JP6539923B2 - 車両感知器および車両感知システム - Google Patents

車両感知器および車両感知システム Download PDF

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Description

本発明は、車両感知器および車両感知システムに関し、特に、電波を用いた車両感知器および車両感知システムに関する。
道路上の交通状況を把握するために、車両感知装置による交通量および速度等の計測が行われている。
従来、ループ式およびカメラ式等の車両感知装置が用いられている。ループ式の車両感知装置は、路面下に埋設したループコイルのインダクタンスの変化を用いて、車両の通過等を感知する。また、カメラ式の車両感知装置は、カメラを用いて撮影した画像を処理して、道路上を走行する車両の存在等を感知する。
しかし、ループ式の車両感知装置は、設置のための施工が困難であり、設置後もケーブルの断線による故障が発生しやすい問題がある。また、カメラ式の車両感知器は、夜間または降雨時等に感知精度が低下する場合がある。
一方、電波式の埋設車両感知装置は、比較的容易に設置することができ、天候および昼夜の別の影響を受けることが少ない。電波式の埋設車両感知システムとして、たとえば、特許文献1(特開2004−21301号公報)には、以下のような車両感知システムが開示されている。すなわち、車両感知システムは、車両が走行する道路に設けられたアンテナから上方に向けて電波を放射させる電波放射手段と、前記車両の走行箇所と対向し、前記放射された電波を受信可能に配置されたアンテナを有し、受信電波の有無により車両の有無を感知する電波受信手段と、この車両有無感知結果に基づき車両の通過台数や渋滞状況を含む交通流を判定する交通流判定手段とを備える。
また、特許文献2(特開平2−48799号公報)には、以下のような車両感知器が開示されている。すなわち、車両感知器は、車両が通過する路面下に埋設され、車両の通過を感知するセンサ部と、地上に設置され、前記センサ部から発信された電波を受信して信号処理する信号処理部とを備え、前記センサ部は、自ら発信した電波を受信する受信手段と、受信電波の強度に応じた変調を行う変調手段と、変調した電波を発信する発信手段と、前記各手段に電力を供給するバッテリとからなり、センサ部の上を車両が通過したとき、車両から電波が反射して前記受信手段の受信レベルが高くなることから車両の通過を感知する。
特開2004−21301号公報 特開平2−48799号公報
しかしながら、特許文献1に記載の車両感知システムおよび特許文献2に記載の車両感知器では、車両の速度または車両の種類までは感知することができないため、より詳細な交通状況を把握する必要がある用途には不十分である。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、周囲環境によって大きな影響を受けることなく詳細な交通状況を容易に把握することが可能な車両感知器および車両感知システムを提供することである。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係る車両感知器は、他の装置から送信される電波を受信するアンテナと、前記アンテナによって受信される前記電波を測定し、測定結果の変化に基づいて車両に関する車両情報を作成する車両情報作成部とを備え、前記アンテナは、前記車両が通過する路面の下もしくは前記車両が停止する路面の下に埋設されるか、または前記車両が通過する路面もしくは前記車両が停止する路面に設置される。
(7)上記課題を解決するために、この発明の別の局面に係る車両感知器は、車両が通過する路面の下もしくは車両が停止する路面の下に埋設されるか、または車両が通過する路面もしくは車両が停止する路面に設置される路面側アンテナ、を備える送信装置から送信される電波を受信する測定アンテナと、前記測定アンテナによって受信される前記電波を測定し、測定結果の変化に基づいて前記車両に関する車両情報を作成する車両情報作成部とを備え、前記測定アンテナは、前記車両が通過する路面の上方または前記車両が停止する路面の上方に設置される。
(9)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係る車両感知システムは、受信装置と、1または複数の車両感知器とを備え、前記車両感知器は、前記車両感知器以外の装置から送信される電波を受信するアンテナと、前記アンテナによって受信される前記電波を測定し、測定結果の変化に基づいて車両に関する車両情報を作成する車両情報作成部と、前記車両情報を前記受信装置へ送信する通信部とを含み、前記アンテナは、前記車両が通過する路面の下もしくは前記車両が停止する路面の下に埋設されるか、または前記車両が通過する路面もしくは前記車両が停止する路面に設置され、前記受信装置は、各前記車両感知器から受信した前記車両情報に基づいて、総合的な車両情報を作成する。
(11)上記課題を解決するために、この発明の別の局面に係る車両感知システムは、車両が通過する路面の下もしくは車両が停止する路面の下に埋設されるか、または車両が通過する路面もしくは車両が停止する路面に設置される路面側アンテナを備える送信装置と、車両感知器とを備え、前記車両感知器は、前記路面側アンテナから送信される電波を受信する測定アンテナと、前記測定アンテナによって受信される前記電波を測定し、測定結果の変化に基づいて前記車両に関する車両情報を作成する車両情報作成部とを含み、前記測定アンテナは、前記車両が通過する路面の上方または前記車両が停止する路面の上方に設置される。
(14)上記課題を解決するために、この発明の別の局面に係る車両感知器は、磁界の変化を監視する監視部と、前記監視部の監視結果に基づいて、前記磁界の変化が所定条件を満たすタイミングを取得する取得部と、前記取得部によって取得されたタイミングに基づいて、車両の速度を算出する速度演算部とを備える。
(24)上記課題を解決するために、この発明の別の局面に係る車両感知システムは、受信装置と、1または複数の車両感知器とを備え、前記車両感知器は、磁界の変化を監視する監視部と、前記監視部の監視結果に基づいて、前記磁界の変化が所定条件を満たすタイミングを取得する取得部と、前記取得部によって取得されたタイミングに基づいて、車両の速度を算出する速度演算部と、前記速度演算部によって算出された前記速度を示す車両情報を前記受信装置へ送信する通信部とを含み、前記受信装置は、各前記車両感知器から受信した前記車両情報に基づいて、総合的な車両情報を作成する。
本発明は、このような特徴的な処理部を備える車両感知器として実現することができるだけでなく、かかる特徴的な処理をステップとする方法として実現したり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現したりすることができる。また、車両感知器の一部または全部を実現する半導体集積回路として実現することができる。
本発明によれば、周囲環境によって大きな影響を受けることなく詳細な交通状況を容易に把握することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車両感知システムの構成を示す図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る車両感知システムにおける車両感知器の感知用電波の受信を示す図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、車両感知器が受信する感知用電波の受信レベルの時間変化の一例を示す図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態に係る車両感知器の構成を示す図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態に係る車両感知器が無線機へ車両情報を送信するシーケンスの一例を示す図である。 図6は、本発明の第2の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、図2に示す距離Lと車両感知器が受信する感知用電波の受信レベルとの関係の一例を示す図である。 図7は、本発明の第3の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、車両感知器が受信する感知用電波の受信レベルの時間変化の一例を示す図である。 図8は、本発明の第4の実施の形態に係る車両感知システムにおける車両感知器の感知用電波の受信を示す図である。 図9は、本発明の第4の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、車両感知器が受信する感知用電波の受信レベルの時間変化の一例を示す図である。 図10は、本発明の第5の実施の形態に係る車両感知システムおける感知用電波の周波数と、感知用電波の受信レベルが所定値となる時の図2に示す距離Lとの関係を示す図である。 図11は、本発明の第5の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、図2に示す距離Lと車両感知器が受信する感知用電波の受信レベルとの関係の一例を示す図である。 図12は、本発明の第6の実施の形態に係る車両感知システムにおける車両感知器の感知用電波の受信を示す図である。 図13は、本発明の第7の実施の形態に係る車両感知システムの構成を示す図である。 図14は、本発明の第8の実施の形態に係る車両感知システムの構成を示す図である。 図15は、本発明の第8の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、車両感知器が受信する感知用電波の受信レベルの時間変化および車両感知器における磁界のレベルの時間変化の一例を示す図である。 図16は、本発明の第8の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、車両感知器が受信する感知用電波の受信レベルの時間変化および車両感知器における磁界のレベルの時間変化の他の例を示す図である。 図17は、本発明の第8の実施の形態に係る車両感知器の構成を示す図である。 図18は、本発明の第9の実施の形態に係る車両感知システムにおける磁界の測定を示す図である。 図19は、本発明の第9の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、図18に示す距離Lと車両感知器における磁界のレベルとの関係を示す図である。 図20は、本発明の第10の実施の形態に係る車両感知システムにおける車両感知器が放射した速度検出用電波の反射を示す図である。 図21は、本発明の第10の実施の形態に係る車両感知器の構成を示す図である。 図22は、本発明の第11の実施の形態に係る車両感知システムにおける車両感知器のアンテナの配置の一例を示す図である。 図23は、本発明の第11の実施の形態に係る車両感知器の構成を示す図である。 図24は、本発明の第11の実施の形態に係る車両感知システムにおける車両感知器のアンテナの配置の他の例を示す図である。 図25は、本発明の第12の実施の形態に係る車両感知システムの構成を示す図である。 図26は、本発明の第13の実施の形態に係る車両感知システムの構成を示す図である。 図27は、本発明の第13の実施の形態に係る車両感知システムにおける車両感知器の感知用電波の受信を示す図である。 図28は、本発明の第13の実施の形態に係る送信装置の構成を示す図である。 図29は、本発明の第13の実施の形態に係る車両感知器の構成を示す図である。 図30は、本発明の第13の実施の形態に係る車両感知器による感知用電波の測定結果の一例を示す図である。 図31は、本発明の第13の実施の形態に係る車両感知器による感知用電波の測定結果の他の例を示す図である。 図32は、本発明の第14の実施の形態に係る車両感知器が車両情報を作成するシーケンスの一例を示す図である。 図33は、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知システムの構成を示す図である。 図34は、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知システムにおける磁界の測定を示す図である。 図35は、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、図34に示す距離Lと車両感知器における磁界のレベルとの関係の一例を示す図である。 図36は、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知器の構成を示す図である。 図37は、車両感知システムにおける車両感知器が受信装置へ車両情報を送信するシーケンスの一例を示す図である。 図38は、本発明の第16の実施の形態に係る車両感知システムの構成を示す図である。
最初に、本発明の実施の形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る車両感知器は、他の装置から送信される電波を受信するアンテナと、前記アンテナによって受信される前記電波を測定し、測定結果の変化に基づいて車両に関する車両情報を作成する車両情報作成部とを備え、前記アンテナは、前記車両が通過する路面の下もしくは前記車両が停止する路面の下に埋設されるか、または前記車両が通過する路面もしくは前記車両が停止する路面に設置される。
このように、電波を用いる構成により、周囲環境による影響を抑えることができる。また、電波の測定により得られた値の変化から、たとえば、車両感知器の上方に車両が存在するか否かの情報だけでなく、当該車両の速度、車種または進行方向等の情報も取得することができるため、詳細な交通状況を容易に把握することができる。
(2)好ましくは、前記車両感知器は、バッテリに蓄えられた電力を用いて動作し、前記車両感知器は、さらに、前記車両情報作成部を間欠的に動作させるスリープ制御部を備え、前記スリープ制御部は、前記車両情報作成部の動作を停止した後、所定条件を満たす場合、前記車両情報作成部の動作を再開する。
このような構成により、車両感知器の上方を所定期間車両が通過しない場合に車両情報作成部の動作を停止させ、車両が当該車両感知器の上方を通過しようとしている場合に車両情報作成部の動作を再開させるような、間欠的な動作を行わせることができるため、車両感知器によるバッテリの電力消費を抑えて、たとえば、バッテリの交換頻度を下げることができる。特に、バッテリ内蔵の車両感知器またはバッテリ単体が路面の下に埋設されている場合には、バッテリ交換作業等の車両感知器の保守コストを効果的に削減することができる。
(3)好ましくは、前記車両感知器は、前記車両情報を受信装置へ送信する通信部を備え、前記通信部は、前記車両情報を受信可能である旨の通知または前記車両情報の送信指示を自己の前記車両感知器が前記受信装置から受信した場合に、前記車両情報を前記受信装置へ送信する。
このような構成により、たとえば、1つの受信装置に対して複数の車両感知器が設置される場合に、各車両感知器は他の車両感知器と異なるタイミングで車両情報を送信することができるため、各車両感知器から送信される電波の衝突を回避することができる。また、特定のタイミングにおいて車両情報を送信すればよいため、車両感知器による車両情報の送信回数を減らし、電力の消費を抑えることができる。なお、受信装置は、車両感知器において測定される電波を送信する装置であってもよいし、当該電波を送信する装置以外の装置であってもよい。
(4)より好ましくは、前記通信部は、前記車両情報を繰り返し送信し、前記車両情報の受信を完了した旨の通知を自己の前記車両感知器が前記受信装置から受信した場合に、前記車両情報の送信を停止する。
このような構成により、たとえば車両感知器および受信装置間の伝送路の状態が悪い場合でも、より確実に車両情報を受信装置へ伝送することができる。
(5)好ましくは、前記電波は、前記車両感知器以外の他の無線機と通信するために電波の送信を行う送信機、から送信される電波である。
このような構成により、既存の設備が送信する電波を利用して車両情報を作成することができるため、車両感知用の電波を送信する装置を新たに設置する場合に比べて、車両感知器を含む車両感知システムの導入コストを低下させることができる。
(6)好ましくは、前記車両感知器は、さらに、前記他の装置と前記アンテナ経由で信号を送受信することにより前記他の装置と通信する通信部を備え、前記車両情報作成部は、前記測定結果の変化、および前記通信部による前記他の装置から送信された信号の受信の可否に基づいて前記車両情報を作成する。
このような構成により、たとえば、他の装置と良好に通信を行うことができた場合における、当該通信に用いた電波の測定結果から車両情報を作成することができるため、ノイズ等の影響の少ない、品質の良好な電波を用いて、より信頼性の高い車両情報を作成することができる。
(7)本発明の実施の形態に係る車両感知器は、車両が通過する路面の下もしくは車両が停止する路面の下に埋設されるか、または車両が通過する路面もしくは車両が停止する路面に設置される路面側アンテナ、を備える送信装置から送信される電波を受信する測定アンテナと、前記測定アンテナによって受信される前記電波を測定し、測定結果の変化に基づいて前記車両に関する車両情報を作成する車両情報作成部とを備え、前記測定アンテナは、前記車両が通過する路面の上方または前記車両が停止する路面の上方に設置される。
このように、電波を用いる構成により、周囲環境による影響を抑えることができる。また、電波の測定により得られた値の変化から、たとえば、車両感知器の上方に車両が存在するか否かの情報だけでなく、当該車両の速度、車種または進行方向等の情報も取得することができるため、詳細な交通状況を容易に把握することができる。
(8)好ましくは、前記車両感知器は、さらに、前記送信装置と前記測定アンテナ経由で信号を送受信することにより前記送信装置と通信する通信部を備え、前記車両情報作成部は、前記測定結果の変化、および前記通信部による前記送信装置から送信された信号の受信の可否に基づいて前記車両情報を作成する。
このような構成により、たとえば、送信装置と良好に通信を行うことができた場合における、当該通信に用いた電波の測定結果から車両情報を作成することができるため、ノイズ等の影響の少ない、品質の良好な電波を用いて、より信頼性の高い車両情報を作成することができる。
(9)本発明の実施の形態に係る車両感知システムは、受信装置と、複数の車両感知器とを備え、前記車両感知器は、前記車両感知器以外の装置から送信される電波を受信するアンテナと、前記アンテナによって受信される前記電波を測定し、測定結果の変化に基づいて車両に関する車両情報を作成する車両情報作成部と、前記車両情報を前記受信装置へ送信する通信部とを含み、前記アンテナは、前記車両が通過する路面の下もしくは前記車両が停止する路面の下に埋設されるか、または前記車両が通過する路面もしくは前記車両が停止する路面に設置され、前記受信装置は、各前記車両感知器から受信した前記車両情報に基づいて、総合的な車両情報を作成する。
このように、電波を用いる構成により、周囲環境による影響を抑えることができる。また、電波の測定により得られた値の変化から、たとえば、車両感知器の上方に車両が存在するか否かの情報だけでなく、当該車両の速度、車種または進行方向等の情報も取得することができる。また、受信装置において、各車両感知器が取得した情報を集約して、車両感知器の上方を通過した車両のより正確な情報を作成することができるため、詳細な交通状況を容易に把握することができる。なお、受信装置は、車両感知器において測定される電波を送信する装置であってもよいし、当該電波を送信する装置以外の装置であってもよい。
(10)好ましくは、前記車両感知システムは、さらに、前記受信装置および前記各車両感知器間で時刻情報を送受信することにより、前記受信装置および前記各車両感知器を同期させる処理を行う同期処理部を備える。
このような構成により、たとえば、各車両感知器は、車両感知器ごとに定められた時刻に車両情報を送信することによって、他の車両感知器と異なるタイミングで車両情報を送信することができるため、各車両感知器が送信する電波の衝突を回避することができる。また、特定のタイミングにおいて車両情報を送信すればよいため、車両情報の送信回数を減らし、電力の消費を抑えることができる。また、車両感知システムが複数の車両感知器を備える場合、互いに同期した各車両感知器における電波の測定結果を用いて、より正確な車両情報を取得することができる。
(11)本発明の実施の形態に係る車両感知システムは、車両が通過する路面の下もしくは車両が停止する路面の下に埋設されるか、または車両が通過する路面もしくは車両が停止する路面に設置される送信装置と、車両感知器とを備え、前記車両感知器は、前記送信装置から送信される電波を受信するアンテナと、前記アンテナによって受信される前記電波を測定し、測定結果の変化に基づいて前記車両に関する車両情報を作成する車両情報作成部とを含み、前記アンテナは、前記車両が通過する路面の上方または前記車両が停止する路面の上方に設置される。
このように、電波を用いる構成により、周囲環境による影響を抑えることができる。また、電波の測定により得られた値の変化から、たとえば、送信装置の上方に車両が存在するか否かの情報だけでなく、当該車両の速度、車種または進行方向等の情報も取得することができるため、詳細な交通状況を容易に把握することができる。
(12)好ましくは、前記送信装置は、バッテリに蓄えられた電力を用いて動作し、前記送信装置は、前記路面側アンテナを用いて前記電波を送信する感知電波送信部と、前記感知電波送信部を間欠的に動作させるスリープ制御部とを含み、前記スリープ制御部は、前記感知電波送信部の動作を停止した後、所定条件を満たす場合、前記感知電波送信部の動作を再開する。
このような構成により、送信装置の上方を所定期間車両が通過しない場合に感知電波送信部の動作を停止させ、車両が当該送信装置の上方を通過しようとしている場合に感知電波送信部の動作を再開させるような、間欠的な動作を行わせることができるため、車両感知器によるバッテリの電力消費を抑えて、たとえば、バッテリの交換頻度を下げることができる。特に、バッテリ内蔵の送信装置またはバッテリ単体が路面の下に埋設されている場合には、バッテリ交換作業等の送信装置の保守コストを効果的に削減することができる。
(13)好ましくは、前記車両感知器は、さらに、前記送信装置と前記測定アンテナ経由で信号を送受信することにより前記送信装置と通信する通信部を含み、前記車両情報作成部は、前記測定結果の変化、および前記通信部による前記送信装置から送信された信号の受信の可否に基づいて前記車両情報を作成する。
このような構成により、たとえば、他の装置と良好に通信を行うことができた場合における、当該通信に用いた電波の測定結果から車両情報を作成することができるため、ノイズ等の影響の少ない、品質の良好な電波を用いて、より信頼性の高い車両情報を作成することができる。
(14)本発明の実施の形態に係る車両感知器は、磁界の変化を監視する監視部と、前記監視部の監視結果に基づいて、前記磁界の変化が所定条件を満たすタイミングを取得する取得部と、前記取得部によって取得されたタイミングに基づいて、車両の速度を算出する速度演算部とを備える。
このように、磁界を用いる構成により、周囲環境による影響を抑えることができる。また、磁界の変化から、車両感知器のそばを車両が通過したか否かの情報だけでなく、当該車両の速度の情報も取得することができるため、詳細な交通状況を容易に把握することができる。また、電波を用いて車両の速度を測定する車両感知器と比べて、車両感知に用いる電波を送信する構成および受信する構成の組が不要となり、単体の構成で磁界の変化を感知できるため、より簡単な構成で車両の速度を求めることができる。
(15)好ましくは、前記所定条件は、前記磁界の大きさが所定値または所定範囲に収束している状態から上昇してピーク値に達することである。
このような構成により、たとえば、車両において強い磁界を発生させる部分が、車両感知器に最も接近するタイミングを取得することができるため、たとえば、磁界の大きさが上昇し始めてからピーク値に達するまでに掛かった時間に基づいて、車両の速度を算出することができる。
(16)好ましくは、前記速度演算部は、前記取得部によって取得されたタイミングに基づいて前記車両における特定部の位置を推定し、前記取得部によって取得されたタイミングおよび推定した前記位置に基づいて前記車両の速度を算出する。
このような構成により、たとえば、磁界の変化に基づいて、車両の先端部と車両において強い磁界を発生させる部分との距離を推定することができ、磁界の変化および推定した当該距離に基づいて、車両の速度を算出することができる。すなわち、たとえば、当該距離が車両に依らず一定であると仮定して速度を算出した場合と比べて、正確な車両の速度を求めることができる。
(17)より好ましくは、前記取得部は、所定値または所定範囲に収束している状態の前記磁界の大きさが上昇し始める第1タイミング、前記第1タイミングの後に前記磁界の大きさがピーク値に達する第2タイミング、および前記第2タイミングの後に前記磁界の大きさが低下して前記所定値または前記所定範囲に収束する第3タイミングを取得し、前記速度演算部は、前記取得部によって取得された前記第2タイミングおよび前記第3タイミングに基づいて前記位置を推定し、前記速度演算部は、前記取得部によって取得された前記第1タイミングおよび前記第2タイミング、ならびに推定した前記位置に基づいて、前記車両の速度を算出する。
このような構成により、磁界の変化に基づいて取得した複数のタイミングに着目して、より正確な車両の速度を求めることができる。具体的には、たとえば、まず、磁界の大きさが上昇し始めてからピーク値に達するまでに掛かった時間と、磁界の大きさが上昇し始めてから元の値または範囲に戻るまでに掛かった時間との比に基づいて、車両が大型車であるか否か等を推定する。次に、車両が大型車であるか否か等の推定結果に基づいて、車両の先端部と車両において強い磁界を発生させる部分との距離を推定する。そして、推定した当該距離を、磁界の大きさが変化し始めた時間からピーク値に達するまでに掛かった時間で割ることにより、より正確な車両の速度を算出することができる。
(18)好ましくは、前記車両感知器は、さらに、前記車両における特定部の位置を示す情報を記憶する記憶部を備え、前記速度演算部は、前記取得部によって取得されたタイミング、および前記記憶部によって記憶された前記情報の示す前記位置に基づいて、前記車両の速度を算出する。
このような構成により、たとえば、一般的な車両における、車両の先端部と強い磁界を発生させる部分との距離を記憶部に保存しておくことができるため、当該距離を演算処理等行うことなく取得することできる。そして、磁界の変化および記憶部から取得した当該距離に基づいて、車両の速度を容易に算出することができる。
(19)好ましくは、前記取得部は、前記磁界の大きさがピーク値に達する第2タイミング、および前記第2タイミングの後に前記磁界の大きさが低下して所定値または所定範囲に収束する第3タイミングを取得し、前記車両感知器は、さらに、前記速度演算部によって算出された前記速度および前記取得部によって取得された前記第3タイミングに基づいて前記車両の長さを算出する車長演算部を備える。
このような構成により、たとえば、磁界の大きさが上昇し始めてから元の値または範囲に戻るまでに掛かった時間に車両の速度を掛けることで、車両の長さを算出することができる。
(20)より好ましくは、前記車両感知器は、さらに、前記車長演算部によって算出された前記車両の長さに基づいて、前記車両の種類を判別する判別部を備える。
このような構成により、車両の長さに応じて、たとえば、車両を大型車、中型車または小型車のいずれか1つに分類することができる。
(21)好ましくは、前記車両感知器は、バッテリに蓄えられた電力を用いて動作し、 前記車両感知器は、さらに、前記速度演算部および前記取得部の少なくともいずれか一方を間欠的に動作させるスリープ制御部を備え、前記スリープ制御部は、前記速度演算部および前記取得部の少なくともいずれか一方の動作を停止した後、所定条件を満たす場合、動作を停止させた、前記速度演算部および前記取得部の少なくともいずれか一方の動作を再開する。
このような構成により、たとえば、車両感知器のそばを所定期間車両が通過しない場合に速度演算部および取得部の動作を停止させ、車両が車両感知器に接近してきた場合に速度演算部および取得部の動作を再開させるような、間欠的な動作を行わせることができる。そして、これにより、車両感知器によるバッテリの電力消費を抑えて、たとえば、バッテリの交換頻度を下げることができる。特に、バッテリ内蔵の車両感知器またはバッテリ単体が路面の下に埋設されている場合には、バッテリ交換作業等の車両感知器の保守コストを効果的に削減することができる。
(22)好ましくは、前記車両感知器は、さらに、前記速度演算部によって算出された前記車両の速度を示す車両情報を受信装置へ送信する通信部を備え、前記通信部は、前記車両情報を受信可能である旨の通知または前記車両情報の送信指示を自己の前記車両感知器が前記受信装置から受信した場合に、前記車両情報を前記受信装置へ送信する。
このような構成により、たとえば、1つの受信装置に対して複数の車両感知器が設置される場合に、各車両感知器は他の車両感知器と異なるタイミングで車両情報を送信することができるため、各車両感知器から送信される電波の衝突を回避することができる。また、特定のタイミングにおいて車両情報を送信すればよいため、車両感知器による車両情報の送信回数を減らし、電力の消費を抑えることができる。
(23)より好ましくは、前記通信部は、前記車両情報を繰り返し送信し、前記車両情報の受信を完了した旨の通知を自己の前記車両感知器が前記受信装置から受信した場合に、前記車両情報の送信を停止する。
このような構成により、たとえば車両感知器および受信装置間の伝送路の状態が悪い場合でも、より確実に車両情報を受信装置へ伝送することができる。
(24)本発明の実施の形態に係る車両感知システムは、受信装置と、1または複数の車両感知器とを備え、前記車両感知器は、磁界の変化を監視する監視部と、前記監視部の監視結果に基づいて、前記磁界の変化が所定条件を満たすタイミングを取得する取得部と、前記取得部によって取得されたタイミングに基づいて、車両の速度を算出する速度演算部と、前記速度演算部によって算出された前記速度を示す車両情報を前記受信装置へ送信する通信部とを含み、前記受信装置は、各前記車両感知器から受信した前記車両情報に基づいて、総合的な車両情報を作成する。
このように、磁界を用いる構成により、周囲環境による影響を抑えることができる。また、磁界の変化から、車両感知器のそばを車両が通過したか否か情報だけでなく、当該車両の速度の情報も取得することができる。また、受信装置において、各車両感知器が取得した情報を集約して、車両感知器のそばを通過した車両のより正確な情報を作成することができるため、詳細な交通状況を容易に把握することができる。また、電波を用いて車両の速度を測定する車両感知システムと比べて、車両感知に用いる電波を送信する構成および受信する構成の組が不要となり、単体の構成で磁界の変化を感知できるため、より簡単な構成で車両の速度を求めることができる。
(25)好ましくは、前記車両感知システムは、さらに、前記受信装置および前記各車両感知器間で時刻情報を送受信することにより、前記受信装置および前記各車両感知器を同期させる処理を行う同期処理部を備える。
このような構成により、たとえば、各車両感知器は、車両感知器ごとに定められた時刻に車両情報を送信することによって、他の車両感知器と異なるタイミングで車両情報を送信することができるため、各車両感知器が送信する電波の衝突を回避することができる。また、特定のタイミングにおいて車両情報を送信すればよいため、車両情報の送信回数を減らし、電力の消費を抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車両感知システムの構成を示す図である。
図1を参照して、車両感知システム101は、車両感知器11と、無線機12と、アンテナ13とを備える。
無線機12は、たとえば、車両10が走行する道路14の脇に設置される。無線機12は、アンテナ13と接続され、RF帯の周波数の電気信号をアンテナ13へ送る。車両10は、矢印70が示す方向へ走行している。
アンテナ13は、道路14の路面より高い位置、すなわち道路14の上方に設置される。アンテナ13は、無線機12から受けたRF帯の周波数の電気信号を電波に変換して道路14へ放射する。なお、アンテナ13が設置される位置は、道路14の上方であれば、道路14の真上であってもよいし、道路14の道路脇であってもよい。
車両感知器11は、たとえば道路14の路面の下に埋設される。車両感知器11は、アンテナ13から放射される電波を受信し、受信した電波の受信レベルの変化に基づいて、道路14を通過する車両10を感知する。
以下、車両感知器11以外の他の装置から放射され、車両感知器11が車両10を感知するために用いられる電波を感知用電波とも称する。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る車両感知システムにおける車両感知器の感知用電波の受信を示す図である。
図2を参照して、車両10は、車両感知器11の上方を走行しており、車両10の一部が、アンテナ13および車両感知器11間を結ぶ直線上に位置している。
アンテナ13から放射されて車両感知器11へ直進する感知用電波は、車両10によって遮断されるため、車両感知器11に到達しない。しかしながら、アンテナ13から放射された感知用電波の一部は、車両10の端部から車両10の下方へ周り込み、車両感知器11へ到達する。
以下、車両感知器11へ直進する感知用電波を直接波とも称する。また、車両10の端部から車両10の下方へ周り込む感知用電波を回折波とも称する。
図2に示すLは、路面における車両10の前端の対応位置、たとえば車両10の前端の真下の路面上の点と、路面における車両感知器11のアンテナの対応位置、たとえば車両感知器11のアンテナの真上の路面上の点との距離を示す。
たとえば、車両10の前端から車両10の下方へ回り込むことにより車両感知器11に到達する感知用電波の受信レベルは、距離Lが大きくなるにしたがって小さくなる。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、車両感知器が受信する感知用電波の受信レベルの時間変化の一例を示す図である。
図3を参照して、グラフの横軸は時間を示し、縦軸は車両感知器11が受信した感知用電波の受信レベルを示す。グラフは、車両10が車両感知器11の上方を通過する際の、車両感知器11が受信する感知用電波の受信レベルの時間変化を示している。
感知用電波の受信レベルは、車両10が無線機12からの直接波を遮断していないときにはレベルShである。そして、感知用電波の受信レベルは、無線機12からの直接波が車両10により遮断される時刻t0から低下し始め、時刻t1においてレベルSbに到達して一定となる。レベルSbは、車両感知器11による受信レベルの測定下限であり、たとえばフロアノイズの受信レベルである。
そして、感知用電波の受信レベルは、時刻t2から上昇し始め、車両感知器11が無線機12からの直接波を再び受信し始める時刻t3においてレベルShに戻る。
また、時刻t0から時刻t3までの期間Ta、時刻t0から時刻t1までの期間Tb、時刻t1から時刻t2までの期間Tcおよび時刻t2から時刻t3までの期間Tdは、車両10の速度に依存し、たとえば、車両10の速度が速いほど短くなる。
また、期間Tbおよび期間Tdは、車両10の速度が一定の場合、車両10の車長に依らず一定である。一方、期間Taおよび期間Tcは、車両10の速度が一定の場合であっても、車両10の車長に依存し、たとえば、車両10の車長が長いほど長くなる。
なお、一般に、電波は周波数が高いほど物体の陰へ回り込みにくい、すなわち回折しにくい性質がある。したがって、感知用電波の周波数によっては、期間Tbおよび期間Tdは、車両10の車体底面の高さに依存する。
無線機12は、期間Tbおよび期間Tdが車両10の車体底面の高さに大きくは依存しない周波数の感知用電波を放射する。
ここで、車両10の車長が一定の場合、たとえば、TaとTcとの比は、車両10の速度に依らず一定である。したがって、車両10の車長が一定の場合、Tc/Taは一定となる。
一方、Tc/Taは、車両10の車長によって異なる値となる。具体的には、車両10の車長が長い場合には、Tc/Taは大きくなり、車両10の車長が短い場合には、Tc/Taは小さくなる。
したがって、車両感知器11は、Tc/Taに基づいて、車両10の車長を求めることができる。また、車両感知器11は、たとえば、Tc/Taに基づいて、あらかじめ定めたしきい値を基準として、車両10の車種を小型車または大型車等に分類する。
また、Taは、車両10が直接波を遮断している期間、すなわち、走行している車両10の前端が道路14における特定の位置に到達してから、車両10の後端が当該特定の位置を通過するまでの期間である。したがって、Tc/Taに基づいて求めた、車両10の車長をDとすると、車両感知器11は、D/Taに基づいて、車両10の速度を算出する。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る車両感知器の構成を示す図である。
図4を参照して、車両感知器11は、アンテナ31と、通信部32と、車両情報作成部33と、スリープ制御部34と、管理部35と、記憶部36と、電池部37と、磁気センサ38とを備える。
車両感知器11は、たとえば、バッテリに蓄えられた電力を用いて動作する。具体的には、電池部37は、当該バッテリを含み、バッテリの出力を所定の電圧レベルに変換して車両感知器11全体へ供給する。
なお、車両感知器11は、電池部37を備える構成に限らず、電池部37を備えない構成であってもよい。車両感知器11が電池部37を備えない場合、車両感知器11は、たとえば車両感知器11の外部に設置されたバッテリから電力の供給を受ける。
アンテナ31は、車両感知器11における他のユニットとともに車両10が通過する道路14の路面の下に埋設され、他の装置、たとえば無線機12から感知用電波を受信する。アンテナ31は、受信した感知用電波を電気信号に変換して通信部32、車両情報作成部33およびスリープ制御部34へ送る。
なお、アンテナ31は、車両10が通過する道路14の路面の下に限らず、車両10が通過する道路14の路面に設置されてもよい。また、アンテナ31は、たとえば駐車場のように車両10が停止する路面の下に埋設されてもよいし、車両10が停止する路面に設置されてもよい。
また、アンテナ31は、車両感知器11および無線機12間の通信にも用いられる。たとえば、アンテナ31は、通信部32から電気信号を受けて、受けた電気信号を電波に変換して無線機12へ送信する。
通信部32は、電波を送信する無線機12とアンテナ31経由で信号を送受信することにより無線機12と通信する。具体的には、通信部32は、管理部35から受ける情報をアンテナ31経由で無線機12へ送信し、また、無線機12からアンテナ31経由で受信する情報を管理部35へ送る。
車両情報作成部33は、アンテナ31によって受信される感知用電波を測定し、測定結果の変化に基づいて車両10に関する車両情報を作成する。具体的には、車両情報作成部33は、アンテナ31から受ける電気信号のレベルを所定間隔で測定し、たとえば図3に示すような時間と受信レベルとの関係の情報(以下、時間レベル情報とも称する。)を作成する。
また、車両情報作成部33は、作成した時間レベル情報に含まれるTaおよびTcからTc/Taを計算して車両10の車長Dを求め、車長Dに基づいて、車両10の車種を判定する。
そして、車両情報作成部33は、車両10の車長Dを示す車長情報および車両10の車種を示す車種情報を作成する。
また、車両情報作成部33は、D/Taを計算し、D/Taに基づいて、車両10の速度を算出し、車両10の速度を示す速度情報を作成する。
車両情報作成部33は、作成した時間レベル情報、車長情報、車種情報および速度情報を管理部35へ送る。
管理部35は、車両情報作成部33から受けた車両情報である時間レベル情報、車長情報、車種情報および速度情報を記憶部36に保存する。
スリープ制御部34は、車両情報作成部33を間欠的に動作させる。具体的には、たとえば、スリープ制御部34は、アンテナ31から受ける電気信号のレベルに基づいて、所定期間、車両10が車両感知器11の上方を通過していないと判断した場合、車両情報作成部33の動作を停止する。
また、スリープ制御部34は、車両情報作成部33の動作を停止した後、所定条件を満たす場合、車両情報作成部33の動作を再開する。
具体的には、たとえば、スリープ制御部34は、アンテナ31から受ける電気信号のレベルを監視し、当該レベルに変化があった場合、当該レベルの変化から車両10の接近を感知して、車両情報作成部33の動作を再開する。そして、車両情報作成部33は、感知用電波の受信レベルを測定し、測定結果の変化に基づいて車両10に関する車両情報を作成する。
また、たとえば、車両10の車体の大部分は金属によって構成されており、さらに、車両10が一般的に備えるダイナモの周辺には強い磁界が発生している。したがって、車両10が車両感知器11に接近した場合、車両感知器11における磁界のレベルまたは磁界の向きが変化する。
磁気センサ38は、車両感知器11における磁界のレベルまたは磁界の向きを測定し、測定結果をスリープ制御部34へ送る。
スリープ制御部34は、磁気センサ38から受ける磁界のレベル、または磁界の向きの測定結果を監視し、たとえば測定結果に変化があった場合、測定結果の変化から車両10の接近を感知して、車両情報作成部33の動作を再開する。
なお、アンテナ31は、車両感知器11における他のユニットとともに路面の下または路面に設置される構成に限らず、当該他のユニットと別個の場所に設置されてもよい。この場合、当該他のユニットは、たとえば路面の上方に設置されてもよい。
また、車両情報作成部33は、感知用電波の受信レベルの測定結果から、所定期間における車両10の平均速度、車種別台数および占有率を算出し、算出結果を示す車両情報を作成してもよい。ここで、占有率とは、車両感知器11の上方に車両10が存在している時間の比率をいう。一般的に、交通量が多くなると占有率は増加する。
また、車両感知システム101は、1つの無線機12に対して1つの車両感知器11が設置される構成に限らず、1つの無線機12に対して複数の車両感知器11が設置される構成であってもよい。
図5は、車両感知システムにおける車両感知器が無線機へ車両情報を送信するシーケンスの一例を示す図である。
車両感知システムにおける各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下に示すシーケンスの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図5は、1つの無線機12に対して2つの車両感知器11Aおよび車両感知器11Bが設置される場合を示す。
図5を参照して、無線機12は、道路14へ向けて感知用電波を放射する(ステップS11)。車両感知器11Aおよび車両感知器11Bは、無線機12から放射される感知用電波を受信し、受信した感知用電波の受信レベルの変化に基づいて、通過する車両10を感知する。
次に、車両感知器11Aは、車両10を感知した場合、当該車両10の車両情報を作成し(ステップS12)、作成した車両情報を記憶部36に保存する(ステップS13)。車両感知器11Aは、車両10が通過するごとに、車両10の車両情報を作成して記憶部36に保存する(ステップS12およびステップS13)。
また、車両感知器11Bは、車両10を感知した場合、当該車両10の車両情報を作成し(ステップS14)、作成した車両情報を記憶部36に保存する(ステップS15)。車両感知器11Bは、車両10が通過するごとに、車両10の車両情報を作成して記憶部36に保存する(ステップS14およびステップS15)。
次に、車両情報の受信装置、たとえば無線機12は、車両情報を受信可能である旨の通知として、受信可能通知を車両感知器11Aへ送信する(ステップS16)。
次に、車両感知器11Aは、無線機12から受信可能通知を受信して、自己の記憶部36に車両情報が保存されている場合には、当該車両情報を無線機12へ送信する(ステップS17)。
具体的には、車両感知器11Aにおいて、管理部35は、受信可能通知を通信部32経由で無線機12から受信した場合に、記憶部36から車両情報を取り出して通信部32へ送る。通信部32は、管理部35から受けた車両情報を無線機12へ送信する。
次に、無線機12は、車両感知器11Aから送信された車両情報を適切に受信した場合には、車両情報の受信を完了した旨の通知として受信完了通知を車両感知器11Aへ送信する(ステップS18)。
ここで、車両感知器11Aは、無線機12へ車両情報を最初に送信した後、無線機12から受信完了通知を受信するまでの間、当該車両情報を無線機12へ繰り返し送信する。
具体的には、たとえば、車両感知器11Aにおいて、通信部32は、当該車両情報を無線機12へ繰り返し送信し、当該車両情報の受信完了通知を車両感知器11Aが無線機12から受信した場合に、当該車両情報の送信を停止する。
次に、車両感知器11Aは、無線機12から受信完了通知を受信して、無線機12へ送信した車両情報を自己の記憶部36から消去する(ステップS19)。
次に、無線機12は、受信可能通知を車両感知器11Bへ送信する(ステップS20)。
次に、車両感知器11Bは、無線機12から受信可能通知を受信して、自己の記憶部36に車両情報が保存されている場合には、当該車両情報を無線機12へ送信する(ステップS21)。また、車両感知器11Bは、無線機12から受信完了通知を受信するまでの間、当該車両情報を繰り返し無線機12へ送信する。
次に、無線機12は、車両感知器11Bから送信された車両情報を適切に受信した場合には、受信完了通知を車両感知器11Bへ送信する(ステップS22)。
次に、車両感知器11Bは、無線機12から受信完了通知を受信して、無線機12に送信した車両情報を自己の記憶部36から消去する(ステップS23)。
次に、無線機12は、車両感知器11Aから受信した車両情報および車両感知器11Bから受信した車両情報に基づいて、総合的な車両情報を作成する(ステップS24)。
たとえば、1台の車両10が道路14を走行した際に、複数の車両感知器11が当該車両10を対象とした車両情報を作成して無線機12へ送信した場合、無線機12は、たとえば所定間隔以内に各車両感知器11から受信した車両情報を特定の車両10に関する車両情報として互いに関連付ける。そして、無線機12は、互いに関連付けた車両情報から、より正確な車両情報を作成する。
具体的には、たとえば、無線機12は、互いに関連付けた複数の車両情報から、各車両感知器11よって算出された車両10の速度を取得し、取得した車両10の各速度を平均することにより、より正確な車両10の速度を算出する。
また、たとえば、無線機12は、互いに関連付けた複数の車両情報から、各車両感知器11によって算出された車両10の車長を取得し、取得した車両10の各車長を平均することにより、より正確な車両10の車長を算出する。そして、無線機12は、算出した車両10の車長から、車両10の車種を判定する。
また、たとえば、無線機12は、自己が算出した車両10の速度、および自己が判定した車両10の車種を示す情報を所定期間蓄積し、当該期間における車両10の平均速度および車種別台数を算出する。
なお、無線機12は、車両感知器11へ受信可能通知を送信する構成に限らず、車両情報の送信指示を送信してもよい。車両感知器11が無線機12から車両情報の送信指示を受信した場合、当該車両感知器11における管理部35は、記憶部36から車両情報を取り出して通信部32へ送る。通信部32は、管理部35から受けた車両情報を無線機12へ送信する。
また、車両感知器11は、磁気センサ38を備える構成に限らず、磁気センサ38を備えない構成であってもよいし、磁気センサ38の代わりに振動センサを備える構成であってもよい。
車両感知器11が、磁気センサ38の代わりに振動センサを備える場合、当該振動センサは、たとえば道路14の振動を測定し、測定結果をスリープ制御部34へ送る。
スリープ制御部34は、当該振動センサによる測定結果を監視し、たとえば振動の測定結果に変化があった場合に、車両10の接近を感知して、車両情報作成部33の動作を再開する。
また、スリープ制御部34は、たとえば車両感知システムに要求される統計的な精度に応じて、車両情報作成部33の動作の停止および動作の再開を所定間隔で繰り返してもよい。
また、管理部35は、車両情報を圧縮して記憶部36に保存してもよい。管理部35は、圧縮した状態の車両情報を送信してもよい。管理部35が情報を圧縮して送信することにより、電池部37におけるバッテリの消費電力を抑えることができる。
なお、車両情報作成部33は、時間レベル情報、車長情報、車種情報および速度情報の全部を作成する構成に限らず、一部を作成する構成であってもよい。
たとえば、車両情報作成部33が、これらの情報のうち時間レベル情報のみを作成した場合、車両感知器11は、車両情報として当該時間レベル情報を無線機12へ送信する。
無線機12は、車両感知器11から時間レベル情報を受信し、受信した時間レベル情報に基づいて、総合的な車両情報、たとえば車長情報、車種情報および速度情報等を作成する。
ところで、特許文献1に記載の車両感知システムおよび特許文献2に記載の車両感知器では、車両10の速度または車両10の種類までは感知することができないため、より詳細な交通状況を把握する必要がある用途には不十分である。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る車両感知器では、アンテナ31は、無線機12から送信される感知用電波を受信する。車両情報作成部33は、アンテナ31によって受信される感知用電波を測定し、測定結果の変化に基づいて車両10に関する車両情報を作成する。また、アンテナ31は、車両10が通過する路面の下もしくは車両10が停止する路面の下に埋設されるか、または車両10が通過する路面もしくは車両10が停止する路面に設置される。
このように、電波を用いる構成により、周囲環境による影響を抑えることができる。また、感知用電波の測定により得られた値の変化から、たとえば、車両感知器11の上方に車両10が存在するか否かの情報だけでなく、当該車両10の速度または車種等の情報も取得することができるため、詳細な交通状況を容易に把握することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る車両感知器では、スリープ制御部34は、車両情報作成部33を間欠的に動作させる。スリープ制御部34は、車両情報作成部33の動作を停止した後、所定条件を満たす場合、車両情報作成部33の動作を再開する。また、車両感知器11は、バッテリに蓄えられた電力を用いて動作する。
このような構成により、車両感知器11の上方を所定期間車両10が通過しない場合に車両情報作成部33の動作を停止させ、車両10が当該車両感知器11の上方を通過しようとしている場合に車両情報作成部33の動作を再開させるような、間欠的な動作を行わせることができるため、車両感知器11によるバッテリの電力消費を抑えて、たとえば、バッテリの交換頻度を下げることができる。特に、バッテリ内蔵の車両感知器11またはバッテリ単体が路面の下に埋設されている場合には、バッテリ交換作業等の車両感知器11の保守コストを効果的に削減することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る車両感知器では、通信部32は、車両情報を受信可能である旨の通知または車両情報の送信指示を自己の車両感知器11が無線機12から受信した場合に、車両情報を無線機12へ送信する。
このような構成により、たとえば、1つの無線機12に対して複数の車両感知器11が設置される場合に、各車両感知器11は他の車両感知器11と異なるタイミングで車両情報を送信することができるため、各車両感知器11から送信される感知用電波の衝突を回避することができる。また、特定のタイミングにおいて車両情報を送信すればよいため、車両感知器11による車両情報の送信回数を減らし、電力の消費を抑えることができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る車両感知器では、通信部32は、車両情報を繰り返し送信し、車両情報の受信を完了した旨の通知を自己の車両感知器11が無線機12から受信した場合に、車両情報の送信を停止する。
このような構成により、たとえば車両感知器11および無線機12間の伝送路の状態が悪い場合でも、より確実に車両情報を無線機12へ伝送することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る車両感知システムでは、アンテナ31は、車両感知器11以外の装置から送信される感知用電波を受信する。車両情報作成部33は、アンテナ31によって受信される感知用電波を測定し、測定結果の変化に基づいて車両10に関する車両情報を作成する。通信部32は、車両情報を無線機12へ送信する。また、アンテナ31は、車両10が通過する路面の下もしくは車両10が停止する路面の下に埋設されるか、または車両10が通過する路面もしくは車両が停止する路面に設置される。無線機12は、各車両感知器11から受信した車両情報に基づいて、総合的な車両情報を作成する。
このように、電波を用いる構成により、周囲環境による影響を抑えることができる。また、各車両感知器11において、感知用電波の測定により得られた値の変化から、たとえば、車両感知器11の上方を車両10が存在するか否かの情報だけでなく、当該車両10の速度または車種等の情報も取得することができる。また、無線機12において、各車両感知器11が取得した情報を集約して、車両感知器11の上方を通過した車両10のより正確な情報を作成することができるため、詳細な交通状況を容易に把握することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る車両感知システムと比べて、速度の算出方法が異なる車両感知システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様である。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、図2に示す距離Lと車両感知器が受信する感知用電波の受信レベルとの関係の一例を示す図である。
図6を参照して、グラフの横軸は距離Lを示し、縦軸は車両感知器11が受信した感知用電波の受信レベルを示す。グラフは、車両10が車両感知器11の上方を通過する際の、車両感知器11が受信する感知用電波の受信レベルの時間変化を示している。
感知用電波の受信レベルは、車両10が無線機12からの直接波を遮断していないときにはレベルShである。そして、感知用電波の受信レベルは、無線機12からの直接波が車両10により遮断されるL=0の位置から低下し始め、距離L1においてレベルSbに到達して一定となる。レベルSbは、車両感知器11による受信レベルの測定下限であり、たとえばフロアノイズの受信レベルである。
そして、感知用電波の受信レベルは、距離L2から上昇し始め、車両感知器11が無線機12からの直接波を再び受信し始める距離L3においてレベルShに戻る。
以下、L=0となった時刻t0からL=L1となった時刻t1までを受信レベルの立ち下がり時間とも称する。
また、L=L2となった時刻t2からL=L3となった時刻t3までを受信レベルの立ち上がり時間とも称する。
たとえば、距離L1は、車両10の速度および車長に依らず一定である。一方、受信レベルの立ち下がり時間は、車両10の速度に依存し、たとえば、車両10の速度が速いほど小さくなる。
したがって、車両感知器11は、距離L1および受信レベルの立ち下がり時間に基づいて、車両10の速度を求めることができる。
なお、感知用電波の周波数によっては、距離L1は、車両10の車体底面の高さに依存するが、無線機12は、距離L1が車両10の車体底面の高さに大きくは依存しない周波数の感知用電波を放射する。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る車両感知器の構成も示している。
図4を参照して、記憶部36は、たとえば、事前に行われた実験により得られた距離L1,L2,L3を記憶している。
車両情報作成部33は、アンテナ31によって受信される感知用電波の受信レベルを測定し、測定結果から時刻t1および時刻t2を取得する。また、車両情報作成部33は、距離L1を、管理部35を介して記憶部36から取得する。
ここで、受信レベルの立ち下がり時間に基づく車両10の速度をVaとすると、車両情報作成部33は、以下の式に従って速度Vaを算出する。
Va=L1/(t1−t0)
同様に、車両情報作成部33は、受信レベルの立ち上がり時間に基づいて、車両10の速度を算出する。受信レベルの立ち上がり時間に基づく車両10の速度をVbとすると、車両情報作成部33は、以下の式に従って速度Vbを算出する。
Vb=(L3−L2)/(t3−t2)
また、車両情報作成部33は、速度Vaおよび速度Vbの両方を用いて、より精度よく車両10の速度を求めることができる。たとえば、車両感知器11は、速度Vaおよび速度Vbの平均値を車両10の速度として算出することができる。
また、上記のように、無線機12が放射する感知用電波の周波数によっては、距離L1は、車両10の車体底面の高さに依存する。無線機12が、車両10の車体底面の高さに距離L1が依存する周波数の感知用電波を放射する場合、距離L1は、車両10の車高が高いほど大きくなり、車両10の車高が低いほど小さくなる。車体の高さは、車両10の車種によって異なり、たとえば大型車は高く、小型車は低い傾向がある。
車両10の車体底面の高さが距離L1に大きく影響する場合、車両感知器11は、たとえば、速度Vaを算出する際、速度Vaの算出に用いる距離L1を車種ごとに切り替える。
以下、車両10が大型車の場合における距離L1を距離Lbbとし、車両10が小型車の場合における距離L1を距離Lssとする。距離Lbbは、たとえば、事前に行われた実験により得られた複数の大型車の距離L1の平均値である。距離Lssは、たとえば、事前に行われた実験により得られた複数の小型車の距離L1の平均値である。記憶部36は、距離Lbbおよび距離Lssをあらかじめ記憶している。
車両情報作成部33は、アンテナ31から受ける電気信号のレベルを所定間隔で測定する。そして、車両情報作成部33は、測定結果から時刻t0および時刻t1を取得する。
また、車両情報作成部33は、当該測定結果から図3に示すTcおよびTaを取得し、Tc/Taを計算する。そして、車両情報作成部33は、Tc/Taに基づいて、車両10の車種を判定する。
車両感知器11は、車種の判定結果に応じて、記憶部36が記憶している距離Lbbおよび距離Lssのいずれかを選択して取得し、取得した距離Lbbまたは距離Lssを用いて車両10の速度を算出する。
具体的には、車両情報作成部33は、車両10の車種に応じて、以下の式のいずれかを用いて車両10の速度を算出する。
Va=Lbb/(t1−t0)
Va=Lss/(t1−t0)
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る車両感知システムと比べて、車種の判定方法および速度の算出方法が異なる車両感知システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様である。
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、車両感知器が受信する感知用電波の受信レベルの時間変化の一例を示す図である。
図7を参照して、グラフの横軸は時間を示し、縦軸は車両感知器11が受信した感知用電波の受信レベルを示す。グラフは、車両10が車両感知器11の上方を通過する際の、車両感知器11が受信する感知用電波の受信レベルの時間変化を示している。
感知用電波の受信レベルは、車両10が無線機12からの直接波を遮断していないときにはレベルShである。そして、感知用電波の受信レベルは、無線機12からの直接波が車両10により遮断される時刻t0から低下し始め、時刻t1において最も低い受信レベルであるレベルSbまで低下する。そして、感知用電波の受信レベルは、時刻t1から上昇し、車両感知器11が無線機12からの直接波を再び受信し始める時刻t2においてレベルShに戻る。
レベルSbは、車両感知器11による受信レベルの測定下限を示し、たとえばフロアノイズの受信レベルである。また、Taは、t0からt2までの期間を示している。
図7に示すグラフは、図3に示すグラフと比べて、感知用電波の受信レベルがレベルSbまで低下していない。たとえば、アンテナ13が放射する感知用電波の周波数が低い場合、当該感知用電波は回折しやすいため、SuがSbより高くなる。
また、アンテナ13が放射する感知用電波の周波数が低い場合、当該感知用電波は回折しやすいため、感知用電波の受信レベルには、車両10の車体底面の高さの違いによる影響が現れにくい。
車両感知器11は、車両10が直接波を遮断している時間および受信する受信レベルの低下の程度に基づいて、車両10の車種を判定する。
具体的には、たとえば、車両10の車種の判定は、所定のしきい値と比較することにより行う。車両10の車種を判定する際に、期間Taとの比較対象となるしきい値をTthとし、レベルSuとの比較対象となるしきい値をSthとする。
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る車両感知器の構成も示している。
図4を参照して、記憶部36は、しきい値Tthおよびしきい値Sthをあらかじめ記憶している。車両情報作成部33は、アンテナ31によって受信される感知用電波を測定して、測定結果からレベルSuおよび期間Taを取得する。また、車両情報作成部33は、しきい値Sthおよびしきい値Tthを、管理部35を介して記憶部36から取得する。
車両情報作成部33は、期間Taとしきい値Tthとを比較し、また、レベルSuとしきい値Sthとを比較し、これらの比較結果に基づいて場合分けを行い、車両10の車種を判定する。
具体的には、たとえば、Su≦SthかつTa≧Tthである場合、車両情報作成部33は、車両10は大型車であると判定する。また、Su≧SthかつTa≦Tthである場合、車両情報作成部33は、車両10は小型車であると判定する。また、これ以外の場合、車両情報作成部33は、車両10は中型車であると判定する。
そして、車両情報作成部33は、判定した車両10の車種を示す車種情報を作成し、作成した車種情報を管理部35へ送る。
管理部35は、車両情報作成部33から受けた車両情報である車種情報を記憶部36に保存する。
また、車両情報作成部33は、1または複数の車両10の車種の判定結果に基づいて、1または複数の車両10の平均速度を算出する。
ここで、車両感知器11の上方を通過する車両10の平均速度をVavとし、車両感知器11の上方を通過する車両10にしめる大型車の割合をαとし、車両感知器11の上方を通過する車両10の数をNとし、車両感知器11の上方を通過する車両10の平均車長をDavとし、車両感知器11の上方を通過する車両10の、図7に示す期間Taの総和をWとする。
また、大型車の平均的な車長をDbとし、大型車以外の平均的な車長をDsとする。記憶部36は、車長Dbおよび車長Dsをあらかじめ記憶している。
車両情報作成部33は、たとえば、アンテナ31から受ける電気信号の変化に基づいて、車両感知器11の上方を通過する車両10の数Nをカウントする。また、車両感知器11の上方を通過する車両10のうち、たとえば上述の場合分けによって大型車と判定した車両10の数をカウントする。車両情報作成部33は、数Nおよび大型車の数に基づいて大型車の割合αを算出する。
そして、車両情報作成部33は、記憶部36から管理部35を介して車長Dbおよび車長Dsを取得し、以下の式に従って車長Davを算出する。
Dav=(1−α)×Ds+α×Db
また、車両情報作成部33は、以下の式に従って平均速度Vavを算出する。
Vav=N×Dav/W
車両情報作成部33は、平均速度Vavを示す平均速度情報を作成し、作成した平均速度情報を管理部35へ送る。
管理部35は、車両情報作成部33から受けた車両情報である平均速度情報を記憶部36に保存する。
なお、無線機12は、単一周波数の感知用電波を放射する構成に限らず、たとえば、特定のデータを含む信号を変調した電波を感知用電波として放射してもよい。
車両情報作成部33は、車両感知器11において当該感知用電波を受信した場合、感知用電波の測定結果の変化、および通信部32による無線機12から送信された信号の受信の可否に基づいて車両情報を作成する。具体的には、通信部32が無線機12から送信された信号を受信できた場合、すなわちアンテナ31が受信した感知用電波から通信部32が元のデータを復元できた場合に、車両情報作成部33は、当該感知用電波を用いて、たとえば、車種情報および平均速度情報を作成する。
通信部32が元のデータを復元できた場合、アンテナ31が周囲から受けているノイズは小さいため、受信レベルSuの値がノイズの影響を受けていないと推定することができる。
したがって、車両情報作成部33は、通信部32が元のデータを復元できた場合にのみ、車両情報を作成することにより、たとえば車種の判定の精度を高めることができる。
なお、車両情報作成部33は、レベルSuのレベルに基づいて車種を判定してもよい。具体的には、たとえば、車両情報作成部33は、レベルShより所定値低いレベルのしきい値とレベルSuとを比較する。
そして、車両情報作成部33は、レベルSuが当該しきい値を下回っている場合には、車両10は大型車であると判定し、レベルSuが当該しきい値を上回っている場合には、車両10は大型車以外であると判定する。
また、車両情報作成部33は、アンテナ31によって受信される感知用電波の偏波面の角度に基づいて、車両情報を作成してもよい。たとえば、感知用電波が車両10において反射した場合、反射後の感知用電波における偏波面の角度は、反射前の感知用電波における偏波面の角度に対して変化する。
車両情報作成部33は、アンテナ31によって受信された感知用電波の偏波面の角度から、当該感知用電波が、たとえば車両10において反射した感知用電波であるか否かを判断する。
そして、車両情報作成部33は、車両情報を作成する際に、車両10において反射した感知用電波を用いないことによって、より正確な車両情報を作成することができる。
以上のように、本発明の第3の実施の形態に係る車両感知器では、通信部32は、無線機12とアンテナ31経由で信号を送受信することにより無線機12と通信する。車両情報作成部33は、測定結果の変化、および通信部32による無線機12から送信された信号の受信の可否に基づいて車両情報を作成する。
このような構成により、たとえば、無線機12と良好に通信を行うことができた場合における、当該通信に用いた感知用電波の測定結果から車両情報を作成することができるため、ノイズ等の影響の少ない、品質の良好な感知用電波を用いて、より信頼性の高い車両情報を作成することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第4の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る車両感知システムと比べて、車種の判定方法および速度の算出方法が異なる車両感知システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様である。
図8は、本発明の第4の実施の形態に係る車両感知システムにおける車両感知器の感知用電波の受信を示す図である。
図8を参照して、車両10は、矢印70の方向へ走行しており、アンテナ13および車両感知器11に接近している。
アンテナ13から放射された感知用電波の一部は、車両10の前面部において反射した後に車両感知器11へ到達している。
感知用電波の一部が、車両10の前面部において反射した後に車両感知器11へ到達する場合、車両10の前面部が広いほど、感知用電波の反射波の電力は大きくなるため、車両感知器11における感知用電波の受信レベルは高くなる。
ここで、一般に、大型車の前面部は広く、小型車の前面部は狭い。したがって、車両感知器11は、車両10において反射した感知用電波の受信レベルを測定することによって、車両10の車種を判断することができる。
また、車両10がアンテナ13および車両感知器11の間を通過した後、同様に、アンテナ13から放射される電波の一部は、車両10の後面部において反射して、車両感知器11へ到達する。
アンテナ13から放射される電波の一部が、車両10の後面部において反射して、車両感知器11へ到達する場合、車両10の後面部が広いほど、感知用電波の反射波の電力は大きくなるため、車両感知器11における感知用電波の受信レベルは高くなる。
以下、車両10の前面部において反射した後に車両感知器11へ到達する感知用電波を前面部反射波とも称する。また、車両10の後面部において反射した後に車両感知器11へ到達する感知用電波を後面部反射波とも称する。
図9は、本発明の第4の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、車両感知器が受信する感知用電波の受信レベルの時間変化の一例を示す図である。
図9を参照して、グラフの横軸は時間を示し、縦軸は車両感知器11が受信した感知用電波の受信レベルを示す。グラフは、車両10が車両感知器11の上方を通過する際の、車両感知器11が受信する感知用電波の受信レベルの時間変化を示している。
感知用電波の受信レベルは、車両10がアンテナ13および車両感知器11から十分離れているときにはレベルShである。感知用電波の受信レベルは、車両感知器11が前面部反射波を受信し始める時刻t0から上昇し始め、時刻t1において第1のピークであるレベルSraに到達して下降し始める。
そして、感知用電波の受信レベルは、無線機12からの直接波が車両10により遮断される時刻t2付近でレベルSh以下となり、時刻t3において、レベルSbに到達する。レベルSbは、車両感知器11による受信レベルの測定下限であり、たとえばフロアノイズの受信レベルである。
そして、感知用電波の受信レベルは、時刻t4から上昇し始め、車両感知器11が後面部反射波を受信し始める時刻t5付近でレベルSh以上となる。
そして、感知用電波の受信レベルは、時刻t6において、第2のピークであるレベルSrbに到達して降下し始め、車両感知器11が後面部反射波を受信しなくなる時刻t7においてレベルShに戻る。
車両感知器11は、レベルSraおよびレベルSrbの高さに基づいて、車両10の車種を判定する。
具体的には、たとえば、車両感知器11は、レベルShより所定値高いレベルに相当するしきい値Srtを設け、レベルSraおよびレベルSrbをしきい値Srtとそれぞれ比較する。そして、車両感知器11は、比較結果に基づいて、車両10の車種の判定を行う。
図4は、本発明の第4の実施の形態に係る車両感知器の構成も示している。
図4を参照して、記憶部36は、しきい値Srtを、あらかじめ記憶している。車両情報作成部33は、アンテナ31によって受信される感知用電波のレベルを測定し、測定結果からレベルSraおよびレベルSrbを取得する。
また、車両情報作成部33は、しきい値Srtを、管理部35を介して記憶部36から取得する。そして、車両情報作成部33は、レベルSraおよびレベルSrbとしきい値Srhとをそれぞれ比較し、比較結果に基づいて、車両10の車種を判定する。
具体的には、たとえば、車両情報作成部33は、レベルSraおよびレベルSrbのいずれか一方または両方がしきい値Srtを上回った場合、車両10は大型車であると判定する。また、車両情報作成部33は、レベルSraおよびレベルSrbのいずれもしきい値Srtを上回らなかった場合には、たとえば、車両10は普通車であると判定する。
そして、車両情報作成部33は、判定した車両10の車種を示す車種情報を作成し、作成した車種情報を管理部35へ送る。
管理部35は、車両情報作成部33から受けた車両情報である車種情報を記憶部36に保存する。
また、ドップラー効果によって、反射前の感知用電波の周波数と反射後の感知用電波の周波数とは異なる。車両情報作成部33は、反射前の感知用電波の周波数と反射後の感知用電波の周波数とに基づいて、車両10を算出する。
たとえば、以下の式(1)によりあらわされる電波T1(t)が、当該電波の放射源に速度vdで近づく物体Yの表面において反射した場合、当該放射源において観測される反射後の電波R1d(t)は、以下の式(2)によりあらわされる。
Figure 0006539923

Figure 0006539923
ここで、φ1は初期位相である。Aは反射前の電波の振幅である。Lは電波の放射源および物体Y間の距離である。cは光速である。aは振幅A、反射前の電波の波長および距離L等により定まる値である。
式(1)と式(2)とを比較して、式(2)に示す電波R1d(t)の周波数f1rは、電波T1(t)の周波数f1にf1×(2×vd/c)を加えた周波数となっている。
つまり、速度vdが速いほど、反射後の電波の周波数は高くなる。なお、物体Yが、電波の放射源から遠ざかる場合、すなわちvdがマイナスの場合には、反射後の電波の周波数は、反射前の電波の周波数より低くなる。
再び図4を参照して、たとえば、記憶部36は、あらかじめ、無線機12が放射する感知用電波の周波数、すなわち、車両10において反射する前の感知用電波の周波数(以下、反射前周波数とも称する)を記憶している。
車両情報作成部33は、記憶部36から管理部35を介して反射前周波数を取得する。
車両情報作成部33は、アンテナ31によって受信される感知用電波の受信レベルを測定する。そして、車両情報作成部33は、測定結果に対して、たとえばFFT(FastFourier Transform)を行い、感知用電波が含む周波数成分を求める。
車両情報作成部33は、FFTの結果から反射後の感知用電波の周波数を取得する。具体的には、たとえば、車両情報作成部33は、FFTの結果が示す周波数成分のうち、反射前周波数の周波数成分を除いて最もレベルの高い周波数成分を反射後の感知用電波の周波数成分として、上記周波数を取得する。
そして、車両情報作成部33は、反射前の感知用電波の周波数および反射後の感知用電波の周波数を用いて車両10の速度を算出する。
車両情報作成部33は、車両10の速度を示す速度情報を作成して管理部35へ送る。管理部35は、車両情報作成部33から受けた車両情報である速度情報を記憶部36に保存する。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第5の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る車両感知システムと比べて、速度の算出方法が異なる車両感知システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様である。
本発明の第5の実施の形態に係る車両感知システム105では、無線機12はアンテナ13経由で放射する感知用電波の周波数を変化させる。車両感知器11は、受信した感知用電波の、周波数ごとの受信レベルの変化に基づいて、車両10の速度を求める。
無線機12は、たとえば、異なる周波数の感知用電波を交互に放射する。無線機12が放射する感知用電波の2つの周波数をf1およびf2とする。また、周波数f1は、周波数f2より低い周波数であるとする。
ここで、回折波の受信レベルの低下は、回折損の発生により生じる。回折損をJ(u)とすると、回折損J(u)は以下の式で表される。
J(u)=6.9+20log(sqrt((u−0.1)2+1)+u−0.1)
上記式において、uは、電波の周波数の平方根に比例する変数である。また、J(u)の単位はdBである。回折損は、電波の周波数が高いほど大きくなる。
図10は、本発明の第5の実施の形態に係る車両感知システムおける感知用電波の周波数と、感知用電波の受信レベルが所定値となる時の図2に示す距離Lとの関係を示す図である。
図10を参照して、感知用電波の周波数がfnの場合、L=Lnのときに車両感知器11が受信する感知用電波の受信レベルが所定値になる。感知用電波の受信レベルが所定値となる距離Lは、感知用電波の周波数の低下伴って長くなる。そして、感知用電波の周波数がfmの場合、L=Lmとなる。
つまり、感知用電波は、周波数が高いほど回折しにくく、周波数が低いほど回折しやすい。
以下、周波数f1の感知用電波を感知用電波F1とも称し、周波数f2の感知用電波を感知用電波F2とも称する。
図11は、本発明の第5の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、図2に示す距離Lと車両感知器が受信する感知用電波の受信レベルとの関係の一例を示す図である。
図11を参照して、グラフG1およびグラフG2の横軸は距離Lを示し、縦軸は車両感知器11が受信した感知用電波の受信レベルを示す。グラフG1は、車両10が車両感知器11の上方を通過する際の、車両感知器11が受信する感知用電波F1の受信レベルの時間変化を示している。グラフG2は、車両10が車両感知器11の上方を通過する際の、車両感知器11が受信する感知用電波F2の受信レベルの時間変化を示している。
グラフG1を参照して、感知用電波F1の受信レベルは、車両10が無線機12からの直接波を遮断していないときにはレベルShである。
そして、感知用電波F1の受信レベルは、無線機12からの直接波が車両10により遮断されるL=0の位置から低下し始め、距離L13においてレベルSb1に到達して一定となる。レベルSb1は、車両感知器11による感知用電波F1の受信レベルの測定下限である。
そして、感知用電波F1の受信レベルは、距離L14から上昇し始め、車両感知器11が無線機12からの直接波を再び受信し始める距離L16においてレベルShとなる。
グラフG2を参照して、感知用電波F2の受信レベルは、車両10が無線機12からの直接波を遮断していないときにはレベルShである。
そして、感知用電波F2の受信レベルは、無線機12からの直接波が車両10により遮断されるL=0の位置から低下し始め、距離L11においてレベルSb1となり、距離L12においてレベルSb2に到達して一定となる。レベルSb2は、車両感知器11による感知用電波F2の受信レベルの測定下限である。
そして、感知用電波F2の受信レベルは、距離L15から上昇し始め、車両感知器11が無線機12からの直接波を再び受信し始める距離L16においてレベルShとなる。
周波数f2は、周波数f1より高いため、感知用電波F2は感知用電波F1より回折しにくい。したがって、感知用電波F2の受信レベルは、感知用電波F1の受信レベルと比べて急激に低下し、L=L11となった時刻t22においてレベルSb1に到達している。
一方、感知用電波F1の受信レベルは、L=L13となった時刻t11においてレベルSb1に到達している。車両感知器11は、時刻t11と時刻t22との差を用いて、車両10の速度を求める。
図4は、本発明の第5の実施の形態に係る車両感知器の構成も示している。
図4を参照して、記憶部36は、たとえば、事前に行われた実験により得られた距離L11および距離L13を記憶している。
車両情報作成部33は、無線機12による感知用電波F1および感知用電波F2の切替えと同期して、感知用電波F1の受信レベルの測定および感知用電波F2の受信レベルの測定を交互に行う。そして、車両情報作成部33は、測定結果から時刻t11および時刻t22を取得する。また、車両情報作成部33は、記憶部36から管理部35を介して距離L11および距離L13を取得する。
そして、車両情報作成部33は、(L13−L11)/(t11−t22)に基づいて車両10の速度を求め、車両10の速度を示す速度情報を作成して管理部35へ送る。
管理部35は、車両情報作成部33から受けた車両情報である速度情報を記憶部36に保存する。
なお、無線機12は、感知用電波の周波数を切り替える構成に限らず、異なる周波数成分を含む1つの感知用電波を放射する構成であってもよい。
無線機12が異なる周波数成分を含む1つの感知用電波を放射する場合、車両感知器11における車両情報作成部33は、アンテナ31を用いて当該感知用電波の受信レベルを測定する。そして、車両情報作成部33は、たとえば、測定結果に対してFFTを行い、当該感知用電波が含む周波数成分ごとの受信レベルを算出してもよい。
また、無線機12は、感知用電波の周波数を、2つの周波数間で交互に切り替える構成に限らず、当該2つの周波数間で周波数を繰り返しスイープする構成であってもよい。
無線機12が当該2つの周波数間で周波数を繰り返しスイープする場合、車両感知器11における車両情報作成部33は、たとえば、3つ以上の周波数における各受信レベルを測定し、測定結果を用いて車両10の速度を算出することができる。これにより、車両情報作成部33は、より精度よく車両10の速度を算出することができる。
また、車両情報作成部33は、スイープする周波数範囲における最も高い周波数の感知用電波を用いて、たとえば図3に示すような時間と受信レベルとの関係を求める。そして、感知用電波の受信レベルが所定値以下となる時刻と、当該所定値以下となった後に感知用電波の受信レベルが当該所定値以上となる時刻との差(以下、レベル低下期間とも称する。)を用いて車両10の車長を算出する。
具体的には、算出した車両10の速度をVcとし、レベル低下期間をTuとし、車両10の車長をDとすると、車両情報作成部33は、以下の式に従って車長Dを算出する。
D=Vc×Tu
車両情報作成部33は、算出した車長Dを示す車長情報を作成して管理部35へ送る。管理部35は、車両情報作成部33から受けた車両情報である車長情報を記憶部36に保存する。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第6の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る車両感知システムと比べて、車両感知器が無線機以外の装置から受信する電波を感知用電波として用いる車両感知システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様である。
本発明の第5の実施の形態に係る車両感知システム106において、車両感知器11は、車両感知器11以外の他の無線機と通信するために電波の送信を行う、たとえば既存の送信機(以下、既存無線機とも称する)から送信された電波を感知用電波として用いる。
既存無線機とは、たとえば、準天頂衛星送信機、GPS送信機、携帯電話基地局送信機、放送用送信機または小電力無線機である。
図12は、本発明の第6の実施の形態に係る車両感知システムにおける車両感知器の感知用電波の受信を示す図である。
図12を参照して、車両10は、車両感知器11の上方を走行している。車両感知器11は、無線機12からアンテナ13を介して放射され、車両10の端部から車両10の下方へ回り込んだ感知用電波と、既存無線機15から放射され、車両10の端部から車両10の下方へ回り込んだ感知用電波とを受信する。
図12に示すLは、路面における車両10の前端の対応位置、たとえば路面における車両10の前端の真下の点と、路面における車両感知器11のアンテナの対応位置、たとえば路面における車両感知器11のアンテナの真上の点との距離を示す。
以下、無線機12から放射された感知用電波を感知用電波P1とも称し、既存無線機15から放射された感知用電波を感知用電波P2とも称する。また、感知用電波P1の周波数をf1とし、感知用電波P2の周波数をf2とする。また、周波数f1は、周波数f2より低い周波数であるとする。
図11は、本発明の第6の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、図12に示す距離Lと車両感知器11が受信する感知用電波の受信レベルとの関係も示している。
図11を参照して、グラフG1およびグラフG2の横軸は距離Lを示し、縦軸は車両感知器11が受信した感知用電波の受信レベルを示す。グラフG1は、車両10が車両感知器11の上方を通過する際の、車両感知器11が受信する感知用電波P1の受信の時間変化を示している。グラフG2は、車両10が車両感知器11の上方を通過する際の、車両感知器11が受信する感知用電波P2の受信レベルの時間変化を示している。
グラフG1を参照して、感知用電波P1の受信レベルは、車両10が無線機12からの直接波を遮断していないときにはレベルShである。
そして、感知用電波P1の受信レベルは、無線機12からの直接波が車両10により遮断される、たとえばL=0の位置から低下し始め、距離L13においてレベルSb1に到達して一定となる。レベルSb1は、車両感知器11による感知用電波P1の受信レベルの測定下限である。
そして、感知用電波P1の受信レベルは、距離L14から上昇し始め、車両感知器11が無線機12からの直接波を再び受信し始める距離L16においてレベルShに戻る。
グラフG2を参照して、感知用電波P2の受信レベルは、車両10が既存無線機15からの直接波を遮断していないときにはレベルShである。そして、感知用電波P2の受信レベルは、既存無線機15からの直接波が車両10により遮断される、たとえばL=0の位置から低下し始め、L11においてレベルSb1となり、距離L12においてレベルSb2に到達して一定となる。レベルSb2は、車両感知器11による感知用電波P2の受信レベルの測定下限である。そして、感知用電波P2の受信レベルは、距離L15から上昇し始め、車両感知器11が既存無線機15からの直接波を再び受信し始める、たとえば距離L16においてレベルShに戻る。
周波数f2は、周波数f1より高いため、感知用電波P2は感知用電波P1より回折しにくい。したがって、感知用電波P2の受信レベルは、感知用電波P1の受信レベルと比べて急激に低下し、L=L11となった時刻t22においてレベルSb1に到達している。
一方、感知用電波P1の受信レベルは、L=L13となった時刻t11においてレベルSb1に到達している。車両感知器11は、時刻t11と時刻t22との差を用いて、車両10の速度を求める。
図4は、本発明の第6の実施の形態に係る車両感知器の構成も示している。
図4を参照して、記憶部36は、たとえば、事前に行われた実験により得られた距離L11および距離L22を記憶している。
車両情報作成部33は、アンテナ31を用いて感知用電波P1および感知用電波P2の受信レベルを測定する。
具体的には、たとえば、車両情報作成部33は、アンテナ31によって受信される感知用電波を所定期間測定し、測定結果に対してFFTを行って、当該所定期間における感知用電波P1および感知用電波P2の受信レベルを算出する。
また、車両情報作成部33は、FFTを行って求めた感知用電波P1の受信レベルおよび感知用電波P2の受信レベルの時間変化から時刻t11および時刻t22を取得する。
また、車両情報作成部33は、記憶部36から管理部35を介して距離L11および距離L22を取得する。
そして、車両情報作成部33は、(L11−L22)/(t11−t22)に基づいて車両10の速度を求め、車両10の速度を示す速度情報を作成して管理部35へ送る。
管理部35は、車両情報作成部33から受けた車両情報である速度情報を記憶部36に保存する。
なお、無線機12は、既存無線機15の位置または既存無線機15からの電波の状態等に変化があった場合、当該変化の内容を示す情報である変化情報を車両感知器11へ送信してもよい。
車両感知器11は、無線機12から受信した変化情報に基づいて、たとえば車両情報を作成するために用いるファームウェアを更新し、更新したファームウェアを用いて車両情報を作成する。
また、無線機12は、既存無線機15の位置または既存無線機15からの電波の状態等に変化があった場合、当該変化の内容に基づいて作成された、車両感知器11が車両情報を作成するために用いる新たなファームウェアを車両感知器11へ送信してもよい。
車両感知器11は、たとえば、無線機12から新たなファームウェアを受信した場合、当該新たなファームウェアにより自己のファームウェアを更新し、更新したファームウェアを用いて車両情報を作成する。
以上のように、本発明の第6の実施の形態に係る車両感知システムでは、感知用電波は、車両感知器11以外の他の無線機と通信するために感知用電波の送信を行う既存無線機、から送信される感知用電波である。
このような構成により、既存の設備が送信する感知用電波を利用して車両情報を作成することができるため、車両感知用の感知用電波を送信する装置を新たに設置する場合に比べて、車両感知器11を含む車両感知システムの導入コストを低下させることができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第7の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る車両感知システムと比べて、さらに、車両10の進行方向を判断する車両感知システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様である。
図13は、本発明の第7の実施の形態に係る車両感知システムの構成を示す図である。
図13を参照して、車両感知システム107は、車両感知器11と、無線機12と、2つのアンテナ13とを備える。無線機12は、2つのアンテナ13から、互いに異なる周波数の感知用電波を放射する。
図13において、車両10に近いアンテナ13をアンテナ13Nとし、車両10から遠いアンテナ13をアンテナ13Fとする。また、アンテナ13Nから放射される感知用電波を感知用電波Nとし、アンテナ13Fから放射される感知用電波を感知用電波Nとする。
車両10は、車両感知器11の上方を通過する際に、アンテナ13Nから車両感知器11へ向かう直接波およびアンテナ13Fから車両感知器11へ向かう直接波のうち、アンテナ13Nから車両感知器11へ向かう直接波を先に遮断する。したがって、車両感知器11において、感知用電波Nの受信レベルが、感知用電波Fの受信レベルより先に低下する。
車両感知器11は、感知用電波Nの受信レベルおよび感知用電波Fの受信レベルのうち、いずれの受信レベルが先に低下したかを判断し、判断の結果に基づいて、車両10の進行方向を判断する。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る車両感知器の構成も示している。
図4を参照して、車両情報作成部33は、アンテナ31を用いて感知用電波Nおよび感知用電波Fの受信レベルを測定する。
具体的には、たとえば、車両情報作成部33は、アンテナ31によって受信される感知用電波の受信レベルを測定して、測定結果に対してFFTを行い、FFTの結果から感知用電波Nの受信レベルおよび感知用電波Fの受信レベルを求める。
そして、車両情報作成部33は、FFTを行って求めた感知用電波Nの受信レベルおよび感知用電波Fの受信レベルの時間変化から、感知用電波Nの受信レベルおよび感知用電波Fの受信レベルのうち、いずれの受信レベルが先に低下したかに基づいて、車両10の進行方向を判断する。
車両情報作成部33は、判断した車両10の進行方向を示す方向情報を作成して、作成した方向情報を管理部35へ送る。
管理部35は、車両情報作成部33から受けた車両情報である方向情報を記憶部36に保存する。
なお、無線機12は、異なる周波数の感知用電波Nおよび感知用電波Fを同時に放射する構成に限らず、同じ周波数の感知用電波Nおよび感知用電波Fを交互に切り替えて放射する構成であってもよい。
無線機12が、同じ周波数の感知用電波Nおよび感知用電波Fを交互に切り替えて放射する場合、車両感知器11における車両情報作成部33は、無線機12による感知用電波の切替えと同期して、感知用電波Nの受信レベルの測定および感知用電波Fの受信レベルの測定を切り替えて交互に行う。
そして、車両情報作成部33は、感知用電波Nの受信レベルおよび感知用電波Fの受信レベルの時間変化から、感知用電波Nの受信レベルおよび感知用電波Fの受信レベルのうち、いずれの受信レベルが先に低下したかに基づいて、車両10の進行方向を判断する。
以上のように、本発明の第7の実施の形態に係る車両感知システムでは、アンテナ31は、無線機12から送信される感知用電波Nおよび感知用電波Fを受信する。車両情報作成部33は、アンテナ31によって受信される感知用電波Nおよび感知用電波Fを測定し、測定結果の変化に基づいて車両10に関する車両情報を作成する。また、アンテナ31は、車両10が通過する路面の下もしくは車両10が停止する路面の下に埋設されるか、または車両10が通過する路面もしくは車両10が停止する路面に設置される。
このように、電波を用いる構成により、周囲環境による影響を抑えることができる。また、感知用電波Nおよび感知用電波Fの測定により得られた値の変化から、たとえば、車両感知器11の上方に車両10が存在するか否かの情報だけでなく、当該車両10の速度、車種または進行方向等の情報も取得することができるため、詳細な交通状況を容易に把握することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第8の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る車両感知システムと比べて、さらに、車両10の進行方向を判断する車両感知システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様である。
図14は、本発明の第8の実施の形態に係る車両感知システムの構成を示す図である。
図14を参照して、車両感知システム108は、車両感知器11、無線機12およびアンテナ13を備える。アンテナ13は、車両感知器11から斜め方向に離れた位置に設置されている。
図14において、車両感知器11に近く、アンテナ13から遠い位置にある車両10を車両10Iとし、車両10Iの進行方向を矢印70Iで示す。また、アンテナ13に近く、車両感知器11から遠い車両10を車両10Jとし、車両10Jの進行方向を矢印70Jで示す。
車両感知器11は、アンテナ13から放射される感知用電波の受信レベルを測定する。たとえば、車両10Iまたは車両10Jがアンテナ13からの直接波を遮断すると、車両感知器11が受信する感知用電波の受信レベルが低下する。
また、車両感知器11は、車両感知器11における磁界のレベルを測定する。たとえば、車両10Iまたは車両10Jが車両感知器11に接近した場合、車両感知器11における磁界のレベルが上昇する。
車両10Iが矢印70Iの方向に走行して、車両感知器11の上方を通過した場合、まず、車両10Iが車両感知器11に接近することにより、車両感知器11における磁界のレベルが上昇する。そして、その後、車両10Iがアンテナ13からの直接波を遮断することにより、車両感知器11が受信する感知用電波の受信レベルが低下する。
一方、車両10Jが矢印70Jの方向に走行して、車両感知器11の上方を通過した場合、まず、車両10Jがアンテナ13からの直接波を遮断することにより、車両感知器11が受信する感知用電波の受信レベルが低下する。その後、車両10Jが車両感知器11にさらに接近することにより、車両感知器11における磁界のレベルが上昇する。
車両感知器11は、受信レベルおよび磁界のレベルを測定し、受信レベルおよび磁界のレベルのいずれが先に変化するかに基づいて、車両10の進行方向を判断する。
図15は、本発明の第8の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、車両感知器が受信する感知用電波の受信レベルの時間変化および車両感知器における磁界のレベルの時間変化の一例を示す図である。
図15を参照して、グラフG1の横軸は時間を示し、縦軸は車両感知器11が受信した感知用電波の受信レベルを示す。グラフG1は、図14に示す車両10Iが矢印70Iの方向に走行して、車両感知器11の上方を通過した際の、車両感知器11が受信する感知用電波の受信レベルの時間変化を示している。
また、グラフG2の横軸は時間を示し、縦軸は車両感知器11における磁界のレベルを示す。グラフG2は、図14に示す車両10Iが矢印70Iの方向に走行して、車両感知器11の上方を通過した際の、車両感知器11における磁界のレベルの時間変化を示している。
グラフG1およびグラフG2は、同じ期間における感知用電波の受信レベルおよび磁界のレベルをそれぞれ示している。
グラフG1を参照して、感知用電波の受信レベルは、車両10が無線機12からの直接波を遮断していないときにはShである。そして、感知用電波の受信レベルは、無線機12からの直接波が車両10により遮断される時刻t10から低下し始め、時刻t11においてレベルSbに到達して一定となる。レベルSbは、車両感知器11による受信レベルの測定下限である。そして、感知用電波の受信レベルは、時刻t12から上昇し始め、車両感知器11が無線機12からの直接波を再び受信し始める時刻t13においてレベルShに戻る。
Sdは、レベルShおよびレベルSbの間に設定された所定のしきい値を示している。また、tsは、受信レベルがレベルShから下降して、しきい値Sdと同じレベルになった時間を示している。
グラフG2を参照して、磁界のレベルは、車両10が車両感知器11から十分離れているときにはHhである。そして、磁界のレベルは、車両10の接近により時刻t20から上昇し始め、時刻t21においてHtに到達して下降し始める。そして、時刻t22においてHbとなった後、上昇して時刻t23においてHhに戻る。
Hdは、レベルHhおよびレベルHtの間に設定された所定のしきい値を示している。また、thは、磁界のレベルがHhから上昇して、しきい値Hdと同じレベルになった時間を示している。
ここで、時刻tsと時刻thとを比較すると、時刻thが時刻tsより早いタイミングとなっている。
車両10Iが矢印70Iの方向に走行して、車両感知器11の上方を通過した場合、時刻thが時刻tsより早いタイミングとなる。
図16は、本発明の第8の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、車両感知器が受信する感知用電波の受信レベルの時間変化および車両感知器における磁界のレベルの時間変化の他の例を示す図である。
図16を参照して、グラフG3の横軸は時間を示し、縦軸は車両感知器11が受信した感知用電波の受信レベルを示す。グラフG3は、図14に示す車両10Jが矢印70Jの方向に走行して、車両感知器11の上方を通過した際の、車両感知器11が受信する感知用電波の受信レベルの時間変化を示している。
また、グラフG4の横軸は時間を示し、縦軸は車両感知器11における磁界のレベルを示す。グラフG4は、図14に示す車両10Jが矢印70Jの方向に走行して、車両感知器11の上方を通過した際の、車両感知器11における磁界のレベルの時間変化を示している。
グラフG3およびグラフG4は、同じ期間における感知用電波の受信レベルおよび磁界のレベルをそれぞれ示している。
図16は、図15と比較して、時刻tsが時刻thより早いタイミングとなっている。
車両10Jが矢印70Jの方向に走行して、車両感知器11の上方を通過した場合、時刻tsが時刻thより早いタイミングとなる。
図17は、本発明の第8の実施の形態に係る車両感知器の構成を示す図である。
図17を参照して、磁気センサ38は、車両感知器11における磁界のレベルを測定し、測定結果を車両情報作成部33へ送る。
車両情報作成部33は、磁気センサ38から受けた、磁界のレベルの測定結果から、図15または図16に示す時刻tsを取得する。
また、車両情報作成部33は、アンテナ31を用いて測定した感知用電波の受信レベルの測定結果から、図15または図16に示す時刻thを取得する。
そして、車両情報作成部33は、取得した時刻tsと時刻thとを比較して、時刻thが時刻tsよりも早いタイミングとなっている場合には、車両10が道路14を矢印70Iの方向へ走行したと判断する。また、時刻tsが時刻thよりも早いタイミングとなっている場合には、車両10が道路14を矢印70Jの方向へ走行したと判定する。
車両情報作成部33は、車両10の進行方向の判断結果から車両10の進行方向を示す方向情報を作成して、作成した方向情報を管理部35へ送る。
管理部35は、車両情報作成部33から受けた車両情報である方向情報を記憶部36に保存する。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第9の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る車両感知システムと比べて、車両10の速度の算出方法が異なる車両感知システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様である。
図18は、本発明の第9の実施の形態に係る車両感知システムにおける磁界の測定を示す図である。
図18を参照して、車両10は、強い磁界を発生させる強磁界部16を備える。強磁界部16は、たとえば、車両10が一般的に備えるダイナモである。
図18に示すLは、路面における車両10の前端の対応位置、たとえば路面における車両10の前端の真下の点と、路面における車両感知器11のアンテナの対応位置、たとえば路面における車両感知器11のアンテナの真上の点との距離を示す。また、L1は、たとえば、車両10の前端と強磁界部16との距離を示す。
強磁界部16が、車両感知器11の真上に位置しているとき、すなわち、たとえばL=L1のとき、車両感知器11における磁界のレベルは最も強くなる。
図19は、本発明の第9の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、図18に示す距離Lと車両感知器における磁界のレベルとの関係を示す図である。
図19を参照して、グラフの横軸は距離Lを示し、縦軸は車両感知器11における磁界のレベルを示す。グラフは、車両10が車両感知器11の上方を通過する際の、車両感知器11における磁界のレベルを示す。
車両感知器11における磁界のレベルは、車両10が車両感知器11から十分離れているときにはレベルHhである。磁界のレベルは、車両10の接近により、たとえばL=0の位置から上昇し始める。そして、磁界のレベルは、強磁界部16が車両感知器11の真上に位置する距離L1において、レベルHtに到達して一定となり、距離L2から下降し始める。そして、磁界のレベルは、距離L3においてレベルHbに到達して一定となり、L4から上昇し始め、L5においてレベルHhに戻る。
以下、L=0となった時刻t0からL=L1となった時刻t1までを磁界のレベルの立ち上がり時間とも称する。
車両感知器11は、磁界のレベルの立ち上がり時間に基づいて、車両10の速度を算出する。
図17は、本発明の第9の実施の形態に係る車両感知器の構成も示している。
図17を参照して、記憶部36は、たとえば車種ごとの距離L1をあらかじめ記憶している。磁気センサ38は、車両感知器11における磁界のレベルを測定し、測定結果を車両情報作成部33へ送る。
車両情報作成部33は、磁気センサ38から受けた磁界のレベルの測定結果から、図19に示す時刻t0およびt1を取得する。
また、車両情報作成部33は、たとえば第1の実施の形態または第4の実施の形態と同様の処理により車両10の車種情報取得し、取得した車種情報の示す車種に応じた距離L1を記憶部36から取得する。ここで、車両10の速度をVmとすると、車両情報作成部33は、以下の式に従って速度Vmを算出する。
Vm=L1/(t1−t0)
車両情報作成部33は、速度Vmを示す速度情報を作成して、作成した速度情報を管理部35へ送る。
管理部35は、車両情報作成部33から受けた車両情報である速度情報を記憶部36に保存する。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第10の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る車両感知システムと比べて、車両感知器が車両の速度を検出するために電波を放射する車両感知システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様である。
本発明の第10の実施の形態に係る車両感知システム110において、車両感知器11は、車両10の速度を求めるために、道路14の路面の上方へ電波を放射する。以下、車両感知器11が車両10の速度を求めるために放射する電波を、速度検出用電波とも称する。
図20は、本発明の第10の実施の形態に係る車両感知システムにおける車両感知器が放射した速度検出用電波の反射を示す図である。
図20を参照して、車両感知器11から放射された速度検出用電波は、車両10の前面部において反射して、車両感知器11の方向へ戻っている。
車両10は、矢印70の方向へ走行しているため、反射後の速度検出用電波は、ドップラー効果によって、反射前の速度検出用電波より高い周波数成分を含む。
車両感知器11は、ドップラー効果によって速度検出用電波の周波数成分が変化することを利用して車両10の速度を求める。
図21は、本発明の第10の実施の形態に係る車両感知器の構成を示す図である。
図21を参照して、車両感知器11は、本発明の第1の実施の形態に係る車両感知器と比べて、さらに、送信部40と、アンテナ41とを備える。
送信部40は、RF帯の周波数の電気信号をアンテナ41へ送る。アンテナ41は、送信部40から受けた電気信号を電波に変換して、速度検出用電波として道路14の上方へ放射する。また、記憶部36は、あらかじめ、アンテナ41から送信される反射前の速度検出用電波の周波数すなわち送信部40からアンテナ41へ送られる上記電気信号の周波数を記憶している。
車両情報作成部33は、アンテナ31によって受信された電波を測定し、たとえば、測定結果に対してFFTを行い、FFTの結果から反射後の速度検出用電波の周波数を取得する。具体的には、たとえば、車両情報作成部33は、FFTの結果が示す周波数成分のうち、最もレベルの高い周波数成分を反射後の速度検出用電波の周波数成分として上記周波数を取得する。
また、車両情報作成部33は、反射前の速度検出用電波の周波数を記憶部36から管理部35を介して取得する。
車両情報作成部33は、反射前の速度検出用電波の周波数および反射後の速度検出用電波の周波数を用いて、本発明の第4の実施の形態と同様の処理により車両10の速度を算出する。そして、車両情報作成部33は、車両10の速度を示す速度情報を作成し、作成した速度情報を管理部35へ送る。
なお、車両情報作成部33は、車両10の前面部において反射した速度検出用電波に限らず、車両10の底面部または車両10の後面部において反射した速度検出用電波を用いて速度情報を作成してもよい。
管理部35は、車両情報作成部33から受けた車両情報である速度情報を記憶部36に保存する。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第11の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る車両感知システムと比べて、車両感知器が複数のアンテナを備える車両感知システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様である。
図22は、本発明の第11の実施の形態に係る車両感知システムにおける車両感知器のアンテナの配置の一例を示す図である。図23は、本発明の第11の実施の形態に係る車両感知器の構成を示す図である。
図22および図23を参照して、車両感知システム111における車両感知器11は、本発明の第1の実施の形態に係る車両感知器と比べて、さらにアンテナ30を備える。また、車両感知器11におけるアンテナ30およびアンテナ31以外のユニットは車両感知器本体45に含まれている。
車両感知器11は、アンテナ30およびアンテナ31の各々が受信する感知用電波の受信レベルを測定し、測定結果を比較して、たとえば車両10の進行方向および速度を求める。
アンテナ30およびアンテナ31は、互いに離しれ設置され、無線機12から放射される感知用電波を受信する。
車両情報作成部33は、アンテナ30によって受信された感知用電波の受信レベルの時間変化と、アンテナ31によって受信された感知用電波の受信レベルの時間変化とを比較する。
そして、車両情報作成部33は、比較結果に基づいて、アンテナ13からアンテナ30への直接波およびアンテナ13からアンテナ31への直接波のうち、いずれの直接波が車両10によって先に遮断されたかを判断する。
車両情報作成部33は、判断の結果に基づいて、車両10の進行方向を示す方向情報を作成して管理部35へ送る。
また、たとえば、車両情報作成部33は、アンテナ30およびアンテナ31間の距離と、車両10がアンテナ30およびアンテナ31間の走行に要した時間とから車両10の速度を算出する。
具体的には、記憶部36は、あらかじめアンテナ30が設置されている位置と、アンテナ31が設置されている位置との距離(以下、アンテナ間距離とも称する。)を記憶している。
車両情報作成部33は、アンテナ30によって受信された感知用電波の受信レベルの時間変化と、アンテナ31によって受信された感知用電波の受信レベルの時間変化とから、アンテナ13からアンテナ30へ向かう直接波を車両10が遮断した時刻と、アンテナ13からアンテナ31へ向かう直接波を車両10が遮断した時刻との差(以下、遮断時間差とも称する。)を求める。
そして、車両情報作成部33は、記憶部36から管理部35を介してアンテナ間距離を取得し、アンテナ間距離および遮断時間差に基づいて、車両10の速度を算出する。
車両情報作成部33は、算出結果から車両10の速度を示す速度情報を作成し、作成した速度情報を管理部35へ送る。
管理部35は、車両情報作成部33から受けた車両情報である方向情報および速度情報を記憶部36に保存する。
なお、車両感知器11は、アンテナ30およびアンテナ31を互いに離して設置する構成に限らず、アンテナ30およびアンテナ31を互いに異なる方向に向けて設置する構成であってもよい。
具体的には、たとえば、車両感知器11は、指向性を有するアンテナ30およびアンテナ31を備え、アンテナ30の指向性のメインローブの方向と、アンテナ31の指向性のメインローブの方向とが、互いに異なるように設置する。
図24は、本発明の第11の実施の形態に係る車両感知システムにおける車両感知器のアンテナの配置の他の例を示す図である。
図24を参照して、車両感知器11が備えるアンテナ30およびアンテナ31は、道路14の路面の下に埋設されている。また、アンテナ30およびアンテナ31は、互いのメインローブが異なる向きとなるように設置されている。アンテナ30のメインローブの方向を矢印80で示し、アンテナ31のメインローブの方向を矢印81で示す。
矢印80の方向は、車両10の進行方向に沿っているのに対して、矢印81の方向は、車両10の進行方向の逆方向に沿っている。
たとえば、図24において、車両10が矢印70の方向へ進行した場合、アンテナ30によって受信される感知用電波の受信レベルおよびアンテナ31によって受信される感知用電波の受信レベルのうち、アンテナ31によって受信される感知用電波の受信レベルが先に低下する。
再び、図23を参照して、車両情報作成部33は、アンテナ30によって受信される感知用電波の受信レベルおよびアンテナ31によって受信される感知用電波の受信レベルのうち、いずれの受信レベルが先に低下するかに基づいて車両10の進行方向を判断する。
車両情報作成部33は、判断の結果に基づいて、車両10の進行方向を示す方向情報を作成して管理部35へ送る。
また、車両情報作成部33は、たとえば、アンテナ30によって受信される感知用電波の受信レベルが低下する時刻と、アンテナ31によって受信される感知用電波の受信レベルが低下する時刻との差に基づいて車両10の速度を算出する。そして、車両10は、算出した車両10の速度を示す速度情報を作成して管理部35へ送る。
管理部35は、車両情報作成部33から受けた車両情報である方向情報および速度情報を記憶部36に保存する。
なお、車両感知器11は、図22に示すアンテナ30およびアンテナ31ならびに図24に示すアンテナ30およびアンテナ31を全部備えていてもよい。
また、車両感知器本体45は、アンテナ30およびアンテナ31を含まない構成に限らず、アンテナ30およびアンテナ31のいずれか一方または両方を含む構成であってもよい。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第12の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る車両感知システムと比べて、車両感知器が無線機へ車両情報を送信する方法が異なる車両感知システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様である。
図25は、本発明の第12の実施の形態に係る車両感知システムの構成を示す図である。
図25を参照して、車両感知システム112は、車両感知器11と、無線機12と、アンテナ13と、同期処理部39とを備える。
同期処理部39は、無線機12および複数の車両感知器11間で時刻情報を送受信することにより、無線機12および各車両感知器11を同期させる処理を行う。
同期処理部39は、車両感知器11が備えていてもよいし、無線機12が備えていてもよいし、車両感知器11および無線機12以外の装置(以下、同期装置とも称する。)が備えていてもよい。また、同期処理部39は、車両感知器11および無線機12の両方が備えていてもよいし、車両感知器11、無線機12および同期装置が備えていてもよい。
以下、車両感知器11が備える同期処理部39を同期処理部39Aとし、無線機12が備える同期処理部39を同期処理部39Bとし、同期装置が備える同期処理部39を同期処理部39Cとも称する。
たとえば、車両感知器11および無線機12が同期処理部39を備える場合、無線機12における同期処理部39Bは、自己の内部時計による現在時刻を示す時刻情報である無線機時刻情報を作成して各車両感知器11へ送信する。
各車両感知器11における同期処理部39Aは、無線機12からの無線機時刻情報に基づいて、自己の車両感知器11における内部時計の時刻を補正し、当該無線機12と自己の車両感知器11とを同期させる。
また、たとえば、車両感知器11、無線機12および同期装置の全部が同期処理部39を備える場合、同期装置における同期処理部39Cは、自己の内部時計による現在時刻を示す時刻情報である同期装置時刻情報を作成して各車両感知器11および無線機12へ送信する。
各車両感知器11における同期処理部39Aは、同期装置からの同期装置時刻情報に基づいて、自己の車両感知器11における内部時計の時刻を補正し、同期装置と自己の車両感知器11とを同期させる。
無線機12における同期処理部39Bは、同期装置からの同期装置時刻情報に基づいて、自己の無線機12における内部時計の時刻を補正し、同期装置と自己の無線機12とを同期させる。これにより、各車両感知器11および無線機12は互いに同期する。
各車両感知器11は、車両情報を無線機12へ送信する場合、車両感知器11ごとにあらかじめ定められた時刻に送信する。
無線機12は、車両情報を受信した時刻に基づいて、当該車両情報の送信元の車両感知器11を認識する。車両感知器11と無線機12とが同期していることによって、無線機12は、車両情報の送信元の車両感知器11を正確に認識することができる。
また、時刻情報の送信側の装置における同期処理部39は、たとえば定期的に時刻情報を作成して送信する。時刻情報の受信側の装置おける同期処理部39は、たとえば、当該受信側の装置が時刻情報を受信する時間帯以外は動作を停止し、当該受信側の装置が時刻情報を受信する時間帯に動作を再開する。これによって、受信側の装置における電力消費を抑えることができる。
なお、同期処理部39は、無線機12および各車両感知器11の時刻を同期させる構成に限らず、たとえば、フレーム同期等、基準時刻からの経過時間を合わせる構成であってもよい。
また、車両感知システム112は、1つの車両感知器11に対して1つの無線機12が設置される構成に限らず、複数の車両感知器11に対して1つの無線機12が設置される構成であってもよい。
この場合、たとえば、複数の車両感知器11が車両10の進行方向に沿って互いに数メートル離れて設置される。
各車両感知器11における車両情報作成部33は、自己の車両感知器11におけるアンテナ31によって受信される感知用電波の測定結果に基づいて、自己の車両感知器11の上方を車両10が通過するたびに、車両10が通過した時刻および自己の車両感知器11の上方に当該車両10が存在した期間を示す存在時間情報を作成する。そして、車両情報作成部33は、作成した存在時間情報を管理部35へ送る。
管理部35は、車両情報作成部33から受けた車両情報である存在時間情報を記憶部36に保存していく。そして、管理部35は、たとえば1分間隔で、記憶部36が保存している存在時間情報を全部取得し、取得した存在時間情報を、通信部32を介して無線機12へ送信する。また、管理部35は、無線機12へ送信した存在時間情報を記憶部36から消去する。
無線機12は、各車両感知器11から1分ごとに受信する存在時間情報を確認し、同一の車両10に関する各存在時間情報を互いに関連付ける。そして、無線機12は、互いに関連付けた各存在時間情報を用いて、各車両10の速度および車種を求める。
具体的には、たとえば、無線機12は、互いに関連付けた各存在時間情報の示す時刻から特定の車両10の速度を求める。また、無線機12は、当該速度および当該存在時間情報の示す期間から当該車両10の車長を求め、当該車長に基づいて当該車両10の車種を判定する。
また、無線機12は、各車両10の速度および車種から、総合的な車両情報、すなわち、たとえば1分ごとの車両10の平均速度および車種別台数を求める。
なお、車両情報作成部33は、自己の車両感知器11の上方を車両10が通過するたびに存在時間情報を作成する構成に限らず、特定の時刻を起点とした、自己の車両感知器11の上方に車両10が存在した期間と存在しなかった期間とを交互に示す情報を作成して無線機12へ送信してもよい。
この場合、無線機12は、各車両感知器11から送信される当該情報に基づいて、各車両10の速度および車種を求め、各車両10の速度および車種から、たとえば1分ごとの車両10の平均速度および車種別台数を求める。
以上のように、本発明の第12の実施の形態に係る車両感知システムでは、同期処理部39は、無線機12および各車両感知器11間で時刻情報を送受信することにより、無線機12および各車両感知器11を同期させる処理を行う。
このような構成により、たとえば、各車両感知器11は、車両感知器11ごとに定められた時刻に車両情報を送信することによって、他の車両感知器11と異なるタイミングで車両情報を送信することができるため、各車両感知器11が送信する感知用電波の衝突を回避することができる。また、特定のタイミングにおいて車両情報を送信すればよいため、車両情報の送信回数を減らし、電力の消費を抑えることができる。また、車両感知システムが複数の車両感知器11を備える場合、互いに同期した各車両感知器11における感知用電波の測定結果を用いて、より正確な車両情報を取得することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第13の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る車両感知システムと比べて、車両感知器が路面の上方に設置される車両感知システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様である。
図26は、本発明の第13の実施の形態に係る車両感知システムの構成を示す図である。
図26を参照して、車両感知システム113は、車両感知器21と、送信装置22を備える。車両感知器21は、アンテナ(測定アンテナ)51と、車両感知器本体57とを備える。
送信装置22は、たとえば、道路14の路面の下に埋設され、道路14の路面の下から上方へ放射する。
車両感知器21は、たとえば、道路14の路面より高い位置に設置される。車両感知器21は、アンテナ51によって受信される電波を測定して、測定結果の変化に基づいて道路14を通過する車両10を感知する。
以下、送信装置22から放射され、車両感知器21が車両10を感知するために用いられる電波を感知用電波とも称する。
図27は、本発明の第13の実施の形態に係る車両感知システムにおける車両感知器の感知用電波の受信を示す図である。
図27を参照して、車両10は、送信装置22の上方を走行しており、車両10の一部が、送信装置22のアンテナおよびアンテナ51間を結ぶ直線上に位置している。
送信装置22から放射されてアンテナ51へ直進する感知用電波は、車両10によって遮断されるため、車両感知器21に到達しない。しかしながら、送信装置22から放射された感知用電波の一部は、車両10の端部から車両10の上方へ周り込み、車両感知器21へ到達する。
以下、車両感知器21へ直進する感知用電波を直接波とも称する。また、車両10の端部から車両10の上方へ周り込む感知用電波を回折波とも称する。
図27に示すLは、路面における車両10の前端の対応位置、たとえば車両10の前端の真下の路面上の点と、路面における送信装置22のアンテナの対応位置、たとえば送信装置22のアンテナの真上の路面上の点との距離を示す。
たとえば、車両10の前端から車両10の上方へ回り込むことにより車両感知器21に到達する感知用電波の受信レベルは、距離Lが大きくなるにしたがって小さくなる。
図3は、本発明の第13の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、車両感知器が受信する感知用電波の受信レベルの時間変化の一例も示している。
図3を参照して、グラフの横軸は時間を示し、縦軸は車両感知器21が受信した感知用電波の受信レベルを示す。グラフは、車両10が送信装置22の上方を通過する際の、車両感知器21が受信する感知用電波の受信レベルの時間変化を示している。
感知用電波の受信レベルは、車両10が送信装置22からの直接波を遮断していないときにはレベルShである。
そして、感知用電波の受信レベルは、送信装置22からの直接波が車両10により遮断される時刻t0から低下し始め、時刻t1においてレベルSbに到達して一定となる。レベルSbは、車両感知器21による受信レベルの測定下限であり、たとえばフロアノイズの受信レベルである。
そして、感知用電波の受信レベルは、時刻t2から上昇し始め、車両感知器21が送信装置22からの直接波を再び受信し始める時刻t3においてレベルShに戻る。
また、時刻t0から時刻t3までの期間Ta、時刻t0から時刻t1までの期間Tb、時刻t1から時刻t2までの期間Tcおよび時刻t2から時刻t3までの期間Tdは、車両10の速度に依存し、たとえば、車両10の速度が速いほど短くなる。
図28は、本発明の第13の実施の形態に係る送信装置の構成を示す図である。
図28を参照して、送信装置22は、アンテナ(路面側アンテナ)71と、通信部72と、感知電波送信部73と、スリープ制御部74と、管理部75と、記憶部76と、電池部77と、磁気センサ78とを備える。
送信装置22は、たとえば、バッテリに蓄えられた電力を用いて動作する。具体的には、電池部77は、当該バッテリを含み、バッテリの出力を所定の電圧レベルに変換して送信装置22全体へ供給する。
なお、送信装置22は、電池部77を備える構成に限らず、電池部77を備えない構成であってもよい。送信装置22が電池部77を備えない場合、送信装置22は、たとえば送信装置22の外部に設置されたバッテリから電力の供給を受ける。
アンテナ71は、送信装置22における他のユニットとともに車両10が通過する道路14の路面の下に埋設される。なお、アンテナ71は、車両10が通過する道路14の路面の下に限らず、車両10が通過する道路14の路面に設置されてもよい。また、アンテナ71は、たとえば駐車場のように車両10が停止する路面の下に埋設されてもよいし、車両10が停止する路面に設置されてもよい。
感知電波送信部73は、たとえばRF帯の電気信号をアンテナ71へ送信することにより、感知用電波をアンテナ71からで車両感知器21へ送信する。
アンテナ71は、車両感知器21および送信装置22間の通信にも用いられる。通信部72は、車両感知器21とアンテナ71経由で信号を送受信することにより車両感知器21と通信する。具体的には、通信部72は、管理部75から受ける情報をアンテナ71経由で車両感知器21へ送信し、また、車両感知器21からアンテナ71経由で受信する情報を管理部75へ送る。
スリープ制御部74は、感知電波送信部73を間欠的に動作させる。具体的には、たとえば、スリープ制御部74は、アンテナ71によって受信される電波の受信レベルに基づいて、所定期間、車両10が送信装置22の上方を通過していないと判断した場合、感知電波送信部73の動作を停止する。
また、スリープ制御部74は、感知電波送信部73の動作を停止した後、所定条件を満たす場合、感知電波送信部73の動作を再開する。
具体的には、たとえば、スリープ制御部74は、アンテナ71によって受信される電波の受信レベルを監視し、当該受信レベルに変化があった場合、当該受信レベルの変化から車両10の接近を感知して、感知電波送信部73の動作を再開する。
また、たとえば、車両10の大部分は金属によって構成されており、さらに、車両10が一般的に備えるダイナモの周辺には強い磁界が発生しているため、車両10が送信装置22に接近した場合、送信装置22における磁界のレベルまたは磁界の向きが変化する。
磁気センサ78は、送信装置22における磁界のレベルまたは磁界の向きを測定し、測定結果をスリープ制御部74へ送る。
スリープ制御部74は、磁気センサ78から受ける磁界のレベルまたは磁界の向きの測定結果を監視し、たとえば測定結果に変化があった場合、測定結果の変化から車両10の接近を感知して、感知電波送信部73の動作を再開する。
なお、送信装置22は、磁気センサ78を備える構成に限らず、磁気センサ78を備えない構成であってもよいし、磁気センサ78の代わりに振動センサを備える構成であってもよい。
車両感知器21が、磁気センサ78の代わりに振動センサを備える場合、当該振動センサは、たとえば道路14の振動を測定し、測定結果をスリープ制御部74へ送る。
スリープ制御部74は、当該振動センサから受ける振動の測定結果を監視し、たとえば測定結果に変化があった場合に、車両10の接近を感知して、感知電波送信部73の動作を再開する。
図29は、本発明の第13の実施の形態に係る車両感知器の構成を示す図である。
図29を参照して、車両感知器21は、アンテナ(測定アンテナ)51と、車両感知器本体57とを備える。車両感知器本体57は、通信部52と、車両情報作成部53と、管理部55と、記憶部56とを含む。
アンテナ51は、道路14の路面より高い位置、すなわち道路14の路面の上方に設置され、送信装置22から送信される電波を受信する。アンテナ51は、送信装置22から受信した感知用電波を電気信号に変換して通信部52および車両情報作成部53へ送る。
また、アンテナ51は、車両感知器21および送信装置22間の通信にも用いられる。アンテナ51は、通信部52から電気信号を受けて、受けた電気信号を電波に変換して送信装置22へ送信する。
通信部52は、送信装置22とアンテナ51経由で信号を送受信することにより送信装置22と通信する。具体的には、通信部52は、管理部55から受ける情報をアンテナ51経由で送信装置22へ送信し、また、送信装置22からアンテナ51経由で受信する情報を管理部55へ送る。
車両情報作成部53は、アンテナ51によって受信される感知用電波を測定し、測定結果の変化に基づいて車両10に関する車両情報を作成する。具体的には、車両情報作成部53は、アンテナ51から受ける電気信号のレベルを所定間隔で測定し、たとえば図3に示すような時間と受信レベルとの関係の情報(以下、時間レベル情報とも称する。)を作成する。
車両情報作成部53は、作成した時間レベル情報に含まれるTaおよびTcからTc/Taを計算して車両10の車長Dを求め、車長Dに基づいて、車両10の車種を判定する。
そして、車両情報作成部53は、車両10の車長Dを示す車長情報および車両10の車種を示す車種情報を作成する。
また、車両情報作成部53は、D/Taを計算し、D/Taに基づいて、車両10の速度を算出し、車両10の速度を示す速度情報を作成する。
なお、車両情報作成部53は、時間レベル情報、車長情報、車種情報および速度情報の全部を作成する構成に限らず、一部を作成する構成であってもよい。
車両情報作成部53は、作成した車両情報である時間レベル情報、車長情報、車種情報および速度情報を管理部55へ送る。
管理部55は、車両情報作成部53から受けた車両情報を記憶部56に保存する。
なお、車両感知システム113は、1つの車両感知器21に対して1つの送信装置22が設置される構成に限らず、1つの車両感知器21に対して複数の送信装置22が設置される構成であってもよい。
また、アンテナ71は、送信装置22における他のユニットとともに路面の下または路面に設置される構成に限らず、当該他のユニットと別個の場所に設置されてもよい。この場合、当該他のユニットは、たとえば路面の上方に設置されてもよい。
また、車両情報作成部53は、アンテナ51によって受信される感知用電波を測定し、第2の実施の形態と同様の処理により車両情報を作成してもよい。
また、車両情報作成部53は、アンテナ51によって受信される感知用電波を測定し、第3の実施の形態と同様の処理により車両情報を作成してもよい。そして、たとえば、車両情報作成部53は、感知用電波の測定結果の変化、および通信部52による送信装置22から送信された信号の受信の可否に基づいて車両情報を作成してもよい。
また、車両情報作成部53は、アンテナ51によって受信される感知用電波を測定し、第4の実施の形態と同様の処理により車両情報を作成してもよい。
また、送信装置22は、放射する感知用電波の周波数を交互に切り替えてもよいし、放射する感知用電波の周波数をスイープさせてもよいし、異なる2つの周波数成分を有する感知用電波を放射してもよい。これらの場合、車両感知器21における車両情報作成部53は、アンテナ51によって受信される感知用電波を測定し、第5の実施の形態と同様の処理により車両情報を作成する。
また、車両感知器21は、2つのアンテナ51を備えてもよい。車両感知器21が2つのアンテナ51を備える場合、車両情報作成部53は、各アンテナ51によって受信される感知用電波を測定し、第7の実施の形態と同様の処理により車両情報を作成してもよい。
また、送信装置22は、磁気センサ78による磁界のレベルの測定結果を車両感知器21へ送信してもよい。送信装置22が磁気センサ78による磁界のレベルの測定結果を車両感知器21へ送信した場合、車両感知器21における車両情報作成部53は、送信装置22から受信した磁界のレベルの測定結果と、アンテナ51によって受信された感知用電波の測定結果とを比較して、第8の実施の形態と同様の処理により車両情報を作成してもよい。
以下、車両10が送信装置22の上方を通過した際の車両感知器21による感知用電波の測定結果について説明する。
図26は、本発明の第13の実施の形態に係る車両感知器および送信装置を用いた感知用電波の受信レベルの測定系の一例も示している。
送信装置22は、道路14の路面の下に埋設され、感知用電波を放射する。
アンテナ51は、送信装置22から10m離れた場所に設置され、送信装置22から放射された感知用電波を受信する。車両感知器21は、アンテナ51によって受信された感知用電波の受信レベルを測定する。
車両10は、軽自動車であり、道路14を時速30〜40kmで走行して送信装置22の上方を通過する。
図30は、本発明の第13の実施の形態に係る車両感知器による感知用電波の測定結果の一例を示す図である。
図30を参照して、グラフの横軸は測定開始からの時間[秒]を示し、縦軸はアンテナ51によって受信された感知用電波の受信レベル[dBm]を示す。
始めマイナス83dBmであった受信レベルは、測定開始から約1.8秒後に低下し始め、測定開始から約2.0秒後にマイナス97dBmに到達し、その後上昇して、測定開始から約3.2秒後にマイナス83dBmで安定した。
図30に示す測定結果から、車両10が送信装置22の上方を通過した際、車両感知器21が、感知用電波の受信レベルの変化を確認し、感知用電波の受信レベルの変化に基づいて、車両10の通過を感知できることが分かる。
図31は、本発明の第13の実施の形態に係る車両感知器による感知用電波の測定結果の他の例を示す図である。
図31は、車両10が2台連続で送信装置22の上方を通過した際の感知用電波の測定結果を示している。図31を参照して、グラフの横軸は測定開始からの時間[秒]を示し、縦軸はアンテナ51によって受信された感知用電波の受信レベル[dBm]を示す。
始めマイナス77dBmであった受信レベルは、測定開始から約0.9秒後に上昇し始め、測定開始から約1.1秒後にマイナス75dBmに到達した。受信レベルは、その後下降し、測定開始から約1.6秒後にマイナス82dBmに到達して再び上昇し、測定開始から約2.0秒後にマイナス77dBmで安定した。
また、受信レベルは、測定開始から約3.7秒後に上昇し始め、測定開始から約3.9秒後にマイナス74dBmに到達した。受信レベルは、その後下降し、測定開始から約4.3秒後にマイナス84dBmに到達して再び上昇し、測定開始から約4.7秒後にマイナス77dBmで安定した。
図31に示す測定結果から、複数の車両10が送信装置22の上方を通過する場合、車両感知器21が、感知用電波の受信レベルの変化に基づいて、車両10の通過台数を感知できることが分かる。
なお、アンテナ51によって受信された感知用電波の受信レベルが、測定開始後約0.9秒から一旦上昇したのは、1台目の車両10の前面部において反射した感知用電波がアンテナ51に到達したためであると考えられる。
また、アンテナ51によって受信された感知用電波の受信レベルが、測定開始後約3.7秒から一旦上昇したのは、2台目の車両10の前面部において反射した感知用電波がアンテナ51に到達したためであると考えられる。
以上のように、本発明の第13の実施の形態に係る車両感知器では、アンテナ51は、送信装置22から送信される感知用電波を受信する。送信装置22は、車両10が通過する路面の下もしくは車両10が停止する路面の下に埋設されるか、または車両10が通過する路面もしくは車両10が停止する路面に設置されるアンテナ71を備える。車両情報作成部53は、アンテナ51によって受信される感知用電波を測定し、測定結果の変化に基づいて車両10に関する車両情報を作成する。アンテナ51は、車両10が通過する路面の上方または車両10が停止する路面の上方に設置される。
このような構成により、感知用電波の測定により得られた値の変化から、たとえば、送信装置22の上方に車両10が存在するか否かの情報だけでなく、当該車両10の速度、車種または進行方向等の情報も取得することができる。したがって、周囲環境によって大きな影響を受けることなく詳細な交通状況を容易に把握することができる。
また、本発明の第13の実施の形態に係る車両感知器では、通信部52は、送信装置22とアンテナ51経由で信号を送受信することにより送信装置22と通信する。車両情報作成部53は、測定結果の変化、および通信部52による送信装置22から送信された信号の受信の可否に基づいて車両情報を作成する。
このような構成により、たとえば、送信装置22と良好に通信を行うことができた場合における、当該通信に用いた感知用電波の測定結果から車両情報を作成することができるため、ノイズ等の影響の少ない、品質の良好な感知用電波を用いて、より信頼性の高い車両情報を作成することができる。
また、本発明の第13の実施の形態に係る車両感知システムでは、アンテナ71は、車両10が通過する路面の下もしくは車両10が停止する路面の下に埋設されるか、または車両10が通過する路面もしくは車両10が停止する路面に設置される。アンテナ51は、アンテナ71から送信される感知用電波を受信する。車両情報作成部53は、アンテナ51によって受信される感知用電波を測定し、測定結果の変化に基づいて車両10に関する車両情報を作成する。アンテナ51は、車両10が通過する路面の上方または車両10が停止する路面の上方に設置される。
このような構成により、感知用電波の測定により得られた値の変化から、たとえば、送信装置22の上方に車両10が存在するか否かの情報だけでなく、当該車両10の速度、車種または進行方向等の情報も取得することができる。したがって、周囲環境によって大きな影響を受けることなく詳細な交通状況を容易に把握することができる。
また、本発明の第13の実施の形態に係る車両感知システムでは、送信装置22は、バッテリに蓄えられた電力を用いて動作する。感知電波送信部73は、アンテナ71を用いて感知用電波を送信する。スリープ制御部74は、感知電波送信部73を間欠的に動作させる。また、スリープ制御部74は、感知電波送信部73の動作を停止した後、所定条件を満たす場合、感知電波送信部73の動作を再開する。
このような構成により、送信装置22の上方を所定期間車両10が通過しない場合に感知電波送信部73の動作を停止させ、車両10が当該送信装置22の上方を通過しようとしている場合に感知電波送信部73の動作を再開させるような、間欠的な動作を行わせることができるため、車両感知器21によるバッテリの電力消費を抑えて、たとえば、バッテリの交換頻度を下げることができる。特に、バッテリ内蔵の送信装置22またはバッテリ単体が路面の下に埋設されている場合には、バッテリ交換作業等の送信装置22の保守コストを効果的に削減することができる。
また、本発明の第13の実施の形態に係る車両感知システムでは、通信部52は、送信装置22とアンテナ51経由で信号を送受信することにより送信装置22と通信する。車両情報作成部53は、測定結果の変化、および通信部52による送信装置22から送信された信号の受信の可否に基づいて車両情報を作成する。
このような構成により、たとえば、他の装置と良好に通信を行うことができた場合における、当該通信に用いた感知用電波の測定結果から車両情報を作成することができるため、ノイズ等の影響の少ない、品質の良好な感知用電波を用いて、より信頼性の高い車両情報を作成することができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第14の実施の形態>
本実施の形態は、第13の実施の形態に係る車両感知システムと比べて、送信装置の上方に車両が存在しているか否かを判定する車両感知システムに関する。以下で説明する内容以外は第13の実施の形態に係る車両感知システムと同様である。
本発明の第14の実施の形態に係る車両感知システム114では、送信装置22のアンテナ71は、車両10が停止する路面の下に埋設される。たとえば、送信装置22のアンテナ71は、送信装置22の他のユニットとともに、駐車場における、車両10が駐車する枠内に1つずつ埋設される。また、車両感知器21は、たとえば、当該駐車場の脇に設置される。
図32は、本発明の第14の実施の形態に係る車両感知器が車両情報を作成するシーケンスの一例を示す図である。
車両感知システムにおける各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下に示すシーケンスの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図32は、1つの車両感知器21に対して2つの送信装置22Aおよび送信装置22Bが設置される場合を示す。
図32を参照して、車両感知器21は、感知用電波を放射させる指示である送信指示を定期的または不定期に送信装置22Aへ送信する(ステップS51)。
次に、送信装置22Aは、車両感知器21から送信指示を受信して、たとえば、特定のデータを含む信号を変調した電波を感知用電波として所定期間放射する(ステップS52)。
次に、車両感知器21は、送信装置22Aから放射された感知用電波を受信して、送信装置22Aが設置された枠内に車両10が駐車されているか否かを判定する(ステップS53)。
具体的には、車両感知器21における車両情報作成部53は、送信装置22Aから送信された信号の受信の可否およびアンテナ51によって受信された感知用電波の受信レベルに基づいて、送信装置22Aが設置された枠内に車両10が駐車されているか否かを判定する。
たとえば、車両感知器21において、車両情報作成部53は、アンテナ51によって受信された感知用電波から通信部52が元のデータを復元できた場合には、通信部52が送信装置22Aからの信号を受信できたと判定する。
また、車両情報作成部53は、アンテナ51によって受信された感知用電波から通信部52が元のデータを復元できなかった場合には、通信部52が送信装置22Aからの信号を受信できなかったと判定する。
そして、車両情報作成部53は、通信部52が送信装置22Aからの信号を受信できた場合であって、かつ、アンテナ51によって受信された感知用電波の受信レベルが所定値以上であった場合には、送信装置22Aが設置された枠内に車両10が駐車されていないと判定する。
また、車両情報作成部53は、通信部52が送信装置22Aからの信号を受信できなかった場合、または、アンテナ51によって受信された感知用電波の受信レベルが所定値以下であった場合には、送信装置22Aが設置された枠内に車両10が駐車されていると判定する。
なお、車両情報作成部53は、車両感知器21が送信指示を送信した後所定期間、アンテナ51によって送信装置22からの感知用電波を受信できなかった場合にも、通信部52が送信装置22Aからの信号を受信できなかったと判定する。
次に、車両感知器21は、送信指示を送信装置22Bへ送信する(ステップS54)。
次に、送信装置22Bは、車両感知器21から送信指示を受信して、たとえば、特定のデータを含む信号を変調した電波を感知用電波として一定期間放射する(ステップS55)。
次に、車両感知器21は、送信装置22Bから放射された感知用電波を受信して、送信装置22Bが設置された枠内に車両10が駐車されているか否かを判定する(ステップS56)。
具体的には、車両感知器21における車両情報作成部53は、送信装置22Bから送信された信号の受信の可否およびアンテナ51によって受信された感知用電波の受信レベルに基づいて、送信装置22Bが設置された枠内に車両10が駐車されているか否かを判定する(ステップS57)。
次に、車両情報作成部53は、送信装置22Aが設置された枠内の駐車判定結果および送信装置22Bが設置された枠内の駐車判定結果に基づいて、送信装置22Aおよび送信装置22Bが設置されている駐車場における車両10の駐車状況を示す駐車情報を車両情報として作成する(ステップS57)。
そして、車両情報作成部53は、作成した車両情報を管理部55へ送る。管理部55は、車両情報作成部53から受けた車両情報を記憶部56に保存する(ステップS58)。
上記のような手順により、各送信装置22は、他の送信装置22と異なるタイミングで車両情報を送信することができるため、自己が送信する感知用電波と他の送信装置22から送信される電波との衝突を回避することができる。
また、送信装置22は、特定の期間に感知用電波を送信すればよいため、感知用電波の送信時間を減らして、たとえば電池部77におけるバッテリの電力消費を抑えることができる。
また、各送信装置22におけるスリープ制御部74は、感知電波送信部73を間欠的に動作させてもよい。具体的には、スリープ制御部74は、所定期間アンテナ71によって車両感知器21からの送信指示が受信されない場合に、感知電波送信部73の動作を停止させ、アンテナ71によって車両感知器21からの送信指示が受信された場合に、感知電波送信部73の動作を再開してもよい。
また、車両感知器21が定期的に送信指示を送信する場合には、送信装置22におけるスリープ制御部74は、車両感知器21が送信指示を送信しない時間帯に感知電波送信部73の動作を停止させ、車両感知器21が送信指示を送信する時間帯に感知電波送信部73の動作を再開させてもよい。
また、送信装置22のアンテナは、駐車場の路面の下に埋設される構成に限らず、車両10が停止する道路14の路面の下、たとえば、踏切における車両10の停車位置の下に埋設される構成であってもよい。
また、送信装置22のアンテナは、駐車場または道路14の路面の下に埋設される構成に限らず、たとえば路面上に設置されてもよい。
その他の構成および動作は第13の実施の形態に係る車両感知システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第15の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る車両感知システムと比べて、磁界を用いて車両情報を作成する車両感知システムに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様である。
[構成および基本動作]
図33は、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知システムの構成を示す図である。
図33を参照して、車両感知システム115は、車両感知器211と、受信装置212とを備える。
車両10は、道路14を矢印70が示す方向へ走行している。車両感知器211は、たとえば道路14の路面の下に埋設される。車両感知器211は、磁気センサを含み、磁界の変化に基づいて、自己の上方を通過する車両10に関する車両情報を作成する。車両感知器211の含む磁気センサは、たとえば地磁気センサである。車両感知器211は、たとえばバッテリを含み、当該バッテリに蓄えられた電力を用いて動作する。
受信装置212は、車両感知器211と通信することにより、車両感知器211から車両情報を取得する。受信装置212は、たとえば、車両10が走行する道路14の脇に設置される。
図34は、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知システムにおける磁界の測定を示す図である。
図34を参照して、車両10は、たとえば強い磁界を発生させる強磁界部(特定部)16を備える。強磁界部16は、たとえば、車両10が一般的に備えるダイナモである。
図34に示すLは、路面における車両10の前端の対応位置、たとえば路面における車両10の前端の真下の点と、路面における車両感知器211の磁気センサの対応位置、たとえば路面における車両感知器211の磁気センサの真上の点との距離を示す。
L1は、たとえば、車両10の前端と強磁界部16との距離を示す。また、L5は、たとえば、車両10の前端と後端との距離を示す。
強磁界部16が車両感知器211の真上に位置しているとき、すなわち、たとえばL=L1のとき、車両感知器211における磁界のレベルは最も高くなる。
図35は、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知システムにおいて、図34に示す距離Lと車両感知器における磁界のレベルとの関係の一例を示す図である。
図35は、車両感知器211の含む磁気センサによる磁界の測定結果を示している。図35を参照して、グラフの横軸は距離Lを示し、縦軸は車両感知器211における磁界のレベルを示す。グラフは、車両10が車両感知器211の上方を通過する際の、車両感知器211における磁界のレベルを示す。
車両感知器211における磁界のレベルは、車両10が車両感知器211から十分離れている場合、すなわち定常状態において、レベルHh1からレベルHh2までの範囲、詳細には、レベルHmに収束している。レベルHmは、たとえば地磁気のレベルを示す。
磁界のレベルは、車両10の接近により、たとえばL=0となる時刻t0において上昇し始める。時刻t0は、たとえば、レベルHh1からレベルHh2までの範囲に収束していた車両感知器211における磁界のレベルが、車両10の接近によって、当該範囲を外れて上昇し始める時刻である。
そして、磁界のレベルは、L=L1となる時刻t1において、ピーク値であるレベルHtに達して一定となり、L=L2となる時刻t2から下降し始める。そして、磁界のレベルは、L=L3となる時刻t3においてレベルHbに到達して一定となり、L=L4となる時刻t4から上昇し始める。
そして、磁界のレベルは、L=L5となる時刻t5において、レベルHh1からレベルHh2までの範囲、詳細には、レベルHmに再び収束する。時刻t5は、たとえば、車両感知器211における磁界のレベルが、車両10の通過によってレベルHh1からレベルHh2までの範囲を外れた後、再び当該範囲に収束した時刻である。
ここで、たとえばダイナモである強磁界部16は、ほとんどの車両10において、車両10の前部に設けられている。このため、距離L1に対する距離L5の長さは、車両10が大型車である場合、車両10が小型車である場合に比べて小さくなる。
このことから、たとえば、時刻t0から時刻t1までの時間Trに対する、時刻t0から時刻t5までの時間Tfの長さは、車両10が大型車である場合、車両10が小型車である場合に比べて小さくなる。
車両感知器211は、時間Trと時間Tfとの比に基づいて、自己の上方を通過した車両10の車種を推定する。ここでは、車両感知器211は、自己の上方を通過した車両10が大型車であるか否かというような、大まかな車種の区分に従って車両10を分類する。
車両感知器211は、たとえば、大型車の平均的な距離L1、および大型車以外の車両の平均的な距離L1を予め記憶している。車両感知器211は、記憶している各距離L1の中から、推定した車種に応じた距離L1を選択し、選択した距離L1を用いて車両10の速度を算出する。
そして、車両感知器211は、算出した車両10の速度に基づいて、車両10の車長を算出し、算出した車長に基づいて車両10の車種を判別する。ここでは、車両感知器211は、上述のように車種を推定した際に適用した車種の区分に比べて、より細かく定めた区分に従って車両10の車種を判別する。具体的には、たとえば、車両感知器211は、車両10を大型車、中型車および小型車のいずれか1つに分類する。
図36は、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知器の構成を示す図である。
図36を参照して、車両感知器211は、アンテナ82と、通信部83と、管理部84と、記憶部85と、磁気センサ86と、スリープ制御部87と、監視部88と、電池部89と、車両情報作成部90とを備える。
車両情報作成部90は、取得部92と、速度演算部93と、車長演算部94と、判別部95とを含む。
電池部89は、バッテリを含み、バッテリの出力電圧のレベルを所定の電圧レベルに変換し、変換後の電圧を車両感知器211における各部へ供給する。
アンテナ82は、車両感知器211および受信装置212間の通信に用いられる。通信部83は、アンテナ82経由で受信装置212と通信する。具体的には、通信部83は、管理部84から受けた情報をアンテナ82経由で受信装置212へ送信し、また、受信装置212からアンテナ82経由で受信した情報を管理部84へ送る。
記憶部85は、車両10における強磁界部16の位置を示す情報を記憶している。具体的には、たとえば、記憶部85は、強磁界部16の位置として距離L1を記憶している。
より具体的には、車両10は、大型車、中型車または小型車等、車種の区分のうちのいずれか1つに分類することができる。記憶部85は、たとえば、車両10の車種ごとに距離L1を記憶している。
ここでは、記憶部85は、大型車の平均的な距離L1、および大型車以外の車両の平均的な距離L1を予め記憶している。
磁気センサ86は、磁界を測定し、測定結果を示すセンサ信号を監視部88へ送る。監視部88は、磁気センサ86から受けたセンサ信号を用いて、車両10の走行に伴う磁界の変化を監視する。
たとえば、監視部88は、当該センサ信号に基づいて、車両感知器211の上方を車両10が通過したと認識すると、車両10が通過した際の磁界の変化を示す磁界変化情報を車両情報作成部90における取得部92へ送る。磁界変化情報は、たとえば、磁界のレベルの時間変化を示す情報である。
取得部92は、監視部88の監視結果に基づいて、磁界の変化が所定条件を満たすタイミングを取得する。当該所定条件は、たとえば、磁界の変化が所定パターンに一致または類似することである。
具体的には、たとえば、取得部92は、監視部88から受けた磁界変化情報に基づいて、所定範囲に収束している状態の磁界の大きさが当該所定範囲を外れて上昇し始める第1タイミングと、第1タイミングの後に磁界の大きさがピーク値に達する第2タイミングと、第2タイミングの後に磁界の大きさが低下して所定範囲に収束する第3タイミングとを取得する。
たとえば、取得部92は、第2のタイミングの後、磁界の大きさが所定範囲に含まれた状態が所定時間継続した場合に、磁界の大きさが所定範囲に収束したと判断する。そして、取得部92は、磁界の大きさが所定範囲に収束したタイミングの、当該所定時間前のタイミングを第3のタイミングとして取得する。ここで、当該「磁界の大きさ」は、たとえば、定常状態の磁界の大きさを基準とした磁界の大きさである。また、当該「所定範囲」は、定常状態における磁界のレベルを含む範囲である。
取得部92は、たとえば、図35に示す時刻t0を第1のタイミングとして取得し、時刻t1を第2のタイミングとして取得し、時刻t5を第3のタイミングとして取得する。
速度演算部93は、取得部92によって取得されたタイミングに基づいて車両10における強磁界部16の位置を推定する。具体的には、たとえば、速度演算部93は、取得部92によって取得された第2タイミングおよび第3タイミングに基づいて強磁界部16の位置を推定する。
たとえば、速度演算部93は、図35において説明したように、時刻t1および時刻t0の差である時間Trと、時刻t5および時刻t0の差である時間Tfとの比に基づいて、自己の車両感知器211の上方を通過した車両10の車種を推定する。ここでは、速度演算部93は、たとえば、自己の車両感知器211の上方を通過した車両10が大型車であるか否かというような、大まかな車種の区分に従って車両10を分類する。
そして、速度演算部93は、推定した車種に基づいて、強磁界部16の位置たとえば距離L1を推定する。具体的には、速度演算部93は、記憶部85の記憶する複数の距離L1の中から推定した車種に応じた距離L1を選択し、選択した距離L1を管理部84経由で取得する。
速度演算部93は、取得部92によって取得されたタイミング、および推定した強磁界部16の位置に基づいて、車両10の速度を算出する。
具体的には、たとえば、速度演算部93は、取得部92によって取得された第1タイミングおよび第2タイミング、ならびに推定した強磁界部16の位置たとえば距離L1に基づいて、車両10の速度を算出する。
詳細には、たとえば、速度演算部93は、車両10の速度を速度Vsとすると、以下の式に従って速度Vsを算出する。
Vs=L1/(t1−t0)
車長演算部94は、たとえば、速度演算部によって算出された速度Vs、および取得部92によって取得された第3タイミングに基づいて車両10の車長を算出する。
詳細には、たとえば、車長演算部94は、車両10の車長をDmとすると、以下の式に従って車長Dmを算出する。
Dm=Vs×(t5−t0)
判別部95は、たとえば、車長演算部94によって算出された車長Dmに基づいて、車両10の車種を判別する。
詳細には、たとえば、判別部95は、車長Dmに応じて、車両10を大型車、中型車および小型車のいずれか1つに分類する。
管理部84は、速度演算部93によって算出された速度Vs、車長演算部94によって算出された車長Dm、および判別部95によって判別された車両10の車種の各々を、車両情報として取得し、記憶部85に保存する。
このように、磁界を用いる構成により、電波を用いる構成と同様に、たとえば上述したカメラ式の車両感知装置と比べて、周囲の明るさ、または降雨の有無等の周囲環境による影響を抑えることができる。
受信装置212は、車両感知器211から車両情報を取得しようとする場合、車両情報を受信可能である旨の通知として、受信可能通知を車両感知器211へ送信する。
車両感知器211における通信部83は、受信装置212からの受信可能通知を自己の車両感知器211が受信した場合、すなわち、通信部83は、アンテナ82経由で受信可能通知を受信した場合、車両情報を受信装置212へ送信する。
具体的には、管理部84は、通信部83がアンテナ82経由で受信可能通知を受信すると、記憶部85から車両情報を取得して通信部83へ送る。通信部83は、管理部84から受けた車両情報をアンテナ82経由で受信装置212へ送信する。
受信装置212は、車両情報の受信を完了した場合、車両情報の受信を完了した旨の通知として、受信完了通知を車両感知器211へ送信する。
通信部83は、受信装置212へ車両情報を最初に送信した後、車両情報を繰り返し送信し、車両情報の受信を完了した旨の通知を自己の車両感知器が受信装置212から受信した場合に、車両情報の送信を停止する。
監視部88は、磁気センサ86から受けたセンサ信号に基づいて車両10の接近を感知すると、車両10の接近を通知する車両接近通知をスリープ制御部87へ送る。
スリープ制御部87は、車両情報作成部90に含まれる、取得部92、速度演算部93、車長演算部94および判別部95の全部または一部を間欠的に動作させる。
たとえば、スリープ制御部87は、監視部88からの車両接近通知を所定時間継続して受けない場合に、取得部92、速度演算部93、車長演算部94および判別部95の全部または一部の動作を停止する。
また、スリープ制御部87は、車両情報作成部90に含まれる各ユニットの動作を停止した後、所定条件を満たす場合、動作を停止したユニットである、取得部92、速度演算部93、車長演算部94および判別部95の全部または一部の動作を再開する。具体的には、スリープ制御部87は、監視部88から車両接近通知を受けた場合に、動作を停止したユニットの動作を再開する。
なお、車両感知器211は、車両10の接近を振動によって感知する振動センサを備えてもよい。この場合、監視部88は、当該振動センサから受けたセンサ信号に基づいて車両10の接近を感知し、車両接近通知をスリープ制御部87へ送る。
また、スリープ制御部87は、たとえば車両感知システムに要求される統計的な精度に応じて、車両情報作成部90に含まれる各ユニットの動作の停止および動作の再開を所定間隔で繰り返してもよい。
[動作]
車両感知システム115における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下に示すシーケンスの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図37は、車両感知システムにおける車両感知器が受信装置へ車両情報を送信するシーケンスの一例を示す図である。
図37は、1つの受信装置212に対して2つの車両感知器211Aおよび車両感知器211Bが設置される場合を示す。
図37を参照して、車両感知器211Aは、磁界の変化に基づいて、通過する車両10を感知して、当該車両10の車両情報を作成し(ステップS62)、作成した車両情報を記憶部85に保存する(ステップS63)。車両感知器211Aは、車両10が通過するたびに、車両10の車両情報を作成して記憶部85に保存する(ステップS62およびステップS63)。
また、車両感知器211Bは、車両10を感知して、当該車両10の車両情報を作成し(ステップS64)、作成した車両情報を記憶部85に保存する(ステップS65)。車両感知器211Bは、車両10が通過するたびに、車両10の車両情報を作成して記憶部85に保存する(ステップS64およびステップS65)。
次に、受信装置212は、受信可能通知を車両感知器211Aへ送信する(ステップS66)。
次に、車両感知器211Aは、受信装置212から受信可能通知を受信して、自己の記憶部85に車両情報が保存されている場合、当該車両情報を受信装置212へ送信する(ステップS67)。車両感知器211Aは、たとえば、当該車両情報を受信装置212へ繰り返し送信する。
次に、受信装置212は、車両感知器211Aから送信された車両情報を適切に受信した場合、受信完了通知を車両感知器211Aへ送信する(ステップS68)。
次に、車両感知器211Aは、受信完了通知を受信装置212から受信して、車両情報の送信を停止する。そして、車両感知器211Aは、受信装置212へ送信した車両情報を自己の記憶部85から消去する(ステップS69)。
次に、受信装置212は、受信可能通知を車両感知器211Bへ送信する(ステップS70)。
次に、車両感知器211Bは、受信装置212から受信可能通知を受信して、自己の記憶部85に車両情報が保存されている場合、当該車両情報を受信装置212へ送信する(ステップS71)。車両感知器211Bは、たとえば、当該車両情報を繰り返し受信装置212へ送信する。
次に、受信装置212は、車両感知器211Bから送信された車両情報を適切に受信した場合、受信完了通知を車両感知器211Bへ送信する(ステップS72)。
次に、車両感知器211Bは、受信装置212から受信完了通知を受信して、車両情報の送信を停止する。そして、車両感知器211Bは、受信装置212に送信した車両情報を自己の記憶部85から消去する(ステップS73)。
次に、受信装置212は、車両感知器211Aから受信した車両情報および車両感知器211Bから受信した車両情報に基づいて、総合的な車両情報を作成する(ステップS74)。
たとえば、1台の車両10が道路14を走行した際に、複数の車両感知器211が当該車両10を対象とした車両情報を作成して受信装置212へ送信した場合、受信装置212は、たとえば所定間隔以内に各車両感知器211から受信した車両情報を特定の車両10に関する車両情報として互いに関連付ける。そして、受信装置212は、互いに関連付けた車両情報から、より正確な車両情報を作成する。
具体的には、たとえば、受信装置212は、互いに関連付けた複数の車両情報から、各車両感知器211よって算出された車両10の速度を取得し、取得した車両10の各速度を平均することにより、より正確な車両10の速度を算出する。
また、たとえば、受信装置212は、互いに関連付けた複数の車両情報から、各車両感知器211によって算出された車両10の車長を取得し、取得した車両10の各車長を平均することにより、より正確な車両10の車長を算出する。そして、受信装置212は、算出した車両10の車長から、車両10の車種を判定する。
また、たとえば、受信装置212は、自己が算出した車両10の速度、および自己が判定した車両10の車種を示す情報を所定期間蓄積し、当該期間における車両10の平均速度および車種別台数を算出する。
なお、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知システム115では、1つの受信装置212に対して1つまたは2つの車両感知器211が設置される構成に限らず、1つの受信装置212に対して3つ以上の車両感知器211が設置される構成であってもよい。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知システム115では、取得部92は、所定範囲に収束している状態の磁界の大きさが当該所定範囲を外れて上昇し始めるタイミングを第1タイミングとして取得する構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、取得部92は、所定値に収束している状態の磁界の大きさが上昇し始めるタイミングを第1のタイミングとして取得する構成であってもよい。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知システム115では、取得部92は、第2タイミングの後に磁界の大きさが低下して所定範囲に収束するタイミングを第3タイミングとして取得する構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、取得部92は、第2タイミングの後に磁界の大きさが低下して所定値に収束するタイミングを第3タイミングとして取得する構成であってもよい。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知システム115は、車両感知器211において車両情報を作成する構成であるとしたが、これに限定するものではなく、たとえば、受信装置212が、車両感知器として車両情報を作成する構成であってもよい。
この場合、たとえば、車両感知器211は、磁気センサ86を用いて磁界の変化を測定し、測定結果を示す情報を受信装置212へ送信する。
受信装置212は、たとえば、監視部88および車両情報作成部90を備える。受信装置212は、車両感知器211から受信した情報に基づいて磁界の変化を監視し、監視結果に基づいて車両情報を作成する。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知システム115は、車両感知器211が道路14の路面の下に埋設された構成であるとしたが、これに限定するものではなくたとえば、車両感知器211が道路14の路面に設置された構成であってもよいし、車両感知器211が道路14の脇に設置された構成であってもよい。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知システム115では、車両感知器211は、電池部89を備える構成であるとしたが、これに限定するものではなく、車両感知器211は、電池部89を備えない構成であってもよい。この場合、車両感知器211は、たとえば車両感知器211の外部に設置されたバッテリから電力の供給を受ける。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知システム115では、車両感知器211は、車両10の速度Vsおよび車長Dmの算出、ならびに車両10の車種の判別を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、車両感知器211は、車両10の速度Vsおよび車長Dmの算出を行い、車両10の車種の判別を行わない構成であってもよいし、車両10の速度Vsの算出を行い、車長Dmの算出および車両10の車種の判別を行わない構成であってもよい。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知器211では、記憶部85は、車両10における強磁界部16の位置を示す情報として、車両10の車種に対応した複数の距離L1を予め記憶している構成であるとしたが、これに限定するものではなく、代表的な距離L1を1つ記憶している構成であってもよい。
この場合、速度演算部93は、取得部92によって取得されたタイミングと、記憶部85によって記憶された強磁界部16の位置すなわち当該代表的な距離L1に基づいて、車両10の速度を算出する。
具体的には、たとえば、速度演算部93は、速度Vsを算出する前の段階において、自己の車両感知器211の上方を通過した車両10の車種の推定を行わない。そして、車両10の速度Vsを算出する際には、記憶部85の記憶する上記の代表的な距離L1を用いる。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知器211では、通信部83は、車両情報として、速度Vs示す情報、車長Dmを示す情報および車両10の車種を示す情報の全部を送信する構成であるとしたが、これに限定するものではなく、これらの情報の一部を送信する構成であってもよい。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知器211では、通信部83は、受信装置212からの受信可能通知を受信した場合に、車両情報を受信装置212へ送信する構成であるとしたが、これに限定するものではなく、受信装置212から送信指示を受信した場合に車両情報を受信装置212へ送信する構成であってもよい。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知器211および車両感知システム115は、本発明の第1〜第14の実施の形態に係る車両感知器および車両感知システムの構成の少なくとも一部と組み合わせることが可能である。
たとえば、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知器211は、複数の磁気センサ86を含む構成であってもよい。この場合、各磁気センサ86は、道路14に沿って、互いに離れて配置される。また、車両感知器211は、各磁気センサ86に対応する複数の監視部88および車両情報作成部90を含む。管理部84は、各車両情報作成部90から車両情報を取得し、記憶部85に保存する。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知器211は、本発明の第8の実施の形態に係る車両感知器11と同様に、無線機から放射された電波の受信レベルと磁界のレベルとを測定し、受信レベルおよび磁界のレベルのいずれが先に変化するかに基づいて、車両10の進行方向を判断する構成であってもよい。
この場合、車両感知器211は、さらに、図21に示す、アンテナ31と、車両情報作成部33とを備える。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知システム115は、本発明の第12の実施の形態に係る車両感知システムと同様に、同期処理部39を備えてもよい。
この場合、同期処理部39は、受信装置212および複数の車両感知器211間で時刻情報を送受信することにより、受信装置212および各車両感知器211を同期させる処理を行う。各車両感知器211は、車両情報を受信装置212へ送信する場合、車両感知器211ごとにあらかじめ定められた時刻に送信する。
以上のように、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知器では、監視部88は、磁界の変化を監視する。取得部92は、監視部88の監視結果に基づいて、磁界の変化が所定条件を満たすタイミングを取得する。速度演算部93は、取得部92によって取得されたタイミングに基づいて、車両10の速度Vsを算出する。
このように、磁界を用いる構成により、周囲環境による影響を抑えることができる。また、磁界の変化から、車両感知器211のそばを車両が通過したか否かの情報だけでなく、当該車両の速度の情報も取得することができるため、詳細な交通状況を容易に把握することができる。また、電波を用いて車両の速度を測定する車両感知器と比べて、車両感知に用いる電波を送信する構成および受信する構成の組が不要となり、単体の構成で磁界の変化を感知できるため、より簡単な構成で車両の速度を求めることができる。
ここで、車両10の速度を取得するための車両感知システムとして、以下のような構成も考えられる。すなわち、車両感知システムは、道路14に沿って、ある程度離して設置された2個の車両感知器と、これらの各車両感知器と通信を行う受信装置とを備える。受信装置は、各車両感知器において車両が感知された時刻の差と車両感知器間の距離とに基づいて、車両10の速度を算出する。
具体的には、各車両感知器は、磁界センサを含み、当該磁界センサの出力信号に基づいて、自己の上方を車両10が通過した時刻を取得する。各車両感知器は、道路14の脇に設置された受信装置へ取得した時刻を示す情報を送信する。受信装置は、各車両感知器から受信した当該情報に基づいて、2つの車両感知器の間を車両10が通過するために要した時間を算出する。そして、受信装置は、算出した時間と各車両感知器間の距離とに基づいて、車両10の速度を算出する。
しかしながら、この車両感知システムは、受信装置が2個の車両感知器から情報を収集し、収集した情報に基づいて演算を行うことで車両10の速度を算出する構成であるため、少なくとも1個の受信装置と2個の車両感知器とが必要となる。
これに対して、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知器は、自ら行った磁界の測定の結果に基づいて、単体で車両10の速度を算出することができる。このため、たとえば車両感知システムの導入に掛かるコストを抑えることができる。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知器では、上記所定条件は、磁界の大きさが所定値または所定範囲に収束している状態から上昇してピーク値に達することである。
このような構成により、たとえば、車両において強い磁界を発生させる部分が、車両感知器211に最も接近するタイミングを取得することができるため、たとえば、磁界の大きさが上昇し始めてからピーク値に達するまでに掛かった時間に基づいて、車両の速度を算出することができる。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知器では、速度演算部93は、取得部92によって取得されたタイミングに基づいて車両10における特定部つまり強磁界部16の位置を推定する。そして、速度演算部93は、取得部92によって取得されたタイミングおよび推定した強磁界部16の位置に基づいて車両10の速度Vsを算出する。
このような構成により、たとえば、磁界の変化に基づいて、車両の先端部と車両において強い磁界を発生させる部分との距離を推定することができ、磁界の変化および推定した当該距離に基づいて、車両の速度を算出することができる。すなわち、たとえば、当該距離が車両に依らず一定であると仮定して速度を算出した場合と比べて、正確な車両の速度を求めることができる。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知器では、取得部92は、所定値または所定範囲に収束している状態の磁界の大きさが上昇し始める第1タイミング、第1タイミングの後に磁界の大きさがピーク値に達する第2タイミング、および第2タイミングの後に磁界の大きさが低下して所定値または所定範囲に収束する第3タイミングを取得する。速度演算部93は、取得部92によって取得された第2タイミングおよび第3タイミングに基づいて、車両10における強磁界部16の位置を推定する。速度演算部93は、取得部92によって取得された第1タイミングおよび第2タイミング、ならびに推定した強磁界部16の位置に基づいて、車両10の速度Vsを算出する。
このような構成により、磁界の変化に基づいて取得した複数のタイミングに着目して、より正確な車両の速度を求めることができる。具体的には、たとえば、まず、磁界の大きさが上昇し始めてからピーク値に達するまでに掛かった時間と、磁界の大きさが上昇し始めてから元の値または範囲に戻るまでに掛かった時間との比に基づいて、車両が大型車であるか否か等を推定する。次に、車両が大型車であるか否か等の推定結果に基づいて、車両の先端部と車両において強い磁界を発生させる部分との距離を推定する。そして、推定した当該距離を、磁界の大きさが変化し始めた時間からピーク値に達するまでに掛かった時間で割ることにより、より正確な車両の速度を算出することができる。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知器では、記憶部85は、車両10における強磁界部16の位置を示す情報を記憶する。速度演算部93は、取得部92によって取得されたタイミング、および記憶部85によって記憶された上記情報の示す強磁界部16の位置に基づいて、車両10の速度Vsを算出する。
このような構成により、たとえば、一般的な車両における、車両の先端部と強い磁界を発生させる部分との距離を記憶部85に保存しておくことができるため、当該距離を演算処理等行うことなく取得することできる。そして、磁界の変化および記憶部85から取得した当該距離に基づいて、車両の速度を容易に算出することができる。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知器では、取得部92は、磁界の大きさがピーク値に達する第2タイミング、および第2タイミングの後に磁界の大きさが低下して所定値または所定範囲に収束する第3タイミングを取得する。車長演算部94は、速度演算部93によって算出された速度および取得部92によって取得された第3タイミングに基づいて、車両10の長さである車長Dmを算出する。
このような構成により、たとえば、磁界の大きさが上昇し始めてから元の値または範囲に戻るまでに掛かった時間に車両の速度を掛けることで、車両の長さを算出することができる。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知器では、判別部95は、車長演算部94によって算出された車長Dmに基づいて、車両10の種類つまり車両10の車種を判別する。
このような構成により、車両の長さに応じて、たとえば、車両を大型車、中型車または小型車のいずれか1つに分類することができる。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知器は、電池部89の含むバッテリに蓄えられた電力を用いて動作する。スリープ制御部87は、速度演算部93および取得部92の少なくともいずれか一方を間欠的に動作させる。そして、スリープ制御部87は、速度演算部93および取得部92の少なくともいずれか一方の動作を停止した後、所定条件を満たす場合、動作を停止させた、速度演算部93および取得部92の少なくともいずれか一方の動作を再開する。
このような構成により、たとえば、車両感知器211のそばを所定期間車両が通過しない場合に速度演算部93および取得部92の動作を停止させ、車両が車両感知器211に接近してきた場合に速度演算部93および取得部92の動作を再開させるような、間欠的な動作を行わせることができる。そして、これにより、車両感知器211によるバッテリの電力消費を抑えて、たとえば、バッテリの交換頻度を下げることができる。特に、バッテリ内蔵の車両感知器211またはバッテリ単体が路面の下に埋設されている場合には、バッテリ交換作業等の車両感知器211の保守コストを効果的に削減することができる。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知器では、通信部83は、速度演算部93によって算出された車両10の速度を示す車両情報を受信装置212へ送信する。通信部83は、車両情報を受信可能である旨の通知または車両情報の送信指示を自己の車両感知器211が受信装置212から受信した場合に、車両情報を受信装置212へ送信する。
このような構成により、たとえば、1つの受信装置212に対して複数の車両感知器211が設置される場合に、各車両感知器211は他の車両感知器211と異なるタイミングで車両情報を送信することができるため、各車両感知器211から送信される電波の衝突を回避することができる。また、特定のタイミングにおいて車両情報を送信すればよいため、車両感知器211による車両情報の送信回数を減らし、電力の消費を抑えることができる。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知器では、通信部83は、車両情報を繰り返し送信し、車両情報の受信を完了した旨の通知を自己の車両感知器211が受信装置212から受信した場合に、車両情報の送信を停止する。
このような構成により、たとえば車両感知器211および受信装置212間の伝送路の状態が悪い場合でも、より確実に車両情報を受信装置212へ伝送することができる。
また、本発明の第15の実施の形態に係る車両感知システムでは、車両感知器211における監視部88は、磁界の変化を監視する。取得部92は、監視部88の監視結果に基づいて、磁界の変化が所定条件を満たすタイミングを取得する。速度演算部93は、取得部92によって取得されたタイミングに基づいて、車両10の速度Vsを算出する。通信部83は、速度演算部93によって算出された速度Vsを示す車両情報を受信装置212へ送信する。受信装置212は、各車両感知器211から受信した車両情報に基づいて、総合的な車両情報を作成する。
このように、磁界を用いる構成により、周囲環境による影響を抑えることができる。また、磁界の変化から、車両感知器211のそばを車両が通過したか否か情報だけでなく、当該車両の速度の情報も取得することができる。また、受信装置212において、各車両感知器211が取得した情報を集約して、車両感知器211のそばを通過した車両のより正確な情報を作成することができるため、詳細な交通状況を容易に把握することができる。また、電波を用いて車両の速度を測定する車両感知システムと比べて、車両感知に用いる電波を送信する構成および受信する構成の組が不要となり、単体の構成で磁界の変化を感知できるため、より簡単な構成で車両の速度を求めることができる。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る車両感知システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
<第16の実施の形態>
本実施の形態は、第15の実施の形態に係る車両感知システムと比べて、車両感知器が受信装置へ車両情報を送信する方法が異なる車両感知システムに関する。以下で説明する内容以外は第15の実施の形態に係る車両感知システムと同様である。
図38は、本発明の第16の実施の形態に係る車両感知システムの構成を示す図である。
図38を参照して、車両感知システム116は、車両感知器211と、受信装置212と、同期処理部239とを備える。
同期処理部239は、受信装置212および複数の車両感知器211間で時刻情報を送受信することにより、受信装置212および各車両感知器211を同期させる処理を行う。
同期処理部239は、車両感知器211が備えていてもよいし、受信装置212が備えていてもよいし、車両感知器211および受信装置212以外の装置(以下、同期装置とも称する。)が備えていてもよい。また、同期処理部239は、車両感知器211および受信装置212の両方が備えていてもよいし、車両感知器211、受信装置212および同期装置が備えていてもよい。
以下、車両感知器211が備える同期処理部239を同期処理部239Aとし、受信装置212が備える同期処理部239を同期処理部239Bとし、同期装置が備える同期処理部239を同期処理部239Cとも称する。
たとえば、車両感知器211および受信装置212が同期処理部239を備える場合、受信装置212における同期処理部239Bは、自己の内部時計による現在時刻を示す時刻情報である無線機時刻情報を作成して各車両感知器211へ送信する。
各車両感知器211における同期処理部239Aは、受信装置212からの無線機時刻情報に基づいて、自己の車両感知器211における内部時計の時刻を補正し、当該受信装置212と自己の車両感知器211とを同期させる。
また、たとえば、車両感知器211、受信装置212および同期装置の全部が同期処理部239を備える場合、同期装置における同期処理部239Cは、自己の内部時計による現在時刻を示す時刻情報である同期装置時刻情報を作成して各車両感知器211および受信装置212へ送信する。
各車両感知器211における同期処理部239Aは、同期装置からの同期装置時刻情報に基づいて、自己の車両感知器211における内部時計の時刻を補正し、同期装置と自己の車両感知器211とを同期させる。
受信装置212における同期処理部239Bは、同期装置からの同期装置時刻情報に基づいて、自己の受信装置212における内部時計の時刻を補正し、同期装置と自己の受信装置212とを同期させる。これにより、各車両感知器211および受信装置212は互いに同期する。
各車両感知器211は、車両情報を受信装置212へ送信する場合、車両感知器211ごとにあらかじめ定められた時刻に送信する。
受信装置212は、車両情報を受信した時刻に基づいて、当該車両情報の送信元の車両感知器211を認識する。車両感知器211と受信装置212とが同期していることによって、受信装置212は、車両情報の送信元の車両感知器211を正確に認識することができる。
また、時刻情報の送信側の装置における同期処理部239は、たとえば定期的に時刻情報を作成して送信する。時刻情報の受信側の装置おける同期処理部239は、たとえば、当該受信側の装置が時刻情報を受信する時間帯以外は動作を停止し、当該受信側の装置が時刻情報を受信する時間帯に動作を再開する。これによって、受信側の装置における電力消費を抑えることができる。
なお、同期処理部239は、受信装置212および各車両感知器211の時刻を同期させる構成に限らず、たとえば、フレーム同期等、基準時刻からの経過時間を合わせる構成であってもよい。
以上のように、本発明の第16の実施の形態に係る車両感知システムでは、同期処理部239は、受信装置212および各車両感知器211間で時刻情報を送受信することにより、受信装置212および各車両感知器211を同期させる処理を行う。
このような構成により、たとえば、各車両感知器211は、車両感知器211ごとに定められた時刻に車両情報を送信することによって、他の車両感知器211と異なるタイミングで車両情報を送信することができるため、各車両感知器211が送信する感知用電波の衝突を回避することができる。また、特定のタイミングにおいて車両情報を送信すればよいため、車両情報の送信回数を減らし、電力の消費を抑えることができる。
その他の構成および動作は第15の実施の形態に係る車両感知システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
他の装置から送信される電波を受信するアンテナと、
前記アンテナによって受信される前記電波を測定し、測定結果の変化に基づいて車両に関する車両情報を作成する車両情報作成部とを備え、
前記アンテナは、前記車両が通過する路面の下もしくは前記車両が停止する路面の下に埋設されるか、または前記車両が通過する路面もしくは前記車両が停止する路面に設置され、
前記車両情報作成部は、前記車両の速度、車長、車種および進行方向の一部または全部を示す前記車両情報を作成する、車両感知器。
[付記2]
車両が通過する路面の下もしくは車両が停止する路面の下に埋設されるか、または車両が通過する路面もしくは車両が停止する路面に設置される路面側アンテナ、を備える送信装置から送信される電波を受信する測定アンテナと、
前記測定アンテナによって受信される前記電波を測定し、測定結果の変化に基づいて前記車両に関する車両情報を作成する車両情報作成部とを備え、
前記測定アンテナは、前記車両が通過する路面の上方または前記車両が停止する路面の上方に設置され、
前記車両情報作成部は、前記車両の速度、車長、車種および進行方向の一部または全部を示す前記車両情報を作成する、車両感知器。
[付記3]
受信装置と、
1または複数の車両感知器とを備え、
前記車両感知器は、
前記車両感知器以外の装置から送信される電波を受信するアンテナと、
前記アンテナによって受信される前記電波を測定し、測定結果の変化に基づいて車両に関する車両情報を作成する車両情報作成部と、
前記車両情報を前記受信装置へ送信する通信部とを含み、
前記アンテナは、前記車両が通過する路面の下もしくは前記車両が停止する路面の下に埋設されるか、または前記車両が通過する路面もしくは前記車両が停止する路面に設置され、
前記受信装置は、各前記車両感知器から受信した前記車両情報に基づいて、総合的な車両情報を作成し、
前記車両情報作成部は、前記車両の速度、車長、車種および進行方向の一部または全部を示す前記車両情報を作成する、車両感知システム。
[付記4]
車両が通過する路面の下もしくは車両が停止する路面の下に埋設されるか、または車両が通過する路面もしくは車両が停止する路面に設置される路面側アンテナを備える送信装置と、
車両感知器とを備え、
前記車両感知器は、
前記路面側アンテナから送信される電波を受信する測定アンテナと、
前記測定アンテナによって受信される前記電波を測定し、測定結果の変化に基づいて前記車両に関する車両情報を作成する車両情報作成部とを含み、
前記測定アンテナは、前記車両が通過する路面の上方または前記車両が停止する路面の上方に設置し、
前記車両情報作成部は、前記車両の速度、車長、車種および進行方向の一部または全部を示す前記車両情報を作成する、車両感知システム。
[付記5]
磁界の変化を監視する監視部と、
前記監視部の監視結果に基づいて、前記磁界の変化が所定条件を満たすタイミングを取得する取得部と、
前記取得部によって取得されたタイミングに基づいて、車両の速度を算出する速度演算部とを備え、
前記監視部は、地磁気センサを用いて前記車両の走行に伴う磁界の変化を監視し、
前記車両が通過する路面の下に埋設されるか、または前記車両が通過する路面もしくは前記車両が通過する道路の脇に設置される、車両感知器。
[付記6]
受信装置と、
1または複数の車両感知器とを備え、
前記車両感知器は、
磁界の変化を監視する監視部と、
前記監視部の監視結果に基づいて、前記磁界の変化が所定条件を満たすタイミングを取得する取得部と、
前記取得部によって取得されたタイミングに基づいて、車両の速度を算出する速度演算部と、
前記速度演算部によって算出された前記速度を示す車両情報を前記受信装置へ送信する通信部とを含み、
前記受信装置は、各前記車両感知器から受信した前記車両情報に基づいて、総合的な車両情報を作成し、
前記監視部は、地磁気センサを用いて前記車両の走行に伴う磁界の変化を監視し、
前記車両感知器は、前記車両が通過する路面の下に埋設されるか、または前記車両が通過する路面もしくは前記車両が通過する道路の脇に設置される、車両感知システム。
10 車両
11,21,211 車両感知器
12 無線機
13,30,31,41,51,71,82 アンテナ
14 道路
15 既存無線機
16 強磁界部
22 送信装置
32,52,72,83 通信部
33,53,90 車両情報作成部
34,74,87 スリープ制御部
35,55,75,84 管理部
36,56,76,85 記憶部
37,77,89 電池部
38,78,86 磁気センサ
39,239 同期処理部
40 送信部
45 車両感知器本体
57 車両感知器本体
73 感知電波送信部
88 監視部
92 取得部
93 速度演算部
94 車長演算部
95 判別部
101,105,106,107,108,110,111,112,113,114,115 車両感知システム
212 受信装置

Claims (20)

  1. 磁界の変化を監視する監視部と、
    前記監視部の監視結果に基づいて、前記磁界の変化が所定条件を満たすタイミングを取得する取得部と、
    前記取得部によって取得されたタイミングに基づいて、車両の速度を算出する速度演算部とを備え、
    前記速度演算部は、前記取得部によって取得されたタイミングに基づいて前記車両における特定部の位置を推定し、前記取得部によって取得されたタイミングおよび推定した前記位置に基づいて前記車両の速度を算出する、車両感知器。
  2. 前記所定条件は、前記磁界の大きさが所定値または所定範囲に収束している状態から上昇してピーク値に達することである、請求項1に記載の車両感知器。
  3. 前記取得部は、所定値または所定範囲に収束している状態の前記磁界の大きさが上昇し始める第1タイミング、前記第1タイミングの後に前記磁界の大きさがピーク値に達する第2タイミング、および前記第2タイミングの後に前記磁界の大きさが低下して前記所定値または前記所定範囲に収束する第3タイミングを取得し、
    前記速度演算部は、前記取得部によって取得された前記第2タイミングおよび前記第3タイミングに基づいて前記位置を推定し、
    前記速度演算部は、前記取得部によって取得された前記第1タイミングおよび前記第2タイミング、ならびに推定した前記位置に基づいて、前記車両の速度を算出する、請求項1に記載の車両感知器。
  4. 磁界の変化を監視する監視部と、
    前記監視部の監視結果に基づいて、前記磁界の変化が所定条件を満たすタイミングを取得する取得部と、
    前記取得部によって取得されたタイミングに基づいて、車両の速度を算出する速度演算部と、
    前記車両における特定部の位置を示す情報を記憶する記憶部とを備え、
    前記速度演算部は、前記取得部によって取得されたタイミング、および前記記憶部によって記憶された前記情報の示す前記位置に基づいて、前記車両の速度を算出する、車両感知器。
  5. 前記所定条件は、前記磁界の大きさが所定値または所定範囲に収束している状態から上昇してピーク値に達することである、請求項4に記載の車両感知器。
  6. 車両感知器であって、
    磁界の変化を監視する監視部と、
    前記監視部の監視結果に基づいて、前記磁界の変化が所定条件を満たすタイミングを取得する取得部と、
    前記取得部によって取得されたタイミングに基づいて、車両の速度を算出する速度演算部とを備え、
    前記取得部は、前記磁界の大きさがピーク値に達する第2タイミング、および前記第2タイミングの後に前記磁界の大きさが低下して所定値または所定範囲に収束する第3タイミングを取得し、
    前記車両感知器は、さらに、
    前記速度演算部によって算出された前記速度および前記取得部によって取得された前記第3タイミングに基づいて前記車両の長さを算出する車長演算部を備える、車両感知器。
  7. 前記所定条件は、前記磁界の大きさが所定値または所定範囲に収束している状態から上昇してピーク値に達することである、請求項6に記載の車両感知器。
  8. 前記速度演算部は、前記取得部によって取得されたタイミングに基づいて前記車両における特定部の位置を推定し、前記取得部によって取得されたタイミングおよび推定した前記位置に基づいて前記車両の速度を算出する、請求項6または請求項7に記載の車両感知器。
  9. 前記取得部は、所定値または所定範囲に収束している状態の前記磁界の大きさが上昇し始める第1タイミング、前記第1タイミングの後に前記磁界の大きさがピーク値に達する第2タイミング、および前記第2タイミングの後に前記磁界の大きさが低下して前記所定値または前記所定範囲に収束する第3タイミングを取得し、
    前記速度演算部は、前記取得部によって取得された前記第2タイミングおよび前記第3タイミングに基づいて前記位置を推定し、
    前記速度演算部は、前記取得部によって取得された前記第1タイミングおよび前記第2タイミング、ならびに推定した前記位置に基づいて、前記車両の速度を算出する、請求項8に記載の車両感知器。
  10. 前記車両感知器は、さらに、
    前記車両における特定部の位置を示す情報を記憶する記憶部を備え、
    前記速度演算部は、前記取得部によって取得されたタイミング、および前記記憶部によって記憶された前記情報の示す前記位置に基づいて、前記車両の速度を算出する、請求項6または請求項7に記載の車両感知器。
  11. 前記車両感知器は、さらに、
    前記車長演算部によって算出された前記車両の長さに基づいて、前記車両の種類を判別する判別部を備える、請求項6から請求項10のいずれか1項に記載の車両感知器。
  12. 前記車両感知器は、バッテリに蓄えられた電力を用いて動作し、
    前記車両感知器は、さらに、
    前記速度演算部および前記取得部の少なくともいずれか一方を間欠的に動作させるスリープ制御部を備え、
    前記スリープ制御部は、前記速度演算部および前記取得部の少なくともいずれか一方の動作を停止した後、所定条件を満たす場合、動作を停止させた、前記速度演算部および前記取得部の少なくともいずれか一方の動作を再開する、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の車両感知器。
  13. 前記車両感知器は、さらに、
    前記速度演算部によって算出された前記車両の速度を示す車両情報を受信装置へ送信する通信部を備え、
    前記通信部は、前記車両情報を受信可能である旨の通知または前記車両情報の送信指示を自己の前記車両感知器が前記受信装置から受信した場合に、前記車両情報を前記受信装置へ送信する、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の車両感知器。
  14. 前記通信部は、前記車両情報を繰り返し送信し、前記車両情報の受信を完了した旨の通知を自己の前記車両感知器が前記受信装置から受信した場合に、前記車両情報の送信を停止する、請求項13に記載の車両感知器。
  15. 受信装置と、
    1または複数の車両感知器とを備え、
    前記車両感知器は、
    磁界の変化を監視する監視部と、
    前記監視部の監視結果に基づいて、前記磁界の変化が所定条件を満たすタイミングを取得する取得部と、
    前記取得部によって取得されたタイミングに基づいて、車両の速度を算出する速度演算部と、
    前記速度演算部によって算出された前記速度を示す車両情報を前記受信装置へ送信する通信部とを含み、
    前記速度演算部は、前記取得部によって取得されたタイミングに基づいて前記車両における特定部の位置を推定し、前記取得部によって取得されたタイミングおよび推定した前記位置に基づいて前記車両の速度を算出し、
    前記受信装置は、各前記車両感知器から受信した前記車両情報に基づいて、総合的な車両情報を作成する、車両感知システム。
  16. 前記取得部は、所定値または所定範囲に収束している状態の前記磁界の大きさが上昇し始める第1タイミング、前記第1タイミングの後に前記磁界の大きさがピーク値に達する第2タイミング、および前記第2タイミングの後に前記磁界の大きさが低下して前記所定値または前記所定範囲に収束する第3タイミングを取得し、
    前記速度演算部は、前記取得部によって取得された前記第2タイミングおよび前記第3タイミングに基づいて前記位置を推定し、
    前記速度演算部は、前記取得部によって取得された前記第1タイミングおよび前記第2タイミング、ならびに推定した前記位置に基づいて、前記車両の速度を算出する、請求項15に記載の車両感知器。
  17. 受信装置と、
    1または複数の車両感知器とを備え、
    前記車両感知器は、
    磁界の変化を監視する監視部と、
    前記監視部の監視結果に基づいて、前記磁界の変化が所定条件を満たすタイミングを取得する取得部と、
    前記取得部によって取得されたタイミングに基づいて、車両の速度を算出する速度演算部と、
    前記速度演算部によって算出された前記速度を示す車両情報を前記受信装置へ送信する通信部と、
    前記車両における特定部の位置を示す情報を記憶する記憶部とを含み、
    前記速度演算部は、前記取得部によって取得されたタイミング、および前記記憶部によって記憶された前記情報の示す前記位置に基づいて、前記車両の速度を算出し、
    前記受信装置は、各前記車両感知器から受信した前記車両情報に基づいて、総合的な車両情報を作成する、車両感知システム。
  18. 受信装置と、
    1または複数の車両感知器とを備え、
    前記車両感知器は、
    磁界の変化を監視する監視部と、
    前記監視部の監視結果に基づいて、前記磁界の変化が所定条件を満たすタイミングを取得する取得部と、
    前記取得部によって取得されたタイミングに基づいて、車両の速度を算出する速度演算部と、
    前記速度演算部によって算出された前記速度を示す車両情報を前記受信装置へ送信する通信部とを含み
    前記取得部は、前記磁界の大きさがピーク値に達する第2タイミング、および前記第2タイミングの後に前記磁界の大きさが低下して所定値または所定範囲に収束する第3タイミングを取得し、
    前記車両感知器は、さらに、
    前記速度演算部によって算出された前記速度および前記取得部によって取得された前記第3タイミングに基づいて前記車両の長さを算出する車長演算部を含み
    記受信装置は、各前記車両感知器から受信した前記車両情報に基づいて、総合的な車両情報を作成する、車両感知システム。
  19. 前記車両感知器は、さらに、
    前記車長演算部によって算出された前記車両の長さに基づいて、前記車両の種類を判別する判別部を備える、請求項18に記載の車両感知システム。
  20. 前記車両感知システムは、さらに、
    前記受信装置および前記各車両感知器間で時刻情報を送受信することにより、前記受信装置および前記各車両感知器を同期させる処理を行う同期処理部を備える、請求項15から請求項19のいずれか1項に記載の車両感知システム。
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