JPWO2006123563A1 - 含フッ素アルキルエーテルの処理方法 - Google Patents
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Abstract
不飽和結合を有する不純物の含有割合が極めて小さい、高純度の含フッ素アルキルエーテルを、工業的な規模で製造する方法の提供。塩基性触媒存在下に含フッ素アルキルアルコールと含フッ素オレフィンとを反応させて得られる含フッ素アルキルエーテルと、上記反応において副生する不飽和結合を有する不飽和不純物とを含む反応粗液を、塩素ガスと接触させることにより上記不飽和不純物を塩素付加物に変換してその含有量を低下させることを特徴とする含フッ素アルキルエーテルの処理方法。
Description
本発明は、含フッ素アルキルエーテルを簡便にかつ高収率で製造する技術に関する。
含フッ素アルキルエーテルは、従来フロンとして用いられていたクロロフルオロカーボンの代替として、近年注目されている化合物であり、大気寿命が短く、塩素原子を有しないことから、オゾン破壊や地球温暖化といったグローバルな環境への影響が小さいことが特徴として挙げられる。
含フッ素アルキルエーテルを合成する方法としては、種々の方法が報告されているが、工業的な規模で製造可能な合成法としては、含フッ素アルキルアルコールと含フッ素オレフィンのアルカリ存在下の付加反応が知られている(特許文献1および2参照。)。
しかしながら、これらの反応では、アルカリを触媒として用いるために、目的生成物である含フッ素アルキルエーテルや反応中間体からの脱ハロゲン化水素が同時に進行し、不飽和結合を有する不純物が副生する。さらに、この不飽和結合を有する不純物は含フッ素アルキルエーテルと沸点が近く、工業的に最も簡便な精製法である蒸留精製によって高純度の含フッ素アルキルエーテルを得ることが困難であるという問題があった。
しかしながら、これらの反応では、アルカリを触媒として用いるために、目的生成物である含フッ素アルキルエーテルや反応中間体からの脱ハロゲン化水素が同時に進行し、不飽和結合を有する不純物が副生する。さらに、この不飽和結合を有する不純物は含フッ素アルキルエーテルと沸点が近く、工業的に最も簡便な精製法である蒸留精製によって高純度の含フッ素アルキルエーテルを得ることが困難であるという問題があった。
この問題を解決する方法として、水溶媒中で反応を行うことにより不飽和結合を有する不純物を抑制する方法が提案されている(特許文献3参照。)。しかし、この方法においては、反応速度が著しく阻害されるという問題があり、さらに不飽和不純物の含有量を150ppm以下にすることは困難であった。
本発明は、不飽和結合を有する不純物の含有割合が極めて小さい、高純度の含フッ素アルキルエーテルを工業的な規模で製造する方法の提供を目的とする。
本発明は、塩基性触媒存在下に含フッ素アルキルアルコールと含フッ素オレフィンとを反応させて得られる含フッ素アルキルエーテルと、上記反応において副生する不飽和結合を有する不飽和不純物とを含む反応粗液を、塩素ガスと接触させることにより上記不飽和不純物を塩素付加物に変換し、該塩素付加物を分離することを特徴とする含フッ素アルキルエーテルの処理方法を提供する。
本発明によれば、蒸留分離困難な上記不飽和不純物を塩素付加物に変換することにより、容易に蒸留除去できる。これにより高純度の含フッ素アルキルエーテルを工業的な規模で製造できる。
本発明における反応粗液は、塩基性触媒存在下に含フッ素アルキルアルコールと含フッ素オレフィンとを反応させて得られる含フッ素アルキルエーテルと上記不飽和不純物とを含有する。
ここで、上記不飽和不純物は、含フッ素アルキルアルコールと含フッ素オレフィンを反応させて含フッ素アルキルエーテルを製造する際に副生するものであって、触媒として用いたアルカリによって、得られた含フッ素アルキルエーテルや反応中間体から脱ハロゲン化水素が起こることにより生成するものである。たとえば、不飽和不純物としては、炭素原子間の二重結合、三重結合等の不飽和結合を有するハロゲン化炭化水素が挙げられる。上記不飽和不純物には原料として用いた含フッ素オレフィンは含まれない。
本発明における原料の含フッ素アルキルアルコールは、炭化水素アルコールの水酸基以外の水素原子の少なくとも1個がフッ素原子に置換された化合物であればいずれも採用でき、含フッ素のシクロアルキル基を有するアルコールも含むが、生成物である含フッ素アルキルエーテルの工業的な規模での製造、および利用分野での効果を考慮すると式1で表される化合物が好ましい。
RfCH2OH ・・・式1
(ただし、Rfは−CaHbFdXeであって、Xはフッ素原子以外のハロゲン原子、aおよびdは各々1以上の整数、bおよびeは各々0以上の整数を示し、b+d+e=2a+1である。)
式1において、入手の容易さの観点から、aは1〜10の整数であることが好ましく、特には2〜4の整数が好ましい。また、eは0が好ましい。
(ただし、Rfは−CaHbFdXeであって、Xはフッ素原子以外のハロゲン原子、aおよびdは各々1以上の整数、bおよびeは各々0以上の整数を示し、b+d+e=2a+1である。)
式1において、入手の容易さの観点から、aは1〜10の整数であることが好ましく、特には2〜4の整数が好ましい。また、eは0が好ましい。
式1で示される化合物のなかで、好適に用いられる含フッ素アルキルアルコールとしては、具体的にはCF3CH2OH、CF3CF2CH2OH、CF3(CF2)2CH2OH、CF3(CF2)3CH2OH、CF3(CF2)4CH2OH、CF3(CF2)5CH2OH、CF3(CF2)6CH2OH、CHF2CF2CH2OH、CHF2(CF2)3CH2OH、CHF2(CF2)5CH2OH、CF3CHFCF2CH2OH、CHF2CF(CF3)CH2OHが挙げられる。
なかでも好適に用いられる含フッ素アルキルアルコールとしては、2,2,2−トリフルオロエタノール(CF3CH2OH、以下、TFEOという。)や2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール(CHF2CF2CH2OH、以下、TFPOという。)が挙げられる。
また、本発明におけるもう一つの原料である含フッ素オレフィンとしては、式2で表される化合物が好ましい。
CF2=CYZ ・・・式2
(ただし、Y、Zはそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、またはトリフルオロメチル基を示す。)
式2で示される化合物としては、具体的には、CF2=CF2、CF2=CHF、CF2=CH2、CF2=CFCF3が挙げられる。なかでも、CF2=CFCF3(ヘキサフルオロプロペン、以下HFPという。)を用いる場合は、上記不飽和不純物の副生量が多くなることから本発明の処理方法はより有効である。
(ただし、Y、Zはそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、またはトリフルオロメチル基を示す。)
式2で示される化合物としては、具体的には、CF2=CF2、CF2=CHF、CF2=CH2、CF2=CFCF3が挙げられる。なかでも、CF2=CFCF3(ヘキサフルオロプロペン、以下HFPという。)を用いる場合は、上記不飽和不純物の副生量が多くなることから本発明の処理方法はより有効である。
本発明の処理方法は、式1で示される化合物(含フッ素アルキルアルコール)と、HFPとを反応させて得られる式3で示される化合物(含フッ素アルキルエーテル)と、上記反応において副生する、式4で示される化合物(上記不飽和不純物)および/または式5で示される化合物(上記不飽和不純物)とを含む反応粗液に適用するのが好ましい。
RfCH2OCF2CHFCF3 ・・・式3
RfCH2OCF2CF=CF2 ・・・式4
RfCH2OCF=CFCF3 ・・・式5
ただし、式3、式4および式5におけるRfは、式1におけるRfの定義と同じである。
RfCH2OCF2CHFCF3 ・・・式3
RfCH2OCF2CF=CF2 ・・・式4
RfCH2OCF=CFCF3 ・・・式5
ただし、式3、式4および式5におけるRfは、式1におけるRfの定義と同じである。
なかでも、TFPOとHFPとを反応させて得られる1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)プロパンと、この反応において副生する1,1,2,3,3−ペンタフルオロ−3−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)−1−プロペン(上記不飽和不純物)および/または1,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)−1−プロペン(上記不飽和不純物)とを含む反応粗液、TFEOとHFPとを反応させて得られる1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)プロパンと、この反応において副生する1,1,2,3,3−ペンタフルオロ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1−プロペン(上記不飽和不純物)および/または1,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−1−プロペン(上記不飽和不純物)とを含む反応粗液に適用するのが好ましい。
含フッ素アルキルアルコールと含フッ素オレフィンとを反応させる際に用いる塩基性触媒としては、塩基性の強さおよび汎用性の観点から、アルカリ金属アルコキシドまたは、アルカリ金属水酸化物を用いるのが好ましい。アルカリ金属アルコキシドとしては、市販されているものをそのまま用いてもよいが、アルカリ金属、アルカリ金属水素化物、またはアルカリ金属アミドをアルコールと反応させて得られたものを用いてもよい。この反応で用いるアルコールとしては特に限定されないが、本発明において原料として用いる含フッ素アルキルアルコールを用いることが好ましい。また、上記の反応において、アルカリ金属としては、Na、K、Cs等が、アルカリ金属水素化物としてはNaH、KH等が、アルカリ金属アミドとしてはNaNH2、KNH2等が挙げられる。
アルカリ金属水酸化物としては、取り扱いの容易さや汎用性からNaOH、KOH等が特に好ましく用いられる。これらのアルカリ金属水酸化物は水溶液として用いることができるという利点を有する。
アルカリ金属水酸化物としては、取り扱いの容易さや汎用性からNaOH、KOH等が特に好ましく用いられる。これらのアルカリ金属水酸化物は水溶液として用いることができるという利点を有する。
また、含フッ素アルキルアルコールと含フッ素オレフィンとを反応させるにあたっては、反応速度を向上させる観点から溶媒を用いてもよい。この溶媒としては非プロトン性の極性溶媒が好ましく、ジエチルエーテル、グライム類等の直鎖状エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物を挙げることができる。なかでも、反応速度をより向上できること、および生成物との分離が容易であることから、テトラグライム等のグライム類が特に好ましく用いられる。
なお、上記反応において溶媒を用いた場合は、装置の腐食や溶剤の塩素化による塩素のロスを防ぐ観点から、反応粗液を塩素ガスと接触させる前に、蒸留等により溶媒を分離、除去しておくことが好ましい。
本発明においては、上記反応粗液を塩素ガスと接触させることにより、上記不飽和不純物を塩素付加物に変換する。たとえば、式4で示される化合物は式6で示される化合物に変換され、式5で示される化合物は式7で示される化合物に変換される。
RfCH2OCF2CClFCClF2 ・・・式6
RfCH2OCClFCClFCF3 ・・・式7
ただし、式6および式7におけるRfは、式1におけるRfと同じである。
RfCH2OCF2CClFCClF2 ・・・式6
RfCH2OCClFCClFCF3 ・・・式7
ただし、式6および式7におけるRfは、式1におけるRfと同じである。
本発明において、上記反応粗液を塩素ガスと接触させる手段としては、活性炭等の触媒を充填した反応器内で、ガス化した反応粗液と塩素ガスとを接触させる気相法と、光照射下、反応粗液中に塩素ガスを導入して両者を接触させる液相法が挙げられる。
気相法としては、触媒のある反応相を固定床で行う方法と、流動床で行う方法があるが、本発明はいずれでも実施できる。触媒の種類、粒径等についても反応装置に応じて適宜決定される。
気相法としては、触媒のある反応相を固定床で行う方法と、流動床で行う方法があるが、本発明はいずれでも実施できる。触媒の種類、粒径等についても反応装置に応じて適宜決定される。
本発明の処理方法を気相法で実施する場合、塩素ガスの供給量は、反応粗液に含有される上記不飽和不純物の1モルに対して、塩素ガスが1〜1×105モル、特には1〜1×104モル、さらには1〜1×103モルとなる量にすることが好ましい。塩素ガスの供給量が大きすぎると目的生成物も塩素化されることがある。
反応粗液と塩素ガスとの接触に際しては、発熱を抑制する観点から窒素ガスなどの不活性ガス成分を共存させてもよい。
反応粗液と塩素ガスとの接触に際しては、発熱を抑制する観点から窒素ガスなどの不活性ガス成分を共存させてもよい。
反応粗液と塩素ガスとの接触温度は、上記不飽和不純物への塩素の付加反応は起こるが、目的生成物である含フッ素アルキルエーテルの塩素化反応や分解反応は抑制される温度が好ましい。具体的には、含フッ素アルキルエーテルおよび塩素が実質的に気体として存在する温度以上、かつ400℃以下が好ましく、特には100〜300℃が好ましい。
反応粗液と塩素ガスとの接触時間は、使用する触媒の種類や接触させる塩素ガスの流量によっても異なるが、0.01〜600秒間が好ましく、なかでも0.1〜180秒間が好ましい。
上記接触の際の圧力は、処理する反応粗液および塩素ガスが反応中液化しなければよいが、微減圧〜0.5MPa(ゲージ圧)であるのが好ましい。
反応粗液と塩素ガスとの接触時間は、使用する触媒の種類や接触させる塩素ガスの流量によっても異なるが、0.01〜600秒間が好ましく、なかでも0.1〜180秒間が好ましい。
上記接触の際の圧力は、処理する反応粗液および塩素ガスが反応中液化しなければよいが、微減圧〜0.5MPa(ゲージ圧)であるのが好ましい。
気相法において用いる触媒としては活性炭が好ましい。活性炭としては、含フッ素オレフィン及び塩素を吸着する性質を有するものであれば特に制限されないが、表面積が大きく、耐酸性、耐ハロゲン性に優れたものが好ましい。具体的には、椰子殻活性炭、木質活性炭、石炭系活性炭、石油系活性炭などが好ましい。活性炭触媒は、その表面に存在するカルボニル基等の官能基が触媒活性を阻害する原因となるため、使用にあたっては塩素ガス等と接触させることにより除去しておくことが好ましい。
本発明の処理反応を液相法で実施する場合、光照射下、反応粗液中に塩素ガスを導入して両者を接触させる。光照射を行うための光源としては、約300〜400nmの波長を有する紫外線を照射できる光源を用いることが好ましい。具体的には、水銀、アルゴンもしくはキセノンを含むアーク灯、ならびにタングステンおよびハロゲンを含むフィラメントランプ等が挙げられる。
液相法における反応温度は、約−50℃〜200℃、特には約−10℃から60℃の範囲が好ましい。また、反応圧力は、通常、大気圧〜1MPaとするのが好ましい。
塩素ガスは光照射下に連続的に供給してもよいが、所定量を一括して反応器に導入した後、光照射を開始してもよい。塩素ガスの供給量は、反応粗液に含有される上記不飽和不純物の1モルに対して、塩素ガスが1〜10000モル、特には1〜1000モル、さらには1〜10モルとなる量にすることが好ましい。塩素ガスの供給量が大きすぎると目的生成物も塩素化されることがある。
塩素ガスは光照射下に連続的に供給してもよいが、所定量を一括して反応器に導入した後、光照射を開始してもよい。塩素ガスの供給量は、反応粗液に含有される上記不飽和不純物の1モルに対して、塩素ガスが1〜10000モル、特には1〜1000モル、さらには1〜10モルとなる量にすることが好ましい。塩素ガスの供給量が大きすぎると目的生成物も塩素化されることがある。
反応粗液における上記不飽和不純物の含有割合は、触媒として用いるアルカリの濃度や、原料および溶媒の種類、反応条件等によっても異なるが、通常、0.03〜20質量%の範囲である。上記不飽和不純物の含有割合が上記範囲を超える場合は、蒸留等により上記不飽和不純物の含有割合の合計をあらかじめ20質量%以下としておくことが好ましい。
本発明の処理方法によれば、反応粗液中の上記不飽和不純物の含有量の合計を150ppm以下、さらには100ppm以下に低減できる。
本発明の処理方法によれば、反応粗液中の上記不飽和不純物の含有量の合計を150ppm以下、さらには100ppm以下に低減できる。
本発明の処理方法においては、反応粗液と塩素ガスとを接触させて上記不飽和不純物を塩素付加物に変換した後、この塩素付加物を蒸留により分離、除去することが好ましい。蒸留は多段の理論段数をもつ蒸留塔で実施することが好ましく、連続蒸留、バッチ蒸留のいずれの方法でも実施できる。圧力は大気圧下でも減圧下でもよいが、熱による分解物の生成を抑制するという観点からは減圧下に実施する方が好ましい。
[例1]
内容積が2.5Lの耐圧反応器中にTFEO 825g、20質量%のKOH水溶液570gを仕込んだ後、反応器内の酸素を真空脱気により除外した。反応器の内温が35℃になるように反応器を温水浴にセットし、HFPを反応器内圧が0.2MPaで一定になるように反応器内に連続的に供給した。HFPの供給量が1240gになるまで反応を継続し、所定量のHFPを消費した時点で反応を終了した。回収した反応粗液から2631gの有機相Aを回収した。回収した有機相Aをガスクロマトグラフィーにより分析(以下、GC分析という。)した結果を表1に示す。さらに、この有機相Aを理論段数1段の蒸留塔で蒸留し、主留分A 1840gを得た。この主留分AをGC分析した結果を表1に示す。
内容積が2.5Lの耐圧反応器中にTFEO 825g、20質量%のKOH水溶液570gを仕込んだ後、反応器内の酸素を真空脱気により除外した。反応器の内温が35℃になるように反応器を温水浴にセットし、HFPを反応器内圧が0.2MPaで一定になるように反応器内に連続的に供給した。HFPの供給量が1240gになるまで反応を継続し、所定量のHFPを消費した時点で反応を終了した。回収した反応粗液から2631gの有機相Aを回収した。回収した有機相Aをガスクロマトグラフィーにより分析(以下、GC分析という。)した結果を表1に示す。さらに、この有機相Aを理論段数1段の蒸留塔で蒸留し、主留分A 1840gを得た。この主留分AをGC分析した結果を表1に示す。
次に、得られた主留分A 1000gを、還流冷却器を取り付けた1Lのガラス製の3つ口フラスコ中に仕込み、氷冷下に500W高圧水銀灯によるUV照射下、塩素ガスを100mL/分で35分間供給し、主留分と塩素ガスを接触させた。
得られた塩素処理液を水洗した後、回収した粗液Bの組成をGC分析した。結果を表2に示す。さらに、この粗液Bを理論段数10段の蒸留塔で蒸留し、主留分B 950gを得た。主留分BをGC分析した結果を表2に示す。
[例2]
内径2.54cm、長さ600cmのインコネル600製U字型の反応管に、活性炭触媒(武田薬品工業社製、白鷺C2X:灰分含有量1.2質量%)600mLを充填した流通型反応管を油浴内に浸漬し、200℃に保持した。反応管に窒素ガスを100mL/分、塩素ガス880mL/分で6時間供給し、活性炭上の不必要な官能基を除去した。次いで、例1で得た主留分Aをガス化させ、これを300mL/分で、塩素ガスを30mL/分で反応管に供給し150℃で接触反応させた。得られた反応ガスはドライアイスで冷却したトラップ中に回収した。
内径2.54cm、長さ600cmのインコネル600製U字型の反応管に、活性炭触媒(武田薬品工業社製、白鷺C2X:灰分含有量1.2質量%)600mLを充填した流通型反応管を油浴内に浸漬し、200℃に保持した。反応管に窒素ガスを100mL/分、塩素ガス880mL/分で6時間供給し、活性炭上の不必要な官能基を除去した。次いで、例1で得た主留分Aをガス化させ、これを300mL/分で、塩素ガスを30mL/分で反応管に供給し150℃で接触反応させた。得られた反応ガスはドライアイスで冷却したトラップ中に回収した。
主留分Aを1000g処理した後に反応を停止し、上記トラップ中に回収された粗液を水洗し、酸分を除去した粗液Cを得た。回収した粗液Cの組成をGC分析した結果を表3に示す。さらに、この粗液Cを理論段数10段の蒸留塔で蒸留し、主留分C 950gを得た。主留分CをGC分析した結果を表3に示す。
[例3]
内容積が2.5Lの耐圧反応器中にTFPO 1007g、20質量%のKOH水溶液540g、およびテトラグライム50gを仕込んだ後、反応器内の酸素を真空脱気により除外した。反応器の内温が35℃になるように反応器を温水浴にセットし、HFPを反応器内圧が0.2MPaで一定になるように反応器内に連続的に供給した。HFPの供給量が1146gになるまで反応を継続し、所定量のHFPを消費した時点で反応を終了した。回収した反応粗液から2734gの有機相Dを回収した。回収した有機相DをGC分析した結果を表4に示す。さらに、この有機相Dを理論段数1段の蒸留塔で蒸留し、主留分D 1663gを得た。この主留分DをGC分析した結果を表4に示す。
内容積が2.5Lの耐圧反応器中にTFPO 1007g、20質量%のKOH水溶液540g、およびテトラグライム50gを仕込んだ後、反応器内の酸素を真空脱気により除外した。反応器の内温が35℃になるように反応器を温水浴にセットし、HFPを反応器内圧が0.2MPaで一定になるように反応器内に連続的に供給した。HFPの供給量が1146gになるまで反応を継続し、所定量のHFPを消費した時点で反応を終了した。回収した反応粗液から2734gの有機相Dを回収した。回収した有機相DをGC分析した結果を表4に示す。さらに、この有機相Dを理論段数1段の蒸留塔で蒸留し、主留分D 1663gを得た。この主留分DをGC分析した結果を表4に示す。
次に、例2と同じ方法により、得られた主留分D 1000gの塩素処理および後処理を行い、粗液Eを得た。回収した粗液Eの組成をGC分析した結果を表5に示す。さらに、この粗液Eを理論段数10段の蒸留塔で蒸留し、主留分E 940gを得た。この主留分EをGC分析した結果を表5に示す。
本発明により得られる高純度の含フッ素アルキルエーテルは、電子部品の洗浄や、潤滑剤等の溶剤、作動流体として利用できる。
なお、2005年5月17日に出願された日本特許出願2005−144104号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
なお、2005年5月17日に出願された日本特許出願2005−144104号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (6)
- 塩基性触媒存在下に含フッ素アルキルアルコールと含フッ素オレフィンとを反応させて得られる含フッ素アルキルエーテルと、上記反応において副生する不飽和結合を有する不飽和不純物とを含む反応粗液を、塩素ガスと接触させることにより上記不飽和不純物を塩素付加物に変換し、該塩素付加物を分離することを特徴とする含フッ素アルキルエーテルの処理方法。
- 含フッ素アルキルアルコールが式1で表される化合物である請求項1に記載の含フッ素アルキルエーテルの処理方法。
RfCH2OH ・・・式1
(ただし、Rfは−CaHbFdXeであって、Xはフッ素原子以外のハロゲン原子、aおよびdは各々1以上の整数、bおよびeは各々0以上の整数を示し、b+d+e=2a+1である。) - 含フッ素オレフィンが式2で表される化合物である請求項1または2に記載の含フッ素アルキルエーテルの処理方法。
CF2=CYZ ・・・式2
(ただし、Y、Zはそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子またはトリフルオロメチル基を示す。) - 含フッ素オレフィンがヘキサフルオロプロペンである請求項1または2に記載の含フッ素アルキルエーテルの処理方法。
- 塩素ガスと接触させる前の反応粗液中の上記不飽和不純物の含有量が0.03〜20質量%であり、塩素と接触させた後の反応粗液中の上記不飽和不純物の含有量が150ppm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の含フッ素アルキルエーテルの処理方法。
- 上記反応粗液を塩素ガスと接触させて、当該反応粗液中の上記不飽和不純物を塩素付加物に変換した後、蒸留することにより上記塩素付加物を除去する請求項1〜5のいずれかに記載の含フッ素アルキルエーテルの処理方法。
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