JP4218948B2 - 液体吐出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基材に液体を吐出する液体吐出装置に関する。
従来のインクジェット記録方式としては、圧電素子の振動によりインク流路を変形させることによりインク液滴を吐出させるピエゾ方式、インク流路内に発熱体を設け、その発熱体を発熱させて気泡を発生させ、気泡によるインク流路内の圧力変化に応じてインク液滴を吐出させるサーマル方式、インク流路内のインクを帯電させてインクの静電吸引力によりインク液滴を吐出させる静電吸引方式(例えば、特許文献1,2参照。)が知られている。
特開平8−238774号公報 特開2000−127410号公報
しかしながら、上記各従来例には以下の問題がある。
(1)微小液滴形成の限界と安定性
ノズルの先端部の内径が大きいため、ノズルから吐出される液滴の形状が安定せず、且つ液滴の微小化に限界がある。
(2)高印加電圧
微小液滴の吐出のためには、ノズルの吐出口の微細化を図ることが重要因子となってくるが、従来の静電吸引方式の原理では、ノズル先端部の内径が大きいことにより、ノズル先端部の電界強度が弱く、液滴を吐出するのに必要な電界強度を得るために、高い吐出電圧(例えば2000[V]に近い非常に高い電圧)を印加する必要があった。従って、高い電圧を印加するために、電圧の駆動制御が高価になり、さらに、安全性の面からも問題があった。
そこで、微小液滴を吐出可能な液体吐出装置を提供することを第一の目的とする。また同時に、安定した液滴を吐出することが可能な液体吐出装置を提供することを第二の目的とする。さらに、印加電圧を低減することを可能とし、安価で安全性の高い液体吐出装置を提供することを第三の目的とする。
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、帯電した溶液の液滴の吐出を受ける受け面を有する基材にその先端部を対向させて配置されると共に当該先端部から前記液滴を吐出する、先端部の内径が0.2μmより大きく4μm以下のノズルと、このノズル内に溶液を供給する溶液供給手段と、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備え、前記ノズルの吐出口が開口する前記ノズルの端面上に、前記吐出口を囲む環状に前記ノズルの内面よりも撥水性の高い膜が成膜され、前記溶液の液面が前記膜の内径を直径とし、ノズル外に凸なメニスカス形状にある時に前記液滴を吐出することを特徴とする液体吐出装置である。
以下、ノズル径という場合には、液滴を吐出する先端部におけるノズルの内径(ノズルの先端部の内径)を示すものとする。なお、ノズル内の液体吐出孔の断面形状は円形に限定されるものではない。例えば、液体吐出孔の断面形状が多角形、星形その他の形状である場合にはその断面形状の外接円が0.2μmより大きく4μm以下となることを示すものとする。以下、ノズル径或いはノズルの先端部の内径という場合において、他の数値限定を行っている場合にも同様とする。また、ノズル半径という場合には、このノズル径(ノズルの先端部の内径)の1/2の長さを示すものとする。
上述の構成において、「帯電した溶液の液滴の吐出を受ける受け面を有する基材」とは、吐出された溶液の液滴の着弾を受ける対象物をいい、材質的には特に限定しない。例えば、上記構成をインクジェットプリンタに適応した場合には用紙やシート等の記録媒体であり、導電性ペーストを用いて回路の形成を行う場合には回路が形成されるべきベースである。
上記構成にあっては、ノズルの先端部に液滴の受け面が対向するように、ノズル又は基材が配置される。これら相互の位置関係を実現するための配置作業は、ノズルの移動又は基材の移動のいずれにより行ってもよい。
そして、溶液供給手段によりノズル内に溶液が供給される。ノズル内の溶液は吐出を行うために帯電した状態にあることが要求される。なお、溶液の帯電に必要な電圧印加を行う帯電専用の電極を設けてもよい。
ノズル内の溶液に吐出電圧が印加されると、静電力により溶液がノズルの先端側に誘導され、外部に突出した凸状メニスカスが形成される。この凸状メニスカスの頂点に電界が集中し、溶液の表面張力に抗して液滴が吐出される。
ノズルの吐出口付近の撥水性が低いほど、凸状メニスカスの曲率が小さいうちに、溶液がノズルの端面上に拡がってしまう。
しかし、上記構成によれば、ノズルの吐出口が開口するノズルの端面上に、吐出口を囲む環状にノズルの内面よりも撥水性の高い膜が成膜されるので、ノズルの内面とノズルの端面の撥水性が等しい場合と比較して、溶液が膜の内径より外側にぬれ拡がり難くなる。そのため、ノズル先端部において、膜の内径を直径として形成された凸状メニスカスの曲率をより高いレベルにまで大きくすることができ、メニスカスの頂点に電界をより高い集中度で集中させることができる。その結果、液滴の微小化を図ることができる。また、微小径のメニスカスを形成することが可能であるため、メニスカスの頂点に電界が集中し易く、吐出電圧を低電圧化することができる
上記構成にあっては、ノズルを従来にない超微細径とすることでノズル先端部に電界を集中させて電界強度を高めることに特徴がある。ノズルの小径化に関しては後の記載により詳述する。かかる場合、ノズルの先端部に対向する対向電極がなくとも液滴の吐出を行うことが可能である。そして、ノズル先端部に誘起される静電力により液滴の飛翔が行われる。
但し、本発明の構成は、対向電極を不要とすることを可能とするが、対向電極を併用しても構わない。対向電極を併用する場合には、当該対向電極の対向面に沿わせた状態で基材を配置すると共に対向電極の対向面がノズルからの液滴吐出方向に垂直に配置されることが望ましく、これにより、ノズル−対向電極間での電界による静電力を飛翔電極の誘導のために併用することも可能となるし、対向電極を接地すれば、帯電した液滴の電荷を空気中へ放電することに加え、対向電極を介して逃がすことができ、電荷の蓄積を低減する効果も得られるので、むしろ併用することが望ましい構成といえる。
請求項記載の発明は、帯電した溶液の液滴の吐出を受ける受け面を有する基材にその先端部を対向させて配置されると共に当該先端部から前記液滴を吐出する、先端部の内径が0.2μmより大きく4μm以下のノズルと、このノズル内に溶液を供給する溶液供給手段と、前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備え、前記ノズルがフッ素含有感光性樹脂により形成されたことを特徴とする液体吐出装置である。
上記構成によれば、ノズルがフッ素含有感光性樹脂により形成されているので、溶液がぬれ拡がり難い。そのため、ノズル先端部において、凸状メニスカスの曲率をより高いレベルにまで大きくすることができ、メニスカスの頂点に電界をより高い集中度で集中させることができる。その結果、液滴の微小化を図ることができる。また、微小径のメニスカスを形成することが可能であるため、メニスカスの頂点に電界が集中し易く、吐出電圧を低電圧化することができる。さらに、ノズルに溶液が付着することを抑えることができるので、溶液がノズルに固着することを防ぎ、ノズルの目詰まりを抑えることができる。
請求項記載の発明は、前記溶液と前記ノズルの吐出口の周囲の素材とが、相互の接触角が45度以上となるものとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置である。
上記構成によれば、溶液とノズルの吐出口の周囲の素材との接触角が45度以上であるので、溶液がノズルの吐出口の周囲にぬれ拡がり難い。そのため、ノズル先端部において、凸状メニスカスの曲率をより高いレベルにまで大きくすることができ、メニスカスの頂点に電界をより高い集中度で集中させることができる。その結果、液滴の微小化を図ることができる。また、微小径のメニスカスを形成することが可能であるため、メニスカスの頂点に電界が集中し易く、吐出電圧を低電圧化することができる。
請求項記載の発明は、前記溶液と前記ノズルの吐出口の周囲の素材とが、相互の接触角が90度以上となるものとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置である。
上記構成によれば、溶液とノズルの吐出口の周囲の素材との接触角が90度以上であるので、溶液がノズルの吐出口の周囲によりぬれ拡がり難い。そのため、ノズル先端部において、凸状メニスカスの曲率をより高いレベルにまで大きくすることができ、メニスカスの頂点に電界をより高い集中度で集中させることができる。その結果、液滴の微小化を図ることができる。また、微小径のメニスカスを形成することが可能であるため、メニスカスの頂点に電界が集中し易く、吐出電圧を低電圧化することができる。また、接触角が90度以上になると、メニスカス形状の形成が安定し、吐出液滴量の安定化が図りやすくなり、応答性が向上する。
請求項記載の発明は、前記溶液と前記ノズルの吐出口の周囲の素材とが、相互の接触角が130度以上となるものとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置である。
上記構成によれば、溶液とノズルの吐出口の周囲の素材との接触角が130度以上であるので、溶液がノズルの吐出口の周囲によりぬれ拡がり難い。そのため、ノズル先端部において、凸状メニスカスの曲率をより高いレベルにまで大きくすることができ、メニスカスの頂点に電界をより高い集中度で集中させることができる。その結果、液滴の微小化を図ることができる。また、微小径のメニスカスを形成することが可能であるため、メニスカスの頂点に電界が集中し易く、吐出電圧を低電圧化することができる。また、接触角が130度以上になると、メニスカス形状の形成が極めて安定し、吐出液滴量の安定化がより図りやすくなり、さらに応答性が向上する。
ノズルの先端部の内径を20[μm]未満とすることにより、電界強度分布が狭くなる。このことにより、電界を集中させることができる。その結果、形成される液滴を微小で且つ形状の安定化したものとすることができると共に、総印加電圧を低減することができる。また、液滴は、ノズルから吐出された直後、電界と電荷の間に働く静電力により加速されるが、ノズルから離れると電界は急激に低下するので、その後は、空気抵抗により減速する。しかしながら、微小液滴でかつ電界が集中した液滴は、対向電極に近づくにつれ、静電力により加速される。この空気抵抗による減速と静電力による加速とのバランスをとることにより、微小液滴を安定に飛翔させ、着弾精度を向上させることが可能となる。
ノズルの先端部の内径を10[μm]以下とすることにより、さらに電界を集中させることが可能となり、さらなる液滴の微小化と、飛翔時に対向電極の距離の変動が電界強度分布に影響することを低減させることができるので、対向電極の位置精度や基材の特性や厚さの液滴形状への影響や着弾精度への影響を低減することができる。
さらに、ノズルの先端部の内径を8[μm]以下とすることにより、さらに電界を集中させることが可能となり、さらなる液滴の微小化と、飛翔時に対向電極の距離の変動が電界強度分布に影響することを低減させることができるので、対向電極の位置精度や基材の特性や厚さの液滴形状への影響や着弾精度への影響を低減することができる。
さらに、ノズルの先端部の内径を4[μm]以下とすることにより、顕著な電界の集中を図ることができ、最大電界強度を高くすることができ、形状の安定な液滴の超微小化と、液滴の初期吐出速度を大きくすることができる。これにより、飛翔安定性が向上することにより、着弾精度をさらに向上させ、吐出応答性を向上することができる。
さらに、電界集中の度合いが高まることにより、多ノズル化時のノズルの高密度化で課題となる電界クロストークの影響を受けにくくなり、一層の高密度化が可能となる。
また、ノズルの先端部の内径は0.2[μm]より大きい方が望ましい。ノズルの先端部の内径を0.2[μm]より大きくすることで、液滴の帯電効率を向上させることができるので、液滴の吐出安定性を向上させることができる。
さらに、上記各請求項の構成において、
(1)ノズルを電気絶縁材で形成し、ノズル内に吐出電圧印加用の電極を挿入あるいは当該電極として機能するメッキ形成を行うことが好ましい。
(2)上記各請求項の構成又は上記(1)の構成において、ノズルを電気絶縁材で形成し、ノズル内に電極を挿入或いは電極としてのメッキを形成すると共にノズルの外側にも吐出用の電極を設けることが好ましい。
ノズルの外側の吐出用電極は、例えば、ノズルの先端側端面或いは、ノズルの先端部側の側面の全周若しくは一部に設けられる。
(1)及び(2)により、上記各請求項による作用効果に加え、吐出力を向上させることができるので、ノズル径をさらに微細化しても、低電圧で液滴を吐出することができる。
(3)上記各請求項の構成、上記(1)又は(2)の構成において、基材を導電性材料または絶縁性材料により形成することが好ましい。
(4)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)又は(3)の構成において、ノズルに印加する電圧Vを
Figure 0004218948
で表される領域において駆動することが好ましい。
ただし、γ:液体の表面張力[N/m]、ε0:真空の誘電率[F/m]、d:ノズル直径[m]、h:ノズル−基材間距離[m]、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
(5)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)、(3)又は(4)の構成において、印加する吐出電圧が1000V以下であることが好ましい。
吐出電圧の上限値をこのように設定することにより、吐出制御を容易とすると共に装置の耐久性の向上及び安全対策の実行により確実性の向上を容易に図ることが可能となる。
(6)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)の構成において、印加する吐出電圧が500V以下であることが好ましい。
吐出電圧の上限値をこのように設定することにより、吐出制御をより容易とすると共に装置の耐久性のさらなる向上及び安全対策の実行により確実性のさらなる向上を容易に図ることが可能となる。
(7)上記各請求項の構成、上記(1)〜(6)いずれかの構成において、ノズルと基材との距離が500[μm]以下とすることが、ノズルの先端部の内径を微細にした場合でも高い着弾精度を得ることができるので好ましい。
(8)上記各請求項の構成、上記(1)〜(7)いずれかの構成において、ノズル内の溶液に圧力を印加するように構成することが好ましい。
(9)上記各請求項の構成、上記(1)〜(8)いずれかの構成において、単一パルスによって吐出する場合、
Figure 0004218948
により決まる時定数τ以上のパルス幅Δtを印加する構成としてもよい。ただし、ε:溶液の誘電率[F/m]、σ:溶液の導電率[S/m]とする。
請求項1記載の発明は、ノズルの吐出口が開口するノズルの端面上に、吐出口を囲む環状にノズルの内面よりも撥水性の高い膜が成膜されるので、ノズルの内面とノズルの端面の撥水性が等しい場合と比較して、溶液が膜の内径より外側にぬれ拡がり難くなるという効果がある。そのため、ノズル先端部において、膜の内径を直径として形成された凸状メニスカスの曲率をより高いレベルにまで大きくすることができ、メニスカスの頂点に電界をより高い集中度で集中させることができる。その結果、微小液滴を吐出することができるという効果がある。また、微小径のメニスカスを形成することが可能であるため、メニスカスの頂点に電界が集中し易く、吐出電圧を低電圧化することができるという効果がある。
さらに、請求項1記載の発明によれば、ノズルを従来にない超微細径とすることでノズル先端部に電界を集中させて電界強度を高めることができる。この場合、ノズルの先端部に対向する対向電極がなくとも液滴の吐出を行うことが可能である。ノズル先端部に誘起される電荷と基材間の静電力により液滴の飛翔が行われる。
請求項記載の発明は、ノズルがフッ素含有感光性樹脂により形成されているので、溶液がぬれ拡がり難いという効果がある。そのため、ノズル先端部において、凸状メニスカスの曲率をより高いレベルにまで大きくすることができ、メニスカスの頂点に電界をより高い集中度で集中させることができる。その結果、液滴の微小化を図ることができる。また、微小径のメニスカスを形成することが可能であるため、メニスカスの頂点に電界が集中し易く、吐出電圧を低電圧化することができるという効果がある。さらに、ノズルに溶液が付着することを抑えることができるので、溶液がノズルに固着することを防ぎ、ノズルの目詰まりを抑えることができる。
請求項記載の発明は、溶液とノズルの吐出口の周囲の素材との接触角が45度以上であるので、溶液がノズルの吐出口の周囲にぬれ拡がり難いという効果がある。そのため、ノズル先端部において、凸状メニスカスの曲率をより高いレベルにまで大きくすることができ、メニスカスの頂点に電界をより高い集中度で集中させることができる。その結果、液滴の微小化を図ることができる。また、微小径のメニスカスを形成することが可能であるため、メニスカスの頂点に電界が集中し易く、吐出電圧を低電圧化することができる。
請求項記載の発明は、溶液とノズルの吐出口の周囲の素材との接触角が90度以上であるので、溶液がノズルの吐出口の周囲によりぬれ拡がり難いという効果がある。そのため、ノズル先端部において、凸状メニスカスの曲率をより高いレベルにまで大きくすることができ、メニスカスの頂点に電界をより高い集中度で集中させることができる。その結果、液滴の微小化を図ることができる。また、微小径のメニスカスを形成することが可能であるため、メニスカスの頂点に電界が集中し易く、吐出電圧を低電圧化することができる。
請求項記載の発明は、溶液とノズルの吐出口の周囲の素材との接触角が130度以上であるので、溶液がノズルの吐出口の周囲によりぬれ拡がり難いという効果がある。そのため、ノズル先端部において、凸状メニスカスの曲率をより高いレベルにまで大きくすることができ、メニスカスの頂点に電界をより高い集中度で集中させることができる。その結果、液滴の微小化を図ることができる。また、微小径のメニスカスを形成することが可能であるため、メニスカスの頂点に電界が集中し易く、吐出電圧を低電圧化することができる。
以下の各実施形態で説明する液体吐出装置のノズル径は、30[μm]以下であることが好ましく、20[μm]未満であることがさらに好ましく、10[μm]以下であることがさらに好ましく、8[μm]以下であることがさらに好ましく、さらに4[μm]以下であることがより好ましい。また、ノズル径は、0.2[μm]より大きいことが好ましい。以下、ノズル径と電界強度との関係について、図1〜図6を参照しながら以下に説明する。図1〜図6に対応して、ノズル径をφ0.2,0.4,1,8,20[μm]及び参考として従来にて使用されているノズル径φ50[μm]の場合の電界強度分布を示す。
ここで、各図において、ノズル中心位置とは、ノズル先端の液体吐出孔の液体吐出面の中心位置を示す。また、各々の図の(a)は、ノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。なお、印加電圧は、各条件とも200[V]と一定にした。図中の分布線は、電荷強度が1×106[V/m]から1×107[V/m]までの範囲を示している。
図7に、各条件下での最大電界強度を示す図表を示す。
図1〜図6から、ノズル径がφ20[μm](図5)以上だと電界強度分布は広い面積に広がっていることが分かった。また、図7の図表から、ノズルと対向電極の距離が電界強度に影響していることも分かった。
これらのことから、ノズル径がφ8[μm](図4)以下であると電界強度は集中すると共に、対向電極の距離の変動が電界強度分布にほとんど影響することがなくなる。従って、ノズル径がφ8[μm]以下であれば、対向電極の位置精度及び基材の材料特性のバラ付きや厚さのバラツキの影響を受けずに安定した吐出が可能となる。
次に、上記ノズルのノズル径とノズルの先端位置に液面があるとした時の最大電界強度と強電界領域の関係を図8に示す。
図8に示すグラフから、ノズル径がφ4[μm]以下になると、電界集中が極端に大きくなり最大電界強度を高くすることができるのが分かった。これによって、溶液の初期吐出速度を大きくすることができるので、液滴の飛翔安定性が増すと共に、ノズルの先端部での電荷の移動速度が増すために吐出応答性が向上する。
続いて、吐出した液滴における帯電可能な最大電荷量について、以下に説明する。液滴に帯電可能な電荷量は、液滴のレイリー分裂(レイリー限界)を考慮した以下の(3)式で示される。
Figure 0004218948
ここで、qはレイリー限界を与える電荷量[C]、ε0は真空の誘電率[F/m]、γは溶液の表面張力[N/m]、d0は液滴の直径[m]である。
上記(3)式で求められる電荷量qがレイリー限界値に近いほど、同じ電界強度でも静電力が強く、吐出の安定性が向上するが、レイリー限界値に近すぎると、逆にノズルの液体吐出孔で溶液の霧散が発生してしまい、吐出安定性に欠けてしまう。
ここで、ノズル径とノズルの先端部で吐出する液滴が飛翔を開始する吐出開始電圧、該初期吐出液滴のレイリー限界での電圧値及び吐出開始電圧とレイリー限界電圧値の比との関係を示すグラフを図9に示す。
図9に示すグラフから、ノズル径がφ0.2[μm]からφ4[μm]の範囲において、吐出開始電圧とレイリー限界電圧値の比が0.6を超え、液滴の帯電効率が良い結果となっており、該範囲において安定した吐出が行えることが分かった。
例えば、図10に示すノズル径とノズルの先端部の強電界(1×106[V/m]以上)の領域の関係で表されるグラフでは、ノズル径がφ0.2[μm]以下になると電界集中の領域が極端に狭くなることが示されている。このことから、吐出する液滴は、加速するためのエネルギーを十分に受けることができず飛翔安定性が低下することを示す。よって、ノズル径はφ0.2[μm]より大きく設定することが好ましい。
[第1の実施形態]
以上説明した技術の実施にあたり、さらなる微小液滴化を実現する第1の実施形態の液体吐出装置について、以下に図11〜図16を参照して説明する。
(液体吐出装置の全体構成)
まず、液体吐出装置の全体構成について説明する。図11は後述するノズル21に沿った液体吐出装置20の断面図であり、図12は溶液の吐出動作と溶液に印加される電圧との関係を示す説明図であって、図12(A)は吐出を行わない状態であり、図12(B)は吐出状態を示す。
この液体吐出装置20は、帯電可能な溶液の液滴をその先端部から吐出する超微細径のノズル21と、ノズル21の先端部に対向する対向面を有すると共にその対向面で液滴の着弾を受ける基材Kを支持する対向電極23と、ノズル21内の流路22に溶液を供給する溶液供給手段31と、ノズル21内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段25と、吐出電圧印加手段25による吐出電圧の印加を制御する動作制御手段50とを備えている。なお、上記ノズル21と溶液供給手段31の一部の構成と吐出電圧印加手段25の一部の構成はノズルプレート26により一体的に形成されている。
なお、図11では、説明の便宜上、ノズル21の先端部が上方を向き、ノズル21の上方に対向電極23が配設されている状態で図示されているが、実際上は、ノズル21が水平方向か或いはそれよりも下方、より望ましくは垂直下方に向けた状態で使用される。
(溶液)
上記液体吐出装置20による吐出を行う溶液の例としては、無機液体としては、水、COCl2、HBr、HNO3、H3PO4、H2SO4、SOCl2、SO2Cl2、FSO3Hなどが挙げられる。有機液体としては、メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、tert−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、ベンジルアルコール、α−テルピネオール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのアルコール類;フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、などのフェノール類;ジオキサン、フルフラール、エチレングリコールジメチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、エピクロロヒドリンなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−4−ペンタノン、アセトフェノンなどのケトン類;ギ酸、酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸などの脂肪酸類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−3−メトキシブチル、酢酸−n−ペンチル、プロピオン酸エチル、乳酸エチル、安息香酸メチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、セロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、アセト酢酸エチル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチルなどのエステル類;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、o−トルイジン、p−トルイジン、ピペリジン、ピリジン、α−ピコリン、2,6−ルチジン、キノリン、プロピレンジアミン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N,N',N'−テトラメチル尿素、N−メチルピロリドンなどの含窒素化合物類;ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含硫黄化合物類;ベンゼン、p−シメン、ナフタレン、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキセンなどの炭化水素類;1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン(cis−)、テトラクロロエチレン、2−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、ブロモメタン、トリブロモメタン、1−ブロモプロパンなどのハロゲン化炭化水素類、などが挙げられる。また、上記各液体を二種以上混合して溶液として用いてもよい。
さらに、高電気伝導率の物質(銀粉等)が多く含まれるような導電性ペーストを溶液として使用し、吐出を行う場合には、上述した液体に溶解又は分散させる目的物質としては、ノズルで目詰まりを発生するような粗大粒子を除けば、特に制限されない。PDP、CRT、FEDなどの蛍光体としては、従来より知られているものを特に制限なく用いることができる。例えば、赤色蛍光体として、(Y,Gd)BO3:Eu、YO3:Euなど、緑色蛍光体として、Zn2SiO4:Mn、BaAl1219:Mn、(Ba,Sr,Mg)O・α−Al23:Mnなど、青色蛍光体として、BaMgAl1423:Eu、BaMgAl1017:Euなどが挙げられる。上記の目的物質を記録媒体上に強固に接着させるために、各種バインダーを添加するのが好ましい。用いられるバインダーとしては、例えば、エチルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースおよびその誘導体;アルキッド樹脂;ポリメタクリタクリル酸、ポリメチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート・メタクリル酸共重合体、ラウリルメタクリレート・2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体などの(メタ)アクリル樹脂およびその金属塩;ポリN−イソプロピルアクリルアミド、ポリN,N−ジメチルアクリルアミドなどのポリ(メタ)アクリルアミド樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、スチレン・マレイン酸共重合体、スチレン・イソプレン共重合体などのスチレン系樹脂;スチレン・n−ブチルメタクリレート共重合体などのスチレン・アクリル樹脂;飽和、不飽和の各種ポリエステル樹脂;ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー;ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;エポキシ系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のポリアセタール樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合樹脂などのポリエチレン系樹脂;ベンゾグアナミン等のアミド樹脂;尿素樹脂;メラミン樹脂;ポリビニルアルコール樹脂及びそのアニオンカチオン変性;ポリビニルピロリドンおよびその共重合体;ポリエチレンオキサイド、カルボキシル化ポリエチレンオキサイド等のアルキレンオキシド単独重合体、共重合体及び架橋体;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール;ポリエーテルポリオール;SBR、NBRラテックス;デキストリン;アルギン酸ナトリウム;ゼラチン及びその誘導体、カゼイン、トロロアオイ、トラガントガム、プルラン、アラビアゴム、ローカストビーンガム、グアガム、ペクチン、カラギニン、にかわ、アルブミン、各種澱粉類、コーンスターチ、こんにゃく、ふのり、寒天、大豆蛋白等の天然或いは半合成樹脂;テルペン樹脂;ケトン樹脂;ロジン及びロジンエステル;ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンイミン、ポリスチレンスルフォン酸、ポリビニルスルフォン酸などを用いることができる。これらの樹脂は、ホモポリマーとしてだけでなく、相溶する範囲でブレンドして用いてもよい。
液体吐出装置20をパターンニング方法として使用する場合には、代表的なものとしてはディスプレイ用途に使用することができる。具体的には、プラズマディスプレイの蛍光体の形成、プラズマディスプレイのリブの形成、プラズマディスプレイの電極の形成、CRTの蛍光体の形成、FED(フィールドエミッション型ディスプレイ)の蛍光体の形成、FEDのリブの形成、液晶ディスプレイ用カラーフィルター(RGB着色層、ブラックマトリクス層)、液晶ディスプレイ用スペーサー(ブラックマトリクスに対応したパターン、ドットパターン等)などが挙げることができる。ここでいうリブとは一般的に障壁を意味し、プラズマディスプレイを例に取ると各色のプラズマ領域を分離するために用いられる。その他の用途としては、マイクロレンズ、半導体用途として磁性体、強誘電体、導電性ペースト(配線、アンテナ)などのパターンニング塗布、グラフィック用途としては、通常印刷、特殊媒体(フィルム、布、鋼板など)への印刷、曲面印刷、各種印刷版の刷版、加工用途としては粘着材、封止材などの本発明を用いた塗布、バイオ、医療用途としては医薬品(微量の成分を複数混合するような)、遺伝子診断用試料等の塗布等に応用することができる。
(ノズル)
上記ノズル21は、後述するノズルプレート26の上面層26cと共に一体的に形成されており、当該ノズルプレート26の平板面上から垂直に立設されている。また、液滴の吐出時においては、ノズル21は、基材Kの受け面(液滴が着弾する面)に対して垂直に向けて使用される。さらに、ノズル21にはその先端部からノズルの中心に沿って貫通するノズル内流路22が形成されている。
ノズル21についてさらに詳説する。ノズル21は、その先端部における開口径とノズル内流路22とが均一であって、前述の通り、これらが超微細径で形成されている。具体的な各部の寸法の一例を挙げると、ノズル内流路22の内径は1[μm]、ノズル21の先端部における外径は2[μm]、ノズル21の根元の直径は5[μm]、ノズル21の高さは100[μm]に設定されており、その形状は限りなく円錐形に近い円錐台形に形成されている。なお、ノズル21の高さは、0[μm]でも構わない。
なお、ノズル内流路22の形状は、図11に示すような、内径一定の直線状に形成しなくともよい。例えば、図19(A)に示すように、ノズル内流路22の後述する溶液室24側の端部における断面形状が丸みを帯びて形成されていてもよい。また、図19(B)に示すように、ノズル内流路22の後述する溶液室24側の端部における内径が吐出側端部における内径と比して大きく設定され、ノズル内流路22の内面がテーパ周面形状に形成されていてもよい。さらに、図19(C)に示すように、ノズル内流路22の後述する溶液室24側の端部のみがテーパ周面形状に形成されると共に当該テーパ周面よりも吐出端部側は内径一定の直線状に形成されていてもよい。
(溶液供給手段)
溶液供給手段31は、ノズルプレート26の内部であってノズル21の根元となる位置に設けられると共にノズル内流路22に連通する溶液室24と、図示しない外部の溶液タンクから溶液室24に溶液を導く供給路27と、溶液室24への溶液の供給圧力を付与する図示しない供給ポンプとを備えている。
上記供給ポンプは、ノズル21の先端部まで溶液を供給し、当該先端部からこぼれ出さない範囲の供給圧力を維持して溶液の供給を行う(図12(A)参照。)。
また、供給ポンプは、ノズル21と溶液タンクの配置位置による差圧を利用する場合も含み、別途、溶液供給手段を設けなくとも溶液供給路のみで構成してもよい。
(吐出電圧印加手段)
吐出電圧印加手段25は、ノズルプレート26の内部であって溶液室24とノズル内流路22との境界位置に設けられた吐出電圧印加用の吐出電極28と、この吐出電極28に常時、直流のバイアス電圧を印加するバイアス電源30と、吐出電極28にバイアス電圧に重畳して吐出に要する電位とするパルス電圧を印加する吐出電圧電源29と、を備えている。
上記吐出電極28は、溶液室24内部において溶液に直接接触し、溶液を帯電させると共に吐出電圧を印加する。
バイアス電源30によるバイアス電圧は、溶液の吐出が行われない範囲で常時電圧印加を行うことにより、吐出時に印加すべき電圧の幅を予め低減し、これによる吐出時の反応性の向上を図っている。
吐出電圧電源29は、動作制御手段50に制御され、溶液の吐出を行う際にのみパルス電圧をバイアス電圧に重畳させて印加する。このときの重畳電圧Vは次式(1)の条件を満たすようにパルス電圧の値が設定されている。
Figure 0004218948
但し、γ:溶液の表面張力[N/m]、ε0:真空の誘電率[F/m]、d:ノズル直径[m]、h:ノズル−基材間距離[m]、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
一例を挙げると、バイアス電圧はDC300[V]で印加され、パルス電圧は100[V]で印加される。従って、吐出の際の重畳電圧は400[V]となる。
(ノズルプレート)
ノズルプレート26は、図11において最も下層に位置するベース層26aと、その上に位置する溶液の供給路を形成する流路層26bと、この流路層26bのさらに上に形成される上面層26cとを備え、流路層26bと上面層26cとの間には前述した吐出電極28が介挿されている。
上記ベース層26aは、シリコン基板或いは絶縁性の高い樹脂又はセラミックにより形成され、その上に溶解可能な樹脂層を形成すると共に供給路27及び溶液室24を形成するための所定のパターンに従う部分のみを残して除去し、除去された部分に絶縁樹脂層を形成する。この絶縁樹脂層が流路層26bとなる。そして、この絶縁樹脂層の上面に導電素材(例えばNiP)の無電解メッキにより吐出電極28を形成し、さらにその上から絶縁性のレジスト樹脂層を形成する。このレジスト樹脂層が上面層26cとなるので、この樹脂層はノズル21の高さを考慮した厚みで形成される。そして、この絶縁性のレジスト樹脂層を電子ビーム法やフェムト秒レーザにより露光し、ノズル形状を形成する。ノズル内流路22もレーザ加工により形成される。そして、供給路27及び溶液室24のパターンに従う溶解可能な樹脂層を除去し、これら供給路27及び溶液室24が開通してノズルプレートが完成する。
なお、上面層26c及びノズル21の素材は、具体的には、エポキシ、PMMA、フェノール、ソーダガラス、石英ガラス等の絶縁材の他、Siのような半導体、Ni、SUS等のような導体であってもよい。
レジスト樹脂層により形成されたノズル基材100を無電解Ni−P処理後、フッ化ピッチを共析させることにより、ノズル基材100よりも撥水性の高い膜を成膜する。図13(A)はノズルを吐出口側から見た図である。図13(B)はノズルの断面図である。図13(A)、(B)に示すように、ノズル21の吐出口が開口するノズルの端面上に、吐出口を囲む環状に撥水膜101を形成する。ノズルの内面102はノズル基材100がそのまま露出することにより形成されているから、撥水膜101はノズルの内面102よりも撥水性が高い。
また、ノズル基材に旭硝子(株)製、商品名サイトップ(登録商標)等を塗布して撥水膜を形成したり、あるいはノズル基材に無電解メッキNi−P処理後、上村工業(株)製、メタフロンNFメッキによりPTFE粒子をメッキ膜中に共析させることにより撥水膜を形成したりしてもよい。また、カチオン系又はアニオン系の含フッ素樹脂の電着、フッ素系高分子、シリコン系樹脂、ポリジメチルシロキサンの塗布、焼結法、フッ素系高分子の共析メッキ法、アモルファス合金薄膜の蒸着法、モノマーとしてのヘキサメチルジシロキサンをプラズマCVD法によりプラズマ重合させることにより形成されるポリジメチルシロキサン系を中心とする有機シリコン化合物やフッ素含有シリコン化合物等の膜を付着させる方法がある。
ノズルの撥水性のコントロールは、溶液に応じた処理方法を選択することにより対応することができる。溶液とノズルの吐出口の周囲の素材との接触角が45度以上となるように、溶液及び撥水処理方法を選択することが望ましい。これにより、溶液がノズルの吐出口の周囲にぬれ拡がり難く、ノズル先端部において、凸状メニスカスの曲率をより高いレベルにまで大きくすることができ、メニスカスの頂点に電界をより高い集中度で集中させることができる。その結果、液滴の微小化を図ることができる。また、微小径のメニスカスを形成することが可能であるため、メニスカスの頂点に電界が集中し易く、吐出電圧を低電圧化することができる。接触角は90度以上であることがより好ましく、130度以上であることがさらに好ましい。
また、ノズルの表面に撥水膜を形成せずに、フッ素含有感光性樹脂によりノズルを形成することによっても同様の効果が得られる。フッ素含有感光性樹脂とは、平均粒径約0.2[μm]のPTFEディスパージョン、FEPディスパージョン、或いはパーフルオロ溶媒にフッ素樹脂を溶解した旭硝子(株)サイトップをUV感光性樹脂に数%から数十%分散混合したものをいい、ディスパージョンにおいては、融点の低いFEPの方が好ましい。また、そのディスパージョンにおいては、デュポン(株)のMDF FEP 120−J(54wt%、水分散)、旭硝子(株)フルオンXAD911(60wt%、水分散)等がある。また、F2リソグラフィー用レジスト用ポリマーもフッ素含有感光性樹脂で、ポリマー主鎖にフッ素を導入したものや、側鎖にフッ素を導入したものがある。
(対向電極)
図11に示すように、対向電極23は、ノズル21の突出方向に垂直な対向面を備えており、かかる対向面に沿うように基材Kの支持を行う。ノズル21の先端部から対向電極23の対向面までの距離は、一例としては100[μm]に設定される。
また、この対向電極23は接地されているため、常時、接地電位を維持している。従って、パルス電圧の印加時にはノズル21の先端部と対向面との間に生じる電界による静電力により吐出された液滴を対向電極23側に誘導する。
なお、液体吐出装置20は、ノズル21の超微小化による当該ノズル21の先端部での電界集中により電界強度を高めることで液滴の吐出を行うことから、対向電極23による誘導がなくとも液滴の吐出を行うことは可能ではあるが、ノズル21と対向電極23との間での静電力による誘導が行われた方が望ましい。また、帯電した液滴の電荷を対向電極23の接地により逃がすことも可能である。
(動作制御手段)
動作制御手段50は、実際的にはCPU,ROM,RAM等を含む演算装置で構成される。上記動作制御手段50は、バイアス電源30による電圧の印加を連続的に行わせると共に、外部からの吐出指令の入力を受けると吐出電圧電源29による駆動パルス電圧の印加を行わせる。
(液体吐出装置による微小液滴の吐出動作)
次に、液体吐出装置20の動作説明を行う。
溶液供給手段31の供給ポンプによりノズル内流路22には溶液が供給された状態にあり、かかる状態でバイアス電源30により吐出電極28を介してバイアス電圧が溶液に印加されている。かかる状態で、溶液は帯電すると共に、ノズル21の先端部において溶液による凹状に窪んだメニスカスが形成される(図12(A))。
そして、動作制御手段50に吐出指令信号が入力され、吐出電圧電源29によりパルス電圧が印加されると、ノズル21の先端部では集中された電界の電界強度による静電力により溶液がノズル21の先端側に誘導され、外部に突出した凸状メニスカスが形成されると共に、かかる凸状メニスカスの頂点により電界が集中し、ついには溶液の表面張力に抗して微小液滴が対向電極側に吐出される(図12(B))。
上記液体吐出装置20は、従来にない微細径のノズル21により液滴の吐出を行うので、ノズル内流路22内で帯電した状態の溶液により電界が集中され、電界強度が高められる。このため、従来のように電界の集中化が行われない構造のノズル(例えば内径100[μm])では吐出に要する電圧が高くなり過ぎて事実上吐出不可能とされていた微細径でのノズルによる溶液の吐出を従来よりも低電圧で行うことを可能としている。
そして、微細径であるがために、ノズルコンダクタンスの低さによりノズル内流路22における溶液の流動が制限されることから、その単位時間あたりの吐出流量を低減する制御を容易に行うことができると共に、パルス幅を狭めることなく十分に小さな液滴径(上記各条件によれば0.8[μm])による溶液の吐出を実現している。
さらに、吐出される液滴は帯電されているので、微小の液滴であっても蒸気圧が低減され、蒸発を抑制することから液滴の質量の損失を低減し、飛翔の安定化を図り、液滴の着弾精度の低下を防止する。
図14は、本実施形態の液体吐出装置20の比較例として、撥水膜を設けなかった場合のノズル先端に凸状メニスカスが形成される過程を示す断面図である。図14においては、ノズル104の端面105とノズル104の内面106の撥水性が等しい。溶液107が吐出口に流動すると、図14(A)に示すように凹状に窪んだメニスカスから、図14(B)に示すような凸状のメニスカスになり、曲率が大きくなっていく。しかし、ノズル104の端面105とノズル104の内面106の撥水性が等しく、溶液107がノズル104の吐出口からぬれ拡がり易いので、ノズル径を直径とするメニスカスを形成する限界の曲率が小さい。そのため、図14(C)に示すように、メニスカスの曲率が大きくなる前に、溶液107がノズル104の吐出口からぬれ拡がってしまい、微小液滴の吐出が困難になる。
図15は本実施形態の液体吐出装置20のノズル先端に凸状メニスカスが形成される過程を示す断面図である。ノズル21の端面には撥水膜101が形成されている。ノズルの端面に成膜された撥水膜101はノズル21の内面102よりも撥水性が高いので、ノズル端面に溶液103が付着し難く、溶液103がノズル21の吐出口からぬれ拡がり難い。溶液103が吐出口に流動すると、図15(A)に示すように凹状に窪んだメニスカスから、図15(B)に示すような凸状のメニスカスになり、曲率が大きくなっていく。図15(C)に示すように、図14に示す撥水膜を設けなかった場合と比較して、より高いレベルにまでメニスカスの曲率を大きくすることができる。そのため、メニスカスの頂点により高い集中度で電界が集中され、液滴の吐出が行われる。したがって、本実施形態のように、ノズル21の端面にノズル基材100よりも撥水性の高い膜を成膜することが、液滴の微小化に有効であるといえる。
また、微小径のメニスカスを形成することが可能であるため、メニスカスの頂点に電界が集中し易く、吐出電圧を低電圧化することができる。
図16に本実施形態の液体吐出装置の他の一例を示す。図16(A)はノズルを吐出口側から見た図である。図16(B)はノズルの断面図である。図13(A)、(B)では、ノズル21の吐出口が開口するノズル21の端面全体にノズル基材100よりも撥水性の高い膜を成膜したが、図16(A)、(B)に示すように、ノズル21の端面のうち、内側の部分にのみノズル基材100よりも撥水性の高い撥水膜101を形成してもよい。
いずれにせよ吐出される液滴の微小化のためには、吐出口を囲む環状の膜の内径をノズル21の内径と等しくすることが好ましい。
また、ノズル21の端面に成膜された撥水膜に連続して、ノズルの外周面にも撥水膜を形成してもよい。
なお、ノズル21にエレクトロウェッティング(Electrowetting)効果を得るために、ノズル21の外周に電極を設けるか、また或いは、ノズル内流路22の内面に電極を設け、その上から絶縁膜で被覆してもよい。そして、この電極に電圧を印加することで、吐出電極28により電圧が印加されている溶液に対して、エレクトロウェッティング効果によりノズル内流路22の内面のぬれ性を高めることができ、ノズル内流路22への溶液の供給を円滑に行うことができ、良好に吐出を行うと共に、吐出の応答性の向上を図ることが可能となる。
また、吐出電圧印加手段25ではバイアス電圧を常時印加すると共にパルス電圧をトリガーとして液滴の吐出を行っているが、吐出に要する振幅で常時交流又は連続する矩形波電圧を印加すると共にその周波数の高低を切り替えることで吐出を行う構成としてもよい。液滴の吐出を行うためには溶液の帯電が必須であり、溶液の帯電する速度を上回る周波数で吐出電圧を印加していても吐出が行われず、溶液の帯電が十分に図れる周波数に替えると吐出が行われる。従って、吐出を行わないときには吐出可能な周波数より大きな周波数で吐出電圧を印加し、吐出を行う場合にのみ吐出可能な周波数帯域まで周波数を低減させる制御を行うことで、溶液の吐出を制御することが可能となる。かかる場合、溶液に印加される電位自体に変化はないので、より時間応答性を向上させると共に、これにより液滴の着弾精度を向上させることが可能となる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態の液体吐出装置について図17を参照して説明する。液体吐出装置のしくみは第1の実施形態とほぼ同じであるので、第1の実施形態と異なる部分のみ説明する。
図17は、本実施形態における液体吐出装置のノズルの断面図である。第1の実施形態では、図13(B)に示すように、ノズル21の吐出口が開口するノズル21の端面上に、吐出口を囲む環状に撥水膜101が形成されていたが、第2の実施形態では、図17に示すように、ノズル21の吐出口が開口するノズル21の端面上に、吐出口を囲む環状に撥水膜101が成膜され、さらに、ノズル21の内面に撥水膜108が成膜されている。
図18に、ノズルにおける撥水膜処理の効果を比較する実験の条件及び結果を示す。図18に示すように、ノズル21に撥水膜を形成しなかった場合、ノズル21の吐出口の周辺部表面に撥水膜101を形成した場合(撥水膜領域1)、ノズル21の吐出口の周辺部表面とノズルの内面に撥水膜101,108を形成した場合(撥水膜領域2)に分け、撥水膜を形成した場合については、テストインク液の濡れ性を活性剤の種類、添加量を調整することによりテストインク液とノズル21の吐出口の周囲の素材との接触角θを変化させ、条件1〜9の場合において、最低吐出電圧と応答性について実験を行った。
テストインク液は、8[cP]、比抵抗108[Ωcm]のものを用いた。ノズル21への撥水処理として、内径1[μm]、外径2[μm]のガラスキャピラリィノズルに、モノマーとしてのヘキサメチルジシロキサンをプラズマCVD法によりプラズマ重合させることにより形成されるポリジメチルシロキサン系のフッ素含有シリコン化合物等の膜を数十[nm]付着させた。射出条件は、ギャップ:200[μm]でSi基板に射出した。最低吐出電圧は、液滴の吐出が開始される電圧とし、応答性の評価は、駆動周波数10[kHz]で連続で100打点描画し、抜け及び形状均一性について、4:極めて良い、3:良い、2:やや良い、1:悪いの4段階で主観的に評価した。
図18に示すように、テストインク液とノズル21の吐出口の周囲の素材との接触角θが大きくなるに従って、最低吐出電圧は低くなり、応答性はより良い評価結果となった。接触角θは、45°≦θ<180°であることが好ましく、90°≦θ<180°であることがより好ましく、130°≦θ<180°であることがさらに好ましい。また、撥水膜領域1に撥水膜を形成した場合よりも、撥水膜領域2に撥水膜を形成した場合のほうが、最低吐出電圧は低くなり、応答性もより良い評価結果となった。
実験結果に示されるように、接触角θがより大きくなると、ノズル21の吐出口の周囲にテストインク液がよりぬれ拡がり難くなるため、ノズル先端部において、凸状メニスカスの曲率をより高いレベルにまで大きくすることができ、メニスカスの頂点に電界をより高い集中度で集中させることができる。そのため、液滴の微小化を図ることができ、吐出電圧を低電圧化することができる。
また、ノズル21の吐出口の周辺部表面に加えて、ノズル21の内面にも撥水膜108を形成した場合には、ノズル内をテストインク液がよりぬれ拡がり難くなるため、さらに吐出電圧を低電圧化することができる。また、ノズル21の内面に溶液が付着することを抑えることができるので、ノズル21の目詰まりを抑えることができる。
[液体吐出装置の理論説明]
以下に、本発明による液体吐出の理論説明及びこれに基づく基本例の説明を行う。なお、以下に説明する理論及び基本例におけるノズルの構造、各部の素材及び吐出液体の特性、ノズル周囲に付加する構成、吐出動作に関する制御条件等全ての内容は、可能な限り上述した各実施形態中に適用してもよいことはいうまでもない。
(印加電圧低下および微少液滴量の安定吐出実現の方策)
従前は以下の条件式により定まる範囲を超えて液滴の吐出は不可能と考えられていた。
Figure 0004218948
λCは静電吸引力によりノズル先端部からの液滴の吐出を可能とするための溶液液面における成長波長[m]であり、λC=2πγh20V2で求められる。
Figure 0004218948
Figure 0004218948
本発明では、静電吸引型インクジェット方式において果たすノズルの役割を再考察し、従来吐出不可能として試みられていなかった領域において、マクスウェル力などを利用することで、微小液滴を形成することができる。
このような駆動電圧低下および微少量吐出実現の方策のための吐出条件等を近似的に表す式を導出したので以下に述べる。
以下の説明は、上記各本発明の実施形態で説明した液体吐出装置に適用可能である。
いま、内径dのノズルに導電性溶液を注入し、基材としての無限平板導体からhの高さに垂直に位置させたと仮定する。この様子を図20に示す。このとき、ノズル先端部に誘起される電荷は、ノズル先端の半球部に集中すると仮定し、以下の式で近似的に表される。
Figure 0004218948
ここで、Q:ノズル先端部に誘起される電荷[C]、ε0:真空の誘電率[F/m]、ε:基材の誘電率[F/m]、h:ノズル−基材間距離[m]、d:ノズル内部の直径[m]、V:ノズルに印加する総電圧[V]である。α:ノズル形状などに依存する比例定数で、1〜1.5程度の値を取り、特にd<<hのときほぼ1程度となる。
また、基材としての基板が導体基板の場合、基板内の対称位置に反対の符号を持つ鏡像電荷Q’が仮想的に誘導されると考えられる。基板が絶縁体の場合は、誘電率によって定まる対称位置に同様に反対符号の映像電荷Q’が仮想的に誘導される。
ところで、ノズル先端部に於ける凸状メニスカスの先端部の電界強度Eloc.[V/m]は、凸状メニスカス先端部の曲率半径をR[m]と仮定すると、
Figure 0004218948
で与えられる。ここでk:比例定数で、ノズル形状などにより異なるが、1.5〜8.5程度の値をとり、多くの場合5程度と考えられる(P. J. Birdseye and D.A. Smith, Surface Science, 23 (1970) p.198-210参照。)。
今簡単のため、d/2=Rとする。これは、ノズル先端部に表面張力で導電性溶液がノズルの半径と同じ半径を持つ半球形状に盛り上がっている状態に相当する。
ノズル先端の液体に働く圧力のバランスを考える。まず、静電的な圧力は、ノズル先端部の液面積をS.[m2]とすると、
Figure 0004218948
(7)、(8)、(9)式よりα=1とおいて、
Figure 0004218948
と表される。
一方、ノズル先端部に於ける液体の表面張力をPsとすると、
Figure 0004218948
ここで、γ:表面張力[N/m]、である。
静電的な力により流体の吐出が起こる条件は、静電的な力が表面張力を上回る条件なので、
Figure 0004218948
となる。十分に小さいノズル直径dをもちいることで、静電的な圧力が、表面張力を上回らせる事が可能である。
この関係式より、Vとdの関係を求めると、
Figure 0004218948
が吐出の最低電圧を与える。すなわち、式(6)および式(13)より、
Figure 0004218948
が、本発明の動作電圧となる。
ある直径dのノズルに対し、吐出限界電圧Vcの依存性を前述した図9に示す。この図より、微小ノズルによる電界の集中効果を考慮すると、吐出開始電圧は、ノズルの半径の減少に伴い低下する事が明らかになった。
従来の電界に対する考え方、すなわちノズルに印加する電圧と対向電極間の距離によって定義される電界のみを考慮した場合では、微細ノズルになるに従い、吐出に必要な電圧は増加する。一方、局所電界強度に注目すれば、微小ノズル化により吐出電圧の低下が可能となる。
静電吸引による吐出は、ノズル端部における液体(溶液)の帯電が基本である。帯電の速度は誘電緩和によって決まる時定数程度と考えられる。
Figure 0004218948
ここで、ε:溶液の誘電率[F/m]、σ:溶液の導電率[S/m]である。溶液の比誘電率を10、導電率を10-6 [S/m] を仮定すると、τ=1.854×10-5[sec]となる。あるいは、臨界周波数をfc[Hz]とすると、
Figure 0004218948
となる。このfcよりも早い周波数の電界の変化に対しては、応答できず吐出は不可能になると考えられる。上記の例について見積もると、周波数としては10 [kHz]程度となる。このとき、ノズル半径2[μm]、電圧500[V]弱の場合、ノズル内流量Gは10-13[m3/s]と見積もることができるが、上記の例の液体の場合、10[kHz]での吐出が可能なので、1周期での最小吐出量は10[fl](フェムトリットル、1fl:10-15 l)程度を達成できる。
なお、上記各実施形態においては、図20に示したようにノズル先端部に於ける電界の集中効果と、対向基板に誘起される静電力の作用を特徴とする。このため、先行技術のように基板または基板支持体を導電性にすることや、これら基板または基板支持体への電圧の印加は必ずしも必要はない。すなわち、基板として絶縁性のガラス基板、ポリイミドなどのプラスチック基板、セラミックス基板、半導体基板などを用いることが可能である。
また、上記各実施形態において電極への印加電圧はプラス、マイナスのどちらでもよい。
さらに、ノズルと基材との距離は、500[μm]以下に保つことにより、溶液の吐出を容易にすることができる。また、図示しないが、ノズル位置検出によるフィードバック制御を行い、ノズルを基材に対し一定に保つようにすることが望ましい。
また、基材を、導電性または絶縁性の基材ホルダーに載置して保持するようにしてもよい。
図21は、本発明の他の基本例の一例としての液体吐出装置のノズル部分の側面断面図を示したものである。ノズル1の側面部には電極15が設けられており、ノズル内溶液3との間に制御された電圧が印加される。この電極15の目的は、エレクトロウェッティング効果を制御するための電極である。十分な電場がノズルを構成する絶縁体にかかる場合この電極がなくともエレクトロウェッティング効果は起こると期待される。しかし、本基本例では、より積極的にこの電極を用いて制御することで、吐出制御の役割も果たすようにしたものである。ノズル1を絶縁体で構成し、先端部におけるノズルの管厚が1[μm]、ノズル内径が2[μm]、印加電圧が300[V]の場合、約30気圧のエレクトロウェッティング効果になる。この圧力は、吐出のためには、不十分であるが溶液のノズル先端部への供給の点からは意味があり、この制御電極により吐出の制御が可能と考えられる。
前述した図9は、本発明における吐出開始電圧のノズル径依存性を示したものである。液体吐出装置として、図11に示すものを用いた。微細ノズルになるに従い吐出開始電圧が低下し、従来より低電圧で吐出可能なことが明らかになった。
上記各実施形態において、溶液吐出の条件は、ノズル−基材間距離(h)、印加電圧の振幅(V)、印加電圧振動数(f)のそれぞれの関数になり、それぞれにある一定の条件を満たすことが吐出条件として必要になる。逆にどれか一つの条件を満たさない場合他のパラメーターを変更する必要がある。
この様子を図22を用いて説明する。
まず吐出のためには、それ以上の電界でないと吐出しないというある一定の臨界電界Ecが存在する。この臨界電界は、ノズル径、溶液の表面張力、粘性などによって変わってくる値で、Ec以下での吐出は困難である。臨界電界Ec以上すなわち吐出可能電界強度において、ノズル−基材間距離(h)と印加電圧の振幅(V)の間には、おおむね比例の関係が生じ、ノズル−基材間距離(h)を縮めた場合、臨界印加電圧Vを小さくする事が出来る。
逆に、ノズル−基材間距離(h)を極端に離し、印加電圧Vを大きくした場合、仮に同じ電界強度を保ったとしても、コロナ放電による作用などによって、流体液滴の破裂すなわちバーストが生じてしまう。
ノズル径をφ0.2[μm]とした場合の電界強度分布を示し、図1(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図1(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ0.4[μm]とした場合の電界強度分布を示し、図2(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図2(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ1[μm]とした場合の電界強度分布を示し、図3(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図3(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ8[μm]とした場合の電界強度分布を示し、図4(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図4(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ20[μm]とした場合の電界強度分布を示し、図5(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図5(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 ノズル径をφ50[μm]とした場合の電界強度分布を示し、図6(a)はノズルと対向電極との距離が2000[μm]に設定されたときの電界強度分布を示し、図6(b)は、ノズルと対向電極との距離が100[μm]に設定されたときの電界強度分布を示す。 図1〜図6の各条件下での最大電界強度を示す図表を示す。 ノズルのノズル径とノズルの先端位置に液面があるとした時の最大電界強度と強電界領域の関係を示す線図である。 ノズル径とノズルの先端部で吐出する液滴が飛翔を開始する吐出開始電圧、該初期吐出液滴のレイリー限界での電圧値及び吐出開始電圧とレイリー限界電圧値の比との関係を示す線図である。 ノズル径とノズルの先端部の強電界(1×106[V/m]以上)の領域の関係で表されるグラフである。 本発明の第1の実施形態の液体吐出装置のノズルに沿った断面図である。 (A)は溶液の吐出動作と溶液に印加される電圧との関係を示す説明図であって、吐出を行わない状態を示す図である。(B)は溶液の吐出動作と溶液に印加される電圧との関係を示す説明図であって、吐出状態を示す図である。 (A)は第1の実施形態における液体吐出装置のノズルを吐出口側から見た図である。(B)は第1の実施形態における液体吐出装置のノズルの断面図である。 第1の実施形態の液体吐出装置の比較例として、撥水膜を設けなかった場合のノズル先端に凸状メニスカスが形成される過程を示す断面図である。 第1の実施形態の液体吐出装置のノズル先端に凸状メニスカスが形成される過程を示す断面図である。 (A)は第1の実施形態の液体吐出装置の他の一例を示す図であり、ノズルを吐出口側から見た図である。(B)は第1の実施形態の液体吐出装置の他の一例を示す図であり、ノズルの断面図である。 第2の実施形態における液体吐出装置のノズルの断面図である。 ノズルにおける撥水膜処理の効果を比較する実験の条件及び結果を示す図表である。 ノズル内流路の他の形状の例を示す一部切り欠いた斜視図であり、図19(A)は溶液室側に丸みを設けた例であり、図19(B)は流路内壁面をテーパ周面とした例であり、図19(C)はテーパ周面と直線状の流路とを組み合わせた例を示す。 本発明の実施の形態として、ノズルの電界強度の計算を説明するために示したものである。 本発明の一例としての液体吐出装置の側面断面図を示したものである。 本発明の実施の形態の液体吐出装置における距離−電圧の関係による吐出条件を説明した図である。
符号の説明
1…ノズル 2…金属電極線 3…溶液 15…ノズル外側の電極 20…液体吐出装置 21…ノズル 22…流路 23…対向電極 24…溶液室 25…吐出電圧印加手段 26…ノズルプレート 26a…ベース層 26b…流路層 26c…上面層 27…供給路 28…吐出電極 29…吐出電圧電源 30…バイアス電源 31…溶液供給手段 50…動作制御手段 100…ノズル基材 101…撥水膜 102…内面 103…溶液 104…ノズル 105…端面 106…内面 107…溶液 108…撥水膜 K…基材

Claims (5)

  1. 帯電した溶液の液滴の吐出を受ける受け面を有する基材にその先端部を対向させて配置されると共に当該先端部から前記液滴を吐出する、先端部の内径が0.2μmより大きく4μm以下のノズルと、
    このノズル内に溶液を供給する溶液供給手段と、
    前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備え、
    前記ノズルの吐出口が開口する前記ノズルの端面上に、前記吐出口を囲む環状に前記ノズルの内面よりも撥水性の高い膜が成膜され、
    前記溶液の液面が前記膜の内径を直径とし、ノズル外に凸なメニスカス形状にある時に前記液滴を吐出することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 帯電した溶液の液滴の吐出を受ける受け面を有する基材にその先端部を対向させて配置されると共に当該先端部から前記液滴を吐出する、先端部の内径が0.2μmより大きく4μm以下のノズルと、
    このノズル内に溶液を供給する溶液供給手段と、
    前記ノズル内の溶液に吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段とを備え、
    前記ノズルがフッ素含有感光性樹脂により形成されたことを特徴とする液体吐出装置。
  3. 前記溶液と前記ノズルの吐出口の周囲の素材とが、相互の接触角が45度以上となるものとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記溶液と前記ノズルの吐出口の周囲の素材とが、相互の接触角が90度以上となるものとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  5. 前記溶液と前記ノズルの吐出口の周囲の素材とが、相互の接触角が130度以上となるものとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
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