JP4030441B2 - 光クロスコネクト装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光クロスコネクト装置に関し、特にWDM(Wavelength Division Multiplex)信号の光クロスコネクトを行う光クロスコネクト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信ネットワークは、情報通信ネットワークの基盤形成の核となるもので、一層のサービスの高度化、広域化が望まれており、中でもWDMは光伝送システムの中心技術として、急速に開発が進んでいる。WDMは、波長の異なる光を多重して、1本の光ファイバで複数の信号を同時に伝送する方式である。
【0003】
一方、広大なフォトニックネットワークを構築するためには、WDMシステム同士を接続して、各ノード間をループ状に接続したリング型ネットワークや、メッシュ状に接続したメッシュ型ネットワークなどが適用される。このようなネットワークを構築する際のキーテクノロジーとなるものに光クロスコネクト(OXC:optical cross-connect)装置がある。
【0004】
OXC装置は、ネットワークのノード内に設置されて、入力ポートに入力された光信号を目的の出力ポートへ出力するようスイッチングを行ったり、光信号の挿入・分岐(Add・Drop)を行う装置である。また、OXC装置のスイッチング部には、通常、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いた大規模な空間光マトリクス・スイッチが適用されており、1000チャネル程度のスイッチングができるものを目指して実用開発が進められている。
【0005】
従来のOXC装置の構成では、WDM伝送された光信号に対し、光信号を分波器で分離してから、光信号を一旦電気変換した後に光信号に再度変換するOEO(Optical-Electrical-Optical)で構成された波長変換部(トランスポンダ)で終端する。そして、光レベルで光マトリクス・スイッチに入力してスイッチングを行った後に、再びトランスポンダで波長変換してから合波器で合波し、WDM信号として次段へ伝送する(例えば、特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−134649号公報(段落番号〔0020〕〜〔0037〕,第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のOXC装置では、MEMSのような微小電気機械部品を用いたスイッチセルによる光マトリクス・スイッチによって、光スイッチングを実現しているため、高集積光スイッチ素子の高度な製造性や複雑な制御性などの理由により、1000チャネル程度が上限であり、1000×1000のスイッチサイズ(スイッチ規模)でスループットは高々10Tb/sであった。
【0008】
このため、従来のOXC装置では、1000チャネルを越えた、大容量のスイッチングを行うことができず、次世代のマルチメディアネットワーク構築に対する発展性が期待できないといった問題があった。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、大規模のスイッチングを行って高スループットな光クロスコネクトを実現した光クロスコネクト装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、複数本数の入力ファイバから複数本数の出力ファイバに波長分割多重(WDM)された光信号の光クロスコネクトを行う光クロスコネクト装置において、複数本数の入力ファイバよりそれぞれ入力されたWDM信号光を構成する複数の信号光を入力ファイバ本数に等しい数の波長の光に波長変換するとともに、パルス幅圧縮および位相変換によりWDM信号の波長分割多重数による時分割多重を行う、複数本数の入力ファイバに対応して設けられた複数の入力光信号処理部と、パッシブな光デバイスで構成され複数の入力光信号処理部でそれぞれ処理された光信号を、同じ波長毎に振り分ける複数の波長スイッチ部と複数の波長スイッチ部でそれぞれ振り分けられた光信号に対し、複数の入力光信号処理部の時分割多重処理に対応して、時分割多重分離、波長変換、およびパルス幅拡大を行って、WDM信号を出力する出力光信号処理部と、を有することを特徴とする光クロスコネクト装置が提供される。
【0011】
ここで、入力光信号処理部は複数の入力ファイバよりそれぞれ入力されたWDM信号光を構成する複数の信号光を入力ファイバ本数に等しい数の波長の光に波長変換するとともに、パルス幅圧縮および位相変換によりWDM信号の波長分割多重数による時分割多重を行う、複数の入力ファイバに対応して設けられる。波長スイッチ部は、パッシブな光デバイスで構成され複数の入力光信号処理部でそれぞれ処理された光信号を、同じ波長毎に振り分ける。出力光信号処理部は複数の波長スイッチ部でそれぞれ振り分けられた光信号に対し、複数の入力光信号処理部の時分割多重処理に対応して、時分割多重分離、波長変換、およびパルス幅拡大を行って、WDM信号を出力する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は光クロスコネクト装置の原理図である。光クロスコネクト装置1は、光信号の光クロスコネクトを行う装置であり、入力光信号処理部11−1〜11−5、波長スイッチ部12−1〜12−5、出力光信号処理部13−1〜13−5から構成される。なお、以降の説明で各構成要素を総称する場合は、ハイフン以下の数字は略す(例えば、入力光信号処理部11−1〜11−5は、入力光信号処理部11と記す)。
【0013】
入力光信号処理部11−1〜11−5は、幹線網を通じて入力するWDM信号に対し、波長変換、パルス幅圧縮、位相変換を行って終端する。波長スイッチ部12−1〜12−5はそれぞれ、分波器(AWG:Arrayed Waveguide Grating)12a−1〜12a−5及び合波器(光カプラ)12b−1〜12b−5といったパッシブな光デバイスで構成され、入力光信号処理部11−1〜11−5で処理された光信号を、同じ波長毎に振り分ける。出力光信号処理部13−1〜13−5は、波長スイッチ部12−1〜12−5で振り分けられた光信号に対し、波長変換及びパルス幅拡大を行ってWDM信号を生成し幹線網へ出力する。
【0014】
ここで、入力光信号処理部11−1〜11−5は、入力するWDM信号に対し、WDM信号の入力ファイバ本数に等しい数の波長の光に波長変換し、かつWDM信号のパルス幅を、WDM信号のWDM信号光の波長分割多重数で分割してパルス幅圧縮を行い、複数の圧縮信号が同位相にならないように位相変換を行う。波長スイッチ部12−1〜12−5は、パッシブな光デバイスで構成して、入力光信号処理部11−1〜11−5で処理された光信号を、同じ波長毎に振り分ける。出力光信号処理部13−1〜13−5は、波長スイッチ部12−1〜12−5で振り分けられた光信号に対し、光信号の位相から変換すべき波長を認識して波長変換を行い、パルス幅拡大を行って、WDM信号を出力する。
【0015】
図2は入力光信号処理部11及び出力光信号処理部13での処理概要を示す図である。パルス波形で光信号を示す。入力光信号処理部11では、入力する光信号に対し、波長変換、パルス幅圧縮、位相変換を行う。例えば、入力光信号の波長がλ1である場合、波長変換を行ってλ5の光信号を生成する。そして、λ5の光信号を情報圧縮してパルス幅を図に示すように縮小化し、位相変換を行って圧縮信号の時間位置をずらす。
【0016】
また、出力光信号処理部13では、波長スイッチ部12でスイッチングされた光信号に対し、波長変換、パルス幅拡大を行う。例えば、圧縮されているλ5の光信号に波長変換を行ってλ1の光信号を生成し、その後、パルス幅を図に示すように拡大する。
【0017】
一方、光クロスコネクト装置1では、装置内部波長数(波長変換後の波長数のこと)を入力光信号の入力ファイバ本数nと等しくし、パルス幅圧縮による時間分割多重数をWDM信号光の波長分割多重数mと等しくして、スイッチサイズn×mを、光ファイバ帯域×入力光信号パルス幅×0.5と等しいか、小さく設定することにより、周波数帯域制限を受けずに(クロストークを発生せずに)、大容量の光クロスコネクトを実現する。なお、詳細については後述する。
【0018】
次に光クロスコネクト装置1(以降、光クロスコネクト装置をλ−XC装置とも呼ぶ)の動作について説明する。図3は信号の流れを示す図である。なお、図中のA〜Dは、図1で示したA〜Dの地点を表す。まず、A地点においては、図1のWDM1は、10Gb/s(100ps)でλ1〜λ10の10波(10チャネル)が波長多重されている。同様にWDM2〜WDM5は、10Gb/s(100ps)でλ1〜λ10の10波(10チャネル)がそれぞれ波長多重されている。
【0019】
B地点では、入力光信号処理部11−1〜11−5によって、各WDM信号に波長変換、パルス幅圧縮、位相変換が施された信号となる。ここで、装置内部波長数は、入力ファ イバ本数n(入力光ファイバ本数)と等しくするので、図1の場合、WDM1〜WDM5により、n=5である。また、パルス幅圧縮による時間分割多重数をWDM信号光の波長分割多重数mと等しくするので、図1の場合、1つのWDM信号中にλ1〜λ10の10波あるので、m=10である。
【0020】
したがって、装置内部波長数は5波であるので、λ−XC装置1内では、例えば、λ1〜λ5を割り当てて、λ1〜λ10の波長を持つWDM信号に対し、λ1〜λ5のいずれかの波長の光に変換する。また、時間分割多重数は10であるので、入力時に100psであったWDM信号を10分割して、10psに情報圧縮する。
【0021】
ここで、B地点のWDM1について見ると、波長変換としては、λ1→λ1(波長変換なし)、λ2→λ5、…λ10→λ1というように、λ1〜λ10の波長をλ1〜λ5の波長のいずれかに変換している。また、パルス幅圧縮としては、パルス幅100psの10分割として、10Gb/sの信号を10psまで圧縮している(情報量は10Gb/sのままである)。そして、これらの圧縮信号が同じ時間位置の位相にこないように位相変換を施している。
【0022】
したがって、A地点におけるλ1〜λ10まで波長多重されているWDM信号は、B地点では、λ1〜λ5のいずれかの波長に波長変換されて、10psまでパルス幅圧縮され、かつそれぞれ10波の圧縮信号は、時間軸上同じ位置にこないように(各波長の信号の中心周波数の位置が時間軸上同じ位置にこないように)位相がずらされる。WDM2〜WDM5についても同様な処理が行われる。
【0023】
C地点では、波長スイッチ部12−1〜12−5によってスイッチングされて、同じ波長の信号が集められた信号となる。すなわち、分波器12a−1〜12a−5によって、B地点における信号がλ1〜λ5の波長毎に分波され、合波器12b−1〜12b−5によって、λ1〜λ5の波長毎に合波される。例えば、合波器12b−1ではλ1の信号を10波合波する。
【0024】
D地点では、出力光信号処理部13−1〜13−5によって、波長変換、パルス幅拡大が施されたWDM信号となる。出力光信号処理部13−1〜13−5は、波長変換処理を行う際には、入力信号の位相からあらかじめ変換すべき波長を認識しており(あらかじめ設定されている、または上位からの通知による)、また、パルス幅拡大としては、元のパルス幅に戻す操作を行う。
【0025】
例えば、出力光信号処理部13−1は、C地点におけるWDM1に対し、10波のλ1のそれぞれの位相から、どの波長の光に変換するかをあらかじめ認識しており、各波長の位相にもとづき、10波のλ1をλ1〜λ10に波長変換する。また、10psを元の100psのパルス幅に拡大する。このようにして、光クロスコネクト後のWDM信号として出力する。
【0026】
次にλ−XC装置1のスループットについて、従来と比較しながら詳しく説明する。まず最初に、局間の光ファイバ伝送のスループットと、λ−XC装置1の装置内光ファイバ伝送のスループット(波長スイッチ部12による光クロスコネクトのスループットではなく、装置内に張られた光ファイバ伝送によるスループット)について説明する。
【0027】
図4は局間の光ファイバ伝送を示す図である。局B1、B2は光ファイバ(SMF:Single Mode Fiber)Fで接続されて(中継距離が約100km)、光伝送を行う。このようなシステムにおける光ファイバ伝送のスループットについて考える。
【0028】
図5は光ファイバの特性を示す図である。SMFの損失特性を示しており、縦軸は損失(dB/km)、横軸は波長(μm)である。光伝送を行う場合、光損失の小さい波長領域で光信号を伝送する必要がある。したがって、SMFでは、図に示すように、損失の比較的小さい1200nm付近〜1600nm付近の波長領域が光伝送に用いられる。実際には、ITU−T勧告によって、OバンドからUバンドの波長領域が決められている。
【0029】
図6はSMFの光伝送における波長領域を示す図である。図は、ITU−T勧告によって定められている、Oバンド(1260nm〜1360nm)からUバンド(1625nm〜1675nm)の波長領域を示すテーブルである。図6により、光伝送で使用できる波長帯域は、Oバンドの1260nmからUバンドの1675nmまでの約400nmであることがわかる。これを周波数に換算すると約50THzとなる。したがって、光伝送に使用する光ファイバの帯域は50THzである。なお、以降の説明においては、光ファイバの帯域を50THz、またビットレートが10Gb/sの入力光信号を扱った場合の例を中心にして説明する。
【0030】
図7は局間光ファイバ伝送のスループット算出を説明するための図である。光ファイバ帯域にN波(Nチャネル)の光信号が立てられる(多重している)様子を示しており、図中のBWは変調帯域、Δfは各チャネルの周波数間隔(チャネル間隔)である。なお、変調帯域BWはビットレートとほぼ等しい。例えば、10Gb/sのビットレートの光信号は、ほぼ10GHzの周波数成分を持っているとしてよい。
【0031】
ここで、図4で示したシステムにおける光ファイバ伝送のスループットを求めると、光ファイバ帯域が50THzのときのチャネル数は、(50THz/2×BW)であり、ビットレートはBWとしてよいので、スループットは、チャネル数×ビットレート=(50THz/(2×BW))×BW=25Tb/sとなる。また、10Gb/sの場合、チャネル間隔Δfが20GHzで、2500(=50THz/2×10GHz)チャネルの波長を多重化できる。
【0032】
このように求めたスループット25Tb/sは、光ファイバ帯域50THzのときの理論限界値であるが、光ファイバによって長距離伝送を行うと、波長分散その他の非線形効果が生じるため、実際のスループットは25Tb/sよりもかなり低い値になると考えられる。
【0033】
次にλ−XC装置1内の光ファイバ伝送(装置内光ファイバ伝送)のスループットについて説明する。図8は装置内光ファイバ伝送のスループット算出を説明するための図である。λ−XC装置1内の入力光信号処理部11を通過したパルスは、ビットレートは10Gb/sと変わらないが、dutyは短いパルスとなっている。パルス幅圧縮されたパルスの幅をΔτとすると、圧縮パルスの信号帯域は1/Δτである。
【0034】
ここで、装置内光ファイバ伝送のスループットを求めると、光ファイバ帯域が50THzのときの圧縮パルスの数(チャネル数)は、(50THz/2×(1/Δτ))であり、1圧縮パルスのビットレートは、((100ps/Δτ)×10Gb/s)となるので、スループット=圧縮パルスの数×1圧縮パルスのビットレート=25Tb/sとなる。ここで、λ−XC装置1内で用いる光ファイバの帯域をBWfiberとおくと、装置内スループットはBWfiber/2という簡略式で算出できる。
【0035】
このように求めた25Tb/sは、光ファイバ帯域50THzのときの理論限界値であるが、装置内における光ファイバ伝送は短距離伝送なので、非線形効果の大きな影響を受けることはない。したがって、λ−XC装置1の装置内スループットは、理論限界値である25Tb/sそのものを実現可能とみなしてよい。
【0036】
次に従来の光クロスコネクト装置(以降、従来の装置をOXC装置と呼ぶ)の光マトリクス・スイッチにおけるスループットと、λ−XC装置1の光クロスコネクトにおけるスループットについて説明する。まず、従来のOXC装置の構成について説明する。
【0037】
図9はOXC装置の概略構成を示す図である。従来のOXC装置200は、分波器201−1〜201−n、OEO202−1〜202−m、203−1〜203−m、光マトリクス・スイッチ204、OEO205−1〜205−m、206−1〜206−m、合波器207−1〜207−nから構成される。
【0038】
分波器201−1〜201−nは、WDM信号を波長毎に分波し、OEO202−1〜202−m、203−1〜203−mは、光/電気/光変換を行って波長変換する。光マトリクス・スイッチ204は、光レベルでスイッチングを行う。OEO205−1〜205−m、206−1〜206−mは、スイッチング後の光信号を光/電気/光変換を行って、再び波長変換し、合波器207−1〜207−nは光信号を合波してWDM信号を出力する。また、図では入力ファイバ本数はn、WDM信号光の波長分割多重数はmであるから、光マトリクス・スイッチ204はスイッチサイズが(m・n)×(m・n)である。
【0039】
ここで、3次元のMEMSスイッチで光マトリクス・スイッチ204を構成する場合を考える。現状のMEMSのスイッチサイズでは1000×1000が開発されている。例えば、入力ファイバ本数nが10、WDM信号光の波長分割多重数mが100波の信号を扱う場合には、1000×1000のスイッチが必要となる。
【0040】
この場合、ビットレートを10Gb/sとすると、1000×1000の光マトリクス・スイッチ204のスループットは、100(WDM信号光の波長分割多重数)×10(入力ファイバ本数)×10Gb/s=10Tb/sとなる。
【0041】
一方、さらなる大容量のスイッチングとして、100Tb/sのスループットを実現しようとすると、光マトリクス・スイッチ204のスイッチサイズが10000×10000となる。例えば、ビットレートが10Gb/sで、入力ファイバ本数が100、波長数が100波のとき、10000×10000のスイッチが必要となる。
【0042】
しかし、このような10000×10000のスイッチを、MEMSのような光学素子で構成するには、現状の製造性を考慮すると非常に困難である。また、スイッチング制御も非常に複雑なものになる。したがって、上述のアクティブ型の光マトリクス・スイッチ204を用いた構成によって、光クロスコネクトを行う従来のOXC装置200では、今後の大容量ネットワークに対する発展性が期待できないといえる。
【0043】
次にλ−XC装置1による光クロスコネクトのスループットについて説明する。最初に、λ−XC装置1でクロストーク(漏話)が発生しないスイッチサイズの条件について説明する。上記の説明では、λ−XC装置1内の入力光信号処理部11を通過した圧縮パルスの幅をΔτとしたが、パルス幅圧縮による時間分割多重数をWDM信号光の波長分割多重数mと等しくすれば、このΔτは100ps/mと表せる(ビットレートが10Gb/sの場合)。すると、圧縮パルスの信号帯域BWは、1/パルス幅であるから、BW=m/100ps(=1/(100ps/m))と表せる。
【0044】
また、装置内部波長数を入力光信号の入力ファイバ本数nとすると、光ファイバ帯域が50THzのとき、装置内でクロストークが発生しないようにするには、2・BW×n≦50THz(n≦50THz/2・BW)となることが必要である。
【0045】
図10はクロストークを説明するための図である。(A)はクロストークが発生している状態、(B)はクロストークが発生しない状態を示している。(A)のように、隣接チャネルの信号同士が重なり合うと(図の斜線部)、互いの周波数成分が漏れこんでしまいクロストークが発生することになる。
【0046】
一方、(B)のように隣接チャネル同士が離れていればクロストークは発生しない。すなわち、各チャネルの中心周波数間隔が少なくとも2・BWあれば、クロストークが発生しない(帯域制限を受けない)ことがわかる。このため、少なくとも2・BWの波長間隔を確保すれば、50THzの光ファイバ帯域でクロストークの発生を回避することができる。
【0047】
ここで、スイッチサイズであるn×mを計算すると、n×m=(50THz/2・BW)×(BW・100ps)=2500となる。したがって、光ファイバ帯域が50THzで、10Gb/sの入力のとき、n×m≦2500となるように、nとmを設定すれば、隣接チャネル同士が重なる現象は起きないので、λ−XC装置1ではクロストークが発生せずに光クロスコネクトを行うことができる。なお、クロストークが発生しない条件の一般式は、n×m≦BWfiber×ΔT×1/2と書くことができる(ΔTは入力光信号のパルス幅、ここでは100ps)。
【0048】
ここまで、λ−XC装置1において、クロストークが発生しないスイッチサイズの条件を求めた。次にλ−XC装置1による光クロスコネクトのスループットを求めると、スループットは、スイッチサイズ×ビットレート(n×m×bitrate)であるから、2500×10Gb/sであり、25Tb/sとなる。すなわち、λ−XC装置1でクロストークが発生せずに、光クロスコネクトを行った際の最大のスループットは、ビットレートが10Gb/sの場合、25Tb/sとなり、図8で上述した装置内光ファイバ伝送時のスループットと同じ値を実現することができる。
【0049】
以上説明したように、λ−XC装置1は、入力光信号処理部11と、パッシブな光デバイスで構成した波長スイッチ部12と、出力光信号処理部13とから構成することにより、光クロスコネクトのスループットを装置内光ファイバ伝送時のスループットと同じ値を実現することができ、従来のOXC装置200よりも、はるかに大容量で高スループットな動作を行うことが可能になる。
【0050】
次に波長スイッチ部12の構成の変形例について説明する。図11は変形例の波長スイッチ部を含むλ−XC装置の構成を示す図であり、図12は図11に示したA地点からE地点の信号を示す図である。
【0051】
λ−XC装置1aは、入力光信号処理部11−1〜11−n、波長スイッチ部120、出力光信号処理部13−1〜13−nから構成される。なお、入力光信号処理部11−1〜11−nと、出力光信号処理部13−1〜13−nは図1と同じ構成要素なので、波長スイッチ部120を中心に説明する。
【0052】
波長スイッチ部120は、1つのn:1WDMカプラ121と、1つの分波器122から構成される。n:1WDMカプラ121は、入力光信号処理部11−1〜11−nからの出力n本を1本に集線して、入力光信号処理部11−1〜11−nで圧縮された信号を合波する。分波器122は、合波された信号を波長毎に分波する。
【0053】
信号の流れとしては、A地点の信号は、パルス幅が100psのλ1〜λmの波長が多重されたWDM信号である。B地点の信号は、波長変換、パルス幅圧縮、位相変換された信号である。C地点の信号は、入力光信号処理部11−1〜11−nから出力された圧縮パルスが波長多重された信号である。D地点の信号は、複数のλ1の波長の圧縮パルスが多重されている信号である。E地点の信号は、パルス幅が100psのλ1〜λmの波長が多重されたWDM信号である。波長スイッチ部120のような構成にすることにより、図1の波長スイッチ部12よりも構成部品の数を削減することができる。
【0054】
次に入力光信号処理部11の構成及び動作について説明する。図13は第1の実施の形態の入力光信号処理部の構成を示す図である。第1の実施の形態の入力光信号処理部110aは、分波器111a、波長変換部112a−1〜112a〜m、パルス幅圧縮部113a−1〜113a−m、可変ディレイ(Delay)114a−1〜114a−m、合波器115a、入力光変換制御部116aから構成される。
【0055】
また、入力光変換制御部116aは、分岐部116a−1、O/E116a−2、指定信号設定部116a−3を含む。このような構成の入力光信号処理部110aは、入力ファイバ本数がnならば、λ−XC装置1の入力部にn段構成されることになる。
【0056】
分波器111aは、λ1〜λmが波長多重された入力WDM信号を波長毎に分波する。波長変換部112a−1〜112a〜mは、波長指定信号にもとづき、分波後の信号の波長変換を行う。図の場合、波長変換部112a−1は、λ1をλ2に変換し、波長変換部112a−2は、λ2をλ5に変換し、波長変換部112a−mは、λmをλ3に変換している。
【0057】
パルス幅圧縮部113a−1〜113a−mは、波長変換後の信号のパルス幅圧縮を行う。可変ディレイ114a−1〜114a−mは、位相指定信号にもとづき、圧縮パルスの位相を変換(遅延)する。合波器115aは、位相変換された圧縮パルスを合波し、後段の波長スイッチ部12へ送出する。
【0058】
一方、O/E116a−2は、分岐部116a−1によって分岐された、合波器115aの出力光パルスを電気信号に変換する。指定信号設定部116a−3は、電気信号にもとづいて、可変ディレイ114a−1〜114a−mそれぞれで遅延させるべき値(位相設定信号)を生成し、可変ディレイ114a−1〜114a−mに送出する。また、波長変換部112a−1〜112a−mそれぞれが、どの波長の光に変換すべきかを指示するための波長指定信号を生成し、波長変換部112a−1〜112−mへ出力する。
【0059】
図14は第2の実施の形態の入力光信号処理部の構成を示す図である。第2の実施の形態の入力光信号処理部110bは、分波器111b、制御パルス生成部112b、非線形光ループミラー(nonlinear loop mirror:NOLM)113b−1〜113b−m、WDMカプラ114b、入力光変換制御部115bから構成される。
【0060】
また、入力光変換制御部115bは、分岐部115b−1、O/E115b−2、指定信号設定部115b−3を含む(なお、入力光変換制御部115bは、図13で上述した入力光変換制御部116aと同じ機能を持つので、動作説明は省略する)。このような構成の入力光信号処理部110bは、入力ファイバ本数がnならば、λ−XC装置1の入力部にn段構成されることになる。
【0061】
分波器111bは、λ1〜λmが波長多重された入力WDM信号を波長毎に分波する。制御パルス生成部112bは、波長指定信号にもとづき、波長を可変設定して、短い制御パルスを生成する。また、位相指定信号にもとづく位相で、この制御パルスを出力する。
【0062】
一方、NOLM113b−1〜113b−mには、分波器111bで分波された光信号及び制御パルスが入射し、NOLM113b−1〜113b−mは、制御パルスの重なった部分の光信号を出力する(図15で後述)。WDMカプラ114bは、NOLM113b−1〜113b−mからの出力を合波し、後段の波長スイッチ部12へ送出する。
【0063】
図15はNOLM113b及び制御パルス生成部112bの動作を説明するための図である。制御パルス生成部112bは、Tunable LD(Laser Diode)112b−1、変調器112b−2、可変ディレイ112b−3から構成され、NOLM113bは、3dBカプラC1、合波カプラ(WDMカプラと同じ波長多重を行うカプラ)C2、非線形ループLから構成される。
【0064】
なお、可変ディレイ112b−3の出力端子は、合波カプラC2の一端と接続する。分波器111bの1つの出力端子は、3dBカプラC1のポートp1に接続し、3dBカプラC1のポートp2は、WDMカプラ114bの1つの入力端子と接続する。
【0065】
制御パルス生成部112bの動作について、Tunable LD112b−1は、波長指定信号にもとづいた波長の光を発光する光源である。変調器112b−2は、Tunable LD112b−1からの出力光に変調を施して短パルス光を生成する。可変ディレイ112b−3は、短パルス光を位相指定信号にもとづいて遅延させて制御パルスλaとして、NOLM113bの合波カプラC2へ入射する。
【0066】
次にNOLM113bの動作について詳しく説明する。結合率1:1の3dBカプラC1は、ポートp1から入力する、分波器111bで分波された光信号λ1を50:50に分離する。また、合波カプラC2は、3dBカプラC1によって分離された一方の光信号λ1と制御パルスλaとを合波する。
【0067】
ここで、制御パルスλaの入力がない場合、3dBカプラC1のポートp1から入射した光信号λ1は、3dBカプラC1のポートp3及びポートp4に分けられ非線形ループ(光ファイバループ)Lを反時計回り及び時計回りに伝搬し、両者同時に再び3dBカプラC1に入射する。
【0068】
この際、3dBカプラC1からは、非線形ループLを反時計回り及び時計回りに伝搬した光信号の干渉により、ポートp1にのみに光信号λ1が出力され、ポートp2には出力されない。すなわち、光信号λ1の入力側から見ると、光信号λ1は3dBカプラC1と非線形ループLからなるループミラーにより反射される(これにより、非線形光ループミラーと呼ばれる)。
【0069】
一方、制御パルスλaの入力がある場合には、3dBカプラC1のポートp1から反時計回りに伝搬する光信号λ1のうち、制御パルスλaに重なった部分は、非線形ループLを伝搬中に、非線形光学効果の一つである相互位相変調効果により制御パルスλaの強度に比例した位相の変化が生じる。
【0070】
そして、再び3dBカプラC1に入射した際に、位相の変化が生じた部分のみが3dBカプラC1における干渉によりポートp2から出力されることになる。すなわち、制御パルスλaと重なった光信号λ1の部分のみ(λ1a)をポートp2から出力する光ゲート機能が実現されることになる。このようにして、制御パルス生成部112bとNOLM113bにより、分波された光信号に対して、波長変換、パルス幅圧縮、位相変換を行うことが可能になる。
【0071】
次に出力光信号処理部13の構成及び動作について説明する。図16は第1の実施の形態の出力光信号処理部の構成を示す図である。第1の実施の形態の出力光信号処理部130aは、チャープパルス光源131a、NOLM132a、波長分散スロープ制御部133aから構成される。また、波長分散スロープ制御部133aは、分岐部133a−1、133a−2、最短波長分散検出部133a−3、最長波長分散検出部133a−4、波長分散スロープ平坦化処理部133a−5から構成され、NOLM132aは、3dBカプラC1、合波カプラC2、非線形ループLから構成される。このような構成の出力光信号処理部130aは、入力ファイバ本数がnならば、λ−XC装置1の出力部にn段構成されることになる。
【0072】
なお、波長スイッチ部12の出力端子は、合波カプラC2の一端と接続する。チャープパルス光源131aの出力端子は、3dBカプラC1のポートp1に接続し、3dBカプラC1のポートp2は、波長分散スロープ平坦化処理部133a−5の入力端子と接続する。
【0073】
チャープパルス光源131aは、チャープパルスを発光する光源である。チャープパルスとは、波長(周波数)が時間的に連続して変化するパルスのことをいう。例えば、時間t0〜t1ではλ1、時間t1〜t2ではλ2、…、時間tm−1〜tmではλmというように直線的に波長が変化する発光パルスである(入力光信号が100psなので、チャープパルスの幅もここでは100ps)。
【0074】
NOLM132aに対し、波長スイッチ部12からの出力光信号(以降の説明のためスイッチパルスと呼ぶ)は合波カプラC2から入射し、チャープパルスは3dBカプラC1から入射する。3dBカプラC1は、ポートp1から入力する、チャープパルスを50:50に分離する。また、合波カプラC2は、3dBカプラC1によって分離された一方のチャープパルスとスイッチパルスとを合波する。
【0075】
3dBカプラC1のポートp1から時計回りに伝搬するチャープパルスのうち、スイッチパルスに重なった部分は、非線形ループLを伝搬中に、非線形光学効果の一つである相互位相変調効果によりスイッチパルスの強度に比例した位相の変化が生じる。
【0076】
そして、再び3dBカプラC1に入射した際に、位相の変化が生じた部分のみが3dBカプラC1における干渉によりポートp2から出力されることになる。すなわち、スイッチパルスと重なったチャープパルスの部分のみをポートp2から出力する光ゲート機能が実現する。NOLM132aによるこのような制御によって、波長スイッチ部12出力後のそれぞれ位相が異なる複数のλ1の信号を、λ1〜λmの波長の光に変換している。
【0077】
一方、波長変換後の信号は、波長分散平坦化処理部133a−5を介して、分岐部133a−1、133a−2により分岐され、各々の分岐信号は最短波長分散検出部133a−3、最長波長分散検出部133a−4に入力する。最短波長分散検出部133a−3は、λ1〜λmの中の最も短い波長のλ1を持つ信号を選択して、そのλ1信号の波長分散を検出する。また、最長波長分散検出部133a−4は、λ1〜λmの中の最も長い波長のλmを持つ信号を選択して、そのλm信号の波長分散を検出する。
【0078】
そして、波長分散スロープ平坦化処理部133a−5(高分散で、波長分散値及びスロープを可変できるデバイスを使用する)は、検出された波長分散値にもとづき、λ1とλmとのスロープを平坦化させて、λ1〜λmすべての各パルスの幅を均等に拡大化する。
【0079】
図17は波長分散スロープの平坦化制御を説明するための図である。グラフG1、G2は、縦軸は波長分散D(ps/nm/km)、横軸は波長(nm)であり、グラフG1はスロープ平坦前、グラフG2はスロープ平坦後を示している。
【0080】
グラフG1に対し、最短波長分散検出部133a−3は、λ1の波長分散値D1を検出し、最長波長分散検出部133a−4は、λmの波長分散値Dmを検出する。このとき、λ1〜λmの分散スロープはSL1である。
【0081】
グラフG2に対し、波長分散スロープ平坦化処理部133a−5では、分散スロープSL1をフラットな分散スロープSL2となるように、各波長の波長分散値を制御する。
【0082】
すなわち、波長分散スロープ平坦化処理部133a−5は、最短波長のλ1に対する波長分散値がD1、最長波長のλmに対する波長分散値がDmであることを認識すると、波長分散値D1、Dmの平均値を求め、λ1〜λmのすべての波長の波長分散値がこの平均値に等しくなるように制御する。このような制御を行うことで、分散スロープはフラットになり、λ1〜λmそれぞれのパルス幅を等しく拡大することができる。
【0083】
図18は第2の実施の形態の出力光信号処理部の構成を示す図である。第2の実施の形態の出力光信号処理部130bは、高速シーケンシャルスイッチ131b、波長変換部132b−1〜132b−m、パルス幅拡大部133b−1〜133b−m、合波器134bから構成される。このような構成の出力光信号処理部130bは、入力ファイバ本数がnならば、λ−XC装置1の出力部にn段構成されることになる。
【0084】
高速シーケンシャルスイッチ131bは、波長スイッチ部12でスイッチングされた圧縮パルスを、時間単位にシーケンシャルにスイッチング出力する。波長変換部132b−1〜132b−mは、入力パルスをあらかじめ決められている波長(上位からこの波長を通知してもよい)に変換し、変換後のパルスは同一時間(位相)に出力する。図の場合、波長変換部132b−1は、λ1をλ1に変換し、波長変換部132b−2は、λ1をλ2に変換し、波長変換部132b−mは、λ1をλmに変換して、同一位相で出力している。
【0085】
パルス幅拡大部133b−1〜133b−mは、波長変換後の信号のパルス幅拡大を行う。合波器134bは、パルス幅拡大後の信号を合波して、WDM信号として出力する。
【0086】
図19は第3の実施の形態の出力光信号処理部の構成を示す図である。第3の実施の形態の出力光信号処理部130cは、高速シーケンシャルスイッチ131c、波長変換部132c−1〜132c−m、合波器133c、波長分散スロープ制御部134cから構成される。このような構成の出力光信号処理部130cは、入力ファイバ本数がnならば、λ−XC装置の出力部にn段構成されることになる。
【0087】
高速シーケンシャルスイッチ131cは、波長スイッチ部12でスイッチングされた圧縮パルスを、時間単位にシーケンシャルにスイッチング出力する。波長変換部132c−1〜132c−mは、入力パルスをあらかじめ決められている波長の光に変換し、変換後のパルスは同一時間(位相)に出力する。
【0088】
合波器133cは、波長変換後のパルスを合波する。また、波長分散スロープ制御部134cは、図16で上述した波長分散スロープ制御部133aと同じ構成要素のものであり、合波信号の各波長の波長分散スロープを制御して、パルス幅を拡大してWDM信号として出力する。図19の出力光信号処理部130cの方が、図18の出力光信号処理部130bよりも回路構成を縮小化できる。
【0089】
次にペタビット級のスループットが実現可能な光クロスコネクト装置について説明する。図20は光クロスコネクト装置の原理図である。光クロスコネクト装置2(λ−XC装置2)は、ペタビット級のスループットを実現する光クロスコネクトを行う装置であり、波長変換部21−1〜21−5、波長スイッチ部20−1〜20−5、出力光信号処理部25−1〜25−5から構成される。
【0090】
また、波長スイッチ部20−1〜20−5はそれぞれパッシブな光デバイスで構成され、分波器(AWG)22−1〜22−5、パルス幅・位相変換部23a−1〜23a−10、23e−1〜23e−10、合波器(光カプラ)24−1〜24−5から構成される。
【0091】
波長変換部21−1〜21−5は、入力するWDM信号に対し、WDM信号の入力ファイバ本数に等しい数の波長に波長変換する。分波器22−1〜22−5は、波長変換後の光信号を波長毎に分波する。パルス幅・位相変換部23a−1〜23a−10、23e−1〜23e−10は、分波後の光信号のパルス幅を、WDM信号のWDM信号光の波長分割多重数で分割してパルス幅圧縮を行い、複数の圧縮信号が同位相にならないように位相変換を行う。合波器24−1〜24−5は、位相変換後の光信号を合波して合波信号を生成する。
【0092】
出力光信号処理部25−1〜25−5は、波長スイッチ部20−1〜20−5で振り分けられた光信号に対し、位相から変換すべき波長を認識して波長変換を行い、パルス幅拡大を行って、WDM信号を出力する。
【0093】
次に動作について説明する。図21は信号の流れを示す図である。なお、図中のA〜Eは、図20で示したA〜Eの地点を表す。まず、A地点においては、図20のWDM1は、10Gb/s(100ps)で波長λ1〜λ10の10波(10チャネル)が波長多重されている。同様にWDM2〜WDM5は、10Gb/s(100ps)で波長λ1〜λ10の10波(10チャネル)がそれぞれ波長多重されている。
【0094】
B地点では、波長変換部21−1〜21−5によって、各WDM信号に波長変換が施された信号となる。ここで、装置内部波長数nは、入力ファイバ本数と等しくするので、図20の場合、WDM1〜WDM5により、n=5である。したがって、装置内部波長数は5波とするので、λ−XC装置2では例えば、λ1〜λ5を割り当てて、λ1〜λ10の入力信号に対し、λ1〜λ5のいずれかの波長の光に変換する。
【0095】
例えば、B地点のWDM1について見ると、波長変換としては、λ1→λ1(波長変換なし)、λ2→λ5、…λ10→λ4というように、λ1〜λ10の波長をλ1〜λ5の波長のいずれかに変換している。
【0096】
C地点では、分波器22で波長毎に分波されて、パルス幅・位相変換部23によって、パルス幅圧縮、位相変換が施された信号となる。時間分割多重数は10(=WDM信号光の波長分割多重数)であるので、100psのパルス幅の入力信号を10分割した10psにパルス圧縮する。また、圧縮信号が同じ位相にこないように位相変換される。例えば、WDM1では、λ1〜λ5の波長が、10psまでパルス幅圧縮され、かつそれぞれ10波の圧縮信号は、時間軸上同じ位置にこないように位相がずらされる。WDM2〜WDM5についても同様である。
【0097】
D地点では、合波器24−1〜24−5によって合波されて、同じ波長の信号が集められた信号となる。例えば、合波器24−1によって、WDM1ではλ1の信号が10波合波する。同様に、WDM2〜WDM5では、λ2〜λ5の信号それぞれが10波合波する。
【0098】
E地点では、出力光信号処理部25−1〜25−5によって、波長変換、パルス幅拡大が施されたWDM信号となる。出力光信号処理部25−1〜25−5は、波長変換処理としては、入力信号の位相からあらかじめ変換すべき波長を認識しており、また、パルス幅拡大としては、元のパルス幅に戻す操作を行う。
【0099】
例えば、出力光信号処理部25−1は、D地点におけるWDM1に対し、10波のλ1のそれぞれの位相から、どの波長の光に変換するかをあらかじめ認識しており、各波長の位相にもとづき、10波のλ1をλ1〜λ10に波長変換する。また、10psを元の100psのパルス幅に拡大する。これにより、光クロスコネクト後のWDM信号として出力する。
【0100】
ここで、図20のλ−XC装置2と、図1で示したλ−XC装置1との違いについて説明する。図1のλ−XC装置1では、クロストークが発生するおそれがあった。このため、光ファイバ帯域が50THz、入力光信号のパルス幅が100psのとき、装置内部波長数を入力光信号の入力ファイバ本数n、パルス幅圧縮による時間分割多重数をWDM信号光の波長分割多重数mとして、クロストークが発生しない条件n×m≦2500(一般式としては、n×m≦BWfiber×ΔT×1/2)を満たすように、nとmを設定する必要があった。
【0101】
したがって、nとmをそれぞれ任意の値に設定することはできないので、スループットには上限が決まってしまい、ビットレートが10Gb/sなら、n×m=2500のときのスループット25Tb/sが最大値であった(この場合でも従来の装置と比べれば、はるかに高いスループットは実現できる)。
【0102】
クロストークが発生する原因について説明する。λ−XC装置1でクロストークが発生する理由は、波長スイッチ部12の分波器12a(AWG)で光信号を分波する前に、入力光信号処理部11でWDM信号をパルス幅圧縮して時間分割を行っているからである。すなわち、圧縮信号をAWGに通して分波していることが起因である。
【0103】
したがって、λ−XC装置2では、AWGの入力段ではパルス幅圧縮をせずに、AWGの出力段でパルス幅圧縮の処理を行うようにする。すなわち、AWGで分波された信号をパルス幅圧縮して時間分割を行う構成とすれば、クロストークが発生することはない。
【0104】
図22はクロストークが発生する要因を持つ構成を示す図である。λ−XC装置1では、λ1〜λmが多重されたWDM信号を、入力光信号処理部11において、波長変換(λ1〜λnへの変換)、パルス幅圧縮(100ps→10ps)、位相変換を施して分波器12aへ送出する。
【0105】
ここでn×m≦2500を満たさないときは、入力光信号処理部11の出力は隣接チャネル同士に重なりが生じている(位相変換は中心周波数の位置がぶつからないように位相を変換しているが、n×m≦2500を満たさない場合では、各圧縮信号の側波帯の領域が隣接の圧縮信号と重なってしまう)。
【0106】
このような信号を分波器12aに入力して、波長単位に分波すると、例えば、λ1を分波したとしても、λ2の側波帯領域が重なっているため、λ2の信号情報も切り出されてしまうので、クロストーク(漏話)が生じることとなる。
【0107】
図23はクロストークが発生しない構成を示す図である。λ−XC装置2では、λ1〜λmが多重されたWDM信号を、まず、波長変換部21で波長変換(λ1〜λnの変換)を行い、波長変換後の信号を分波器22で分波する。そして、パルス幅・位相変換部23でパルス幅圧縮、位相変換を施している。
【0108】
このような構成にすれば、隣接チャネルに重なりのないWDM信号を分波して、その後に時間分割しているので、クロストークが発生する要因がなくなる。したがって、λ−XC装置2の構成にすれば、クロストークに関しては考慮する必要がなくなるので、装置内部波長数nと時間分割多重数mをそれぞれ独立して設定することができる。
【0109】
n、mの値を独立に設定することにより、スループットの上限値もなくなり、ペタビット級のスループットを実現することが可能になる(スループットの特性上の限界はなくなり、技術的、コスト的な上限で決まるようになる)。
【0110】
例えば、ビットレートが10Gb/sの光信号に対し、装置内部波長数nが1000(1000チャネル)、1psに圧縮するものとして、時間分割多重数mが100(100psを100分割)とすると、このときのスループットは、1000×100×10Gb/s=1Pb/sとなる。
【0111】
以上説明したように、λ−XC装置2では、クロストークが発生せずに、ペタビット(Pb/s)級の超大容量のスイッチングを行うことができ、次世代のマルチメディアネットワーク構築に対して大きく寄与することが可能になる(なお、政府の打ち出した「e−JAPAN戦略」では、2005年までに1000万世帯の超高速インターネットアクセス網(100Mb/s×1000万世帯=1Pb/s)に常時接続できる環境を目標としている)。
【0112】
なお、λ−XC装置2では、分波した波長毎にパルス幅・位相変換部23を設けることになるので、λ−XC装置1と比較すると、装置規模は大きくなる。したがって、25Tb/s以下のスループットで運用する環境では、λ−XC装置1を適用し、ペタビット級のスループットで運用する環境ではλ−XC装置2を適用するのが望ましい。
【0113】
次に光クロスコネクト時に輻輳が生じないλ−XC装置について説明する。図20で上述したλ−XC装置2では、スループットはペタビット級になって超大容量のスイッチングが可能であるが、波長スイッチ部20−1〜20−5のような構成でスイッチングを行うと、パス(スイッチングパス)が同時に設定できないおそれがある。すなわち、波長スイッチ部20−1〜20−5は、スイッチング時に目的ポートにパスを張ろうとすると、輻輳が生じる可能性のある閉塞(ブロッキング:blocking)タイプのスイッチである。このため、図20のλ−XC装置2は、ある程度、運用対象が限定できる場合に適用することについては有効である。
【0114】
以降では、スイッチング時に輻輳が生じることのない非閉塞(ノンブロッキング:non-blocking)タイプのスイッチ制御を用いたλ−XC装置について説明する。まず最初に、閉塞タイプ、非閉塞タイプのスイッチの違いと、非閉塞タイプの空間スイッチの構成例について説明する。
【0115】
図24は閉塞タイプのスイッチの一例を示す図である。入線が2本、出線が2本の2×2のスイッチSW51〜SW54を、1段目にスイッチSW51、SW52を配置し、2段目にスイッチSW53、SW54を配置して、全体で4×4のスイッチを構成する。
【0116】
また、スイッチSW51は、入線側にポートp1a、p2a、出線側にポートp3a、p4aを有し、スイッチSW52は、入線側にポートp1b、p2b、出線側にポートp3b、p4bを有し、スイッチSW53は、入線側にポートp1c、p2c、出線側にポートp3c、p4cを有し、スイッチSW54は、入線側にポートp1d、p2d、出線側にポートp3d、p4dを有している。
【0117】
そして、ポートp3aとポートp1cがラインL1と接続し、ポートp4aとポートp1dがラインL2と接続し、ポートp3bとポートp2cがラインL3と接続し、ポートp4bとポートp2dがラインL4と接続する。
【0118】
このような構成に対し、図に示すパス(スイッチングパス)の向きについて記すと、パスP1(ポートp1a→ポートp3a)、パスP2(ポートp2a→ポートp4a)、パスP3(ポートp1b→ポートp3b)、パスP4(ポートp2b→ポートp4b)、パスP5(ポートp1c→ポートp3c)、パスP6(ポートp2c→ポートp4c)、パスP7(ポートp1d→ポートp3d)、パスP8(ポートp2d→ポートp4d)である。
【0119】
このようなパスによって、入信号(s1、s2、s3、s4)は、1段目のスイッチSW51、SW52の入線側から入力してスイッチングされると、2段目のスイッチSW53、SW54の出線側から出信号(s1、s3、s2、s4)の並びで出力されることになる。
【0120】
ここで、この状態から、信号s3と信号s2はそのままで、信号s1と信号s4の順番を入れ替えて、入信号(s1、s2、s3、s4)を出信号(s4、s3、s2、s1)の並びにスイッチングする場合を考える。
【0121】
信号s1の経路について見ると、スイッチSW51のパスP1は、ポートp1a→ポートp4aへ向け、ラインL2を通った後に、スイッチSW54のパスP7の向きをポートp1d→ポートp4dへ向けることになる。また、信号s4の経路について見ると、スイッチSW52のパスP4は、ポートp2b→ポートp3bへ向け、ラインL3を通った後に、スイッチSW53のパスP6の向きをポートp2c→ポートp3cへ向けることになる。
【0122】
ところが、このようなスイッチング操作を行ってしまうと、それぞれのスイッチ内のパスが輻輳してしまうことがわかる(例えば、スイッチSW51では、パスP1とパスP2がポートp4aでぶつかってしまう)。このため、上記の場合、信号s1、s4のみの順番を入れ替えることはできず、信号s1、s4の順番を入れ替えるためには、信号s2、s3の順番まで入れ替えなければならないことになる(結局、出信号(s4、s2、s3、s1)とするしかない)。
【0123】
ここで、m×mの閉塞スイッチでは、入線m−1本に対応する出線が確立してしまうと、スイッチ内の残りの1本のパスの行き先が決まってしまう。例えば、図24のスイッチSW51では、ラインL2を通すパスP2が確立してしまうと、もう一方のパスP1はラインL1に向かうしかない(最も本数の少ない例である)。このような構成の閉塞タイプのスイッチでは、ある箇所のスイッチングを行おうとすると、上述のように他の箇所まで影響を与えてしまうことになる。
【0124】
図25は非閉塞タイプのスイッチの一例を示す図である。入線が2本、出線が4本の2×4のスイッチSW61、SW62、入線が4本、出線が2本の4×2のスイッチSW63、SW64を、1段目にスイッチSW61、SW62を配置し、2段目にスイッチSW63、SW64を配置して、全体で4×4のスイッチを構成する。
【0125】
また、スイッチSW61は、入線側にポートp1a、p2a、出線側にポートp3a〜p6aを有し、スイッチSW62は、入線側にポートp1b、p2b、出線側にポートp3b〜p6bを有し、スイッチSW63は、入線側にポートp1c〜p4c、出線側にポートp5c、p6cを有し、スイッチSW64は、入線側にポートp1d〜p4d、出線側にポートp5d、p6dを有している。
【0126】
そして、ポートp3aとポートp1cがラインL1と接続し、ポートp4aとポートp2cがラインL2と接続し、ポートp5aとポートp1dがラインL3と接続し、ポートp6aとポートp2dがラインL4と接続する。
【0127】
さらに、ポートp3bとポートp3cがラインL5と接続し、ポートp4bとポートp4cがラインL6と接続し、ポートp5bとポートp3dがラインL7と接続し、ポートp6bとポートp4dがラインL8と接続する。
【0128】
このような構成に対し、図に示すパス(スイッチングパス)の向きについて記すと、パスP1(ポートp1a→ポートp3a)、パスP2(ポートp2a→ポートp6a)、パスP3(ポートp1b→ポートp3b)、パスP4(ポートp2b→ポートp6b)、パスP5(ポートp1c→ポートp5c)、パスP7(ポートp3c→ポートp6c)、パスP10(ポートp2d→ポートp5d)、パスP12(ポートp4d→ポートp6d)である。
【0129】
このようなパスによって、入信号(s1、s2、s3、s4)は、1段目のスイッチSW61、SW62の入線側から入力してスイッチングされると、2段目のスイッチSW63、SW64の出線側から出信号(s1、s3、s2、s4)の並びで出力されることになる。
【0130】
ここで、この状態から、信号s3と信号s2はそのままで、信号s1と信号s4の順番を入れ替えて、入信号(s1、s2、s3、s4)を出信号(s4、s3、s2、s1)の並びにスイッチングする場合を考える。
【0131】
図26はスイッチング後のパス状態を示す図である。信号s1の経路について見ると、スイッチSW61のパスP1は、ポートp1a→ポートp5aへ向け、ラインL3を通った後に、スイッチSW64からパスP9の向きをポートp1dからポートp6dへ向けることになる。また、信号s4の経路について見ると、スイッチSW62のパスP4は、ポートp2b→ポートp4bへ向け、ラインL6を通った後に、スイッチSW63からパスP8の向きをポートp4cからポートp5cへ向けることになる。
【0132】
図からわかるように、このようなスイッチング操作を行っても、それぞれのスイッチ内のパスが輻輳することはない(信号s3、s2の経路はそのまま)。したがって、信号s1、s4のみの順番を入れ替えることができ、信号(s4、s3、s2、s1)とすることができる。
【0133】
このように、入線の本数に対して、およそ2倍近くの本数の出線を持つスイッチと、出線の本数に対して、およそ2倍近くの本数の入線を持つスイッチとを多段に組み合わせれば、入線m−1本に対応する出線が確立しても、スイッチ内の残り1本のパスの行き先が固定的に決まってしまうことはなくなる。例えば、図26のスイッチSW61では、ラインL4を通すパスP2が確立しても、もう一方のパスP1は残り3通り(ポートp3a〜p5a)のラインL1〜L3の選択性がある。このような構成の非閉塞タイプのスイッチでは、他の箇所に影響を与えることなく、ある箇所のスイッチングを自由に行うことができる。
【0134】
次に非閉塞タイプの空間スイッチの例について図27〜図30を用いて説明する。図27は非閉塞タイプの空間スイッチの構成を示す図である。空間スイッチSW10は、2段構成からなり、1段目に入線がm本、出線がm・n本のm×m・nのスイッチSW11−1〜SW11−nと、2段目に入線がm・n本、出線がm本のm・n×mのスイッチSW12−1〜SW12−nとから構成され、全体でm・n×m・nのスイッチである。また、1段目のm×m・nスイッチはn個、2段目のm・n×mスイッチはn個なので、全体でm×m・nスイッチが2n個ある(1段目と2段目は同じスイッチ)。
【0135】
さらに、1段目のスイッチSW11−1の出線は、m本のラインの束がnあり、m本の各ライン束は、2段目のスイッチSW12−1〜SW12−nとそれぞれ接続する。スイッチSW11−2〜SW11−nからの出線も同様にして、2段目のスイッチSW12−1〜SW12−nとそれぞれ接続する。
【0136】
ここで、1段目の単位スイッチ(スイッチSW11−1〜SW11−nのいずれかのスイッチのこと)の入線m−1本に対応する出線が確立した場合、残り1本が張れるパスの本数は、出線本数から(m−1)を引いて、m・n−(m−1)=m(n−1)+1である。したがって、m(n−1)+1通りに自由にパスが張れるので、空間スイッチSW10は非閉塞タイプである。
【0137】
図28は非閉塞タイプの空間スイッチの構成を示す図である。空間スイッチSW20は、3段構成からなり、1段目に入線がm本、出線が(2m−1)本のm×(2m−1)のスイッチSW21−1〜SW21−nと、2段目に入線がn本、出線がn本のn×nのスイッチSW22−1〜SW22−(2m−1)と、3段目に入線が(2m−1)本、出線がm本の(2m−1)×mのスイッチSW23−1〜SW23−nとから構成され、全体でm・n×m・nのスイッチである。
【0138】
また、1段目のm×(2m−1)スイッチがn個、2段目のn×nスイッチが(2m−1)個、3段目の(2m−1)×mスイッチがn個なので、全体でm×(2m−1)スイッチが2n個(1段目と3段目は同じスイッチ)、n×nスイッチが(2m−1)個ある。
【0139】
さらに、1段目のスイッチSW21−1の出線は、2m−1本なので、1本づつ2段目のスイッチSW22−1〜SW22−(2m−1)とそれぞれ接続する。スイッチSW21−2〜SW21−nからの出線も同様にして、2段目のスイッチSW22−1〜SW22−(2m−1)とそれぞれ接続する。
【0140】
また、2段目のスイッチSW22−1の出線は、n本なので、1本づつ3段目のスイッチSW23−1〜SW23−nとそれぞれ接続する。スイッチSW22−2〜SW22−(2m−1)からの出線も同様にして、3段目のスイッチSW23−1〜SW23−nとそれぞれ接続する。
【0141】
ここで、1段目の単位スイッチの出線は(2m−1)本であるから、1段目の単位スイッチから2段目の(2m−1)個のスイッチSW22−1〜22−(2m−1)へ向かうパスの本数は(2m−1)本である。また、3段目の単位スイッチの入線は(2m−1)本であるから、2段目の(2m−1)個のスイッチSW22−1〜22−(2m−1)それぞれから3段目の単位スイッチへ向かうパスの本数は(2m−1)本である。
【0142】
したがって、1段目スイッチの入線m−1本に対応する出線が確立し、3段目スイッチの入線m−1本に対応する出線が確立した場合でも、(2m−1)−(m−1)=m本のパスが1段目→3段目に張ることができるので、空間スイッチSW20は非閉塞タイプである。なお、多段構成の非閉塞スイッチは、Clos)型スイッチとも呼ばれる(Charles Closによって提案されたことによる)。
【0143】
図29は非閉塞タイプの空間スイッチの構成を示す図である。図28の変形例である空間スイッチSW30は、3段構成からなり、1段目に入線がm本、出線が2m本のm×2mのスイッチSW31−1〜SW31−nと、2段目に入線がm本、出線がm本のm×mのスイッチSW32−1〜SW32−2nと、3段目に入線が2m本、出線がm本の2m×mのスイッチSW33−1〜SW33−nとから構成され、全体でm・n×m・nのスイッチである(m>nでm、nは偶数)。
【0144】
また、1段目のm×2mスイッチがn個、2段目のm×mスイッチが2n個、3段目の2m×mスイッチがn個なので、全体でm×2mスイッチが2n個(1段目と3段目は同じスイッチ)、m×mスイッチが2n個ある。
【0145】
さらに、1段目のスイッチSW31−1の出線は2m本であり、この2m本がm/n(m/nは整数)本のライン束ごとに2段目のスイッチSW32−1〜SW32−2nとそれぞれ接続する。スイッチSW31−2〜SW31−nからの出線も同様にして、2段目のスイッチSW32−1〜SW32−2nとそれぞれ接続する。
【0146】
また、2段目のスイッチSW32−1の出線はm本であり、このm本がm/n本のライン束ごとに3段目のスイッチSW33−1〜SW33−nとそれぞれ接続する。スイッチSW32−2〜SW32−nからの出線も同様にして、3段目のスイッチSW33−1〜SW33−nとそれぞれ接続する。
【0147】
ここで、1段目の単位スイッチの出線は2m本であるから、1段目の単位スイッチから2段目の2n個のスイッチSW32−1〜32−2nへ向かうパスの本数は2m本である。また、3段目の単位スイッチの入線は2m本であるから、2段目の2n個のスイッチSW32−1〜32−2nそれぞれから3段目の単位スイッチへ向かうパスの本数は2m本である。
【0148】
したがって、1段目スイッチの入線m−1本に対応する出線が確立し、3段目スイッチの入線m−1本に対応する出線が確立した場合でも、2m−(m−1)=(m+1)本のパスが1段目→3段目に張ることができるので、空間スイッチSW30は非閉塞タイプである。
【0149】
図30は非閉塞タイプの空間スイッチの構成を示す図である。図28の変形例である空間スイッチSW40は、3段構成からなり、1段目に入線がm本、出線が2m本のm×2mのスイッチSW41−1〜SW41−nと、2段目に入線が2m本、出線が2m本の2m×2mのスイッチSW42−1〜SW42−nと、3段目に入線が2m本、出線がm本の2m×mのスイッチSW43−1〜SW43−nとから構成され、全体でm・n×m・nのスイッチである(m、nは偶数)。
【0150】
また、1段目のm×2mスイッチがn個、2段目の2m×2mスイッチがn個、3段目の2m×mスイッチがn個なので、全体でm×2mスイッチが2n個(1段目と3段目は同じスイッチ)、2m×2mスイッチがn個ある(図29で示した空間スイッチSW30よりもスイッチ構成数は少なくなる)。
【0151】
さらに、1段目のスイッチSW41−1の出線は2m本であり、この2m本が2m/n(2m/nは整数)本のライン束ごとに2段目のスイッチSW42−1〜SW42−nとそれぞれ接続する。スイッチSW41−2〜SW41−nからの出線も同様にして、2段目のスイッチSW42−1〜SW42−nとそれぞれ接続する。
【0152】
また、2段目のスイッチSW42−1の出線は2m本であり、この2m本が2m/n本のライン束ごとに3段目のスイッチSW43−1〜SW43−nとそれぞれ接続する。スイッチSW42−2〜SW42−nからの出線も同様にして、3段目のスイッチSW43−1〜SW43−nとそれぞれ接続する。
【0153】
ここで、1段目の単位スイッチの出線は2m本であるから、1段目の単位スイッチから2段目のn個のスイッチSW42−1〜42−nへ向かうパスの本数は2m本である。また、3段目の単位スイッチの入線は2m本であるから、2段目のn個のスイッチSW42−1〜42−2nそれぞれから3段目の単位スイッチへ向かうパスの本数は2m本である。
【0154】
したがって、1段目スイッチの入線m−1本に対応する出線が確立し、3段目スイッチの入線m−1本に対応する出線が確立した場合でも、2m−(m−1)=(m+1)本のパスが1段目→3段目に張ることができるので、空間スイッチSW40は非閉塞タイプである。
【0155】
次に非閉塞タイプのスイッチを用いたλ−XC装置の構成及び動作について説明する。図31は非閉塞タイプのλ−XC装置の構成を示す図である。λ−XC装置3は、入力光信号の入力ファイバ本数をn、入力光信号の多重されている波長がλ1〜λmでWDM信号光の波長分割多重数をmとしたとき、m>nの場合に、完全非閉塞の光クロスコネクトを行う装置である。λ−XC装置3は、非閉塞タイプとして、図30の空間スイッチSW40を応用した装置(空間スイッチの非閉塞タイプとなるスイッチング理論を適用した装置)である。
【0156】
λ−XC装置3は、波長変換部31−1〜31−n、波長スイッチ部40、波長変換・パルス幅拡大部32−1〜32−n、波長スイッチ部50、波長変換・パルス幅拡大部33−1〜33−nから構成される。
【0157】
波長スイッチ部40は、分波器41−1〜41−nと、WDM1の光信号を処理する光信号処理部42−1−1〜42−1−2mからWDMnの光信号を処理する光信号処理部42−n−1〜42−n−2m(WDM2以降の光信号処理部は図示せず)と、合波器43−1〜43−nとから構成される。
【0158】
波長スイッチ部50は、分波器51−1〜51−nと、WDM1の光信号を処理する光信号処理部52−1−1〜52−1−2mからWDMnの光信号を処理する光信号処理部52−n−1〜52−n−2m(WDM2以降の光信号処理部は図示せず)と、合波器53−1〜53−nとから構成される。
【0159】
構成要素の個数を示すと、入力光信号の入力ファイバ本数がnなので、波長変換部31、分波器41、51、波長変換・パルス幅拡大部32、33、合波器43、53はそれぞれn個ある。また、λ−XC装置3内の波長変換部31、波長変換・パルス幅拡大部32では、λ1〜λmの波長数の入力WDM信号に対して、波長変換を行って、λ1〜λ2mの波長数まで増加するため(装置内部波長数は入力信号の波長の倍に設定する)、WDM1用の光信号処理部42−1は2m個、WDM2用の光信号処理部42−2は2m個、さらにWDMn用の光信号処理部42−nは2m個ある。したがって、光信号処理部42は(2m×n)個ある。
【0160】
同様に、光信号処理部52−1は2m個、光信号処理部52−2は2m個、さらに光信号処理部52−nは2m個なので、光信号処理部52は(2m×n)個ある。
【0161】
次に光信号処理部42と合波器43との接続関係及び光信号処理部52と合波器53との接続関係について説明する。合波器43は、光信号処理部42の出力ファイバに対し、WDM1〜WDMnごとに、2m/n(2m/nは整数)本単位の出力ファイバと接続する。また、同様にして合波器53は、光信号処理部52の出力ファイバに対し、WDM1〜WDMnごとに、2m/n本単位の出力ファイバと接続する(なお、図を簡略化するために、図31中に示す太実線は、2m/n本単位のファイバ及びその本数分の光信号処理部が配置してあることを示す)。
【0162】
例えば、合波器43−1について見ると、合波器43−1には、WDM1の信号を処理する光信号処理部42−1−1〜42−1−(2m/n)からの出力ファイバと、2段目のWDM2の信号を処理する、図示しない光信号処理部42−2−1〜42−2−(2m/n)からの出力ファイバと、最終段のWDMnの信号を処理する、図示しない光信号処理部42−n−1〜42−n−(2m/n)からの出力ファイバとが接続する。
【0163】
図32は光信号処理部と合波器の接続関係を示す図である。この図は、光信号処理部と合波器の接続関係をわかりやすく説明するための図で、n=2、m=2の簡単な例を示している。
【0164】
このような構成では、2m/n=2であるので、合波器43−1、43−2は、光信号処理部42−1−1〜42−1−4、42−2−1〜42−2−4の出力ファイバに対し、WDM1、WDM2ごとに、2(=2m/n)本単位の出力ファイバと接続する。
【0165】
すなわち、光信号処理部42−1−1、42−1−2からの2本の出力ファイバは合波器43−1と接続し、光信号処理部42−1−3、42−1−4からの2本の出力ファイバは合波器43−2と接続する。同様に光信号処理部42−2−1、42−2−2からの2本の出力ファイバは合波器43−1と接続し、光信号処理部42−2−3、42−2−4からの2本の出力ファイバは合波器43−2と接続する。光信号処理部52と合波器53との接続関係についても上記と同様な接続形式である。
【0166】
次に動作について説明する。波長変換部31−1〜31−nそれぞれは、入力するWDM信号に対し、波長変換を行って、λ1〜λ2mの波長を生成する。分波器41−1〜41−nは、波長変換後の光信号を波長毎に分波する。光信号処理部42は、入力する単位波長の光信号に対し、波長変換、パルス幅圧縮、位相変換の処理を行う。ここでは、分波後の光信号に対し、波長変換を行って、λ1〜λnの中のいずれかの波長を生成する。そして、時間分割多重数2m(λ−XC装置1、2では時間分割多重数はmであったが、λ−XC装置3及び後述のλ−XC装置4では2mとする)でパルス幅圧縮を行い、複数の圧縮信号が同位相にならないように位相変換を行う。
【0167】
合波器43−1〜43−nは、位相変換後の光信号を合波する。例えば、合波器43−1はλ1のパルスのみ集線して合波し、合波器43−nはλnのパルスのみ集線して合波する。波長変換・パルス幅拡大部32−1〜32−nは、波長スイッチ部40からの出力に対し、波長変換を行って、λ1〜λmの波長を生成し、パルス幅を拡大する。
【0168】
分波器51−1〜51−nは、波長変換・パルス幅拡大部32−1〜32−nからの出力を波長毎に分波する。光信号処理部52は、入力する単位波長の光信号に対し、波長変換、パルス幅圧縮、位相変換の処理を行う。上記と同様に、分波後の光信号に対し、波長変換を行って、λ1〜λnの中のいずれかの波長を生成し、時間分割多重数2mでパルス幅圧縮を行い、複数の圧縮信号が同位相にならないように位相変換を行う。
【0169】
合波器53−1〜53−nは、位相変換後の光信号を合波する。例えば、合波器53−1はλ1のパルスのみ集線して合波し、合波器53−nはλnのパルスのみ集線して合波する。波長変換・パルス幅拡大部33−1〜33−nは、波長スイッチ部50からの出力に対し、波長変換を行って、λ1〜λmの波長を生成し、パルス幅を拡大して、光クロスコネクト処理後のWDM信号を送出する。
【0170】
このように、λ−XC装置3は、波長スイッチ部を2段構成とし、波長スイッチ部40、50内では、前段の分波器で2m波分の波長分波を行った後に、時間分割多重数を2mとしてパルス幅を圧縮し、2m/n本をλ1〜λnに割り付けて、後段の分波器に接続する構成とした。
【0171】
このような構成にすることで、図30で示した空間スイッチSW40と等価的に同じスイッチ構成となるので、λ−XC装置3は、非閉塞タイプのスイッチング(光クロスコネクト)を行うことが可能になる。
【0172】
図33、図34はλ−XC装置3と空間スイッチSW40との対応関係を示す図である。λ−XC装置3の波長変換部31の入力から光信号処理部42の出力までの区間Aは、空間スイッチSW40の1段目のm×2mスイッチに対応し、合波器43の入力から光信号処理部52の出力までの区間Bは、空間スイッチSW40の2段目の2m×2mスイッチに対応し、光信号処理部52の入力から波長変換・パルス幅拡大部33の出力までの区間Cは、空間スイッチSW40の3段目の2m×mスイッチに対応する。
【0173】
一方、空間スイッチSW40の区間aに対し、λ−XC装置3のWDM1〜WDMnの物理的な入力線は1本であるが、波長がλ1〜λmであるため、波長レベルでみると、m本の信号入力としてよく、m×2mスイッチの入線数と等しい。
【0174】
区間bに対し、光信号処理部42の出力ファイバは2m/n本束ねて、n個の合波器43それぞれに接続するので、m×2mスイッチの出線と2m×2mスイッチの入線との関係と等しい。
【0175】
区間cに対し、光信号処理部52の出力ファイバは2m/n本束ねて、n個の合波器53それぞれに接続するので、2m×2mスイッチの出線と2m×mスイッチの入線との関係と等しい。
【0176】
区間dに対し、λ−XC装置3のWDM1〜WDMnの物理的な出力線は1本であるが、波長がλ1〜λmであるため、波長レベルでみると、m本の信号出力としてよく、2m×mスイッチの出線数と等しい。したがって、λ−XC装置3は、空間スイッチSW40と等価的に等しい構成を持つので、非閉塞スイッチとなる。
【0177】
次にm≦nのときの非閉塞タイプのλ−XC装置について説明する。図35は非閉塞タイプのλ−XC装置の構成を示す図である。λ−XC装置4は、入力光信号の入力ファイバ本数をn、入力光信号の多重されている波長がλ1〜λmでWDM信号光の波長分割多重数をmとしたとき、m≦nの場合に、完全非閉塞の光クロスコネクトを行う装置である。λ−XC装置4は、非閉塞タイプとして、図30の空間スイッチSW40を応用した装置である。
【0178】
λ−XC装置4は、波長変換部41−1〜41−n、波長スイッチ部60、波長変換・パルス幅拡大部42−1〜42−n、波長スイッチ部70、波長変換・パルス幅拡大部43−1〜43−nから構成される。
【0179】
波長スイッチ部60は、分波器61−1〜61−nと、WDM1の光信号を処理する光信号処理部62−1−1〜62−1−nからWDMnの光信号を処理する光信号処理部62−n−1〜62−n−nと、合波器63−1〜63−nとから構成される。
【0180】
波長スイッチ部70は、分波器71−1〜71−nと、WDM1の光信号を処理する光信号処理部72−1−1〜72−1−nからWDMnの光信号を処理する光信号処理部72−n−1〜72−n−nと、合波器73−1〜73−nとから構成される。
【0181】
構成要素の個数を示すと、入力光信号の入力ファイバ本数がnなので、波長変換部41、分波器61、71、波長変換・パルス幅拡大部42、43、合波器63、73はそれぞれn個ある。また、λ−XC装置4内の波長変換部41、波長変換・パルス幅拡大部42では、λ1〜λmの波長数の入力WDM信号に対して、波長変換を行って、λ1〜λnの波長数とするため(m≦n)、WDM1用の光信号処理部62−1はn個、WDM2用の光信号処理部62−2はn個、さらにWDMn用の光信号処理部62−nはn個ある。したがって、光信号処理部62は(n×n)個ある。同様に、光信号処理部72−1はn個、光信号処理部72−2はn個、さらに光信号処理部72−nはn個なので、光信号処理部72は(n×n)個ある。
【0182】
次に光信号処理部62と合波器63との接続関係及び光信号処理部72と合波器73との接続関係について説明する。合波器63は、光信号処理部62の出力ファイバ1本ごとと接続する。同様に合波器73は、光信号処理部72の出力ファイバ1本ごとと接続する。
【0183】
例えば、合波器63−1について見ると、合波器63−1には、WDM1の信号を処理する光信号処理部62−1−1の出力ファイバと、2段目のWDM2の信号を処理する、図示しない光信号処理部62−2−1の出力ファイバと、最終段のWDMnの信号を処理する、図示しない光信号処理部62−n−1の出力ファイバとが接続する。
【0184】
次に動作について説明する。波長変換部41−1〜41−nは、入力するWDM信号に対し、波長変換を行って、λ1〜λnの波長を生成する。分波器61−1〜61−nは、波長変換後の光信号を波長毎に分波する。
【0185】
光信号処理部62は、分波後の光信号に対し、波長変換を行って、λ1〜λnの中のいずれかの波長を生成し、かつ時間分割多重数2mでパルス幅圧縮を行い、複数の圧縮信号が同位相にならないように位相変換を行う。合波器63−1〜63−nは、位相変換後の光信号を合波する。
【0186】
波長変換・パルス幅拡大部42−1〜42−nは、波長スイッチ部60からの出力に対し、波長変換を行って、λ1〜λmの波長を生成し、パルス幅を拡大する。分波器71−1〜71−nは、波長変換・パルス幅拡大部42−1〜42−nからの出力を波長毎に分波する。光信号処理部72は、分波後の光信号に対し、波長変換を行って、λ1〜λnの中のいずれかの波長を生成し、かつ時間分割多重数2mでパルス幅圧縮を行い、複数の圧縮信号が同位相にならないように位相変換を行う。
【0187】
合波器73−1〜73−nは、位相変換後の光信号を合波する。波長変換・パルス幅拡大部43−1〜43−nは、波長スイッチ部70からの出力に対し、波長変換を行って、λ1〜λmの波長を生成し、パルス幅を拡大する。
【0188】
このように、λ−XC装置4は、波長スイッチ部を2段構成とし、波長スイッチ部60、70内では、前段の分波器でn波分の波長分波を行った後、時間分割多重数を2mとしてパルス幅圧縮して、各圧縮信号をλ1〜λnに割り付けて、後段の分波器に接続する構成とした。
【0189】
このような構成にすることで、図30で示した空間スイッチSW40と等価的に同じスイッチ構成となるので、λ−XC装置4は、非閉塞タイプのスイッチング(光クロスコネクト)を行うことが可能になる。
【0190】
図36、図37はλ−XC装置4と空間スイッチSW40との対応関係を示す図である。λ−XC装置4の波長変換部41の入力から光信号処理部62の出力までの区間Aは、空間スイッチSW40の1段目のm×2mスイッチに対応し、合波器63の入力から光信号処理部72の出力までの区間Bは、空間スイッチSW40の2段目の2m×2mスイッチに対応し、光信号処理部72の入力から波長変換・パルス幅拡大部43の出力までの区間Cは、空間スイッチSW40の3段目の2m×mスイッチに対応する。
【0191】
一方、空間スイッチSW40の区間aに対し、λ−XC装置4のWDM1〜WDMnの物理的な入力線は1本であるが、波長がλ1〜λmであるため、波長レベルでみると、m本の信号入力としてよく、m×2mスイッチの入線数と等しい。
【0192】
区間bに対し、光信号処理部62の出力ファイバは1本ごと、n個の合波器63それぞれに接続するので、光信号処理部62−1−1〜62−1−nからの物理的な出力線はn本、合波器63−1の物理的な入力線はn本であるが(他の光信号処理部、合波器についても同様)、時間分割多重数を2mとしているため、m×2mスイッチの出線と2m×2mスイッチの入線の関係と等しい。
【0193】
ここでは、m≦nという条件なので例えば、m=10、n=10として、100psの入力の場合を考えると、λ1〜λm(λ1〜λ10)が波長変換部41−1で波長変換されてλ1〜λn(λ1〜λ10)になり、分波器61−1で10波の信号が分波される。
【0194】
光信号処理部62−1−1〜62−1−10は、分波された10波の信号の波長変換、パルス幅圧縮、位相変換を行うが、時間分割多重数が2m(=20)なので、1つの圧縮パルス幅は5psとなる。すると、位相変換では、100psの間隔内に5psの位相の配置の仕方が20通りあることになるので、m×2mスイッチの出線2m(=20)の本数と等価的に等しいことになる。
【0195】
すなわち、光信号処理部62−1−1〜62−1−10それぞれの10本の出力線から、100ps間隔内に時間分割多重数10のときの10psパルスを、位相をそれぞれずらして出力することは、出力線は10本そのままであるが、100ps間隔内に時間分割多重数20のときの5psパルスを、位相をそれぞれずらして出力することは、出力線は等価的に20本あるものとしてよい。
【0196】
また、光信号処理部62−1−1〜62−1−10それぞれの1本当たりの出力を見た場合、10psの時間を割り当てることができるので、5psのパルスの配置の仕方は2通りあることになり、光信号処理部62−1−1〜62−1−10から2本(=2m/n=2・10/10)の出力線が出ているものと等価的にみなしてよい。なお、区間cは区間bと、区間dは区間aと同様な考え方で等価であることがいえるので説明は省略する。
【0197】
次に完全非閉塞タイプのλ−XC装置に対する性能予測について説明する。λ−XC装置3の波長変換部31による波長変換後の波長数を2000波とし、時間分割多重数を2000分割とする。波長変換部31では、入力光信号の波長数を2倍に変換するので、この場合、装置に入力する光信号の波数は1000波入力となる。また、圧縮パルス幅は、100ps/2000なので50fsである。
【0198】
また、λ−XC装置3の装置内の光ファイバで、圧縮パルスが最も多重される光ファイバでは1000波立つことになる。図38は圧縮パルスの変調帯域の広がりを示す図である。1000波の立て方を10GHz間隔とすると、λ1〜λ1000の圧縮パルスが占める帯域は10THz(=10GHz×1000)となる。
【0199】
一方、1つの波長信号を50fsまで情報圧縮した場合、この50fsの圧縮パルスの実際の変調帯域は20THzである(入力時は100psの変調帯域10GHzのものが50fsまで圧縮されて変調帯域が20THzまで広がっている)。
【0200】
ここで、10GHz間隔で1000波立てられた状態における変調帯域に対して、1000波の圧縮パルス全体が占める変調帯域は、最短波長λ1と最長波長λ1000の変調帯域の広がりをみればよい。1000波圧縮パルスが立てられた状態で、λ1、λ1000は図のような広がりの変調帯域となるので、1000波の圧縮パルス全体の帯域は50THzとなる。
【0201】
光ファイバ帯域は50THzであるので、光ファイバ帯域内に1000波の圧縮パルスの帯域が収まることがわかる。すなわち、完全非閉塞タイプで最も装置内部波長数が多くなるλ−XC装置3に対し、光ファイバ帯域内で、入力光信号が1000波、時間分割多重数を2000分割とした光クロスコネクトを実行可能であることがわかる。
【0202】
一方、入力光信号の入力ファイバ本数がnでWDM信号光の波長分割多重数がmのとき、m≦nのλ−XC装置4に関しては、m=1000波、n=1000本とすれば、λ−XC装置4のスループットは、1000×1000×10Gb/s=10Pb/sとなる。このように、ペタビット級のスループットで、かつ完全非閉塞な光クロスコネクトを実現することが可能になる。
【0203】
(付記1) 光信号の光クロスコネクトを行う光クロスコネクト装置において、
入力するWDM信号に対し、WDM信号のWDM数に等しい数の波長に波長変換し、かつWDM信号のパルス幅を、WDM信号のWDM波長数で分割してパルス幅圧縮を行い、複数の圧縮信号が同位相にならないように位相変換を行う入力光信号処理部と、
パッシブな光デバイスで構成して、前記入力光信号処理部で処理された光信号を、同じ波長毎に振り分ける波長スイッチ部と、
前記波長スイッチ部で振り分けられた光信号に対し、光信号の位相から変換すべき波長を認識して波長変換を行い、パルス幅拡大を行って、WDM信号を出力する出力光信号処理部と、
を有することを特徴とする光クロスコネクト装置。
【0204】
(付記2) 入力光信号のWDM数nを装置内部波長数とし、WDM波長数mをパルス幅圧縮による時間分割数とした際、スイッチサイズn×mを、光ファイバ帯域×入力光信号パルス幅×0.5以下に制限することを特徴とする付記1記載の光クロスコネクト装置。
【0205】
(付記3) 前記波長スイッチ部は、波長毎に分波する分波器と、分波後の光信号に対して同じ波長の光信号を合波する合波器と、から構成されることを特徴とする付記1記載の光クロスコネクト装置。
【0206】
(付記4) 前記波長スイッチ部は、入力光信号のWDM数がnの場合に、n本の光信号を1本に集線するWDMカプラと、集線された光信号を波長毎に分波する分波器と、から構成されることを特徴とする付記1記載の光クロスコネクト装置。
【0207】
(付記5) 前記入力光信号処理部は、入力WDM信号を波長毎に分波する分波器と、波長指定信号にもとづき、分波後の信号の波長変換を行う波長変換部と、波長変換後の信号のパルス幅圧縮を行うパルス幅圧縮部と、位相指定信号にもとづき、圧縮信号の位相を変換する可変ディレイと、位相変換された圧縮信号を合波する合波器と、前記波長指定信号及びスイッチング出力後の信号にもとづき前記位相指定信号を設定する入力光変換制御部と、から構成されることを特徴とする付記1記載の光クロスコネクト装置。
【0208】
(付記6) 前記入力光信号処理部は、入力WDM信号を波長毎に分波する分波器と、波長指定信号にもとづき、波長可変の制御パルスを生成し、かつ位相指定信号にもとづく位相で、前記制御パルスを出力する制御パルス生成部と、入射された分波後の信号と前記制御パルスとに対して、前記制御パルスと重なった部分の光信号を出力する非線形光ループミラーと、前記非線形光ループミラーからの出力を合波するWDMカプラと、前記波長指定信号及び合波出力後の信号にもとづき前記位相指定信号を設定する入力光変換制御部と、から構成されることを特徴とする付記1記載の光クロスコネクト装置。
【0209】
(付記7) 前記出力光信号処理部は、波長が時間的に連続して変化するチャープパルスを発光するチャープパルス光源と、前記波長スイッチ部の出力光信号と前記チャープパルスとに対して、前記出力光信号と重なった前記チャープパルスの部分の波長の光信号を出力する非線形光ループミラーと、前記非線形光ループミラーからの出力に対して、最短波長パルスの最短波長分散と、最長波長パルスの最長波長分散とを検出し、前記最短波長分散と前記最長波長分散間の波長分散スロープを平坦化する波長分散スロープ制御部と、から構成されることを特徴とする付記1記載の光クロスコネクト装置。
【0210】
(付記8) 前記出力光信号処理部は、前記波長スイッチ部の出力光信号を、時間単位にシーケンシャルにスイッチング出力するシーケンシャルスイッチと、スイッチング後の信号の波長変換を行う波長変換部と、波長変換後の信号のパルス幅拡大を行うパルス幅拡大部と、パルス幅拡大後の信号を合波する合波器と、から構成されることを特徴とする付記1記載の光クロスコネクト装置。
【0211】
(付記9) 前記出力光信号処理部は、前記波長スイッチ部の出力光信号を、時間単位にシーケンシャルにスイッチング出力するシーケンシャルスイッチと、スイッチング後の信号の波長変換を行う波長変換部と、波長変換後の信号を合波する合波器と、合波後の信号に対して、最短波長パルスの最短波長分散と、最長波長パルスの最長波長分散とを検出し、前記最短波長分散と前記最長波長分散間の波長分散スロープを平坦化する波長分散スロープ制御部と、から構成されることを特徴とする付記1記載の光クロスコネクト装置。
【0212】
(付記10) 光信号の光クロスコネクトを行う光クロスコネクト装置において、
入力するWDM信号に対し、WDM信号のWDM数に等しい数の波長に波長変換する波長変換部と、
波長変換後の光信号を波長毎に分波する分波器と、分波後の光信号のパルス幅を、WDM信号のWDM波長数で分割してパルス幅圧縮を行い、複数の圧縮信号が同位相にならないように位相変換を行うパルス幅・位相変換部と、位相変換後の光信号を合波する合波器と、から構成される波長スイッチ部と、
前記波長スイッチ部で振り分けられた光信号に対し、光信号の位相から変換すべき波長を認識して波長変換を行い、パルス幅拡大を行って、WDM信号を出力する出力光信号処理部と、
を有することを特徴とする光クロスコネクト装置。
【0213】
(付記11) 入力光信号のWDM数nを装置内部波長数とし、WDM波長数mをパルス幅圧縮による時間分割数とした際、nとmを独立に設定することを特徴とする付記10記載の光クロスコネクト装置。
【0214】
(付記12) 入力光信号のWDM数をn、入力光信号の多重されている波長がλ1〜λmでWDM波長数がmであって、m>nの場合に、非閉塞の光クロスコネクトを行う光クロスコネクト装置において、
入力するWDM信号に対し、波長変換を行って、λ1〜λ2mの波長を生成するn個の波長変換部と、
波長変換後の光信号を波長毎に分波するn個の分波器と、分波後の光信号に対し、波長変換を行って、λ1〜λnの中のいずれかの波長を生成し、かつ時間分割数2mでパルス幅圧縮を行い、複数の圧縮信号が同位相にならないように位相変換を行う(2m×n)個の第1の光信号処理部と、前記第1の光信号処理部の出力ファイバに対し、2m/n本ごとの出力ファイバと接続して、位相変換後の光信号を合波するn個の合波器と、から構成される第1の波長スイッチ部と、
前記第1の波長スイッチ部からの出力に対し、波長変換を行って、λ1〜λmの波長を生成し、パルス幅を拡大するn個の第1の波長変換・パルス幅拡大部と、
前記第1の波長変換・パルス幅拡大部からの出力を波長毎に分波するn個の分波器と、分波後の光信号に対し、波長変換を行って、λ1〜λnの中のいずれかの波長を生成し、かつ時間分割数2mでパルス幅圧縮を行い、複数の圧縮信号が同位相にならないように位相変換を行う(2m×n)個の第2の光信号処理部と、前記第2の光信号処理部の出力ファイバに対し、2m/n本ごとの出力ファイバと接続して、位相変換後の光信号を合波するn個の合波器と、から構成される第2の波長スイッチ部と、
前記第2の波長スイッチ部からの出力に対し、波長変換を行って、λ1〜λmの波長を生成し、パルス幅を拡大するn個の第2の波長変換・パルス幅拡大部と、
を有することを特徴とする光クロスコネクト装置。
【0215】
(付記13) 入力光信号のWDM数をn、入力光信号の多重されている波長がλ1〜λmでWDM波長数がmであって、m≦nの場合に、非閉塞の光クロスコネクトを行う光クロスコネクト装置において、
入力するWDM信号に対し、波長変換を行って、λ1〜λnの波長を生成するn個の波長変換部と、
波長変換後の光信号を波長毎に分波するn個の分波器と、分波後の光信号に対し、波長変換を行って、λ1〜λnの中のいずれかの波長を生成し、かつ時間分割数2mでパルス幅圧縮を行い、複数の圧縮信号が同位相にならないように位相変換を行う(n×n)個の第1の光信号処理部と、前記第1の光信号処理部の出力ファイバ1本ごとと接続して、位相変換後の光信号を合波するn個の合波器と、から構成される第1の波長スイッチ部と、
前記第1の波長スイッチ部からの出力に対し、波長変換を行って、λ1〜λmの波長を生成し、パルス幅を拡大するn個の第1の波長変換・パルス幅拡大部と、
前記第1の波長変換・パルス幅拡大部からの出力を波長毎に分波するn個の分波器と、分波後の光信号に対し、波長変換を行って、λ1〜λnの中のいずれかの波長を生成し、かつ時間分割数2mでパルス幅圧縮を行い、複数の圧縮信号が同位相にならないように位相変換を行う(n×n)個の第2の光信号処理部と、前記第2の光信号処理部の出力ファイバ1本ごとと接続して、位相変換後の光信号を合波するn個の合波器と、から構成される第2の波長スイッチ部と、
前記第2の波長スイッチ部からの出力に対し、波長変換を行って、λ1〜λmの波長を生成し、パルス幅を拡大するn個の第2の波長変換・パルス幅拡大部と、
を有することを特徴とする光クロスコネクト装置。
【0216】
【発明の効果】
以上説明したように、光クロスコネクト装置は、入力するWDM信号に対し、波長変換、パルス幅圧縮、位相変換を行った後に、パッシブな光デバイスで構成した波長スイッチ部で同じ波長毎に振り分け、振り分けられた光信号に対し、波長変換及びパルス幅拡大を行ってWDM信号を出力する構成とした。これにより、大規模のスイッチングを行って高スループットな光クロスコネクトを実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クロスコネクト装置の原理図である。
【図2】 入力光信号処理部及び出力光信号処理部での処理概要を示す図である。
【図3】 信号の流れを示す図である。
【図4】 局間の光ファイバ伝送を示す図である。
【図5】 光ファイバの特性を示す図である。
【図6】 SMFの光伝送における波長領域を示す図である。
【図7】 局間光ファイバ伝送のスループット算出を説明するための図である。
【図8】 装置内光ファイバ伝送のスループット算出を説明するための図である。
【図9】 OXC装置の概略構成を示す図である。
【図10】 クロストークを説明するための図である。(A)はクロストークが発生している状態、(B)はクロストークが発生しない状態を示す図である。
【図11】 変形例の波長スイッチ部を含むλ−XC装置の構成を示す図である。
【図12】 A地点からE地点の信号を示す図である。
【図13】 第1の実施の形態の入力光信号処理部の構成を示す図である。
【図14】 第2の実施の形態の入力光信号処理部の構成を示す図である。
【図15】 NOLM及び制御パルス生成部の動作を説明するための図である。
【図16】 第1の実施の形態の出力光信号処理部の構成を示す図である。
【図17】 波長分散スロープの平坦化制御を説明するための図である。
【図18】 第2の実施の形態の出力光信号処理部の構成を示す図である。
【図19】 第3の実施の形態の出力光信号処理部の構成を示す図である。
【図20】クロスコネクト装置の原理図である。
【図21】 信号の流れを示す図である。
【図22】 クロストークが発生する要因を持つ構成を示す図である。
【図23】 クロストークが発生しない構成を示す図である。
【図24】 閉塞タイプのスイッチの一例を示す図である。
【図25】 非閉塞タイプのスイッチの一例を示す図である。
【図26】 スイッチング後のパス状態を示す図である。
【図27】 非閉塞タイプの空間スイッチの構成を示す図である。
【図28】 非閉塞タイプの空間スイッチの構成示す図である。
【図29】 非閉塞タイプの空間スイッチの構成を示す図である。
【図30】 非閉塞タイプの空間スイッチの構成を示す図である。
【図31】 非閉塞タイプのλ−XC装置の構成を示す図である。
【図32】 光信号処理部と合波器の接続関係を示す図である。
【図33】 λ−XC装置と空間スイッチとの対応関係を示す図である。
【図34】 λ−XC装置と空間スイッチとの対応関係を示す図である。
【図35】 非閉塞タイプのλ−XC装置の構成を示す図である。
【図36】 λ−XC装置と空間スイッチとの対応関係を示す図である。
【図37】 λ−XC装置と空間スイッチとの対応関係を示す図である。
【図38】 圧縮パルスの変調帯域の広がりを示す図である。
【符号の説明】
10 光クロスコネクト装置
11−1〜11−5 入力光信号処理部
12−1〜12−5 波長スイッチ部
12a−1〜12a−5 分波器
12b−1〜12b−5 合波器
13−1〜13−5 出力光信号処理部

Claims (5)

  1. 複数本数の入力ファイバから複数本数の出力ファイバに波長分割多重(WDM)された光信号の光クロスコネクトを行う光クロスコネクト装置において、
    前記複数本数の入力ファイバよりそれぞれ入力されたWDM信号光を構成する複数の信号光を入力ファイバ本数に等しい数の波長の光に波長変換するとともに、パルス幅圧縮および位相変換により前記WDM信号の波長分割多重数による時分割多重を行う、前記複数の入力ファイバに対応して設けられた複数の入力光信号処理部と、
    パッシブな光デバイスで構成され、前記複数の入力光信号処理部でそれぞれ処理された光信号を、同じ波長毎に振り分ける複数の波長スイッチ部と、
    前記複数の波長スイッチ部でそれぞれ振り分けられた光信号に対し、前記複数の入力光信号処理部の時分割多重処理に対応して、時分割多重分離、波長変換、およびパルス幅拡大を行って、WDM信号を出力する出力光信号処理部と、を有することを特徴とする光クロスコネクト装置。
  2. 前記入力ファイバ本数nを装置内部波長数とし、WDM信号の波長分割多重数mをパルス幅圧縮および位相変換による時分割多重数とした際、スイッチサイズn×mを、光ファイバ帯域×入力光信号パルス幅×0.5以下に制限することを特徴とする請求項1記載の光クロスコネクト装置。
  3. 複数本数の入力ファイバから複数本数の出力ファイバに波長分割多重(WDM)された光信号の光クロスコネクトを行う光クロスコネクト装置において、
    前記複数本数の入力ファイバよりそれぞれ入力されたWDM信号光を構成する複数の信号光を入力ファイバ本数に等しい数の波長の光に波長変換する波長変換部と、
    波長変換後の光信号を波長毎に分波する分波器と、分波後の光信号のパルス幅を、WDM信号の前記WDM信号光の波長分割多重数で分割してパルス幅圧縮を行い、複数の圧縮信号が同位相にならないように位相変換を行うパルス幅・位相変換部と、位相変換後の光信号を合波する合波器と、から構成される複数の波長スイッチ部と、
    前記複数の波長スイッチ部でそれぞれ振り分けられた光信号に対し、複数の入力光信号処理部の時分割多重処理に対応して、時分割多重分離、波長変換、およびパルス幅拡大を行って、WDM信号を出力する出力光信号処理部と、
    を有することを特徴とする光クロスコネクト装置。
  4. 入力光信号の入力ファイバ本数をn、入力光信号の多重されている波長がλ1〜λmでWDM信号光の波長分割多重数がmであって、m>nの場合に、非閉塞の光クロスコネクトを行う光クロスコネクト装置において、
    入力するWDM信号に対し、波長変換を行って、λ1〜λ2mの波長を生成するn個の波長変換部と、
    波長変換後の光信号を波長毎に分波するn個の分波器と、分波後の光信号に対し、波長変換を行って、λ1〜λnの中のいずれかの波長を生成し、かつ時間分割多重数2mでパルス幅圧縮を行い、複数の圧縮信号が同位相にならないように位相変換を行う(2m×n)個の第1の光信号処理部と、前記第1の光信号処理部の出力ファイバに対し、2m/n本ごとの出力ファイバと接続して、位相変換後の光信号を合波するn個の合波器と、から構成される第1の波長スイッチ部と、
    前記第1の波長スイッチ部からの出力に対し、波長変換を行って、λ1〜λmの波長を生成し、パルス幅を拡大するn個の第1の波長変換・パルス幅拡大部と、
    前記第1の波長変換・パルス幅拡大部からの出力を波長毎に分波するn個の分波器と、分波後の光信号に対し、波長変換を行って、λ1〜λnの中のいずれかの波長を生成し、かつ時間分割多重数2mでパルス幅圧縮を行い、複数の圧縮信号が同位相にならないように位相変換を行う(2m×n)個の第2の光信号処理部と、前記第2の光信号処理部の出力ファイバに対し、2m/n本ごとの出力ファイバと接続して、位相変換後の光信号を合波するn個の合波器と、から構成される第2の波長スイッチ部と、
    前記第2の波長スイッチ部からの出力に対し、波長変換を行って、λ1〜λmの波長を生成し、パルス幅を拡大するn個の第2の波長変換・パルス幅拡大部と、
    を有することを特徴とする光クロスコネクト装置。
  5. 入力光信号の入力ファイバ本数をn、入力光信号の多重されている波長がλ1〜λmでWDM信号光の波長分割多重数がmであって、m≦nの場合に、非閉塞の光クロスコネクトを行う光クロスコネクト装置において、
    入力するWDM信号に対し、波長変換を行って、λ1〜λnの波長を生成するn個の波長変換部と、
    波長変換後の光信号を波長毎に分波するn個の分波器と、分波後の光信号に対し、波長変換を行って、λ1〜λnの中のいずれかの波長を生成し、かつ時間分割多重数2mでパルス幅圧縮を行い、複数の圧縮信号が同位相にならないように位相変換を行う(n×n)個の第1の光信号処理部と、前記第1の光信号処理部の出力ファイバ1本ごとと接続して、位相変換後の光信号を合波するn個の合波器と、から構成される第1の波長スイッチ部と、
    前記第1の波長スイッチ部からの出力に対し、波長変換を行って、λ1〜λmの波長を生成し、パルス幅を拡大するn個の第1の波長変換・パルス幅拡大部と、
    前記第1の波長変換・パルス幅拡大部からの出力を波長毎に分波するn個の分波器と、分波後の光信号に対し、波長変換を行って、λ1〜λnの中のいずれかの波長を生成し、かつ時間分割多重数2mでパルス幅圧縮を行い、複数の圧縮信号が同位相にならないように位相変換を行う(n×n)個の第2の光信号処理部と、前記第2の光信号処理部の出力ファイバ1本ごとと接続して、位相変換後の光信号を合波するn個の合波器と、から構成される第2の波長スイッチ部と、
    前記第2の波長スイッチ部からの出力に対し、波長変換を行って、λ1〜λmの波長を生成し、パルス幅を拡大するn個の第2の波長変換・パルス幅拡大部と、
    を有することを特徴とする光クロスコネクト装置。
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