本発明は、光時分割方式によって多重化された光信号を多重分離する光信号分離装置に関するものである。
近年、光ファイバ通信システムにおいて、光信号を光のまま時間分割多重するOTDM(Optical Time Division Multiplex)が検討されている。このOTDMは、光信号を多重化する場合に、予め指定されたタイミングで光信号を多重化する。そして、多重化された光信号を分離する場合にも、予め指定されたタイミングによって、多重化された光を分離している。このように、OTDMを利用して、光信号を光のまま多重化・分離することによって、効率のよい経済的なネットワークの大容量化を実現することができる。
なお、特許文献1では、光信号が光ファイバ通信システムを構成する各ノード内を通過する際に、ノード内の光経路差によって発生する光信号の遅延を、光ファイバの波長に対する分散依存性を利用し、補償することによって、光ファイバ通信システムに係る光信号の精密同期を実現可能とする技術が公開されている。
しかしながら、上述した従来技術では、OTDMにおいて、指定されたタイミングで各チャネルの光信号を多重化・分離する必要があるため、光信号のままで高度な処理を行うことができないという問題があった(例えば、従来の技術では、光信号のままで、経路変更程度の処理しか行うことができなかった)。
ネットワークの光化を進めるためには、光信号を電気信号に変換するコストより光のままで処理するほうが安いことが必要であり、また、光信号を光のままで行う処理が電気信号と同様に多様であることが求められる。つまり、光を光のままで処理する場合に、単に経路変更程度の処理しかできないのであれば、多様な処理が可能な電気信号に置き換わってネットワークの光化が普及するとは考えにくい。
すなわち、光信号を光のまま処理する場合に、電気信号のような高度な処理を光のままで実現することが極めて重要な課題となっている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光信号を光のまま処理すると共に、電気信号のような高度な処理を光のままで実現可能とする光信号分離装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、光時分割方式によって多重化された光信号を多重分離する光信号分離装置であって、前記光時分割方式によって多重化された光信号と同期パターンとを受信し、当該同期パターンに基づいて、前記光信号を多重分離する多重分離手段と、前記多重分離手段によって多重分離された光信号にチャープを発生させ、チャープの発生した光信号を波長分散媒体に通して前記光信号のパルス幅を拡大するパルス幅拡大手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明にかかる光信号分離装置は、光時分割方式によって多重化された光信号を受信して、この光信号に対する同期パターンを抽出し、抽出した同期パターンに基づいて光信号を多重分離し、多重分離した光信号にチャープを発生させ、チャープの発生した光信号を波長分散媒体に通して光信号のパルス幅を拡大するので、光信号を光のまま調整可能となり、電気信号レベルの高度な処理を実行することができる。
図1は、従来の光多重化装置および光分割装置では実現不可能なOTDMのネットワーク構成を説明するための説明図である。
図2は、本実施例1に係る光分割装置の構成を示す機能ブロック図である。
図3は、パルス長拡大部の構成を示す機能ブロック図である。
図4は、波長変換素子を利用したパルス長拡大部の構成を示す機能ブロック図(1)である。
図5は、波長変換素子を利用したパルス長拡大部の構成を示す機能ブロック図(2)である。
図6は、OTDM多重された光信号が光分割装置によって分割される様子を示すタイムチャートである。
図7は、本実施例2にかかる光分割装置の構成を示す機能ブロック図である。
図8は、本実施例3にかかる光分割装置の構成を示す機能ブロック図である。
図9は、バイトインターリーブ多重を実行する光多重化装置の構成を示す機能ブロック図である。
図10は、図9に示した光多重化装置の光信号にかかるタイムチャートである。
図11は、オーバーヘッドデータを低速信号で多重化する光信号装置の構成を示す機能ブロック図である。
図12は、図11に示した光多重化装置の光信号にかかるタイムチャートである。
図13は、本実施例4にかかる光分割装置の構成を示す機能ブロック図(1)である。
図14は、本実施例4にかかる光分割装置の構成を示す機能ブロック図(2)である。
図15は、バイト処理部の処理を補足説明するためのタイムチャートである。
図16は、図14に示した光分割装置が受信する光信号にかかるタイムチャートである。
図17は、従来のOTDM(Optical Time Division Multiplex)システムを説明するための説明図(1)である。
図18は、従来のOTDM(Optical Time Division Multiplex)システムを説明するための説明図(2)である。
符号の説明
10,20,30,40 送信局
50,425,426,427,428,429,430,431,431 導波路
60,60a,60b,60c,60d 光多重化装置
61,62,63,64 カプラ
65,619 合波部
66 光位相調整制御部
66a FSYN・OH生成部
70,70a,70b,100,200,300,400 光分割装置
71,101,123,133,201,301,401 光増幅部
72,202,302,402 分岐部
73,103,203,314,419 FSYN同期回路
74,75,76,77,104,105,106,107,204,205,206,207,303,304,305,306,307,403,404,405,406,407,433,434,435,436,437,438,439,440,614,615,616,617,618 光ゲート
108,109,110,111,212,308,309,310,311,312,413,414,415,416,417 パルス長拡大部
120 LN導波路
121 電圧印加部
122,132,142 分散ファイバ
124,134 SBS発生ファイバ
130,140,143 波長変換素子
131,141,144 周期波長変化光源
208,209,210 波長変換部
211 波長多重部
213 波長分離部
313,418 光/電気変換部
315,420 位相挿引部
408,409,410,411,412 バイト受信部
423 分周部
424 分岐CPL
450 合波CPL
600 光多重化装置
601,602,603,604 光可変遅延部
609,610,611,612,613 バイト処理部
620 位相制御部
620a FSYN・OH生成部
以下に、本発明にかかる光信号分離装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
まず、本発明の特徴について従来技術と比較して説明する。図17および図18は、従来のOTDM(Optical Time Division Multiplex)システムを説明するための説明図である。図17は、送信局10〜40から送信される各光信号を、光多重化装置60によって多重化(時間分割多重)する例を示している。なお、送信局10〜40および光多重化装置60は光を伝えるための導波路(導波管)50によって接続されている。導波路50の典型的な例は光ファイバである。
光多重化装置60は、カプラ61〜64、合波部65、光位相調整制御部66を有する。カプラ61〜64は、光入力信号を2つ以上の出力に分岐する装置である。例えば、カプラ61は、送信局10から入力された光信号を2つの光信号に分岐し、一方の光信号を合波部65に入力し、他方の光信号を光位相調整制御部66に入力する。合波部65は、カプラ61〜64から入力される各光信号およびFSYN・OH生成部66aから入力される光信号を合波(時分割多重)し、合波した光信号を図18に示す光分割装置70に送信する処理部である。
光位相調整制御部66は、送信局10〜40から入力される光信号の位相を監視し、この送信局10〜40から送信される光信号の位相を遠隔制御する処理部である。ここで、図17においては、光位相調整制御部66から送信局10〜40を制御するための接続(光位相調整制御部66から送信局10〜40に向かう矢印つきの線)を導波路50として示したが、この接続は電気信号として接続されていても良い。また、光位相調整制御部66は、FSYN・OH生成部66aを有する。FSYN・OH生成部66aは、同期用固定パターン、監視用信号回線データ、オーダワイヤデータなどのデータ(以下、オーバーヘッドデータと表記する)を生成し、生成したオーバーヘッドデータを、合波部65に入力する処理部である。合波部65に入力されたオーバーヘッドデータは、他の光信号と合波され、図18に示す光分割装置70に送信される。なお、オーバーヘッドデータは、通信警告の転送などを行う場合にも用いられる。
図18は、光多重化装置60によって多重化された光信号を、光分割装置70によって多重分離する例を示している。光分割装置70は、光増幅部71、分岐部72、FSYN同期回路73、光ゲート74〜77を有する。光増幅部71は、入力された光信号を増幅する処理部であり、増幅した光信号を分岐部72に渡す。
分岐部72は、入力された光信号を複数に分岐する処理部である。図18に示す分岐部72は、光増幅部72から入力された光信号を5つに分岐させ、分岐させた光信号をそれぞれFSYN同期回路73、光ゲート74〜77に入力する。
FSYN同期回路73は、分岐部72から取得した光信号に含まれるオーバーヘッドデータを抽出し、このオーバーヘッドデータに含まれる同期用固定パターンにしたがって各光ゲート74を切り替える装置である。光ゲート74〜77は、FSYN同期回路73に切り替え制御されることによって、図17に示した光多重化装置60によって多重化された各光信号を多重分離することができる。
しかし、図17および図18において示した従来の光多重化装置60および光分割装置70では、図1に示すようなOTDMによるネットワーク構成を実現することができない。図1は、従来の光多重化装置および光分割装置では実現不可能なOTDMのネットワーク構成を説明するための説明図である。
図1に示すネットワーク構成では、光多重化装置60aによって多重化された光信号が光分割装置70aに入力され、光多重化装置60bによって多重化された光信号が光分割装置70bに入力される。そして、光分割装置70aは、入力された光信号を多重分離し、分離した各光信号を光多重化装置60cおよび60dに入力し、光分割装置70bは、入力された光信号を多重分離し、分離した各光信号を光多重化装置60cおよび60dに入力する。
ここで、光多重化装置60cおよび60dは、光分割装置70aおよび70b(または他装置)から取得した各光信号を、光のまま再びOTDM多重することができない。なぜなら、光多重化装置60aおよび光分割装置70aの多重化・分離に係るタイミングと、光多重化装置60bおよび光分割装置70bの多重化・分離に係るタイミングとが異なるため、光レベルで各光信号の各タイミングを調整することができないからである。
そこで、本発明では、光分割装置に、光信号のパルス幅を光レベルで拡大することによって、各光多重化装置から送信される光信号のタイミングを調整可能する仕組みを導入する(本実施例では、光信号分離装置として、光分割装置を例にあげて説明することとする)。
図2は、本実施例1に係る光分割装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この光分割装置100は、光増幅器101、分岐部102、FSYN同期回路103、光ゲート104〜107、パルス長拡大部108を有する。なお、光増幅器101、分岐部102、FSYN同期回路103、光ゲート104〜107は、図18において示した、光増幅部71、分岐部72、FSYN同期回路73、光ゲート74〜77とそれぞれ同様であるため説明を省略する。
パルス長拡大部108〜111は、光ゲート104〜107から入力される光信号のパルス幅を、光のまま拡大する処理部である。なお、パルス長拡大部108〜111は同様の構成であるため、ここでは、パルス長拡大部108を例にあげて説明し、パルス長拡大部109〜111の説明は省略する。
図3は、パルス長拡大部の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、パルス長拡大部108は、LN導波路120、電圧印加部121、分散ファイバ122、光増幅部123、SBS発生ファイバ124を有する。
LN導波路120は、LN(ニオブ酸リチウム<LiNbO3>)の特性を備えた導波路である。具体的に、LN導波路120は、電圧印加部121によって(周期的に)電圧を印加されると、LN導波路120の屈折率が変化し、このLN導波路120を通過する光信号にチャープを発生させる。チャープは、光信号のパルス内部で光周波数が時間的に変動する現象である。
分散ファイバ122は、チャープの発生した光信号のパルス幅を拡大するファイバである。すなわち、LN導波路120によってチャープの発生した光信号は、分散ファイバ122を通過することによって、光信号のパルス幅が拡大することとなる。光増幅部123は、分散ファイバ122を通過した光信号を増幅する処理部である。
SBS発生ファイバ124は、SBS(誘導ブリリューアン散乱)等を発生させて、光増幅部123から入力された光信号を平坦化するファイバである。このように、光ゲート104より入力された光信号のパルス幅は、LN導波路120、分散ファイバ122、光増幅部123およびSBS発生ファイバ124を通過することによって、拡大されることとなる。
このように、パルス長拡大部108〜111は、光ゲート104〜107から入力された光信号のパルス幅を光のまま拡大することができるので、光のままで各光信号のタイミングを調整することが容易となり、図1において示したネットワーク構成によって、各光多重化装置から入力された光信号を光分割装置100(光分割装置70aおよび70bの代わりに、光分割装置100を利用する)によって分割し、再度、光多重化装置によってOTDM多重することが可能となる。
なお、チャープを発生させる手段としては、図3において示した構成によるパルス長拡大部が最も実用的であるが、例えば、波長変換素子を利用して、チャープを発生させることも可能である。図4および図5は、波長変換素子を利用したパルス長拡大部の構成を示す機能ブロック図である。
図4に示すパルス長拡大部は、波長変換素子130、周期波長変化光源131、分散ファイバ132、光増幅部133、SBS発生ファイバ134を有する。ここで、分散ファイバ132、光増幅部133、SBS発生ファイバ134は、図3において説明した分散ファイバ122、光増幅部123、SBS発生ファイバ124とそれぞれ同様であるため説明を省略する。
波長変換素子130は、パターン効果の原因となる利得変動を積極的に利用し、入力された光信号の波長を変換する素子である。この波長変換素子130に光ゲートからの光信号と、周期波長変化光源130からの光(周期的に波長が変化する光)を入力することによって、光ゲートから入力された光信号の波長を周期的に変換し、チャープを発生させる。
そして、波長変換素子130によってチャープが発生した光信号は、分散ファイバ132、光増幅部133およびSBS発生ファイバを通過することによって、パルス幅が拡大される。
また、図5に示すパルス幅拡大部は、波長変換素子140,143、周期波長変化光源141,144、分散ファイバ142を有する。ここで、波長変換素子140,143、周期波長変化光源141,144および分散ファイバ142は、図4に示した波長変換素子130、周期波長変化光源131および分散ファイバ132とそれぞれ同様である。
図5に示すパルス幅拡大部は、波長変換素子140,143を利用して、波長変換を二度繰り返すことによって、光ゲートから入力される光信号のパルス幅を拡大することができる。
ここで、OTDM多重された光信号が光分割装置100に入力された場合の光信号の様子について説明する。図6は、OTDM多重された光信号が光分割装置によって分割される様子を示すタイムチャートである。同図に示すように、OTDM多重された光信号が光ゲート104〜107(光ゲート104〜107はCH1〜CH4にそれぞれ対応する)によって分割され、分割された各光信号は、パルス長拡大部108〜111によって拡大される。
上述してきたように、本実施例1にかかる光分割装置100は、光多重化装置によって多重化された光信号を光増幅部101が増幅し、増幅された光信号を分岐部102が分岐させ、分岐した光信号は、光ゲート104〜107およびFSYN同期回路103に入力される。そして、FSYN同期回路103が、光信号に含まれる同期用固定パターンを基に、光ゲート104〜107を切り替えて、多重化された光信号を多重分離し、パルス長拡大部108〜111が、多重分離された各光信号のパルス幅を拡大させるので、光のままで各光信号のタイミングを調整することが容易となり、再度、光分割装置100によって分割された各光信号に対するOTDM多重が可能となる。
つぎに、本実施例2にかかる光分割装置の特徴について説明する。上述した実施例1にかかる光分割装置100は、光信号を分岐した後に、各光信号のパルス幅をパルス長拡大部108〜111を利用して拡大させたが、本実施例2では、一括して、各光信号のパルス幅を拡大する。
このように、本実施例2では、各光信号のパルス幅を一括して拡大するので、光分割装置に必要となる部品などを節約することができるとともに、本実施例2にかかる光分割装置を利用することによって、実施例1と同様に、光のままで各光信号のタイミングを調整することが容易となり、電気信号レベルの高度な処理を実行することができる。
つぎに、本実施例2にかかる光分割装置の構成について説明する。図7は、本実施例2にかかる光分割装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この光分割装置200は、光増幅部201、分岐部202、FSYN同期回路203、光ゲート204〜207、波長変換部208〜210、波長多重部211、パルス長拡大部212、波長分離部213を有する。
ここで、光増幅部202、分岐部202、FSYN同期回路203、光ゲート204〜207は、図2の光分割装置100において示した光増幅部101、分岐部102、FSYN同期回路103、光ゲート104〜107と同様であるため説明を省略する。なお、図6に示す光ゲート207から出力された光信号は他装置(図示しない)に送信され、他装置からの光信号が、波長多重部211に入力される。
波長変換部208〜210は、光信号にチャープを発生させる処理部である。この波長変換部208〜210の構成は、例えば、図3に示したLN導波路120および電圧印加部121からなる。すなわち、LN導波路120は、電圧印加部121によって周期的に電圧を印加されてLN導波路120の屈折率が変化し、このLN導波路120を通過する光信号にチャープを発生させる。
波長多重部211は、波長変換部208〜210から入力された各光信号(チャープの発生している光信号)を多重化する処理部である。この波長多重部211は、多重化した光信号をパルス長拡大部212に渡す。
パルス長拡大部212は、波長多重部211から入力された光信号のパルス幅を拡大する処理部である。このパルス長拡大部212の構成は、例えば、図3に示した、分散ファイバ122、光増幅部123、SBS発生ファイバ124からなる。すなわち、分散ファイバ122がチャープの発生した光信号のパルス幅を拡大し、光増幅部123が光信号を増幅する。そして、SBS発生ファイバ124が、パルス幅の拡大した光信号の波形を整える。この、パルス長拡大部212は、多重化された光信号のままで光信号の各パルス幅を拡大することができる。
波長分離部213は、パルス長拡大部212によって入力された多重化された光信号(この光信号のパルス幅は拡大されている)を分離する処理部である。そして、波長分離部213によって分離された各光信号は、図1において示した各光多重化装置60c,60dなどに送信され、光のまま再びOTDM多重される。
上述してきたように、本実施例2にかかる光分割装置200は、光多重化装置によって多重化された光信号を光増幅部201が増幅し、増幅された光信号を分岐部202が分岐させ、分岐した光信号は、光ゲート204〜207およびFSYN同期回路203に入力され、光ゲート204〜206からの各光信号は波長変換部208〜210に入力され、波長変換部208〜210は、光信号にチャープを発生させる。そして、波長多重部211が、各光信号を多重化し、パルス長拡大部211が多重化された光信号のパルス幅を一括して拡大し、波長分離部213が、多重化された光信号を分離させるので、低コストで、各光信号のタイミングを調整することが容易となり、再度、光のまま、分割された光信号に対するOTDM多重を行うことができる。
つぎに、本実施例3にかかる光分割装置の特徴について説明する。OTDM多重された光信号を多重分離する場合には、超高速の光信号から光信号を分離するための信号同期を抽出する必要がある。しかし、現状の電気回路は、光信号と比べて反応速度が遅く、OTDM多重された光信号から信号同期を抽出することが大変困難であった。
そこで。本実施例3にかかる光分割装置は、OTDM多重された光信号のパルス幅を拡大して、光信号を電気信号に変換し、変換した電気信号からOTDM多重された光信号を多重分離するための信号同期を抽出する。このように、パルス幅を拡大して、光信号を電気信号に変換するので、応答速度の遅い現状のデバイス(電気回路)であっても、OTDM信号を多重分離するための信号同期を精度よく抽出することができる。
つぎに、本実施例3にかかる光分割装置300の構成について説明する。図8は、本実施例3にかかる光分割装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この光分割装置300は、光増幅器301、分岐部302、光ゲート303〜307、パルス長拡大部308〜312、光/電気変換部313、FSYN同期回路314、位相挿引部315を有する。
ここで、光増幅部301、分岐部302、パルス長拡大部308〜312は、図2において示した光増幅部101、分岐部102、パルス長拡大部108〜111と同様であるため説明を省略する。光ゲート303〜306は、遅延制御部316の指示にしたがって、オン・オフを切り替え、分岐部302より入力される光信号から所定の光信号を切り出し、切り出した光信号をパルス長拡大部308〜309に入力する装置である。また、光ゲート307は、位相挿引部315の指示に従って、オン・オフを切り替え、分岐部302より入力される光信号から所定の光信号を切り出し、切り出した光信号をパルス長拡大部308に入力する装置である。
光/電気変換部313は、パルス長拡大部312によってパルス幅が拡大された光信号を電気信号に変換する処理部である。そして、この光/電気変換部313は、変換した電気信号をFSYN同期回路314に入力する。
FSYM同期回路314は、光/電気変換部313から取得した電気信号に含まれるオーバーヘッドデータの信号同期を抽出し、抽出した信号同期の情報を位相挿引部315に渡す処理部である。
位相挿引部315は、FSYN同期回路314から取得した信号同期と、外部から入力される低速クロック(網クロック)のタイミングとが一致するように、低速クロックのタイミングを調整する。そして、位相挿引部315は、OTDM多重された光信号と同等の信号同期となるクロックを遅延制御部316に入力する。
遅延制御部316は、位相挿引部315から入力されるクロックを基にして、各光ゲート303〜306を切り替えることによって、OTDM多重された光信号を多重分離する処理部である。そして、多重分離された各光信号は、それぞれパルス長拡大部308〜311に入力され、パルス幅を拡大される。
上述してきたように、本実施例3にかかる光分割装置300は、パルス長拡大部312が、光信号のパルス幅を拡大し、光/電気変換部が光信号を電気信号に変換し、FSYN同期回路314が、電気信号からオーバーヘッドデータの信号同期を抽出する。そして、位相挿引部315が、信号同期を基にして、低速クロックを調整し、遅延制御部316が、位相挿引部315によって調整されたクロックを基に、光ゲート303〜306を切り替えるので、反応速度の遅い電気回路利用した場合であっても、OTDM多重された光信号を多重分離することができる。
続いて、本実施例4にかかる光分割装置の特徴について説明する。本実施例4にかかる光分割装置は、光多重化装置によって、バイトインターリーブ多重された光信号を受信した場合に、この光信号を光のまま多重分離する。ここではまず、バイトインターリーブ多重を実行する光多重化装置の説明を行った後、本実施例4にかかる光分割装置の説明を行う。
図9は、バイトインターリーブ多重を実行する光多重化装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この光多重化装置600は、可変遅延部601〜604、カプラ605〜608、バイト処理部609〜613、光ゲート614〜618、合波部619、位相制御部620を有する。ここで、カプラ605〜608は、図17に示したカプラ61〜64と同様であるため説明を省略する。
光可変遅延部601〜604は、位相制御部620からの制御信号にしたがって、送信局10〜40から送信される光信号を遅延させる処理部である。バイト処理部609〜613は、カプラ605〜608から入力された光信号に対してバイトインターリーブ多重を実行する処理部である。なお、バイト処理部609〜613は同様であるので、ここでは、バイト処理部609を利用して、バイト処理部の説明を行う。
バイト処理部609は、分岐CPL621、導波路622〜629、光ゲート630〜637、合波CPL638を有する。分岐CPL621は、カプラ605から入力された光信号を分岐し、分岐した各光信号を各導波路622〜629に入力させる装置である。
各導波路622〜629は、光信号を光ゲート630〜637に伝えるための導波路である。なお、各導波路622〜629は、長さが異なっているため、導波路を通過する各光信号に遅延差が発生する。図9に示す例では、導波路622、623、・・・629の順に導波路が長くなっているため、導波路622を通過する光信号が、光ゲート630に一番早く到達し、導波路629を通過する光信号が、光ゲート637に一番遅く到達する。
光ゲート630〜637は、図示しない制御部からの制御信号にしたがって、オン・オフを行い、各導波路622〜629からの光信号を所定のタイミングで切り出す装置である。各光ゲート630〜637から出力された光信号は、合波CPL638に入力される。合波CPL638は、各光ゲート630〜637から出力された光信号を合波し、合波した光信号を光ゲート614に入力する装置である。
光ゲート614〜618は、位相制御部620からの制御信号にしたがって、オン・オフを実行し、所定のタイミングで、各バイト処理部609〜613からの光信号を切り出す装置である。合波部619は、光ゲート614〜618から入力された光信号を合波し、合波した光信号を(本実施例4にかかる)光分割装置に出力する装置である。
位相制御部620は、光ゲート614〜618に対する切り替え制御を行うと共に、光可変遅延部601〜604を制御して、各光可変遅延部601〜604から出力させる光信号の遅延量を調整する処理部である。なお、位相制御部620は、FSYN・OH生成部620aを有する。このFSYN・OH生成部620aは、オーバーヘッドデータを生成し、生成したオーバーヘッドデータをバイト処理部613に入力する処理部である。
図10は、図9に示した光多重化装置の光信号にかかるタイムチャートである。光可変遅延部601〜604から出力された光信号は、バイト処理部609〜613によってそれぞれバイトインターリーブ多重が実行される。また、FSYN・OH生成部620aによって生成されたオーバーヘッドデータは、バイト処理部613によってバイトインターリーブ多重が実行される。そして、各バイト処理部609〜613によって多重化された各光信号は、合波部619に入力され、合波される。
なお、図9で示した光多重化装置600は、FSYN・OH生成部620aが生成したオーバーヘッドデータをバイト処理部413によって多重化していたが、図11に示すように、オーバーヘッドデータを直接、光ゲート618に入力し、オーバーヘッドデータを低速信号で多重化しても良い。このように、オーバーヘッドデータを低速信号で多重化することによって、受信側となる光分割装置によるタイミング抽出が容易となる。
図11は、オーバーヘッドデータを低速信号で多重化する光信号装置の構成を示す機能ブロック図である。各部の構成は、図9に示した光多重化装置400と同様であるため説明を省略する。なお、図11では、FSYN・OH生成部620aから出力されたオーバーヘッドデータは、バイト処理部に入力されることなく、光ゲート618に入力される。図12は、図11に示した光多重化装置の光信号にかかるタイムチャートである。同図に示すように、オーバーヘッドデータは、低速信号で、合波部619に合波されている。
続いて、本実施例4にかかる光分割装置の構成について説明する。図13および図14は、本実施例4にかかる光分割装置の構成を示す機能ブロック図である。なお、図13は、図9に示した光多重化装置に対応した光分割装置であり、図14は、図11に示した光多重化装置に対応した光分割装置である。以下では、図13、図14の順で、光分割装置の構成に対する説明を行う。
図14に示すように、この光分割装置400は、光増幅部401、分岐部402、光ゲート403〜407、バイト受信部408〜412、パルス長拡大部413〜417、光/電気変換部418、FSYN同期回路419、位相挿引部420、遅延制御部421,422、分周部423を有する。
ここで、光増幅部401、分岐部402、光ゲート403〜407、パルス長拡大部413〜417、光/電気変換部418、FSYN同期回路419、位相挿引部420、遅延制御部422は、図8において示した光増幅部301、分岐部302、光ゲート303〜307、パルス長拡大部308〜312、光/電気変換部313、FSYN同期回路314、位相挿引部420、遅延制御部316と同様であるため説明を省略する。
バイト受信部408〜412は、各光ゲート403〜406から光信号を受信し、受信した光信号を所定間隔ごとに切り出し・合波を実行する処理部である。なお、バイト受信部408〜412は同様であるため、ここではバイト受信部408を用いて、バイト受信部の説明を行う。図15は、バイト処理部の処理を補足説明するためのタイムチャートである。
図15に示すように、光ゲート403によって、D1−1〜D1−8の光信号が切り出され、切り出された光信号がバイト受信部408に入力される。そして、バイト受信部408は、各光信号D1−1〜D1−8を分岐CPL424によって分岐させ、導波路425〜432に入力させる。
各導波路425〜432は、光信号を光ゲート433〜440に伝えるための導波路である。なお、各導波路425〜432は、長さが異なっているため、導波路を通過する各光信号に遅延差が発生する。図13に示す例では、導波路425、426、・・・432の順に導波路が長くなっているため、導波路425を通過する光信号が、光ゲート433に一番早く到達し、導波路432を通過する光信号が、光ゲート440に一番遅く到達する。
光ゲート433〜440は、遅延制御部421からの制御信号にしたがって、オン・オフを行い、各導波路425〜432からの光信号を所定のタイミングで切り出す装置である。各光ゲート433〜440から出力された光信号は、合波CPL450に入力される。合波CPL450は、各光ゲート433〜440から出力された光信号を合波し、合波したパルス長拡大部413に入力する装置である。
すなわち、図15の上段に示す光信号が、バイト受信部408に入力されることによって、図15の中段に示す光信号となる。そして、バイト受信部408からの光信号が、パルス長拡大部413に入力されることによって、光信号のパルス幅が拡大され、図15の下段に示す光信号となる。
遅延制御部421は、位相挿引部420から入力されるクロックと信号同期するように、バイト受信部408〜412が備える各光ゲートを切り替える処理部である。分周部423は、位相挿引部420から入力されるクロック周波数を特定の周波数に調整する処理部である。
このように、図13に示した光分割装置400は、バイト受信部408〜412が、バイトインターリーブ多重された光信号を抽出し、抽出した各光信号のパルス幅をパルス長拡大部413〜416が拡大するので、バイトインターリーブ多重された光信号を光のまま多重分離することができる。
続いて、オーバーヘッドデータを低速信号で多重化された光信号を分割する光分割装置の説明を行う。各部の構成は、図13に示した光分割装置400と同様であるため説明を省略する。ただし、図14に示す光分割装置400は、バイト受信部412およびパルス長拡大部417を有しない点で、図13の光分割装置とは異なる。
図16は、図14に示した光分割装置が受信する光信号にかかるタイムチャートである。同図に示すように、光信号に含まれているオーバーヘッドデータが、低速信号にて多重化されているため、応答速度が遅い光/電気変換部418を利用した場合であっても、精度よく、多重化された光信号の同期信号を抽出することができると共に、光のまま、多重化された光信号を多重分離することができる。
以上のように、本発明にかかる光信号分離装置は、光信号によって通信を行う光ネットワークに対して有用であり、特に、光ネットワークにかかる光信号を光のまま処理する場合に適している。
本発明は、光時分割方式によって多重化された光信号を多重分離する光信号分離装置に関するものである。
近年、光ファイバ通信システムにおいて、光信号を光のまま時間分割多重するOTDM(Optical Time Division Multiplex)が検討されている。このOTDMは、光信号を多重化する場合に、予め指定されたタイミングで光信号を多重化する。そして、多重化された光信号を分離する場合にも、予め指定されたタイミングによって、多重化された光を分離している。このように、OTDMを利用して、光信号を光のまま多重化・分離することによって、効率のよい経済的なネットワークの大容量化を実現することができる。
なお、特許文献1では、光信号が光ファイバ通信システムを構成する各ノード内を通過する際に、ノード内の光経路差によって発生する光信号の遅延を、光ファイバの波長に対する分散依存性を利用し、補償することによって、光ファイバ通信システムに係る光信号の精密同期を実現可能とする技術が公開されている。
しかしながら、上述した従来技術では、OTDMにおいて、指定されたタイミングで各チャネルの光信号を多重化・分離する必要があるため、光信号のままで高度な処理を行うことができないという問題があった(例えば、従来の技術では、光信号のままで、経路変更程度の処理しか行うことができなかった)。
ネットワークの光化を進めるためには、光信号を電気信号に変換するコストより光のままで処理するほうが安いことが必要であり、また、光信号を光のままで行う処理が電気信号と同様に多様であることが求められる。つまり、光を光のままで処理する場合に、単に経路変更程度の処理しかできないのであれば、多様な処理が可能な電気信号に置き換わってネットワークの光化が普及するとは考えにくい。
すなわち、光信号を光のまま処理する場合に、電気信号のような高度な処理を光のままで実現することが極めて重要な課題となっている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光信号を光のまま処理すると共に、電気信号のような高度な処理を光のままで実現可能とする光信号分離装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、光時分割方式によって多重化された光信号を多重分離する光信号分離装置であって、前記光時分割方式によって多重化された光信号と同期パターンとを受信し、当該同期パターンに基づいて、前記光信号を多重分離する多重分離手段と、前記多重分離手段によって多重分離された光信号にチャープを発生させ、チャープの発生した光信号を波長分散媒体に通して前記光信号のパルス幅を拡大するパルス幅拡大手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明にかかる光信号分離装置は、光時分割方式によって多重化された光信号を受信して、この光信号に対する同期パターンを抽出し、抽出した同期パターンに基づいて光信号を多重分離し、多重分離した光信号にチャープを発生させ、チャープの発生した光信号を波長分散媒体に通して光信号のパルス幅を拡大するので、光信号を光のまま調整可能となり、電気信号レベルの高度な処理を実行することができる。
以下に、本発明にかかる光信号分離装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
まず、本発明の特徴について従来技術と比較して説明する。図17および図18は、従来のOTDM(Optical Time Division Multiplex)システムを説明するための説明図である。図17は、送信局10〜40から送信される各光信号を、光多重化装置60によって多重化(時間分割多重)する例を示している。なお、送信局10〜40および光多重化装置60は光を伝えるための導波路(導波管)50によって接続されている。導波路50の典型的な例は光ファイバである。
光多重化装置60は、カプラ61〜64、合波部65、光位相調整制御部66を有する。カプラ61〜64は、光入力信号を2つ以上の出力に分岐する装置である。例えば、カプラ61は、送信局10から入力された光信号を2つの光信号に分岐し、一方の光信号を合波部65に入力し、他方の光信号を光位相調整制御部66に入力する。合波部65は、カプラ61〜64から入力される各光信号およびFSYN・OH生成部66aから入力される光信号を合波(時分割多重)し、合波した光信号を図18に示す光分割装置70に送信する処理部である。
光位相調整制御部66は、送信局10〜40から入力される光信号の位相を監視し、この送信局10〜40から送信される光信号の位相を遠隔制御する処理部である。ここで、図17においては、光位相調整制御部66から送信局10〜40を制御するための接続(光位相調整制御部66から送信局10〜40に向かう矢印つきの線)を導波路50として示したが、この接続は電気信号として接続されていても良い。また、光位相調整制御部66は、FSYN・OH生成部66aを有する。FSYN・OH生成部66aは、同期用固定パターン、監視用信号回線データ、オーダワイヤデータなどのデータ(以下、オーバーヘッドデータと表記する)を生成し、生成したオーバーヘッドデータを、合波部65に入力する処理部である。合波部65に入力されたオーバーヘッドデータは、他の光信号と合波され、図18に示す光分割装置70に送信される。なお、オーバーヘッドデータは、通信警告の転送などを行う場合にも用いられる。
図18は、光多重化装置60によって多重化された光信号を、光分割装置70によって多重分離する例を示している。光分割装置70は、光増幅部71、分岐部72、FSYN同期回路73、光ゲート74〜77を有する。光増幅部71は、入力された光信号を増幅する処理部であり、増幅した光信号を分岐部72に渡す。
分岐部72は、入力された光信号を複数に分岐する処理部である。図18に示す分岐部72は、光増幅部72から入力された光信号を5つに分岐させ、分岐させた光信号をそれぞれFSYN同期回路73、光ゲート74〜77に入力する。
FSYN同期回路73は、分岐部72から取得した光信号に含まれるオーバーヘッドデータを抽出し、このオーバーヘッドデータに含まれる同期用固定パターンにしたがって各光ゲート74を切り替える装置である。光ゲート74〜77は、FSYN同期回路73に切り替え制御されることによって、図17に示した光多重化装置60によって多重化された各光信号を多重分離することができる。
しかし、図17および図18において示した従来の光多重化装置60および光分割装置70では、図1に示すようなOTDMによるネットワーク構成を実現することができない。図1は、従来の光多重化装置および光分割装置では実現不可能なOTDMのネットワーク構成を説明するための説明図である。
図1に示すネットワーク構成では、光多重化装置60aによって多重化された光信号が光分割装置70aに入力され、光多重化装置60bによって多重化された光信号が光分割装置70bに入力される。そして、光分割装置70aは、入力された光信号を多重分離し、分離した各光信号を光多重化装置60cおよび60dに入力し、光分割装置70bは、入力された光信号を多重分離し、分離した各光信号を光多重化装置60cおよび60dに入力する。
ここで、光多重化装置60cおよび60dは、光分割装置70aおよび70b(または他装置)から取得した各光信号を、光のまま再びOTDM多重することができない。なぜなら、光多重化装置60aおよび光分割装置70aの多重化・分離に係るタイミングと、光多重化装置60bおよび光分割装置70bの多重化・分離に係るタイミングとが異なるため、光レベルで各光信号の各タイミングを調整することができないからである。
そこで、本発明では、光分割装置に、光信号のパルス幅を光レベルで拡大することによって、各光多重化装置から送信される光信号のタイミングを調整可能する仕組みを導入する(本実施例では、光信号分離装置として、光分割装置を例にあげて説明することとする)。
図2は、本実施例1に係る光分割装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この光分割装置100は、光増幅器101、分岐部102、FSYN同期回路103、光ゲート104〜107、パルス長拡大部108を有する。なお、光増幅器101、分岐部102、FSYN同期回路103、光ゲート104〜107は、図18において示した、光増幅部71、分岐部72、FSYN同期回路73、光ゲート74〜77とそれぞれ同様であるため説明を省略する。
パルス長拡大部108〜111は、光ゲート104〜107から入力される光信号のパルス幅を、光のまま拡大する処理部である。なお、パルス長拡大部108〜111は同様の構成であるため、ここでは、パルス長拡大部108を例にあげて説明し、パルス長拡大部109〜111の説明は省略する。
図3は、パルス長拡大部の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、パルス長拡大部108は、LN導波路120、電圧印加部121、分散ファイバ122、光増幅部123、SBS発生ファイバ124を有する。
LN導波路120は、LN(ニオブ酸リチウム<LiNbO3>)の特性を備えた導波路である。具体的に、LN導波路120は、電圧印加部121によって(周期的に)電圧を印加されると、LN導波路120の屈折率が変化し、このLN導波路120を通過する光信号にチャープを発生させる。チャープは、光信号のパルス内部で光周波数が時間的に変動する現象である。
分散ファイバ122は、チャープの発生した光信号のパルス幅を拡大するファイバである。すなわち、LN導波路120によってチャープの発生した光信号は、分散ファイバ122を通過することによって、光信号のパルス幅が拡大することとなる。光増幅部123は、分散ファイバ122を通過した光信号を増幅する処理部である。
SBS発生ファイバ124は、SBS(誘導ブリリューアン散乱)等を発生させて、光増幅部123から入力された光信号を平坦化するファイバである。このように、光ゲート104より入力された光信号のパルス幅は、LN導波路120、分散ファイバ122、光増幅部123およびSBS発生ファイバ124を通過することによって、拡大されることとなる。
このように、パルス長拡大部108〜111は、光ゲート104〜107から入力された光信号のパルス幅を光のまま拡大することができるので、光のままで各光信号のタイミングを調整することが容易となり、図1において示したネットワーク構成によって、各光多重化装置から入力された光信号を光分割装置100(光分割装置70aおよび70bの代わりに、光分割装置100を利用する)によって分割し、再度、光多重化装置によってOTDM多重することが可能となる。
なお、チャープを発生させる手段としては、図3において示した構成によるパルス長拡大部が最も実用的であるが、例えば、波長変換素子を利用して、チャープを発生させることも可能である。図4および図5は、波長変換素子を利用したパルス長拡大部の構成を示す機能ブロック図である。
図4に示すパルス長拡大部は、波長変換素子130、周期波長変化光源131、分散ファイバ132、光増幅部133、SBS発生ファイバ134を有する。ここで、分散ファイバ132、光増幅部133、SBS発生ファイバ134は、図3において説明した分散ファイバ122、光増幅部123、SBS発生ファイバ124とそれぞれ同様であるため説明を省略する。
波長変換素子130は、パターン効果の原因となる利得変動を積極的に利用し、入力された光信号の波長を変換する素子である。この波長変換素子130に光ゲートからの光信号と、周期波長変化光源130からの光(周期的に波長が変化する光)を入力することによって、光ゲートから入力された光信号の波長を周期的に変換し、チャープを発生させる。
そして、波長変換素子130によってチャープが発生した光信号は、分散ファイバ132、光増幅部133およびSBS発生ファイバを通過することによって、パルス幅が拡大される。
また、図5に示すパルス幅拡大部は、波長変換素子140,143、周期波長変化光源141,144、分散ファイバ142を有する。ここで、波長変換素子140,143、周期波長変化光源141,144および分散ファイバ142は、図4に示した波長変換素子130、周期波長変化光源131および分散ファイバ132とそれぞれ同様である。
図5に示すパルス幅拡大部は、波長変換素子140,143を利用して、波長変換を二度繰り返すことによって、光ゲートから入力される光信号のパルス幅を拡大することができる。
ここで、OTDM多重された光信号が光分割装置100に入力された場合の光信号の様子について説明する。図6は、OTDM多重された光信号が光分割装置によって分割される様子を示すタイムチャートである。同図に示すように、OTDM多重された光信号が光ゲート104〜107(光ゲート104〜107はCH1〜CH4にそれぞれ対応する)によって分割され、分割された各光信号は、パルス長拡大部108〜111によって拡大される。
上述してきたように、本実施例1にかかる光分割装置100は、光多重化装置によって多重化された光信号を光増幅部101が増幅し、増幅された光信号を分岐部102が分岐させ、分岐した光信号は、光ゲート104〜107およびFSYN同期回路103に入力される。そして、FSYN同期回路103が、光信号に含まれる同期用固定パターンを基に、光ゲート104〜107を切り替えて、多重化された光信号を多重分離し、パルス長拡大部108〜111が、多重分離された各光信号のパルス幅を拡大させるので、光のままで各光信号のタイミングを調整することが容易となり、再度、光分割装置100によって分割された各光信号に対するOTDM多重が可能となる。
つぎに、本実施例2にかかる光分割装置の特徴について説明する。上述した実施例1にかかる光分割装置100は、光信号を分岐した後に、各光信号のパルス幅をパルス長拡大部108〜111を利用して拡大させたが、本実施例2では、一括して、各光信号のパルス幅を拡大する。
このように、本実施例2では、各光信号のパルス幅を一括して拡大するので、光分割装置に必要となる部品などを節約することができるとともに、本実施例2にかかる光分割装置を利用することによって、実施例1と同様に、光のままで各光信号のタイミングを調整することが容易となり、電気信号レベルの高度な処理を実行することができる。
つぎに、本実施例2にかかる光分割装置の構成について説明する。図7は、本実施例2にかかる光分割装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この光分割装置200は、光増幅部201、分岐部202、FSYN同期回路203、光ゲート204〜207、波長変換部208〜210、波長多重部211、パルス長拡大部212、波長分離部213を有する。
ここで、光増幅部202、分岐部202、FSYN同期回路203、光ゲート204〜207は、図2の光分割装置100において示した光増幅部101、分岐部102、FSYN同期回路103、光ゲート104〜107と同様であるため説明を省略する。なお、図6に示す光ゲート207から出力された光信号は他装置(図示しない)に送信され、他装置からの光信号が、波長多重部211に入力される。
波長変換部208〜210は、光信号にチャープを発生させる処理部である。この波長変換部208〜210の構成は、例えば、図3に示したLN導波路120および電圧印加部121からなる。すなわち、LN導波路120は、電圧印加部121によって周期的に電圧を印加されてLN導波路120の屈折率が変化し、このLN導波路120を通過する光信号にチャープを発生させる。
波長多重部211は、波長変換部208〜210から入力された各光信号(チャープの発生している光信号)を多重化する処理部である。この波長多重部211は、多重化した光信号をパルス長拡大部212に渡す。
パルス長拡大部212は、波長多重部211から入力された光信号のパルス幅を拡大する処理部である。このパルス長拡大部212の構成は、例えば、図3に示した、分散ファイバ122、光増幅部123、SBS発生ファイバ124からなる。すなわち、分散ファイバ122がチャープの発生した光信号のパルス幅を拡大し、光増幅部123が光信号を増幅する。そして、SBS発生ファイバ124が、パルス幅の拡大した光信号の波形を整える。この、パルス長拡大部212は、多重化された光信号のままで光信号の各パルス幅を拡大することができる。
波長分離部213は、パルス長拡大部212によって入力された多重化された光信号(この光信号のパルス幅は拡大されている)を分離する処理部である。そして、波長分離部213によって分離された各光信号は、図1において示した各光多重化装置60c,60dなどに送信され、光のまま再びOTDM多重される。
上述してきたように、本実施例2にかかる光分割装置200は、光多重化装置によって多重化された光信号を光増幅部201が増幅し、増幅された光信号を分岐部202が分岐させ、分岐した光信号は、光ゲート204〜207およびFSYN同期回路203に入力され、光ゲート204〜206からの各光信号は波長変換部208〜210に入力され、波長変換部208〜210は、光信号にチャープを発生させる。そして、波長多重部211が、各光信号を多重化し、パルス長拡大部211が多重化された光信号のパルス幅を一括して拡大し、波長分離部213が、多重化された光信号を分離させるので、低コストで、各光信号のタイミングを調整することが容易となり、再度、光のまま、分割された光信号に対するOTDM多重を行うことができる。
つぎに、本実施例3にかかる光分割装置の特徴について説明する。OTDM多重された光信号を多重分離する場合には、超高速の光信号から光信号を分離するための信号同期を抽出する必要がある。しかし、現状の電気回路は、光信号と比べて反応速度が遅く、OTDM多重された光信号から信号同期を抽出することが大変困難であった。
そこで。本実施例3にかかる光分割装置は、OTDM多重された光信号のパルス幅を拡大して、光信号を電気信号に変換し、変換した電気信号からOTDM多重された光信号を多重分離するための信号同期を抽出する。このように、パルス幅を拡大して、光信号を電気信号に変換するので、応答速度の遅い現状のデバイス(電気回路)であっても、OTDM信号を多重分離するための信号同期を精度よく抽出することができる。
つぎに、本実施例3にかかる光分割装置300の構成について説明する。図8は、本実施例3にかかる光分割装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この光分割装置300は、光増幅器301、分岐部302、光ゲート303〜307、パルス長拡大部308〜312、光/電気変換部313、FSYN同期回路314、位相挿引部315を有する。
ここで、光増幅部301、分岐部302、パルス長拡大部308〜312は、図2において示した光増幅部101、分岐部102、パルス長拡大部108〜111と同様であるため説明を省略する。光ゲート303〜306は、遅延制御部316の指示にしたがって、オン・オフを切り替え、分岐部302より入力される光信号から所定の光信号を切り出し、切り出した光信号をパルス長拡大部308〜309に入力する装置である。また、光ゲート307は、位相挿引部315の指示に従って、オン・オフを切り替え、分岐部302より入力される光信号から所定の光信号を切り出し、切り出した光信号をパルス長拡大部308に入力する装置である。
光/電気変換部313は、パルス長拡大部312によってパルス幅が拡大された光信号を電気信号に変換する処理部である。そして、この光/電気変換部313は、変換した電気信号をFSYN同期回路314に入力する。
FSYM同期回路314は、光/電気変換部313から取得した電気信号に含まれるオーバーヘッドデータの信号同期を抽出し、抽出した信号同期の情報を位相挿引部315に渡す処理部である。
位相挿引部315は、FSYN同期回路314から取得した信号同期と、外部から入力される低速クロック(網クロック)のタイミングとが一致するように、低速クロックのタイミングを調整する。そして、位相挿引部315は、OTDM多重された光信号と同等の信号同期となるクロックを遅延制御部316に入力する。
遅延制御部316は、位相挿引部315から入力されるクロックを基にして、各光ゲート303〜306を切り替えることによって、OTDM多重された光信号を多重分離する処理部である。そして、多重分離された各光信号は、それぞれパルス長拡大部308〜311に入力され、パルス幅を拡大される。
上述してきたように、本実施例3にかかる光分割装置300は、パルス長拡大部312が、光信号のパルス幅を拡大し、光/電気変換部が光信号を電気信号に変換し、FSYN同期回路314が、電気信号からオーバーヘッドデータの信号同期を抽出する。そして、位相挿引部315が、信号同期を基にして、低速クロックを調整し、遅延制御部316が、位相挿引部315によって調整されたクロックを基に、光ゲート303〜306を切り替えるので、反応速度の遅い電気回路利用した場合であっても、OTDM多重された光信号を多重分離することができる。
続いて、本実施例4にかかる光分割装置の特徴について説明する。本実施例4にかかる光分割装置は、光多重化装置によって、バイトインターリーブ多重された光信号を受信した場合に、この光信号を光のまま多重分離する。ここではまず、バイトインターリーブ多重を実行する光多重化装置の説明を行った後、本実施例4にかかる光分割装置の説明を行う。
図9は、バイトインターリーブ多重を実行する光多重化装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この光多重化装置600は、可変遅延部601〜604、カプラ605〜608、バイト処理部609〜613、光ゲート614〜618、合波部619、位相制御部620を有する。ここで、カプラ605〜608は、図17に示したカプラ61〜64と同様であるため説明を省略する。
光可変遅延部601〜604は、位相制御部620からの制御信号にしたがって、送信局10〜40から送信される光信号を遅延させる処理部である。バイト処理部609〜613は、カプラ605〜608から入力された光信号に対してバイトインターリーブ多重を実行する処理部である。なお、バイト処理部609〜613は同様であるので、ここでは、バイト処理部609を利用して、バイト処理部の説明を行う。
バイト処理部609は、分岐CPL621、導波路622〜629、光ゲート630〜637、合波CPL638を有する。分岐CPL621は、カプラ605から入力された光信号を分岐し、分岐した各光信号を各導波路622〜629に入力させる装置である。
各導波路622〜629は、光信号を光ゲート630〜637に伝えるための導波路である。なお、各導波路622〜629は、長さが異なっているため、導波路を通過する各光信号に遅延差が発生する。図9に示す例では、導波路622、623、・・・629の順に導波路が長くなっているため、導波路622を通過する光信号が、光ゲート630に一番早く到達し、導波路629を通過する光信号が、光ゲート637に一番遅く到達する。
光ゲート630〜637は、図示しない制御部からの制御信号にしたがって、オン・オフを行い、各導波路622〜629からの光信号を所定のタイミングで切り出す装置である。各光ゲート630〜637から出力された光信号は、合波CPL638に入力される。合波CPL638は、各光ゲート630〜637から出力された光信号を合波し、合波した光信号を光ゲート614に入力する装置である。
光ゲート614〜618は、位相制御部620からの制御信号にしたがって、オン・オフを実行し、所定のタイミングで、各バイト処理部609〜613からの光信号を切り出す装置である。合波部619は、光ゲート614〜618から入力された光信号を合波し、合波した光信号を(本実施例4にかかる)光分割装置に出力する装置である。
位相制御部620は、光ゲート614〜618に対する切り替え制御を行うと共に、光可変遅延部601〜604を制御して、各光可変遅延部601〜604から出力させる光信号の遅延量を調整する処理部である。なお、位相制御部620は、FSYN・OH生成部620aを有する。このFSYN・OH生成部620aは、オーバーヘッドデータを生成し、生成したオーバーヘッドデータをバイト処理部613に入力する処理部である。
図10は、図9に示した光多重化装置の光信号にかかるタイムチャートである。光可変遅延部601〜604から出力された光信号は、バイト処理部609〜613によってそれぞれバイトインターリーブ多重が実行される。また、FSYN・OH生成部620aによって生成されたオーバーヘッドデータは、バイト処理部613によってバイトインターリーブ多重が実行される。そして、各バイト処理部609〜613によって多重化された各光信号は、合波部619に入力され、合波される。
なお、図9で示した光多重化装置600は、FSYN・OH生成部620aが生成したオーバーヘッドデータをバイト処理部413によって多重化していたが、図11に示すように、オーバーヘッドデータを直接、光ゲート618に入力し、オーバーヘッドデータを低速信号で多重化しても良い。このように、オーバーヘッドデータを低速信号で多重化することによって、受信側となる光分割装置によるタイミング抽出が容易となる。
図11は、オーバーヘッドデータを低速信号で多重化する光信号装置の構成を示す機能ブロック図である。各部の構成は、図9に示した光多重化装置400と同様であるため説明を省略する。なお、図11では、FSYN・OH生成部620aから出力されたオーバーヘッドデータは、バイト処理部に入力されることなく、光ゲート618に入力される。図12は、図11に示した光多重化装置の光信号にかかるタイムチャートである。同図に示すように、オーバーヘッドデータは、低速信号で、合波部619に合波されている。
続いて、本実施例4にかかる光分割装置の構成について説明する。図13および図14は、本実施例4にかかる光分割装置の構成を示す機能ブロック図である。なお、図13は、図9に示した光多重化装置に対応した光分割装置であり、図14は、図11に示した光多重化装置に対応した光分割装置である。以下では、図13、図14の順で、光分割装置の構成に対する説明を行う。
図14に示すように、この光分割装置400は、光増幅部401、分岐部402、光ゲート403〜407、バイト受信部408〜412、パルス長拡大部413〜417、光/電気変換部418、FSYN同期回路419、位相挿引部420、遅延制御部421,422、分周部423を有する。
ここで、光増幅部401、分岐部402、光ゲート403〜407、パルス長拡大部413〜417、光/電気変換部418、FSYN同期回路419、位相挿引部420、遅延制御部422は、図8において示した光増幅部301、分岐部302、光ゲート303〜307、パルス長拡大部308〜312、光/電気変換部313、FSYN同期回路314、位相挿引部420、遅延制御部316と同様であるため説明を省略する。
バイト受信部408〜412は、各光ゲート403〜406から光信号を受信し、受信した光信号を所定間隔ごとに切り出し・合波を実行する処理部である。なお、バイト受信部408〜412は同様であるため、ここではバイト受信部408を用いて、バイト受信部の説明を行う。図15は、バイト処理部の処理を補足説明するためのタイムチャートである。
図15に示すように、光ゲート403によって、D1−1〜D1−8の光信号が切り出され、切り出された光信号がバイト受信部408に入力される。そして、バイト受信部408は、各光信号D1−1〜D1−8を分岐CPL424によって分岐させ、導波路425〜432に入力させる。
各導波路425〜432は、光信号を光ゲート433〜440に伝えるための導波路である。なお、各導波路425〜432は、長さが異なっているため、導波路を通過する各光信号に遅延差が発生する。図13に示す例では、導波路425、426、・・・432の順に導波路が長くなっているため、導波路425を通過する光信号が、光ゲート433に一番早く到達し、導波路432を通過する光信号が、光ゲート440に一番遅く到達する。
光ゲート433〜440は、遅延制御部421からの制御信号にしたがって、オン・オフを行い、各導波路425〜432からの光信号を所定のタイミングで切り出す装置である。各光ゲート433〜440から出力された光信号は、合波CPL450に入力される。合波CPL450は、各光ゲート433〜440から出力された光信号を合波し、合波したパルス長拡大部413に入力する装置である。
すなわち、図15の上段に示す光信号が、バイト受信部408に入力されることによって、図15の中段に示す光信号となる。そして、バイト受信部408からの光信号が、パルス長拡大部413に入力されることによって、光信号のパルス幅が拡大され、図15の下段に示す光信号となる。
遅延制御部421は、位相挿引部420から入力されるクロックと信号同期するように、バイト受信部408〜412が備える各光ゲートを切り替える処理部である。分周部423は、位相挿引部420から入力されるクロック周波数を特定の周波数に調整する処理部である。
このように、図13に示した光分割装置400は、バイト受信部408〜412が、バイトインターリーブ多重された光信号を抽出し、抽出した各光信号のパルス幅をパルス長拡大部413〜416が拡大するので、バイトインターリーブ多重された光信号を光のまま多重分離することができる。
続いて、オーバーヘッドデータを低速信号で多重化された光信号を分割する光分割装置の説明を行う。各部の構成は、図13に示した光分割装置400と同様であるため説明を省略する。ただし、図14に示す光分割装置400は、バイト受信部412およびパルス長拡大部417を有しない点で、図13の光分割装置とは異なる。
図16は、図14に示した光分割装置が受信する光信号にかかるタイムチャートである。同図に示すように、光信号に含まれているオーバーヘッドデータが、低速信号にて多重化されているため、応答速度が遅い光/電気変換部418を利用した場合であっても、精度よく、多重化された光信号の同期信号を抽出することができると共に、光のまま、多重化された光信号を多重分離することができる。
以上のように、本発明にかかる光信号分離装置は、光信号によって通信を行う光ネットワークに対して有用であり、特に、光ネットワークにかかる光信号を光のまま処理する場合に適している。
図1は、従来の光多重化装置および光分割装置では実現不可能なOTDMのネットワーク構成を説明するための説明図である。
図2は、本実施例1に係る光分割装置の構成を示す機能ブロック図である。
図3は、パルス長拡大部の構成を示す機能ブロック図である。
図4は、波長変換素子を利用したパルス長拡大部の構成を示す機能ブロック図(1)である。
図5は、波長変換素子を利用したパルス長拡大部の構成を示す機能ブロック図(2)である。
図6は、OTDM多重された光信号が光分割装置によって分割される様子を示すタイムチャートである。
図7は、本実施例2にかかる光分割装置の構成を示す機能ブロック図である。
図8は、本実施例3にかかる光分割装置の構成を示す機能ブロック図である。
図9は、バイトインターリーブ多重を実行する光多重化装置の構成を示す機能ブロック図である。
図10は、図9に示した光多重化装置の光信号にかかるタイムチャートである。
図11は、オーバーヘッドデータを低速信号で多重化する光信号装置の構成を示す機能ブロック図である。
図12は、図11に示した光多重化装置の光信号にかかるタイムチャートである。
図13は、本実施例4にかかる光分割装置の構成を示す機能ブロック図(1)である。
図14は、本実施例4にかかる光分割装置の構成を示す機能ブロック図(2)である。
図15は、バイト処理部の処理を補足説明するためのタイムチャートである。
図16は、図14に示した光分割装置が受信する光信号にかかるタイムチャートである。
図17は、従来のOTDM(Optical Time Division Multiplex)システムを説明するための説明図(1)である。
図18は、従来のOTDM(Optical Time Division Multiplex)システムを説明するための説明図(2)である。
符号の説明
10,20,30,40 送信局
50,425,426,427,428,429,430,431,431 導波路
60,60a,60b,60c,60d 光多重化装置
61,62,63,64 カプラ
65,619 合波部
66 光位相調整制御部
66a FSYN・OH生成部
70,70a,70b,100,200,300,400 光分割装置
71,101,123,133,201,301,401 光増幅部
72,202,302,402 分岐部
73,103,203,314,419 FSYN同期回路
74,75,76,77,104,105,106,107,204,205,206,207,303,304,305,306,307,403,404,405,406,407,433,434,435,436,437,438,439,440,614,615,616,617,618 光ゲート
108,109,110,111,212,308,309,310,311,312,413,414,415,416,417 パルス長拡大部
120 LN導波路
121 電圧印加部
122,132,142 分散ファイバ
124,134 SBS発生ファイバ
130,140,143 波長変換素子
131,141,144 周期波長変化光源
208,209,210 波長変換部
211 波長多重部
213 波長分離部
313,418 光/電気変換部
315,420 位相挿引部
408,409,410,411,412 バイト受信部
423 分周部
424 分岐CPL
450 合波CPL
600 光多重化装置
601,602,603,604 光可変遅延部
609,610,611,612,613 バイト処理部
620 位相制御部
620a FSYN・OH生成部