JP2009257892A - 位置特定装置、位置特定システム、位置特定方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

位置特定装置、位置特定システム、位置特定方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】状況に応じて信頼性が左右する測位方法、及び移動距離と共に誤差が蓄積するが短時間での変位量の精度が高い測位方法を適切に組み合わせ、適切に車両位置を特定できる位置特定装置を提供する。
【解決手段】道路上の位置情報を送信機20から受信し、受信した位置情報を用いて車両から送信機20までの距離を取得し、取得した距離情報に基づいて車両位置を特定する位置特定装置において、受信した位置情報を用いて取得した車両から送信機20までの距離d1、及び所定時間後に取得した距離d2に基づいて、所定時間内に車両が移動した移動距離D1を算出する。また、取得した車速Vに基づいて、所定時間内に車両が移動した移動距離D2を算出する。移動距離D1及び移動距離D2に基づいて、取得した車両から所定地点までの距離d2に対する信頼性の有無を判定し、信頼性がある場合、距離d2に基づいて車両位置を特定する。
【選択図】図8

Description

本発明は、道路を走行する車両位置を特定する位置特定装置、位置特定システム、位置特定方法及びコンピュータプログラムに関する。
広く利用されている走行車両の位置を検出するカーナビゲーション装置は、車輪速センサ及びジャイロセンサによる相対変位を加算することで、現在の位置及び進行方位を算出する測位方法を用いているものがある。車輪速センサは、車両の単位時間当たりの移動距離を取得できるセンサであり、雪道などでスリップしない限り、移動距離を精度よく取得することができる。また、ジャイロセンサは、相対的な角度の変化量を精度よく測定するセンサであり、周囲の状況に拘わらず、短時間においては、変化量を安定して測定できる。
また、特許文献1のように、複数の基地局からの無線信号を受信して現在位置を求める測位方法がある。さらに、GPS(Global Positioning System)から受信する信号を用いて現在位置を求める測位方法もある。これらの測位方法においては、信号の伝搬時間を測定することで複数の基地局やGPSからの距離を算出し、絶対位置を求めることができる。この場合、ある時点において測位した結果に誤差が含まれていても、再度信号を受信した時には、前回の測定誤差に影響を受けることなく絶対位置を求めることができる。
特許第3990165号公報
ところが、車輪速センサ及びジャイロセンサは、初期位置を取得できず、また、時間及び走行距離とともに誤差が蓄積する。このため、車輪速センサ及びジャイロセンサを用いた測位方法では、誤差が大きくなった場合、絶対位置を取得するまで測位を行えない。また、特許文献1の測位方法において、建物が密集した都市部では、建物から反射した無線信号を多数受信するが、特に反射波が強い場合には、推定した位置に誤差が生じる場合がある。このため、受信した信号から算出した距離に信頼性がない場合であっても、その信号により検出した位置を現在位置とすることで、不正確な位置特定が行われるという問題があった。さらに、受信した信号により測位する場合、不正確な位置特定が行われても、その誤差の大小を把握することは困難である。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、状況に応じて信頼性が左右される測位方法、及び、移動距離と共に誤差が蓄積するが短時間での変位量の精度が高い測位方法を適切に組み合わせることで、適切に車両位置を特定することができる位置特定装置、位置特定システム、位置特定方法及びコンピュータプログラムを提供することにある。
第1発明に係る位置特定装置は、車両から道路上の所定地点までの距離に関する情報を取得する距離情報取得手段を備え、該距離情報取得手段が取得した距離に関する情報に基づいて車両位置を特定する位置特定装置において、前記距離情報取得手段が取得した第1距離情報、及び該第1距離情報を取得してから所定時間後に前記距離情報取得手段が取得した第2距離情報に基づいて、前記所定時間内に車両が移動した第1移動距離情報を算出する第1算出手段と、車速に関する情報を取得する車速取得手段と、該車速取得手段が取得した車速に関する情報に基づいて、前記所定時間内に車両が移動した第2移動距離情報を算出する第2算出手段と、前記第1移動距離情報及び第2移動距離情報に基づいて、前記距離情報取得手段が取得した距離に関する情報の信頼性を判定する判定手段と、該判定手段による信頼性の判定結果に応じて、前記第2距離情報に基づいて車両位置を特定する特定手段とを備えることを特徴とする。
第2発明に係る位置特定装置は、第1発明において、前記車速取得手段が取得した車速に関する情報が正常又は異常かを判定する状態判定手段をさらに備え、前記判定手段は、該状態判定手段が正常であると判定した場合に信頼性を判定する構成としてあることを特徴とする。
第3発明に係る位置特定装置は、第1発明及び第2発明において、前記特定手段は、前記距離情報取得手段が取得した距離に関する情報に基づいて車両位置を特定する第1位置特定手段と、前記車速取得手段が取得した車速に関する情報に基づいて車両位置を特定する第2位置特定手段とを有しており、前記第1位置特定手段及び第2位置特定手段の特定結果の少なくとも一方に重み付けをし、重み付けをした特定結果に基づいて車両位置を特定するに際し、前記判定手段が判定した信頼性が高いほど、前記第1位置特定手段の特定結果に相対的に大きな重み付けをし、車両位置を特定する構成としてあることを特徴とする。
第4発明に係る位置特定装置は、第3発明において、前記状態判定手段は、正常又は異常かの判定を繰り返し行い、前記特定手段は、前記状態判定手段が異常であると判定するまで、前記第2位置特定手段による特定結果のみを用いて車両位置を特定する構成としてあることを特徴とする。
第5発明に係る位置特定装置は、第3発明において、前記特定手段は、前記第1位置特定手段の特定結果に対する重み付けを、時間の経過及び/又は移動距離の伸長に伴い相対的に大きくして、車両位置を特定する構成としてあることを特徴とする。
第6発明に係る位置特定装置は、第1発明乃至第5発明の何れか一つにおいて、前記所定地点から送信された信号を受信する受信手段と、前記信号が前記所定地点から送信されてから前記受信手段が受信するまでの到達時間を算出する到達時間算出手段とをさらに備え、前記距離情報取得手段は、前記到達時間算出手段が算出した到達時間に基づいて距離を算出する構成としてあることを特徴とする。
第7発明に係る位置特定装置は、第6発明において、道路形状に関する道路形状情報を取得する道路形状情報取得手段と、前記所定地点に関する地点情報を取得する地点情報取得手段とをさらに備え、前記第1位置特定手段は、前記地点情報、前記到達時間及び前記道路形状情報に基づいて、車両位置を特定する構成としてあることを特徴とする。
第8発明に係る位置特定装置は、第6発明及び第7発明において、前記信号は、異なる地点から送信されており、前記受信手段は、異なる地点から送信された前記信号を受信する構成としてあり、前記受信手段が受信した前記信号の到達時間差を取得する時間差取得手段をさらに備え、前記第1位置特定手段は、前記時間差取得手段が取得した到達時間差及び前記地点情報に基づいて車両位置を特定する構成としてあることを特徴とする。
第9発明に係る位置特定装置は、第2発明乃至第8発明の何れか一つにおいて、前記検出手段が検出する走行情報は、車輪の回転数であることを特徴とする。
第10発明に係る位置特定システムは、第6発明乃至第9発明の何れか一つの位置特定装置と、所定地点に設置され、信号を送信する送信機とを備えることを特徴とする。
第11発明に係る位置特定方法は、車両から道路上の所定地点までの距離に関する情報を取得する距離情報取得手段を備え、該距離情報取得手段が取得した距離に関する情報に基づいて、位置特定装置で車両位置を特定する位置特定方法において、前記距離情報取得手段が取得した第1距離情報、及び該第1距離情報を取得してから所定時間後に前記距離情報取得手段が取得した第2距離情報に基づいて、前記所定時間内に車両が移動した第1移動距離情報を算出するステップと、車速に関する情報を取得するステップと、取得した車速に関する情報に基づいて、前記所定時間内に車両が移動した第2移動距離情報を算出するステップと、前記第1移動距離情報及び第2移動距離情報に基づいて、前記距離情報取得手段が取得した距離に関する情報の信頼性を判定するステップと、信頼性の判定結果に応じて、前記第2距離情報に基づいて車両位置を特定するステップとを備えることを特徴とする。
第12発明に係るコンピュータプログラムは、車速を取得するコンピュータに、車両から道路上の所定地点までの距離に関する情報を取得させ、取得させた距離に関する情報に基づいて車両位置を特定させるコンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータを、取得した第1距離情報、及び該第1距離情報を取得してから所定時間後に前記取得した第2距離情報に基づいて、前記所定時間内に車両が移動した第1移動距離情報を算出する第1算出手段、取得した車速に関する情報に基づいて、前記所定時間内に車両が移動した第2移動距離情報を算出する第2算出手段、前記第1移動距離情報及び第2移動距離情報に基づいて、前記距離情報取得手段が取得した距離に関する情報の信頼性を判定する判定手段、及び、該判定手段による信頼性の判定結果に応じて、前記第2距離情報に基づいて車両位置を特定する特定手段として機能させることを特徴とする。
第1発明、第10発明、第11発明及び第12発明においては、道路を走行する車両に搭載された位置特定装置は、所定地点までの距離に関する情報を取得する。所定地点は、例えば信号機及び信号機が設置された交差点などである。所定地点までの距離に関する情報は、外部から信号を受信することで取得でき、また、車両に搭載された車載カメラで撮像した画像から取得できる。所定地点までの距離に関する情報は、車両から所定地点までの距離そのものであってもよいし、距離を求めるために用いる情報、例えば車両の位置及び所定地点の位置の情報であってもよい。位置特定装置は、車両から所定地点までの第1距離を取得し、第1距離を取得してから所定時間後の車両から所定地点までの第2距離を取得する。例えば外部から信号を受信することで取得する場合、位置特定装置は、信号を異なるタイミングで取得し、それぞれ信号を取得した地点を用いて車両から所定地点までの距離を取得する。そして、位置特定装置は、取得した第1距離及び第2距離に基づいて、所定時間内に車両が移動した距離を算出する。移動した距離は、例えば、位置特定装置の移動方向が所定地点に向かう方向と略一致する場合には、第1距離と第2距離との減算により算出することができる。
また、位置特定装置は車速に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、所定時間内に車両が移動した距離を算出する。車速に関する情報は、車両の速度でもよく、車輪の回転数又はシャフトの回転数など速度を算出できるための情報でもよい。そして、算出した2つの距離から取得した距離に関する情報に対する信頼性を判定する。そして、信頼性の判定結果に応じて、第2距離及び車速に関する情報に基づいて車両位置を特定する。例えば、信頼性が高い場合ほど、取得した第2距離に重みをおいて車両位置を特定する。
例えば外部から受信する信号により取得する第2距離は、時間及び移動距離に関係なく蓄積誤差はないが信頼性が周囲環境により左右される。また、車速に関する情報により取得できる移動距離は、時間及び移動距離と共に蓄積誤差は大きいが、短時間での相対変位の精度は高い。このため、上述のように、信頼性の判定結果に応じて、第2距離及び車速に関する情報の何れかに重みをおいて車両位置を特定することで、より精度の高い測位を実行できる。さらに、GPS又は光ビーコンなどから車両の位置を取得できた場合、取得した第2距離と車速に関する情報とに基づいて特定した車両位置を組み合わせることで、より正確な車両の位置を特定することができる。
第2発明においては、位置特定装置は、車速に関する情報(例えば、車輪又はシャフトの回転速)が正常又は異常かを判定し、正常であると判定した場合(例えば、道路上でスリップしていない場合)、取得した距離に関する情報の信頼性を判定することで、車両位置を特定する。道路上でスリップなどせず、車速に関する情報が正常である場合に、車速に関する情報に基づいて算出した移動距離は精度が高いため、精度の高い信頼性の判定を行うことができる。
第3発明においては、位置特定装置は、取得した距離に関する情報に基づく特定結果と、取得した車速に関する情報に基づく特定結果との少なくとも何れか一方に重み付けして車両位置を特定する。車速に関する情報に基づく特定は、車速と経過時間とにより求めることができる。この場合において、取得した距離に関する情報の信頼性を判定する。そして、信頼性が高いほど、距離に関する情報に基づく特定結果は精度が高いと判定できるため、距離に関する情報に基づく特定結果に相対的に大きな重み付けをして車両位置を特定する。これにより、精度の高い測位が可能となる。
第4発明においては、位置特定装置は、車速に関する情報が正常又は異常かの判定を繰り返し行い、車速に関する情報が異常であると判定するまで(例えば、道路上でスリップした場合)、車速に関する情報に基づく特定結果のみを用いて車両位置を特定する。車速に関する情報が異常とならない限り、車速に関する情報に基づく測位は精度が高いためである。これにより、精度の高い測位を行うことができる。
第5発明においては、位置特定装置は、距離に関する情報に基づく特定結果に対する重み付けを、時間の経過及び/又は移動距離の伸長に伴い相対的に大きくして車両位置を特定する。車速に関する情報に基づく測位は短時間での相対変位の精度が高い一方で、車両の移動距離が長くなるにつれ誤差が蓄積するためである。これにより、精度の高い測位を行うことができる。
第6発明においては、位置特定装置は、所定地点から送信された信号を受信し、到達時間を算出する。信号の到達時間は、送信時点と受信時点との時間差により求めることができる。また、信号の送信時点に関する情報は、送信する信号に含めることができる。位置特定装置は、所定地点から送信されてから受信するまでの到達時間に基づいて所定地点までの距離を取得する。所定地点までの距離は、算出した到達時間と信号の速度との積算により求めることができる。
第7発明においては、道路形状に関する道路形状情報及び所定地点に関する地点情報を取得する。道路形状情報は、例えば、道路を1又は複数の適長の区間に分割した各区間についての距離、勾配又は曲率などの情報を含む。地点情報は、高さを含む絶対位置又は相対位置などの情報を含む。位置特定装置は、地点情報、受信した信号の到達時間及び道路形状情報に基づいて、車両の位置を特定する。例えば、地点情報と信号の到達時間とにより、車両位置は所定地点の位置を中心とし、到達時間に対応する距離を半径とする球面上にある。これと車両が走行している道路の道路形状情報を組み合わせることにより、車両位置を特定することができる。これにより、地点情報を複数取得しなくても、車両位置の特定が可能となる。
第8発明においては、位置特定装置は、異なる所定地点送信された信号を受信し、受信した信号の到達時間差を取得する。位置特定装置は、取得した到達時間差、及び地点情報に基づいて車両位置を特定する。
第9発明においては、位置特定装置は、走行状態として車輪の回転数を検出する。車輪の回転数は、車輪の溝の検出、又は車輪のシャフトの回転の検出により取得することができる。車輪の回転数を検出することで、車両の速度を検出できる。また、少なくとも2つの車輪から検出した車輪の回転数を対比することで、走行状態の異常(例えば、道路上のスリップ)を検出することができる。
本発明によれば、取得した所定地点までの距離に関する情報の信頼性を判定し、判定結果に応じて、所定地点までの距離に関する情報に基づいて車両位置を特定する。即ち、周囲環境に応じて信頼性が左右される測位方法(例えばGPS航法)、及び移動距離と共に誤差が蓄積する測位方法(例えば自立航法)を、信頼性の判定結果に応じて、適切な組み合わせで車両位置を特定する。これにより、より信頼性の高い測位結果を反映させることで、より正確な車両位置を特定することができる。
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る車両位置特定システムの概要を示す模式図である。本発明に係る車両位置特定システムは、所定の位置に設置され所定の信号を送信する送信機20、車両に搭載された、本発明に係る位置特定装置である車載機30などを備えている。送信機20は、例えば交差点に設置される信号機に設置される。車両が停止線に向かって走行する場合、車載機30は、送信機20から送信された信号を受信し、受信した信号の到達時間に基づいて自車位置を特定する。送信機20が繰り返し信号を送信することで、車載機30は信号を受信する都度自車位置を特定することができる。なお、自車位置の特定方法の詳細は後述する。
図2は、本発明に係る車両位置特定システムの構成を示すブロック図である。送信機20は、通信部21、制御部22などを備えている。通信部21は、例えば、VHF/UHF帯の周波数帯域の電波を車載機30に対して送信する。通信部21は、基準クロック信号を生成する水晶発振器、搬送波生成回路、及び変調回路など(不図示)を備え、基準クロック信号に基づいて所定の信号(例えば、周波数が10kHz程度の矩形波信号)を生成する。通信部21は、制御部22の制御のもと、生成した信号に基づいて搬送波(例えば、周波数が100MHz程度、200MHz程度、あるいは700MHz程度など)を周波数変調し、アンテナ(不図示)を通じて変調後の搬送波を送信する。なお、送信機20が使用する周波数帯域は、一例であって、VHF/UHF帯に限定されるものではなく、他の周波数帯域でもよい。例えば、自動車専用として割り当てられている5.8GHz帯を使用してもよく、また、携帯電話及びPHSなどで使用する周波数帯域を使用することも可能である。
送信機20は、所定の信号を繰り返し車載機30へ送信する。送信機20が信号を送信するタイミングは任意に設定することができる。また、車載機30が道路付近に設置された光ビーコン、電波ビーコン又はDSRC(Dedicated Short Range Communication:狭域通信)などの路側装置と通信した通信時点を路側装置側から取得し、そのタイミングで信号を送信するようにすることができる。また、送信機20が、予め定められた仕様に基づいて、信号を送信できない時間帯がある場合には、送信可能な時間帯において、所定のタイミングで信号を繰り返し車載機30へ送信する。
車載機30は、光ビーコン、電波ビーコン又はDSRCなどの路側装置との通信機能を有する第1通信部31、送信機20との通信機能を有する第2通信部32、車載機30の動作を制御する制御部33、記憶部34、表示部35、操作部36、GPS(Global Positioning System)受信機能を有するGPS受信部37、車輪速センサ、ジャイロセンサ及び加速度センサなどの車載センサを備えるセンサ部38及びナビゲーション部39などを備えている。
第2通信部32は、送信機20が送信した信号を受信する。より具体的には、第2通信部32は、復調回路を備え、送信機20が送信した電波を受信し、受信した電波を復調して元の信号を抽出する。第2通信部32は、抽出した信号に基づいて、信号の受信時点を算出し、算出した受信時点を制御部33へ出力する。なお、所定の時間内に、複数回にわたって受信時点を算出した上で、これらの平均値又は中央値などを用いることもできる。このような方法によれば、ノイズなどによる影響を低減し、安定した受信時点を得ることができる。なお、信号の受信時点の算出は、信号波形の立ち上がり部分のみならず、立ち下り部分で算出することもできる。
図3は、送信機20が送信する信号に含まれるデータ構造の例を示す説明図である。図3に示すように送信機20が送信する信号は、例えば、送信機20からの電波に基づいて自車位置を特定するための測位用信号とデータ領域とで構成され、データ領域には、信号が有効であることを示す有効フラグ、信号の送信時点を特定する送信時点情報(例えば、送信機20で計時される時刻形式情報、あるいは所定の時間間隔で計数されるカウンタのカウンタ値など)などの情報を含む。なお、測位用信号とデータとの送信時点は同時でもよく、異なる時点であってもよい。
図4は、信号の受信時点を求める例を模式的に示す説明図であり、(a)は、送信機20から受信した信号及び車載機30のレプリカ信号を示す図、(b)は、受信した信号の波形とレプリカ信号の波形とが一致する場合を示す図、(c)は、マルチパスによる遅延波の影響がある場合を示す図である。
図4(a)の上段は送信機20から受信した信号の例を模式的に示し、下段は車載機30が予め記憶している相関処理(パターンマッチング)を行うためのレプリカ信号である。図4(a)に示すように、車載機30で受信した信号及びレプリカ信号を所定の時間間隔でサンプリングし、波形とレプリカ信号の波形とが一致する場合、図4(b)に示すように両信号の相関値が鋭いピークを示す。図4(b)に示すように、第2通信部32は、相関値の鋭いピークが取れた時点で、信号の受信時点を求める。受信時点を求める方法は、時間軸の相関処理に限定されず、周波数領域での相関処理を行うこともできる。なお、マルチパスによる遅延波の影響がある場合、相関は図4(c)のようにピークが2つ以上生じる。
表示部35は、ヘッドアップディスプレイ、カーナビゲーションシステム又は監視モニタなどの液晶表示パネルであり、運転者に対して、各種交通情報を表示することができる。例えば、交差点又は停止線までの距離、又は交差点を安全に走行できない場合の警告などを表示する。
操作部36は、各種操作パネルを備え、運転者と車載機30とのユーザインタフェースとして機能する。例えば、操作部36は、運転者の操作により車載機30の動作の開始又は停止の操作を受け付ける。
GPS受信部37は、DGPS(ディファレンシャルGPS)又はRTK−GPS(Real-Time KinematicGPS)などのGPS受信機能を備え、複数のGPSを含むGNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からの電波を随時繰り返し受信し、自車位置を測位する。これにより、車載機30は、自車がどの範囲内に存在するかを示す領域情報を取得することができる。なお、GPS受信部37の精度及び受信電波の状況などに応じての自車の存在領域は変動する可能性がある。
ナビゲーション部39は、地図データベースなどを内蔵し、GPS受信部37からの情報、センサ部38からの情報に基づいて、自車の走行履歴(例えば、時刻とともに記録された走行距離、走行方位、走行速度、及び加減速度など)を記憶している。
記憶部34は、第1通信部31及び第2通信部32を通じて受信した情報を記憶する。例えば、受信した情報は、送信機20の位置情報(送信地点情報)、道路形状に関する道路形状情報、送信機20から信号を受信した際の受信時点、その信号の送信時点を示す送信時点情報、及び光ビーコンなどの路側装置の位置情報(通信地点の位置情報)などである。また、記憶部34は、予め車載機30の搭載位置の高さ情報を記憶してある。
制御部33は、送信機20からの信号の到達時間に光速を積算することにより、送信機20からの距離Lを算出する。即ち、制御部33は、送信機20の位置を中心とし、距離Lを半径とする球面上に自車位置を特定する。
一方、制御部33は、送信機20から信号を受信して送信機20からの位置を求める場合、自車両が走行する道路(リンク:交差点間の道路)の道路形状情報と車載機30の高さ情報とにより、自車の仮想的な走行面を特定する。なお、道路が直線道路である場合には、仮想的な走行面は平面であり、道路がカーブしている場合には、仮想的な走行面は曲面となる。
図5は、自車位置を特定する一例を示す説明図である。
車載機30を搭載した車両が道路を走行している場合、制御部33は、GPS受信部37、ナビゲーション部39などから出力される情報により、時々刻々自車の大まかな存在領域を把握する。なお、把握した存在領域は、自車位置を特定する際に、送信機20の位置を中心とする球面と自車の仮想的な走行面との交線が2つ存在する場合、いずれの交線を自車位置として選定するかを決定するのに用いることができる。道路上のある地点P1において、送信機20からの信号(測位用信号)を受信した場合、制御部33は、信号の受信時点と送信時点との差により、その信号が送信機20から車載機30へ到達するまでの到達時間を算出する。この場合、信号の送信時点は、その信号に含まれる送信時点情報から取得することができる。
制御部33は、自車位置を球面Q1と走行面とが交わる交線として特定する。なお、図1の例で示すように、送信機20が交差点近くに設置され、かつ道路形状情報がリンク毎に与えられた場合、球面Q1の中心点はリンクの端部にあるため、球面Q1と特定した走行面とは、通常1つの交線で交わる。これにより、1台の送信機20からの信号を受信するだけで、自車位置を精度良く特定することが可能となる。なお、図5では、地点P1を×印で示しているが、より正確には、走行面と球面Q1とが交わる交線であるため、走行面の道路幅方向の長さに略等しい長さ分の幅がある。しかし、実際には、車両は車線又は道路の略真ん中を走行すると考えられるので、走行面の幅方向の略中央の位置を自車の位置として特定して差し支えない。
車両がさらに走行を続け、道路上の地点P2で送信機20から信号を受信したとした場合、地点P1の場合と同様に、制御部33は、信号の到達時間に光速を積算することにより、送信機20からの距離L2を算出する。すなわち、地点P2の位置は、送信機20の位置を中心とする半径L2の球面Q2上であることがわかる。そして、制御部33は、送信機20から信号を受信して送信機20からの位置を求める場合、自車両が走行する道路の道路形状情報と車載機30の高さ情報により、自車の仮想的な走行面を特定する。制御部33は、自車位置を球面Q2と走行面とが交わる交線として特定する。以降、同様の動作を繰り返すことにより、制御部33は、送信機20から信号を受信する都度、自車位置を精度良く特定し続けることができる。
図6は、1台の送信機を用いた場合の自車位置の特定方法の概念を示す説明図である。図6の例では、1台の送信機からの信号の到達時間が判明している場合の特定方法を示す。図6に示すように、まず、自車位置は、送信機20から車載機30までの信号の到達時間に光速(又は電波の伝播速度)を積算した距離を半径とする球面Q上に存在する。次に球面Q上のどこに自車位置が存在するかを求める。車載機30は、自車が走行している道路の道路形状情報と車載機30の高さ情報とにより自車の仮想的な走行面Sを特定する。
図7は、道路形状情報の構造を示す説明図である。図7に示すように、道路形状情報は、道路を複数のノードにより所定の距離(例えば、20m)の区間に分割し、区間毎の距離、勾配、曲率などの情報により構成されている。道路が直線の場合、道路に沿って1つの直線上にノードが設定され、道路がカーブの場合、道路に沿って複数の直線上にノード(例えば、2つのノード)が設定される。これにより、カーブにより道路が傾斜している場合でも、2つの直線で決定される平面を特定することができる。
制御部33は、球面Qと仮想的な走行面Sとが交わる交線を自車位置として特定することができる。道路形状情報で特定される走行面Sは、帯状であって、その幅は道路幅又はそれ以下であり、交線を特定することにより自車位置を精度良く求めることが可能である。なお、走行面Sの形状は、帯状に限定されるものではない。
なお、図6に示すように、球面Qと走行面Sとが交わる交線が2つ特定された場合には、以下のようにして自車位置を特定することができる。すなわち、球面Qと走行面Sとの交線が2カ所生じるが、このうちいずれかは、前回の測位結果とその後の走行履歴、又はGPS受信機での測位結果など、高い精度を持たない情報であっても十分判定可能である。
制御部33は、GPS受信部37で受信した信号により得られる自車位置の情報、ナビゲーション部39などから出力された自車位置の情報、あるいは、光ビーコンなどの路側装置との通信地点の情報により、自車の存在領域を絞り込むことができる。例えば、GPS衛星信号を受信して得られた自車位置(測位地点)と、この測位地点を中心とする所定の位置誤差内の領域(例えば、測位地点を中心とする半径10mの領域)とを自車の存在領域として絞り込む。絞り込んだ存在領域内にある交線を自車位置として特定することができる。
また、制御部33は、センサ部38の車輪速センサからの出力値に基づいて車速を算出する。車輪速センサは、車輪毎に設けられ、車輪の凹凸を検知する。凹凸の周期は車輪に応じて1周当たり50程度である。車輪速センサは(タイヤの回転数)×(1周当たりの凹凸)に応じたパルスを出力する。車輪のスリップ又はロックがなければ、この出力によって走行距離を測定することができる。急ブレーキをかけたときなど特殊な状況を除いて、タイヤと路面との間の摩擦係数が大きいときには、ほぼスリップやロックは生じない。測定する走行距離の誤差の原因としては、タイヤの空気抜けなどによるスケール誤差が考えられる。また、オフセットが生じる可能性は低い。なお、車輪速センサは、車輪の回転数に一対一の関係で対応する如何なるパラメータを検出するセンサにより代替されてもよく、例えば、トランスミッションの出力軸の回転数を検出するセンサにより代替されてもよい。
制御部33は、センサ部38からの出力値に基づき算出した車速等を用いて、自車位置を特定する。センサ部38は、車輪速センサの他に、ジャイロセンサ及び加速度センサなどを備え、各出力値から車両の変位距離及び変位角を算出する。そして、制御部33は、特定した自車位置、及び、センサ部38からの出力値に基づき算出した各値に基づいて、車両の位置を算出する。
制御部33は、算出した車速を用いて算出した送信機20までの距離の信頼性を所定間隔毎(例えば、2秒ごと)に判定する。距離の信頼性とは、測定した距離が誤差をどれだけ含むかを示すものである。誤差が大きいほど信頼性は低くなり、誤差が小さいほど信頼性は高くなる。一般に、周囲の建物等から強い反射波を受信しない場合は、測定した距離は誤差が小さく信頼性が高くなる。逆に、周囲の建物等から強い反射波を受信した場合、又は送信機20までの見通しがきかなく直接信号を受信できない場合には、測定した距離は誤差が大きく信頼性は低くなる。このように、測定した距離の信頼性は周囲環境により変化するが、送信機20からの信号のみではその信頼性の高低を判断することは難しい。そこで、以下のように車速の情報を用いることで信頼性の高低を評価し、信頼性が高い場合にのみ、受信した信号に基づく自車位置の特定を行う。
図8は、送信機20から受信した信号から算出した距離の信頼性を判定する一例を説明するための模式図である。
例えば、車両が、時刻t1、t2、t3,,,tnにおいて、道路上の地点R1、R2、R3,,,Rnに位置しているとする。そして、各地点Rnから送信機20までの距離をdn[m]とし、車速をV[m/s]とする。また、時刻t1、t2、t3,,,tnは、2秒間隔とする。この場合において、図8は、地点R1及び地点R2を示す図である。
制御部33は、送信機20から受信した信号に基づいて、地点R1及び地点R2のそれぞれから送信機20までの距離d1及びd2を算出する。これにより、制御部33は、車両が所定地点までの移動経路、及び送信機20が略同一直線上に位置する場合に、距離d1から距離d2を減算することで、地点R1から地点R2までの距離D1[m]を算出することができる。所定地点の地点情報を取得することで、距離D1の算出精度を上げることもできる。例えば、地点情報に送信機20の高さ情報を含んでいる場合、さらに距離D1の算出精度を上げることができる。
また、制御部33は、センサ部38の車輪速センサからの出力値を用いて車速V[m/s]を算出し、算出した車速Vと、地点R1から地点R2までの移動時間(2秒)との積算から、地点R1から地点R2までの距離D2[m]を取得する。
受信した信号及び車速Vの精度が良ければ、信号に基づいて算出した距離D1と、車速Vに基づいて算出した距離D2とは略一致する。従って、制御部33は、距離D1と距離D2とを対比し、略一致する場合であれば、距離d1及び距離d2に信頼性があると判定し、一致しない場合であれば、信頼性がないと判定する。この場合、強い反射波を受信していない場合でも、距離D1に僅かな誤差が含まれる場合があるため、制御部33は、距離D1と距離D2とが完全一致でなく、2つの距離の差が所定の閾値以内であれば一致とし、信頼性があると判定する。
図9は、車輪速センサによる測位の復帰タイミングを説明するための模式図である。図9において、縦軸は送信機20までの距離、横軸は経過時間を示す。図中の丸印は、送信機20から受信した信号により算出した距離の結果を示す。また、図中の実線は、センサ部38の車輪速センサにより算出した距離の結果を示す。
まず、時刻T1では、GPS又は光ビーコン等を受信するか、或いは送信機20から受信した信号から算出した距離情報を用いて自車位置を特定する。このとき特定した自車位置の信頼性が高い場合、車輪のスリップが検出される時刻T2までの間は、時刻T1において特定した位置を基準として、車輪速センサの出力値から算出した距離を加えることによる測位法に重みをおいて自車位置の特定を行う。このとき、車輪速センサによる短時間での相対変位の測位は精度が高いため、所定時間は信号に基づく測位を用いず、車輪速センサによる測位のみを用いるようにしてもよい。そして、車輪速センサによる測位は、移動距離とともに誤差が蓄積するため、所定時間経過後、信号に基づく測位の重み付けを徐々に大きくするようにしてもよい。
そして、制御部33は、時刻T2において車輪のスリップ等を検出した場合、時刻T2以降は、再度精度の高い位置を取得するまでの間は(時刻T3)、信号に基づく測位の重み付けを大きくして、自車位置を特定する。
ここで、制御部33は、この間(時刻T2からT3)、所定時間において信号に基づいて算出した移動距離と、車輪速センサに基づいて算出した距離との誤差が小さいかの判定を繰り返し行う。そして、誤差が小さい場合、制御部33は、受信した信号に基づいて求めた距離情報の信頼性が高いと判定し、受信した信号に基づいて自車位置を特定する。以降、制御部33は、そのときの位置を基準として車輪速センサによる測位の重み付けを再び大きくして測位を行う。なお、時刻T2からT3においては、信号に基づいて算出した距離D1と、車速に基づいて算出した距離D2とが略一致していないため、特定した自車位置の精度は低い。
また、図8では、道路が直線状で、送信機20と車載機30とが略一直線上にある場合について説明したが、図5のように、カーブした道路で、信号から算出した距離の信頼性の有無を判定する場合、センサ部38の方位センサを利用して検出した送信機20と進行方向との角度をもって算出した距離を補正することで判定することができる。また、制御部33は、距離d2と車速Vとにより自車位置を特定する際に、方位センサにより検出した進行方向を利用して自車位置を特定する。
図10(a)は、信号に基づく測位結果を示す図であり、図10(b)は、移動距離に基づいて信号から算出した距離の信頼性を判定した結果を示す図である。
制御部33は、各地点で送信機20から受信した信号に基づいて、送信機20までの距離を算出する。例えば、図10(a)に示すように、時刻t1における地点R1から送信機20までの距離は85[m]であり、時刻t2における地点R2から送信機20までの距離は82[m]である。図10(a)に示される距離は、上述したように、信号の到達時間に光速(又は電波の伝播速度)を積算することで算出できる。
制御部33は、図10(a)に示す結果を用いて、各時刻間の移動距離を算出する。例えば、図10(b)に示すように、時刻t1から時刻t2までに進んだ距離は3[m]であり、時刻t2から時刻t3までに移動した距離31[m]である。また、制御部33は、算出した車速Vに基づいて、各時刻間の移動距離を算出する。制御部33は、地点R(n-1)から地点Rnまでの移動時間(2秒)と車速Vとの積算により移動距離D2を算出できる。
図10(b)に示すように、信号に基づいて算出した距離D1と、車速に基づいて算出した距離D2との差をとり、差が閾値(2[m])以上か否かで信頼性を判定する。例えば、時刻t1から時刻t2までに地点R1から地点R2に移動した場合において、信号により算出した移動距離D1は3[m]であり、車速により算出した移動距離D2は26[m]である。そして、距離D1と距離D2との差は23[m]である。従って、距離D1と距離D2との差が閾値(2[m])以上であるので、制御部33は、時刻t1及びt2に送信機20から受信した信号に基づいて算出した距離は信頼性がないと判定する。
また、時刻t3から時刻t4までに地点R3から地点R4に移動した場合において、信号により算出した移動距離D1は22[m]であり、車速により算出した移動距離D2は21[m]である。そして、距離D1と距離D2との差は1[m]である。従って、距離D1と距離D2との差が閾値(2[m])以下であるので、制御部33は、時刻t3及びt4に送信機20から受信した信号に基づいて算出した距離は信頼性があると判定する。
なお、距離D1と距離D2との差が閾値(2[m])以下となる場合が連続して発生することを条件に信頼性があると判定してもよい。また、閾値は、車速などにより変更可能である。
制御部33は、センサ部38の車輪速センサからの出力値を用いて、車輪のスリップを検出する。制御部33は、スリップを検出した場合、車輪速センサにより算出した車速の信頼性がないため、信号から算出した距離の信頼性の判定、及び車速に基づく自車位置の特定を停止する。
車輪速センサは、車輪毎に設けられており、車輪が所定角度回転する毎にパルスを出力し、その出力値から各車輪の回転数を検出することができる。そして、車両が直線走行している場合に各車輪がスリップすることなく回転しているときは、各車輪速センサの出力値は略一致するが、スリップが発生した場合、車輪が空転し、又は地面を滑るなどにより車輪速センサの出力値にバラつきが発生する。従って、制御部33は、各車輪速センサの出力値にバラつきがある場合、車輪のスリップを検出する。なお、道路がカーブしている場合には、前左輪と後左輪との出力値が略一致し、前右輪と後右輪との出力値が略一致する。
図11は、車輪速センサの出力値を示す説明図である。図11(a)は、4輪それぞれに設けられた車輪速センサの出力値であって、スリップ等が発生していない場合を示している。図11(a)に示すように、スリップ等が発生していない場合、各車輪速センサの出力値の軌跡は、何れも略一致している。なお、各車輪速センサの軌跡がほぼ完全に一致しているときは、車両が直線走行している。また、軌跡が上下にずれがあるときは、車両がカーブ走行している。
図11(b)は、スリップがない場合(図中上側軌跡)及びスリップがある場合(図中下側軌跡)の車輪速センサの出力結果を模式的に示している。スリップがない場合、何れの車輪速センサの出力結果にも急激な変化が生じることがないが、スリップがある場合、スリップが起こった車輪に対する車輪速センサの出力結果には、突発的に乱れが発生する。そして、制御部33は、例えば出力値の所定時間当たりの分散(又は標準偏差)が閾値以上変化した場合に、スリップが発生したと判定する。
図11(b)は、直線を走行している際のスリップを検出する場合である。道路がカーブしており、車両が曲がっている場合には、制御部33は、車両の左側にある前後輪に対する各車輪速センサの出力値が一致しているかを判定し、右側にある前後輪に対する各車輪速センサの出力値が一致しているかを判定する。各出力値が一致し、さらに、カーブ時の内輪に対する各車輪速センサの出力値と外輪に対する各車輪速センサの出力値との差分が所定値を超えていれば、制御部33は、スリップと判定する。
次に車載機30の動作について説明する。
図12及び図13は、自車の位置を特定する処理手順を示すフローチャートである。制御部33は、GPS、光ビーコン又はナビゲーションシステムなどから自車が存在すると推定できる範囲を示す領域情報を取得する(S101)。制御部33は、送信機20から信号を受信したか否かを判定し(S102)、信号を受信していない場合(S102:NO)、S101以降の処理を続ける。これにより、自車の存在する範囲を推定(測定)しながら走行を続ける。
送信機20から信号を受信した場合(S102:YES)、制御部33は、道路形状情報及び車載機30の高さ情報を取得し(S103)、自車の仮想的な走行面を特定する(S104)。制御部33は、受信した信号に基づいて、算出した到達時間に光速を積算して得られた距離に基づいて、送信機20の位置を中心とする球面を特定する(S105)。
次に、制御部33は、特定した走行面と球面とが交わる交線を特定する(S106)。制御部33は、交線が2つ以上あるか否か判定し(S107)、2つ以上ない場合(S107:NO)、その交線を自車位置として特定する(S109)。交線が2つ以上ある場合(S107:YES)、制御部33は、前回の測位結果とその後の走行履歴又はGPS受信機での測位結果などとを用いて交線を選定し(S108)、自車位置として特定する(S109)。
続いて、制御部33は、送信機20から信号を受信したか否かを判定する(S110)。送信機20から信号を受信していない場合(S110:NO)、制御部33は、センサ部38の車輪速センサの出力値を取得し(S111)、取得した出力値からスリップが発生したか否かを判定する(S112)。制御部33は、図11で説明したように、車輪速センサの出力値に突発的に乱れが発生した場合に、スリップが発生したと判定する。スリップが発生したと判定した場合(S112:YES)、制御部33は、S122以降の処理を実行する。スリップが発生していない場合(S112:NO)、制御部33は、車輪速センサによる測位を行い、自車位置を特定する(S113)。具体的には、制御部33は、S111で取得した車輪速センサの出力値から車速を算出し、算出した車速で移動した距離を算出する。そして、制御部33は、S109で特定した自車位置と移動した距離とで、自車位置を特定する。その後、制御部33は、S131以降の処理を実行する。
送信機20から信号を受信した場合(S110:YES)、制御部33は、移動距離D1を算出する(S114)。具体的には、制御部33は、S102で受信した信号に基づいて、その信号の送信機20から車載機30までの到達時間を算出し、算出した到達時間に光速を積算して得られた距離dnを算出する。また、制御部33は、S110で受信した信号に基づいてその信号の送信機20から車載機30までの到達時間を算出し、算出した到達時間に光速を積算して得られた距離d(n+1)を算出する。そして、制御部33は、算出した距離dnと距離d(n+1)とから移動距離D1を算出する。
次に、制御部33は、センサ部38の車輪速センサの出力値を取得し(S115)、取得した出力値からスリップが発生したか否かを判定する(S116)。制御部33は、図11で説明したように、車輪速センサの出力値に突発的に乱れが発生した場合に、スリップが発生したと判定する。スリップが発生していない場合(S116:NO)、制御部33は、S115で取得した車輪速センサの出力値から車速を算出し(S117)、制御部33は、算出した車速で所定時間移動した場合の移動距離D2を算出する(S118)。所定時間は、S102で信号を受信してからS110で信号を受信するまでの時間(例えば2秒)である。
制御部33は、信号から算出した距離の信頼性を判定する(S119)。制御部33は、算出した距離D1及び算出した距離D2の差が、閾値(2[m])以下であるかを判定し、閾値以下である場合には、制御部33は、信頼性がある(高い)と判定する。信頼性がある(高い)と判定した場合(S119:YES)、即ち、距離D1及び距離D2の差が閾値(2[m])以下である場合、制御部33は、車輪速センサによる測位と、送信機20から受信した信号に基づく測位とを用いて自車位置を特定する(S120)。この場合において、スリップが発生しておらず、車輪速センサによる測位の精度が高いため、制御部33は、車輪速センサによる測位を、送信機20から受信した信号に基づく測位よりも重み付けを大きくして自車位置を特定する。その後、制御部33は、自車の位置を特定する本処理を終了するか否かを判定する(S130)。終了しない場合(S130:NO)、制御部33はS110以降の処理を実行する。終了する場合(S130:YES)、制御部33は本処理を終了する。
信頼性がない(低い)と判定した場合(S119:NO)、即ち、距離D1及び距離D2の差が閾値(2[m])以上である場合、制御部33は、車輪速センサによる測位に基づいて自車位置を特定する(S121)。この場合、制御部33は、送信機20から受信した信号に基づく測位を考慮しなくてもよいし、信号に基づく測位を車輪速センサによる測位よりも重み付けを非常に小さくしてもよい。その後、制御部33は、S131以降の処理を実行する。
なお、S120及びS121において、制御部33は、車輪のスリップ等を検出するまでの間は、信号に基づく測位を用いず、精度の高い車輪速センサによる測位のみを行うようにしてもよい。また、制御部33は、所定時間は車輪速センサによる測位のみを用いるようにしてもよい。さらに、車輪速センサによる測位は、移動距離と共に誤差が蓄積するため、制御部33は、所定時間経過後、信号に基づく測位の重み付けを徐々に大きくするようにしてもよい。
スリップが発生したと判定した場合(S116:YES)、車輪速センサによる測位、及びS110で受信した信号による測位も精度が低くなるため、制御部33は、再度送信機20から信号を受信したか否かを判定する(S122)。送信機20から信号を受信していない場合(S122:NO)、制御部33は、受信するまで繰り返す。送信機20から信号を受信した場合(S122:YES)、制御部33は、上述と同様に、移動距離D1を算出する(S123)。制御部33は、センサ部38の車輪速センサの出力値を取得し(S124)、取得した出力値からスリップが発生したか否かを判定する(S125)。
スリップが発生した場合(S125:YES)、制御部33は、S122以降の処理を実行する。スリップが発生していない場合(S125:NO)、制御部33は、S124で取得した車輪速センサの出力値から車速を算出し(S126)、算出した車速で所定時間移動した場合の移動距離D2を算出する(S127)。制御部33は、信号から算出した距離の信頼性を判定する(S128)。信頼性がない(低い)と判定した場合(S128:NO)、制御部33は、受信した信号による測位を行い、自車位置を特定する(S129)。そして、制御部33は、S122以降の処理を実行する。なおこの場合、車輪速センサによる測位、及び受信した信号による測位の何れも精度は低い。そして、信号から算出した距離の信頼性が高くなるまで、制御部33は、S122以降の処理を繰り返す。
信頼性がある(高い)と判定した場合(S128:YES)、即ち、距離D1及び距離D2の差が閾値(2[m])以下である場合、制御部33は、送信機20から受信した信号に基づく測位を、車輪速センサによる測位よりも重み付けを大きくして自車位置を特定する(S130)。その後、制御部33は、S110以降の処理を実行する。この場合、スリップが発生したために、車輪速センサによる測位の精度が低くなったが、信号に基づく測位の信頼性が高いため、制御部33は、以降の測位に、車輪速センサによる測位を復帰させる。
このように、図4で説明したように、送信機20から受信した信号を、予め記憶しているレプリカ信号との一致度を判定して、受信した信号の精度を判断するだけでなく、車速に基づいて信頼性を判定することで、車両の位置特定を精度よく行うことができる。
なお、本実施の形態では、1台の送信機20の信号の到達時間により自車位置を特定する構成であったが、2台の送信機の信号それぞれの到達時間差により自車位置を特定することもできる。この場合でも、送信機の数を2台に制限することができ、少ない送信機で自車位置を求めることが可能である。
図14は、自車位置を特定する他の例を示す説明図である。この場合、送信機20に加えて、所定の位置に送信機40を設置してある。送信機40の構成は送信機20と同様である。道路上のある地点P1において、送信機20及び送信機40からの信号(測位用信号)を受信した場合、制御部33は、それぞれの送信機20及び送信機40の信号の受信時点と送信時点との差により、信号が送信機20及び送信機40それぞれから車載機30へ到達するまでの到達時間を算出する。この場合、信号の送信時点は、その信号に含まれる送信時点情報から取得することができる。制御部33は、各信号の到達時間の差分である到達時間差を算出する。
自車から送信機20までの距離と、自車から送信機40までの距離との差は、信号の到達時間差ΔT1に光速を積算することで算出できる。すなわち、自車の位置は、送信機20及び送信機40の位置を焦点とする回転双曲面W1上であることがわかる。
一方、制御部33は、送信機20及び送信機40から信号を受信した場合、自車両が走行する道路(リンク:交差点間の道路)の道路形状情報と車載機30の高さ情報により、自車の仮想的な走行面を特定する。なお、道路が直線道路である場合には、走行面は平面であり、道路がカーブしている場合には、走行面は曲面となる。
制御部33は、自車位置を回転双曲面W1と走行面と交わる交線として特定する。これにより、2台の送信機20及び送信機40からの信号を受信するだけで、自車位置を精度良く特定することが可能となる。
車両がさらに走行を続け、道路上の地点P2で送信機20及び送信機40から信号を受信したとすると、地点P1の場合と同様に、制御部33は、信号の到達時間差ΔT2に光速を積算することにより、到達時間差ΔT2に対応する距離を算出し、送信機20及び送信機40の位置を焦点とし、算出した距離が等しくなる回転双曲面W2を特定する。
一方、制御部33は、送信機20及び送信機40から信号を受信した場合、自車両が走行する道路の道路形状情報と車載機30の高さ情報により、自車の仮想的な走行面を特定する。
制御部33は、自車位置を回転双曲面W2と走行面と交わる交線として特定する。以降、同様の動作を繰り返すことにより、制御部33は、送信機20、送信機40から信号を受信する都度、自車位置を精度良く特定し続けることができる。
図15は、2台の送信機を用いた場合の自車位置の特定方法の概念を示す説明図である。図15の例では、2台の送信機からの信号の到達時間差が判明している場合の特定方法を示す。図15に示すように、まず、自車位置は、送信機20及び送信機40の位置を焦点とし、送信機20及び送信機40から車載機30までの各信号の到達時間差に光速を積算した距離が等しい回転双曲面W上に存在する。次に回転双曲面W上のどこに自車位置が存在するかを求める。
制御部33は、自車両が走行する道路の道路形状情報と車載機30の高さ情報により、自車の仮想的な走行面を特定し、自車位置を回転双曲面Wと走行面と交わる交線として特定する。これにより、2台の送信機20及び送信機40からの信号を受信するだけで、自車位置を精度良く特定することが可能となる。
上述の例において、各送信機20、40は、同一周期Tの基準クロック信号を生成する水晶発振器を備え、これにより、各送信機20、40は、お互いに同一の周期の基準クロック信号で動作することができ、各送信機20、40で単位時間の時間長を一致させることができる。例えば、各送信機20、40における1μsの時間長を一致させることができる。
しかし、基準クロック信号を生成する水晶発振器の発振周波数は、経年変化などにより誤差を生じ、各送信機20、40の基準クロック信号の周期(周波数)がずれる場合がある。以下、各送信機20、40の基準クロック信号の周期を同一にする方法について説明する。
各送信機20、40には、位相同期回路(PLL:Phase-locked loop)を設けておく。例えば、送信機20は、信号を送信機40へ無線又は有線で送信する。送信機40は、受信した信号から基準クロック信号の周期(又は周波数)を抽出して、抽出した周期と同一の周期になるように基準クロック信号の周期(周波数)を調整する。これにより、基準クロック信号の周期が、何らかの理由(例えば、経年変化)で初期の値から変化した場合であっても、送信機20が送信する信号により、送信機40の基準クロック信号の周期を調整することができる。これにより、各送信機20、40は、お互いに同一の周期の基準クロック信号で動作することができ、各送信機20、40で単位時間の時間長を一致させることがでる。
また、GPSなどを含むGNSS衛星が送信する信号を受信し、受信した信号から基準発振周波数(例えば、約10MHz)の信号を抽出し、抽出した基準発振周波数の信号に基づいて、基準クロック信号の周期(周波数)を調整することもできる。
また、本実施の形態では、交差点に設置された送信機20から受信する信号に基づいて、車載機30から送信機20までの距離を算出しているが、画像処理により交差点にある停止線までの距離を算出するようにしてもよい。例えば、車載機30に車載カメラを設け、車載カメラで道路を撮像して得られた撮像画像に基づいて停止線を検出し、画像認識により停止線までの距離を取得するようにしてもよい。
また、車載機30は、受信した信号から算出した距離に信頼性がある場合には算出した車速に基づいて位置特定を行っているが、例えば、図10において、距離D1と距離D2との差分が閾値(1[m])以上で閾値(2[m])以下など信頼性を段階的に判断し、その結果により、車速に基づく位置特定、あるいは車速及び受信した信号に基づく位置特定を行うようにしてもよい。このように、車速又は受信した信号の何れに重みをおいて位置特定を行うかは適宜変更(重み係数の変更)することができる。
以上説明したように、本発明にあっては、位置特定を行うために送信機20から受信した信号から算出した距離の信頼性の有無を判定することで、信号が送信機20から直接送信されたものか、あるいは、建物に反射したものなのかを判定できる。そして、信頼性がある場合に、信号に基づいて特定した位置を自車位置とし、その後は車速に基づいて位置特定することで、適切に車両位置を特定することができる。
また、本発明にあっては、車輪のスリップを検出し、スリップが発生した場合には、車速に基づく位置特定を停止する。降雪量が多い土地又は寒冷地などでは、スリップが多発するため、スリップしても位置特定を続けることで、不正確な位置が行われる。このため、スリップが発生時には位置特定を停止することで、不正確な位置特定を防止でき、精度のよい位置特定を行うことができる。
上述の実施の形態では、送信機20が信号を変調して送信し、車載機30では復調して元の信号を抽出し、信号の受信時点を算出する構成であったが、これに限定されるものではなく、送信機20で、信号を直交周波数多重方式の周波数が異なる搬送波に割り当て、信号が割り当てられた搬送波を送信する。例えば、送信する信号に逆フーリエ変換して周波数の異なる少なくとも1つのサブキャリア(搬送波)に変換し、変換した信号をDA変換して送信機20から車載機30に対して送信する。車載機30は、送信された搬送波をAD変換し、変換後の信号同士をパターンマッチングすることで信号の受信時点を取得する。これにより、他の帯域における通信との干渉を少なくしつつ周波数帯の利用効率を向上させることができる。
上述の実施の形態により、走行中の自車の位置を精度良く特定することができるため、本発明を用いることにより、例えば、車載機で前方の信号機の表示情報を受信し、受信した表示情報に基づいて交差点の手前で安全に停止することができるか否か、あるいは、交差点を安全に通過することができるか否かを高精度に判定し、判定結果に応じて運転者に音声で注意を促すことができる。また、車載機で受信した信号機の表示情報に基づいて、交差点を安全に通過することができるか否かを高精度に判定し、判定結果に応じて車両のブレーキ制御を行うこともでき、交通事故を未然に防止して交通の安全性を高めることができる。
開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係る車両位置特定システムの概要を示す模式図である。 本発明に係る車両位置特定システムの構成を示すブロック図である。 送信機が送信する信号に含まれるデータ構造の例を示す説明図である。 信号の受信時点を求める例を模式的に示す説明図であり、(a)は、送信機から受信した信号及び車載機のレプリカ信号を示す図、(b)は、受信した信号の波形とレプリカ信号の波形とが一致する場合を示す図、(c)は、マルチパスによる遅延波の影響がある場合を示す図である。 自車位置を特定する一例を示す説明図である。 1台の送信機を用いた場合の自車位置の特定方法の概念を示す説明図である。 道路形状情報の構造を示す説明図である。 送信機から受信した信号から算出した距離の信頼性を判定する一例を説明するための模式図である。 車輪速センサによる測位の復帰タイミングを説明するための模式図である。 (a)は、信号に基づく測位結果を示す図であり、(b)は、車速に基づく測位結果を利用して信号から算出した距離の信頼性を判定した結果を示す図である。 車輪速センサの出力値を示す説明図である。 自車の位置を特定する処理手順を示すフローチャートである。 自車の位置を特定する処理手順を示すフローチャートである。 自車位置を特定する他の例を示す説明図である。 2台の送信機を用いた場合の自車位置の特定方法の概念を示す説明図である。
符号の説明
20 送信機
21 通信部
22 制御部
30 車載機
31 第1通信部
32 第2通信部
33 制御部
34 記憶部
37 GPS受信部
38 センサ部

Claims (12)

  1. 車両から道路上の所定地点までの距離に関する情報を取得する距離情報取得手段を備え、該距離情報取得手段が取得した距離に関する情報に基づいて車両位置を特定する位置特定装置において、
    前記距離情報取得手段が取得した第1距離情報、及び該第1距離情報を取得してから所定時間後に前記距離情報取得手段が取得した第2距離情報に基づいて、前記所定時間内に車両が移動した第1移動距離情報を算出する第1算出手段と、
    車速に関する情報を取得する車速取得手段と、
    該車速取得手段が取得した車速に関する情報に基づいて、前記所定時間内に車両が移動した第2移動距離情報を算出する第2算出手段と、
    前記第1移動距離情報及び第2移動距離情報に基づいて、前記距離情報取得手段が取得した距離に関する情報の信頼性を判定する判定手段と、
    該判定手段による信頼性の判定結果に応じて、前記第2距離情報に基づいて車両位置を特定する特定手段と
    を備えることを特徴とする位置特定装置。
  2. 前記車速取得手段が取得した車速に関する情報が正常又は異常かを判定する状態判定手段
    をさらに備え、
    前記判定手段は、
    該状態判定手段が正常であると判定した場合に信頼性を判定する構成としてあることを特徴とする請求項1に記載の位置特定装置。
  3. 前記特定手段は、
    前記距離情報取得手段が取得した距離に関する情報に基づいて車両位置を特定する第1位置特定手段と、
    前記車速取得手段が取得した車速に関する情報に基づいて車両位置を特定する第2位置特定手段と
    を有しており、
    前記第1位置特定手段及び第2位置特定手段の特定結果の少なくとも一方に重み付けをし、重み付けをした特定結果に基づいて車両位置を特定するに際し、
    前記判定手段が判定した信頼性が高いほど、前記第1位置特定手段の特定結果に相対的に大きな重み付けをし、車両位置を特定する構成としてある
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の位置特定装置。
  4. 前記状態判定手段は、
    正常又は異常かの判定を繰り返し行い、
    前記特定手段は、
    前記状態判定手段が異常であると判定するまで、前記第2位置特定手段による特定結果のみを用いて車両位置を特定する構成としてある
    ことを特徴とする請求項3に記載の位置特定装置。
  5. 前記特定手段は、
    前記第1位置特定手段の特定結果に対する重み付けを、時間の経過及び/又は移動距離の伸長に伴い相対的に大きくして、車両位置を特定する構成としてある
    ことを特徴とする請求項3に記載の位置特定装置。
  6. 前記所定地点から送信された信号を受信する受信手段と、
    前記信号が前記所定地点から送信されてから前記受信手段が受信するまでの到達時間を算出する到達時間算出手段と
    をさらに備え、
    前記距離情報取得手段は、
    前記到達時間算出手段が算出した到達時間に基づいて距離を算出する構成としてある
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載の位置特定装置。
  7. 道路形状に関する道路形状情報を取得する道路形状情報取得手段と、
    前記所定地点に関する地点情報を取得する地点情報取得手段と
    をさらに備え、
    前記第1位置特定手段は、
    前記地点情報、前記到達時間及び前記道路形状情報に基づいて、車両位置を特定する構成としてある
    ことを特徴とする請求項6に記載の位置特定装置。
  8. 前記信号は、異なる地点から送信されており、
    前記受信手段は、
    異なる地点から送信された前記信号を受信する構成としてあり、
    前記受信手段が受信した前記信号の到達時間差を取得する時間差取得手段
    をさらに備え、
    前記第1位置特定手段は、
    前記時間差取得手段が取得した到達時間差及び前記地点情報に基づいて車両位置を特定する構成としてある
    ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の位置特定装置。
  9. 前記検出手段が検出する走行情報は、車輪の回転数であることを特徴とする請求項2乃至請求項8の何れか一つに記載の位置特定装置。
  10. 請求項6乃至請求項9の何れか一つに記載の位置特定装置と、
    所定地点に設置され、信号を送信する送信機と
    を備えることを特徴とする位置特定システム。
  11. 車両から道路上の所定地点までの距離に関する情報を取得する距離情報取得手段を備え、該距離情報取得手段が取得した距離に関する情報に基づいて、位置特定装置で車両位置を特定する位置特定方法において、
    前記距離情報取得手段が取得した第1距離情報、及び該第1距離情報を取得してから所定時間後に前記距離情報取得手段が取得した第2距離情報に基づいて、前記所定時間内に車両が移動した第1移動距離情報を算出するステップと、
    車速に関する情報を取得するステップと、
    取得した車速に関する情報に基づいて、前記所定時間内に車両が移動した第2移動距離情報を算出するステップと、
    前記第1移動距離情報及び第2移動距離情報に基づいて、前記距離情報取得手段が取得した距離に関する情報の信頼性を判定するステップと、
    信頼性の判定結果に応じて、前記第2距離情報に基づいて車両位置を特定するステップと
    を備えることを特徴とする位置特定方法。
  12. 車速を取得するコンピュータに、車両から道路上の所定地点までの距離に関する情報を取得させ、取得させた距離に関する情報に基づいて車両位置を特定させるコンピュータプログラムにおいて、
    前記コンピュータを、
    取得した第1距離情報、及び該第1距離情報を取得してから所定時間後に前記取得した第2距離情報に基づいて、前記所定時間内に車両が移動した第1移動距離情報を算出する第1算出手段、
    取得した車速に関する情報に基づいて、前記所定時間内に車両が移動した第2移動距離情報を算出する第2算出手段、
    前記第1移動距離情報及び第2移動距離情報に基づいて、前記距離情報取得手段が取得した距離に関する情報の信頼性を判定する判定手段、及び、
    該判定手段による信頼性の判定結果に応じて、前記第2距離情報に基づいて車両位置を特定する特定手段
    として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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