JPWO2007020769A1 - 光学素子成形用金型およびその製造方法 - Google Patents

光学素子成形用金型およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

表面加工層の密着性に優れ,高精度な転写性を得られる光学素子成形用金型を提供することを目的とする。本発明の光学素子成形用金型10は,光学素子を形成する形成面を有する光学素子成形用金型10であって,成形基面を有する母材11と,母材11の成形基面上に設けられた断熱層13と,断熱層13の上に設けられた中間層14と,中間層14を覆う表面加工層15とを有し,表面加工層15の表面のうち母材11の成形基面の上方の部分が成形面であるものである。さらに,断熱層13がセラミック層であり,表面加工層15が金属系材料層であり,中間層14は200μmを超えない厚さを有することが望ましい。

Description

本発明は,光学レンズや回折格子といった光学素子等を樹脂の射出成形によって製造するための光学素子成形用金型に関する。さらに詳細には,ミクロンオーダー以下の精度が要求される光学素子を成形するための光学素子成形用金型およびその製造方法に関するものである。
合成樹脂の射出成形による光学素子の成形には,従来より,鋼などの金属材料による金型が使用されてきた。近年では光学製品の微細化,精密化により,光学素子等にもミクロンオーダー以下の高精度が要求されるに至っている。しかし従来の金型では,このような高精度の転写性を得ることは困難であった。このような高精度な光学素子を成形するための従来のものとして,特許文献1が挙げられる。そこには,ステンレス鋼製のコア型の表面に断熱層と表面加工層が形成された光学素子成形用金型が開示されている。
この文献に記載の光学素子成形用金型によれば,コア型の表面にセラミック系材料を溶射して金型母材に一体に断熱層が形成される。そして,その断熱層の上に非鉄金属材料を無電解メッキして表面加工層が形成されている。このようにすることにより,表面加工層に精度の高い金型形状を加工できるとされている。これにより,形状誤差が小さい成形品を得られるというのである。
特開2002−96335号公報
しかしながら,前記した従来の光学素子成形用金型では,光学素子の成形のために昇温・降温が繰り返される。これにより各層間の剥離が生じるおそれがある。特に,セラミック系材料の断熱層と非鉄金属材料の表面加工層との間では,その熱膨張率の差から剥離しやすい。部分的な剥離であっても,表面加工層の微少な歪みやズレの原因となる可能性がある。よって,成形品の形状精度を低下させるおそれがある。
本発明は,前記した従来の光学素子成形用金型が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,表面加工層の密着性に優れ,高精度な転写性を得られる光学素子成形用金型を,その製造方法とともに提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の光学素子成形用金型は,母材と,母材の上に溶射によって設けられた断熱層と,断熱層の上に設けられた中間層と,中間層を覆うとともに,光学素子を成形する成形面を有する表面層とを有している。
また,本発明の光学素子成形用金型の製造方法は,母材の上に断熱層を溶射によって形成する工程と,断熱層の上に中間層を形成する工程と,中間層の上に表面層を形成する工程と,表面層の表面に,光学素子を成形する成形面を形成する工程とを有している。
本発明の光学素子成形用金型によれば,光学素子は表面層の表面のうち母材の成形基面の上方の部分である成形面によって成形される。ここで,表面層は中間層を覆っており,中間層は断熱層の上に設けられ,断熱層は母材の成形基面上に溶射によって設けられているので,表面層は中間層によって断熱層に強力に密着される。すなわち,温度の昇降を繰り返しても,表面層と断熱層とのひずみは中間層によって緩和される。従って,表面層の密着性に優れている。また,表面層の表面のうち母材の成形基面の上方の部分が成形面であるので,高精度な転写性が得られる。
さらに本発明では望ましくは,断熱層がセラミック層であること,表面層が金属層,特にはメッキしやすく耐食性の高い非鉄金属層であること,中間層は金属またはサーメットまたは傾斜材料で構成され200μmを超えない厚さであること,母材と断熱層との間に,それらの層の密着性を高めるボンド層を有すること,が好ましい。また,表面層は,無電解メッキ,金属溶射,スパッタリング等の工程によって製造できる。
さらに本発明では,中間層は,断熱層を覆って形成され,その縁辺部が母材に接していることが望ましい。また,表面層も,中間層を覆って形成され,その縁辺部が母材に接していることが望ましい。また,溶射後の断熱層を加工して目的の成型品の形状に仕上げる工程を,中間層の形成に先立って行うことが望ましい。
本発明の光学素子成形用金型によれば,表面加工層の密着性に優れ,高精度な転写性を得られる。
本形態に係る光学素子成形用金型を示す断面図である。 光学素子成形用金型の各層の内容を示す説明図である。 各層の表面粗さを示す説明図である。 表面加工層の例を示す断面図である。 光学素子成形用金型によって成形された光学素子の例を示す断面図である。 表面加工層の別の例を示す断面図である。 光学素子成形用金型の別の例を示す断面図である。
符号の説明
10,20 光学素子成形用金型
11,21 母材
13 断熱層
14 中間層
15 表面加工層(表面層)
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,光学レンズや回折光学素子等を製造するための光学素子成形用金型に本発明を適用したものである。
本形態の光学素子成形用金型10は,図1に示すように,母材11,ボンド層12,断熱層13,中間層14,表面加工層15が図中下からこの順に積層されている。母材11は,図中上面が形成の基面であり,先端部がマイナスにオフセットされている。また,保守点検時の把持用の溝11aが形成されている。成形品の大まかな形状はこの母材11によって成形される。ボンド層12は,母材11と断熱材13との間の密着性を高めるためにアンダーコートされているものである。これらは,従来より使用されているものと同様のものを使用する。
断熱層13は,断熱性に優れたセラミック系材料で形成されている。これは,光学素子等の射出成形時に,樹脂材料の熱が母材11へ逃げて急速に冷却されることを防止するものである。この断熱層13は,機械加工により目的とする形状に仕上げられている。これにより,断熱層13の厚さに製造によるバラツキがないようにされている。これにより,周囲までダレがなく,周囲はエッジとなっているので,周囲の成形転写性が向上している。また,次層の中間層14を薄くできる。
中間層14は,断熱層13と表面加工層15との密着性を高めるためのものである。断熱層13はセラミック系の材料である一方,表面加工層15は金属系の材料が使用される。そこで,中間層14は,これらのいずれともなじみの良い材料が好ましい。そこで,中間層14としては例えば,金属系の材料や,金属とセラミックのサーメットまたは傾斜材料を利用する。これにより,断熱層13と中間層14,および,中間層14と表面加工層15,の各層間がいずれも密着性がよい。従って,中間層14によって断熱層13と表面加工層15とが強力な密着性を有する。サーメットとしては,断熱層13の材質をベースとしたものが良い。傾斜材料では,積層厚方向に,断熱層13に近い側から表面加工層15に近い側へと配合割合を変化させたものがよい。すなわち傾斜材料の中間層14では,断熱層13に近い側では断熱層13のベース材料がリッチで,表面加工層15に近い側では表面加工層15のベース材料がリッチである。
中間層14は,断熱層13の図1中上面のみでなく図中前後左右の面においても断熱層13を覆っている。従って,中間層14を形成した後では,断熱層13は外部に露出していない。また,この中間層14の縁辺部14aは母材11に直接接している。中間層14により母材11のオフセット部分は埋められている。断熱層13によって目的形状が形成されているので,その形状が維持できる程度に薄く中間層14を形成すればよい。これにより,中間層14の外形加工を不要にできる。このため,中間層14は200μmを超えない厚さで形成される。これが薄いことから,断熱層13と表面加工層15との密着性が向上される。また,中間層14の外形加工の必要がないため,中間層14の形成後そのまま表面加工層15の積層が可能である。
表面加工層15は,その図1中上面に切削加工が施され,成形面が形成される。この表面加工層15は,金属系の材料が好ましい。特に,ニッケルなどの非鉄金属系が好ましいが,窒化金属または炭化金属または炭窒化金属で形成してもよい。この表面加工層15は,中間層14の全体を覆っている。さらに表面加工層15の縁辺部15cは母材11に直接接している。また,その一部は母材11の溝11aの内部にも入っている。母材11と表面加工層15とは金属系の材料同士である。このため,良好に密着されており,熱履歴が加えられても剥離するおそれはない。
次に,各層の材質や作製方法の実施例について,図2を参照して説明する。図2では,図1の配置に合わせた順に記載されているが,ここでは,作製手順に従って下側の欄から順に説明する。まず,母材11は,一般的な金型用のステンレス鋼等で形成する。この母材11としては,熱伝導率が23W/mk,線膨張率が11×10−6/kのものを選択した。ボンド層12は,ここではNiCrを用い,母材11に対してプラズマ溶射することにより約0.1mmの厚さに形成した。このボンド層12としては,熱伝導率が20W/mk,線膨張率が15×10−6/kのものを選択した。
断熱層13は,熱伝導率が低く,線膨張率が母材11に近い材質が好ましい。また,溶射後のピンホールが少ないものが好ましい。断熱層13の材質としては,酸化ジルコニウム系,酸化アルミニウム系,酸化チタン,酸化クロム系等が使用できる。ここではZrO・24MgOを選択した。この材質は,溶射層の気孔率が低く緻密さに優れている。そして線膨張率が母材11と近い。また熱衝撃に強いという性質を有している。この断熱層13としては,熱伝導率が1〜1.5W/mk,線膨張率が10〜11×10−6/kのものを選択した。また,この材料は溶融温度が高いため,高温プラズマ状態が作り出せるプラズマ溶射によって形成する。厚さは約0.9mmとした。また,溶射後の断熱層13に機械加工を施し,目的の成形品の形状に仕上げた。
中間層14は,ここではNiAl合金を選択した。この材質は,熱伝導率が20W/mkより大きく,線膨張率が13×10−6/kである。ここでは,高速フレーム溶射(HVOF溶射)によって,高速に吹き付ける手法により,厚さ約0.02mmに形成した。なお,溶射方法としては,プラズマ溶射でも可能であるが,HVOF溶射の方が望ましい。これは,溶射後の中間層14表面が粗いと表面加工層15にピンホール等が発生しやすく,不良の原因となりやすいからである。HVOF溶射によれば,断熱層13に中間層14の材料である金属粒子が衝突した際,運動エネルギーの一部が熱エネルギーに変換される。そして溶融と衝突の力学的な力とによって緻密な積層膜となる。このため,表面加工層15にピンホールが発生しにくい。
表面加工層15は,ここでは無電解Ni−Pメッキ層を選択した。上記のように中間層14が断熱層13を完全に覆っているので,この無電解ニッケルメッキ処理は中間層14と母材11とに対して行うことになる。断熱層13に対して行われる箇所はない。これらは,セラミック系材料である断熱層13とは異なりいずれも導体である。このため,同一のメッキ前処理条件によるメッキが可能であり,メッキ品質が向上する。さらに,メッキの密着性が良好なものとなる。この表面加工層15としては,熱伝導率が4.0〜7.2W/mk,線膨張率が11〜12×10−6/kのものを使用した。
なお,本形態において,各層の形成後の表面粗さは,図3に示すようにする。ただし,この図では断熱層13の表面粗さは研削加工後のものを示している。この図に示すように,表面加工層15の中心線平均粗さ(Ra)は,5μmであり,良好な結果が得られた。
さらに,このように形成された表面加工層15に,製造する光学素子に応じた表面加工を施す。これにより,光学素子成形用金型10が完成する。例えば,ダイヤモンド工具による切削加工によって,図4に示すように,V字溝形状を有する表面加工層15Aを形成できる。図中でハッチングして示しているのが表面加工層15Aである。深さ3μm,溝底角65°のV字溝が4μm間隔で平行に形成されている。この他に,エッチングによって目的の形状を形成することもある。
次に,上記のように形成した本形態の光学素子成形用金型10によって光学素子を製造し,その転写性について検証した。ここでは,図4に示すように,V字溝形状を有する表面加工層15Aを有する金型を使用した。成形材料としては,非晶質ポリオレフィンを使用し,成形条件は,型温115℃,樹脂温250℃,冷却時間60sec,保圧力100MPa,射出速度200mm/secとした。成形品の断面を図5に示す。その先端形状のRは,SEM観察によって測定したところ,約0.15μmであった。このことから,十分良好な転写性が得られたといえる。図5では,図4に合わせて,その成形面を図中下方にして示している。また,図6に示すようなバイナリ形状の表面加工層15Bについても,良好な転写性を確認することができた
なお,発明者の実験では,以下のことが判った。まず,中間層14の厚さを薄くするにつれて転写性が向上する。上記したように,断熱層13を目的の形状にあらかじめ仕上げることにより,中間層14を薄くすることが可能となった。そこで,溶射ムラによる断熱層13の露出部分が発生するおそれがない範囲で薄く形成することが望ましい。例えば,10μm〜30μm程度が適している。また,中間層14を200μm以上とすると,使用中に膜応力による剥離・変形が発生しやすくなるので,好ましくない。
次に,他の実施例について説明する。まず,中間層14をNiAl合金に代えてサーメットとすることができる。この場合には,サーメットを溶射により形成して中間層14とする。特に,線膨張係数の差が大きく影響する大物部品では有効である。使用するサーメットとしては,断熱層13の材質をベースとしたものが好ましい。例えば,ジルコニアニッケル系のZrO・8MgO・35NiCr,ZrO・8Y・25NiCrや,アルミナニッケル系のAl・30(Ni20Al)等が使用できる。
あるいは,中間層14をNiAl合金に代えて傾斜材料としても良い。断熱層13のベース材料から表面加工層15のベース材料へと比を変えていくことが好ましい。形成方法としては,例えば,あらかじめ粉末のブレンドの配合割合が異なるものを数種類用意しておき,積層厚みの段階ごとに順に異なる配合割合のものを供給して積層する。あるいは,2チャンネルのパウダー供給装置からそれぞれの材料を供給させ,それぞれの供給比率を徐々に変化させても良い。例えば,Zr−Mg酸化物からNiAl合金へと徐々に材料割合を変化させた中間層14を形成する。
また,あるいは,表面加工層15の形成を,無電解ニッケルメッキに代えて,金属材料を断熱層13に直接溶射することによってもよい。例えば,NiAl合金をHVOF溶射によって形成する。このようにすれば,メッキ工程を無くして,溶射工程のみで作製できる。このため,断熱層13,中間層14,表面加工層15を1つの溶射機によって連続的に形成することができる。この場合には,溶射時にピンホールが発生せず,緻密な金属材料を選択することが好ましい。なお,溶射によって表面加工層15を形成する場合には,中間層14によって断熱層13の側面を覆う必要はない。また,中間層14の無いものであっても,一応使用は可能である。
また,あるいは,表面加工層15をスパッタリングによって形成しても良い。スパッタリングによって形成すれば,ピンホールの問題は発生しない。適切な材料としては,窒化物ではTiN,CrN,AlN等,炭化物ではTiC,SiC等,あるいはDLC(ダイヤモンド状カーボン),炭窒化物等が使用できる。この場合でも,中間層14によって断熱層13の側面を覆う必要はない。また,中間層14の無いものであっても,一応使用は可能である。
さらに,最外周まで成形転写性を求められない製品においては,図7に示すように,船底形状の母材21を有する光学素子成形用金型20としてもよい。このようにすれば,母材21と断熱層13との密着性が向上する。また,周辺部において母材21と中間層14との接触面積が十分に確保できる場合には,中間層14によって母材21の側面まで覆う必要はない。
以上詳細に説明したように,本形態の光学素子成形用金型10によれば,成形基面を有する母材11と,母材11の成形基面上に設けられた断熱層13と,断熱層13の上に設けられた中間層14と,中間層14を覆う表面加工層15とを有している。さらに,断熱層13がセラミック層であり,表面加工層15が金属系材料層であり,中間層14は金属またはサーメットまたは傾斜材料で形成されている。これにより,断熱層13と表面加工層15との密着性が向上されている。さらに,中間層14および表面加工層15の縁辺部は,直接母材11に接している。このため,母材11との密着性に優れている。また,中間層14は200μmを超えない厚さとしている。これより,良好な転写性を有している。従って,表面加工層15の密着性に優れ,高精度な転写性を得られる光学素子成形用金型10となっている。
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,上記の各層の材料やその形成厚さ等は,1つの例であり,これに限らない。また例えば,本発明は,光学素子用に限らず,樹脂の射出成形によって製造される精密な部材用の金型に適用可能である。

Claims (19)

  1. 母材と,
    前記母材の上に溶射によって設けられた断熱層と,
    前記断熱層の上に設けられた中間層と,
    前記中間層を覆うとともに,光学素子を成形する成形面を有する表面層とを有する光学素子成形用金型。
  2. 前記断熱層がセラミックで構成されている,請求項1に記載の光学素子成形用金型。
  3. 前記表面層が金属で構成されている,請求項1に記載の光学素子成形用金型。
  4. 前記表面層が非鉄金属で構成されている,請求項3に記載の光学素子成形用金型。
  5. 前記中間層が金属で構成されている,請求項1に記載の光学素子成形用金型。
  6. 前記中間層がサーメットで構成されている,請求項1に記載の光学素子成形用金型。
  7. 前記中間層の成分割合が,積層厚方向に,断熱層に近い側における断熱層のベース材料がリッチな割合から,表面層に近い側における表面層のベース材料がリッチな割合へと変化している請求項1に記載の光学素子成形用金型。
  8. 前記中間層の厚さが200μmを超えない,請求項1に記載の光学素子成形用金型。
  9. 前記中間層は,前記断熱層を覆って形成され,その縁辺部が前記母材に接している,請求項1に記載の光学素子成形用金型。
  10. 前記表面層は,前記中間層を覆って形成され,その縁辺部が前記母材に接している,請求項1に記載の光学素子成形用金型。
  11. 前記母材と前記断熱層との間に,それらの層の密着性を高めるボンド層を有する,請求項1に記載の光学素子成形用金型。
  12. 母材の上に断熱層を溶射によって形成する工程と,
    前記断熱層の上に中間層を形成する工程と,
    前記中間層の上に表面層を形成する工程と,
    前記表面層の表面に,光学素子を成形する成形面を形成する工程とを有する光学素子成形用金型の製造方法。
  13. 中間層の形成に先立ち,溶射後の断熱層を加工して目的の成型品の形状に仕上げる工程を有する,請求項12に記載の光学素子成形用金型の製造方法。
  14. 前記断熱層をセラミックで形成する,請求項12に記載の光学素子成形用金型の製造方法。
  15. 前記中間層を,金属またはサーメットで,前記断熱層を完全に覆うように形成する,請求項14に記載の光学素子成形用金型の製造方法。
  16. 前記中間層を溶射によって形成する,請求項15に記載の光学素子成形用金型の製造方法。
  17. 前記表面層を金属で形成する,請求項15に記載の光学素子成形用金型の製造方法。
  18. 前記表面層をメッキによって形成する,請求項17に記載の光学素子成形用金型の製造方法。
  19. 前記表面層を溶射によって形成する,請求項12に記載の光学素子成形用金型の製造方法。
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