本発明は、移動体の位置を検出する位置検出装置、位置検出方法、位置検出プログラムおよび記録媒体に関する。ただし、本発明の利用は、上述した位置検出装置、位置検出方法、位置検出プログラムおよび記録媒体に限らない。
従来、目的地点までの経路探索および経路誘導をおこなうナビゲーション装置などにおいて、GPS(Global Positioning System)レシーバを用いた装置本体位置の検出がおこなわれている。GPSレシーバはGPS衛星から送信される測位用電波を受信し、装置本体位置を検出する。装置本体位置の検出は、ナビゲーション装置の機能を実現するために重要な技術であり、その精度の向上を図るための技術が考案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
しかしながら、上述した従来技術によれば、GPS衛星からの測位用電波を受信できない場合には、装置本体位置を検出することができないという問題が一例として挙げられる。一般に、ナビゲーション装置は、角速度センサなどの自立型センサを併用しているが、近年、GPS衛星からの測位用電波による装置本体位置の検出は、ナビゲーション装置以外の装置でも用途が広がっている。これらの装置には、自立用センサが設けられていない場合が多く、GPS衛星からの測位用電波を受信できない場合には、装置本体位置を検出できない。
また、GPSを用いた装置本体位置の検出は、比較的狭い範囲を低速で移動するような場合には精度が低いという問題が一例として挙げられる。GPSは、宇宙空間に存在するGPS衛星からの測位用電波を用いるため、移動体の移動幅が小さい場合には、測位用電波の受信状況などにより、その移動を正確に捉えることができない場合がある。たとえば、屋内駐車場を走行する車両や、テーマパーク内を歩行する歩行者などの位置を正確に検出することが困難な場合がある。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる位置検出装置は、複数の通信機が設置された領域内における移動体の現在位置を検出する位置検出装置であって、前記複数の通信機から、前記各通信機の設置位置情報と当該設置位置情報の送信時刻情報とを含む送信信号を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された各送信信号の受信時刻を検出する検出手段と、前記受信手段によって受信された前記各通信機の設置位置情報と当該設置位置情報の送信時刻情報と前記検出手段によって検出された検出結果とに基づいて、前記領域内における前記移動体の現在位置情報を取得する取得手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項7の発明にかかる位置検出装置は、複数の通信機が設置された領域内における移動体の現在位置を検出する位置検出装置であって、前記複数の通信機によって前記移動体から受信された前記移動体の識別情報の入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段によって入力された各識別情報の前記各通信機における受信時刻を検出する検出手段と、前記各通信機の設置位置情報と、前記検出手段によって検出された検出結果と、に基づいて、前記領域内における前記移動体の現在位置情報を算出する算出手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項12の発明にかかる位置検出装置は、複数の通信機が設置された領域内における移動体の現在位置を検出する位置検出装置であって、前記複数の通信機によって前記移動体から受信された前記移動体の識別情報の入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段によって入力された各識別情報の前記各通信機における受信時刻を検出する検出手段と、前記各通信機の設置位置情報と前記検出手段によって検出された検出結果とを、前記移動体が有する通信端末に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項14の発明にかかる位置検出方法は、複数の通信機が設置された領域内における移動体の現在位置を検出する位置検出方法であって、前記複数の通信機から、前記各通信機の設置位置情報と当該設置位置情報の送信時刻情報とを含む送信信号を受信する受信工程と、前記受信工程によって受信された各送信信号の受信時刻を検出する検出工程と、前記受信工程によって受信された前記各通信機の設置位置情報と当該設置位置情報の送信時刻情報と前記検出工程で検出した検出結果とに基づいて、前記領域内における前記移動体の現在位置情報を取得する取得工程と、を含んだことを特徴とする。
また、請求項15の発明にかかる位置検出方法は、複数の通信機が設置された領域内における移動体の現在位置を検出する位置検出方法であって、前記複数の通信機によって前記移動体から受信された前記移動体の識別情報の入力を受け付ける入力工程と、前記入力工程によって入力された各識別情報の前記各通信機における受信時刻を検出する検出工程と、前記複数の通信機の位置情報と前記検出工程によって検出された検出結果とに基づいて、前記領域内における前記移動体の現在位置情報を算出する算出工程と、を含んだことを特徴とする。
また、請求項16の発明にかかる位置検出方法は、複数の通信機が設置された領域内における移動体の現在位置を検出する位置検出方法であって、前記複数の通信機によって前記移動体から受信された前記移動体の識別情報の入力を受け付ける入力工程と、前記入力工程によって入力された各識別情報の前記各通信機における受信時刻を検出する検出工程と、前記各通信機の設置位置情報と前記検出手段によって検出された検出結果とを、前記移動体が有する通信端末に送信する送信工程と、を含んだことを特徴とする。
また、請求項17の発明にかかる位置検出プログラムは、請求項14〜16のいずれか一つに記載の位置検出方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、請求項18の発明にかかる記録媒体は、請求項17に記載の位置検出プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能なことを特徴とする。
図1は、実施の形態1にかかる位置検出装置の機能的構成を示すブロック図である。
図2は、位置検出装置の位置検出処理の手順を示すフローチャートである。
図3は、実施の形態2にかかる位置検出装置の機能的構成を示すブロック図である。
図4は、位置検出装置がおこなう位置検出処理の手順を示すフローチャートである。
図5は、実施例にかかる駐車場の一例を示す平面図である。
図6は、駐車場の通路における設備を示す説明図である。
図7は、駐車場の駐車スペースにおける設備を示す説明図である。
図8は、実施例にかかる駐車場管理システムのシステム構成図である。
図9は、実施例にかかる管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図10は、実施例にかかる通信端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図11は、ナビゲーション装置が駐車場内でおこなう経路誘導処理の手順を示すフローチャートである。
図12は、GPS代替情報から現在位置を算出する方法の一例を示す説明図である。
図13は、GPS代替情報から現在位置を算出する方法の一例を示す説明図である。
図14は、管理装置がおこなう駐車場管理処理の手順を示すフローチャートである。
図15は、各通信機が車両から出力される識別情報を受信するまでの時間について説明する説明図である。
図16は、各通信機が車両から出力される識別情報を受信するまでの時間について説明する説明図である。
図17は、駐車場内における車両の現在位置の特定について説明する説明図である。
符号の説明
100,300 位置検出装置
101 受信部
102,302 検出部
103 取得部
104 表示部
105 送信元特定部
106 決定部
107,305 通路特定部
301 入力部
303 算出部
304 送信部
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる位置検出装置、位置検出方法、位置検出プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる位置検出装置の機能的構成を示すブロック図である。実施の形態1にかかる位置検出装置100は、移動体に備えられており、複数の通信機が設置された領域内における移動体の現在位置を検出する。ここで移動体とは、たとえば、車両や歩行者などであり、位置検出装置100は、移動体とともに領域内を移動している。また、領域とは、一定の区切られた空間であり、たとえば、車両駐車場やテーマパークなどの施設である。この施設は屋外屋内を問わない。
位置検出装置100は、受信部101、検出部102、取得部103、表示部104、送信元特定部105、決定部106、通路特定部107によって構成される。受信部101は、複数の通信機から、各通信機の設置位置情報と設置位置情報の送信時刻情報とを含む送信信号を受信する。受信部101は、複数の通信機からの送信信号(以下、「第1の送信信号」という)とGPS衛星からの送信信号(以下、「第2の送信信号」という)とを受信可能である場合は、両方の送信信号を受信することとしてもよい。
設置位置情報とは、各通信機の設置された位置に関する情報であり、たとえば、緯度経度情報や領域内の座標位置情報、他の通信機との相対的な位置情報などである。また、送信時刻情報は、設置位置信号が送信された時刻そのものの他、送信信号が通信機から送信されてから受信部101に受信されるまでの時間が分かるものであればよい。また、受信部101がGPS衛星からの送信信号を受信可能である場合、GPS衛星からの送信信号によって移動体の現在位置を検出する機構を設けてもよい。
検出部102は、受信部101によって受信された各送信信号の受信時刻を検出する。受信時刻は、送信信号が受信された時刻そのものの他、送信信号が通信機から送信されてから受信部101に受信されるまでの時間が分かる情報であってもよい。なお、検出部102は、決定部106により第1の送信信号が決定された場合、当該第1の送信信号の受信時刻を検出するようにしてもよい。
取得部103は、受信部101によって受信された各通信機の設置位置情報と、設置位置情報の送信時刻情報と、検出部102によって検出された検出結果と、に基づいて、領域内における移動体の現在位置情報を取得する。具体的には、たとえば、各送信信号の受信時刻と設置位置情報の送信時刻との差から各通信機との距離を算出し、各通信機の位置情報を用いて、領域内における移動体の現在位置情報を算出する。
また、取得部103は、各通信機の設置位置情報と当該設置位置情報の送信時刻情報と検出部102による検出結果とを移動体を管理する管理サーバに送信した結果、当該管理サーバから送信されてくる移動体の現在位置情報を取得するようにしてもよい。これにより現在位置情報の算出処理を管理サーバでおこなわせることができ、位置検出装置の計算負荷を軽減することができる。
さらに、取得部103は、決定部106により第2の送信信号が決定された場合、当該第2の送信信号に基づいて、移動体の現在位置情報を取得するようにしてもよい。表示部104は、取得部103によって取得された現在位置情報を、領域の地図情報上に表示する。このとき、領域内に移動体用の通路がある場合には、マップマッチング処理をおこなうこととしてもよい。また、地図情報は、あらかじめ位置検出装置が有していてもよいし、通信機から送信するなどしてもよい。表示部104は、取得部103によって取得された現在位置情報を、領域の地図情報における通路特定部107によって特定された通路上に表示するようにしてもよい。
送信元特定部105は、第1の送信信号と第2の送信信号とに基づいて、第1の送信信号を送信した通信機の数と、第2の送信信号を送信したGPS衛星の数とを特定する。具体的には、たとえば、第1の送信信号の受信数を、第1の送信信号を送信した通信機の数とすることができる。同様に、第2の送信信号の受信数を、第2の送信信号を送信したGPS衛星の数とすることができる。決定部106は、送信元特定部105によって特定された通信機の数とGPS衛星の数とに基づいて、移動体の現在位置情報の取得に用いる送信信号を決定する。通路特定部107は、受信部101によって受信された各送信信号に基づいて、移動体が現在移動している前記領域内の通路を特定する。
たとえば、GPS衛星の数が所定数以上(たとえば3個以上)特定された場合には、通信機よりも優先して、第2の送信信号を移動体の現在位置情報の取得に用いる送信信号を決定することができる。また、同様に、通信機の数が所定数以上(たとえば3個以上)特定された場合には、GPS衛星よりも優先して、第1の送信信号を移動体の現在位置情報の取得に用いる送信信号を決定することができる。さらに、特定された数が多い方の送信元からの送信信号を、移動体の現在位置情報の取得に用いる送信信号を決定することができる。
図2は、位置検出装置100の位置検出処理の手順を示すフローチャートである。以下、受信部101は、GPS衛星からの送信信号が受信可能であるものとする。はじめに、受信部101は、第1の送信信号と第2の送信信号とを受信する(ステップS201)。つぎに、送信元特定部105は、第1の送信信号と第2の送信信号とに基づいて、第1の送信信号を送信した通信機の数と、第2の送信信号を送信したGPS衛星の数とを特定する(ステップS202)。決定部106は、送信元特定部105によって特定された通信機の数とGPS衛星の数とに基づいて、移動体の現在位置情報の取得に用いる送信信号を決定する(ステップS203)。
つづいて、ステップS203において決定された送信信号が第1の送信信号であるか否かを判定し(ステップS204)、第1の送信信号である場合(ステップS204:Yes)、検出部102は、各送信信号の受信時刻を検出する(ステップS205)。第1の送信信号ではない場合(ステップS204:No)、ステップS206に移行する。
ステップS206においては、ステップS204から移行してきた場合、取得部103は、第1の送信信号に含まれる設置位置情報および送信時刻情報と、検出部102によって検出された検出結果と、に基づいて、領域内における移動体の現在位置情報を取得する(ステップS206)。これに対し、ステップS206においては、ステップS204から移行してきた場合、取得部103は、第2の送信信号に基づいて、移動体の現在位置情報を取得する(ステップS206)。
そして、通路特定部107は、ステップS202において特定された通信機の数およびGPS衛星の数に基づいて、移動体が現在移動している領域内の通路を特定する(ステップS207)。最後に、表示部104は、ステップS206において取得された移動体の現在位置情報を地図情報上に表示して(ステップS208)、本フローチャートによる処理を終了する。
以上説明したように、実施の形態1にかかる位置検出装置100によれば、移動体がGPSレシーバなどを有していない場合であっても、領域内における移動体の現在位置を知ることができる。また、移動体がGPSレシーバを有している場合であっても、外部から遮断された空間など、GPS衛星からの送信信号を受信困難な領域に存在する場合は、通信機からの送信情報に基づいた位置の検出をおこなうことができる。
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2にかかる位置検出装置の機能的構成を示すブロック図である。実施の形態2にかかる位置検出装置300は、移動体を管理する管理サーバに備えられ、複数の通信機が設置された領域内における移動体の現在位置を検出する。移動体、領域などの意味は、実施の形態1と同様である。
位置検出装置300は、入力部301、検出部302、算出部303、送信部304、通路特定部305によって構成される。入力部301は、複数の通信機が移動体から受信する移動体の識別情報の入力を受け付ける。入力部301は、さらに、複数の通信機によって移動体から受信された、移動体からの識別情報の送信時刻情報の入力を受け付けてもよい。
ここで、識別情報は、たとえば、移動体が有する通信端末のID番号などである。同一の移動体であっても、移動中の現在位置によって識別情報の送信時刻がことなるため、識別情報を送信するときに、送信時刻情報も含めて送信することとしても良い。送信時刻情報とは具体的にはたとえば、送信時刻そのものである。これにより、識別情報を受信する複数の通信機は、その時点で移動体から送信された識別情報であるかを把握することができ、現在位置検出の精度の向上を図ることができる。同様に、送信時刻情報として、識別情報であるID番号の末尾に、送信時刻を示すコードを付加することとしてもよい。この末尾のコードにより、識別情報を受信する複数の通信機は、その時点で移動体から送信された識別情報であるかを把握することができ、現在位置検出の精度の向上を図ることができる。同様に、識別情報を送信するときに、送信時刻情報も含めて送信することとしても良い。
検出部302は、入力部301によって取得された各識別情報の各通信機における受信時刻を検出する。各通信機における受信時刻は、各送信機において識別情報がされた時刻そのものの他、識別信号が移動体から送信されてから各通信機に受信されるまでの時間が分かるものであればよい。
算出部303は、各通信機の位置情報と、検出部302によって検出された検出結果と、に基づいて、領域内における移動体の現在位置情報を算出する。算出部303は、たとえば、各通信機が移動体の識別情報を受信した時刻の差分を用いて、各通信機から移動体までの相対距離を算出する。そして、各通信機の位置情報を用いて領域内における移動体の現在位置情報を検出する。算出部303は、さらに、入力部301によって入力された送信時刻情報に基づいて、領域内における移動体の現在位置情報を算出するようにしてもよい。
送信部304は、算出部303によって算出された現在位置情報を移動体が有する通信端末に送信する。移動体が有する通信端末とは、たとえば、車両に搭載されたナビゲーション装置や、歩行者が有している携帯電話端末などである。また、送信部304は、現在位置情報とともに、領域を表す地図情報を移動体に送信することとしてもよい。さらに、送信部304は、通路特定部305によって特定された通路に関する情報を移動体に送信するようにしてもよい。通路特定部305は、算出部303によって算出された現在位置情報に基づいて、移動体が現在移動している領域内の通路を特定する。
図4は、位置検出装置がおこなう位置検出処理の手順を示すフローチャートである。まず、入力部301は、複数の通信機が受信した識別情報を取得する(ステップS401)。また、検出部302は、各通信機における識別情報の受信時刻を検出する(ステップS402)。そして、算出部303は、ステップS401で取得した識別情報およびステップS402で検出した検出結果に基づいて、移動体の現在位置情報を算出する(ステップS403)。
つづいて、通路特定部305は、算出部303によって算出された現在位置情報に基づいて、移動体が現在移動している領域内の通路を特定する(ステップS404)。最後に、送信部304は、ステップS403で算出した現在位置情報を移動体に送信して(ステップS405)、本フローチャートによる処理を終了する。
以上説明したように、実施の形態2にかかる位置検出装置300によれば、移動体の識別情報のみを用いて、領域内における移動体の現在位置を知ることができる。また、算出した現在位置情報を移動体に送信することによって、移動体がGPSレシーバなどを有していない場合であっても、移動体において領域内での現在位置を知ることができる。
なお、図示を省略するが、実施の形態2における算出部303を備えず、各通信機の設置位置情報と検出部302によって検出された検出結果とを移動体が有する通信端末に送信する送信部304を備える位置検出装置としてもよい。
図5は、実施例にかかる駐車場の一例を示す平面図である。以下、実施の形態1にかかる位置検出装置100の実施例を実施例1において、実施の形態2にかかる位置検出装置300の実施例を実施例2において、それぞれ説明する。それぞれの実施例において、共通する構成については実施例1で説明し、実施例2では省略する。実施例1において、実施の形態1にかかる位置検出装置100は、駐車場500内を走行する車両に搭載されたナビゲーション装置によって実現する。
図5において、駐車場500の駐車スペースSは、車両Cを駐車する領域である。スロープ501は上の階からの車両Cが通行する通路であり、スロープ502は車両Cが上の階へ通行する通路である。店舗入口503は、隣接する店舗への出入り口である。
また、入口504には、入口用ゲート装置505と入口用遮断機506が設けられている。入口用ゲート装置505は、駐車待ちの車両Cを検知すると、車両Cに対する発券処理や車両Cとの通信をおこない、また、入口用遮断機506の駆動制御をおこなう。入口用遮断機506は、入口用ゲート装置505から駆動信号に従って開閉駆動する。同様に、出口507にも、出口用ゲート装置508と出口用遮断機509が設けられている。出口用ゲート装置508は、駐車場500から出発する車両Cを検知して出口用遮断機509の駆動制御をおこなう。出口用遮断機509は、出口用ゲート装置508から駆動信号に従って開閉駆動する。
つぎに、上述した駐車場500の設備について説明する。図6は、駐車場の通路における設備を示す説明図である。図6において、駐車場500内の通路600における所望の位置、たとえば、天井601には、適宜通信機610が設置されている。各通信機610は、その直下を通過する車両Cのナビゲーション装置620にGPS代替情報を送信する。
ナビゲーション装置620は、駐車場500に入場する前においては、宇宙空間に存在するGPS衛星(図示せず)から送信されるGPS情報を用いた三角測量法によって、現在地点情報を取得している。ナビゲーション装置620は、駐車場500に入場した後は、通信機610から送信されるGPS代替情報に基づいて、駐車場500内での位置を取得する。
具体的には、GPS代替情報は、各通信機610それぞれの位置情報、およびGPS代替情報がナビゲーション装置620に到達するまでの時間を検出するための疑似ランダムコードを含む。ナビゲーション装置620は、GPS代替情報に含まれる位置情報によって各通信機610の位置を検出し、各通信機610から送信される信号を受信するまでの時間を測定することによって、各通信機610からの距離を得る。これにより、駐車場内における装置本体の位置を検出することができる。ナビゲーション装置620の3次元空間上での位置を特定するためには、最低3台の通信機610が必要であるが、車両Cの移動が同一直線上であれば、通信機610が2台あれば装置本体位置の検出は可能である。
なお、駐車場500に入場した後であっても、GPS衛星からGPS情報を受信可能な場合は、GPS情報の取得を継続し、GPS代替情報と合わせて装置本体の位置の検出をおこなってもよい。これにより、より高い精度で装置本体の位置を検出することができる。また、たとえば、GPS情報の受信状況を監視し、受信強度が一定以下となったときに、受信情報をGPS代替情報に切り換えたり、GPS情報およびGPS代替情報からそれぞれ検出した装置本体の位置の精度によって、受信する情報を切り換えてもよい。
また、通信機610は、管理装置からの各種情報を、その直下の車両Cのナビゲーション装置620に送信する。管理装置からの各種情報とは、たとえば、駐車場500内の詳細な地図情報や、車両Cに対して割り当てられた駐車領域の位置情報などである。
さらに、通信機610は、ナビゲーション装置620から車両Cに関する識別情報を受信する。識別情報には、車両の所有者の個人情報(所有者の氏名、所在地、連絡先、決済カードの番号など)や、車両ナンバー、車両の型などが含まれている。
また、図7は、駐車場の駐車スペースにおける設備を示す説明図である。図7において、駐車スペースSの上方の天井700には、図6と同様、通信機610が設置されており、駐車スペースSに駐車された車両Cのナビゲーション装置620に対して、管理装置からの各種情報を送信する。また、天井700には投光器710および受光器720が設置されており、受光器720の受光(赤外光などの受光)の有無により、駐車の有無を検知する。
(システム構成図)
つぎに、実施例にかかる駐車場管理システムのシステム構成図について説明する。図8は、実施例にかかる駐車場管理システムのシステム構成図である。図8において、駐車場管理システム800は、管理サーバに相当する管理装置801と、図3に示した入口用ゲート装置505と、入口用遮断機506と、出口用ゲート装置508と、出口用遮断機509と、がネットワーク810を介して接続されて構成されている。管理装置801は、駐車スペースSの空き数や入口用ゲート装置505および出口用ゲート装置508、通信機610、投光器710、受光器720を管理や駆動制御をおこなうサーバである。
管理装置801は、入口用ゲート装置505に駐車待ちの車両Cが接近すると、車両Cの識別情報を取得する。そして、車両Cが駐車する駐車スペースSを割り当て、割り当てた駐車スペースSの位置情報を、車両Cに送信する。また、駐車場500内の詳細な地図も合わせて車両Cに送信する。
(管理装置のハードウェア構成)
つぎに、実施例にかかる管理装置801のハードウェア構成について説明する。図9は、実施例にかかる管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図9において、管理装置801は、CPU901と、ROM902と、RAM903と、磁気ディスクドライブ904と、磁気ディスク905と、光ディスクドライブ906と、光ディスク907と、音声I/F(インターフェース)908と、マイク909と、スピーカ910と、入力デバイス911と、映像I/F912と、ディスプレイ913と、通信I/F(インターフェース)914と、を備えている。また、各構成部901〜914はバス900によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU901は、管理装置801の全体の制御を司る。ROM902は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM903は、CPU901のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ904は、CPU901の制御に従って磁気ディスク905に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク905は、磁気ディスクドライブ904の制御で書き込まれたデータを記憶する。磁気ディスク905としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
光ディスクドライブ906は、CPU901の制御に従って光ディスク907に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク907は、光ディスクドライブ906の制御に従って光ディスク907からデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク907は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱可能な記録媒体として、光ディスク907のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
また、音声I/F908は、音声入力用のマイク909および音声出力用のスピーカ910に接続される。マイク909に受音された音声は、音声I/F908内でA/D変換される。また、スピーカ910からは音声が出力される。また、入力デバイス911は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。
また、映像I/F912は、ディスプレイ913と接続される。映像I/F912は、具体的には、たとえば、ディスプレイ913全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ913を表示制御する制御ICなどによって構成される。
ディスプレイ913には、アイコン、カーソル、メニュー、ウィンドウ、あるいは文字や画像等の各種データが表示される。このディスプレイ913は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
また、通信I/F914は、無線、あるいは通信ケーブルを介してネットワークに接続され、このネットワークとCPU901とのインターフェースとして機能する。ネットワークには、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網等がある。
(通信端末のハードウェア構成)
つぎに、実施例にかかるナビゲーション装置620のハードウェア構成について説明する。図10は、実施例にかかる通信端末のハードウェア構成を示すブロック図である。図10において、ナビゲーション装置620は、車両Cに搭載されており、ナビゲーション制御部1001と、ユーザ操作部1002と、表示部1003と、位置取得部1004と、記録媒体1005と、記録媒体デコード部1006と、案内音出力部1007と、通信部1008と、経路探索部1009と、経路誘導部1010と、案内音生成部1011と、スピーカ1012と、によって構成される。
ナビゲーション制御部1001は、ナビゲーション装置620全体を制御する。ナビゲーション制御部1001は、たとえば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)や、各種制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、および、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)などによって構成されるマイクロコンピュータなどによって実現することができる。
また、ナビゲーション制御部1001は、経路誘導に際し、経路探索部1009、経路誘導部1010、案内音生成部1011との間で経路誘導に関する情報の入出力をおこない、その結果得られる情報を表示部1003および案内音出力部1007へ出力する。
ユーザ操作部1002は、文字、数値、各種指示など、ユーザによって入力操作された情報をナビゲーション制御部1001に対して出力する。ユーザ操作部1002の構成としては、物理的な押下/非押下を検出する押ボタンスイッチ、タッチパネル、キーボード、ジョイスティックなど公知の各種形態を採用することが可能である。ユーザ操作部1002は、外部からの音声を入力するマイクを用いて、音声によって入力操作をおこなう形態としてもよい。
ユーザ操作部1002は、ナビゲーション装置620に対して一体に設けられていてもよいし、リモコンのようにナビゲーション装置620から分離して操作可能な形態であってもよい。ユーザ操作部1002は、上述した各種形態のうちいずれか単一の形態で構成されていてもよいし、複数の形態で構成されていてもよい。ユーザは、ユーザ操作部1002の形態に応じて、適宜入力操作をおこなうことによって情報を入力する。ユーザ操作部1002の操作によって入力される情報としては、たとえば、探索する経路の目的地点または出発が挙げられる。
目的地点または出発地点の入力は、それぞれの地点の緯度・経度や住所を入力する他、目的地点または出発地点となる施設の電話番号やジャンル、キーワードなどを指定することによって、該当する施設が探索され、その位置を特定することができる。より詳細には、これらの情報は、後述する記録媒体1005に記録された地図情報に含まれる背景種別データに基づいて、地図上の一点として特定される。また、後述する表示部1003に地図情報を表示させ、表示された地図上の一点を指定するようにしてもよい。
表示部1003は、たとえば、CRT(Cathode Ray Tube)、TFT液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどを含む。表示部1003は、具体的には、たとえば、映像I/Fや映像I/Fに接続された映像表示用のディスプレイ装置によって構成することができる。映像I/Fは、具体的には、たとえば、ディスプレイ装置全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像情報に基づいて、ディスプレイ装置を表示制御する制御ICなどによって構成される。表示部1003には、アイコン、カーソル、メニュー、ウィンドウ、あるいは文字や画像などの各種情報が表示される。また、表示部1003には、HD1005に記憶された地図情報や経路誘導に関する情報が表示される。
位置取得部1004は、GPSレシーバおよび各種センサから構成され、装置本体の現在位置(車両の現在位置)の情報を取得する。また、位置取得部1004は、GPSレシーバが受信するGPS情報を受信できない領域など、所定の領域に入った際には、その領域内に設けられた通信機から送信されるGPS代替情報を受信して、車両の現在位置を検出する。
GPSレシーバは、GPS衛星から送信されるGPS情報を受信し、GPS衛星との幾何学的位置を求める。なお、GPSとは、Global Positioning Systemの略称であり、4つ以上の衛星からの電波を受信することによって地上での位置を正確に求めるシステムである。GPSレシーバは、GPS衛星からの電波を受信するためのアンテナ、受信した電波を復調するチューナーおよび復調した情報に基づいて現在位置を算出する演算回路などによって構成される。
各種センサは、車速センサや角速度センサ、走行距離センサ、傾斜センサなど自車に搭載された各種センサであり、これらのセンサから出力される情報から、自車の走行軌跡を求める。このように、GPSレシーバによって外部から得られた情報と合わせて、自車に搭載された各種センサの出力する情報とを用いることによって、より高い精度で自車位置の認識をおこなうことができる。
車速センサは、ナビゲーション装置620を搭載する車両のトランスミッションの出力側シャフトから検出する。角速度センサは、自車の回転時の角速度を検出し、角速度情報と相対方位情報とを出力する。走行距離センサは、車輪の回転に伴って出力される所定周期のパルス信号のパルス数をカウントすることによって車輪1回転当たりのパルス数を算出し、その1回転当たりのパルス数に基づく走行距離情報を出力する。傾斜センサは、路面の傾斜角度を検出する。
記録媒体1005は、各種制御プログラムや各種情報をコンピュータに読み取り可能な状態で記録する。記録媒体1005は、記録媒体デコード部1006による情報の書き込みを受け付けるとともに、書き込まれた情報を不揮発に記録する。記録媒体1005は、たとえば、HD(Hard Disk)によって実現することができる。記録媒体1005は、HDに限るものではなく、HDに代えて、あるいは、HDに加えて、DVD(Digital Versatile Disk)やCD(Compact Disk)など、記録媒体デコード部1006に対して着脱可能であり可搬性を有するメディアを記録媒体1005として用いてもよい。記録媒体1005は、DVDおよびCDに限るものではなく、CD−ROM(CD−R、CD−RW)、MO(Magneto−Optical disk)、メモリカードなどの記録媒体デコード部1006に対して着脱可能であり可搬性を有するメディアを利用することもできる。
記録媒体1005に記憶された地図情報は、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)を表す背景データと、道路の形状を表す道路形状データとを有しており、表示部1003の表示画面において2次元または3次元に描画される。ナビゲーション装置620が経路誘導中の場合は、記録媒体1005に記録された地図情報と位置取得部1004によって取得された自車位置とが重ねて表示されることとなる。
なお、本実施例では地図情報を記録媒体1005に記録するようにしたが、これに限るものではない。地図情報は、ナビゲーション装置620のハードウェアと一体に設けられているものに限って記録されているものではなく、ナビゲーション装置620外部に設けられていてもよい。その場合、ナビゲーション装置620は、たとえば、通信部1008を通じて、ネットワークを介して地図情報を取得する。取得された地図情報はRAMなどに記憶される。
記録媒体デコード部1006は、記録媒体1005に対する情報の読み取り/書き込みの制御をおこなう。たとえば、記録媒体としてHDを用いた場合には、記録媒体デコード部1006は、HDD(Hard Disk Drive)となる。同様に、記録媒体としてDVDあるいはCD(CD−R,CD−RWを含む)を用いた場合には、記録媒体デコード部1006は、DVDドライブあるいはCDドライブとなる。書き込み可能かつ着脱可能な記録媒体1005として、CD−ROM(CD−R、CD−RW)、MO、メモリカードなどを利用する場合には、各種記録媒体への情報の書き込みおよび各種記録媒体に記憶された情報の読み出しが可能な専用のドライブ装置を、記録媒体デコード部1006として適宜用いる。
案内音出力部1007は、接続されたスピーカ1012への出力を制御することによって、案内音を再生する。スピーカ1012は、1つであってもよいし、複数であってもよい。具体的には、案内音出力部1007は、音声出力用のスピーカ1012に接続される音声I/Fによって実現することができる。より具体的には、音声I/Fは、たとえば、音声デジタル情報のD/A変換をおこなうD/Aコンバータと、D/Aコンバータから出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器と、音声アナログ情報のA/D変換をおこなうA/Dコンバータと、から構成することができる。
通信部1008は、上述した入口用ゲート装置505、出口用ゲート装置508、通信機610などの通信機器との通信をおこない、通信機610から送信されるGPS代替情報や、管理装置801から送信される各種情報を受信する。また、管理装置801に、車両Cの識別情報を送信する。さらに、通信部1008によって、VICSセンターから送信される道路交通情報(VICS情報)を取得してもよい。
経路探索部1009は、記録媒体1005に記憶されている地図情報や、通信部1008を介して取得するVICS情報などを利用して、出発地点から目的地点までの最適な経路を探索する。ここで、最適な経路とは、ユーザが指定した条件に最も合致する経路である。一般に、出発地点から目的地点までの経路は無数存在する。このため、経路探索にあたって考慮される事項を設定し、条件に合致する経路を探索するようにしている。
経路誘導部1010は、経路探索部1009によって探索された誘導経路情報、位置取得部1004によって取得された自車位置情報、記録媒体1005から記録媒体デコード部1006を経由して得られた地図情報に基づいて、リアルタイムな経路誘導情報の生成をおこなう。このとき生成される経路誘導情報は、通信部1008によって受信した渋滞情報を考慮したものであってもよい。経路誘導部1010で生成された経路誘導情報は、ナビゲーション制御部1001を介して表示部1003へ出力される。
案内音生成部1011は、パターンに対応したトーンと音声の情報を生成する。すなわち、経路誘導部1010で生成された経路誘導情報に基づいて、案内ポイントに対応した仮想音源の設定と音声ガイダンス情報の生成をおこない、ナビゲーション制御部1001を介して案内音出力部1007へ出力する。
(ナビゲーション装置620の経路誘導処理)
図11は、ナビゲーション装置が駐車場内でおこなう経路誘導処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、駐車場500に駐車を希望する車両は、管理装置801によって駐車スペースを割り当てられるものとする。ナビゲーション装置620は、割り当てられた駐車スペースを目的地点として設定して経路誘導をおこなう。
まず、ナビゲーション装置620は、駐車場500に進入するまでは、GPSを利用して現在位置を検出し、経路誘導をおこなっている(ステップS1101)。そして、車両の現在位置が駐車場500にあるかを判断する(ステップS1102)。車両の現在位置が駐車場500にない場合は(ステップS1102:No)、ステップS1101に戻り、GPSを利用した現在位置の検出および経路誘導を継続する。
車両の現在位置が駐車場500にある場合は(ステップS1102:Yes)、駐車場500の入口用ゲート505近傍に設けられた通信機610から駐車場500内の地図情報および割り当てスペース情報を受信する(ステップS1103)。ここで、駐車場500に存在するとは、駐車場500の入口用ゲート505に一定距離近づき、互いに通信可能となったような場合を含む。
地図情報とは、駐車場500内の各駐車スペースSの詳細な位置を示す。また、割り当てスペース情報とは、管理装置801によって車両に割り当てられた駐車スペースS(以下、割り当てスペースという)の位置情報である。駐車スペースの割り当ては、たとえば、駐車スペースSを管理する管理テーブルを設け、空いている駐車スペースSに車両の識別情報を関連付けることによっておこなう。また、このとき、車両に搭乗しているユーザの行き先を考慮して、どの駐車スペースSを割り当てるかを決定してもよい。
そして、経路探索部509は、割り当てスペースを目的地点に設定して経路探索をおこなう(ステップS1104)。つづいて、通信部808によって通信機610から送信されるGPS代替情報を受信する(ステップS1105)。そして、位置取得部1004によって、受信したGPS代替情報に基づいて現在位置を算出し(ステップS1106)、算出した現在位置情報を用いて、割り当てスペースまでの経路誘導をおこなう(ステップS1107)。このとき、表示部803には、ステップS1103で受信した駐車場の地図情報場に、ステップS1106で検出した現在位置が描画される。
つづいて、車両の現在位置が、割り当てスペースに到達したかを判断する(ステップS1108)。車両の現在位置が割り当てスペースに到達しない場合は(ステップS1108:No)、ステップS1105に戻り、以降の処理を繰り返す。一方、車両の現在位置が割り当てスペースSに到達した場合は(ステップS1108:Yes)、本フローチャートによる処理を終了する。
なお、車両の現在位置を、GPSあるいは通信機610のいずれを利用しても取得することが可能である場合、車両の現在位置をより高精度に特定できるあるいは車両に対する割り当てスペースまでの経路誘導をより適切におこなうことができる方法を採用するものとする。その一つの方法として、車両が屋内に位置するのか屋外に位置するのかに応じてGPSあるいは通信機610のいずれを利用するかを決定してもよい。
また、複数の通信機からの送信信号(以下、「第1の送信信号」という)とGPS衛星からの送信信号(以下、「第2の送信信号」という)とに基づいて、第1の送信信号を送信した通信機の数と、第2の送信信号を送信したGPS衛星の数とを特定し、特定された通信機の数とGPS衛星の数とに基づいて、移動体の現在位置情報の取得に用いる送信信号を決定し、決定された結果に応じてGPSあるいは通信機610のいずれを利用するかを決定してもよい。
この場合、具体的に、たとえば、第1の送信信号が決定された場合には、通信機610を利用するものとし、第1の送信信号の受信時刻を検出し、検出された受信時刻に基づいて車両の現在位置を取得する。一方、第2の送信信号が決定された場合には、GPSを利用するものとし、第2の送信信号に基づいて、移動体の現在位置情報を取得する。
なお、車両の現在位置をより高精度に特定できるあるいは車両に対する割り当てスペースまでの経路誘導をより適切におこなうことができる場合とは、たとえば、経路誘導に用いる領域内案内図と連動した座標と通信機610との位置が同じであるまたは関連があり、通信機610の送出する位置情報としてGPSと同じ緯度経度を用いるよりも、領域内座標を用いた方がより適切なマップマッチングができる場合である。
図12および図13は、GPS代替情報から現在位置を算出する方法の一例を示す説明図である。位置取得部1004は、複数の通信機610から送信されるGPS代替情報を用いて、三角測量法によって車両の現在位置を算出する。ここで、GPS代替情報を受信する必要のある通信機610の数は、車両の移動の自由度に依存する。
図12は、車両Cの移動が通信機1201および1202の位置する直線上(1次元)に固定されている場合である。このような場合であれば、2台の通信機1201および1202からGPS代替情報を受信することによって、車両Cの現在位置を算出することができる。
ここで、図12に示す状況は、上述したように、通信機610の送出する位置情報としてGPSと同じ緯度経度を用いるよりも、領域(駐車場500)内座標を用いた方がより適切なマップマッチングができる場合の一例として挙げられる。すなわち、図12に示す状況は、図6における駐車場500の各コーナーに通信機610が設置されている場合に該当する。この場合、車両Cが、入り口504からどのコーナーの通信機610の真下を通過したかを辿っていくことにより、現在位置する通路を特定することができる。
なお、どのコーナーの通信機610の真下を通過したかは、たとえば、車両Cと各通信機610との通信時間に基づいて、最短の通信時間で通信をおこなった通信機610の真下を通過したと判定することができる。なお、駐車場500内において車両Cが位置する通路を特定することが可能である場合には、車両Cの現在位置の算出に際して、特定された通路を考慮することにより、3台の通信機610を利用して車両の現在位置の算出する場合よりも当該車両Cの現在位置をより高精度に算出することができる。
図12において、車両Cの位置は座標(x0,0)で示される。また、通信機1201の位置は座標(x1,h)で、通信機1202の位置は座標(x2,h)で示される。hは、駐車場500の床から天井401までの高さであり、通信機1201および1202が設置されている箇所においては、同一である。また、x1およびx2は、GPS代替情報に含まれる位置情報により既知である。これにより、通信機1201および1202の距離Wを得ることができる。なお、距離Wは、W=(x2−x1)によって表される。
各通信機1201および1202から車両Cまでの距離T1,T2は、GPS代替情報が通信機1201および1202から送信されてから、位置取得部1004によって受信されるまでの時間によって得ることができる。なお、距離T1,T2は、距離そのものを求める必要はなく、距離T1,T2の比を得ることができればよい。ここで、図12中符号Caは、車両Cの位置を天井401に投影した場合の位置を示しており、座標(x0,h)で示される。車両Cの投影位置Caから各通信機1201および1202までの距離W1,W2は、それぞれ距離W1=(x0−x1)=T1×sinθ1,距離W2=(x2−x0)=T2×sinθ2と表される。また、h=T1×cosθ1=T2×cosθ2となる。これらの関係から、三角関数を用いてx0の位置を得ることができ、車両Cの現在位置を算出することができる。
図13は、車両Cが平面上(2次元)の移動をおこなう場合を示している。車両Cの位置は(x0,y0,0)で、通信機1201および1202の位置は、それぞれ(x1,y1,h)、(x2,y2,h)で表される。この場合、図12の説明のように車両Cの現在位置を算出すると、その真の位置(x0,y0,0)の他に候補位置D(xd、yd、0)が算出されてしまう。これは、車両Cの位置が点1301(x1,y1,0)を中心とした半径T1×sinθ1の円1311、および点1302(x2,y2,0)を中心とした半径T2×sinθ2の円1312の交点によって示されるためである。
このため、車両Cが平面上を移動する場合は、3つの通信機からGPS代替情報を受信する必要がある。2つの円が交わる交点は1つまたは2つ存在するが、3つの円が交わる交点は、2つ以上は存在しないため、平面上の一点を車両Cの現在位置として特定することができる。
以上説明したように、実施例1のナビゲーション装置620によれば、GPS衛星からの送信情報が受信できない領域、たとえば、屋内駐車場や屋内テーマパークなどにおいても、ナビゲーション装置620が搭載された車両Cの位置を検出し、所望の目的地点への経路誘導をおこなうことができる。
また、車両Cの現在位置を検出する領域を限定し、その領域に関してより詳細な地図情報を取得する。このため、より精度の高い現在位置表示や経路誘導をおこなうことができる。たとえば、デパートなどの施設の駐車場やテーマパーク内など、経路が密集している領域においても、精度の高い経路誘導をおこなうことができる。
実施例1では、駐車場500を移動する車両Cに設けられたナビゲーション装置620によって車両Cの現在位置を検出した。実施例2では、駐車場500を管理する管理装置801によって車両Cの現在位置を検出する。すなわち、実施例2において、実施の形態2にかかる位置検出装置300は、駐車場500を管理する管理装置801によって実現する。
管理装置801は、入口用ゲート装置505に駐車待ちの車両Cが接近すると、車両Cの識別情報を取得する。そして、車両Cが駐車する駐車スペースSを割り当て、割り当てた駐車スペースSの位置情報を、車両Cに送信する。そして、車両Cの現在位置を検出し、割り当てた駐車スペースまでの経路誘導情報を送信する。これにより、車両Cは、適切な駐車スペースに駐車することができ、円滑に駐車場管理をおこなうことができる。
図14は、管理装置がおこなう駐車場管理処理の手順を示すフローチャートである。まず、管理装置801は、駐車場500に車両Cが進入したかを判断する(ステップS1401)。ここで、車両Cが進入したとは、駐車場500の入口用ゲート505に一定距離近づき、互いに通信可能となったような場合を含む。
車両Cが進入した場合は(ステップS1401:Yes)、車両Cに搭載されたナビゲーション装置620から識別情報を取得する(ステップS1402)。そして、車両Cが駐車する駐車スペースを割り当てる(ステップS1403)。車両Cが進入しない場合は(ステップS1401:No)、車両Cが進入するまで待機を継続する(ステップS1401:Noのループ)。
つぎに、ステップS1402で取得した識別情報から、車両Cの現在位置を算出する(ステップS1404)。このとき、管理装置801は、図12および図13を用いて説明したナビゲーション装置620とほぼ同様の方法によって車両Cの現在位置を算出する。すなわち、ナビゲーション装置620から送信された識別情報を、各通信機610(1201,1202)が受信した時刻の差によって、車両Cと各通信機610との距離を算出して、車両Cの現在位置を算出する。
管理装置801は、車両Cの現在位置に基づいて、割り当てスペースへの誘導情報を生成する(ステップS1405)。そして、車両Cに、誘導情報および駐車場500の地図情報を送信する(ステップS1406)。誘導情報は、車両Cの現在位置情報および進行方向指示情報を含んだものである。車両Cのナビゲーション装置620は、管理装置801によって送信された地図情報上に、自車の現在位置情報を投影し、誘導情報を出力する。なお、車両Cにナビゲーション装置620以外の通信端末が搭載されていれば、その通信端末に上記の投影・誘導処理をおこなわせてもよい。
管理装置801は、割り当てスペースに車両が到達したかを判断する(ステップS1407)。車両Cが到達したかの判断は、車両Cの現在位置によって判断してもよいし、天井700設置された受光器720(図7参照)の受光の有無により判断してもよい。割り当てスペースに車両が到達した場合は(ステップS1407:Yes)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、割り当てスペースに車両が到達しない場合は(ステップS1407:No)、ステップS1404に戻り、以降の処理を繰り返す。
ところで、車両Cの現在位置は、同一のタイミングで出力された識別情報に基づいて算出されなければならない。なぜなら、車両Cが駐車場500内を移動している場合、異なるタイミングで出力された複数の識別情報に基づいて車両Cの現在位置を算出したのでは、算出結果が不正確なものとなるからである。すなわち、各通信機610(1201,1202)が受信される識別情報は、同一の車両Cから出力された識別情報であるかを特定でき、かつ、当該車両Cからどのタイミングで出力された識別情報であるかを特定できるものある必要がある。
このため、本実施例においては、車両Cから出力される識別情報には、当該識別情報を出力したタイミングを示す情報が含まれている。タイミングを示す情報としては、識別情報を出力した時刻を示す情報であってもよいし、以前に出力した識別情報ではないことを示す別の情報であってもよい。いずれにせよ、タイミングを示す情報は、各通信機610(1201,1202)で受信される識別情報が出力されたタイミングを特定できる情報であればよい。
なお、無線通信においては、駐車場500の面積が或る程度広い場合にも、識別情報の送受信に要する時間はごく短時間である。このため、駐車場500において車両Cから最も遠い通信機との通信に要する時間の間、同一の車両Cから複数の識別情報が出力されなければよいので、駐車場500において車両Cから最も遠い通信機との通信に要する時間の間よりも長い間隔であれば、同一の識別情報が繰り返し出力されてもよい。このように同一の識別情報を繰り返し出力することにより、たとえば、識別情報を出力した時刻を示す情報を用いる場合と比較して、識別情報のデータ量を少なく抑えることができる。
上述したように、距離T1,T2は、距離そのものを求める必要はなく、距離T1,T2の比を得ることができればよいため、車両Cの現在位置の算出に際しては、車両Cから出力される識別情報を受信するまでの時間の比に基づいて距離T1,T2の比を算出し、算出した距離T1,T2の比に基づいて車両Cの現在位置を算出するようにしてもよい。
図15および図16は、各通信機が車両から出力される識別情報を受信するまでの時間について説明する説明図である。車両Cの移動が通信機1201および1202の位置する直線上(1次元)に固定されている場合、各通信機1201および1202が車両Cから出力される識別情報を受信するまでの時間をそれぞれt1,t2とすると、時間t1,t2の比に基づいて車両Cの現在位置を算出することができる。
図15に示すように、車両Cが通信機1201(または1202)の真下に位置する場合、時間差Δt=t1−t2は最大値Δtmaxとなる。また、図16に示すように、車両Cが通信機1201および1202の中央に位置する場合、時間差Δt=t1−t2は最小値Δtmin(=0)となる。このことから、通信機1201座標(x1,h)または通信機1202の座標(x2,h)と、時間差Δtmaxに対する時間差Δtの割合によって、車両Cの現在位置を算出することができる。
時間差Δtに基づいて車両Cの現在位置を算出する場合、たとえば、時間差Δtmaxを複数段階に分割するとともに分割された時間差ごとに通信機1201(または1202)からの距離を対応付けておき、実測値に基づく時間差Δtに対応付けられた距離に基づいて、車両Cの現在位置を算出するようにしてもよい。なお、この場合、時間差Δtmaxの分割段階数は、車両Cの現在位置の算出に要求される精度に応じて設定すればよい。すなわち、要求精度が高い場合には、時間差Δtmaxをより多くの段階に分割する。これにより、分割された時間差に対応付けられる距離がより詳細に設定されるため、車両Cの現在位置の算出精度の向上を図ることができる。
図17は、駐車場内における車両の現在位置の特定について説明する説明図である。図17中、符号1701は、駐車場1700内において車両Cの走行が可能な通路である。通路1701は、駐車場1700内において格子状に複数設けられている。各通路1701が交差する位置には、それぞれ通信機1710が設けられている。駐車場1700においては、各通信機1710と車両Cとの通信時間に基づいて、どの通信機1710の真下を通過したかあるいはどの通信機1710との通信時間が短いかなどを判定することで、車両Cが現在位置する通路1701およびいずれの通信機1710の間に位置しているかを特定することができる。
車両Cが現在位置する通路1701およびいずれの通信機1710の間に位置しているかを特定することで、車両Cの現在位置を通信機1710a、1710bの2台を用いて特定することができる。すなわち、車両Cが現在位置する通路1701を特定することで、図17における上下方向の位置に関する演算処理が不要となるため、通信機1710a、1710bに対する車両Cの相対的な位置関係を、通路1701a上に反映させることで車両Cの現在位置を特定することができる。
このように、たとえば、駐車場1700内などのように、車両Cの走行位置が限定される領域内においては、特定された通路を考慮することによって、2台の通信機1710a、1710bを利用して車両Cの現在位置を算出した方が、3台の通信機1710を利用して車両Cの現在位置の算出する場合よりも、算出精度を向上させ、より確度の高いマップマッチングをおこなうことができる。また、屋外など所定数以上のGPS衛星を特定できる場合であっても同様に、車両Cの走行位置が限定される領域内においては、GPS衛星を利用して車両Cの現在位置の算出する場合よりも、算出精度を向上させ、より確度の高いマップマッチングをおこなうことができる。
以上説明したように、実施例2にかかる管理装置801によれば、駐車場500内を移動する車両Cの位置を管理装置801が検出することができる。このため、駐車スペースSの空き状況などを一元管理することができる。また、車両Cに割り当てスペースへの誘導情報を送信することによって、車両Cを割り当てスペースへ円滑に移動させることができる。この場合、車両に搭載されている通信装置が経路探索機能や経路誘導情報生成機能を有していない場合であっても、ナビゲーション装置620と同様の機能を果たすことができる。
なお、本実施の形態で説明した位置検出方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【0002】
がある。たとえば、屋内駐車場を走行する車両や、テーマパーク内を歩行する歩行者などの位置を正確に検出することが困難な場合がある。
[課題を解決するための手段]
[0006]
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項3の発明にかかる位置検出装置は、複数の通信機が設置された領域内における移動体の現在位置を検出する当該移動体に設けられた位置検出装置であって、前記複数の通信機から、前記各通信機の設置位置情報と当該設置位置情報の送信時刻情報とを含む送信信号を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された各送信信号の受信時刻を検出する検出手段と、前記受信手段によって受信された前記各通信機の設置位置情報と当該設置位置情報の送信時刻情報と前記検出手段によって検出された検出結果とに基づいて、前記領域内における前記移動体の現在位置情報を取得する取得手段と、を備え、前記取得手段は、前記各通信機の設置位置情報と当該設置位置情報の送信時刻情報と前記検出結果とを前記移動体を管理する管理サーバに送信した結果、当該管理サーバから送信されてくる前記移動体の現在位置情報を取得することを特徴とする。
[0007]
また、請求項4の発明にかかる位置検出装置は、複数の通信機が設置された領域内における移動体の現在位置を検出する当該移動体に設けられた位置検出装置であって、前記複数の通信機から、前記各通信機の設置位置情報と当該設置位置情報の送信時刻情報を含む送信信号(以下、「第1の送信信号」という)とGPS衛星からの送信信号(以下、「第2の送信信号」という)とを受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された第1の送信信号と第2の送信信号とに基づいて、前記第1の送信信号を送信した前記通信機の数と、前記第2の送信信号を送信した前記GPS衛星の数とを特定する送信元特定手段と、前記送信元特定手段によって特定された前記通信機の数と前記GPS衛星の数とに基づいて、前記移動体の現在位置情報の取得に用いる送信信号を決定する決定手段と、前記第1の送信信号の受信時刻を検出する検出手段と、前記決定手段によって前記第1の送信信号が決定された場合、前記検出手段によって検出された第1の送信信号の前記受信時刻と前記第1の送信信号とに基づいて前記領域内における前記移動体の現在位置情報を取得し、前記決定手段によって前記第2の送信信号が決定された場合、当該第2の送信信号に基づいて、前記移動体の現在位置情報を取得する取得手段と、を備えることを特徴とする。
[0008]
また、請求項12の発明にかかる位置検出装置は、複数の通信機が設置された領域内における移動体の現在位置を検出する位置検出装置であって、前記複数の通信機によって前記移動体から受信された前記移動体の識別情報の入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段によって入力された各識別情報の前記各通信機における受信時刻を検出する検出手段と、前記各通信機の設置位置情報と前記検出手段によって検出された検出結果とを、前記移動体が有する通信端末に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
[0009]
また、請求項14の発明にかかる位置検出方法は、複数の通信機が設置された領域内における移動体の現在位置を検出する当該移動体に設けられた位置検出装置で用いる位置検出方法であって、前記複数の通信機から、前記各通信機の設置位置情報と当該設置位置情報の送信時刻情報とを含む送信信号を受信する受信工程と、前記受信工程で受信された各送信信号の受信時刻を検出する検出工程と、前記受信工程で受信された前記各通信機の設置位置情報と当該設置位置情報の送信時刻情報と前記検出手段によって検出された検出結果とに基づいて、前記領域内における前記移動体の現在位置情報を取得する取得工程と、を含み、前記取得工程では、前記各通信機の設置位置情報と当該設置位置情報の送信時刻情報と前記検出結果とを前記移動体を管理する管理サーバに送信した結果、当該管理サーバから送信されてくる前記移動体の現在位置情報を取得することを特徴とする。
【0003】
[0010]
[0011]
また、請求項16の発明にかかる位置検出方法は、複数の通信機が設置された領域内における移動体の現在位置を検出する位置検出方法であって、前記複数の通信機によって前記移動体から受信された前記移動体の識別情報の入力を受け付ける入力工程と、前記入力工程によって入力された各識別情報の前記各通信機における受信時刻を検出する検出工程と、前記各通信機の設置位置情報と前記検出手段によって検出された検出結果とを、前記移動体が有する通信端末に送信する送信工程と、を含んだことを特徴とする。
[0012]
また、請求項17の発明にかかる位置検出プログラムは、請求項14または16に記載の位置検出方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
[0013]
また、請求項18の発明にかかる記録媒体は、請求項17に記載の位置検出プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能なことを特徴とする。
[図面の簡単な説明]
[0014]
[図1]図1は、実施の形態1にかかる位置検出装置の機能的構成を示すブロック図である。
[図2]図2は、位置検出装置の位置検出処理の手順を示すフローチャートである。
本発明は、移動体の位置を検出する位置検出装置、位置検出方法、位置検出プログラムおよび記録媒体に関する。ただし、本発明の利用は、上述した位置検出装置、位置検出方法、位置検出プログラムおよび記録媒体に限らない。
従来、目的地点までの経路探索および経路誘導をおこなうナビゲーション装置などにおいて、GPS(Global Positioning System)レシーバを用いた装置本体位置の検出がおこなわれている。GPSレシーバはGPS衛星から送信される測位用電波を受信し、装置本体位置を検出する。装置本体位置の検出は、ナビゲーション装置の機能を実現するために重要な技術であり、その精度の向上を図るための技術が考案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
しかしながら、上述した従来技術によれば、GPS衛星からの測位用電波を受信できない場合には、装置本体位置を検出することができないという問題が一例として挙げられる。一般に、ナビゲーション装置は、角速度センサなどの自立型センサを併用しているが、近年、GPS衛星からの測位用電波による装置本体位置の検出は、ナビゲーション装置以外の装置でも用途が広がっている。これらの装置には、自立用センサが設けられていない場合が多く、GPS衛星からの測位用電波を受信できない場合には、装置本体位置を検出できない。
また、GPSを用いた装置本体位置の検出は、比較的狭い範囲を低速で移動するような場合には精度が低いという問題が一例として挙げられる。GPSは、宇宙空間に存在するGPS衛星からの測位用電波を用いるため、移動体の移動幅が小さい場合には、測位用電波の受信状況などにより、その移動を正確に捉えることができない場合がある。たとえば、屋内駐車場を走行する車両や、テーマパーク内を歩行する歩行者などの位置を正確に検出することが困難な場合がある。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる位置検出装置は、複数の通信機が設置された領域内における移動体の現在位置を検出する位置検出装置であって、前記複数の通信機によって前記移動体から受信された前記移動体の識別情報の入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段によって入力された各識別情報の前記各通信機における受信時刻を検出する検出手段と、前記各通信機の設置位置情報と前記検出手段によって検出された検出結果とを、前記移動体が有する通信端末に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項3の発明にかかる位置検出方法は、複数の通信機が設置された領域内における移動体の現在位置を検出する位置検出方法であって、前記複数の通信機によって前記移動体から受信された前記移動体の識別情報の入力を受け付ける入力工程と、前記入力工程によって入力された各識別情報の前記各通信機における受信時刻を検出する検出工程と、前記各通信機の設置位置情報と前記検出手段によって検出された検出結果とを、前記移動体が有する通信端末に送信する送信工程と、を含んだことを特徴とする。
また、請求項4の発明にかかる位置検出プログラムは、請求項3に記載の位置検出方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、請求項5の発明にかかる記録媒体は、請求項4に記載の位置検出プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能なことを特徴とする。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる位置検出装置、位置検出方法、位置検出プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる位置検出装置の機能的構成を示すブロック図である。実施の形態1にかかる位置検出装置100は、移動体に備えられており、複数の通信機が設置された領域内における移動体の現在位置を検出する。ここで移動体とは、たとえば、車両や歩行者などであり、位置検出装置100は、移動体とともに領域内を移動している。また、領域とは、一定の区切られた空間であり、たとえば、車両駐車場やテーマパークなどの施設である。この施設は屋外屋内を問わない。
位置検出装置100は、受信部101、検出部102、取得部103、表示部104、送信元特定部105、決定部106、通路特定部107によって構成される。受信部101は、複数の通信機から、各通信機の設置位置情報と設置位置情報の送信時刻情報とを含む送信信号を受信する。受信部101は、複数の通信機からの送信信号(以下、「第1の送信信号」という)とGPS衛星からの送信信号(以下、「第2の送信信号」という)とを受信可能である場合は、両方の送信信号を受信することとしてもよい。
設置位置情報とは、各通信機の設置された位置に関する情報であり、たとえば、緯度経度情報や領域内の座標位置情報、他の通信機との相対的な位置情報などである。また、送信時刻情報は、設置位置信号が送信された時刻そのものの他、送信信号が通信機から送信されてから受信部101に受信されるまでの時間が分かるものであればよい。また、受信部101がGPS衛星からの送信信号を受信可能である場合、GPS衛星からの送信信号によって移動体の現在位置を検出する機構を設けてもよい。
検出部102は、受信部101によって受信された各送信信号の受信時刻を検出する。受信時刻は、送信信号が受信された時刻そのものの他、送信信号が通信機から送信されてから受信部101に受信されるまでの時間が分かる情報であってもよい。なお、検出部102は、決定部106により第1の送信信号が決定された場合、当該第1の送信信号の受信時刻を検出するようにしてもよい。
取得部103は、受信部101によって受信された各通信機の設置位置情報と、設置位置情報の送信時刻情報と、検出部102によって検出された検出結果と、に基づいて、領域内における移動体の現在位置情報を取得する。具体的には、たとえば、各送信信号の受信時刻と設置位置情報の送信時刻との差から各通信機との距離を算出し、各通信機の位置情報を用いて、領域内における移動体の現在位置情報を算出する。
また、取得部103は、各通信機の設置位置情報と当該設置位置情報の送信時刻情報と検出部102による検出結果とを移動体を管理する管理サーバに送信した結果、当該管理サーバから送信されてくる移動体の現在位置情報を取得するようにしてもよい。これにより現在位置情報の算出処理を管理サーバでおこなわせることができ、位置検出装置の計算負荷を軽減することができる。
さらに、取得部103は、決定部106により第2の送信信号が決定された場合、当該第2の送信信号に基づいて、移動体の現在位置情報を取得するようにしてもよい。表示部104は、取得部103によって取得された現在位置情報を、領域の地図情報上に表示する。このとき、領域内に移動体用の通路がある場合には、マップマッチング処理をおこなうこととしてもよい。また、地図情報は、あらかじめ位置検出装置が有していてもよいし、通信機から送信するなどしてもよい。表示部104は、取得部103によって取得された現在位置情報を、領域の地図情報における通路特定部107によって特定された通路上に表示するようにしてもよい。
送信元特定部105は、第1の送信信号と第2の送信信号とに基づいて、第1の送信信号を送信した通信機の数と、第2の送信信号を送信したGPS衛星の数とを特定する。具体的には、たとえば、第1の送信信号の受信数を、第1の送信信号を送信した通信機の数とすることができる。同様に、第2の送信信号の受信数を、第2の送信信号を送信したGPS衛星の数とすることができる。決定部106は、送信元特定部105によって特定された通信機の数とGPS衛星の数とに基づいて、移動体の現在位置情報の取得に用いる送信信号を決定する。通路特定部107は、受信部101によって受信された各送信信号に基づいて、移動体が現在移動している前記領域内の通路を特定する。
たとえば、GPS衛星の数が所定数以上(たとえば3個以上)特定された場合には、通信機よりも優先して、第2の送信信号を移動体の現在位置情報の取得に用いる送信信号を決定することができる。また、同様に、通信機の数が所定数以上(たとえば3個以上)特定された場合には、GPS衛星よりも優先して、第1の送信信号を移動体の現在位置情報の取得に用いる送信信号を決定することができる。さらに、特定された数が多い方の送信元からの送信信号を、移動体の現在位置情報の取得に用いる送信信号を決定することができる。
図2は、位置検出装置100の位置検出処理の手順を示すフローチャートである。以下、受信部101は、GPS衛星からの送信信号が受信可能であるものとする。はじめに、受信部101は、第1の送信信号と第2の送信信号とを受信する(ステップS201)。つぎに、送信元特定部105は、第1の送信信号と第2の送信信号とに基づいて、第1の送信信号を送信した通信機の数と、第2の送信信号を送信したGPS衛星の数とを特定する(ステップS202)。決定部106は、送信元特定部105によって特定された通信機の数とGPS衛星の数とに基づいて、移動体の現在位置情報の取得に用いる送信信号を決定する(ステップS203)。
つづいて、ステップS203において決定された送信信号が第1の送信信号であるか否かを判定し(ステップS204)、第1の送信信号である場合(ステップS204:Yes)、検出部102は、各送信信号の受信時刻を検出する(ステップS205)。第1の送信信号ではない場合(ステップS204:No)、ステップS206に移行する。
ステップS206においては、ステップS204から移行してきた場合、取得部103は、第1の送信信号に含まれる設置位置情報および送信時刻情報と、検出部102によって検出された検出結果と、に基づいて、領域内における移動体の現在位置情報を取得する(ステップS206)。これに対し、ステップS206においては、ステップS204から移行してきた場合、取得部103は、第2の送信信号に基づいて、移動体の現在位置情報を取得する(ステップS206)。
そして、通路特定部107は、ステップS202において特定された通信機の数およびGPS衛星の数に基づいて、移動体が現在移動している領域内の通路を特定する(ステップS207)。最後に、表示部104は、ステップS206において取得された移動体の現在位置情報を地図情報上に表示して(ステップS208)、本フローチャートによる処理を終了する。
以上説明したように、実施の形態1にかかる位置検出装置100によれば、移動体がGPSレシーバなどを有していない場合であっても、領域内における移動体の現在位置を知ることができる。また、移動体がGPSレシーバを有している場合であっても、外部から遮断された空間など、GPS衛星からの送信信号を受信困難な領域に存在する場合は、通信機からの送信情報に基づいた位置の検出をおこなうことができる。
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2にかかる位置検出装置の機能的構成を示すブロック図である。実施の形態2にかかる位置検出装置300は、移動体を管理する管理サーバに備えられ、複数の通信機が設置された領域内における移動体の現在位置を検出する。移動体、領域などの意味は、実施の形態1と同様である。
位置検出装置300は、入力部301、検出部302、算出部303、送信部304、通路特定部305によって構成される。入力部301は、複数の通信機が移動体から受信する移動体の識別情報の入力を受け付ける。入力部301は、さらに、複数の通信機によって移動体から受信された、移動体からの識別情報の送信時刻情報の入力を受け付けてもよい。
ここで、識別情報は、たとえば、移動体が有する通信端末のID番号などである。同一の移動体であっても、移動中の現在位置によって識別情報の送信時刻がことなるため、識別情報を送信するときに、送信時刻情報も含めて送信することとしても良い。送信時刻情報とは具体的にはたとえば、送信時刻そのものである。これにより、識別情報を受信する複数の通信機は、その時点で移動体から送信された識別情報であるかを把握することができ、現在位置検出の精度の向上を図ることができる。同様に、送信時刻情報として、識別情報であるID番号の末尾に、送信時刻を示すコードを付加することとしてもよい。この末尾のコードにより、識別情報を受信する複数の通信機は、その時点で移動体から送信された識別情報であるかを把握することができ、現在位置検出の精度の向上を図ることができる。同様に、識別情報を送信するときに、送信時刻情報も含めて送信することとしても良い。
検出部302は、入力部301によって取得された各識別情報の各通信機における受信時刻を検出する。各通信機における受信時刻は、各送信機において識別情報がされた時刻そのものの他、識別信号が移動体から送信されてから各通信機に受信されるまでの時間が分かるものであればよい。
算出部303は、各通信機の位置情報と、検出部302によって検出された検出結果と、に基づいて、領域内における移動体の現在位置情報を算出する。算出部303は、たとえば、各通信機が移動体の識別情報を受信した時刻の差分を用いて、各通信機から移動体までの相対距離を算出する。そして、各通信機の位置情報を用いて領域内における移動体の現在位置情報を検出する。算出部303は、さらに、入力部301によって入力された送信時刻情報に基づいて、領域内における移動体の現在位置情報を算出するようにしてもよい。
送信部304は、算出部303によって算出された現在位置情報を移動体が有する通信端末に送信する。移動体が有する通信端末とは、たとえば、車両に搭載されたナビゲーション装置や、歩行者が有している携帯電話端末などである。また、送信部304は、現在位置情報とともに、領域を表す地図情報を移動体に送信することとしてもよい。さらに、送信部304は、通路特定部305によって特定された通路に関する情報を移動体に送信するようにしてもよい。通路特定部305は、算出部303によって算出された現在位置情報に基づいて、移動体が現在移動している領域内の通路を特定する。
図4は、位置検出装置がおこなう位置検出処理の手順を示すフローチャートである。まず、入力部301は、複数の通信機が受信した識別情報を取得する(ステップS401)。また、検出部302は、各通信機における識別情報の受信時刻を検出する(ステップS402)。そして、算出部303は、ステップS401で取得した識別情報およびステップS402で検出した検出結果に基づいて、移動体の現在位置情報を算出する(ステップS403)。
つづいて、通路特定部305は、算出部303によって算出された現在位置情報に基づいて、移動体が現在移動している領域内の通路を特定する(ステップS404)。最後に、送信部304は、ステップS403で算出した現在位置情報を移動体に送信して(ステップS405)、本フローチャートによる処理を終了する。
以上説明したように、実施の形態2にかかる位置検出装置300によれば、移動体の識別情報のみを用いて、領域内における移動体の現在位置を知ることができる。また、算出した現在位置情報を移動体に送信することによって、移動体がGPSレシーバなどを有していない場合であっても、移動体において領域内での現在位置を知ることができる。
なお、図示を省略するが、実施の形態2における算出部303を備えず、各通信機の設置位置情報と検出部302によって検出された検出結果とを移動体が有する通信端末に送信する送信部304を備える位置検出装置としてもよい。
図5は、実施例にかかる駐車場の一例を示す平面図である。以下、実施の形態1にかかる位置検出装置100の実施例を実施例1において、実施の形態2にかかる位置検出装置300の実施例を実施例2において、それぞれ説明する。それぞれの実施例において、共通する構成については実施例1で説明し、実施例2では省略する。実施例1において、実施の形態1にかかる位置検出装置100は、駐車場500内を走行する車両に搭載されたナビゲーション装置によって実現する。
図5において、駐車場500の駐車スペースSは、車両Cを駐車する領域である。スロープ501は上の階からの車両Cが通行する通路であり、スロープ502は車両Cが上の階へ通行する通路である。店舗入口503は、隣接する店舗への出入り口である。
また、入口504には、入口用ゲート装置505と入口用遮断機506が設けられている。入口用ゲート装置505は、駐車待ちの車両Cを検知すると、車両Cに対する発券処理や車両Cとの通信をおこない、また、入口用遮断機506の駆動制御をおこなう。入口用遮断機506は、入口用ゲート装置505から駆動信号に従って開閉駆動する。同様に、出口507にも、出口用ゲート装置508と出口用遮断機509が設けられている。出口用ゲート装置508は、駐車場500から出発する車両Cを検知して出口用遮断機509の駆動制御をおこなう。出口用遮断機509は、出口用ゲート装置508から駆動信号に従って開閉駆動する。
つぎに、上述した駐車場500の設備について説明する。図6は、駐車場の通路における設備を示す説明図である。図6において、駐車場500内の通路600における所望の位置、たとえば、天井601には、適宜通信機610が設置されている。各通信機610は、その直下を通過する車両Cのナビゲーション装置620にGPS代替情報を送信する。
ナビゲーション装置620は、駐車場500に入場する前においては、宇宙空間に存在するGPS衛星(図示せず)から送信されるGPS情報を用いた三角測量法によって、現在地点情報を取得している。ナビゲーション装置620は、駐車場500に入場した後は、通信機610から送信されるGPS代替情報に基づいて、駐車場500内での位置を取得する。
具体的には、GPS代替情報は、各通信機610それぞれの位置情報、およびGPS代替情報がナビゲーション装置620に到達するまでの時間を検出するための疑似ランダムコードを含む。ナビゲーション装置620は、GPS代替情報に含まれる位置情報によって各通信機610の位置を検出し、各通信機610から送信される信号を受信するまでの時間を測定することによって、各通信機610からの距離を得る。これにより、駐車場内における装置本体の位置を検出することができる。ナビゲーション装置620の3次元空間上での位置を特定するためには、最低3台の通信機610が必要であるが、車両Cの移動が同一直線上であれば、通信機610が2台あれば装置本体位置の検出は可能である。
なお、駐車場500に入場した後であっても、GPS衛星からGPS情報を受信可能な場合は、GPS情報の取得を継続し、GPS代替情報と合わせて装置本体の位置の検出をおこなってもよい。これにより、より高い精度で装置本体の位置を検出することができる。また、たとえば、GPS情報の受信状況を監視し、受信強度が一定以下となったときに、受信情報をGPS代替情報に切り換えたり、GPS情報およびGPS代替情報からそれぞれ検出した装置本体の位置の精度によって、受信する情報を切り換えてもよい。
また、通信機610は、管理装置からの各種情報を、その直下の車両Cのナビゲーション装置620に送信する。管理装置からの各種情報とは、たとえば、駐車場500内の詳細な地図情報や、車両Cに対して割り当てられた駐車領域の位置情報などである。
さらに、通信機610は、ナビゲーション装置620から車両Cに関する識別情報を受信する。識別情報には、車両の所有者の個人情報(所有者の氏名、所在地、連絡先、決済カードの番号など)や、車両ナンバー、車両の型などが含まれている。
また、図7は、駐車場の駐車スペースにおける設備を示す説明図である。図7において、駐車スペースSの上方の天井700には、図6と同様、通信機610が設置されており、駐車スペースSに駐車された車両Cのナビゲーション装置620に対して、管理装置からの各種情報を送信する。また、天井700には投光器710および受光器720が設置されており、受光器720の受光(赤外光などの受光)の有無により、駐車の有無を検知する。
(システム構成図)
つぎに、実施例にかかる駐車場管理システムのシステム構成図について説明する。図8は、実施例にかかる駐車場管理システムのシステム構成図である。図8において、駐車場管理システム800は、管理サーバに相当する管理装置801と、図3に示した入口用ゲート装置505と、入口用遮断機506と、出口用ゲート装置508と、出口用遮断機509と、がネットワーク810を介して接続されて構成されている。管理装置801は、駐車スペースSの空き数や入口用ゲート装置505および出口用ゲート装置508、通信機610、投光器710、受光器720を管理や駆動制御をおこなうサーバである。
管理装置801は、入口用ゲート装置505に駐車待ちの車両Cが接近すると、車両Cの識別情報を取得する。そして、車両Cが駐車する駐車スペースSを割り当て、割り当てた駐車スペースSの位置情報を、車両Cに送信する。また、駐車場500内の詳細な地図も合わせて車両Cに送信する。
(管理装置のハードウェア構成)
つぎに、実施例にかかる管理装置801のハードウェア構成について説明する。図9は、実施例にかかる管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図9において、管理装置801は、CPU901と、ROM902と、RAM903と、磁気ディスクドライブ904と、磁気ディスク905と、光ディスクドライブ906と、光ディスク907と、音声I/F(インターフェース)908と、マイク909と、スピーカ910と、入力デバイス911と、映像I/F912と、ディスプレイ913と、通信I/F(インターフェース)914と、を備えている。また、各構成部901〜914はバス900によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU901は、管理装置801の全体の制御を司る。ROM902は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM903は、CPU901のワークエリアとして使用される。磁気ディスクドライブ904は、CPU901の制御に従って磁気ディスク905に対するデータのリード/ライトを制御する。磁気ディスク905は、磁気ディスクドライブ904の制御で書き込まれたデータを記憶する。磁気ディスク905としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
光ディスクドライブ906は、CPU901の制御に従って光ディスク907に対するデータのリード/ライトを制御する。光ディスク907は、光ディスクドライブ906の制御に従って光ディスク907からデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク907は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱可能な記録媒体として、光ディスク907のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
また、音声I/F908は、音声入力用のマイク909および音声出力用のスピーカ910に接続される。マイク909に受音された音声は、音声I/F908内でA/D変換される。また、スピーカ910からは音声が出力される。また、入力デバイス911は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。
また、映像I/F912は、ディスプレイ913と接続される。映像I/F912は、具体的には、たとえば、ディスプレイ913全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ913を表示制御する制御ICなどによって構成される。
ディスプレイ913には、アイコン、カーソル、メニュー、ウィンドウ、あるいは文字や画像等の各種データが表示される。このディスプレイ913は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
また、通信I/F914は、無線、あるいは通信ケーブルを介してネットワークに接続され、このネットワークとCPU901とのインターフェースとして機能する。ネットワークには、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網等がある。
(通信端末のハードウェア構成)
つぎに、実施例にかかるナビゲーション装置620のハードウェア構成について説明する。図10は、実施例にかかる通信端末のハードウェア構成を示すブロック図である。図10において、ナビゲーション装置620は、車両Cに搭載されており、ナビゲーション制御部1001と、ユーザ操作部1002と、表示部1003と、位置取得部1004と、記録媒体1005と、記録媒体デコード部1006と、案内音出力部1007と、通信部1008と、経路探索部1009と、経路誘導部1010と、案内音生成部1011と、スピーカ1012と、によって構成される。
ナビゲーション制御部1001は、ナビゲーション装置620全体を制御する。ナビゲーション制御部1001は、たとえば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)や、各種制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、および、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)などによって構成されるマイクロコンピュータなどによって実現することができる。
また、ナビゲーション制御部1001は、経路誘導に際し、経路探索部1009、経路誘導部1010、案内音生成部1011との間で経路誘導に関する情報の入出力をおこない、その結果得られる情報を表示部1003および案内音出力部1007へ出力する。
ユーザ操作部1002は、文字、数値、各種指示など、ユーザによって入力操作された情報をナビゲーション制御部1001に対して出力する。ユーザ操作部1002の構成としては、物理的な押下/非押下を検出する押ボタンスイッチ、タッチパネル、キーボード、ジョイスティックなど公知の各種形態を採用することが可能である。ユーザ操作部1002は、外部からの音声を入力するマイクを用いて、音声によって入力操作をおこなう形態としてもよい。
ユーザ操作部1002は、ナビゲーション装置620に対して一体に設けられていてもよいし、リモコンのようにナビゲーション装置620から分離して操作可能な形態であってもよい。ユーザ操作部1002は、上述した各種形態のうちいずれか単一の形態で構成されていてもよいし、複数の形態で構成されていてもよい。ユーザは、ユーザ操作部1002の形態に応じて、適宜入力操作をおこなうことによって情報を入力する。ユーザ操作部1002の操作によって入力される情報としては、たとえば、探索する経路の目的地点または出発が挙げられる。
目的地点または出発地点の入力は、それぞれの地点の緯度・経度や住所を入力する他、目的地点または出発地点となる施設の電話番号やジャンル、キーワードなどを指定することによって、該当する施設が探索され、その位置を特定することができる。より詳細には、これらの情報は、後述する記録媒体1005に記録された地図情報に含まれる背景種別データに基づいて、地図上の一点として特定される。また、後述する表示部1003に地図情報を表示させ、表示された地図上の一点を指定するようにしてもよい。
表示部1003は、たとえば、CRT(Cathode Ray Tube)、TFT液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどを含む。表示部1003は、具体的には、たとえば、映像I/Fや映像I/Fに接続された映像表示用のディスプレイ装置によって構成することができる。映像I/Fは、具体的には、たとえば、ディスプレイ装置全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像情報に基づいて、ディスプレイ装置を表示制御する制御ICなどによって構成される。表示部1003には、アイコン、カーソル、メニュー、ウィンドウ、あるいは文字や画像などの各種情報が表示される。また、表示部1003には、HD1005に記憶された地図情報や経路誘導に関する情報が表示される。
位置取得部1004は、GPSレシーバおよび各種センサから構成され、装置本体の現在位置(車両の現在位置)の情報を取得する。また、位置取得部1004は、GPSレシーバが受信するGPS情報を受信できない領域など、所定の領域に入った際には、その領域内に設けられた通信機から送信されるGPS代替情報を受信して、車両の現在位置を検出する。
GPSレシーバは、GPS衛星から送信されるGPS情報を受信し、GPS衛星との幾何学的位置を求める。なお、GPSとは、Global Positioning Systemの略称であり、4つ以上の衛星からの電波を受信することによって地上での位置を正確に求めるシステムである。GPSレシーバは、GPS衛星からの電波を受信するためのアンテナ、受信した電波を復調するチューナーおよび復調した情報に基づいて現在位置を算出する演算回路などによって構成される。
各種センサは、車速センサや角速度センサ、走行距離センサ、傾斜センサなど自車に搭載された各種センサであり、これらのセンサから出力される情報から、自車の走行軌跡を求める。このように、GPSレシーバによって外部から得られた情報と合わせて、自車に搭載された各種センサの出力する情報とを用いることによって、より高い精度で自車位置の認識をおこなうことができる。
車速センサは、ナビゲーション装置620を搭載する車両のトランスミッションの出力側シャフトから検出する。角速度センサは、自車の回転時の角速度を検出し、角速度情報と相対方位情報とを出力する。走行距離センサは、車輪の回転に伴って出力される所定周期のパルス信号のパルス数をカウントすることによって車輪1回転当たりのパルス数を算出し、その1回転当たりのパルス数に基づく走行距離情報を出力する。傾斜センサは、路面の傾斜角度を検出する。
記録媒体1005は、各種制御プログラムや各種情報をコンピュータに読み取り可能な状態で記録する。記録媒体1005は、記録媒体デコード部1006による情報の書き込みを受け付けるとともに、書き込まれた情報を不揮発に記録する。記録媒体1005は、たとえば、HD(Hard Disk)によって実現することができる。記録媒体1005は、HDに限るものではなく、HDに代えて、あるいは、HDに加えて、DVD(Digital Versatile Disk)やCD(Compact Disk)など、記録媒体デコード部1006に対して着脱可能であり可搬性を有するメディアを記録媒体1005として用いてもよい。記録媒体1005は、DVDおよびCDに限るものではなく、CD−ROM(CD−R、CD−RW)、MO(Magneto−Optical disk)、メモリカードなどの記録媒体デコード部1006に対して着脱可能であり可搬性を有するメディアを利用することもできる。
記録媒体1005に記憶された地図情報は、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)を表す背景データと、道路の形状を表す道路形状データとを有しており、表示部1003の表示画面において2次元または3次元に描画される。ナビゲーション装置620が経路誘導中の場合は、記録媒体1005に記録された地図情報と位置取得部1004によって取得された自車位置とが重ねて表示されることとなる。
なお、本実施例では地図情報を記録媒体1005に記録するようにしたが、これに限るものではない。地図情報は、ナビゲーション装置620のハードウェアと一体に設けられているものに限って記録されているものではなく、ナビゲーション装置620外部に設けられていてもよい。その場合、ナビゲーション装置620は、たとえば、通信部1008を通じて、ネットワークを介して地図情報を取得する。取得された地図情報はRAMなどに記憶される。
記録媒体デコード部1006は、記録媒体1005に対する情報の読み取り/書き込みの制御をおこなう。たとえば、記録媒体としてHDを用いた場合には、記録媒体デコード部1006は、HDD(Hard Disk Drive)となる。同様に、記録媒体としてDVDあるいはCD(CD−R,CD−RWを含む)を用いた場合には、記録媒体デコード部1006は、DVDドライブあるいはCDドライブとなる。書き込み可能かつ着脱可能な記録媒体1005として、CD−ROM(CD−R、CD−RW)、MO、メモリカードなどを利用する場合には、各種記録媒体への情報の書き込みおよび各種記録媒体に記憶された情報の読み出しが可能な専用のドライブ装置を、記録媒体デコード部1006として適宜用いる。
案内音出力部1007は、接続されたスピーカ1012への出力を制御することによって、案内音を再生する。スピーカ1012は、1つであってもよいし、複数であってもよい。具体的には、案内音出力部1007は、音声出力用のスピーカ1012に接続される音声I/Fによって実現することができる。より具体的には、音声I/Fは、たとえば、音声デジタル情報のD/A変換をおこなうD/Aコンバータと、D/Aコンバータから出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器と、音声アナログ情報のA/D変換をおこなうA/Dコンバータと、から構成することができる。
通信部1008は、上述した入口用ゲート装置505、出口用ゲート装置508、通信機610などの通信機器との通信をおこない、通信機610から送信されるGPS代替情報や、管理装置801から送信される各種情報を受信する。また、管理装置801に、車両Cの識別情報を送信する。さらに、通信部1008によって、VICSセンターから送信される道路交通情報(VICS情報)を取得してもよい。
経路探索部1009は、記録媒体1005に記憶されている地図情報や、通信部1008を介して取得するVICS情報などを利用して、出発地点から目的地点までの最適な経路を探索する。ここで、最適な経路とは、ユーザが指定した条件に最も合致する経路である。一般に、出発地点から目的地点までの経路は無数存在する。このため、経路探索にあたって考慮される事項を設定し、条件に合致する経路を探索するようにしている。
経路誘導部1010は、経路探索部1009によって探索された誘導経路情報、位置取得部1004によって取得された自車位置情報、記録媒体1005から記録媒体デコード部1006を経由して得られた地図情報に基づいて、リアルタイムな経路誘導情報の生成をおこなう。このとき生成される経路誘導情報は、通信部1008によって受信した渋滞情報を考慮したものであってもよい。経路誘導部1010で生成された経路誘導情報は、ナビゲーション制御部1001を介して表示部1003へ出力される。
案内音生成部1011は、パターンに対応したトーンと音声の情報を生成する。すなわち、経路誘導部1010で生成された経路誘導情報に基づいて、案内ポイントに対応した仮想音源の設定と音声ガイダンス情報の生成をおこない、ナビゲーション制御部1001を介して案内音出力部1007へ出力する。
(ナビゲーション装置620の経路誘導処理)
図11は、ナビゲーション装置が駐車場内でおこなう経路誘導処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、駐車場500に駐車を希望する車両は、管理装置801によって駐車スペースを割り当てられるものとする。ナビゲーション装置620は、割り当てられた駐車スペースを目的地点として設定して経路誘導をおこなう。
まず、ナビゲーション装置620は、駐車場500に進入するまでは、GPSを利用して現在位置を検出し、経路誘導をおこなっている(ステップS1101)。そして、車両の現在位置が駐車場500にあるかを判断する(ステップS1102)。車両の現在位置が駐車場500にない場合は(ステップS1102:No)、ステップS1101に戻り、GPSを利用した現在位置の検出および経路誘導を継続する。
車両の現在位置が駐車場500にある場合は(ステップS1102:Yes)、駐車場500の入口用ゲート505近傍に設けられた通信機610から駐車場500内の地図情報および割り当てスペース情報を受信する(ステップS1103)。ここで、駐車場500に存在するとは、駐車場500の入口用ゲート505に一定距離近づき、互いに通信可能となったような場合を含む。
地図情報とは、駐車場500内の各駐車スペースSの詳細な位置を示す。また、割り当てスペース情報とは、管理装置801によって車両に割り当てられた駐車スペースS(以下、割り当てスペースという)の位置情報である。駐車スペースの割り当ては、たとえば、駐車スペースSを管理する管理テーブルを設け、空いている駐車スペースSに車両の識別情報を関連付けることによっておこなう。また、このとき、車両に搭乗しているユーザの行き先を考慮して、どの駐車スペースSを割り当てるかを決定してもよい。
そして、経路探索部509は、割り当てスペースを目的地点に設定して経路探索をおこなう(ステップS1104)。つづいて、通信部808によって通信機610から送信されるGPS代替情報を受信する(ステップS1105)。そして、位置取得部1004によって、受信したGPS代替情報に基づいて現在位置を算出し(ステップS1106)、算出した現在位置情報を用いて、割り当てスペースまでの経路誘導をおこなう(ステップS1107)。このとき、表示部803には、ステップS1103で受信した駐車場の地図情報場に、ステップS1106で検出した現在位置が描画される。
つづいて、車両の現在位置が、割り当てスペースに到達したかを判断する(ステップS1108)。車両の現在位置が割り当てスペースに到達しない場合は(ステップS1108:No)、ステップS1105に戻り、以降の処理を繰り返す。一方、車両の現在位置が割り当てスペースSに到達した場合は(ステップS1108:Yes)、本フローチャートによる処理を終了する。
なお、車両の現在位置を、GPSあるいは通信機610のいずれを利用しても取得することが可能である場合、車両の現在位置をより高精度に特定できるあるいは車両に対する割り当てスペースまでの経路誘導をより適切におこなうことができる方法を採用するものとする。その一つの方法として、車両が屋内に位置するのか屋外に位置するのかに応じてGPSあるいは通信機610のいずれを利用するかを決定してもよい。
また、複数の通信機からの送信信号(以下、「第1の送信信号」という)とGPS衛星からの送信信号(以下、「第2の送信信号」という)とに基づいて、第1の送信信号を送信した通信機の数と、第2の送信信号を送信したGPS衛星の数とを特定し、特定された通信機の数とGPS衛星の数とに基づいて、移動体の現在位置情報の取得に用いる送信信号を決定し、決定された結果に応じてGPSあるいは通信機610のいずれを利用するかを決定してもよい。
この場合、具体的に、たとえば、第1の送信信号が決定された場合には、通信機610を利用するものとし、第1の送信信号の受信時刻を検出し、検出された受信時刻に基づいて車両の現在位置を取得する。一方、第2の送信信号が決定された場合には、GPSを利用するものとし、第2の送信信号に基づいて、移動体の現在位置情報を取得する。
なお、車両の現在位置をより高精度に特定できるあるいは車両に対する割り当てスペースまでの経路誘導をより適切におこなうことができる場合とは、たとえば、経路誘導に用いる領域内案内図と連動した座標と通信機610との位置が同じであるまたは関連があり、通信機610の送出する位置情報としてGPSと同じ緯度経度を用いるよりも、領域内座標を用いた方がより適切なマップマッチングができる場合である。
図12および図13は、GPS代替情報から現在位置を算出する方法の一例を示す説明図である。位置取得部1004は、複数の通信機610から送信されるGPS代替情報を用いて、三角測量法によって車両の現在位置を算出する。ここで、GPS代替情報を受信する必要のある通信機610の数は、車両の移動の自由度に依存する。
図12は、車両Cの移動が通信機1201および1202の位置する直線上(1次元)に固定されている場合である。このような場合であれば、2台の通信機1201および1202からGPS代替情報を受信することによって、車両Cの現在位置を算出することができる。
ここで、図12に示す状況は、上述したように、通信機610の送出する位置情報としてGPSと同じ緯度経度を用いるよりも、領域(駐車場500)内座標を用いた方がより適切なマップマッチングができる場合の一例として挙げられる。すなわち、図12に示す状況は、図6における駐車場500の各コーナーに通信機610が設置されている場合に該当する。この場合、車両Cが、入り口504からどのコーナーの通信機610の真下を通過したかを辿っていくことにより、現在位置する通路を特定することができる。
なお、どのコーナーの通信機610の真下を通過したかは、たとえば、車両Cと各通信機610との通信時間に基づいて、最短の通信時間で通信をおこなった通信機610の真下を通過したと判定することができる。なお、駐車場500内において車両Cが位置する通路を特定することが可能である場合には、車両Cの現在位置の算出に際して、特定された通路を考慮することにより、3台の通信機610を利用して車両の現在位置の算出する場合よりも当該車両Cの現在位置をより高精度に算出することができる。
図12において、車両Cの位置は座標(x0,0)で示される。また、通信機1201の位置は座標(x1,h)で、通信機1202の位置は座標(x2,h)で示される。hは、駐車場500の床から天井401までの高さであり、通信機1201および1202が設置されている箇所においては、同一である。また、x1およびx2は、GPS代替情報に含まれる位置情報により既知である。これにより、通信機1201および1202の距離Wを得ることができる。なお、距離Wは、W=(x2−x1)によって表される。
各通信機1201および1202から車両Cまでの距離T1,T2は、GPS代替情報が通信機1201および1202から送信されてから、位置取得部1004によって受信されるまでの時間によって得ることができる。なお、距離T1,T2は、距離そのものを求める必要はなく、距離T1,T2の比を得ることができればよい。ここで、図12中符号Caは、車両Cの位置を天井401に投影した場合の位置を示しており、座標(x0,h)で示される。車両Cの投影位置Caから各通信機1201および1202までの距離W1,W2は、それぞれ距離W1=(x0−x1)=T1×sinθ1,距離W2=(x2−x0)=T2×sinθ2と表される。また、h=T1×cosθ1=T2×cosθ2となる。これらの関係から、三角関数を用いてx0の位置を得ることができ、車両Cの現在位置を算出することができる。
図13は、車両Cが平面上(2次元)の移動をおこなう場合を示している。車両Cの位置は(x0,y0,0)で、通信機1201および1202の位置は、それぞれ(x1,y1,h)、(x2,y2,h)で表される。この場合、図12の説明のように車両Cの現在位置を算出すると、その真の位置(x0,y0,0)の他に候補位置D(xd、yd、0)が算出されてしまう。これは、車両Cの位置が点1301(x1,y1,0)を中心とした半径T1×sinθ1の円1311、および点1302(x2,y2,0)を中心とした半径T2×sinθ2の円1312の交点によって示されるためである。
このため、車両Cが平面上を移動する場合は、3つの通信機からGPS代替情報を受信する必要がある。2つの円が交わる交点は1つまたは2つ存在するが、3つの円が交わる交点は、2つ以上は存在しないため、平面上の一点を車両Cの現在位置として特定することができる。
以上説明したように、実施例1のナビゲーション装置620によれば、GPS衛星からの送信情報が受信できない領域、たとえば、屋内駐車場や屋内テーマパークなどにおいても、ナビゲーション装置620が搭載された車両Cの位置を検出し、所望の目的地点への経路誘導をおこなうことができる。
また、車両Cの現在位置を検出する領域を限定し、その領域に関してより詳細な地図情報を取得する。このため、より精度の高い現在位置表示や経路誘導をおこなうことができる。たとえば、デパートなどの施設の駐車場やテーマパーク内など、経路が密集している領域においても、精度の高い経路誘導をおこなうことができる。
実施例1では、駐車場500を移動する車両Cに設けられたナビゲーション装置620によって車両Cの現在位置を検出した。実施例2では、駐車場500を管理する管理装置801によって車両Cの現在位置を検出する。すなわち、実施例2において、実施の形態2にかかる位置検出装置300は、駐車場500を管理する管理装置801によって実現する。
管理装置801は、入口用ゲート装置505に駐車待ちの車両Cが接近すると、車両Cの識別情報を取得する。そして、車両Cが駐車する駐車スペースSを割り当て、割り当てた駐車スペースSの位置情報を、車両Cに送信する。そして、車両Cの現在位置を検出し、割り当てた駐車スペースまでの経路誘導情報を送信する。これにより、車両Cは、適切な駐車スペースに駐車することができ、円滑に駐車場管理をおこなうことができる。
図14は、管理装置がおこなう駐車場管理処理の手順を示すフローチャートである。まず、管理装置801は、駐車場500に車両Cが進入したかを判断する(ステップS1401)。ここで、車両Cが進入したとは、駐車場500の入口用ゲート505に一定距離近づき、互いに通信可能となったような場合を含む。
車両Cが進入した場合は(ステップS1401:Yes)、車両Cに搭載されたナビゲーション装置620から識別情報を取得する(ステップS1402)。そして、車両Cが駐車する駐車スペースを割り当てる(ステップS1403)。車両Cが進入しない場合は(ステップS1401:No)、車両Cが進入するまで待機を継続する(ステップS1401:Noのループ)。
つぎに、ステップS1402で取得した識別情報から、車両Cの現在位置を算出する(ステップS1404)。このとき、管理装置801は、図12および図13を用いて説明したナビゲーション装置620とほぼ同様の方法によって車両Cの現在位置を算出する。すなわち、ナビゲーション装置620から送信された識別情報を、各通信機610(1201,1202)が受信した時刻の差によって、車両Cと各通信機610との距離を算出して、車両Cの現在位置を算出する。
管理装置801は、車両Cの現在位置に基づいて、割り当てスペースへの誘導情報を生成する(ステップS1405)。そして、車両Cに、誘導情報および駐車場500の地図情報を送信する(ステップS1406)。誘導情報は、車両Cの現在位置情報および進行方向指示情報を含んだものである。車両Cのナビゲーション装置620は、管理装置801によって送信された地図情報上に、自車の現在位置情報を投影し、誘導情報を出力する。なお、車両Cにナビゲーション装置620以外の通信端末が搭載されていれば、その通信端末に上記の投影・誘導処理をおこなわせてもよい。
管理装置801は、割り当てスペースに車両が到達したかを判断する(ステップS1407)。車両Cが到達したかの判断は、車両Cの現在位置によって判断してもよいし、天井700設置された受光器720(図7参照)の受光の有無により判断してもよい。割り当てスペースに車両が到達した場合は(ステップS1407:Yes)、本フローチャートによる処理を終了する。一方、割り当てスペースに車両が到達しない場合は(ステップS1407:No)、ステップS1404に戻り、以降の処理を繰り返す。
ところで、車両Cの現在位置は、同一のタイミングで出力された識別情報に基づいて算出されなければならない。なぜなら、車両Cが駐車場500内を移動している場合、異なるタイミングで出力された複数の識別情報に基づいて車両Cの現在位置を算出したのでは、算出結果が不正確なものとなるからである。すなわち、各通信機610(1201,1202)が受信される識別情報は、同一の車両Cから出力された識別情報であるかを特定でき、かつ、当該車両Cからどのタイミングで出力された識別情報であるかを特定できる。
このため、本実施例においては、車両Cから出力される識別情報には、当該識別情報を出力したタイミングを示す情報が含まれている。タイミングを示す情報としては、識別情報を出力した時刻を示す情報であってもよいし、以前に出力した識別情報ではないことを示す別の情報であってもよい。いずれにせよ、タイミングを示す情報は、各通信機610(1201,1202)で受信される識別情報が出力されたタイミングを特定できる情報であればよい。
なお、無線通信においては、駐車場500の面積が或る程度広い場合にも、識別情報の送受信に要する時間はごく短時間である。このため、駐車場500において車両Cから最も遠い通信機との通信に要する時間の間、同一の車両Cから複数の識別情報が出力されなければよいので、駐車場500において車両Cから最も遠い通信機との通信に要する時間の間よりも長い間隔であれば、同一の識別情報が繰り返し出力されてもよい。このように同一の識別情報を繰り返し出力することにより、たとえば、識別情報を出力した時刻を示す情報を用いる場合と比較して、識別情報のデータ量を少なく抑えることができる。
上述したように、距離T1,T2は、距離そのものを求める必要はなく、距離T1,T2の比を得ることができればよいため、車両Cの現在位置の算出に際しては、車両Cから出力される識別情報を受信するまでの時間の比に基づいて距離T1,T2の比を算出し、算出した距離T1,T2の比に基づいて車両Cの現在位置を算出するようにしてもよい。
図15および図16は、各通信機が車両から出力される識別情報を受信するまでの時間について説明する説明図である。車両Cの移動が通信機1201および1202の位置する直線上(1次元)に固定されている場合、各通信機1201および1202が車両Cから出力される識別情報を受信するまでの時間をそれぞれt1,t2とすると、時間t1,t2の比に基づいて車両Cの現在位置を算出することができる。
図15に示すように、車両Cが通信機1201(または1202)の真下に位置する場合、時間差Δt=t1−t2は最大値Δtmaxとなる。また、図16に示すように、車両Cが通信機1201および1202の中央に位置する場合、時間差Δt=t1−t2は最小値Δtmin(=0)となる。このことから、通信機1201座標(x1,h)または通信機1202の座標(x2,h)と、時間差Δtmaxに対する時間差Δtの割合によって、車両Cの現在位置を算出することができる。
時間差Δtに基づいて車両Cの現在位置を算出する場合、たとえば、時間差Δtmaxを複数段階に分割するとともに分割された時間差ごとに通信機1201(または1202)からの距離を対応付けておき、実測値に基づく時間差Δtに対応付けられた距離に基づいて、車両Cの現在位置を算出するようにしてもよい。なお、この場合、時間差Δtmaxの分割段階数は、車両Cの現在位置の算出に要求される精度に応じて設定すればよい。すなわち、要求精度が高い場合には、時間差Δtmaxをより多くの段階に分割する。これにより、分割された時間差に対応付けられる距離がより詳細に設定されるため、車両Cの現在位置の算出精度の向上を図ることができる。
図17は、駐車場内における車両の現在位置の特定について説明する説明図である。図17中、符号1701は、駐車場1700内において車両Cの走行が可能な通路である。通路1701は、駐車場1700内において格子状に複数設けられている。各通路1701が交差する位置には、それぞれ通信機1710が設けられている。駐車場1700においては、各通信機1710と車両Cとの通信時間に基づいて、どの通信機1710の真下を通過したかあるいはどの通信機1710との通信時間が短いかなどを判定することで、車両Cが現在位置する通路1701およびいずれの通信機1710の間に位置しているかを特定することができる。
車両Cが現在位置する通路1701およびいずれの通信機1710の間に位置しているかを特定することで、車両Cの現在位置を通信機1710a、1710bの2台を用いて特定することができる。すなわち、車両Cが現在位置する通路1701を特定することで、図17における上下方向の位置に関する演算処理が不要となるため、通信機1710a、1710bに対する車両Cの相対的な位置関係を、通路1701a上に反映させることで車両Cの現在位置を特定することができる。
このように、たとえば、駐車場1700内などのように、車両Cの走行位置が限定される領域内においては、特定された通路を考慮することによって、2台の通信機1710a、1710bを利用して車両Cの現在位置を算出した方が、3台の通信機1710を利用して車両Cの現在位置の算出する場合よりも、算出精度を向上させ、より確度の高いマップマッチングをおこなうことができる。また、屋外など所定数以上のGPS衛星を特定できる場合であっても同様に、車両Cの走行位置が限定される領域内においては、GPS衛星を利用して車両Cの現在位置の算出する場合よりも、算出精度を向上させ、より確度の高いマップマッチングをおこなうことができる。
以上説明したように、実施例2にかかる管理装置801によれば、駐車場500内を移動する車両Cの位置を管理装置801が検出することができる。このため、駐車スペースSの空き状況などを一元管理することができる。また、車両Cに割り当てスペースへの誘導情報を送信することによって、車両Cを割り当てスペースへ円滑に移動させることができる。この場合、車両に搭載されている通信装置が経路探索機能や経路誘導情報生成機能を有していない場合であっても、ナビゲーション装置620と同様の機能を果たすことができる。
なお、本実施の形態で説明した位置検出方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
実施の形態1にかかる位置検出装置の機能的構成を示すブロック図である。
位置検出装置の位置検出処理の手順を示すフローチャートである。
実施の形態2にかかる位置検出装置の機能的構成を示すブロック図である。
位置検出装置がおこなう位置検出処理の手順を示すフローチャートである。
実施例にかかる駐車場の一例を示す平面図である。
駐車場の通路における設備を示す説明図である。
駐車場の駐車スペースにおける設備を示す説明図である。
実施例にかかる駐車場管理システムのシステム構成図である。
実施例にかかる管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
実施例にかかる通信端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
ナビゲーション装置が駐車場内でおこなう経路誘導処理の手順を示すフローチャートである。
GPS代替情報から現在位置を算出する方法の一例を示す説明図である。
GPS代替情報から現在位置を算出する方法の一例を示す説明図である。
管理装置がおこなう駐車場管理処理の手順を示すフローチャートである。
各通信機が車両から出力される識別情報を受信するまでの時間について説明する説明図である。
各通信機が車両から出力される識別情報を受信するまでの時間について説明する説明図である。
駐車場内における車両の現在位置の特定について説明する説明図である。
符号の説明
100,300 位置検出装置
101 受信部
102,302 検出部
103 取得部
104 表示部
105 送信元特定部
106 決定部
107,305 通路特定部
301 入力部
303 算出部
304 送信部