JP3152546B2 - 車載ナビゲーション装置 - Google Patents

車載ナビゲーション装置

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JP3152546B2 JP20121893A JP20121893A JP3152546B2 JP 3152546 B2 JP3152546 B2 JP 3152546B2 JP 20121893 A JP20121893 A JP 20121893A JP 20121893 A JP20121893 A JP 20121893A JP 3152546 B2 JP3152546 B2 JP 3152546B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車載ナビゲーション装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】車の現在位置を表示装置に表示されてい
る地図上に表示して走行補助をなすナビゲーション・シ
ステムに関しては、人工衛星からの電波を基に自車の
位置を決定するGPS方式、道路脇に設置したサイン
ポストからの位置データにより自車の位置を認識するサ
インポスト方式、及び、図6に示すような距離センサ
3及び方向センサ4からの距離データ及び方向データを
基に自車の位置を計算して決定する完全自律走行方式が
あり、また、としてとの混合型の自律走行方式の
ものがある。
【0003】図6の完全自律走行方式のナビゲーション
装置では自律走行を行うために距離センサ3及び方向セ
ンサ4からのデジタルデータに変換されたデータを処理
部6で所定時間間隔毎にサンプリングする。そして、処
理部6で自車の走行距離及び進行方向から現在位置を得
て、得られた現在位置から地図上の車の位置を決定する
マップマッチング処理を行いCD−ROM9からの地図
データと共に表示部7に現在位置を表示する。また、車
両の走行経路上の通過予定地点の位置データを不揮発性
メモリであるS−RAM6に格納しており、車両の通過
予定地点を地図データと共に表示部7に表示し車両が走
行予定経路を走行しているか否かを視覚的に確認でき
る。
【0004】また、完全自律走行方式のナビゲーション
装置で、図7に示すように車Cの走行に伴って距離セン
サ3が発生する1パルスに進む距離Dを一定とみなし、
パルスPの数とパルス距離Dから走行距離を算出してい
るものがある。このようなナビゲーション装置では、ナ
ビゲーション装置を搭載する車両のタイヤの直径が異な
るとパルス距離Dが異なるので、ナビゲーション装置を
購入したユーザーがタイヤの直径等パルス距離Dを決定
する値をメジャー等で測定し、その測定値を当該ナビゲ
ーション装置に設定している。しかしながら、測定値が
必ずしも正確でなかったり、車両の重量(特に荷物を積
載しているような場合)の変化やタイヤの摩耗等を原因
とするタイヤの直径の変化により距離Dは、通常の場
合、誤差を含んでいる。
【0005】例えば、図8で、車Cが曲がり角Q1(x
1,y1)を右折してから直進して曲がり角Q2(x
2,y2)を左折したものとする。このとき、車Cのパ
ルス距離Dが誤差を含んでいると、地図上の曲がり角Q
1とQ2の間の距離MDと距離センサからのデータに基
づいて計算した曲がり角Q1とQ2の間の距離DDとが
異なり、左折後の車Cの地図上のあるべき位置M1と、
表示される車の位置M2が異なるという問題が生ずる。
【0006】そこで、従来の技術では図9に示すような
方法で距離Dを補正している。図9で、ステップ17の
補正は(Xn,Yn)を地図データ上の位置、Pnをパ
ルスの累積カウント数、Dをパルス距離、DDをパルス
距離Dを基に計算した2点間の距離、MDを地図上の2
点間の距離とし、Fをフィルタ値とするとき、
【0007】
【数1】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の補正方法が有効であるための条件は正確なマップマ
ッチングが行われていることであり、基とするパルス距
離(1パルス内に車の進む距離をいう、以下同じ)Dに
大きな誤差があると誤った補正を行うという問題点があ
った。実験ではパルス距離の実質誤差が0.5%以内で
ないと上記従来の補正方法では算出した自車の位置が地
図上の位置と大きく異なることとなり、ナビゲーション
装置が正常に動作しなくなることが確認された。
【0009】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、GPS衛星からの電波を基に得られるデータと
自律走行により算出したデータに基づいて高精度な自律
走行を実現し得るナビゲーション装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、移動体の走行に応じて所定時間内に発生
するパルス数に基づいて移動体の走行距離を算出する車
載ナビゲーション装置において、時間内に発生する上記
パルスのパルス数累計と該パルスによるパルス距離及び
時間に基づいて上記移動体の算出速度を得る速度算出手
段と、GPS受信機が所定数以上のGPS衛星からの電
波に基づいて自車位置の測定を行っているかを判定する
第1の判定手段と、上記GPS衛星からのGPSデータ
を基にして自車速度が所定速度以上かを判定する第2の
判定手段と、上記GPSデータを基にした速度に急激な
変化が無いかを判定する第3の判定手段と、上記パルス
に基づくパルス距離を基にした速度に急激な変化が無い
かを判定する第4の判定手段と、これら第1乃至第4の
判定手段の判定結果に基づいて上記パルスによるパルス
距離の補正適合を判定する補正条件判定手段と、上記補
正適合を判定した際に上記移動体の速度と上記算出速度
及び上記パルス距離に基づいて第1の補正値を得る第1
の補正値算出手段と、上記補正値の複数を平均化して上
記パルス距離の補正値として取り出すパルス距離補正手
段と、を備えたことを要旨とする。
【0011】本発明において、前記パルス距離補正手段
が、前記パルス距離及び第1の補正値を初期値とし、第
1の補正値と理想値に収斂する収斂値との差に基づいて
N段階の収斂値を上記パルス距離の補正値として取り出
すように構成してもよい。
【0012】
【0013】
【0014】
【作用】本発明では、GPS受信機が所定数以上の衛星
電波をとらえ、GPSデータを基にした速度が所定値以
上で、GPSデータを基にした速度に急激な変化が無
く、かつパルス距離を基にした速度に急激な変化が無い
場合を、パルス距離の補正が可能な判定条件とし、この
条件を満足するときに距離の補正を行う。これにより距
離補正の信頼度を格段に高めることができる。
【0015】
【実施例】図1は本発明の車載ナビゲーション装置の構
成例を示すブロック図であり、図2は処理部の動作を示
すフローチャートである。また、図3は本実施例のナビ
ゲーション装置を搭載した車の走行と距離センサーから
のパルス距離の説明図であり、車Cに搭載されたGPS
受信機2とGPS衛星31,32,33が示されてい
る。図3でPは車の走行距離計算の基礎となるパルス、
Dはパルス距離、GVはGPSデータによって計算され
た速度、DVは距離センサ3からのパルス距離Dを基に
計算した速度である。
【0016】以下、図1及び図2に基づいて車載ナビゲ
ーション装置の動作について述べる。 [S1] アンテナ1は複数のGPS衛星からの電波を
受信する。GPS受信機2はアンテナ1の受信信号を復
調しGPS信号を抽出して車の現在位置(緯度、経
度)、進行方向、及び進行速度等を計算し、それらのデ
ータを処理部6に与える。 [S2] 一方、処理部6は距離センサ3及び方向セン
サ4からのデジタルデータに変換されたデータを所定時
間間隔毎にサンプリングすると共に走行時間をカウント
する。
【0017】[S3] 自車の走行距離、走行時間、及
び進行方向から速度及び現在位置を算出する。図4に示
すように距離センサ3から生ずるパルスのパルス距離か
ら速度を計算する速度計算手段として、Tnを累積時
間、Pnを累積パルス数、Dをパルス距離、Eをタイヤ
の膨張によって計算結果に含まれる誤差距離とし、速度
をDVとすると、 DV={(P2−P1)×D+E}/(T2−T1) (1) となる。なお、Eはタイヤの膨張を計算しない場合の速
度;DV’=(P2−P1)×D/(T2−T1)の2
乗に比例し、さらに走行距離に比例して大きくなるよう
に設定される。
【0018】[S4] 補正条件判定手段によりパルス
距離の補正が可能か否かを判定する。補正ができない場
合(後述)はステップS1に戻る。パルス距離の補正が
可能か否かの判定は、具体的にはGPSデータによって
計算された速度GVや、距離センサ3からのパルス距離
Dを基に計算した速度DVがパルス距離補正計算の対象
としてよいデータであるかを判定することであり、速度
GVは3個以上のGPS衛星からのデータが受信できな
い場合は算出不可能となり、また、車が急に加速したり
急に減速したり、急カーブで曲がったりするとGPSデ
ータを基にした車の速度は急激な変化を示すので、得ら
れた速度GVをパルス距離補正計算の基礎値として用い
ることはできない。
【0019】また、速度DVについても同様に車が急に
加速したり急に減速したり、急カーブで曲がったりする
と距離センサからのパルス距離Dを基にした車の速度は
急激な変化を示すので、得られた速度DVをパルス距離
補正計算の基礎値として用いることはできない。
【0020】そこで、実施例では実験結果も加味して次
の8条件をパルス距離の補正が可能か否かの判定条件
(AND条件)としている。 GPS受信機が3個以
上のGPS衛星からの電波を基に自車位置の計測を行っ
ている。 GPSデータを基にした自車速度GV≧3
0Km/h、 GPSデータを基にした速度GVに急
激な変化がない、 GPSデータを基にした方位に急
激な変化がない、 パルス距離Dを基にした速度DV
に急激な変化がない、 パルス距離Dを基にした方位
に急激な変化がない、 過去4秒間の速度GV、DV
が安定している、 GV/DVが過去の平均比率から
かけ離れていない。
【0021】[S5] 補正が可能な場合は、処理部6
は第1の補正値算出手段は第1の補正値としての推定パ
ルス距離を下記計算式により得る。 GPS速度GV
と車速センサからのパルスに基づく速度DVから第1の
補正値CD(推定される距離/パルス)を求める。 CD=D×GV/DV (2) CDを複数集めた場合、それらは正しいパルス距離
の値の周辺に正規分布することが予想されるが、誤差に
よる変動が著しいため自律走行に使用するにはパルス距
離補正手段により平均化しなければならない。そこで前
記第4の発明のように、パルス距離補正手段としてここ
ではパルス距離Dを初期値とし、変動を抑制し且つ正し
いパルス距離に近付けていく収斂値(ND)を下記式に
より作成する。ここで、Fの値は第1の補正値CDの変
動を抑制するフィルタの役割を果たす。
【0022】
【数2】
【0023】図5の(a)は上記式(2)の計算を繰り
返した場合に予想されるCDの時間的変化を示し、
(b)は上記式(3)の計算を繰り返した場合に予想さ
れるNDの時間的変化を示す。図5(a),(b)で、
破線は正しいパルス距離の値を、一点鎖線は今のパルス
距離の値を示す。図5(a),(b)から明らかなよう
に計算を何度も繰り返すとNDが正しいパルス距離の値
に近づいていく。Fの値が大きければ、NDが正しいパ
ルス距離の値に近付くのに時間がかかる。正しいパルス
距離の値に対してCDの変動が大きければそれだけFの
値を大きくする必要がある(実験の結果、実施例ではF
=2500としている)。
【0024】次に、下記式に示すようにNDとパルス距
離Dとの差がパルス距離Dの一定の割合を越えたなら
ば、NDを新しいパルス距離Dとする。 |ND−D|/D>K D=ND (4) Kは実験の結果、実施例では0.005としている。K
がそれ以外の部分については前述したマップマッチング
による補正を行う。図10はパルス距離DとNDの関係
を示し、破線は正しいパルス距離(理想距離)、実線は
ND、1点鎖線はDを示す。
【0025】次に処理部6は補正されたパルス距離を基
に走行距離を算出し、算出した走行距離と車の進行方向
から車の現在位置を算出し、現在位置から地図上の車の
位置を決定するマップマッチング処理を行いCD−RO
M5からの地図データと共に表示部7に現在位置を表示
して、ステップS1に戻る。なお、速度計算手段、補正
条件判定手段、第1の補正値算出手段、及びパルス距離
補正手段は実施例ではCD−ROMに格納されている
が、ROMまたはS−RAMに格納するよう構成しても
よい。
【0026】また、上記実施例では補正用データとして
GPSデータを基とした速度と、距離センサから得られ
るパルス距離データ及び時間を基とした速度を用いてパ
ルス距離を補正しているが、速度に代えて両者の移動距
離比較するようにして用いても同様にパルス距離を補正
できる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明のナビゲーシ
ョン装置によれば、実質誤差が0.5%以上であっても
パルス距離を基に算出した自車の位置と地図上の位置と
のずれが極くわずかであり、走行時間が増すほど自律走
行の速度が上がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車載ナビゲーション装置の構成例を示
すブロック図である。
【図2】処理部の動作を示すフローチャートである。
【図3】本実施例のナビゲーション装置を搭載した車の
走行と距離センサからのパルス距離の説明図である。
【図4】距離センサからのパルス距離から速度を計算す
る方法の説明図である。
【図5】計算を繰り返した場合に予想されるCDとND
の時間的変化を示す。
【図6】自律型ナビゲーション装置の構成例である。
【図7】車両の走行と距離センサからのパルス距離の説
明図である。
【図8】パルス距離が含む誤差を原因とする地図上の距
離と、距離センサに基づく計算値の誤差の説明図であ
る。
【図9】自律型ナビゲーション装置における従来のパル
ス距離の補正方法を示すフローチャートである。
【図10】図10はパルス距離DとNDの関係を示す説
明図である。
【符号の説明】
2 GPS受信機 3 距離センサ 4 方位センサ 6 処理部 C 車(移動体) D パルス距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 21/00 G08G 1/0968

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体の走行に応じて所定時間内に発生
    するパルス数に基づいて移動体の走行距離を算出する車
    載ナビゲーション装置において、時間内に発生する上記パルスのパルス数累計と該パルス
    によるパルス距離及び時間に基づいて上記移動体の算出
    速度を得る速度算出手段と、 GPS受信機が所定数以上のGPS衛星からの電波に基
    づいて自車位置の測定を行っているかを判定する第1の
    判定手段と、 上記GPS衛星からのGPSデータを基にして自車速度
    が所定速度以上かを判定する第2の判定手段と、 上記GPSデータを基にした速度に急激な変化が無いか
    を判定する第3の判定手段と、 上記パルスに基づくパルス距離を基にした速度に急激な
    変化が無いかを判定する第4の判定手段と、 これら第1乃至第4の判定手段の判定結果に基づいて上
    記パルスによるパルス距離の補正適合を判定する補正条
    件判定手段と、 上記補正適合を判定した際に上記移動体の速度と上記算
    出速度及び上記パルス距離に基づいて第1の補正値を得
    る第1の補正値算出手段と、 上記補正値の複数を平均化して上記パルス距離の補正値
    として取り出すパルス距離補正手段と、 を備えたことを特徴とする車載ナビゲーション装置。
  2. 【請求項2】 前記パルス距離補正手段が、前記パルス
    距離及び第1の補正値を初期値とし、第1の補正値と理
    想値に収斂する収斂値との差に基づいてN段階の収斂値
    を上記パルス距離の補正値として取り出すことを特徴と
    する請求項1記載の車載ナビゲーション装置。
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