JP2007160727A - 液体吐出ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出される液体による接合箇所の劣化が生じない品質と信頼性の高い液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】凹部が形成されたボディプレートと、ボディプレートに被さって凹部をキャビティとして形成し、キャビティにそれぞれ連通し、吐出孔から液体を液滴として吐出するノズルを有するノズルプレートとを備えた液体吐出ヘッドにおいて、
吐出孔を有する面はフラットでありボディプレートに被さる面は可動イオンを含む硼珪酸ガラス層が形成されているSiO2からなるノズルプレートと、Siからなるボディプレートと、は接着剤を介することなく接合されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体吐出ヘッドに関する。
インクジェット記録方式は、ノンインパクト記録方式の1つであり、高速記録が可能であると共に、種々の記録媒体に対して記録が可能であり、しかも、高精細な画像が得られる。このような利点から、インクジェット記録方式は、コンピューターの周辺機器としてのプリンタばかりでなく、複写機、写真、各種印刷、産業用高精細パターニング等の記録手段として近年急速に普及している。これに伴い、インクジェット記録方式は高速かつ高画質、高耐久性であることが求められており、係るインクジェット記録ヘッドに高い精度、高耐久性が求められてきている。
インクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッドと称する。)を構成する部材がノズル板、振動板、圧力室形成部材、流路板等の2層以上の多層板から成り、多層板の各々を接合して記録ヘッドを製造する方法が従来より知られている。
このような多層板構造からなり、構成部材の各々を接合して記録ヘッドを構成する場合、接合方法として接着剤が広く使用されている。接着剤を使用すると、接着層が直にインクに触れることになることから、インクの作用により接着剤の吸水、或は組成変化が生じ、接合強度の劣化が発生するという問題があった。更には、接着剤が成す接合部材の劣化の為に誘発されるインク流路外へのインクの流出、或は接合部材の剥がれによる記録ヘッドの故障が発生するといった問題があった。
上記の様な多層板構造を構成する各部材を接着剤を用いて接合した場合のインクの作用による接着剤の劣化による不具合の発生を抑えるために以下の方法が提案されている。
ポリエステル系及びエポキシ系接着剤を使用して記録ヘッドを多層で構成される部材の接合を行うことで形成される圧力室や流路といった記録ヘッドの内壁に無機粒子を含有した樹脂により保護膜を形成して接着剤がインクに触れない様にすることで接着剤のインクによる劣下を防止している(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−305141号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている従来技術には、以下のような問題がある。まず、保護膜を形成する場所が記録ヘッドの内側であることからヘッド構成部材を接合した後、ヘッド内部に皮膜を形成するアルカリ性の分散液と凝集剤としての塩酸水溶液を充填し水素イオン濃度指数PH値の管理を行いながら化学反応させて皮膜を形成させた後に液を排出するといった煩雑な作業を必要としている。更に、記録ヘッド内部は数十μmといった細かな多くの溝が複雑に形成されていることから、例えば充填される液の混合状態や隅々への液の到達状態が十分とならないことより、ある溝においてはインクの流れに障害が生じるとか、接合部の接着剤の皮膜が不十分な箇所が存在するといったことが十分予想される。このようなインクの流れの障害や不十分な皮膜が存在すると、インクの吐出ムラや接着剤の劣化により剥離することからインク漏れ等の不具合が生じることになる。尚、特許文献1には、無機粒子を含有した樹脂による保護膜を設けていない場合、ポリエステル系及びエポキシ系接着剤を用いて接合した箇所に剥離によるインク漏れが生じ、インク吐出速度、吐出量がノズル孔間で一定しないという不具合の発生及び圧電素子の動作不能が認められたことが記載されている。
また、近年、インクジェット記録方式を利用した産業用のパターニングの応用が広く考えられている。その理由は、インクジェット記録方式を利用することで、直接、基板等にパターニングが可能となるという大きな利点が生じるからである。従来は、基板にパターニングする場合、リソグラフィ工程が必要であり、リソグラフィ工程を利用しない場合には、印刷等が考えられるが、印刷工程では一般に版が必要であり、またその版の洗浄等の工程も必要である。これらに対して、インクジェット記録方式によるパターニングは、リソグラフィ工程や版等が不要になり、工程が非常に簡単になる。このようなパターニングにおいては、着弾径が30μm以下とする高精細化が望まれおり、これに応えるには、記録ヘッドから吐出されるインク液滴の液滴の直径を概ね15μm以下とする必要があるとされている。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、
吐出される液体による接合箇所の劣化が生じない品質と信頼性の高い液体吐出ヘッドを提供することにある。
上記目的は、以下の手段の何れかによって達成される。
1. 凹部が形成されたボディプレートと、
前記ボディプレートに被さって前記凹部をキャビティとして形成し、前記キャビティにそれぞれ連通し、吐出孔から液体を液滴として吐出するノズルを有するノズルプレートとを備えた液体吐出ヘッドにおいて、
前記吐出孔を有する面はフラットであり前記ボディプレートに被さる面は可動イオンを含む硼珪酸ガラス層が形成されているSiO2からなる前記ノズルプレートと、
Siからなる前記ボディプレートと、
は接着剤を介することなく接合されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
2. 前記可動イオンを含む硼珪酸ガラス層の厚みは0.3μm以上5μm以下であることを特徴とする1に記載の液体吐出ヘッド。
3. 前記ノズルプレートの前記ボディプレートに被さる面は金属層と、該金属層に重ねて前記可動イオンを含む硼珪酸ガラス層とが積層されていることを特徴とする1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
4. 凹部が形成されたボディプレートと、
前記ボディプレートに被さって前記凹部をキャビティとして形成し、前記キャビティにそれぞれ連通し、吐出孔から液体を液滴として吐出するノズルを有するノズルプレートとを備えた液体吐出ヘッドにおいて、
前記ノズルを有する面がフラットなSiO2からなる前記ノズルプレートと、
Siからなる前記ボディプレートと、
は分子間力で接合されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
5. 前記ノズルプレートは、前記ボディプレートと接合する面上に金属層が設けてあることを特徴とする4に記載の液体吐出ヘッド。
6. 凹部が形成されたボディプレートと、
前記ボディプレートに被さって前記凹部をキャビティとして形成し、前記キャビティにそれぞれ連通し、吐出孔から液体を液滴として吐出するノズルを有するノズルプレートとを備えた液体吐出ヘッドにおいて、
前記ノズルを有する面がフラットで前記ボディプレートに被さる面上に金属層が形成されているSiO2からなる前記ノズルプレートと、
前記ノズルプレートが被さる面上に前記金属層をなす材料と同じ材料からなる金属層が形成されているSiからなる前記ボディプレートと、
は接着剤を介することなく接合されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
7. 前記ノズルプレートの前記吐出孔が存在する面は撥液層が設けられていることを特徴とする1乃至6のいずれか一つに記載の液体吐出ヘッド。
8. 吐出孔からノズル内の液体を液滴として吐出するノズルを有する液滴吐出ヘッドと、ノズル内の液体を帯電させノズルと液滴が着弾される対象となる基材との間に形成される電界の静電吸引力を受けて液滴が吐出される液体吐出ヘッドにおいて、
前記ノズル内の液体と前記基材間に静電電圧を印加して静電吸引力を発生させる静電電圧印加手段を有していることを特徴とする1乃至7のいずれか一つに記載の液体吐出ヘッド。
9. 前記ノズル内の液体に圧力を発生させて前記吐出孔に液体のメニスカスを形成する圧力発生手段を有すること特徴とする8に記載の液体吐出ヘッド。
請求項1、4及び6に記載の発明によれば、ノズルプレートとボディプレートとが接合されてなる液体吐出ヘッドは、その接合部には接着剤が存在していない。よって、接着剤自体が存在しないため、接着剤が液体に触れないように防止するための被膜を形成する必要がなくなり、接着剤の劣化に起因するノズルプレートとボディプレートとの剥がれが生じ、液体漏れが発生するといった不具合は生じなくなる。また、接着剤の量、塗布箇所等に起因する接着剤の流路溝等へのはみ出しによる不具合の発生を懸念することが無くなる。従って、液体による接合箇所の劣化が生じない品質と信頼性の高い液体吐出ヘッドを提供できる。更に、ノズルプレートに微細加工が容易とされ、体積抵抗率の高いSiO2が使用されているため、微小なノズル径が形成されることが可能で、またノズル内の液体に触れる電極を設けるようにすることで、液体に印加される静電電圧により効率的に液体を帯電させることができることから、高精細な記録が可能とされる静電吸引力を効果的に利用できる静電吸引方式の液体吐出ヘッドとすることができる。また、ノズルプレートはSiO2から、またボディプレートはSiからなっていることで、液体の吸収による体積抵抗率の低下を懸念する必要がない。更に、ノズルプレートの吐出孔を有する面がフラットであることから、構造が単純なため生産性に優れ、またヘッドのクリーニング時におけるワイピングの際に引っかかって破損することがなく、その分ヘッドの寿命が長くなるといった利点がある。
以下、本発明に係る液体吐出ヘッドの実施形態に関して、図を参照して説明する。
図1は、本実施形態の一例とする液体吐出ヘッド2(断面図)を使用した液体吐出装置1の全体構成を示す図である。なお、液体吐出ヘッド2は、いわゆるシリアル方式或いはライン方式等の各種の液体吐出装置に適用可能である。
液体吐出装置1は、インク等の帯電可能な液体Lの液滴Dを吐出するノズル10が形成された液体吐出ヘッド2と、動作制御手段4と、液体吐出ヘッド2のノズル10に対向する対向面を有するとともにその対向面で液滴Dの着弾を受ける基材Kを支持する対向電極3とを備えている。
液体吐出ヘッド2の対向電極3に対向する側には、複数のノズル10を有するSiO2から成るノズルプレート11が設けられている。液体吐出ヘッド2は、例えば、図2(A)〜(C)に示すように、ノズルプレート11の対向電極3に対向する吐出面12からノズル10が突出されない、或いはノズル10が30μm程度しか突出しないフラットな吐出面を有するヘッドとして構成されている。また、ノズル10は、断面形状が円に形成される代わりに、断面形状が多角形や星形等であってもよい。尚、断面形状が円でない場合の直径とは、対象とする断面の断面積を同じ面積の円形に置き換えた場合の直径とする。
各ノズル10は、ノズルプレート11に穿孔されて形成されており、ノズルプレート11の吐出面12に吐出孔13を有する貫通した孔とされている。本実施形態では、ノズル10は、断面形状が円であり、吐出孔13の内部直径(以下、ノズル径という。)が10μmとしている。
ノズルプレート11の製造方法は、例えば厚みが30μmから150μm程度のSiO2基板を用いて、例えば微細加工が得意とされる公知のフォトリソグラフィ技術(レジスト塗布、露光、現像)とエッチング技術、例えばフッ化カーボン(CF4)を反応ガスとして用いたドライエッチング等を用いることでノズル10を形成することができる。このような加工方法を用いることで、SiO2基板に微小なノズル径を容易に形成することができる。
本実施形態では、ノズルプレート11のノズル10の内周面17には、例えばNiP等の導電素材よりなりノズル10内の液体Lに電圧を印加して帯電させることで後述する静電吸引力を生じさせる静電電圧印加手段である帯電用電極16が設けられている。帯電用電極16は、ノズル内の液体Lに接するようになっている。
この帯電用電極16は、静電電圧電源18に接続されており、静電電圧電源18より帯電用電極16に静電電圧が印加されると、全ノズル10内の液体Lが同時に帯電され、液体吐出ヘッド2と対向電極3との間、特に液体Lと基材Kとの間に静電吸引力が発生されるようになっている。
ノズルプレート11の吐出面12と反対側の面には、以降で説明する陽極接合を行うために必要な厚みが0.3μmから5μmの可動イオンを含む硼珪酸ガラス膜21を介して、Siから成るボディプレート19が設けられている。ノズルプレート11に吐出孔が設けられている面の反対側の各ノズル10の開口端に面するボディプレート19の部分には、ノズル10の開口より大きい内径を有する略円筒状の空間が形成されており、各空間は吐出される液体Lを一時貯蔵するためのキャビティ20とされている。
また、ボディプレート19には、キャビティ20に液体Lを供給するための図示しない流路が形成されている。本実施形態では、ボディプレート19としてのSi基板を基材として公知のフォトリソグラフィ技術(レジスト塗布、露光、現像)及びエッチング法を用いてキャビティ20、共通流路、および共通流路とキャビティ20とを結ぶ流路が設けられており、共通流路には、外部の図示しない液体タンクから液体Lを供給する図示しない供給管が連絡されており、供給管に設けられた図示しない供給ポンプにより或いは液体タンクの配置位置による差圧により流路やキャビティ20、ノズル10等の液体Lに所定の供給圧力が付与されるようになっている。また、キャビティ20の底部は厚みが20μm程度と薄く形成されており、液体Lに圧力を生じさせる様に変形可能としている。
各キャビティ20の底部の背面には、それぞれ圧力発生手段としての圧電素子アクチュエータであるピエゾ素子22が設けられており、ピエゾ素子22には、素子に駆動電圧を印加して素子を変形させるための駆動電圧電源23が接続されている。ピエゾ素子22は、駆動電圧電源23からの駆動電圧の印加により変形して、ノズル内の液体Lに圧力を生じさせてノズル10の吐出孔13に液体Lのメニスカスを形成させるようになっている。なお、圧力発生手段は、本実施形態のような圧電素子アクチュエータのほかに、例えば、静電アクチュエータやサーマル方式等を採用することも可能である。
駆動電圧電源23および帯電用電極16に静電電圧を印加する静電電圧電源18は、それぞれ動作制御手段4に接続されており、それぞれ動作制御手段4による制御を受けるようになっている。
ここで、液体吐出ヘッド2においては、ノズルプレート11とボディプレート19を貼り合わせて一体とする必要があり、これに関して説明する。また、接合することでノズルプレートとボディプレートとが一体になったものを以後ノズルユニットと称する。液体吐出ヘッド2の貼り合わせ方法としては、接着剤をノズルプレート11とボディプレート19との間に介さない方法としている。
接着剤を介さない方法は、Siと可動イオンを含む硼珪酸ガラスとの接合法である陽極接合法、被接合物間に何も介在しない分子間力による分子間力接合法、及び金属同士の金属接合法が有る。これらの方法を用いることによりノズルプレートとボディプレートとを強固に貼り合わせることができる。よって、例えばキャビティに貯蔵されノズルより吐出される液体に触れることで劣化する接着剤が存在する箇所は本液体吐出ヘッド2において全く無いことになる。
したがって、接着剤の劣化が起因となるノズルプレートとボディプレートとの剥がれが生じて、インク漏れが発生するといった不具合は発生しなくなり、また、接着剤を使用しないことで、接着剤の量の過不足、塗布箇所のズレ等による接着不良や接着剤の流路溝等へのはみ出しによるインク漏れ、インクの吐出ムラや吐出されない等の不具合の発生を懸念することもなくなることから、品質と信頼性の高い液体吐出ヘッドとなることが出来る。
これら陽極接合法、分子間力接合法及び金属接合法に関して以下に具体的に説明する。
まず、陽極接合法について図4(A)を用いて説明する。陽極接合技術を用いて2つの基板を接合する場合、基板の一方をSiとし、他方を可動イオン、例えば代表的にはナトリウムイオン(Na+)を含む硼珪酸ガラスとする場合がある。可動イオンを含む硼珪酸ガラス(以下、硼珪酸ガラスと称する。)としては、具体的にはパイレックス(登録商標)またはテンパックス フロート(登録商標)等がある。本実施形態においては、ボディプレート19はSiであるが、ノズルプレート11はSiO2であるため、このままでは陽極接合を行うことができない。これに対応するため、図4(a1)で示す様にノズルプレート11のボディプレート19と貼り合わせる面に硼珪酸ガラス層21を設けて硼珪酸ガラス面とすることで対応することができる。この硼珪酸ガラス層21の膜厚は、陽極接合にて強固に接合される膜厚であれば良く、膜の密度や均一性の観点から0.3μm以上が好ましく、また後述する陽極接合時に必要な接合面の印加電圧の観点や膜の内部応力による割れが生じない様にすることから5μm以下が好ましい。また、陽極接合時の電圧を印加しやすくするために、ノズルプレート11の側壁面に硼珪酸ガラスを成膜して電圧印加部21aを設けるようにしても良い。また、ノズルプレート11には、帯電用電極16を設けている。これに関しては、以降で説明する金属層51と同じ材料及び同じ形成方法として良い。
この硼珪酸ガラスの成膜方法は、真空蒸着法や高周波(RF)マグネトロンスパッタ法、イオンプレーティング法のいずれでも良く、また成膜時に基板の温度を緻密な膜が形成しやすいように250℃以上となるように加熱することが好ましい。この温度の上限は特に定めないが、基板の取り付け治具や成膜時の基板の温度制御装置等の観点から400℃程度が好ましい。
次に、上記で説明した硼珪酸ガラスが成膜されたノズルプレート11とボディプレート19とを、図4(a2)で示すように、適切な位置関係にして重ね合わせて固定し、接合部の温度を高温状態にして、直流高圧電源44を用いて電圧を印加して陽極接合する。以下に、ノズルプレート11とボディプレート19とを陽極接合することに関して具体的に説明する。
陽極接合を行う場合に印加する電圧の極性は、ボディプレート19側をプラス(+)、ノズルプレート側をマイナス(−)とする。このようにすると、静電引力によって接合界面が密着すると同時に電流が流れ、両基板が強固に陽極接合される。ここで、電流値が0.1mA以下となった時点で接合が強固に行われたとしている。
接合時の高温状態とは、300℃〜550℃の範囲であって、このような雰囲気温度を維持できる恒温漕や簡便な方法ではセラミックヒーター等を内蔵する絶縁性の良いホットプレート46等を用いてノズルプレート11とボディプレート19との接合部を加熱すれば良い。
上記の温度範囲を超えて接合を行う場合、接合ができない又は接合が十分でないといった不都合が生じやすくなる。例えば、550℃以上では、印加電圧にもよるが、可動イオンが一気に流れ出して、硼珪酸ガラス膜が白濁したり膜密度が粗くなったりといった劣化が生じ、結果的に強固な接合ができない場合がある。また、300℃以下では、可動イオンが移動しにくい状態であり、これを移動しやすくするためには、印加電圧を大きくすることが必要である。印加電圧を大きくする結果、ノズルプレート11とボディプレート19との間での短絡が発生し、結果として陽極接合が十分できない場合がある。
また、直流高圧電源44にてノズルプレート11とボディプレート19との間に印加する直流電圧の電界強度は、5V/μm〜20V/μmの範囲が好ましい。
また、図4(B)に示すノズルプレート11は、ノズルプレート11のボディプレート19に被さる面上に金属層51と、この金属層51に重ねて可動イオンを含む硼珪酸ガラス層21とが積層されている。この金属層51を陽極接合時の電圧印加電極として使用することで上記のノズルプレート11の側壁面の硼珪酸ガラス膜が不要とされ、また電圧の印加をプローブ等を用いて容易に行うことができる。また、この金属層51を帯電用電極16と接続されるようにすることで静電電圧印加手段として利用することができる。
金属層51の材料としては、Ni、Cr、Al、Ti、Au、Pt等の電極として使用でき、インク等の吐出される液体に対する耐腐食性を有するものであれば特に制限されるものではない。この金属層51の膜厚は、0.1μmから0.5μm程度が好ましく、成膜方法は、メッキ等のウエット処理としても良いがノズル孔が小さくなったり埋まったりすることがあるので蒸着による成膜が好ましく、例えば真空蒸着法や高周波(RF)マグネトロンスパッタ法、イオンプレーティング法等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
この金属層51上に形成される硼珪酸ガラス膜の厚みは0.5μm以上とするのが好ましい。この厚み以上にすることで、硼珪酸ガラス膜にピンホールがほとんど存在しなくなることより、陽極接合時に印加される電圧による金属層51とSiボディプレートとの間の短絡の発生が抑えられ、陽極接合を確実に行うことができる。
次に分子間力接合方法に関して図5(A)を例として用いて説明する。SiO2から成るノズルプレート11とSiから成るボディプレート19とを貼り合わせるそれぞれの面61a及び61bをダイヤモンドペースト(粒径はおおよそ0.1μm〜0.3μmの範囲)を用いたバフ研磨等により表面粗さRa<10nmになるように研磨を行う。
ここで、本実施形態における表面粗さRaは、触針式表面粗計Dektak3030(Sloan Technology Veeco Instruments製、触針:ダイヤモンド製半径12.5μm、針圧:0.05mN)を使用して、測定幅3mmとする任意の3箇所における各表面粗さの算術平均値としている。次にボディプレート19の研磨面61bを上に向けて、この面にノズルプレート11の研磨面61aを重ねて接触させ、ノズルプレート11全面をほぼ均一に加圧すると、目視にて見えていたニュートン干渉縞が次第に消えていくことが確認できる。この干渉縞が見えなくなった状態を分子間力による接合が完了した状態としている。接合完了の確認は、ニュートン干渉縞の観察は常に必要とされることはなく、接合面の状態が表面粗さRa<10nmとなる様に研磨等で安定して得られるのであれば、接合面を重ねた後、予め実験等により得た均一な力で一定時間加圧を行うことに代えることとしても良い。
また、図5(B)に示す様にノズルプレート11の接合面側にノズルの内周部を含めた金属層62を設け、この金属層62を静電電圧印加手段である帯電用電極16として利用できるようにすることができる。この場合、ノズルプレート11の上の金属層62の表面を表面粗さRa<10nmとすることでボディプレート19と分子間力接合することが出来る。
分子間力接合を行うことができる材料は特に限定される必要はなく、被接合面をそれぞれ表面粗さRa<10nmとすることができれば接合することができる。
次に金属接合法に関して図6で示す例を用いて説明する。金属接合は、接合されるノズルプレート11及びボディプレート19のそれぞれの面に、金(Au)、金錫(Au−Sn)合金又はインジウム(In)の内いずれか1つを適宜選択した同じ材料でもって金属層71a及び金属層71bを設け、この金属層71a及び71b同士を重ねた後に重ね合わせた金属層を加熱しながら加圧して接合することができる。加熱温度は、金の場合は、400℃程度、金錫合金の場合は、200℃程度、インジウムの場合は100℃程度とするのが良い。
このほか、SiO2ノズルプレート11にAu(金)等の金属層を設け、Siボディプレートに重ねて加熱しながら加圧することで金属のSiへの拡散を利用した拡散接合を用いても良い。
ノズルユニット11の吐出面12には、撥液層28が設けられている。撥液層28は、例えば、液体Lが水性であれば撥水性を有する材料が用いられ、液体Lが油性であれば撥油性を有する材料が用いられるが、一般に、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン)、PTFE(ポリテトラフロロエチレン)、フッ素シロキサン、フルオロアルキルシラン、アモルファスパーフルオロ樹脂等のフッ素樹脂等が用いられることが多く、塗布や蒸着等の方法で吐出面12に成膜されている。なお、撥液層28は、ノズルプレート11の吐出面12に直接成膜してもよいし、撥液層28の密着性を向上させるために中間層を介して成膜しても良い。
次に動作制御手段4は、CPU25やROM26、RAM27等が図示しないBUSにより接続されて構成されたコンピュータ−からなっており、CPU25は、ROM26に格納された電源制御プログラムに基づいて静電電圧電源18および各駆動電圧電源23を駆動させてノズル10の吐出孔13から液体Lを吐出させるようになっている。
なお、液体吐出ヘッド2のノズルプレート11の吐出面12には、吐出孔13からの液体Lの滲み出しを抑制するための撥液層28が吐出孔13以外の吐出面12全面に設けられている。撥液層28を設けることは、吐出孔13からの液体Lの滲み出しが抑制され、ノズル10の吐出孔13部分に形成される液体のメニスカスが吐出孔13の周囲の吐出面に広がり難くされることでメニスカス先端部への電界集中の低下を効果的に防止することが可能となる。
液体吐出ヘッド2の液体Lの吐出方向には、基材Kを支持する平板状の対向電極3が液体吐出ヘッド2の吐出面12に平行に所定距離離して配置されている。対向電極3と液体吐出ヘッド2との所定距離は、0.1〜3mm程度の範囲内で適宜設定される。
本実施形態の液体吐出ヘッド2を用いた液体吐出装置1では、対向電極3は接地されており、常時接地電位に維持されている。そのため、静電電圧電源18から帯電用電極16に静電電圧が印加されると、ノズル10の吐出孔13の液体Lと対向電極3の液体吐出ヘッド2に対向する対向面との間に電界が生じるようになっている。また、帯電した液滴Dが基材Kに着弾すると、対向電極3はその電荷を接地により逃がすようになっている。
なお、対向電極3または液体吐出ヘッド2には、液体吐出ヘッド2と基材Kとを相対的に移動させて位置決めするための図示しない位置決め手段が取り付けられており、これにより液体吐出ヘッド2の各ノズル10から吐出された液滴Dは、基材Kの表面に任意の位置に着弾させることが可能とされている。
液体吐出装置1による吐出を行う液体Lは、例えば、無機液体としては、水、COCl2、HBr、HNO3、H3PO4、H2SO4、SOCl2、SO2Cl2、FSO3Hなどが挙げられる。
また、有機液体としては、メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、tert−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、ベンジルアルコール、α−テルピネオール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのアルコール類;フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾールなどのフェノール類;ジオキサン、フルフラール、エチレングリコールジメチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、エピクロロヒドリンなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−4−ペンタノン、アセトフェノンなどのケトン類;ギ酸、酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸などの脂肪酸類;ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−3−メトキシブチル、酢酸−n−ペンチル、プロピオン酸エチル、乳酸エチル、安息香酸メチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、セロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、アセト酢酸エチル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチルなどのエステル類;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、o−トルイジン、p−トルイジン、ピペリジン、ピリジン、α−ピコリン、2,6−ルチジン、キノリン、プロピレンジアミン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、N−メチルピロリドンなどの含窒素化合物類;ジメチルスルホキシド、スルホランなどの含硫黄化合物類;ベンゼン、p−シメン、ナフタレン、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキセンなどの炭化水素類;1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン(ci3−)、テトラクロロエチレン、2−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、2−クロロ−2−メチルプロパン、ブロモメタン、トリブロモメタン、1−ブロモプロパンなどのハロゲン化炭化水素類などが挙げられる。また、上記各液体を二種以上混合して用いてもよい。
さらに、高電気伝導率の物質(銀粉等)が多く含まれるような導電性ペーストを液体Lとして使用し、吐出を行う場合には、前述した液体Lに溶解又は分散させる上記の物質としては、ノズル10で目詰まりを発生するような粗大粒子を除けば、特に制限されない。
ここで、液体吐出ヘッド2における液体Lの吐出原理について本実施形態を用いて説明する。
液体吐出ヘッド2では、静電電圧電源18から静電電圧印加手段である帯電用電極16に静電電圧を印加し、ノズル10の吐出孔13の液体Lと対向電極3の液体吐出ヘッド2に対向する対向面との間に電界を生じさせる。また、駆動電圧電源23から圧力発生手段であるピエゾ素子22に駆動電圧を印加してピエゾ素子22を変形させ、それにより液体Lに生じた圧力でノズル10の吐出孔13に液体Lのメニスカスを形成させる。
ノズルプレート11の絶縁性が高くなると、図3にシミュレーションによる等電位線で示すように、ノズルプレート11の内部に、吐出面12に対して略垂直方向に等電位線が並び、液体Lのメニスカス部分に向かう強い電界が発生する。
特に、図3でメニスカスの先端部では等電位線が密になっていることから分かるように、メニスカス先端部では非常に強い電界集中が生じる。そのため、電界の静電力によってメニスカスが引きちぎられてノズル内の液体Lから分離されて液滴Dとなる。さらに、液滴Dは静電力により加速され、対向電極3に支持された基材Kに引き寄せられて着弾する。その際、液滴Dは、静電力の作用でより近い所に着弾しようとするため、基材Kに対する着弾の際の角度等が安定し正確に行われる。
このように、液体吐出ヘッド2における液体Lの吐出原理を利用すれば、フラットな吐出面を有する液体吐出ヘッド2においても、高い絶縁性を有するノズルプレート11を用い、吐出面12に対して垂直方向の電位差を発生させることで強い電界集中を生じさせることができ、正確で安定した液体Lの吐出状態を形成することができる。
発明者らが、図7に示す液体吐出装置1’を使用して電極間の電界の電界強度が実用的な値である1.5kV/mmとなるように構成し、各種の絶縁体でノズルプレート11’を形成して下記の実験条件に基づいて行った実験では、ノズル10’から液滴D’が吐出される場合と吐出されない場合があった。
[実験条件]
ノズルプレート11’の吐出面12’と対向電極3’の対向面との距離:1.0mm
ノズルプレート11’の厚さ:125μm
ノズル径:10μm
静電電圧:1.5kV
駆動電圧:20V
実験に使用した液体吐出ヘッド2’のノズル10’には4°のテーパ角を持っている。このテーパ角は、ノズル10’の断面において、吐出面12’に対する垂線から吐出面12’から離れる方向に広がる角度を示している。尚、このテーパ角は、吐出に対する影響は小さく、液滴を安定に吐出する条件への依存性は大きくないことが後で説明するシミュレーションから得られている。
この液体吐出装置1’による実験で、液滴D’がノズルから安定に吐出されたすべての場合について、メニスカス先端部の電界強度を求めた。実際には、メニスカス先端部の電界強度を直接測定することが困難であるため、電界シミュレーションソフトウエアである「PHOTO−VOLT」(商品名、株式会社フォトン製)によるシミュレーションにより算出した。ここでの電界強度は、電流分布解析モードによる、電圧印加後、300秒後の電界強度を言う。その結果、すべての場合においてメニスカス先端部の電界強度は1.5×107V/m以上であった。また、この実験において、液滴D’がノズルから安定して吐出されない場合についても、上記と同様のシミュレーションによりメニスカス先端部の電界強度を算出した。その結果、1.5×107V/m未満であった。
また、上記の実験条件と同様のパラメータを同ソフトウエアに入力してメニスカス先端部の電界強度を計算した結果、図8に示すように、電界強度はノズルプレート11’に用いる絶縁体の体積抵抗率に強く依存することが分かった。また、ノズル10’から液滴D’を安定に吐出させるためにはメニスカス先端部の電界強度が1.5×107V/m以上であることが必要であることが上記の実験より得られていることから、図8から明らかなように、ノズルプレート11’の体積抵抗率は1015Ω・m以上であれば良いことが分かった。
ノズルプレート11’の体積抵抗率とメニスカス先端部の電界強度との関係が図8のような特徴的な関係になるのは、ノズルプレート11’の体積抵抗率が低いと、静電電圧を印加してもノズルプレート11’内で等電位線が図3に示したように吐出面12’に対して略垂直方向に並ぶような状態にはならず、ノズル10’内の液体L’および液体L’のメニスカスへの電界集中が十分に行われないためであると考えられる。
理論上、体積抵抗率が1015Ω・m未満のノズルプレート11’でも、静電電圧を非常に大きくすればノズル10’から液滴D’が吐出される可能性はあるが、電極間でのスパークの発生等により基材K’が損傷される可能性があるため、静電電圧を非常に大きくすることは好ましくない。
なお、図8に示したようなメニスカス先端部の電界強度のノズルプレート11’の体積抵抗率に対する特徴的な依存関係は、ノズル径を種々に変化させてシミュレーションを行った場合でも同様に得られており、どの場合も体積抵抗率が1015Ω・m以上の場合にメニスカス先端部の電界強度が1.5×107V/m以上になることが分かっている。
従って、体積抵抗率が1×1016Ω・m程度であるSiO2からなるノズルプレート11を備えた液体吐出ヘッド2は、上記の必要な体積抵抗率を十分満たしていることから、メニスカス先端部の電界強度が1.5×107V/m以上になることが出来る。更に、ノズルプレート11がSiO2から成り、ボディプレート19がSiから成っていることから、吐出される液体を上記の無機液体、有機液体及び高電気伝導率の物質(銀粉等)が多く含まれるような導電性ペーストのいずれを用いてもこれらの液体を吸収することによる体積抵抗率の低下を懸念する必要がない。従って、ノズルプレート11の体積抵抗率は必要な値を維持出来ることからメニスカス先端部の電界強度が安定して1.5×107V/m以上となることが出来る。従って、液体の吐出が安定して行われることが出来ることになる。
更に、本実施形態の例としているノズルプレート11のように、吐出孔と同径の貫通した穴とするノズルを用いたシミュレーションにおいて、ノズルプレート11の厚みを10μm、20μm、50μm、100μmとするパラメータとして、ノズル径を変化させた場合のメニスカス先端部の電界強度を図9に示す。
図9より、ノズル径が小さくなる程、またノズルプレートの厚みが厚くなる程メニスカス先端部の電界強度が大きくなることが分かる。ノズル10から液滴Dが安定に吐出されるためにはメニスカス先端部の電界強度が1.5×107V/m以上であることが必要であることから、例えばノズルプレートの厚みを10μmとする場合は、ノズル径を4μm未満とすることで液滴を安定して吐出させることができる。さらに、例えばノズルプレートの厚みを20μmとする場合はノズル径を6μm未満に、ノズルプレートの厚みを50μmとする場合はノズル径を11μm未満に、ノズルプレートの厚みを100μmとする場合はノズル径を24μm未満にすることで液滴を安定に吐出させることができる。
また、SiO2からなるプレートのエッチング処理によるノズル穿孔には時間を要するため、ノズルプレートの厚みは小さい方が好ましいものの、適当なノズル径を選択することにより高い電界強度を得られ安定な液滴吐出が可能となるため、厚みは特に限定されない。
次に図10を用いて、液体吐出装置1における液体吐出ヘッド2の駆動制御を説明する。本実施の形態では、液体吐出装置1の動作制御手段4は、静電電圧電源18から静電電圧印加手段である帯電用電極16に一定の静電電圧Vcを印加させる。これにより、液体吐出ヘッド2の各ノズル10には常時一定の静電電圧Vcが印加され、液体吐出ヘッド2と対向電極3との間に電界が生じる。
また、動作制御手段4は、液滴Dを吐出させるべきノズル10ごとに、そのノズル10に対応する駆動電圧電源23から圧力発生手段であるピエゾ素子22に対してパルス状の駆動電圧Vdを印加させる。このような駆動電圧Vdが印加されると、ピエゾ素子22が変形してノズル内部の液体Lの圧力を上げ、ノズル10の吐出孔13では、図10(A)の状態からメニスカスが隆起し始め、図10(B)のようにメニスカスが大きく隆起した状態となる。
すると、前述したように、メニスカス先端部に高度な電界集中が生じて電界強度が非常に強くなり、メニスカスに対して前記静電電圧Vcにより形成された電界から強い静電力が加わる。この強い静電力による吸引とピエゾ素子22による圧力とにより図10(C)のようにメニスカスが引きちぎられて液滴Dが形成される。液滴Dは、電界で加速されて対向電極方向に吸引され、対向電極3に支持された基材Kに着弾する。
その際、液滴Dには空気の抵抗等が加わるが、前述したように、静電力の作用で液滴Dはより近い所に着弾しようとするため、基材Kに対する着弾方向がぶれることなく安定し、基材Kに正確に着弾する。
液体吐出装置1では、静電電圧電源18から帯電用電極16に印加される一定の静電電圧Vcは1.5kVに設定されており、駆動電圧電源23からピエゾ素子22に印加されるパルス状の駆動電圧Vdは20Vに設定されている。
以上のように、液体吐出ヘッド2および液体吐出装置1によれば、液体吐出ヘッド2は、フラットな吐出面12を有するヘッドとされているため、図示を省略するが、液体吐出ヘッド2のクリーニング時に吐出面12にブレードやワイパ等の部材が接触してもノズル10が損傷する等の事態が生じることがなく、操作性に優れる。
また、液体吐出ヘッド2の製造においてノズル10の突起等の微細構造を形成する必要がなく構造が単純であるから、容易に製造することが可能で生産性に優れる。
さらに、体積抵抗率が1015Ω・m以上であるSiO2からなるノズル10が形成されたノズルプレート11を備えていることから、帯電用電極16に印加する静電電圧が1.5kV程度の低い電圧であっても、ピエゾ素子22の変形によりノズル10の吐出孔部分に形成される液体Lのメニスカスに電界を集中することができ、メニスカスの先端部の電界強度を液滴Dが安定的に吐出される1.5×107V/m以上とすることが可能となる。
このように、液体吐出ヘッド2は、フラットなヘッドでありながら、ノズルが突出されたヘッドと同様の電界集中をメニスカス先端部に効果的に生じさせることができるため、低電圧の静電電圧の印加でも効率良くかつ正確に液体を吐出することが可能となる。
なお、液体吐出装置1では、ピエゾ素子22の変形により形成されたメニスカスを静電吸引力で分離して液滴化し、静電電圧Vcによる電界で加速して基材Kに着弾させる構成としているが、この他にも、静電電圧を選択的にノズルに印加可能な構成として非吐出ノズルの帯電用電極には静電電圧を印加せず、吐出するノズルの帯電用電極のみに静電電圧を印加する方法、全てのノズルの帯電用電極に吐出に至らない一定のバイアス電圧を印加し、さらに吐出するノズルの帯電用電極のみに吐出電圧を重畳して印加して吐出させる方法としても良い。
また、ノズル10内の液体Lに圧力を生じさせ、ノズル10の吐出孔13に液体Lのメニスカスを形成する圧力発生手段としてピエゾ素子22の変形を用いる場合について示したが、圧力発生手段はこの機能を有するものであればよく、この他にも、例えば、ノズル10やキャビティ20の内部の液体Lを加熱するなどして気泡を生じさせ、その圧力を用いるように構成することも可能である。
また、液体吐出ヘッド2を用いた液体吐出装置1では、対向電極3を接地する場合について述べたが、例えば、電源から対向電極3に電圧を印加して、帯電用電極16との電位差が1.5kV等の所定の電位差になるようにその電源を動作制御手段4で制御するように構成することも可能である。
以下、実施例を以下に説明する。ここで、以下で使用するノズルプレートのノズル形成は、SiO2基板を用いて実施例1から4及び比較例1の何れにおいても同じ公知のフォトリソグラフィ技術(レジスト塗布、露光、現像)とフッ化カーボン(CF4)を反応ガスとしたドライエッチング技術を用いて形成した。またボディプレートのキャビティ、共通流路、および共通流路とキャビティとを結ぶ流路等の形成は、Si基板を用いて実施例1から4及び比較例1の何れにおいても同じ公知のフォトリソグラフィ技術(レジスト塗布、露光、現像)とICP(Inductive Coupled Plasma:誘導結合プラズマ)を用いた異方性ドライエッチング技術を用いて形成した。
液体吐出の実験には、エタノールに染料(CIアシッドレッド1)を3質量%含有した導電性の液体を用いた。
尚、異方性ドライエッチング技術は、高アスペクト比(加工された凹部の深さと幅の比であり、アスペクト比が高いとは、凹部の深さが深く幅が狭い状態を表す。)の構造を得るための技術であって、エッチングの最中にエッチングにより加工された凹部の側壁を保護するためにエッチング反応を生じさせる化学種(ラジカル、イオン等)を発生させるサイクルと、側壁を保護するための保護膜を堆積させるサイクルとを交互に行うエッチング処理のことである。この異方性ドライエッチング技術を用いることでシリコン基板に形成される凹部の側壁は基板表面に対して垂直に加工できる。本実施例の凹部や穴等の形成のエッチングガスとしてはSF6を、側壁保護膜の堆積用ガスとしてはC48を用いた。
(実施例1)
本実施例のノズルプレートとボディプレートとの接合は図4(A)で示すノズルプレート側の接合面に硼珪酸ガラス層を設けて陽極接合を行ったものである。
厚さ100μmで直径10μmの吐出孔13を設けたノズルプレート11のノズル内壁及び吐出孔13の反対面の貫通孔周辺部に帯電用電極16としてNiP膜をRFマグネトロンスパッタ法を用いて基板温度を300℃、高周波電力500W(周波数:13.56MHz)、アルゴン雰囲気中(0.667Pa)で、0.5μmの厚みに成膜した。この時、ノズル内壁に膜材料が付着しやすいように、基板ホルダーを角度を持たせて回転させながら成膜をした。
次にノズルプレート11のボディプレート19との接合面にテンパックスガラス(登録商標)層21をRFマグネトロンスパッタ法を用いて基板温度を300℃、高周波電力500W(周波数:13.56MHz)、アルゴン雰囲気中(0.667Pa)で、厚み2μmほど設けた。このガラス成膜時、ノズルプレートの側面にテンパックスガラス層21aが設け易いように、上記と同様に基板ホルダーを角度を持たせて回転させながら成膜した。また、各ノズルの帯電用電極16にガラスが付着しないように防着マスクを設けた。
次に、上記にて作製したノズルプレート11とボディプレート19とを以下の様に陽極接合した。陽極接合を行うためのプラス電極となるボディプレート電極47を載せたヒーターを備え土台46にボディプレート19をセットし、その上にボディプレート19との位置関係を整えてノズルプレート11をセットしこれを抑え板(図示しない)にて固定した。マイナス電極となるノズルプレート電極48をノズルプレート側壁部の硼珪酸ガラス層21aにセットした。
上記の状態でヒーターを用いてボディプレート19及びノズルプレート11とが接している面が約400℃になるように加熱した。
約400℃の状態を維持して、ボディプレート電極47とノズルプレート電極48との間に電界強度にして10V/μmの直流電圧を印加した。このときの電流値をモニターし、0.1mA以下になった時点でノズルプレート11とボディプレート19との接合を完了したものとして、ノズルユニット40を完成させた。
ノズルプレート11の吐出孔が存在する面の撥水処理は、メルクジャパンの撥水膜蒸着材料(Evaporation substance WR1)を材料として抵抗加熱式蒸発源の真空蒸着装置で、厚さ約0.01μm程の撥水膜28を設けた。
次に、上記のノズルユニット40に圧電素子をキャビティ20の背面の所定の位置に貼り付け、圧電素子及び帯電電極を動作制御手段を含む静電電圧電源及び駆動電圧電源に接続して液体吐出ヘッドを完成し、この吐出ヘッドの吐出面と対向電極との距離が1mmとなるように設定した。この後、吐出ヘッドを約1ヶ月間動作させたところ接合箇所からの液漏れ、吐出ムラ等の不具合がなく良好に作動することを確認した。
(実施例2)
本実施例のノズルプレートとボディプレートとの接合は、図4(B)で示すノズルプレートの接合側の面上に金属層を設け、更にその表面に硼珪酸ガラス層を設けてボディプレートと陽極接合を行ったものである。
厚さ50μmで直径10μmの吐出孔を設けたノズルプレート11のボディプレート19に接合する面及びノズル内周壁面に、金属層としてのCr(クロム)層をRFマグネトロンスパッタ法で成膜した。この膜厚は、ノズル内周壁には厚さ約0.3μm、接合する面上には約1μmとした。これは、あらかじめ、いくつかの成膜条件の下でノズル内周壁での膜厚と接合される面での膜厚との関係をあらかじめ行った実験により求めている。このCr層は、以下で説明する接合時の電極51及び液滴吐出ヘッドの帯電用電極16となる。更にパイレックス(登録商標)ガラス層21をRFマグネトロンスパッタ法を用いて基板温度を350℃、高周波電力500W(13.56MHz)、アルゴン雰囲気(0.667Pa)で、厚み1.2μmほど設けた。このガラス成膜時、帯電用電極16として利用される分にガラス層が形成されないように防着マスクを設けた。次に、ボディプレート19をホットプレート46の上に設けた電極47の上に載せ、この上にノズルプレート11を位置を整えて載せ、接合面の温度を450℃とした後、Cr層とSiボディプレート間に電界強度にして5V/μmの直流電圧を直流電源44を用いて印加した。ここで、Cr層の端面に精密プローブ49を用いて点接触にて接合のための直流電圧を印加し、電流が0.1mA以下になったところで、ノズルプレート11とボディプレート19との接合を完了したと判断して、ノズルユニット50を完成させた。ノズルプレート11の吐出孔13が存在する面の撥水処理は、シリコンオイル系の撥水剤をスピンコートすることで撥水膜28を設けた。
次に、上記のノズルユニット50に圧電素子をキャビティ20の背面の所定の位置に貼り付け、圧電素子及び帯電用電極を動作制御手段を含む静電電圧電源及び駆動電圧電源に接続して液滴吐出ヘッドを完成し、この吐出ヘッドの吐出面と対向電極との距離が1mmとなるように設定した。この後、吐出ヘッドを約1ヶ月間動作させたところ接合箇所からの液漏れ、吐出ムラ等の不具合がなく良好に作動することを確認した。
(実施例3)
本実施例のノズルプレートとボディプレートとの接合は、図5(B)で示すノズルプレートの接合側の面に金属層を設け、この金属層の表面及びボディプレートの接合表面を研磨面として分子間力接合を行ったものである。
厚さ150μmで直径10μmのノズル孔を設けたノズルプレート11のボディプレート19に接合する面及びノズル内周壁面に帯電用電極16としてNiP膜をRFマグネトロンスパッタ法を用いて基板温度を300℃、高周波電力500W(周波数:13.56MHz)、アルゴン雰囲気中(0.667Pa)で、厚み0.5μmほど設けた。
次にノズルプレート11のボディプレート19と接合する面61cおよびボディプレート11の接合面61bをバフ研磨を行い表面粗さをRa<10nmとした。その後、ノズルプレート11とボディプレート19との位置関係を整えて両研磨面を接触させ全面に均一に2.94×104Paの圧力をかけた。この場合、金属膜を持っているため目視にてニュートンリング干渉縞が観察出来ないため、金属膜を持たないSiO2基板を使用してあらかじめ行った実験を参考にして加圧開始から約10分経過したところでノズルプレート11とボディプレート19との接合が完了したとし、ノズルユニット61を完成させた。
その後、ノズルプレート11の吐出孔13が存在する面にテフロン(登録商標)系撥水剤をスプレー塗布することで、撥水膜28を設けた。
次に、上記のノズルユニット61に圧電素子をキャビティ20の背面の所定の位置に貼り付け、圧電素子及び帯電電極を動作制御手段を含む静電電圧電源及び駆動電圧電源に接続して液滴吐出ヘッドを完成し、この吐出ヘッドの吐出面と対向電極との距離が1mmとなるように設定した。この後、吐出ヘッドを約1ヶ月間動作させたところ接合箇所からの液漏れ、吐出ムラ等の不具合がなく良好に作動することを確認した。
(実施例4)
本実施例のノズルプレートとボディプレートとの接合は、図6で示すノズルプレートの接合面及びボディプレートの接合面に同じ材料の金属層を設けて金属接合を行ったものである。
厚さ150μmで直径10μmのノズル孔を設けたノズルプレート11のボディプレート19と接合する面及びノズル内周壁面に、RFマグネトロンスパッタ法でまずCrを厚み約30nm成膜した後、続けてAu(金)を厚み約0.3μm成膜した。このCr及びAuとからなる金属層は、以下で説明する液体吐出ヘッドの帯電用電極16として利用した。ボディプレート19の接合面にも上記と同じ方法、材料及び膜厚のCr及びAuとからなる金属層71bを形成した。
次に、ホットプレート46上にボディプレート19をその金属層71bを上向きにして載せ、これにノズルプレート11をその金属層71aを下向きにして金属層71a及び71b同士が密着するように重ねて置いて位置関係を整え、予め実験によって得ている接合条件である接合面を約350℃となるように加熱したまま、2×105Paにて加圧した状態を3時間維持することでノズルプレート11とボディプレート19との接合が完了したとし、ノズルユニット70を完成させた。
その後、ノズルプレートの吐出孔13が存在する面にテフロン(登録商標)系撥水剤をスプレー塗布することで撥水膜28を設けた。
次に、上記のノズルユニット70に圧電素子をキャビティ20の背面の所定の位置に貼り付け、圧電素子及び帯電電極16を動作制御手段を含む静電電圧電源及び駆動電圧電源に接続して液滴吐出ヘッドを完成し、この吐出ヘッドの吐出面と対向電極との距離が1mmとなるように設定した。この後、吐出ヘッドを約1ヶ月間動作させたところ接合箇所からの液漏れ、吐出ムラ等の不具合がなく良好に作動することを確認した。
(比較例1)
ノズルプレートとボディプレートとの接合をエポキシ系接着剤を用いて行いノズルユニットを完成させた。接合後、実施例1と同様にノズルプレート11の吐出孔が存在する面の撥水処理は、メルクジャパンの撥水膜蒸着材料(Evaporation substance WR1)を材料として抵抗加熱式蒸発源の真空蒸着装置で、厚さ約0.01μm程の撥水膜を設けた。
次に、上記のノズルユニットに圧電素子をキャビティの背面の所定の位置に貼り付け、圧電素子及び帯電電極を動作制御手段を含む静電電圧電源及び駆動電圧電源に接続して液体吐出ヘッドを完成し、この吐出ヘッドの吐出面と対向電極との距離が1mmとなるように設定した。この後、吐出ヘッドを約1ヶ月間動作させたところ接合箇所からの液漏れが生じていることが認められた。
本実施形態の一例である液体吐出ヘッドを有する液体吐出装置例の全体構成を示す図である。 液体吐出ヘッドが有するノズル形状の変形例を示す図である。 シミュレーションによるノズルの吐出孔付近の電位分布を模式的に示す図である。 本実施形態の液体吐出ヘッドを構成するノズルプレートとボディプレートとを接合する陽極接合方法の一例を模式的に示す図である。 本実施形態の液体吐出ヘッドを構成するノズルプレートとボディプレートとを接合する分子間力接合方法の一例を模式的に示す図である。 本実施形態の液体吐出ヘッドを構成するノズルプレートとボディプレートとを接合する金属接合方法の一例を模式的に示す図である。 液体の吐出条件を検討するために使用した実験用液体吐出ヘッドを示す図である。 ノズルプレートの体積抵抗率とメニスカス先端部の電界強度との関係を示す図である。 メニスカス先端部の電界強度とノズル径との関係をノズルプレートの厚さをパラメータにして示す図である。 本実施形態の一例の液体吐出ヘッドの駆動に関して説明する図である。
符号の説明
1 液体吐出装置
2 液体吐出ヘッド
3 対向電極
4 動作制御手段
10 ノズル
11 ノズルプレート
12 吐出面
13 吐出孔
16 帯電用電極
18 静電電圧電源
19 ボディプレート
20 キャビティ
21 硼珪酸ガラス層
23 駆動電圧電源
L 液体
D 液滴

Claims (9)

  1. 凹部が形成されたボディプレートと、
    前記ボディプレートに被さって前記凹部をキャビティとして形成し、前記キャビティにそれぞれ連通し、吐出孔から液体を液滴として吐出するノズルを有するノズルプレートとを備えた液体吐出ヘッドにおいて、
    前記吐出孔を有する面はフラットであり前記ボディプレートに被さる面は可動イオンを含む硼珪酸ガラス層が形成されているSiO2からなる前記ノズルプレートと、
    Siからなる前記ボディプレートと、
    は接着剤を介することなく接合されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記可動イオンを含む硼珪酸ガラス層の厚みは0.3μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記ノズルプレートの前記ボディプレートに被さる面は金属層と、該金属層に重ねて前記可動イオンを含む硼珪酸ガラス層とが積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 凹部が形成されたボディプレートと、
    前記ボディプレートに被さって前記凹部をキャビティとして形成し、前記キャビティにそれぞれ連通し、吐出孔から液体を液滴として吐出するノズルを有するノズルプレートとを備えた液体吐出ヘッドにおいて、
    前記ノズルを有する面がフラットなSiO2からなる前記ノズルプレートと、
    Siからなる前記ボディプレートと、
    は分子間力で接合されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  5. 前記ノズルプレートは、前記ボディプレートと接合する面上に金属層が設けてあることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 凹部が形成されたボディプレートと、
    前記ボディプレートに被さって前記凹部をキャビティとして形成し、前記キャビティにそれぞれ連通し、吐出孔から液体を液滴として吐出するノズルを有するノズルプレートとを備えた液体吐出ヘッドにおいて、
    前記ノズルを有する面がフラットで前記ボディプレートに被さる面上に金属層が形成されているSiO2からなる前記ノズルプレートと、
    前記ノズルプレートが被さる面上に前記金属層をなす材料と同じ材料からなる金属層が形成されているSiからなる前記ボディプレートと、
    は接着剤を介することなく接合されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  7. 前記ノズルプレートの前記吐出孔が存在する面は撥液層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 吐出孔からノズル内の液体を液滴として吐出するノズルを有する液滴吐出ヘッドと、ノズル内の液体を帯電させノズルと液滴が着弾される対象となる基材との間に形成される電界の静電吸引力を受けて液滴が吐出される液体吐出ヘッドにおいて、
    前記ノズル内の液体と前記基材間に静電電圧を印加して静電吸引力を発生させる静電電圧印加手段を有していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記ノズル内の液体に圧力を発生させて前記吐出孔に液体のメニスカスを形成する圧力発生手段を有すること特徴とする請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
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