JPH10196626A - 衝撃吸収体および連結体 - Google Patents

衝撃吸収体および連結体

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JPH10196626A
JPH10196626A JP214797A JP214797A JPH10196626A JP H10196626 A JPH10196626 A JP H10196626A JP 214797 A JP214797 A JP 214797A JP 214797 A JP214797 A JP 214797A JP H10196626 A JPH10196626 A JP H10196626A
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shock absorber
buffer
bolt
hole
absorber according
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JP214797A
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Akihiko Miyanaga
昭彦 宮永
Toshiro Kudo
敏郎 工藤
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Shibata Industrial Co Ltd
Original Assignee
Shibata Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸に直角方向の荷重が作用しても剪断破壊を
おこすことのない連結体を提供する。 【解決手段】 ボルト本体151に衝撃吸収体10を嵌
め込んでボルト150を生成する。ボルト本体151
は、ヘッド152と、上ワッシャ153と、衝撃吸収体
10が嵌め込まれかつ表面にねじ山が形成された軸部1
54と、下ワッシャ155と、軸部154にねじ込むた
めのナット156とからなる。衝撃吸収体10は、積層
体を所定の回数だけ巻くことにより形成される緩衝部
と、その緩衝部を通り抜く貫通孔9とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝撃吸収体および
連結体に関し、さらに詳しくは、二物体や構造体を固定
するまたは連結するまたは回転可能に支持するための連
結体にかかる振動による衝撃を吸収する衝撃吸収体と、
その衝撃吸収体を用いた連結体に関する。
【0002】
【従来の技術】ボルトやねじ(ビス)は周囲に螺旋が刻
設されており、その螺旋によりボルトはナットにより、
またねじは被固定体にねじ込むことによりそれぞれ二物
体や構造体同志等を連結したり固定したりするのに一般
に用いられている。一方、二物体間の連結や支持に用い
るピンは、接続点の曲げモーメントの発生を防止するた
めに回転可能な構造で一般に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記ボルトやねじ(以
下、ボルトと言う。)は、その締め付け力によって連結
したり固定したりしているもので、その力の作用線はボ
ルトの軸線である。ところが、軸に直角方向(剪断方
向)の荷重が作用した場合は衝撃力が発生し、振動が連
続的に作用した場合にはボルトが剪断破壊をおこすとい
う問題がある。
【0004】一方、上記ピンは、二物体間をその剪断力
によって支持しているものであるが、その構成上、ピン
を嵌合させるにはピンの周囲に隙間が形成される。とこ
ろが、軸に直角方向(剪断方向)の荷重が作用した場合
は衝撃力が発生し、振動が連続的に作用した場合にはピ
ンが剪断破壊をおこすという問題がある。また、二物体
を回転可能に支持するピンでは、回転体に偏荷重が作用
した場合には、ピンに集中荷重が作用してピンが破断し
たり接続面で焼き付けをおこして回転不能になるという
問題がある。
【0005】そこで、本発明の第1の目的は、二物体や
構造体を固定するまたは連結するまたは回転可能に支持
するための連結体にかかる振動による衝撃を吸収する衝
撃吸収体を提供することにある。また、本発明の第2の
目的は、軸に直角方向の荷重が作用しても剪断破壊をお
こすことのない連結体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の観点では、本発明
は、弾性体と繊維を交互に積層して形成した積層体から
なる緩衝部と、その緩衝部に設けられた貫通孔とを具備
したことを特徴とする衝撃吸収体を提供する。上記第1
の観点による衝撃吸収体では、積層体を弾性体と繊維を
交互に積層して形成するので、ばね性が向上し、衝撃を
効率よく吸収することができる。
【0007】第2の観点では、本発明は、軸部を持つ連
結具を有する連結体において、前記連結具の軸部に、上
記構成の衝撃吸収体を嵌めたことを特徴とする連結体を
提供する。上記第2の観点による連結体では、軸に直角
方向の荷重が作用して衝撃力が発生しても衝撃吸収体が
その衝撃を効率よく吸収する。このため、直角方向の荷
重による負担や振動がかからなくなり、連結体の剪断破
壊を防止できることとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図に示す実施の形態により
本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発
明が限定されるものではない。 −第1の実施の形態− 図1は、本発明の第1の実施の形態の衝撃吸収体の断面
図である。
【0009】この衝撃吸収体10は、積層体7を所定の
回数だけ巻くことにより形成される緩衝部8と、その緩
衝部8を通り抜く貫通孔9とから構成される。次に、衝
撃吸収体10の製造方法について説明する。まず、図2
の断面図に示すように、天然、合成もしくは金属等の繊
維による布状体7aの片面もしくは両面にゴム7bを圧
延接着することにより積層体7を形成する。なお、布状
体7aおよびゴム7bの厚さを調整することにより、所
定の厚さの積層体7を形成することができる。
【0010】次に、図3に示すように、積層体7を所定
の外径の棒状またはパイプ状の芯材Sに必要回数だけ巻
き付ける。この巻き付けられた積層体7を押圧テープや
円筒状の金型で覆った後、加熱反応(加硫)を行うこと
により積層体7が一体化された緩衝部8を形成する。な
お、積層体7の巻回数を調整することにより、所定の厚
さの緩衝部8を形成することができる。前記押圧テープ
や金型等は、加熱反応後は取り除く。
【0011】このように形成した緩衝部8は、ゴム7b
の水平方向の変位を布状体7aとの接着力で拘束するこ
とによりばね性を向上させることができるもので、その
ばね性は積層体7の巻回数数やピッチ、布状体7aやゴ
ム7bの材質等により決定される。最後に、緩衝部8か
ら前記芯材Sを取り抜く。これにより、緩衝部8を通り
抜く貫通孔9が形成される。
【0012】なお、積層体7を芯材Sに巻き付ける際
に、先の加熱温度で収縮する量を上回る量の伸び量を得
る引張力を積層体7に与えておくことにより、加熱反応
後においても積層体7にしわや層間での剥離が無くなる
ことになる。また、緩衝部8の厚さは、衝撃吸収体10
の使用個所、使用目的に応じて適宜決定され、また、そ
の積層間隔も同様であり、さらに積層間隔を外側から内
側に向けて間隔幅を順次変えてもよい。
【0013】また、緩衝部8の一部または全部を弾性体
で覆うようにしてもよい。これにより、緩衝部8を保護
できることとなる。図4に、上記衝撃吸収体10を用い
たボルトを示す。このボルト150は、ボルト本体15
1と、衝撃吸収体10とを具備した構成である。
【0014】上記ボルト本体151は、ヘッド152
と、上ワッシャ153と、上記衝撃吸収体10が嵌め込
まれかつ表面にねじ山が形成された軸部154と、下ワ
ッシャ155と、前記軸部154にねじ込むためのナッ
ト156とを具備して構成される。図5を用いて、上記
ボルト150により被連結体B1,B2を連結する場合
を説明する。
【0015】被連結体B1,B2それぞれには、衝撃吸
収体10が丁度嵌まる径かほぼ同径の孔H1,H2があ
けられており、連結するときは、ボルト150を孔H
1,H2に挿入し、下ワッシャ155を嵌めてからナッ
ト156で締める。なお、ボルト150の軸部154に
剪断方向や角度をもつ方向の外力が作用した場合は、衝
撃吸収体10で緩衝効果が発揮されるので従来のボルト
では軸に平行な力や剪断力に加えて曲げモーメントが発
生してボルトが破損するに至るのに対し、ボルト150
では衝撃吸収体10が傾斜してその力に対応するために
ボルト本体151には軸に平行な力と軸に直角方向の剪
断力以外が作用しないためにボルト本体151の破損は
防げることになる。
【0016】なお、被連結体B1,B2の孔H1,H2
それぞれの径は衝撃吸収体10が丁度嵌まる径であるこ
とが好ましい。これにより、ナット156による締め付
けの際に、衝撃吸収体10の変形が拘束され、軸部15
4に衝撃力が作用したときの衝撃吸収体10の衝撃吸収
力は、衝撃吸収体10が遊嵌している場合に比べて、大
きいものとなる。
【0017】また、外部から運動エネルギーが伝達され
た場合は、衝撃吸収体10でその運動エネルギーの吸収
が可能なために、ボルト本体151に伝達されるエネル
ギー量が減少されるために、ボルト本体151のエネル
ギー破壊も防止される。このことは、図6に示す如く、
通常のボルトと本発明のボルト150に同じエネルギー
が作用した場合(斜線部分)には、緩衝部8での変位量
が大(δF >δV )となるが、発生反力は小(PF <P
V )となるためにボルト本体151の剪断耐力は向上す
ることがわかる。
【0018】なお、ボルト本体151の形状は、上記の
形状に限るものではない。例えば、軸部154にねじ山
が形成されていない部分を設け、そのねじ山が形成され
ていない部分の径をねじ山が形成される部分の径より大
きくしてもよい。また、ボルト本体151に上ワッシャ
153と下ワッシャ155の一方または両方を設けない
ようにしてもよい。
【0019】また、衝撃吸収体10を必ずしもボルト本
体151のヘッド152より大きい径とならなくてもよ
い。例えば、衝撃吸収体10の外径がヘッド152と同
径かそれより小さくてもよい。図7に、高速道路R上の
車の衝突よけとして用いられる中央分離帯Dを取り付け
るために上記ボルト150を利用した場合の構成を示
す。
【0020】中央分離帯Dには衝撃吸収体10の外径と
ほぼ同型の孔Hが形成されている。取り付けるときは、
ボルト150を孔Hに挿入し、下ワッシャ155を嵌め
てからナット156で締める。図8に、上記衝撃吸収体
10を用いたねじ(ビス)を示す。このねじ160は、
ねじ本体161と、衝撃吸収体10とを具備した構成で
ある。
【0021】上記ねじ本体161は、ヘッド162と、
ワッシャ163と、上記衝撃吸収体10が嵌め込まれか
つ表面にねじ山が形成された軸部164とを具備して構
成される。上記ねじ160も上記ボルト150と同様に
して二物体を固定するために用いることができる。な
お、軸部164に剪断方向や角度をもつ方向の外力が作
用した場合は、衝撃吸収体10で緩衝効果が発揮される
ので従来のねじでは軸に平行な力や剪断力に加えて曲げ
モーメントが発生してねじが破損するに至るのに対し、
ねじ160では衝撃吸収体10が傾斜してその力に対応
するためにねじ本体161には軸に平行な力と軸に直角
方向の剪断力以外が作用しないためにねじ本体161の
破損は防げることになる。
【0022】また、外部から運動エネルギーが伝達され
た場合は、衝撃吸収体10でその運動エネルギーの吸収
が可能なために、ねじ本体161に伝達されるエネルギ
ー量が減少されるために、ねじ本体161のエネルギー
破壊も防止される。なお、ねじ本体161の形状は、上
記の形状に限るものではない。例えば、軸部164にね
じ山が形成されていない部分を設け、そのねじ山が形成
されていない部分の径をねじ山が形成される部分の径よ
り大きくしてもよい。また、ねじ本体161にワッシャ
163を設けないようにしてもよい。
【0023】また、衝撃吸収体10を必ずしもねじ本体
161のヘッド162より大きい径とならなくてもよ
い。例えば、衝撃吸収体10の外径がヘッド162と同
径かそれより小さくてもよい。図9に、上記衝撃吸収体
10を用いた連結・支持ピンを示す。この連結・支持ピ
ン170は、ピン本体171と、衝撃吸収体10とを具
備した構成である。
【0024】上記ピン本体171は、ヘッド172と、
上記衝撃吸収体10を嵌め込む軸部173と、ピン本体
171を固定するための割りピン孔174とを具備して
構成される。図10を用いて、上記連結・支持ピン17
0により被連結体B3,B4を連結する場合を説明す
る。
【0025】被連結体B3,B4それぞれには、衝撃吸
収体10が丁度嵌まる径かほぼ同径の孔H3,H4があ
けられており、連結するときは、連結・支持ピン170
を孔H3,H4に挿入する。図11は、連結ピンの拘束
載荷実験結果であり、図10に示すような2枚の鋼板を
ピンで連結した状態に、荷重を一気に載荷した場合にピ
ンに発生する荷重を評価したものであり、通常のピンは
瞬時に高い荷重が発生して破断する危険性を示している
が、本発明の連結・支持ピン170では衝撃吸収体10
に仕事量が費やされてピンでの発生荷重が低くなるとい
う緩衝効果を発揮することがわかる。
【0026】次に、エネルギー論からの緩衝効果は、外
部から運動エネルギーが伝達された場合は、衝撃吸収体
10でその運動エネルギーの吸収が可能なために、ピン
本体171に伝達されるエネルギー量が減少されるため
に、ピン本体171のエネルギー破壊も防止される。こ
のことは、図12に示す如く、通常のピンと本発明の連
結・支持ピン170に同じエネルギーが作用した場合
(斜線部分)には、緩衝部8での変位量が大(δF >δ
V )となるが、発生反力は小(PF <PV )となるため
にピン本体171の剪断耐力は向上することがわかる。
【0027】なお、ピン本体171の形状は、上記の形
状に限るものではない。例えば、上記では、ピン本体1
71の一端にヘッド172と他端に割りピン孔174を
設けるように図示したが、ピン本体171にヘッドを設
けずに、両端に割りピン孔を設けるようにしてもよい。
また、衝撃吸収体10を必ずしもピン本体171のヘッ
ド172より小さい径とならなくてもよい。例えば、衝
撃吸収体10の外径がヘッド172と同径かそれより大
きくてもよい。
【0028】図13に、上記連結・支持ピン170を回
転・支持ピンとしてプロペラに用いた場合を示す。プロ
ペラPRに対する風Wの入射方向が変化してプロペラ軸
が偏心して回転・支持ピン170の衝撃吸収体10での
変化により力の向きが補正されるために支持材には常に
正常な力が作用することとなり、プロペラPRが破損す
るなどの緊急事態の発生が抑止される。
【0029】なお、上記のように、連結・支持ピン17
0を回転・支持ピンとして用いる場合は、外側の弾性体
層の材質を細粒径の充填材で構成することにより摩擦係
数を低くした配合物やシリコンやフッ素等の摩擦係数の
低いポリマー等を使用して回転体と支持体の摺動摩擦係
数を低くすることが可能であり、しかも摺動時の騒音の
発生の低減や潤滑油等の節減が可能となる。 −第2の実施の形態− 図14は、本発明の第2の実施の形態の衝撃吸収体の断
面図である。
【0030】この衝撃吸収体20は、積層体7を所定の
回数だけ巻くことにより形成される緩衝部18と、その
緩衝部18を通り抜けかつ内壁に上下非対称の突起11
が形成した貫通孔19とから構成される。上記衝撃吸収
体20は、図2の積層体7を、表面に予め上下非対称の
突起を形成された芯材に巻き付けることにより製造する
ことができる。
【0031】なお、衝撃吸収体20を、図4のボルト1
50,図8のねじ160および図9の連結・支持ピン1
70の衝撃吸収体10の代わりに用いる。貫通孔19に
突起11を設けることにより、一方向からの挿入を容易
にし、かつ、逆方向への脱落またはすべりを防止でき
る。なお、緩衝部18の厚さは、衝撃吸収体20の使用
個所、使用目的に応じて適宜決定され、また、その積層
間隔も同様であり、さらに積層間隔を外側から内側に向
けて間隔幅を順次変えてもよい。
【0032】また、緩衝部18の一部または全部を弾性
体で覆うようにしてもよい。これにより、緩衝部18を
保護できることとなる。 −第3の実施の形態− 図15は、本発明の第3の実施の形態の衝撃吸収体の断
面図である。この衝撃吸収体30は、積層体7を所定の
回数だけ巻くことにより形成される緩衝部28と、その
緩衝部28を通り抜けかつ内壁にねじ山22を形成した
貫通孔29とから構成される。
【0033】上記衝撃吸収体30は、図2の積層体7
を、表面に予めねじ山が形成された芯材に巻き付けるこ
とにより製造することができる。なお、衝撃吸収体30
を、図4のボルト150,図8のねじ160および図9
の連結・支持ピン170の衝撃吸収体10の代わりに用
いる。貫通孔29にねじ山22を設けることにより、ボ
ルトやねじやピン等のねじ部分に締めることができ、脱
落またはすべりを防止できる。
【0034】なお、緩衝部28の厚さは、衝撃吸収体3
0の使用個所、使用目的に応じて適宜決定され、また、
その積層間隔も同様であり、さらに積層間隔を外側から
内側に向けて間隔幅を順次変えてもよい。また、緩衝部
28の一部または全部を弾性体で覆うようにしてもよ
い。これにより、緩衝部28を保護できることとなる。 −第4の実施の形態− 図16は、本発明の第4の実施の形態の衝撃吸収体の断
面図である。
【0035】この衝撃吸収体40は、積層体7を所定の
回数だけ巻くことにより形成される緩衝部38と、その
緩衝部38を通り抜けかつ内側に金属や合成樹脂等の管
状部材31を嵌め込まれた貫通孔39とから構成され
る。上記衝撃吸収体40は、図3の芯材Sを取り抜いて
から前記管状部材31を貫通孔39に嵌め込むことによ
り製造することができる。
【0036】なお、衝撃吸収体40を、図4のボルト1
50,図8のねじ160および図9の連結・支持ピン1
70の衝撃吸収体10の代わりに用いる。貫通孔39に
管状部材31を嵌め込むことにより、ボルトやねじやピ
ン等への挿入が容易にできる。また、すべりが必要な場
合において、円満なすべりが可能となる。
【0037】なお、緩衝部38の厚さは、衝撃吸収体4
0の使用個所、使用目的に応じて適宜決定され、また、
その積層間隔も同様であり、さらに積層間隔を外側から
内側に向けて間隔幅を順次変えてもよい。また、緩衝部
38の一部または全部を弾性体で覆うようにしてもよ
い。これにより、緩衝部38を保護できることとなる。 −第5の実施の形態− 図17は、本発明の第5の実施の形態の衝撃吸収体の断
面図である。
【0038】この衝撃吸収体50は、積層体7を所定の
回数だけ巻くことにより形成される緩衝部48と、その
緩衝部48を通り抜けかつ内側に金属や合成樹脂等の管
状部材41を嵌め込まれた貫通孔49とから構成され
る。なお、管状部材41の内壁にはねじ山42が形成さ
れている。上記衝撃吸収体50は、図3の芯材Sを取り
抜いてから内壁にねじ山42が形成された管状部材41
を貫通孔49に嵌め込むことにより製造することができ
る。
【0039】なお、衝撃吸収体50を、図4のボルト1
50,図8のねじ160および図9の連結・支持ピン1
70の衝撃吸収体10の代わりに用いる。貫通孔39に
内壁にねじ山42が形成された管状部材41を嵌め込む
ことにより、ボルトやねじやピン等のねじ部分に締める
ことができ、脱落またはすべりを防止できる。
【0040】なお、緩衝部48の厚さは、衝撃吸収体5
0の使用個所、使用目的に応じて適宜決定され、また、
その積層間隔も同様であり、さらに積層間隔を外側から
内側に向けて間隔幅を順次変えてもよい。また、緩衝部
48の一部または全部を弾性体で覆うようにしてもよ
い。これにより、緩衝部48を保護できることとなる。 −第6の実施の形態− 図18の(a)は本発明の第6の実施の形態の衝撃吸収
体の横断面図で、図18の(b)は前記衝撃吸収体の側
面図である。
【0041】この衝撃吸収体60は、積層体7を所定の
回数だけ巻くことにより形成される半円形緩衝部52,
57と、半円形緩衝部52,57それぞれに形成された
半円状のくぼみ51,56とから構成される。なお、半
円形緩衝部52に凸部53a,53bが設けられてお
り、半円形緩衝部57には、前記凸部53a,53bに
対向する位置に、凹部58a,58bが形成されてい
る。
【0042】次に、衝撃吸収体60の製造方法について
説明する。まず、図3に示すように、積層体7を所定の
外径の棒状またはパイプ状の芯材Sに必要回数だけ巻き
付ける。次に、この巻き付けられた積層体7を芯材Sに
沿って半裁する。そして、この半裁した積層体7それぞ
れを半円筒状の金型で覆った後、加熱反応(加硫)を行
うことにより積層体7が一体化された半円形緩衝部5
2,57を形成する。なお、積層体7の巻回数を調整す
ることにより、所定の厚さの半円形緩衝部52,57を
形成することができる。前記押圧テープや金型等は、加
熱反応後は取り除く。
【0043】なお、衝撃吸収体50を、図4のボルト1
50,図8のねじ160および図9の連結・支持ピン1
70の衝撃吸収体10の代わりに用いる。衝撃吸収体6
0を半円状の2個の半円形緩衝部52,57とから形成
することにより、ボルトやねじやピン等への装着や脱着
が容易になるから、作業時間を短縮できる。装着の際
に、前記凸部53a,53bに前記凹部58a,58b
を嵌めることにより、半円形緩衝部52および半円形緩
衝部57たがずれにくくなる。
【0044】なお、半円形緩衝部52,57の厚さは、
衝撃吸収体60の使用個所、使用目的に応じて適宜決定
され、また、その積層間隔も同様であり、さらに積層間
隔を外側から内側に向けて間隔幅を順次変えてもよい。
また、半円形緩衝部52,57の一部または全部を弾性
体で覆うようにしてもよい。これにより、半円形緩衝部
52,57を保護できることとなる。
【0045】なお、上記では、衝撃吸収体60を半円状
の2個の半円形緩衝部52,57とから形成するように
説明したが、衝撃吸収体60を2個の部分緩衝部から形
成するようにしてもよい。 −第7の実施の形態− 図19は、本発明の第7の実施の形態の衝撃吸収体の断
面図である。
【0046】この衝撃吸収体70は、積層体7を所定の
回数だけ巻くことにより形成される緩衝部61,64,
67と、緩衝部61,64,67それぞれに形成された
貫通孔63,66,69とから構成される。なお、緩衝
部61に凹部62と、緩衝部67に凸部68が設けられ
ており、緩衝部64には、凹部62に対向する位置に凸
部65aと前記凸部68に対向する位置に凹部65bが
形成されている。
【0047】上記緩衝部61,64,67は、狭い幅の
積層体7を芯材に巻き付けることにより製造することが
できる。なお、衝撃吸収体70を、図4のボルト15
0,図8のねじ160および図9の連結・支持ピン17
0の衝撃吸収体10の代わりに用いる。衝撃吸収体70
を狭い幅の緩衝部61,64,67から形成することに
より、施工現場での寸法調整が可能となる。
【0048】なお、緩衝部61,64,67の厚さは、
衝撃吸収体70の使用個所、使用目的に応じて適宜決定
され、また、その積層間隔も同様であり、さらに積層間
隔を外側から内側に向けて間隔幅を順次変えてもよい。
また、緩衝部61,64,67の一部または全部を弾性
体で覆うようにしてもよい。これにより、緩衝部61,
64,67を保護できることとなる。
【0049】なお、上記では、衝撃吸収体70を3個の
緩衝部から形成するように説明したが、3個以上または
3個以下の緩衝部から形成するようにしてもよい。ま
た、上記では、緩衝部61,64,67はそれぞれ同幅
であるように図示したが、緩衝部61,64,67の幅
が異なるようにしてもよい。また、上記では、狭い幅の
積層体7を用いて緩衝部61,64,67を製造するよ
うに説明したが、広い幅の積層体7を芯材に巻き付けて
から、芯材に垂直方向に裁断することにより複数の緩衝
部を製造するようにしてもよい。 −第8の実施の形態− 図20は、本発明の第8の実施の形態の衝撃吸収体の断
面図である。
【0050】この衝撃吸収体80は、積層体7を所定の
回数だけ巻くことにより形成される緩衝部71,77
と、積層体7を所定の回だけ積層することにより形成さ
れる緩衝部74と、前記緩衝部71,74,77それぞ
れに形成された貫通孔73,76,79とから構成され
る。なお、緩衝部71に凹部72と、緩衝部77に凸部
78が設けられており、緩衝部74には、凹部72に対
向する位置に凸部75aと前記凸部78に対向する位置
に凹部75bが形成されている。
【0051】上記緩衝部71,77は、狭い幅の積層体
7を芯材に巻き付けることにより製造することができ
る。上記緩衝部74を製造するときは、まず、図21の
(a)に示すように、積層体7を所定の形状や寸法に裁
断する。次に、図21の(b)に示すように、複数の前
記積層体7を一枚づつ重ねて圧延接着することにより積
層する。そして、図21の(c)に示すように、貫通孔
76を形成することにより緩衝部74を製造する。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、弾性体
と繊維を交互に積層して形成した積層体からなる緩衝部
と、その緩衝部に設けられた貫通孔とから衝撃吸収体を
形成することにより、ばね性が向上し、衝撃を効率よく
吸収することができる。また、本発明は、ボルトやねじ
や連結・支持ピンの軸部に上記衝撃吸収体を設けた。こ
のため、これらのボルトやねじや連結・支持ピンで二物
体間の連結や固定を行う際に、ボルトやねじや連結・支
持ピンに剪断力が作用すると、積層体により外力を緩衝
し、ボルト本体やねじ本体や連結・支持ピン本体に作用
する外力が低減されてボルト本体やねじ本体や連結・支
持ピン本体の破損を防ぐことができ、さらに、衝撃力そ
のものの発生も抑止することができる。
【0053】また、角度をもつ作用力が作用した場合で
も衝撃吸収体が傾斜して対応するために中心のボルト本
体やねじ本体や連結・支持ピン本体には軸力と軸直角方
向の剪断力以外は作用しないためにボルトやねじや連結
・支持ピンの破損を防ぐことあできる効果を有する。こ
れは、回転体を支持した場合でも同様であり、回転体に
偏荷重が作用して軸線が傾斜しても緩衝部が変位するこ
とによって対応ができ、支持軸に直接に偏荷重が作用す
ることを防止することができて回転機能を停止させるよ
うなことがないという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の衝撃吸収体の断面
図である。
【図2】積層体の拡大断面図である。
【図3】図1の衝撃吸収体の製造工程の説明図である。
【図4】図1の衝撃吸収体を用いたボルトの側面図であ
る。
【図5】図4のボルトの使用例の説明図である。
【図6】図4のボルトに発生した剪断力の特性の説明図
である。
【図7】図4のボルトの他の使用例の説明図である。
【図8】図1の衝撃吸収体を用いたねじの側面図であ
る。
【図9】図1の衝撃吸収体を用いた連結・支持ピンの側
面図である。
【図10】図9の連結・支持ピンの使用例の説明図であ
る。
【図11】図9の連結・支持ピンに発生した剪断力の特
性の説明図である。
【図12】図9の連結・支持ピンに発生した剪断力の特
性の他の説明図である。
【図13】図9の連結・支持ピンの他の使用例の説明図
である。
【図14】本発明の第2の実施の形態の衝撃吸収体の断
面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態の衝撃吸収体の断
面図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態の衝撃吸収体の断
面図である。
【図17】本発明の第5の実施の形態の衝撃吸収体の断
面図である。
【図18】本発明の第6の実施の形態の衝撃吸収体の断
面図である。
【図19】本発明の第7の実施の形態の衝撃吸収体の断
面図である。
【図20】本発明の第8の実施の形態の衝撃吸収体の断
面図である。
【図21】図20の衝撃吸収体の製造工程の説明図であ
る。
【符号の説明】
10〜80 衝撃吸収体 150 ボルト 160 ねじ 170 連結・支持ピン

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性体と繊維を交互に積層して形成した
    積層体からなる緩衝部と、その緩衝部に設けられた貫通
    孔とを具備したことを特徴とする衝撃吸収体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の衝撃吸収体において、
    前記弾性体は、合成樹脂またはゴムの少なくとも一つか
    らなることを特徴とする衝撃吸収体。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の衝撃吸
    収体において、前記繊維は、織布もしくは不織布である
    ことを特徴とする衝撃吸収体。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3に記載の衝撃吸収
    体において、前記貫通孔の内壁部分に、ねじ山または上
    下非対称の突起の少なくとも一つを設けたことを特徴と
    する衝撃吸収体。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4に記載の衝撃吸収
    体において、前記貫通孔に管状部材を取り付けたことを
    特徴とする衝撃吸収体。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の衝撃吸収体において、
    前記貫通孔の内壁部分に、ねじ山または上下非対称の突
    起の少なくとも一つを設けたことを特徴とする衝撃吸収
    体。
  7. 【請求項7】 請求項5または請求項6に記載の衝撃吸
    収体において、前記管状部材は、金属または合成樹脂の
    少なくとも一つからなることを特徴とする衝撃吸収体。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項3に記載の衝撃吸収
    体において、前記緩衝部は、前記貫通孔の中心軸に平行
    方向に沿って分割する複数の縦分割緩衝部からなること
    を特徴とする衝撃吸収体。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項3に記載の衝撃吸収
    体において、前記緩衝部は、前記貫通孔の中心軸に垂直
    方向に沿って分割する複数の緩衝部からなることを特徴
    とする衝撃吸収体。
  10. 【請求項10】 軸部を持つ連結具を有する連結体にお
    いて、前記連結具の軸部に、請求項1から請求項9に記
    載の衝撃吸収体を嵌めたことを特徴とする連結体。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の連結体において、
    前記連結具は、ボルトまたは、ねじまたは、連結・支持
    ピンの一つであることを特徴とする連結体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007069355A1 (ja) * 2005-12-12 2007-06-21 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 衝撃緩衝シートとそれを用いた電子機器

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