JP2006168264A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】静電吸引方式の吐出ヘッドにおいてノズルの目詰まりを回復させることのできる液体吐出装置を提供する。
【解決手段】
先端から液滴を吐出するノズル6aを有する吐出ヘッド6と、吐出ヘッド6と記録媒体との間に電界を形成する吐出電圧印加手段8と、ノズル6内の溶液がその先端から凸状に盛り上がった状態を形成するメニスカス形成手段7と、メニスカス形成手段7を駆動する駆動電圧の印加及び吐出電圧印加手段8による吐出電圧の印加を制御する動作制御手段11と、を備えることを特徴とする液体吐出装置1において、動作制御手段11は、吐出ヘッド6のメンテナンスの際には、吐出電圧の印加を停止させた状態で、駆動電圧を印加させてノズル6aに凸状のメニスカスを形成させてから、ノズル6aのメニスカス面の変動に合わせて吐出電圧の印加を行わせるように制御することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体吐出装置に係り、特に、インク液滴を吐出させる液体吐出装置及び液体吐出方法に関する。
従来から、液滴を吐出させる技術として、ノズル内の溶液を帯電させ、ノズルと液滴の着弾を受ける記録媒体との間に形成される電界から受ける静電吸引力により吐出させるいわゆる静電吸引方式の液滴吐出技術が知られている(特許文献1〜2参照)。
かかる液体吐出装置は、先端部からインクを吐出するノズルを備える吐出ヘッドを備えている。この吐出ヘッドは、ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段と、ノズル内の溶液がその先端部から凸状に盛り上がった凸状メニスカスを形成するメニスカス形成手段と、このメニスカス形成手段を駆動する駆動電圧の印加及び前記吐出電圧印加手段による吐出電圧の印加を制御する動作制御手段と、を備えている。
このような構成の液体吐出装置において、動作制御手段は、吐出電圧印加手段により吐出電圧を継続的に印加させている際に、駆動電圧を印加させてメニスカス形成手段を駆動させて、凸状メニスカスの形成と液滴の吐出とを行うようになっている(図5参照)。つまり、吐出電圧が継続的に印加されている状態で、駆動電圧を瞬間的に印加するとノズル先端部に凸状メニスカスが形成される。そして、その状態において駆動電圧を再び瞬間的に印加すると、凸状メニスカスの先端に働く静電気力が表面張力を上回り、ノズルから液滴が吐出される。
特開2002−127428号公報 特開2004−165587号公報
このような従来の液体吐出装置にあっては、得られる画像の画質向上のために、ノズルの微細化が進んでいるが、長時間吐出を行わない場合、ノズルが微細化されているためノズル内の乾燥がより速く進行し、目詰まりが発生してしまうという問題がある。また、顔料成分を含むインク溶液などを吐出させる場合、吐出電圧が継続的に印加されてノズル内に静電気力が働いたまま長時間放置すると、ノズル先端側に顔料成分が凝集してしまい、インク粘度が増粘・固着してしまうという問題があった(図9参照)。
ここで、従来から、液体吐出装置においては、ノズルの目詰まりを回復させるメンテナンス方法が数多く開発されている。そのようなメンテナンス方法としては、吸引機構により吐出ヘッドのノズルを覆いノズル内の付着物を吸引するものや、記録媒体以外の非印画領域に空吐出を行うものなどがある。
しかしながら、ノズルは微細化されているので、吸引機構のようにノズルに接近させる機構は、ノズルの形状に関わらずその破損を防止するために、高精度のものが要求されるため製造コストが嵩むうえに装置全体が大型化されてしまうという問題があった。また、微細化されたノズルの場合、乾燥性が高くノズルの目詰まりが強固になるため、通常の液滴吐出動作を記録媒体以外の場所で行う空吐出のみでは、ノズルの目詰まりが完全に回復されないという問題もあった。
そこで、本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、静電吸引方式の吐出ヘッドにおいてノズルの目詰まりが発生した場合、簡易な構成で完全に目詰まりを回復させることのできる液体吐出装置を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
記録媒体に対向し、先端から液滴を吐出するノズルを有する吐出ヘッドと、
前記吐出ヘッドと記録媒体との間に電界を形成する吐出電圧印加手段と、
前記ノズル内の溶液の先端面を変動させるメニスカス形成手段と、
前記メニスカス形成手段を駆動する駆動電圧の印加及び吐出電圧印加手段による吐出電圧の印加を制御する動作制御手段と、
を備えることを特徴とする液体吐出装置において、
前記動作制御手段は、前記吐出ヘッドのメンテナンスの開始の際には、前記吐出電圧の印加を停止させ、前記メンテナンスの際には、前記駆動電圧及び前記吐出電圧を印加させるように制御することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、動作制御手段は、吐出ヘッドのメンテナンスの開始の際には吐出電圧の印加を停止させるようになっている。従って、吐出電圧の印加の停止により、ノズルの先端側に顔料成分を引き寄せる静電吸引力が無くなり、ノズル内での顔料成分の拡散が起こり、ノズル内の液滴が容易に変動する。
また、動作制御手段は、メンテナンスの際には、駆動電圧を印加させてノズル内の溶液に正の圧力を加え、ノズル内の溶液の先端面が変動するのに合わせて吐出電圧を印加させて液滴を吐出させるようになっている。従って、ノズル内の溶液により大きな圧力の変動をかけながら液滴を吐出させることができる。
ここで、ノズル内の溶液にかかる圧力には、正の圧力と負の圧力とがあり、正の圧力とはノズル内の溶液の先端面を凸状に盛り上げる方向にかかる圧力のことであり、一方、負の圧力とは前記先端面をノズル内側に引き込ませる方向にかかる圧力のことである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載に発明であって、
前記動作制御手段は、前記メンテナンスの際には、前記駆動電圧を印加させて前記ノズル内の溶液の先端面を凸状に盛り上がった状態にさせてから、前記吐出電圧の印加を行わせるように制御することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、動作制御手段は、メンテナンスの際には、吐出電圧の印加を停止させた状態で、駆動電圧を印加させてノズル内の溶液の先端面を凸状に盛り上がった状態にしてから、前記吐出電圧の印加を行わせて、液滴を吐出させるようになっている。従って、ノズル内の溶液により大きな圧力の変動をかけながら液滴を吐出させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載に発明であって、
前記動作制御手段は、前記メンテナンスの際には、前記駆動電圧及び前記吐出電圧の印加を同時に行わせるように制御することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、動作制御手段は、メンテナンスの際には、駆動電圧を印加させると同時に吐出電圧を印加させて、ノズル内の溶液の先端面を凸状に盛り上がった状態にして液滴を吐出させるようになっている。従って、駆動電圧の印加を複数に分けることなくノズル内の溶液により大きな圧力の変動をかけながら液滴を吐出させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいすれか一項に記載の発明であって、
前記動作制御手段は、前記メンテナンスの際には、前記駆動電圧の印加を停止させてから前記吐出電圧の印加を停止させるように制御することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、動作制御手段は、メンテナンスの際には、駆動電圧の印加を停止させてから吐出電圧の印加を停止させるようになっている。従って、液滴が吐出した後により大きな圧力の変動をかけることができ、キレの良い液滴を吐出させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明であって、
前記記録媒体は接地されており、
前記吐出電圧印加手段は前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加することで、前記吐出ヘッドと記録媒体との間に電界を形成することを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、記録媒体は接地されているので接地電位を維持しているとともに、ノズル内の溶液は吐出電圧の印加により帯電されている。従って、吐出ヘッドのノズル先端部と対向する記録媒体との間には電界が生じ、この電界により生じた静電吸引力がノズルから吐出された液滴を記録媒体側に誘導する。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明であって、
前記ノズル内の溶液は接地されており、
前記吐出電圧印加手段は前記記録媒体に吐出電圧を印加することで、前記吐出ヘッドと記録媒体との間に電界を形成することを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、ノズル内の溶液は接地されているので接地電位を維持しているとともに、記録媒体は吐出電圧の印加により帯電されている。従って、吐出ヘッドのノズル先端部と対向する記録媒体との間には電界が生じ、この電界により生じた静電吸引力がノズルから吐出された液滴を記録媒体側に誘導する。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明であって、
前記ノズルの内部直径は、15[μm]以下であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、吐出ヘッドに設けられているノズルはその内径が15[μm]以下の微細ノズルであるので、記録媒体の特性の影響を受けずに安定した液滴の吐出が可能である反面、ノズル内部の乾燥や付着物などにより目詰まりが発生しやすい。従って、このようなノズルにおいて目詰まりが発生しても、ノズル内の付着物を除去してノズルの目詰まりを完全に回復させることができる。
ここで、ノズルの内径とは、ノズルの吐出側先端部における溶液流路の内部直径を示すものとする。なお、ノズル内の溶液流路の断面形状は円形に限定されるものではない。例えば、溶液流路の断面形状が多角形、星形その他の形状である場合にはその断面形状の外接円が15[μm]以下となることを示すものとする。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発明であって、
前記ノズルの先端は、前記吐出ヘッドの吐出面から記録媒体側に向けて凸状に突出するように設けられていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、ノズルの先端は吐出ヘッドの吐出面から記録媒体側に向けて凸状に突出するように設けられているので、ノズルの先端に吐出ヘッドと記録媒体との間の電界を集中させることができ、インク液滴を確実に吐出させることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発明であって、
前記ノズルの先端は、前記吐出ヘッドの吐出面と略同一面に設けられていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、ノズルの先端は吐出ヘッドの吐出面と略同一面に設けられているので、吐出面を略均一に形成することができる。従って、吐出面に他の構成部品が接触してしまうことがあっても、その接触によりノズル先端が破損することを防止することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の発明であって、
前記動作制御手段は、吐出ヘッドが非印画領域に対向している際に、前記メンテナンスを行わせるように制御することを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、メンテナンスは吐出ヘッドが非印画領域に対向している際に行われるので、装置にメンテナンス機構を別途設ける必要がなく、装置の小型化が可能である。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の発明であって、
前記ノズルの目詰まりを検知するノズル欠検知機構を備えており、
前記動作制御手段は、前記ノズル欠検知機構が前記ノズルの目詰まりを検知した際に、前記メンテナンスを行わせるように制御することを特徴とする。
請求項11に記載の発明によれば、ノズルの目詰まりが発生した際に、適宜メンテナンスを行うことができるので、ノズル内の付着物が固着してしまう前に速やかに除去することができるとともに、所定時間ごとにメンテナンスを行う必要がなく画像記録にかかる時間の短縮化が可能である。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11のいずれか一項に記載の発明であって、
前記吐出電圧印加手段は、画像記録の際とメンテナンスの際とで印加する吐出電圧の値を変更可能であることを特徴とする。
請求項12に記載の発明によれば、メンテナンスの際には画像記録の際より大きな吐出電圧を印加することにより、より強固なノズルの目詰まりも確実に回復させることができる。
請求項1に記載の発明によれば、メンテナンスの際に、ノズル内の顔料成分を拡散させて液滴を容易に吐出させることができる。また、ノズル内の溶液により大きな圧力の変動をかけながら液滴を吐出させることができるので、ノズルの目詰まりが発生している場合でも、ノズル内の付着物を液滴とともに吐出させることができる。従って、ノズルの目詰まりを完全に解消することができる。
請求項2に記載の発明によれば、ノズル内の溶液により大きな圧力の変動をかけながら液滴を吐出させることができるので、ノズルの目詰まりが発生している場合でも、ノズル内の付着物を液滴とともに吐出させることができる。従って、ノズルの目詰まりを完全に解消することができる。
請求項3に記載の発明によれば、ノズル内の溶液により大きな圧力の変動をかけながら液滴を吐出させることができるので、ノズルの目詰まりが発生している場合でも、ノズル内の付着物を液滴とともに吐出させることができる。従って、凸状メニスカスにかかる正の圧力と静電吸引圧力との圧力損失が少なく効率的であり、ノズルの目詰まりを完全に解消することができる。
請求項4に記載の発明によれば、メンテナンスの際に、液滴の吐出後にノズル内の溶液の先端面により大きな圧力の変動をかけることができるので、液滴のキレを良くすることができる。従って、ノズル内の付着物を液滴とともに吐出して完全に除去し、ノズルの目詰まりを解消することができる。
請求項5に記載の発明によれば、帯電した液滴の電荷は記録媒体への着弾により逃がすことができるとともに、ノズルから吐出された帯電した液滴は記録媒体側に誘導されて、より正確な位置に着弾することができる。従って、高画質の画像を得ることができる。
請求項6に記載の発明によれば、ノズルから吐出された液滴は記録媒体側に誘導され、より正確な位置に着弾することができる。従って、高画質の画像を得ることができる。
請求項7に記載の発明によれば、吐出ヘッドに設けられているノズルはその内径が15[μm]以下の微細ノズルであるが、ノズル内の付着物を除去してノズルの目詰まりを完全に回復させ、安定した液滴の吐出を行うことができる。
請求項8に記載の発明によれば、ノズルの先端に電界を集中させることができ、インク液滴を確実に吐出させることができるので、高画質の画像を得ることができる。
請求項9に記載の発明によれば、ノズルを有する吐出面を略均一に形成することができ、ノズル先端の破損を防止することができる。
請求項10に記載の発明によれば、メンテナンスは吐出ヘッドが非印画領域に対向している際に行われるので、装置にメンテナンス機構を別途設ける必要がなく、装置の小型化が可能である。
請求項11に記載の発明によれば、ノズルの目詰まりが発生した際に、適宜メンテナンスを行うことができるので、ノズル内の付着物が固着してしまう前に速やかに除去することができるとともに、所定時間ごとにメンテナンスを行う必要がなく画像記録にかかる時間の短縮化が可能である。
請求項12に記載の発明によれば、メンテナンスの際には画像記録の際より大きな吐出電圧を印加することにより、より強固なノズルの目詰まりも確実に回復させることができる。
以下に、本発明に係る液体吐出装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。
図1は本実施形態にかかる液体吐出装置1の要部構成図である。液体吐出装置1はいわゆるシリアルヘッド方式の液体吐出装置1であり、インク液滴を記録媒体に向けて吐出して画像記録を行うようになっている。
液体吐出装置1には、記録媒体を非記録面から支持しつつ搬送方向Yに搬送する環状の搬送ベルト2aが備えられている。搬送ベルト2aの内側であって、記録媒体に対向する位置には、搬送ベルト2aを介して記録媒体に静電圧を印加する平板状の対向電極3が備えられている。本実施形態においては、図2に示すように、対向電極3は接地されており常に接地電位を維持している。
また、搬送ベルト2aの内側には、搬送ベルト2aの張力を保つと同時に搬送ベルト2aを搬送させる搬送ローラ2bが、対向電極3の搬送方向Yの上流と下流及び対向電極3の下方に回動自在に備えられている。搬送機構2は搬送ベルト2a及び搬送ローラ2bからなり、図示しないモータなどによる搬送ローラ2bの回動により、搬送ベルト2aを介して記録媒体が搬送されるようになっている。
搬送機構2の上方には、記録媒体の幅方向に延在する棒状のガイドレール4が備えられている。ガイドレール4には、キャリッジ5が記録媒体の幅方向(走査方向X)に往復移動自在に備えられている。キャリッジ5には、記録媒体に所定の画像情報に基づいてインクを吐出させて記録を行う吐出ヘッド6など画像記録に必要な部材が搭載されている。
図2は、吐出ヘッド6と記録媒体との構成及び電気的接続を示す概略図であり、後述するノズル6aの縦断面図である。吐出ヘッド6の記録媒体に対向する面には、記録媒体との距離が略1[mm]になるように吐出面6bが設けられている。吐出面6bには、インク液滴を吐出する複数のノズル6aが設けられている。各ノズル6aの内部には、インク溶液が流れる流路6cが備えられており、その先端部の内部直径は10[μm]である。
ここで、本発明にかかる液滴吐出装置に用いるノズル6aの内径について説明する。図3に示すのは、各吐出電圧条件下においてノズル6aの内径と発生する電界強度との関係を示す線図である。ここで、吐出電圧が3[kV]を超えると、ノズル6aの先端において放電現象が起こってしまうという点と、ノズル6aの先端に電界が集中するために必要な電界強度は3×10[V/m]以上であるという点を考慮すると、ノズル6aの内径は15[μm]以下であることが好ましい。
図2に示すように本実施形態においては、ノズル6aの先端は、吐出面6bから記録媒体側に向けて凸状に突出するように設けられている。従って、ノズル6aの先端に吐出ヘッド6と記録媒体との間の電界を集中させることができ、インク液滴を確実に吐出させることができる。
ここで、ノズル6aの先端は、吐出ヘッド6の吐出面6bと略同一面に設けられていることとしてもよい。この場合、吐出ヘッド6の吐出面6bを略均一に形成することができる。従って、吐出面6bに他の構成部品が接触してしまうことがあっても、その接触によりノズル6aの先端が破損することを防止することができる。
吐出ヘッド6の内部であって流路6cの他端には、流路6cにインクを供給する供給室6dが備えられている。供給室6dには、各吐出ヘッド6に備えられた所定のインクを貯蔵するインクタンク(図示せず)が連通されている。また、供給室6dの外壁は弾性素材からなり、その内部容積を変動させることができるようになっている。さらに、供給室6dには、流路6cのインクの先端面を変動させるメニスカス形成手段7が備えられている。メニスカス形成手段7は、供給室6dに絶縁層6eを介して変形自在のピエゾ素子7aを備えている。また、メニスカス形成手段7は、ピエゾ素子7aを変形させる駆動電圧を印加する駆動電圧電源7bを備えており、ピエゾ素子7aを介して供給室6dの内部容積を変動させて流路6cのインクの先端面を変動させるようになっている。
供給室6dと流路6cとの間には、供給室6dから流路6cに供給されるインクを帯電させる吐出電極8aが備えられている。吐出電極8aには吐出電圧を印加する吐出電圧電源8bが接続されている。本実施形態にかかる吐出電圧印加手段8は、吐出電極8a及び吐出電圧電源8bからなり、ノズル6a内のインクに吐出電圧による電荷を帯電させるようになっている。
ここで、本実施形態においては、吐出ヘッド6に吐出電圧印加手段8を設け、インク溶液を帯電させて記録媒体を接地させる構成としたが、吐出ヘッド6と記録媒体との間に電界が発生していればよく、前記構成に限定されない。従って、本実施形態とは逆に、ノズル6a側を接地させインク溶液を接地電位に維持し、記録媒体に吐出電圧を印加させる構成としてもよい。このような構成においても、吐出ヘッド6と記録媒体との間には液滴を記録媒体側に誘導する電界が発生するので、記録媒体の特性に応じて吐出電圧の印加部位を適宜選択することができる。
またここで、吐出電圧電源8bによる吐出電圧は、メニスカス形成手段7によりノズル6a内の溶液の先端面が凸状のメニスカスとされた際に、液滴の吐出が可能となる範囲の静電吸引力を発生させる電圧を印加するようにその値が設定されている。
この吐出電圧電源8bにより印加を行う吐出電圧は、理論上は、次式(1)により求められる(次式(1)の誘導過程については、特許文献2参照)。
Figure 2006168264
ただし、γ:溶液の表面張力(N/m)、ε:真空の誘電率(F/m)、d:ノズル直径(m)、h:ノズル−基材間距離(m)、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
なお、上記条件は理論値であり、実際は、凸状メニスカスの形成時と非形成時における試験を行い、適宜な電圧値を求めてもよい。そこで、本実施形態においては1[kv]の吐出電圧を印加するものとする。
図1に示すように、走査方向Xにおけるキャリッジ5の移動範囲であって、搬送ベルト2aの側部には、メンテナンスの際にキャリッジ5が対向するメンテナンス機構9が備えられている。メンテナンス機構9は、メンテナンスの際に吐出ヘッド6から吐出された液滴を受けるようになっている。また、メンテナンス機構9には、ノズル6aに目詰まりが発生しているか否かを判断するノズル欠検知機構10が備えられている。
図2及び図4に示すように、液体吐出装置1には、搬送機構2、キャリッジ5、吐出電圧印加手段8、メニスカス形成手段7、ノズル欠検知機構10などに電気的に接続されるとともにこれらを制御する動作制御手段11が設けられている。動作制御手段11は、CPU11a、ROM11b、RAM11cなどからなり、ROM11bに記録された処理プログラムをRAM11cに展開してCPU11aによりこの処理プログラムを実行するものである。
動作制御手段11は、画像記録の際には、キャリッジ5が走査方向Xに往復移動するように制御しつつ、キャリッジ5の移動に合わせて搬送機構2に記録媒体を間欠的に搬送させるようになっている。また、図5に示すように、動作制御手段11は、所定の信号に基づいて記録媒体上にインク液滴を吐出するように、吐出電圧印加手段8が所定の吐出電圧を継続的に印加させつつ、メニスカス形成手段7を駆動する駆動電圧を瞬間的に印加させるようになっている。
動作制御手段11は、電源投入から所定の時間が経過する毎、所定箇所に設けられた異常検知手段が異常を検知した場合又は手動操作などによって、ノズル欠検知機構10がノズル6aに目詰まりが発生しているか否かを判断するようになっている。この際、動作制御手段11は、キャリッジ5をノズル欠検知機構10に対向する位置に移動させるとともに、画像記録の際と同様にインク液滴を吐出させて、ノズル欠検知機構10にインク吐出の有無を検知させている。
ここで、ノズル欠検知機構10はノズル6aからのインク液滴の吐出の有無を判断するものとしたが、ノズル欠検知機構はインク液滴の吐出速度及び吐出方向を検知するセンサなどを備えるものとして、動作制御手段11は前記センサの検知結果からノズル6a内の付着物の有無を判断するものとしてもよい。
動作制御手段11は、吐出ヘッド6のメンテナンスの際には、キャリッジ5をメンテナンス機構9に対向する位置に移動させるようになっている。また、図6に示すように、吐出電圧印加手段8による吐出電圧の印加を停止させた後に、メニスカス形成手段7を駆動する駆動電圧を瞬間的に印加させて、ノズル6aに凸状のメニスカスを形成させるようになっている。さらにその後、メニスカス形成手段7を駆動する駆動電圧を印加してメニスカス面に正の圧力をかけるとともに、この圧力を受けたことによるメニスカス面の変動のタイミングに合わせて吐出電圧印加手段8により吐出電圧を印加するようになっている。
ここで、動作制御手段11は、駆動電圧電源7bによる駆動電圧の値を適宜変更させることができるようになっている。そこで、本実施形態においては、動作制御手段11は20[V]の駆動電圧を印加させてノズル6aの先端に凸状のメニスカスを形成させるようになっている。また、30[V]の駆動電圧を印加させてノズル6a内の溶液の先端面により強い正の圧力をかけるとともに、吐出電圧を印加させて液滴を吐出させるようになっている。前記駆動電圧の電圧値は吐出電圧等同様に、吐出する溶液、記録ヘッド及び環境条件によって最適値が変動するものであり、前記電圧値に限定されない。
また、本実施形態においては、まず駆動電圧を印加させてノズル6aに凸状のメニスカスを形成させてから、吐出電圧と駆動電圧の印加を同時に行うことで液滴を吐出させている。つまり、駆動電圧を二回印加して液滴を吐出させているが、一回の駆動電圧の印加で凸状のメニスカスを形成させて液滴を吐出させることも可能である。その場合、駆動電圧を印加させて凸状のメニスカスを形成させるのと同時に吐出電圧の印加を行い、液滴を吐出させる。
また、本実施形態においては、凸状のメニスカスが形成された状態において駆動電圧を印加させるとすぐにインク液滴が吐出するようになっているので、動作制御手段11は、駆動電圧の印加と吐出電圧の印加とを同時に行わせるようになっている。しかしながら、インク溶液の粘度などの特性によってメニスカス面の変動は異なるため、駆動電圧を印加してからメニスカス面が変動するのに要する時間も異なってくる。その場合、動作制御手段11は画像記録の際に、駆動電圧の印加とメニスカス面変動との関係をセンサなどにより検知して、メンテナンスの際の吐出電圧の印加のタイミングを調整するものとしてもよい。
次に、本発明において吐出される溶液について説明する。本実施形態において吐出される溶液は画像記録のためのインクであり、水52%、エチレングリコール22%、プロピレングリコール22%、界面活性剤1%及び顔料成分としてCIアシッドレッド1を3%含有する。
ここで、本発明は画像記録以外の用途にも適用可能であり、吐出される溶液は前記インクに限られない。吐出される溶液として例えば、無機溶液としては、水、COCl2、HBr、HNO3、H3PO4、H2SO4、SOCl2、SO2Cl2、FSO3Hなどが挙げられる。有機溶液としては、メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、tert−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、ベンジルアルコール、α−テルピネオール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのアルコール類;フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、などのフェノール類;ジオキサン、フルフラール、エチレングリコールジメチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、エピクロロヒドリンなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−4−ペンタノン、アセトフェノンなどのケトン類;ギ酸、酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸などの脂肪酸類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−3−メトキシブチル、酢酸−n−ペンチル、プロピオン酸エチル、乳酸エチル、安息香酸メチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、セロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、アセト酢酸エチル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチルなどのエステル類;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、o−トルイジン、p−トルイジン、ピペリジン、ピリジン、α−ピコリン、2,6−ルチジン、キノリン、プロピレンジアミン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N,N',N'−テトラメチル尿素、N−メチルピロリドンなどの含窒素化合物類;ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含硫黄化合物類;ベンゼン、p−シメン、ナフタレン、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキセンなどの炭化水素類;1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン(cis−)、テトラクロロエチレン、2−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、ブロモメタン、トリブロモメタン、1−ブロモプロパンなどのハロゲン化炭化水素類、などが挙げられる。また、上記各溶液を二種以上混合して用いてもよい。
さらに、高電気伝導率の物質(銀粉等)が多く含まれるような導電性ペーストを溶液として使用し、吐出を行う場合には、上述した溶液に溶解又は分散させる目的物質としては、ノズル6aで目詰まりを発生するような粗大粒子を除けば、特に制限されない。PDP、CRT、FEDなどの蛍光体としては、従来より知られているものを特に制限なく用いることができる。例えば、赤色蛍光体として、(Y,Gd)BO3:Eu、YO3:Euなど、緑色蛍光体として、Zn2SiO4:Mn、BaAl1219:Mn、(Ba,Sr,Mg)O・α−Al23:Mnなど、青色蛍光体として、BaMgAl1423:Eu、BaMgAl1017:Euなどが挙げられる。上記の目的物質を記録媒体上に強固に接着させるために、各種バインダーを添加するのが好ましい。用いられるバインダーとしては、例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースおよびその誘導体;アルキッド樹脂;ポリメタクリタクリル酸、ポリメチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート・メタクリル酸共重合体、ラウリルメタクリレート・2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体などの(メタ)アクリル樹脂およびその金属塩;ポリN−イソプロピルアクリルアミド、ポリN,N−ジメチルアクリルアミドなどのポリ(メタ)アクリルアミド樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、スチレン・マレイン酸共重合体、スチレン・イソプレン共重合体などのスチレン系樹脂;スチレン・n−ブチルメタクリレート共重合体などのスチレン・アクリル樹脂;飽和、不飽和の各種ポリエステル樹脂;ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー;ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;エポキシ系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のポリアセタール樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合樹脂などのポリエチレン系樹脂;ベンゾグアナミン等のアミド樹脂;尿素樹脂;メラミン樹脂;ポリビニルアルコール樹脂及びそのアニオンカチオン変性;ポリビニルピロリドンおよびその共重合体;ポリエチレンオキサイド、カルボキシル化ポリエチレンオキサイド等のアルキレンオキシド単独重合体、共重合体及び架橋体;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール;ポリエーテルポリオール;SBR、NBRラテックス;デキストリン;アルギン酸ナトリウム;ゼラチン及びその誘導体、カゼイン、トロロアオイ、トラガントガム、プルラン、アラビアゴム、ローカストビーンガム、グアガム、ペクチン、カラギニン、にかわ、アルブミン、各種澱粉類、コーンスターチ、こんにゃく、ふのり、寒天、大豆蛋白等の天然或いは半合成樹脂;テルペン樹脂;ケトン樹脂;ロジン及びロジンエステル;ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンイミン、ポリスチレンスルフォン酸、ポリビニルスルフォン酸などを用いることができる。これらの樹脂は、ホモポリマーとしてだけでなく、相溶する範囲でブレンドして用いてもよい。
液体吐出装置1をパターンニング方法に使用する場合には、代表的なものとしてはディスプレイ用途に使用することができる。具体的には、プラズマディスプレイの蛍光体の形成、プラズマディスプレイのリブの形成、プラズマディスプレイの電極の形成、CRTの蛍光体の形成、FED(フィールドエミッション型ディスプレイ)の蛍光体の形成、FEDのリブの形成、液晶ディスプレイ用カラーフィルター(RGB着色層、ブラックマトリクス層)、液晶ディスプレイ用スペーサー(ブラックマトリクスに対応したパターン、ドットパターン等)などが挙げることができる。ここでいうリブとは一般的に障壁を意味し、プラズマディスプレイを例に取ると各色のプラズマ領域を分離するために用いられる。その他の用途としては、マイクロレンズ、半導体用途として磁性体、強誘電体、導電性ペースト(配線、アンテナ)などのパターンニング塗布、グラフィック用途としては、通常印刷、特殊媒体(フィルム、布、鋼板など)への印刷、曲面印刷、各種印刷版の刷版、加工用途としては粘着材、封止材などの本発明を用いた塗布、バイオ、医療用途としては医薬品(微量の成分を複数混合するような)、遺伝子診断用試料等の塗布等に応用することができる。
次に、本実施形態における液体吐出装置1の作用について説明する。
まず、液体吐出装置1に所定の画像情報が送られると、記録媒体は搬送機構2により搬送方向Yへと間欠的に搬送される。
記録媒体の搬送を停止させる毎に、キャリッジ5は記録媒体の直上を走査方向Xに往復移動する。キャリッジ5に搭載された吐出ヘッド6は記録媒体の直上を移動しながら、所定のインク液滴を記録媒体に吐出する。つまり、吐出電圧印加手段8は所定の吐出電圧を吐出電極8aに継続的に印加して、吐出電極8aを介して流路6cのインク溶液を継続的に帯電させる。すると、吐出ヘッド6と記録媒体との間に電界が生じて、インク溶液に記録媒体側への静電吸引力がかかる。この状態でメニスカス形成手段7を駆動する駆動電圧を瞬間的に印加することにより、インク先端面が凸状のメニスカスにされるとともにインク液滴が吐出される。この一連の動作を繰り返して画像を形成する(図5参照)。
電源投入から所定の時間が経過する毎、所定箇所に設けられた異常検知手段が異常を検知した場合又は手動操作などによって、ノズル欠検知機構10はノズル6aに目詰まりが発生しているか否かを判断する。つまり、キャリッジ5はノズル欠検知機構10に対向する位置に移動し、対象となる吐出ヘッド6のノズル6aから前記動作によってインク液滴が吐出される。ノズル欠検知機構10は吐出されたインク液滴の吐出の有無を検知し、インク液滴の吐出が検知されない場合には、ノズル6aに目詰まりが発生しているものと判断する。
続いて、ノズル欠検知機構10によりノズル6aの目詰まりが検知された場合には、吐出ヘッド6のメンテナンスが開始される。以下、本実施形態におけるメンテナンスについて図6に基づいて説明する。
まず、動作制御手段11はキャリッジ5をメンテナンス機構9に対向する位置に移動させる。また、吐出電圧印加手段8に吐出電圧の印加を停止させる。吐出電圧の印加の停止により、ノズル6aの先端側に顔料成分を引き寄せる静電吸引力が無くなり、ノズル6a内のインク溶液中で顔料成分(図9参照)の拡散が起こる。
次に、動作制御手段11は、駆動電圧電源7bにより駆動電圧を瞬間的に印加して、メニスカス形成手段7を駆動させる。具体的には、まず、駆動電圧を印加するとピエゾ素子7aが変形する。ピエゾ素子7aは絶縁層6eを介して弾性素材からなる供給室6dに装着されているので、ピエゾ素子7aが供給室6dの内部容積を縮小する方向に変動すると、供給室6dの内部容積が縮小した分だけインク溶液が供給室6dから流路6cに供給される。そして、ノズル6aの流路6cの先端からインク溶液が凸状に盛り上がり、凸状メニスカスとなる。
続いて、動作制御手段11は、駆動電圧を印加するとともにノズル6a内のインク先端面の変動に合わせて吐出電圧を印加する。つまり、駆動電圧電源7bにより駆動電圧が印加されてメニスカス形成手段7が駆動して、インク先端面に正の圧力がかかる。そして、インク先端面が変動する際に、吐出電圧印加手段8は吐出電圧電源8bにより吐出電圧の印加を開始して、吐出電極8aを介してノズル6a内部のインクを帯電させ、インク溶液に記録媒体側への静電吸引力をかける。すると、ノズル6a内部の付着物がインク液滴とともにメンテナンス機構9に向けて吐出され、同時に、吐出電圧印加手段8は吐出電圧の印加を停止する。
このようにして、メンテナンスの際には、ノズル6a内のインク先端面の変動に合わせて吐出電圧を印加させることにより、吐出電圧を継続的に印加する画像記録の際よりも、液滴吐出前後のインク先端面にかかる圧力の変動が大きくなり、ノズル6aの内部に付着していた付着物などをより容易に除去することができる。従って、ノズル6aの付着物が除去されてインク液滴と共に吐出することができるので、ノズル6aの目詰まりを完全に回復させることができる。
また、吐出電圧の印加を停止させてから液滴の吐出を行うことで、ノズル6aの先端部に引き寄せられて凝集していたインク溶液の顔料成分の拡散が起こりやすくなる。よって、吐出電圧を継続的に印加させて液滴の吐出を行うより、ノズル6aの目詰まりを容易に回復することができるので、インク液滴の吐出を長期間安定に行うことができる。
また、ノズル6aの目詰まりが発生した際にメンテナンスを行うので、ノズル6a内の付着物が固着してしまう前に速やかに除去することができるとともに、所定時間ごとにメンテナンスを行う必要がなく画像記録にかかる時間の短縮化が可能である。
さらに、吐出電圧電源8bは画像記録の際とメンテナンスの際とにおいて印加する電圧値を切り換え可能であるので、例えば、画像記録の際には1[kV]の吐出電圧とし、メンテナンスの際には2[kV]の吐出電圧とするなど、メンテナンスの際には画像記録の際より大きい値の吐出電圧を印加することにより、静電吸引力がより強くなるため、より強固なノズル6aの目詰まりも確実に回復させることができる。
また、本実施形態においては、吐出ヘッド6がメンテナンス機構9に対向してからメンテナンスを行うこととしたが、メンテナンスは吐出ヘッド6が記録媒体の非印画領域に対向している際に行われていればよく、搬送ベルト2aにメンテナンス領域12を設けることとしてもよい。この場合、メンテナンス機構9を搬送ベルト2aと別途設ける必要がなく、装置の小型化が可能である。
メンテナンス領域12を搬送ベルト2aに備える液体吐出装置の一例として、図7に示すようなラインヘッド方式の液体吐出装置13が挙げられる。
図7に示すように、液体吐出装置13においては、前記実施形態と異なり、記録媒体の幅方向に延在する複数の吐出ヘッド6を備えることを特徴とする。搬送ベルト2aには、記録媒体とメンテナンス領域12とが搭載されており、搬送方向Yに搬送され順次吐出ヘッド6に対向するようになっている(図8参照)。動作制御手段11は吐出ヘッド6にメンテナンス領域12が対向した際に、前記実施形態と同様のメンテナンスを行うように吐出電圧印加手段8及びメニスカス形成手段7を制御している。
このような構成にすることにより、液体吐出装置13においては、搬送ベルト2aの側部にメンテナンス領域12を別途設ける必要がなく、また、吐出ヘッド6を走査方向Xに移動させる必要もなく、ラインヘッド方式の液体吐出装置13においても吐出ヘッド6のメンテナンスを行うことが可能である。
本実施形態における液体吐出装置を示す要部構成図である。 本実施形態における液体吐出装置のノズルに沿った断面図である。 ノズル内径と電界強度との関係を示す線図である。 本実施形態における回路構成を示すブロック図である。 本実施形態における液体吐出装置の画像記録時における吐出電圧と駆動電圧のタイミングチャートである。 本実施形態における液体吐出装置のメンテナンス時における吐出電圧と駆動電圧のタイミングチャートである。 他の実施形態における液体吐出装置を示す要部構成図である。 他の実施形態における搬送ベルトの平面図とその搬送に対応する吐出電圧のタイミングチャートである。 ノズルの目詰まりを示すノズルの断面図である。
符号の説明
1 液体吐出装置
2 搬送機構
3 対向電極
6 吐出ヘッド
6a ノズル
6b 吐出面
7 メニスカス形成手段
7a ピエゾ素子
7b 駆動電圧電源
8 吐出電圧印加手段
8a 吐出電極
8b 吐出電圧電源
9 メンテナンス機構
10 ノズル欠検知機構
11 動作制御手段
12 メンテナンス領域

Claims (12)

  1. 記録媒体に対向し、先端から液滴を吐出するノズルを有する吐出ヘッドと、
    前記吐出ヘッドと記録媒体との間に電界を形成する吐出電圧印加手段と、
    前記ノズル内の溶液の先端面を変動させるメニスカス形成手段と、
    前記メニスカス形成手段を駆動する駆動電圧の印加及び吐出電圧印加手段による吐出電圧の印加を制御する動作制御手段と、
    を備えることを特徴とする液体吐出装置において、
    前記動作制御手段は、前記吐出ヘッドのメンテナンスの開始の際には、前記吐出電圧の印加を停止させ、前記メンテナンスの際には、前記駆動電圧及び前記吐出電圧を印加させるように制御することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記動作制御手段は、前記メンテナンスの際には、前記駆動電圧を印加させて前記ノズル内の溶液の先端面を凸状に盛り上がった状態にさせてから、前記吐出電圧の印加を行わせるように制御することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記動作制御手段は、前記メンテナンスの際には、前記駆動電圧及び前記吐出電圧の印加を同時に行わせるように制御することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  4. 前記動作制御手段は、前記メンテナンスの際には、前記駆動電圧の印加を停止させてから前記吐出電圧の印加を停止させるように制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記記録媒体は接地されており、
    前記吐出電圧印加手段は前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加することで、前記吐出ヘッドと記録媒体との間に電界を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  6. 前記ノズル内の溶液は接地されており、
    前記吐出電圧印加手段は前記記録媒体に吐出電圧を印加することで、前記吐出ヘッドと記録媒体との間に電界を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記ノズルの内部直径は、15[μm]以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  8. 前記ノズルの先端は、前記吐出ヘッドの吐出面から記録媒体側に向けて凸状に突出するように設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  9. 前記ノズルの先端は、前記吐出ヘッドの吐出面と略同一面に設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  10. 前記動作制御手段は、吐出ヘッドが非印画領域に対向している際に、前記メンテナンスを行わせるように制御することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  11. 前記ノズルの目詰まりを検知するノズル欠検知機構を備えており、
    前記動作制御手段は、前記ノズル欠検知機構が前記ノズルの目詰まりを検知した際に、前記メンテナンスを行わせるように制御することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  12. 前記吐出電圧印加手段は、画像記録の際とメンテナンスの際とで印加する吐出電圧の値を変更可能であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016185598A (ja) * 2015-03-27 2016-10-27 株式会社リコー ノズルプレート、液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置

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