JPWO2008035521A1 - 光学素子成形用金型の製造方法 - Google Patents

光学素子成形用金型の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、断熱層の連続成形中の形状変化を防止し,高精度な転写性を得られる光学素子成形用金型の製造方法を提供する。本発明の光学素子成形用金型10の製造方法は,成形基面を有する母材11と,母材の成形基面上に設けられた被覆層12〜15とを有し,被覆層12〜15の表面のうち母材の成形基面の上方の部分が成形面である光学素子成形用金型を製造する方法であって,母材の成形基面上に被覆層を形成する被覆工程と,被覆層の表面を加圧する加圧工程と,加圧工程後に被覆層の表面に精密加工を施して成形面とする精密加工工程とを有することを特徴とする。

Description

本発明は,光学レンズや回折格子といった光学素子等を樹脂の射出成形によって製造するための光学素子成形用金型の製造方法に関する。さらに詳細には,ミクロンオーダー以下の精度が要求される光学素子を成形するための光学素子成形用金型の製造方法に関するものである。
合成樹脂の射出成形による光学素子の成形には,従来,鋼などの金属材料による金型が使用されてきた。近年では光学製品の微細化,精密化により,光学素子等にもミクロンオーダー以下の高精度が要求されているが,従来の金型では,このような高精度の転写性を得ることは困難であった。そこで,このような高精度な光学素子を成形するためのものとして,特許文献1に,ステンレス鋼製のコア型の表面に断熱層と表面加工層が形成された光学素子成形用金型が開示されている。
この文献に記載の光学素子成形用金型によれば,コア型の表面にセラミック系材料を溶射して金型母材に一体に断熱層が形成され,その断熱層の上に非鉄金属材料を無電解メッキして表面加工層が形成されている。このようにすることにより,表面加工層に精度の高い金型形状を加工でき,形状誤差が小さい成形品を得られるとされている。
特開2002−96335号公報
しかしながら,前記した従来の光学素子成形用金型では,光学素子の成形のために昇温・降温が繰り返されることにより,各層間の剥離が生じるおそれがある。特に,セラミック系材料の断熱層と非鉄金属材料の表面加工層との間では,その熱膨張率の差から剥離が起こりやすい。部分的な剥離であっても,表面加工層の微少な歪みやズレの原因となる可能性があり,成形品の形状精度を低下させるおそれがある。
また,断熱層として選択される材料には,様々な性質が要求される。安定性や断熱性,低コスト性,生産性等を考慮した結果,硬度あるいは緻密度の十分ではない材料を選択せざるを得ない場合がある。そのような材料を使用した断熱層では,成形時に樹脂から圧力や熱を受けることにより,連続成形によって形状変化を起こすおそれがある。断熱層が形状変化を起こすと,成形品の形状精度が低下する原因となる。
本発明は,前記した従来の光学素子成形用金型の製造方法が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,断熱層の連続成形中の形状変化を防止し,高精度な転写性を得られる光学素子成形用金型の製造方法を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の光学素子成形用金型の製造方法は,成形基面を有する母材と,母材の成形基面上に設けられた被覆層とを有し,被覆層の表面のうち母材の成形基面の上方の部分が成形面である光学素子成形用金型を製造する方法であって,母材の成形基面上に被覆層を形成する被覆工程と,被覆層の表面を加圧する加圧工程と,加圧工程後に被覆層の表面に精密加工を施して成形面とする精密加工工程とを有するものである。
本発明の光学素子成形用金型の製造方法によれば,被覆工程において母材の成形基面上に被覆層が形成され,加圧工程において被覆層の表面が加圧される。さらに精密加工工程において加圧後の被覆層の表面に精密加工が施される。従って,例えば被覆層の一部に硬度あるいは緻密度の十分でない材料が使用される場合でも,加圧工程においてあらかじめ形状変化が起こされる。そのため,精密加工工程後は,大きな形状変化は起こらない。これにより,断熱層の連続成形中の形状変化を防止し,高精度な転写性を得られる光学素子成形用金型の製造方法となっている。なお,「母材の成形基面上に設けられた被覆層」は,被覆層が多層構造(接着層,断熱層,中間層,表面層等)であることを妨げない。また,その場合の「被覆層の表面」は,最上層の表面のことを表す。
さらに本発明では,被覆層がセラミックを含む断熱層を含むことが望ましい。セラミックは断熱性に優れ,断熱層として多く用いられる。
さらに加圧工程では,印加圧力を30〜400MPaの範囲内とすることが望ましい。断熱層を適度に加圧し変形させるとともに,他の層に悪影響を与えない圧力範囲が望ましい。
また,加圧工程の印加時間をトータルで10分以上とすることが望ましい。短時間で急激な加圧は断熱層の不均一な変形を招くおそれがあるので好ましくない。なお,印加時間は最大でも40時間で十分である。
また,加圧工程の圧力印加時の温度を20〜400℃の範囲内とすることが望ましい。断熱層に過大な熱負荷を与えず,適度に変形させる温度範囲が望ましい。
さらに本発明では,加圧工程では,当該金型を相手型部材と合わせて,成形空間に溶融成形材を注入し加圧するダミー成形を行うことが望ましい。ダミー成形によれば,光学素子成形用金型は実際の成形処理の場合とほぼ同様に加圧される。
さらに本発明の加圧工程では,印加圧力を,通常の成形時の印加圧力以上の圧力とすることが望ましい。より好ましくは通常の成形時の印加圧力より25MPa以上高い圧力とする。これにより,断熱層を確実に変形させることができる。
また,ショット数を1000以上とすることが望ましい。1000ショット以上成形処理を行えば,断熱層の変形はほとんど完了する。
また,1ショット当たりの印加時間を,通常の成形時の1ショット当たりの印加時間と同等またはそれ以上とすることが望ましい。このようにすれば,溶融成形材が固化してコアに加圧できなくなるまで十分に加圧できる。
さらに本発明の加圧工程では,ショット数を2000以上とすることが望ましい。2000ショット以上成形処理を行えば,断熱層の変形は確実に完了する。
さらに本発明では,加圧工程では,当該金型を加圧容器内に載置して,加圧容器内を加圧するようにしてもよい。このようにしても,適切に加圧することができる。
さらに本発明では,加圧工程では,当該金型のうち成形面となる面以外の部分をカバー部材で覆った状態で加圧を行うことが望ましい。このようにすれば,成形面のみが加圧されるので,他の部分に影響を与えるおそれはない。
本発明の光学素子成形用金型の製造方法によれば,断熱層の連続成形中の形状変化を防止し,高精度な転写性が得られる。
本形態に係る光学素子成形用金型の構成を示す断面図である。 ショット数と金型の変化量との関係を示すグラフ図である。 ダミー成形処理を示す説明図である。 加圧炉内保持処理を示す説明図である。 加圧炉内保持処理を示す説明図である。
符号の説明
10 光学素子成形用金型
11 母材
13 断熱層
15 表面加工層
24 加圧炉
25 カバー部材
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,光学レンズや回折光学素子等を製造するための光学素子成形用金型に本発明を適用したものである。
本形態の光学素子成形用金型10は,図1に示すように,母材11,ボンド層12,断熱層13,中間層14,表面加工層15が図中下から順に積層されている。母材11は,図中上面が成形基面であり,先端部がマイナスにオフセットされている。また,保守点検時等の把持用の溝11aが形成されている。成形品の大まかな形状はこの母材11によって成形される。本形態では,母材11の図中上方に設けられているボンド層12,断熱層13,中間層14,表面加工層15が被膜層であり,その最上面である表面加工層15の表面が被膜層の表面に相当する。また,表面加工層15の図中上面が成形面である。
ボンド層12は,母材11と断熱材13との間の密着性を高めるためにアンダーコートされているものである。断熱層13は,セラミック系材料で形成されている。これは,光学素子等の射出成形時に,樹脂材料の熱が母材11へ逃げて急速に冷却されることを防止するものである。この断熱層13を,機械加工により目的とする形状に仕上げることにより,断熱層13の厚さにバラツキがないようにされている。これにより,周囲までダレがなくエッジとなっているので,周囲の成形転写性が向上する。また,次層の中間層14を薄くできる。
中間層14は,断熱層13と表面加工層15との密着性を高めるためのものである。断熱層13はセラミック系の材料であり,表面加工層15は金属系の材料が使用されるので,中間層14は,これらのいずれともなじみの良い材料が好ましい。表面加工層15は,その図1中上面に切削加工が施され,成形面が形成されている。この表面加工層15は,金属系の材料が好ましい。特に,ニッケルなどの非鉄金属系が好ましい。
このような構成の光学素子成形用金型10は,連続成形によって多少変形することが知られている。発明者らの実験では,連続成形のショット数と金型の変化量との間には図2に示すような関係が見られた。すなわち,成形開始からの初期段階に急激に変化量が大きくなり,ある程度の変形量に到達すると後は変形しにくくなるのである。特に,ここで用いたワークでは,成形開始から約2000ショットまでの間に大きく変形し,その後は8000ショット程度までほとんど変形しなかった。さらに,変形するのは主に断熱層13であることも分かった。
そこで,本形態では,次の(1)〜(3)の工程をこの順に行うことよって光学素子成形用金型10を製造する。
(1)被覆工程
(2)加圧工程
(3)精密加工工程
なお,本形態の光学素子成形用金型10は,一般にコアと呼ばれる部分であり,射出成形装置のベース金型に組み込まれて精密なキャビティを形成する。
まず,(1)被覆工程では,成形基面が形成された母材11に,ボンド層12,断熱層13,中間層14,表面加工層15の各層をこの順に積層する。各層の材料は従来のものと同様でかまわない。また,必要に応じてこれらのうちいずれかを省いたり,さらに別の層を追加したりすることもできる。この時点ではまだ,表面加工層15の表面に精密加工は施されていないが,金型コアとしての全体形状は完成しており,この状態で射出成形装置のベース金型に組み込むことができる。
次に,(2)加圧工程では,(1)で被覆された被覆層の表面(ここでは,表面加工層15の表面)を加圧する。ただし,加圧するのは成形面に略垂直方向(ここでは,図1中下向き)のみでもかまわない。本形態では,次の条件を満たす加圧条件で加圧する。
印加圧力:30〜400MPa
トータル印加時間:10分〜40時間
圧力印加時の温度:20〜400℃
この条件を満たすように加圧することにより,断熱層13をあらかじめ変形させることができる。こうしておくことにより,成形段階ではほとんど変形しないようにするのである。
印加圧力が30MPaより低ければ断熱層13は十分に変形しない。また,印加圧力が400MPaより高ければ母材11まで変形してしまうおそれがあるので好ましくない。さらに,トータル印加時間が10分より短ければ断熱層13は十分に変形しない。また,トータル印加時間を40時間より長くしても,断熱層13の変形は完了しているため意味がない。さらに,圧力印加時の温度が20℃より低ければ,金型としての実使用状況と乖離してしまい,好ましくない。また,圧力印加時の温度が400℃より高ければ,熱衝撃により光学素子成形用金型10の各層やそれらの境界にクラック,剥離等の影響が現れるおそれがあるので好ましくない。
次に,(3)精密加工工程では,加圧後の被覆層の表面に精密加工を施す。すなわち,表面加工層15の表面のうち,成形面となる面(図1中上面)に,例えば精密な切削加工等により成形形状を形成する。精密加工の方法としては,フライカット,シェーパ,旋削等の切削加工,エリット研削等の研削加工,ラッピング加工等の研磨加工がある。これらのうちから適切な加工方法を選択して加工することにより,成形面を精密に形成することができる。これにより,本形態の光学素子成形用金型10が完成する。
この(1)〜(3)の工程によって形成された本形態の光学素子成形用金型10によれば,断熱層13の初期形状変化をあらかじめ起こさせておくことにより,その後の連続成形中の形状変化を防止できる。なおこれらのうち,(1)被覆工程と(3)精密加工工程とは従来と同様の工程である。そこで,本形態の特徴部分である(2)加圧工程についてさらに詳しく説明する。
上記の条件を満たすような(2)加圧工程の処理方法の例について説明する。この(2)加圧工程の具体的な方法としては,次のA)またはB)の2つの処理のうち,いずれかを行うことが好ましい。
A)ダミー成形処理(図3参照)
B)加圧炉内保持処理(図4,図5参照)
いずれの処理方法も,上記の(1)被覆工程が終了した段階の金型コアに対して行う。すなわち,各層が積層され,ベース金型内に組み込むことのできる状態まで粗加工を施されたコアである。ただし,この時点ではその表面加工層15の精密加工は施されていない。以下,この状態のコアを粗加工コア21という。
まず,(2)加圧工程の処理方法の第1の例であるA)ダミー成形処理について説明する。この処理を行う場合は,図3に示すように,各粗加工コア21を射出成形装置の固定側ベース金型22および可動側ベース金型23に,それぞれ成形面を向かい合わせにして組み込む。すなわち,固定側ベース金型22に組み込まれた粗加工コア21の成形面は図中左面であり,可動側ベース金型23に組み込まれた粗加工コア21の成形面は図中右面である。これにより,これらの成形面の間には,精密形状を有していないダミーのキャビティが形成される。
その後,図3に示すように,ベース金型22,23を型締めして溶融樹脂を注入し,一般の射出成形と同様の工程を行う。これにより,形成されているダミーのキャビティには,注入された樹脂による樹脂圧が加わる。図3に示すように,粗加工コア21は,その成形面以外はベース金型22,23によって覆われているので,成形面のみが溶融樹脂によって図中矢印方向に加圧される。
なお,それぞれのベース金型に,それぞれ本来組み込まれるべきコアの粗加工状態のものを組み込むことが望ましいが,組み込み可能なものであれば必ずしも本来のペアでなくともよい。また,図3では,ベース金型22,23に同一の粗加工コア21を組み込んで示したが,一般にはそれぞれ異なるものである。組み込み可能であれば,同じ粗加工コア21であってもよい。また,この図では2組4個の粗加工コア21を示しているが,ベース金型22,23のタイプ等に応じて,より多くても少なくてもかまわない。
次に,このA)ダミー成形処理における成形条件を説明する。この成形条件は,(2)加圧工程の加圧条件を満たすものとする。すなわち,
樹脂圧:30〜400MPa
1ショット当たりの印加時間×ショット数:10分〜40時間(トータル印加時間)
樹脂温度:注入可能な下限温度〜400℃
である。
例えば,以下の条件とすることが好ましい。
樹脂圧:80〜150MPa
印加時間:8〜20sec(1ショットあたり)
成形ショット数:1000〜2500ショット
樹脂温度:200〜300℃
樹脂圧は,ダミー成形処理では通常の成形条件以上とする。例えば,100MPa程度とする。あるいはより大きくしてもよい。通常の成形条件より,例えば30MPa程度大きくすることが望ましい。そして,1000〜2500ショット,例えば2000ショット程度の連続ダミー成形を行う。
さらに,1ショット当たりの圧力の印加時間を通常の成形時の1ショット当たりの印加時間と同等またはそれ以上とすることが望ましい。射出成形装置では,一般に溶融成形材の固化によるゲートシールにより,成形面に樹脂圧がかかっている状態を長時間保持することはできない。しかし,固化後まで加圧することにより,加圧状態が保持されている時間全てを利用することができる。
このとき使用する樹脂材料は,実際の成形に用いられる樹脂と同じものとすることが好ましい。しかし,光学素子に用いられる樹脂は一般に高価なものであるため,同様の成形条件が得られれば,類似する他の樹脂材料を使用してかまわない。また,樹脂温度は,一般的な成形時の温度でかまわない。
次に,上記の各条件を満たす成形条件の一例を示す。
樹脂材料:COP(シクロオレフィンポリマー)
金型温度:120℃
樹脂温度:280℃
樹脂圧:100MPa
印加時間:17sec(1ショットあたり)
成形ショット数:2000ショット
樹脂材料としては,ここではCOPを使用した。上記の金型温度や樹脂温度等は一例であり,樹脂の種類等に応じて適宜変更される。
なおここで,この樹脂材料による通常の成型条件の一例を示す。
樹脂材料:COP(シクロオレフィンポリマー)
金型温度:120℃
樹脂温度:280℃
樹脂圧:70MPa
印加時間:15sec(1ショットあたり)
すなわち,本実施形態の例では,通常の成型条件と樹脂圧および印加時間のみを変更している。
上記のように変更した条件によって,1000ショット以上の連続ダミー成形を行うと,粗加工コア21の成形面には,(2)加圧工程の加圧条件を満たす加圧がなされる。従って,断熱層13をあらかじめほぼ限界まで変形させておくことができる。また,この処理方法による加圧工程では,粗加工コア21には,通常の成形時と同様に成形面にほぼ垂直方向に加圧される。従って,断熱層13が成形方向に十分圧縮されたものとなっている。これにより,以後の成形においてはほとんど変形しないコアを得ることができる。
次に,(2)加圧工程の処理方法の第2の例であるB)加圧炉内保持処理について説明する。この処理を行う場合は,加圧容器としての加圧炉を使用する。そして,図4に示すように,粗加工コア21を加圧炉24中に載置して,加圧炉24内を加圧する。これにより,粗加工コア21は図中矢印で示すように全方向から加圧される。加圧炉24としては,水圧式,油圧式,空圧式等のいずれでもかまわない。さらに炉内の昇温が可能な加圧炉24を利用して,加圧と同時に加熱するようにしてもよい。
さらに,このB)加圧炉内保持処理での加圧条件は,例えば以下の通りとする。
加圧媒体温度:25℃
印加圧力:100MPa
印加時間:30分
これにより,(2)加圧工程の加圧条件を満たす加圧がなされる。従って,断熱層13をあらかじめ十分圧縮されたものとすることができる。
ここで,印加圧力は,30〜400MPaの範囲で,適宜選択される。それに応じて印加時間も10分以上の範囲で適宜変更される。一般には,印加圧力が大きい場合には印加時間は短くてよい。またここでは,加圧媒体温度は25℃であるとしたが,20〜400℃の範囲内で選択される。なお,このB)加圧炉内保持処理を行う場合には,各層が積層されたのみで,ベース金型内に組み込むことのできる状態までの粗加工は施されていないコアであってもよい。
あるいは,B)加圧炉内保持処理としては,図5に示すように,粗加工コア21の成形面以外の面をカバー部材25で覆って,加圧炉24中に保持するようにしてもよい。このようにすれば,成形面以外に加えられる圧力はカバー部材25が受けるので,粗加工コア21は成形面のみが加圧される。このようにすれば,1)ダミー成形処理と同様に,成形面に略垂直な方向にのみ圧縮変形される。従って,以後の連続成形による形状変化が効果的に防止される。
このように,B)加圧炉内保持処理によっても,粗加工コア21に適切な圧力を加えることができる。従って,あらかじめほぼ限界まで変形させておくことができるので,以後の成形においてはほとんど変形しない光学素子成形用金型10を得ることができる。また,この方法では,成形処理をしないので,樹脂を必要としない。
以上詳細に説明したように本形態の光学素子成形用金型によれば,精密加工前のコアに加圧処理を行い,断熱層13をあらかじめ圧縮させている。その後,精密加工を行うので,連続成形によってもそれ以上の形状変化はほとんど起こらない。従って,断熱層の連続成形中の形状変化を防止し,高精度な転写性を得られる光学素子成形用金型となっている。
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,(1)被覆工程と(2)加圧工程との間に,被覆層の表面を粗加工する粗加工工程を行ってもよい。また,図示の光学素子成形用金型10の形状や各層の厚さ等は一例であり,これに限るものではない。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の光学素子成形用金型の製造方法は,成形基面を有する母材と,母材の成形基面上に設けられたセラミックを含む断熱層を含む被覆層とを有し,被覆層の表面のうち母材の成形基面の上方の部分が成形面である光学素子成形用金型を製造する方法であって,母材の成形基面上に被覆層を形成する被覆工程と,被覆層の表面を加圧する加圧工程と,加圧工程後に被覆層の表面に精密加工を施して成形面とする精密加工工程とを有するものである。
本発明の光学素子成形用金型の製造方法によれば,被覆工程において母材の成形基面上にセラミックを含む断熱層を含む被覆層が形成され,加圧工程において被覆層の表面が加圧される。さらに精密加工工程において加圧後の被覆層の表面に精密加工が施される。従って,例えば被覆層の一部に硬度あるいは緻密度の十分でない材料が使用される場合でも,加圧工程においてあらかじめ形状変化が起こされる。そのため,精密加工工程後は,大きな形状変化は起こらない。これにより,断熱層の連続成形中の形状変化を防止し,高精度な転写性を得られる光学素子成形用金型の製造方法となっている。なお,「母材の成形基面上に設けられたセラミックを含む断熱層を含む被覆層」は,被覆層が少なくともセラミックを含む断熱層を含む多層構造(接着層,断熱層,中間層,表面層等)であることを妨げない。また,その場合の「被覆層の表面」は,最上層の表面のことを表す。
発明では,被覆層がセラミックを含む断熱層を含むことを特徴とする。セラミックは断熱性に優れ,断熱層として多く用いられる。

Claims (7)

  1. 成形基面を有する母材と,前記母材の成形基面上に設けられた被覆層とを有し,前記被覆層の表面のうち前記母材の成形基面の上方の部分が成形面である光学素子成形用金型を製造する方法において,
    前記母材の成形基面上に前記被覆層を形成する被覆工程と,
    前記被覆層の表面を加圧する加圧工程と,
    前記加圧工程後に前記被覆層の表面に精密加工を施して成形面とする精密加工工程とを有することを特徴とする光学素子成形用金型の製造方法。
  2. 請求の範囲第1項に記載の光学素子成形用金型の製造方法において,
    前記被覆層がセラミックを含む断熱層を含み,
    前記加圧工程では,
    印加圧力を30〜400MPaの範囲内とし,
    印加時間をトータルで10分以上とし,
    圧力印加時の温度を20〜400℃の範囲内とすることを特徴とする光学素子成形用金型の製造方法。
  3. 請求の範囲第1項に記載の光学素子成形用金型の製造方法において,前記加圧工程では,
    当該金型を相手型部材と合わせて,成形空間に溶融成形材を注入し加圧するダミー成形を行うことを特徴とする光学素子成形用金型の製造方法。
  4. 請求の範囲第3項に記載の光学素子成形用金型の製造方法において,
    前記被覆層がセラミックを含む断熱層を含み,
    前記加圧工程では,
    印加圧力を,通常の成形時以上の圧力とし,
    ショット数を1000以上とし,
    1ショット当たりの印加時間を,通常の成形時の1ショット当たりの印加時間と同等またはそれ以上とすることを特徴とする光学素子成形用金型の製造方法。
  5. 請求の範囲第4項に記載の光学素子成形用金型の製造方法において,前記加圧工程では,
    ショット数を2000以上とすることを特徴とする光学素子成形用金型の製造方法。
  6. 請求の範囲第1項または第2項に記載の光学素子成形用金型の製造方法において,前記加圧工程では,
    当該金型を加圧容器内に載置して,加圧容器内を加圧することを特徴とする光学素子成形用金型の製造方法。
  7. 請求の範囲第6項に記載の光学素子成形用金型の製造方法において,前記加圧工程では,
    当該金型のうち成形面となる面以外の部分をカバー部材で覆った状態で加圧を行うことを特徴とする光学素子成形用金型の製造方法。
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