衝撃緩衝部材42の第2の緩衝材42Aが、図1における磁気ディスク装置本体17に相当する模擬装置41の外側面に接着されている。そして第2の緩衝材42Aにおける模擬装置41の外側面に接着された面に対向する面に、第1の緩衝材42Bが接着されている。このように第2の緩衝材42Aと第1の緩衝材42Bとが衝撃荷重方向に対して直列的に配置されている。すなわち、図1における外装ケース19に相当する台43、第2の緩衝材42A、第1の緩衝材42B、模擬装置41がこの順に重ねられている。なお、第2の緩衝材42Aと第1の緩衝材42Bとを逆に重ねても同様の結果が得られる。
図5Bの側面図に示す構成では、従来の衝撃緩衝部材47の第2の緩衝材47Aと第1の緩衝材47Bとが衝撃荷重方向に対して並列的になるように配置されている。
図5Cの側面図に示す構成では、従来の衝撃緩衝部材182の第2の緩衝材182Aが模擬装置41の外側面に接着されている。第2の緩衝材182Aの他方の面には、第1の緩衝材182Bが接着されている。このように第2の緩衝材182Aと第1の緩衝材182Bとが衝撃荷重方向に対して直列的に配置されている。
図5Dの側面図に示す構成では、本発明による衝撃緩衝部材18の第2の緩衝材18Aと第1の緩衝材18Bが衝撃荷重方向に対して並列的になるように配置されている。このようにして衝撃緩衝シート180が配置されている。なお、衝撃緩衝部材42、47、182、18の高さ、すなわち台43と模擬装置41との間隔は、すべて同じに設定されている。
このように4種類の構成による衝撃緩衝の差について調べた。以下、実験方法について簡単に説明する。台43の上面には加速度計44が取り付けられている。また、模擬装置41の上面にはそれぞれ加速度計45が取り付けられている。そして高さ100cmから台43を矢印46の方向に自然落下させたときのそれぞれの加速度計44、45の測定値により衝撃緩衝の時間的変化を記録する。得られた結果を(表1)に示す。
Figure 2007069355
(表1)は、加速度計45、48の出力であるG値を記録したグラフから求めたそれぞれの最大衝撃値と衝撃時間とを示している。衝撃時間はそれぞれのグラフにおける衝撃開始から震幅が10G以下になるまでの時間とした。また、台43の上面に取り付けた加速度計44による最大衝撃値と衝撃時間は4種類の構成で得られたデータの平均値である。
図5A、図5Cに示す構成では、第1の緩衝材42B、182Bと第2の緩衝材42A、182Aとが衝撃荷重方向に対して直列的に配置されている(実験No.1とNo.3)。これらの構成においては、衝撃を受けた初期の時点から第1の緩衝材42B、182Bの緩衝性能が有効に働く。そのため早期に緩衝性能を発揮する。このため衝撃期間が短い。しかしながら非常に大きな衝撃力を受けると、第1の緩衝材42B、182Bの圧縮変形が大きく、時間とともに弾性反発力が大きくなる。その結果、模擬装置41が受ける最大衝撃値も大きくなる。最後には剛体的な結合とほとんど同じようになり、いわゆる底打ち現象が起きる。したがって、衝撃の緩衝効果がほとんどなくなる。
一方、図5B、図5Dに示す構成では、第1の緩衝材47B、18Bと第2の緩衝材47A、18Aとが並列的に配置されている(実験No.2とNo.4)。これらの構成においては、衝撃圧縮力を受けた初期に第2の緩衝材47A、18Aと第1の緩衝材47B、18Bとが並列的に圧縮力を受ける。そして主として第2の緩衝材47A、18Aの弾性反発力が圧縮に対する耐力となる。さらに衝撃値が増加すると、第2の緩衝材47A、18Aが圧縮力に耐えきれずに座屈し、徐々に第2の緩衝材47A、18Aの圧縮反発力が小さくなる。すると第2の緩衝材47A、18Aに代わって第1の緩衝材47B、18Bが圧縮力を受ける。したがって、衝撃緩衝部材47、18は、衝撃緩衝部材42、182のように第1の緩衝材と第2の緩衝材とを衝撃荷重方向に対して直列的に配置した従来の方法と比較して長い時間にわたって衝撃圧縮力を受けとめることができる。そのため衝撃力を緩和する効果が非常に大きくなる。そして、この衝撃緩和効果は本発明の実施の形態における衝撃緩衝部材18の方が衝撃緩衝部材47に比べ広い面積にわたって衝撃を緩衝するのでより顕著に現れる。また、図5A、図5Bに示した従来の衝撃緩衝部材42、47の結果(実験No.1、No.2)と図5C、図5Dに示した衝撃緩衝部材182、18の結果(実験No.3、No.4)との差は、衝撃緩衝部材182、18がシート状で衝撃を平面で受けるためと考えられる。これにより衝撃緩衝能力がより一層高くなっている。なお、図5Bに示す構成と同程度の衝撃緩衝能力で充分な用途に図5Dに示す構成を適用する場合には、第2の緩衝材18Aとして第2の緩衝材47Aより圧縮弾性率の小さい材料を適用することができる。そのため、材料コストや難燃性など、衝撃緩衝以外の観点での材料の選択肢が広がる。
本発明の実施の形態である図5Dの構成では、第2の緩衝材18Aと第1の緩衝材18Bとが衝撃荷重方向に対して実質的に直交する方向に積層されて衝撃緩衝部材18が構成されている。さらに衝撃緩衝部材18によって衝撃緩衝シート180が構成されている。このような構成、配置により、模擬装置41が受ける最大衝撃値の値は衝撃緩衝部材18を用いない構成(実験No.0)の1/10にあたる800Gとなる。また従来の構成と比べても約36%から50%にまで低減する。さらに衝撃時間も台43にかかる衝撃時間の半分以下に低下している。このように衝撃緩衝部材18を並列的に使用した場合の有効性が示されている。
さらに、図1における矢印D方向または矢印E方向のいずれの衝撃の方向に対しても、このような衝撃緩衝過程となり、いずれの方向の衝撃に対しても同様の効果が得られる。
なお、以上の説明では、図1に示した構造を前提にしている。すなわち、上内部筐体15、下内部筐体16で囲まれた磁気ディスク装置本体17の外側にある6面には、それぞれの面に対応させて複数の衝撃緩衝部材18で構成された衝撃緩衝シート180が固着されている。そして複数の衝撃緩衝部材18はほぼ均一な密度で配置されている。しかしながら衝撃緩衝部材18の配置方法はこの例に限定されることはなく、配置密度を変化させることも可能である。
図6は衝撃緩衝部材18の配置方法を変えた場合の概略断面図を示している。電子機器の重量は均等に分配されていることはほとんどなく重量集中部が存在する。この重量集中部に第2の緩衝材18Aの配置密度を高く配置することで、より大きな衝撃緩衝効果を持たせることが可能になる。すなわち、衝撃荷重が大きく発生する箇所において第2の緩衝材18Aの配置密度が大きいことが好ましい。また重い部材の部分には第2の緩衝材18Aを密に配置し、軽い部材の部分には第2の緩衝材18Aを疎に配置することが望ましい。例えば、支持部材11や基板9が直接上内部筐体15や下内部筐体16に固定された箇所等に第2の緩衝材18Aを密に配置する。このように衝撃緩衝シート180Aを構成することが好ましい。
また、図2Aでは直方体形状の衝撃緩衝部材18が示され、図2Bでは複数の直方体形状の衝撃緩衝部材18を密着して並べ一体形成された衝撃緩衝シート180の積層構造が示されている。しかし本発明の衝撃緩衝部材の形状はこの例に限定されることはない。例えば、図7Aに例示したように、衝撃緩衝部材18を積層した衝撃緩衝シート180において、中央に穴183を設けてもよい。そして図7Bに示すように、図示しない機器本体からの延出部である支え棒184を穴183に挿入し固定する構成であってもよい。この場合も上述と同様の緩衝効果を得ることができる。
また、図2Bに示すように衝撃緩衝部材18を並べて衝撃緩衝シート180が構成されたが、図8に示すように衝撃緩衝シート180をベースシート185で挟み込んでもよい。このように第1の緩衝材18Bと第2の緩衝材18Aとを一体に形成した構成により衝撃緩衝シート180の取り扱いがより簡単になる。なお、ベースシート185は、ポリエチレンシート等の薄い材料であり、第1の緩衝材18Bがゲル材であれば、その粘着性で容易にベースシート185上に保持固定される。
さらに、図9に示すように円筒状の第2の緩衝材18Cがゲル材の第1の緩衝材18B中に分散配置されて衝撃緩衝シート180Bを構成してもよい。この場合、端面21、22に対し、第2の緩衝材18Cの円筒の軸の方向が略垂直、または径方向が端面21、22に略平行になるように任意に配置されている。衝撃緩衝シート180Bは、例えば第1の緩衝材18Bとして感光性有機シートを用いて、露光、現像によりこのシートに開口部(貫通孔)を形成し、その開口部中に熱硬化性の有機樹脂材料を充填後、熱硬化することによって第2の緩衝材18Cを形成することができる。
第2の緩衝材18Cは、第1の緩衝材18Bより大きな圧縮弾性率を有し、第1の緩衝材18B中に配置されている。第2の緩衝材18Cは図9に示すように所定の間隔で規則的に配置してもよいし、大きな間隔をあけないでランダムに配置してもよい。第2の緩衝材18Cの平均径は、その平均配置間隔よりも小さいことが好ましい。言い換えると、第2の緩衝材18Cは端面21、22に対し実質的に直交する方向に伸びるように配置され、端面21、22と平行な断面において第1の緩衝材18Bの断面積が第2の緩衝材18Cの断面積以上であることが望ましい。この理由は図2Bの構造と同様である。
円筒状の第2の緩衝材18Cの径は全て同じでもそれぞれが異なる径を有していてもよい。そして、第2の緩衝材18Cは円筒状に限らず、多角柱状、半円柱状、楕円柱状も可能である。また、外径を小さくして繊維状にした第2の緩衝材18Cを配置した衝撃緩衝シート180であっても、上述したのと同様な緩衝効果を得ることができる。また、図9に示すような第2の緩衝材18Cの場合、屈曲する方向はランダムな方向になることが多い。
また、第2の緩衝材18Cは、端面21、22に露出していなくてもよい。この場合でも、第1の緩衝材18Bが圧縮変形した時に第2の緩衝材18Cが端面21と端面22との間を橋渡しすれば、第2の緩衝材18Cによる衝撃緩衝効果は得られる。ただし、第2の緩衝材18Cの両端部が端面21、22に露出していれば、上記のように端面に露出していない場合に比べてさらに強力に第2の緩衝材18Cによる衝撃緩衝効果は得られるため好ましい。
また、図2Bに示した衝撃緩衝シート180のように複数の衝撃緩衝部材18をストライプ状に並べた以外に、図10に示す構造であってもよい。図10に示す構造では、第2の緩衝材18Aと第1の緩衝材18Bとで構成された細長い一本の衝撃緩衝部材18を渦巻状に巻き込むことにより衝撃緩衝シート186が形成されている。すなわち、第1の緩衝材18Bと第2の緩衝材18Aとはリボン状に形成され、積層された第1の緩衝材18Bと第2の緩衝材18Aとが、渦巻状に巻回されている。また、第2の緩衝材18Aと第1の緩衝材18Bとで円環状に構成されて異なる大きさの複数の衝撃緩衝部材18を同心円状に固着形成していわゆるバウムクーヘンのような外観の衝撃緩衝シートを形成することも可能である。
この場合も、第2の緩衝材18Bは、第1の緩衝材18Bより大きな圧縮弾性率を有し、第1の緩衝材18B中に配置されている。そして第2の緩衝材18Aは端面21、22に対し実質的に直交する方向に伸びているように配置されている。また第1の緩衝材18Bの平均厚が、第2の緩衝材18Aの平均厚以上である。すなわち、端面21、22と平行な断面において第1の緩衝材18Bの断面積が第2の緩衝材18Aの断面積以上であることが好ましい。
なお、本実施の形態においては、電子機器として磁気ディスク装置17を例に挙げて説明したが、これに限定されない。光ディスク装置、光−磁気ディスク装置、または、そのほか携帯に供する電子機器に適用することができる。
また、第2の緩衝材18A、18Cが座屈して衝撃を吸収するような非常に大きな衝撃荷重が加わると、衝撃緩衝シート180、180A、180B、186の衝撃吸収能力は十分ではなくなる。そのため、このような場合、第2の緩衝材18A、18Cが座屈したことを検知するセンサを衝撃緩衝シート180、180A、180B、186に取り付けることが好ましい。そして、座屈の検知信号に基づいて衝撃緩衝シート180、180A、180B、186の交換を促す表示システムを電子装置に設けることが好ましい。
本発明による衝撃緩衝シートでは、衝撃の初期には緩衝効果が小さくて弾性反発力が比較的大きい。そして所定の時間経過時点では弾性反発力が小さくて緩衝効果が大きくなる。この衝撃緩衝シートは、さらに比較的長い時間にわたって衝撃圧縮力を受けとめることができる。そのため、この衝撃緩衝シートを用いた電子機器を携帯使用時に、落下等で非常に大きな衝撃がかかった場合でも、電子機器装置には致命的な損傷を生じることがない。この衝撃緩衝シートはディスク装置等の情報記録再生装置やこれらの装置を内蔵する携帯電子機器、装置等に適用することができる。
本発明は、高密度に情報の記録・再生を行う磁気ディスク装置や光ディスク装置等のディスク型記録再生装置(以下、ディスク装置)や、携帯に供する電子装置等への衝撃を緩衝するための衝撃緩衝シートとそれを用いた電子機器に関する。
近年、ディスク装置等の電子機器の小型化、軽量化が進み、携帯に供する電子機器が非常に多くなってきている。そのような電子機器には、携帯時に落下等により非常に大きな衝撃を受ける機会も増加している。また、さらなる小型化、軽量化の進展に伴い、電子機器の携帯時の落下高さが高くなる傾向があり、そのときの落下による衝撃は一層大きくなっている。
このような状況に対し、まず電子機器本体の周囲にスポンジクッション材等の衝撃緩衝部材を貼付し、この衝撃緩衝部材を介して電子機器本体を内蔵用ケースに取り付ける方法が提案された。しかしながらこの構成によって、例えば1万G以上にも達する非常に大きな落下衝撃の衝撃力を有効に緩和し、電子機器本体を致命的な損傷から守るためには、衝撃緩衝部材の厚みを大きくする必要がある。衝撃緩衝部材の厚みを増加させれば、衝撃が加わった初期の時点における衝撃吸収力は大きい。しかしながら、衝撃緩衝部材の変形は急速に進むため、衝撃緩衝部材の弾性復元力は急速に大きくなる。それにしたがって緩衝能力は急速に低下して緩衝吸収力が弱くなり、短時間のうちに電子機器本体は比較的大きな衝撃力を受けることになる。また、衝撃緩衝部材の厚みを増加すると、電子機器本体と衝撃緩衝部材とを内蔵する電子機器が大きくなり、小型化が困難になる。
このような課題を解決するために、特開平11−242881号公報には弾性変形率の異なる2種類の衝撃緩衝部材を適用することが提案されている。この構成では、硬質の第2の衝撃緩衝部材の厚さは、柔らかい第1の衝撃緩衝部材の圧縮による緩衝効果が失われる厚さにほぼ等しく設定されている。
衝撃が弱い場合には、柔らかい第1の衝撃緩衝部材のみが柔らかく衝撃を吸収し、衝撃が強い場合には、柔らかい第1の衝撃緩衝部材で吸収しきれない衝撃を第2の衝撃緩衝部材が吸収する。このようにいずれの衝撃緩衝部材もそれぞれの弾性変形により衝撃を吸収する。この構成により、単一の衝撃緩衝部材に比べて弱い衝撃から強い衝撃までの幅広い衝撃に対して効果的に対応することができる。このような構成において硬質の第2の衝撃緩衝部材も、単に弾性変形によって衝撃を吸収する。しかしながらこのような構成でも、例えば1万G以上にも達する非常に大きな落下衝撃の場合には、その衝撃力を有効に緩和して電子機器本体に致命的な損傷がないようにすることは困難である。
さらに特開2004−315087号公報は、耐衝撃性能を飛躍的に向上することができる技術を開示している。この技術を図11A、図11Bを用いて説明する。図11Aはディスク装置等の電子機器を内蔵した機器の断面図、図11Bはこの機器に用いられる衝撃緩衝部材の模式斜視図である。
図11Bに示すように、衝撃緩衝部材1118は緩衝基材部1118Aと緩衝柔軟部1118Bとが個片で組み合わされた構造を有する。そして図11Aに示すように、ディスク装置等の電子機器1117は衝撃緩衝部材1118を介して機器1119に内蔵されている。この構成では、機器1119に加わる衝撃が弱い場合には、緩衝柔軟部1118Bが柔らかく衝撃を吸収する。そして衝撃が強い場合には緩衝基材部1118Aが衝撃を吸収する。さらに、緩衝基材部1118Aが吸収しきれないほど衝撃が大きい場合には緩衝基材部1118Aが折れることによって衝撃を吸収する。これにより例えば1万G以上にも達する非常に大きな落下衝撃の衝撃力も吸収される。
しかしながらこの構成の衝撃緩衝性能を越えるほどの衝撃の場合には、電子機器1117が損傷することも想定される。さらに、このような複数の個片からなる衝撃緩衝部材1118を電子機器1117と機器1119との間隙に配置する必要がある。このため電子機器1117へ個々の衝撃緩衝部材1118を取り付ける繁雑な作業が必要になる。
本発明は、落下等の非常に大きな衝撃を受けた場合にも、装置本体には大きな衝撃を伝えることがなく、衝撃による致命的な損傷を与えない衝撃緩衝シートである。またそれを具備した電子機器である。本発明の衝撃緩衝シートは衝撃荷重を受ける第1面を有する。そして第1の緩衝材と第2の緩衝材とで構成されている。第2の緩衝材は第1の緩衝材より大きな圧縮弾性率を有し、第1の緩衝材中に配置されている。第2の緩衝材は第1面に対し実質的に直交する方向に伸びているように配置され、第1面と平行な断面において第1の緩衝材の断面積が第2の緩衝材の断面積以上である。この構成により、この衝撃緩衝シートは非常に大きな衝撃を受けたときにも、比較的長い時間にわたって衝撃圧縮力を受けとめることができる。そのためこの衝撃緩衝シートを周囲に設けられた電子機器装置本体が受ける衝撃は非常に小さな衝撃となる。これにより、電子機器装置本体は致命的な損傷を受けることがない。本発明による電子機器は、電子機器本体と、その周囲に設けられた上記衝撃緩衝シートとを有し、優れた衝撃緩衝能力を有する。
図1は本発明の実施の形態における電子機器の構造を示す概略断面図である。以下の記述において、電子機器として、磁気ディスク装置を例に挙げて説明する。
軸受部1は回転軸2を回転自在に支持している。ロータハブ部3は回転軸2に固着されている。ロータハブ部3の外周下端面側には、複数の磁極に着磁された回転磁石4が圧入または接着そのほかの周知の方法により固着されている。モータシャーシ5には回転磁石4の内周面に対向するようにステータ6が固定されている。ステータ6は、複数の磁極歯部を有するステータコア6Aとそれぞれの磁極歯部にコイル6Bが巻かれた構成を有している。コイル6Bに電流が供給されると、回転磁石4に回転駆動力が発生し、ロータハブ部3が回転する。このようにしてスピンドルモータ7が構成されている。ロータハブ部3のフランジ部の上面には磁気ディスク8が載置されている。磁気ディスク8はロータハブ部3の回転に伴って回転する。
磁気ディスク8が搭載されたスピンドルモータ7は、基板9に固定されている。回路基板10は支持部材11を介して下内部筐体16に固定されている。回路基板10には、スピンドルモータ7を回転駆動し、回転制御する回路と、磁気ディスク8に信号を記録または再生する信号処理回路等の装置として必要な電子回路とが組み込まれている。サスペンション13は支柱14を介して基板9に固定されている。サスペンション13は磁気ヘッド12を所定のトラック位置に位置決めする揺動部である。磁気ヘッド12は磁気ディスク8の表面に対向するように配設されている。磁気ヘッド12は磁気ディスク8に信号を記録または再生する信号変換素子である。
例えば基板9の端縁部において、基板9の上側または下側へ屈曲された部分には、上内部筐体15と下内部筐体16とが固定されている。上内部筐体15と下内部筐体16とは電子機器本体である磁気ディスク装置本体17の外郭を形成している。このようにして磁気ディスク装置本体17が構成されている。
シート状に配列された衝撃緩衝部材18は、磁気ディスク装置本体17の外側にある6面のそれぞれに対応して固着されている。すなわち、衝撃緩衝シート180は磁気ディスク装置本体17の周囲に設けられている。衝撃緩衝部材18は、磁気ディスク装置本体17の外側に配置された外装ケース19の内側に当接している。このようにして磁気ディスク装置が構成されている。磁気ディスク装置本体17は必ずしも上内部筐体15と下内部筐体16とで囲まれる構成にする必要はなく、曲げ加工等の加工を加えられた基板9に衝撃緩衝部材18を直接固着してもよい。
次に、衝撃緩衝部材18と衝撃緩衝シート180について、図2A、図2Bを用いて説明する。図2Aは本発明の実施の形態における電子機器装置である磁気ディスク装置に用いられる衝撃緩衝部材の構造を示す斜視図である。図2Bは図2Aの衝撃緩衝部材18を密着して並べた衝撃緩衝シート180の構造を示す斜視図である。
衝撃緩衝部材18は、第1の緩衝材18Bと第2の緩衝材18Aとが交互に積層された緩衝材シートを所定の大きさに切断して作製されている。第2の緩衝材18Aは一般的なポリエチレンシートのような緩衝基材部である。第1の緩衝材18Bはゲル等の緩衝部材により形成された緩衝柔軟部である。すなわち、第2の緩衝材18Aは、第1の緩衝材18Bより大きな圧縮弾性率を有し、第1の緩衝材18B中に配置されている。圧縮弾性率とは、例えばJIS規格の、JIS K 7181などで定義することができる。
ここで、衝撃緩衝部材18(衝撃緩衝シート180)の製造方法の一例を、図3を用いて説明する。第1の緩衝材18Bには、シリコーン樹脂を主原料とし、圧縮弾性率(ヤング率)が119.5kPa、厚み2mmのゲルシートを用いた。また第2の緩衝材16Aには、圧縮弾性率が7200kPa、厚み0.5mmのポリエチレンシートを用いた。
まずゲルシートを10cm角に切断する(S01)。一方、ポリエチレンシートも10cm角に切断する(S02)。次にポリエチレンシートの表面に合成ゴム系接着剤からなる接着剤を塗布する(S03)。そしてゲルシートとポリエチレンシートとを100枚ずつ交互に積層する(S04)。この積層物を・例えば40℃、30分の条件で加熱して接着剤を硬化させる(S05)。硬化した後、積層方向に厚み1mmに切断する(S06)。このようにして衝撃緩衝シート180が完成する(S07)。
例えばポリエチレンシートからなる第2の緩衝材18Aはある程度の硬さを有する。そのため衝撃緩衝部材18を面内方向に押圧した場合、第2の緩衝材18Aは屈曲して変形する。一方、第1の緩衝材18Bは、ゴム材のようにクッション性能を有する。そのため衝撃緩衝部材18を押圧すると第1の緩衝材18Bは圧縮変形する。すなわち、第2の緩衝材18Aの圧縮弾性率は第1の緩衝材18Bの圧縮弾性率より大きい。このように、衝撃緩衝部材18はこの第2の緩衝材18Aと第1の緩衝材18Bとを組み合わせた構成を有する。
第1の緩衝材18Bと第2の緩衝材18Aとの圧縮弾性率の大小関係を実現する材料の組み合わせは種々ある。例えば第1の緩衝材18Bとしてシリコーン系ゲル等の一般のゲル材料、または天然ゴム、合成ゴム等のゴム材料等が使用可能である。一方、第2の緩衝材18Aとしてはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリナフタレンテレフタレート(PEN)、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、ポリカーボネート等が使用可能である。
衝撃緩衝シート180は、図2Aにおける第2の緩衝材18Aと第1の緩衝材18Bとが一体成形されて重なった面に対して垂直に相対する長手方向の両側の端面21、22を有する。端面22は衝撃荷重を受ける第1面であり、端面21はそれに対向する第2面である。そして図1に示すように、衝撃緩衝シート180は上内部筐体15または下内部筐体16と外装ケース19との間に設置されている。すなわち、衝撃緩衝シート180は磁気ディスク装置本体17と外装ケース19との間に設置されている。そして端面21、22は、磁気ディスク装置本体17の外側にある面と外装ケース19の内側にある面にそれぞれ当接するように配置されている。このように衝撃緩衝シート180は、ある程度の硬さのある第2の緩衝材18Aと非常に柔軟でクッション性能を有する第1の緩衝材18Bとが積層して一体成形されている。
衝撃緩衝シート180では等しい厚さの第1の緩衝材18Bと第2の緩衝材18Aとがそれぞれ層として形成され、端面21、22に実質的に直交する方向に交互に積層配置されている。これ以外に、第1の緩衝材18Bの厚さと第2の緩衝材18Aの厚さとが異なっていてもよい。このとき、積層の方向における第1の緩衝材18Bの平均厚さが第2の緩衝材18Aの平均厚さ以上であることが望ましい。すなわち、第2の緩衝材18Aは端面21、22に対し実質的に直交する方向に伸びているように配置され、端面21、22と平行な断面において第1の緩衝材18Bの断面積が第2の緩衝材18Aの断面積以上であればよい。図2Bの構成では、第2の緩衝材18Aの端部が端面21、22に露出しているので、端面21、22における第1の緩衝材18Bの面積が第2の緩衝材18Aの面積以上であればよい。
第2の緩衝材18Aの平均厚さが第1の緩衝材18Bの平均厚さより厚い場合、クッション材としての第1の緩衝材18Bの効果は発現しにくくなる。この場合、衝撃緩衝シート180は単に硬い第2の緩衝材18Aのみで構成されているようになってしまい、緩衝効果が小さくなる。よって第1の緩衝材18Bと第2の緩衝材18Aとは上述のような大きさになっていることが好ましい。
第2の緩衝材18Aと第1の緩衝材18Bとの両者は並列的に衝撃を受ける。ここで、衝撃緩衝部材18の緩衝部分の厚みを適当な厚みとすることが好ましい。これによって、非常に大きな衝撃を受けた際の初期の衝撃に対して、ある程度の硬さのある第2の緩衝材18Aとクッション性能を有する第1の緩衝材18Bとが並列的に衝撃を受けることができる。ここで衝撃緩衝部材18の緩衝部分の厚みとは、端面21と端面22の距離である。
次に衝撃を受けた第2の緩衝材18Aの変化について図2Cを用いて説明する。図2Cは本発明の実施の形態における衝撃緩衝シートの衝撃吸収の一過程を示す側面図である。
非常に大きな衝撃を受けた際の初期の衝撃に対しては、主として第2の緩衝材18Aが衝撃に耐える。次に、第2の緩衝材18Aは中程の屈曲部181で屈曲する。すなわち、第2の緩衝材18Aは、端面22に荷重が作用した場合に、端面22と平行な方向に屈曲変形する屈曲部181を有する。そして第2の緩衝材18Aは衝撃的圧縮力に耐えきれずに中間部近傍の屈曲部181で座屈する。
その後は、圧縮力に対する第2の緩衝材18Aの反発力は徐々に小さくなり、クッション性能を有する第1の緩衝材18Bが主として衝撃力を吸収する。なお、図2Cにおいては、第2の緩衝材18Aの屈曲する方向が全て同一方向になる例を示しているが、第2の緩衝材18Aが異なる方向にランダムに屈曲する屈曲部を有する場合もある。この場合、第2の緩衝材18Aには圧縮される部分と膨張する部分とが発生するが、それら両方の部分が衝撃力に対して抵抗作用を発揮するために、耐衝撃性能の効果が一層発揮される。
図2Dは衝撃緩衝シート180の衝撃吸収の一過程を示す他の側面図であり、衝撃を受けた場合の第2の緩衝材18Aの他の変化を示している。この場合、第2の緩衝材18Aが座屈せずに図面の左方向に倒れている。言い換えると第2の緩衝材18Aは端面22と平行な方向に傾倒している。この場合も、外装ケース19に対して第2の緩衝材18Aが垂直状態から倒れるまで座屈の場合と同様の効果が生じる。
図4Aは第2の緩衝材18Aと第1の緩衝材18Bとで構成された衝撃緩衝部材18の動作を模式化して示す図である。外装ケース19と下内部筐体16(または上内部筐体15)とは並列に配設されている。第2の緩衝材18Aは、屈曲部181をリンクとする剛体とみなして太い実線で示されている。また第1の緩衝材18Bはばねで図形化して示されている。図4Bは外装ケース19から衝撃荷重Fが作用した時の状態を示している。
図4Cは、衝撃緩衝部材18に加わる衝撃荷重Fと衝撃緩衝部材18の耐衝撃能の時間変化率Pとの、それぞれの時間tの経過における変化を示すグラフである。装置の落下等により、外装ケース19に非常に大きな衝撃荷重Fが働くと、最初は第2の緩衝材18Aが例えば板ばねが曲がるように、第1の緩衝材18Bが例えばゴム部材が圧縮されるように、ともに弾性変形する。そのため、耐衝撃能の時間変化率Pは時間t1における図4Cの時間t1における点Uまで、衝撃荷重Fにほぼ沿って変化していく。衝撃荷重Fが第2の緩衝材18Aの線形の弾性変形限界を越えて増加すると、剛体である第2の緩衝材18Aは屈曲部181で撓み、屈曲し始める。このことは、屈曲部181をリンクとして第2の緩衝材18Aが曲がるように変形すると考えればよい。この撓み変形の状態では第2の緩衝材18Aの耐衝撃能の時間変化率Pは、ほとんど一定で変化せずに推移し、図4Cの時間t2における点Vに至る。
衝撃荷重Fがさらに増加し、第2の緩衝材18Aの撓み変形による屈曲の限界を越えると衝撃的圧縮力に耐えきれずに第2の緩衝材18Aは中間部近傍の屈曲部181で座屈する。すなわち図2Cに示すように、第2の緩衝材18Aは屈曲部181にて屈折する。このとき、図4Bに示すように、屈曲部181をリンクとして、第2の緩衝材18Aは折れ曲がるように変形した状態になると考えられる。この時点で衝撃緩衝部材18は変形量δだけ圧縮された形状になる。このようにして衝撃緩衝部材18は衝撃荷重Fを吸収する。
その後、圧縮力に対する第2の緩衝材18Aの反発力は徐々に小さくなる。そしてクッション性能を有する第1の緩衝材18Bが主として衝撃荷重Fを吸収する。そのため、耐衝撃能の時間変化率Pは図4Cの点Vよりも右側に示すように次第に減少していく。
衝撃緩衝部材18に衝撃荷重Fが加わり、耐衝撃能の時間変化率Pが点Uから点Vにいたる状況は、重量物をメカニカルジャッキで持ち上げる場合と似ている。すなわち、最初は非常に重く大きな力を必要とするまでの経過が、図4Cの衝撃荷重の加わり始めから点Uまでに相当する。そしてある程度持ち上がると軽くなり小さな力で操作できるようになるまでの経過が、図4Cの点Uから点Vまでに相当する。
以上説明したように、衝撃緩衝シート180は、ある程度の硬さを有し、かつ、柔軟性を有する材料を用いて形成された第2の緩衝材18Aとクッション性能を有する非常に柔軟な材料を用いて形成された第1の緩衝材18Bとを一体化した構成を有する。そして非常に大きな衝撃が加わったとき、第2の緩衝材18Aが中間部の屈曲部181で屈曲し、さらに座屈させることにより衝撃力を吸収する。非常に大きな衝撃が加わったときに、屈曲部181で確実に座屈を発生させるために、第2の緩衝材18Aの中間部(屈曲部181)に孔部や切り込み、切り欠きの少なくともいずれかを設けてもよい。
また、第2の緩衝材18Aは、端面21、22に露出していなくてもよい。この場合でも、第1の緩衝材18Bが圧縮変形した時に第2の緩衝材18Aが端面21と端面22との間を橋渡しすれば、第2の緩衝材18Aによる衝撃緩衝効果は得られる。ただし、第2の緩衝材18Aの両端部が端面21、22に露出していれば第2の緩衝材18Aによる衝撃緩衝効果は、上記のように端面に露出していない場合に比べてさらに強力に得られるため好ましい。
次に、衝撃緩衝シート180の効果について、実験結果を示して説明する。実験には、図5A〜図5Dに示す構成を用いた。
図5Aの側面図に示す構成では、従来の衝撃緩衝部材42の第2の緩衝材42Aが、図1における磁気ディスク装置本体17に相当する模擬装置41の外側面に接着されている。そして第2の緩衝材42Aにおける模擬装置41の外側面に接着された面に対向する面に、第1の緩衝材42Bが接着されている。このように第2の緩衝材42Aと第1の緩衝材42Bとが衝撃荷重方向に対して直列的に配置されている。すなわち、図1における外装ケース19に相当する台43、第2の緩衝材42A、第1の緩衝材42B、模擬装置41がこの順に重ねられている。なお、第2の緩衝材42Aと第1の緩衝材42Bとを逆に重ねても同様の結果が得られる。
図5Bの側面図に示す構成では、従来の衝撃緩衝部材47の第2の緩衝材47Aと第1の緩衝材47Bとが衝撃荷重方向に対して並列的になるように配置されている。
図5Cの側面図に示す構成では、従来の衝撃緩衝部材182の第2の緩衝材182Aが模擬装置41の外側面に接着されている。第2の緩衝材182Aの他方の面には、第1の緩衝材182Bが接着されている。このように第2の緩衝材182Aと第1の緩衝材182Bとが衝撃荷重方向に対して直列的に配置されている。
図5Dの側面図に示す構成では、本発明による衝撃緩衝部材18の第2の緩衝材18Aと第1の緩衝材18Bが衝撃荷重方向に対して並列的になるように配置されている。このようにして衝撃緩衝シート180が配置されている。なお、衝撃緩衝部材42、47、182、18の高さ、すなわち台43と模擬装置41との間隔は、すべて同じに設定されている。
このように4種類の構成による衝撃緩衝の差について調べた。以下、実験方法について簡単に説明する。台43の上面には加速度計44が取り付けられている。また、模擬装置41の上面にはそれぞれ加速度計45が取り付けられている。そして高さ100cmから台43を矢印46の方向に自然落下させたときのそれぞれの加速度計44、45の測定値により衝撃緩衝の時間的変化を記録する。得られた結果を(表1)に示す。
Figure 2007069355
(表1)は、加速度計45、48の出力であるG値を記録したグラフから求めたそれぞれの最大衝撃値と衝撃時間とを示している。衝撃時間はそれぞれのグラフにおける衝撃開始から震幅が10G以下になるまでの時間とした。また、台43の上面に取り付けた加速度計44による最大衝撃値と衝撃時間は4種類の構成で得られたデータの平均値である。
図5A、図5Cに示す構成では、第1の緩衝材42B、182Bと第2の緩衝材42A、182Aとが衝撃荷重方向に対して直列的に配置されている(実験No.1とNo.3)。これらの構成においては、衝撃を受けた初期の時点から第1の緩衝材42B、182Bの緩衝性能が有効に働く。そのため早期に緩衝性能を発揮する。このため衝撃期間が短い。しかしながら非常に大きな衝撃力を受けると、第1の緩衝材42B、182Bの圧縮変形が大きく、時間とともに弾性反発力が大きくなる。その結果、模擬装置41が受ける最大衝撃値も大きくなる。最後には剛体的な結合とほとんど同じようになり、いわゆる底打ち現象が起きる。したがって、衝撃の緩衝効果がほとんどなくなる。
一方、図5B、図5Dに示す構成では、第1の緩衝材47B、18Bと第2の緩衝材47A、18Aとが並列的に配置されている(実験No.2とNo.4)。これらの構成においては、衝撃圧縮力を受けた初期に第2の緩衝材47A、18Aと第1の緩衝材47B、18Bとが並列的に圧縮力を受ける。そして主として第2の緩衝材47A、18Aの弾性反発力が圧縮に対する耐力となる。さらに衝撃値が増加すると、第2の緩衝材47A、18Aが圧縮力に耐えきれずに座屈し、徐々に第2の緩衝材47A、18Aの圧縮反発力が小さくなる。すると第2の緩衝材47A、18Aに代わって第1の緩衝材47B、18Bが圧縮力を受ける。したがって、衝撃緩衝部材47、18は、衝撃緩衝部材42、182のように第1の緩衝材と第2の緩衝材とを衝撃荷重方向に対して直列的に配置した従来の方法と比較して長い時間にわたって衝撃圧縮力を受けとめることができる。そのため衝撃力を緩和する効果が非常に大きくなる。そして、この衝撃緩和効果は本発明の実施の形態における衝撃緩衝部材18の方が衝撃緩衝部材47に比べ広い面積にわたって衝撃を緩衝するのでより顕著に現れる。また、図5A、図5Bに示した従来の衝撃緩衝部材42、47の結果(実験No.1、No.2)と図5C、図5Dに示した衝撃緩衝部材182、18の結果(実験No.3、No.4)との差は、衝撃緩衝部材182、18がシート状で衝撃を平面で受けるためと考えられる。これにより衝撃緩衝能力がより一層高くなっている。なお、図5Bに示す構成と同程度の衝撃緩衝能力で充分な用途に図5Dに示す構成を適用する場合には、第2の緩衝材18Aとして第2の緩衝材47Aより圧縮弾性率の小さい材料を適用することができる。そのため、材料コストや難燃性など、衝撃緩衝以外の観点での材料の選択肢が広がる。
本発明の実施の形態である図5Dの構成では、第2の緩衝材18Aと第1の緩衝材18Bとが衝撃荷重方向に対して実質的に直交する方向に積層されて衝撃緩衝部材18が構成されている。さらに衝撃緩衝部材18によって衝撃緩衝シート180が構成されている。このような構成、配置により、模擬装置41が受ける最大衝撃値の値は衝撃緩衝部材18を用いない構成(実験No.0)の1/10にあたる800Gとなる。また従来の構成と比べても約36%から50%にまで低減する。さらに衝撃時間も台43にかかる衝撃時間の半分以下に低下している。このように衝撃緩衝部材18を並列的に使用した場合の有効性が示されている。
さらに、図1における矢印D方向または矢印E方向のいずれの衝撃の方向に対しても、このような衝撃緩衝過程となり、いずれの方向の衝撃に対しても同様の効果が得られる。
なお、以上の説明では、図1に示した構造を前提にしている。すなわち、上内部筐体15、下内部筐体16で囲まれた磁気ディスク装置本体17の外側にある6面には、それぞれの面に対応させて複数の衝撃緩衝部材18で構成された衝撃緩衝シート180が固着されている。そして複数の衝撃緩衝部材18はほぼ均一な密度で配置されている。しかしながら衝撃緩衝部材18の配置方法はこの例に限定されることはなく、配置密度を変化させることも可能である。
図6は衝撃緩衝部材18の配置方法を変えた場合の概略断面図を示している。電子機器の重量は均等に分配されていることはほとんどなく重量集中部が存在する。この重量集中部に第2の緩衝材18Aの配置密度を高く配置することで、より大きな衝撃緩衝効果を持たせることが可能になる。すなわち、衝撃荷重が大きく発生する箇所において第2の緩衝材18Aの配置密度が大きいことが好ましい。また重い部材の部分には第2の緩衝材18Aを密に配置し、軽い部材の部分には第2の緩衝材18Aを疎に配置することが望ましい。例えば、支持部材11や基板9が直接上内部筐体15や下内部筐体16に固定された箇所等に第2の緩衝材18Aを密に配置する。このように衝撃緩衝シート180Aを構成することが好ましい。
また、図2Aでは直方体形状の衝撃緩衝部材18が示され、図2Bでは複数の直方体形状の衝撃緩衝部材18を密着して並べ一体形成された衝撃緩衝シート180の積層構造が示されている。しかし本発明の衝撃緩衝部材の形状はこの例に限定されることはない。例えば、図7Aに例示したように、衝撃緩衝部材18を積層した衝撃緩衝シート180において、中央に穴183を設けてもよい。そして図7Bに示すように、図示しない機器本体からの延出部である支え棒184を穴183に挿入し固定する構成であってもよい。この場合も上述と同様の緩衝効果を得ることができる。
また、図2Bに示すように衝撃緩衝部材18を並べて衝撃緩衝シート180が構成されたが、図8に示すように衝撃緩衝シート180をベースシート185で挟み込んでもよい。このように第1の緩衝材18Bと第2の緩衝材18Aとを一体に形成した構成により衝撃緩衝シート180の取り扱いがより簡単になる。なお、ベースシート185は、ポリエチレンシート等の薄い材料であり、第1の緩衝材18Bがゲル材であれば、その粘着性で容易にベースシート185上に保持固定される。
さらに、図9に示すように円筒状の第2の緩衝材18Cがゲル材の第1の緩衝材18B中に分散配置されて衝撃緩衝シート180Bを構成してもよい。この場合、端面21、22に対し、第2の緩衝材18Cの円筒の軸の方向が略垂直、または径方向が端面21、22に略平行になるように任意に配置されている。衝撃緩衝シート180Bは、例えば第1の緩衝材18Bとして感光性有機シートを用いて、露光、現像によりこのシートに開口部(貫通孔)を形成し、その開口部中に熱硬化性の有機樹脂材料を充填後、熱硬化することによって第2の緩衝材18Cを形成することができる。
第2の緩衝材18Cは、第1の緩衝材18Bより大きな圧縮弾性率を有し、第1の緩衝材18B中に配置されている。第2の緩衝材18Cは図9に示すように所定の間隔で規則的に配置してもよいし、大きな間隔をあけないでランダムに配置してもよい。第2の緩衝材18Cの平均径は、その平均配置間隔よりも小さいことが好ましい。言い換えると、第2の緩衝材18Cは端面21、22に対し実質的に直交する方向に伸びるように配置され、端面21、22と平行な断面において第1の緩衝材18Bの断面積が第2の緩衝材18Cの断面積以上であることが望ましい。この理由は図2Bの構造と同様である。
円筒状の第2の緩衝材18Cの径は全て同じでもそれぞれが異なる径を有していてもよい。そして、第2の緩衝材18Cは円筒状に限らず、多角柱状、半円柱状、楕円柱状も可能である。また、外径を小さくして繊維状にした第2の緩衝材18Cを配置した衝撃緩衝シート180であっても、上述したのと同様な緩衝効果を得ることができる。また、図9に示すような第2の緩衝材18Cの場合、屈曲する方向はランダムな方向になることが多い。
また、第2の緩衝材18Cは、端面21、22に露出していなくてもよい。この場合でも、第1の緩衝材18Bが圧縮変形した時に第2の緩衝材18Cが端面21と端面22との間を橋渡しすれば、第2の緩衝材18Cによる衝撃緩衝効果は得られる。ただし、第2の緩衝材18Cの両端部が端面21、22に露出していれば、上記のように端面に露出していない場合に比べてさらに強力に第2の緩衝材18Cによる衝撃緩衝効果は得られるため好ましい。
また、図2Bに示した衝撃緩衝シート180のように複数の衝撃緩衝部材18をストライプ状に並べた以外に、図10に示す構造であってもよい。図10に示す構造では、第2の緩衝材18Aと第1の緩衝材18Bとで構成された細長い一本の衝撃緩衝部材18を渦巻状に巻き込むことにより衝撃緩衝シート186が形成されている。すなわち、第1の緩衝材18Bと第2の緩衝材18Aとはリボン状に形成され、積層された第1の緩衝材18Bと第2の緩衝材18Aとが、渦巻状に巻回されている。また、第2の緩衝材18Aと第1の緩衝材18Bとで円環状に構成されて異なる大きさの複数の衝撃緩衝部材18を同心円状に固着形成していわゆるバウムクーヘンのような外観の衝撃緩衝シートを形成することも可能である。
この場合も、第2の緩衝材18Bは、第1の緩衝材18Bより大きな圧縮弾性率を有し、第1の緩衝材18B中に配置されている。そして第2の緩衝材18Aは端面21、22に対し実質的に直交する方向に伸びているように配置されている。また第1の緩衝材18Bの平均厚が、第2の緩衝材18Aの平均厚以上である。すなわち、端面21、22と平行な断面において第1の緩衝材18Bの断面積が第2の緩衝材18Aの断面積以上であることが好ましい。
なお、本実施の形態においては、電子機器として磁気ディスク装置17を例に挙げて説明したが、これに限定されない。光ディスク装置、光−磁気ディスク装置、または、そのほか携帯に供する電子機器に適用することができる。
また、第2の緩衝材18A、18Cが座屈して衝撃を吸収するような非常に大きな衝撃荷重が加わると、衝撃緩衝シート180、180A、180B、186の衝撃吸収能力は十分ではなくなる。そのため、このような場合、第2の緩衝材18A、18Cが座屈したことを検知するセンサを衝撃緩衝シート180、180A、180B、186に取り付けることが好ましい。そして、座屈の検知信号に基づいて衝撃緩衝シート180、180A、180B、186の交換を促す表示システムを電子装置に設けることが好ましい。
本発明による衝撃緩衝シートでは、衝撃の初期には緩衝効果が小さくて弾性反発力が比較的大きい。そして所定の時間経過時点では弾性反発力が小さくて緩衝効果が大きくなる。この衝撃緩衝シートは、さらに比較的長い時間にわたって衝撃圧縮力を受けとめることができる。そのため、この衝撃緩衝シートを用いた電子機器を携帯使用時に、落下等で非常に大きな衝撃がかかった場合でも、電子機器装置には致命的な損傷を生じることがない。この衝撃緩衝シートはディスク装置等の情報記録再生装置やこれらの装置を内蔵する携帯電子機器、装置等に適用することができる。
本発明の実施の形態による電子機器の構造を示す概略断面図 本発明の実施の形態による衝撃緩衝シートを構成する衝撃緩衝部材の斜視図 図2Aの衝撃緩衝部材を密着して並べた衝撃緩衝シートの構造を示す斜視図 本発明の実施の形態における衝撃緩衝シートの衝撃吸収の一過程を示す側面図 本発明の実施の形態における他の衝撃緩衝シートの衝撃吸収の一過程を示す側面図 本発明の実施の形態における衝撃緩衝シートの製造方法の一例を示す図 本発明の実施の形態における衝撃緩衝部材を模式化して示す図 図4Aに示す模式化された衝撃緩衝部材が動作した状態を示す図 図4Aに示す模式化された衝撃緩衝部材に加わる衝撃荷重と衝撃緩衝部材の耐衝撃能の時間変化率との、それぞれの経時変化を示すグラフ 従来の衝撃緩衝部材を従来の配置により衝撃緩衝の効果を調べる方法の一例を示す概略側面図 従来の衝撃緩衝部材を本発明の実施の形態と同様な配置により衝撃緩衝の効果を調べる方法の一例を示す概略側面図 シート状の従来の衝撃緩衝部材を従来の配置により衝撃緩衝の効果を調べる方法の一例を示す概略側面図 本発明の実施の形態における衝撃緩衝部材を本発明の実施の形態の配置により衝撃緩衝の効果を調べる方法の一例を示す概略側面図 本発明の実施の形態における他の電子機器の構造を示す概略断面図 本発明の実施の形態における衝撃緩衝シートの別の構造を示す斜視図 図7Aに示す衝撃緩衝部材に支え棒を挿入した状態を示す斜視図 本発明の実施の形態における衝撃緩衝シートの他の構造を示す断面図 本発明の実施の形態における衝撃緩衝シートのさらに他の構造を示す透視斜視図 本発明の実施の形態における衝撃緩衝シートのさらに別の構造を示す斜視図 従来の衝撃緩衝構成を有するディスク装置の構造を示す概略断面図 図11Aに示す従来の衝撃緩衝部材の斜視図
符号の説明
1 軸受部
2 回転軸
3 ロータハブ部
4 回転磁石
5 モータシャーシ
6 ステータ
6A ステータコア
6B コイル
7 スピンドルモータ
8 磁気ディスク
9 基板
10 回路基板
11 支持部材
12 磁気ヘッド
13 サスペンション
14 支柱
15 上内部筐体
16 下内部筐体
17 磁気ディスク装置本体(電子機器本体)
18,42,47,182 衝撃緩衝部材
18A,18C,42A,47A,182A 第2の緩衝材
18B,42B,47B,182B 第1の緩衝材
19 外装ケース
21 端面(第2面)
22 端面(第1面)
41 模擬装置
43 台
44,45 加速度計
46 矢印
180,180A,180B,186 衝撃緩衝シート
181 屈曲部
183 穴
184 支え棒(延出部)
185 ベースシート
1117 電子機器
1118 衝撃緩衝部材
1118A 緩衝基材部
1118B 緩衝柔軟部
1119 機器

Claims (15)

  1. 衝撃荷重を受ける第1面を有し、
    第1の緩衝材と、前記第1の緩衝材より大きな圧縮弾性率を有し、前記第1の緩衝材中に配置された第2の緩衝材と、を備え、
    前記第2の緩衝材は前記第1面に対し実質的に直交する方向に伸びているように配置され、前記第1面と平行な断面において前記第1の緩衝材の断面積が前記第2の緩衝材の断面積の合計以上である、
    衝撃緩衝シート。
  2. 前記第1の緩衝材は複数の第1の緩衝材の層で形成され、前記第2の緩衝材は複数の第2の緩衝材の層で形成され、
    前記第1の緩衝材の層と前記第2の緩衝材の層とが、前記第1面に実質的に直交する方向に交互に積層され、前記積層方向における前記第1の緩衝材の層の平均厚さが、前記第2の緩衝材の層の平均厚さ以上である、
    請求項1記載の衝撃緩衝シート。
  3. 前記第1の緩衝材と前記第2の緩衝材とはリボン状に形成され、積層された前記第1の緩衝材と前記第2の緩衝材とが、渦巻状に巻回されているか、同心円状に積層巻回されているか、のいずれかの構造を有し、
    前記第1の緩衝材の平均厚さが、前記第2の緩衝材の平均厚さ以上である、
    請求項1記載の衝撃緩衝シート。
  4. 前記第2の緩衝材は複数の第2の緩衝材の1つであり、前記複数の第2の緩衝材は前記第1の緩衝材中に分散配置されている、
    請求項1記載の衝撃緩衝シート。
  5. 前記第2の緩衝材は、前記第1面に衝撃荷重が作用した場合に、前記第1面と平行な方向に屈曲変形する屈曲部を有する、
    請求項1記載の衝撃緩衝シート。
  6. 前記第2の緩衝材は前記屈曲部から座屈する、
    請求項5記載の衝撃緩衝シート。
  7. 前記屈曲部には、孔、切り込み、切り欠きの少なくともいずれかが設けられている、
    請求項6記載の衝撃緩衝シート。
  8. 前記第2の緩衝材は複数の第2の緩衝材の1つであり、
    少なくとも1つの第2の緩衝材の屈曲変形方向が、ほかの第2の緩衝材の屈曲変形方向とは異なる、
    請求項5記載の衝撃緩衝シート。
  9. 前記第2の緩衝材は、前記第1面に衝撃荷重が作用した場合に、前記第1面と平行な方向に傾倒する、
    請求項1記載の衝撃緩衝シート。
  10. 前記第1の緩衝材と前記第2の緩衝材が一体に形成されている、
    請求項1記載の衝撃緩衝シート。
  11. 前記衝撃緩衝シートは前記第1面に対向する第2面を有し、前記第2の緩衝材の両端部は前記第1面と前記第2面とに露出している、
    請求項1記載の衝撃緩衝シート。
  12. 前記第2の緩衝材は複数の第2の緩衝材の1つであり、
    外的荷重の集中する箇所において前記第2の緩衝材の配置密度が大きい、
    請求項1記載の衝撃緩衝シート。
  13. 電子機器本体と、
    前記電子機器本体の周囲に設けられた請求項1記載の衝撃緩衝シートと、を備えた、
    電子機器。
  14. 前記電子機器本体の重量集中部分における第2の緩衝材の配置密度が大きい、
    請求項13記載の電子機器。
  15. 前記電子機器本体は延出部を有し、
    前記衝撃緩衝シートには前記延出部を収容する穴が設けられ、
    前記延出部は前記穴に挿入され固定された、
    請求項13記載の電子機器。
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