JP6178628B2 - 断熱金型及びその製造方法 - Google Patents
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Description
a)まず、NaOH水溶液等を用い、被めっき物にアルカリ脱脂を行い、水洗する。
b)次に、塩酸水溶液を用いて表面エッチングを行い、超音波洗浄で十分に水洗する。
c)塩酸酸性の塩化すず水溶液を用いた鋭敏化処理(センシタイジング)と塩酸酸性の塩化パラジウム水溶液を用いた活性化処理(アクチベーティング)を行い、ジルコニア表面にパラジウム触媒粒子を担持する。
d)次に、無電解ニッケルーリンめっき槽に被めっき物を浸漬しめっき処理を行い、めっき膜を形成する。
1. 金属製金型母材と成形面を構成する金属皮膜との間に断熱層を有する金型であって、
(1)前記断熱層はジルコニアを含み、
(2)前記断熱層と前記金属皮膜との間に水分遮断層が配置されており、
(3)水分遮断層が、互いに組成が異なる複数の層から構成されている、
ことを特徴とする断熱金型。
2. 水分遮断層が金属単体又は合金から形成されている、前記項1に記載の断熱金型。
3. 水分遮断層が、銅、鉄、チタニウム、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン及びこれらを含む合金の少なくとも1種から形成されている、前記項2に記載の断熱金型。
4. 水分遮断層が、断熱層に接するように断熱層上に形成された第1水分遮断層と、第1水分遮断層に接するように第1水分遮断層上に形成された第2水分遮断層とを含む、前記項1に記載の断熱金型。
5. 第1水分遮断層が、チタニウム、タンタル、クロム、モリブデン及びタングステン、鉄及びこれらを含む合金の少なくとも1種から形成されている、前記項4に記載の断熱金型。
6. 第2水分遮断層が、銅、鉄及びこれらを含む合金の少なくとも1種から形成されている、前記項4又は5に記載の断熱金型。
7. 第1水分遮断層の厚みが0.02〜0.8μmである、前記項4〜6のいずれかに記載の断熱金型。
8. 第2水分遮断層の厚みが1〜20μmである、前記項4〜7のいずれかに記載の断熱金型。
9. 水分遮断層が物理的気相成長法によって形成されてなる、前記項4〜8のいずれかに記載の断熱金型。
10. 水分遮断層が、断熱層の上面及び側面を取り囲むように形成されている、前記項4〜9のいずれかに記載の断熱金型。
11. 前記断熱層がジルコニア焼結体からなる、前記項4〜10のいずれかに記載の断熱金型。
12. 前記断熱層が溶射法により形成されてなる、前記項4〜10のいずれかに記載の断熱金型。
13. 樹脂成分を含む組成物の成形のために用いる、前記項1〜12のいずれかに記載の断熱金型。
14. 前記項1に記載の断熱金型を製造する方法であって、
(1)金属製金型母材の成形面側の表面にジルコニアを含む断熱層を形成する工程、
(2)断熱層の表面上に水分遮断層を物理的気相成長法によって形成する工程、
(3)水分遮断層の表面上に金属皮膜をめっき法によって形成する工程及び
(4)金属皮膜の表面に機械加工を施すことにより樹脂成形のための転写形状表面を形成する工程、
を含み、かつ、
前記(1)の工程において、
(1−1)金属製金型母材の成形面側の表面に接着層を配置する工程、
(1−2)接着材の上からジルコニア焼結体を配置する工程及び
(1−3)ジルコニア焼結体を加熱下で加圧することにより接着層を介して断熱層を形成する工程を含む、
ことを特徴とする断熱金型の製造方法。
15. 前記(1)の工程において、
(1−1)金属製金型母材の成形面側の表面に接着層を溶射法により形成する工程及び
(1−2)接着層の上から溶射法によりジルコニアを含む断熱層を形成する工程
を含む、前記項14に記載の製造方法。
2、32 金属製金型母材
2a 中心領域
2b 周囲領域
2c 側壁部
3、13、33、43 接着層
4、34、44 断熱層
5、15、35、45 第1水分遮断層
6、16、36、46 第2水分遮断層
7、17、37、47 水分遮断層
8、18、38、48 第1金属皮膜
9、19、39、49 第2金属皮膜
9a、39a 精密加工表面
10、20、40、50 金属皮膜
11a、21a、41a、51a 第1試料
11b、21b、41b、51b 第1比較試料
12 下地基板部品
14 断熱基板
22 角柱部品
23 測定台
24 支柱
25 滑車
26 ワイヤロープ
27 重り
44 金属製基板
101 固定型
102 可動型
103 樹脂
本発明の断熱金型(本発明金型)は、金属製金型母材と成形面を構成する金属皮膜との間に断熱層を有する金型であって、
(1)前記断熱層はジルコニアを含み、
(2)前記断熱層と前記金属皮膜との間に水分遮断層が配置されている、
ことを特徴とする。
金属製金型母材は、金属から構成されていれば良く、公知又は市販の金型で用いられる材質と同じものであっても良い。例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属(金属単体)、
炭素鋼、ステンレス鋼、銅合金、チタン合金等の合金等が挙げられる。また、金属製金型母材は、溶製材又は焼結体のいずれであっても良い。特に、本発明では、高い硬度と良好な加工性とを有することから金属製金型母材として鉄系金属を用いることが好ましい。すなわち、金属鉄及び鉄合金の少なくとも1種の鉄系金属を用いることが好ましい。鉄合金としては特に限定されず、例えば炭素鋼、ステンレス鋼(SUS)、クロムモリブデン鋼等を好適に用いることができる。
本発明における水分遮断層は、特に断熱層への水分の侵入ないしは接触(とりわけ金属皮膜から断熱層への水分の侵入ないしは接触)を防止するためのものであり、かかる機能を果たす限り、その材質等は特に限定されない。本発明では、物理的気相成長法(特にスパッタリング法)で形成しやすく、なおかつ、その上層に金属皮膜を形成しやすいという点で金属単体又は合金から形成されていることが望ましい。より具体的には、銅、鉄、チタニウム、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン及びこれらを含む合金の少なくとも1種から水分遮断層が形成されていることが望ましい。
金属皮膜は、金属から構成されていれば良く、公知又は市販の金型の成形面に採用されている材質と同じものであっても良い。例えば、鉄、ニッケル、銅、クロム等の金属、ニッケルりん合金、ニッケルホウ素、ニッケルタングステンりん合金、ニッケル銅りん合金等の合金等が挙げられる。
本発明金型における断熱層は、金属製金型母材と成形面を構成する金属皮膜との間に形成されている。これにより、溶融している成形材料のもつ熱が金属製金型母材に急速に奪われる現象を効果的に抑制ないしは防止することができる。
本発明の断熱金型は、公知又は市販の金型と同様にして用いることができる。また、金型を用いて成形する場合の成形条件等も公知の方法に従って実施することができる。
本発明の断熱金型では、それに用いられる材料(成形材料)は制限されないが、特に樹脂成分を含む組成物(特に樹脂成分を主成分として含む樹脂組成物)の成形(射出成形等)に好適である。
本発明金型の製造方法は、上記1.で示したような各層の形成方法に従って実施することができる。特に、本発明では、
(1)金属製金型母材の成形面側の表面にジルコニアを含む断熱層を形成する工程(断熱層形成工程)、
(2)断熱層の表面上に水分遮断層を物理的気相成長法によって形成する工程(水分遮断層形成工程)、
(3)水分遮断層の表面上に金属皮膜をめっき法によって形成する工程(金属皮膜形成工程)及び
(4)金属皮膜の表面に機械加工を施すことにより樹脂成形のための転写形状表面を形成する工程(成形面形成工程)、
を含むことを特徴とする断熱金型の製造方法によって、本発明金型を好適に製造することができる。
断熱層形成工程では、金属製金型母材の成形面側の表面にジルコニアを含む断熱層を形成する。ジルコニアを含む断熱層の材質等は前記1.で示したものを採用することができる。特に、ジルコニア焼結体又はジルコニア溶射膜を適用する方法を採用することが望ましい。
水分遮断層形成工程では、断熱層の表面上に水分遮断層を物理的気相成長法によって形成する。水分遮断層の材質等は前記1.で説明した通りである。また、図11で示したように、より確実に水分遮断効果を得るため、断熱層の露出面をすべて覆うように水分遮断層を形成することが望ましい。
金属皮膜形成工程では、水分遮断層の表面上に金属皮膜をめっき法によって形成する。この場合、上記導電性金属膜の表面にめっき法を用いて金属皮膜を形成する工程は、公知の方法に従って実施することも可能であるが、特に下記の方法で実施することが望ましい。すなわち、水分遮断層をなす導電性金属膜を電極にして下地電気めっき膜を形成後、無電解めっき法によって金属皮膜を形成する方法が望ましい。ここで、下地電気めっき膜の形成方法として、特にNiストライクめっき法が望ましい。また、その表面に無電解めっき法で形成する金属膜としては、特にニッケルりん合金めっき膜が好ましい。前記のストライクめっき法又は無電解めっき法の条件等は公知の方法に従えば良い。
成形面形成工程では、金属皮膜の表面に機械加工を施すことにより樹脂成形のための転写形状表面を形成する。機械加工は、公知の方法に従って実施すれば良く、例えば公知又は市販の精密切削加工機等を用いて金属皮膜の表面に所望の形状(凹凸形状)を付与することができる。
〔ジルコニア焼結体からなる断熱層をもつ断熱金型〕
図1には、本実施例1のジルコニア焼結体からなる断熱層をもつ本発明の断熱金型1の構成を示す断面図を示す。断熱金型1は、精密な微細加工形状をもつ樹脂製部品の成形加工に用いられる金型であり、互いに直径が異なる2つの円柱が同じ中心軸上に積み重なった形状を有している。すなわち、下端が高さ7.5mmの低背の円柱(直径40.0mm)になっていて、その上が高さ32.6mmの円筒(直径35.0mm)が積み重なった形状をなしている。
断熱層劣化の評価には、図3に示す断面の膜構成からなる試料を用いた。すなわち、図1の断熱層4の円板状ジルコニア焼結体と同じ条件で作られた同組成のジルコニア焼結体からなる断熱基板14(縦30mm、横30mm、厚さ6mm)を2個準備した。その一方の基板の表面全面には、本発明の断熱金型1の水分遮断層7の形成と全く同様に、第1水分遮断層15のチタン膜(厚さ0.2μm)と第2水分遮断層16の銅膜(厚さ1μm)の積層膜からなる水分遮断層17を形成して、第1試料11aを作製した。また、比較試料として、別の一枚は、水分遮断層が配置されないままで第1比較試料11bとして準備した。
本実施例において、断熱層4と水分遮断層7と金属皮膜10の密着性についても調べた。密着性の試験は図5で示す方法で行った。まず、断熱層劣化の評価に用いた第1試料11aと全く同様にして新しく作製した同形状の試料に、本発明の断熱金型1と同様な製法によって、第1金属皮膜18(厚さ2μmのニッケルめっき膜)と第2金属皮膜19(厚み30μmの非晶質ニッケルりん合金めっき膜)の積層膜からなる金属皮膜20を形成し、図3の示す断面構造の第2試料21aを作製した。第2試料21aの下面に形成された金属皮膜は、その全面(30mm×30mm)を100mm角で厚さ10mmの鉄製の下地基板部品12にエポキシ系接着剤による接着層13で接着されており、さらにその下地基板部品12は測定台23にネジ止めされて固定されている。一方、試料21aの上部に形成された金属皮膜の中央部分にステンレス鋼製の角柱部品22(10mm角で長さ40mm)の下面全面(10mm×10mm)を同じエポキシ系接着剤で張り付け、予めネジ穴が付けられた上面中心にフックを取り付け、ワイヤロープ26を介して、重り27からなる荷重で、金属皮膜面を引っ張る試験を行った。この装置では、測定台23に立てられた支柱24の上部に設置した滑車25によって、ワイヤロープの一端に取り付けた重り27の荷重が、接着層13を介して角柱部品22と接着している第2金属皮膜19をジルコニア焼結体からなる断熱基板14から引き剥がす力になり、本発明の断熱金型の積層構造体全体の密着性を測定できる。
〔ジルコニア焼結体からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例1における本発明の断熱金型において、水分遮断層7を構成する第1水分遮断層5と第2水分遮断層6を、それぞれ厚さ0.1μmのチタン膜と厚さ10μmの銅膜にした。上記の水分遮断層の積層膜の形成方法は、実施例1と同様の方法によるものであり、成膜時間をチタン膜形成では1分間、銅膜形成では25分間と変えて作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図3に示すような実施例1において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。表1の結果からも明らかなように、本実施例2の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア焼結体からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例1における図3に示す第1試料及び第2試料と同様な試料を作製し、実施例1と同様の断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価を行った。ここで、水分遮断層17を構成する第1水分遮断層15と第2水分遮断層16を、それぞれ、厚さ0.02μmのチタン膜と厚さ4μmの銅膜にした。これらの水分遮断層を構成する積層膜の形成も実施例1と同様の方法によるものであり、チタン膜形成時間を12秒間、銅膜形成時間を10分間にして作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図3に示すような実施例1において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。表1の結果からも明らかなように、本実施例3の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア焼結体からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例3と同様にして、第1水分遮断層15と第2水分遮断層16を、それぞれ厚さ0.2μmのチタン膜と厚さ20μmの銅膜とした。これらの水分遮断層を構成する積層膜の形成として、チタン膜形成時間を2分間、銅膜形成時間を50分間にし、その他は実施例3と同じ成膜条件で作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図3に示すような実施例1において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。表1の結果からも明らかなように、本実施例4の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア焼結体からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例3と同様にして、第1水分遮断層15と第2水分遮断層16を、それぞれ厚さ0.8μmのチタン膜と厚さ8μmの銅膜にした。これらの水分遮断層を構成する積層膜の形成として、チタン膜形成時間を8分間、銅膜形成時間を20分間にし、その他は実施例3と同じ成膜条件で作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図3に示すような実施例1において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。表1の結果からも明らかなように、本実施例5の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア焼結体からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例3と同様にして、第1水分遮断層15と第2水分遮断層16を、それぞれ厚さ0.05μmのタンタル膜と厚さ8μmの銅膜にした。これらの水分遮断層を構成する積層膜の形成として、スパッタリング装置内のチタンのターゲットを同じ大きさのタンタルのターゲットに交換して膜形成した。タンタル膜形成時間を26秒間、銅膜形成時間を20分間にし、その他は実施例3と同じ成膜条件で作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図3に示すような実施例1において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。表1の結果からも明らかなように、本実施例6の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア焼結体からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例6と同様にして、第1水分遮断層15と第2水分遮断層16を、それぞれ厚さ0.2μmのタンタル膜と厚さ8μmの銅膜にした。これらの水分遮断層を構成する積層膜の形成として、タンタル膜形成時間を1分45秒間、銅膜形成時間を20分間にし、その他は実施例6と同じ成膜条件で作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図3に示すような実施例1において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。表1の結果からも明らかなように、本実施例7の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア焼結体からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例3と同様にして、第1水分遮断層15と第2水分遮断層16を、それぞれ厚さ0.2μmのクロム膜と厚さ8μmの銅膜にした。これらの水分遮断層を構成する積層膜の形成として、スパッタリング装置内のチタンのターゲットを同じ大きさのクロムのターゲットに交換して膜形成した。クロム膜形成時間を50秒間、銅膜形成時間を20分間にし、その他は実施例3と同じ成膜条件で作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図3に示すような実施例1において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。表1の結果からも明らかなように、本実施例8の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア焼結体からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例3と同様にして、第1水分遮断層15と第2水分遮断層16を、それぞれ厚さ0.2μmのモリブデン膜と厚さ8μmの銅膜にした。これらの水分遮断層を構成する積層膜の形成として、スパッタリング装置内のチタンのターゲットを同じ大きさのモリブデンのターゲットに交換して膜形成した。モリブデン膜形成時間を1分15秒間、銅膜形成時間を20分間にし、その他は実施例3と同じ成膜条件で作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図3に示すような実施例1において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例1と同様にして行った。表1の結果を表1に示す。その結果からも明らかなように、本実施例9の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア焼結体からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例3と同様にして、第1水分遮断層15と第2水分遮断層16を、それぞれ厚さ0.2μmのタングステン膜と厚さ8μmの銅膜にした。これらの水分遮断層を構成する積層膜の形成として、スパッタリング装置内のチタンのターゲットを同じ大きさのタングステンのターゲットに交換して膜形成した。タングステン膜形成時間を1分45秒間、銅膜形成時間を20分間にし、その他は実施例3と同じ成膜条件で作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図3に示すような実施例1において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。表1の結果からも明らかなように、本実施例10の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア焼結体からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例3と同様にして、第1水分遮断層15と第2水分遮断層16を、それぞれ厚さ0.2μmの鉄膜と厚さ8μmの銅膜にした。これらの水分遮断層を構成する積層膜の形成として、鉄膜形成時間を1分3秒間、銅膜形成時間を20分間にし、その他は実施例3と同じ成膜条件で作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図3に示すような実施例1において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。表1の結果からも明らかなように、本実施例11の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア焼結体からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例3と同様にして、第1水分遮断層15と第2水分遮断層16を、それぞれ厚さ0.02μmのチタン膜と厚さ7μmの鉄膜にした。これらの水分遮断層を構成する積層膜の形成として、スパッタリング装置内の銅のターゲットを同じ大きさの鉄のターゲットに交換して膜形成した。チタン膜形成時間を12秒間、鉄膜形成時間を36分間にし、その他は実施例3と同じ成膜条件で作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図3に示すような実施例1において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。表1の結果からも明らかなように、本実施例12の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア焼結体からなる断熱層をもつ断熱金型〕
前記の実施例11及び実施例12の水分遮断層の積層体の形成において、スパッタリング法による鉄膜は、第1水分遮断層と第2水分遮断層の両方の性質をもっていることがわかる。そこで、水分遮断層17として、鉄膜単層を実験した。膜形成は実施例1で用いたスパッタリング装置を用い、一つのターゲットに鉄薄板を用い、真空度0.6Paにてスパッタリング投入電力2kWで77分間スパッタリングすることにより、厚さ15μmからなる鉄単層からなる水分遮断層を形成した。250℃で30分間の水熱処理で、鉄膜の表面は、銅膜以上に変化して酸化鉄皮膜が形成されるが、ジルコニア焼結体からなる断熱基板には実施例1と同様に結晶相の変化が認められなかった。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図3に示すような実施例1において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。表1の結果からも明らかなように、本実施例13の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア溶射膜からなる断熱層をもつ断熱金型〕
図6には、本実施例14のジルコニア溶射膜からなる断熱層をもつ本発明の断熱金型31の構成を示す断面図を示す。断熱金型31は、前記した本発明の実施例1の断熱金型と同様に、精密な微細加工形状をもつ樹脂製部品の成形加工に用いられる金型であり、同じ中心軸の2つの円柱が積み重なった形状である。すなわち、下端が高さ7.5mmの低背の円柱(直径40.0mm)になっており、その上が高さ32.6mmの円筒(直径35.0mm)が積み重なっている。
断熱層劣化の評価には、図8に示す断面の膜構成の第1試料41aを作製して用いた。すなわち、図6の金属製金型母材32と同じ材質の金属製基板(縦30mm、横30mm、厚さ6mm)を2個準備し、その両方に図6の接着層33及び断熱層34をなす金属合金溶射膜及びジルコニア溶射膜と同じ溶射方法、同じ溶射条件で、同組成の金属合金溶射膜からなる接着層43及びジルコニア溶射膜からなる断熱層44をそれぞれ形成した。作製された2個のうちの一方の基板の表面全面には、本発明の断熱金型31の水分遮断層37の形成と同じ条件で同様の第1水分遮断層45のチタン膜(厚さ0.2μm)と第2水分遮断層46の銅膜(厚さ10μm)の積層膜(水分遮断層47)を形成し、第1試料41aを作製した。また、比較評価のために、上記の2個のうちのもう一方の基板を用いてそのままの状態で、水分防止層が配置されない第1比較試料41bを作製した。
本実施例14において、断熱層34と水分遮断層37と金属皮膜40の密着性についても調べた。密着性の試験は実施例1と同じ図5で示す装置を用いて、同様の方法で行った。まず、断熱層劣化の評価に用いた第1試料41aと同様にして新しく作製した同じ形状の試料に、本発明の断熱金型31と同様な製法によって、第1金属皮膜48(厚さ2μmのニッケルめっき膜)と第2金属皮膜49(厚み30μmの非晶質ニッケルりん合金めっき膜)の積層膜からなる金属皮膜50を形成し、第2試料51aを作製した。
密着性評価の比較試料として、断熱層劣化の評価用の図8に示した第1比較試料41aと同じ形状の新たな比較試料に、直接に、本発明の断熱金型31と同様な製法によって、第1金属皮膜48(厚さ2μmのニッケルめっき膜)と第2金属皮膜49(厚み30μmの非晶質ニッケルりん合金めっき膜)の積層膜からなる金属皮膜50を形成し、第2比較試料51bを作製した。これを、第2試料51aの代わりに用いて、同様の密着性の評価を行った。その結果、重り27の重量が10kgの場合の試験では金属皮膜20の表面に膨れ等は起こらなかったが、15kgの場合には、金属皮膜20の表面に膜浮きが見られた。つまり、ジルコニア溶射膜からなる断熱層44と金属皮膜50の間に剥がれが発生した。
〔ジルコニア溶射膜からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例14における本発明の断熱金型において、水分遮断層37を構成する第1水分遮断層35と第2水分遮断層36を、それぞれ、厚さ0.1μmのチタン膜と厚さ10μmの銅膜にした。上記の水分遮断層の積層膜の形成方法は、実施例1と同様の方法によるものであり、成膜時間をチタン膜形成では1分間、銅膜形成では25分間にして作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図8に示すような実施例14において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例14と同様に実施した。その結果を表2に示す。表2の結果からも明らかなように、本実施例15の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア溶射膜からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例14における図8に示す第1試料及び第2試料と同様な試料を作製し、実施例1と同様の断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価を行った。第1水分遮断層35と第2水分遮断層36を、それぞれ、厚さ0.02μmのチタン膜と厚さ8μmの銅膜にした。これらの水分遮断層を構成する積層膜の形成も実施例14と同様の方法によるものであり、チタン膜形成時間を12秒間、銅膜形成時間を20分間にして作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図8に示すような実施例14において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例14と同様に実施した。その結果を表2に示す。表2の結果からも明らかなように、本実施例16の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア溶射膜からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例16と同様にして、第1水分遮断層35と第2水分遮断層36を、それぞれ厚さ0.2μmのチタン膜と厚さ20μmの銅膜とした。積層膜の形成には、チタン膜形成時間を2分間、銅膜形成時間を50分間にし、その他は実施例16と同じ成膜条件で作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図8に示すような実施例14において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例14と同様に実施した。その結果を表2に示す。表2の結果からも明らかなように、本実施例17の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア溶射膜からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例16と同様にして、第1水分遮断層35と第2水分遮断層36を、それぞれ厚さ0.4μmのチタン膜と厚さ8μmの銅膜にした。これらの水分遮断層を構成する積層膜の形成として、チタン膜形成時間を4分間、銅膜形成時間を20分間にし、その他は実施例16と同じ成膜条件で作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図8に示すような実施例14において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例14と同様に実施した。その結果を表2に示す。表2の結果からも明らかなように、本実施例18の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア溶射膜からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例16と同様にして、第1水分遮断層35と第2水分遮断層36を、それぞれ厚さ0.05μmのタンタル膜と厚さ10μmの銅膜にした。これらの水分遮断層を構成する積層膜の形成として、スパッタリング装置内のチタンのターゲットを同じ大きさのタンタルのターゲットに交換して膜形成した。タンタル膜形成時間を26秒間、銅膜形成時間を25分間にし、その他は実施例16と同じ成膜条件で作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図8に示すような実施例14において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例14と同様に実施した。その結果を表2に示す。表2の結果からも明らかなように、本実施例19の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア溶射膜からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例19と同様にして、第1水分遮断層35と第2水分遮断層36を、それぞれ厚さ0.2μmのタンタル膜と厚さ10μmの銅膜にした。これらの水分遮断層を構成する積層膜の形成として、タンタル膜形成時間を1分45秒間、銅膜形成時間を25分間にし、その他は実施例19と同じ成膜条件で作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図8に示すような実施例14において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例14と同様に実施した。その結果を表2に示す。表2の結果からも明らかなように、本実施例20の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア溶射膜からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例16と同様にして、第1水分遮断層35と第2水分遮断層36を、それぞれ厚さ0.2μmのクロム膜と厚さ10μmの銅膜にした。これらの水分遮断層を構成する積層膜の形成として、スパッタリング装置内のチタンのターゲットを同じ大きさのクロムのターゲットに交換して膜形成した。クロム膜形成時間を50秒間、銅膜形成時間を25分間にし、その他は実施例16と同じ成膜条件で作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図8に示すような実施例14において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例14と同様に実施した。その結果を表2に示す。表2の結果からも明らかなように、本実施例21の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア溶射膜からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例16と同様にして、第1水分遮断層35と第2水分遮断層36を、それぞれ厚さ0.2μmのモリブデン膜と厚さ10μmの銅膜にした。これらの水分遮断層を構成する積層膜の形成として、スパッタリング装置内のチタンのターゲットを同じ大きさのモリブデンのターゲットに交換して膜形成した。モリブデン膜形成時間を1分15秒間、銅膜形成時間を25分間にし、その他は実施例16と同じ成膜条件で作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図8に示すような実施例14において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例14と同様に実施した。その結果を表2に示す。表2の結果からも明らかなように、本実施例22の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア溶射膜からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例16と同様にして、第1水分遮断層35と第2水分遮断層36を、それぞれ厚さ0.2μmのタングステン膜と厚さ10μmの銅膜にした。これらの水分遮断層を構成する積層膜の形成として、スパッタリング装置内のチタンのターゲットを同じ大きさのタングステンのターゲットに交換して膜形成した。タングステン膜形成時間を1分45秒間、銅膜形成時間を25分間にし、その他は実施例16と同じ成膜条件で作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図8に示すような実施例14において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例14と同様に実施した。その結果を表2に示す。表2の結果からも明らかなように、本実施例23の構成でも水分遮断層は有効に機能している。
〔ジルコニア溶射膜からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例16と同様にして、第1水分遮断層35と第2水分遮断層36を、それぞれ厚さ0.2μmの鉄膜と厚さ10μmの銅膜にした。これらの水分遮断層を構成する積層膜の形成として、鉄膜形成時間を1分3秒間、銅膜形成時間を25分間にし、その他は実施例3と同じ成膜条件で作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図8に示すような実施例14において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例14と同様に実施した。その結果を表2に示す。表2の結果からも明らかなように、本実施例24の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア溶射膜からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例16と同様にして、第1水分遮断層35と第2水分遮断層36を、それぞれ厚さ0.02μmのチタン膜と厚さ15μmの鉄膜にした。これらの水分遮断層を構成する積層膜の形成として、スパッタリング装置内の銅のターゲットを同じ大きさの鉄のターゲットに交換して膜形成した。チタン膜形成時間を12秒間、鉄膜形成時間を77分間にし、その他は実施例16と同じ成膜条件で作製した。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図8に示すような実施例14において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例14と同様に実施した。その結果を表2に示す。表2の結果からも明らかなように、本実施例25の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
〔ジルコニア溶射膜からなる断熱層をもつ断熱金型〕
実施例16で用いたスパッタリング装置を用い、一つのターゲットに鉄薄板を用い、真空度0.6Paにてスパッタリング投入電力2kWで100分間スパッタリングすることにより、厚さ20μmからなる鉄単層からなる水分遮断層を形成した。250℃で30分間の水熱処理で、鉄膜の表面は、銅膜以上に変化して、酸化鉄皮膜が形成されるが、ジルコニア溶射膜からなる断熱基板には実施例14と同様に結晶相の変化が見られなかった。断熱層劣化の評価及び断熱層と金属皮膜の密着性の評価は、図8に示すような実施例14において評価試験に用いた試料と同様な試料を作製し、実施例14と同様に実施した。その結果を表2に示す。表2の結果からも明らかなように、本実施例26の構成でも水分遮断層は有効に機能していることがわかる。
Claims (15)
- 金属製金型母材と成形面を構成する金属皮膜との間に断熱層を有する金型であって、
(1)前記断熱層はジルコニアを含み、
(2)前記断熱層と前記金属皮膜との間に水分遮断層が配置されており、
(3)水分遮断層が、互いに組成が異なる複数の層から構成されている、
ことを特徴とする断熱金型。 - 水分遮断層が金属単体又は合金から形成されている、請求項1に記載の断熱金型。
- 水分遮断層が、銅、鉄、チタニウム、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン及びこれらを含む合金の少なくとも1種から形成されている、請求項2に記載の断熱金型。
- 水分遮断層が、断熱層に接するように断熱層上に形成された第1水分遮断層と、第1水分遮断層に接するように第1水分遮断層上に形成された第2水分遮断層とを含む、請求項1に記載の断熱金型。
- 第1水分遮断層が、チタニウム、タンタル、クロム、モリブデン及びタングステン、鉄及びこれらを含む合金の少なくとも1種から形成されている、請求項4に記載の断熱金型。
- 第2水分遮断層が、銅、鉄及びこれらを含む合金の少なくとも1種から形成されている、請求項4又は5に記載の断熱金型。
- 第1水分遮断層の厚みが0.02〜0.8μmである、請求項4〜6のいずれかに記載の断熱金型。
- 第2水分遮断層の厚みが1〜20μmである、請求項4〜7のいずれかに記載の断熱金型。
- 水分遮断層が物理的気相成長法によって形成されてなる、請求項4〜8のいずれかに記載の断熱金型。
- 水分遮断層が、断熱層の上面及び側面を取り囲むように形成されている、請求項4〜9のいずれかに記載の断熱金型。
- 前記断熱層がジルコニア焼結体からなる、請求項4〜10のいずれかに記載の断熱金型。
- 前記断熱層が溶射法により形成されてなる、請求項4〜10のいずれかに記載の断熱金型。
- 樹脂成分を含む組成物の成形のために用いる、請求項1〜12のいずれかに記載の断熱金型。
- 請求項1に記載の断熱金型を製造する方法であって、
(1)金属製金型母材の成形面側の表面にジルコニアを含む断熱層を形成する工程、
(2)断熱層の表面上に水分遮断層を物理的気相成長法によって形成する工程、
(3)水分遮断層の表面上に金属皮膜をめっき法によって形成する工程及び
(4)金属皮膜の表面に機械加工を施すことにより樹脂成形のための転写形状表面を形成する工程、
を含み、かつ、
前記(1)の工程において、
(1−1)金属製金型母材の成形面側の表面に接着層を配置する工程、
(1−2)接着材の上からジルコニア焼結体を配置する工程及び
(1−3)ジルコニア焼結体を加熱下で加圧することにより接着層を介して断熱層を形成する工程を含む、
ことを特徴とする断熱金型の製造方法。 - 前記(1)の工程において、
(1−1)金属製金型母材の成形面側の表面に接着層を溶射法により形成する工程及び
(1−2)接着層の上から溶射法によりジルコニアを含む断熱層を形成する工程
を含む、請求項14に記載の製造方法。
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