JP2008196907A - 距離変換情報生成装置、車載装置及び距離変換情報生成方法 - Google Patents

距離変換情報生成装置、車載装置及び距離変換情報生成方法 Download PDF

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健二 天目
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Abstract

【課題】車輪の回転に応じて生成される走行信号と車両の走行距離とを関連付ける距離変換情報を精度良く生成することができる距離変換情報生成装置、車載装置及び距離変換情報生成方法を提供する。
【解決手段】車載装置30は、光ビーコン10との通信により領域Aの交信地点(所定の地点)を通過した際に、領域Aを通過することを示す信号及び光ビーコン10との交信地点と路上装置20との交信地点との間の区間距離を受信し、信号を受信した時点から、車輪の回転に比例して生成されるパルス信号のパルス数の計数を開始する。車載装置30が、車両が領域Bを通過することを示す信号を路上装置20から受信した時点で、区間距離を計数したパルス数で除算して、距離変換係数を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車輪の回転に応じて生成される信号と車両の走行距離とを関連付ける距離変換情報を精度良く生成することができる距離変換情報生成装置、該距離変換情報生成装置を備える車載装置及び距離変換情報生成方法に関する。
近年、車両の安全運転支援を目的として、車両が交差点を通過することが危険である場合に、車両の走行状態を制御して車両を交差点の手前で確実に停止させるための技術開発が行われている。例えば、交差点付近の停止線で車両を確実に停止させるためには、車両の位置を精度良く検出することが必須条件となる。仮に車両の位置を精度良く検出することができない場合には、車両を停止させたとしても、車両が横断歩道にはみ出して停止してしまい、横断中の歩行者に危害を与える恐れがある。
また、車両の安全運転支援を目的として、タイヤの空気圧低下による事故を未然防止するための技術開発も行われている。タイヤの空気圧が低下した場合、走行中にタイヤが急にパンクしたり、爆発したりする事故になる恐れがある。タイヤの空気圧の減少は、比較的長い時間の間に徐々に生じるため、運転者がタイヤの空気圧減少に気が付かず、空気圧低下の限界を超えて事故に到ることが多い。そこで、車両の安全運転支援のためには、適切な時期に運転者に対して注意を促し又は警告を行う必要がある。
従来、車両位置の検出方法として、ナビゲーションで広く利用されているものには、自立航法、衛星航法、地図マッチング法、ハイブリッド航法などがある。例えば、自立航法は、距離センサ、方位センサ又は角速度センサなどを用い、経緯度座標系を基にした直交座標系に対する車両の走行の方位角と単位時間当たりの走行距離に基づいて、逐次車両位置を算出するものであり、オドメータ等で車輪の回転に応じた電気信号に基づいて計測される走行距離は不可欠なデータである。
一般に、ナビゲーション目的では、走行距離を計測するために用いられる距離変換係数(車輪の回転に応じた電気信号、例えば、パルス信号の計数値に対する車両の走行距離)を算出するために、GPS(Global Positioning System)又は地図データ等を用いる。しかし、GPSにより車両の位置を検出する方法では、GPSの位置検出に10m〜数十m程度の誤差が生じるため、短い走行距離を計測する場合には、計測される走行距離に対する誤差の割合が大きくなる。このため、GPSで走行距離を計測する場合には、誤差による影響を小さくするため、比較的長い距離を計測する。しかし、長い走行距離を計測するには、長い時間を要する上、距離を計測している間に大きな交差点又は複雑な交差点を含む確率が高くなるため、地図データの誤差、地図データのマッチングミス、右左折等の走行の仕方の差異等による誤差が問題となる。
そこで、車両の移動距離を高精度に算出する方法として、任意の2点間におけるGPS受信により得られた車速と時間差からGPS移動距離を算出し、2点間における車輪の回転に比例して出力されるパルス差と算出されたGPS移動距離とに基づいて距離補正係数を算出し、車両毎に予め設定された1パルス当りの距離に距離補正係数を乗じることにより移動距離を算出する車両用ナビゲーション装置が提案されている(特許文献1参照)。
また、タイヤの空気圧低下を検出する方法として、所定時間内に車輪が回転した回転角度を算出し、GPS受信機で車両が移動した移動距離を算出し、回転角度及び移動距離に基づいて動荷重半径を算出し、算出した動荷重半径と予め設定されたタイヤ空気圧との関
係に基づいてタイヤの空気圧低下を判定するタイヤ空気圧低下の検知装置が提案されている(特許文献2参照)。
特開平8−75485号公報 特開2004−237947号公報
しかしながら、特許文献1の装置にあっては、GPS受信による2点間の距離に代えて2点間の車速を用いることにより、比較的短い走行距離でも車両の位置を検出することができるものの、車速はGPS受信に基づいて取得するため、算出される車速には誤差が含まれ、安全運転支援に資する程度に車両の位置を精度良く算出するには、不十分であった。また、一般道路では、道路上の状況に応じて車速が変動することが多く、移動距離を算出することができる条件が限定されてしまうという問題がある。
また、特許文献2の装置にあっては、車両のそれぞれの車輪に車輪速センサを設ける必要があり、新たなセンサを設けることによる部品コストの上昇、センサの取り付け場所の確保、センサによる重量増加などの問題があり、さらにGPS受信による誤差が生じるという従来からの問題は依然として未解決であった。車両の安全運転支援に活用するためには、車両の位置検出の誤差を、例えば、0.1〜0.2%程度内にする必要があり、時々刻々の走行距離計測のために、車輪の回転に応じて生成される信号と車両の走行距離とを関連付ける距離変換情報(距離変換係数)を精度良く算出する方法が求められていた。また、タイヤの空気圧低下を高精度に検知することが望まれていた。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、車輪の回転に応じて生成される信号と車両の走行距離とを関連付ける距離変換情報を精度良く生成することができる距離変換情報生成装置、該距離変換情報生成装置を備える車載装置及び距離変換情報生成方法を提供することを目的とする。
第1発明に係る距離変換情報生成装置は、車輪の回転に応じて生成される走行信号と車両の走行距離とを関連付ける距離変換情報を生成する距離変換情報生成装置であって、道路上の所定の地点間の距離を取得する距離取得手段と、車両が前記地点間を通過する間に生成された走行信号を取得する信号取得手段と、前記距離取得手段で取得した距離及び前記信号取得手段で取得した走行信号に基づいて距離変換情報を生成する生成手段とを備えることを特徴とする。
第2発明に係る距離変換情報生成装置は、第1発明において、車両が各地点を通過したことを示す通過信号を受信する受信手段を備え、前記信号取得手段は、前記通過信号を受信した時点間に生成された走行信号を取得するように構成してあることを特徴とする。
第3発明に係る距離変換情報生成装置は、第1発明又は第2発明において、車両の走行方位を取得する車両方位取得手段と、道路方向の方位を取得する道路方位取得手段と、前記車両方位取得手段で取得した走行方位と前記道路方位取得手段で取得した道路方向の方位との方位差を算出する方位差算出手段と、該方位差算出手段で算出した方位差が所定の方位閾値より大きい場合に、前記生成手段で生成した距離変換情報を無効にする無効手段とを備えることを特徴とする。
第4発明に係る距離変換情報生成装置は、第3発明において、前記無効手段は、所定の走行距離以上の間、前記車両方位取得手段で取得した走行方位と前記道路方位取得手段で取得した方位とが異なる場合、前記走行距離以上の間に前記生成手段で生成した距離変換
情報を無効にするように構成してあることを特徴とする。
第5発明に係る距離変換情報生成装置は、第3発明において、前記無効手段は、所定時間以上の間、前記車両方位取得手段で取得した走行方位と前記道路方位取得手段で取得した方位とが異なる場合、前記所定時間以上の間に前記生成手段で生成した距離変換情報を無効にするように構成してあることを特徴とする。
第6発明に係る距離変換情報生成装置は、第3発明において、前記無効手段は、道路上の異なる2地点で、前記車両方位取得手段で取得した走行方位と前記道路方位取得手段で取得した方位とが異なる場合、前記2地点間において前記生成手段で生成した距離変換情報を無効にするように構成してあることを特徴とする。
第7発明に係る距離変換情報生成装置は、第1発明又は第2発明において、車両の速度を取得する速度取得手段と、該速度取得手段で取得した速度が所定の速度閾値より小さい場合に、前記生成手段で生成した距離変換情報を無効にする無効手段とを備えることを特徴とする。
第8発明に係る車載装置は、車輪の回転に応じて生成される走行信号と車両の走行距離とを関連付ける距離変換情報を生成する生成手段を備える車載装置であって、前記距離変換情報と所定の閾値とを比較する比較手段と、前記距離変換情報が前記閾値より小さい場合、所定の出力を行う出力手段とを備えることを特徴とする。
第9発明に係る距離変換情報生成方法は、車輪の回転に応じて生成される走行信号と車両の走行距離とを関連付ける距離変換情報を生成する距離変換情報生成方法であって、道路上の所定の地点間の距離を取得し、車両が前記地点間を通過する間に生成された走行信号を取得し、取得した距離及び走行信号に基づいて距離変換情報を生成することを特徴とする。
第1発明及び第9発明にあっては、道路上の所定の地点間の距離を取得し、車両が所定の地点間を通過する間に車輪の回転に応じて生成された走行信号(例えば、パルス信号のパルス数)を取得する。所定の地点間の距離(区間距離)は、例えば、外部の通信装置(例えば、光ビーコン、電波ビーコン、中域通信装置又は広域通信装置など)から受信して取得してもよい。あるいは、地図データベースに前記地点間の距離を予め含めておき、地図データベースから取得することもできる。取得した距離及び走行信号に基づいて距離変換情報を生成する。例えば、距離変換情報(距離変換係数)は、取得した距離をパルス数で除算することにより生成(算出)することができる。GPS又は地図データ等により得られた走行距離に代えて所定の地点間の距離に基づいて距離変換係数を算出することにより、GPSによる誤差又は地図データ等の誤差による影響をなくすことができ、距離変換係数を従来よりも精度良く求めることができる。
第2発明にあっては、車両が各地点を通過したことを示す通過信号を受信し、受信時点間に生成された走行信号を取得する。例えば、距離変換情報生成装置は、車両が上流側の地点を通過したことを示す通過信号を光ビーコンから受信し、受信した時点から車輪の回転に応じて生成される走行信号(例えば、パルス信号)のパルス数を計数する。次に、車両が下流側の地点を通過したことを示す通過信号を路上装置(又は光ビーコン)から受信し、受信した時点まで計数されたパルス数を取得する。距離変換情報生成装置は、予め取得した地点間(上流側の地点と下流側の地点間)の距離を取得したパルス数で除算することにより、距離変換情報(距離変換係数)を生成(算出)する。これにより、精度良く距離変換情報を生成することができる。
第3発明にあっては、車両の走行方位を取得し、地図データベースから道路方向の方位を取得し、取得した走行方位と道路方向の方位との方位差を算出し、算出した方位差が所定の方位閾値より大きい場合、車両が道路脇の施設に立ち寄り、あるいは、頻繁に車線変更を行って、道路に沿って走行していないとして、距離変換情報を無効にする。なお、生成した距離変換情報を無効にすることには、距離変換情報の生成を行わずに無効にすることも含むものとする。これにより、車両の走行状態に応じて増加が見込まれる誤差を予め除去して、精度良く距離変換情報を生成することができる。また、不要な処理を行う必要がなく、処理労力を低減することができる。
第4発明にあっては、所定の走行距離以上の間、車両の走行方位と道路の方位とが異なる場合、その間に生成した距離変換情報を無効にする。これにより、車両の走行状態に応じて増加が見込まれる誤差を予め除去して、精度良く距離変換情報を生成することができる。また、不要な処理を行う必要がなく、処理労力を低減することができる。
第5発明にあっては、所定時間以上の間、車両の走行方位と道路の方位とが異なる場合、その間に生成した距離変換情報を無効にする。これにより、車両の走行状態に応じて増加が見込まれる誤差を予め除去して、精度良く距離変換情報を生成することができる。また、不要な処理を行う必要がなく、処理労力を低減することができる。
第6発明にあっては、道路上の異なる2地点で、車両の走行方位と道路の方位とが異なる場合、その間に生成した距離変換情報を無効にする。これにより、車両の走行状態に応じて増加が見込まれる誤差を予め除去して、精度良く距離変換情報を生成することができる。また、不要な処理を行う必要がなく、処理労力を低減することができる。
第7発明にあっては、車両の速度を取得し、取得した車両の速度が所定の速度閾値より小さい場合、渋滞で走行速度が低下し、あるいは、車両の速度変動が大きいとして、その間に生成した距離変換情報を無効にする。なお、生成した距離変換情報を無効にすることには、距離変換情報の生成を行わずに無効にすることも含むものとする。これにより、車両の走行状態に応じて増加が見込まれる誤差を予め除去して、精度良く距離変換情報を生成することができる。また、不要な処理を行う必要がなく、処理労力を低減することができる。
第8発明にあっては、生成した距離変換情報と所定の閾値とを比較し、距離変換情報が所定の閾値より小さい場合、所定の出力を行う。距離変換情報の低下とタイヤの空気圧の低下とは相関関係があると考えられるため、生成された距離変換情報が、例えば、第1の閾値より小さい場合には、タイヤの空気圧がかなり低下したとして警告情報を出力し、距離変換情報が第1の閾値より大きい第2の閾値より小さい場合には、タイヤの空気圧が低下したとして注意情報を出力する。なお、第1の閾値及び第2の閾値と比較する距離変換情報は、タイヤの空気圧が経年変化により低下することを考慮して、例えば、時間又は走行距離に応じて生成された距離変換係数の統計値(平均値、標準偏差など)を用いることができる。これにより、タイヤの空気圧低下を高精度に検知することができる。
本発明にあっては、GPS又は地図データ等により得られた走行距離に代えて所定の地点間の距離に基づいて距離変換係数を算出することにより、GPSによる誤差又は地図データ等の誤差による影響をなくすことができ、距離変換係数を従来よりも精度良く求めることができる。
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る距離変
換情報生成装置を備える車載装置で距離変換情報を生成する例を示す模式図である。図1において、10は光ビーコンである。光ビーコン10は、道路上の上流側の地点付近に設置され、光ビーコン10の下流側の所定の地点には、路上装置20を設置している。光ビーコン10は、道路上に車載装置30との交信領域Aを有する。また、路上装置20は、例えば、超音波感知器、ICタグ、磁気ネール、光センサ等であり、電波、音波、光、磁気などをセンシングすることにより交信地点を特定することができるものであり、道路上に車載装置30との交信領域Bを有する。なお、光ビーコン10に代えて、電波ビーコン、DSRC (Dedicated Short Range Communication:狭域通信)などを用いることもできる。
車載装置30は、領域A内で光ビーコン10から所定の情報を受信する。所定の情報としては、例えば、領域Aを通過することを示す信号(通過信号)、光ビーコン10との交信地点と路上装置20との交信地点との間の距離(区間距離)などである。また、車載装置30は、領域B内で領域Bを通過することを示す信号(通過信号)を路上装置20から受信する。なお、光ビーコン10と路上装置20との離隔距離、すなわち、所定の地点間の距離は、例えば、1km程度にすることができる。離隔距離として、あまり長い距離を設定した場合に、所定の地点間に大きな交差点を含むときには、距離変換係数を算出する際の誤差が大きくなる恐れがあるからである。また、路上装置20の下流側には交差点がある。なお、図1の例では、路上装置20の下流側に交差点があるが、必ずしも交差点に限定されるものではなく、幹線道路に合流するような構成でもよい。
車載装置30は、領域A内で車両が領域Aを通過することを示す信号及び光ビーコン10との交信地点と路上装置20との交信地点との間の距離を受信し、後述する距離変換係数算出部は、信号を受信した時点から、車輪の回転に比例して生成されるパルス信号(走行信号)のパルス数の計数を開始する。車両が走行を続け、車載装置30が、領域B内で車両が領域Bを通過することを示す信号を路上装置20から受信した時点で、距離変換係数算出部は、光ビーコン10との交信地点と路上装置20との交信地点との間の距離を、計数したパルス数(すなわち、光ビーコン10との交信地点と路上装置20との交信地点との間に計数されたパルス数)で除算して、距離変換係数を算出する。
図2は車載装置30の構成を示すブロック図である。車載装置30は、各種の演算処理を行うCPUからなる制御部31を備える。なお、制御部31は、専用のハードウエア回路で構成してもよく、又は予め処理手順を定めたコンピュータプログラムを実行する構成であってもよい。制御部31には、内部バスを介して通信部32、測位部33、地図データベース34、表示部35、操作部36、報知部37、記憶部38、距離変換係数算出部39などが接続され、測位部33は、GPS(Global Positioning System)331、ジャイロセンサ332、走行距離を計測する距離計333などを備えている。
通信部32は、光ビーコン10との間の通信(交信)を行う通信機能を有する。なお、通信部32は、光ビーコン、電波ビーコン、DSRCなどの狭域通信に限定されるものではなく、例えば、中域通信としてUHF帯又はVHF帯等の無線LAN機能を備えるものでもよく、あるいは、広域通信として携帯電話、PHS、多重FM放送、インターネット通信などの通信機能を備えるものでもよい。また、通信部32は、路上装置20が送信する信号を受信する受信機能を備えている。
測位部33は、複数のGPS衛星からの電波をGPS331で受け取り、自車の位置を測位する。なお、GPS331に加えて、DGPS(ディファレンシャルGPS)を搭載することもできる。DGPSは、予め位置が分かっている基準局から発信されるFM放送又は中波を受信し、GPS331で算出した位置のずれを補正することができ、自車の位置の精度を向上させることができる。また、測位部33は、距離計333及びジャイロセ
ンサ332から出力される信号に基づいて、車両の走行距離、車両の速度を計測して制御部31へ出力する。なお、距離計333は、距離変換係数算出部39で算出した距離変換係数及び車両制御部から出力される車輪の回転に比例したパルス信号に基づいて車両の走行距離を計測する。また、測位部33は、ジャイロセンサ332から出力される信号及びGPS331及び地図データベース34のデータに基づいて、車両の走行方位を計測するとともに、道路の方向との方位差を算出して制御部31へ出力する。
表示部35は、フロントガラスディスプレイ又はヘッドアップディスプレイ、あるいは、カーナビゲーションシステム又は後方監視モニタなどの液晶表示パネルであって、運転者に所要の情報を表示する。例えば、車両を停止線で停止させるために減速処理などの自動運転を行う場合、その旨を表示する。また、タイヤの空気圧の低下を通知するための注意情報又は警告情報を表示する。
操作部36は、各種操作パネルを備え、運転者と車載装置30とのユーザインタフェースとして機能する。例えば、操作部36は、運転者の操作により車載装置30の動作の開始又は停止の操作を受け付ける。
報知部37は、スピーカを備え、制御部31の制御のもと、運転者に注意又は警告する場合、注意又は警告の内容を音声で出力する。例えば、車両を停止線で停止させるために減速処理などの自動運転を行う場合、その旨を出力する。また、タイヤの空気圧の低下を通知するための注意情報又は警告情報を出力する。
距離変換係数算出部39は、光ビーコン10との交信地点で信号を受信した時点から、車輪の回転に比例して生成されるパルス信号を車両制御部から取得し、取得したパルス信号のパルス数の計数を開始する。距離変換係数算出部39は、路上装置20との交信地点で信号を受信した時点で、計数したパルス数を取得し、光ビーコン10との交信地点と路上装置20との交信地点との間の区間距離Lを、取得したパルス数で除算して距離変換係数を算出する。距離変換係数算出部39は、算出した距離変換係数を記憶部38に記憶する。なお、算出する距離変換係数は、光ビーコン10との交信地点と路上装置20との交信地点との間の区間距離Lを、取得したパルス数で除算した結果得られる値に限定されるものではなく、所定の定数を加算あるいは乗算したものでもよく、あるいは、取得したパルス数を区間距離Lで除算した値でもよい。
また、距離変換係数算出部39は、道路状況が異なることによる要因、又は光ビーコン10及び路上装置20との交信に関する通信誤差などのばらつきを考慮して、算出した値を平滑化(例えば、直近に算出したデータと今回算出したデータに基づいて、距離変換係数を算出する)したり、あるいは、所定単位(例えば、所定の走行距離、所定の走行時間、所定の時間、所定の算出数、所定距離以上のトリップ等であり、例えば、5km走行)毎に平均値化したりして、常時最新値を算出する。なお、算出した最新値は、時々刻々の車両の自動走行制御等に用いることができる。距離変換係数算出部39は、所定単位毎に算出した最新値を記憶部38に記憶する。
記憶部38は、車両の走行方位と道路方向の方位との方位差の大小を判定するための方位閾値を記憶している。また、記憶部38は、車両の速度の大小を判定するための速度閾値を記憶している。また、記憶部38は、タイヤの空気圧低下を判定するため、距離変換係数の大小を判定するための閾値(第1閾値、第2閾値)を記憶している。また、記憶部38は、光ビーコン10との交信地点と路上装置20との交信地点との間の区間距離Lを光ビーコン10から受信して記憶している。
また、記憶部38は、通信部32を通じて交信される光ビーコン10及び路上装置20
との交信位置及びその誤差範囲を記憶する。
図3は光ビーコン10の交信位置の誤差範囲の例を示す説明図である。直交座標系(x方向及びy方向)において、光ビーコン10との道路上の交信範囲(図1において、領域Aに相当)が図3の例のように矩形状に想定される場合、この交信範囲(道路方向の長さが4a)を交信位置の誤差範囲として設定する。すなわち、光ビーコン10との交信地点の位置は、矩形領域の中心位置であり、誤差範囲は、中心位置から道路方向に+/−2aの範囲だけ広がる。例えば、aをシグマと設定した場合、道路方向の誤差の分散はa2 となり、標準偏差はaと設定することができる。路上装置20についても、同様の誤差範囲が設定された場合、光ビーコン10及び路上装置20の両装置での誤差の和は、+/−1.4a程度となる。仮に、a=1mとし、光ビーコン10及び路上装置20の両装置間の離隔距離Lが1kmとすれば、誤差の和の離隔距離Lに占める割合は、0.14%となる。算出するデータ数を多くして平均化すれば、誤差の和は、0.1%以下にすることが可能となる。なお、道路状況に起因する要因による影響は通信誤差による影響よりも小さいと考えることができる。これにより、従来、GPS又は地図データなどにより距離変換係数を算出する場合には、算出精度に1%程度の誤差が生じるのに対し、本発明によれば、算出精度を0.1%程度に抑えることが可能となり、車両の位置検出精度が向上し、安全運転支援の目的に活用することができる。
次に車載装置の動作について説明する。図4は距離変換係数の算出手順を示すフローチャートである。制御部31は、光ビーコン10との通信の有無を判定し(S11)、通信がない場合(S11でNO)、ステップS11の処理を続け、光ビーコン10との通信があるまで待機する。
光ビーコン10との通信があった場合(S11でYES)、制御部31は、光ビーコン10から区間距離Lを受信し(S12)、車両制御部から入力される車輪の回転に比例するパルス信号を計数する(S13)。パルス信号は、車輪の回転に基づいて所定の周期でパルスを発生させるもの、あるいは、車速に応じてパルスを発生させるもの(例えば、車速が60km/hであれば、1秒間に所定数のパルス信号を生成する)などがある。なお、パルス信号の計数は、パルス数の計数であるが、これに限定されるものではなく、パルス数にパルス信号の周期を積算した値を計測してもよい。また、車速に応じてパルスを発生させ、このパルス信号を計数してもよい。
制御部31は、車両の走行方位のずれ(車両の走行方位と道路方向の方位との方位差の大小)の有無を判定する(S14)。なお、走行方位のずれの有無の判定方法としては、例えば、道路方向の方位と車両の走行方位とが異なる距離が所定の距離閾値以上である場合、道路方向の方位と車両の走行方位とが異なる時間が所定の時間閾値以上である場合、又は、任意の道路区間の両端地点における、道路方向の方位差と車両の走行方位差とが異なる場合に車両の走行方位ずれがあると判定することができる。
走行方位にずれがない場合(S14でNO)、制御部31は、車両の速度が速度閾値より小さいか否かを判定する(S15)。車両の速度が速度閾値より小さくない場合(S15でNO)、制御部31は、路上装置20との交信の有無を判定し(S16)、交信がない場合(S16でNO)、ステップS13以降の処理を続け、パルス信号の計数を続ける。
路上装置との交信があった場合(S16でYES)、制御部31は、計数したパルス数を取得し、受信した区間距離Lを計数したパルス数で除算して距離変換係数を算出し(S17)、処理を終了する。一方、車両の走行方位のずれがある場合(S14でYES)、制御部31は、例えば、車両が道路脇の施設に立ち寄ったとして、パルス信号の計数を中
止し(S18)、距離変換係数を算出することなく処理を終了する。また、車両の速度が速度閾値より小さい場合(S15でYES)、制御部31は、誤差が大きくなるとして、パルス信号の計数を中止し(S18)、距離変換係数を算出することなく処理を終了する。
なお、車載装置30は、上述の処理を所定単位(例えば、所定の走行距離、所定の走行時間、所定の時間、所定の算出数、所定距離以上のトリップ等であり、例えば、5km走行)の間繰り返すことができる。所定単位の設定は、道路状況に応じて予め設定しておくことができ、車両が所定単位の設定されたいずれの道路を走行するかに応じて、適宜距離変換係数及びその最新値を算出する。
次に距離変換係数に基づいてタイヤの空気圧低下の判定方法について説明する。図5は距離変換係数の経年変化を示す説明図である。図5において、横軸は時間又は車両の累積走行距離を示し、縦軸は距離変換係数を示す。また、図5において、丸印は所定単位毎に算出した距離変換係数の最新値を所定の期間について求め、その所定の期間に求められた最新値を統計処理して算出した平均値及び標準偏差(丸印の円の範囲)を示す。また、所定の期間としては、経年変化の影響がない限度で十分に長い所定期間を設定することができる。なお、ここで、データがばらつく要因としては、雨天等の日々変化する天候、又は季節の変化による気温変化等の影響が考えられる。
図5に示すように、時間又は累積走行距離が小さい場合には、経年変化による影響は少なく、時間又は累積走行距離が大きくなるに応じて、距離変換係数の平均値は低下する。また、タイヤの空気圧の低下と距離変換係数の低下とは相関関係があると考えられる。従って、所定の期間の経過の都度算出した距離変換係数の平均値が第2閾値より小さくなった場合、タイヤの空気圧が低下したとして運転者に注意情報を提供することができる。また、距離変換係数の平均値が第2閾値より小さい第1閾値より小さくなった場合、タイヤの空気圧がさらに低下したとして運転者に警告情報を提供することができる。なお、第1閾値としては、例えば、距離変換係数の初期の期間の平均値に対して2%程度減少した値として設定することができ、また、第2閾値としては、距離変換係数の初期の期間の平均値に対して1%程度減少した値として設定することができる。なお、タイヤの空気圧の低下と距離変換係数の低下との相関は、タイヤの種類、従って車両の種類に応じて異なると考えられ、予め相関関係を検証しておくことにより、タイヤの空気圧の低下の判定を距離変換係数に応じて容易に判定することができる。
図6はタイヤの空気圧低下の判定手順を示すフローチャートである。制御部31は、所定単位毎の距離変換係数の最新値を算出し(S21)、算出した最新値を記憶する。制御部31は、所定期間において所定単位毎に算出した最新値の平均値を算出し(S22)、平均値が第1閾値より小さいか否かを判定する(S23)。
平均値が第1閾値より小さい場合(S23でYES)、制御部31は、空気圧低下の警告情報を出力し(S24)、処理を終了する。平均値が第1閾値より小さくない場合(S23でNO)、制御部31は、平均値が第2閾値より小さいか否かを判定する(S25)。平均値が第2閾値より小さい場合(S25でYES)、制御部31は、空気圧低下の注意情報を出力し(S26)、処理を終了する。平均値が第2閾値より小さくない場合(S25でNO)、制御部31は、空気圧は正常であるとして、処理を終了する。なお、警告に従って、運転者がタイヤに空気を入れ、タイヤの空気圧を正常に戻した場合、距離変換係数に基づいて、空気圧が正常に戻ったことを自動的に検知してもよい。
車載装置30が所定の交信地点を通過したことを示す信号を受信する方法は、上述の例に限定されるものではなく、他の構成を用いることができる。図7は本発明に係る距離変
換情報生成装置を備える車載装置で距離変換情報を生成する他の例を示す模式図である。図7に示すように、路上装置20に代えて、光ビーコン10を設置することもできる。この場合には、下流側の光ビーコン10が、区間距離Lを車載装置30へ送信することもできる。なお、光ビーコン10に代えて、電波ビーコン、DSRCなどを用いることもできる。
図8は本発明に係る距離変換情報生成装置を備える車載装置で距離変換情報を生成する他の例を示す模式図である。図8に示すように、図1の光ビーコン10に代えて、路上装置20及び無線LANなどの中域通信機能を備えた通信装置40を設置することもできる。この場合、通信装置40は、区間距離Lを車載装置30へ送信する。なお、通信装置40は、信号制御、交通情報収集、交通情報提供などの処理を行う装置などを利用することも可能である。また、通信装置40は、中域通信に限らず、FM放送、携帯電話、インターネット通信等の広域通信機能を備えた装置でもよい。
以上説明したように、本発明にあっては、従来に比べて、距離変換係数を精度良く求めることができ、車両を停止線で確実に停止させて安全運転支援に資することができる。また、任意の方向の道路を走行する場合又は車速が変動する場合であっても、距離変換係数を精度良く算出することができるとともに、無駄な処理労力を低減することができる。また、タイヤの空気圧低下を高精度に検知することができる。
上述の実施の形態において、距離変換係数算出部39は、車載装置30に内蔵する構成であったが、これに限定されるものではなく、車載装置30の外部装置として構成することもできる。
開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係る距離変換情報生成装置を備える車載装置で距離変換情報を生成する例を示す模式図である。 車載装置の構成を示すブロック図である。 光ビーコンの交信位置の誤差範囲の例を示す説明図である。 距離変換係数の算出手順を示すフローチャートである。 距離変換係数の経年変化を示す説明図である。 タイヤの空気圧低下の判定手順を示すフローチャートである。 本発明に係る距離変換情報生成装置を備える車載装置で距離変換情報を生成する他の例を示す模式図である。 本発明に係る距離変換情報生成装置を備える車載装置で距離変換情報を生成する他の例を示す模式図である。
符号の説明
10 光ビーコン
20 路上装置
30 車載装置
31 制御部
32 通信部
33 測位部
34 地図データベース
35 表示部
36 操作部
37 報知部
38 記憶部
39 距離変換係数算出部
40 通信装置

Claims (9)

  1. 車輪の回転に応じて生成される走行信号と車両の走行距離とを関連付ける距離変換情報を生成する距離変換情報生成装置であって、
    道路上の所定の地点間の距離を取得する距離取得手段と、
    車両が前記地点間を通過する間に生成された走行信号を取得する信号取得手段と、
    前記距離取得手段で取得した距離及び前記信号取得手段で取得した走行信号に基づいて距離変換情報を生成する生成手段と
    を備えることを特徴とする距離変換情報生成装置。
  2. 車両が各地点を通過したことを示す通過信号を受信する受信手段を備え、
    前記信号取得手段は、
    前記通過信号を受信した時点間に生成された走行信号を取得するように構成してあることを特徴とする請求項1に記載の距離変換情報生成装置。
  3. 車両の走行方位を取得する車両方位取得手段と、
    道路方向の方位を取得する道路方位取得手段と、
    前記車両方位取得手段で取得した走行方位と前記道路方位取得手段で取得した道路方向の方位との方位差を算出する方位差算出手段と、
    該方位差算出手段で算出した方位差が所定の方位閾値より大きい場合に、前記生成手段で生成した距離変換情報を無効にする無効手段と
    を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の距離変換情報生成装置。
  4. 前記無効手段は、
    所定の走行距離以上の間、前記車両方位取得手段で取得した走行方位と前記道路方位取得手段で取得した方位とが異なる場合、前記走行距離以上の間に前記生成手段で生成した距離変換情報を無効にするように構成してあることを特徴とする請求項3に記載の距離変換情報生成装置。
  5. 前記無効手段は、
    所定時間以上の間、前記車両方位取得手段で取得した走行方位と前記道路方位取得手段で取得した方位とが異なる場合、前記所定時間以上の間に前記生成手段で生成した距離変換情報を無効にするように構成してあることを特徴とする請求項3に記載の距離変換情報生成装置。
  6. 前記無効手段は、
    道路上の異なる2地点で、前記車両方位取得手段で取得した走行方位と前記道路方位取得手段で取得した方位とが異なる場合、前記2地点間において前記生成手段で生成した距離変換情報を無効にするように構成してあることを特徴とする請求項3に記載の距離変換情報生成装置。
  7. 車両の速度を取得する速度取得手段と、
    該速度取得手段で取得した速度が所定の速度閾値より小さい場合に、前記生成手段で生成した距離変換情報を無効にする無効手段と
    を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の距離変換情報生成装置。
  8. 車輪の回転に応じて生成される走行信号と車両の走行距離とを関連付ける距離変換情報を生成する生成手段を備える車載装置であって、
    前記距離変換情報と所定の閾値とを比較する比較手段と、
    前記距離変換情報が前記閾値より小さい場合、所定の出力を行う出力手段と
    を備えることを特徴とする車載装置。
  9. 車輪の回転に応じて生成される走行信号と車両の走行距離とを関連付ける距離変換情報を生成する距離変換情報生成方法であって、
    道路上の所定の地点間の距離を取得し、
    車両が前記地点間を通過する間に生成された走行信号を取得し、
    取得した距離及び走行信号に基づいて距離変換情報を生成することを特徴とする距離変換情報生成方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012127899A (ja) * 2010-12-17 2012-07-05 Isuzu Motors Ltd 測位精度判定装置
JP2016076001A (ja) * 2014-10-03 2016-05-12 シャープ株式会社 自律走行装置
JP2017094815A (ja) * 2015-11-20 2017-06-01 株式会社デンソー 自動運転システム
JP2018147518A (ja) * 2018-06-27 2018-09-20 シャープ株式会社 自律走行装置

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