JPH11320890A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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Publication number
JPH11320890A
JPH11320890A JP13640798A JP13640798A JPH11320890A JP H11320890 A JPH11320890 A JP H11320890A JP 13640798 A JP13640798 A JP 13640798A JP 13640798 A JP13640798 A JP 13640798A JP H11320890 A JPH11320890 A JP H11320890A
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JP
Japan
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nozzle
ink
voltage
electrode
counter electrode
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Pending
Application number
JP13640798A
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English (en)
Inventor
Atsushi Sogami
淳 曽我美
Koji Ikeda
浩二 池田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電セラミックなどの圧力印加手段とインク
と対向電極の間に電圧をかけてインクに静電力を加えて
インクを飛翔させるインクジェット記録装置において、
ノズル先端での電界強度を高め、記録の信頼性を高めて
良好な記録品質を得ることを目的とする。 【解決手段】 電極17と対向電極5の間に電圧印加手
段18により電圧を印加し、ノズル10の中のインクと
対向電極5の間に電圧がかかるようにする。圧力室14
に圧力印加手段として振動板16、共通電極19、圧電
セラミック素子20、個別電極21を設け、共通電極1
9と個別電極21のに圧電セラミック駆動回路22を接
続して電圧を印加する。ここで、ノズル先端から対向電
極に向かう方向を基点として、後方135度以内の領域
にはインク流路を設けない構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノズルよりインク
を吐出させ、記録紙やシート上にパターンを記録するイ
ンクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録装置として特
開平5−278212号公報に記載されたものが提案さ
れている。この記録装置は、圧電セラミック素子の圧力
とインクへの静電力によりインク飛翔をさせる装置であ
る。図14にこの記録装置の構造を示す。図中31は圧
電セラミック素子、32はインク室、33はノズル板、
34はノズル板33に設けられたノズル、35は対向電
極である。圧電セラミック素子31に電圧を印加しイン
ク室内の体積を変化させて、インク室32に圧力を印加
させる。これにより、インクはノズル34より若干突出
した位置まで押し出される。ここで、ノズル板33と対
向電極35の間に電圧を印加するとノズル34より突出
しているインクの先端部に電荷が注入され、クーロン力
によってインクはノズル34から離れ、対向電極35に
向かって飛翔し、記録が行われるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ただし、上記のインク
ジェット記録装置においては、ノズル板と対向電極の間
に印加する電圧を高くしないと、インクに働くクーロン
力が大きくならず、安定したインク飛翔が得られないも
のであった。
【0004】また、上記のインクジェット記録装置にお
いては、ノズル列は1列のみしか考慮されておらず、複
数列のノズル列を備える装置については考慮されていな
いものであった。
【0005】本発明は、ノズル板と対向電極の間に印加
する電圧を高くしなくても、インクに働くクーロン力を
高め、安定したインク飛翔が得られ良好な画像記録が可
能なインクジェット記録装置を提供することを目的とす
る。
【0006】また、本発明は、複数列のノズル列を設け
たときでも、良好な画像記録が可能なインクジェット記
録装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、インク液体を収容する複数個の圧力室と、
インク液体を吐出させるため前記圧力室のそれぞれに連
通して設けられ列状に配置された複数個のノズルと、前
記ノズルに対向する位置に配置された対向電極と、前記
ノズル中のインク液体と前記対向電極間に電圧を印加す
る電圧印加手段とを備え、前記ノズル先端から前記対向
電極に向かう方向を基点として、後方135度未満の領
域にはインク流路を設けない構成としたものである。
【0008】また、本発明は、インク液体を収容する複
数個の圧力室と、絶縁性材料により構成されたノズル板
と、前記圧力室のそれぞれに連通して設けられインク液
体を吐出させるためのノズルと、前記ノズルが前記ノズ
ル板面上に複数列配置されて設けられたノズル列と、前
記ノズルに対向する位置に配置された対向電極と、前記
ノズル中のインク液体と前記対向電極間に電圧を印加す
る電圧印加手段と、前記ノズル板から見て前記複数のノ
ズル列の外側に設けられた補助電極を備え、前記補助電
極には前記ノズル中のインク液体と同電位の電圧をを印
加するよう構成したものである。
【0009】また、本発明は、インク液体を収容する複
数個の圧力室と、絶縁性材料により構成されたノズル板
と、前記圧力室のそれぞれに連通して設けられインク液
体を吐出させるためのノズルと、前記ノズルが前記ノズ
ル板面上に複数列配置されて設けられたノズル列と、前
記ノズルに対向する位置に配置された対向電極と、前記
ノズル中のインク液体と前記対向電極間に電圧を印加す
る電圧印加手段と、前記ノズル板から見て前記複数のノ
ズル列の外側で前記ノズル板に近接した位置にインク液
体が満たされる液室が設けられる構成としたものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図を用いて説明する。
【0011】(実施の形態1)図1は本発明のインクジ
ェット記録装置の一実施例の構成を示す斜視図、図2は
同装置におけるヘッドをノズル面から見た平面図、図3
は同ヘッドにおいて図2のA−A断面で切断した断面
図、図4は図3の部分拡大図、図5はヘッド圧力室近傍
の部分拡大断面図である。図1においてキャリッジ1
は、図示しないモータおよび駆動手段により図のX、Y
方向に移動可能なようにガイドシャフト2に支持されて
いる。キャリッジ1の下面には、ヘッド3が設けられて
いる。4はインクタンクであり、内部にインクが蓄えら
れており、ヘッド3にインクを供給するように構成され
ている。5はヘッド3と対向する位置に設けられた対向
電極である。6は紙送りローラ、7は紙送り補助ローラ
であり、紙送り補助ローラ7は図示しないバネなどの付
勢手段によって紙送りローラ6に押しつけられている。
また紙送りローラ6は図示しないモータおよび駆動手段
によって回転し、紙送りローラ6と紙送り補助ローラ7
の間に挟んだ記録用紙8を図示のZ方向に送るよう構成
されている。
【0012】図2において、9はノズル板であり、ポリ
イミド樹脂などの絶縁性材料で構成されている。ノズル
板9には、インクを吐出するためのノズル穴10が設け
られており、このノズル穴10は複数個設けられ、1列
上に等間隔になるよう配列されている。図3はヘッド3
を図2のA−A断面で切断した断面図である。図におい
て、13はハウジングであり、内部には圧力室14やイ
ンク供給口15などのインク流路が構成されている。イ
ンク供給口15はインクタンク4に接続されている。ま
た、圧力室14およびインク供給口15は個々のノズル
10に対してそれぞれ独立して設けられている。ハウジ
ング13は絶縁性材料で構成されており、本実施例にお
いては、樹脂材料で構成されている。16は振動板であ
り、圧力室14のふたをするような配置でハウジング1
3に接着されている。振動板16には金属、セラミック
などの弾性係数の高い材料が用いられ、本実施例では、
クロム材料が用いられている。また、インク流路中に
は、電極17が形成されており、この電極17と対向電
極5との間に電圧を印加するよう電圧印加手段18が設
けられている。また、本実施の形態においてはインクに
は水性の導電性インクが用いられており、インクが導電
性のため、インク流路中の電極17と対向電極5の間に
電圧を印加することにより、ノズル内のインクと対向電
極5の間に電圧が印加されるものである。本実施例で
は、ノズル板9と対向電極の距離は1mmに設定されて
おり、電圧印加手段18による印加電圧は1〜2kVに
設定されている。図4は図3に示したヘッド3の部分拡
大図、図5は図3のV方向から見た圧力室14近傍の断
面図であるが、振動板16上には、共通電極19、圧電
セラミック素子20、個別電極21がそれぞれの圧力室
14に対応して短冊状に設けられている。また、共通電
極19と個別電極21は圧電セラミック駆動回路22に
接続されている。圧電セラミック駆動回路22は、記録
するデータに応じて、共通電極19と個別電極21の間
に選択的に電圧を印加し、圧電セラミック素子20を図
3、図4における紙面に垂直な方向に縮む方向に変形さ
せる。この圧電セラミック素子20の変形により、振動
板16は図5(a)のように圧力室14の方向にたわ
み、圧力室内のインクに圧力を加えるものである。また
次に、印加電圧を0に戻すと、圧電セラミック素子20
は元に戻り、これにより、振動板16もたわみを解除さ
れ、図5(b)のようにまっすぐな状態にもどる。
【0013】次に、上記プリンタにおける記録原理につ
いて説明する。電極17と対向電極5の間に電圧印加手
段18によって電圧が印加される。この電圧によって、
ノズル先端部のインクに電荷が誘起され、対向電極5に
引っ張られる力を受ける。ただし、インクがノズル10
から飛び出して対向電極5に向かって飛翔する程の力は
受けないため、インクはノズル10内にとどまってい
る。次に、圧電セラミック駆動回路22により、共通電
極19と個別電極21の間に電圧が印加され、上述のよ
うに振動板16は図5(a)のようにたわみ変形して、
圧力室14内のインクに圧力を加える。この圧力によっ
てインクがヘッド先端部のノズル10から押し出されイ
ンク滴が吐出する。このとき、吐出したインク滴は電圧
印加手段18によって誘起された電荷を持っている。こ
のため、このインク滴は対向電極5に引っ張られるクー
ロン力を受ける。このクーロン力により、吐出したイン
ク滴は対向電極5に向けて加速しながら飛翔し、対向電
極5の前に設けられた記録用紙8に着弾する。着弾した
インクは記録用紙8に浸透して記録が行われるものであ
る。以上の動作において、圧電セラミック素子20への
電圧印加は選択的に行われ、電圧印加された圧電セラミ
ック素子20に対応するノズル10からのみインクを吐
出する。以上のように、インク吐出は圧電セラミック素
子19への電圧印加で選択的に制御し、吐出したインク
を吸引するための電界は全体に共通して働かせることで
記録を行うものである。
【0014】通常の圧電セラミックのみでインクを吐出
させるような装置においては、吐出するインク滴に十分
な速度を与えないと安定した記録ができないが、本実施
の形態におけるインクジェット記録装置においては、上
記のような記録原理によって、インク滴はノズルから吐
出しさえすればクーロン力によって吸引力を受けるた
め、安定した記録が可能である。このため、通常の圧電
セラミックのみでインクを吐出させる装置では、圧電セ
ラミックの駆動電圧を小さくすると、インク滴の吐出速
度が低く安定した記録ができないが、本実施の形態の装
置においては、圧電セラミックの駆動電圧を小さくして
も安定した記録を行うことが可能となる。これにより、
駆動回路のコストを低下させることが可能である。ま
た、圧電セラミックの駆動電圧を小さくすると振動板の
変形量は小さくなり、この結果小さなインク滴を吐出さ
せることが可能である。したがって、より高精細な記録
を安定して行うことが可能となるものである。
【0015】次に、記録動作について説明する。記録時
には、ヘッド3がキャリッジ1とともに図のX方向に移
動を開始するとともに、電圧印加手段18により、電極
17と対向電極5の間に電圧が印加される。この電圧印
加手段18による電圧は少なくとも1行の記録が終了す
るまで、印加された状態を保たれる。本実施例において
は、この印加電圧は1〜2kVの範囲で設定されてい
る。次に、ヘッド3が印字開始位置まで移動すると、ヘ
ッド3の記録動作が開始される。圧電セラミック駆動回
路22が記録するデータに応じて個々の圧電セラミック
素子20に選択的に電圧を印加し、電圧を印加された圧
電セラミック素子20に対応した振動板16をたわみ変
形させて、対応したノズル10からインク滴を吐出させ
る。吐出したインク滴は、上述のように対向電極5に吸
引され記録用紙8上に記録される。この動作をヘッド3
を図のX方向に移動させながら行うことで、1行分の記
録を行わせるものである。ここで、ヘッド3およびキャ
リッジ1は図のY方向に戻り、記録用紙8を図のZ方向
に送る。上記の動作を繰り返すことにより、記録用紙8
上に所望の画像の記録を行うものである。記録が終了す
ると、電圧印加手段によってノズル板9と対向電極5の
間に印加されていた電圧は解除される。
【0016】以上のような構成において、本発明のヘッ
ドは、図3にも示した通り、ノズル10の先端から対向
電極5に向かう方向を基点として、ノズル先端とインク
流路の端を結ぶ直線と上記方向のなす角αが135度以
上となるよう構成されており、後方135度未満の領域
にはインク流路を設けない構成としている。この構成に
よって、ノズル先端での電界強度を高くすることができ
るものである。以下、この働きについて説明する。図6
に示すようにインク流路がノズル板9に近接した位置ま
であり、ノズル先端とインク流路の端を結ぶ直線とノズ
ルから対向電極に向かう方向とのなす角βが小さく、1
35度未満となっている。このとき、インクが導電性で
あるため、流路中のインクはノズル先端と同電位とな
り、このため、ヘッドと対向電極5間の電界強度は、平
行平板間の電界と同様となり、全体に平均的な電界強度
となって、ノズル近傍での電界強度を高めることはでき
ない。ノズルの先端での電界強度を高めるためには、ノ
ズル中のインクと同電位となるものがノズル中のインク
以外には対向電極5から離間した位置に配置する必要が
ある。また、インク流路等ノズル中のインクと同電位に
なるものをノズル列から対向電極に向かう方向を基準と
して、後方135度より後方に配置すれば、ノズル先端
での電界強度を十分高めることが可能である。したがっ
て、本発明のように、後方135度以内の領域にインク
流路を設けない構成とすれば、ノズル10以外のインク
は、対向電極5とは離間した位置となるため、ノズル1
0の先端部に電界が集中して電界強度を局部的に高めら
れるものである。したがって、インクと対向電極間の電
圧を低減させてもインクへの吸引力を十分に高めること
ができ、安定したインク飛翔が可能となるものである。
また、印加電圧を一定にしたときには、インクへの吸引
力を増大させることができ、より安定したインク飛翔が
可能となるものである。
【0017】(実施の形態2)図7は同装置におけるヘ
ッドをノズル面から見た平面図、図8は同ヘッドにおい
て図7のB−B断面に切断した断面図、図9は図8の部
分拡大図、図10はヘッド圧力室近傍の部分拡大断面図
である。実施の形態2においては、実施の形態1と同じ
構成部品については、同じ番号を付与している。図7に
おいて、9はノズル板であり、ポリイミド樹脂等の絶縁
性材料で構成されている。ノズル板9には、インクを吐
出するためのノズル穴10が設けられている。このノズ
ル穴10は複数個が等間隔L1となるよう1列上に配列
されてノズル列11が形成されており、さらにこのノズ
ル列が複数列設けられている。本実施の形態の場合には
ノズル列は図に示すように11a、11b、11c、1
1dの4列設けられている。また、このノズル列はそれ
ぞれ等間隔L2となるよう配置されている。また、本実
施の形態の場合には、それぞれのノズル列は異なる色の
インクを吐出させるためのもので、例えば、11aは黒
インク、11bはイエローインク、11cはマゼンタイ
ンク、11dはシアンインクを吐出させるために用いら
れている。ノズル板9の表面には図に示すようにノズル
列11の外周部の領域に補助電極12が蒸着などの手段
で形成されている。この補助電極12はノズルの配列方
向においては、ノズル列中の最も外側のノズルからノズ
ル間距離L1とほぼ等しい距離離れた外側に形成される
とともに、ノズル列の配列方向においては、最も外側の
ノズル列11a、11dからノズル列間距離L2とほぼ
等しい距離だけ離れた領域より外側に形成されている。
図8はヘッド3を図7のB−B断面で切断した断面図で
ある。図において、13はハウジングであり、内部には
圧力室14やインク供給口15などのインク流路が構成
されている。インク供給口15はインクタンク4に接続
されている。インク圧力室14およびインク供給口15
は個々のノズル10に対してそれぞれ独立して設けられ
ている。ハウジング13は本実施例においては、樹脂な
どの絶縁性材料で構成されている。16は振動板であ
り、圧力室14のふたをするような配置でハウジング1
3に接着されている。振動板16には金属、セラミック
などの弾性係数の高い材料が用いられ、本実施例では、
クロム材料が用いられている。また、インク流路中に
は、電極17が形成されており、この電極17と補助電
極12は同電位となるよう接続されている。また、電極
17および補助電極12と対向電極5との間に電圧を印
加するよう電圧印加手段18が設けられている。また、
インクには水性の導電性インクが用いられており、これ
により、ノズル内のインクと対向電極5の間に電圧が印
加されるものである。本実施例では、ノズル板9と対向
電極5の距離は1mmに設定されており、電圧印加手段
18による印加電圧は1〜2kVに設定されている。図
9は図8に示したヘッド3の部分拡大図、図10は図8
のU方向から見た圧力室14近傍の断面図であるが、振
動板16上には、共通電極19、圧電セラミック素子2
0、個別電極21がそれぞれの圧力室14に対応して短
冊状に設けられている。また、共通電極19と個別電極
21は圧電セラミック駆動回路22に接続されている。
圧電セラミック駆動回路22は、記録するデータに応じ
て、共通電極19と個別電極21の間に選択的に電圧を
印加し、圧電セラミック素子20を図8、図9における
紙面に垂直な方向に縮む方向に変形させる。この圧電セ
ラミック素子20の変形により、振動板16は図10
(a)のように圧力室14の方向にたわみ、圧力室内の
インクに圧力を加えるものである。また次に、印加電圧
を0に戻すと、圧電セラミック素子20は元に戻り、こ
れにより、振動板16もたわみを解除され、図10
(b)のようにまっすぐな状態にもどる。
【0018】次に、上記プリンタにおける記録原理につ
いて説明する。電極17および補助電極12と対向電極
5の間に電圧印加手段18によって電圧が印加される。
この電圧によって、ノズル先端部のインクに電荷が誘起
され、対向電極5に引っ張られる力を受ける。ただし、
インクがノズル10から飛び出して対向電極5に向かっ
て飛翔する程の力は受けないため、インクはノズル10
内にとどまっている。次に、圧電セラミック駆動回路2
2により、共通電極19と個別電極21の間に電圧が印
加され、上述のように振動板16は図10(a)のよう
にたわみ変形して、圧力室14内のインクに圧力を加え
る。この圧力によってインクがヘッド先端部のノズル1
0から押し出されインク滴が吐出する。このとき、吐出
したインク滴は電圧印加手段18によって誘起された電
荷を持っている。このため、このインク滴は対向電極5
に引っ張られるクーロン力を受ける。このクーロン力に
より、吐出したインク滴は対向電極5に向けて加速しな
がら飛翔し、対向電極5の前に設けられた記録用紙8に
着弾する。着弾したインクは記録用紙8に浸透して記録
が行われるものである。以上の動作において、圧電セラ
ミック素子20への電圧印加は選択的に行われ、電圧印
加された圧電セラミック素子20に対応するノズル10
からのみインクを吐出する。以上のように、インク吐出
は圧電セラミック素子20への電圧印加で選択的に制御
し、吐出したインクを吸引するための電界は全体に共通
して働かせることで記録を行うものである。
【0019】記録動作については、実施の形態1とほぼ
同様であるので省略する。上記のような構成において、
本発明のインクジェット記録装置では、ノズル面から見
てノズル列の外側領域にノズル中のインクと同電位とな
る補助電極を設けたことにより、電界強度分布の補正を
行うことができるものである。以下、この働きについて
説明する。図11は補助電極を設けないヘッドを示す図
である。この場合には、複数個配列されたノズル列のう
ち両端のノズル列以外のノズル列11b、11cでは、
両側にノズル列が配置されているが、両端のノズル列1
1a、11dでは、片側にのみノズル列が配置された構
成となっている。このため、両端のノズル列11a,1
1dについては、電界強度がアンバランスとなり、ノズ
ル板9と対向電極5の間の空間において若干外側に向か
って強くなる分布を示す。したがって、ノズルから吐出
したインクは、外側に引っ張られて飛翔し、ノズル列と
対向した位置より外側に着弾するものである。このた
め、印字品質が劣化することになる。これに対して、本
発明においては、ノズル列の外側領域に補助電極を設け
ているため、両端のノズル列に対しても中央部のノズル
列と同様に電界強度分布を補正することができるもので
ある。したがって、ノズルから吐出したインクは、まっ
すぐに飛翔し、ノズル列と対向した位置に着弾するもの
である。このため、良好な印字品質で記録できるもので
ある。
【0020】なお、上記実施の形態においては、補助電
極をノズル板の表面に設けているが、ノズル板に近接し
た位置であれば、ノズル板の表面でなくてもよく、同様
の効果を発揮できるものである。
【0021】(実施の形態3)図12は同装置における
ヘッドをノズル面から見た平面図、図13は同ヘッドに
おいて図12のC−C断面に切断した断面図である。実
施の形態3においては、実施の形態1と同じ構成部品に
ついては、同じ番号を付けている。図12において、9
はノズル板であり、ポリイミド樹脂等の絶縁性材料で構
成されている。ノズル板9には、インクを吐出するため
のノズル穴10が設けられている。このノズル穴10は
複数個が等間隔L2となるよう1列上に配列されてノズ
ル列11が形成されており、さらにこのノズル列が複数
列設けられている。本実施の形態の場合にはノズル列は
図に示すように11a、11b、11c、11dの4列
設けられている。また、このノズル列はそれぞれ等間隔
L2となるよう配置されている。また、本実施の形態の
場合には、それぞれのノズル列は異なる色のインクを吐
出させるためのもので、例えば、11aは黒インク、1
1bはイエローインク、11cはマゼンタインク、11
dはシアンインクを吐出させるために用いられている。
図12および図13に示すようにノズル列11a、11
dそれぞれの外側領域には、インク液室23、24がノ
ズル板9に近接した位置までインクが満たされるよう形
成されている。このインク液室23、24は、細分化は
されておらず、それぞれ1個ずつの液室で構成されてい
る。また、インク液室23、24には、ノズル板9の表
面につながる排出穴25、26がそれぞれ1個ずつ設け
られており、この排出穴から吸引することによって、イ
ンクや気泡を排出することができるものである。これに
より、インク液室23、24をインクで満たすことがで
きるものである。このとき、インク液室23は、ノズル
列11aに対応する圧力室とつながっており、この圧力
室のインクと同じインクが満たされるとともに、インク
液室24は、ノズル列11dに対応する圧力室とつなが
っており、この圧力室のインクと同じインクが満たされ
ている。このインク液室23、24は、ノズル列中の最
も外側のノズルからノズル間距離L2とほぼ等しい距離
離れた外側に形成されている。その他の構成および記録
動作は実施の形態2とほぼ同様であるので説明を省略す
る。
【0022】上記のような構成において、本発明のイン
クジェット記録装置では、ノズル面から見てノズル列の
外側でノズル板に近接した位置にインク液体が満たされ
る液室を設けたことにより、電界強度分布の補正を行う
ことができるものである。以下、この働きについて説明
する。インク液室23、24を設けない場合には、実施
の形態2で説明したように、複数個配列されたノズル列
のうち両端のノズル列以外のノズル列11b、11cで
は、両側にノズル列が配置されているが、両端のノズル
列11a、11dでは、片側にのみノズル列が配置され
た構成となる。このため、両端のノズル列11a,11
dについては、電界強度がアンバランスとなり、ノズル
板と対向電極の間の空間において若干外側に向かって強
くなる分布を示す。したがって、ノズルから吐出したイ
ンクは、外側に引っ張られて飛翔し、ノズル列と対向し
た位置より外側に着弾するものである。このため、印字
品質が劣化することになる。これに対して、本発明にお
いては、ノズル列の外側でノズル板に近接した位置にイ
ンク液体が満たされる液室を設けているため、両端のノ
ズル列に対しても中央部のノズル列と同様に電界強度分
布を補正することができるものである。したがって、ノ
ズルから吐出したインクは、まっすぐに飛翔し、ノズル
列と対向した位置に着弾するものである。このため、良
好な印字品質で記録できるものである。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ノズル中
のインク液体と対向電極の間に電圧を印加し、ノズル先
端から対向電極に向かう方向を基点として、後方135
度未満の領域にはインク流路を設けない構成にしたこと
により、ノズル先端での電界強度を高めることができ、
ノズル板と対向電極の間の電圧をあまり高くしなくて
も、インクに働く静電力を大きくすることができ安定し
たインク飛翔を実現し良好な記録を行うことができるも
のである。
【0024】また、本発明によれば、ノズル板を絶縁性
材料で構成するとともに、ノズル中のインク液体と対向
電極の間に電圧を印加し、複数のノズル列の外側に補助
電極を設け、補助電極にはノズル中のインク液体と同電
位の電圧を印加するよう構成したことにより、ノズル列
の中央部と端部とでの電界強度分布を補正することがで
き、良好な印字品質での記録が可能となるものである。
【0025】また、本発明によれば、ノズル板を絶縁性
材料で構成するとともに、ノズル中のインク液体と対向
電極の間に電圧を印加し、複数のノズル列の外側でノズ
ル板に近接した位置にインク液体が満たされる液室を設
けたことにより、ノズル列の中央部と端部とでの電界強
度分布を補正することができ、良好な印字品質での記録
が可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるインクジェット記
録装置を示す斜視図
【図2】同装置におけるヘッドをノズル面から見た平面
【図3】同装置におけるヘッドの断面図
【図4】同装置におけるヘッドの断面部分拡大図
【図5】同装置におけるヘッド圧力室近傍の部分拡大断
面図で (a)圧電セラミック素子に電圧を印加した場合の図 (b)圧電セラミック素子に電圧を印加しない場合の図
【図6】実施の形態1の効果を説明するための他の装置
の構成図
【図7】本発明の実施の形態2におけるヘッドをノズル
面から見た平面図
【図8】同装置におけるヘッドの断面図
【図9】同装置におけるヘッドの断面部分拡大図
【図10】同装置におけるヘッドの圧力室近傍の部分拡
大断面図で (a)圧電セラミック素子に電圧を印加した場合の図 (b)圧電セラミック素子に電圧を印加しない場合の図
【図11】実施の形態2の効果を説明するための他の装
置の構成図
【図12】本発明の実施の形態3におけるヘッドをノズ
ル面から見た平面図
【図13】同装置におけるヘッドの断面図
【図14】従来のインクジェット記録装置における概略
構成図
【符号の説明】
1 キャリッジ 3 ヘッド 5 対向電極 8 記録用紙 9 ノズル板 10 ノズル 11 ノズル列 12 補助電極 13 ハウジング 14 圧力室 15 インク供給口 16 振動板 17 電極 18 電圧印加手段 19 共通電極 20 圧電セラミック素子 21 個別電極 22 圧電セラミック駆動回路 23,24 インク液室

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク液体を収容する複数個の圧力室
    と、インク液体を吐出させるため前記圧力室のそれぞれ
    に連通して設けられ列状に配置された複数個のノズル
    と、前記ノズルに対向する位置に配置された対向電極
    と、前記ノズル中のインク液体と前記対向電極間に電圧
    を印加する電圧印加手段とを備え、前記ノズル先端から
    前記対向電極に向かう方向を基点として、後方135度
    未満の領域にはインク流路を設けない構成としたことを
    特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 インク液体を収容する複数個の圧力室
    と、絶縁性材料により構成されたノズル板と、前記圧力
    室のそれぞれに連通して設けられインク液体を吐出させ
    るためのノズルと、前記ノズルが前記ノズル板面上に複
    数列配置されて設けられたノズル列と、前記ノズルに対
    向する位置に配置された対向電極と、前記ノズル中のイ
    ンク液体と前記対向電極間に電圧を印加する電圧印加手
    段と、前記ノズル板から見て前記複数のノズル列の外側
    に設けられた補助電極を備え、前記補助電極には前記ノ
    ズル中のインク液体と同電位の電圧を印加するよう構成
    したことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 インク液体を収容する複数個の圧力室
    と、絶縁性材料により構成されたノズル板と、前記圧力
    室のそれぞれに連通して設けられインク液体を吐出させ
    るためのノズルと、前記ノズルが前記ノズル板面上に複
    数列配置されて設けられたノズル列と、前記ノズルに対
    向する位置に配置された対向電極と、前記ノズル中のイ
    ンク液体と前記対向電極間に電圧を印加する電圧印加手
    段と、前記ノズル板から見て前記複数のノズル列の外側
    で前記ノズル板に近接した位置にインク液体が満たされ
    る液室が設けられたことを特徴とするインクジェット記
    録装置。
JP13640798A 1998-05-19 1998-05-19 インクジェット記録装置 Pending JPH11320890A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006129505A1 (ja) * 2005-06-03 2006-12-07 Konica Minolta Holdings, Inc. 液体吐出装置及び液体吐出方法
US8491073B2 (en) 2009-02-04 2013-07-23 Samsung Electronics Co., Ltd. Inkjet printing devices and methods of driving the same
US9050793B2 (en) 2007-10-11 2015-06-09 Samsung Electronics Co., Ltd Inkjet printing device and method of driving the same

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