JPWO2006129505A1 - 液体吐出装置及び液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出装置及び液体吐出方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2006129505A1
JPWO2006129505A1 JP2007518913A JP2007518913A JPWO2006129505A1 JP WO2006129505 A1 JPWO2006129505 A1 JP WO2006129505A1 JP 2007518913 A JP2007518913 A JP 2007518913A JP 2007518913 A JP2007518913 A JP 2007518913A JP WO2006129505 A1 JPWO2006129505 A1 JP WO2006129505A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
nozzle
nozzle plate
counter electrode
cleaning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007518913A
Other languages
English (en)
Inventor
上野 修敬
修敬 上野
正和 伊達
正和 伊達
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Publication of JPWO2006129505A1 publication Critical patent/JPWO2006129505A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/015Ink jet characterised by the jet generation process
    • B41J2/04Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand
    • B41J2/06Ink jet characterised by the jet generation process generating single droplets or particles on demand by electric or magnetic field
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/165Prevention or detection of nozzle clogging, e.g. cleaning, capping or moistening for nozzles

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)

Abstract

特にメニスカス形成手段と静電吸引力を用いた液体吐出装置において、ノズルプレートの除電を確実に行って吐出面上の液体や汚れを除去し、適正に液体を吐出することが可能な液体吐出装置を提供することを課題とする。対向電極3の主走査方向Xの一端側のメンテナンスポジションには、液体吐出ヘッド6の後述するノズルプレートに帯電した電荷を除電するための除電装置7とノズルプレートを洗浄するための洗浄装置8とが配設されており、液体吐出ヘッド6は、メンテナンス時にガイドレール4に沿って主走査方向Xに移動して除電装置7や洗浄装置8の上方に位置するように構成されている。

Description

本発明は、液体吐出装置及び液体吐出方法に係り、特に静電吸引力を利用、かつ、フラットな非導電性ノズルプレートをもつ液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置及び液体出方法に関する。
近年、インクジェットでの画質の高精細化の進展および工業用途における適用範囲の拡大に伴い、微細パターン形成および高粘度のインク吐出の要請がますます強まっている。これらの課題を従来のインクジェット記録方法で解決しようとすると、ノズルの微小化や高粘度のインク吐出による液吐出力の向上を図る必要が生じ、それに伴って駆動電圧が高くなり、ヘッドや装置のコストが非常に高価になってしまうため、実用に適う装置は実現されていない。
そこで、前記要請に応え、微小化されたノズルから低粘度のみならず高粘度の液滴を吐出させる技術として、ノズル内の液体を帯電させ、ノズルと液滴の着弾を受ける対象物となる各種の基材との間に形成される電界から受ける静電吸引力により吐出させるいわゆる静電吸引方式の液滴吐出技術が知られている(特許文献1参照)。
また、この液滴吐出技術と、ピエゾ素子の変形や液体内部での気泡の発生による圧力を利用して液滴を吐出する技術とを組み合わせた、いわゆる電界アシスト法を用いた液滴吐出装置の開発が進んでいる(例えば、特許文献2〜5等参照)。この電界アシスト法は、メニスカス形成手段と静電吸引力とを用いてノズルの吐出孔に液体のメニスカスを隆起させることにより、メニスカスに対する静電吸引力を高め、液表面張力に打ち勝ってメニスカスを液滴化し吐出する方法である。
国際公開第03/070381号パンフレット 特開平5−104725号公報 特開平5−278212号公報 特開平6−134992号公報 特開2003−53977号公報
液滴吐出技術に関連しノズル内の液体に静電気力が作用するヘッドの例には、ノズル内の液体と対向電極間に電界を加え静電吸引力により液体をノズルから吐出するもの、ノズル内の液体と対向電極間に電界を加えるとともに液体に圧力を加えノズルに液体のメニスカスを形成することにより静電吸引力を強め液体を吐出するもの、圧力のみでも吐出するものの静電吸引力を作用させることにより、より安定に液滴飛翔させるものがある。そこで、静電吸引力を高めるためにノズルプレートには絶縁性の高い非導電性部材が使われる。
これらの静電吸引方式の液体吐出装置や電界アシスト法を用いた液体吐出装置では、静電吸引力を発生させる為ノズル先端の液体に帯電させる時、つまり液体と対向電極間に電界をかける時、必然的にノズルプレート吐出面も帯電してしまい、帯電ムラとなることがある。また、ノズルプレートの吐出面上にあふれたインクはノズルプレートと対極に帯電するようになる。このため、静電吸引方式や電界アシスト法を用いた液体吐出装置において、メンテナンス時などにノズルプレートの除電を行わないとインクを完全に除去できず、更なる不吐出の原因となる特有の問題を有していることが新たに判った。
ノズルプレートに帯電している静電気を除去するために、ノズルプレートに導電部材層と導電線とを設け、導電線の一端を導電部材層に接続して他端を接地させることによって帯電した静電気を除去する技術や、ノズルプレート上のインクを除去するワイパー部材として導電性粉末を混入した部材を用いることにより、ワイパーをノズルプレートに接触させ、ノズルプレートに帯電した静電気を除電する技術が開示されている(例えば、特開平6−155755号公報)。
また、ノズルプレートの除電ではないが、用紙に帯電している静電気を除去してノズルプレートへの放電を防止するために、液体吐出装置に除電ブラシを設け、用紙に接触させることによって用紙に帯電した静電気を除電する技術が開示されている(例えば、特開平7−237293号公報、特開平11−78024号公報参照)。
しかしながら、特開平6−155755号公報のようにノズルプレートに設けた導電部材層により除電する手段は、インクを帯電させることができないため、静電吸引方式の液体吐出装置や電界アシスト法を用いた液体吐出装置に適用することができない。
また、特開平6−155755号公報のように導電性粉末を混入したワイパー部材を用いることにより除電する手段は、ワイパー部材がノズルプレートに接触することによるノズルプレートの帯電を防止することが可能であるが、静電吸引方式や電界アシスト法の液体吐出装置にはノズルプレートと対向電極との間に高電圧が印加されるので、この液体吐出装置の帯電したノズルプレートを十分に除電することができない。
また、特開平7−237293号公報、特開平11−78024号公報のように除電ブラシにより用紙に帯電した静電気を除電する手段は、用紙上に除電ブラシが存在する時間が短いため用紙に帯電した電荷を完全に除電することができず、また、除電ブラシを用紙上全面に均一に移動させることが難しいため除電にムラが生じる。
ノズルプレートの除電が不十分な状態で帯電をすると、ノズル内の液体に適正な静電力を印加することができず、液体の吐出量が不足したりあるいは吐出量が過剰になる問題を有している。また、ノズルプレートの除電にムラがある状態で帯電をすると、帯電にムラが生じてノズル内の液体に加わる静電力に不均衡が生じ、液体の吐出が均等にならない問題を有している。
更に、静電吸引力を利用し、かつ、フラットな非導電性ノズルプレートをもつ液体吐出方法に特有のノズルプレートの帯電による障害として、ノズルから繰り返し吐出させようとしたときの非吐出、吐出液滴量のバラツキ、吐出方向のバラツキ、インクのあふれ、ワイプ不良等が発生することが新たに判った。
ここで、1.電界をかける前のノズルプレート吐出面の帯電状態がばらついた場合、
電界をかけたときのノズルプレート吐出面の帯電状態がばらつき、ノズル内の液体への帯電状態をばらつかせる。結果的に液体に発生する静電吸引力が不安定となり、吐出条件が再現しないという不良が発生する。また、2.電界をかける前に帯電ムラが残っていた場合、電界をかけたときのノズルプレート吐出面に帯電ムラが残り、ノズル内の液体に加わる静電吸引力に不均衡が生じ、液体吐出方向がまがる。また、静電吸引力の不均衡により液体がノズルから滲み出す。更には、滲み出した液体を拭き取っても順次あふれ出し、拭き取れないという障害が発生する。
次に、ノズルプレート吐出面に吐出液体の付着物や付着異物等の汚れが残っている場合にノズル内の液体と対向電極間に電界をかけると汚れが付着したノズルプレート吐出面はノズル内の液体とは逆の極性に帯電し、ノズル内の液滴と同極性に帯電した汚れの付着していないノズルプレート吐出面との間にムラを生じる。
また、ノズル内の液体と対向電極間に電界をかけなくとも、帯電した液体がノズルプレート吐出面に付着することで同様のムラを生じる。
この帯電ムラは汚れのみを拭き取ってもノズルプレート吐出面の帯電電荷を取り除かなければ残留することになる。
このように、帯電ムラ発生要因の少なくとも一つとして、汚れが要因となっている。また、帯電ムラにより汚れが付着しやすくなることもある。
静電吸引方式や電界アシスト法を用いた液体吐出装置から液体が正常に吐出されないときの帯電状態について、以下に説明する。
図16(A)に示すように、静電吸引方式や電界アシスト法を用いた液体吐出装置9では、ノズルプレート91に設けられたノズル92内の液体Lには正電圧が印加されるので、液体Lは正に帯電し、ノズル11の液体Lと接するノズルプレート91の部分は負に帯電する。
また、ノズルプレート91と対向して設けられた対向電極(図示せず)は接地されているので、対向電極上でノズルプレート91に対向する面は負に帯電するため、ノズルプレート91の吐出面93は正に帯電する。正に帯電したノズルプレート91の吐出面93上に正に帯電した液体Lやゴミ等による汚れがある場合、ノズルプレート91の吐出面93の汚れが付着した部分は負に帯電している。この状態で洗浄部材を用いて吐出面93の洗浄を行うと、汚れの正の電荷と吐出面93の負の電荷とが引き合うため汚れが吐出面93から除去し難くなり、図16(B)に示すように、正に帯電した汚れが吐出面93の広範囲に押し広げられる。
吐出面13の広範囲が負に帯電している状態では、再度ノズル92内の液体Lを正に帯電させて吐出しようとすると、図16(C)に示すように、ノズル92の吐出口から正に帯電した液体Lが負に帯電した吐出面93上に広がってしまうため、ノズル92の先端に液体Lのメニスカスが形成されず、液体Lをノズル92から正常に吐出することができない問題を有している。
また、図16(A)のようにノズルプレート91の吐出孔94付近の吐出面93に正に帯電した液体Lが付着していると、図17に示すようにメニスカス付近の等電位線が歪み、後述する図6と比較するとメニスカス先端部の電界が弱くなって電界集中が生じ難くなったり、また、メニスカスの電界が歪むため射出方向を安定させ難くなるため、液体Lを正常に吐出することができない問題を有している。
なお、図15に接地された対向電極を設置して液体Lに正電圧を印加する例を示したが、これに限定されず、液体Lに負電圧を印加する場合や、対向電極に電圧を印加して液体Lを接地する場合も、同様に、液体Lが正常に吐出することができない問題を有している。
以上のように、各方法ともに静電吸引力を利用し、かつ、フラットな非導電性ノズルプレートをもつ液体吐出方法に特有のノズルプレートの帯電に関する障害に対しては、不十分であった。
本発明は前記した点に鑑みてなされたもので、特に電界アシスト法を用いた液体吐出装置において、ノズル内の液体に静電吸引力を作用させ、ノズルプレートの絶縁性が高いため、ノズルプレートが帯電しやすく、帯電ムラ、帯電バラツキが発生する場合、ノズルプレートの除電を確実に行って吐出面上の液体や汚れを除去し、適正に液体を吐出することが可能な液体吐出装置を提供することを課題とするものである。
上記の問題を解決するため、ノズル内の液体に電界を加える前にノズルプレートの吐出面を均一に除電することでノズルプレートの帯電に関する障害を防止する必要がある。均一に除電するにはノズルプレートの洗浄操作を除電工程と同時、或いは前に行い、その後ノズル内の液体と対向電極間に電界をかける。
そのため、本発明は、
(1) 対向電極と、
前記対向電極に対向して設けられ、液体を吐出するノズルを備えた平面状のノズルプレートとを備えた液体吐出ヘッドを用いる液体吐出装置において、
対向電極と前記ノズル内の液体に電圧を印加する電圧印加装置と
前記ノズルプレートに帯電した電荷を除電する除電装置と、
前記ノズルプレートを洗浄する洗浄装置と、
前記除電装置と前記洗浄装置とを制御する制御装置とを備えたことを特徴とする液体吐出装置である。
(2) 前記制御装置は、前記除電装置の動作と前記洗浄装置の動作とを同時に行うように制御することを特徴とする(1)に記載の液体吐出装置である。
(3) 前記除電装置は、導電性の液体が含浸された除電部材を備えたことを特徴とする(1)から(2)のいずれかに記載の液体吐出装置である。
(4) 前記除電部材は、多孔質部材であることを特徴とする(3)に記載の液体吐出装置である。
(5) 前記洗浄装置は、導電性の液体が含浸された多孔質部材を備えたことを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の液体吐出装置である。
(6) 前記対向電極は、過電流防止回路又は過電流遅延回路のいずれかを備えたことを特徴とする請求の(1)から(5)のいずれかに記載の液体吐出装置である。
(7) 静電吸引方式ヘッド上に対向電極に対向して設けられた、平面状のノズルプレートに備えられたノズルから液体を吐出する液体吐出方法において、 対向電極と前記ノズル内の液体に電圧を印加する電圧印加工程と、
前記ノズルプレートに帯電した電荷を除電する除電工程と、
前記除電工程後に前記ノズルプレートを洗浄する洗浄工程と、
を行うことを特徴とする液体吐出方法である。
(8) 静電吸引方式ヘッド上に対向電極に対向して設けられた平面状のノズルプレートに備えられたノズルから液体を吐出する液体吐出方法において、
対向電極と前記ノズル内の液体に電圧を印加する電圧印加工程と
前記ノズルプレートに帯電した電荷を除電する除電工程と、
前記除電工程と前記ノズルプレートを洗浄する洗浄工程と、
を有し、前記除電工程と前記洗浄工程とを同時に行うことを特徴とする液体吐出方法である。
(9) 前記ノズルは、ノズル内径が15μm未満とすることを特徴とする(1)に記載の液体吐出装置である。
(10) 前記ノズルプレートは、ノズルプレートの体積抵抗が1015Ωm以上とすることを特徴とする(1)に記載の液体吐出装置である。
(11) 前記平面状のノズルプレートは、ノズルプレート吐出面からのノズルの突出は30μm以内であることを特徴とする(1)に記載の液体吐出装置である。
上記の手段によれば、ノズルプレートを除電して帯電ムラをなくし、かつノズルプレートを洗浄してノズルプレートに付着した液体やゴミ等の汚れを除去することができる効果を奏する。
また、除電と洗浄とを一つの装置で同時に行うことができるので、除電装置と洗浄装置とを別個に設けたときと比較して装置を簡素化かつ小型化することができる効果を奏する。
また、除電装置は導電性の液体が含浸された除電部材を備えているので、除電部材をノズルプレートに接触させることにより、ノズルプレートに帯電した電荷を導電性の液体に接触させて除電することができる効果を奏する。
また、除電部材は多孔質材料であるので、除電部材とノズルプレートとが接触してもノズルプレートに傷を付けることなく除電することができる効果を奏する。
また、洗浄部材は導電性の液体が含浸された多孔質部材を備えているので、洗浄部材とノズルプレートとが接触してもノズルプレートに傷をつけることなく、また、ノズルプレートに付着した液体やゴミ等の汚れを導電性の液体に溶解または分散させてノズルプレートから除去することができる効果を奏する。
また、ノズル内の液体を帯電するときに、ノズルプレートと対向電極との間に過電流が流れると、その過電流が対向電極に設けられた過電流防止回路や過電流遅延回路に流れ、過電流防止回路に設けられたヒューズが切れたり、過電流遅延回路に設けられた抵抗器に過電流が流れたりする。このため、過電流によるノズルプレートや液体吐出ヘッド、対向電極などの損傷を防止することができる効果を奏する。
また、ノズルプレート全面に接触する除電装置を用いることが可能なので、ノズルプレート全面に除電装置を接触させてノズルプレート全面を除電する除電工程を行うことによって除電工程に要する時間を短縮することができる効果を奏する。
また、除電と洗浄とを一つの工程にて同時に行うので、除電工程と洗浄工程とを別個に設けたときと比較して工程を簡素化することができる効果を奏する。
第1の実施形態に係る液体吐出装置の要部構成を示す斜視図である。 第1の実施形態に係る液体吐出装置の要部断面図である。 図2の液体吐出装置に備わるノズルの変形例を表す断面図である。 ノズルプレートに除電部材が当接した状態を説明する断面図である。 吐出時におけるノズルプレート、液体および対向電極の帯電状態を説明する図である。 液体のメニスカス付近に生じる電界を等電位線で示した図である。 メニスカス先端部の電界強度とノズルプレートの体積抵抗率との関係を示すグラフである。 メニスカス先端部の電界強度とノズルプレートの厚さとの関係を示すグラフである。 メニスカス先端部の電界強度とノズル径との関係を示すグラフである。 メニスカス先端部の電界強度とノズルのテーパ角との関係を示すグラフである。 第1の実施形態の液体吐出装置における各工程の状態を表した説明図である。 第1の実施形態の液体吐出装置における液体吐出ヘッドの駆動制御を説明する図である。 第1の実施形態の液体吐出装置におけるピエゾ素子に印加する駆動電圧の変形例を表す図である。 第2の実施形態に係る液体吐出装置の要部構成を示す斜視図である。 第2の実施形態に係る液体吐出装置の要部断面図である。 (A)ノズルプレートに汚れが付着している状態、(B)吐出面上に汚れが押し広げられた状態、(C)メニスカスを形成できない状態を説明する図である。 吐出孔付近に付着した汚れで等電位線が歪んだ状態を説明する図である。
符号の説明
1 液体吐出装置
3 対向電極
6 液体吐出ヘッド
7 除電装置
71 除電部材
72 除電用駆動源
8 洗浄装置
81 洗浄部材
82 洗浄用駆動源
11 ノズル
12 ノズルプレート
13 吐出面
14 吐出孔
17 帯電用電極
19 静電電圧電源
23 ピエゾ素子
25 制御装置
27 接離装置
32 過電流遅延回路
33 電流リミッター
K 基材
L 液体
以下、本発明に係る液体吐出装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
第1の実施形態では、いわゆるシリアル方式の液体吐出装置について説明する。図1は、本実施形態に係る液体吐出装置の要部構成を示す斜視図である。
液体吐出装置1には、搬送装置2を構成する駆動ローラ2a、ガイドローラ2bおよびテンションローラ2cが主走査方向Xに延在して設けられており、駆動ローラ2a、ガイドローラ2bおよびテンションローラ2cには、基材Kを搬送する搬送装置2を構成する無端状の搬送ベルト2dが架け渡されている。基材Kは、駆動ローラ2aとガイドローラ2bの間の部分から供給され、駆動ローラ2aの駆動により周回運動する搬送ベルト2dによって主走査方向Xと直交する搬送方向Yに搬送されるようになっている。
駆動ローラ2aとガイドローラ2bとの間には、搬送ベルト2dを介して基材Kを下方から支持する平板状の対向電極3が配設されている。
対向電極3の上方には、棒状のガイドレール4が主走査方向Xに延在するように配設されており、ガイドレール4には、キャリッジ5がガイドレール4に沿って主走査方向Xに往復移動自在に支持されている。
キャリッジ5には、基材Kに対してインクを吐出する複数の液体吐出ヘッド6が搭載されている。液体吐出ヘッド6は、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインクに対応して4つまたは8つ備えられている。また、液体吐出ヘッド6には、液体吐出ヘッド6に供給する各色のインクを貯留するための図示しないインクタンクが図示しない供給管を介してそれぞれ接続されている。
対向電極3の主走査方向Xの一端側のメンテナンスポジションには、液体吐出ヘッド6の後述するノズルプレートに帯電した電荷を除電するための除電装置7とノズルプレートを洗浄するための洗浄装置8とが配設されており、液体吐出ヘッド6は、メンテナンス時にガイドレール4に沿って主走査方向Xに移動して除電装置7や洗浄装置8の上方に位置するように構成されている。
次に、液体吐出ヘッド6について説明する。図2は、本実施形態に係る液体吐出装置の全体構成を示す断面図である。なお、図2では、搬送ベルト2dを省略している。
液体吐出ヘッド6のヘッド本体部10の対向電極3に対向する側には、液体Lを液滴Dとして吐出する複数のノズル11を備えた樹脂製のノズルプレート12が設けられている。ヘッド本体部10は、ノズルプレート12の対向電極3に対向する吐出面13からノズル11が突出されない、いわゆるフラットな吐出面13を有するヘッドとして構成されている。
なお、本発明において、フラットなノズルやノズルプレート、液体吐出ヘッドとは、ノズルプレートの吐出面13からのノズルの突出量が30μm以下のものを意味し、後述する洗浄工程の際に破損等の支障を生じることがなく、ノズルの突出が小さく突出による電界集中効果が期待できないものをいう。
各ノズル11は、ノズルプレート12に穿孔されて形成されており、それぞれノズルプレート12の吐出面13に吐出孔14を有する小径部15とその背後に形成されたより大径の大径部16との2段構造になっている。本実施形態では、ノズル11の小径部15および大径部16は、それぞれ断面円形で対向電極側がより小径とされたテーパ状に形成されており、小径部15の吐出孔14のノズル径、すなわち内部直径が10μm、大径部16の小径部15から最も離れた側の開口端の内部直径が75μmとなるように構成されている。
なお、ノズル11の形状は前記の形状に限定されず、例えば図3(A)〜(E)に示す形状でもよい。図3(A)では、ノズル11全体がテーパ状に形成されている。図3(B)では、ノズル11の大径部16がテーパ状に形成されていて、小径部15が内径一定の円筒状に形成されている。図3(C)では、テーパ状の大径部16の先端部の内径が、円筒状の小径部15の内径よりも大きくなるように形成されている。
図3(D)では、ノズル11の内径が一定の円筒状に形成されていて、吐出面13からわずかに突出するように形成されている。図3(E)では、ノズル11全体がテーパ状に形成さていて、吐出面13からわずかに窪むように形成されている。ここで、図3(D)の突出部は、吐出面13から30μm以内の範囲の凸となるように形成されている。また、ノズル11は断面円形状でなくとも、例えば断面多角形状や断面星形状等であってもよい。
ノズルプレート12の吐出面13と反対側の面には、図2に示すように、例えばNiP等の導電素材よりなりノズル11内の液体Lを帯電させるための帯電用電極17がノズルプレート12を介して対向電極3に対向するように層状に設けられている。本実施形態では、帯電用電極17はノズル11の大径部16の内周面18まで延設されており、ノズル11内の液体Lに接するようになっている。
また、帯電用電極17は、ノズル11内の液体Lに静電電圧を印加する静電電圧印加装置としての静電電圧電源19に接続されており、単一の帯電用電極17がすべてのノズル内の液体Lに接触しているため、静電電圧電源19から帯電用電極17に静電電圧が印加されると、全ノズル11の内部の液体Lが同時に帯電され、ヘッド本体部10と対向電極3との間、特に液体Lと基材Kとの間に静電吸引力が発生するようになっている。
帯電用電極17のノズルプレート12と反対側の面には、ボディ層20が設けられている。ボディ層20の前記各ノズル11の大径部16の開口端に面する部分には、それぞれ開口端にほぼ等しい内径を有する略円筒状の空間が形成されており、各空間は、吐出される液体Lを一時的に貯蔵するためのキャビティ21とされている。
ボディ層20の帯電用電極17と反対側の面には可撓性を有する金属薄板やシリコン等よりなる可撓層22が設けられており、可撓層22によりヘッド本体部10と外界とが画されている。
なお、ボディ層20と可撓層22との境界部には、キャビティ21に液体Lを供給するための図示しない流路、具体的には、ボディ層20としてのシリコンプレートをエッチング加工してキャビティ21に連通する共通流路が形成されている。共通流路には、外部の図示しない液体タンクから液体Lを供給する図示しない供給管が接続されており、供給管に設けられた図示しない供給ポンプにより或いは液体タンクの配置位置による差圧により流路やキャビティ21、ノズル11等の液体Lに所定の供給圧力が付与されるようになっている。
可撓層22の外面の各キャビティ21に対応する部分には、それぞれ圧力発生装置としてのピエゾ素子23が設けられており、ピエゾ素子23には、ピエゾ素子23に駆動パルス電圧を印加して変形させるための駆動電圧電源24が接続されている。
ピエゾ素子23は、駆動電圧電源24からの駆動電圧の印加により変形して、ノズル11内の液体Lに圧力を生じさせてノズル11の吐出孔14に液体Lのメニスカスを形成させるようになっている。なお、ノズル11内の液体Lに圧力を生じさせる圧力発生装置としては、本実施形態で用いるピエゾ素子23のような圧電アクチュエータに限らず、例えば静電アクチュエータやサーマル方式等を用いることも可能である。
帯電用電極17に静電電圧を印加する静電電圧電源19および駆動電圧電源24は、それぞれ制御装置25に接続されており、それぞれ制御装置25により制御されるようになっている。
なお、本実施形態では、ヘッド本体部10のノズルプレート12の吐出面13には、吐出孔14からの液体Lの滲み出しを抑制するための撥液層26が、吐出孔14以外の吐出面全面に設けられている。撥液層26は、例えば、液体Lが水性であれば撥水性を有する材料が用いられ、液体Lが油性であれば撥油性を有する材料が用いられるが、一般に、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン)、PTFE(ポリテトラフロロエチレン)、フッ素シロキサン、フルオロアルキルシラン、アモルファスパーフルオロ樹脂等のフッ素樹脂等が用いられることが多く、塗布や蒸着等の方法でノズルプレート12の表面に成膜されている。なお、撥液層26は、ノズルプレート12の吐出面13に直接成膜することが可能であり、又、撥液層26の密着性を向上させるために中間層を介して成膜することも可能である。
液体吐出ヘッド6のヘッド本体部10の下方には、基材Kを支持する平板状の対向電極3がヘッド本体部10の吐出面13に平行に所定距離離間されて配置されている。
本実施形態では、対向電極3は、過電流遅延回路32と電流リミッター33とを介して接地されており、常時接地電位に維持されている。そのため、前記静電電圧電源19から帯電用電極17に静電電圧が印加されると、ノズル11の吐出孔14の液体Lと対向電極3のヘッド本体部10に対向する対向面との間に電界が生じるようになっている。ヘッド本体部10と対向電極3との間に過電流が流れると、過電流遅延回路32は過電流の伝達を遅延させるようになっており、また、電流リミッターは過電流を検出するようになっている。これにより、ヘッド本体部10と対向電極3との間に発生するショートやスパークによるヘッド本体部10の破損を防止することができる。ここで、過電流遅延回路32として抵抗器を用いることが可能であり、また、電流リミッター33としてヒューズを用いることが可能である。また、帯電した液滴Dが基材Kに着弾すると、対向電極3は液滴Dの電荷を接地により逃がすようになっている。
ここで、液体吐出装置1による吐出を行う液体Lについて説明する。本実施形態では、基材Kに対して画像記録を行うために液体Lは画像記録用のインクであり、例えば、水52重量%、エチレングリコール22重量%、プロピレングリコール22重量%、界面活性剤1重量%および色剤成分としてClアシッドレッド1を3重量%含有するインクが用いられる。
この液体Lは、このようなインクに限定されず、種々の液体Lを用いることが可能である。吐出される液体Lは、例えば、無機溶液としては、水、COCl2,HBr,HNO3,H3PO4,H2SO4,SOCl2,SO2Cl2,FSO3H等を用いることができる。
また、有機液体としては、メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、tert−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、ベンジルアルコール、α−テルピネオール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのアルコール類;フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾールなどのフェノール類;ジオキサン、フルフラール、エチレングリコールジメチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、エピクロロヒドリンなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−4−ペンタノン、アセトフェノンなどのケトン類;ギ酸、酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸などの脂肪酸類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−3−メトキシブチル、酢酸−n−ペンチル、プロピオン酸エチル、乳酸エチル、安息香酸メチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、セロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、アセト酢酸エチル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチルなどのエステル類;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、o−トルイジン、p−トルイジン、ピペリジン、ピリジン、α−ピコリン、2,6−ルチジン、キノリン、プロピレンジアミン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N,N',N'−テトラメチル尿素、N−メチルピロリドンなどの含窒素化合物類;ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含硫黄化合物類;ベンゼン、p−シメン、ナフタレン、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキセンなどの炭化水素類;1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン(cis−)、テトラクロロエチレン、2−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、ブロモメタン、トリブロモメタン、1−ブロモプロパンなどのハロゲン化炭化水素類等を用いることができる。また、上記各液体を二種以上混合して用いることも可能である。
さらに、高電気伝導率の物質(銀粉等)が多く含まれるような導電性ペーストを液体Lとして使用し、吐出を行う場合には、前述した液体Lに溶解または分散させる目的物質としては、ノズルで目詰まりを発生するような粗大粒子を除けば、特に制限されない。
PDP、CRT、FEDなどの蛍光体としては、従来より知られているものを特に制限することなく用いることができる。例えば、赤色蛍光体として、(Y,Gd)BO3:Eu、YO3:Euなど、緑色蛍光体として、Zn2SiO4:Mn、BaAl1219:Mn、(Ba,Sr,Mg)O・α−Al23:Mnなど、青色蛍光体として、BaMgAl1423:Eu、BaMgAl1017:Eu等を用いることができる。
上記の目的物質を基材上に強固に接着させるために、各種バインダーを添加するのが好ましい。用いられるバインダーとしては、例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロースおよびその誘導体;アルキッド樹脂;ポリメタクリタクリル酸、ポリメチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート・メタクリル酸共重合体、ラウリルメタクリレート・2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体などの(メタ)アクリル樹脂およびその金属塩;ポリN−イソプロピルアクリルアミド、ポリN,N−ジメチルアクリルアミドなどのポリ(メタ)アクリルアミド樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、スチレン・マレイン酸共重合体、スチレン・イソプレン共重合体などのスチレン系樹脂;スチレン・n−ブチルメタクリレート共重合体などのスチレン・アクリル樹脂;飽和、不飽和の各種ポリエステル樹脂;ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン化ポリマー;ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体などのビニル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;エポキシ系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタールなどのポリアセタール樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合樹脂などのポリエチレン系樹脂;ベンゾグアナミンなどのアミド樹脂;尿素樹脂;メラミン樹脂;ポリビニルアルコール樹脂およびそのアニオンカチオン変性;ポリビニルピロリドンおよびその共重合体;ポリエチレンオキサイド、カルボキシル化ポリエチレンオキサイドなどのアルキレンオキシド単独重合体、共重合体および架橋体;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール;ポリエーテルポリオール;SBR、NBRラテックス;デキストリン;アルギン酸ナトリウム;ゼラチンおよびその誘導体、カゼイン、トロロアオイ、トラガントガム、プルラン、アラビアゴム、ローカストビーンガム、グアガム、ペクチン、カラギニン、にかわ、アルブミン、各種澱粉類、コーンスターチ、こんにゃく、ふのり、寒天、大豆蛋白などの天然或いは半合成樹脂;テルペン樹脂;ケトン樹脂;ロジンおよびロジンエステル;ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンイミン、ポリスチレンスルフォン酸、ポリビニルスルフォン酸などを用いることができる。これらの樹脂は、ホモポリマーとしてだけでなく、相溶する範囲でブレンドして用いることも可能である。
液体吐出装置1をパターンニング手段として使用する場合には、代表的なものとしてディスプレイを製造するときに用いることができる。具体的には、プラズマディスプレイの蛍光体の形成、プラズマディスプレイのリブの形成、プラズマディスプレイの電極の形成、CRTの蛍光体の形成、FED(フィールドエミッション型ディスプレイ)の蛍光体の形成、FEDのリブの形成、液晶ディスプレイ用カラーフィルター(RGB着色層、ブラックマトリクス層)、液晶ディスプレイ用スペーサー(ブラックマトリクスに対応したパターン、ドットパターン等)等に用いることができる。
なお、リブとは一般的に障壁を意味し、プラズマディスプレイを例に取ると各色のプラズマ領域を分離するために用いられる。その他の用途としては、マイクロレンズ、半導体用途として磁性体、強誘電体、導電性ペースト(配線、アンテナ)などのパターンニング塗布、グラフィック用途としては、通常印刷、特殊媒体(フィルム、布、鋼板など)への印刷、曲面印刷、各種印刷版の刷版、加工用途としては粘着材、封止材などの本発明を用いた塗布、バイオ、医療用途としては医薬品(微量の成分を複数混合するような)、遺伝子診断用試料等の塗布等が挙げられる。
液体吐出装置1には、ノズルプレート12および対向電極3の少なくとも一方を吐出面13に対して直交する図1に矢印Zで示される方向に移動させることでノズルプレート12および対向電極3を相対的に接離させる接離装置27が設けられている。
この接離装置27には、周知の移動機構が適用されており、その駆動源である接離用駆動源28は制御装置25に電気的に接続され、制御装置25の制御に基づいて駆動するようになっている。
前述したメンテナンスポジションの除電装置7には、除電部材71と駆動源である除電用駆動源72とが設けられており、除電用駆動源72の駆動により図4に示すように除電部材71がノズルプレート12の吐出面13の面全体に当接するようになっている。除電装置7の除電用駆動源72は制御装置25に電気的に接続され、制御装置25の制御に基づいて駆動するようになっている。
本実施形態では、除電部材71は、導電性を有する液体である水が含浸されたスポンジ状の連続気泡を有する樹脂製の多孔質材料で平板状に形成されている。また、除電部材71は接地されている。なお、除電部材71を導電性を有する多孔質材料で構成することも可能であり、孔を有しない金属板等の導電性の板状部材とすることも可能である。
また、除電部材71に含浸するのは水に限らず、界面活性剤を含む水や、導電性の有機溶剤、そして水、界面活性剤、導電性の有機溶剤を含む液体を用いることが可能である。導電性の有機溶剤の例としては、エタノール、メタノール、アセトン、N-メチル−2−ピロリドン等を用いることができる。
また、前述したメンテナンスポジションの洗浄装置8には、洗浄部材81と駆動源である洗浄用駆動源82とが設けられており、洗浄用駆動源82の駆動により洗浄部材81がノズルプレートの12の吐出面に接触して相対的に移動して前記吐出面を洗浄するようになっている。洗浄装置8の洗浄用駆動源82には駆動するようになっている。
本実施形態では、洗浄部材81として、可撓性を有し先端が吐出面に接触するブレードが用いられている。また、洗浄用駆動源82は、洗浄部材81の先端が吐出面に接触させた状態で吐出面全面と接触するように、洗浄部材81を吐出面に沿わせながら相対的に移動させるようになっている。洗浄用駆動源82は、制御装置25に電気的に接続され、制御装置25の制御に基づいて駆動するようになっている。
制御装置25は、本実施形態では、CPU29やROM30,RAM31等が図示しないバスにより接続されて構成されたコンピュータからなっており、CPU29は、ROM30に格納された電源制御プログラムに基づいて前述したように静電電圧印加装置としての静電電圧電源19およびピエゾ素子23を変形させるための駆動電圧電源24を駆動させてノズル11の吐出孔14から液体Lを吐出させるようになっている。
また、制御装置25は、接離装置27の接離用駆動源28や除電装置7の除電用駆動源72を駆動するようになっており、除電用駆動源72を駆動させて除電部材71をノズルプレート12に当接させてノズルプレート12を除電する。
図示を省略するが、制御装置25には、この他にも、キャリッジ6を主走査方向に往復移動させるためのモータや搬送装置2の駆動ローラ2aを回転駆動するモータが電気的に接続されており、制御装置25は、それらの駆動を制御するようになっている。
また、本実施形態では、制御装置25は、液体吐出ヘッド6のノズル11の吐出不良を検知するノズル欠検知として、基材Kに対して液体を吐出して実際にプリントして目視によりノズル欠検知を行うようになっているが、この他にも、例えばメンテナンスポジションに液体受けとLED等を備える光センサとを設けておき、液体吐出ヘッド6のノズル11から液体を吐出させて正常に吐出されているか否かを光センサで検出してノズル欠検知を行うように構成することも可能である。
ここで、本実施形態の液体吐出装置1における帯電用電極−対向電極間、すなわちノズル内の液体−対向電極間に印加される静電電圧Vについて説明する。これについては前記特許文献1に詳述されている。
ノズル11の直径をd[m]とした場合に、本発明では、従来吐出不可能とされていた下記(1)式により定まる領域の液滴の吐出を行う。
ここでλCは静電吸引力によりノズル先端部からの液滴の吐出を可能とするための溶液液面における成長波長[m]である。λCはλC=2πγh2/ε02で求められるから、
が成り立ち、これを変形すると、静電電圧V[V]は、
の関係を満たす。ここで、γは液体Lの表面張力[N/m],ε0は真空の誘電率[F/m],hはノズル−基材間距離[m]である。
一方、直径dのノズルに導電性溶液を注入し、基材としての無限平板導体からhの高さに垂直に位置させたと仮定した場合、ノズル先端部に誘起される電荷は、ノズル先端の半球部に集中すると仮定して、以下の式で近似的に表される。
ここで、Qはノズル先端部に誘起される電荷[C],αはノズル形状などに依存する比例定数で1〜1.5程度の値を取り、特にd≪hのときほぼ1程度となる。
また、基材としての基板が導体基板の場合、基板内の対称位置に反対の符号を持つ鏡像電荷Q’が誘導されると考えられる。基板が絶縁体の場合は、誘電率によって定まる対称位置に同様に反対符号の映像電荷Q’が誘導される。
ところで、ノズル先端部に於ける凸状メニスカスの先端部の電界強度Eloc[V/m]は、凸状メニスカス先端部の曲率半径をR[m]と仮定すると、
で与えられる。ここでkは比例定数で、ノズル形状などにより1.5〜8.5程度の値をとり、多くの場合5程度と考えられる。(P. J. Birdseye and D. A. Smith, Surface Science, 23 (1970) 198-210参照)。
いま簡単のため、d/2=Rとする。これは、ノズル先端部に表面張力で導電性溶液がノズルの半径と同じ半径を持つ半球形状に盛り上がっている状態に相当する。ここで、ノズル先端の液体に働く圧力のバランスを考える。まず、静電的な圧力は、ノズル先端部の液面積をS[m2]とすると、
前記(4),(5),(6)式よりα=1とおいて、
と表される。
一方、ノズル先端部に於ける液体の表面張力をPsとすると、下記(8)式が成り立つ。
静電的な力により液体Lの吐出が起こる条件は、静電的な力が表面張力を上回る条件なので、
となり、十分に小さいノズル直径dを用いることで、静電的な圧力が、表面張力を上回らせることが可能である。
この関係式より、Vとdとの関係を求めると、
が吐出の最低電圧を与える。すなわち、前記(3)式および(10)式より、
が、本発明の動作電圧となる。
次に、本実施形態に係る液体吐出装置1から液体が吐出されるメカニズムについて説明する。
本実施形態では、図2および図5に示したように、駆動電圧電源24からピエゾ素子23に駆動電圧を印加してピエゾ素子23を変形させ、それにより液体Lに生じた圧力でノズル11の吐出孔14に液体Lのメニスカスを形成させ、静電電圧電源19から帯電用電極17に静電電圧を印加してノズル11の吐出孔14のメニスカスと対向電極3のヘッド本体部10に対向する対向面との間に電界を生じさせる。
このようにして液体Lのメニスカスを静電吸引力により液滴化して対向電極3に向けて吐出する。なお、吐出の際、ノズル11の内周部分やノズル11内の液体L、メニスカス、ノズルプレート12の吐出面13、対向電極3等は図5に示したように帯電している。
具体的には、本実施形態ではノズルプレート12の体積抵抗率が1015Ωm以上とされているため、ノズルプレート12の内部には、図6にシミュレーションによる等電位線で示すように吐出面13に対して略垂直方向に等電位線が並び、ノズル11の小径部15の液体Lや液体Lのメニスカス部分に向かう強い電界が発生する。
特に、図6でメニスカスの先端部で等電位線が密になっていることから分かるように、メニスカス先端部では非常に強い電界集中が生じる。そのため、電界の静電力によってメニスカスが引きちぎられてノズル内の液体Lから分離されて液滴Dとなる。さらに、液滴Dは静電力により加速され、対向電極3に支持された基材Kに引き寄せられて着弾する。その際、液滴Dは、静電力の作用でより近い所に着弾しようとするため、基材Kに対する着弾の際の角度等が安定し正確に行われる。
このように、本発明の液体吐出ヘッド6における液体Lの吐出原理を利用すれば、フラットな吐出面13を有する液体吐出ヘッド6においても、高い絶縁性を有するノズルプレート12を用いて吐出面13に対して垂直方向の電位差を発生させることで強い電界集中を生じさせることができ、正確で安定した液体Lの吐出状態を形成することができる。
発明者らが、電極間の電界の電界強度が実用的な値である1.5kV/mmとなるように構成し、各種の絶縁体でノズルプレート12を形成して下記の実験条件に基づいて行った実験では、ノズル11から液滴Dが吐出される場合と吐出されない場合があった。
[実験条件]
ノズルプレート12の吐出面13と対向電極3の対向面との距離:1.0mmノズルプレート12の厚さ:125μmノズル径:10μm
静電電圧:1.5kV
駆動電圧:20V
この実機による実験で、液滴Dがノズル11から安定に吐出されたすべての場合について、メニスカス先端部の電界強度を求めた。実際には、メニスカス先端部の電界強度を直接測定することが困難であるため、電界シミュレーションソフトである「PHOTO−VOLT」(商品名、株式会社フォトン製)で電流分布解析モードによるシミュレーションにより算出した。その結果、すべての場合においてメニスカス先端部の電界強度は1.5×107V/m(15kV/mm)以上であった。
また、前記実験条件と同様のパラメータを同ソフトに入力してメニスカス先端部の電界強度を演算した結果、図7に示すように、電界強度はノズルプレート12に用いる絶縁体の体積抵抗率に強く依存することが分かった。
図7は、ノズルプレート12に用いる絶縁体の体積抵抗率を1014Ωmから1018Ωmと置いた場合、静電電圧を印加開始し始めて後、メニスカス先端部の電界強度が変化していく様子を計算している。この計算においては空気の体積抵抗率を設定する必要があり1020Ωmとしている。図7よりノズルプレート11に用いる絶縁体のイオン分極によりその体積抵抗率が1014Ωmの場合は静電電圧を印加開始し始めて100秒後にはメニスカス先端部の電界強度が大きく低下する。この静電電圧の印加開始からメニスカス先端部の電界強度が低下し始めるまでの時間は空気の体積抵抗率とノズルプレート12に用いる絶縁体の体積抵抗率の比で決まるためノズルプレート12に用いる絶縁体の体積抵抗率が大きいほどメニスカス先端部の電界強度が低下し始める時間が遅くなる。つまり必要な電界強度が得られる時間が長くなり有利である。
文献等では絶縁体または誘電体とされる物質の体積抵抗率は1010Ωm以上のものを指すことが多く、代表的な絶縁体として知られているボロシリケイトガラス(例えば、PYREX(登録商標)ガラス)の体積抵抗率は1014Ωmである。
しかし、このような体積抵抗率の絶縁体では、液滴Dは吐出するための静電吸引力が弱い。これは、射出有無の評価中、又は評価する前に電界強度が低下してしまい必要な電界強度が得られなくなった為と推定される。なお、射出評価に要した時間および観察時間から空気の体積抵抗率を1020Ωmとした場合が実験結果と合致した。
一旦、メニスカス先端部の電界強度が低下した後は、ノズルプレート12に用いる絶縁体のイオン分極を除電し、初期状態に戻す必要がある。
前記のように、ノズル11から液滴Dを安定に吐出させるためにはメニスカス先端部の電界強度が1.5×107V/m以上であることが必要であり、図7からノズルプレート12の体積抵抗率は少なくとも1000秒のメニスカス先端部の電界強度が維持できる1015Ωm以上が好ましいことが分かり実験上も同様の結果であった。ただし、本発明において限定されるものではない。
ノズルプレート12の体積抵抗率とメニスカス先端部の電界強度との関係が図7のような特徴的な関係になるのは、ノズルプレート12の体積抵抗率が低いと、静電電圧を印加してもノズルプレート内で等電位線が図6に示したように吐出面13に対して略垂直方向に並ぶような状態にはならず、ノズル内の液体Lおよび液体Lのメニスカスへの電界集中が十分に行われないためであると考えられる。
理論上、体積抵抗率が1015Ωm未満のノズルプレート12でも、静電電圧を非常に大きくすればノズル11から液滴Dが吐出される可能性はあるが、電極間でのスパークの発生等により基材Kが損傷される可能性があるため、体積抵抗率が1015Ωm以上のノズルプレート採用が好ましい。
なお、図7に示したようなメニスカス先端部の電界強度のノズルプレート12の体積抵抗率に対する特徴的な依存関係は、ノズル径を種々に変化させてシミュレーションを行った場合でも同様に得られており、どの場合も体積抵抗率が1015Ωm以上の場合にメニスカス先端部の電界強度が1.5×107V/m以上になることが分かっている。また、前記実験条件中のノズルプレート12の厚さとは、本実施形態の場合は、ノズル11の小径部15の長さと大径部16の長さの和に等しい。
一方、体積抵抗率が1015Ωm以上の絶縁体を用いてノズルプレート12を作製しても、ノズル11から液滴Dが吐出されない場合がある。本発明者らの実験によれば、液体Lとして水などの導電性溶媒を含有する液体を用いた実験では、ノズルプレート12の液体の吸収率が0.6%以下であることが必要であることが分かった。
これは、ノズルプレート12が液体L中から導電性溶媒を吸収すると導電性の液体である水分子等の分子が本体絶縁性であるノズルプレート12内に存在することになるため、結果的にノズルプレート12の電気伝導度が高くなり、特に液体Lに接する局部の実効的な体積抵抗率の値が低下し、図7に示す関係に従ってメニスカス先端部の電界強度が弱まり、液体Lの吐出に必要な電界集中が得られなくなるためと考えられる。
一方、同実験によれば、液体Lとして導電性溶媒を含まない絶縁性溶媒に帯電可能な粒子を分散した液体を用いた場合には、ノズルプレート12は、その液体に対する吸収率に係わりなく体積抵抗率が1015Ωm以上であれば液体Lを吐出することが分かった。これは、絶縁性溶媒がノズルプレート12内に吸収されても絶縁性溶媒の電気伝導度が低いためノズルプレート12の電気伝導度が大きく変化せず、実効的な体積抵抗率が低下しないためであると考えられる。
なお、前記絶縁性溶媒に分散されている帯電可能な粒子は、例えば、電気伝導度が極めて大きな金属粒子であってもノズルプレート12には吸収されないため、ノズルプレート12の電気伝導度を高めることはない。なお、前記絶縁性溶媒とは、単体では静電吸引力により吐出されない溶媒をいい、具体的には、例えば、キシレンやトルエン、テトラデカン等が挙げられる。また、導電性溶媒とは、電気伝導度が10-10S/cm以上の溶媒をいう。
また、前記シミュレーションにおいて、ノズルプレート12の厚さを変化させた場合およびノズル径を変化させた場合のメニスカス先端部の電界強度を、図8および図9にそれぞれ示す。この結果から、メニスカス先端部の電界強度は、ノズルプレート12の厚さおよびノズル径にも依存し、それぞれ75μm以上および15μm以下であることが好ましい。なお、ノズルプレート12の厚さおよびノズル径の前記適正範囲は実機による実験でも確認されている。
メニスカス先端部の電界強度がノズルプレート12の厚さに依存する理由としては、ノズルプレート12の厚さがより厚くなることで、ノズル11の吐出孔14と帯電用電極17との距離が遠くなり、ノズルプレート内の等電位線が略垂直方向に並び易くなるためメニスカス先端部への電界集中が生じ易くなることが考えられる。
また、ノズル径が小径になることで、メニスカスの径が小さくなり、より小径となったメニスカス先端部に電界が集中することで電界集中の度合が大きくなる。そのため、メニスカス先端部の電界強度が強くなると考えられる。
なお、図8に示したノズルプレート12の厚さとメニスカス先端部の電界強度との関係および図9に示したノズル径とメニスカス先端部の電界強度との関係は、本実施形態のような小径部15および大径部16よりなる2段構造のノズル11の場合のみならず、1段構造、すなわち、単純なテーパ状のノズルや円筒状のノズル、或いは多段構造のノズルの場合もほぼ同じシミュレーション結果が得られている。
さらに、前記シミュレーションにおいて、小径部15および大径部16の区別がないテーパ状または円筒状の1段構造のノズル11において、ノズル11のテーパ角を変化させた場合のメニスカス先端部の電界強度の変化を図10に示す。この結果から、メニスカス先端部の電界強度は、ノズル11のテーパ角に依存することが分かる。ノズル11のテーパ角は30°以下であることが好ましい。なお、テーパ角とはノズル11の内面とノズルプレート12の吐出面13とのなす角のことをいい、テーパ角が0°の場合はノズル11が円筒形状であることに対応する。
次に、本実施形態に係る液体吐出装置1を用いた液体吐出方法について説明する。
先ず、待機時においては、制御装置25は、ノズルプレート12と対向電極3との間隔dが1mmとなるように接離装置27の接離用駆動源28を制御している(図11(a))。
液体吐出工程について図12を参照して説明する。
まず、液体吐出ヘッド6の各ノズル11には常時一定の静電電圧VCが印加されていると、ノズル11の吐出孔14の液体Lと対向電極3の対向面との間に定常的な電界が生じる。
制御装置25は、図12に示すように、液体Lを吐出させるべきノズル11ごとに、そのノズル11に対応する駆動電圧電源24からピエゾ素子23に対して電圧値VDを有するパルス状の駆動電圧を印加させる。
このような駆動電圧が印加されると、ピエゾ素子23が変形して、ノズル内部の液体Lの圧力を上げる。そのため、ノズル11の吐出孔14では、図12中のAの状態から液体Lのメニスカスが隆起し始め、Bのようにメニスカスが隆起した状態となる。
すると、前述したようにメニスカス先端部に高度な電界集中が生じて電界強度が非常に強くなり、メニスカスに対して静電電圧VCにより形成された定常的な電界から強い静電力が加わる。この強い静電力による吸引とピエゾ素子23による圧力、及び液体Lの表面張力とにより図12中のCのようにメニスカスが引きちぎられて液滴Dが形成される。液滴Dは、定常的な電界で加速されて対向電極方向に吸引され、対向電極3に支持された基材Kに着弾する。
その際、液滴Dには空気の抵抗等が加わるが、静電力の作用で液滴Dはより近い所に着弾しようとするため、基材Kに対する着弾方向がぶれることなく安定し、基材Kに正確に着弾する。
本実施形態では、静電電圧電源17から帯電用電極16に印加される一定の静電電圧VCは1.5kVに設定されており、駆動電圧電源24からピエゾ素子23に印加されるパルス状の電圧の電圧値はVD=20Vに設定されている。
なお、ピエゾ素子23に印加する駆動電圧VDとしては本実施形態のようにパルス状の電圧とすることも可能であるが、この他にも例えば電圧が漸増した後漸減するいわば三角状の電圧や、電圧が漸増した後一旦一定値を保ちその後漸減する台形状の電圧、或いはサイン波の電圧を印加するように構成することも可能である。また図13(A)に示すように、ピエゾ素子23に定常電圧VDを印加しておいて一旦切り、再度電圧VDを印加して、その立ち上がり時に液滴Dを吐出させるようにしてもよい。また、図13(B)、(C)に示すような種々の駆動電圧VDを印可してもよい。
また、本実施形態では、ピエゾ素子23の変形により形成されたメニスカスを静電吸引力で分離して液滴化し、静電電圧VCによる定常的な電界で加速して基材Kに着弾させる構成としているが、この他にも、例えば、ピエゾ素子23の変形による圧力のみで液体Lが液滴化する程度の強い駆動電圧を印加することも可能である。
前述したように、ノズル11からの液体Lの吐出の際、ノズル11の内周部分やノズル11内の液体L、メニスカス、ノズルプレート12の吐出面13、対向電極3等は図5に示したように帯電している。メンテナンス時には、その帯電を的確に除電しないと、例えば図16に示したようにノズル11の吐出孔部分にメニスカスが形成できなくなり液体Lを吐出できなくなる等の不具合が生じる。
本実施形態では、メンテナンス時には、まず、基材Kに対して液体を吐出して実際にプリントを行い、オペレータが目視によりノズル欠検知を行う。そして、液体吐出ヘッド6のクリーニング等のメンテナンスが必要であると判断すると、オペレータの指示により制御装置25からキャリッジ5をガイドレール4に沿って主走査方向に移動させるモータに駆動制御信号が送信され、キャリッジ5がメンテナンスポジションに搬送され、キャリッジ5に搭載されている液体吐出ヘッド6が除電装置7の上方に位置される。
同時に制御装置25は、駆動電圧電源24を制御してピエゾ素子23に対する印加を停止させる。その後制御装置25は、接離用駆動源28を制御して、間隔dを1mmから、除電部材71が吐出面13と当接でき、また、洗浄部材81が吐出面全面をワイプできる間隔まで広げている。
間隔dが広げられると、制御装置25は除電装置7の除電用駆動源72を駆動して図4に示したように除電部材71を液体吐出ヘッド6のノズルプレート12の吐出面13に当接する。除電部材71は平板状に形成されているから、ノズルプレート12の吐出面13の面全体に当接する状態となる。
その際、除電部材71は、導電性の水が含浸されたスポンジ状の連続気泡を有する多孔質材料で形成されていたり、導電性を有する多孔質材料で構成されていたり、或いは金属板等の導電性の板状部材で構成されているので、図5や図16に示したノズルプレート12に帯電している電荷やノズルプレート12の吐出面13に付着した液体Lやゴミに帯電している電荷が除電部材71や除電部材71に含浸されている水を伝って除去され、ノズルプレート12が除電される。
続いて、制御装置25は、洗浄部材81の先端が吐出面に接触した状態で吐出面全面をワイプするように洗浄用駆動源82を制御する(洗浄工程:図11(d))。これにより、吐出面に付着した液体が洗浄部材81によって除去されることになる。
洗浄工程が完了すると、制御装置25は、接離用駆動源28を制御して間隔dを1mmに狭め、液体吐出ヘッド6が搭載されたキャリッジ5をガイドレール4に添ってメンテナンスポジションから対向電極3の上方に移動させ、静電電圧電源19を制御して静電電圧電源19から静電電圧Vcを印加させる(図11(f))。
静電電圧を印加しているときにノズルプレート12から対向電極3に過電流が流れると、過電流遅延回路32により過電流の伝達が遅延され、また、電流リミッター33によりその過電流を検出される。
以上のように、本実施形態にかかる液体吐出装置1によれば、除電部材71によりノズルプレート12の吐出面13全体を短時間に確実に除電することができるので、その後洗浄部材81によりノズルプレート12に付着した液体やゴミ等の汚れを広げることなく除去することができる。
また、本実施例では除電部材81としてブレードを用いた例を示したが、これに限定されず、導電性を有する液体である水が含浸されたスポンジ状の連続気泡を有する樹脂製の多孔質材料で球状に形成されているものを備えるようにしても良い。導電性を有する液体である水が含浸されたスポンジ状の連続気泡を有する樹脂製の多孔質材料で球状に形成されたものを用いるときは、洗浄部材81は吐出面13に付着した液体Lやゴミを溶解、分散させて吐出面から除去することが可能となり、吐出面13のクリーニングを行うことができる。
さらに、本実施例では、シリアル方式の液体吐出装置についての例を示したが、これに限定されず、液体吐出ヘッドと対向電極とを図2に示したZ方向に離間させ、除電装置の除電部材を液体吐出ヘッドと対向電極との間に挿入し、除電部材をノズルプレートの吐出面に当接するようにすることで、ライン方式の液体吐出装置に用いるようにしても良い。
[第2の実施の形態]
続いて、図14、図15を参照しながら、本発明にかかる液体吐出装置の第2の実施形態について説明する。
ただし、第2の実施形態では、上記第1の実施形態における除電装置と洗浄装置とが一体になった除電洗浄装置(図14、図15参照)が設けられている点が異なっており、除電洗浄装置以外の構成は上記第1の実施形態と同様である。
第2の実施形態では、除電洗浄装置を中心とした説明を行い、上記第1の実施形態と同様の構成には上記と同様の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
液体吐出装置1は、図14に示すように、搬送ベルト2dを介して基材Kを下方から支持する平板状の対向電極3が駆動ローラ2aとガイドローラ2bとの間に配設されている。対向電極3の主走査方向Xの一端側のメンテナンスポジションには、液体吐出ヘッド6の後述するノズルプレートに帯電した電荷の除電とノズルプレートの洗浄とを行う除電洗浄装置34が配設されており、液体吐出ヘッド6は、メンテナンス時にガイドレール4に沿って主走査方向Xに移動して除電洗浄装置34の上方に位置するように構成されている。
また、図15に示すように、前述したメンテナンスポジションの除電洗浄装置34には、除電洗浄部材35と駆動源である除電洗浄用駆動源36とが設けられており、除電洗浄用駆動源36の駆動により除電洗浄部材35がノズルプレートの12の吐出面に接触して相対的に移動して前記吐出面を除電かつ洗浄をするようになっている。
本実施形態では、除電洗浄部材35として、導電性を有する液体である水が含浸されたスポンジ状の連続気泡を有する樹脂製の多孔質材料で球状に形成されているものが用いられている。導電性を有する液体である水が含浸されたスポンジ状の連続気泡を有する樹脂製の多孔質材料で球状に形成されたものを用いるときは、除電洗浄部材35は吐出面13に帯電した電荷を除去すると共に、吐出面13に付着した液体Lやゴミを溶解、分散させて吐出面から除去することが可能となり、吐出面13の除電と洗浄とを行うことができる。また、これにより後述する帯電の際に吐出面13に付着した液体Lが均一な帯電を妨害することを防止することが可能となる。
また、除電洗浄用駆動源36は、除電洗浄部材35が吐出面に接触させた状態で吐出面13全面と接触するように、洗浄部材81を吐出面に沿わせながら相対的に移動させるようになっている。洗浄用駆動源82は、制御装置25に電気的に接続され、制御装置25の制御に基づいて駆動するようになっている。
制御装置25は、除電洗浄装置34の除電洗浄用駆動源36を駆動するようになっており、除電洗浄用駆動源36を駆動させて除電洗浄部材35をノズルプレート12に当接させてノズルプレート12を除電かつ洗浄し、その後接離用駆動源28を駆動させてノズルプレート12を帯電させるようになっている。
次に、本実施形態に係る液体吐出装置1を用いた液体吐出方法について説明する。
本実施形態では、図15および図5に示したように、駆動電圧電源24からピエゾ素子23に駆動電圧を印加してピエゾ素子23を変形させ、それにより液体Lに生じた圧力でノズル11の吐出孔14に液体Lのメニスカスを形成させ、静電電圧電源19から帯電用電極17に静電電圧を印加してノズル11の吐出孔14のメニスカスと対向電極3のヘッド本体部10に対向する対向面との間に電界を生じさせる。
そして、液体Lのメニスカスを静電吸引力により液滴化して対向電極3に向けて吐出する。なお、吐出の際、ノズル11の内周部分やノズル11内の液体L、メニスカス、ノズルプレート12の吐出面13、対向電極3等は図5に示したように帯電している。
本実施形態では、メンテナンス時には、制御装置25がキャリッジ5をガイドレール4に沿って主走査方向Xに移動させてメンテナンスポジションに搬送し、キャリッジ5に搭載されている液体吐出ヘッド6が除電洗浄装置34の上方に位置される。
同時に制御装置25は、駆動電圧電源24を制御してピエゾ素子23に対する印加を停止させる。その後制御装置25は、接離用駆動源28を制御して、間隔dを1mmから、除電部材71が吐出面13と当接でき、また、除電洗浄部材35が吐出面全面と接触できる間隔まで広げる。
間隔dが広げられると、制御装置25は、除電洗浄部材35の先端が吐出面13に接触した状態で吐出面13全面と接触するように除電洗浄用駆動源36を制御する。これにより、ノズルプレート12に帯電している電荷やノズルプレート12の吐出面13に付着した液体Lやゴミに帯電している電荷が除電洗浄部材35に含浸されている水により除電され、同時に吐出面13に付着した液体Lやゴミが除電洗浄部材35によって除去される。
除電洗浄工程が完了すると、制御装置25は、液体吐出ヘッド6が搭載されたキャリッジ5をガイドレール4に沿ってメンテナンスポジションから対向電極3の上方に移動させる。制御装置25は、ノズルプレート12に電荷を帯電するために、接離用駆動源28を制御して、間隔dを1mmまで狭め、この状態で静電電圧電源19を制御して、静電電圧電源19から帯電用電極17に一定の静電電圧VCを印加させる。
以上のように、本実施形態にかかる液体吐出装置1によれば、除電洗浄部材35によりノズルプレート12の吐出面13全体を短時間に確実に除電し、かつ同時にノズルプレート12に付着した液体やゴミ等の汚れを広げることなく除去することができる。そして、ノズルプレート12を均一に帯電することができるので、液体吐出時にはノズル11の吐出孔14部分に液体Lのメニスカスを適正に形成させて電界集中を生じさせることができ、適正に液体を吐出させることが可能となる。

Claims (11)

  1. 対向電極と、
    前記対向電極に対向して設けられ、液体を吐出するノズルを備えた平面状のノズルプレートとを備えた液体吐出ヘッドを用いる液体吐出装置において、
    対向電極と前記ノズル内の液体に電圧を印加する電圧印加装置と
    前記ノズルプレートに帯電した電荷を除電する除電装置と、
    前記ノズルプレートを洗浄する洗浄装置と、
    前記除電装置と前記洗浄装置とを制御する制御装置とを備えたことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記制御装置は、前記除電装置の動作と前記洗浄装置の動作とを同時に行うように制御することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の液体吐出装置。
  3. 前記除電装置は、導電性の液体が含浸された除電部材を備えたことを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載の液体吐出装置。
  4. 前記除電部材は、多孔質部材であることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記洗浄装置は、導電性の液体が含浸された多孔質部材を備えたことを特徴とする請求の範囲第1項から請求の範囲第4項のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記対向電極は、過電流防止回路又は過電流遅延回路のいずれかを備えたことを特徴とする請求の範囲第1項から請求の範囲第5項のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  7. 静電吸引方式ヘッド上に対向電極に対向して設けられた、平面状のノズルプレートに備えられたノズルから液体を吐出する液体吐出方法において、
    対向電極と前記ノズル内の液体に電圧を印加する電圧印加工程と
    前記ノズルプレートに帯電した電荷を除電する除電工程と、
    前記除電工程後に前記ノズルプレートを洗浄する洗浄工程と、
    を行うことを特徴とする液体吐出方法。
  8. 静電吸引方式ヘッド上に対向電極に対向して設けられた平面状のノズルプレートに備えられたノズルから液体を吐出する液体吐出方法において、
    対向電極と前記ノズル内の液体に電圧を印加する電圧印加工程と
    前記ノズルプレートに帯電した電荷を除電する除電工程と、
    前記除電工程と前記ノズルプレートを洗浄する洗浄工程とを有し、前記除電工程と前記洗浄工程とを同時に行うことを特徴とする液体吐出方法。
  9. 前記ノズルは、ノズル内径が15μm未満とすることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の液体吐出装置。
  10. 前記ノズルプレートは、ノズルプレートの体積抵抗率が1015Ωm以上とすることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の液体吐出装置。
  11. 前記平面状のノズルプレートは、ノズルプレート吐出面からのノズルの突出は30μm以内であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の液体吐出装置。
JP2007518913A 2005-06-03 2006-05-22 液体吐出装置及び液体吐出方法 Pending JPWO2006129505A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005164337 2005-06-03
JP2005164337 2005-06-03
PCT/JP2006/310104 WO2006129505A1 (ja) 2005-06-03 2006-05-22 液体吐出装置及び液体吐出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2006129505A1 true JPWO2006129505A1 (ja) 2008-12-25

Family

ID=37481435

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007518913A Pending JPWO2006129505A1 (ja) 2005-06-03 2006-05-22 液体吐出装置及び液体吐出方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JPWO2006129505A1 (ja)
TW (1) TW200709945A (ja)
WO (1) WO2006129505A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011136558A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Xerox Corp 可撓性デバイスの製造法、可撓性デバイス及びインクジェットプリントヘッド

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6903441B2 (ja) * 2016-03-31 2021-07-14 芝浦メカトロニクス株式会社 基板処理装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53125837A (en) * 1977-04-11 1978-11-02 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> Electrostatic recording apparatus
JPH02235761A (ja) * 1989-03-10 1990-09-18 Sanyo Electric Co Ltd インク噴射ヘッドのクリーニング方法
JP2808360B2 (ja) * 1990-11-09 1998-10-08 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置
JP2874093B2 (ja) * 1995-10-30 1999-03-24 日本電気株式会社 静電式インクジェット記録装置
JPH11320890A (ja) * 1998-05-19 1999-11-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd インクジェット記録装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011136558A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Xerox Corp 可撓性デバイスの製造法、可撓性デバイス及びインクジェットプリントヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
TW200709945A (en) 2007-03-16
WO2006129505A1 (ja) 2006-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2006067966A1 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出方法
EP1797961B1 (en) Liquid discharging device
JP4372101B2 (ja) 液体吐出装置、液体吐出方法及び回路基板の配線パターン形成方法
JP4893823B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置
JPWO2006068036A1 (ja) 液体吐出装置
JP2004136655A (ja) 液体吐出装置
JP2006315232A (ja) 液体吐出装置
JP2004136652A (ja) 液体吐出装置
JP4775265B2 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出方法
JP4830299B2 (ja) 液体吐出装置
JP4998266B2 (ja) 液体吐出装置
JPWO2006129505A1 (ja) 液体吐出装置及び液体吐出方法
JP4715214B2 (ja) 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置
JP4807060B2 (ja) ノズルプレート、ノズルプレートの製造方法及び液体吐出ヘッド
JP3956223B2 (ja) 液体吐出装置
JP2006181926A (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出方法
JP2007216461A (ja) 液体吐出装置及び液体吐出方法
JP4335612B2 (ja) 液体吐出方法及び配線パターン形成方法
JP2006175296A (ja) 液体吐出装置及び液体吐出方法
JP2006168264A (ja) 液体吐出装置
JP2004136658A (ja) 液体吐出装置及びその溶液供給方法
JP2007160727A (ja) 液体吐出ヘッド