JPWO2006132187A1 - 生分解性ポリエステル樹脂組成物、その製造方法、同組成物を成形してなる成形体 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)メルトフローレート(MFR、g/10分):
JIS K−7210(試験条件4)に従い、190℃、荷重21.2Nで測定した。
(2)混練操業性:
溶融混練機から吐出された樹脂をストランド状に曳き、ペレット状に加工する際の操業性の度合いを、次に示す基準により3段階で評価した。○が合格レベルである。
(3)成形サイクル(秒):
実施例、比較例で得られた各樹脂組成物を、射出成形機(東芝機械社製IS−80G)を用いて成形し、試験片を得た。すべての樹脂組成物において、シリンダ設定温度190〜170℃で溶融して、射出圧力100MPa、射出時間30秒で、105℃の金型に充填した。成形サイクルは、樹脂組成物が金型内に射出(充填、保圧)され、冷却された後、成形体が金型に固着せずに取り出せるようになるまでの時間(秒)、または成形体が金型から抵抗なく取り出せるようになるまでの時間(秒)とした。ただし、100秒以上かかるものに関しては、それ以上の評価はしなかった。
(4)曲げ強さ、曲げ弾性率、曲げ破断歪:
ISO 178に準拠して測定した。
(5)シャルピー衝撃強さ:
ISO 179に準拠して測定した。
(6)熱変形温度(℃):
ISO 75に準拠し、荷重0.45MPaで熱変形温度を測定した。
(7)結晶化度(%):
RAD−rB X線回析装置(理化学電気工業社製)を用い、WAXD反射film法(X線:Cu−Kα線/50kV/30mA、スキャンスピード:2°/min)により測定し、多重ピーク分離法による積分強度比より求めた。
(8)結晶化速度(分):
DSC装置(パーキンエルマー社製 Pyrisl DSC)を用い、試料を20℃から500℃/分で200℃まで昇温した後、200℃で5分間保持し、そして200℃から500℃/分で130℃まで降温し、その後130℃で保持し結晶化させた。130℃等温時における結晶化のピークトップまでの時間を結晶化速度(分)とした。
[生分解性ポリエステル樹脂]
カーギルダウ社製ポリ乳酸、「Nature Works 4030D」MFR=3.0g/10分、融点166℃(以下「PLA」と略記する。)
[メタクリル酸エステル化合物]
ポリエチレングリコールジメタクリレート(日本油脂社製)
[過酸化物]:
ジ−t−ブチルパーオキサイド(日本油脂製)
[グリセリン脂肪酸エステル]:
グリセリンジアセトモノカプリレート(理研ビタミン社製)、グリセリンジアセトモノラウレート(理研ビタミン社製)
[比較例で使用した化合物]
ジエチレングリコールジベンゾエート(理研ビタミン社製)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(理研ビタミン社製)、アセチルトリブチルクエン酸(花王社製)
実施例1(樹脂組成物A)
二軸押出機(東芝機械社製 TEM−37BS)を使用し、そのトップフィーダーにPLA100質量部を供給し、混練機途中から、ポンプを用いて、メタクリル酸エステル化合物1質量部と過酸化物2質量部とをグリセリンジアセトモノカプリレート1質量部に溶解した溶液を注入した。そして加工温度170〜190℃で溶融混練押出しをおこない、吐出された樹脂をペレット状に加工して樹脂組成物Aを得た。
実施例2〜4(樹脂組成物B〜D)
実施例1に比べて、グリセリンジアセトモノカプリレートの配合割合を変化させた。そして、それ以外は実施例1と同様の装置・条件で溶融混練押出しをおこない、樹脂組成物B〜Dを得た。
実施例5(樹脂組成物E)
グリセリンジアセトモノカプリレートに代えてグリセリンジアセトモノラウレート10質量部を用いた。そして、それ以外は実施例1と同様の装置・条件で溶融混練押出しをおこない、樹脂組成物Eを得た。
実施例6(樹脂組成物F)
配合割合を、メタクリル酸エステル化合物0.1質量部、過酸化物0.1質量部、グリセリンジアセトモノカプリレート10質量部とした。そして、それ以外は実施例1と同様の装置・条件で溶融混練押出しをおこない、樹脂組成物Fを得た。
実施例7(樹脂組成物G)
配合割合を、メタクリル酸エステル化合物5質量部、過酸化物5質量部、グリセリンジアセトモノカプリレート10質量部とした。そして、それ以外は実施例1と同様の装置・条件で溶融混練押出しをおこない、樹脂組成物Gを得た。
実施例8(樹脂組成物H)
配合割合を、メタクリル酸エステル化合物0.1質量部、過酸化物0.1質量部、グリセリンジアセトモノカプリレート0.5質量部とした。そして、それ以外は実施例1と同様の装置・条件で溶融混練押出しをおこない、樹脂組成物Hを得た。
実施例9(樹脂組成物1)
配合割合を、メタクリル酸エステル化合物5質量部、過酸化物10質量部、グリセリンジアセトモノカプリレート20質量部とした。そして、それ以外は実施例1と同様の装置・条件で溶融混練押出しをおこない、樹脂組成物Iを得た。
比較例1(樹脂組成物J)
二軸押出成形機のトップフィーダーにPLA100質量部を供給し、混練機途中から、ポンプを用いて、メタクリル酸エステル化合物1質量部と過酸化物2質量部とを供給し、加工温度170〜190℃で溶融混練押出しを試みた。しかし、吐出されたストランドを安定して曳けないためペレット状に加工することができず、樹脂組成物を得ることができなかった。
比較例2(樹脂組成物K)
二軸押出成形機のトップフィーダーにPLA100質量部を供給し、混練機途中から、ポンプを用いて、メタクリル酸エステル化合物1質量部と過酸化物2質量部とをグリセリンジアセトモノカプリレート0.05質量部に溶解した溶液を注入し、加工温度170〜190℃で溶融混練押出しを試みた。しかし、吐出されたストランドを安定して曳けないためペレット状に加工することができず、樹脂組成物を得ることができなかった。
比較例3(樹脂組成物L)
二軸押出成形機のトップフィーダーにPLA100質量部を供給し、混練機途中から、ポンプを用いて、メタクリル酸エステル化合物1質量部と過酸化物2質量部とをグリセリンジアセトモノカプリレート60質量部に溶解した溶液を注入し、加工温度170〜190℃で溶融混練押出しをおこない、樹脂組成物Lを得た。
比較例4(樹脂組成物M)
グリセリンジアセトモノカプリレートに代えてジエチレングリコールジベンゾエート10質量部を用いた。そして、それ以外は実施例1と同様の装置・条件で溶融混練押出しをおこない、樹脂組成物Mを得た。
比較例5(樹脂組成物N)
グリセリンジアセトモノカプリレートに代えてジエチレングリコールジエチルエーテル10質量部を用いた。そして、それ以外は実施例1と同様の装置・条件で溶融混練押出しをおこない、樹脂組成物Nを得た。
比較例6(樹脂組成物O)
グリセリンジアセトモノカプリレートに代えてアセチルトリブチルクエン酸10質量部を用いた。そして、それ以外は実施例1と同様の装置・条件で溶融混練押出しをおこない、樹脂組成物Oを得た。
比較例7(樹脂組成物P)
二軸押出成形機のトップフィーダーにPLA100質量部を供給し、混練機途中からポンプを用いてグリセリンジアセトモノカプリレート10質量部を供給し、加工温度170〜190℃で溶融混練押出しをおこない、吐出された樹脂をペレット状に加工して樹脂組成物Pを得た。
比較例8(樹脂組成物Q)
二軸押出成形機のトップフィーダーにPLA100質量部を供給し、混練機途中から、ポンプを用いて、メタクリル酸エステル化合物0.005質量部と過酸化物0.05質量部とをグリセリンジアセトモノカプリレート10質量部に溶解した溶液を注入した。そして、加工温度170〜190℃で溶融混練押出しをおこない、吐出された樹脂をペレット状に加工して、樹脂組成物Qを得た。
比較例9(樹脂組成物R)
二軸押出成形機のトップフィーダーにPLA100質量部を供給し、混練機途中から、ポンプを用いて、メタクリル酸エステル化合物30質量部と過酸化物30質量部とをグリセリンジアセトモノカプリレート10質量部に溶解した溶液を注入し、加工温度170〜190℃で溶融混練押出しを試みた。しかし、開始10分後に溶液注入口が詰まって注入できなくなり、樹脂組成物を得ることができなかった。
Claims (7)
- 樹脂組成物であって、生分解性ポリエステル樹脂100質量部と、(メタ)アクリル酸エステル化合物0.01〜20質量部と、過酸化物0.1〜20質量部と、グリセリン脂肪酸エステル0.1〜50質量部とを配合して得られたものである。
- 請求項1の樹脂組成物であって、生分解ポリエステル樹脂がポリ乳酸である。
- 請求項1の樹脂組成物であって、グリセリン脂肪酸エステルがグリセリンジアセトモノカプリレートまたはグリセリンジアセトモノラウレートである。
- 樹脂組成物の製造方法であって、生分解性ポリエステル樹脂100質量部に、(メタ)アクリル酸エステル化合物0.01〜20質量部、および/または、過酸化物0.1〜20質量部をグリセリン脂肪酸エステル0.1〜50質量部との混合物として添加し、溶融混練する。
- 請求項1に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
- 請求項2に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
- 請求項3に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
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