JP2000246887A - 高粘度物質用ディスペンサーの吐出方法及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

高粘度物質用ディスペンサーの吐出方法及びそれを用いたパターン形成方法

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JP2000246887A
JP2000246887A JP11371368A JP37136899A JP2000246887A JP 2000246887 A JP2000246887 A JP 2000246887A JP 11371368 A JP11371368 A JP 11371368A JP 37136899 A JP37136899 A JP 37136899A JP 2000246887 A JP2000246887 A JP 2000246887A
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voltage
viscosity substance
viscosity
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orifice
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JP11371368A
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English (en)
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Masahito Okabe
岡部将人
Katsunori Tsuchiya
土屋勝則
Masato Ideue
井出上正人
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 100万cps程度の高粘度物質であっても
媒体上に高精細に付着形成可能にする。 【解決手段】 下部に50μm〜1mm径の円形または
多角形のオリフィスを有し、100cps〜10000
00cpsの高粘度物質が充填された容器の一部または
全体に電極を配置し、前記オリフィスから高粘度物質の
メニスカスを張り出させて形成した状態で、前記電極に
高電圧パルスを印加して高粘度物質を引き出し、その一
部を分離切断することにより、媒体上に高粘度物質を高
精細に付着させるようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高粘度物質を吐出さ
せて媒体に付着させる高粘度物質用ディスペンサーの吐
出方法及びそれを用いたパターン形成方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】液体を背後から加圧して容器から押し出
し、媒体上に形成することはディスペンサーとしてよく
知られている。また、オリフィスからインクを吐出させ
て媒体上に形成する方法としては、インクジェット技術
として広く知られている。インクジェット技術として
は、ノズルの一部を加熱して、気泡を発生っせることに
よりその圧力でインクを押し出す方法や、圧電セラミッ
クを振動させることによりその圧力インクを押し出す方
法などがある。
【0003】しかしながら、従来提案されているディス
ペンサーは、低粘度から高粘度の物質を吐出し、媒体上
に形成することができるが、圧力が伝わるのに時間がか
かり、十分なレスポンスが得られない。また形成される
ラインまたはドットはノズルの外径で決まるので高精細
なパターンニングには向かない。また、背後からの圧力
に加えて、出口付近を振動させることにより、液滴を形
成し、これを吐出することで、媒体上に付着させる方法
が知られているが、この方法では、高粘度の物質を吐出
することはできない。
【0004】一方、インクジェット方式では、いずれの
方法でもインクを押し出す力が非常に弱く、高粘度の物
質を吐出することはできない。またインクジェット法で
は吐出されるインク滴の大きさは、オリフィス径の数倍
の大きさになる。この点について図9を参照して説明す
ると、図示するように、ノズル1内の高粘度物質2を静
電力による吸引または電気機械的に加圧して先端開口か
ら追い出し、押し出された膨出部3がある長さになる
と、根元部分(ノズル開口部分)から切断され、その後
表面張力によって球状の液4となり、これが媒体5上に
付着するものである。そのため、媒体5に付着するドッ
トの大きさはノズル開口径よりも5〜6倍程度と大きい
ものとなってしまうことになる。
【0005】小さい液滴を形成しようとすると、オリフ
ィス径を小さくする必要があり、このため、大きな粒径
の粒子を含んだインクを吐出しようとすると目詰まりを
起こし、また、粒子によりオリフィスが磨耗して吐出装
置の寿命が短くなるという問題がある。また静電吸引方
式のインクジェットでも、同様に高粘度物質を吐出する
ことができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、その第1の目的は、粒径の大
きい粒子を含む高粘度物質であっても媒体上に高精細に
付着或いは塗布することができる高粘度物質用ディスペ
ンサーの吐出方法を提供することである。第2の目的
は、本方式を用いて得られる様々なパターン形成方法を
提供することである
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、下部に50μ
m〜1mm径の円形または多角形のオリフィスを有し、
100cps〜1000000cpsの高粘度物質が充
填された容器の一部又は全体に電極を配置し、前記オリ
フィスから高粘度物質のメニスカスを張り出させて形成
した状態で、前記電極に電圧を印加して高粘度物質を引
き出し、その一部を分離切断することにより、媒体上に
付着させる高粘度物質用ディスペンサーの吐出方法を特
徴とする。また、本発明は、下部に50μm〜1mm径
の円形または多角形のオリフィスを有し、100cps
〜1000000cpsの高粘度物質が充填された容器
の一部又は全体に電極を配置し、前記オリフィスから高
粘度物質のメニスカスを張り出させて形成した状態で、
前記電極に電圧を印加するとともに、電圧に応じて、媒
体とオリフィスの水平方向の相対位置を変化させなが
ら、前記高粘度物質を引き出し、その一部を分離切断す
ることにより、媒体上に付着させる高粘度物質用ディス
ペンサーの吐出方法を特徴とする。また、本発明は、前
記高粘度物質用ディスペンサーの電圧の絶対値が100
〜20000Vの範囲であることを特徴とする。また、
本発明は、前記高粘度物質用ディスペンサーの電圧がパ
ルス電圧であることを特徴とする。
【0008】また、本発明は、前記高粘度物質用ディス
ペンサーの電圧の絶対値を減少若しくは電圧をOFFに
することにより高粘度物質を分離切断することを特徴と
する。また、本発明は、前記高粘度物質を充填した容器
を加圧して前記メニスカスを形成することを特徴とす
る。また、本発明は、前記オリフィスから媒体までの距
離が0.1〜10mmでることを特徴とする。また、本
発明は、前記高粘度物質が前記オリフィス径の1/10
以下の粒径の粒子を含むことを特徴とする。また、本発
明は、前記高粘度物質が0.1〜10μmの平均粒径を
含んでいることを特徴とする。また、本発明は、前記高
粘度物質を充填する容器が電極を兼ねることを特徴とす
る。
【0009】また、本発明は、前記高粘度物質を加熱す
る手段を有することを特徴とする。また、本発明は、前
記電極に印加する電圧が直流電圧であることを特徴とす
る。また、本発明は、前記電極に印加する電圧が直流電
圧であって、その電圧印加のON−OFF、並びに圧力
を制御することにより媒体上に形成される高粘度物質の
線幅またはドット径がオリフィス径の1/2以下である
ことを特徴とする。また、本発明は、前記電極に印加す
る電圧が交流電圧であることを特徴とする。また、本発
明は、前記電極に印加する電圧が交流電圧であって、電
圧の振幅と圧力を制御することにより、媒体上に形成さ
れる高粘度物質の線幅またはドット径がオリフィス径の
1/2以下であることを特徴とする。また、本発明は、
前記電極に印加する前記交流電圧の周波数が1Hz〜1
00kHzであることを特徴とする。
【0010】また、本発明は、前記高粘度物質用ディス
ペンサーの吐出方法を用いてパターン形成を行うことを
特徴とする。また、本発明は、高粘度物質に蛍光体を用
い、プラズマディスプレイパネル、エレクトロルミネッ
センスディスプレイパネル、フィールドエミッション型
ディスプレイパネル、CRTブラウン管の何れかにパタ
ーン形成を行うことを特徴とする。また、本発明は、高
粘度物質に少なくともガラス粉体を含み、リブ形成のパ
ターン形成を行うことを特徴とする。また、本発明は、
リブ形成がプラズマディスプレイ、エレクトロルミネッ
センスディスプレイ、フィールドエミッション型ディス
プレイの何れかに用いられるパターン形成であることを
特徴とする。また、本発明は、高粘度物質に少なくとも
バインダー樹脂を含み、液晶表示装置の液晶注入部のス
ペーサーに用いるパターン形成であることを特徴とす
る。また、本発明は、高粘度物質に少なくとも導電性材
料を含み、パターン電極に用いるパターン形成であるこ
とを特徴とする。
【0011】 〔発明の詳細な説明〕以下本発明の実施形態について説
明する。図1は本発明で使用する高粘度物質用ディスペ
ンサーの概略構成を示す図である。図1において、シリ
ンジ12内には、蛍光体等の粒子が分散された高粘度の
インキ11が充填されている。シリンジ下部には、内径
50μm〜1mmのテフロン製またはポリプロピレン製
のノズル13が設けられている。内径は、物質の粘度
や、吐出速度、粒子径等の諸条件に合わせて選択され
る。ノズル13には電極14が形成され、コントローラ
ー30によって制御された電源15により1kV〜10
kVのパルス状の電圧を印加することができる。
【0012】電極の形態としては、1.ノズル、スリッ
ト自身を電極材料で構成する。2.ノズル、スリットの
内壁に電極を配置する。3.ノズル、スリットの内部に
電極を配置する。4.ノズル、スリットの外側に電極を
配置する。5.ノズル、スリットの壁内部に電極を配置
するなどのいずれでも良い。2〜5までの場合、吐出口
先端から電極までの距離は、必要な電圧の大きさと関係
するが、非常に広い範囲内で自由に配置することが可能
である。本発明者らは、十分大きな電圧を与えれば、吐
出速度にもよるが、電極をノズル先端から10cm以上
離した場合でさえ吐出が可能であることを既に見出して
いる。必要な印加電圧強度の観点から、吐出口先端から
電極までの距離は100mm以内であることが好まし
く、30mm以内であることが更に好ましい。このよう
な電極配置の自由度は吐出ヘッド設計において大きな利
点となり得るものである。記録媒体の導電性が高い場合
や、複数のノズルをアレイ状に配列し、隣接するノズル
に別々の信号を与えるような場合には、放電又はクロス
トークを抑制するために、吐出口から電極までの距離は
0.5mm以上離れた部位に配置するのがよく、より好
ましくは1mmから100mm、更に好ましくは1mm
から30mmの範囲に配置するのがよい。
【0013】電極をノズル、スリットの外側に配置する
場合には、ノズル壁又はスリット壁の厚みは1〜100
0μmであることが好ましい。電極の素材としては、例
えば、電気伝導率が1×10-4〜1×1010Ω-1・cm
-1までの金属材料或いは金属酸化物が好ましく用いられ
る。金属材料としてはAu、Ag、Pt、Cu、Alな
どの金属やステンレス、真鍮などの合金、金属酸化物と
してはITOや酸化スズなどの導電性セラミックスが好
ましく用いられる。流路内部に電極を配置する場合に
は、Au、Ptなどの貴金属類や導電性セラミックスな
どの化学物質への耐久性の高いものを用いるのが良い。
また、電極の変質、摩耗を防止する目的で、電極表面に
ハードコートを施す場合もある。
【0014】ここでは、絶縁性のノズルを用いている
が、この場合、電極は必ずしもノズルに形成されている
必要はなく、シリンジ12のインキ面より低い位置に設
けられていれば良い。また、ノズル13は必ずしも絶縁
性である必要はなく、金属製であっても良い。この場合
には、新たに電極を設ける必要はなく、ノズルが電極の
役目を果たす。またオリフィスは、必ずしもノズル先端
である必要はなく、シリンジ10の底面に、或いはイン
クを充填する容器に1つ又は複数の孔を形成したものも
使用できる。より詳しく述べると、吐出口を形成する材
料としては、導電体としてはステンレス、真鍮、Al、
Cu、Crなどが用いることができ、絶縁体(半導体)
としては、ガラス、雲母、酸化ジルコニウム、アルミ
ナ、窒化珪素などのセラミック材料、PEEK、テフロ
ン、NCナイロンなどのプラスチック材料等を用いるこ
とができる。
【0015】吐出口の先端面は、被吐出物質が濡れ広が
ってしまわないようにテフロン等の表面自由エネルギー
の低いもので被覆されていることが好ましい。被吐出物
質が濡れ広がってしまうと吐出口でのメニスカスの形成
が不安定になる他、吐出OFF時に汚れとして残存し、
後の記録に悪影響を与える。また、吐出口の形状として
は、ノズルの開口形状は円又は多角形のいずれでも良
い。開口径は50〜2000μmの範囲であることが好
ましく、メニスカスの安定性や詰まり防止の観点から1
00〜1000μmであることが更に好ましい。スリッ
トの場合は、ノズルの場合と同様、開口ギャップが50
〜2000μmの範囲であることが好ましく、メニスカ
スの安定性や詰まり防止の観点から100〜1000μ
mであることが更に好ましい。シリンジ上部からは、必
要に応じてコントローラ30により制御されて駆動する
図示しない加圧装置で所定の圧力を加えることができ
る。また、吐出する高粘度物質の性質によっては、加熱
装置により50〜150℃に加熱してもよい。
【0016】記録ギャップとしては、吐出口から基体ま
での距離は0.1mm〜10mm、より好ましくは0.
2〜2mmの範囲に設定される。距離が0.1mmより
狭いと安定なメニスカスが形成できず、さらに記録媒体
の微妙な凹凸に追従できなくなるため線幅が一定になら
ずまた断線が生じたりして好ましくない。一方、10m
mより広くなると吐出の直線性が損なわれ好ましくな
い。媒体16は必ずしも対向電極を構成する必要はな
く、曲面や凹凸のあるものでも基本的に用いることがで
きるが、凹凸が数百μm以上あるものへの連続吐出は、
ギャップ変動により吐出量が安定しないため好ましくな
い。オリフィスと媒体との距離は0.1〜10mm程度
である。
【0017】材質的には特に限定されず、粘度100c
ps以上の液体又は固体表面であれば吐出可能である。
低粘度の液体表面などへの吐出は、液体が記録電極側に
吸引される場合があり難しい。表面の導電性は、被吐出
物の基体への吸引力に若干影響する程度で、大きな影響
はない。ただし、金属のように導電性の高い基体の場合
には、電極との間で放電が生じたり、被吐出物を通じて
過剰な電流が流れる場合があるので、電極を距離を離し
て配置する必要がある。
【0018】次に、図2〜図4を参照して本発明による
高粘度物質の吐出方法について詳細に説明する。図2に
おいて、シリンジ12に充填された高粘度物質11は、
自重により次第に押し出されてノズ13の先端(オリフ
ィス)63にメニスカス17を形成する(図2(a))。
この状態で、メニスカスには重力と表面張力が作用して
いる。オリフィス63の径や、高粘度物質11の性質に
よって自重ではメニスカス17の形成に時間を要する場
合や、全く形成しない場合もあるため、このような場合
には、図1で説明した様に、加圧装置により上部から加
圧することで、メニスカス17を強制的に形成する。必
要によって加熱ヘッド60で加熱することにより、メニ
スカス17の形成を促すこともできる。
【0019】このような状態で直流又は交流電圧を印加
すると、メニスカス表面と外界との間、及びメニスカス
先端と内部との間に電位差が生じるため、静電的な圧力
が発生し、メニスカスが円錐形に歪めらる(図2
(b))。この電位が閾値以上であれば、メニスカスは
円錐形状を保ちながら基材の方向に伸長し(図2
(c))、やがて基材に付着する(図2(d))。この
状態で基材或いはノズルの水平方向の相対的な位置が変
化していれば、移動に対応して高粘度物質の微細なライ
ンが形成される(図2(e))。
【0020】吐出は連続的に行われるが、電圧強度を閾
値以下にする、或いは電圧をOFFにすることにより停
止させることができる。単位時間当たりの吐出量が多い
加圧を伴う吐出の場合、電圧の制御だけでは吐出が停止
できない場合がある。この時は電圧の制御と同時に加圧
をOFFする必要がある。閾電圧値とは、高粘度物質の
安定な吐出に必要な最小電圧強度のことであり、交流電
圧の実行値或いは、直流電圧の絶対値が閾電圧値を超え
た場合に吐出が行われる。閾電圧値は全ての系で一律に
決められるものではなく、物質やノズル、基材、ノズル
−基材間距離等によって異なる。
【0021】印加する電圧の強度は100V〜20kV
であることが好ましく、電圧制御や吐出の安定性の観点
から、1〜7kVの範囲にあるのが更に好ましい。直流
電圧であれば電圧の絶対値が100V〜20kVとなる
ようにすれば良く、正負の極性は吐出に影響しない。一
方交流の場合は電圧の実効値が100V〜20kVの範
囲に有れば良く、波形は図3に示すような矩形であるこ
とが好ましい。この場合図3の(a)から(c)にある
ように振幅が5kVであれば、0〜5kVであっても−
5kV〜0Vであっても、−2.5〜2.5kVであっ
ても吐出様態に大きな影響はない。吐出に用いられる周
波数の範囲は1Hz〜1000kH用いることができる
が、最適な周波数は主に高粘度物質の電気伝導率に依存
し、電気伝導率が高いほど最適な周波数が高くなる傾向
がある。すなわち、粘度や材料組成にもよるが、電気伝
導率が異なると最適な印加電圧周波数も変動する。多く
の場合、電気伝導率の上昇につれて、最適な印加電圧周
波数は高くなる。周波数が低いと、電極への析出等が発
生し易く好ましくない。また、周波数が高いと、電源の
性能上制御が難しくなるという問題もある。好ましい周
波数の範囲は1Hz〜10kHzである。吐出の連続性
と電圧制御の観点から、100Hz〜4kHzであるこ
とが更に好ましい。
【0022】円錐状に伸長したメニスカスの形状は、パ
ルス電圧の振幅や高粘度物質のレオロジー特性により変
化する。例えば、パルス電圧の振幅が大きい時には、メ
ニスカスの形状は図4(a)のように、オリフィスから
急激に細くなる。逆に振幅を小さくすると、図4(b)
のように、オリフィスから穏やかに細くなる。ディスペ
ンサーが、図1に示したように細いノズルを有している
場合、電圧パルスの電圧が高い(振幅が大きい)場合に
は、メニスカスはオリフィス位置では、ノズルの内径、
すなわちオリフィス径に等しくなるが(図4(a))、
振幅が小さい場合には、ノズルの外径に等しくなる(図
4(b))。パルス電圧の振幅が大きすぎると、媒体か
ら離れた位置で、メニスカスの先端が細くなり、媒体が
平面の場合には、ノズルから媒体に向かう電気力線が広
がっているため、中心からある範囲に渡って媒体上に付
着する。メニスカス先端と媒体との距離が離れるほど、
広い範囲に高粘度物質粒子が付着する。メニスカス先端
と媒体との距離が離れるほど、広い範囲に高粘度物質が
付着する。従って、媒体上に微小なドット状に、あるい
はオリフィスと媒体を相対的に位置を変えながら細いラ
イン状に、高粘度物質を形成したい場合には、電圧パル
スの振幅を小さくするか、あるいはオリフィスと媒体の
距離を近づけるか、いずれかの方法で、メニスカス先端
と媒体の距離を小さくすれば良い。また、メニスカスが
完全に細くならないうちに、メニスカスが媒体に接した
部分で、高粘度物質の一部が、媒体に付着するため、電
圧パルスの振幅を変化させることで、線幅を制御しなが
ら、ライン状に高粘度物質を形成することができる。形
成される高粘度物質の線幅またはドット径はオリフィス
径の1/2以下である。また、高粘度物質は、オリフィ
ス径の1/10以下の粒径の粒子を含むものであれば利
用でき、平均粒径は1〜10μmが好ましい。
【0023】尚、本発明は低粘度物質から極めて高い粘
度の物質まで適用可能であり、広範囲には0.1cps
〜100万cpsの粘度のものが使用可能であるが、1
00cps以下では着弾後の吐出液が速やかにレベリン
グし、乾燥前に吐出液自身の太りが生じ、ライン形成、
ドット形成に支障がある。また100万cpsを超える
と、高粘度物質の吐出部への充填が困難であるので、1
000cps〜100万cpsの高粘度物質への適用が
好ましい。本発明に用いる高粘度物質は、単一相の液体
に限らず、懸濁液、分散液、エマルジョンなどと呼ばれ
る複数相から成る液体であっても良い。また高粘度物質
の電気伝導率は10-10Ω-1・cm-1から10-4Ω-1
cm-1の範囲が好ましい。高粘度物質の電気伝導率が1
-10Ω-1・cm-1以下となると、液表面の電位が低い
ため電圧印加による効果(先端が細くなる、基材方向に
吸引力が働く)が小さくなる、脈動が大きくなり吐出量
が安定しない、大きな液滴が断続的に吐出されるように
なり、着弾位置も安定しない。一方、高粘度物質の電気
伝導率が10-4Ω-1・cm-1以上では、液表面電位が高
くなるため基材表面や他の部位との間で放電が発生しや
すくなる(空気中)。また、電気伝導率は印加電圧の最
適な周波数と相関がある。組成にもよるが、蛍光体ペー
ストの場合、電気伝導率10-9Ω-1・cm-1のペースト
の最適周波数が50Hzであるのに対し、電気伝導率1
-7Ω-1・cm-1のペーストの最適周波数は10kHz
である。
【0024】被吐出物質は動作温度で液状(流動性を持
つ)である必要があるため、有機又は無機液体を主成分
とし、用途に応じてパターニングしたい成分(目的物
質)を溶解、分散させたものを用いる。通常は、(液体
+バインダー+目的物質)の組成で被吐出物が構成され
るが、電気伝導率が上記の範囲内にあれば、必要に応じ
て、分散剤、消泡剤、揺変剤などの各種添加剤を自由に
混合することができる。多くの場合、被吐出物質の電気
伝導率は主成分である有機または無機液体の組成で決定
される。所望の電気伝導率を有する液体を主成分として
インキ設計を行えば、得られたインキの電気伝導率は、
組成物にもよるが、ほぼ前記液体のそれに近い値とな
る。
【0025】本発明に用いられる、電気伝導率が10
-10Ω-1・cm-1から10-4Ω-1・cm-1の範囲にある
液体の例としては、無機液体としては、水、COC
2、HBr、HNO3、H3PO4、H2SO4、SOCl
2、SO2Cl2、FSO3Hなどが挙げられる。有機液体
としては、メタノール、n−プロパノール、イソプロパ
ノール、n−ブタノール、2−メチル−1−プロパノー
ル、tert−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノ
ール、ベンジルアルコール、α−テルピネオール、エチ
レングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコールなどのアルコール類;フェノー
ル、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾー
ル、などのフェノール類;ジオキサン、フルフラール、
エチレングリコールジメチルエーテル、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカル
ビトール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールア
セテート、エピクロロヒドリンなどのエーテル類;アセ
トン、メチルエチルケトン、2−メチル−4−ペンタノ
ン、アセトフェノンなどのケトン類;ギ酸、酢酸、ジク
ロロ酢酸、トリクロロ酢酸などの脂肪酸類;ギ酸メチ
ル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−
ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−3−メトキシブチル、
酢酸−n−ペンチル、プロピオン酸エチル、乳酸エチ
ル、安息香酸メチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメ
チル、フタル酸ジエチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレ
ン、炭酸プロピレン、セロソルブアセテート、ブチルカ
ルビトールアセテート、アセト酢酸エチル、シアノ酢酸
メチル、シアノ酢酸エチルなどのエステル類;ニトロメ
タン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、プロピオニト
リル、スクシノニトリル、バレロニトリル、ベンゾニト
リル、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミ
ン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチル
アニリン、o−トルイジン、p−トルイジン、ピペリジ
ン、ピリジン、α−ピコリン、2,6−ルチジン、キノ
リン、プロピレンジアミン、ホルムアミド、N−メチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルア
セトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N,
N',N'−テトラメチル尿素、N−メチルピロリドンな
どの含窒素化合物類;ジメチルスルホキシド、スルホラ
ンなどの含硫黄化合物類;ベンゼン、p−シメン、ナフ
タレン、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキセンなど
の炭化水素類;1,1−ジクロロエタン、1,2−ジク
ロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,
1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラ
クロロエタン、ペンタクロロエタン、1,2−ジクロロ
エチレン(cis−)、テトラクロロエチレン、2−ク
ロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、2−ク
ロロ−2−メチルプロパン、ブロモメタン、トリブロモ
メタン、1−ブロモプロパンなどのハロゲン化炭化水素
類、などが挙げられる。
【0026】単独で所望の電気伝導率を有する液体がな
い場合、2種以上の液体を混合して用いても良い。例え
ば、電気伝導率9.6×10-7Ω-1・cm-1のブチルカルビ
トールと3.8×10-9Ω-1・cm-1のブチルカルビトール
アセテートを混合した場合、混合の比率によって図10
のように電気伝導率が変化する。混合溶媒の電気伝導率
を1×10-7Ω-1・cm-1付近にしたければ、図10より
ブチルカルビトールとブチルカルビトールアセテートの
混合比を41:59にすれば良いことが分かる。この混
合溶媒にパターニングしたい粉体や樹脂を分散、溶解さ
せれば、多くの場合電気伝導率が1×10-7Ω-1・cm-1
付近の混合物が得られる。所望の電気伝導率を得るもう
一つの手段として、電気伝導率の低い液体を主成分とし
てインキを作製し、後から高い導電性を有する物質を少
量添加する方法がある。高い導電性を有する物質として
は、アルミニウム粉末などの金属物質や、水に電解質を
溶解したものなどがある。後者の場合、多くの有機液体
と相溶しないため、しばしば界面活性剤と共にエマルジ
ョン的に添加することが行われる。これらの手法によれ
ば、溶剤組成を大きく変更することなく電気伝導率だけ
を上昇させることが可能となる。また、ブチルカルビト
ールのように多くの電解質を溶解し得るものであれば、
電解質を溶存せしめることで電気伝導率を調整しても良
い。
【0027】導電性ペーストのように、液体成分よりも
高電気伝導率の物質(銀粉など)が多く含まれる場合
は、液体の組成で電気伝導率を調整することができな
い。予め予備測定などで固形分濃度と電気伝導率の相関
を知った後にインキ組成を設計する必要がある。先に挙
げた物質のうち、室温下で固体のものは、その融点以上
に加熱してからヘッドに供給すればよい。このような方
式は例えばホットメルトタイプのインクジェット記録方
式で一般的なものであるが、記録装置にヒーター部を設
ける必要がある点と、ウォーミングアップに時間がかか
る点から、速乾性を必要とするような特殊な用途以外に
は用いられない。液体の沸点は開口部での目詰まりの程
度に影響するため重要である。好ましい沸点の範囲は1
50℃〜300℃であり、更に好ましくは180℃〜2
50℃である。150℃より低いと乾燥による目詰まり
が発生しやすく、300℃より高いと記録後の乾燥に時
間がかかり好ましくない。このような高沸点の液体は、
被吐出物中の全液体のうち50重量%以上を占めること
が好ましく、70重量%以上であることが更に好まし
い。
【0028】前記の液体に溶解又は分散させる目的物質
は、ノズルで詰まりを発生するような粗大粒子を除けば
特に制限されない。PDP、CRT、FEDなどの蛍光
体としては、従来より知られているものを特に制限なく
用いることができる。例えば、赤色蛍光体として、
(Y,Gd)BO3:Eu、YO3:Euなど、緑色蛍光
体として、Zn2SiO4:Mn、BaAl1219:M
n、(Ba,Sr,Mg)O・α−Al23:Mnな
ど、青色蛍光体として、BaMgAl1423:Eu、B
aMgAl1017:Euなどが挙げられる。上記の目的
物質を記録媒体上に強固に接着させるために、各種バイ
ンダーを添加するのが好ましい。用いられるバインダー
としては、例えば、エチルセルロース、メチルセルロー
ス、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース等のセルロースおよびその誘導体;アル
キッド樹脂;ポリメタクリタクリル酸、ポリメチルメタ
クリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート・メタ
クリル酸共重合体、ラウリルメタクリレート・2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート共重合体などの(メタ)ア
クリル樹脂およびその金属塩;ポリN−イソプロピルア
クリルアミド、ポリN,N−ジメチルアクリルアミドな
どのポリ(メタ)アクリルアミド樹脂;ポリスチレン、
アクリロニトリル・スチレン共重合体、スチレン・マレ
イン酸共重合体、スチレン・イソプレン共重合体などの
スチレン系樹脂;スチレン・n−ブチルメタクリレート
共重合体などのスチレン・アクリル樹脂;飽和、不飽和
の各種ポリエステル樹脂;ポリプロピレン等のポリオレ
フィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等
のハロゲン化ポリマー;ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリカーボネー
ト樹脂;エポキシ系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリビ
ニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルア
セタール等のポリアセタール樹脂;エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合樹脂
などのポリエチレン系樹脂;ベンゾグアナミン等のアミ
ド樹脂;尿素樹脂;メラミン樹脂;ポリビニルアルコー
ル樹脂及びそのアニオンカチオン変性;ポリビニルピロ
リドンおよびその共重合体;ポリエチレンオキサイド、
カルボキシル化ポリエチレンオキサイド等のアルキレン
オキシド単独重合体、共重合体及び架橋体;ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリア
ルキレングリコール;ポリエーテルポリオール;SB
R、NBRラテックス;デキストリン;アルギン酸ナト
リウム;ゼラチン及びその誘導体、カゼイン、トロロア
オイ、トラガントガム、プルラン、アラビアゴム、ロー
カストビーンガム、グアガム、ペクチン、カラギニン、
にかわ、アルブミン、各種澱粉類、コーンスターチ、こ
んにゃく、ふのり、寒天、大豆蛋白等の天然或いは半合
成樹脂;テルペン樹脂;ケトン樹脂;ロジン及びロジン
エステル;ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンイ
ミン、ポリスチレンスルフォン酸、ポリビニルスルフォ
ン酸などを用いることができる。これらの樹脂は、ホモ
ポリマーとしてだけでなく、相溶する範囲でブレンドし
て用いても良い。
【0029】本発明の高粘度物質の吐出方法を用いたパ
ターンニング方法としての用途としては、代表的なもの
としてはディスプレイ用途に使用することができる。具
体的には、プラズマディスプレイの蛍光体の形成、プラ
ズマディスプレイのリブの形成、プラズマディスプレイ
の電極の形成、CRTの蛍光体の形成、FED(フィー
ルドエミッション型ディスプレイ)の蛍光体の形成、F
EDのリブの形成、液晶ディスプレイ用カラーフィルタ
ー(RGB着色層、ブラックマトリクス層)、液晶ディ
スプレイ用スペーサー(ブラックマトリクスに対応した
パターン、ドットパターン等)などが挙げることができ
る。ここでいうリブとは一般的に障壁を意味し、プラズ
マディスプレイを例に取ると各色のプラズマ領域を分離
するために用いられる。その他の用途としては、マイク
ロレンズ、半導体用途として磁性体、強誘電体、導電性
ペースト(配線、アンテナ)などのパターンニング塗
布、グラフィック用途としては、通常印刷、特殊媒体
(フィルム、布、鋼板など)への印刷、曲面印刷、各種
印刷版の刷版、加工用途としては粘着材、封止材などの
本発明を用いた塗布、バイオ、医療用途としては医薬品
(微量の成分を複数混合するような)、遺伝子診断用試
料等の塗布等に応用することができる。
【0030】
【実施例】次に、本発明の一実施例について説明する。 <蛍光体ペーストの調整> ・蛍光体 緑 化成オプトニクス社製 P1−GIS(赤KX−504A) 65wt% ・アクリル樹脂MP−4009(綜研化学) 100wt% ・溶剤 ブチルカルビトールアセテート:ブチルカルビトール=1:1 25wt% を混練し、3本ロール処理を行い蛍光体ペーストとし
た。得られたペーストの粘度を測定したところ、700
00cpsであった。
【0031】<高粘度物質用ディスペンサー>図5は本
発明の高粘度物質用ディスペンサーの一実施例の概略装
置構成を示す図である。ここでは、絶縁性の吐出部を用
いたタイプについて説明する。図5において、シリンジ
12の下部に、内径約270μmのテフロン製の吐出部
(ノズル13)有している。吐出部の吐出口近くに、高
電圧を印加するための電極14が形成されている。ま
た、媒体20は、水平方向に移動可能なXYステージ
(図示せず)上に設置されており、シリンジの吐出部と
水平方向の相対位置を任意に変化させることができる。
シリンジ内の圧力は、窒素ボンベ40と圧力コントロー
ラ41によって、任意に調節することができる。また、
必要に応じて、加圧装置60により、シリンジおよびシ
リンジ内のペーストの温度を制御することができる。こ
れら全ての制御は、コントローラ30により行い、コン
トローラ30は、電源31、圧力コントローラ41、X
Yステージを制御し、シリンジ内の圧力の制御や、電圧
パルスの振幅やタイミングを制御し、吐出位置や吐出量
を制御し、媒体上にシリンジに充填した高粘度物質を付
着形成することができる。吐出の様子はCCDカメラ5
0で撮影してモニタ51で観察する。
【0032】次に、図5の装置を用いて、高粘度物質の
吐出の様子を調べた結果について説明する。吐出条件は
次の通りである。 吐出部材質:テフロン 吐出部内径:(オリフィス径):270μm 基材(媒体):ガラス オリフィス−基材間距離:0.75mm 圧力:3気圧 温度:室温(25℃) 電圧(振幅):2kV〜15kV オフセット:−2.5kV〜2.5kV(振幅5kV) 周波数:10Hz〜1kHz 波形:矩形波 上記吐出条件いおいて、電圧パルスの振幅を2kV〜1
5kVまで変化さ(オフセット0V、周波数1kH
z)、CCDカメラにより、メニスカスの形状を観察し
たところ、振幅3kV以上でメニスカスが円錐状に引き
出され、ペーストの吐出が確認された。また、オリフィ
スから0.25mmの位置のメニスカスの径を測定した
ところ、図6に示すように、電圧パルスの振幅が大きい
ほど、メニスカス径(根元部から円錐先端までの長さの
1/3の位置における径)が小さくなる傾向が見られ
た。また、振幅10kV以上では、メニスカスの長さ
が、オリフィスと基材との距離より短くなり、基材から
離れた位置でペーストが分離し、吐出しているのが観察
された。
【0033】次に、振幅を5kV、周波数を1kHzに
固定して、オフセットを−2.5kV〜2.5kVの間
で変化させ、同様にCCDカメラで観察したところ、メ
ニスカスの形状および吐出状態に差異は見られなかっ
た。
【0034】さらに、振幅5kV、オフセット0Vに固
定して、周波数を10Hz〜1kHzまで変化させて同
様に吐出状態を観察した。1kHzの高周波の場合に
は、電圧印加開始から速やかに図7(a)に示すような
形状のメニスカスが引き出され、ペーストの吐出が確認
されたが周波数が小さくなるにつれて、反応が鈍くな
り、メニスカスの形状も図7(b)のように、膨らんだ
ような形状になり、吐出の安定性も悪くなった。
【0035】次に、周波数1kHz、オフセット0V、
同じ圧力の状態で、振幅を2kVと5kVを交互に印加
して吐出の状態を観察した。図8に示すように、2kV
と5kVの電圧を2秒ずつ、交互に印加したところ、5
kV印加時には、ペーストの吐出が見られ、2kV印加
時には吐出が見られなかったが、2kV印加時にも、メ
ニスカスの形状は5kV印加時と同様の形状を維持して
いた。
【0036】また、上記の吐出条件において、振幅5k
V(オフセット電圧0V)、周波数1kHzとした以外
は同じ条件とし、基材に対する相対移動度50mm/秒
で吐出しながら装置を移動させ、蛍光体ペーストを用い
て線幅40μmのラインを形成することができた。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、1000
cps〜100万cpsの高粘度物質、粒径の大きい粒
子を含む高粘度物質の塗布形成を行うことができ、且つ
塗布すドットの径、線幅を極めて小さくできるので、精
細なパターン状に高粘度物質を塗布することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する高粘度物質用ディスペンサー
の概略構成図である。
【図2】高粘度物質が吐出される状態を説明する図であ
る。
【図3】印加するパルス電圧を説明する図である。
【図4】メニスカスを説明する図である。
【図5】本発明の高粘度物質用ディスペンサーを説明す
る図である。
【図6】印加するパルス電圧の振幅とメニスカス径の関
係を示す図である。
【図7】メニスカスを示す図である。
【図8】印加するパルス電圧の例を示す図である。
【図9】従来の蛍光面方法を説明する図である。
【図10】混合液体の電気伝導率の組成比変化を示す図
である。
【符号の説明】
11・・・高粘度物質、12・・・容器、13・・・ノ
ズル、14・・・電極、15・・・電源、16・・・媒
体、17・・・メニスカス、19・・・ドット、20・
・・媒体、30・・・コントローラ、31・・・電源、
40・・・圧力ボンベ、41・・・圧力コントローラ、
50・・・CCDカメラ、51・・・モニタ、60・・
・加熱ヘッド、63・・・オリフィス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B05C 5/00 101 B05C 5/00 101

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部に50μm〜1mm径の円形また
    は多角形のオリフィスを有し、100cps〜1000
    000cpsの高粘度物質が充填された容器の一部又は
    全体に電極を配置し、前記オリフィスから高粘度物質の
    メニスカスを張り出させて形成した状態で、前記電極に
    電圧を印加して高粘度物質を引き出し、その一部を分離
    切断することにより、媒体上に付着させることを特徴と
    する高粘度物質用ディスペンサーの吐出方法。
  2. 【請求項2】 下部に50μm〜1mm径の円形また
    は多角形のオリフィスを有し、100cps〜1000
    000cpsの高粘度物質が充填された容器の一部又は
    全体に電極を配置し、前記オリフィスから高粘度物質の
    メニスカスを張り出させて形成した状態で、前記電極に
    電圧を印加するとともに、電圧に応じて、媒体とオリフ
    ィスの水平方向の相対位置を変化させながら、前記高粘
    度物質を引き出し、その一部を分離切断することによ
    り、媒体上に付着させることを特徴とする高粘度物質用
    ディスペンサーの吐出方法。
  3. 【請求項3】 電圧の絶対値が100〜20000V
    の範囲である請求項1又は2何れかに記載の高粘度物質
    用ディスペンサーの吐出方法。
  4. 【請求項4】 電圧がパルス電圧である請求項3記載
    の高粘度物質用ディスペンサーの吐出方法。
  5. 【請求項5】 電圧の絶対値を減少若しくは電圧をO
    FFにすることにより高粘度物質を分離切断することを
    特徴とする請求項1又は2何れかに記載の高粘度物質用
    ディスペンサーの吐出方法。
  6. 【請求項6】 前記高粘度物質を充填した容器を加圧
    して前記メニスカスを形成することを特徴とする請求項
    1又は2何れかに記載の高粘度物質用ディスペンサーの
    吐出方法。
  7. 【請求項7】 前記オリフィスから媒体までの距離が
    0.1〜10mmでることを特徴とする請求項1乃至6
    何れかに記載の高粘度物用ディスペンサーの吐出方法。
  8. 【請求項8】 前記高粘度物質が前記オリフィス径の
    1/10以下の粒径の粒子を含むことを特徴とする請求
    項1乃至7何れかに記載の高粘度物質用ディスペンサー
    の吐出方法。
  9. 【請求項9】 前記高粘度物質が0.1〜10μmの
    平均粒径を含んでいることを特徴とする請求項1乃至8
    何れかに記載の高粘度物質用ディスペンサーの吐出方
    法。
  10. 【請求項10】 前記高粘度物質を充填する容器が電
    極を兼ねることを特徴とする請求項1乃至9何れかに記
    載の高粘度物質用ディスペンサーの吐出方法。
  11. 【請求項11】 前記高粘度物質を加熱する手段を有
    することを特徴とする請求項1乃至10何れかに記載の
    高粘度物質用ディスペンサーの吐出方法。
  12. 【請求項12】 電圧が直流電圧であることを特徴と
    する請求項1乃至11何れかに記載の高粘度物質用ディ
    スペンサーの吐出方法。
  13. 【請求項13】 電圧が直流電圧であって、その電圧
    印加のON−OFF、並びに圧力を制御することにより
    媒体上に形成される高粘度物質の線幅またはドット径が
    オリフィス径の1/2以下であることを特徴とする請求
    項1乃至12何れかに記載の高粘度物質用ディスペンサ
    ーの吐出方法。
  14. 【請求項14】 電圧が交流電圧であることを特徴と
    する請求項1乃至11何れかに記載の高粘度物質用ディ
    スペンサーの吐出方法。
  15. 【請求項15】 電圧が交流電圧であって、電圧の振
    幅と圧力を制御することにより、媒体上に形成される高
    粘度物質の線幅またはドット径がオリフィス径の1/2
    以下であることを特徴とする請求項1乃至11、又は1
    4何れかに記載の高粘度物質用ディスペンサーの吐出方
    法。
  16. 【請求項16】 前記交流電圧の周波数が1Hz〜1
    00kHzであることを特徴とする請求項14又は15
    何れかに記載の高粘度物質用ディスペンサーの吐出方
    法。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至16の何れかの高粘度
    物質用ディスペンサーの吐出方法を用いたことを特徴と
    するパターン形成方法。
  18. 【請求項18】 高粘度物質に蛍光体を用い、プラズ
    マディスプレイパネル、エレクトロルミネッセンスディ
    スプレイパネル、フィールドエミッション型ディスプレ
    イパネル、CRTブラウン管の何れかに用いられること
    を特徴とする請求項17記載のパターン形成方法。
  19. 【請求項19】 高粘度物質に少なくともガラス粉体
    を含み、リブ形成を行うことを特徴とする請求項17記
    載のパターン形成方法。
  20. 【請求項20】 リブ形成がプラズマディスプレイ、
    エレクトロルミネッセンスディスプレイ、フィールドエ
    ミッション型ディスプレイの何れかに用いられることを
    特徴とする請求項19記載のパターン形成方法。
  21. 【請求項21】 高粘度物質に少なくともバインダー
    樹脂を含み、液晶表示装置の液晶注入部のスペーサーに
    用いることを特徴とする請求項17記載のパターン形成
    方法。
  22. 【請求項22】 高粘度物質に少なくとも導電性材料
    を含み、パターン電極に用いることを特徴とする請求項
    17記載のパターン形成方法。
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